(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806869
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】筐体部品に接続される引込み部品を伴うプラグコネクタ部品
(51)【国際特許分類】
H01R 13/74 20060101AFI20201221BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20201221BHJP
H05K 5/00 20060101ALN20201221BHJP
【FI】
H01R13/74 Z
B60L53/16
!H05K5/00 C
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-185237(P2019-185237)
(22)【出願日】2019年10月8日
(65)【公開番号】特開2020-61366(P2020-61366A)
(43)【公開日】2020年4月16日
【審査請求日】2019年12月3日
(31)【優先権主張番号】10 2018 124 821.0
(32)【優先日】2018年10月9日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516018245
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト イー−モビリティ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】PHOENIX CONTACT E−Mobility GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】カルステン・ガルト
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・フェルトナー
(72)【発明者】
【氏名】カイ・シュリューター
【審査官】
井上 信
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−100670(JP,A)
【文献】
特開2006−164611(JP,A)
【文献】
特開2018−147720(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/147760(WO,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第1587175(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2018/0287311(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/73 − 13/74
H01R 13/502− 13/512
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体部品(50)と、前記筐体部品(50)に接続される引込み部品(51)とを有する、嵌め合いプラグコネクタ部品(3)に接続するためのプラグコネクタ部品(5)であって、前記引込み部品は、前記嵌め合いプラグコネクタ部品(3)への差し込み接続のために少なくとも1つの接触要素(512、513)が配置可能なプラグ部分(510、511)を有する、プラグコネクタ部品(5)において、
係止フレーム(52)が少なくとも1つの第1の掛かり止め要素(522)を有し、
前記係止フレーム(52)は、前記引込み部品(51)を前記係止フレーム(52)と共に前記筐体部品(50)に取り付けるために、第1の装着位置において前記少なくとも1つの第1の掛かり止め要素(522)を介して前記引込み部品(51)に掛かり止めされ、
前記筐体部品(50)に取り付けられた位置における前記引込み部品(51)は、能動的な係止様式で、少なくとも1つの第2の掛かり止め要素(502)を介して前記筐体部品(50)に接続され、
前記係止フレーム(52)は、前記引込み部品(51)と前記筐体部品(50)との間の前記能動的な係止接続が前記係止フレーム(52)の第2の装着位置における解放に抗して確保される様式で、前記筐体部品(50)に取り付けられた前記引込み部品(51)の前記位置において前記少なくとも1つの第2の掛かり止め要素(502)に作用するために、前記引込み部品(51)に対する前記第1の装着位置から前記第2の装着位置へと移動可能であることを特徴とするプラグコネクタ部品(5)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第2の掛かり止め要素(502)は、前記引込み部品(51)と前記筐体部品(50)との間に前記能動的な係止接続を確立するために前記引込み部品(51)が前記係止フレーム(50)と共に前記筐体部品(50)に取り付けられるときに、弾性的に歪められることが可能であることを特徴とする、請求項1に記載のプラグコネクタ部品(5)。
