(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1、
図2は、本発明の一実施の形態に係るカメラモジュール1を示す斜視図である。
図1B、
図2Bでは、プリント配線基板71、72を取り外した状態を示している。
図3は、カメラモジュール1を示す分解斜視図である。
【0012】
カメラモジュール1は、例えばスマートフォン、携帯電話機、デジタルカメラ、ノート型パソコン、タブレット端末、携帯型ゲーム機、車載カメラ等の薄型のカメラ搭載機器に搭載される。カメラモジュール1は、被写体像の拡大又は縮小を行うズーム機能を備える。
【0013】
本実施の形態のカメラモジュール1の構造を説明するにあたり、直交座標系(X,Y,Z)を使用する。後述する図においても共通の直交座標系(X,Y,Z)で示している。カメラモジュール1は、カメラ搭載機器で実際に撮影が行われる場合に、例えばX方向が左右方向、Y方向が上下方向、Z方向が前後方向となるように搭載される。被写体からの光は、Z方向−側(マイナス側)から入射し、屈曲してY方向+側(プラス側)へと導光される。カメラモジュール1のZ方向の厚さを薄くすることにより、カメラ搭載機器の薄型化を図ることができる。
【0014】
図1〜
図3に示すように、カメラモジュール1は、レンズ部10、撮像素子ユニット20、筐体30、ガイドシャフト40、レンズ駆動部50、位置検出部60、及びプリント配線基板71、72を備える。
【0015】
筐体30は、第1ケース31、第2ケース32及びカバー33によって構成され、全体として直方体形状を有する。第1ケース31と第2ケース32は、ガイドシャフト40によって連結される。第1ケース31、第2ケース32及びガイドシャフト40からなるカメラモジュール1の剛体構造を
図4に示す。
【0016】
第1ケース31は、第1レンズ部11を保持する第1レンズ収容部31a及びカバー33が配置されるカバー配置部31bを有する(
図4参照)。カバー配置部31bは、カバー33の厚み分だけ周囲より凹んで形成される。また、第1ケース31は、第2ケース32と当接する端面のX方向両側に、第2ケース32の係合片32dと係合する係合片31cを有する。
【0017】
第2ケース32は、撮像素子ユニット20を保持する撮像素子ユニット収容部32a、筐体30の一方のXY面(ここではZ方向−側の面)を形成する平板部32b、プリント配線基板72が配置されるFPC配置部32c及び第4レンズ部14(
図5参照)が配置されるレンズ収納部32fを有する(
図4参照)。FPC配置部32cは、プリント配線基板72の厚み分だけ周囲より凹んで形成される。また、第2ケース32は、平板部32bの第1ケース31と当接する端面のX方向両側に、第1ケース31の係合片31cと係合する係合片32dを有する。
【0018】
第1ケース31の係合片31cと第2ケース32の係合片32cが係合することにより、第1ケース31と第2ケース32が連結される。さらに、第1ケース31と第2ケース32は、Y方向に延びるガイドシャフト40によって連結される。ガイドシャフト40は、第1ガイドシャフト41、第2ガイドシャフト42、第3ガイドシャフト43及び第4ガイドシャフト44の互いに平行な4本のシャフトによって構成される。ガイドシャフト40の材料や外径は、カメラモジュール1の剛性が確保されるように設計される。カメラモジュール1の剛性は、主にガイドシャフト40によって確保される。
【0019】
第1ガイドシャフト41及び第2ガイドシャフト42は、主として、第2レンズ部12及び第3レンズ部13を案内するために用いられる。第3ガイドシャフト43及び第4ガイドシャフト44は、第2レンズ部12及び第3レンズ部13の軸回りの回転を防止し、姿勢を安定させるために用いられる(いわゆるカウンターシャフト)。
【0020】
