特許第6806816号(P6806816)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6806816距離差−周波数分析を用いた配管の漏洩感知装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806816
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】距離差−周波数分析を用いた配管の漏洩感知装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/24 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
   G01M3/24 D
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-15339(P2019-15339)
(22)【出願日】2019年1月31日
(65)【公開番号】特開2019-219377(P2019-219377A)
(43)【公開日】2019年12月26日
【審査請求日】2019年1月31日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0068216
(32)【優先日】2018年6月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】597060645
【氏名又は名称】コリア アトミック エナジー リサーチ インスティテュート
【氏名又は名称原語表記】KOREA ATOMIC ENERGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】尹 斗炳
(72)【発明者】
【氏名】朴 晋▲コウ▼
(72)【発明者】
【氏名】李 訂翰
【審査官】 岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−003311(JP,A)
【文献】 特開2013−061350(JP,A)
【文献】 再公表特許第2014/050618(JP,A1)
【文献】 特開平11−248591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00−3/40
G01N 29/00−29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管の長さ方向に沿って予め設定された間隔で設置され、前記配管から伝達される振動信号を感知する振動感知センサーと、
前記振動信号を用いて相互相関関数を算出し、前記相互相関関数に対する時間遅延−周波数分析を行って相互相関関数の周波数別時間遅延情報を算出し、前記相互相関関数の周波数別時間遅延情報のそれぞれの周波数成分に対してそれぞれ周波数別伝播速度情報を用いた補正変換を行って距離差−周波数分析図を算出し、前記距離差−周波数分析図から前記配管の漏洩成分を感知し、漏洩位置表示信号を発生する制御部と
前記漏洩位置表示信号に基づいて前記配管の漏洩位置を表示する表示部と、
を含
前記表示部に、漏洩成分は垂直線の形態で表示され、雑音成分は水平線の形態で表示される距離差−周波数分析を用いた配管の漏洩感知装置。
【請求項2】
配管の長さ方向両側にそれぞれ設置された一対の振動感知センサーから振動信号(x(t)、x(t))を計測する段階と、
前記振動信号を用いて相互相関関数C12(τ)を算出する段階と、
前記相互相関関数に対する時間遅延−周波数分析を行って、算出された相互相関関数の周波数別時間遅延情報C12(τ、f)を算出する段階と、
前記相互相関関数の周波数別時間遅延情報C12(τ、f)のそれぞれの周波数成分に対してそれぞれ周波数別伝播速度情報c(f)を用いた補正変換δ=cτを行って距離差−周波数分析図D12(δ、f)を算出する段階と、
前記距離差−周波数分析図D12(δ、f)から前記配管の漏洩成分を感知する段階と
前記漏洩成分に基づいて、前記配管の漏洩位置を表示部に表示する段階と、を含
前記配管の前記漏洩位置を前記表示部に表示する段階において、前記漏洩成分を垂直線の形態で前記表示部に表示し、雑音成分を水平線の形態で前記表示部に表示する距離差−周波数分析を用いた配管の漏洩感知方法。
【請求項3】
前記相互相関関数C12(τ)は下記の式によって算出する、請求項に記載の距離差−周波数分析を用いた配管の漏洩感知方法。
[数1]
12(τ)=E[x(t)x(t+τ)]
(ここで、E[]は期待値、τは時間遅延を示す)
【請求項4】
前記周波数別伝播速度情報c(f)は下記の式によって算出する、請求項に記載の距離差−周波数分析を用いた配管の漏洩感知方法。
【数2】
(ここで、cは流体の音速、Bは流体の体積弾性係数、rは配管の半径、hは配管の厚さ、Eは配管材質のヤング率、ρは配管の密度、fは周波数を示す)
【請求項5】
前記時間遅延−周波数分析は、相互相関関数に対するウィグナーヴィル分布または短時間フーリエ変換の方法を用いる、請求項に記載の距離差−周波数分析を用いた配管の漏洩感知方法。
【請求項6】
前記配管の漏洩成分に基づいて前記配管の漏洩位置を表示する段階をさらに含み、前記配管の漏洩位置を表示する段階で垂直線エッジ検出方法を用いる、請求項に記載の距離差−周波数分析を用いた配管の漏洩感知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