【請求項3】
前記係止フレーム(52)は、前記少なくとも1つの第1の掛かり止め要素(522)が配置される本体要素(520)であって、少なくとも断面において前記引込み部品(51)の周りで周方向に延びる本体要素(520)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のプラグコネクタ部品(5)。
【請求項4】
前記本体要素(520)は、前記引込み部品(51)と前記筐体部品(50)との間の前記能動的な係止接続を確保するために、前記係止フレーム(52)の前記第2の装着位置において前記少なくとも1つの第2の掛かり止め要素(502)に作用するように形成されることを特徴とする、請求項3に記載のプラグコネクタ部品(5)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第2の掛かり止め要素(502)は、前記筐体部品(50)に配置され、前記筐体部品(50)に取り付けられた前記引込み部品(51)の前記位置において、前記引込み部品(51)の掛かり止め装置(517)との能動的な接続を確立するように設計されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のプラグコネクタ部品(5)。
【請求項6】
前記第2の装着位置において、前記係止フレーム(52)は、前記少なくとも1つの第2の掛かり止め要素(502)と前記掛かり止め装置(517)との間の前記能動的な接続が解放できないような様式で前記少なくとも1つの第2の掛かり止め要素(502)に作用することを特徴とする、請求項5に記載のプラグコネクタ部品(5)。
【請求項7】
前記係止フレーム(52)は、前記第1の装着位置において前記係止フレーム(52)を前記引込み部品(51)に掛かり止めさせるために、第1の装着方向(M1)で前記引込み部品(51)に取り付け可能であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のプラグコネクタ部品(5)。
【請求項8】
前記係止フレーム(52)は、前記係止フレーム(52)を前記第2の装着位置へと移転させるために、前記第1の装着位置から、前記第1の装着方向(M1)と反対の第2の装着方向(M2)に、前記引込み部品(51)に対して移動可能であることを特徴とする、請求項7に記載のプラグコネクタ部品(5)。
【請求項9】
前記係止フレーム(52)は少なくとも1つの停止要素(521)を有し、前記引込み部品(51)は停止外形(518)を有し、前記第2の装着位置における前記係止フレーム(52)の前記少なくとも1つの停止要素(521)は、前記係止フレーム(52)が前記第2の装着位置へと移転させられるときに前記係止フレーム(52)が前記第2の装着位置を越えて前記引込み部品(51)へと移動させることができないような様式で、前記引込み部品(51)の前記停止外形(518)に圧し掛かることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のプラグコネクタ部品(5)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1の掛かり止め要素(522)は、前記第1の装着位置において、掛かり止まる様式で、前記引込み部品(51)の第1の掛かり止め挿入体(516)と係合させられ、前記第2の装着位置において、掛かり止まる様式で、前記引込み部品(51)の第2の掛かり止め挿入体(519)と係合させられることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のプラグコネクタ部品(5)。
【請求項11】
前記筐体部品(50)は、前記引込み部品(51)が前記筐体部品(50)に接続するために挿入される受入開口(500)を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のプラグコネクタ部品(5)。
【請求項12】
前記引込み部品(51)は、前記プラグ部分(510、511)が前記筐体部品(50)の第2の側において指定された嵌め合いプラグコネクタ部品(3)と嵌まり合うことで接続できるような様式で、前記筐体部品(50)の第1の側において前記受入開口(500)へと挿入されることを特徴とする、請求項11に記載のプラグコネクタ部品(5)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のプラグコネクタ部品(5)を備える、電気車両(4)を充電するための充電システム。
【請求項14】
嵌め合いプラグコネクタ部品(3)に接続するためのプラグコネクタ部品(5)を装着するための方法であって、前記嵌め合いプラグコネクタ部品(3)への差し込み接続のために少なくとも1つの接触要素(512、513)が配置可能なプラグ部分(510、511)を有する引込み部品(51)が筐体部品(50)に接続される、方法において、
