特許第6806788号(P6806788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806788
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】内部発光サインを有する積層型乗物風防
(51)【国際特許分類】
   B60J 1/00 20060101AFI20201221BHJP
   G09F 13/20 20060101ALI20201221BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20201221BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20201221BHJP
   G09F 13/06 20060101ALI20201221BHJP
   G02B 27/01 20060101ALI20201221BHJP
   B60K 35/00 20060101ALN20201221BHJP
【FI】
   B60J1/00 J
   G09F13/20 G
   H05B33/14 A
   H05B33/02
   G09F13/06
   G02B27/01
   !B60K35/00 Z
【請求項の数】17
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-549630(P2018-549630)
(86)(22)【出願日】2016年12月13日
(65)【公表番号】特表2019-510673(P2019-510673A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(86)【国際出願番号】FR2016053366
(87)【国際公開番号】WO2017103426
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2019年11月25日
(31)【優先権主張番号】1562338
(32)【優先日】2015年12月14日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン−ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−イブ ラリュエ
(72)【発明者】
【氏名】パスカル ボールレ
【審査官】 宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/041106(WO,A1)
【文献】 特開2014−065489(JP,A)
【文献】 特表2015−513684(JP,A)
【文献】 実開平05−016450(JP,U)
【文献】 特開2009−073336(JP,A)
【文献】 特開2005−122981(JP,A)
【文献】 特開昭61−193925(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2019/0001888(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 1/00
G02B 27/01
G09F 13/06
G09F 13/20
H01L 51/50
H05B 33/02
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の内部発光サインを含む積層型乗物風防(100〜700)であって、
‐特には乗物の外側であることを意図し、F1と呼ばれる第一の主面(11)と、F2と呼ばれる、反対側の第二の主面(12)とを有し、好ましくは最大で2.5mmの厚さE1を有する、第一の湾曲グレージング(1);
‐F3と呼ばれる第三の主面(13)と、特には乗物の内側であることを意図し、F4呼ばれる、反対側の第四の主面(14)とを有し、好ましくは最大で2.2mmの厚さE’1を有する、第二の湾曲グレージング(1’)、ここで、前記第一及び第二のグレージングの少なくとも一方は、鉱物ガラスから作成されている;
ここで、前記第一及び第二のグレージングは、熱成形可能ポリマー材料から作成されている積層中間層(3,33,34,35)により前記面F2及び前記F3を介して一体に結合されおり、前記中間層は、前記面F2側の第一の結合主面(31)及び前記面F3側の第二の結合主面(32)を含む;
‐前記第二の結合面(32)と前記面F3(13)との間に又は前記面F4(14)上にあり、不透明材料から作成されている、内側マスク層(4)と呼ばれる第一の周縁層;
‐前記第一の結合面(31)と前記面F2(12)との間にあって、前記内側マスク層(4)に面し、不透明材料から作成されている、外側マスク層(6)と呼ばれる第二の周縁層;及び
‐第一のサインのための第一の放射源;
を含み、
前記第一の光源が、前記面F2と前記F3の間に、OLEDデバイス(2)と呼ばれる第一の湾曲有機発光ダイオードデバイスを含み、前記第一の湾曲有機発光ダイオードデバイスが、可視光スペクトルの第一の発光を放出することが可能であること、
第一の発光を放出することが可能である前記第一のOLEDデバイスが、第一の発光サインを形成すること、及び
前記第一のOLEDデバイスが前記内側マスク層の領域にあるとき、前記内側マスク層が、前記第一の発光サインを見せるために、通過開口(passing aperture)と呼ばれる第一の開口を含むこと
を特徴とする、積層型乗物風防(100〜700)。
【請求項2】
前記第一のサインは、センチメートル寸法の垂直方向寸法又は高さHの矩形状であって、前記風防と運転者の注視軸との間に角度αをなすように、形成され、前記第一のサインが、見かけの高さH’と呼ばれる垂直方向寸法を特徴とし、HがH=H’/sin(α)で規定されることを特徴とする、請求項1に記載の積層型乗物風防(100〜700)。
【請求項3】
前記第一のOLEDデバイスの全部又は一部が、視野領域に、好ましくは前記不透明内側マスク層の近くに、配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の積層型乗物風防(100〜700)。
【請求項4】
特にはボトム発光型デバイスである前記第一のOLEDデバイスと、前記面F4又は前記面F3側との間に、色フィルタを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層型乗物風防(100〜700)。
【請求項5】
前記色フィルタが着色フィルタ層を含み、前記着色フィルタ層が、前記F3側の下記:
‐前記面F3上;
‐又は、前記第一のOLEDデバイス上、ここに前記第一のOLEDデバイスは特にはボトム発光型デバイスである;
‐又は、前記第一のOLEDデバイスと第二のサインを形成する第二のOLEDデバイスとに共通である湾曲キャリア上、ここに、前記キャリアは、前記第一のOLEDデバイスの前方で透明であり、前記第一のOLEDデバイスは、特にはボトム発光型デバイスである;
にあり、特には前記面F3と接触することを特徴とする、請求項4に記載の積層型乗物風防(100〜700)。
【請求項6】
前記内側マスク層が前記面F3上にあり、前記通過開口(51)に透明層又は着色フィルタ層が充填されており、前記透明層は特には熱成形可能材料から作成されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層型乗物風防(100〜700)。
【請求項7】
第二のOLEDデバイスが、1以上のシンボル及び/又は文字から構成された第二のサインを形成し、そのサインは、前記第一のサインに近くにあり、特には前記第一のサインから少なくとも1cm、さらに良好には少なくとも2cmの間隔があること、及び
湾曲した前記第二のOLEDデバイス(2b)が前記面F2と前記F3の間にあり、前記第二のOLEDデバイスは、前記第一のOLEDデバイスとは別であり、かつ厚さがE2であり、前記第一のOLEDデバイス及び前記第二のOLEDデバイスは、特にはボトム発光型デバイスであり、かつ、前記第一及び第二のOLEDデバイスは、好ましくは、厚さE’2の湾曲共通キャリア(7)上にあり、E2+E’2はE3より小さく、E3は前記積層中間層の厚さであり、E’2は好ましくはセンチメートル未満の寸法であり、前記キャリアはトップ側、したがって発光側、又はボトム側に配置されること
を特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層型乗物風防。
【請求項8】
視野領域では透明であることが好ましい前記共通キャリアが、視野領域にあるときは不可視又は透明であることが好ましい導電体を担持し、前記導電体は、前記第一のOLEDデバイス及び前記第二のOLEDデバイスに電力を供給し、前記第一のOLEDデバイス及び前記第二のOLEDデバイスは、特にはボトム発光型デバイスであり、前記共通キャリアは、好ましくは、第一のマイクロコントローラを含む1以上の第一の電気部品を担持し、前記第一のマイクロコントローラは、前記第一のOLEDデバイスにアドレスし、かつ前記第一のOLEDデバイスの電力供給を制御し、且つ、前記共通キャリアは、好ましくは、第二のマイクロコントローラを含む1以上の第二の電気部品を担持し、前記第二のマイクロコントローラは、前記第二のOLEDデバイスにアドレスし、かつ前記第二のOLEDデバイスの電力供給を制御することを特徴とする、請求項7に記載の積層型乗物風防。
【請求項9】
