特許第6806896号(P6806896)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6806896デュアルカメラデバイス及び端末デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806896
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】デュアルカメラデバイス及び端末デバイス
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20210101AFI20201221BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20201221BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20201221BHJP
   G03B 19/07 20210101ALI20201221BHJP
【FI】
   G03B17/02
   G03B5/00 J
   G02B7/04 E
   G03B19/07
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-523820(P2019-523820)
(86)(22)【出願日】2017年11月2日
(65)【公表番号】特表2019-536094(P2019-536094A)
(43)【公表日】2019年12月12日
(86)【国際出願番号】CN2017109151
(87)【国際公開番号】WO2018082619
(87)【国際公開日】20180511
【審査請求日】2019年5月23日
(31)【優先権主張番号】201610956637.7
(32)【優先日】2016年11月3日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】李 娟
(72)【発明者】
【氏名】李 得▲亮▼
【審査官】 三宅 克馬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−180836(JP,A)
【文献】 特開2016−038444(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第105785547(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/04
G03B 5/00
G03B 17/02
G03B 19/07
G03B 35/00
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のカメラであって、前記第1のカメラが第1のモーターを含み、前記第1のモーターがM個の第1のコイル、M個の第1の磁石、及び少なくとも1つの第1のホール効果センサーを含み、前記第1のコイルが、電源オンの間前記第1の磁石を浮遊させ、支持するように構成され、Mが正の整数であり、Mが4の倍数である、第1のカメラと、
第2のカメラであって、前記第2のカメラが第2のモーターを含み、前記第2のモーター及び前記第1のモーターが平行に配置され、前記第2のモーターがN個の第2のコイルN個の第2の磁石、及び少なくとも1つの第2のホール効果センサーを含み、前記第2のコイルが、電源オンの間、前記第2の磁石を浮遊させ、支持するように構成され、Nが正の整数であり、Nが4の倍数である、第2のカメラと、を含み、
前記第1のモーターが第1の辺及び前記第1の辺に対向する第2の辺を有し、
前記第2のモーターが第1の辺及び前記第1の辺に対向する第2の辺を有し、
前記第1のモーターの前記第1の辺と、前記第2のモーターの前記第1の辺とが、前記第1のモーター及び前記第2のモーターに対して同一の側にあり、互いに平行であり、
前記第1のモーターの前記第2の辺と、前記第2のモーターの前記第2の辺とが、前記第1のモーター及び前記第2のモーターに対して同一の側にあり、互いに平行であり、
前記第1のホール効果センサーが、前記第1のモーターの前記第1の辺に配置され、前記第1のホール効果センサーと前記第2のモーターの前記第1の辺に配置された前記第2の磁石のうちの1つの磁石との間の距離が、前記第1のモーターの前記第1の辺に配置された前記第1の磁石のうちの1つの磁石と前記第2のモーターの前記第1の辺に配置された前記第2の磁石のうちの前記1つの磁石との間の距離よりも大きく、
前記第2のホール効果センサーが、前記第2のモーターの前記第2の辺に配置され、前記第2のホール効果センサーと前記第1のモーターの前記第2の辺に配置された前記第1の磁石のうちの1つの磁石との間の距離が、前記第1のモーターの前記第2の辺に配置された前記第1の磁石のうちの前記1つの磁石と前記第2のモーターの前記第2の辺に配置された前記第2の磁石のうちの1つの磁石との間の距離よりも大きく、
前記第1のモーター内の前記第1のホール効果センサーの第1の配置位置と、前記第2のモーター内の前記第2の磁石の第2の配置位置との間の距離が、第1のプリセット距離以上である、デュアルカメラデバイス。
【請求項2】
前記第1のモーターがさらに、K個の第1の磁石と、1つの自動焦点調整AFコイルと、を含み、前記AFコイルがリング形状であり、前記K個の第1の磁石が、前記リング形状の外壁に沿って互いに対向して配置され、Kが正の整数であり、Kが2の倍数である、請求項1に記載のデュアルカメラデバイス。