カバー33は、筐体30の側面を形成する側面部33a、33b及び側面部33a、33bを連結するL字形状の連結部33cを有する。連結部33cは、筐体30の他方のXY面(ここではZ方向+側)を形成する。カバー33は、連結部33cのX方向に沿う部分が第1ケース31のカバー配置部31bに位置するように配置され、ボルト54によって、モータフレーム53とともに第1ケース31及び第2ケース32の側端31d、32eに固定される。連結部33cのY方向に沿う部分は、レンズ駆動部50のZ方向+側を覆う。第1ケース31及び第2ケース32とカバー33のXY面は面一となる。連結部33cの切欠部分からレンズ部10が露出する。
【0021】
レンズ部10は、広角撮影(焦点距離:短)から望遠撮影(焦点距離:長)に対応できる、いわゆるズームレンズである。レンズ部10及び撮像素子ユニット20を含むカメラモジュール1の光学系を
図5に示す。レンズ部10は、被写体側(Y方向−側)から順に、第1レンズ部11、第2レンズ部12、第3レンズ部13、及び第4レンズ部14を有する(
図5参照)。
【0022】
第1レンズ部11は、プリズム111a及びレンズ111b、111c(
図6参照)を含む1群レンズ111、及び1群レンズ111を保持する1群レンズ用ホルダー112を有する。第1レンズ部11の取付態様を
図6に示す。
図6に示すように、第1レンズ部11は、第1ケース31の第1レンズ収容部31aに固定される。第1レンズ部11は、被写体からの入射光を屈曲して第2レンズ部12に導光する。すなわち、カメラモジュール1は屈曲光学系を有している。これにより、カメラ搭載機器の薄型化を図ることができる。
【0023】
1群レンズ用ホルダー112は、第1ケース31の第1レンズ収容部31aに嵌合する形状を有する。1群レンズ用ホルダー112は、側面に凹部112aを有する。凹部112aが第1レンズ収容部31aの内面の凸部31eに係合することにより、第1レンズ部11は、第1ケース31に対して位置決めされ、装着される。第1レンズ部31aにおける光軸の調整は、第1ケース31に装着する前に、独立して行われる。これにより、レンズ性能を最大限に引き出すことができる。
【0024】
第2レンズ部12は、2群レンズ121、2群レンズ121を保持する2群レンズ用ホルダー122、及び絞り部123を有する。第2レンズ部12の詳細な構成を
図7に示す。2群レンズ121は、変倍に際して光軸上を移動してレンズ系全体としての焦点距離を変えるバリエータレンズである。第2レンズ部12は、例えば、広角端から望遠端への変倍の場合、第1レンズ部11側に移動する。
【0025】
2群レンズ用ホルダー122は、2群レンズ121を収容する2群レンズ収容部122a、並びにガイドシャフト40が挿通されるシャフト挿通孔122b〜122d及びシャフト把持部122eを有する。シャフト挿通孔122b、122cは、2群レンズ収容部122aのX方向−側に配置され、シャフト挿通孔122d及びシャフト把持部122eは、2群レンズ収容部122aのX方向+側に配置される。シャフト挿通孔122bに第1ガイドシャフト41が挿通され、シャフト挿通孔122cに第2ガイドシャフト42が挿通され、シャフト挿通孔122dに第3ガイドシャフト43が挿通され、シャフト把持部122eに第4ガイドシャフト44が挿通される。第2レンズ部12は、ガイドシャフト41〜44上を摺動して、光軸方向に移動する。
【0026】
第1シャフト41に挿通されたコイルばね45は、2群レンズ用ホルダー122に当接する。2群レンズ用ホルダー122は、コイルバネ45によりY方向+側へ付勢される。これにより、係合ナット513のがたつきが低減されるので、第2レンズ部12を精度よく移動させることができる。なお、第2シャフト42に挿通されたコイルバネ46は、2群レンズ用ホルダー122のシャフト挿通孔122cを貫通する。
【0027】
2群レンズ収容部122aのZ方向+側は切り欠かれており、2群レンズ121のDカット部121aが露出する開口部122fとなっている。2群レンズ121は、2群レンズ用ホルダー122の開口部122fにDカット部121aが位置するように配置される。2群レンズ用ホルダー122の開口部122fの周辺部位とDカット部121aとが面一となるように開口部122fを形成することにより、2群レンズ用ホルダー122のZ方向の厚さを薄くすることができる。
【0028】
