(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806929
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】取り付け板組立体とその取り付け方法
(51)【国際特許分類】
H02B 1/30 20060101AFI20201221BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
H02B1/30 A
H05K5/02 N
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-554690(P2019-554690)
(86)(22)【出願日】2018年2月13日
(65)【公表番号】特表2020-516228(P2020-516228A)
(43)【公表日】2020年5月28日
(86)【国際出願番号】DE2018100121
(87)【国際公開番号】WO2018192603
(87)【国際公開日】20181025
【審査請求日】2019年10月3日
(31)【優先権主張番号】102017108518.1
(32)【優先日】2017年4月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512086138
【氏名又は名称】リッタル ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Rittal GmbH & Co.KG
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(72)【発明者】
【氏名】ベーメ,シーグフリード
(72)【発明者】
【氏名】ホリクハウス,ハイコ
(72)【発明者】
【氏名】ブルック,ダニエル
【審査官】
北岡 信恭
(56)【参考文献】
【文献】
実開平03−050910(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2017/0127555(US,A1)
【文献】
独国特許発明第19737488(DE,C1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/30
H05K 5/00− 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチキャビネットフレーム(1)と、
少なくとも1つの取り付け板保持部(2)を介して固定される取付け板(10)と、
を備え、
前記スイッチキャビネットフレーム(1)には、4つの形材支柱(4)を備える矩形床フレーム(3)が備えられ、
前記矩形床フレーム(3)の外側面(5)に、前記スイッチキャビネットフレーム(1)の外側封止面(E)よりも、前記スイッチキャビネットフレームの内部側にずれて設けられた固定部(6)が備えられている取付け板組立体において、
前記取り付け板保持部(2)が複数の部材から構成され、支持ブラケット(7)と、前記支持ブラケット(7)に接続されたベース(8)と、を有し、
前記支持ブラケット(7)は前記固定部(6)および前記取付け板(10)に接続され、また前記取付け板(10)が前記ベース(8)の上に載っており、
前記取り付け板保持部(2)は、前記ベース(8)と共に、前記外側封止面(E)と前記固定部(6)との間に延長している前記4つの形材支柱(4)のうちの1つの形材面(9)の上に、設置されていることを特徴とする取付け板組立体。
【請求項2】
前記支持ブラケット(7)が前記ベース(8)にプラグ接続を介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の取付け板組立体。
【請求項3】
前記ベース(8)に通過部(11)が設けられ、前記通過部(11)を通って前記支持ブラケット(7)は、固定タブ(12)が前記ベース(8)の両側面の間を延長し、前記固定タブ(12)に前記取付け板(10)が固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の取付け板組立体。
【請求項4】
前記支持ブラケット(7)がL型形状部(13)を備え、前記L型形状部(13)を用いて前記固定部(6)が前記支持ブラケット(7)に受け入れられることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の取付け板組立体。