【請求項3】
前記第2のモーター内の前記第2のホール効果センサーの第3の配置位置と、前記第1のモーター内の前記第1の磁石の第4の配置位置との間の距離が、第2のプリセット距離以上である、請求項1または2に記載のデュアルカメラデバイス。
【請求項4】
前記第1のモーターがさらにAFコイルを含み、前記AFコイルがリング形状であり、前記M個の第1の磁石が、前記リング形状の外壁の周りに互いに対向して対で配置された、請求項3に記載のデュアルカメラデバイス。
【請求項5】
前記第2のプリセット距離が5mmである、請求項3または4に記載のデュアルカメラデバイス。
【請求項6】
前記第2のプリセット距離が、前記第3の配置位置と前記第4の配置位置との間の距離によって達成可能な最大値である、請求項3または4に記載のデュアルカメラデバイス。
【請求項7】
前記第1の磁石が双極性磁石である、請求項2から6のいずれか一項に記載のデュアルカメラデバイス。
【請求項8】
前記第1のプリセット距離が、前記第1の配置位置と前記第2の配置位置との間の距離によって達成可能な最大値である、請求項1から7のいずれか一項に記載のデュアルカメラデバイス。
【請求項9】
前記第1のプリセット距離が5mmである、請求項1から7のいずれか一項に記載のデュアルカメラデバイス。
【請求項10】
前記第2の磁石が双極性磁石である、請求項1から9のいずれか一項に記載のデュアルカメラデバイス。
【請求項11】
前記第1のモーターの筐体材料がSUS304またはSUS315である、請求項1から10のいずれか一項に記載のデュアルカメラデバイス。
【請求項12】
前記第2のモーターの筐体材料がSUS304またはSUS315である、請求項1から11のいずれか一項に記載のデュアルカメラデバイス。
【請求項13】
前記第2のモーターがさらにAFコイルを含み、前記AFコイルがリング形状であり、前記N個の第2の磁石が、前記リング形状の外壁の周りに互いに対向して対で配置された、請求項1から12のいずれか一項に記載のデュアルカメラデバイス。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のデュアルカメラデバイスを含む、端末デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は通信分野に関し、より具体的には、デュアルカメラデバイス及び端末デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話におけるデュアルカメラの用途は、次第に普及しつつある。デュアルカメラは、通常、焦点調節機能を有する2つのモーターを含む。モーターは、レンズの位置を決定するためにホール(Hall)効果センサを配置することによって磁場強度を測定及び決定し、それにより焦点調節を実現する。さらに、手振れ防止機能を有するカメラは次第に普及しつつあり、手振れ防止機能は、主に4つの磁石及び、電源オン状態のときに磁石を浮遊させ、支持するのに使用される4つのコイルを用いることによって実現される。
【0003】
しかし、手振れ防止機能を有するモーターがデュアルカメラ携帯電話内に配置される場合、電源オン状態のときに強い磁場が磁石及びコイルによって発生し、さらに強い磁気干渉が別のモーター内のホール効果センサに発生する。
【0004】
従来技術において、デュアルカメラ携帯電話内の手振れ防止機能を有するモーターによって引き起こされる、別のモーターのホール効果センサへの磁気干渉は、ソフトウェアを用いて防止される。しかし、これは、写真撮影の体験(例えば焦点調節の時間)の低下をもたらす。そのため、デュアルカメラ内の手振れ防止機能を有するモーターによって引き起こされる自動焦点調節機能を有するモーターへの磁気干渉を低減することが可能な解決手段が、ユーザー体験を改善するために早急に望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施形態は、デュアルカメラデバイス及び端末デバイスを提供し、手振れ防止機能を有するモーターによって別のモーター内のホール効果センサに引き起こされる磁気干渉が低減可能となり、ユーザー体験が改善可能となる。
【0006】
第1の態様によれば、第1のカメラであって、第1のカメラが第1のモーターを含み、第1のモーターが少なくとも1つの第1のホール効果センサーを含む、第1のカメラと、第2のカメラであって、第2のカメラが第2のモーターを含み、第2のモーター及び第1のモーターが平行に配置され、第2のモーターがN個の第2のコイル及びN個の第2の磁石を含み、第2のコイルが、電源オンの間、第2の磁石を浮遊させ、支持するように構成され、Nが正の整数であり、Nが4の倍数である、第2のカメラと、を含む、デュアルカメラデバイスが提供される。第1のモーター内の第1のホール効果センサーの第1の配置位置と、第2のモーター内の第2の磁石の第2の配置位置との間の距離が、第1のプリセット距離以上である。
【0007】
第1のモーター内のホール効果センサーと、第2のモーター内の磁石との間の距離が第1のプリセット閾値以上であるため、第2のモーター内の磁石及び電源オン状態のときに磁石を支持するコイルによって生じる磁場により、第1のモーター内のホール効果センサーに引き起こされる磁気干渉が低減され、ユーザー体験が向上する。
【0008】
いくつかの可能な実施例において、第1のモーターがさらに、K個の第1の磁石と、1つの自動焦点調整AFコイルと、を含み、AFコイルがリング形状であり、K個の第1の磁石が、リング形状の外壁に沿って互いに対向して配置され、Kが正の整数であり、Kが2の倍数である。
