(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記長押し操作が第一条件を満たしたときに前記特定演出を行うことに当選する確率と、前記連打操作が第二条件を満たしたときに前記特定演出を行うことに当選する確率とが異なる請求項1に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【0012】
<遊技機10の構造について>
図1から
図4を用いて遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
図3は、遊技機10内に配設される図柄表示装置90を示す図である。
図4は、遊技機10が備える操作ボタン群及びその周辺を示す俯瞰図である。
【0013】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、多数の遊技釘(図示せず)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。
【0014】
遊技機10は、
図1または
図2に示すように、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50(中枠)の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0015】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0016】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34、36は光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力または点灯若しくは消灯することができる。
前枠20は、上球受け皿27の前方部に配設された操作ボタン37を備えている。操作ボタン37は、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる。
【0017】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構39が設けられている。この球抜き機構39を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
【0018】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されている。演出表示装置80は、演出図柄の変動を含む各種の演出を表示することができる。ここで演出図柄とは、遊技機10における遊技の興趣をより高めるために、演出表示装置80に表示される図柄であり、具体的には数字や絵柄またはそれらの組み合わせから構成されている。
一般的に、遊技機10の遊技者は演出表示装置80に表示される演出図柄の変動演出により当該遊技の興趣を喚起されており、演出表示装置80は遊技者にとって視認しやすい位置に配置されている。
演出表示装置80としては、一般的には液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を採用し得る。
【0019】
演出表示装置80は、その表示領域の略中央に演出図柄が表示され、さらに当該演出図柄の左側および右側にもそれぞれ演出図柄が表示される。すなわち、演出表示装置80には、「左」「中」「右」にそれぞれ演出図柄が表示され、表示された演出図柄が一または複数の列をなしている。これらの演出図柄がスクロールすることにより、演出図柄が演出表示装置80の表示領域に変動表示される。
【0020】
図柄表示装置90は、演出表示装置80の右下側など、演出表示装置80よりも遊技者が視認しにくい位置に配設される。また、図柄表示装置90の表示領域は、演出表示装置80の表示領域よりも小さい面積になっている。
図柄表示装置90は、複数のランプが配列されている。本実施形態で図柄表示装置90に用いられるランプとは、発光ダイオード(以下、LEDと称す)である。図柄表示装置90は、発光するLEDの配列によって種々の情報を示し、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92または普通図柄表示装置93を含んでいる。
【0021】
図3に示すように、第1特別図柄表示装置91は8個のLEDから構成され、第2特別図柄表示装置92の左側に位置する。また、第2特別図柄表示装置92は8個のLEDから構成され、第1特別図柄表示装置91の右側に位置する。第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92はLEDの発光パターンにより特別図柄に係る図柄変動ゲームの抽選結果(特別図柄)を表示する。
普通図柄表示装置93は第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92より少ない数(例:2個)のLEDの発光パターンにより普通図柄に係る図柄変動ゲームの抽選結果(普通図柄)を表示する。
【0022】
なお、
図3に示すように、図柄表示装置90は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92または普通図柄表示装置93の表示に用いられないLEDも含んでおり、特別図柄に係る図柄変動ゲームまたは普通図柄に係る図柄変動ゲームの抽選結果の他にも、保留されている乱数の数や当り遊技(大当り遊技、小当り遊技など)のラウンド回数等の情報も表示しうる。
【0023】
ここで「特別図柄」とは、第1特別図柄及び第2特別図柄の総称である。
「第1特別図柄」は、第1特別図柄表示装置91に表示するために選択されうるデータ群、又は、第1特別図柄表示装置91に表示されうる図柄(LEDの発光パターン)をいう。
「第2特別図柄」は、第2特別図柄表示装置92に表示するために選択されうるデータ群、又は、第2特別図柄表示装置92に表示されうる図柄(LEDの発光パターン)をいう。
第1特別図柄は、「特
図1」と略称される場合があり、第2特別図柄は、「特
図2」と略称される場合がある。また、特別図柄は、「特図」と略称される場合がある。
また、ここで特別図柄に係る図柄変動ゲームとは、特別電動役物65又は特別電動役物66(いわゆるアタッカー)を開放させるための抽選結果(当りの当否抽選結果)を示すために、第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92を変動表示させた後に特定の特別図柄を停止表示させることをいう。本明細書において、特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行とは、第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92における特別図柄に係る図柄変動ゲームの表示(変動表示および停止表示)をいう場合と、当該表示のために行われる一連の内部処理の実行をいう場合とがある。
【0024】
ここで普通図柄とは、普通図柄表示装置93に表示するために選択されうるデータ群、あるいは普通図柄表示装置93に表示されうる図柄(普通図柄表示装置93におけるLEDの発光パターン)をいう。なお、以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。
また、ここで普通図柄に係る図柄変動ゲームとは、普通電動役物61(いわゆる電動チューリップ)を開放させるための抽選結果(普通図柄当りの当否抽選結果)を示すために、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に特定の普通図柄を停止表示させることをいう。本明細書において、普通図柄に係る図柄変動ゲームの実行とは、普通図柄表示装置93における普通図柄に係る図柄変動ゲームの表示(変動表示および停止表示)をいう場合と、当該表示のために行われる一連の内部処理の実行をいう場合とがある。
【0025】
本実施形態において、図柄表示装置90に配列される複数のランプはLEDとするが、ランプの種別はこれに限定されるものではない。そして、当該ランプの配置についても
図3に図示するものに限らず、多様な配置を採用しうる。
【0026】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央から視て内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構で、くぎ状のものをいう。
【0027】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。また、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0028】
遊技領域50aには、各種の入賞口(例えば大入賞口55等)が配設され、各入賞口の後方には入球した遊技球を検知する各種スイッチ(例えばカウントスイッチSW7等)が配設されている。なお、以下の説明において入賞とは、遊技球が特定の入賞口に入球することをいう。
本実施形態においては、上記の各種スイッチは遊技者が視認できない位置に配置されており、
図1および
図2においては図示しない。
【0029】
図2には、主要な入賞口として、大入賞口55、大入賞口56、第1始動口57、第2始動口59、作動ゲート63、普通入賞口67(67a、67b)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0030】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部(演出表示装置80の下方)に配置されており、一般的に「ヘソ」と呼ばれる。
第1始動口57の後方には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW1が配置されている。
第1始動口57に入球した遊技球をカウントスイッチSW1で検知することにより、第1特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件と、予め定めた数の遊技球を賞球として払い出す払出条件と、が付与される。
本実施形態において、遊技領域50aは、遊技球が第2流路Yから転動したときよりも、遊技球が第1流路Xから転動したときに、第1始動口57に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第1始動口57は、遊技領域50aの左側を主とする第1流路Xに設けられている。
【0031】
第2始動口59は、遊技領域50aの右側(演出表示装置80の右下側)に配置されており、第2始動口59には普通電動役物61が付設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する開閉部材であり、ソレノイドコイルSOL4の作動により当該開放状態または当該閉鎖状態のいずれかに遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
第2始動口59の後方には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2が配置されている。第2始動口59に入球した遊技球をカウントスイッチSW2で検知することにより、第2特別図柄に係る図柄変動ゲームの始動条件と、賞球の払出条件と、が付与される。
本実施形態において、遊技領域50aは、遊技球が第1流路Xから転動したときよりも、遊技球が第2流路Yから転動したときに、第2始動口59に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第2始動口59は、遊技領域50aの右側を主とする第2流路Yに設けられている。
【0032】
作動ゲート63は、第2始動口59の上方(演出表示装置80の右側)に配置されている。作動ゲート63の後方には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW4が配設されている。作動ゲート63は、入球した遊技球をカウントスイッチSW4で検知することにより、普通図柄に係る図柄変動ゲームの始動条件が付与され得る。