【請求項5】
前記ベース(8)は、前記支持ブラケット(7)が前記固定部(6)を受け入れるために用いられる、前記支持ブラケット(7)のL型形状部(13)の上に、支持面(14)が設けられるようにして、設置され、
前記取付け板(10)は、自身の外周面に設けられた折り返し端部(16)の端面(15)が、前記支持面(14)に載っていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の取付け板組立体。
【請求項6】
前記ベース(8)にスペーサー(17)と支持面(14)が備えられ、
前記支持ブラケット(7)は、固定タブ(12)が前記支持面(14)を貫通して延び、前記固定タブ(12)に前記取付け板(10)が固定されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の取付け板組立体。
【請求項7】
前記支持面(14)に第1開口部(18)が設けられ、
前記支持ブラケット(7)が前記固定部(6)を受け入れるために用いられる、前記支持ブラケット(7)のL型形状部(13)に、第2開口部(19)が設けられ、
前記固定部(6)に第3開口部(20)が設けられ、
これら3つの開口部(18,19,20)は揃って配置され、特にねじ切りボルトなどの固定部材(21)が、これら揃って配置された開口部(18,19,20)を貫通していることを特徴とする請求項6に記載の取付け板組立体。
【請求項8】
前記取付け板(10)は、鉛直の外周面に折り返し端部(16)を備え、
前記折り返し端部(16)は特にC字状折り返し端部またはU字状折り返し端部であって、
前記取付け板(10)の取付け面(ME)に第1取付け形材面(22)が配置されて設けられ、
また補強形材面(23)が前記取付け面(ME)から垂直に隔てて設けられ
a)第1取付け姿勢では、前記取付け板(10)が、前記取付け形材面(22)を介して、前記支持ブラケット(7)の固定タブ(12)に当接して固定され、または、
b)第2取付け姿勢では、前記取付け板(10)が、前記補強形材面(23)を介して、前記支持ブラケット(7)の固定タブ(12)に当接して固定される、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の取付け板組立体。
【請求項9】
前記第1取付け姿勢において、前記取付け形材面(22)は、前記スイッチキャビネットフレーム(1)の内部側に向いている前記固定部(6)の内側固定形材面(24)に、揃って配置され、または、
前記第2取付け姿勢において、前記取付け形材面(22)は、前記外側封止面(E)を向いている前記固定部(6)の外側固定形材面(25)に、揃って配置される
ことを特徴とする請求項8に記載の取付け板組立体。
【請求項10】
前記支持ブラケット(7)は第1材料から構成され、また前記ベース(8)は前記第1材料とは異なる第2材料から構成され、前記第1材料の弾性率が前記第2材料の弾性率よりも大きいことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の取付け板組立体。
【請求項11】
前記第1材料を特に鋼鉄などの金属製とし、前記第2材料を特に熱可塑性の好ましくはポリアミドなどのプラスチック製とすることを特徴とする請求項10に記載の取付け板組立体。
【請求項12】
前記支持ブラケット(7)がL型形状部(13)と固定タブ(12)とを有するZ型外形を有し、前記L型形状部(13)を用いて前記支持ブラケット(7)が前記固定部(6)を受け入れ、前記固定タブ(12)は90°屈曲部(26)を介して前記L型形状部(13)に結合し、また前記固定タブ(12)に第4開口部(27)が設けられ、前記第4開口部(27)は、前記取付け板(10)の外周面に設けられた折り返し端部(16)の別の開口部(28)に揃って配置されていることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の取付け板組立体。
【請求項13】
前記ベース(8)は、
前記形材支柱(4)の前記形材面(9)に前記ベース(8)を立てるために用いられるスペーサー(17)と、
前記取り付け板保持部(2)が、前記固定部(6)の水平固定形材面(29)を跨いで突出するために用いられる支持面(14)と、