前記引込み部品(51)は係止フレーム(52)と共に前記筐体部品(50)に取り付けられ、前記係止フレーム(52)は、少なくとも1つの第1の掛かり止め要素(522)を有し、前記引込み部品(51)が、前記筐体部品(50)に取り付けられた位置において、少なくとも1つの第2の掛かり止め要素(502)を介して能動的な係止様式で前記筐体部品(50)に接続されるような様式で、第1の装着位置において前記少なくとも1つの第1の掛かり止め要素(522)を介して前記引込み部品(51)に掛かり止めされ、
前記係止フレーム(52)は、続いて、前記引込み部品(51)と前記筐体部品(50)との間の前記能動的な係止接続が前記係止フレーム(52)の第2の装着位置における解放に抗して確保されるように、前記筐体部品(50)に取り付けられた前記引込み部品(51)の前記位置において前記係止フレーム(52)が前記少なくとも1つの第2の掛かり止め要素(502)に作用するように、前記引込み部品(51)に対する前記第1の装着位置から前記第2の装着位置へと移動させられることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部による嵌め合いプラグコネクタ部品に接続するためのプラグコネクタ部品に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなプラグコネクタ部品は、筐体部品と、筐体部品に接続される引込み部品とを備え、引込み部品は、嵌め合いプラグコネクタ部品への差し込み接続のために少なくとも1つの(電気)接触要素が配置可能なプラグ部分を有する。
【0003】
このようなプラグコネクタ部品は、例えば、電気的に駆動される車両(電気車両とも称される)を充電するための充電プラグまたは充電ソケットとして使用できる。このような充電ソケットは、例えば車両上に配置され、充電ステーションに接続されるケーブルにおける充電プラグの形態の指定された嵌め合いプラグコネクタ部品と嵌まり合うことで接続でき、それによって充電ステーションと車両との間の電気接続を確立する。
【0004】
特には、車両の一部に配置される「引込み」とも称される充電ソケットの場合、車両製造者の希望に従って、異なる車両に対して、外部から視認可能である筐体部品の変更可能な設計が、通常は提供される。しかしながら、通常は、それに配置される電気接触要素とプラグ部分を形成する引込み部品が、その嵌め合い面を考慮して標準化される。筐体部品が異なる車両について異なって設計される場合、通常は引込み部品が筐体部品(車両に依存して変更可能である)に留まるように適合される必要もあるため、プラグコネクタ部品の設計のために共通の部品を使用することは、以前の手法では困難である。
【0005】
特許文献1に記載されているように、電気駆動部を伴う車両は、異なる構成を伴う充電装置を要求する可能性がある。このような要求は、例えば、充電ステーションに関しての国特有の異なる基準、または、異なる車両システムから生じる。特許文献1に記載されている技術によれば、充電装置はモジュールシステムとして形成される。この場合、万能に使用可能である中間モジュールが、車両への装着のために提供される。この中間モジュールは、種々のモジュールから選択可能なエンドモジュールを取り付けるために、入力側と出力側との両方にインターフェースを有する。
【0006】
特許文献2は、標準化された電気構成要素を異なる車両本体に取り付けるためにアダプタプレートを伴う電気車両のための充電装置を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2014/053221号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第102011004834号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、変更可能な設計とされた異なる筐体部品との同一の引込み部品の使用を可能にするプラグコネクタ部品およびプラグコネクタ部品を装着するための方法を提供することと、このような同一の引込み部品を異なる筐体部品に留めるためのインターフェースを提供することとである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1の特徴を伴う物体によって達成される。
【0010】
したがって、プラグコネクタ部品は、少なくとも1つの第1の掛かり止め要素を有する係止フレームを備える。第1の装着位置において、係止フレームは、引込み部品を係止フレームと共に筐体部品に取り付けるために、少なくとも1つの第1の掛かり止め要素を介して引込み部品に掛かり止めさせられる。筐体部品に取り付けられた位置において、引込み部品は、少なくとも1つの第2の掛かり止め要素を介して能動的な係止様式で筐体部品に接続される。係止フレームは、引込み部品と筐体部品との間の能動的な係止接続が係止フレームの第2の装着位置における解放に抗して確保されるような様式で、筐体部品に取り付けられた引込み部品の位置において少なくとも1つの第2の掛かり止め要素に作用するために、引込み部品に対する第1の装着位置から第2の装着位置へと移動させられ得る。