前記第一のOLEDデバイスは誘電体保護層で覆われ、前記誘電体保護層は任意に導電体を担持し、前記導電体は、前記第一のOLEDデバイスに電力を供給し、かつ好ましくは、視野領域にあるときは不可視又は透明であり、この保護層は、任意に、前記第一のOLEDデバイスの1以上のエッジを超えて延在し、かつ前記第一のOLEDデバイスの近くにあって第二のサインを形成する第二のOLEDデバイスを覆い、前記第一のOLEDデバイス及び前記第二のOLEDデバイスが、特にはボトム発光型デバイスであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層型乗物風防。
【請求項10】
特にはボトム発光型デバイスである前記第一のOLEDデバイスは、前記面F2に、直接に、あるいは前記第一のOLEDデバイスの近くにあり第二のサインを形成する第二のOLEDデバイスと共通であるキャリアを介して、装着され、前記第一の結合主面は、任意に前記第一のOLEDデバイスと一致して、実際任意の前記第二のOLEDデバイスとさえも一致して開口され、特には前記第一のOLEDデバイスに対する積層中間層の余分な厚みは、好ましくは最大で0.4mm又は最大で0.3mmの高さの間隙を残し、前記積層中間層は、好ましくは任意の前記共通キャリアを覆い、又は、前記第一のOLEDデバイスは、前記面F3に、直接に、あるいは前記第一のOLEDデバイスの近くにあり第二のサインを形成する第二のOLEDデバイスと共通であるキャリアを介して、装着され、前記第二の結合主面は、任意に前記第一のOLEDデバイスと一致して、実際任意の前記第二のOLEDデバイスとさえも一致して開口され、特には前記第一のOLEDデバイスに対する記積層中間層の余分な厚みは、好ましくは最大で0.4mm又は最大で0.3mmの高さの間隙を残し、前記積層中間層は、好ましくは任意の前記共通キャリアを覆うことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層型乗物風防。
【請求項11】
前記第一のOLEDデバイスが熱成形可能材料によってカプセル化されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の積層型乗物風防。
【請求項12】
前記熱成形可能材料がポリビニルブチラール(PVB)を含むことを特徴とする、請求項11に記載の積層型乗物風防。
【請求項13】
前記第一のサインを、
‐好ましくは下方エッジにおける、運転者援助;
‐好ましくは下方エッジ、上方エッジ又は運転者側横エッジにおける、自動車の操作状態を表示するステータス表示;
‐上方エッジにおける、天気などの外部環境の情報;及び
‐前席乗員側横エッジにおける、通信ネットワークとの接続性を表示する表示
から選択することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の積層型乗物風防。
【請求項14】
前記内側マスク層及び前記外側マスク層が、同じ材料から作成され、好ましくはエナメルであり、かつ前記F2及び前記F3上に又は前記F2及び前記F4上にあり、任意の前記着色フィルタ層がエナメルであることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の積層型乗物風防。
【請求項15】
前記内側マスク層が、特には、幅L0の運転者側のストリップであり、幅L1>L0の前記第一のサインの領域にあることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の積層型乗物風防。
【請求項16】
前記第一のOLEDデバイスが、第一の基板を含み、かつ前記第一の基板を介して発光すること、及び、任意の第二のOLEDデバイスが、前記第一の基板の近くにあるか前記第一の基板と同一である第二の基板を含み、かつ前記第二の基板を介して発光することを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の積層型乗物風防。
【請求項17】
前記第一のOLEDデバイスが第一の湾曲透明基板を含み、前記第一の湾曲透明基板が、前記面F2側に次の順序で:
‐好ましくは透明な、下部電極;
‐第一の有機発光系;及び
‐好ましくは反射性の、特には金属である、上部電極;
を含み、かつ
前記風防が、任意に、前記面F2と前記F3の間に第二のOLEDデバイスを含み、前記第二のOLEDデバイスが、前記第一のOLEDデバイスの近くにあり、かつ第二のサインをイルミネート可能であり、かつ前記F3側に第二の湾曲透明基板を含み、前記第二の湾曲透明基板が、前記F2面側に次の順序で:
‐好ましくは透明な、下部電極;
‐第二の有機発光系;及び
‐好ましくは反射性の、特には金属である、上部電極;
を含むことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の積層型乗物風防。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光サイン、特に発光ピクトグラムを含む積層型乗物風防の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
風防は、益々、運転を援助することを意図する視覚情報を表示する系を装備している。
【0003】
特許文献WO2013/093351は、発光情報を提供する積層型風防を提案し、下記を含む:
‐不透明であり、黒色エナメルから作成され、最も外側である第一のグレージングの内面と接触して配置された、外側用の周縁第一マスク層;
‐不透明であり、黒色エナメルから作成され、最も内側である第二のグレージングの内面と接触して配置され、ピクトグラムを形成する開口を含む、内側用の周縁第二マスク層;
‐発光ダイオードのアレイのようにUV領域の放射線を発生する源からの光線を吸収し、可視領域の光線を再発光することが可能であるように選択された、発光種がドープされた材料の均一層、前記均一発光層はグレージングに、内側マスク層と外側マスク層の間に配置されている。
【0004】
確かに、提案された解決手段によれば風防のエッジ領域で情報を表示することが可能であり、光線の方向を制御する系を装備するので、高電力であるか又は複雑であるコヒーレントな励起光源の必要なしで、情報を内側だけから視ることができるように、コントラストが十分に高く維持される。
しかし、UV源を用いると、眼の安全の観点からリスクがあり、装置が複雑になる。最後に、発光粒子(luminescent particles)は熱及び漂白に敏感である。したがって、現在この技術はまだ熟していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、内部発光情報を含み、上記の課題を対処することが可能な積層型乗物風防を、制御されたコストで提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
より詳しくは、本発明は、下記を含む、1以上の内部発光サイン(internal luminous sign)を含む積層型乗物風防(laminated vehicle windshields)に関する:
‐第一の湾曲グレージング、これは、好ましくは鉱物ガラスから作成され、任意に着色され(特に灰色又は緑色)、特には乗物の外側であることを意図したF1と呼ばれる第一の主面と、F2と呼ばれる反対側の第二の主面とを有し、好ましくは最大で2.5mm、さらには最大で2.2mm、さらには最大で2mm−特に1.9mm、1.8mm、1.6mm及び1.4mm−又はさら最大で1.3mm又は最大で1mmの厚さE1である;
‐第二の湾曲(丁度第一のグレージングのように)グレージング、これは、好ましくは鉱物ガラスから作成され、F3と呼ばれる第三の主面と、特には乗物の内側であることを意図した、F4と呼ばれる反対側の第四の主面とを有し、好ましくはE1より小さく、さらには最大で2mm−特に1.9mm、1.8mm、1.6mm及び1.4mm‐又はさらには最大で1.3mm又は最大で1mmの厚さE’1であり、グレージングの合計厚さE1+E’1は好ましくは厳密に4mmより小さく、さらには3.7mmより小さい、ここで、第一及び第二のグレージングの少なくとも一方、より良好には両方が鉱物ガラスから作成され、任意に他方は有機ガラス即ちポリカーボネートなどの材料から作成される、
ここで、前記第一及び第二のグレージングは、積層中間層により面F2及びF3を介して一体に接合され、積層中間層は、(クリア又は超クリアな)熱成形可能及び好ましくは熱可塑性のポリマー材料から作成され、面F2側にあり、最大で2.2mm、より良好には最大で2mm、最大で1.5mm、さらには最大で1mmの(合計)厚さE3であり、前記中間層は、例えば1,2又は3枚のシートから作成され、第二のグレージングのエッジ面から(最大で5mm又はさらには最大で2mm又は最大で1mm)セットバックされ、さらには第一のグレージングのエッジ面から(最大で5mm又はさらには最大で2mm又は最大で1mm)セットバックされ、前記中間層は面F2側の第一の結合主面及び面F3側の第二の結合主面を含む、
‐内側マスク層と呼ばれる第一の周縁層、これは、不透明材料から作成され、第二の結合面と面F3の間に、特に面F3の境界に沿って‐特に(直接)面F3上又はさらには(直接)第二の結合面上に−あり、又は、面F4上に、特に面F4の境界に沿って‐特に(直接)面F4上又はさらには(直接)第二の結合面上に‐ある;
‐外側マスク層と呼ばれる第二の周縁層、これは、不透明材料から作成され、第一の結合面と面F2の間にあり、内側マスク層及び任意の通過開口(passing aperture)に面し‐したがって、面F2の境界に沿ってある;及び
‐第一のサインのための第一の発光を放出可能である第一の光源。
【0007】
