(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
テーブルタップケースに複数のコンセント口を備えて、各コンセント口に機器が接続可能とされ、当該テーブルタップケースの内部に、受信部と、使用電力演算部と、情報処理部と、警告発信部とを備え、最大使用許容電力が設定された テーブルタップであって、
前記複数のコンセント口のいくつかに予め定めた機器に接続された接続プラグが接続され、他の残りのコンセント口に読み取り情報内蔵チップを持つタグを備えた接続プラグが接続可能とされ、当該タグが当該接続プラグに接続される機器で使用予定の設定使用電力を記録し、
前記受信部が、前記タグを備えた接続プラグが当該テーブルタップに40cm〜1mの通信距離に近接したことを感知して、前記タグに記憶された設定使用電力を受信し、
前記使用電力演算部が、感知情報が受信されたときに当該コンセント口のいくつかに接続された機器での使用電力を累計した累計使用電力を取得し、前記累計使用電力と前記設定使用電力を演算して、想定される想定使用電力を取得し、前記テーブルタップに許容された前記最大使用許容電力から前記想定使用電力を減算し、
前記情報処理部が、減算結果から当該コンセント口での当該機器の使用不可情報を生成し、
前記警告発信部が、当該コンセント口での当該機器の使用不可情報を取得したときに、当該40cm〜1mの通信距離に基づいて、当該接続プラグの当該テーブルタップへの誤差し込み防止の警告情報を形成し、発信すること
を特徴とするテーブルタップ。
テーブルタップケースが複数のコンセント口を備えて、各コンセント口に機器が接続可能とされ、当該テーブルタップケースの内部に、受信部と、使用電力演算部と、情報処理部と、警告発信部とを備え、最大使用許容電力が設定されたテーブルタップであって、
前記複数のコンセント口のいくつかに予め定めた機器に接続された接続プラグが接続され、他の残りのコンセント口に読み取り情報内蔵チップを持つタグを備えた接続プラグが接続可能とされ、各タグが当該接続プラグに接続される機器で使用予定の設定使用電力を記憶し、
前記受信部が、一つの接続プラグが当該テーブルタップに40cm〜1mの通信距離に近接したことを感知して、当該接続プラグに備えたタグに記憶された設定使用電力を受信し、
前記使用電力演算部が、感知情報が受信されたときに前記コンセント口のいくつかに接続されて使用中の機器に設定された設定使用電力を含んで累計した累計設定使用電力を取得し、当該累計設定使用電力と前記設定使用電力を演算して、想定される想定使用電力を取得し、前記テーブルタップに許容された前記最大使用許容電力から前記想定使用電力を減算し、
前記情報処理部が、減算結果から当該コンセント口での当該機器の使用不可情報を生成し、
前記警告発信部が、当該コンセント口での当該機器の使用不可情報を取得したときに、当該40cm〜1mの通信距離に基づいて、当該接続プラグの当該テーブルタップへの誤差し込み防止の警告情報を形成し、発信すること
を特徴とするテーブルタップ。
複数の個々のコンセントを備えて、各コンセントに機器が接続可能とされ、受信部と、使用電力演算部と、情報処理部と、警告発信部とを備え、最大使用許容電力が設定された電源タップであって、
前記複数の個々のコンセントのいくつかに予め定めた機器に接続された接続プラグが接続され、他の残りのコンセントに読み取り情報内蔵チップを持つタグを備えた接続プラグが接続可能とされ、当該タグが当該接続プラグに接続される機器で使用予定の設定使用電力を記録し、
前記受信部が、前記タグを備えた接続プラグが当該電源タップに40cm〜1mの通信距離に近接したことを感知して、前記タグに記録された設定使用電力を受信し、
前記使用電力演算部が、感知情報が受信されたときに当該コンセントのいくつかに接続された機器での使用電力を累計した累計使用電力を取得し、前記累計使用電力と前記設定使用電力を演算して、想定される想定使用電力を取得し、前記電源タップに許容された前記最大使用許容電力から前記想定使用電力を減算し、
