特許第6807119号(P6807119)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヨッターン インクの特許一覧

特許6807119光学モジュールおよびこれを製造する方法
<>
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000002
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000003
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000004
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000005
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000006
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000007
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000008
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000009
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000010
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000011
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000012
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000013
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000014
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000015
  • 特許6807119-光学モジュールおよびこれを製造する方法 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807119
(24)【登録日】2020年12月9日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】光学モジュールおよびこれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
   G02B6/42
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-535183(P2019-535183)
(86)(22)【出願日】2017年8月3日
(65)【公表番号】特表2019-530022(P2019-530022A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】US2017045365
(87)【国際公開番号】WO2018048535
(87)【国際公開日】20180315
【審査請求日】2019年5月22日
(31)【優先権主張番号】15/263,172
(32)【優先日】2016年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519085420
【氏名又は名称】ヨッターン インク
【氏名又は名称原語表記】YOTTAHN, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョギョム
【審査官】 野口 晃一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0095506(US,A1)
【文献】 米国特許第09423569(US,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0279860(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0129281(US,A1)
【文献】 特開2013−164497(JP,A)
【文献】 特開2009−151051(JP,A)
【文献】 特開2016−156868(JP,A)
【文献】 特開2011−186036(JP,A)
【文献】 PARK et al.,Passively Aligned Transmit Optical Subassembly Module Based on a WDM Incorporating VCSELs,IEEE Photonics Technology Letters,米国,IEEE,2010年12月15日,Vol.22, No.24,pp.1790-1792
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26−6/27
6/30−6/34
6/42−6/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置されている1つまたは複数の光学素子と、
前記1つまたは複数の光学素子を駆動するための、前記基板上に配置されている集積回路(IC)デバイスと、
それぞれ前記1つまたは複数の光学素子と連通している1本または複数の光ファイバと、
前記基板に取り付けられ、前記1つまたは複数の光学素子と1本または複数の光ファイバとの間で送信される光の方向を集中させる光学ベンチであって、前記光学ベンチは、前記集中した光の方向を変化させる、光学ベンチと、
前記1本または複数の光ファイバが間に固定された状態で、前記光学ベンチに取り付けられるカバーと、
を備え、
前記光学ベンチは、
第1の本体と、
前記1本または複数の光ファイバを受け入れるように前記第1の本体の上面上に形成されている着座溝と、
前記着座溝の一端に隣接し、前記1本または複数の光ファイバの端部に面する光学ユニットと、を備え、
前記光学ユニットは、前記1つまたは複数の光学素子と前記1本または複数の光ファイバとの間で送信される前記光の前記方向を集中および変化させ、
前記カバーは、
前記光学ベンチの前記第1の本体と係合するように成形されている第2の本体と、
前記第2の本体の底面に形成されており、前記1本または複数の光ファイバを間に保持するように前記着座溝に対応して成形されている保持部と、を備え
前記着座溝と前記保持部との間の空間は、前記光学ユニットに隣接する前記空間の、前記光学ユニットに隣接する1つの端部から前記1つの端部に対向する他方の端部部分に向かって徐々に広くなるように、テーパ状になっている、光学モジュール。