絞り部123は、2群レンズ121及び2群レンズ用ホルダー122と一体的に移動し、第3レンズ部13に導光する光量を調整する。具体的には、絞り部123は、光軸上に位置する開口を有するベース部材123a、ベース部123aの開口内で開閉する絞り羽根(図示略)、及び絞り羽根を駆動する絞り駆動部123bを有する。絞り駆動部123bは、プリント配線基板71に電気的に接続され、プリント配線基板71を介して給電及び絞りに関する制御が行われる。
【0029】
第3レンズ部13は、3群レンズ131、及び3群レンズ131を保持する3群レンズ用ホルダー132を有する。第3レンズ部13の詳細な構成を
図8に示す。3群レンズ131は、変倍に伴う焦点ズレを補正するコンペンセータレンズである。第3レンズ部13は、第2レンズ部12の移動に連動して光軸上を移動する。
【0030】
3群レンズ用ホルダー132は、3群レンズ131を収容する3群レンズ収容部132a、並びにガイドシャフト40が挿通されるシャフト挿通孔132c及びシャフト把持部132b、132dを有する。シャフト把持部132b及びシャフト挿通孔132cは、3群レンズ収容部132aのX方向−側に配置され、シャフト把持部132dは、3群レンズ収容部132aのX方向+側に配置される。シャフト把持部132bに第1ガイドシャフト41が挿通され、シャフト挿通孔132cに第2ガイドシャフト42が挿通され、シャフト把持部132dに第3ガイドシャフト43が挿通される。3群レンズ用ホルダー132には、第4ガイドシャフト44は挿通されない。第3レンズ部13は、ガイドシャフト41〜43上を摺動して、光軸方向に移動する。
【0031】
第2シャフト42に挿通されたコイルばね46は、2群レンズ用ホルダー122のシャフト挿通孔122cを貫通し、3群レンズ用ホルダー132に当接する。3群レンズ用ホルダー132は、コイルバネ46によりY方向+側へ付勢される。これにより、係合ナット523のがたつきが低減されるので、第3レンズ部13を精度よく移動させることができる。
【0032】
第4レンズ部14は、撮像素子ユニット20の受光面に近接する近接レンズ(4群レンズ)である。第4レンズ部14は、第2ケース32の4群レンズ収容部32fに固定される。なお、第4レンズ部14は、例えばボイスコイルモーター(VCM)の駆動力を利用して、4群レンズを光軸直交面内で揺動させることにより振れ補正(OIS:Optical Image Stabilization)を行う構成を有していてもよい。
【0033】
撮像素子ユニット20は、第4レンズ部14(近接レンズ)の光軸方向結像側(Y方向+側)に近接して、第2ケース32の撮像素子ユニット収容部32aに配置され、例えば接着により固定される。撮像素子ユニット20は、撮像素子21、基板22、ガラス部23、及びオーバーモールド部24を有する。撮像素子ユニット20の詳細な構成を
図9に示す。
【0034】
撮像素子21は、例えばCCD(charge-coupled device)型イメージセンサー、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)型イメージセンサー等により構成される。撮像素子21は、基板22に実装され、ボンディングワイヤー(図示略)を介して基板22上の配線に電気的に接続される。撮像素子21は、レンズ部10により結像された被写体像を撮像し、被写体像に対応する電気信号を出力する。撮像素子ユニット20の基板22にはプリント配線基板72が電気的に接続され、このプリント配線基板72を介して撮像素子21への給電及び撮像素子21で撮像された被写体像の電気信号の出力が行われる。
【0035】
ガラス部23は、空気よりも屈折率の大きい透明なガラス材で構成され、撮像素子21の撮像エリアを覆うように撮像素子21上に配置される。撮像素子21の撮像エリアにガラス部23を配置することにより、開口数NA(=n・sinθ)が大きくなり回折限界が小さくなるので、高解像度化を図るのに好適である。また、撮像素子ユニット20をカメラモジュール1に実装する際に、撮像素子21の撮像エリアに塵埃が付着するのを防止できるので、良好な画像品質を実現することができる。