さらに、第一の光源は、OLEDデバイスと呼ばれる第一の湾曲(可撓性で、軟質ゆえ)有機発光ダイオードデバイスであり、このデバイスは、好ましくは、E3より小さいセンチメートル未満の寸法の厚さE2であり、さらには最大で0.5mm、より良好にはさらに最大で0.35mmであり、特には1枚の熱可塑性シートの厚さに実質的に等しい厚さ、したがって0.76mm、0.38mm又は0.17mmである。このシートは開口されて、任意のキャリア上にOLEDデバイスを収容してよい。
【0008】
第一のOLEDデバイスは、第一のサインを(直接)イルミネートするように、可視光スペクトルの(単色又は多色の)第一の発光を放出することが可能である(独立の第二の発光を放出するように制御可能でもよい)。
【0009】
第一のOLEDデバイスは、1以上のシンボル及び/又は文字から構成される第一の発光サインを形成する。
【0010】
第一のOLEDデバイスが、内側マスク層の領域にあるとき、及びさらに良好には内側及び外側マスク層の間にあるとき、内側マスク層は、第一の発光サインを見せるために、特には幾何学的輪郭(contour)である通過貫通(passing aperture)と呼ばれる第一の開口を含む。
【0011】
第一のOLEDデバイスは、好ましくは第一の(好ましくはポリマーの)湾曲(好ましくは透明な)基板を好ましくは面F3側に含み、前記基板は、下記を次の順序で担持する:任意の(特に鉱物の)単層又は多層のサブ層(特に、湿気又はアルカリ金属に対するバリヤ及び/又はさらには光抽出層等を形成する);好ましくは透明下部電極(基板に最も近い);第一の有機発光系;及び上部電極と呼ばれる好ましくは反射性(金属、例えば、銀又はアルミニウムなどの)電極(基板から最も遠い);及び任意にカプセル化層などの被覆層(堆積層、又は例えば接着接合される等の例えばポリマーのフィルム)。
【0012】
UV源ではなくOLEDデバイスを用いるのは安全である。さらに、それは風防の外部外側ではなく、グレージングの間に存在するので、より良好な集積を確実にし、装着を容易にする。OLED技術は、信頼性があるが、眩しさのない良好なバックライト性能(輝度、着色性、安定性)を得ることが可能であり、積層を可能にする小さい厚さである。
【0013】
可撓性OLEDの可撓性は、グレージングの湾曲によく追従可能である。
【0014】
本出願において、用語「サイン」は、アイコン及び/又は言語記号、即ち、シンボル(数、ピクトグラム、ロゴ、シンボル色、等)及び/又は文字又は単語を用いるもの、を意味すると理解されるべきである。
【0015】
本発明は、横エッジ及び上下エッジで画定される矩形状であって、面F2上及び面F3上又はF2及びF4上にエナメルで作成されるなどの不透明な周縁境界部を有する風防に、特に好適である。
【0016】
それぞれ専用のOLEDデバイスにより形成される第一のサイン及びさらには第二のサイン又は複数のサインは、下記の如く配置されてよい:
‐とりわけサインが運転者の迅速な反応を要する運転者援助(ピクトグラム等)である場合に、特に運転者側に、下方エッジ(搭載位置)に沿って;
‐選択的又は集合的に、特にピクトグラムが運転者援助又は乗物の状態の情報である場合に、上方エッジ(搭載位置)に沿って;
‐選択的又は集合的に、特にピクトグラムが運転者援助又は乗物の状態の情報である場合に、運転者側横エッジ(搭載位置)に沿って;
‐選択的又は集合的に、特に乗員に関するピクトグラムの場合に、乗員側横エッジ(搭載位置)に沿って。
【0017】
第一のOLEDサインは、下記から選択してよい:
‐好ましくは下方エッジにおける、運転者援助;
‐好ましくは下方エッジ、上方エッジ又は運転者側横エッジにおける、自動車の運転状態を表示するステータス表示;
‐上方エッジにおける、天気などの外部環境についての情報;及び
‐フロント乗員側横エッジにおける、通信ネットワークへの接続を表示する表示。
【0018】
第一のOLEDサインは、通過開口又は窓を含む内側マスク層の第一の非開口領域(好ましくは、エナメルから作成され、面F2上の、均一な外観の領域)の背後にあることが好ましい。第一のOLEDサインは、不連続(修飾的)な内側マスク領域の近くにあり、この領域は、第一の非開口領域に近くにあり、特には一組の修飾的パターン(屡々センチメートル未満の寸法であり、0.01〜2cmの間隔があいている)の形をしており、特にはエナメル(非開口領域と同じエナメル)から作成されたものである。例えば、このパターンは、視野領域の中央に向かって寸法が減少する、及び/又は視野領域の中央に向かって間隔が増大する。
【0019】
内側マスク層は風防の1つのエッジに沿うストリップであってよい。運転者(又は副操縦者)が(その人の視線を過剰に下げる必要なく)第一のOLEDサインをより良好に見ることが可能であるように、その幅が局所的に増大することが望ましいことがある。
【0020】
さらに、内側マスク層は、特に上下又は横の運転者(又は乗員)側ストリップ(エナメル製、面F3又はF4上)であってよく、幅L0が最大で5cm、最大で10cm、最大で20cm又は最大で30cmであってよく、第一のサインの幅L1>L0の領域にあってよい。
【0021】
第一のOLEDデバイスは、制御信号に応じて、第一の発光、例えば、赤色、緑色、オレンジ色又は白色の発光を、時間t1に、及び第二の独立の発光、例えば、赤色、緑色、オレンジ色又は白色の発光を、時間t2に、発光することができてよい。
【0022】
好ましくは、第一のOLEDサインは、センチメートル寸法の垂直方向寸法又は高さH(その水平方向寸法は幅Wと呼ばれる)の矩形に形成され、風防と運転者(又は乗員)の注視軸の間に角度αを規定するようなものであり、第一のサインは見かけの高さH’と呼ばれる垂直方向寸法を特徴とするものであり、Hは式H=H’/sin(α)で規定される。
【0023】
例えば、2cm(ターゲット)の見かけの高さH’のサイン及び角度25°の場合、Hは4.7cmである。したがって、歪像(anamorphosis)による訂正は大きくてもよい。
【0024】
例えば、第一のサイン(ピクトグラム)は、1〜10cm及びより良好には2〜5cmのH(又はより良好にはH’)及びW(より良好にはW’)の正方形又は矩形に形成してよい。
【0025】
より少ない程度に、同様に、第一のサインのベースを、そのトップに対して、因子(1+H’/(d tan(α)))(式中、dは運転者(又は乗員)と第一のサインの間の距離である)で広げて、傾斜の効果を補償することを追求することが可能である。
【0026】
第一のOLEDデバイスの全部又は一部は、視界領域、好ましくは不透明内側マスク層の近くに配置してよい。
【0027】
風防は、特に白色発光の第一のOLEDデバイスと面F4(面F4又は面F3側)との間、特には、ボトム発光型OLEDのための第一の透明基板(電極と反対側及び従って面F3側)と面F4(面F4又は面F3側)との間に、色フィルタ(例えば赤色、緑色、青色又はオレンジ色フィルタ)を含んでよい。
【0028】
その発光スペクトルから(例えば標準のセット、又は自動車製造業者の求めによる)所定のカラーコーディネーションを直接に得ることが可能でない場合に、有色OLEDを有するものを用いることも可能である。例えば、光スペクトルが広すぎる場合には、色フィルタは、少なくともその一部をフィルタ除去することを可能にする。
【0029】
色フィルタは好ましくは着色フィルタ層を含み、着色フィルタ層はF3側において:
‐面F3上;
‐又は、第一のOLEDデバイス上、特にボトム発光型OLEDの場合第一の透明基板上(電極及び従って面F3と反対側);
‐又は、第一のOLEDデバイスと、第二のサインを形成する第二のOLEDデバイスとに共通である湾曲キャリア(又は基板さえ)上、前記サポートは、ボトム発光型デバイスであるので面F3側で発光する第一のOLEDデバイスの前方において透明である;
にあり、特には面F3と接触する。
【0030】
OLEDデバイスの発光に対して、選ばれ、特徴付けられ、再生可能な仕方で作用するか又は修正する、(異なる構成及び異なる操作モードを有する)様々なタイプのフィルタ(特に、それらの光透過率はOLEDデバイスの発光と異なるスペクトル分散を有する)を用いることが可能である。それらのフィルタは、堆積による又はバルクに色付けした、着色透明ポリマー、着色ガラスであってよく、又は以下で説明するようにOLED又は積層中間層等に堆積した層であってもよい。
【0031】
上記のように、1以上の吸収フィルタ(その吸収は特にガラス又はプラスチックで作成されたマトリックスに、適切に添加される無機又は有機化合物により制御される)が好ましく用いられる。このタイプのフィルタは、例えば、1以上の有機又は無機顔料又は染料(任意に媒体、特にシリコーン、エポキシ又はアクリル樹脂、UV硬化性インク又は鉱物ゾルゲルのマトリックスに溶解又は分散される)を共通キャリア(そのトップ面)などの透明担持部材の表面に堆積して形成してもよい。この部材は、グレージング材料(ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス、又はそれは第二のグレージングの面F3又はF4の一方、好ましくは面F3又はさらにはOLEDデバイスの発光面の問題であってよい)、又はプラスチック/ポリマー(特に熱安定化されたポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリレート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のポリマーのシート、又はそれは積層中間層の1面又はさらにはOLEDデバイスの発光面の問題であってよい)であってよく、これらのフィルタの例は特にはゼラチン基フィルタ又はLee Filters又はRoscoから販売されるポリマー色フィルタである。好ましくは、担持部材は、第二のグレージング、OLED、又はOLEDデバイスと第二のグレージングとの間に配置された積層中間層である。堆積は、スクリーン印刷、インクジェット又はレーザ印刷、スプレーコーティング、ディップコーティング、ロールコーティング等で実施してよく、好ましくは、特に第二のグレージング及び/又はOLEDデバイス(及び/又は任意に積層中間層などの中間部材上)に、スクリーン印刷又はインクジェット印刷で、特に及び有利にはインクジェット印刷で、実施してよい。