なお、本実施形態の遊技機10においては、カウントスイッチSW4の検知は賞球の払出条件に含まれていない。すなわち、本実施形態の作動ゲート63に遊技球が入球しても賞球は零である。
また、作動ゲート63は通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する、いわゆるゲートタイプの入賞口であってもよい。
【0033】
大入賞口55は、第2始動口59の左下側(演出表示装置80の下側)に配置されている。大入賞口55の開口部は、ソレノイドコイルSOL1の作動により開閉動作を行う特別電動役物65が配置されている。
大入賞口55の後方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW7が配置されている。カウントスイッチSW7が大入賞口55に入球した遊技球を検知することにより、賞球の払出条件が付与される。
【0034】
大入賞口56は、第2始動口59の下方(演出表示装置80の右下側)に配置されている。大入賞口56の開口部は、ソレノイドコイルSOL2の作動により開閉動作を行う特別電動役物66が配置されている。
大入賞口56の奧には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW8が配置されている。カウントスイッチSW8が大入賞口56に入球した遊技球を検知した場合には、賞球の払出条件が付与される。
【0035】
大入賞口55は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる当り遊技中における特別電動役物65の開動作によって開放され、これにより、大入賞口55への遊技球の入球が許容される。
大入賞口56は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる当り遊技中における特別電動役物66の開動作によって開放され、これにより、大入賞口56への遊技球の入球が許容される。
本実施形態において、特別電動役物65及び特別電動役物66は、第1始動口57への入球および第2始動口59への入球のいずれに起因する当り遊技においても開動作しうるように構成されている。
但し、特別電動役物65又は特別電動役物66は、第1始動口57への入球又は第2始動口59への入球のいずれか一方に起因する当り遊技においてのみ開動作しうるように構成されていてもよい。
第1始動口57への入球又は第2始動口59への入球のいずれに起因する当り遊技が行われる場合にも、遊技者は賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。なお、本実施形態において、遊技球が第2流路Yから転動するときには、第1流路Xから転動するときよりも、大入賞口55または大入賞口56に入球しやすくなるように各種障害物が配置されている。
【0036】
普通入賞口67(67a、67b)は、演出表示装置80の左下部に配置されている。普通入賞口67aの後方には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW5が配置されており、普通入賞口67aに入球した遊技球をカウントスイッチSW5で検知することにより、賞球の払出条件が付与され得る。普通入賞口67bの後方には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW6が配置されており、普通入賞口67bに入球した遊技球をカウントスイッチSW6で検知することにより、賞球の払出条件が付与され得る。
【0037】
上述したように、各入賞口の後方には各入賞口に入球した遊技球を検知する各カウントスイッチが配置されている。具体的には、カウントスイッチSW1は第1始動口57への遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW2は第2始動口59への遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW4は作動ゲート63への遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW5は普通入賞口67aへの遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW6は普通入賞口67bへの遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW7は大入賞口55への遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW8は大入賞口56への遊技球の入賞を検出する。
【0038】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれた遊技球のうち、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球(作動ゲート63がゲートタイプである場合には、作動ゲート63を通過して他の入賞口に入賞しなかった遊技球を含む)はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
ここで「アウト球」とは、遊技領域50aに打ち込まれた後、遊技領域50aから排出された遊技球(以下、排出球と称する場合がある)である。
本実施形態では、遊技機10は、このアウト球を検出する手段として、アウト口スイッチSW9を備えている。すなわち、アウト口スイッチSW9は、遊技領域50aから排出された遊技球を検出する排出球検出手段として機能する。
アウト口スイッチSW9は、アウト口69又は各入賞口に入球した遊技球の流路(排出流路)(図示せず)に配置されている。これにより、アウト口スイッチSW9は、アウト口69に落入した遊技球と、各入賞口に入球した遊技球と、を合算した遊技球をアウト球として検知する。
例えば、アウト口スイッチSW9は、アウト口69又は各入賞口に繋がる遊技球流路が1本に合流した後の遊技球流路に設けられている。
ただし、アウト口スイッチSW9は、アウト口69又は各入賞口に繋がる遊技球流路の各々に設けられていてもよい。この場合、各アウト口スイッチSW9による遊技球の検知数を合算することによりアウト球が計数される。
また、本実施形態では、アウト口スイッチSW9は、所定数(例えば10個)のアウト球が検知される度に、検知信号を出力することで、検知信号の出力回数を減らし、処理負荷を軽減させている。但し、アウト口スイッチSW9は、アウト球の検知ごとに検知信号を出力してもよい。
【0039】
図4に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、上述の操作ボタン37の他、それぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38a、38b、38c、38d、玉貸操作を受け付ける玉貸ボタン38e、及び、プリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン38fなどが含まれる。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0040】
<遊技機10の制御構成について>
続いて、遊技機10の制御構成について説明する。
図5は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図であり、
図6は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、
図5及び
図6に示される各機能は本実施形態の遊技機10を説明する上で必要な機能を挙げたものであり、ここに図示しない機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する機能の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の機能が省かれても良い。
【0041】
遊技機10は、メイン制御基板100及びサブ制御基板200などの基板を自機の内部に備えており、
図6に図示している機能を含む種々の機能を基板と当該基板に電気的に接続されている部品とによって実現している。
より具体的には、メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201、RAM102又はRAM202、ROM103又はROM203などを有している。メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201がROM103又はROM203から読み出した制御プログラムを実行し、RAM102又はRAM202に種々のデータを書き込み又は読み出しを行うことにより種々の機能を実現する。
図5では、一つのサブ制御基板200が図示されているが、サブ制御基板200は、複数の基板により構成されていてもよい。サブ制御基板200が複数の基板により構成される場合、メイン制御基板100に対して複数のサブ制御基板200が並列に接続されていてもよいし、メイン制御基板100に対して複数のサブ制御基板200が階層的に接続されていてもよい。
また、各機能構成を実現する基板は、
図6に示される基板に限定されるものではなく、メイン制御基板100若しくはサブ制御基板200又は他の基板上で実現されてもよい。
【0042】
メイン制御基板100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について、サブ制御基板200にコマンドを伝送する。メイン制御基板100は、遊技の結果に影響を及ぼす又は及ぼす虞がある機能を実現する基板であり、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送られるコマンドに従って、各種制御を行う基板である。
【0043】
図6には、メイン制御基板100で実現される主要な機能構成として、情報伝送部110、特図保留制御部115、普図保留制御部116、特図抽選制御部130、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、変動パターン付与部160、普図抽選制御部170、普通電役制御部180、特別電役制御部190が例示されている。また、同図には、サブ制御基板200で実現される主要な機能構成として、演出制御部210が例示されている。
【0044】
特図抽選制御部130は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する。
普図抽選制御部170は、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する。
遊技状態制御部140は、当り遊技を制御する機能、確変状態や変短状態を管理しこれらの付与や解除(通常遊技状態への移行)を制御する機能を有する。
ここで、本実施形態において、特定遊技状態とは、当り遊技中、確変状態、変短状態などである。
すなわち、遊技状態制御部140は、遊技機10の遊技状態を、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態と、に遷移させることが可能な遊技制御手段として機能する。
本実施形態では、当り遊技には、大当り遊技と小当り遊技とが含まれる。但し、当り遊技は、大当り遊技のみであってもよい。大当り遊技は、役物連続作動装置が特別電動役物65又は特別電動役物66を連続して作動させている遊技状態である。
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、または普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
変動パターン付与部160は、特別図柄に係る図柄変動ゲームにて図柄表示制御部150が変動表示を開始してから停止表示を行うまでの時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを付与する。また、変動パターン付与部160によって付与された変動パターンは、情報伝送部110を介して演出制御部210(サブ制御基板200)に伝達されて演出表示装置80における表示演出(リーチ演出等)を実行する際にも用いられる。