を備え、
通過部(11)が前記ベース(8)を貫通して設けられ、
前記通過部(11)を貫通して、前記支持ブラケット(7)の固定タブ(12)が、前記スペーサー(17)と前記支持面(14)の間に設けられた移行部分で延長し、
前記支持ブラケット(7)は、自身の固定タブ(12)を前記90°屈曲部(26)に隣接させて、前記スペーサー(17)に当接していることを特徴とする請求項12に記載の取付け板組立体。
【請求項14】
・4つの形材支柱(4)を備える矩形床フレーム(3)が備えられたスイッチキャビネットフレーム(1)を提供するステップであって、前記矩形床フレーム(3)の外側面(5)には、前記スイッチキャビネットフレーム(1)の外側封止面(E)よりも、前記スイッチキャビネットフレーム(1)の内部側にずれて設けられた固定部(6)が備えられている、スイッチキャビネットフレーム(1)を提供するステップと、
・取付け板(10)および取り付け板保持部(2)を提供するステップであって、前記取り付け板保持部(2)が複数の部材から構成されて、支持ブラケット(7)と、前記支持ブラケット(7)に解放可能に接続されているベース(8)と、を備えるステップと、
・前記支持ブラケット(7)の固定タブ(12)を、前記取付け板(10)の鉛直外側の端部に設けられた折り返し端部(16)に固定することにより、前記前記折り返し端部(16)の端面(15)が前記ベース(8)に設置されるように、前記取付け板(10)に前記取り付け板保持部(2)を取り付けるステップと、
・前記外側封止面(E)と前記固定部(6)との間に延長する、前記4つの形材支柱(4)のうちの1つの形材面(9)に、前記ベース(8)を介して前記取付け板(10)を設置し、必要に応じて、前記取付け板(10)の取付け面(ME)が鉛直になるまで、前記取付け板(10)を旋回させる、前記取付け板(10)を設置するステップと、
を備える取付け板組立体を取り付ける方法。
【請求項15】
前記取り付け板保持部(2)を提供するステップに、
前記支持ブラケット(7)の前記固定タブ(12)が、前記ベース(8)の通過部(11)を通って前記ベース(8)を貫通し、
前記支持ブラケット(7)のL型形状部(13)が前記ベース(8)の支持面(14)に当接して設置されるまで、前記固定タブ(12)を押し込むことによって、前記ベース(8)に前記支持ブラケット(7)を接続させるステップ、
が含まれていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記取付け板(10)を設置するステップに、前記矩形床フレーム(3)の前記外側面(5)から、および/または、前記スイッチキャビネットフレーム(1)の前記外側封止面(E)から、前記取付け板(10)を設置するステップが含まれることを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記取付け板(10)の設置後、前記スイッチキャビネットフレーム(1)の内部に面する、前記固定部(6)の内側固定形材面(24)から、前記取付け板(10)が取り外されることを特徴とする請求項14〜16の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチキャビネットフレームと、そこに少なくとも1つの取り付け板保持部を介して固定された取付け板と、を有する取付け板組立体であって、前記スイッチキャビネットフレームには、4つの形材支柱を備える矩形床フレームが備えられ、前記矩形床フレームの外側面には、スイッチキャビネットフレームの外側封止面 よりも、スイッチキャビネットフレームの内部側にずらされた固定部が備えられている、取付け板組立体に関する。このような取付け板組立体は特許文献1から公知である。
【背景技術】
【0002】
スイッチキャビネットの内部空間の最良の利用を達成するためには、取付け板をスイッチキャビネットフレーム内部でできるだけ後方に配置し、つまりスイッチキャビネットの背面にできるだけ近づけて配置させることが通常は望ましい。特に、取付け板をスイッチキャビネットに取付ける前に、取り付け板に取り付けが行われており、このためかなりの重量がある場合には、取付け板をスイッチキャビネットフレームにできるだけ簡単に固定することが望ましい。
【0003】