【0036】
オーバーモールド部24は、受光面23aを除くガラス部23の周囲を囲繞するように基板22の周縁部にモールド成形によって形成される。オーバーモールド部24は、遮光性が高い、硬質の樹脂材料(例えばエポキシ樹脂)で構成され、ガラス部23を補強する。オーバーモールド部24は、ボンディングワイヤー(図示略)の配置領域を含んで形成され、基板22の外形サイズと同等に仕上げることができるので、小型化を図ることができる。また、オーバーモールド部24は、撮像素子21の周囲の小さな隙間にも充填され、高い遮光性を確保できるので、光の散乱を抑制することができる。
【0037】
なお、ガラス部23のうちオーバーモールド部24で覆われていない露出面、すなわちガラス部23の受光面23aには、赤外線カットフィルタ(赤外線カット層)が配置されてもよい。
【0038】
レンズ駆動部50は、第2レンズ部12を移動させる2群レンズ用駆動部51及び第3レンズ部13を移動させる3群レンズ用駆動部52を有する。レンズ駆動部50は、カメラモジュール1のY方向に沿う縁部に配置される。
【0039】
2群レンズ用駆動部51は、モーター511、駆動軸512及び係合ナット513を有する。駆動軸512の一端は支持ブロック514によって回転自在に支持される。係合ナット513は、2群レンズ用ホルダー122の係合部122g(
図5参照)と係合する。送りネジ機構により、駆動軸512の回転運動が係合ナット513の直線運動に変換される。係合ナット513の直線運動が2群レンズ用ホルダー122に伝達されることにより、第2レンズ部12が光軸方向に移動する。モーター511には、プリント配線基板71が電気的に接続され、プリント配線基板71を介して給電及び駆動に関わる信号の入出力が行われる。制御部(図示略)によって2群レンズ用駆動部51(モーター511)の動作が制御されることにより、第2レンズ部12は、ガイドシャフト40に沿って所定距離だけ移動する。これにより、焦点距離が変更される。
【0040】
3群レンズ用駆動部52は、2群レンズ用駆動部51と同様に、モーター521、駆動軸522及び係合ナット523を有する。駆動軸522の一端は支持ブロック524によって回転自在に支持される。係合ナット523は、3群レンズ用ホルダー132の係合部132e(
図5参照)と係合する。送りネジ機構により、駆動軸522の回転運動が係合ナット523の直線運動に変換される。係合ナット523の直線運動が3群レンズ用ホルダー132に伝達されることにより、第3レンズ部13が光軸方向に移動する。モーター512には、プリント配線基板71が電気的に接続され、プリント配線基板71を介して給電及び駆動に関わる信号の入出力が行われる。制御部(図示略)によって3群レンズ用駆動部52の動作が制御されることにより、第3レンズ部13は、光軸上を所定距離だけ移動する。これにより、第2レンズ部12が移動することに伴う焦点ズレが補正される。
【0041】
カメラモジュール1の外周面は、第1レンズ部11のレンズ111bの受光面を除いて、厚さ0.03mm程度の遮光フィルム(図示略)によって覆われる。遮光フィルム(図示略)は、第1ケース31、第2ケース32及びカバー33に、例えば両面テープ(接着層)により接着される。遮光フィルム(図示略)は、第2レンズ部12及び第3レンズ部13から接着層の厚さ分だけ離間する。したがって、遮光フィルム(図示略)によって第2レンズ部12及び第3レンズ部13(可動レンズ部)の移動は阻害されない。カメラモジュール1の外周面を遮光フィルム(図示略)で覆うことにより、樹脂モールドや金属板でカメラモジュール1の外周面を覆う場合に比較して、モジュール高さを抑えることができるとともに、外乱光の影響を最小限に抑えることができる。
【0042】
位置検出部60は、第2レンズ部12の光軸方向の位置を検出する2群レンズ用位置検出部61及び第3レンズ部13の光軸方向の位置を検出する3群レンズ用位置検出部62を有する。位置検出部60は、第2ケース32の平板部32bに設けられた開口(符号略)を介して、プリント配線基板71と電気的に接続される。位置検出部60の詳細な構成を
