(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
流体が流れる上流側管路と下流側管路との間で、前記流体の流量を調整する増減圧バルブと、一次流路と二次流路を切り換えるチェンジバルブとを備えた増減圧制御機構であって、
前記増減圧バルブは、
流量制御部と、前記流量制御部を挟んで設けられた増圧側流路及び減圧側流路とを備え、前記上流側管路側に前記増圧側流路を、前記下流側管路側に前記減圧側流路をそれぞれ連通させて配設され、
前記チェンジバルブは、
前記増減圧バルブの増圧側流路と連通する一次流路と、前記増減圧バルブの減圧側流路と連通する二次流路と、前記一次流路及び前記二次流路に選択的に連通可能であると共に、前記流体が取り入れられる容器に連通する三次流路とを備え、
前記チェンジバルブの切り替えにより、前記流体を、前記増圧側流路、前記一次流路及び前記三次流路を介して前記容器に取り入れ可能である一方、前記容器内に残留する流体を、前記三次流路、前記二次流路及び前記減圧側流路を介して排出可能であることを特徴とする増減圧制御機構。
水洗便器に供給される洗浄水供給経路を流れる洗浄水の一部を取り込み、取り込んだ洗浄水中に薬液を混合して前記洗浄水供給経路に戻す水洗便器用薬液供給装置を備えてなる水洗便器用薬液供給システムであって、
流量制御部と、前記流量制御部を挟んで設けられた増圧側流路及び減圧側流路とを備えてなる増減圧バルブが、前記洗浄水供給経路の上流側に前記増圧側流路を、前記洗浄水供給経路の下流側に前記減圧側流路をそれぞれ連通させて配設されていると共に、
前記増減圧バルブの増圧側流路と連通する一次流路と、前記増減圧バルブの減圧側流路と連通する二次流路と、前記一次流路及び前記二次流路に選択的に連通可能であると共に、前記水洗便器用薬液供給装置に連通する三次流路とを備えたチェンジバルブが設けられ、
前記チェンジバルブの切り替えにより、前記洗浄水を、前記増圧側流路、前記一次流路及び前記三次流路を介して前記水洗便器用薬液供給装置に取り入れ可能である一方、前記水洗便器用薬液供給装置内に残留する洗浄水を、前記三次流路、前記二次流路及び前記減圧側流路を介して排出可能であることを特徴とする水洗便器用薬液供給システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および特許文献2のチェンジバルブはそれほど複雑な構造でないものの、チェンジバルブの用途をより広げるためコンパクト化できるものが求められ、しかも、チェンジバルブを利用する各種装置やシステムのコストの低減のために、より簡易で安価なチェンジバルブが望まれる。
【0006】
また、特許文献3に示す水洗便器用薬液供給装置では、薬液収容部内の薬液が徐々に使用されてなくなると、新たに薬液を薬液収容部に補充する必要がある。そのため、薬液収容部内の薬液がなくなる前のメンテナンス時に薬液の補充を行っている。この水洗便器用薬液供給装置は、通常動作において、薬液が混合された洗浄水を洗浄水通過部に押し出した後でも、次の供給に備えたり、薬液を滴下するノズルの乾燥防止等のため、全ての洗浄水を押し出さず、洗浄水取り込み室内に常に所定量の洗浄水(薬液が混合された洗浄水)が残留する構成となっている。
しかしながら、上記の水洗便器用薬液供給装置は、密閉容器であり、洗浄水取り込み室内と薬液収容部との圧力が均衡するようになっている。そのため、薬液収容部内の薬液量が減少してくると、洗浄水取り込み室内に残留する洗浄水(薬液が混合された洗浄水)量が徐々に増加する。したがって、薬液を補充する際には、それに応じて洗浄水取り込み室内のかかる残留洗浄水の量を減らす作業、通常、初期位置まで余剰の洗浄水を廃棄する作業を行う必要がある。この作業を行うに当たって、例えば、洗浄水取り込み室が、洗浄水供給経路と洗浄水通過部との接続位置より低い位置にある時は、薬液収容部の上部の薬液補給口のキャップを開け、さらに、薬液収容部と共に洗浄水取り込み室をケーシングから取り外して、前記接続位置より高い位置に持ち上げ、洗浄水取り込み室内の残留洗浄水を所定量、重力によって排出している。
【0007】
上記の作業は、各水洗便器に備えられている全ての水洗便器用薬液供給装置について行わなければならず、時間がかかり、大変な労力と面倒な手間となっている。また、メンテナンス時がトイレ使用中の時間帯と重なる場合には、より短時間で作業を行うことが求められるが、水洗便器用薬液供給装置の設置数によって熟練作業者でもそれ相当の時間を要する。