情報伝送部110は、メイン制御基板100で実現される各構成要素にて生成された制御情報(コマンド)をサブ制御基板200上で実現される機能構成(例えば、演出制御部210、情報管理部220等)に伝送する。情報伝送部110によって伝送されるコマンドには、上述の変動パターンを示す情報の他にも、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態の有無、変短状態の有無、保留されている乱数に関する情報、当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
【0045】
演出制御部210は、情報伝送部110を介してメイン制御基板100で実現される各種機能構成にて生成された制御情報(コマンド)を受け、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや当り遊技に関する演出表示を、演出表示装置80に表示させる。例えば、演出制御部210は、図柄変動ゲームの実行中に演出図柄を演出表示装置80に変動表示又は停止表示させる。
演出制御部210は、演出表示装置80の演出表示を制御する他に、照明装置35による点灯(点滅)演出、またはスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。また、演出制御部210は、操作ボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
【0046】
<特図抽選について>
以下、特図抽選に関わる機能構成について詳述する。
【0047】
特図保留制御部115は、第1始動口57の入賞を少なくとも含む始動条件の成立を契機として乱数M1を取得して保留させる。また、特図保留制御部115は、第2始動口59の入賞を少なくとも含む始動条件の成立を契機として乱数M2を取得して保留させる。
より具体的には、特図保留制御部115は、カウントスイッチSW1によって第1始動口57の入賞が検知されかつ他の始動条件が満たされていると乱数M1を取得し、専用の記憶領域に格納(保留)させる。また、特図保留制御部115は、カウントスイッチSW2によって第2始動口59の入賞が検知されかつ他の始動条件が満たされていると乱数M2を取得し、専用の記憶領域に格納(保留)させる。当該他の始動条件には、例えば、乱数M1又は乱数M2の保留上限数に達していないことなどがある。
乱数M1の保留上限数または乱数M2の保留上限数は予め定められており、本実施形態では乱数M1および乱数M2の各々について4個が保留上限数と設定されている。但し、各保留上限数は限定されない。
【0048】
特図保留制御部115は、第1始動口57の入賞を契機として取得される乱数M1と、第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2と、を区別して保留する。
なお、後述する当否抽選部131は、乱数M1と乱数M2とが共に保留されている場合、乱数M2を先に用いて当否抽選するように構成されている。このような処理を、以下の説明において優先処理と称する場合がある。
【0049】
優先処理は、特図保留制御部115による制御で実現されている。
始動条件を満たした場合、特図保留制御部115は、保留されている乱数M1または乱数M2を読み出す。ここで、特図保留制御部115は、乱数M2の読み出しを優先的に実行し、乱数M2を読み出せなかった場合(保留されている乱数M2が零個である場合)に乱数M1を読み出す。このような制御によって、乱数M2が乱数M1よりも優先的に読み出される。そして、特図保留制御部115により読み出された乱数を用いた当否抽選が、後述の当否抽選部131により行われる。このため、当否抽選部131も、乱数M1より乱数M2を優先的に処理することができる。
【0050】
特図保留制御部115は保留されている乱数の数(保留数)を監視してもよい。この場合、特図保留制御部115は、監視している乱数の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150に指令を出してもよいし、演出表示装置80に表示させるように情報伝送部110を介して演出制御部210にコマンドを出してもよい。
【0051】
特図抽選制御部130は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する処理を行う機能部であり、当否抽選部131、特図選択部132等を有している。
当否抽選部131は、特図保留制御部115により取得された乱数M1又は乱数M2を用いて大当り遊技又は小当り遊技の当否抽選を行う。
【0052】
特図選択部132は、当否抽選部131による当否抽選の結果に基づいて特別図柄を選択する。
特図選択部132によって選択された特別図柄は、後述する第1特別図柄表示制御部151または第2特別図柄表示制御部152によって、特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92に表示される。
【0053】
<普図抽選について>
以下、普図抽選に関わる機能構成について詳述する。
【0054】
普図抽選制御部170は普通図柄に係る図柄変動ゲームを司る機能であり、開放抽選部171と普図選択部172とを有する。また、普通電役制御部180は、普通電動役物61を制御する機能部である。
【0055】
普図保留制御部116は、カウントスイッチSW4によって作動ゲート63の入賞が検知されると、乱数M3を取得して専用の記憶領域に格納(保留)させる。ここで乱数M3は、開放抽選部171による抽選に用いられる乱数である。保留可能な乱数M3の上限数である保留上限数は予め定められており、本実施形態において保留上限数は4個と設定されている。
普図保留制御部116は、普図抽選制御部170が普通図柄に係る図柄変動ゲームに係る制御を行っていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出す。
【0056】
普図保留制御部116は保留されている乱数M3の数を監視している。また、普図保留制御部116は、監視している乱数M3の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150に指令を出してもよいし、演出表示装置80に表示させるように情報伝送部110を介して演出制御部210に指令を出してもよい。
【0057】
開放抽選部171は、普図保留制御部116によって読み出された乱数M3を用いて、普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの開放抽選を行う。なお、開放抽選部171によって行われる抽選の当選確率は、通常遊技状態であるときは変短状態であるときより低くなっており、変短状態であるときは通常遊技状態であるときより高くなっている。
開放抽選部171による抽選に当選したとき、普通電役制御部180はソレノイドコイルSOL4を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。
【0058】
普図選択部172は、開放抽選部171による抽選の当否結果に基づいて普通図柄を選択し、選択された普通図柄を図柄表示制御部150(普通図柄表示制御部153)に伝達して普通図柄表示装置93に表示させる。普通図柄表示装置93に対応している二つのLEDは一方が当選、一方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は普図選択部172が選択した普通図柄に従っていずれか一方を発光させる。
【0059】
普通電役制御部180は、変短制御部142によって変短状態が付与されているとき、開放状態をとる時間が単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。すなわち、普通電役制御部180の制御は、後述する変短制御部142による変短状態の付与に起因して変動する。
【0060】
<遊技状態制御について>
遊技状態制御部140は、当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)、確変状態及び変短状態を制御する機能部であり、確変制御部141と変短制御部142と当り制御部145とを有している。
【0061】
ここで確変状態とは、当否抽選部131による大当り又は小当たりの当否抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になることをいう。
また、変短状態とは、以下の少なくとも一つが行われることをいう。
(i)普通電動役物61の開放抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる。
(ii)普通電動役物61の一回当たりの開放時間が通常遊技状態より延長される。
(iii)普通電動役物61の開放抽選の当選に応じて普通電動役物61が開放される回数が通常遊技状態より増加される。
(iv)普通図柄表示装置93における一回あたりの変動表示時間が短縮される。
【0062】
確変制御部141は、当り制御部145によって実行される少なくとも一部の当り遊技が終了したとき、確変状態を付与する。
確変制御部141は、特別図柄に係る図柄変動ゲームにおいて確変状態の終了条件が成立した場合、または確変状態にて実行される特別図柄に係る図柄変動ゲームにて当り遊技に当選した場合には、確変状態から通常遊技状態へと移行させる。
本実施形態における確変状態の終了条件は、確変状態に移行してから100回の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われることである。
【0063】
変短制御部142は、当り制御部145によって実行される当り遊技が終了したとき、変短状態を付与する。
変短制御部142は、すべての当り遊技の終了時に通常遊技状態から変短状態へと移行させ、変短状態の終了条件が成立する特別図柄に係る図柄変動ゲームにおいて、変短状態から通常遊技状態へと移行させる。
本実施形態における変短状態は、変短状態に移行してから100回の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われることを終了条件としている。本実施形態においては全ての当り遊技の終了時に変短状態が付与されるので、各当り遊技の終了時からその後に行われた特別図柄に係る図柄変動ゲームの回数が100回に達するまで変短状態が維持される。
【0064】
当り制御部145は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの当選に起因して当り遊技を実行する機能部である。上述したとおり、本実施形態において当り遊技には大当り遊技と小当り遊技とが含まれるため、当り制御部145は、大当り遊技又は小当り遊技を実行する。
本実施形態における当り遊技は、具体的には以下のように実行される。
【0065】
まず、当否抽選部131によって大当り遊技又は小当り遊技に当選した場合、大当り遊技又は小当り遊技に対応する特別図柄が特図選択部132によって選択され、選択された特別図柄が第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92に停止表示された後(特別図柄に係る図柄変動ゲームが終了した後)に、当り制御部145は大当り遊技又は小当り遊技を開始させる。
大当り遊技又は小当り遊技が開始されると、当り制御部145は演出制御部210に大当り遊技又は小当り遊技の開始を示すオープニング演出に関する指令を出す。演出制御部210は当り制御部145の指令に従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。なお、オープニング演出において遊技者に右打ちを推奨する等して、大入賞口55に向かう第2流路Yへの遊技球の打ち出しを促すことが好ましい。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55が開放されるラウンド遊技が予め定められた規定回数(ラウンド回数)を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、大入賞口55が所定回数(例えば1回)開放される。また、開放された大入賞口55に規定個数の遊技球が入球した後、または規定時間(ラウンド遊技時間)が経過後に、大入賞口55が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55が所定の時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55が開放される。