【請求項2】
前記第1の本体および前記第2の本体は、ブロック形状である、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項3】
前記カバーは、前記保持部に前記第2の本体を通じて延伸する注入ポートをさらに備える、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項4】
前記基板上に形成されている1つまたは複数の参照マークをさらに備える、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項5】
前記光学ユニットは、
前記1つまたは複数の光学素子に面する1つまたは複数の第1のレンズと、
前記1つまたは複数の光学素子と前記1本または複数の光ファイバとの間で送信される前記光を偏向させるための、前記1つまたは複数の第1のレンズ上に配置されている反射器ユニットと、
を備える、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項6】
前記反射器ユニットは、プリズムを含み、前記1つまたは複数の第1のレンズは、前記プリズムに近接して配置されている、請求項5に記載の光学モジュール。
【請求項7】
前記反射器ユニットは、約45°の傾斜を有し、前記着座溝に隣接する反射面を含む、請求項5に記載の光学モジュール。
【請求項8】
前記カバーは、それぞれ前記1本または複数の光ファイバに対応して設けられる1つまたは複数のレンズを含むレンズアセンブリをさらに備え、
前記レンズアセンブリは、前記光学ユニットと前記1本または複数の光ファイバとの間で送信される前記光を集中させる、請求項5に記載の光学モジュール。
【請求項9】
前記レンズアセンブリは、
前記カバーの第2の本体の前記底面から突出し、前記1本または複数の光ファイバの長さ方向に対して直交するレンズバーと、
前記反射器ユニットに面する前記レンズバーの第1の表面に配置されている1つまたは複数の第2のレンズと、
を備える、請求項8に記載の光学モジュール。
【請求項10】
前記レンズアセンブリは、前記1本または複数の光ファイバに面する前記レンズバーの第2の表面に配置されている1つまたは複数の第3のレンズをさらに備える、請求項9に記載の光学モジュール。
【請求項11】
前記1つまたは複数の第2のレンズは凸レンズを含む、請求項10に記載の光学モジュール。
【請求項12】
前記1つまたは複数の第2のレンズは非球面凸レンズを含み、前記1つまたは複数の第3のレンズは非球面凹レンズを含む、請求項11に記載の光学モジュール。
【請求項13】
前記1つまたは複数の第2のレンズは非球面凹レンズを含み、前記1つまたは複数の第3のレンズは非球面凸レンズを含む、請求項10に記載の光学モジュール。
【請求項14】
前記カバーは、レンズアセンブリと注入ポートの間で、前記カバーの第2の本体の底面から突出するステップジョーをさらに備え、
前記ステップジョーは、前記1本または複数の光ファイバの前記端部の動きを制限する、請求項5に記載の光学モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学モジュールおよびこれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々なマルチメディアサービスが出現するにつれて、大量の情報を交換する必要性が増大しており、ネットワークを介して送信されるデータの量も増大している。高精細(HD)および超高精細(UHD)メディアブロードキャスティングおよびストリーミングサービスの導入以来、従来の銅線ベースのデータ送信はその容量的限界に達しており、光ファイバベースのデータ送信が新たな主流になっている。光ファイバを介したデータ送信は、電磁干渉の影響を受けにくい。その広帯域データ送信容量によって、光ファイバは、例えば、HDおよびUHDデジタルビデオブロードキャスティングおよびストリーミングサービスを含む、デジタルメディアの大容量送信に広く使用されている。
【0003】
光学モジュールは、光ファイバを介して受信される光信号を電気信号に変換するデータ受信デバイスを動作させる。この同じ光学モジュールが、電気信号を光信号に変換し、光ファイバを介して光信号を送信するデータ送信デバイスとして動作することができる。光学モジュールは、送信または受信動作中に光信号の損失を最小限に抑えるために、構成要素の配列を調整するために位置合わせを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許第1502318号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
その一方で、その切断特性に起因して、光ファイバは適切に切断されないことが非常に多く、その切断面はわずかに斜めになっているかまたは傾斜している場合があり、これによって、光学的歪み現象または光信号損失が引き起こされる。それゆえ、光学的歪み現象および光信号損失を最小限に抑えるかまたは排除する光学モジュールが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、光学モジュールは、基板と、基板上に配置されている1つまたは複数の光学素子と、1つまたは複数の光学素子を駆動するための、基板上に配置されている集積回路(IC)デバイスと、それぞれが1つまたは複数の光学素子と光学連通している1本または複数の光ファイバと、基板に取り付けられ、1つまたは複数の光学素子と1本または複数の光ファイバとの間で送信される光の方向を集中させる光学ベンチであって、光学ベンチは、集中した光の方向を変化させる、光学ベンチと、1本または複数の光ファイバが間に固定された状態で、光学ベンチに取り付けられるカバーとを含む。
【0007】
光学ベンチは、第1の本体と、1本または複数の光ファイバを受け入れるように第1の本体の上面上に形成されている着座溝と、着座溝の一端に隣接し、1本または複数の光ファイバの端部に面する光学ユニットとを含むことができる。光学ユニットは、1つまたは複数の光学素子と1本または複数の光ファイバとの間で送信される光の方向を集中および変化させることができる。
【0008】
光学ユニットは、着座溝の一端に隣接することができる。
【0009】
カバーは、光学ベンチの第1の本体と係合するように成形されている第2の本体と、第2の本体の底面に形成されており、1本または複数の光ファイバを間に保持するように着座溝に対応して成形されている保持部とを含むことができる。
【0010】
第1の本体および第2の本体は、ブロック形状であってもよい。
【0011】