【0008】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、従来よりコンパクトに適すると共に、簡易で安価なチェンジバルブを提供することを課題とする。また、本発明は、このチェンジバルブを用いることにより、種々の容器に残留している流体、特に、水洗便器用薬液供給装置中の残留液体を速やかに排出し、メンテナンス作業等の迅速化を図るのに適する増減圧制御機構を提供すると共に、これらのチェンジバルブ及び増減圧制御機構を備えた水洗便器用薬液供給システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のチェンジバルブは、
シャフト配設孔を有するバルブ本体と、前記シャフト配設孔に回転可能に挿入される回転バルブシャフトとを備えてなり、
前記バルブ本体は、前記シャフト配設孔に連通する一次流路と二次流路を有し、
前記回転バルブシャフトは、中心軸に沿って形成された中空部からなる三次流路を有すると共に、周壁部を貫通して前記三次流路に連通する一方、周方向に相互に異なる位置に設けられ、前記一次流路に連通する一次導入路と前記二次流路に連通する二次導入路を有し、
前記回転バルブシャフトの前記中心軸を中心とした回転角度により、前記一次導入路と前記一次流路の連通と、前記二次導入路と前記二次流路の連通とが切り換えられる構成であることを特徴とする。
【0010】
本発明の増減圧制御機構は、
流体が流れる上流側管路と下流側管路との間で、前記流体の流量を調整する増減圧バルブと、一次流路と二次流路を切り換えるチェンジバルブとを備えた増減圧制御機構であって、
前記増減圧バルブは、
流量制御部と、前記流量制御部を挟んで設けられた増圧側流路及び減圧側流路とを備え、前記上流側管路側に前記増圧側流路を、前記下流側管路側に前記減圧側流路をそれぞれ連通させて配設され、
前記チェンジバルブは、
前記増減圧バルブの増圧側流路と連通する一次流路と、前記増減圧バルブの減圧側流路と連通する二次流路と、前記一次流路及び前記二次流路に選択的に連通可能であると共に、前記流体が取り入れられる容器に連通する三次流路とを備え、
前記チェンジバルブの切り替えにより、前記流体を、前記増圧側流路、前記一次流路及び前記三次流路を介して前記容器に取り入れ可能である一方、前記容器内に残留する流体を、前記三次流路、前記二次流路及び前記減圧側流路を介して排出可能であることを特徴とする。
【0011】
前記増減圧バルブは、前記上流側管路と前記下流側管路との間に連結される接続部管路を備え、前記流量制御部が、前記接続部管路内で前記流体が通過する貫通路を備えると共に、前記接続部管路内で回転可能に設けられて前記貫通路を通過する前記流体の流量を調整可能であり、前記増圧側流路が、前記接続部管路において前記貫通路より上流側に設けられ、前記減圧側流路が、前記接続部管路において前記貫通路より下流側に設けられてなることが好ましい。
前記増減圧制御機構には、前記チェンジバルブを用いることが好ましい。
【0012】
本発明の水洗便器用薬液供給システムは、
水洗便器に供給される洗浄水供給経路を流れる洗浄水の一部を取り込み、取り込んだ洗浄水中に薬液を混合して前記洗浄水供給経路に戻す水洗便器用薬液供給装置を備えてなる水洗便器用薬液供給システムであって、
流量制御部と、前記流量制御部を挟んで設けられた増圧側流路及び減圧側流路とを備えてなる増減圧バルブが、前記洗浄水供給経路の上流側に前記増圧側流路を、前記洗浄水供給経路の下流側に前記減圧側流路をそれぞれ連通させて配設されていると共に、
前記増減圧バルブの増圧側流路と連通する一次流路と、前記増減圧バルブの減圧側流路と連通する二次流路と、前記一次流路及び前記二次流路に選択的に連通可能であると共に、前記水洗便器用薬液供給装置に連通する三次流路とを備えたチェンジバルブが設けられ、
前記チェンジバルブの切り替えにより、前記洗浄水を、前記増圧側流路、前記一次流路及び前記三次流路を介して前記水洗便器用薬液供給装置に取り入れ可能である一方、前記水洗便器用薬液供給装置内に残留する洗浄水を、前記三次流路、前記二次流路及び前記減圧側流路を介して排出可能であることを特徴とする。
【0013】
前記増減圧バルブは、前記洗浄水供給経路に介在される接続部管路を備え、前記流量制御部が、前記接続部管路内で前記洗浄水が通過する貫通路を備えると共に、前記接続部管路内で回転可能に設けられて前記貫通路を通過する前記洗浄水の流量を調整可能であり、前記増圧側流路が、前記接続部管路において前記貫通路より上流側に設けられ、前記減圧側流路が、前記接続部管路において前記貫通路より下流側に設けられてなることが好ましい。