【0032】
上記のフィルタを製造するために用いる着色物質(特に染料又は顔料)は耐熱性であることが好ましいことに気付かれるであろう。例えば、任意にポリ塩素化された銅フタロシアニン顔料が有利に用いられ、これらの顔料は混合物として、また樹脂、特に架橋可能ポリシロキサン樹脂に分散して用いられ、この混合物は例えば(そして有利には)特にスクリーン印刷法で適用される。インクジェット印刷法の場合、用いるインクは特に温度及び光に安定であるUV硬化インク、例えばAgfaが販売するAnapurna Mインクであってよい。
【0033】
吸収フィルタは、有利には、観察の入射角度に係わらずに、選択された効果又は色を得ることを可能にする。
【0034】
もう1つの態様では、光の反射(この反射は特には様々の材料で作成された薄層の積層体内で起きる干渉によって制御され、その薄層は光の波長より小さい厚さの層である)で作用する1以上のフィルタ、特に二色フィルタ、半反射性干渉(層)積層体に基づくフィルタが用いられる。このようなフィルタは、例えば、交互の低及び高反射率層の(真空)物理的堆積法(PVD)(スパッタ、マグトロンスパッタ、蒸着)又は化学的気相堆積法(CVD)で製造でき、堆積基板はグレージング材料又はポリマーで実施できる。
【0035】
反射フィルタは運転者の注視軸に選択された効果又は色を得ることを可能にするが、認められる効果又は色は、別の入射では異なる可能性がある。
【0036】
内側マスク層は面F3にあってよく、通過開口には、特に熱成形可能(熱可塑性)材料(好ましくはPVB)で作成された透明層又は上記のような着色フィルタ層が、充填されてよい。
【0037】
第一のOLEDデバイスは、好ましくは、下記を次の順序で含む:
‐好ましくは面F3側の、(第一の)基板(好ましくは誘電体、特には透明であり:プラスチック又はガラス膜である);
‐任意に、1以上の機能層:
‐湿分バリヤ層(基板がプラスチックのとき)又はアルカリ金属バリヤ層(基板がガラスのとき)、
‐及び/又は、光抽出層:散乱層、例えば、グレージング基板の場合には、散乱粒子を含むエナメル又は他の鉱物(ゾルゲル等)又は有機バインダ、又はプラスチック基板の場合には、散乱粒子を含む有機(樹脂)又は鉱物(ゾルゲル)バインダ、
‐好ましくは透明の、下部電極(アノード);
‐第一の有機発光系(各種の色の発光体を複数積層してよい);
‐及び、好ましくは反射性の、上部電極;
‐及び、任意に、カプセル化層(堆積されるか又は例えばポリマーであり、例えば接着剤で上部電極等に接合されるフィルム)などの被覆層、被覆層は(特にPVBの)積層中間層と接触させてもよい;
‐及び、任意に、カプセル化層などの第一の被覆層(堆積されたもの、又は例えば上部電極等に接着接合された例えばポリマーのフィルム)。
被覆層は、(特にPVB)積層中間層と接触してよい。
【0038】
第二のOLEDデバイス(又はさらに多くのOLED)を面F2及び面F3の間に用いる場合、それ(それら)は同じ構造であってよく、特に下記を含んでもよい:
‐好ましくは、面F3側に、第一の基板(共通基板)又は別の第二の(近くの)基板のいずれかである、基板(好ましくは誘電体、特に透明であり:ガラス又はプラスチックフィルムである);
‐任意に、1以上の機能層:
‐湿分バリヤ層(基板がプラスチックの場合)又はアルカリ金属バリヤ層(基板がガラスである場合)、
‐及び/又は、光抽出層:散乱層、例えば、グレージング基板の場合、散乱粒子を含むエナメル又は他の鉱物(ゾルゲル等)又は有機バインダ、又はプラスチック基板の場合、散乱粒子を含む有機(樹脂)又は鉱物(ゾルゲル)バインダ;
‐好ましくは透明な、下部電極(アノード);
‐第一の系と同じ又は別の色の、第二の有機発光系(様々な色の複数の発光体を積層してよい);
‐及び、好ましくは反射性の、上部電極;
‐及び、任意に、カプセル化層などの被覆層(堆積され、又は上部電極等に例えば接着接合された例えばポリマーであるフィルム)。第一及び第二のOLEDデバイスは、特に、近くにあり、基板側又は上部電極側(電極又は被覆層上)である共通キャリア(特に導電体等を保護及び/又は担持するための、プラスチックフィルム)上にあってよい。
【0039】
複数の種類のOLEDが知られている:
‐ボトム発光型OLED(透明基板を通して発光)、下部電極は透明であり、上部電極は反射性である;
‐トップ発光型OLED(上部電極を通して出力)、下部電極は反射性であり、上部電極は透明である;及び
‐透明又は半透明電極を用いるボトム及びトップ発光型OLED。
【0040】
好ましくは、第一のOLEDデバイスはボトム発光型デバイスであり、よって基板は面F3(F2ではない)側であり、かつ、同様に、第二の(さらには他の)近くのOLEDデバイスはボトム発光型デバイスであり、任意に共通基板を有する。
【0041】
各(好ましくは下部)透明電極は、金属格子(例えば銀(適当な幅の)製)、又は透明導電層(例えば、透明導電性酸化物(TCO)層)、又は2つの誘電体層(例えば1以上の金属(Sn、Zn等)又はケイ素の酸化物及び/又は窒化物)の間に少なくとも1層の(薄い)金属層(特に銀製)を含む薄層の積層体、であってよい。
【0042】
第一のOLEDデバイスは、発光領域の周縁部に電力を供給するための1以上のテクニカルエッジ(非発光領域)を有してよく、このテクニカルエッジは、典型的には特に発光領域の脇(側部)にある1以上のストリップからなる。このテクニカルエッジは、電流分配領域であってよい。テクニカルエッジの幅W2は、最大で2cmであり、好ましくは最大で1cmであるが、又は最大で6mm又は5mmであってもよい。
【0043】
1以上の通過開口は、好ましくは、その形状を調整した内側マスク層の開口であり、これらの開口は、材料を除去するか、あるいは不透明層を堆積する際にマスクすることで形成してよい。
【0044】
第一のサインと隣の第二の及び他のサインは、特にマスク領域に(背後に)あれば、重なるのではなく、単一の列として並んでいることが望ましいことがある。
【0045】
好ましくは、(好ましくはエナメルの)内側マスク層は、第一のOLEDデバイスの1以上のテクニカルエッジをマスクし、また、面F2及び面F3の間にあり、第一のOLEDデバイスに接続されているいかなる電気的接続手段(マスクしなければ見える)、即ち、ケーブル、1以上のワイヤ、導電性フィルム(膜)などの接続手段をもマスクしてよい。
【0046】
好ましくは、第一のOLEDデバイス(の幅及び/又は高さ)は、OLEDの発光領域が通過不連続部(passage discontinuity)と容易に面するために、第一のサインを例えば少なくとも5mm、さらには少なくとも1cm超えて、延在してもよい。
【0047】
また、好ましくは、(好ましくはエナメルの)内側マスク層は、第一のOLEDデバイスの1以上のテクニカルエッジをマスクし、また、面F2及び面F3の間にあり、第一のOLEDデバイスに接続されているいかなる電気的接続手段(マスクしなければ見える)、即ち、ケーブル、1以上のワイヤ、導電性フィルム(膜)などの接続手段をもマスクしてよい。
【0048】
所与の周縁領域では、複数の発光サイン(ピクトグラム等)が(例えば整列し又は風防の隅などに)並んでいることが望ましいことがある。
【0049】
好ましくは、第二のOLEDデバイスが、同様に、1以上のシンボル及び/又は文字により構成される第二のサインをも形成し、特にこのサインは第一のサインの近くに少なくとも1cm、より良好には少なくとも2cm(既に述べたように最も屡々少なくとも5mmであるテクニカルエッジのゆえに)離れてある。したがって、第二の湾曲有機発光ダイオードデバイス、即ち、OLEDデバイスは、面F2及び面F3の間にあり、前記第二のOLEDデバイスは第一のOLEDデバイスとは別である。
【0050】
さらに、第一及び第二のOLEDデバイスは、共通キャリア(任意に共通基板を形成している)上にある(搭載される)ことが好ましく、好ましくはセンチメートル未満の寸法の厚さE2’(E2+E’2はE3より小さい)である湾曲共通キャリア(1以上の基板とは別である)に搭載されることが好ましく、したがって、発光側又はボトム側である。特に、共通キャリア(好ましくはプラスチックフィルム)は、発光側(面F3側)において、特にボトム発光型であるOLEDの第一及び第二の基板に、当面して又は接着接合されてよい。特に、共通キャリアは、ボトム(面F2)側において、特にボトム発光型であるOLEDの第一及び第二の上部電極、又は第一及び第二の上部電極上にある第一及び第二の被覆層に、当面して又は接着接合されてよい。
【0051】
第一及び第二のOLEDデバイスは、特にはボトム発光型であるが、特には、共通キャリアに接着剤(グルー、両面接着剤)で接合され、又は共通キャリア上に配置されている。第一及び第二のOLEDデバイスは、1以上の半田バンプ、例えば2又は4個の半田バンプによって共通キャリアに接合されてよい。
【0052】
この共通キャリアは、最大で0.15mm及びさらには最大で0.1mmの厚さE2’でよい。その一般的形状は、第一の(上下又は横)エッジに沿った矩形ストリップ(バンド)の形状でよく、前記ストリップは任意に電気接続のためのドッグレッグ部を伴ってL字型である。