本実施形態では、大当り遊技と小当り遊技とでは、ラウンド遊技の上限回数(ラウンド回数)が異なり、大当り遊技のほうが小当り遊技よりもラウンド回数が多く設定される。
【0066】
当り制御部145は、前段で述べたような制御を行うために、ラウンド回数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を制御情報として含む指令を特別電役制御部190に伝送する。
特別電役制御部190は、当り制御部145から受けた指令に従って、特別電動役物65または特別電動役物66を開放させる。
特別電役制御部190は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW7の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部190は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL1を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。
或いは、特別電役制御部190は、特別電動役物66を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口56に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW8の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部190は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL2を作動させて特別電動役物66を閉鎖させる。
【0067】
当り制御部145は、演出制御部210にラウンド遊技中に係る演出に関する指令を出す。演出制御部210は当り制御部145の指令に従ってラウンド演出を実行する。
規定のラウンド回数が終了すると、当り制御部145は情報伝送部110を介して演出制御部210に大当り遊技又は小当り遊技の終了を示すエンディング演出に関する指令を出す。演出制御部210は当り制御部145の指令に従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、当り制御部145は大当り遊技又は小当り遊技を終了させる。
【0068】
<図柄表示と演出表示について>
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果である特別図柄、または普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果である普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
【0069】
演出制御部210は、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや当り遊技に関する演出表示を、演出表示装置80に表示させる。特に特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出制御部210は、図柄表示装置90による特別図柄の変動時間に合わせて、演出表示装置80による演出表示を実行させている。換言すれば、演出制御部210は、図柄表示装置90における一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームと、演出表示装置80における一回の演出表示とを、原則として対応付けて実行する。
ただし、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有している演出表示が実行される場合や、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームに対して複数回の変動を1セットとする演出表示が実行される場合もある。前者の代表例はいわゆる連続演出と称される演出表示であり、後者の代表例はいわゆる擬似連演出と称される演出表示である。
【0070】
上記で述べた特別図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示との対応性を担保するため、変動パターン付与部160は変動パターンを定める。
より詳細には、変動パターン付与部160は、特別図柄に係る図柄変動ゲームにて特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを定め、変動パターンを図柄表示制御部150およびサブ制御基板200(演出制御部210及び情報管理部220)に伝達する。図柄表示制御部150は伝達された変動パターンに応じて特別図柄に係る図柄変動ゲームを表示させ、また演出制御部210は伝達された変動パターンに応じて演出表示を表示させることによって、これらの対応性を担保している。更に、情報管理部220は、伝達された変動パターンにより図柄変動ゲームの実行状態を把握することができる。
【0071】
また、上記の説明において、変動パターン付与部160によって定められる変動パターンは変動時間情報を少なくとも含む旨を説明した。この他にも、変動パターンには、リーチ演出をするかバラケ目にするかを示す情報等が含まれてもよい。
【0072】
情報伝送部110は、アウト口スイッチSW9からのアウト球を検知した旨の検知信号を受け、上述した制御情報と、検知信号に対応する検知情報と、を含むコマンドをサブ制御基板200へ通知する。
なお、一例として、情報伝送部110は、アウト球を検知した旨の検知情報を含むコマンドを、アウト口スイッチSW9がアウト球を10球検知するごとに出力する。
【0073】
図柄変動ゲームが所定時間実行されない状態でアウト口スイッチSW9によりアウト球が所定時間検出されないことを契機として、演出制御部210は、演出表示装置80に表示させる演出をデモ演出に切り替える。この所定時間は、遊技状態に応じて変えられてもよい。
【0074】
演出制御部210は、演出表示装置80の表示制御全般を行う。演出制御部210による演出表示装置80の表示制御には、上述した演出図柄の表示の他、保留表示41の表示(
図11等)や、後述する当該変動保留表示45(
図11等)、当該変動保留表示45に付随する付随画像(
図11等に示す台座画像46)、特定演出の実行に際して表示される主要な画像である特定演出用画像(
図14等に示すしゃちほこ画像71)、特定抽選の結果(当否)を報知する当否報知画像(
図15に示す炎画像72又は
図18に示す煙画像73)等の表示の制御が含まれる。
【0075】
<各種処理の処理手順について>
次に、上記で説明した各種処理の処理手順について、
図7、
図8又は
図9を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図6に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
【0076】
図7は、始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図8は、アウト球検知時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図9は、図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
また、
図7、
図8又は
図9に示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
【0077】
まず、始動口入球時処理について説明する。ここで、始動口入球時処理とは、第1始動口57または第2始動口59に遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
第1始動口57または第2始動口59への入球がカウントスイッチSW1又はカウントスイッチSW2により検知されるまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口57または第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS102のYES)、特図保留制御部115による保留数が上限に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
【0078】
第1始動口57または第2始動口59への入球が検知されて(ステップS102のYES)、かつ特図保留制御部115による保留数が上限に達していないとき(ステップS104のNO)、特図保留制御部115による保留数が加算される(ステップS106)。また、特図保留制御部115によって乱数M1または乱数M2が取得されて、専用の記憶領域に保留記憶される(ステップS108)。
すなわち、ステップS102の肯定とステップS104の否定とが、上述の第1特別図柄又は第2特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件の成立を意味する。
【0079】
ステップS102からステップS108までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110からサブ制御基板200に対して出力されて(ステップS110)、その入球時処理は終了となる。
【0080】
次に、アウト球検知時処理の処理手順について説明する。ここで「アウト球検知時処理」とは、アウト口スイッチSW9によりアウト球が検知された際にメイン制御基板100で実行される一連の処理である。
アウト口スイッチSW9によりアウト球が検知されるまで(ステップS402のNO)、ステップS404以降の処理は行われないまま待機となる。
アウト口スイッチSW9によりアウト球が検知されると(ステップS402のYES)、アウト球の検知数がインクリメントされる(ステップS404)。
アウト球の検知数が予め決められた出力条件数(例えば、10球)に満たない場合(ステップS406のNO)、ステップS408以降の処理は行われないまま待機となる。
アウト球の検知数が出力条件数(例えば、10球)に達すると(ステップS406のYES)、アウト球の検知情報を含むコマンドが、情報伝送部110からサブ制御基板200へ出力されて(ステップS408)、アウト球の検知数が初期化された(ステップS410)後、このアウト球検知時処理は終了となる。
【0081】
出力されたコマンドに含まれるアウト球の検知情報は、上述したように、アウト球数のカウント、ポイント値の算出などに利用される。
このアウト球検知時処理のうちステップS402、ステップS404、ステップS406、及びステップS410は、アウト口スイッチSW9により実施され、ステップS408は、情報伝送部110により実施されてもよい。この場合、アウト口スイッチSW9は、所定数(出力条件数)のアウト球が検知される度に、検知信号を出力する。
また、このアウト球検知時処理は情報伝送部110により実施されてもよい。この場合、アウト口スイッチSW9は、アウト球が検知される度に検知信号を出力し、情報伝送部110は、所定数(出力条件数)のアウト球が検知される度に、アウト球の検知情報を含むコマンドを出力する。
【0082】
続いて、図柄変動開始処理の処理手順について説明する。ここで、図柄変動開始処理とは、特別図柄による図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