前記水洗便器用薬液供給システムには、前記チェンジバルブを用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のチェンジバルブは、基本的にはバルブ本体と回転バルブシャフトの2つの部材で構成されており、回転バルブシャフトの中心軸を中心とした回転角度の調整のみにより、流体の流路の切り換えを行うことができ、簡単な構造で安価に提供可能である。また、回転バルブシャフトを回転させて制御するだけであるため、従来のチェンジバルブと比較してもより一層コンパクトに形成することができる。そのため、配置スペースが狭い装置等において、好適に用いることができる。
【0015】
本発明の増減圧制御機構によれば、流体を任意の容器に取り込む際には、増減圧バルブは、流量制御部によって流路を絞る状態にして流量を調整する。この際チェンジバルブは、回転バルブシャフトを回転して一次流路を増圧側流路に連通させておく。これにより、増減圧バルブを流れる流体を増圧して容器(例えば密閉容器)内へ圧送することができる。
【0016】
また、メンテナンス作業などで前記容器内の残留流体を排出する必要がある場合、増減圧バルブは、流量制御部によって流路を絞る状態にして流量を調整するが、チェンジバルブは、回転バルブシャフトを回転して二次流路を減圧側流路に連通させる。これにより、流体が増減圧バルブを流れる際に減圧側流路を負圧にして前記容器内の流体を吸引して排出することができる。すなわち、チェンジバルブの回転バルブシャフトを回転させるだけで、極めて簡易に容器内の残留流体を排出することができ、作業時間を短くすることができる。
【0017】
本発明の水洗便器用薬液供給システムは、前記増減圧制御機構を備えているため、基本的には、チェンジバルブの回転バルブシャフトを回転させるだけで、水洗便器用薬液供給装置内に残留している液体(薬液が希釈された洗浄水)を所定量排出して初期位置まで戻すことができる。この結果、洗浄水取り込み室をケーシングから外部へ取り出して持ち上げたりすることなく、余剰の残留洗浄水の廃棄を行うことができる。それにより、従来と比較して、メンテナンス作業における労力と手間を軽減し、短時間で作業を行うことができ、トイレ使用者及びメンテナンス作業者の双方に生じさせる心理的な負担も、軽減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に示した実施形態に基づき本発明を詳細に説明する。
図1(a),(b)は、本発明の実施形態に係るチェンジバルブ10の概略構成を示す縦断面図である。
図2は、チェンジバルブ10の主な構成部材の構造を示す斜視図である。
図3は、チェンジバルブ10の斜視図である。チェンジバルブ10は、バルブ本体11と、回転バルブシャフト15とを備える。
【0020】
バルブ本体11は、筒状に形成され、その中空部が断面円形のシャフト配設孔12となっている。なお、バルブ本体11の外形は特に限定されるものではない。バルブ本体11の一側面には、シャフト配設孔12に連通する一次流路13aをなす一次流路管13と、シャフト配設孔12に連通する二次流路14aをなす二次流路管14とを備える。なお、一次流路13aと二次流路14aを形成する一次流路管13と二次流路管14は、バルブ本体11の一側面でなくても互いに異なる側面に形成してもよい。
【0021】
回転バルブシャフト15は、バルブ本体11の前記シャフト配設孔12に回転可能に挿入される。回転バルブシャフト15は、中心軸に沿って形成された中空部を有する筒状部材からなり、この中空部が流体を通過させる三次流路15aとなっている。また、該三次流路(中空部)15aの回りの周壁部には、該周壁部を厚み方向に貫通して三次流路15aに連通する一次導入路16と二次導入路17とが設けられている。一次導入路16及び二次導入路17は、該周壁部の周方向において、相互に異なる位置に設けられる。本実施形態では180°の角度をなす反対側に形成しているが、周方向に異なった位置であればこの角度に限定されるものではない。従って、一次導入路16がバルブ本体11の一次流路13aと連通している状態では、該一次導入路16を介して、一次流路13aと三次流路15aとが連通され、二次導入路17がバルブ本体11の二次流路14aと連通している状態では、該二次導入路17を介して、二次流路14aと三次流路15aとが連通されることになる。