【0011】
したがって、引込み部品を筐体部品に接続するために、最初に、係止フレームが第1の装着位置にある状態で、引込み部品を筐体部品に取り付けることができ、次に、係止フレームを第1の装着位置から第2の装着位置へと移動させることで引込み部品と筐体部品との間のしっかりとした固定された接続を確立することができるように、引込み部品に配置されて引込み部品に対して移動可能である係止フレームを使用することが提案されている。係止フレームは、引込み部品に配置され、引込み部品と共に筐体部品に取り付けられる。引込み部品が筐体部品に取り付けられたとき、係止フレームは、引込み部品と筐体部品との間に能動的な係止接続を確保するために、筐体部品に対して移動させられる。
【0012】
引込み部品は、筐体部品に取り付けられるとき、筐体部品と能動的な係止接続を形成する。この能動的な係止接続は、引込み部品が筐体部品に取り付けられるときに、引込み部品が能動的な係止様式で筐体部品に接続されるような様式で掛かり止めする少なくとも1つの第2の弾性的に歪むことができる掛かり止め要素によって確立される。係止フレームが引込み部品の第1の装着位置にある場合、少なくとも1つの第2の掛かり止め要素のこのような弾性的な歪みは、引込み部品と筐体部品との間の能動的な係止接続が引込み部品に取り付くことによって確立され得るように可能である。
【0013】
引込み部品が筐体部品に取り付けられ、係止フレームが引込み部品に対してその第1の装着位置から第2の装着位置へと移動させられるとき、第2の掛かり止め要素の弾性的な歪みが妨げられるような様式で係止フレームは少なくとも1つの第2の掛かり止め要素と相互作用する。したがって、少なくとも1つの第2の係止要素がその取られた位置において係止フレームによって妨げられるため、引込み部品と筐体部品との間の能動的な係止接続が確保される。
【0014】
一実施形態では、係止フレームは、少なくとも1つの第1の掛かり止め要素が配置される本体要素であって、少なくとも断面において引込み部品の周りで周方向に延びる本体要素を有する。したがって、本体要素は、1つまたは複数の第1の掛かり止め要素を少なくとも部分的に周方向で包囲して担持し、その第1の掛かり止め要素を通じて、係止フレームは第1の装着位置において引込み部品に掛かり止めされる。したがって、第1の装着位置において、係止フレームは、引込み部品において保持され、引込み部品と共に筐体部品に取り付けることができる。
【0015】
一実施形態では、本体要素は、引込み部品と筐体部品との間の能動的な係止接続を確保するために、係止フレームの第2の装着位置において少なくとも1つの第2の掛かり止め要素に作用するように形成される。本体要素が引込み部品の周りで周方向に延びており、したがって、少なくとも1つの第2の掛かり止め要素の弾性的な歪みが妨げられ、それによって引込み部品と筐体部品との間の能動的な係止接続が解放に抗して確保されるように、係止フレームが引込み部品に対してその第2の装着位置へと移動させられたとき、係止フレームは少なくとも1つの第2の掛かり止め要素に作用する。
【0016】
少なくとも1つの第2の掛かり止め要素は、例えば、筐体部品に配置できる。少なくとも1つの第2の掛かり止め要素は、例えば、筐体部品の底部分から、掛かり止め指部の様式で延ばされてもよく、引込み部品が筐体部品に取り付けられるときに、能動的な係止接続が少なくとも1つの第2の掛かり止め要素を通じて引込み部品と筐体部品との間に確立され得るような様式で弾性的に歪めることができる。
【0017】
この場合、引込み部品が筐体部品に取り付けられるとき、少なくとも1つの第2の掛かり止め要素が引込み部品との相互作用によって自動的に歪められることが提供されてもよい。したがって、少なくとも1つの第2の掛かり止め要素の分離作動が必要ではない。引込み部品が筐体部品に取り付けられるとき、少なくとも1つの第2の掛かり止め要素は歪められ、取付位置に到達されるときに引込み部品と能動的に係止係合した状態になる。
【0018】
引込み部品と筐体部品との間の能動的な係止接続は、この場合、引込み部品が筐体部品に取り付けられるとき、引込み部品の指定された掛かり止め装置と係合する筐体部品に配置される少なくとも1つの第2の掛かり止め要素によって確立できる。掛かり止め装置は、例えば、引込み部品における窪みの形態での掛かり止め凹部によって形成され、引込み部品が筐体部品に取り付けられるとき、少なくとも1つの第2の掛かり止め要素は掛かり止め凹部と係合し、そのため、これを通じて、引込み部品は能動的な係止様式で筐体部品に接続される。それによって、第2の装着位置では、少なくとも1つの第2の掛かり止め要素が引込み部品の掛かり止め装置とのその掛かり止め係合から解放できないような様式で、係止フレームは少なくとも1つの第2の掛かり止め要素に作用する。
