特許第6806951号(P6806951)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6806951
(24)【登録日】2020年12月8日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】ガラスキャリア付銅箔及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 15/04 20060101AFI20201221BHJP
   C23C 14/14 20060101ALI20201221BHJP
   H05K 1/09 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   B32B15/04 B
   C23C14/14
   H05K1/09
【請求項の数】16
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-501703(P2020-501703)
(86)(22)【出願日】2019年2月13日
(86)【国際出願番号】JP2019005111
(87)【国際公開番号】WO2019163605
(87)【国際公開日】20190829
【審査請求日】2020年11月6日
(31)【優先権主張番号】特願2018-27929(P2018-27929)
(32)【優先日】2018年2月20日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006183
【氏名又は名称】三井金属鉱業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113365
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 雅晴
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100209336
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 悠
(72)【発明者】
【氏名】松浦 宜範
(72)【発明者】
【氏名】柳井 威範
(72)【発明者】
【氏名】中村 利美
【審査官】 石塚 寛和
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/150283(WO,A1)
【文献】 国際公開第2017/150284(WO,A1)
【文献】 特開2005−76091(JP,A)
【文献】 特開2016−49651(JP,A)
【文献】 特開2016−203409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
C23C 14/00−14/58
H05K 1/09、1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスキャリアと、
前記ガラスキャリア上に設けられる剥離層と、
前記剥離層上に設けられる、厚さ0.1μm以上3.0μm以下の銅層と、
を備え、
前記ガラスキャリアが、少なくとも前記銅層側の表面に、JIS B 0601−2001に準拠して測定される最大高さRzが1.0μm未満である複数の平坦領域と、JIS B 0601−2001に準拠して測定される最大高さRzが1.0μm以上30.0μm以下である凹凸領域とを有し、該凹凸領域が、前記複数の平坦領域を区画するパターンの線状に設けられる、ガラスキャリア付銅箔。
【請求項2】
前記銅層の最外面が、前記ガラスキャリアの前記平坦領域の表面形状に対応した平坦形状と、前記ガラスキャリアの前記凹凸領域の表面形状に対応した凹凸形状とを有する、請求項1に記載のガラスキャリア付銅箔。
【請求項3】
前記ガラスキャリアと前記剥離層との間に、Cu、Ti、Al、Nb、Zr、Cr、W、Ta、Co、Ag、Ni、In、Sn、Zn、Ga及びMoからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む中間層をさらに備えた、請求項1又は2に記載のガラスキャリア付銅箔。
【請求項4】
前記剥離層と前記銅層との間に、Ti、Al、Nb、Zr、Cr、W、Ta、Co、Ag、Ni及びMoからなる群から選択される少なくとも1種の金属で構成される機能層をさらに備えた、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラスキャリア付銅箔。
【請求項5】
前記ガラスキャリアがSiOを含むガラスである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラスキャリア付銅箔。
【請求項6】
前記凹凸領域のパターンの線幅が1mm以上50mm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラスキャリア付銅箔。
【請求項7】
前記凹凸領域のパターンが、格子状、柵状又は十字状に設けられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のガラスキャリア付銅箔。
【請求項8】
前記ガラスキャリアの前記平坦領域及び前記凹凸領域の合計面積に対する、前記凹凸領域の面積の比率が0.01以上0.5以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のガラスキャリア付銅箔。
【請求項9】
前記凹凸領域における前記ガラスキャリアの剥離強度が30gf/cm以上3000gf/cm以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のガラスキャリア付銅箔。
【請求項10】
前記ガラスキャリア付銅箔が複数枚に分割されるように、前記凹凸領域が前記パターンに従って切断されることが予定されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のガラスキャリア付銅箔。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載のガラスキャリア付銅箔の製造方法であって、
少なくとも一方の表面が、JIS B 0601−2001に準拠して測定される最大高さRzが1.0μm未満の平坦面である、ガラスキャリアを用意する工程と、
前記ガラスキャリアの表面の所定の領域に粗化処理を行って、JIS B 0601−2001に準拠して測定される最大高さRzが1.0μm以上30.0μm以下である凹凸領域を、複数の領域を区画するパターンの線状に形成する工程と、
前記ガラスキャリア上に、剥離層を形成する工程と、
前記剥離層上に、厚さ0.1μm以上3.0μm以下の銅層を形成する工程と、
を含む、方法。
【請求項12】
前記粗化処理がブラスト処理又はエッチング処理である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記粗化処理の前に、前記ガラスキャリアの表面の前記所定の領域以外の部分にマスキング層を形成する工程と、
前記粗化処理後に、前記マスキング層を除去する工程と、