したがって、本発明の目的は上記タイプの取付け板組立体をさらに発展させ、スイッチキャビネットフレームの内部に取付け板を省スペースで便利に、直ちに取付け可能とすることにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102014101404号明細書
【発明の概要】
【0005】
この目的は請求項1に係る特徴を有する取付け板組立体を用いて達成される。請求項14はこれに対応する取付け板組立体を取り付ける方法に関する。従属請求項は各々、本発明の有利な実施形態に関する。
【0006】
したがって、本取り付け板組立体によれば、取り付け板保持部が複数の部材から構成され、支持ブラケットと前記支持ブラケットに接続されたベースとを備え、前記支持ブラケットは前記固定部および前記取付け板に接続され、前記取り付け板は前記ベースの上に載っており、前記取り付け板保持部は、前記ベースと共に、封止面と固定部との間に延長している矩形床フレームの4つの形材支柱のうちの1つの形材面に、設置される。
【0007】
特に上記取付け板組立体により、取付け板をスイッチキャビネットフレームの後方で床組立体に「外側から」設置することができ、これにより取付け板をフレームだけに後から接続させることができ、例えば取付け板の上端をフレームにネジ留めすることにより取付け板をフレームに接続できる。とりわけ取付け板を、スイッチキャビネットフレームのドア側から、スイッチキャビネットの内部を通って、フレームの最後部位置まで案内させる必要はない。その代わり、予め組み立てられた少なくとも1つの取り付け板保持部を備えた取付け板を、矩形床フレームの形材支柱の形材面に外側から設置することができ、必要に応じて、取付け板を鉛直姿勢まで旋回させることができる。
【0008】
支持ブラケットは、スイッチキャビネットフレームの内側に面する末端部に保持ウェブを備えており、保持ウェブは取付け板が鉛直姿勢にある場合に矩形床フレームの形材支柱の固定部の後ろ側に係合することができる。保持ウェブは、取付け板が形材支柱に設置されているが、鉛直に対して所定の角度、例えば30°だけ傾いた場合に、固定部を解放するように設計することもできる。特に各部材が取付け板の取付け側面部に、スイッチキャビネットの内部側を向いて既に配置されている場合には、取付け板は、取付け板を固定部の方向またはスイッチキャビネットドア側の方向に押す、鉛直方向のトルクを持つ。
【0009】
支持ブラケットはプラグ接続によりベースに接続することができる。またベースに通過部を設けることができ、この通過部を通って支持ブラケットは、固定タブがベースの両側面の間を延長しており、取付け板を固定タブに固定することもできる。
【0010】
支持ブラケットにはL型形状部が設けられ、L型形状部を用いて固定部を受け入れることができる。特にL型形状部の自由端に保持ウェブを形成することができ、これが固定部の裏側に係合することによって、少なくとも取付け板が鉛直に配置されたときに、取付け板を封止面に対して垂直な方向に固定することができる。取付け板が鉛直方向に対して例えば30°〜45°だけ傾いたときに、保持ウェブを固定部から取り外すことができる。
【0011】
固定部を受け入れる支持ブラケットのL型形状部の上にベースの支持面を載せることができ、取付け板の外周面に設けられた折り返し端部の端面が支持面に載っている。取付け板に各々折り返し端部を設けることができ、特に取付け板の各端部、好ましくは平行で鉛直の両端部に、折り返し端部を設けることができる。折り返し端部は、例えばC字状折り返し端部またはU字状折り返し端部とすることができる。取付け板は水平下端部に、取付け面から90°折り曲げられた水平端部を設けることができ、取付け板の鉛直端部において折り返し端部の領域が凹んでおり、ベースの支持面を受け入れるレセプタクルが形成されるようになっている。
【0012】
ベースにスペーサーと支持面を備えることができ、支持ブラケットは固定タブが支持面を貫通して延び、また固定タブに取付け板が固定されている。
【0013】
支持面に第1開口部を設けることができ、また支持ブラケットのL型形状部に第2開口部を設けることができて、支持ブラケットのL型形状部を用いて支持ブラケットが固定部を受け入れる。固定部に第3開口部を設けることができ、これら3つの開口部を揃えて、特にねじ切りボルトなどの固定部が、これらの揃った各開口部に貫通する。
【0014】