【0009】
第1のモーターはAFモーターであってもよく、第2のモーターは、手振れ機能を有するモーターである。これにより、第2のモーターによりAFモーターの焦点調節機能に加えられる影響を低減し、焦点調節時間を低減する。
【0010】
いくつかの可能な実施例において、第1のモーターがさらに、M個の第1のコイルと、M個の第1の磁石と、を含み、第1のコイルが、電源オンの間第1の磁石を浮遊させ、支持するように構成され、Mが正の整数であり、Mが4の倍数であり、第2のモーターがさらに、少なくとも1つの第2のホール効果センサーを含み、第2のモーター内の第2のホール効果センサーの第3の配置位置と、第1のモーター内の第1の磁石の第4の配置位置との間の距離が、第2のプリセット距離以上である。
【0011】
本出願のこの実施形態において、ホール効果センサー及び磁石の位置は1つのモーター内にレイアウトされ、ホール効果センサー及び磁石の位置は別のモーター内にレイアウトされ、2つのモーター間の磁気干渉を低減し、ユーザー体験が向上する。
【0012】
いくつかの可能な実施例において、第1のモーターがさらにAFコイルを含み、AFコイルがリング形状であり、M個の第1の磁石が、リング形状の外壁の周りに互いに対向して対で配置される。
【0013】
ホール効果センサー及び磁石の位置はOISモーター内にレイアウトされ、ホール効果センサー及び磁石の位置は別のモーター内にレイアウトされ、OISモーターと、手振れ補正機能を有するモーターとの間の磁気干渉を低減し、それによってOISモーターの焦点調節機能及び手振れ補正機能を向上させ、別のモーターの手振れ補正機能を向上させる。
【0014】
いくつかの可能な実施例において、第2のモーターがさらにAFコイルを含み、AFコイルがリング形状であり、N個の第2の磁石が、リング形状の外壁の周りに互いに対向して対で配置される。
【0015】
ホール効果センサー及び磁石の位置は1つのOISモーター内にレイアウトされ、ホール効果センサー及び磁石の位置は別のOISモーター内にレイアウトされ、2つのOISモーター間の磁気干渉を低減し、それぞれ2つのOISモーターの焦点調節機能及び手振れ補正機能を向上させる。
【0016】
いくつかの可能な実施例において、第1の磁石は双極性磁石である。
【0017】
双極性磁石は、より望ましい磁気非漏洩を実現するために、第1のモーターについて使用されてもよく、それにより、第1のモーターによって第2のモーター内のホール効果センサーに引き起こされる磁気干渉がさらに低減可能であり、第2のモーターの焦点調節性能が向上可能である。
【0018】
いくつかの可能な実施例において、第2のプリセット距離が、第3の配置位置と第4の配置位置との間の距離によって達成可能な最大値である。
【0019】
モーター内のレイアウトが小型である場合、第2のプリセット距離は、第2のホール効果センサーの配置位置と第1の磁石の位置との間の最大距離として構成されうる。このようにすると、第1のモーターによって第2のホール効果センサーに引き起こされる干渉が可能な限り低減可能となる。
【0020】
いくつかの可能な実施例において、第2のプリセット距離が5mmである。
【0021】
モーター内部の空間が許せば、第2のプリセット閾値は5mmに設定されてもよく、それによって、第2のホール効果センサーと第1の磁石との間の干渉が効果的に低減される。
【0022】
いくつかの可能な実施例において、第1のプリセット距離が、第1の配置位置と第2の配置位置との間の距離によって達成可能な最大値である。
【0023】
モーター内のレイアウトが小型である場合、第1のプリセット距離が、第1のホール効果センサーの配置位置と第2の磁石の位置との間の最大距離として構成されうる。このようにすると、第2のモーターによって第1のホール効果センサーに引き起こされる磁気干渉が可能な限り低減可能となる。
【0024】
いくつかの実施例において、第1のプリセット距離が5mmである。
【0025】
モーター内の空間が許せば、第1のプリセット閾値は5mmに設定されてもよく、それによって、第2のモーターによって第1のホール効果センサーに引き起こされる干渉が効果的に低減される。
【0026】
いくつかの可能な実施例において、第2の磁石が双極性磁石である。
【0027】
双極性磁石は、より望ましい磁気非漏洩を実現するために第2のモーターに関して使用されてもよく、それによって、第2のモーターによって、第1のモーター内のホール効果センサーに引き起こされる磁気干渉はさらに低減可能である。
【0028】
いくつかの可能な実施例において、第1のモーターの筐体材料はSUS304またはSUS315である。
【0029】
第1のモーターの筐体材料は、弱磁性材料または非磁性材料を使用してもよく、それにより、第1のモーターによって第2のモーターに引き起こされる磁気干渉はさらに低減される。
【0030】
いくつかの可能な実施例において、第2のモーターの筐体材料はSUS304またはSUS315である。
【0031】
第2のモーターの筐体材料も、弱磁性材料または非磁性材料を使用してもよく、それにより、第2のモーターによって第1のモーターに引き起こされる磁気干渉はさらに低減される。
【0032】
第2の態様によれば、第1の態様及び可能な実施例のいずれか1つのデュアルカメラデバイスを含む端末デバイスが提供される。
【0033】
