特許第6806875号(P6806875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806875
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】洗浄方法および洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/4093 20060101AFI20201221BHJP
   G05B 19/4155 20060101ALI20201221BHJP
   B23Q 11/00 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   G05B19/4093 J
   G05B19/4155 S
   B23Q11/00 K
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-229053(P2019-229053)
(22)【出願日】2019年12月19日
(65)【公開番号】特開2020-177642(P2020-177642A)
(43)【公開日】2020年10月29日
【審査請求日】2019年12月19日
(31)【優先権主張番号】62/834,607
(32)【優先日】2019年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000132161
【氏名又は名称】株式会社スギノマシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中川 政則
(72)【発明者】
【氏名】リーダー,ドン
【審査官】 尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−035765(JP,A)
【文献】 特開2001−264047(JP,A)
【文献】 特開平6−297292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/18−19/416
G05B 19/42−19/46
B23Q 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に粒子線を透過させて前記対象物の構造をスキャンし、
得られた前記対象物の構造のスキャンデータと前記対象物の3Dモデルを比較して異物を抽出し、
前記異物が含まれる対象部位である洗浄箇所を特定し、
全ての対象部位を洗浄するための全体プログラムの中から、前記洗浄箇所を洗浄するための部分プログラムを実行して、前記対象物を洗浄する、
対象物の洗浄方法。
【請求項2】
更に、
全体プログラムの中から、
前記洗浄箇所に関連する退避部であって、ノズルが洗浄機及び対象物との干渉を避けるための退避部、及び、
前記洗浄箇所の洗浄に係る部位洗浄部、
を全体プログラムから読み取り、
読み取った前記退避部及び前記部分洗浄部を結合して洗浄プログラムを作成する、
請求項1に記載の洗浄方法。
【請求項3】
更に、
前記洗浄箇所に関連付けられたラベルを読み取り、
読み取られた前記ラベルを付された前記部位洗浄部および読み取られた前記ラベルの上位に関連付けられた前記退避部、を前記全体プログラムに掲載された順に並べて前記洗浄プログラムを作成する、
請求項2に記載の洗浄方法。
【請求項4】
更に、
全体プログラムの中から、前記洗浄箇所に対応するノズル選択部を読み取り、
読み取った前記ノズル選択部、前記退避部及び前記部分洗浄部を結合して洗浄プログラムを作成する、
請求項2又は3に記載の洗浄方法。
【請求項5】
更に、
読み取られた前記ラベルの上位に関連付けられた前記ノズル選択部、読み取られた前記ラベルを付された前記部位洗浄部および読み取られた前記ラベルの上位に関連付けられた前記退避部、を前記全体プログラムに掲載された順に並べて前記洗浄プログラムを作成する、
請求項4に記載の洗浄方法。
【請求項6】
更に、
前記スキャンデータと前記3Dモデルを比較し、加工誤差以外の構造の差異を前記異物と抽出する、
請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄方法。
【請求項7】
更に、
あらかじめ定められた閾値以上の大きさの前記異物を抽出する、
請求項1〜6のいずれかに記載の洗浄方法。
【請求項8】
異物が付着した対象物に粒子線を透過させて、前記対象物の構造のスキャンデータを得るスキャナと、
洗浄室と、
前記洗浄室内に配置され、前記対象物に対して相対的に移動するノズルと、
制御装置であって、
対象部位および前記対象部位に関連付けられたラベルを有する3Dモデル、及び