取付け板は、鉛直の外周面に折り返し端部、特にC字状折り返し端部またはU字状折り返し端部を備えることができて、第1取付け形材面が取付け板の取付け面に配置されて設けられ、また取付け面から垂直に隔たれた補強形材面が設けられている。補強形材面は取付け形材面と平行に延長することができる。
【0015】
第1取付け姿勢では、取付け形材面を介して、取付け板を支持ブラケットの固定タブに当接して設置し固定することができる。
【0016】
第2取付け姿勢では、補強形材面を介して、取付け板を支持ブラケットの固定タブに当接して設置し固定することができる。
【0017】
第1取付け姿勢では、取付け形材面が、スイッチキャビネットフレームの内部側に向いている固定部の内側固定形材面に、揃って設けられ
、または、第2取付け姿勢では、封止面に向いている固定部の外側固定形材面に、取付け形材面を揃えて設けることができる。
【0018】
支持ブラケットは第1材料から構成することができ、またベースは第1材料とは異なる第2材料から構成することができて、第1材料の弾性率を第2材料の弾性率よりも大きくすることができる。したがって、ベースは特にベースの支持面に、減衰部の機能を持たせることができる。ベースおよび支持ブラケットの材料を上記の通りに選択すると、取り付け板保持部は、一体型の取り付け板保持部、特に鋼鉄のみからなる取り付け板保持部と比較して、特に振動により生じる機械的なストレスの下で、より大きな負荷に耐えられることがわかった。
【0019】
例えば、第1材料を特に鋼鉄などの金属製とし、第2材料を特に熱可塑性の好ましくはポリアミドなどのプラスチック製とすることができる。
【0020】
支持ブラケットはZ型外形またはZ型外形の形状を有することができ、支持ブラケットは固定部を受け入れるために用いられるL型形状部を備え、また90°屈曲部からL型形状部に結合し、前記取付け板の外周面の折り返し端部に設けられた別の開口部に揃えて設けられた第4開口部を有している固定タブを備えている。折り返し端部はU字状折り返し端部またはC字状折り返し端部とすることができ、および/または、取付け板の鉛直外側の端部に設けることができる。
【0021】
ベースは、形材支柱の形材面にベースを立てるために用いられるスペーサーと、取り付け板保持部が、固定部の水平固定形材面を跨いで突出するために用いられる支持面とを備えることができる。通過部をベースに貫通させて設けることができ、通過部を通って支持ブラケットの固定タブが、スペーサーと支持面の間に設けられた移行部分を延長している。支持ブラケットは、固定タブを90°屈曲部に隣接させて、スペーサーに当接させて設置することができる。
【0022】
取付け板組立体を取り付ける方法には以下のステップが含まれる:
・4つの型材支柱を備える矩形床フレームを備えたスイッチキャビネットフレームを提供するステップであって、前記矩形床フレームの外側面には、スイッチキャビネットフレームの外側封止面 よりも、スイッチキャビネットフレームの内部にずらされた固定部が備えられている、スイッチキャビネットフレームを提供するステップと、
・取付け板および取り付け板保持部を提供するステップであって、前記取り付け板保持部が複数の部材から構成され、支持ブラケットと、前記支持ブラケットに解放可能に接続されたベースと、を備えているステップと、
・前記支持ブラケットの固定タブを、前記取付け板の鉛直外側の端部に設けられた折り返し端部に固定することで、前記折り返し端部の端面が前記ベースの上に設置されるように、前記取り付け板保持部を前記取付け板に取り付けるステップと、
・前記外側封止面と前記固定部の間に延長する、4つの形材支柱のうちの1つの形材支柱の形材面に、前記ベースを介して前記取付け板を設置するステップであって、必要に応じて、前記取付け板の取付け面が鉛直になるまで、前記取付け板を旋回させるステップ。
【0023】
前記取り付け板保持部を提供するステップには、前記支持ブラケットの前記固定タブを、前記ベースの通過部から前記ベースを貫通させて、前記支持ブラケットのL型形状部が前記ベースの支持面に当接して設置されるまで、押し込むことにより、前記ベースに前記支持ブラケットを接続させるステップが含まれていてもよい。
【0024】
前記取付け板を設置するステップには、前記床フレームの前記外側面から、および/または、前記スイッチキャビネットフレームの前記外側封止面 から、前記取付け板を設置するステップを含むことができる。
【0025】