前述の技術的解決手段に基づき、第1のモーター内のホール効果センサーと、第2のモーター内の磁石との間の距離は、本出願の実施形態の第1のプリセット閾値以上に設定され、それにより、第2のモーター内の磁石及び、電源オン状態において磁石を支持するコイルによって生じる磁場により、第1のモーター内のホール効果センサーに引き起こされる磁気干渉が低減され、ユーザー体験が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】開ループ及び閉ループの概略的なフロー図である。
図2】光学画像手振れ補正(Optical Image Stabilization,OIS)モーター内のコイルによる磁石の浮遊及び支持の概略的な構造図である。
図3】自動焦点調節(Autofocus,AF)モーターの内部構造の図である。
図4】AFモーターの焦点調節原理の概略図である。
図5】AFモーターのフォースベアリングの概略図である。
図6】OISモーターの概略的な構造図である。
図7】電源オン状態でOISモーターにより発生する磁場強度の概略図である。
図8】本出願の実施形態に従うデュアルカメラデバイスのモーター構造の立面図である。
図9】本出願の別の実施形態に従うデュアルカメラデバイスのモーター構造の立面図である。
図10】本出願の実施形態に従う双極性磁石の概略図である。
図11】本出願の別の実施形態に従うデュアルカメラデバイスのモーター構造の立面図である。
図12】本出願のさらに別の実施形態に従うデュアルカメラデバイスのモーター構造の立面図である。
図13】本出願の実施形態に従う双極性磁石のレイアウト図である。
図14】本出願の実施形態に従う磁気干渉のシミュレーション結果の図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、本出願の実施形態における添付図を参照して、本出願の実施形態における技術的解決手段を説明する。
【0036】
本出願の実施形態の理解を容易にするために、以下の要素が、本出願の実施形態が説明される前に最初に説明される。
【0037】
自動焦点調節(Autofocus,AF)モーターの動作原理は以下のとおりである。モーター内のコイルが電源オンにされて磁場を発生し、レンズが磁気力に基づいて移動し、AFモーターがホール効果センサを用いることによって磁場強度を測定及び決定してレンズの位置を決定し、レンズ全体の位置を微小距離を用いることによって移動し、焦点距離を制御して、鮮明な画像を実現する。AFモーターは主に、ボイスコイルモーター、ステッパーモーター、液体レンズフォーカス、メモリアレイモーター、液晶レンズフォーカスなどを含み、最もよく使用される駆動機構は、ボイスコイルモーター(Voice Coil Motor,VCM)である。
【0038】
図1は、開ループ及び閉ループのフロー図である。開ループは単純な構造を有し、低コストであり、安定的に作動し、入力信号及び入力かく乱を事前に知ることができる場合には、比較的良好な制御効果を有する。しかし、制御された値のオフセットは、自動的に修正することはできず、システム内の要素パラメータの変化及び外部の未知のかく乱は、制御の精密さに影響を及ぼす。
【0039】
閉ループはフィードバック制御を用いることによって制御される値のオフセットを自動的に修正する能力を有し、要素パラメータの変化及び外部かく乱によって引き起こされたエラーを修正することができ、高い制御精度を有する。閉ループAFモーターは、ホール効果センサーを使用することによって前述の機能を実現し、ホール効果センサーは、磁場内のガウス値を測定及び決定してもよく、それによってレンズの位置がさらに測定及び決定可能である。具体的に、レンズの0及び最大の位置における磁場強度は、ホール効果センサを用いることによって感知され、ドライバー内に保存される。移動位置における磁場強度も、焦点調節レンズセットの移動の間に測定可能であり、強度がドライバーに返される。ドライバーは返された値に基づいて正または負のエラーを得て、この正または負のエラーを用いることにより設定された焦点調節レンズセットの移動方向及び移動速度を制御する。このようにして、焦点調節が、比較的精密かつ素早く実施されうる。
【0040】
OISモーターの自動焦点調節機能は、AFコイル及び、互いに対向する2つの磁石によって実現される。OIS機能は、4つの対で対向した磁石及び4つのOISコイルを含むレンズ浮遊体(図2に示されている)で実現される。OISモーターは主に、並進型OIS焦点調節モーター及び軸移動型焦点調節モーターを含む。2つのOISモーターの原理は同じであり、具体的には、レンズは、画像センサーに対して並進するように制御され、それにより手振れにより引き起こされる画像オフセットが打ち消され、補償される。OISモーターの種類は、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0041】
結論として、AFモーターは垂直方向の移動を通じて焦点距離を調整し、OISモーターはレンズを垂直方向に移動可能であるだけでなく、レンズを水平方向にも移動可能である。端末デバイスに搭載されたジャイロスコープは、手振れ情報を電気信号に変換し、電気信号をOIS制御ドライバーに送る。OIS制御ドライバーは、手振れにより生じた影響を補償するために、浮遊レンズの動きを制御するようにモーターを駆動する。ホール効果センサーは、レンズの位置情報をOIS制御ドライバーにフィードバックし、完全な閉ループ制御を形成する。
【0042】