をさらに含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記粗化処理がブラスト処理であって、該ブラスト処理が、吐出径0.5mm以上10.0mm以下のノズルから、粒径1.0μm以上1000μm以下のメディアを0.01MPa以上0.1MPa以下の吐出圧力で前記ガラスキャリアに対して投射することを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記剥離層の形成が、物理気相堆積(PVD)法により行われる、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記銅層の形成が、物理気相堆積(PVD)法により行われる、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスキャリア付銅箔及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯用電子機器等の電子機器の小型化及び高機能化に伴い、プリント配線板には配線パターンの更なる微細化(ファインピッチ化)が求められている。かかる要求に対応するために、プリント配線板製造用銅箔には従前以上に薄く且つ低い表面粗度のものが望まれている。例えば、特許文献1(特開2005−76091号公報)には、平均表面粗度Rzを0.01μm以上2.0μm以下に低減したキャリア銅箔の平滑面に剥離層及び極薄銅箔を順に積層することを含む、キャリア付極薄銅箔の製造方法が開示されており、このキャリア付極薄銅箔により高密度極微細配線(ファインパターン)を施して多層プリント配線板を得ることも開示されている。
【0003】
また、キャリア付極薄銅箔における極薄銅層の厚さと表面粗度の更なる低減を実現するため、従来から典型的に用いられている樹脂製キャリアに代えて、ガラス基板や研磨金属基板等を超平滑キャリアとして用い、この超平滑面上にスパッタリング等の気相法により極薄銅層を形成することも最近提案されている。例えば、特許文献2(国際公開第2017/150283号)には、キャリア(例えばガラスキャリア)、剥離層、反射防止層、極薄銅層を順に備えたキャリア付銅箔が開示されており、剥離層、反射防止層及び極薄銅層をスパッタリングで形成することが記載されている。また、特許文献3(国際公開第2017/150284号)には、キャリア(例えばガラスキャリア)、中間層(例えば密着金属層及び剥離補助層)、剥離層及び極薄銅層を備えたキャリア付銅箔が開示されており、中間層、剥離層及び極薄銅層をスパッタリングで形成することが記載されている。特許文献2及び3のいずれにおいても、表面平坦性に優れたガラス等のキャリア上に各層がスパッタリング形成されることで、極薄銅層の外側表面において1.0nm以上100nm以下という極めて低い算術平均粗さRaを実現している。
【0004】
ところで、キャリア付銅箔の搬送時等に、キャリアと銅層との積層部分が他の部材と接触することで、銅層の予期せぬ剥離が生じることがあり、かかる問題に対処可能なキャリア付銅箔が幾つか提案されている。例えば、特許文献4(特開2016−137727号公報)には、金属キャリアと金属箔との外周の一部又は全体が樹脂で覆われた積層体が開示されており、かかる構成とすることで、他の部材との接触を防いでハンドリング中の金属箔の剥がれを少なくすることができるとされている。また、特許文献5(国際公開第2014/054812号)には、樹脂製キャリアと金属箔の間の界面が外周領域の少なくとも四隅において接着層を介して強固に接着されていることで角部分の予期せぬ剥離を防止したキャリア付金属箔が開示されており、搬送終了後に、接着層よりも内側部分でキャリア付金属箔を切断することも開示されている。さらに、特許文献6(特開2000−331537号公報)には、銅箔キャリアの左右エッジ近傍部分の表面粗度を中央部よりも大きくしたキャリア付銅箔が開示されており、こうすることでキャリア付銅箔の取り扱い時や銅張積層板の作製時に銅層がキャリアから剥離する等の不具合が生じなくなるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−76091号公報
【特許文献2】国際公開第2017/150283号
【特許文献3】国際公開第2017/150284号
【特許文献4】特開2016−137727号公報
【特許文献5】国際公開第2014/054812号
【特許文献6】特開2000−331537号公報
【発明の概要】
【0006】
ところで、ICチップ等を基板に実装する際、実装設備が処理できる基板の大きさには上限があり、典型的なサイズのキャリア付銅箔(例えば400mm×400mm)はこの上限を上回る。したがって、実装設備が処理できる大きさとなるようにキャリア付銅箔を切断して、例えば100mm幅程度にダウンサイジングすることが行われている。しかしながら、キャリア付銅箔を切断する際、切断界面に露出した剥離層の剥離強度が低いために、切断時の負荷によって銅層がキャリアから剥がれてしまうことがある。その結果、意図した回路パターンを形成することができず、それ以降の工程に進めないという問題が生じうる。また、ガラスをキャリアとして用いた場合、キャリア付銅箔の切断時にガラス端部にチッピング(はま欠け)が発生する等の不具合が生じやすい。
【0007】
本発明者らは、今般、ガラスキャリア付銅箔において、本来的に平坦なガラスキャリアの表面に切り代として線状の凹凸領域を設けることにより、ダウンサイジングされても切断箇所で銅層が剥がれにくく、意図した回路パターンを形成しやすく、しかもファインピッチの回路実装基板を望ましく実現することができるとの知見を得た。
【0008】
したがって、本発明の目的は、回路実装可能な大きさにダウンサイジングされても切断箇所で銅層が剥がれにくく、意図した回路パターンの形成がしやすく、しかもファインピッチの回路実装基板を望ましく実現可能な、ガラスキャリア付銅箔を提供することにある。
【0009】
本発明の一態様によれば、
ガラスキャリアと、
前記ガラスキャリア上に設けられる剥離層と、
前記剥離層上に設けられる、厚さ0.1μm以上3.0μm以下の銅層と、
を備え、
前記ガラスキャリアが、少なくとも前記銅層側の表面に、JIS B 0601−2001に準拠して測定される最大高さRzが1.0μm未満である複数の平坦領域と、JIS B 0601−2001に準拠して測定される最大高さRzが1.0μm以上30.0μm以下である凹凸領域とを有し、該凹凸領域が、前記複数の平坦領域を区画するパターンの線状に設けられる、ガラスキャリア付銅箔が提供される。
【0010】
本発明の他の一態様によれば、前記ガラスキャリア付銅箔の製造方法であって、
少なくとも一方の表面が、JIS B 0601−2001に準拠して測定される最大高さRzが1.0μm未満の平坦面である、ガラスキャリアを用意する工程と、
前記ガラスキャリアの表面の所定の領域に粗化処理を行って、JIS B 0601−2001に準拠して測定される最大高さRzが1.0μm以上30.0μm以下である凹凸領域を、複数の領域を区画するパターンの線状に形成する工程と、
前記ガラスキャリア上に、剥離層を形成する工程と、
前記剥離層上に、厚さ0.1μm以上3.0μm以下の銅層を形成する工程と、
を含む、方法が提供される。
【0011】