取付け板の設置後、スイッチキャビネットフレームの内部に面する固定部の内側固定形材面から、取付け板を取り外すことができる。このために、取付け板を固定タブに接続させる固定ボルトを、必要に応じて事前に開放させることができる。スイッチキャビネットの内部から取付け板を取り外すことは、特に取付け板が自身の補強形材面を介して固定タブに固定される場合に簡単となり、好ましくは、取付け板の取付け面から離れて向く補強形材面の外側面を介して、固定タブが補強形材面に当接して設置されそこにねじ留めされる。
【0026】
本発明のさらなる詳細は、以下の図に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】斜視図で表した取り付け板保持部の第1実施形態を示す。
【
図2】斜視図で表した
図1に係る実施形態の支持ブラケットを示す。
【
図3】
図1に係る取り付け板保持部を用いたスイッチキャビネットフレームの外側面の斜視図で表した取付け板組立体を示す。
【
図4】スイッチキャビネットフレームの外側面の斜視図で表した取付け板組立体の別の実施形態を示す。
【
図5】斜視図で表した取り付け板保持部の別の実施形態を示す。
【
図6】ベースの底部を斜視図で表した
図5の取り付け板保持部のベースに係る詳細図を示す。
【
図7】斜視図で表した
図5の取り付け板保持部の支持ブラケットに係る詳細図を示す。
【
図8】断面図で表した
図5に係る取り付け板保持部を用いた取付け板組立体の別の実施形態を示す。
【
図9】取付け板に第1取付け姿勢で固定される取り付け板保持部の実施形態を示す。
【
図10】フレームの外側面の斜視図で表される
図9に係る配置を用いた取付け板組立体を表す。
【
図11】取付け板に第2取り付け姿勢で固定される
図9に係る取り付け板保持部の実施形態を表す。
【
図12】取付け板の取付け面の斜視図で表される
図11に係る配置を用いた取付け板組立体を表す。
【
図14】上部取り付け板保持部に係る実施形態を示す。
【
図15】
図14に係る上部取り付け板保持部を用いた取り付け板保持部の配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は取り付け板保持部2の実施形態を示す。取り付け板保持部は支持ブラケット7とベース8から構成され、両者はプラグ接続を介して互いに接続されている。ベースには、スペーサー17とその上面に隣接する支持面14とが備えられている。スペーサー17を介して、取り付け板保持部を、スイッチキャビネットフレームの矩形床フレームの形材支柱の形材面に設置することができる。この目的のために形材面を実質的に水平に配列させることができる。
【0029】
支持ブラケット7はその固定タブ12が、ベース8を貫通して支持面14に設けられた通過部を通って延長しており、固定タブ12は支持面14に対し、実質的に垂直に延長する。他の各図面を参照して説明される通り、取付け板は側部の鉛直な折り返し端部の端面を支持面14の上に載せた状態で、開口部27を用いて、固定タブ12を取付け板の折り返し端部に固定させることができる。この目的のため、例えばケージナットを収容するために開口部27を使用することができる。
【0030】
支持ブラケット7は
図2により詳細に図示されている。支持ブラケット7は実質的にZ屈曲部から構成され、これはさらにL型形状部13と、L型形状部13に90°の屈曲で接合されている固定タブ12とから構成されている。固定タブ12にはさらに、ケージナットなどの固定部材を固定するための開口部27が設けられている。
【0031】
L型折り返し部13は、固定タブ12から離れた末端に保持ウェブ33が設けられており、取付け板が封止面に垂直な平面で固定されるよう、取付け板が垂直になったときに、型材フレームの固定部の裏側に支持ブラケット7が係合できるようになっている。保持ウェブ33にある追加開口部34を用いて支持ブラケット7を固定し、これにより取り付け板保持部2を床フレームの固定部に固定することができる。L型形状部13にはまた開口部19が設けられ、これは支持ブラケット7をネジ留めもしくは固定することにより、取り付け板保持部2を固定部6の水平固定面に固定することができる。
【0032】
図1と