前記ラベルが付された部分プログラムを含む全体プログラム、
を記憶する記憶装置と、
前記スキャンデータと前記3Dモデルとを比較し、前記異物を抽出する比較部と、
前記異物が含まれる対象部位である洗浄箇所に関連付けられた前記ラベルを決定する洗浄箇所決定部と、
前記ラベルに関連付けられた前記部分プログラムを前記全体プログラムから読み出し、前記全体プログラムに規定された順に並べて洗浄プログラムを作成するプログラム作成部と、
を含む演算装置と、
前記洗浄プログラムに基づいて、前記対象物に対して前記ノズルを数値制御する数値制御部と、
を有する制御装置と、
を有する洗浄装置。
【請求項9】
前記部分プログラムは、
上位階層に位置付けられた、前記洗浄箇所に対応するノズル選択部と、
中位階層に位置付けられ、前記ノズル選択部に関連づけられた退避部であって、ノズルが洗浄機及び対象物との干渉を避けるための退避部と、
下位階層に位置付けられ、前記ノズル選択部又は前記退避部に関連付けられた、前記対洗浄箇所の洗浄に係る部位洗浄部と、
を含む、請求項8に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄方法および洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄室、複数のノズルが配置されるタレット装置及びタレット装置を駆動する移動装置を含む洗浄機が提案されている(例えば特許第6147623号公報、以下、特許文献1)。特許文献1の洗浄装置を用いて洗浄する場合、ノズルから洗浄液を噴射し、対象物の全ての対象部位に順に噴流を衝突させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
異物が含まれる対象部位が少ない場合がある。また、全部の対象部位に噴流を当てると、洗浄時間が長くなる。
本発明は、洗浄不要な対象部位の洗浄を省略可能な洗浄方法および洗浄装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の側面は、対象物の洗浄方法であって、
対象物に粒子線を透過させて前記対象物の構造をスキャンし、
得られた前記対象物の構造のスキャンデータと前記対象物の3Dモデルを比較して異物を抽出し、
前記異物が含まれる対象部位である洗浄箇所を特定し、
全ての対象部位を洗浄するための全体プログラムの中から、前記洗浄箇所を洗浄するための部分プログラムを実行して、前記対象物を洗浄する
方法である。
本発明の第2の側面は、洗浄装置であって、
異物が付着した対象物に粒子線を透過させて、前記対象物の構造のスキャンデータを得るスキャナと、
洗浄室と、
前記洗浄室内に配置され、前記対象物に対して相対的に移動するノズルと、
制御装置であって、
対象部位および前記対象部位に関連付けられたラベルを有する3Dモデル、及び
前記ラベルが付された部分プログラムを含む全体プログラム、
を記憶する記憶装置と、
前記スキャンデータと前記3Dモデルとを比較し、前記異物を抽出する比較部と、
前記異物が含まれる対象部位である洗浄箇所に関連付けられた前記ラベルを決定する洗浄箇所決定部と、
前記ラベルに関連付けられた前記部分プログラムを前記全体プログラムから読み出し、前記全体プログラムに規定された順に並べて洗浄プログラムを作成するプログラム作成部と、
を含む演算装置と、
前記洗浄プログラムに基づいて、前記対象物に対して前記ノズルを数値制御する数値制御部と、
を有する制御装置と、
を有する。
【0005】
洗浄は、清掃及びバリ取りを含む。粒子線は、電磁波、中性子線を含む。電磁波は、例えばX線、γ線である。スキャナは、例えば、X線CTスキャナ、γ線CTスキャナ、中性子線CTスキャナである。異物は、例えば、切りくず、切削バリ、繊維くず、研磨材である。
【0006】
対象物は、機械加工後又は組み立て前の機械部品である。対象物は、例えば、シリンダヘッド、シリンダブロック、クランクシャフト、トランスアクスルケース、トランスアクスルハウジング、バルブボディ、ポンプボディ、ABSボディである。対象物は、水穴、油穴、雌ねじ、貫通穴、ピン穴、油路、クランク室、カム室、ボス等の構造を含む。これらの構造のうち、洗浄液の噴流を衝突させて洗浄される部位を対象部位という。
【0007】
洗浄装置は、洗浄機とスキャナを有してよい。洗浄機は、高圧洗浄機と低圧洗浄機を含んで良い。例えば、高圧洗浄機は、対象物の異物が発見された対象部位のみに噴流を当て、低圧洗浄機は、対象物の表面や異物が発見されなかった対象部位に噴流を当てる。
【0008】
洗浄装置は、ポンプやタンクを有しても良い。タンクは、洗浄液を貯留する。ポンプは、洗浄液を加圧し、吐出する。ポンプは、例えば、ピストンポンプ、ギヤポンプ、渦巻きポンプである。ポンプの吐出圧は、好ましくは、5〜200MPaである。