【0053】
この共通キャリアは、誘電体でよく、さらには透明であってよい:
‐特に化学的強化ガラス;
‐又は、プラスチック:例えばPET;
‐又は、さらには導電性金属シート(ボトム側の場合)。
【0054】
共通キャリアは有利には下記の役割をする:
‐1組の既設のOLEDをより容易に取り扱い、組み立てる;
‐より容易に電気接続を製造する;
‐機械的強化。
【0055】
共通キャリアは、ボトム側で、面F2に当面して又は接着剤(両面接着剤、グルー)で接合されてよく、共通キャリアは、トップ(発光体)側で、F3に当面して又は接着剤(両面接着剤、グルー)で接合されてよい。共通キャリアは、ボトム側で、面F2から特にPVBから作成された積層中間層を介して分離されてよい。共通キャリアは、トップ側で、面F3から積層中間層を介して分離されてよい。
【0056】
共通キャリアは、トップ側又はボトム側で、特にPVBから作成された2又は3枚のシート(中央シートは共通キャリアを収容するために開口されている)を積層のために用いる場合には、積層中間層にカプセル化されてよい。
【0057】
共通キャリアは下記であってよい:
‐第一のOLEDデバイス及び第二のOLEDデバイスに電力を供給する導電体(ワイヤ、トラック、絶縁不連続部を有する層、等)を担持し、特に内側マスク層(及び/又は任意に乗物のトリム、ダッシュボード等)でマスクされている;
‐及び/又は、風防(ドッグレッグされている場合、風防のエッジ面を超えて延在するドッグレッグ部又はストリップを有する)のエッジ面を超えて延在する、及び/又は面F4(の境界)まで湾曲及び延在し、面F4に当面して又は接着接合する;
‐及び/又は、第一のOLEDデバイスにアドレスして第一のOLEDデバイスの電力供給(好ましくは電流)を制御する第一のマイクロコントローラ(ドライバ)を含む1以上の第一の電気部品、及び、さらには、第二のOLEDデバイスにアドレスして第二のOLEDデバイスの電力供給(好ましくは電流)を制御する第二のマイクロコントローラ(ドライバ)を含む1以上の第二の電気部品を担持する。
【0058】
各マイクロコントローラは、制御信号において命令がその専用のサインを意図しているかを判断し、それに応じてレベル(例えば電流の大きさ)を調整する。
【0059】
共通キャリアの各OLEDには、好ましくは、専用のマイクロコントローラでデコードされた制御信号のための2つの導電体、及びマイクロコントローラに接続された電力信号のための2つの導電体がある。
【0060】
ピクトグラムのサブセット、例えば、バー及び/又は文字との結合体を、選択的にリアルタイムにイルミネートして、(オイル、ガソリン)レベル、速度、摩耗状態等の表示を簡単に形成してよい。
【0061】
さらには、OLEDの電力を少なくとも2つの態様の間で調整する手段を提供してよい:第一のOLEDデバイスの電力を調整して第一のサインの明るさが典型的には約30Cd/mと約100Cd/mの間である夜間運転の態様と、第一のOLEDデバイスの電力を調整して第一のサインの明るさが典型的には約200Cd/mと約2000Cd/mの間である昼間運転の態様。昼間には、明るさを、特に風防又は乗物のどこかで自然光を感知するセンサを用いて、外部明暗条件に応じて調整することが可能であってよい:非常に晴れであるときはOLEDが強く発光し、曇りのときは眩惑しないように弱く発光することが可能であってもよい。
【0062】
必要であれば、共通キャリア及びOLEDデバイスアセンブリを透明保護フィルム又は透明保護ワニスで覆ってもよい。例えば、それは例えばMARABUからMARABU GL 914(登録商標)として販売されるものと同じ、透明保護エポキシワニスの問題である。
【0063】
共通キャリアは、トップ側に配置される場合、透明(PET又はポリアミドなどの材料)であり、共通の色フィルタ又はそれを要求するいずれかのOLEDデバイスに専用の色フィルタ(フィルタアセンブリ側又はアセンブリの反対側)、特に1組の染料層を担持してもよい。
【0064】
第一のOLEDデバイス、特にボトム発光型は、誘電体保護層で被覆されてもよく、誘電体保護層は第一のOLEDデバイスに電力を供給する導電体を任意に担持してよい。この層は、コンタクト接着フィルム、又は接着剤主面を有するフィルム、又はさらには堆積層(ワニス、樹脂、湿式堆積物)である。任意に、この保護層は、第一のOLEDデバイスの1以上のエッジを超えて延在してよく、そして、第一のOLEDデバイスの近くにあり、第二のピクトグラムを形成する第二のOLEDデバイスを被覆してよい。
【0065】
保護層が第一のOLEDデバイスの1以上のエッジを超えて延在する場合、それは発光側(透明であることを選択される上部電極側)、又は発光側と反対側(反射性であることを選択され、特にアルミニウム又は銀から作成される上部電極上)であってよい。
【0066】
保護層が第一のOLEDデバイスの1以上のエッジを超えて延在する場合、それは下記であってよい:
‐第一及び第二のOLEDデバイス(特にボトム発光型である)を担持し、特には別の第一及び第二の基板を担持するフィルム;
‐第一及び第二のOLEDデバイス(特にボトム発光型である)を担持する共通キャリア(ガラス、プラスチックフィルム等)を被覆する接着フィルム‐これは共通基板であってよい‐;
‐第一のOLEDデバイスが、特にはボトム発光型であるが、面F2に当面するか又は接着剤で(予備)接合する場合(第二のOLEDデバイスのように)、面F2上の接着フィルム;
‐第一及び第二のOLEDデバイス(特にボトム発光型である)を担持する共通キャリア(共通基板でもよい)上に堆積した層。
【0067】
また、第一のOLEDデバイスは、積層中間層に関して複数の態様で配置されてよい。
【0068】
第一の実施態様では:
‐第一のOLEDデバイスは、特にはボトム発光型デバイスであるが、面F2上に、直接に、又は、第一のOLEDデバイスの近くにありかつ第二のサインを形成する第二のOLEDデバイスと共通であるキャリアを介して、搭載される。前記第一のOLEDデバイスは、特には両面接着剤で接着接合され、第一の結合主面は、任意に、第一のOLEDデバイス(活性領域及びテクニカルエッジ)と一致して開口され、第一のOLEDデバイスに対する積層中間層の余分な厚さが好ましくは最大で0.4mm又は最大で0.3mmの高さである間隙を残して、実際、任意の第二のOLEDデバイスと一致してでもよい。積層中間層は好ましくは任意の共通キャリアを被覆する(それをカプセル化さえする);
‐又は、第一のOLEDデバイスは、特にはボトム発光型デバイスであるが、面F3上に、直接に、又は、第一のOLEDデバイスの近くにあり、かつ第二のサインを形成する第二のOLEDデバイスと共通であるキャリアを介して、搭載される。前記第一のOLEDデバイスは、特には透明両面接着剤で接着接合され、第二の結合主面は、任意に、第一のOLEDデバイス(活性領域及びテクニカルエッジ)と一致してそして実際に任意の第二のOLEDデバイスと一致して開口され、特には、第一のOLEDデバイスに対する積層中間層の余分の厚さは好ましくは最大で0.4mm又は最大で0.3mmの高さの間隙を残してよい。積層中間層は好ましくは任意の共通キャリアを被覆する(それをカプセル化さえする)。
【0069】
穴を第一のOLEDデバイスと一致して(plumb with)形成すると、より良好な積層を確実にすることを可能にする。
【0070】
第一のOLEDデバイスが0.15mm又はさらにより良好には0.1mmより小さい厚さE2であると、それを2つの層間シートの間に容易に積層することが可能である。
【0071】
第一のOLEDデバイスが0.15mm又はさらには0.1mmより大きい厚さであると、それを3つの層間シートと、また好ましくはE2又はE’2+E2(共通キャリア上である場合)に実質的に等しい厚さの中央シートと、積層するのに好ましい。
【0072】
中央シート又は単一シートに溜め(reserve)を形成してもよい:
‐第一のOLEDデバイスを収容するために(個々の場合);
‐第一のOLEDデバイスを担持する共通キャリアを収容するために。
【0073】
それが単一のシートであるか否かによって、OLEDデバイスだけを収容する多くの溜めを形成して、このシートがOLEDデバイスを担持する共通キャリアを被覆してもよい。
【0074】
第一のOLEDデバイスは積層中間層内にあるので、第一のOLEDデバイスは、F2側の積層中間層のゼロでない厚さE21の熱成形可能材料を用いて、又はF3側のゼロでない厚さE22の熱成形可能材料を用いて(E21とE22は同じである必要はない)、カプセル化してもよい。
【0075】
前記中間層を作成する熱成形可能材料は、ポリビニルブチラール(PVB)、可塑化ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)又はエチレンビニルアセテート(EVA)を含む群から選択してよい。好ましくは、熱成形可能材料は、ポリビニルブチラール(PVB)であり、任意に積層型グレージングのトップからボトムへ減少するくさび形の横断面を有する。
【0076】
積層中間層は、特に追加ヘッドアップディスプレイ(HUD)の場合に二重画像を避けるために、積層型風防のトップからボトムへ減少するくさび形の横断面を有してよい。
【0077】
風防の音響性能を保持することが望ましいことがある。そこで、積層中間層(lamination interlayer)は、振動音響減衰特性を有する粘弾性プラスチックから作成され、特にポリビニルブチラールと可塑剤に基づく、ミドル層(middle layer)と呼ばれるものを少なくとも含み、中間層(interlayer)がさらに標準PVBから作成された2つの外側層を含み、ミドル層(middle layer)が2つの外側層の間にあってもよい。