前記情報処理部が、減算結果から当該コンセントでの当該機器の使用不可情報を生成し、
前記警告発信部が、当該コンセントでの当該機器の使用不可情報を取得したときに、当該40cm〜1mの通信距離に基づいて、当該接続プラグの当該電源タップへの誤差し込み防止の警告情報を形成し、発信すること
を特徴とする電源タップ。
複数の個々のコンセントを備えて、各コンセントに機器が接続可能とされ、受信部と、使用電力演算部と、情報処理部と、警告発信部とを備え、最大使用許容電力が設定された電源タップであって、
前記複数の個々のコンセントのいくつかに予め定めた機器に接続された接続プラグが接続され、他の残りのコンセントに読み取り情報内蔵チップを持つタグを備えた接続プラグが接続可能とされ、当該タグが当該接続プラグに接続される機器で使用予定の設定使用電力を記憶し、
前記受信部が、一つの接続プラグが当該電源タップに40cm〜1mの通信距離に近接したことを感知して、当該接続プラグに備えたタグに記録された設定使用電力を受信し、
前記使用電力演算部が、感知情報が受信されたときに前記コンセントのいくつかに接続されて使用中の機器に設定された使用限界電力を含んで累計した累計使用限界電力を取得し、当該累計使用限界電力と前記設定使用電力を演算して、想定される想定使用電力を取得し、前記電源タップに許容された前記最大使用許容電力から前記想定使用電力を減算し、
前記情報処理部が、減算結果から当該コンセントでの当該機器の使用不可情報を生成し、
前記警告発信部が、当該コンセントでの当該機器の使用不可情報を取得したときに、当該40cm〜1mの通信距離に基づいて、当該接続プラグの当該電源タップへの誤差し込み防止の警告情報を形成し、発信すること
を特徴とする電源タップ。
【背景技術】
【0002】
病院の集中治療室(ICU)、手術室、病室あるいは研究等の実験室などにおいて各種の医療用の機器あるいは実験用の機器が多数、テーブルタップに接続されて使用される。例えば、集中治療室での治療の際、テ−ブルタップには多数の機器が接続されていて、患者容態に応じてさらに他の機器が接続されることが求められる。
【0003】
各機器の銘板に当該機器の電流容量が記載され、あるいはテーブルタップに接続される接続プラグを持つ電気コード自体にもテプラテープなどになるタグあるいは感熱印刷されたテープに電流容量が表示され、テーブルタップに設定された許容電流値を超えた追加の接続プラグが接続されないように取り扱う看護師などの医療従事者の便に供される。
【0004】
集中治療室における非常に慌ただしい環境下で、追加の接続プラグが接続されるとき、病院規則でテーブルタップに設定された許容電流値を超えた追加の接続プラグが接続されないように十分に確認し注意することが求められる。
【0005】
緊急で多忙を極めると、テーブルタップに設定された許容電流値を超えた追加の接続プラグが接続される恐れがあった。この接続がなされると、分電盤のブレーカーが遮断動作になり、瞬時に接続中のすべての機器の電源が切断されることになる。
【0006】
従来、警告機能付きテーブルタップが多数提案される。
【0007】
特許文献1には、コンセント口ごとに使用電力を測定し、過去の最大電力使用量を記憶し、PLCモデムにより送信する構成を備えて、データ処理部が警告情報を作成し、警告情報を表示することが記載される。
【0008】
特許文献2には、プラグを差し込んだ段階で許容電力を超えて使用する可能性があるか否かを判断するようにしたコンセント装置が記載される。
【0009】
特許公報3には、壁コンセントの埋め込みケースやテーブルタップのケースに、電力線搬送通信を行うPLCモデム、電気機器の識別情報や消費電流値を取得するプラグに内蔵したRFIDセンサと無線通信を行うためのリーダー/ライターを内蔵した通信機能付きの電源用プラグ及びコンセントが記載される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