【0022】
また、回転バルブシャフト15は、前記三次流路15aの一方の端部に、回転操作部18を備えている。回転操作部18は、手指で操作可能なつまみ等であってもよいが、本実施形態では断面略三角形状の操作用穴部18aを形成しており、前記操作用穴部18aに挿入可能な操作治具(図示なし)にて回転操作する構成になっている。
【0023】
チェンジバルブ10は、上記の構成からなるため、回転操作部18を用いて回転バルブシャフト15をその中心軸を中心として所定の角度回転操作するだけで、一次導入路16を介しての三次流路15aとバルブ本体11の一次流路13aとの連通と、二次導入路17を介しての三次流路15aとバルブ本体11の二次流路14aとの連通とを選択的に切り換えることができる。
【0024】
また、チェンジバルブ10は、回転バルブシャフト15を所定の回転角度(切り換え位置)で停止させるために、ストッパを設けることが好ましい。本実施形態では、バルブ本体11の
図2において右斜め下方向の端面に本体側ストッパ11aを突出形成し、回転操作部18の外周に前記本体側ストッパ11aに当接する操作側ストッパ18bを突出形成している。
【0025】
チェンジバルブ10は、
図2に示すように、回転バルブシャフト15をバルブ本体11のシャフト配設孔12に挿入し、回転操作部18との段付き面をバルブ本体11の
図2において右斜め下方向の端面に突き当てる。次に、回転バルブシャフト15の三次流路15a側がバルブ本体11の
図2において左斜め上方向の端面から突出する。この突出した回転バルブシャフト15の外周に形成したストッパ用溝部15bにストッパ用リング15cを装着することで、回転バルブシャフト15がバルブ本体11のシャフト配設孔12に回転可能に構成される。
なお、バルブ本体11の両端面には、回転バルブシャフト15との間で水密性を確保するために、Oリングなどのシール部材19を嵌め込んでいる。
【0026】
上記の構成により、回転バルブシャフト15を
図1(b)及び
図2において反時計回りに回転させると、操作側ストッパ18bが本体側ストッパ11aの
図1(b)において下端に当接する。この時、例えば、
図1(a)に示すように回転バルブシャフト15の三次流路15aが一次導入路16を介してバルブ本体11の一次流路13aと連通する。
【0027】
一方、回転バルブシャフト15を
図1(b)及び
図2において時計回りに回転させると、操作側ストッパ18bが本体側ストッパ11aの
図1(b)において左端に当接する。この時、例えば、回転バルブシャフト15の三次流路15aが二次導入路17を介してバルブ本体11の二次流路14aと連通する。
【0028】
以上のことから、チェンジバルブ10は、基本的には主にバルブ本体11と回転バルブシャフト15の2つの部材で構成され、回転バルブシャフト15をその中心軸を中心として回転させるだけで流路の切り換えを行うことができるため、簡易で安価な構造であり、従来のチェンジバルブと比較して、コンパクト化に適する。
【0029】
次に、本発明の実施形態に係る増減圧制御機構について詳細に説明する。
図4は、増減圧制御機構20の概略構成を示す説明図である。増減圧制御機構20は、増減圧バルブ21を有し、気体および液体などの流体が流れる管路に介在される。増減圧バルブ21によって前記流体を増圧し、例えば薬液を混合するなど、種々の処理をするために容器(例えば密閉容器)30へ取り入れる。また、増減圧バルブ21によって減圧することで、前記処理した流体を容器30から前記増減圧バルブ21へ吸引して排出するシステムである。
【0030】
本実施形態の増減圧制御機構20は、主な構成部材として増減圧バルブ21と、チェンジバルブを備えたシステムである。このチェンジバルブは、一般的なバルブを使用することもできるが、本実施形態では、上記実施形態のチェンジバルブ10を使用している。上記実施形態のチェンジバルブ10は、コンパクト化に適するため、配置スペースが限定されている用途に特に好ましい。
【0031】
増減圧バルブ21は、本実施形態では、
図4〜
図8に示すように、流体が流れる管路に介在される接続部管路22を有すると共に、接続部管路22内に上流側管路29aと下流側管路29bとの間の流体流量を調整する流量制御部23が設けられている。
【0032】
接続部管路22は、略筒状に形成され、その断面円形の中空部が流路22aとなっており、一端が上流側管路29aに接続され、他端が下流側管路29bに接続される。接続部管路22は、