【0078】
さらに、ヘッドアップディスプレイ型デバイスの使用のために提供すべきであれば、2つの外側層の1つは、任意に積層型グレージングのトップからボトムへ減少するくさび形の横断面を有し、振動音響減衰特性を有する粘弾性プラスチックで作成される層は、積層型グレージングのトップからボトムまで一定の横断面を有してよい。
【0079】
内側(外側、それぞれの)マスク層は、好ましくは面F2(それぞれF3又はF4)上、又は積層中間層上、又はさらには追加の(PET等)キャリアフィルム上の、黒色エナメルの層、ペイントの層又は不透明インクであってよい。
【0080】
有利には、外側及び内側マスク層は同じ材料(好ましくはエナメル、特に黒色エナメル)から作成し、F2及びF3上又はF2及びF4上にある。
【0081】
第一のグレージング及び同様に第二のグレージングは、そのペイン又は主面が矩形、正方形又はさらにはその他のあらゆる形状(円形、楕円形、多角形)を有する平行六面体でよい。それは大きい寸法でよく、例えば0.5m〜1m2より大きい面積でよい。
【0082】
第一及び/又は第二のグレージングは、(美観演出や所望の光学効果に応じて)クリアガラス(厚さ4mmで90%以上の光透過率T)、例えば、標準ソーダライム組成のガラス、例えば、Saint−Gobain Glass製Planilux(登録商標)、又は超クリアガラス(厚さ4mmで91.5%以上のT)、例えば0.05%未満のFe III又はFeのソーダライムシリカガラス、例えば、Saint−Gobain Glass製ガラスDiamant(登録商標)又はPilkington製ガラスOptiwhite(登録商標)又はSchott製ガラスB270(登録商標)、又はWO04/025334に記載されている他の組成のガラスであってよい。
【0083】
第一及び/又は第二のグレージングのガラスは、中性(非着色)、(僅かに)着色、特に灰色又は緑色、例えば、Saint−Gobain Glass製のガラスVENUS又はTSAでよい。第一及び/又は第二のグレージングのガラスは、化学的又は熱的処理、例えば、タフニング、アニーリング又はテンパリング処理(特に良好な機械強度を得るために)をされるか、又はセミテンパリングされてよい。
【0084】
光透過率Tは、標準ISO 9050:2003に従い、発光D65を用いて測定でき、直接透過及び可能な拡散透過を考慮した全透過率(特に全可視光領域で集約されかつ人の眼の感覚曲線で重み付けされたもの)であり、測定は例えば集積球を装備した分光器を用いて実施し、所定の厚さで測定後に必要であれば標準ISO 9050:2003に従い規準の厚さ4mmに換算する。
【0085】
風防では、Tは好ましくは少なくとも70%、さらには少なくとも75%であってよい。
【0086】
1つの実施態様では、第一のグレージングは、鉱物ガラスから作成され、第二のグレージングは、有機ガラス(例えばPC、PMMA)、環状オレフィンコポリマー(COC)又はさらにはポリエチレンテレフタレート(PET)から作成され、任意にコーティング(面F4側)で保護されている。
【0087】
外側グレージングは、面F1及びF2の一方又は実際その両方で薄い機能層を含んでよい:面F1上の疎水性又は自己浄化性光触媒層、又は面F2で太陽光線を反射する層又は薄層積層体(1以上のキャパシタセンサ、アンテナ等を形成するように働く)を例示できる。
【0088】
乗員室の加熱を制限し、エアコンの使用を制限するために、グレージングの少なくとも一方(好ましくは外側ガラス)を着色し、また積層型グレージングが太陽光線を反射又は吸収する層を、好ましくは面F4上又は面F2又はF3上に含んでもよい、特に:
‐TCO層と呼ばれる透明導電性酸化物の層(面F4側)、又は少なくとも1層のTCO層を含む薄層積層体;及び/又は
‐(F2又はF3側に)少なくとも1層の銀層を含み、各銀層は誘電体層の間にある薄層積層体。
面F2及び/又はF3上の(銀含有)層、及び面F4上のTCO層の両方を、配置することが可能である。
【0089】
TCO層(透明導電性酸化物)は、好ましくはフッ素ドープスズ酸化物(SnO:F)層又はインジウムスズ酸化物(ITO)層である。ITO層では、厚さは一般的に少なくとも40nm、又はさらに少なくとも50nm、さらには少なくとも70nm、そして屡々最大で150nm又は最大で200nmであろう。フッ素ドープスズ酸化物層では、厚さは一般的に少なくとも120nm又はさらに少なくとも200nm、そして屡々最大で500nmであろう。例えば、低発光率層は次の順序で含む:高係数サブ層/低係数サブ層/TCO層/任意の誘電体被覆層。低発光率層(強化の際に保護されている)の例として、次を選択してよい:高係数サブ層(<40nm)/低係数サブ層(<30nm)/ITO層/高係数被覆層(5〜15nm)/低係数バリヤ被覆層(<90nm)/終層(<10nm)。低発光率層の好ましい例として、米国特許出願公開2015/0146286号、F4側、特に例1〜3に記載されている層を挙げることができる。
【0090】
F3又はF4上の透明層は、色の理由から、(第一のOLEDデバイスの)第一のサインに面する領域で、電気的に絶縁されているか、又は存在しないでもよい。
【0091】
したがって、面F3が加熱層を含み、加熱層は、好ましくは伝導性が中性であり、任意にF3上の内側マスク層の下にあり、この層の上には第一及び第二の電流分配ストリップが載せられてよく、これらのストリップは、典型的には第一及び第二の上下エッジにあり、特に不透明であり、例えば銀含有エナメルから作成されてよい。
【0092】
さらに、第一のOLEDサインは、特に第一の上下エッジ上にあるとき、F3上の加熱層の不透明な第一の電流分配ストリップから分離されていてよい。第一の電流分配ストリップは第一のサインよりさらに中心にあってよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
本発明及びその利点は、下記の図を参照して以下に説明する、非限定的な実施態様の説明を読むことによりよく理解される。
図1(1)】図1は、本発明による内部発光サインを含む第一の風防の乗員室側前方視野を示す図である。
図1(2)】図1’は、本発明による内部発光サインを含む第二の風防の乗員室側前方視野を示す図である。
図1(3)】図1’’は、本発明による内部発光サインを含む第三の風防の乗員室側前方視野を部分的に示す図である。
図1(4)】図1iは、本発明による内部発光サインを有する風防の傾斜を示す側面図であり、図1jは、傾斜の効果を補償するために垂直方向に展開したサインを示す図である。
図1(5)】図1aは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の部分横断面図である。図1bは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の部分縦断面図である。
図2(1)】図2aは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の部分横断面図である。図2bは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の部分縦断面図である。
図2(2)】図2cは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の部分横断面図である。図2dは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の部分縦断面図である。
図3(1)】図3は、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の分解部分縦断面図である。
図3(2)】図3aは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の分解部分横断面図である。
図3(3)】図3bは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の分解部分横断面図である。
図4図4は、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の分解部分縦断面図である。
図5(1)】図5は、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の分解部分縦断面図である。
図5(2)】図5’は、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の分解部分横断面図である。
図6(1)】図6は、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の分解部分縦断面図である。
図6(2)】図6’は、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の分解部分横断面図である。
図7図7は、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の部分断面図である。
図8図8は、2つのOLEDデバイスを担持し、電流分配導体を担持する共通キャリアであって、風防に積層された共通キャリアの斜視図である。
図9図9は、2つのOLEDデバイスを担持し、2つのマイクロコントローラの電流分配導体を担持する共通キャリアであって、風防に積層された共通キャリアの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0094】