なお、本明細書中の以下の説明において、JIS B 0601−2001に準拠して測定される最大高さRzのことを、単に「最大高さRz」又は「Rz」と称するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のガラスキャリア付銅箔の一態様を模式的に示す斜視図である。
図2図1に示されるガラスキャリア付銅箔の点線で囲まれる部分の層構成を示す模式断面図である。
図3図1に示されるガラスキャリア付銅箔に含まれる、ガラスキャリアを模式的に示す斜視図である。
図4】凹凸領域上で切断されたガラスキャリア付銅箔を示す模式断面図である。
図5】マスキング層を形成したガラスキャリアを示す上面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ガラスキャリア付銅箔
本発明のガラスキャリア付銅箔の一例が図1及び2に模式的に示される。図1及び2に示されるように、本発明のガラスキャリア付銅箔10は、ガラスキャリア12と、剥離層16と、銅層18とをこの順に備えたものである。剥離層16は、ガラスキャリア12上に設けられる層である。銅層18は剥離層16上に設けられ、厚さ0.1μm以上3.0μm以下の層である。所望により、ガラスキャリア付銅箔10は、ガラスキャリア12と剥離層16との間に中間層14をさらに有していてもよい。また、ガラスキャリア付銅箔10は、剥離層16と銅層18との間に機能層17をさらに有していてもよい。さらに、ガラスキャリア12の両面に上下対称となるように上述の各種層を順に備えてなる構成としてもよい。ガラスキャリア付銅箔10は、上述した態様のガラスキャリア12を備えること以外は、公知の層構成を採用すればよく特に限定されない。いずれにせよ、本発明においては、図2及び3に示されるように、ガラスキャリア12は、少なくとも銅層18側の表面に最大高さRzが1.0μm未満である複数の平坦領域Fと、最大高さRzが1.0μm以上30.0μm以下である凹凸領域Rとを有する。そして、この凹凸領域Rが、互いに個別化された複数の平坦領域Fを区画するパターンの線状に設けられる。
【0014】
このように、ガラスキャリア付銅箔において、本来的に平坦なガラスキャリア12の表面に切り代として線状の凹凸領域Rを設けることにより、ダウンサイジングされても切断箇所で銅層18が剥がれにくく、意図した回路パターンを形成しやすく、しかもファインピッチの回路実装基板を望ましく実現することが可能となる。すなわち、ガラスキャリア12が最大高さRzの小さい平坦領域Fを有することで、ガラスキャリア12上に剥離層16を介して積層された銅層18の平坦領域F上の表面も平坦な形状となり、この銅層18の平坦面がファインパターンの形成を可能とする。また、ガラスキャリア12は最大高さRzの大きい凹凸領域Rも有しており、この凹凸に起因するアンカー効果によって、剥離層16及び銅層18の凹凸領域R上に形成された部分における剥離強度が高くなる。そして、ガラスキャリア12の凹凸領域Rは互いに個別化された複数の平坦領域Fを区画するパターンの線状に設けられているため、この凹凸領域Rのパターンに従ってガラスキャリア付銅箔10を切断することで、それぞれの平坦領域Fを有し、かつ、実装設備が処理可能な大きさにダウンサイジングされた複数のガラスキャリア付銅箔10’を得ることができる。凹凸領域Rで切断することによって得られたガラスキャリア付銅箔10’が図4に示される。図4に示されるように、ガラスキャリア付銅箔10’は、切断面が凹凸領域Rに存在するため、切断面における剥離層16の剥離強度が高く、それ故切断面からの銅層18の望ましくない剥離を、切断時のみならず、切断後(例えば実装工程でのキャリア付銅箔の搬送時やハンドリング時)においても、極めて効果的に防止することができる。その結果、意図した回路パターンを形成しやすくなり、ファインピッチの回路実装基板を望ましく実現することができる。
【0015】
したがって、本発明のガラスキャリア付銅箔10は、ガラスキャリア付銅箔10が複数枚に分割されるように、凹凸領域Rが上記所定のパターンに従って切断されることが予定されているのが好ましい。すなわち、本発明のガラスキャリア付銅箔10は、回路実装のためのダウンサイジングが求められる際に、凹凸領域Rで上記所定のパターンに従って切断して複数枚に分割されるのが好ましい。ガラスキャリア付銅箔10の切断は公知の手法に従って行えばよく、特に限定されない。好ましい切断手法の例としては、ダイシング、ウォータカッター、レーザカッター等が挙げられる。
【0016】
ガラスキャリア12はガラスで構成される。ガラスキャリア12の形態はシート、フィルム及び板のいずれであってもよい。また、ガラスキャリア12はこれらのシート、フィルム及び板等が積層されたものであってもよい。例えば、ガラスキャリア12はガラス板等の剛性を有する支持体として機能し得るものであることが好ましい。より好ましくは、加熱を伴うプロセスにおけるガラスキャリア付銅箔10の反り防止の観点から、熱膨張係数(CTE)が25ppm/K未満(典型的には1.0ppm/K以上23ppm/K以下)のガラスである。また、ハンドリング性やチップ実装時の平坦性確保の観点から、ガラスキャリア12はビッカース硬度が100HV以上であるのが好ましく、より好ましくは150HV以上2500HV以下である。ガラスをキャリアとして用いた場合、軽量で、熱膨脹係数が低く、絶縁性が高く、剛直で表面が平坦なため、銅層18の表面を極度に平滑にできる等の利点がある。また、キャリアがガラスである場合、配線層を形成した後、画像検査を行う際に銅めっきとの視認性に優れる点、電子素子搭載時に有利な表面平坦性(コプラナリティ)を有している点、プリント配線板製造工程におけるデスミアや各種めっき工程において耐薬品性を有している点、ガラスキャリア付銅箔10からガラスキャリア12を剥離する際に化学的分離法が採用できる点等の利点がある。ガラスキャリア12はSiOを含むガラスであることが好ましく、より好ましくはSiOを50重量%以上、さらに好ましくはSiOを60重量%以上含むガラスである。ガラスキャリア12を構成するガラスの好ましい例としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、ソーダライムガラス、アミノシリケートガラス、及びそれらの組合せが挙げられ、より好ましくはホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、ソーダライムガラス、及びそれらの組合せであり、特に好ましくは無アルカリガラス、ソーダライムガラス、及びそれらの組合せであり、最も好ましくは無アルカリガラスである。ガラスキャリア12がホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス又はソーダライムガラスで構成される場合、ガラスキャリア付銅箔10を切断する際にガラスキャリア12のチッピングを少なくすることができるため好ましい。無アルカリガラスは、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、及び酸化カルシウムや酸化バリウム等のアルカリ土類金属酸化物を主成分とし、更にホウ酸を含有する、アルカリ金属を実質的に含有しないガラスのことである。この無アルカリガラスは、0℃から350℃までの広い温度帯域において熱膨脹係数が3ppm/K以上5ppm/K以下の範囲で低く安定しているため、加熱を伴うプロセスにおけるガラスの反りを最小限にできるとの利点がある。ガラスキャリア12の厚さは100μm以上2000μm以下が好ましく、より好ましくは300μm以上1800μm以下、さらに好ましくは400μm以上1100μm以下である。このような範囲内の厚さであると、ハンドリングに支障を来さない適切な強度を確保しながらプリント配線板の薄型化、及び電子部品搭載時に生じる反りの低減を実現することができる。