距離差−周波数分析を用いた配管の漏洩感知装置および方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
発電所を含むプラントの場合、初期建設時に設置された配管の老朽化によって配管の漏洩が発生することがある。配管の漏洩探知のために主に使用される方法は、相互相関関数(cross−correlation function)を用いた方法である。発電所のようにポンプ、電動機などが持続的に運転される状況では機械運転による雑音成分が相互相関関数に影響を与える。これにより、一般的な相互相関関数技法を使用する場合、漏洩の真偽判別が難しいことがある。
【0003】
プラントの機械運転による周辺雑音環境でクロススペクトル(cross−spectrum)の位相情報傾きを用いて漏洩を推定する技術が開発された。しかし、このような方法は漏洩が一箇所である場合に効果的に適用され、複数の漏洩が発生する場合には適用が難しいことがある。したがって、機械運転雑音が存在する環境で複数の漏洩が存在する場合にも適用可能な漏洩の真偽を判別する技術が要求されている。
【0004】
関連先行文献として、日本公開特許第1999−201858号(特許文献1)は「相関法を用いる管路系の振動測定方法」を開示し、日本登録特許第3295682号(特許文献2)は「配管漏洩位置特定方法における信号処理方法」を開示し、日本登録特許第3639160号(特許文献3)は「異常箇所検出装置」を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−201858号公報
【特許文献2】特許第3295682号公報
【特許文献3】特許第3639160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一実施形態は、配管に機械運転雑音が伝達される環境で複数の漏洩が存在する場合にも距離差−周波数分析を用いて漏洩の真偽判別に対する信頼度を向上させることができる距離差−周波数分析を用いた配管の漏洩感知装置および方法を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
距離差−周波数分析を用いた配管の漏洩感知装置は、配管の長さ方向に沿って予め設定された間隔で設置され、前記配管から伝達される振動信号を感知する振動感知センサーと、振動信号を用いて相互相関関数を算出し、相互相関関数に対する時間遅延−周波数分析を行って相互相関関数の周波数別時間遅延情報を算出し、相互相関関数の周波数別時間遅延情報のそれぞれの周波数成分に対してそれぞれ周波数別伝播速度情報を用いた補正変換を行って距離差−周波数分析図を算出し、距離差−周波数分析図から前記配管の漏洩成分を感知する制御部とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、配管の漏洩が複数で発生する場合にも距離差−周波数分析を用いて配管の漏洩信号に対する特性を視覚化して漏洩真偽判別および漏洩推定をより正確に行うことができる。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、配管に機械運転雑音が伝達される環境でも、漏洩成分は垂直線形態で表現され、回転体の機械運転雑音は水平線形態で表現されるので、より効率的に漏洩を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による距離差−周波数分析を用いた配管漏洩感知装置を示した図である。
図2】本発明の一実施形態による距離差−周波数分析を用いた配管漏洩感知方法を示したフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態による距離差−周波数分析を用いた配管漏洩成分感知過程を表示部に表示したフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態による配管に伝達される回転体雑音信号がある場合に距離差−周波数分析を用いた配管漏洩成分感知過程を表示部に表示したフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態による配管の漏洩が複数である場合に距離差−周波数分析を用いた配管漏洩成分感知過程を表示部に表示したフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態による配管に伝達される回転体雑音信号がある状況で配管の漏洩が複数である場合に距離差−周波数分析を用いた配管漏洩成分感知過程を表示部に表示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面を参照して本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は様々な異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。図面において本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一図面符号を使用した。また、広く知られている公知技術の場合はその具体的な説明は省略する。
【0012】
明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0013】