着座溝と保持部との間の空間は、光学ユニットに隣接する空間の1つの端部から他方の端部部分に向かって徐々に広くなるように、テーパ状にすることができる。
【0012】
カバーは、保持部に第2の本体を通じて延伸する注入ポートをさらに含むことができる。
【0013】
光学モジュールは、基板上に形成されている1つまたは複数の参照マークをさらに含むことができる。
【0014】
光学ユニットは、1つまたは複数の光学素子に面する1つまたは複数の第1のレンズと、1つまたは複数の光学素子と1本または複数の光ファイバとの間で送信される光を偏向させるための、1つまたは複数の第1のレンズ上に配置されている反射器ユニットとを含むことができる。
【0015】
反射器ユニットは、プリズムを含むことができ、1つまたは複数の第1のレンズは、プリズムの底部に配置することができる。
【0016】
反射器ユニットは、約45°の傾斜を有し、着座溝に隣接する反射面を含むことができる。
【0017】
カバーは、それぞれ1本または複数の光ファイバに対応して設けられる1つまたは複数のレンズを含むレンズアセンブリをさらに含むことができる。レンズアセンブリは、光学ユニットと1本または複数の光ファイバとの間で送信される光を集中させることができる。
【0018】
レンズアセンブリは、カバーの第2の本体の底面から突出し、1本または複数の光ファイバの長さ方向に対して直交するレンズバーと、反射器ユニットに面するレンズバーの第1の表面に配置されている1つまたは複数の第2のレンズとを含むことができる。
【0019】
レンズアセンブリは、1本または複数の光ファイバに面するレンズバーの第2の表面に配置されている1つまたは複数の第3のレンズをさらに含むことができる。
【0020】
1つまたは複数の第2のレンズは、凸レンズを含んでもよい。
【0021】
1つまたは複数の第2のレンズは非球面凸レンズを含んでもよく、1つまたは複数の第3のレンズは非球面凹レンズを含んでもよい。
【0022】
1つまたは複数の第2のレンズは非球面凹レンズを含み、1つまたは複数の第3のレンズは非球面凸レンズを含んでもよい。
【0023】
カバーブロックは、レンズアセンブリと注入ポートの間で、カバーの第2の本体の底面から突出するステップジョーをさらに含むことができる。ステップジョーは、1本または複数の光ファイバの端部の動きを制限することができる。
【0024】
本開示の別の態様によれば、光学モジュールを製造する方法は、基板の上面上に配線を印刷することを含む。1つまたは複数の参照マークが、基板の上面上に印刷される。1つまたは複数の光学素子および集積回路(IC)デバイスが、配線上に取り付けられる。光学ベンチが、1つまたは複数の参照マークを参照することによって、基板に対して位置合わせされ、取り付けられる。カバーが、光学ベンチに取り付けられる。1本または複数の光ファイバが、光学ベンチとカバーとの間の空間内に挿入される。1本または複数の光ファイバの光学効率が最大になる、1本または複数の光ファイバの位置を見つけるために、光学ベンチの外側から1本または複数の光ファイバを保持しながら、1本または複数の光ファイバの垂直方向および水平方向が調整される。1本または複数の光ファイバが、光学効率が最大になる位置に固定される。
【0025】
固定は、カバーに形成されている注入ポートを通じて接着剤を注入することと、接着剤を硬化させることとを含むことができる。
【0026】
本開示のさらなる理解を与えるために含まれており、本明細書に組み込まれるとともにその一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を示し、詳細な説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。本開示および本開示を実践することができる様々な方法の基本的な理解に必要であり得る分を超えて、より詳細に本開示の構造的詳細を示すことは企図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示の原理による、光学モジュールの一例の分解斜視図である。
図2図1の光学モジュールの基板の斜視図である。
図3図1の光学モジュールの光学ベンチの透過斜視図である。
図4図1の光学モジュールのカバーの透過斜視図である。
図5】互いに取り付けられている図3の光学ベンチおよび図4のカバーの断面図である。
図6】本開示の原理による、互いに取り付けられている光学ベンチおよびカバーの別の例を示す断面図である。
図7】互いに取り付けられている図6の光学ベンチおよびカバーを示す別の断面図である。
図8】従来の光学素子の光ファイバおよび光学ベンチの切断面を示す図である。
図9】本開示の原理による光ファイバおよび光学ベンチの切断面を示す図である。
図10】本開示の原理による、光学ベンチ上およびカバー内で位置合わせされている光ファイバを示す部分上面図である。
図11】本開示の原理による、光学ベンチ上およびカバー内で位置合わせされている光ファイバを示す部分上面図である。
図12】本開示の原理による、光学ベンチ上およびカバー内で位置合わせされている光ファイバを示す側面断面図である。
図13】本開示の原理による、光学ベンチ上およびカバー内で位置合わせされている光ファイバを示す側面断面図である。
図14】本開示の原理による、光学ベンチ上およびカバー内で位置合わせされている光ファイバを示す側面断面図である。
図15図1の光学モジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示ならびにその様々な特徴および利点の詳細が、非限定的な実施形態および例を参照することによってより十分に説明される。当該実施形態および例は、添付の図面に記載および/または図解され、以下の説明において詳述される。図面に示されている特徴は必ずしも原寸に比例して描かれてはおらず、1つの実施形態の特徴は、たとえ本明細書において明示的に記載されていない場合であっても、当業者が理解するように他の実施形態によって利用されてもよいことに留意されたい。周知の構成要素および処理技法の記述は、本開示の実施形態を不必要にあいまいにしないように、省かれている場合がある。本明細書において使用されている例は、本開示が実践され得る方法の理解を促進し、さらに当業者が本開示の実施形態を実践することを可能にするようにのみ意図されている。したがって、本明細書における例および実施形態は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。その上、同様の参照番号は、図面のいくつかのビュー全体を通じて同様の部分を表すことに留意されたい。
【0029】