図1は、本発明による内部発光サインを含む風防の乗員室側前方視野を示す図である。
【0095】
風防1000は、積層されており、主面F1(最外面)及びF2を有する第一の湾曲外側グレージング、PVBなどの材料で作成されたポリマー積層中間層、並びに主面F3及びF4(最内面)を有する第二の湾曲内側グレージング1’を含む。
【0096】
それは、その横及び上下エッジによって画定される矩形状であり、面F2上及び面F3上、又はF2及びF4上に、ここでは黒色である不透明周囲境界を有する。
【0097】
内側マスク層4は、不透明であり、内側ガラス1’の面13又はF3又は面14又はF4に堆積された黒色エナメルから作成されるか、ポリマー中間層(interlayer)に堆積されたペイント、又は光学的に不透明なインクから作成されるか、又は、内側ガラスと中間層の間に積層された、追加の着色又はペイントされた不透明ポリマー層から作成されてよい。
【0098】
この層は、当業者に公知の技法のいずれかを用いて、例えば、限定するわけではないが、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、又はさらにはロトグラビア法、フレキソグラフィック法又はオフセット印刷法を用いて作成される。
【0099】
この層4は、特には、ピクトグラムなどの発光サインを形成するOLEDデバイスのための(サインの一般的輪郭に応じた)幾何学的(矩形、正方形、又は三角形、円形さえの)輪郭の通過開口を形成する不連続部51を含む。
【0100】
複数の専用のOLEDサインは、とりわけサインが運転者援助(運転者による迅速な反応が必要である)の場合に、下方エッジ15a(搭載位置)に、特に運転者側に、配置される。例えばOLEDデバイスは共通キャリア7上にある。下記を挙げることができる:
‐制限速度に近づいたときに、任意に赤色又は任意にオレンジ色にライトアップされる、超過速度を表示する表示(“SPEED”の文字);
‐例えば、乗物が前方の乗物(自動車、オートバイ等)に、過剰に、即ち、停止距離を無視して、近づいたときに、起動する正面衝突防止診断;
‐危険な場合に起動するハザード警告光。
【0101】
複数のOLEDサインは、上方エッジ15b(搭載位置)に、特に従来バックミラーを取り付けるために用いる中央位置に配置され、OLEDデバイスは例えば共通キャリア7上にある。
【0102】
複数の専用のOLEDサインは、左横エッジ15c(搭載位置)に配置され、OLEDデバイスは例えば共通キャリア7上にある。下記を挙げることができる:
‐乗物の状態(オイル量、温度、ドアの不完全閉鎖、シートベルトの不着用)を示すピクトグラム;
‐ライトのオンオフを示すピクトグラム。
【0103】
複数の専用のOLEDサインは、右側横エッジ15d(搭載位置)に配置され、OLEDデバイスは、例えば共通キャリア7上にある。下記を挙げることができる:
−ドア(不完全閉鎖)、安全ベルト(不着用)についてのピクトグラム;
‐エアコン、ファンについてのピクトグラム;
‐外部環境についての情報を与えるピクトグラム:
‐友人が乗物の近くにいることの表示;
‐電話ネットワークへの接続を表示する表示。
【0104】
エナメルストリップ4の幅はOLEDサインの領域より長いことが賢明である。
【0105】
図1’は、本発明による内部発光サインを含む第二の風防の乗員室側前方視野を示す。
【0106】
複数の専用のOLEDサインは、下方エッジ15aに沿って、運転者側(搭載位置)に配置され、OLEDデバイスは、例えば共通キャリア7上にある。下記を挙げることができる:
‐例えば左側車線の乗物及び/又は追い越し乗物が、異常接近したときに、起動する左側面衝突防止診断;
‐例えば右側車線の乗物が、異常接近したときに、起動する右側面衝突防止診断;
‐例えば運転中の乗物が、その車線の左から離れすぎているか、又は右から離れすぎているときに、起動する車線位置診断。
【0107】
共通キャリアは、例えばここでは左横エッジ15c及び上方エッジ15b上に、コーナーの各サイドが広がるように、L字型であってもよい。
【0108】
図1’’は、本発明による内部発光サインを含む第三の風防の部分乗員室側前方視野を示す。
【0109】
OLEDピクトグラム、例えばここではハザード警告光は、このピクトグラムに専用の格別の厚さのエナメルで、他のピクトグラムから単離されてもよい。例えば、第一のOLEDデバイスは、ここでは面F2又はF3上に搭載されるか、又は面F2及びF3の間に(共通キャリアなしで)積層される。
【0110】
図1iは、本発明による内部発光サインを有する風防の急傾斜、実際の高さH、見かけの高さH’(対向して位置する運転者から見た)を示す側面図である。
【0111】
例えば、角度αは約25°である。
【0112】
さらに、図1jは傾斜の効果を補償するために垂直方向に伸長したサインを示す。
【0113】
図1aは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防100aの部分横断面図である。1以上の内部発光サインを含む積層型乗物風防100aは、下記を含む:
‐第一の湾曲グレージング、これは、好ましくは鉱物ガラスから作成され、任意に着色され(特に灰色又は緑色)、乗物の外側であることを意図したF1と呼ばれる第一の主面と、F2と呼ばれる反対側の第二の主面とを有し、好ましくは最大で2.5mm、さらには最大で2mm(特に1.9mm、1.8mm、1.6mm及び1.4mm)又はさらには最大で1.3mm又は最大で1mmの高さE1である;
‐第二の湾曲(第一のグレージングと丁度同じ様に)グレージング、これは、好ましくは鉱物ガラスから作成され、F3と呼ばれる第三の主面と、特には乗物の内側であることを意図したF4と呼ばれる反対側の第四の主面とを有し、好ましくはE1より小さく、さらには最大で2mm(特に1.9mm、1.8mm、1.6mm、1.4mm)又はさらには最大で1.3mm又は最大で1mmの厚さE’1であり、グレージングの合計厚さE1+E’1は、好ましくは、厳密に4mmより小さく、さらには3.7mmより小さいことが好ましい;
ここに、前記第一及び第二のグレージングは、積層中間層によって面F2及び面F3を介して一体に接続されており、積層中間層は、(クリア又は超クリアの)熱成形可能で、好ましくは熱可塑性のポリマー材料、PVBさえ、から作成され、その(合計)厚さE3は、最大で2.2mm、より良好にはさらに最大で2mm、最大で1.5mm又はさらには最大で1mmであり、前記中間層は、例えば1、2又は3枚のシートから作成され、特に第二のグレージングのエッジ面からセットバック(最大で5mm又はさらには最大で2mm又は最大で1mm)され、さらには第一のグレージングのエッジ面からセットバック(最大で5mm又はさらには最大で2mm又は最大で1mm)され、前記中間層は、面F2側の第一の結合主面と、面F3側の第二の結合主面とを含む;
‐内側マスク層4と呼ばれる第一の周縁層、これは、不透明材料から作成され、面F3の境界に沿って、面F4上で、特に面F4の境界に沿って−特に(直接に)面F4上で−、不連続であって、したがって窓を形成する第一の不連続部51を含む;及び
‐外側マスク層6と呼ばれる第二の周縁層、これは、不透明材料から作成され、面F2上にあり、面F2の境界に沿って、内側マスク層及び1以上の第一の不連続部と面する。
【0114】
さらに、OLEDデバイスと呼ばれる第一の湾曲(可撓性、軟質ゆえに)有機発光ダイオードデバイスが、F2とF3との間にあり、内側マスク層の窓51に面する第一のサインを形成する。
【0115】
好ましくは、第一のOLEDデバイス2は、E3より小さいセンチメートル未満の寸法の厚さE2であり、さらには最大で0.5mm、より良好にはさらに最大で0.35mm、特には、1枚の熱可塑性シートの厚さと実質的に同じであって、0.76mm、0.38mm又は0.17mmの厚さである。
【0116】
第一のOLEDデバイスは、例えば独立(共通キャリア上で他のOLEDデバイスと共生しない)であり、ここでは2又は3枚のPVBシートを用いて熱成形可能材料でカプセル化されている。
【0117】
機能層、例えば透明導電層6’が、面F3上にあってもよく、例えば太陽光防止又は加熱(曇り防止等)層として作用してもよい。必要であれば、着色の理由から、この層を1以上のサイン領域から削除してもよい。内側マスク層4及び外側マスク層6は同じ材料からなり、好ましくはエナメルである。
【0118】
図1bは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防100bの部分縦断面図である。1以上の内部発光サインを含む積層型乗物風防100bは、風防100aとは、可撓性共通キャリア7が複数(ここでは2個)のOLEDデバイスを担持し、各OLEDデバイスが所定のサインを形成する点で異なる。
【0119】
可撓性共通キャリア7はここではOLEDデバイスの背後にある。それは、有利には、OLEDデバイスに電力を供給する導電体を担持し、風防のエッジまで延在し、電気的接続を簡単にするために風防を超えてさえ延在する。
【0120】
可撓性共通キャリア7は、最大で0.2mmの厚さのPETなど、薄いプラスチック、さらにはガラス、特に化学的強化ガラスであってよい。これは、層4(及び層6)によってマスクされるので、透明である必要はなく、透明導電体を担持する必要もない。
【0121】
図2aは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防200aの部分横断面図である。
【0122】