図6に示したように、後述する流量制御部材23aの貫通路23bより上流側に連通する増圧側流路24aをなす増圧側管路24と、接続部管路22において前記貫通路23bより下流側に連通する減圧側流路25aをなす減圧側管路25とが設けられている。なお、増圧側管路24と減圧側管路25は接続部管路22の一側面でなくても互いに異なる側面に形成してもよい。
【0033】
図6及び
図7に示すように、接続部管路22内で増圧側流路24aと減圧側流路25aとの間には、接続部管路22の流路22aに直交する方向に貫通する制御部材配置孔22bが設けられており、流量制御部23は、この制御部材配置孔22b内に回転可能に挿入される棒状の流量制御部材23aを備えて構成されている。また、流量制御部材23aのうち、接続部管路22の流路22aに対応する部位には、該流量制御部材23aの直径方向に貫通して前記流体が通過する貫通路23bが設けられている。したがって、流量制御部材23aを回転することで、貫通路23bと接続部管路22の流路22aとの対向面積(貫通路23bの流路22aに対する開口面積)が変化し、それにより流量が調整可能となっている。
【0034】
流量制御部材23aは、該流量制御部材23aの軸方向の一端(
図7において下側、
図8において手前側)に、流量制御部材23aを回転操作するための回転操作部26を備えている。回転操作部26は、手指で操作できるつまみであってもよいが、本実施形態では
図8に示すように断面略長穴形状の操作用穴部26aを形成しており、前記操作用穴部26aに挿入可能な操作用治具(図示なし)にて回転操作する構成である。なお、
図7において符号28は、接続部管路22と流量制御部材23aとの間で水密性を確保するために、Oリングなどのシール部材である。
【0035】
また、流量制御部23は、流量制御部材23aの回転を所定の角度範囲内で停止させるために、ストッパを形成することができる。本実施形態では、接続部管路22において、
図5及び
図8の上方向の端面に第一ストッパ27aを突出形成し、下方向の端面に第二ストッパ27bを突出形成している。一方、回転操作部26の外周に前記第一ストッパ27aおよび第二ストッパ27bに当接する操作側ストッパ26bを突出形成している。
【0036】
上記の構成により、増減圧バルブ21は、流量制御部材23aの回転角度を所定角度に調整すると、接続部管路22の流路22aに臨む流量制御部材23aの貫通路23bの開口面積が例えば100%、すなわち、全開位置となる(貫通路23bの向きが
図6の二点鎖線に沿った向きとなる)。一方、流量制御部材23aの回転角度を所定角度に調整すると、流量制御部材23aの貫通路23bは、例えば
図6の実線で示した姿勢となり、接続部管路22の流路22aが絞られることになる。この絞り量は、流量制御部材23aの回転角度で調整することができる。
【0037】
図6の実線で示すように流量制御部材23aの貫通路23bが、接続部管路22の流路22aに対して開口面積が絞られた状態では、流量制御部材23aの貫通路23bより上流側では増圧されるので、接続部管路22の上流側の流体は、その一部が増圧側流路24aへ圧送されることになる。一方、増圧側流路24aに流入しなかった流体は、流量制御部材23aの貫通路23bを通過するが、貫通路23bの下流側の開口面積も絞られているため、流体は貫通路23bからその下流側に勢いよく流れる。そのため、貫通路23bの下流側に接続された減圧側流路25aは負圧になり、該減圧側流路25a内に流体が存在する場合、該流体は接続部管路22の下流側へ吸引されることになる。
【0038】
次に、上記実施形態のチェンジバルブ10と増減圧バルブ21とを組み合わせた増減圧制御機構20について
図4を中心に説明する。なお、
図4は、流体(水等)が上流側管路29aから下流側管路29bへと流れ、その間において、水等の流体に混入したい他の流体(薬液等)を混合するための増減圧制御機構20の各部材の配設イメージの一例を示している。
【0039】
増減圧制御機構20は、
図4に示すように、増減圧バルブ21の増圧側流路24aがチェンジバルブ10の一次流路13aに連通されている。一方、増減圧バルブ21の減圧側流路25aがチェンジバルブ10の二次流路14aに連通されている。また、チェンジバルブ10の三次流路15aが、容器30に連通されている。
【0040】
増減圧制御機構20の通常の運転状態では、増減圧バルブ21は、流量制御部材23aの貫通路23bが接続部管路22の流路22aを絞る状態に調整されている。また、チェンジバルブ10は、回転バルブシャフト15を回転させて一次流路13aと三次流路15aとが連通するように設定されている。