【0017】
ガラスキャリア12の平坦領域Fの各々は、最大高さRzが1.0μm未満であり、好ましくは0.001μm以上0.5μm以下、より好ましくは0.001μm以上0.1μm以下、さらに好ましくは0.001μm以上0.08μm以下、特に好ましくは0.001μm以上0.05μm以下、最も好ましくは0.001μm以上0.02μm以下である。このように平坦領域Fの最大高さRzが小さいほど、ガラスキャリア12上に積層される銅層18の最外面(すなわち剥離層16と反対側の表面)において望ましく低い最大高さRzをもたらすことができ、それにより、ガラスキャリア付銅箔10を用いて製造されるプリント配線板において、ライン/スペース(L/S)が13μm以下/13μm以下(例えば12μm/12μmから2μm/2μmまで)といった程度にまで高度に微細化された配線パターンを形成するのに適したものとなる。
【0018】
ガラスキャリア12の凹凸領域Rは、最大高さRzが1.0μm以上30.0μm以下であり、好ましくは1.5μm以上28.0μm以下、より好ましくは2.0μm以上26.0μm以下、さらに好ましくは2.5μm以上24.0μm以下、特に好ましくは5.0μm以上22.0μm以下、最も好ましくは10.0μm以上20.0μm以下である。こうすることで、凹凸領域Rにおける剥離層16との密着性が向上し、ガラスキャリア付銅箔10を凹凸領域Rのパターンに従って切断した際に、切断面における良好な剥離強度を確保でき、切断に伴う銅層18の望ましくない剥離をより効果的に抑制できる。その上、ガラスキャリア12表面に尖った部分やひび割れた部分が生じにくいため、ガラスキャリア付銅箔10を切断した際に生じるガラスの粒子状破片の数を低減することができる。凹凸領域Rにおけるガラスキャリア12の剥離強度は30gf/cm以上3000gf/cm以下であるのが好ましく、より好ましくは50gf/cm以上2800gf/cm以下、さらに好ましくは200gf/cm以上2500gf/cm以下、特に好ましくは400gf/cm以上2300gf/cm以下、最も好ましくは1000gf/cm以上2000gf/cm以下である。この剥離強度は後述の実施例で言及されるように、JIS Z 0237−2009に準拠して測定される値である。
【0019】
凹凸領域Rのパターンは格子状、柵状又は十字状に設けられるのが、複数の平坦領域Fを回路実装基板に適した均等な形状及びサイズに区画しやすい点で好ましい。中でも、凹凸領域Rのパターンを格子状又は柵状に設けるのが特に好ましい。こうすることで、個々の平坦領域Fの周囲の全体又は大半を凹凸領域Rで囲むことができるので、切断後に分割された各ガラスキャリア付銅箔10’の端部において剥離の起点を生じにくくなる。
【0020】
凹凸領域Rのパターンの線幅は1mm以上50mm以下であるのが好ましく、より好ましくは1.5mm以上45mm以下、さらに好ましくは、2.0mm以上40mm以下、特に好ましくは2.5mm以上35mm以下である。このような範囲内とすることで、カッター等の切断手段の凹凸領域Rへの位置決めがしやすくかつ切断もしやすくなるとともに、平坦領域Fを多く確保しながら、凹凸領域Rによる各種利点を望ましく実現することができる。
【0021】
また、ファインパターンの形成に必要な平坦性を銅層18に付与可能な領域(すなわち平坦領域F)を十分に確保する観点から、ガラスキャリア12の平坦領域F及び凹凸領域Rの合計面積に対する凹凸領域Rの面積の比率が0.01以上0.5以下であるのが好ましく、より好ましくは0.02以上0.45以下、さらに好ましくは0.05以上0.40以下、特に好ましくは0.1以上0.35以下である。
【0022】
所望により設けられる中間層14は、キャリア12と剥離層16の間に介在して、キャリア12と剥離層16との密着性の確保に寄与する層である。中間層14を構成する金属の例としてはCu、Ti、Al、Nb、Zr、Cr、W、Ta、Co、Ag、Ni、In、Sn、Zn、Ga、Mo及びそれらの組合せ(以下、金属Mという)が挙げられ、好ましくはCu、Ti、Al、Nb、Zr、Cr、W、Ta、Co、Ag、Ni、Mo及びそれらの組合せ、より好ましくはCu、Ti、Zr、Al、Cr、W、Ni、Mo及びそれらの組合せ、さらに好ましくはCu、Ti、Al、Cr、Ni、Mo及びそれらの組合せ、特に好ましくはCu、Ti、Al、Ni及びそれらの組合せが挙げられる。中間層14は、純金属であってもよいし、合金であってもよい。中間層14を構成する金属は原料成分や成膜工程等に起因する不可避不純物を含んでいてもよい。また、特に制限されるものではないが、中間層14の成膜後に大気に暴露される場合、それに起因して混入する酸素の存在は許容される。上記金属の含有率の上限は特に限定されず、100原子%であってもよい。中間層14は物理気相堆積(PVD)法により形成された層であるのが好ましく、より好ましくはスパッタリングにより形成された層である。中間層14は金属ターゲットを用いたマグネトロンスパッタリング法により形成された層であるのが膜厚分布の均一性を向上できる点で特に好ましい。中間層14の厚さは10nm以上1000nm以下であるのが好ましく、より好ましくは30nm以上800nm以下、さらに好ましくは60nm以上600nm以下、特に好ましくは100nm以上400nm以下である。この厚さは、層断面を透過型電子顕微鏡のエネルギー分散型X線分光分析器(TEM−EDX)で分析することにより測定される値とする。
【0023】
中間層14は、1層構成であってもよいし、2層以上の構成であってもよい。中間層14が1層構成である場合、中間層14はCu、Al、Ti、Ni又はそれらの組合せ(例えば合金や金属間化合物)で構成される金属を含有する層からなるのが好ましく、より好ましくはAl、Ti、又はそれらの組合せ(例えば合金や金属間化合物)であり、さらに好ましくは主としてAlを含有する層又は主としてTiを含有する層である。一方、ガラスキャリア12との密着性が十分高いとはいえない金属又は合金を中間層14に採用する場合は、中間層14を2層構成とすることが好ましい。すなわち、ガラスキャリア12との密着性に優れる金属(例えばTi)又は合金で構成した層をガラスキャリア12に隣接させて設け、かつ、ガラスキャリア12との密着性に劣る金属(例えばCu)又は合金で構成した層を剥離層16に隣接させて設けることで、ガラスキャリア12との密着性を向上することができる。したがって、中間層14の好ましい2層構成の例としては、ガラスキャリア12に隣接するTi含有層と、剥離層16に隣接するCu含有層とからなる積層構造が挙げられる。また、2層構成の各層の構成元素や厚みのバランスを変えると、剥離強度も変わるため、各層の構成元素や厚みを適宜調整するのが好ましい。なお、本明細書において「金属M含有層」の範疇には、キャリアの剥離性を損なわない範囲において、金属M以外の元素を含む合金も含まれるものとする。したがって、中間層14は主として金属Mを含む層ともいうことができる。上記の点から、中間層14における金属Mの含有率は50原子%以上100原子%以下であることが好ましく、より好ましくは60原子%以上100原子%以下、さらに好ましくは70原子%以上100原子%以下、特に好ましくは80原子%以上100原子%以下、最も好ましくは90原子%以上100原子%以下である。