【0019】
一実施形態では、係止フレームは、第1の装着位置において係止フレームを引込み部品に掛かり止めさせるために、第1の装着方向で引込み部品に取り付け可能である。したがって、プラグコネクタ部品を装着するために、係止フレームは最初に引込み部品に取り付けられ、これは第1の装着方向で行われる。第1の装着方向において、本体要素を伴う係止フレームは、例えば、本体要素が引込み部品を周方向で包囲するような様式で引込み部品に取り付けられる。
【0020】
引込み部品が係止フレームと共に筐体部品に取り付けられるとき、一実施形態における係止フレームは、係止フレームを第2の装着位置へと移転させるために、第1の装着位置から、第1の装着方向と反対の第2の装着方向に、引込み部品に対して移動させることができる。したがって、第2の装着位置への係止フレームの移転は、第1の装着方向と反対の第2の装着方向に行われる。そのため、第2の装着位置では、係止フレームは、引込み部品と筐体部品との間の能動的な係止接続が確保されるような様式で少なくとも1つの第2の掛かり止め要素に作用し、したがって、引込み部品は、さらなる作用なしでは筐体部品から解放させることはできず、係止フレームを第2の装着位置から移動させるように係止フレームに作動することなしでは少なくとも解放させることはできない。
【0021】
一実施形態では、係止フレームは、第2の装着位置において、引込み部品の停止外形と接触している少なくとも1つの停止要素を有する。停止外形と共に、少なくとも1つの停止要素は、係止フレームが第1の装着位置から第2の装着位置の方向において移転されるとき、少なくとも1つの停止要素が停止外形と接触することになり、したがって係止フレームが第2の装着位置を越えて引込み部品へと移動され得ないような様式で第2の装着位置を定める。係止フレームが第1の装着位置から第2の装着位置へと引込み部品に対して移転されるとき、少なくとも1つの停止要素は停止外形に近づけられ、第2の装着方向で、第2の装着位置に到達させられるときに停止外形と接触することになる。
【0022】
第1の装着位置において、係止フレームは、少なくとも1つの第1の掛かり止め要素を介して、引込み部品に掛かり止めされ、好ましくは、掛かり止め凹部などの形態において引込み部品の第1の掛かり止め挿入体に掛かり止めされ、それによって、引込み部品が筐体部品に取り付けられるときに係止フレームは引込み部品に対して所定位置で保持される。引込み部品が筐体部品に取り付けられた場合に係止フレームがその第1の装着位置から第2の装着位置へと移転されるとき、係止フレームが第2の装着位置において少なくとも1つの第1の掛かり止め要素を介して引込み部品に掛かり止めされ、第2の装着位置において引込み部品に係止されることは、有利に提供され得る。この目的について、少なくとも1つの第1の掛かり止め要素は、第2の装着位置において、例えば掛かり止め凹部の形態において、第2の装着方向でずれている引込み部品の第2の掛かり止め挿入体と、例えば掛かり止まる様式において係合でき、そのため、第2の装着位置において係止フレームと引込み部品との間にも能動的な接続がある。したがって、係止フレームは、さらなる作用なしで第2の装着位置から移動させることはできず、能動的な接続を解放することなしでは少なくとも移動させることはできず、そのため、係止フレームは、さらなる作用なしで作動させることはできず、少なくとも意図されることなく作動させることはなく、したがって、引込み部品と筐体部品との間の接続は確実に確保される。
【0023】
一実施形態において、筐体部品は、引込み部品が筐体部品への接続に向けて挿入されることになる受入開口を有する。この場合、引込み部品は、引込み部品のプラグ部分が筐体部品の第2の側においてアクセス可能となるような様式で筐体部品の第1の側において受入開口へと挿入でき、筐体部品の第2の側において指定された嵌め合いプラグコネクタ部品と嵌まり合うことによって接続可能である。例えば、第1の側は、筐体部品が意図されているように使用されるときに内方を向く内側に対応できる一方で、第2の側は外部からアクセス可能である外側に対応する。したがって、引込み部品は、筐体部品の外側の後部において筐体部品に取り付けられる。したがって、引込み部品が筐体部品に取り付けられたとき、嵌め合いプラグコネクタ部品が外部からプラグコネクタ部品に取り付け可能となるように、プラグ部分によって形成された引込み部品の嵌め合い面は外部からアクセス可能である。
【0024】
例えば、プラグコネクタ部品は、電気車両を充電するための充電システムの一部であってもよい。具体的には、プラグコネクタ部品は、この場合、充電プラグが差し込まれ得る車両の部品に充電ソケットを実装することができ、充電プラグは、例えば、充電ステーションと電気車両との間に電気接続を確立するために、および、電気車両を充電するために、充電ケーブルを介して充電ステーションに接続される。筐体部品は、この場合では変えるように設計でき、一方、筐体部品に接続される引込み部品は、異なる筐体部品に共通部品として取り付け可能である。