図1は、本開示の原理に従って構築される、光学モジュールの一例の分解斜視図である。図1に示すように、光学モジュールは、例えば、基板100、1つまたは複数の光学素子110、1本または複数の光ファイバ200、光学ベンチ300、カバー400などを含むことができる。光学素子110は、基板100の上および/または中に配置することができる。1本または複数の光ファイバ200は、それぞれ1つまたは複数の光学素子110と光学連通することができる。1本または複数の光ファイバ200は、光学ベンチ300に固定することができる。光学ベンチ300は、1つまたは複数の光学素子110と1本または複数の光ファイバ200との間の光結合を収容することができる。カバー400は光学ベンチ300に取り付けられ、これを被覆することができる。
【0030】
光ファイバ200は、例えば、ガラス光ファイバ、ポリマー光ファイバなどであってもよい。ポリマー光ファイバは、より容易に接続可能かつ使用可能であり得、設置費用の低減に寄与することができる。したがって、ポリマー光ファイバは、例えば、約100m以下である短距離ネットワークにおいて使用することができる。ポリマー光ファイバは、ガラス光ファイバと比較してより柔軟であり、したがって、より緊密な曲げ半径に耐えることができる。より緊密な曲げ半径は、例えば、設置のために配線が頻繁に曲げられる必要があり得る、住宅、商業建築物などの中の光ファイバ配線の設置を容易にすることができる。光ファイバ200は、例えば、光ファイバおよび同軸ケーブルなどを束ねたハイブリッドケーブルであってもよい。代替的に、ハイブリッドケーブルは、光ファイバおよび電力線の束、光ファイバおよびローカルエリアネットワーク(LAN)線(例えば、シールドなしツイストペア/シールドありツイストペア(UTP/FTP))の束などであってもよい。
【0031】
図2は、図1の基板100の斜視図である。図2に示すように、基板100は、例えば、その上面上に、光学素子110、光学素子110を駆動するための集積回路(IC)デバイス120、それに取り付けられている構成要素を位置合わせさせるための1つまたは複数の参照マーク130などを含むことができる。基板100は、例えば、プリント回路基板(PCB)などであってもよい。光学素子110をICデバイス120および参照マーク130に電気的に接続するための配線を、製造時に基板100上に印刷することができる。光学ベンチ300の脚部350(図3に示す)を中に挿入することができる脚部挿入孔140を、基板100内に形成することができる。光学素子110は、例えば、光学モジュールが光送信機として動作するときは発光素子などを含んでもよい。光学素子110は、例えば、光学モジュールが光受信機として動作するときは光検出器などを含んでもよい。レーザダイオードが発光素子として使用されてもよく、フォトダイオードが光検出器として使用されてもよい。光学素子110の数は、光ファイバ200の数に対応することができる。例えば、図1は、テープスロット形状の光ファイバケーブルとして束ねられている4本の光ファイバ200、および、それぞれ4本の光ファイバ200に対応して配置されている4つの光学素子110を示す。2つの隣接する光学素子110は、間の間隙によって離間することができ、これは、2本の隣接する光ファイバ200のコアの間の距離に対応することができる。ICデバイス120は、例えば、光学素子110を駆動するための回路、光ファイバ200から入力される信号を処理するための回路などであってもよい。光学モジュールが光送信機であるとき、ICデバイス120は、例えば、発光素子を駆動するための、垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)駆動ICなどを含んでもよい。光学モジュールが光受信機であるとき、ICデバイス120は、例えば、フォトダイオードトランスインピーダンス増幅器(TIA)などを含んでもよい。
【0032】
銅ケーブル530を結合することができるレセプタクル510を、基板100の底面上に設置することができる。光ファイバ200および同軸ケーブルがハイブリッドケーブルとしてともに束ねられるとき、銅ケーブル530は、光ファイバ200から分離して、コネクタ520に接続することができる。コネクタ520は、基板(またはPCB)100によって銅ケーブル530を通じて電気信号を送受信することができるように、レセプタクル510内に挿入することができる。
【0033】
参照マーク130は、基板100上に位置する光学素子110および光学ベンチ300に取り付けられている光ファイバ200をともにより正確に位置合わせすることができるように、光学ベンチ300を基板100上に正確に位置決めするための基準点としての役割を果たすことができる。光学素子110および光学ベンチ300の光学ユニット320(図3に示す)の正確な位置決めは、光学素子110と光ファイバ200との間のより効率的な光送信に寄与することができる。したがって、参照マーク130は、光学ベンチ300を基板100上に正確に位置決めするために使用することができる。構成要素が、例えば、ピックアンドプレース機器などを使用してPCB100上に配置されているとき、構成要素は、参照マーク130を参照することによって、それらの正確な位置に配置することができる。少なくとも1つの、好ましくは2つ以上の参照マーク130を、基板100上に形成することができる。参照マーク130は、間に光学素子110がある状態で、光学素子110のものと同じ軸上に配置することができる。基板100上の参照マーク130は、光学素子110およびICデバイス120の配線パターンの形成と同時に形成することができる。例えば、基準マークが、参照マーク130として使用されてもよい。参照マーク130は、例えば、ガラスエポキシPCBについてはおよそ50μmレベルの精度、および、セラミックPCBについてはおよそ10μmレベルの精度など、μmレベルの精度で形成することができる。光学ベンチ300の参照マーク130は、例えば、堆積、リソグラフィ、エッチングなどによって、マイクロメートル未満のレベルの精度で形成することができる。構成要素が参照マーク130を使用して基板100上で位置合わせされるとき、マイクロメートル未満のレベルの精度を実現することができる。光学的位置合わせは、例えば、特許文献1に記載されているような、基板上に形成されている結合参照溝、および、光学ベンチ上に形成されている脚部によって達成することができる。参照溝が基板100上に形成されるとき、ドリル公差、および、穿孔中の処理公差に起因して、およそ±15μmの誤差が生じる場合がある。参照マーク130は、そのような誤差に起因する位置ずれを低減または排除することができる。また、基板100上の脚部挿入孔140および光学ベンチ300上の脚部350を使用した位置合わせと、参照マーク130を使用した位置合わせの両方を実行することによって、より高い精度で光学モジュールを製造および構築することができ、これによって、性能および耐久性の改善に寄与することができる。