【0024】
中間層14を合金で構成する場合、好ましい合金の例としてはNi合金が挙げられる。Ni合金はNi含有率が45重量%以上98重量%以下であるのが好ましく、より好ましくは55重量%以上90重量%以下、さらに好ましくは65重量%以上85重量%以下である。好ましいNi合金は、Niと、Cr、W、Ta、Co、Cu、Ti、Zr、Si、C、Nd、Nb及びLaからなる群から選択される少なくとも1種との合金であり、より好ましくはNiと、Cr、W、Cu及びSiからなる群から選択される少なくとも1種の合金である。中間層14をNi合金層とする場合、Ni合金ターゲットを用いたマグネトロンスパッタリング法により形成された層であるのが膜厚分布の均一性を向上できる点で特に好ましい。
【0025】
剥離層16はガラスキャリア12の剥離を可能とする層であり、キャリア付銅箔の剥離層として採用される公知の材料で構成されることができる。剥離層16は、有機剥離層及び無機剥離層のいずれであってもよい。有機剥離層に用いられる有機成分の例としては、窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物、カルボン酸等が挙げられる。窒素含有有機化合物の例としては、トリアゾール化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。一方、無機剥離層に用いられる無機成分の例としては、Ni、Mo、Co、Cr、Fe、Ti、W、P、Zn、Cu、Al、Nb、Zr、Ta、Ag、In、Sn、Gaの少なくとも一種類以上の金属酸化物、炭素層等が挙げられる。これらの中でも特に、剥離層16は、炭素層、すなわち主として炭素を含んでなる層であるのが剥離容易性や膜形成性の点等から好ましく、より好ましくは主として炭素又は炭化水素からなる層であり、さらに好ましくは硬質炭素膜であるアモルファスカーボンからなる。この場合、剥離層16(すなわち炭素層)はXPSにより測定される炭素濃度が60原子%以上であるのが好ましく、より好ましくは70原子%以上、さらに好ましくは80原子%以上、特に好ましくは85原子%以上である。炭素濃度の上限値は特に限定されず100原子%であってもよいが、98原子%以下が現実的である。剥離層16(特に炭素層)は不可避不純物(例えば雰囲気等の周囲環境に由来する酸素、水素等)を含みうる。また、剥離層16(特に炭素層)には機能層17又は銅層18の成膜手法に起因して金属原子が混入しうる。炭素はキャリアとの相互拡散性及び反応性が小さく、300℃を超える温度でのプレス加工等を受けても、銅箔層と接合界面との間での高温加熱による金属結合の形成を防止して、キャリアの引き剥がし除去が容易な状態を維持することができる。この剥離層16もスパッタリング等の気相法により形成された層であるのがアモルファスカーボン中の過度な不純物を抑制する点、所望により設けられる中間層14の成膜との連続生産性の点などから好ましい。剥離層16(特に炭素層)の厚さは1nm以上20nm以下が好ましく、より好ましくは1nm以上10nm以下である。この厚さは、層断面を透過型電子顕微鏡のエネルギー分散型X線分光分析器(TEM−EDX)で分析することにより測定される値とする。
【0026】
所望により剥離層16と銅層18の間に機能層17が設けられてもよい。機能層17はガラスキャリア付銅箔10に、エッチングストッパー機能や反射防止機能等の所望の機能を付与するものであれば特に限定されない。機能層17を構成する金属の好ましい例としては、Ti、Al、Nb、Zr、Cr、W、Ta、Co、Ag、Ni、Mo及びそれらの組合せが挙げられ、より好ましくはTi、Zr、Al、Cr、W、Ni、Mo及びそれらの組合せ、さらに好ましくはTi、Al、Cr、Ni、Mo及びそれらの組合せ、特に好ましくはTi、Mo及びそれらの組合せである。これらの元素は、銅フラッシュエッチング液に対して溶解しないという性質を有し、その結果、銅フラッシュエッチング液に対して優れた耐薬品性を呈することができる。したがって、機能層17は、銅層18よりも銅フラッシュエッチング液によってエッチングされにくい層となり、それ故エッチングストッパー層として機能しうる。また、機能層17を構成する上述の金属は光の反射を防止する機能も有するため、機能層17は、画像検査(例えば自動画像検査(AOI))において視認性を向上させるための反射防止層としても機能しうる。機能層17は、純金属であってもよいし、合金であってもよい。機能層17を構成する金属は原料成分や成膜工程等に起因する不可避不純物を含んでいてもよい。また、上記金属の含有率の上限は特に限定されず、100原子%であってもよい。機能層17は物理気相堆積(PVD)法により形成された層であるのが好ましく、より好ましくはスパッタリングにより形成された層である。機能層17の厚さは1nm以上500nm以下であるのが好ましく、より好ましくは10nm以上400nm以下、さらに好ましくは30nm以上300nm以下、特に好ましくは50nm以上200nm以下である。
【0027】
銅層18は銅で構成される層である。銅層18を構成する銅は原料成分や成膜工程等に起因する不可避不純物を含んでいてもよい。銅層18は、いかなる方法で製造されたものでよく、例えば、無電解銅めっき法及び電解銅めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング及び真空蒸着等の物理気相堆積(PVD)法、化学気相成膜、又はそれらの組合せにより形成した銅層であってよい。特に好ましくは、極薄化によるファインピッチ化に対応しやすい観点から、スパッタリング法や真空蒸着等の物理気相堆積(PVD)法により形成された銅層であり、最も好ましくはスパッタリング法により製造された銅層である。また、銅層18は、無粗化の銅層であるのが好ましいが、プリント配線板製造時の配線パターン形成に支障を来さないかぎり予備的粗化やソフトエッチング処理や洗浄処理、酸化還元処理により二次的な粗化が生じたものであってもよい。上述したようなファインピッチ化に対応する観点から、銅層18の厚さは0.05μm以上3.0μm以下であり、好ましくは0.10μm以上2.5μm以下、より好ましくは0.15μm以上2.0μm以下、さらに好ましくは0.20μm以上1.5μm以下、特に好ましくは0.25μm以上1.25μm以下、最も好ましくは0.28μm以上1.0μm以下である。このような範囲内の厚さの銅層18はスパッタリング法により製造されるのが成膜厚さの面内均一性や、シート状やロール状での生産性の観点で好ましい。
【0028】