図2を組み合わせてみると、支持ブラケット7とベース8は共に差し込むことにより実質的に接続され、特に取り付け板保持部2を一体的に形成する必要はないが、実施例によっては、例えばベース8をプラスチックから形成し、支持ブラケット7を鋼製から形成することも考えられ、支持ブラケット7の周りにベース8を成形することにより、取り付け板保持部を形成することができることがわかる。
【0033】
図3は、下部屈曲部36から側部折り返し端部16までの移行領域において、取り付け板保持部2が取付け板10の下側に固定されたときの、
図1および
図2に図示の取り付け板保持部2を図示している。特に、取付け板10は、側部の鉛直な折り返し端部16の端面15がベース8の支持面14の上に載せられている一方で、取付け面22を取付け板10の背面側に向かって90°屈曲させることにより形成された水平屈曲部36が、折り返し端部16の領域内において、水平折り返し部36の凹部のなかに受け入れられる。固定タブ12には開口部27に挿入されるケージナット32が備えられ、これは特にスナップ方式による接続により開口部27に接続可能である。ボルト30が、取付け板10の前側から取付け板10の取付け面22を貫通して延びており、固定タブ12とケージナット32を通って、取付け板10を固定タブ12に固定している。
【0034】
スイッチキャビネットフレーム1には4つの形材支柱4からなる矩形床フレーム3が備えられ、その外側面5に固定部6が設けられ、前記固定部6は、スイッチキャビネットフレーム1の外側封止面 Eからスイッチキャビネットフレーム1の内側に向かってずれて設けられている。取り付け板保持部2は、ベースが形材支柱4の形材面9に接して設置されており、前記形材面9は封止面Eと固定部6の間に延び、特に固定部6の外側固定形材面25と取付け面MEの間に延びている。
【0035】
図3に係る配置と比較して、
図4に提供されている取付け板組立体では、特にベース8の支持面14に形状適合部35が設けられ、そこに水平折り返し部36が形状適合して受け入れられることにより、取り付け板保持部2が水平方向に固定される。
【0036】
図3および
図4には、折り返し端部16の取付け形材面22と補強形材面23に開口部28が設けられることによって、取付け板の取付け面が固定部6の外側固定形材面25に揃って配置される「最後部姿勢」に取付け板10が配置されるか、あるいは取付け板10の取付け面がフレーム1の内側に向かう固定部6の固定形材面24に揃って配置される「後部取付け姿勢」に取付け板10が配置されるかに応じて、補強形材面23を介して、支持ブラケット7の固定タブ12に取付け形材面22を任意選択的に固定することができることが図示されている。
【0037】
図3および
図4に図示の「最後部姿勢」に係るフレーム1内部での取付け板10の配置は、取付け板10をフレーム1の内部に取り付ける上で最も省スペースな方法である。封止面Eはフレーム1の周囲封止端部により形成され、これに当接してスイッチキャビネットの後壁などのスイッチキャビネットの平坦部分を、封止した状態で設置することができる。図示の通り、一方でベース8を、他方で補強形材面23が、封止基準位置の前に直接配置されている。
【0038】
図5〜7には
図1および
図2に図示の取り付け板保持部とは異なる取り付け板保持部の別の実施形態が図示されており、特にベース8の支持面14がL型形状部13の水平面を完全に越えて突出しており、これにより固定タブ12に対する取付け板の既に説明した取付け姿勢のうち何れに対しても、平坦で連続的な支持面14が形成されるように構成される。加えて、支持面14に第1開口部18が設けられ、第1開口部18は支持ブラケット7の第2開口部19に揃って配置される。
図8との組み合わせから示されるように、開口部18,19を固定部6の水平固定形材面29に設けられた追加開口部20に揃って配置させることができ、これにより上記3つの部材をボルト21でまとめてネジ留めすることができる。
【0039】
特に
図6に明示されている通り、ベース8は、スペーサー17と支持面14の間に設けられた移行部分に通過部11を設けることが可能で、スペーサー17を介してベース8を矩形床フレームの形材支柱の形材面に設置できるようになっており、またこの通過部から支持ブラケット7のタブ12が貫通できるようになっており、L型形状部13の水平面が支持面14の下側に対して平坦に設置されるまでタブ12が通過部を貫通することにより、ベース8と支持ブラケット7が1つのユニットを形成する。L型形状部13の保持ウェブ33は、支持面14の下側で、スペーサー17から距離を置いてスペーサー17と平行に延長しており、L型形状部13の水平面と、スペーサーと、保持ウェブにより形成されたレセプタクルの中に固定部6(