以下、本発明の一実施形態による配管漏洩感知装置および方法について説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態による距離差−周波数分析を用いた配管漏洩感知装置を示した図である。図1を参照すれば、本発明の一実施形態による距離差−周波数分析を用いた配管の漏洩感知装置は、振動感知センサー10、制御部30、そして表示部40を含み、距離差−周波数分析を用いた配管100の漏洩成分を感知して、機械運転雑音が存在する環境で複数の漏洩が存在する場合にも、従来の技術による方法に比べて漏洩真偽判別の信頼度が向上できる。
【0015】
まず、振動感知センサー10は、配管100の長さ方向に沿って予め設定された間隔をおいて設置されて配管100から伝達される振動信号を感知する。振動感知センサー10は、配管100で漏洩が発生すると予想される漏洩位置(P)の両側に位置するように装着され得る。振動感知センサー10は、配管100の長さ方向に沿って両端にそれぞれ設置され得る。振動感知センサー10は、配管100の漏洩位置(P)および回転体110から伝播される信号が混合された振動信号(x(t)、x(t))を感知することができる。この時、漏洩位置(P)の把握のために超音波信号またはマイクロフォンを用いて測定された音響信号が適用され得るが、これに限定されない。
【0016】
制御部30は、振動感知センサー10から計測された振動信号を用いて相互相関関数(cross−correlation function)を算出する。制御部30は、算出された相互相関関数に対する時間遅延−周波数分析(time delay−frequency analysis)を行って算出された相互相関関数の周波数別時間遅延情報を算出する。そして、制御部30は、算出された相互相関関数の周波数別時間遅延情報のそれぞれの周波数成分に対してそれぞれ周波数別伝播速度情報を用いた補正変換を行って距離差−周波数分析図を算出する。制御部30は、算出された距離差−周波数分析図から配管100の漏洩成分を感知して漏洩位置表示信号を発生する。制御部30は配管100の漏洩位置(P)感知と処理に関する全般的な制御動作を行うマイクロプロセッサを含むことができる。制御部30は、一般的なコンピュータと連結されて関連情報を共有することができる。制御部30は、別途のメモリ部を備えることができる。メモリ部は、制御部30で演算処理された情報と配管100の漏洩位置(P)感知と制御のために関連するデータを保存することができる。
【0017】
表示部40は、制御部30から入力される漏洩位置表示信号に基づいて配管100の漏洩位置(P)を表示する。表示部40は、配管100の漏洩位置(P)に該当する異常部分の有無および特定の信号を表示することができる。表示部40は距離差−周波数領域で視覚的に配管100の漏洩成分を垂直線で表すことができる。そして、回転体110の雑音は水平線で表されるので、従来の技術による方法に比べて容易に漏洩が判別され得る。
【0018】
即ち、表示部40を通じて配管100の漏洩位置(P)を検査者が目で見て容易に判断することができる。
【0019】
図2は本発明の一実施形態による距離差−周波数分析を用いた配管漏洩感知方法を示したフローチャートであり、図3は本発明の一実施形態による距離差−周波数分析を用いた配管漏洩成分感知過程を表示部40に表示したフローチャートであり、図4は本発明の一実施形態による配管100に伝達される回転体110の雑音信号がある場合に距離差−周波数分析を用いた配管漏洩成分感知過程を表示部40に表示したフローチャートである。
【0020】
図1図4を参照して本発明の一実施形態による距離差−周波数分析を用いた配管漏洩感知方法を説明する。
【0021】
まず、制御部30は、配管100の漏洩位置(P)に対する真偽を判別するために配管100の両端に設置された振動感知センサー10から計測された配管100の振動信号を計測する(S210)。そして、制御部30は、計測された配管100の振動信号を用いて相互相関関数を算出する(S220)。制御部30は、配管100の両端に設置された振動感知センサー10を用いて振動信号(x(t)、x(t))を計測し、計測された振動信号を用いて相互相関関数C12(τ)を算出することができる。振動感知センサー10は、図1に示したように、予想される漏洩位置(P)の両側に位置するように装着され、漏洩位置(P)から伝播される漏洩信号および回転体110から伝播される周辺雑音信号(n(t)、n(t))を感知する。
【0022】
第1振動感知センサー10aには漏洩位置(P)から第1漏洩信号(s(t))が到達し得る。また、回転体110から第1機械雑音信号(n(t))が到達し得る。そして、第2振動感知センサー10bには漏洩位置(P)から第2漏洩信号(s(t))が到達し得る。また、回転体110から第2機械雑音信号(n(t))が到達し得る。第1振動感知センサー10aには第1漏洩信号(s(t))と第1機械雑音信号(n(t))が混合された第1振動信号(x(t))が到達し得る。そして、第2振動感知センサー10bには第2漏洩信号(s(t))と第2機械雑音信号(n(t))が混合された第2振動信号(x(t))が到達し得る。第1振動信号(x(t))と第2振動信号(x(t))は数式1で表すことができる。
[数1]
(t)=s(t)+n(t)、x(t)=s(t)+n(t)
【0023】