銅層18の最外面は、ガラスキャリア12の平坦領域Fの表面形状に対応した平坦形状と、ガラスキャリア12の凹凸領域Rの表面形状に対応した凹凸形状とを有するのが好ましい。すなわち、図1及び2に示されるように、平坦領域F及び凹凸領域Rを有するガラスキャリア12上に中間層14(存在する場合)、剥離層16、機能層17(存在する場合)を介して銅層18が形成されることで、ガラスキャリア12の平坦領域F及び凹凸領域Rの表面プロファイルが各層の表面にそれぞれ転写される。こうして、銅層18の最外面にガラスキャリア12の各領域の形状に対応した望ましい表面プロファイルが付与されるのが好ましい。こうすることで、ガラスキャリア付銅箔10を切断した場合における銅層18の剥がれをより一層防止することができるとともに、ファインピッチ化により一層対応できる。典型的には、銅層18の最外面における、ガラスキャリア12の平坦領域Fに対応した平坦形状を有する面(すなわち平坦面)は、最大高さRzが1.0μm未満であり、好ましくは0.001μm以上0.5μm以下、より好ましくは0.001μm以上0.1μm以下、さらに好ましくは0.001μm以上0.08μm以下、特に好ましくは0.001μm以上0.05μm以下、最も好ましくは0.001μm以上0.02μm以下である。また、銅層18の最外面における、ガラスキャリア12の凹凸領域Rに対応した凹凸形状を有する面(すなわち凹凸面)は、最大高さRzが典型的には1.0μm以上30.0μm以下であり、好ましくは1.5μm以上28.0μm以下、より好ましくは2.0μm以上26.0μm以下、さらに好ましくは2.5μm以上24.0μm以下、特に好ましくは5.0μm以上22.0μm以下、最も好ましくは10.0μm以上20.0μm以下である。
【0029】
中間層14(存在する場合)、剥離層16、機能層17(存在する場合)及び銅層18はいずれも物理気相堆積(PVD)膜、すなわち物理気相堆積(PVD)法により形成された膜であるのが好ましく、より好ましくはスパッタ膜、すなわちスパッタリング法により形成された膜である。
【0030】
ガラスキャリア付銅箔の製造方法
本発明のガラスキャリア付銅箔10は、(1)ガラスキャリアを用意し、(2)ガラスキャリア表面の所定の領域に粗化処理を行い、(3)ガラスキャリア上に剥離層、銅層等の各種層を形成することにより製造することができる。
【0031】
(1)ガラスキャリアの用意
まず、少なくとも一方の表面の最大高さRzが1.0μm未満の平坦面である、ガラスキャリア12を用意する。この最大高さRzは、好ましくは0.001μm以上0.5μm以下、より好ましくは0.001μm以上0.1μm以下、さらに好ましくは0.001μm以上0.08μm以下、特に好ましくは0.001μm以上0.05μm以下、最も好ましくは0.001μm以上0.02μm以下である。一般的にガラス製品は平坦性に優れるものであることから、上記範囲内のRzを満たす平坦面を有する市販のガラスシート、ガラスフィルム及びガラス板をガラスキャリア12として用いればよい。あるいは、上記Rzを満たさないガラスキャリア12表面に公知の手法で研磨加工を施すことで上記範囲内のRzを付与してもよい。ガラスキャリア12の好ましい材質や特性については前述したとおりである。
【0032】
(2)ガラスキャリア表面の粗化処理
次に、ガラスキャリア12の表面の所定の領域に粗化処理を行って、最大高さRzが1.0μm以上30.0μm以下である凹凸領域Rを、互いに個別化された複数の領域を区画するパターンの線状に形成する。この最大高さRzは、好ましくは1.1μm以上20.0μm以下、より好ましくは1.2μm以上15.0μm以下、さらに好ましくは1.3μm以上10.0μm以下、特に好ましくは1.4μm以上7.0μm以下、最も好ましくは1.5μm以上5.0μm以下である。粗化処理は公知の手法に従って行えばよく、上記範囲内の最大高さRzを実現でき、かつ、(必要に応じてマスキングを併用して)所望のパターンで凹凸領域Rを形成することが出来る限り特に限定されない。好ましい粗化処理の手法は、所望のRzの凹凸領域Rを効率良く形成可能な点でブラスト処理又はエッチング処理であり、より好ましくはブラスト処理である。ブラスト処理による粗化処理は、ガラスキャリア12の表面の所定領域(すなわち凹凸領域Rが形成されるべき領域)に対して粒子状のメディア(投射材)をノズルから投射することにより行うことができる。好ましいノズルの吐出径は0.5mm以上10.0mm以下であり、より好ましくは0.75mm以上8.5mm以下である。メディアの粒径は1.0μm以上1000μm以下であるのが好ましく、より好ましくは2.0mm以上800mm以下であり、投射量は10g/分以上3000g/分以下であるのが好ましく、より好ましくは25g/分以上2750g/分以下である。また、好ましいメディアの吐出圧力は0.005MPa以上0.5MPa以下であり、より好ましくは0.01MPa以上0.1MPa以下である。メディアの材質の好ましい例としては、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、鉄、アルミ、亜鉛、ガラス、スチール及びボロンカーバイトが挙げられる。メディアのモース硬度は4以上が好ましく、より好ましくは5.5以上、さらに好ましくは6.0以上である。一方、エッチング処理による粗化処理の好ましい例としては、フッ酸(フッ化水素酸)を含む溶液を用いたウエットプロセス、及びフッ素を含むプロセスガス(例えばCFやSF等)を用いた反応性イオンエッチング(RIE:Reactive ion etching)によるドライプロセスが挙げられる。
【0033】
所望の領域に選択的に粗化処理(特にブラスト処理又はエッチング処理)を行うために、マスキングを用いるのが好ましい。具体的には、図5に示されるように、粗化処理の前に、ガラスキャリア12の表面の所定の領域(すなわち凹凸領域Rが形成されるべき領域)以外の部分にマスキング層20を形成するのが好ましい。この場合、粗化処理後に、マスキング層20を除去することが望まれる。特に、粗化処理をエッチング処理で行う場合にはマスキング層を用いるのが好ましいが、ブラスト処理の場合であっても必要に応じてマスキング層を用いることができる。
【0034】
(3)ガラスキャリア上への各種層の形成
粗化処理を行ったガラスキャリア12上に、所望により中間層14、剥離層16、所望により機能層17、及び厚さ0.1μm以上3.0μm以下の銅層18を形成する。中間層14(存在する場合)、剥離層16、機能層17(存在する場合)及び銅層18の各層の形成は、極薄化によるファインピッチ化に対応しやすい観点から、物理気相堆積(PVD)法により行われるのが好ましい。物理気相堆積(PVD)法の例としては、スパッタリング法、真空蒸着法、及びイオンプレーティング法が挙げられるが、0.05nm以上5000nm以下といった幅広い範囲で膜厚制御できる点、広い幅ないし面積にわたって膜厚均一性を確保できる点等から、最も好ましくはスパッタリング法である。特に、中間層14(存在する場合)、剥離層16、機能層17(存在する場合)及び銅層18の全ての層をスパッタリング法により形成することで、製造効率が格段に高くなる。物理気相堆積(PVD)法による成膜は公知の気相成膜装置を用いて公知の条件に従って行えばよく特に限定されない。例えば、スパッタリング法を採用する場合、スパッタリング方式は、マグネトロンスパッタリング、2極スパッタリング法、対向ターゲットスパッタリング法等、公知の種々の方法であってよいが、マグネトロンスパッタリングが、成膜速度が速く生産性が高い点で好ましい。スパッタリングはDC(直流)及びRF(高周波)のいずれの電源で行ってもよい。また、ターゲット形状も広く知られているプレート型ターゲットを使用することができるが、ターゲット使用効率の観点から円筒形ターゲットを用いることが望ましい。以下、中間層14(存在する場合)、剥離層16、機能層17(存在する場合)及び銅層18の各層の物理気相堆積(PVD)法(好ましくはスパッタリング法)による成膜について説明する。