図3は、自動焦点調節(AF)モーターの内部構造の図である。AFモーターはさらに、開ループ(オープンループ)AFモーター及び閉ループ(クローズドループ)AFモーターに分類される。開ループAFモーターはカバー101、ヨーク102、上部ばね103、磁石104、コイル105、ホルダー106、底部ばね107、端子108及び基部109を含む。閉ループAFモーターは、底部ばねがさらにホール磁石110(磁石ホール素子)、ホール効果センサー111(ホール素子)、及びフレキシブル回路基板(FPC)を含むという点で開ループAFモーターとは異なる。AFモーターはさらにモーター筐体を含むことは理解すべきである。
【0043】
自動焦点調節原理によれば、レンズは画像コントラストを決定するために、モーターを用いて比較的際立って動かされる。具体的な焦点調節プロセスは以下の段階を含む。
【0044】
(1)焦点調節が実施されない場合、焦点の全体の画像が焦点がずれた状態にある。
【0045】
(2)焦点調節が開始し、レンズが移動を開始し、画像が次第に鮮明になり、コントラストが増大し始める。
【0046】
(3)合焦状態において、画像は最も高いコントラストで最も鮮明であるが、これは携帯電話が知ることはできない。そのため、レンズは移動を続ける。
【0047】
(4)レンズが移動を続け、コントラストが低下し始めることを発見する。レンズはさらに動かされ、コントラストがさらに低下することを発見し、携帯電話は焦点がすでに外れたことを知る。
【0048】
(5)レンズは最も高いコントラストを有する位置に戻され、焦点調節を完了する。
【0049】
図4は、焦点調節の原理を示している。図は、焦点調節のプロセスを説明する。2つの最も鮮明な領域がレンズを動かすことによって発見された後、レンズは2つの領域内で鮮明な焦点を発見するためにわずかに動かされる。モーターはレンズをアンペール力を用いることによって移動し、固定磁場及び、変動電流が流れるコイルが必要となる。
【0050】
自動焦点調節モーターの動作原理は次のとおりである。永久磁石の磁場内で、ばね板の伸びる位置がモーター内のコイルの直流電流の値を変更することによって制御され、レンズを上下するように駆動する。例えば、図5に示された自動焦点調節ワークフォースベアリングの状態は、F=IL*BsinαかつFi=fs+gLであり、Fはアンペール力であり、fsはばねの弾性力であり、gLはレンズの重力である。
【0051】
OISモーターは、AFモーターの自動焦点調節機能を有し、さらに手振れ補正機能を有する。OISモーターは通常、X軸方向及びY軸方向に4つの磁石310及びホール効果センサー320を含み、並びに/またはZ軸方向にホール効果センサ320及び筐体330を含む。筐体は通常、アルミニウム材料を使用する。図6はOISモーターの構造図である。4つの磁石は周辺部でヨークに固定される。電源がオンになったのち、磁力が磁石及びコイルによって発生し、レンズキャリアを押して移動させる。Z軸方向の2つのホール効果センサー、4つの磁石及び筐体が図6に含まれている。X軸方向及びY軸方向のホール効果センサーは、X軸方向及びY軸方向における磁場の変化を検出するように構成され、Z軸方向のホール効果センサーは、Z軸方向における磁場の変化を検出するように構成される。
【0052】
従来技術のデュアルカメラデバイスの2つのモーターのうちの一方は手振れ補正機能を有し、もう一方のモーターはホール効果センサーを使用することによって磁場強度を測定及び決定することにより、レンズの位置を決定し、焦点調節を実現する。ホール効果センサー320及び磁石104は無作為に配置され、対応するコイルは各磁石の下に配置される。そのため、コイルが電源オンにされると、強い磁気干渉が、磁石及びコイルによって生じた磁場の力によって、AFモーター内のホールに引き起こされる。そのため、写真撮影の焦点調節速度及び手振れ補正性能が悪化する。例えば、図7は、OISモーター内の電源オンのコイル内の電流が変化した際にコイル及び磁石の変化によって生じる磁力を示している。具体的に、コイル及び磁石によって生じる磁力は、電源オン時の電流が0mAから100mAに増大するにつれて増加する。
【0053】
図8は、本出願の実施形態に従うデュアルカメラデバイスのモーター構造の立面図である。図8に示されるように、デュアルカメラデバイスは、第1のカメラであって、第1のカメラが第1のモーターを含み、第1のモーターが少なくとも1つの第1のホール効果センサーを含む、第1のカメラと、第2のカメラであって、第2のカメラが第2のモーターを含み、第2のモーター及び第1のモーターが平行に配置され、第2のモーターがN個の第2のコイル及びN個の第2の磁石を含む、第2のカメラと、を含み、第2のコイルは電源オンの間、第2の磁石を浮遊させ、支持するように構成され、Nは正の整数であり、Nは4の倍数である。第1のモーター内の第1のホール効果センサーの第1の配置位置と、第2のモーターの第2の磁石の第2の配置位置との間の距離は、第1のプリセット距離以上である。
【0054】
具体的に、第1のモーター410は、少なくとも1つの第1のホール効果センサーを含み、第2のモーター420は、N個の第2の磁石及びN個の第2のコイル(すなわちOISコイル)を含む。Nは4より大きく、4の倍数である。具体的な数量は、モーター内のモジュールの大きさ、2つのカメラ間の距離などに基づいて決定されうる。これは、本出願において限定されない。
【0055】