【0025】
本課題は、嵌め合いプラグコネクタ部品に接続するためにプラグコネクタ部品を装着する方法によっても達成され、ここで、嵌め合いプラグコネクタ部品への差し込み接続のために少なくとも1つの接触要素が配置可能なプラグ部分を有する引込み部品が、筐体部品へ接続される。この場合、引込み部品が係止フレームと共に筐体部品に取り付けられることも提供され、係止フレームは、少なくとも1つの第1の掛かり止め要素を有し、筐体部品に取り付けられる位置において、引込み部品が少なくとも1つの第2の掛かり止め要素を介して能動的な係止様式で筐体部品に接続されるような様式で、第1の装着位置において少なくとも1つの第1の掛かり止め要素を介して引込み部品に掛かり止めされる。次に、係止フレームは、係止フレームの第2の装着位置における引込み部品と筐体部品との間の能動的な係止接続が解放に抗して確保されるような様式で、筐体部品に取り付けられた引込み部品の位置において少なくとも1つの第2の掛かり止め要素に作用するように、引込み部品に対する第1の装着位置から第2の装着位置へと移動させられる。
【0026】
プラグコネクタ部品について上記で記載された利点および有利な実施形態は、この点において先の記述が参照されるように、方法にも同様に当てはまる。
【0027】
本発明の背景にある考えは、図に示された例示の実施形態に基づいて以下においてより詳細に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】ケーブルが配置されている充電ステーションの図である。
【
図2】車両に取り付けられる充電ソケットの形態でのプラグコネクタ部品の図である。
【
図3】引込み部品をプラグコネクタ部品の筐体部品に取り付ける前に配置されている係止フレームと一緒のプラグコネクタ部品の引込み部品の図である。
【
図4】指定された筐体部品への取り付けの間の引込み部品の図である。
【
図5】係止フレームを第1の装着位置から第2の装着位置へと移転させるために係止フレームを作動させた後の、筐体部品に取り付けられた位置における引込み部品の図である。
【
図7A】係止フレームを第1の装着位置から第2の装着位置へと移転させるために係止フレームを作動させる前の、
図6による線A-Aに沿った断面図である。
【
図8A】係止フレームを第1の装着位置から第2の装着位置へと移転させるために係止フレームを作動させた後の、
図6による線D-Dに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、電気車両とも称される電気的に動力供給される車両4を充電するために使用される充電ステーション1を示している。充電ステーション1は、交流電流または直流電流の形態で充電電流を提供するように設計されており、一端201において充電ステーション1に接続され、他方の端200において充電プラグの形態での嵌め合いプラグコネクタ部品3に接続されているケーブル2を有する。
【0030】
嵌め合いプラグコネクタ部品3は、車両4において、充電ソケットの形態の指定されたプラグコネクタ部品5と嵌め合わされ得る。この様式では、充電ステーション1は、充電電流を充電ステーション1から車両4へと伝えるために、車両4に電気的に接続できる。
【0031】
図2は、例えば車両4に配置される充電ソケットの形態でのプラグコネクタ部品5の1つの例示の実施形態を示している。充電ソケットの形態におけるプラグコネクタ部品5は、引込み部品51が嵌め合い面を形成するように配置される筐体部品50を有する。引込み部品51は、プラグ部分510、511における電気接点512、513を嵌め合いプラグコネクタ部品3と電気的に接触させるために、および、それらを通じての充電ステーション1と車両4との間の電気接続を確立するために、差し込み方向E(
図1参照)に沿って指定された嵌め合いプラグコネクタ部品3と嵌まり合うことによって接続可能なプラグ部分510、511を形成している。
【0032】
示されている例示の実施形態では、電気接触要素512は、上方の第1のプラグ部分510に配置されており、具体的には、充電電流を(おそらくは多相の)交流電流の形態で伝えるために使用できる。対照的に、直流電流の形態の充電電流が車両4へと伝えられ得るのに通る接触要素513は、下方の第2のプラグ部分511に配置されている。充電電流を伝えるための負荷接点に加えて、制御信号を伝えるための信号接点がプラグ部分510、511において提供されてもよい。
【0033】
例として
図2に示されているように、車両4に配置される充電ソケットの形態でのプラグコネクタ部品5の場合、筐体部品50は、通常、異なる車両についてその形が変わる可能性がある。他方で、引込み部品51によって提供される嵌め合い面は、車両4を充電するためにプラグコネクタ部品5が適切に標準化された相補的な充電プラグ3と係合可能なように標準化されている。
【0034】