まず、特図抽選制御部130は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで、変動開始条件とは、(i)ステップS202の判定時において特別図柄による図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS202の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS202の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、その図柄変動開始処理は終了となる。
【0083】
ステップS202の判定が肯定されるとき(ステップS202のYES)、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留されている乱数M1または乱数M2を読み出す(ステップS204)。
ステップS204において、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留記憶されている順番で乱数M1または乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
【0084】
ステップS204で乱数が読み出されることを契機として各判定処理が実行される(ステップS206)。
ここでステップS206に含まれる処理としては、具体的には、上述した当否抽選部131による当否抽選や特図選択部132による特別図柄の選択が少なくとも含まれる。また、(i)変短状態が付与されているか否か、(ii)演出図柄をリーチ目で停止させるか否か、(iii)特定の演出を行うか否か等の判定処理が、ステップS206の処理に含まれてもよい。
そして、変動パターン付与部160は、ステップS206の処理結果を用いて変動パターンを決定する(ステップS208)。
【0085】
ステップS202からステップS208までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110からサブ制御基板200に対して出力されて(ステップS210)、その図柄変動開始処理は終了となる。
ステップS210において出力されるコマンドには、例えば、図柄変動ゲームの実行の有無や遊技状態などをサブ制御基板200で判断可能とするための各種情報、例えば、変動パターンを示す情報、保留数、確変状態の有無、変短状態の有無などが含まれる。
【0086】
演出制御部210は、情報伝送部110から伝送されるコマンドに基づいて、
図11等に示すように、保留数と対応する数の保留表示41を演出表示装置80に表示させる。
【0087】
ここで、保留表示41の色(表示色)のパターンは、複数種類存在しており、当り遊技の期待度に応じて、演出制御部210によっていずれかのパターンが選択される。すなわち、保留表示41の色は、当り遊技の期待度を報知又は示唆するものである。
一例として、
図10に示すように、保留表示41の色のパターンとしては、デフォルトの色である金色の他に、白色、青色、緑色及び赤色が存在している(例えば、合計5色が存在している)ものとする。
【0088】
このうち、保留表示41がデフォルトの金色である場合は、当該金色の保留表示41と対応する図柄変動ゲーム(当該白色の保留表示41の消化を伴って実行される図柄変動ゲーム)の変動パターンが短縮パターンになることを報知又は示唆する。ここで、短縮パターンとは、通常変動よりも短い時間で行われる変動パターンである。
【0089】
また、保留表示41が白色である場合は、当該白色の保留表示41と対応する図柄変動ゲーム(当該白色の保留表示41の消化を伴って実行される図柄変動ゲーム)の変動パターンが通常変動以上の期間に亘って行われることを報知又は示唆する。ここで、変動パターンが通常変動以上の期間に亘って行われるということは、図柄変動ゲームの実行期間が通常変動よりも短縮されることなく、図柄変動ゲームが実行されることを意味する。変動パターンが通常変動以上の期間に亘って行われる場合には、(1)変動パターンが通常変動以上の期間に亘って行われるものの演出図柄の変動表示がリーチ演出に発展することなく図柄変動ゲームが終了する場合の他、(2)演出図柄の変動表示がリーチ演出(プレミアムリーチ演出を含む)に発展する場合や、(3)図柄変動ゲームの結果が当り遊技となる場合が含まれる。
なお、保留表示41が白色である場合の方が、保留表示41がデフォルトの金色である場合よりも、当り遊技に対する期待度が高いものとする。
【0090】
また、保留表示41が青色である場合は、当該青色の保留表示41と対応する図柄変動ゲーム(当該青色の保留表示41の消化を伴って実行される図柄変動ゲーム)がリーチ以上となる(演出図柄を用いたリーチ演出が少なくとも実行される)ことを報知又は示唆する。ここで、図柄変動ゲームがリーチ以上となる場合には、(1)演出図柄の変動表示がリーチ演出(プレミアムリーチ演出を含む)に発展する場合や、(2)リーチ演出を経て図柄変動ゲームの結果が当り遊技となる場合が含まれる。
【0091】
また、保留表示41が緑色である場合には、当該緑色の保留表示41と対応する図柄変動ゲーム(当該緑色の保留表示41の消化を伴って実行される図柄変動ゲーム)がプレミアムリーチ以上となる(演出図柄を用いたプレミアムリーチ演出が少なくとも実行される)ことを報知又は示唆する。ここで、図柄変動ゲームがプレミアムリーチ以上となる場合には、(1)演出図柄の変動表示がプレミアムリーチ演出に発展する場合や、(2)プレミアムリーチ演出を経て図柄変動ゲームの結果が当り遊技となる場合が含まれる。
なお、プレミアムリーチ演出とは、出現頻度が比較的低確率のリーチ演出を意味する。プレミアムリーチ演出が実行された場合には、当り遊技に対する期待度が高くなる。
【0092】
また、保留表示41が赤色である場合には、当該赤色の保留表示41と対応する図柄変動ゲーム(当該赤色の保留表示41の消化を伴って実行される図柄変動ゲーム)が当り遊技となることを報知又は示唆する。
【0093】
したがって、保留表示41の表示色は、金色の場合よりも白色の場合の方が当り遊技に対する期待度が高く、白色の場合よりも青色の場合の方が当り遊技に対する期待度が高く、青色の場合よりも緑色の場合の方が当り遊技に対する期待度が高く、緑色の場合よりも赤色の場合の方が当り遊技に対する期待度が高い。
【0094】
保留表示41の表示色は、第1始動口57又は第2始動口59への入賞に基づき演出表示装置80に表示された当初(出現当初)から、当該保留表示41が消失する(消化される)まで、変化しない場合もあれば、出現当初から消失するまでの間に1段階以上の変化(昇格)を呈する場合(保留表示の昇格演出が行われる場合)もある。
また、保留表示41は、第1始動口57又は第2始動口59への入賞に基づき演出表示装置80に表示された当初(出現当初)から、デフォルトの金色以外の色になり得るようになっていても良い。
【0095】
次に、
図11から
図25を用いて特定演出について説明する。
【0096】
本実施形態に係る遊技機10は、所定の条件が成立した場合に、所定の演出モードが行われる状態に移行する。この演出モードは、演出表示装置80の表示画面が複数の表示領域に分割されるとともに、複数の表示領域の各々において個別にまたは複数の表示領域にまたがって演出が表示されるモード(以下、分割モードと称する)である。分割モードは、例えば、複数回の図柄変動ゲームが実行される期間に亘って継続する。
【0097】
分割モードでは、例えば、
図11等に示すように、演出表示装置80の表示画面が4つの表示領域R1、R2、R3及びR4に分割される。そして、これら表示領域R1〜R4のうち、互いに隣り合う表示領域どうしの境界には、当該互いに隣り合う表示領域どうしを相互に仕切る(区画する)仕切画像81が表示される。仕切画像81の形状は特に限定されないが、本実施形態の場合、例えば、十字型の仕切画像81が表示される。表示領域R1は、仕切画像81によって区画された左上の領域であり、表示領域R2は、仕切画像81によって区画された右上の領域であり、表示領域R3は、仕切画像81によって区画された左下の領域であり、表示領域R4は、仕切画像81によって区画された右下の領域である。分割モードでは、例えば、各表示領域R1〜R4において、個別に演出図柄の変動表示が実行される。
【0098】
分割モードにおいても、演出表示装置80の表示画面には、現在の保留数と対応する数の保留表示が表示される。保留表示が表示される位置及び保留表示の並び方向は特に限定されないが、例えば、
図11に示される画面G1のように、保留表示は、演出表示装置80の表示画面の下縁に沿って、横一列に表示される。
図10等においては、保留数が4であり、4つの保留表示41が表示されている場合を示している。
保留表示41の図柄は特に限定されないが、
図10等の例では、古銭の図柄となっている。
保留表示41は、新たに図柄変動ゲームが開始される度に、1つ消失し、第1始動口57又は第2始動口59への入賞が新たに発生する度に、1つ出現する。ただし、保留表示41の数は、保留上限数の4個が限度となる。
より詳細には、新たに図柄変動ゲームが開始される度に、一番左側の保留表示41が消失するとともに、残りの保留表示41の表示位置が1つずつ左側にずれるような表示が行われる。したがって、現在の保留数と対応する数の保留表示が常に左詰めで表示されることとなる。
【0099】
分割モード中において、演出表示装置80の表示画面には、保留表示41の他に、現在実行中の図柄変動ゲームと対応する保留表示41と関連する表示(以下、当該変動保留表示45と称する)と、当該変動保留表示45に付随する付随画像(本実施形態の場合、例えば、台座画像46)と、が表示される。
台座画像46の表示位置は特に限定されないが、例えば、保留表示41の列の延長上の位置とすることができる。また、当該変動保留表示45の表示位置は、例えば、台座画像46の上方の位置とすることができる。
当該変動保留表示45の形状は、保留表示41と同様の形状(例えば古銭の形状)である。本実施形態の場合、当該変動保留表示45は、例えば、保留表示41を拡大した画像である。
【0100】
分割モード中において、一の図柄変動ゲームが開始される際に、当該一の図柄変動ゲームと対応する保留表示41が消失する一方で、この保留表示41と関連する当該変動保留表示45が台座画像46の上方位置に表示されるようになっている。つまり、保留表示41が台座画像46の上に移動して拡大するかのような表示演出が行われる。
なお、当該変動保留表示45の出現当初の表示色は、例えば、この当該変動保留表示45と関連する保留表示41の最終的な表示色と同じ色とすることができる。
すなわち、保留表示41の表示色が最終的にもデフォルトの金色であった場合には、この保留表示41と関連する当該変動保留表示45の出現当初の表示色は、金色となる。同様に、保留表示41の最終的な表示色が青色であった場合には、この保留表示41と関連する当該変動保留表示45の出現当初の表示色は、青色となる。
ただし、本発明は、この例に限らず、当該変動保留表示45の出現当初の表示色は、保留表示41の最終的な表示色とは異なる表示色となり得てもよい。
【0101】
また、当該変動保留表示45の表示色は、保留表示41と同様に、5種類となっている。
そして、以下に説明するように、予備演出及び特定演出によって、当該変動保留表示45の表示色が昇格しうるようになっている。
【0102】
更に、分割モード中において、演出表示装置80の表示画面には、予備演出及び特定演出の実行に際して表示される主要な画像である特定演出用画像の一例として、しゃちほこ(鯱)を模したしゃちほこ画像71(
図13等参照)が表示される。例えば、
図11に示すように、分割モード中における図柄変動ゲームの開始当初においては、しゃちほこ画像71は、小さく表示され、且つ、台座画像46及び当該変動保留表示45の奥に隠れているかのように表示されるため、大部分が非表示となっている。また、操作有効期間(後述)の開始当初、及び、特定演出の実行前に行われる予備演出の開始当初においても、しゃちほこ画像71は、小さく表示され、且つ、台座画像46及び当該変動保留表示45の奥に隠れているかのように表示されるため、大部分が非表示となっている。
なお、分割モード中における図柄変動ゲームの開始当初や、操作有効期間の開始当初及び予備演出の開始当初において、しゃちほこ画像71は、全体が非表示となっていてもよい(例えば、台座画像46又は当該変動保留表示45に完全に隠れているかのような演出表示がなされてもよい)。
【0103】