図8に示されるように、説明を容易にするために、第1のモーター410が1つの第1のホール効果センサー411を含み、第2のモーター420が4つの第2の磁石421及び4つの第2のコイル(コイルは磁石の下にあり、これは図8には示されていない)を含む例が、説明のために使用される。第1のホール効果センサー411は第1のモーター410内に配置され、第2の磁石421は第2のモーター420内に配置され、第1の配置位置と第2の配置位置との間の距離は、第1のプリセット距離以上である。具体的に、センサー及び磁石は、2つのモーター間の磁場に基づいてレイアウトされてもよく、磁場の感受性のある領域が決定され、第1のモーター内のホール効果センサーの配置位置及び第2のモーター内の磁石の配置位置は、磁気に感受性のある領域を用いることによってレイアウトされる。
【0056】
第1のプリセット距離は、代替的に、2つのモーターの内部空間の大きさ(具体的に、第1のプリセット距離は、2つのモーターの内部構成要素の間の最大距離以下である)や測定されたデータなどの因子に基づいて決定されてもよく、または販売時に設定されてもよく、または必要性に基づいて使用者によって設定されてもよい。これは本出願では限定されない。
【0057】
図8の第1の配置位置と第2の配置位置との間の距離は、ホール効果センサー411の中央と磁石421の中央との間の距離でありえ、ホール効果センサー411の左端と磁石421の右端との間の最大距離でありえ、ホール効果センサー411の右端と磁石421の左端との間の最小距離でありえ、ホール効果センサー411の左端と磁石421の左端との間の距離でありうるなどである。これは、本出願では限定されない。さらに、説明を容易にするために、ホール効果センサー411及び磁石421が同じ平面上にある例が、本出願の説明のために使用される。しかし、本出願はこれに限定されない。
【0058】
第1のモーターが複数の第1のホール効果センサーを含み、第2のモーターが複数の第2の磁石を含む場合、第1の配置位置と第2の配置位置との間の距離は、第1のモーター内の複数の第1のホール効果センサーの位置と、第2のモーター内の複数の第2の磁石の位置との間の距離の最小値でありうることは注意すべきである。
【0059】
通常、デュアルカメラデバイスの2つのモーターの間にはギャップが存在することは理解すべきである。ギャップは、実際の用途に基づいて構成されてもよく、通常1.5mm未満に設定される。これは本出願では限定されない。
【0060】
デュアルカメラデバイス内の別のデバイスとの相互の影響がさらに、モーター内のホール効果センサーの配置位置及び磁石の配置位置に関して考慮されるべきであることは、さらに理解されるべきである。これは、本出願のこの実施形態において限定されない。
【0061】
したがって、本出願のこの実施形態におけるデュアルカメラデバイスに関して、第1のモーター内のホール効果センサーと第2のモーター内の磁石との間の距離は、第1のプリセット閾値以上に設定され、そのため、第2のモーター内の磁石及び電源オン時に磁石を支持するコイルによって生じた磁場による第1のモーター内のホール効果センサーに引き起こされる磁気干渉が低減され、ユーザー体験が向上する。
【0062】
任意選択的に、第1のモーターはさらに、K個の第1の磁石412及びAFコイル413を含み、AFコイル413はリング形状であり、K個の第1の磁石412はリング形状の外壁に沿って互いに対向して配置され、Kは正の整数であり、Kは2の倍数である。この場合、第1のモーターはAFモーターとして考えられてもよく、第2のモーターは手振れ補正機能を有する。例えば、図9に示されるように、図9はKが2である例の概略図である。
【0063】
各方向におけるホール効果センサーの数は、モーター内のモジュールの大きさなどの因子に基づいて決定されうることは注意すべきである。これは、本出願では本明細書において限定されない。
【0064】
任意選択的に、第1のプリセット距離は、第1の配置位置及び第2の配置位置によって到達可能な最大値である。
【0065】
具体的に、モーター内のレイアウトが小型である場合、第1のプリセット距離は、第1のホール効果センサーの配置位置と第2の磁石の位置との間の最大距離として考慮されうる。このようにすると、第2のモーターによって第1のホール効果センサーに引き起こされる磁気干渉が可能な限り低減可能である。
【0066】
任意選択的に、モーター内部の空間が許す場合には、第1のプリセット閾値は5mmに設定されてもよく、それによって、第2のモータによって第1のホール効果センサーに引き起こされる磁気干渉は効果的に低減される。
【0067】
任意選択的に、第2の磁石は双極性磁石である。
【0068】
具体的に、第2のモーターは、双極性磁石を使用しうる(図10に示される)。単極性磁石の発散とは異なり、双極性磁石の1つの表面に2つの極性が存在し、双極性磁石の外部磁場は限定される。したがって、より望ましい磁気非漏洩が実現可能であり、第2のモーターによって第1のモーター内のホール効果センサーに引き起こされる磁気干渉がさらに低減されうる。
【0069】
第2のモーター内に含まれる複数の第2の磁石の全てまたはいくつかは、双極性磁石でありうることは理解すべきである。これは、本出願において限定されない。例えば、第2のモーターが、対称的に対で配置されうる4つの磁石を含む。対称的に配置された2つの磁石は、双極性磁石として構成され、別の2つの対称的な磁石は、共通の磁石である。
【0070】
任意選択的に、第1のモーターの筐体材料は、SUS304またはSUS315でありうる。
【0071】