【0041】
この場合、例えば、水(流体)が上流側管路29aから増減圧バルブ21の接続部管路22を流れると、流量制御部材23aの貫通路23bより上流側が増圧されるため、接続部管路22の上流側の水の一部は増圧側流路24a及び一次流路13aから三次流路15aを経て容器30へ圧送される。一方、流量制御部材23aの貫通路23bを残りの水が流れるため、貫通路23bの下流側では負圧になるが、チェンジバルブ10では二次流路14aと三次流路15aが遮断されているため、水はそのまま下流側管路29bへ流れていく。
【0042】
容器30では水が取り入れられて水位が上昇し、容器30内の例えば薬液(他の流体)が水に混合される。その後、上流側管路29aから下流側管路29bに流れていく水の圧力が低下すると、容器30内で薬液が混合された水が接続部管路22に戻される。なお、容器30は、密閉容器とすることにより、水が混入されると内圧が高まるため、接続部管路22を通過する水の圧力の低下に伴って、希釈された薬液を接続部管路22に戻すことができる。すなわち、容器30内の希釈された薬液が三次流路15aと一次流路13aと増圧側流路24aを経て接続部管路22へ押し出される。但し、容器30を接続部管路22とほぼ同じ高さかそれよりも低所に配置した場合、希釈された薬液は、一部が容器30内に残留する。
【0043】
メンテナンス作業等において、残留する薬液の少なくとも一部を廃棄したい場合がある。この場合、本実施形態では、流量制御部材23aの貫通路23bが接続部管路22の流路22aを絞る状態にしておく一方で、チェンジバルブ10において、回転バルブシャフト15を回転して二次流路14aと三次流路15aを連通させる。
【0044】
この状態で、水を上流側管路29aから流すと、流量制御部材23aの貫通路23bより上流側は増圧されるが、チェンジバルブ10では一次流路13aと三次流路15aが遮断されているため、増圧側流路24aを介しての水の流れはなくなる。従って、水は接続部管路22を経て下流側管路29bへ流れていくため、貫通路23bの出口付近では負圧となる。その結果、容器30内に残っている薬液は三次流路15aと二次流路14aと減圧側流路25aを経て接続部管路22へ吸引される。その吸引された薬液は、接続部管路22から下流側管路29bへ流れていく。よって、残留する薬液等の廃棄作業を簡易かつ迅速に行うことができる。
【0045】
次に、上記実施形態のチェンジバルブ10及び増減圧制御機構20を適用した水洗便器用薬液供給システム40の実施形態について説明する。
図9は、水洗便器用薬液供給装置41を水洗便器1(小便器)の上部の横に並べて配置した状態を示す。水洗便器用薬液供給装置41と水洗便器1との狭い間隔に本実施形態のチェンジバルブ10を介設している。
図10は、その拡大図である。
【0046】
水洗便器用薬液供給装置41は、チェンジバルブ10及び洗浄水通過部42a〜cを介して洗浄水供給経路に接続されている。なお、洗浄水供給経路は、水洗便器1内に洗浄水を吐出するために設けた吐出口に至るまでに洗浄水(洗浄用の水)が通過する管路のことであり、
図12に示したように、洗浄水の供給源に接続された洗浄水供給管2と、一端が洗浄水供給管2に接続され、かつ、他端が水洗便器1内に洗浄水を吐出するために設けた吐出口に連通され、例えば水洗便器1の上部空間4に配置される便器内配管3とを含むものである。便器内配管3には、その中途に、増減圧バルブ21やソレノイドが介在される。
【0047】
水洗便器用薬液供給装置41は、例えば
図11に示した内部構造を有している。なお、この内部構造はあくまで一例であり、本発明が適用される水洗便器用薬液供給装置41はこれに限定されるものではない。具体的には、ケーシング50内に設けた洗浄水取り込み室51と薬液収容部61とを有している。ケーシング50の下部に洗浄水取り込み室51を設け、第一の隔壁部70を隔てて、その上部に薬液収容部61を設けている。なお、前記第一の隔壁部70は、洗浄水取り込み室51の上壁部及び薬液収容部61の底壁部を兼用する。
【0048】
洗浄水取り込み室51の下部には、該洗浄水取り込み室51の底壁部として機能する第二の隔壁部80を隔てて、第一の薬液室52及び第二の薬液室53を設けている。第二の薬液室53は、第二の隔壁部80の中心付近に対応させた筒状に形成しており、その周囲を取り囲んで第一の薬液室52を形成している。