予備演出は、遊技者によって操作ボタン37に対して行われる連打操作又は長押し操作に応じて実行される。
連打操作とは、操作ボタン37に対し立て続けに繰り返しのタッチ操作(例えば押下操作)を行うことである。また、長押し操作とは、操作ボタン37に対して継続的にタッチ操作(例えば押下操作)を行うことである。
【0104】
予備演出では、例えば、
図12、
図13及び
図14に示す画面G2、G3、G4のように、しゃちほこ画像71が徐々に拡大する(膨らむ)演出表示が行われる。
連打操作が行われる場合、しゃちほこ画像71の拡大は、連打操作における各回の操作が受け付けられる度に実行されても良いし(つまりしゃちほこ画像71が段階的に拡大しても良いし)、一連の連打操作が行われる際に連続的にしゃちほこ画像71が拡大しても良い。
また、長押し操作が行われる場合、しゃちほこ画像71の拡大は、長押し操作において各回の操作入力(後述)が受け付けられる度に実行されても良いし(つまりしゃちほこ画像71が段階的に拡大しても良いし)、長押し操作が行われる際に連続的にしゃちほこ画像71が拡大しても良い。
なお、以下の説明では、連打操作における各回の操作が受け付けられること、及び、長押し操作における各回の操作入力が受け付けられることを区別せず、いずれも「操作入力が受け付けられる」などと表現する場合がある。
本実施形態の場合、予備演出では、例えば、連打操作又は長押し操作において操作入力が受け付けられる度に、しゃちほこ画像71を1段階拡大させるか否かの抽選(当選確率は、例えば、85/100)が行われ、この抽選に当選した場合にしゃちほこ画像71が拡大する。
しゃちほこ画像71が拡大することにより、該しゃちほこ画像71において、より広範囲の部分が表示される。すなわち、しゃちほこ画像71が台座画像46及び当該変動保留表示45の奥に収まりきらなくなって視認可能となるかのような表示がなされる。
【0105】
なお、一例として、連打操作又は長押し操作において操作入力が1回でも受け付けられた場合には、当該変動保留表示45が少なくとも白色には昇格するようになっている。
ただし、変動パターンは、予備演出が開始されるよりも前に決定されているため、当該変動保留表示45が白色に変化しても、必ずしも当該変動保留表示45と対応する図柄変動ゲームが通常変動以上となるとは限らない。
また、本発明は、この例に限らず、単に連打操作又は長押し操作による操作入力が受け付けられただけでは、当該変動保留表示45が昇格しないようになっていてもよい。
【0106】
そして、演出制御部210は、所定回数の連打操作を受け付けるか、又は、一連の長押し操作中に所定数の操作入力を受け付けることにより、特定抽選(保留昇格演出の実行可否の抽選)を行う。
ここで、連打操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率は、長押し操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率よりも高く設定されている。例えば、
図25に示すように、連打操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率は、85/100(85%)となっており、長押し操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率は、70/100(70%)となっている。
【0107】
特定抽選の結果が「当選」の場合、演出制御部210は、特定演出を実行する。演出制御部210は、特定演出では、例えば、
図15に示す画面G5のように、予備演出によって大きくなったしゃちほこが口から当該変動保留表示45に対して炎を吐くかのような画像表示を図柄表示装置90に行わせる。
すなわち、
図15に示すようなしゃちほこ画像71及び炎画像72の表示を行わせる。この際、
図15に示すように、当該変動保留表示45が炎画像72に隠されているかのように表示させ、炎画像72の表示中は当該変動保留表示45の表示色の変化を隠匿するようにしても良い。
【0108】
更に、演出制御部210は、当該変動保留表示45の表示色をどの色に変化(昇格)させるかの抽選(保留昇格の抽選)を行い、この抽選により決定した表示色に当該変動保留表示45の表示色を変化させる(
図16に示す画面G6)。
ここで、上述のように、例えば、予備演出の際に1回でも連打操作又は長押し操作における操作入力が受け付けられた場合には当該変動保留表示45が白色になるため、特定演出により当該変動保留表示45が昇格しうる表示色の種類は、例えば、青色、緑色及び赤色の3種類となっている。
【0109】
特定演出によって当該変動保留表示45が青色、緑色又は赤色に昇格した場合、演出又は遊技の結果は、保留表示41が青色、緑色又は赤色となった場合と同様になる。
したがって、特定演出は、遊技に対する期待度に関連する演出である、といえる。すなわち、特定演出は、保留表示の昇格演出であり、当り遊技の当否に対する期待度やリーチ演出に対する期待度に関連している。
ただし、本発明は、この例に限らず、特定演出は、当り遊技とは無関係の単なる演出に対する期待度に関連する演出であっても良い。
【0110】
なお、特定抽選は、演出制御部210によって決定された操作有効期間(
図20参照)内において、連打操作による操作入力が所定回数となるか、又は、長押し操作による操作入力が所定数に達する度に行われる。すなわち、特定抽選は、一の操作有効期間において、時間が許す限り、何度でも実行可能となっている。
また、特定演出は、特定抽選の結果が当選となる度に行われる。
また、操作有効期間が満了した場合などにおいて、
図17に示す画面G7のように、しゃちほこ画像71が消失する演出表示が行われる。
【0111】
なお、連打操作が所定回数に達するよりも前に操作をやめた場合、又は、一連の長押し操作中に受け付けられる操作入力が所定数に達する前に長押し操作をやめた場合には、操作有効期間が満了すると、しゃちほこ画像71が縮小して台座画像46の裏に隠れるかのような表示演出が行われても良い。
また、しゃちほこ画像71は、最大の大きさが予め定められている。そして、しゃちほこ画像71が最大の大きさになった後、所定時間(例えば2秒間)の間、操作ボタン37に対する操作が行われない時間が継続した場合には、
図17の場合と同様に、しゃちほこ画像71を消失させても良い。
【0112】
一方、特定抽選の結果が「ハズレ」の場合、演出制御部210は、ハズレ演出を実行する。演出制御部210は、ハズレ演出では、例えば、
図18に示す画面G8のように、予備演出によって大きくなったしゃちほこが口から当該変動保留表示45に対して煙を吐くかのような画像表示を図柄表示装置90に行わせる。
すなわち、
図18に示すようなしゃちほこ画像71及び煙画像73の表示を行わせる。なお、
図18の例では、煙画像73が当該変動保留表示45の背景画像となっており、煙画像73の手前に当該変動保留表示45が表示されているが、当該変動保留表示45が煙画像73に隠されているかのように表示させても良い。
ハズレ演出が実行された場合、当該変動保留表示45の表示色は変化せずに維持される(
図19に示す画面G9参照)。
特定抽選の結果が一旦「ハズレ」となった場合にも、操作有効期間(
図20参照)内において、特定抽選及び特定演出を何度でも実行可能となっている。
【0113】
ここで、
図20に示すように、連打操作又は長押し操作の受け付けは、共通の操作有効期間中に行われる。
操作有効期間は、例えば、分割モード中に行われる毎回の図柄変動ゲームにおいて設定される訳では無く、図柄変動ゲームの開始時に演出制御部210によって行われる抽選に当選した場合に設定される。すなわち、演出制御部210は、情報伝送部110から演出図柄の変動表示の実行指令を受けた場合に、操作有効期間を設定しうるようになっている。
操作有効期間が設定された場合、演出制御部210は、操作有効期間中に連打操作又は長押し操作を受け付ける。
なお、操作有効期間が設定された旨の報知は行わなくても良いが、本実施形態の場合、例えば、
図20に示すように、操作有効期間の開始直前の短時間だけ、操作ボタン37に設けられたランプ(不図示)が演出制御部210の制御下で点灯することによって、操作有効期間が設定された旨の報知が行われるようになっている。
すなわち、操作有効期間が設定された場合、例えば、図柄変動ゲームが開始してからしばらくすると、操作ボタン37に設けられたランプが短時間点灯し、続いて、操作有効期間が開始される。
なお、操作有効期間の長さは、複数種類の期間の中から選択的に決定される。すなわち、操作有効期間の長さは、例えば
図24に示すように、0.5秒間(超短縮)、3秒間(短縮)、5秒間(微短縮)及び8秒間(通常)の4種類の中から決定される。
操作有効期間の長さは、例えば、図柄変動ゲームの開始時に入力されたコマンドに含まれる変動パターンに基づいて演出制御部210が決定することができる。
ただし、操作有効期間の長さは、遊技者による操作の有無などに応じて演出制御部210が決定または変更しても良い。
また、操作有効期間は、図柄変動ゲームの実行中において、演出図柄によるリーチ演出が開始される前に完了することが好ましい。そして、操作有効期間の後で、リーチ演出等の所定演出が実行されて、図柄変動ゲームが終了する。
【0114】
また、演出制御部210は、図柄変動ゲームの開始時に操作有効期間を設定するか否かを決定する際に、当該変動保留表示45の最終表示可能色も決定する。
ここでいう最終表示可能色は、最終的に表示されうる色であり、必ずしも、当該変動保留表示45の最終表示色と一致する訳では無い。
上述の特定抽選に当選して特定演出が行われた場合、当該変動保留表示45は、それまでの色よりも1段階上の色と、最終表示可能色と、の間のいずれかの表示色に変化する。
すなわち、例えば、最終表示可能色が赤色で、特定演出が行われる直前の当該変動保留表示45の表示色が白色の場合、特定演出による変化後の当該変動保留表示45の表示色は、青色、緑色又は赤色のいずれかとなる。つまり、特定演出によって、当該変動保留表示45の表示色が白色から青色へと1段階変化する場合の他、白色から緑色へと2段階変化する場合や、白色から赤色へと3段階変化する場合もある。このように、一度の特定演出による表示色の変化は、1段階に限らず、複数段階になっても良い。
このように、特定演出が行われる場合に当該変動保留表示45が変化する色は、保留昇格の抽選により決定され、演出制御部210は、当該変動保留表示45の表示色を、保留昇格の抽選により決定された色に変化させる。
【0115】
以下、
図21から
図23を用いて、操作有効期間中において連打操作及び長押し操作を受け付ける処理について詳細に説明する。
【0116】
連打操作の受け付けは、操作ボタン37に対する個々の操作が行われたことをサブ制御基板200(演出制御部210)が判定することによってなされる。
ここで、
図21に示すように、操作ボタン37(操作手段)に対して一連の連打操作が行われる際に、演出制御部210(特定演出実行手段)は、所定の操作反応時間間隔(例えば250ms)につき1回以下の操作を受け付け可能に構成されている。
より詳細には、演出制御部210(特定演出実行手段)は、操作ボタン37(操作手段)に対する一の操作が行われてから所定の操作反応時間間隔が経過するまでに1回又は複数回の操作が行われた場合には、当該1回又は複数回の操作を1回の操作として受け付ける。更に詳細には、前回の操作の受け付け時から操作反応時間間隔が経過したときに行われた1回の操作として受け付ける。
【0117】
すなわち、
図21に示すように、操作有効期間が開始されてから操作ボタン37に対してタッチ操作が行われる度に、演出制御部210は、サブ制御基板200が備えるタイマーによる計時を行う。そして、タイマーによる計時が250msに満たないうちに次回のタッチ操作が行われた場合は、演出制御部210は、当該次回のタッチ操作を、初回のタッチ操作の受け付け時から250ms後に行われたタッチ操作として受け付ける。
すなわち、
図21に示す1回目のタッチ操作が行われると、当該タッチ操作が行われたタイミングで当該タッチ操作を受け付ける。また、
図21に示すように、1回目のタッチ操作を受け付けたタイミングから250msが経過する以前に2回目のタッチ操作が行われると、当該2回目のタッチ操作を1回目のタッチ操作の受け付け時から250msが経過したときに行われたタッチ操作として受け付ける。