洗浄装置は移動装置と固定ノズルを含んでも良い。移動装置は対象物を固定ノズルに対して移動しても良い。
【0009】
3Dモデルは、基準寸法の対象物の立体モデルであり、対象部位およびラベルを含む。一つ又は複数のラベルが、各対象部位に付される。3Dモデルは、複数の部品を含んで良く、材質情報を含んでも良い。
【0010】
全体プログラム、部分プログラム及び洗浄プログラムは、数値制御プログラムである。全体プログラムは、対象物の全ての対象部位を洗浄するプログラムである。全体プログラムは、部分プログラムを含み、階層構造を有する。下位の部分プログラムは、中位の部分プログラムに関連付けられる。中位の部分プログラムは、上位の部分プログラムと関連付けられる。各部分プログラムにラベルが付される。
部分プログラムは、対象部位に関するノズル選択部、退避部又は部位洗浄部を含む。各部位洗浄部は、関連するノズル選択部や退避部を有する。部分プログラムは、ヘッダ部やフッタ部を含んでも良い。
全体プログラムは、サブプログラムの集合でも良い。
全体プログラムは、必ず洗浄すべき対象部位(必須洗浄部位)に関連する部分プログラムと、選択的に洗浄される対象部位(選択洗浄部位)に関連する部分プログラムを含んでも良い。
【0011】
ラベルは、部分プログラムの部位洗浄部を対象部位に関連付ける。ラベルは、部位洗浄部に関連付けられる。一つの対象部位に、一つ又は複数のラベルが関連付けられる。ラベルは、結合順や部分プログラム同士の関連付けを含んでも良い。ラベルは、プログラム番号でも良い。
【0012】
比較部は、スキャンデータから対象物毎に洗浄される対象部位を抽出する。スキャンデータは、対象物の加工の履歴に応じて、例えば、鋳物欠陥、加工誤差、異物、バリの構造を含む。加工誤差は、例えば、位置誤差、円筒度、全振れ、寸法誤差である。バリ及び異物は、特異な突起としてデータに表れる。更に異物は、素材との材質の相違としても検出されるときがある。加工誤差は、穴や面全体の平行移動や傾斜、面の揺れとして現れる。したがって、比較部は、全体の比較と個別の評価を行う。
例えば、円筒穴についての比較について述べる。円筒穴位置について、スキャンモデルの重心と3Dモデルの重心を比較する。重心は、穴の深さに対して複数位置を抽出しても良い。重心位置の変位を位置誤差として検出する。更に、スキャンモデルの円筒穴の重心に、3Dモデルの円筒穴を重ねて部分的な差分を取る。その差分が、3Dモデルとの変位量が連続的に変化しており、変位量の3Dモデルの表面に沿った長さに対する変位量の傾きが閾値を超えない場合に、その変位部分を円筒誤差と判断する。それ以外の構造の差異を異物と判断する。
比較部は、評価値が閾値以上の異物のみを抽出しても良い。評価値は、異物の計測値であり、例えば、長径寸法や体積である。長径寸法とは、異物の表面に決めた2点間の距離が最も長くなる寸法である。閾値は、洗浄後に残留が認められない異物の評価値である。
【0013】
プログラム作成部は、洗浄すべき対象部位(洗浄箇所)に付されたラベルに関連する部分プログラムを全体プログラムから読み出す。プログラム作成部は、読み出した部分プログラムを構成して洗浄プログラムを作成する。部分プログラムを組み合わせる順番は、ラベルや順位データとして与えられる。このとき、ヘッダ部やフッタ部を加えてよい。
プログラム作成部は、必須洗浄部を洗浄プログラムに加えてよい。
なお、全体プログラムの中から、不要な部分プログラムを読み飛ばす場合には、洗浄プログラムを作成しなくてもよい。
【0014】
洗浄装置に投入される全ての対象物は、スキャナにより検査される。検査の結果、発見された異物が含まれる対象部位と、必須洗浄箇所のみを含む洗浄プログラムが個々の対象物に対して作成される。洗浄装置は、作成された個別の洗浄プログラムに基づいて、対象物を洗浄する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、洗浄不要な対象部位の洗浄を省略可能な洗浄方法および洗浄装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態の洗浄装置
図2】実施形態の制御装置
図3】実施形態の3Dモデル
図4】実施形態の全体プログラム
図5】実施形態の全体プログラムのノズル経路
図6】実施形態の退避部のノズル経路
図7】実施形態の洗浄方法を示すフローチャート
図8】実施形態のモデル比較結果
図9】実施形態の洗浄プログラム
図10】実施形態の洗浄経路