【0034】
図3は、光学ベンチ300の透過斜視図である。図3に示すように、光学ベンチ300は、例えば、ベンチ本体310、光学ユニット320、着座溝330、側壁部分340、脚部350などを含むことができる。ベンチ本体310は、ブロック形状であってもよい。光学ユニット320は、光学素子110と光ファイバ200との間で放射される光を集中させることができる。光ファイバ200は、着座溝330上に着座することができる。側壁部分340は、着座溝330の対向する(例えば、右および左)側面に形成することができる。上述したように、脚部350は、光学ベンチ300を基板100に取り付けるために使用することができる。
【0035】
着座溝330は、例えば、本体310の長さ方向に対して中央の領域内に形成することができ、光ファイバ200がその中に着座することができる。着座溝330は、例えば、テーパ形状を有することができ、これは、光学ユニット320に隣接する一端から光ファイバ200を挿入することができる他端に向かって徐々に広がることができる。着座溝330は、光学ユニット320に隣接する一端から他方の端部部分に向かって徐々に深くすることができる。着座溝330は、深さおよび幅が例えばおよそ5°の傾斜を有するように形成されるように構築することができる。光学ユニット320に隣接する一端において、着座溝330のサイズ(例えば、幅、深さなど)は、挿入される光ファイバ200の各々の直径に対応することができる。
【0036】
着座溝330の壁面を形成することができる側壁部分340は、着座溝330の対向する(例えば、右および左)側面に形成することができる。カバーブロック400に係合することができる固定溝341を、側壁部分340の外面上に形成することができる。光学ユニット320は、光ファイバ200の端部が配置される位置に形成することができる。光学ユニット320は、1つまたは複数の光学素子110に面するように位置決めすることができる1つまたは複数の第1のレンズ321を含むことができる。
【0037】
光学ユニット320は、反射器ユニット322を含むことができ、反射器ユニット322は、光学素子110から放射される光または光ファイバ200からの光の光路を、例えば、約90°だけ偏向させるために、第1のレンズ321上にまたは第1のレンズ321に近接して配置することができる。第1のレンズ321を、最高の光受信効率を保証することができる距離だけ光学素子110から離間することができるように、光学素子110と光学ユニット320との間に空間を形成することができる。着座溝330の底部は、光学素子110と第1のレンズ321との間の分離距離を保証するために一定の高さまたは深さを有するように設定することができる。第1のレンズ321として凸レンズが使用されてもよい。プリズム、反射器、または反射面上の高反射性コーティングを、反射器ユニット322内で使用することができる。プリズム、反射器、または反射面は、例えば、約45°の傾斜を有することができる。
【0038】
脚部350は、光学ベンチ300を基板100上に取り付けるために使用することができる。脚部350は、脚部挿入孔140に対応する位置において、光学ベンチ300の底面上に、例えば、ピラー、ロッド、ピンなどの形態で形成することができる。脚部350を脚部挿入孔140内に挿入することによって、最適な光結合に適した精密な位置において、光学ベンチ300を基板100上に固定することができる。
【0039】
図4は、カバー400の透過斜視図であり、図5は、互いに取り付けられている光学ベンチ300およびカバー400を示す断面図である。
【0040】
図4に示すように、カバー400は、例えば、カバー本体410、レンズアセンブリ420、保持部(またはリテーナ)430、側底部440、注入ポート450などを含むことができる。カバー本体410は、ブロック形状であってもよい。レンズアセンブリ420は、受信光を集中させることができる。注入ポート450内に接着剤を注入することができる。保持部430は、光ファイバ200を保持することができる。側底部440は、保持部430の対向する(例えば、右および左)側面に形成することができる。保持部430は、着座溝330の形状に対応する形状に形成することができる。保持部430の1つの端部部分を、着座溝330に挿入し、結合することができる。すなわち、着座溝330の形状に対応するために、保持部430は、テーパ状になり、レンズアセンブリ420に隣接する一端から、光ファイバ200が挿入される他端に向かって徐々に広がることができる。保持部430の底面は、レンズアセンブリ420に隣接する一端において最も低くすることができ、他端に向かって徐々に高くすることができる。
【0041】
レンズアセンブリ420に隣接する保持部430の一端における高さは、光学ベンチ300およびカバー400が互いに結合されるときに、一端が、着座溝330に挿入されることによって光ファイバ200を保持することができるように、設定することができる。注入ポート450は、本体410の上面を通じて形成することができる。注入ポート450は、保持部430の幅と同じ幅を有するように形成することができ、着座溝330に挿入される光ファイバ200の端部から設定距離だけ離間されるように形成することができる。
【0042】
着座溝330に挿入される光ファイバ200を固定し、動かないようにすることができるように、例えば、エポキシなどのような接着剤を、注入ポート450を通じて注入することができる。注入される接着剤は、光ファイバ200の間および周り、ならびに、光ファイバ200および保持部430の間および周りで動く(例えば、流れる)ことができる。注入ポート450の入口は、入口が下向きに徐々に狭くなるように、テーパ状にすることができる。本体410の側面の端部から延伸する固定ポート441を、光学ベンチ300の固定溝341に対応する位置に形成することができ、これによって、カバー400と光学ベンチ300との間の結合を補強することができる。
【0043】
レンズアセンブリ420は、光学ユニット320と光ファイバ200の端部との間に配置することができる。レンズアセンブリ420は、光ファイバ200の切断(または端)面と接触している垂直面を有するレンズバー423と、レンズバー423の他の面に配置されており、反射器ユニット422に面する1つまたは複数の第2のレンズ421とを含むことができる。レンズアセンブリ420は、光学ユニット320と光ファイバ200の端部との間に配置することができる。第2のレンズ421は、それぞれ光ファイバ200に対して配置することができる。第2のレンズ421は、非球面レンズであってもよく、これによって光学収差を低減することができる。レンズバー423の厚さは、光学損失を最小限に抑える光路を形成するように設定することができる。光ファイバ200と光学素子110との間の部分に送達される光は、レンズアセンブリ420および光学ユニット320を使用して2倍に集中させることができ、これによって、光を送達する効率を改善することができる。