また、
図21に示す3回目及び4回目のタッチ操作のように、前回のタッチ操作を受け付けたタイミングから250msが経過するまでに2回以上のタッチ操作が行われた場合、当該2回以上のタッチ操作を、前回のタッチ操作の受け付け時から250msが経過したときに行われた1回の操作として受け付ける。したがって、
図21において、3回目のタッチ操作は有効となるが、4回目のタッチ操作は無効となる。
また、前回のタッチ操作を受け付けたタイミングから250msよりも長い時間が経過した場合は、その後新たにタッチ操作が行われたタイミングで当該タッチ操作を受け付ける。すなわち、
図21に示す5回目のタッチ操作については、当該タッチ操作が行われたタイミングで当該タッチ操作を受け付ける。
そしてその後も、前回のタッチ操作の受け付け時から250msが経過するまでに1回又は複数回のタッチ操作が行われた場合には、当該1回又は複数回のタッチ操作を、前回のタッチ操作の受け付け時から250msが経過したときに行われた1回の操作として受け付ける。
【0118】
なお、
図21の例では、特定抽選を行う契機となる連打操作(タッチ操作)の受け付け回数を5回としているが、特定抽選を行う契機となる連打操作の受け付け回数は2回以上の所定回数であれば特に限定されない。
【0119】
また、連打操作時における操作の検出タイミングは、詳細には、操作ボタン37に対して手が触れたタイミング(又は操作ボタン37の押下が検出されたタイミング)であっても良いが、操作ボタン37に触れた手が操作ボタン37から離れたタイミング(又は操作ボタン37の押下解除が検出されたタイミング)としても良い。
【0120】
ところで、一般の遊技者にとって、操作ボタン37に対して250ms以下の時間間隔毎に1回以上のタッチ操作を断続的に行うことは必ずしも容易ではないと考えられ、また、多くの遊技者が全力で連打操作を試みるとは限らない。
このため、本実施形態のように操作反応時間間隔が250ms以下の場合には、典型的には、連打操作時におけるタッチ操作の受け付けは、例えば
図22に示すように、操作反応時間間隔よりも長い時間間隔毎に行われると考えられる。
なお、操作反応時間間隔は、例えば、少なくとも100ms以上とすることができる。
【0121】
一方、
図23に示すように、一連の長押し操作が行われる際には、特定演出制御手段(演出制御部210)は、一連の長押し操作が開始されてから所定の待機時間が経過したタイミングで初回の操作入力を受け付け(入力判定を行い)、以後、所定の単位時間が経過する度に操作入力を受け付ける(入力判定を行う)。
すなわち、本実施形態の場合、特定演出制御手段(演出制御部210)は、長押し操作が開始されたタイミングでは操作入力を受け付けない。
ここで、単位時間は、連打操作時における操作反応時間間隔よりも短い時間であり、例えば、167msとすることができる。
また、待機時間の長さは特に限定されず、単位時間よりも短い時間であってもよいし、単位時間と同じ時間であってもよいし、単位時間よりも長い時間であっても良い。
【0122】
なお、
図23の例では、特定抽選を行う契機となる操作入力の受け付け回数を5回としているが、特定抽選を行う契機となる操作入力の受け付け回数は2回以上の所定回数であれば特に限定されない。
また、本実施形態の場合、例えば、特定抽選を行う契機となる操作入力の受け付け回数は、特定抽選を行う契機となる連打操作(タッチ操作)の受け付け回数と等しい。
【0123】
連打操作による操作入力の受け付け回数が所定回数(例えば5回)となって特定抽選が行われ且つ特定抽選の結果が当選となった場合、又は、一連の長押し操作による操作入力の受け付け回数が所定数(例えば5回)となって特定抽選が行われ且つ特定抽選の結果が当選となった場合には、
図15及び
図16で説明したような特定演出が行われる。
また、連打操作による操作入力の受け付け回数が所定回数(例えば5回)となって特定抽選が行われ且つ特定抽選の結果がハズレとなった場合、又は、一連の長押し操作による操作入力の受け付け回数が所定数(例えば5回)となって特定抽選が行われ且つ特定抽選の結果がハズレとなった場合には、
図18及び
図19で説明したようなハズレ演出が行われる。
このように、連打操作を受け付けることに基づいて実行される特定演出と、長押し操作を受け付けることに基づいて実行される特定演出と、が互いに共通の演出となっている。
【0124】
ここで、互いに共通の演出とは、例えば、共通の画像(しゃちほこ画像71、炎画像72、当該変動保留表示45)を用いて行われる演出である。
また、互いに共通の演出とは、互いに共通の演出群の中から選択される演出であっても良い。
【0125】
なお、連打操作による操作入力の受け付け回数が所定回数(例えば5回)に到達するまで、又は、一連の長押し操作による操作入力の受け付け数が所定数(例えば5回)に達するまでに行われる予備演出についても、互いに共通の演出(例えば、
図11から
図14に示すように、しゃちほこ画像71が徐々に膨らむ演出)となっている。
【0126】
ここで、長押し操作は連打操作と比べて楽であり、且つ、上述の待機時間の経過後は、確実に、単位時間毎に操作入力が受け付けられる。
また、上述のように、操作反応時間間隔が250ms以下の場合、典型的には、連打操作時におけるタッチ操作の受け付けは、例えば、
図22に示すように、操作反応時間間隔よりも長い時間間隔毎に行われることが想定される。
このため、(待機時間の長さや、特定抽選を行う契機となる操作入力の受け付け回数にも依存するものの)、典型的には、連打操作が行われた場合と比べて、長押し操作が行われた場合の方が、速やかに特定抽選が実行されると考えられる。
加えて、本実施形態においては、上述のように、単位時間が操作反応時間間隔よりも短い時間に設定されている。
これにより、例えば、遊技者が長押し操作を選択した場合に、連打操作を選択した場合よりも速やかに特定抽選を実行しうるようにでき、長押し操作を選択することによる演出の迅速化が図れる。
【0127】
このように、本実施形態に係る遊技機10は、図柄変動ゲームを実行可能な遊技機10であって、遊技者が操作可能な操作手段(例えば操作ボタン37)と、操作手段に対する所定回数(例えば5回)の連打操作又は所定数(例えば5つ)の単位時間に亘る長押し操作を受け付けた場合の少なくとも一部において特定演出を実行可能な特定演出実行手段(演出制御部210)と、を備えている。そして、操作手段に対して一連の連打操作が行われる際に、特定演出実行手段は、所定の操作反応時間間隔につき1回以下の操作を受け付け可能に構成されており、単位時間(例えば167ms)が所定の操作反応時間間隔(例えば250ms)よりも短い時間である。
この遊技機10によれば、特定演出に関し、連打操作がなされた場合と長押し操作がなされた場合とのそれぞれに適した制御を実行しうる。このような制御に基づく演出は従来にはなく斬新であるため、遊技者の興趣向上を図りうる。
より詳細には、例えば、単位時間が操作反応時間間隔よりも短い時間であることにより、遊技者が長押し操作を選択した場合に、連打操作を選択した場合よりも速やかに特定抽選を実行しうるようにでき、長押し操作を選択することによる演出の迅速化が図れる。
ただし、単位時間を操作反応時間間隔よりも短い時間とすることによる効果は、特定抽選を行う契機となる連打操作(タッチ操作)の回数(所定回数)と特定抽選を行う契機となる長押し操作による操作入力の数(所定数)との関係などに応じて相違しうる。したがって、単位時間を操作反応時間間隔よりも短い時間とすることによって、必ずしも、長押し操作を選択することによる演出の迅速化が図れるとは限らない。すなわち、遊技者が連打操作を選択する場合と、長押し操作を選択する場合とで、特定抽選の実行に要する時間を公平化しうるようにもできる。或いは、遊技者が連打操作を選択した場合に、長押し操作を選択した場合よりも速やかに特定抽選を実行しうるようにもできる。
【0128】
また、特定演出実行手段(演出制御部210)は、連打操作又は長押し操作を共通の操作有効期間中に受け付ける。よって、遊技者は、共通の操作有効期間において、連打操作又は長押し操作のうち好みの方法を選択的に実行し、遊技機10に特定抽選を行わせうる。
【0129】
また、連打操作を受け付けることに基づいて実行される特定演出と、長押し操作を受け付けることに基づいて実行される特定演出と、が互いに共通の演出であるため、遊技者が連打操作を行った場合と長押し操作を行った場合とで、共通の演出を実行しうるようにできる。
【0130】
また、上述のように、特定演出は、遊技又は演出に対する期待度に関連する演出である。一方、遊技機10は、操作手段(操作ボタン37)に対する各回の連打操作を受け付けたこと又は各単位時間に亘る長押し操作を受け付けたことを報知する報知演出を実行可能な報知演出実行手段(演出制御部210)を備えている。
ここで、操作手段(操作ボタン37)に対する操作が行われたことを報知する報知演出は、例えば、上述のような、しゃちほこ画像71が徐々に膨らむ演出とすることができる。なお、この報知演出は、操作ボタン37が点滅する演出であったり、スピーカ33から音を出力させる演出であっても良い。
このように、遊技又は演出に対する期待度に関連する演出である特定演出とは別に、操作手段(操作ボタン37)に対する操作が行われたことを報知する報知演出を実行することにより、操作しても何らの反応が無い場合とは異なり、操作に対するモチベーションを遊技者が得ることができる。
なお、報知演出は、連打操作又は長押し操作による操作入力が受け付けられる度に実行されても良く、このようにすることによって、遊技者は、操作入力が受け付けられたことを認識することができる。
【0131】
また、特定演出実行手段(演出制御部210)は、一連の長押し操作が行われる際に、一連の長押し操作が開始されてから所定の待機時間が経過したタイミングで操作入力を受け付け、以後、単位時間が経過する度に操作入力を受け付ける。
つまり、長押し操作の開始時には(操作入力の受け付けが開始されるまでの)待機時間が存在する。よって、待機時間の長さを適宜設定することによって、連打と長押しのいずれを有利にするか(又は公平にするか)を調整しうる。
【0132】
更に、特定演出実行手段(演出制御部210)は、一連の長押し操作中に所定数の操作入力を受け付けること、又は、所定回数の連打操作を受け付けることを契機として、特定抽選を行い、且つ、所定数と所定回数が同じ数である。
つまり、連打操作が行われる場合と、長押し操作が行われる場合とで、特定抽選の契機となる操作入力の回数が等しく、且つ、長押し操作の開始時には(操作入力の受け付けが開始されるまでの)待機時間が存在する。よって、待機時間の長さと特定抽選の実行に必要な操作入力の回数とを適宜設定することによって、連打と長押しのいずれを有利にするか(又は公平にするか)を調整しうる。
【0133】
<変形例1>
次に、
図26を用いて、変形例1に係る遊技機について説明する。
本変形例に係る遊技機は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係る遊技機10と相違しているが、その他の点では、上記の実施形態に係る遊技機10と同様に構成されている。
【0134】
図26に示すように、本変形例に係る遊技機においては、操作手段(操作ボタン37)に対して一連の連打操作が行われる際に、特定演出実行手段(演出制御部210)は、操作手段に対する一の操作が行われてから所定の操作反応時間間隔(例えば167ms)が経過するまでに行われた操作は無効にする。このため、上記の実施形態の場合よりも、更に、連打操作が長押し操作と比べて不利となる。なお、
図26の例では、偶数番目に行われたすべてのタッチ操作が無効となっている。
【0135】
<変形例2>
次に、
図27を用いて、変形例2に係る遊技機について説明する。
本変形例に係る遊技機は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係る遊技機10または上記の変形例1に係る遊技機と相違しているが、その他の点では、上記の実施形態に係る遊技機10又は変形例1に係る遊技機と同様に構成されている。
【0136】