振動信号(x(t)、x(t))を通じて相互相関関数を求めることによって時間遅延(τ)を求めることができ、時間遅延(τ)を通じて配管100の漏洩位置(P)を推定することができる。この時、数式2が適用され得る。
[数2]
−d=cτ
=(D+cτ)/2、d=(D−cτ)/2、
ここで、dは漏洩位置(P)から第1振動感知センサーまでの距離、dは漏洩位置(P)から第2振動感知センサーまでの距離、Dは第1振動感知センサーと第2振動感知センサーの間の距離、cは振動信号の配管100での伝播速度である。
【0024】
前述のように、振動信号(x(t)、x(t))を通じて計算される相互相関関数は数式3のように表すことができる。
[数3]
12(τ)=E[x(t)x(t+τ)]
ここで、E[]は期待値、τは時間遅延を示す。
【0025】
次いで、制御部30は相互相関関数に対する時間遅延−周波数分析を行って、相互相関関数の周波数別時間遅延情報C12(τ、f)を生成する(S230)。この時、時間遅延−周波数分析過程では相互相関関数に対するウィグナーヴィル分布(Wigner Ville Distribution)または短時間フーリエ変換(STFT;Short Time Fourier Transform)などの方法が使用され得る。実際実験を行った結果、時間遅延−周波数分析段階では周波数が高いほど垂直成分の撓みがより大きく現れる。
【0026】
一方、制御部30は相互相関関数の周波数別時間遅延情報を示すC12(τ、f)のそれぞれの周波数成分に対して、それぞれ周波数別伝播速度c(f)情報を用いた補正変換δ=cτを行って、距離差−周波数分析図D12(δ、f)を算出する(S240)。
【0027】
周波数別伝播速度は数式4のように表すことができる。
【数4】
ここで、(c:流体の音速、B:流体の体積弾性係数、r:配管の半径、h:配管の厚さ、E:配管材質のヤング率(Young’smodulus)、ρ:配管の密度、f:周波数)を示す。
【0028】
この時、配管100の漏洩成分は広帯域周波数成分が同時に発生する特徴を有するので、D12(δ、f)で配管100の漏洩位置(P)に該当するδ(距離差)に対して広帯域周波数成分が存在し、これはD12(δ、f)で垂直線の形態で表示部40に表される。配管100の漏洩成分は垂直線の形態で表示部40に表される反面、持続的に発生する機械運転などによる雑音成分は水平線形態で表示部40に表される。したがって、表示部40に表される垂直成分を効果的に感知することができる方法を適用して配管100の漏洩成分が容易に検出され得る(S250)。例えば、表示部40に表される垂直成分を効果的に感知することができる方法は、垂直線エッジ検出(edge detection)方法がある。周波数別伝播速度情報を用いた補正変換で距離差−周波数分析図を算出し、算出された距離差−周波数分析図で垂直線エッジ検出方法を適用することによって、配管100の漏洩位置(P)に該当する距離差に対して存在する漏洩成分が容易且つ効率的に感知され得る。表示部40に表された垂直成分が撓みがなく垂直な場合は配管100に漏洩が発生した位置(P)が判断され得る。但し、表示部40に表された垂直成分が垂直な場合でなければ、例えば垂直成分が大きく撓んだ状態や斜線形態を維持する場合は配管100に漏洩が発生していないと判断され得る。
【0029】
図4は、本発明の一実施形態による配管に伝達される回転体の雑音信号がある場合に距離差−周波数分析を用いた配管漏洩成分感知過程を表示部40に表示したフローチャートである。図4を参照すれば、本発明の一実施形態による距離差−周波数分析方法を適用する場合、距離差−周波数領域で視覚的に漏洩成分は垂直線で表される反面、回転体110雑音は水平線で表されるので、従来の技術による方法に比べて容易に配管100の漏洩位置(P)を判別することができる。
【0030】
しかし、従来の技術による相互相関関数を用いた方法の場合、回転体110運転雑音が大きくなるほど配管100の漏洩位置(P)の感知が難しい。
【0031】
図5は本発明の一実施形態による配管の漏洩が複数である場合に距離差−周波数分析を用いた配管漏洩成分感知過程を表示部に表示したフローチャートであり、図6は本発明の一実施形態による配管に伝達される回転体の雑音信号がある状況で配管の漏洩が複数である場合に距離差−周波数分析を用いた配管漏洩成分感知過程を表示部に表示したフローチャートである。
【0032】
図5図6を参照すれば、配管100での漏洩位置(P)を感知時に漏洩位置(P)が複数である場合であるか、または回転体110による雑音が大きい場合にも配管100の漏洩位置(P)が垂直成分で正確に表示され得る。配管100の漏洩成分は広帯域周波数成分が同時に発生するので、配管100の漏洩位置(P)に該当する距離差に対して広帯域周波数成分が存在する。これは、周波数別伝播速度情報を用いた補正変換を行って算出された距離差−周波数分析図D12(δ、f)で垂直線の形態で表示部40に表される。配管100での漏洩位置(P)が複数である場合であるか、または回転体110による雑音が大きい場合にも配管100の漏洩成分は垂直線の形態で明確に表示部40に表されるので、配管100の漏洩位置(P)が正確に診断され得る。
【0033】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0034】
10 振動感知センサー
30 制御部
40 表示部
100 配管
110 回転体
図1
図2
図3
図4
図5
図6