これらの特許文献に記載された技術は、プラグを差し込んだ段階で許容電力を超えているか否かを判断しており、病院の集中治療室などの施設において各種の医療機器がテーブルタップに接続されて使用される場合、緊急で多忙を極めると、テーブルタップに設定された許容電流値を超えた追加の接続プラグが接続される恐れを解決できない。
【0012】
本発明は、かかる点に鑑み接続プラグを差し込む前に接続プラグの差し込情報を直前に察知し許容電力を超えているか否かを判断し、病院の集中治療室などの施設において各種の医療機器がテーブルタップに接続されて使用される場合、緊急で多忙を極めているときにあっても、テーブルタップに設定された許容電流値を超えた追加の接続プラグが接続される恐れがないようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
複数のコンセント口を備えて、各コンセント口に機器が接続可能とされた使用電力警告システムを備え、最大使用許容電力値が設定されたテーブルタップあるいは複数の個々のコンセントを備えて、各コンセントに機器が接続可能とされた使用電力警告システムを備え、最大使用許容電力が設定されたテーブルタップあるいは電源タップを提供する。
【0014】
当該テーブルタップあるいは電源タップは、次のように構成される。
【0015】
複数のコンセント口あるいはコンセントのいくつかに予め定めた機器が接続され、他の残りのコンセント口あるいはコンセントに読み取り情報内蔵チップを持つタグタグを備えた接続プラグが接続可能とされる。
【0016】
当該RFIDタグが当該接続プラグに接続される機器で使用予定の設定使用電力を記録する。
【0017】
読み取り情報内蔵チップを持つタグがRFIDチップを持つタグであることを特徴とする。あるいは読み取り情報内蔵チップを持つタグがQRコードを持つタグであることを特徴とする。
【0018】
読み取り情報内蔵チップを持つタグがRFIDチップを持つタグの場合、RFIDチップに記録した情報をリーダーで読み取る。
【0019】
RFIDチップを持つRFIDタグは、(株)日立製作所のμ‐chip(ミューチップ)(登録商標)に代表される。ミューチップは、128ビットのID番号が書き込まれる。このミューチップを持つRFID通信システムが用いられ得る。RFID通信システムは、RFIDタグと、その情報を読み取るリーダー(リーダー/ライターであってもよい)から構成される。ミューチップにはアンテナが内蔵されており、0.4mm角のチップのみで、受信した電波を動作電力として非接触でID番号を読み取り機に送信できる。このため、ミューチップは、電源タップ、例えばテーブルタップに容易に埋め込むことあるいは装着することができる。テーブルタップは、壁等に設置されたコンセントから離れた場所の、あるいは複数の電気器具に電源を供給するための電源タップとして知られる。
【0020】
コンセント口あるいはコンセントのいくつかに予め定めた機器が接続され、他のコンセント口あるいはコンセントにRFIDチップを持つRFIDタグを備えた接続プラグが接続可能とされ、当該RFIDタグが当該接続プラグに接続される機器で使用予定の設定使用電力が設定される。
【0021】
読み取り情報内蔵チップを持つタグとしてQRコードを持つタグを用いる場合、タップ側すなわち受信側に小型のカメラを装置し、QRコードを持つタグを当該小型のカメラで撮影し、QRコードに記録した情報を取得する。他の読み取り可能なチップ、コードを用いて内蔵情報を読み取るようにしてもよい。
【0022】
使用電力警告システムが、コンセント口あるいはコンセントのいくつかに接続されて使用中の機器で使用中の使用電力あるいは使用限界電力を累計した累計使用電力を取得し、当該接続プラグが接続直前であることを感知して、設定使用電力と前記累計使用電力とを演算して、想定使用電力を取得し、最大使用許容電力に比較して、大であるときに当該機器の使用について使用電力警告情報を発する。
【0023】
なお、電力(W)は、電力値、電力量(Wh)あるいは電流値に読み替え得る。また、コンセント口は、プラグ差し込み口に読み替え得る。