【0044】
図6および図7は、本開示の原理に従って構築される、光学モジュールの別の例の断面図である。図6は、光学モジュールが光受信機であるときの、互いに結合されている光学ベンチ300およびカバー400を示す。図7は、光学モジュールが光送信機であるときの、互いに結合されている光学ベンチ300およびカバーブロック400を示す。図3図5に示す光学モジュールと同じである構成の記述は省略する。
【0045】
図6および図7に示すように、カバー400は、カバー本体410、光ファイバ200と光学ユニット320との間の光を集中させるレンズアセンブリ420、接着剤が注入される注入ポート450、光ファイバ200を保持する保持部430、例えば、保持部430の右および左側面に形成される側底部440、および、光ファイバ200の切断(または端)面の位置を制限するために保持部430の1つの端部部分から延伸するステップジョー(またはストッパ)460を含むことができる。
【0046】
保持部430は、保持部430の一端を着座溝330に挿入し、結合することができるように、着座溝330の形状に対応する形状に形成することができる。すなわち、着座溝330の形状に対応するために、保持部430は、テーパ状になり、ステップジョー460に隣接する一端から、光ファイバ200が挿入される他端に向かって徐々に広がるテーパ形状に形成することができる。保持部430の底面440は、ステップジョー460に隣接する一端において最も低くすることができ、他端に向かって徐々に高くすることができる。ステップジョー460に隣接する保持部430の一端における高さは、光学ベンチ300およびカバー400が互いに結合されるときに、光ファイバ200を抑制するように設定される。
【0047】
注入ポート450は、カバー本体410の上面を通じて形成することができる。注入ポート450は、保持部430の幅と同じ幅を有するように形成することができ、ステップジョー460から離間することができる。着座溝330に挿入される光ファイバ200を固定し、動かないようにすることができるように、例えば、エポキシなどのような接着剤を、注入ポート450を通じて注入することができる。注入される接着剤は、毛細管作用に起因して、光ファイバ200の間および周り、ならびに、光ファイバ200および保持部430の溝の間および周りで流れることができる。注入ポート450の入口は、下向きに徐々により狭くなるように、テーパ状にすることができる。
【0048】
ステップジョー460は、光ファイバ200の切断(または端)面を配置することができる光路上の位置に形成することができる。ステップジョー460は、例えば、カバーブロック400の底面からの突出部として形成することができる。光ファイバ200の端部の動きは、ステップジョー460によって制限することができる。ステップジョー460の高さは、光ファイバ200の端部に入射する光の損失を低減または排除するために、光ファイバ200のコーティング層およびクラッド層の厚さに対応するように設定することができる。ステップジョー460は、シールを証明し、接着剤がステップジョー460を通り越して流れるのを防止するように、光ファイバ200の外形に一致するような輪郭にすることができる。
【0049】
レンズアセンブリ420のレンズの構成は、光学モジュールが受信機であるときと、光学モジュールが送信機であるときとの間で異なり得る。図6において、光学モジュールが光受信機であるとき、例えば、フォトダイオードなどのような光検出器を、光学素子110bとして使用することができる。凸レンズを、レンズアセンブリ420の第2のレンズ421として使用することができる。凹レンズを、第3のレンズ422として使用することができる。レンズアセンブリ420は、例えば、反射器ユニット322に面する第2のレンズ421、光ファイバ200に面する第3のレンズ422、および、第2のレンズ421がその1つの表面に位置決めされており、第3のレンズ422が他の表面に位置決めされているレンズバー423を含むことができる。レンズバー423は、光ファイバ200の切断(または端)面に対して直角に形成することができる。凹レンズは、第3のレンズ422が、光ファイバから分散される光を受け取るために使用することができる。受信光は、均等に分散され得る。凸レンズは、第2のレンズ421が、反射器ユニット322へと光を集中させるために使用することができる。
【0050】
図7において、光学モジュールが光送信機であるとき、例えば、レーザLEDなどのような発光素子を、光学素子110aとして使用することができる。レンズアセンブリ420’は、反射器ユニット322に面する第2のレンズ421’、光ファイバ200に面する第3のレンズ422’、および、第2のレンズ421’がその1つの表面に位置決めされており、第3のレンズ422’が他の表面に位置決めされているレンズバー423を含むことができる。レンズバー423は、光ファイバ200の切断面に対して直角に形成することができる。凹レンズは、第2のレンズ421’が、反射器ユニット322によって反射される分散光を受け取るために使用することができる。受信光は、均等に分散され得る。凸レンズは、第3のレンズ422’が、光ファイバ200の切断面へと光を集中させるために使用することができる。レンズバー423の厚さは、光学損失が最小限に抑えられた光路を形成するように設定することができる。
【0051】
以降、光学モジュール内の光路を図6および図7を参照しながら説明する。図6に示すように、光学モジュールが光受信機であるとき、光ファイバ200から放射される光は、光ファイバ200から放出される光の直径が第3のレンズ422によって拡大された後に、凸レンズであってもよい第2のレンズ421によって集中させることができる。光は例えば、凸レンズであってもよい第1のレンズ321に向けて送達されるように、反射器ユニット322によって約90°だけ偏向させることができる。第1のレンズ321は、送達される光を、光検出器であってもよい光学素子110bへと集中させ、送達することができる。光ファイバ200から受信される光は、レンズアセンブリ420によって集中させることができ、第1のレンズ321によってさらに集中させることができ、結果、光学素子110bに入射する光を集中させることができる。凸レンズが光受信機内の第3のレンズ422に使用される場合、凸レンズの表面から散乱する光の割合が増大し得る。凸レンズの表面から散乱する光の量の増大に起因する、光学的クロストーク、リターンロス、およびエアリーディスクのような光学的歪み現象の増大は、光学的シミュレーションを通じて確認することができる。図6において、光学的歪み現象は、非球面片側凹レンズが光受信機内の第3のレンズ422に使用されるときに、低減することができる。