図8を参照のこと)を収容できるようになっている。固定タブ12がL型形状部13に結合する部分である90°屈曲部26には、支持ブラケット7を補強するビーズ31が設けられている。
【0040】
図8および
図11〜13には固定タブ12が補強形材面23にネジ留めされる「後部取付け姿勢」で取付け板10が配置されるが、
図9および
図10では、固定タブ12が取付け形材面22にネジ留めされる「最後部姿勢」に取付け板10が配置される。
図8に図示の取付け配置では、支持面14に接する折り返し端部16がスペーサー17の前に配置されているのに対して、
図9および
図10に図示の取り付け姿勢では、折り返し端部16が支持面14に接してスペーサー17より上に直接設置され、取付け面MEから固定タブ12にネジ留めされる。
【0041】
図12は、取付け板が「後部取付け姿勢」(
図8を参照)に配置されたとき、取付け面MEが固定部6の内側固定形材面24に揃って配置され、スイッチキャビネットの内部で内側固定形材面24と取付け面MEとの間に連続的な取付け面が形成されるようになっている様子を示している。
【0042】
取付け板がスイッチキャビネットフレームの外側からスイッチキャビネットフレームに取付けられた場合でも、取付け板10を通常の方法でスイッチキャビネットフレーム1の内側から取り外すことは、妨げられない。必要な事は、取付け面MEとそこに設けられた追加開口部28から固定ボルト30を緩め、これによりボルト30をケージナット32から外すことだけである(
図8を参照のこと)。固定タブ12はスイッチキャビネットフレームの内側から見て折り返し端部16の後ろに配置されるため、ボルト30を緩めた後で取付け板10を手前側に取り外すことができる。
【0043】
図13に図示の通り、本発明に係る取付け板組立体は、取り付け板保持部2を取付け板10の下端で予め組み立てた状態で、取付け板10を、フレーム1の外側から鉛直の取付け姿勢まで旋回させることができ、保持部2が固定部6の後ろで係合し、保持ウェブ33が内側固定形材面24に接触して、必要な場合に固定形材面24にネジ留めできるようになっている。ボルト30を緩めることで、取付け板10をフレーム1の内側から通常の方法でいつでも取り外すことができる。
【0044】
図14および
図15は上部取り付け板保持部37に関する1つの実施形態を示している。上部取り付け板保持部には、フレーム1の外側固定形材面25に固定可能とする固定フランジ39と、保持部37を取付け板の取付け面MEの裏側に接触させ、かつボルト42を用いて取付け板10にネジ留めする支持フランジ40と、が備えられている。固定フランジ39と支持フランジ40は屈曲部38により互いが連結されており、そこに取付け板10の水平折り返し部36がフレーム1の内側から係合する。これにより取付け板10をフレーム1の外側から取り付けた後であっても、その後取付け板10を通常の方法でフレーム1の内側から取り外すことができて、例えば、取付け板10が取り付けられた後にフレームの裏側が外側から平坦な部材で閉鎖された場合に、取付け板10を通常の方法でフレーム1の内側から取り外すことができる。
【0045】
上記の説明、図面、および特許請求の範囲に開示された本発明の特徴は、個々にまたは任意の組み合わせで、本発明を実現するために不可欠であり得る。
【符号の説明】
【0046】
1 スイッチキャビネットフレーム
2 取り付け板保持部
3 床フレーム
4 形材支柱
5 外側面
6 固定部
7 支持ブラケット
8 ベース
9 形材面
10 取付け板
11 通過部
12 固定タブ
13 形状部
14 支持面
15 端面
16 折り返し端部
17 スペーサー
18 第1開口部
19 第2開口部
20 第3開口部
21 固定部材
22 取付け形材面
23 補強形材面
24 内側形材面
25 外側形材面
26 90°屈曲部
27 第4開口部
28 追加開口部
29 水平固定形材面
30 ボルト
31 ビーズ
32 ケージナット
33 保持ウェブ
34 追加開口部
35 形状適合部
36 水平折り返し部
37 上部保持部
38 屈曲部
39 固定フランジ
40 支持フランジ
41 鍵孔
42 ボルト
E 封止面
ME 取付け面