具体的に、第1のモーターの筐体材料は、弱磁性材料または非磁性材料を使用してもよく、それによって、第1のモーターによって第2のモーターに引き起こされる磁気干渉は、さらに低減される。例えば、筐体材料は、SUS304、SUS315などでありうる。弱磁性材料または非磁性材料は、本明細書では限定されない。
【0072】
任意選択的に、第1のモーターはさらに、M個の第1のコイル及びM個の第1の磁石を含み、第1のコイルは、電源オンの間、第1の磁石を浮遊させ、支持するように構成され、Mは正の整数であり、Mは4の倍数である。第2のモーターはさらに、少なくとも1つの第2のホール効果センサーを含み、第2のモーター内の第2のホール効果センサーの第3の配置位置と、第1のモーター内の第1の磁石の第4の配置位置との間の距離は、第2のプリセット距離以上である。
【0073】
具体的に、第1のモーターがさらに、M個の第1の磁石及びM個の第1のコイル(すなわち、OISコイル)を含む場合、第1のモーターも手振れ補正機能を有する。第2のモーターはさらに、第2のホール効果センサーを含み、具体的に、第2のモーターはまた、ホール効果センサーを使用することによって、磁場強度を検出し、測定し、決定することによって、レンズの位置を決定する。このようにすると、第1の磁石及び第1のコイルによって発生した磁場によって、第2のホール効果センサーに引き起こされる強い磁気干渉を回避するために、第1の磁石が第1のモーター内に配置される第3の配置位置と、第2のホール効果センサーが第2のモーター内に配置される第4の配置位置との間の距離は、第2のプリセット距離以上である。図11に示されるように、第1のモーター410はさらに、4つの磁石412及びホール効果センサー411を含み、第2のモーター420はさらに、ホール効果センサー422を含み、ホール効果センサー422と磁石412との間の距離は、第2のプリセット距離以上である。
【0074】
第2のプリセット距離は、第1のプリセット距離と同じでありうることは理解すべきである。詳細は、本明細書では再び記載されない。代替的に、第2のプリセット距離は、第1のプリセット閾値とは異なりうる。これは、本出願では限定されない。
【0075】
同じモーター内のホール効果センサーと磁石との間の磁気干渉は、モジュールが固定値であるため、生産ラインの較正の間に較正されうることはさらに理解すべきである。
【0076】
任意選択的に、第1のモーターはさらにAFコイルを含み、AFコイルはリング形状であり、M個の第1の磁石は、リング形状の外壁の周りに互いに対向して対で配置される。この場合、第1のモーターはOISモーターとして考えられてもよく、第2のモーターは、手振れ補正機能を有する。
【0077】
任意選択的に、第2のモーターはさらにAFコイルを含み、AFコイルはリング形状であり、N個の第2の磁石は、リング形状の外壁の周囲に互いに対向して対で配置される。この場合、第1のモーター及び第2のモーターはともにOISモーターでありえ、換言すれば、2つのカメラはともに手振れ補正機能及び焦点調節機能を有する。
【0078】
任意選択的に、第2のプリセット距離は、第3の配置位置及び第4の配置位置によって到達されうる最大値である。
【0079】
具体的に、モーター内のレイアウトが小型である場合、第2のプリセット距離は、第2のホール効果センサーの配置位置(第3の位置として示される)と、第1の磁石の配置位置(第4の位置として示される)との間の最大距離として構成されうる。このようにして、第1のモーターによって第2のホール効果センサーに引き起こされる干渉は、可能な限り低減できる。
任意選択的に、モーター内部の空間が許す場合には、第2のプリセット閾値は5mmにセットされてもよく、それにより、第2のホール効果センサーと第1の磁石との間の干渉は効果的に低減される。
【0080】
任意選択的に、第1の磁石は双極性磁石でありえ、第1の磁石は第2の磁石と同じまたは第2の磁石と異なりうる。これは、本出願では限定されない。
【0081】
第1のモーター内に含まれるM個の第1の磁石の全てまたはいくつかは、双極性磁石でありうることは理解されるべきである。例えば、第1のモーター内にあり、第2のモーターと近接する磁石は、双極性磁石を使用し、または、互いに対向して配置されたいくつかの磁石のうちの一対の磁石は、双極性磁石である。これは、本出願では限定されない。
【0082】
第1のモーター及び第2のモーターを含むデュアルカメラデバイスは、図12に示されうる。電源オン状態において磁石を支持するように構成されたコイルは、図12の第2のモーターのそれぞれの磁石の下に配置されることは理解されるべきである。
【0083】
図12の(a)に示されるように、第1のモーターは開ループAFモーターであり、開ループAFモーターは2つの磁石を含む。第2のモーターは開ループOISモーターであり、開ループOISモーターは、4つの磁石並びに、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに1つのホール効果センサー(ホール−X及びホール−Y)を含む。開ループAFモーターの磁石及び開ループOISモーターの磁石の全てまたはいくつかは、双極性磁石でありうる。
【0084】