プラグコネクタ部品5を装着するために、引込み部品51は筐体部品50に取り付けられなければならず、異なって設計された筐体部品50に接続可能な共通の部品が引込み部品51として使用できるようにあらかじめ定められたインターフェースを接続のために使用することは望ましい。これは、完全に異なる筐体部品50において同一の引込み部品51を使用することを可能にし、これは、引込み部品51への適合がもはや必要でなくなるため、部品の種類を少なくし、プラグコネクタ部品5を設計するときに伴う労力およびコストも小さくする。
【0035】
引込み部品51を筐体部品50に接続するために、係止フレーム52が、装着時の異なる状態で
図3〜
図8A、
図8Bに示された例示の実施形態において提供されており、引込み部品51と筐体部品50との間に能動的な係止接続を確保する働きをする。
【0036】
プラグコネクタ部品5を装着するために、係止フレーム52は、
図3に示された最初の作業ステップにおいて、第1の装着方向M1で引込み部品51に取り付けられる。係止フレーム52は、引込み部品51に取り付けられた係止フレーム52の位置において、引込み部品51の引込み筐体514の周りで周方向に延び、それによって筐体514を外部において包囲する本体要素520を有する。本体要素520において、掛かり止め要素522は、本体要素520から第1の装着方向M1に沿って突出する掛かり止め指部の形態で配置され、
図3に示された係止フレーム52の第1の装着位置において、引込み筐体514における周囲の縁の形態での筐体部分515の領域において、両側で掛かり止め挿入体516と能動的に係合させられる(この点において、
図7A〜
図7Cと併せて
図3も参照されたい)。
【0037】
係止フレーム52が第1の装着位置にあることで、引込み部品51は、
図4から
図5への移行で示されているように、引込み筐体514を伴う引込み部品51を筐体部品50の受入開口500へと挿入することで、次の作業ステップにおいて筐体部品50に取り付けることができる。これは、係止フレーム52が掛かり止め要素522を介して引込み部品51において能動的な係止様式で保持された状態で、第1の装着方向M1と反対の第2の装着方向M2で行われる。
【0038】
引込み部品51を筐体部品50の受入開口500へと挿入するとき、筐体部品50の底部分501から突出する掛かり止め要素502は、
図7Aにおける断面図で示されているように、引込み筐体514の外部における凹部の形態での掛かり止め装置517と能動的な係止する様式で係合する。したがって、
図7Aで示されているように、引込み部品51は、筐体部品50の掛かり止め要素502を介して能動的な係止様式で筐体部品50に接続され、引込み部品51が、引込み筐体514との相互作用を通じて、それらが引込み筐体514の両側における凹部の形態での掛かり止め装置517と弾性的に係合した状態となるまで挿入されるとき、掛かり止め要素502は外向きに弾性的に歪められる。
【0039】
引込み部品51が筐体部品50に取り付けられるとき、係止フレーム52は第1の装着位置にあり、その第1の装着位置において、係止フレーム52は、上方の筐体部分515の領域において掛かり止め挿入体516に係合することで、その掛かり止め要素522を介して、引込み部品51において能動的な係止様式で保持される。この第1の装着位置では、係止フレーム52の本体要素520の下方縁部分525が引込み筐体514の掛かり止め装置517の領域において位置付けられ、下方縁部分525は、引込み部品51が筐体部品50に取り付けられるときに筐体部品50の掛かり止め要素502が弾性的に外向きに歪められて掛かり止め装置517と係合可能となるような掛かり止め装置517までの間隙距離を有する。
【0040】
引込み部品51が筐体部品50に取り付けられると、取付者は、
図8Aおよび
図8Bに示されているように、係止フレーム52を第1の装着位置から第2の装着位置へと装着方向M3(第1の装着方向M1と反対)に移動させるために、本体要素520から突出するフランジ部分の形態での作動要素523を介して係止フレーム52を押すことができる。
【0041】
第2の装着位置において、係止フレーム52の掛かり止め要素522は引込み筐体514における掛かり止め挿入体519と係合し、そのため係止フレーム52は引込み部品51とさらに係合し、したがってその第2の装着位置において係止させられる。
【0042】
第1の装着位置における掛かり止め挿入体516と、第2の装着位置における掛かり止め挿入体519との掛かり止め要素522の係合は、係止フレーム52に作用する十分な力によって係止フレーム52が引込み部品51に対して移動可能となるようになっている。この点において、係止フレーム52は、その第1の装着位置から第2の装着位置へと十分な力で移動させることができ、反対に、必要な場合には引込み部品51を筐体部品50からもう一度解放するために、係止フレーム52は第2の装着位置から第1の装着位置へと戻るように移動させることができる。
【0043】