図27に示すように、本変形例に係る遊技機においては、操作手段(操作ボタン37)に対して一連の長押し操作が行われる際に、特定演出実行手段(演出制御部210)は、長押し操作が開始されたタイミングで操作入力を受け付け、以後、所定の単位時間(例えば167ms)が経過する度に操作入力を受け付ける。すなわち、本変形例の場合、上述の待機時間が存在しない。
このため、上記の実施形態の場合と比べて、更に、長押し操作が連打操作よりも有利となる。
【0137】
<変形例3>
次に、
図28を用いて、変形例3に係る遊技機について説明する。
本変形例に係る遊技機は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係る遊技機10または上記の変形例1に係る遊技機と相違しているが、その他の点では、上記の実施形態に係る遊技機10又は変形例1に係る遊技機と同様に構成されている。
【0138】
図28に示すように、本変形例に係る遊技機においては、操作手段(操作ボタン37)に対して一連の長押し操作が行われる際に、特定演出実行手段(演出制御部210)は、長押し操作が開始されたタイミングで操作入力を受け付け、長押し操作が開始されてから所定の待機時間が経過したタイミングでも操作入力を受け付け、以後、所定の単位時間が経過する度に操作入力を受け付ける。
すなわち、本変形例の場合、上述の実施形態と同様に待機時間が存在するが、上述の変形例2と同様に、長押し操作が開始されたタイミングで操作入力を受け付ける。
このため、上記の実施形態の場合と比べて、長押し操作が連打操作よりも有利となる。
【0139】
<変形例4>
次に、
図29を用いて、変形例4に係る遊技機について説明する。
本変形例に係る遊技機は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係る遊技機10又は変形例1から3のいずれかに係る遊技機と相違しているが、その他の点では、上記の実施形態に係る遊技機10又は変形例1から3のいずれかに係る遊技機と同様に構成されている。
【0140】
上記においては、特定抽選を行う契機となる連打操作(タッチ操作)の回数(所定回数)と、特定抽選を行う契機となる長押し操作による操作入力の回数(所定数)と、が互いに等しい例を説明したが、本変形例では、特定抽選を行う契機となる連打操作の回数が、特定抽選を行う契機となる長押し操作による操作入力の回数よりも少ない。
すなわち、特定抽選を行う契機となる長押し操作による操作入力の回数は、上記と同様に例えば5回であるのに対して、特定抽選を行う契機となる連打操作(タッチ操作)の回数は、
図29に示すように、例えば4回となっている。このため、上記の場合と比べて、連打操作が有利となる。
【0141】
<変形例5>
次に、
図30を用いて、変形例5に係る遊技機について説明する。
本変形例に係る遊技機は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係る遊技機10又は変形例1から3のいずれかに係る遊技機と相違しているが、その他の点では、上記の実施形態に係る遊技機10又は変形例1から3のいずれかに係る遊技機と同様に構成されている。
【0142】
上記においては、特定抽選を行う契機となる連打操作(タッチ操作)の回数(所定回数)と、特定抽選を行う契機となる長押し操作による操作入力の回数(所定数)と、が互いに等しい例を説明したが、本変形例では、特定抽選を行う契機となる長押し操作による操作入力の回数が、特定抽選を行う契機となる連打操作の回数よりも少ない。
すなわち、特定抽選を行う契機となる連打操作(タッチ操作)の回数は、上記と同様に例えば5回であるのに対して、特定抽選を行う契機となる長押し操作による操作入力の回数は、
図30に示すように、例えば4回となっている。このため、上記の場合と比べて、長押し操作が有利となる。
【0143】
<変形例6>
次に、
図31を用いて、変形例6に係る遊技機について説明する。
本変形例に係る遊技機は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係る遊技機10又は変形例1から5のいずれかに係る遊技機と相違しているが、その他の点では、上記の実施形態に係る遊技機10又は変形例1から5のいずれかに係る遊技機と同様に構成されている。
【0144】
上記においては、連打操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率が、長押し操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率よりも高い例を説明したが、本変形例では、連打操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率と、長押し操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率と、が互いに等しい確率に設定されている。例えば、
図31に示すように、連打操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率と、長押し操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率は、いずれも80/100(80%)となっている。このため、上記の場合と比べて、連打操作が不利となる(長押し操作が有利となる)。
【0145】
<変形例7>
次に、
図32を用いて、変形例7に係る遊技機について説明する。
本変形例に係る遊技機は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係る遊技機10又は変形例1から5のいずれかに係る遊技機と相違しているが、その他の点では、上記の実施形態に係る遊技機10又は変形例1から5のいずれかに係る遊技機と同様に構成されている。
【0146】
上記においては、連打操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率が、長押し操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率よりも高い例を説明したが、本変形例では、長押し操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率が、連打操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率よりも高く設定されている。例えば、
図32に示すように、連打操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率は、70/100(70%)となっており、長押し操作を契機として特定抽選を行う場合の当選確率は、85/100(85%)となっている。このため、上記の場合と比べて、連打操作が不利となる(長押し操作が有利となる)。
【0147】
なお、上記の実施形態及び変形例においては、遊技機がパチンコ遊技機である例を説明したが、本発明は、この例に限らず、遊技機はスロットマシン(回胴式遊技機)であっても良い。
【0148】
また、上記の実施形態及び変形例では、連打操作による操作入力の受け付け回数が2以上の所定回数となった場合、又は、一連の長押し操作による操作入力の受け付け回数が2以上の所定回数となった場合に、特定抽選が行われる例を説明したが、本発明はこの例に限らない。
すなわち、連打操作による操作入力の受け付け毎、又は、一連の長押し操作による操作入力の受け付け毎に、特定抽選が行われても良い。
【0149】
また、操作有効期間中に連打操作と長押し操作とが混在する操作が行われた場合に、操作入力の受け付け回数は、連打操作による操作入力と長押し操作による操作入力との合算としても良いし、一旦連打操作が開始された後で操作入力が所定回数に達する前に長押し操作が開始された場合には長押し操作の開始時以降の操作入力をカウントするようにしても良いし、一旦長押し操作が開始された後で操作入力が所定回数に達する前に連打操作が開始された場合には連打操作の開始時以降の操作入力をカウントするようにしてもよい。
【0150】
また、上記においては、特定抽選に当選した場合に特定演出が実行される例を説明したが、所定回数の連打操作を受け付けるか、又は、一連の長押し操作中に所定数の操作入力を受け付けることにより、(特定抽選を行うことなく)特定演出が実行されても良い。
より詳細には、上述の分割モード中などの所定の条件下において所定回数の連打操作を受け付けるか、又は、一連の長押し操作中に所定数の操作入力を受け付けることにより、(特定抽選を行うことなく)特定演出が実行されても良い。
【0151】
また、上記の実施形態及び変形例では、連打操作を受け付けることに基づいて実行される特定演出と、長押し操作を受け付けることに基づいて実行される特定演出と、が互いに共通の演出である例を説明したが、連打操作を受け付けることに基づいて実行される特定演出と、長押し操作を受け付けることに基づいて実行される特定演出と、が互いに異なっていても良い。より詳細には、連打操作を受け付けることに基づいて実行される特定演出の方が、長押し操作を受け付けることに基づいて実行される特定演出よりも、派手な演出(しゃちほこ画像71がより大きくなる、しゃちほこ画像71の数がより多い、など)であることが挙げられる。
或いは、特定の条件を満たす連打操作を受け付けた場合に実行される特定演出が、長押し操作を受け付けることに基づいて実行される特定演出とは異なるようにしてもよい。例えば、演出制御部210の制御下で操作反応時間間隔と同期して操作ボタン37が点滅するようにし、その点滅に合わせたタイミング(各点滅のタイミングに対して例えば前後に10ms以内の時間差のタイミング)で所定回数行われる連打操作を、「特定の条件を満たす連打操作」とすることができる。これにより、操作ボタン37がむやみに連打されることによる故障の発生を抑制できる。
【0152】
本実施形態は次のような技術思想を包含する。
(1)図柄変動ゲームを実行可能な遊技機であって、
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段に対する所定回数の連打操作又は所定数の単位時間に亘る長押し操作を受け付けた場合の少なくとも一部において特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、
を備え、
前記操作手段に対して一連の連打操作が行われる際に、
前記特定演出実行手段は、所定の操作反応時間間隔につき1回以下の操作を受け付け可能に構成されており、
前記単位時間が前記所定の操作反応時間間隔よりも短い時間である遊技機。
(2)前記特定演出実行手段は、前記連打操作又は前記長押し操作を共通の操作有効期間中に受け付ける(1)に記載の遊技機。
(3)前記連打操作を受け付けることに基づいて実行される前記特定演出と、前記長押し操作を受け付けることに基づいて実行される前記特定演出と、が互いに共通の演出である(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4)前記特定演出は、遊技又は演出に対する期待度に関連する演出であり、
当該遊技機は、前記操作手段に対する各回の連打操作を受け付けたこと又は各単位時間に亘る長押し操作を受け付けたことを報知する報知演出を実行可能な報知演出実行手段を更に備える(1)から(3)のいずれか一項に記載の遊技機。
(5)前記特定演出実行手段は、一連の長押し操作が行われる際に、前記一連の長押し操作が開始されてから所定の待機時間が経過したタイミングで操作入力を受け付け、以後、前記単位時間が経過する度に操作入力を受け付ける(1)から(4)のいずれか一項に記載の遊技機。
(6)前記操作手段に対して一連の連打操作が行われる際に、
前記特定演出実行手段は、前記操作手段に対する一の操作が行われてから所定の操作反応時間間隔が経過するまでに1回又は複数回の操作が行われた場合には、当該1回又は複数回の操作を1回の操作として受け付ける(1)から(5)のいずれか一項に記載の遊技機。
(7)前記操作手段に対して一連の連打操作が行われる際に、
前記特定演出実行手段は、前記操作手段に対する一の操作が行われてから所定の操作反応時間間隔が経過するまでに行われた操作は無効にする(1)から(5)のいずれか一項に記載の遊技機。