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に示すように、実施形態の洗浄装置10は、X線CTスキャナ(以後、単にスキャナ)11、洗浄機12及び制御装置31を有する。洗浄機12は、洗浄室19、ポンプ18、ノズル15を有する。洗浄機12は、タレット13及び移動装置14を有しても良い。ノズル15は、例えば、直射ノズル151やL型ノズル153である。
【0018】
洗浄機12は、ノズル15から噴流47を対象物17に衝突させ、対象物17を清掃又はバリ取りする。洗浄機12として、例えば米国特許第9364869号、米国特許第9393627号及び米国特許9630217号が提案されている。洗浄機12は、株式会社スギノマシンよりJCCシリーズとして販売されている。
【0019】
洗浄テーブル20は、洗浄室19内に設けられる。洗浄テーブル20は、X軸方向に平行な回転軸21を中心として揺動可能に設けられても良い。洗浄テーブル20は、対象物17を予め定められた位置に位置決めして固定する。
【0020】
ポンプ18は、洗浄液タンク(不図示)から洗浄液を陽圧し、タレット13を介してノズル15へ送る。
【0021】
移動装置14は、タレット13及びノズル15を、洗浄テーブル20に対して、左右方向(X軸方向)、前後方向(Y軸方向)、上下方向(Z軸方向)へ自在に移動する。
【0022】
タレット13は、移動装置14に設けられる。タレット13は、Z軸に平行な回転軸16を有する。タレット13には、複数のノズル15が取り付けられても良い。タレット13は旋回して、一つのノズル15を下方へ割り出す。タレット13は、下方へ割り出されたノズル15へ洗浄液を供給する。
望ましくは、下方に割り出されたノズル15は、回転軸16を中心として回転でき、又は、回転方向に位置決めできる。
【0023】
図5に示すように、直射ノズル151は、軸体15aと噴口15bを有する。軸体15aは、回転軸16に沿って延びる。噴口15bは、回転軸16上の軸体15aの先端に配置される。噴口15bは、回転軸16に沿って噴流47を生ずる。
図6に示すように、L型ノズル153は、軸体15aと噴口15cを有する。噴口15cは、軸体15aの先端部に、回転軸16と垂直に配置される。噴口15cは、回転軸16と垂直方向に噴流47を生ずる。
【0024】
図2に示すように、制御装置31は、演算装置32、記憶装置33、入出力ポート34、入力部35、出力部36及びバス37を有する。バス37は、演算装置32、記憶装置33、入出力ポート34、入力部35及び出力部36を通信可能に接続する。
【0025】
記憶装置33は、主記憶装置や外部記憶装置を有しても良い。記憶装置33は、3Dモデル33b、スキャンデータ33e及び全体プログラム33fを記憶する。
【0026】
図3に示すように、3Dモデル33bは、複数の対象部位33cを含む。各対象部位33cを洗浄するための部分プログラム33hの数と同数のラベル33dが、その対象部位33cに付される。対象部位33c1には、一つのラベルN1001が付される。対象部位33c2には、3つのラベルN1201、N3001、N3101が付される。
【0027】
図4に示すように、全体プログラムは、ラベル33dと、ラベル33dに関連付けられた部分プログラム33hを含む。部分プログラム33hは、例えば、ヘッダ部33h1、ノズル選択部33h2、部位洗浄部33h3、退避部33h4及びフッタ部33h5を含む。各部分プログラム33hには、ラベル33dが付されている。
洗浄機12がただ一つのノズル15を有するときは、ノズル選択部33h2は省かれて良い。
図5に示すように、全体プログラム33fを運転すれば、全ての対象部位33cが洗浄される。軌跡41は、ノズル151の軌跡を示す。
ここで、Mコード及びTコードは次のとおりである。
M06:ノズル選択
M50:噴射開始
M51:噴射停止
M30:エンドオブブロック
T1:直射ノズル選択
T3:L型ノズル選択
ヘッダ部33h1は、機能パラメータや座標系への数値の代入、Gコードの初期設定、扉閉・クランプ・ポンプ運転などの準備動作の指示を含む。
ノズル選択部33h2は、タレット13を回転させるための退避、ノズル選択、噴射開始などの準備動作を含む。ノズル選択部33h2は、上位階層に属する。
部位洗浄部33h3は、各部位に対するノズルの経路を示す。例えば穴であれば、穴の開口部に対する経路をノズル毎に記述される。部位洗浄部33h3は、下位階層に属する。
退避部33h4は、ノズル15が退避する経路を示す。退避部33h4は、いくつかの部位洗浄部33h3の間に挿入される。つまり、退避部33h4の前後の部位洗浄部33h3を直接つなげるとノズル15が対象物17や洗浄機12と干渉する場合に、ノズル15が対象物17や洗浄機12と干渉しないように、退避部33h4が間に挿入される。退避部33h4は、例えば、ゲートモーションやテーブル回転動作である。退避部33h4は、中位階層に属する。