図12の(b)に示されるように、第1のモーターは閉ループAFモーターであり、閉ループAFモーターは、2つの磁石及び、Z軸方向の2つのホール効果センサー(ホール−1及びホール−2)を含む。第2のモーターは開ループOISモーターであり、開ループOISモーターは、4つの磁石並びに、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに1つのホール効果センサー(ホール−X及びホール−Y)を含む。閉ループAFモーター内の磁石及び開ループOISモーター内の磁石の全てまたはいくつかは、双極性磁石でありうる。図12の(c)に示されるように、第1のモーターは開ループAFモーターであり、開ループAFモーターは2つの磁石を含む。第2のモーターは閉ループOISモーターであり、閉ループOISモーターは4つの磁石並びに、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のそれぞれに1つのホール効果センサー(ホール−X、ホール−Y及びホール−Z)を含む。開ループAFモーター内の磁石及び閉ループOISモーター内の磁石の全てまたはいくつかは、双極性磁石でありうる。
【0085】
図12の(d)に示されるように、第1のモーターは閉ループAFモーターであり、閉ループAFモーターは2つの磁石及び、Z軸方向に2つのホール効果センサー(ホール−1及びホール−2)を含む。第2のモーターは閉ループOISモーターであり、閉ループOISモーターは4つの磁石並びに、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のそれぞれに1つのホール効果センサー(ホール−X、ホール−Y及びホール−Z)を含む。閉ループAFモーター内の磁石及び閉ループOISモーター内の磁石の全てまたはいくつかは、双極性磁石でありうる。
【0086】
第1のモーター及び第2のモーターはともにOISモーターでありうることは理解されるべきである。これは、本出願では限定されない。
【0087】
任意選択的に、第2のモーターの筐体材料はまた、弱磁性材料または非磁性材料を使用してもよく、それによって、第2のモーターによって第1のモーターに引き起こされる磁気干渉がさらに低減される。例えば、筐体材料はSUS304またはSUS315である。
【0088】
第1のモーターの筐体材料は、第2のモーターの筐体材料と同じまたは異なるものでありうることは理解すべきである。
【0089】
デュアルカメラデバイスが閉ループAFモーター及び閉ループOISモーターを含む例は、説明のために使用される。図13は、図12の(d)に示される、閉ループAFモーター内の磁石及び閉ループOISモーター内の磁石のレイアウト図である。図13の磁石のいくつかは、双極性磁石である。図14は、図13に示された双極性磁石の構造レイアウトの磁気干渉のシミュレーション図である。図14は、単一AF閉ループモーター、単一閉ループOISモーター、並びに閉ループAFモーター及び閉ループOISモーターの磁気干渉のシミュレーション結果の図である。図から、3つの曲線がほとんど一致することが分かる。換言すれば、閉ループモーター及び閉ループOISモーターが図13に示されるようにレイアウトされ、磁石が双極性磁石として構成される場合、磁気干渉が比較的弱い。
【0090】
したがって、本出願のこの実施形態のデュアルカメラデバイスに関して、ホール効果センサー及び磁石の位置は、2つのモーター内にレイアウトされ、双極性磁石は磁石として使用され、モーターの筐体材料は、弱磁性材料または非磁性材料に変更される。これは、2つのモーター間の磁気干渉を低減し、そのためユーザー体験が向上される。
【0091】
任意選択的に、本出願の実施形態は、前述の実施例のいずれか1つに従うデュアルカメラデバイスを含む端末デバイスを提供する。端末デバイスは携帯電話、携帯ステーション、タブレットコンピュータ、デジタルカメラなどを含むがこれらに限定されない。これは、本出願では限定されない。
【0092】
具体的に、端末デバイスが携帯電話である場合、端末デバイスは、デュアルカメラデバイス、画像処理チップ、感光性構成要素、ディスプレイ、及び電池を含む。端末デバイスがデジタルカメラである場合、端末デバイスはデュアルカメラデバイス、画像処理チップ、感光性構成要素、アパーチャ、ディスプレイ、電池、シャッターなどを含む。詳細は、本出願のこの実施形態では説明されない。
【0093】
本出願のこの実施形態のデュアルカメラは、携帯電話の背面上の、平行に配置された2つのカメラでありえ、または、携帯電話の前面及び背面にそれぞれ配置された2つのカメラでありうる。これは、本出願では限定されない。
【0094】
当業者であれば、説明の簡略化及び簡潔性のために、前述のデュアルカメラデバイスおよび端末デバイスの具体的な動作プロセスは、本明細書では再び説明されない。
【0095】
前述の説明は、本出願の単なる具体的な実施例であるが、本出願の保護範囲を限定することを意図されない。本出願に開示された技術的範囲内で、当業者によって容易に行われる任意の変更または置換は、本出願の保護範囲に含まれるものとする。そのため、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲によるものである。
【符号の説明】
【0096】
101 カバー
102 ヨーク
103 上部ばね
104 磁石
105 コイル
106 ホルダー
107 底部ばね
108 端子
109 基部
110 ホール磁石
111 ホール効果センサー
410 第1のモーター
411 第1のホール効果センサー
412 第1の磁石
413 AFコイル
420 第2のモーター
421 第2の磁石
422 ホール効果センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14