【0052】
図7に示すように、光学モジュールが光送信機であるとき、光学素子110aから放出される放射光Rは、凸レンズであってもよい第1のレンズ321によって集中させることができ、反射器ユニット322によって例えば約90°だけ偏向させることができ、凹レンズであってもよい第2のレンズ421’に送達することができる。第2のレンズ421’は、反射器ユニット322からの均等に分散された光を受け取ることができ、これによって光学的効率を改善することができる。凸レンズであってもよい第3のレンズ422’は、光ファイバ200のコアへと光を集中させて送達することができる。光学素子110aの放射光は第1のレンズ321によって集中させることができ、レンズアセンブリ420’によってさらに集中させることができ、光ファイバ200に入射する光の角度は、例えば、光ファイバ200の開口数(NA)以下であってもよい。凸レンズが光送信機内の第2のレンズ421’に使用される場合、凸レンズの表面から散乱する光の割合が増大し得る。凸レンズの表面から散乱する光の量の増大に起因する、例えば、光学的クロストーク、リターンロス、エアリーディスクなどのような光学的歪み現象の増大は、光学的シミュレーションを通じて確認することができる。図7において、光学的歪み現象は、非球面片側凹レンズが光送信機内の第2のレンズ421’に使用されるときに、低減することができる。
【0053】
図8および図9は、光ファイバ200の切断面が、光ファイバ200の長さ方向に対して垂直な垂直面に対して「a°」だけ傾斜しまたは斜めになっているときに、光ファイバが着座溝330、330’に設置されている状態の比較を示す図である。それらの切断特性に起因して、光ファイバ200の切断面の角度は、いくつかの事例において、垂直面に対して例えば、約0.1°〜約5°だけ傾斜し得る。光学ベンチ300の着座溝330’の幅および深さがテーパ形状に形成されていないとき、図8に示すように、光ファイバ200の傾斜した切断面は、バー423の表面に対してa°だけ傾斜し得る。結果として、光ファイバ200の切断面は、レンズバー423の垂直面と完全には接触しなくなり得る。同様に、光ファイバ200の切断面がレンズアセンブリ420に対して水平に配置されていない、または、レンズバー423の垂直面と完全には接触していないとき、光学的損失が生じる場合があり、光学的クロストーク、リターンロスなどが隣接する光路の間に生じる場合がある。光ファイバ200の切断面がレンズアセンブリ420に対して水平に配置されていない、または、レンズバー423の垂直面と完全には接触していないとき、光ファイバ200と光学素子110との間の送達光の効率が満足のいくものになるまで光ファイバ200の受動的位置合わせを調整または実施するのに長い時間がかかる場合がある。
【0054】
図9は、本開示の原理による、テーパ状着座溝330に結合されている光ファイバ200を概略的に示す図である。図9に示すように、着座溝330はテーパ状であるため、光ファイバ200は、光ファイバ200の端部がレンズバー423の垂直面と、または、レンズアセンブリ420に対して水平に完全に接触することができるように、傾斜し得る。光ファイバ200は、製造工程の挿入段階において挿入することができる。光ファイバ200の方向は、光学的効率を最大化することができる角度において調整および保持することができる。その後、接着剤を注入および硬化させて、光ファイバ200を固定することができる。したがって、光ファイバ200が切断されると、光ファイバの切断された端面がその長さ方向に対して直角になるように研磨工程を実施する必要がなくなり得る。加えて、光ファイバ200と光学素子110との間の送達光の効率が必要とされる値に達するまで、光ファイバ200を受動的に位置合わせさせる工程が、劇的に短縮することができる。結果として、光学モジュールをより高い歩留まりで製造することができ、それゆえ、大量生産により適したものになることができる。
【0055】
図10および図11は、図1に示すような、光学ベンチ300上およびカバー400内で位置合わせされている光ファイバ200を示す上面図である。図12図14は、それを示す側面断面図である。
【0056】
図10および図11に示すように、着座溝330および保持部430は、光ファイバ200の端部が配置される一端から、光ファイバ200が挿入される他方の端部部分に向かって徐々に広がるようになるために、水平方向にテーパ状にすることができる。結果として、光ファイバ200の切断面の水平方向傾斜に応じて、切断面がレンズアセンブリ420のレンズバー423と完全に接触することを可能にするために、光ファイバ200の方向を、左または右に水平方向に調整することができる。加えて、図12図14に示すように、着座溝330と保持部430の底面433との間の空間は、光ファイバ200の端部が配置される1つの端部部分から、光ファイバ200が挿入される他方の端部部分に向かって徐々に広がるようになるために、垂直方向にテーパ状にすることができる。結果として、光ファイバ200の切断面の垂直方向傾斜に応じて、切断面がレンズアセンブリ420のバー423と完全に接触することを可能にするために、光ファイバ200の方向を垂直方向に調整することができる。
【0057】
図15は、光ファイバ200が中に挿入されている、基板100に結合されている光学ベンチ300およびカバー400を示す。本開示の原理に従って光学モジュールを製造する方法を、図15を参照しながら説明する。最初に、光学素子110およびICデバイス120が配置されることになる位置において、基板(またはPCB)100上に配線を印刷することができる。この時点において、参照マーク130も、配線とともに印刷することができる。光学素子110およびICデバイス120は、例えば、ピックアンドプレース機器などを使用して、参照マーク130を参照することによって、基板および/または配線に結合することができる。
【0058】