1以上の内部発光サインを含む積層型乗物風防200aは、風防100aとは、着色フィルタ層9が、堆積(ゾルゲル等)されたものであるか、又は面F3に直接に当面するか又は固定されるか又は任意の光学機能層6’に固定されたフィルムである点で、異なる。この場合には、白色発光OLEDデバイスを用いる場合に色を選択し、又は着色OLEDデバイスによって放出された色を調整する役割をする。
【0123】
図2bは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防200bの部分縦断面図である。1以上の内部発光サインを含む積層型乗物風防200bは、風防100bとは、着色フィルタ層9a、9bがOLEDデバイスに堆積(ゾルゲル等)されたものである点で異なる。この場合には、白色発光OLEDデバイスを用いる場合に色を選択し、又は着色OLEDデバイスによって放出された色を調整する役割をする。
【0124】
図2cは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防200cの部分横断面図である。1以上の内部発光サインを含む積層型乗物風防200cは、風防100aとは下記の点で異なる:
‐層4が、(好ましくは)面F3に直接に、又は光学機能層6’に堆積される;
‐着色フィルタ層9が、(好ましくは)F3に直接に、又は光学機能層6’に堆積される。
例えば、層4及びフィルタ層9は、エナメルである。
全エナメルの選択肢が面F4側で可能である。
【0125】
図2dは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の部分縦断面図である。
【0126】
1以上の内部発光サインを含む積層型乗物風防200cは、風防200bとは、(透明)共通キャリア7’がOLEDデバイス2a及び2bの発光面側である点で異なる。その底面71’(面F2側)はOLEDデバイス2a及び2bを担持する。そのトップ側71’(面F3側)は着色フィルタ層9a及び9bを担持する。選択的に、着色フィルタ層9a及び9bはその底面71’(面F2側)にあることもできる。
【0127】
図3は、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の分解部分縦断面図である(簡単のために、部材は湾曲して、即ち、曲線で描かれていない)。
【0128】
第一及び第二のOLEDデバイス2a及び2bは、ボトム発光型デバイスとして選択され、それぞれは下記を含む:
‐例えばプラスチック(PET等)又は(強化)ガラスである、第一の湾曲透明基板20、これは下記を含む:
‐例えばITO又は金属(銀等)格子から作成された、透明下部電極(基板に最も近い)21;
‐第一の有機発光系22;
‐上部電極(基板から最も遠い)23と呼ばれ、例えばアルミニウム又は銀から作成される、反射性電極;
‐ワニス又は保護フィルム24、例えばカプトンから作成され、上部電極に接着接合され、任意にそれを超えて延在し、電極のために接触ランドを含む。
【0129】
各デバイスは、最も底部側である共通キャリア7に接着剤(グルー)8又は両面接着剤で接着結合されている。OLEDデバイスは、キャリアの面72に当面し、面72の導電体と電極のコンタクトの間に半田バンプで丁度に取付けられている。これらのコンタクトはOLEDデバイスと同じ側、例えば21a及び23aにあってもよい。
【0130】
図3aは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防300aの分解部分横断面図である(簡単のために、部材は湾曲して、即ち、曲線で描かれていない)。
【0131】
これは、3枚の好ましくはPVBシートに基づき、ボトム発光型(又は任意に裏返せばトップ発光型)の第一のOLEDデバイス2を積層する、1つの可能な方法を説明する:
‐F2及びF3と接触する2枚の外側シート33及び34;
‐共通キャリア7の周囲にあり、OLEDデバイス及びキャリアのアセンブリと実質的に同じ厚さである、開口中央シート(空隙35aを有する)。
このシート33は任意である。
【0132】
図3bは、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防300bの分解部分横断面図である(簡単のために、部材は湾曲して、即ち、曲線で描かれていない)。
【0133】
これは、2枚の好ましくはPVBシートに基づき、ボトム発光型(又は任意に裏返せばトップ発光型)の第一のOLEDデバイス2を積層する、1つの可能な方法を説明する:
‐面F2側の外側シート33;
‐第一のOLEDデバイスの周囲にあり、基板20のトップ面に対して(僅かに)余分の厚さを有する、開口シート34(空隙34aを有する)。
このシート33は任意である。
【0134】
図4は、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防400の分解部分縦断面図である(簡単のために、部材は湾曲して、即ち、曲線で描かれていない)。
【0135】
これは、風防300とは、キャリア7自身が上部電極23を保護する保護フィルムの役割をする点で異なる。キャリア7は上部電極に接着剤で結合してもよい。
【0136】
図5は、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防の分解部分縦断面図である(簡単のために、部材は湾曲して、即ち、曲線で描かれていない)。
【0137】
これは、風防300とは、キャリア7’がトップ側である点で異なる。それは透明であり、PET又はガラスから作成されることができる。基板のトップ面は面71’上に接着剤で結合してもよい。
【0138】
OLEDデバイス2a及び2bは、キャリア7’の面71’に当面し、面71’の導電体と電極のコンタクトの間に半田バンプで丁度に取付けられている。これらのコンタクトは、OLEDデバイスと同じ側、例えば21a及び23aにあってもよい。
【0139】
図5’は、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防500’の分解部分横断面図である(簡単のために、部材は湾曲して、即ち、曲線で描かれていない)。
【0140】
これは、3枚の好ましくはPVBシートに基づき、ボトム発光型(又は任意に裏返せばトップ発光型)の第一のOLEDデバイス2を積層する、1つの可能な方法を説明する:
‐F2及びF3と接触する2枚の外側シート33及び34;
‐トップ側共通キャリア7’の周囲にあり、OLEDデバイス及びキャリアのアセンブリ7’と実質的に同じ厚さである、開口中央シート(空隙35aを有する)。
このシート34は任意である。
【0141】
図6は、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防600の分解部分縦断面図である(簡単のために、部材は湾曲して、即ち、曲線で描かれていない)。
【0142】
これは、3枚の好ましくはPVBシートに基づき、ボトム発光型(又は任意に裏返せばトップ発光型)の第一のOLEDデバイス2を積層する、1つの可能な方法を説明する:
‐F2及びF3と接触する2枚の外側シート33及び34;
‐各OLEDデバイス2a及び2b(共通キャリアなし)の周囲にあり、OLEDデバイスと実質的に同じ厚さである、開口中央シート35(空隙35aを有する)。
このシート33は任意である。
【0143】
図6’は、1以上の内部発光サインを含む本発明による積層型風防600’の分解部分横断面図である(簡単のために、部材は湾曲して、即ち、曲線で描かれていない)。
【0144】
これは、2枚の好ましくはPVBシートに基づき、ボトム発光型(又は任意に裏返せばトップ発光型)の第一のOLEDデバイス2を積層する、1つの可能な方法を説明する:
‐F2と接触する外側シート33;
‐OLEDデバイス2(通キャリアなし)の周囲にあり、基板20のトップ面に対して余分の厚さを有する、開口中央シート34(空隙34aを有する)。
このシート33は任意である。
【0145】
図7は、本発明による1以上の内部発光サインを含む積層型風防700の部分断面図である(簡単のために、部材は湾曲して、即ち、曲線で描かれていない)。
【0146】
OLEDデバイス2は、基板を有してもよく、又はキャリア(他のOLEDデバイスと共通)上にあってもよく、湾曲部分26が風防のエッジを超えて面F4まで延在し、面F4に接着剤7aで接着接合されていてもよい。自動車の車体はそれ自身この位置に接着剤ビード7bで接着剤接合されている。
【0147】
ここにおけるように、この部分を面F4に組み付けることを容易にして小型化を増加するために、内部ガラス1’を凹ませてもよい。
【0148】
グレージングの(上下)エッジと第一のサインのベースの間の距離Dは、少なくとも5cm、少なくとも8cm又は少なくとも10cmであってよい。グレージングの(上下)エッジと第一のサインのベースの間の距離Dは、最大で25cm、さらには最大で20cmであってよい。
【0149】
図8は、サインを形成する2つのOLEDデバイス2a及び2bを担持し、電流分配導体を担持する共通キャリア7の斜視図であり、共通キャリア7は風防と積層され、エッジ面15を介してドッグレッグ部73が退出する。
【0150】
図9は、サインを形成する2つのOLEDデバイスを担持し、電流分配導体と2つのマイクロコントローラ10a及び10bを担持する共通キャリアの斜視図であり、共通キャリア7は風防と積層され、エッジ面15を介してドッグレッグ部73が退出する。
図1(1)】
図1(2)】
図1(3)】
図1(4)】
図1(5)】
図2(1)】
図2(2)】
図3(1)】
図3(2)】
図3(3)】
図4
図5(1)】
図5(2)】
図6(1)】
図6(2)】
図7
図8
図9