図10に示す。
図10では、第2ケース32を省略して示している。
【0043】
2群レンズ用位置検出部61及び3群レンズ用位置検出部62は、それぞれ、原点検出センサー611、621及び位置検出センサー612、622を有する。原点検出センサー611、621及び位置検出センサー612、622は、例えば1つの半導体パッケージ内に発光部と受光部を有する光学センサー(いわゆる反射型フォトリフレクター)で構成される。
【0044】
原点検出センサー611、621は、それぞれ、2群レンズ用ホルダー122、3群レンズ用ホルダー132の所定部位(例えばY方向の端面)を検出する。原点検出センサー611、621による検出位置が、それぞれ、第2レンズ部12、第3レンズ部13の光軸方向の基準位置(原点)として設定される。
【0045】
位置検出センサー612、622は、それぞれ、第2レンズ部12、第3レンズ部13の光軸方向の現在位置(基準位置からの変位)を検出する。具体的には、位置検出センサー612、622は、それぞれ、2群レンズ用ホルダー122、3群レンズ用ホルダー132のZ方向−側の面に配置された光学スケール122h、132fに対向して配置される。位置検出センサー612、622は、光学スケール122h、132fに向けて光を照射するとともに、光学スケール122h、132fで反射した光を受光し、反射光の強度に基づいて第2レンズ部12、第3レンズ部13の光軸方向の現在位置を検出する。
【0046】
カメラモジュール1では、変倍時に、位置検出センサー612、622の検出信号に基づいて、モーター511、521の駆動制御が行われる(いわゆるクローズドループ制御)。したがって、応答性能が高く、変倍動作(第2レンズ部12のズーム動作及び第3レンズ部13のオートフォーカス動作)の高速化を図ることができる。
【0047】
このように、カメラモジュール1は、第1レンズ部11(固定レンズ部)及び第2レンズ部12、第3レンズ部13(可動レンズ部)を含み、被写体からの光を集束させて結像するレンズ部10と、レンズ部10により結像された被写体像を撮像する撮像素子ユニット20(撮像部)と、第1レンズ部11を保持する第1ケース31と、撮像素子ユニット20を保持する第2ケース32と、一端に第1ケース31が接続され、他端に第2ケース32が接続される、互いに平行な4本のガイドシャフト40(41〜44)と、を備え、第2レンズ部12及び第3レンズ部13は、光軸方向に移動可能に、ガイドシャフト40に取り付けられている。
【0048】
カメラモジュール1によれば、ガイドシャフト40によってカメラモジュール1の剛性が確保されるので、レンズ部10(光学系)を収容する筐体30(第1ケース31及び第2ケース)の板厚を薄くすることができる。したがって、カメラモジュール1のさらなる小型化・薄型化を図ることができる。
【0049】
筐体30の内部にレンズ部10を収容する場合、ガイド用途としては2本のガイドシャフトがあれば、軸回りの回転を防止しつつ光軸方向に移動させることができるが、本実施の形態では、ガイド用途としては必ずしも必要のない4本のガイドシャフト41〜44を配置している。これにより、筐体30を形成する第1ケース31及び第2ケース32の厚さを薄くしても、剛性を確保することができる。言い換えると、4本のガイドシャフト41〜44によって剛性が確保されるので、第1ケース31及び第2ケース32の厚さを薄くすることができる。
【0050】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0051】
例えば、第2レンズ部12及び第3レンズ部13は、それぞれ、4本のガイドシャフト41〜44のうち、少なくとも2本(好ましくは光軸を挟んで反対側に配置される2本)に摺動可能に取り付けられていればよい。
【0052】
また例えば、レンズ部10の設計によっては、絞り部123を削除し、2群レンズ用ホルダー122に固定絞り機能を付加するか、固定絞り機能を持った部材を追加してもよい。
【0053】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。