【0049】
第二の隔壁部80には、厚み方向に貫通する第一の連通路52aを設けており、洗浄水取り込み室51に流入した洗浄水は、該第一の連通路52aから第一の薬液室52に流入する。筒状の第二の薬液室53を形成している周壁部には、第二の薬液室53の底面から所定の高さの位置に、第二の連通路53aを貫通形成している。従って、第二の薬液室53と第一の薬液室52との間は、この第二の連通路53aを通じて液体が移動可能になっている。
【0050】
第一の隔壁部70の中心付近には、薬液収容部61側から下方に伸びる筒部62を設けている。筒部62の下端には、ノズル支持部材62aを装着している。そして、ノズル支持部材62aの中心にノズル63を支持している。筒部62及び第二の薬液室53はいずれも各隔壁部70,80の中心付近に対応して設けているため、筒部62の下端と第二の薬液室53とは対向する位置関係にある。この結果、筒部62の下端に設けたノズル支持部材62aに支持されたノズル63は、第二の薬液室53内に臨む位置に配設されることになる。
【0051】
また、第一の隔壁部70における筒部62の周囲に位置する部分に、該第一の隔壁部70を厚み方向に貫通する連通孔71を設け、この連通孔71に所定長さの連通管90を取り付けている。具体的には、連通管90は、連通孔71に上向きに略垂直に、かつ、該連通管90の上端開口部90aが、薬液収容部61の上方空間部に位置するように取り付けられる。これにより、洗浄水取り込み室51の内圧と薬液収容部61の内圧とが、該連通管90を介して等しくなる。
【0052】
ここで、後述するチェンジバルブ10の三次流路15aに接続される第3洗浄水通過部42cは、
図10及び
図11に示したように、ケーシング50の下部に接続されている。具体的には、第一の薬液室52は、平面から見て第二の薬液室53の周囲の全周に亘って形成しているのではなく、円周方向の一部において壁部52bを設けている。この壁部52bを厚み方向に貫通して、その上端側で洗浄水取り込み室51に臨む孔が、洗浄水の取り込み口51aとなっている。そして、この取り込み口51aの下端に、第3洗浄水通過部42cを接続している。従って、洗浄水取り込み室51及び薬液収容部61は、前記の取り込み口51aを除いて、実質的に密閉された構成になっている。
【0053】
本実施形態によれば、洗浄水が流れていない状態では、薬液収容部61内の薬液は、筒部62及びノズル63を介して第二の薬液室53内に滴下する。このため、第二の薬液室53には、高濃度の薬液が貯留される。第二の薬液室53と第一の薬液室52とは第二の連通路53aを介して連通しているため、第一の薬液室52内には、第二の薬液室53から薬液が移動する。従って、第一の薬液室52には希釈されて低濃度になった薬液が溜まっている。洗浄水取り込み室51にも、前回の洗浄による所定量の液体が残留するが、その液体の薬液濃度は、第一の薬液室52内の薬液濃度よりもさらに低い濃度である。なお、ノズル63の乾燥防止等のため、この水洗便器用薬液供給装置41では、洗浄室取り込み室51の下部付近(洗浄水の取り込み口51aの上端開口付近)までは、常に洗浄水(薬液が混合された洗浄水)が残留するよう、残留洗浄水の初期位置が設定されている。
【0054】
本実施形態の水洗便器用薬液供給システム40においては、上記の水洗便器用薬液供給装置41は、
図9〜
図12に示すように、例えば、水洗便器1(小便器)の上部の横に並べてトイレ内の壁面に取り付けて使用される。水洗便器用薬液供給装置41と水洗便器1との狭い間隔に本実施形態のチェンジバルブ10を介設している。チェンジバルブ10は、上記のように回転バルブシャフト15の回転角度で流路を切り換えられる構成でコンパクト化に適しているため、狭い空間への配置に適している。また、チェンジバルブ10の三次流路15aは、上記のように、水洗便器用薬液供給装置41の取り込み口51aに第3洗浄水通過部42cを介して接続されている。さらに、
図10及び
図12に示すように、チェンジバルブ10の一次流路13aが増減圧バルブ21の増圧側流路24aに第1洗浄水通過部42aを介して接続され、チェンジバルブ10の二次流路14aが増減圧バルブ21の減圧側流路25aに第2洗浄水通過部42bを介して接続されている。
【0055】
水洗便器用薬液供給システム40の通常の運転状態では、増減圧バルブ21は、流量制御部材23aの貫通路23bが接続部管路22の流路22aを絞る状態にして流量を調整する。また、チェンジバルブ10は、回転バルブシャフト15を回転して一次流路13aと三次流路15aを連通させておく。