ラベルN3100が付された退避部33h4の軌跡42(ゲートモーション)の一例を図6に示す。L型ノズル153はX−側の開口から、対象部位33c2に噴流47を当てる。このとき、L型ノズル153は、対象物17のX−側に位置している。軌跡42は、L型ノズル153をZ方向の上方に移動し、次いでXY平面上で対象物17のX+側に移動する。この後、X+側から噴流47を当てるように、L型ノズル153を移動させる。このとき、L型ノズル153はZ方向の上方を移動するため、対象物17と干渉しない。
フッタ部33h5は、原点復帰動作、扉開、アンクランプ、ポンプ停止などの終了動作の指示を含む。
例えば、ラベル33dは、関連するノズル番号(Tコード)を千の位の数字と、関連する退避部の並び順を百の位の数字と、ノズル選択部33h2又は退避部33h4に関連する一組の部位洗浄部33h3の並び順を下2桁の数字として、付番される。例えば、全体プログラム33fは、ラベルの昇順にプログラムの処理順が定められる。
【0028】
入出力ポート34は、移動装置14やポンプ18と接続する。
【0029】
入力部35は、例えば、キーボードやポインティングデバイスである。入力部35は、ソフトウェアキーボードやタッチパネルでも良い。出力部36は、例えば、モニターである。
【0030】
演算装置32は、スキャン部32a、数値制御部32b、比較部32c、洗浄箇所決定部32d及びプログラム作成部32eを有する。
スキャン部32aは、スキャナ11を制御する。
数値制御部32bは、移動装置14を数値制御する。数値制御部32bは、洗浄プログラムに沿って、ポンプ18、タレット13を制御する。
比較部32cは、スキャンデータ33eを3Dモデル33bと比較して、スキャンデータ33eに含まれる異物33iを抽出する。
【0031】
図7を参照して、洗浄方法を説明する。スキャナ11は、対象物17に粒子線を透過させて対象物17をスキャンする(S1)。スキャン部32aは、対象物17の構造を含むスキャンデータ33eを得る。
【0032】
図8に示すように、比較部32cは、スキャンデータ33eと3Dモデル33bを比較して、スキャンデータ33eから異物を抽出する(S2)。比較部32cは、対象部位33c1及び対象部位33c2の内部の特異構造を異物33iとする。比較部32cは、対象部位33c3については、加工誤差(直径過大)33kとする。
【0033】
洗浄箇所決定部32dは、抽出した異物33iの含まれる対象部位33c1、33c2を洗浄箇所として特定する(S3)。そして、洗浄箇所決定部32dは、洗浄箇所に関連付けられたラベルN1001、N1201,N3001,N3101をプログラム作成部32eへ送る。
【0034】
図4、8及び9を参照して、プログラム作成部32eは、全体プログラム33fと特定された洗浄箇所に基づいて、洗浄プログラム33mを作成する(S4)。
洗浄箇所に関連する部分プログラム33hをラベルで示すと、次のとおりである。
33c1:N1001,N1000
33c2:N3001,N3101,N3100,N3000
ここで、ラベルN1000が付されたノズル選択部33h2は、ラベルN1001が付された部位洗浄部33h3の上位に関連付けられる。ラベルN3100が付された退避部33h4は、ラベルN3101が付された部位洗浄部33h3の上位に関連付けられる。ラベルN3000が付されたノズル選択部33h2は、ラベルN3001及びN3100の上位に関連付けられる。
プログラム作成部32eは、上述の部分プログラム33hにヘッダ部33h1(ラベル:N0010)及びフッタ部33h5(ラベル:N7000)を加えて、洗浄プログラム33mとする。プログラム作成部32eは、全体プログラム33fの記載順(つまり、ラベルの数字の昇順)に部分プログラム33hを並べて洗浄プログラム33mとする。
【0035】
図10に示すように、洗浄機12は、洗浄プログラム33mを実行して、対象物17を洗浄する(S5)。図10は、対象物17の第三角法による正投影図上に、ノズル151、153の軌跡42〜43を示す。ノズル151、153は、対象部位33c1、33c2のみを洗浄する。
【0036】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
10 洗浄装置
11 スキャナ
15、151、153 ノズル
17 対象物
19 洗浄室
31 制御装置
33f 全体プログラム
33h2 ノズル選択部
33h3 部位洗浄部
33h4 退避部
33i 異物
33m 洗浄プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10