【発明の効果】
【0024】
従来の技術にあっては、警告発信部が発するコンセント口あるいはコンセントでの機器の使用不適当情報は、当該コンセント口あるいはコンセントの接続プラグが接続後、すなわち差し込まれて後に累計した使用電力を計測して設定の使用電力と比較することでなされ、病院の集中治療室などでの緊急で多忙を極めている場所での使用に適するものではない。
【0025】
本発明は、警告発信部が発するコンセント口での機器の使用不適当情報、すなわち使用不可情報は、当該コンセントの接続プラグが接続直前、すなわち差し込まれる直前情報として感知、すなわち察知され、累計した使用電力を想定して設定の使用電力と比較することで比較情報が取得され、分電盤のブレーカーが遮断動作にならず、病院の集中治療室などの施設での緊急で多忙を極めている場所での使用に適する。
【0026】
このように、接続プラグを差し込む直前に許容電力を超えているか否かを判断し、例えば病院の集中治療室などにおいて各種の医療機器がテーブルタップに接続されて使用される場合、緊急で多忙を極めているときにあっても、テーブルタップに設定された許容電流値を超えた追加の接続プラグが接続される恐れがないようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、本発明が適用されるテーブルタップ100の例を示す図である。読み取り情報内蔵チップを持つタグがRFIDチップを持つタグであることを特徴とする例について以下説明するが、この例に限定されない。
【0030】
テーブルタップ100は、警告付きテーブルタップとして構成される。テーブルタップ100は、そのテーブルタップケース1に複数のコンセント口2、本実施例に場合、7つのコンセント口2を並列して持つ。各コンセント口には、それぞれ接続プラグ3が接続、すなわち差し込み可能とされる。本実施例の場合、4つの接続プラグがコンセント口に差し込まれ、同一構造の一つの接続プラグがスタンドバイされて空白のコンセント口に接続されようとする状態が示される。両者を区別するために前者(接続プラグ差し込まれた接続プラグを3A,後者(差し込み前の接続プラグ)を接続プラグ3Bと称する。
【0031】
テーブルタップ100は、正面の表面上に各コンセント口に対応して、電源スイッチ4を持ち、左端側面にコード5を持ち、先端に、分電盤のブレーカー(図示せず)を持つ電源に接続される接続プラグ11を持つ。
【0032】
接続プラグ3A及び3Bは、それぞれコード6〜10に接続され、コード6〜10は、それぞれ機器A〜E、例えば医療機器に接続される。
【0033】
コード10には、一つのRFIDタグ12が接着して設けられる。RFIDタグ12は、接続プラグ3Bの表面に接着あるいは内部に装着されてもよい。RFIDタグ12は、接続プラグ3Bと一体になって動く。
【0034】
テーブルタップ100は、この例の場合、テーブルタップケース1の内部にテーブルタップでの使用電力についての使用電力警告システム101を備える。テーブルタップ100の正面表面の左端部に起動スイッチ21を持ち、起動スイッチ21は、使用電力警告システム101を起動させる。
【0035】
テーブルタップ100は、この例の場合、正面表面の左端部に起動スイッチ21に並行して表示部35を持つ。
【0036】
テーブルタップケース内に使用電力警告システム101が設けられる。受信部31、使用電力演算部32、情報処理部33、警告発信部34、表示部35及び表示処理部。テーブルタップケース内に設けられるか、テーブルタップケースの表面に装着される。記憶部37が設けられてもよい。例えば、受信部31、使用電力演算部32、情報処理部33、警告発信部34及び表示処理部36は、テーブルタップケース1の内部に配置され、表示部35は、正面表面上に装着される。
【0037】
図2は、
図1に示す使用電力警告システム101の結線図である。
【0038】
図2において、テーブルタップ100は、CPU102を持つ。使用電力警告システム101は、このCPU102を有して形成される。