係止フレーム52が第1の装着位置から第2の装着位置へと移転させられるとき、本体要素520から突出する停止要素521を伴う係止フレーム52は、第2の装着位置において停止要素521が停止外形518に圧し掛かるような様式で、引込み筐体514の周囲環体によって形成された停止外形518へと近付けられる。したがって、係止フレーム52は、停止要素521が停止外形518と共に第2の装着位置を定めるように、装着方向M3で第2の装着位置を越えて引込み部品51へと移動させることはできない。
【0044】
第2の装着位置において、係止フレーム52の本体要素520は、
図8Aおよび
図8Bにおける拡大図で示されているように、筐体部品50の掛かり止め要素502の後部において、縁部分525に対して内向きに突出する周方向係止部分524に圧し掛かることになり、そのため、引込み部品51に対する掛かり止め要素502の弾性的な外向きの歪みが係止フレーム52によって妨げられる。したがって、引込み部品51と筐体部品50との間の能動的な係止接続が確保される。
【0045】
筐体部品50への引込み部品51の能動的な係止接続が、それぞれに指定された掛かり止め装置517における掛かり止め要素502の係合を通じて係止フレーム52によって確保される場合、引込み部品51は筐体部品50にしっかりと確実に接続され、具体的には、さらなる作用なしで筐体部品50から解放させることはできず、係止フレーム52を解放することなしでは少なくとも解放させることはできない。
【0046】
筐体部品50への引込み部品51の接続は、標準化された装着過程において標準化された様式で実施でき、同一のインターフェースが同一の引込み部品51を完全に異なって設計される筐体部品50に接続するために作り出されるように、筐体部品50の特定の設計から特に独立している。
【0047】
引込み部品51が筐体部品50に取り付けられるとき、このように作り出された組立体は車両4に装着でき、具体的には、車両本体部分に装着でき、それによってプラグコネクタ部品5が車両4に固定される。
【0048】
接触要素512、513は、引込み部品51を筐体部品50に装着する前に引込み部品51のプラグ部分510、511に配置できる。しかしながら、引込み部品51を筐体部品50に装着した後のみ、接触要素512、513をプラグ部分510、511に配置することも検討可能である。また、電気ケーブルは、引込み部品51を筐体部品50に装着する前または後に、接触要素512、513の電気接触のために引込み部品51に接続できる。
【0049】
引込み部品51が筐体部品50から解放される場合、掛かり止め要素522が掛かり止め挿入体519から係合解除され、引込み部品51の引込み筐体514の両側において掛かり止め挿入体519の上方に配置される掛かり止め挿入体516と係合させられるように、係止フレーム52は装着方向M3(
図8参照)に抗して引込み部品51へと最初に移動させられる。したがって、係止フレーム51は、引込み部品51および筐体部品50に対して
図7Aに示された位置に到達し、その位置において、筐体部品50の掛かり止め要素502は、掛かり止め要素502と指定された掛かり止め装置517との間の能動的な接続を装着方向M2と反対に解放することで、引込み部品51が筐体部品50の開口500から取り外しできるように(
図5から
図4への移行に対応する)、係止フレーム52の係止部分524によってもはや係止されない。
【0050】
本発明の背景にある考えは、先に記載された例示の実施形態に限定されず、完全に異なる様式で実現させることもできる。
【0051】
記載された種類のプラグコネクタ部品が、電気車両において充電ソケットを実装することができ、例えば、充電ケーブルを介して充電ステーションに接続される充電プラグも形成できる。
【0052】
また、このようなプラグコネクタ部品は、充電システムから独立して電気車両を充電するために使用されてもよい。
【0053】
直流電流の形態または交流電流の形態での負荷電流は、このようなプラグコネクタ部品を介して伝えられてもよい。
【0054】
プラグコネクタ部品の引込み部品および筐体部品は、完全に異なって設計されてもよい。この点において、引込み部品および筐体部品は、示された特定の実施形態に特に限定されない。
【符号の説明】
【0055】
1 充電ステーション
2 充電ケーブル
200、201 端
3 嵌め合いプラグコネクタ部品(充電プラグ)
4 車両
5 プラグコネクタ部品(充電ソケット)
50 筐体部品
500 受入開口
501 底部分
502 掛かり止め要素
51 引込み部品
510、511 プラグ部分
512、513 接触要素
514 引込み筐体
515 筐体部分
516 掛かり止め挿入体
517 掛かり止め装置
518 停止外形
519 掛かり止め挿入体
52 係止フレーム
520 本体要素
521 停止要素
522 掛かり止め要素
523 作動要素
524 係止部分
525 縁部分
E 差し込み方向
M1、M2、M3 装着方向