次に、例えば、ピックアンドプレース機器などを使用して、参照マーク130を参照することによって、光学ベンチ300を配置することができる。光学ベンチ300の脚部350を、脚部挿入孔140内に挿入することができる。固定力を増大させるために、脚部350が接着剤でコーティングされた後に、脚部350を脚部挿入孔140に挿入して結合することができる。光学ベンチ300の位置合わせは、参照マーク130を参照することによって実施することができる。位置合わせは参照マーク130に基づいて実施されるため、脚部挿入孔140および脚部350の結合のみに依拠する位置合わせ工程と比較して、正確度を劇的に改善することができる。それゆえ、脚部挿入孔140が基板100内に形成されるときの許容誤差に起因する位置合わせ誤差を低減または排除することができる。次に、カバー400を光学ベンチ300に結合することができる。固定ポート441を固定溝341内に挿入することができ、それによって、固定力を増大することができる。固定ポート441にフック構造が利用されるとき、図4に示すように、ワンタッチ結合が可能であり得る。
【0059】
次に、光ファイバ200を、着座溝330と保持部430との間の空間内に挿入することができる。図4において、光ファイバ200の切断面を、第2のレンズ421が形成されるレンズアセンブリ420のレンズバー423の表面に接触させ、結合することができる。着座溝330および保持部430は垂直方向および水平方向においてテーパ形状に形成することができるため、光ファイバ200の方向を、例えば、センサを使用して、光学的効率を最大化することができる角度へと垂直方向および水平方向において調整することができる。光ファイバ200は、光学的効率を最大化することができる角度に保持することができる。テーパ形状を形成することによって、たとえ光ファイバ200がその長さ方向に対して完全に直交しない場合であっても、切断面は、レンズアセンブリ420のレンズバー423と水平方向において完全に接触することができる。したがって、切断面が長さ方向に対して直交するようにするための研磨工程を排除することが可能であり得る。これによってまた、工程の歩留まりが大幅に増大することができ、光学モジュールを大量生産により適したものにすることができる。また、光ファイバ200の切断面が水平方向においてレンズアセンブリ420に接しないことに起因して生じる光学的損失を低減または排除することが可能であり得る。
【0060】
次に、接着剤が注入ポート450を通じて注入されて、硬化されて、光ファイバ200を固定する。光ファイバ200の光路を調整した後、光ファイバ200を着座溝300から取り出して、光ファイバ200を接着剤でコーティングする工程は省略されてもよい。これは、工程を単純化し、製造コストを低減する助けとなる。その一方で、光ファイバ200が銅ケーブルを含むハイブリッドケーブルであるとき、銅ケーブル530を結合することができるレセプタクル510を、基板100の底面上に設置することができる。レセプタクル510の配置位置は基板100の底面に限定されず、例えば、基板100の上面上のような、他の場所に配置されてもよい。銅ケーブル530のレセプタクル510は、ハイブリッドケーブルが使用されるとき、銅ケーブル530を基板100上に直接はんだ付けする工程を省略することができ、結果、組み立て時間が削減され製造コストが低減するように設けることができる。上述したように、ガラス光ファイバ、プラスチック光ファイバ、ハイブリッドケーブルなどが、光ファイバ200として使用されてもよい。
【0061】
上述したように、本開示は、構成要素間の光学的結合の効率を改善することができる光学モジュールを提供する。また、位置合わせ工程の公差を大きく改善することができ、結果、製品の欠陥率を低減することができ、光学的位置合わせを単純化することができ、結果、製造段階の数を低減することができる。さらに、光学モジュールの厚みを低減することができ、光学モジュールの構造を単純化することができ、光学モジュールの製造コストを低減することができる。
【0062】
本開示によれば、光の高速送信中に、例えば、光学的クロストーク、リターンロス、エアリーディスクなどを含む光学的歪み現象を防止するために、非球面凹レンズを、送信光を集中させるのに利用することができる。また、より大きい位置合わせ公差を達成するために、凹レンズを含むトリプルレンズシステムを利用することができ、これによって、構成要素の組み立て工程を容易にすることを可能にすることができる。
【0063】
本開示よれば、たとえ光ファイバの切断面が垂直でない場合であっても、光ファイバの切断面は、光路上で垂直に配置することができる。したがって、光ファイバの端部部分を研磨する段階を排除することができ、それによって、製造工程が単純化し、製造時間およびコストが低減する。
【0064】
加えて、本開示によれば、光ファイバの切断面が垂直でないとき、光ファイバは、時間のかかる受動的位置合わせを実施することなく、必要な光送信効率を満たす角度および位置において位置合わせすることができる。結果として、製造工程を単純化することができ、製造時間を短縮することができ、歩留まりを改善することができる。
【0065】
用語「含む」、「備える」およびその変化形は、本開示において使用される場合、明示的に別途指定されない限り、「含むが、限定されない」ことを意味する。
【0066】
用語「a」、「an」および「the」は、本開示において使用される場合、明示的に別途指定されない限り、「1つまたは複数」を意味する。
【0067】
プロセスステップ、方法ステップ、アルゴリズムなどが、連続的な順序において記載されている場合があるが、そのようなプロセス、方法およびアルゴリズムは、代替の順序において機能するように構成されてもよい。言い換えれば、記載されている場合があるステップの任意の系列または順序は必ずしも、ステップがその順序において実施される必要があることを示すとは限らない。本明細書において記載されているプロセス、方法またはアルゴリズムのステップは、実際には任意の順序において実施されてもよい。さらに、いくつかのステップは、同時に実施されてもよい。
【0068】
単一のデバイスまたは物品が本明細書において記載されている場合、単一のデバイスまたは物品の代わりに2つ以上のデバイスまたは物品が使用されてもよいことは容易に明らかとなろう。同様に、2つ以上のデバイスまたは物品が本明細書において記載されている場合、2つ以上のデバイスまたは物品の代わりに単一のデバイスまたは物品が使用されてもよいことは容易に明らかとなろう。デバイスの機能または特徴は代替的に、そのような機能または特徴を有するものとして明示的に記載されていない1つまたは複数の他のデバイスによって具現化されてもよい。
【0069】
本開示は例示的な実施形態に関して記載されているが、本開示は、添付の特許請求項、図面および添付書類の趣旨および範囲内で修正して実践することができることが、当業者には認識されよう。本明細書において与えられている例は例示に過ぎず、本開示のすべての可能な設計、実施形態、応用形態または修正形態の網羅的なリストであるようには意図されていない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15