【0056】
通常の運転状態で洗浄水が流れると、洗浄水は、
図12に示したように、水洗便器1の上部に設けた便器内配管3から前述の増減圧バルブ21を経てそのまま水洗便器1内に流れてゆくと共に、洗浄水の一部が増減圧バルブ21の接続部管路22に接続した増圧側流路24aから第1洗浄水通過部42aを経てチェンジバルブ10の一次流路13aを通過し、さらに、三次流路15aを経て第3洗浄水通過部42cへ圧送される。そして、第3洗浄水通過部42cから取り込み口51aを経て洗浄水取り込み室51内に流入する。
【0057】
洗浄水取り込み室51に取り込まれた洗浄水は、洗浄水取り込み室51内の残留液体と混ざり合うと共に、第一の連通路52aを経て第二の隔壁部80の下側に位置する第一の薬液室52に流入する。第一の薬液室52には、第二の薬液室53内の薬液よりも低濃度の薬液が溜まっており、その薬液が洗浄水と混合される。また、第二の薬液室53内にも洗浄水が多少流入して混合される。
従って、洗浄水取り込み室51は、主として洗浄水取り込み室51の残留液体と、第一の薬液室52内の残留液体(低濃度の薬液)と、混ざり合った洗浄水の水位が上昇する。
【0058】
洗浄水の水位が上昇すると、取り込み口51aを除いて実質的に密閉されている洗浄水取り込み室51内の圧力が高まる。洗浄水の供給の終わり近くになると、流量制御部材23aの貫通路23bより上流側の圧力が低下するため、洗浄水取り込み室51内の低濃度の薬液が、上記と逆のルートで、すなわち、第3洗浄水通過部42c、チェンジバルブ10の三次流路15a、一次流路13a、第1洗浄水通過部42a、及び増圧側流路24aを経て接続部管路22へ押し出される。この押し出された低濃度の薬液は、接続部管路22から水洗便器1に流れて行く。なお、洗浄水取り込み室51内の低濃度の薬液はその全てが押し出されるのではなく一定量残留している。
通常の運転状態では、上記の水洗便器用薬液供給装置41における低濃度の薬液による洗浄を繰り返す。
【0059】
水洗便器用薬液供給システム40では、薬液収容部61内の薬液の残量が少なくなってくると、薬液の補充が行われるが、薬液収容部61と洗浄水取り込み室51とは内圧が均衡するようになっているため、薬液収容部61内の薬液が減少した分、洗浄水取り込み室51内の残留洗浄水の水位が上昇している。よって、薬液収容部61に薬液を補充するには、残留洗浄水の水位を初期位置まで戻す必要があり、初期位置を超えた分の余剰の残留洗浄水は廃棄する必要ある。そこで、本実施形態では、この際、増減圧バルブ21は、流量制御部材23aの貫通路23bが接続部管路22の流路22aを絞る状態にしておく一方で、チェンジバルブ10は、回転バルブシャフト15を回転して二次流路14aと三次流路15aを連通させる。
【0060】
そして、一定量の洗浄水を増減圧バルブ21の接続部管路22に流す。この結果、流量制御部材23aの貫通路23bより上流側が増圧されるが、チェンジバルブ10では一次流路13aと三次流路15aが遮断されているために、増減圧バルブ21の増圧側流路24aも遮断されるので、接続部管路22の上流側の洗浄水は増圧側流路24aに接続された第1洗浄水通過部42aには流れない。一方、流量制御部材23aの貫通路23bより下流側では負圧になる。なお、この際、薬液収容部61の上部に設けられた薬液補給口61bのキャップ61aを開け、薬液収容部61及び洗浄水取り込み室51は大気開放状態にしておく。それにより、洗浄水取り込み室51内の残留洗浄水は、第3洗浄水通過部42cからチェンジバルブの三次流路15aと二次流路14aを介し、さらに第2洗浄水通過部42b、増減圧バルブ21の減圧側流路25aを経て接続部管路22へ吸引される。その吸引された残留洗浄水は、接続部管路22から水洗便器1に流れて排出される。残留洗浄水の水位が初期位置に戻ったならば、チェンジバルブ10を切り換え、あるいは、接続部管路22に流す洗浄水と止める。
【0061】
このように、本実施形態によれば、チェンジバルブ10の回転バルブシャフト15を回転させるだけで、洗浄水取り込み室51内の余剰の残留洗浄水を簡単に排出することができる。この結果、残留液体の排出に当たって、ケーシング50から洗浄水取り込み室51を取り外し、それを高い位置に持ち上げたりす必要がなく、そのままの状態で排出できる。それによって、従来のメンテナンス作業における労力と面倒な手間を軽減でき、速やかな作業を実現できる。