【0035】
中間層14の物理気相堆積(PVD)法(好ましくはスパッタリング法)による成膜は、Cu、Ti、Al、Nb、Zr、Cr、W、Ta、Co、Ag、Ni、In、Sn、Zn、Ga及びMoからなる群から選択される少なくとも1種の金属で構成されるターゲットを用い、非酸化性雰囲気下でマグネトロンスパッタリングにより行われるのが膜厚分布均一性を向上できる点で好ましい。ターゲットの純度は99.9%以上が好ましい。スパッタリングに用いるガスとしては、アルゴンガス等の不活性ガスを用いるのが好ましい。アルゴンガスの流量はスパッタリングチャンバーサイズ及び成膜条件に応じて適宜決定すればよく特に限定されない。また、異常放電やプラズマ照射不良などの稼働不良なく、連続的に成膜する観点から成膜時の圧力は0.1Pa以上20Pa以下の範囲で行うことが好ましい。この圧力範囲は、装置構造、容量、真空ポンプの排気容量、成膜電源の定格容量等に応じ、成膜電力、アルゴンガスの流量を調整することで設定すればよい。また、スパッタリング電力は成膜の膜厚均一性、生産性等を考慮してターゲットの単位面積あたり0.05W/cm以上10.0W/cm以下の範囲内で適宜設定すればよい。
【0036】
剥離層16の物理気相堆積(PVD)法(好ましくはスパッタリング法)による成膜は、カーボンターゲットを用いてアルゴン等の不活性雰囲気下で行われるのが好ましい。カーボンターゲットはグラファイトで構成されるのが好ましいが、不可避不純物(例えば雰囲気等の周囲環境に由来する酸素や炭素)を含みうる。カーボンターゲットの純度は99.99%以上が好ましく、より好ましくは99.999%以上である。また、異常放電やプラズマ照射不良などの稼働不良なく、連続的に成膜する観点から成膜時の圧力は0.1Pa以上2.0Pa以下の範囲で行うことが好ましい。この圧力範囲は、装置構造、容量、真空ポンプの排気容量、成膜電源の定格容量等に応じ、成膜電力、アルゴンガスの流量を調整することで設定すればよい。また、スパッタリング電力は成膜の膜厚均一性、生産性等を考慮してターゲットの単位面積あたり0.05W/cm以上10.0W/cm以下の範囲内で適宜設定すればよい。
【0037】
機能層17の物理気相堆積(PVD)法(好ましくはスパッタリング法)による成膜は、Ti、Al、Nb、Zr、Cr、W、Ta、Co、Ag、Ni及びMoからなる群から選択される少なくとも1種の金属で構成されるターゲットを用いて、マグネトロンスパッタ法により行われるのが好ましい。ターゲットの純度は99.9%以上が好ましい。特に、機能層17のマグネトロンスパッタ法による成膜は、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、圧力0.1Pa以上20Pa以下で行われるのが好ましい。スパッタリング圧力は、より好ましくは0.2Pa以上15Pa以下、さらに好ましくは0.3Pa以上10Pa以下である。なお、上記圧力範囲の制御は、装置構造、容量、真空ポンプの排気容量、成膜電源の定格容量等に応じ、成膜電力、アルゴンガスの流量を調整することにより行えばよい。アルゴンガスの流量はスパッタリングチャンバーサイズ及び成膜条件に応じて適宜決定すればよく特に限定されない。また、スパッタリング電力は成膜の膜厚均一性、生産性等を考慮してターゲットの単位面積あたり1.0W/cm以上15.0W/cm以下の範囲内で適宜設定すればよい。また、製膜時にキャリア温度を一定に保持するのが、安定した膜特性(例えば膜抵抗や結晶サイズ)を得やすい点で好ましい。成膜時のキャリア温度は25℃以上300℃以下の範囲内で調整することが好ましく、より好ましくは40℃以上200℃以下、さらに好ましくは50℃以上150℃以下の範囲内である。
【0038】
銅層18の物理気相堆積(PVD)法(好ましくはスパッタリング法)による成膜は、銅ターゲットを用いてアルゴン等の不活性雰囲気下で行われるのが好ましい。銅ターゲットは金属銅で構成されるのが好ましいが、不可避不純物を含みうる。銅ターゲットの純度は99.9%以上が好ましく、より好ましくは99.99%、さらに好ましくは99.999%以上である。銅層18の気相成膜時の温度上昇を避けるため、スパッタリングの際、ステージの冷却機構を設けてもよい。また、異常放電やプラズマ照射不良などの稼働不良なく、安定的に成膜する観点から成膜時の圧力は0.1Pa以上2.0Pa以下の範囲で行うことが好ましい。この圧力範囲は、装置構造、容量、真空ポンプの排気容量、成膜電源の定格容量等に応じ、成膜電力、アルゴンガスの流量を調整することで設定すればよい。また、スパッタリング電力は成膜の膜厚均一性、生産性等を考慮してターゲットの単位面積あたり0.05W/cm以上10.0W/cm以下の範囲内で適宜設定すればよい。
【実施例】
【0039】
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
【0040】
例1
図1に示されるように、ガラスキャリア12上に凹凸領域Rを形成した後、中間層14(Ti含有層及びCu含有層)、剥離層16としての炭素層、機能層17、及び銅層18をこの順に成膜してガラスキャリア付銅箔10を作製した。具体的な手順は以下のとおりである。なお、以下の例において言及される最大高さRzはJIS B 0601−2001に準拠して非接触表面形状測定機(Zygo株式会社製NewView5032)で測定された値である。
【0041】
(1)ガラスキャリアの用意
最大高さRz2.7nmの平坦面を有する200mm×250mmで厚さ1.1mmのガラスシート(材質:ソーダライムガラス、セントラル硝子株式会社製)を用意した。
【0042】
(2)ガラスキャリアの粗化処理
図5に示されるように、ガラスキャリア12表面にマスキング層20を、4つの矩形状マスキング領域が2.5mmの平均線幅で互いに離間して配置されるパターンに形成した。このマスキング層20の形成は、感光性フィルムを用いてロールラミネーションにより行った。次に、ブロワブラスト装置(株式会社不二製作所製、LDQ−3(AB))を用いて、マスキング層20で部分的に被覆されたガラスキャリア12表面に対して、吐出径5mmのノズルから、粒径0.16mmのメディア(アルミナ)を0.05MPaの吐出圧力で30秒間投射することで、ガラスキャリア12の露出部分に対して粗化処理を行った。こうして、ガラスキャリア12表面に、平均2.5mmの線幅を有する最大高さRz1.0μmの凹凸領域Rを格子状のパターンで形成した。その後、マスキング層20を除去して平坦領域Fを露出させた。
【0043】
(3)Ti含有層の形成
粗化処理を行った側のガラスキャリア12表面に、Ti含有層として厚さ100nmのチタン層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式マグネロトンスパッタリング装置(キヤノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)のTiターゲット(純度99.999%)
‐ 到達真空度:1×10−4Pa未満
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ スパッタリング圧:0.35Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
‐ 成膜時温度:40℃
【0044】
(4)Cu含有層の形成
Ti含有層の上に、Cu含有層として厚さ100nmの銅層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キヤノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)の銅ターゲット(純度99.98%)
‐ 到達真空度:1×10−4Pa未満
‐ ガス:アルゴンガス(流量:100sccm)
‐ スパッタリング圧:0.35Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(6.2W/cm
‐ 成膜時温度:40℃
【0045】
(5)炭素層の形成
Cu含有層の上に、剥離層16として厚さ6nmのアモルファスカーボン層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キヤノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)の炭素ターゲット(純度99.999%)
‐ 到達真空度:1×10−4Pa未満
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ スパッタリング圧:0.35Pa
‐ スパッタリング電力:250W(0.7W/cm
‐ 成膜時温度:40℃
【0046】
(6)機能層の形成
剥離層16の表面に、機能層17として厚さ100nmのチタン層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キヤノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)のチタンターゲット(純度99.999%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度:1×10−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:0.35Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
【0047】
(7)極薄銅層の形成
機能層17の上に、膜厚300nmの銅層18を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成して、ガラスキャリア付銅箔10を得た。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キヤノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)の銅ターゲット(純度99.98%)
‐ 到達真空度:1×10−4Pa未満
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ スパッタリング圧:0.35Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
‐ 成膜時温度:40℃
【0048】
(8)凹凸領域の剥離強度の測定
マスキング層20の形成を行わなかったこと以外は上記(1)〜(7)と同様にして、片面の全域が凹凸領域であるガラスキャリア付銅箔を作製した。このガラスキャリア付銅箔の銅層側に電解メッキにより銅を18μm積層し、測定サンプルを得た。この測定サンプルに対して、JIS Z 0237−2009に準拠して、電解メッキした銅層を剥離した時の剥離強度(gf/cm)を、測定幅10mm、測定長さ17mm、及び剥離速度50mm/分の条件で測定した。こうして測定された凹凸領域の剥離強度は表1に示されるとおりであった。
【0049】
例2〜11
ガラスキャリア12の粗化処理工程において、ブラスト処理の条件及び/又はマスキング層20同士の離間距離(線幅)を適宜変更することにより、ガラスキャリア12の凹凸領域Rの最大高さRz及び/又はパターンの平均線幅を変化させたこと以外は、例1と同様にしてガラスキャリア付銅箔10の作製を行った。また、凹凸領域の剥離強度の測定も例1と同様にして行った。
【0050】
評価
例1〜11のガラスキャリア付銅箔10について、以下に示されるとおり、各種評価を行った。評価結果は表1に示されるとおりであった。また、表1にはガラスキャリア12の凹凸領域Rにおける最大高さRz、剥離強度、パターンの平均線幅、並びに平坦領域F及び凹凸領域Rの合計面積に対する凹凸領域Rの面積の比率も併せて示してある。
【0051】
<評価1:凹凸領域の切断により発生した粒子状破片数>
ダイシング装置を用いて、ガラスキャリア付銅箔10を凹凸領域の線幅方向の中央を通るように線状パターンと平行に切断した。ガラスキャリア付銅箔10の切断端部を含む10cmの領域を顕微鏡観察して、切断により発生した直径20μm以上の粒子状破片の数をカウントした。こうして得られた粒子状破片数を以下の基準で格付けした。
評価A:粒子状破片数が10個未満
評価B:粒子状破片数が10個以上50個未満
評価C:粒子状破片数が50個以上100個未満
評価D:粒子状破片数が100個以上
【0052】
<評価2:切断端部における剥離試験>
ステンレスカッターを用いて、ガラスキャリア付銅箔10を凹凸領域の線幅方向の中央を通るように線状パターンと平行に切断した。ガラスキャリア付銅箔10の切断端部に隣接する銅層18に粘着テープ(セロハンテープ)を貼り付け、この粘着テープを剥離した。このとき、粘着テープの剥離に伴う切断端部における銅層18の剥離の有無ないし程度を観察し、以下の基準で格付けした。
評価A:切断端部から銅層が剥離しなかった。
評価B:切断端部から銅層が部分的に剥離した。
評価C:切断端部から銅層の大部分が剥離した。
評価D:粘着テープを貼る前から切断端部から銅層が自然に剥離していた。
【0053】
<評価3:凹凸領域の切断により発生したチッピング数>
ダイシング装置を用いて、ガラスキャリア付銅箔10を凹凸領域の線幅方向の中央を通るように線状パターンと平行に切断した。ガラスキャリア付銅箔10の切断端部を顕微鏡観察して、ガラス端部から1mm以上の領域に及ぶサイズのチッピング(はま欠け)の個数をカウントし、切断長さ1cm辺りの個数に換算した。こうして得られたチッピング数を以下の基準で格付けした。
評価A:切断長さ1cm辺りの1mm以上のチッピング数が10個未満
評価B:切断長さ1cm辺りの1mm以上のチッピング数が10個以上30個未満
評価C:切断長さ1cm辺りの1mm以上のチッピング数が30個以上
【0054】
【表1】
【0055】
表1に示されるように、ガラスキャリアにおける凹凸領域の最大高さRzが1.0μm以上30.0μm以下の範囲内である例1〜7及び9〜11は、評価1〜3の全てにおいて良好な結果であることがわかる。したがって、これらのガラスキャリア付銅箔を凹凸領域のパターンに従って切断することで、切断端部からの銅層等の剥離、並びにガラスキャリアにおける粒子状破片及びチッピングの発生を極めて効果的に防止しつつ、回路実装可能な大きさにダウンサイジングすることが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5