【0039】
CPU102には、電源線45及び電流計測装置46からの電流計測値を伝える信号線47が結ばれる。電流計測装置46は、コンセント口ごとに設けて計測した各電流計測値をトータルして使用電力としてもよい。
【0040】
警告発信部が発するコンセント口での機器の使用不適当情報、すなわち使用不可情報は、当該コンセントの接続プラグが接続直前、すなわち差し込まれる直前情報として察知、取得されることが重要である。
【0041】
CPU102は、リーダー41に結ばれる。リーダー41からの通信データを取り入れる。リーダー41は、前述した受信部31を構成し、テーブルタップケース1の内部に配置される。テーブルタップケース1の表面上に装着させてもよい。RFIDタグ12との間で無線通信42を行うことができる。リーダー41とRFIDタグ12は、13.56MHz帯のRFIDシステムで50cm〜1m、2.45MHz帯のRFIDシステムで2〜3m、950MHz帯のRFIDシステムで3〜5mの通信距離が得られることが知られる。通信距離が数cm程度の近接型とすることは、接続プラグ3Bの差し込み時間の余裕が小さくするので回避するのがよい。MHz帯を適切に選択して40cm〜1m、望ましくは40cm〜50cmの通信距離が選択される。RFIDタグから情報を取得するとき、数百msかかり、演算とアラーム表示を含めても1秒かからない。40cm〜50cmあれば、アラームが発生してから接続プラグをコンセント口あるいはコンセントに差し込むまでの距離が40cm〜50cmあると、誤って差し込まれない。
【0042】
また、1m程度での距離で検知できると、テーブルタップ、電源タップが複数あり、例えば、50cmの間隔で配置されていた場合には、接続したい機器をテーブルタップあるいは電源タップの近くに持っていかなくても、どちらのテーブルタップに接続可能かまた両方が不可なのかも確認も容易である。使用環境に合わせた距離で対応できるようにする。
【0043】
このようなMHz帯を持つRFIDシステムは、接続プラグが接続直前であることを感知するに適する。
【0044】
テーブルタップ100に、分電盤のブレーカーが遮断動作しない領域内に最大使用許容電力が設定される。
【0045】
複数のコンセント口のいくつかに予め定めた機器に接続された接続プラグが接続され、他の残りのコンセント口にRFIDチップを持つRFIDタグを備えた接続プラグが接続可能とされる。
RFIDタグが接続プラグ3Bに接続される機器Eの設定使用電力を記憶する。設定使用電力は、多くの場合、定格の使用電力が用いられるが、過去に使用された使用電力の内、最大の使用電力が用いられ得る。
【0046】
リーダー41は、接続プラグ3B、すなわちRFIDタグ12が接近したことを感知する。これによって、RFIDタグに記憶された設定使用電力を受信する。設定使用電力は、予定使用電力とすることができる。
【0047】
図3は、CPU102の機能を示す図である。
【0048】
CPU102の機能:
想定使用電力=累計使用電力+設定使用電力
最大使用許容電力−想定使用電力>0(零)の演算
”0”より大の場合:当該機器の使用可の判定
“0”より小もしくは等しい場合:当該機器の使用不可の判定
図4は、電源タップ、例えばテーブルタップ100に構成される使用電力警告システム101の構成及びこれに関連した機器A〜Eとの関連構成をブロックで示す図である。
【0049】
使用電力警告システム101は、
図2に示したCPU102を含んで構成され、送信部30、受信部31、使用電力演算部32、情報処理部33、警告発信部34、表示部35、表示処理部36及び記憶部37の全部あるいはこれらの大部分を含んで構成される。
・送信部30について
送信部30は、電流計測装置46電流計測を行ってCPU102に伝える電流計測装置46及びRFIDタグ12によって構成される。電流計測装置46は、機器A〜Dで使用中の使用中電力をCPU102に伝え、RFIDタグ12は、設定使用電力あるいは予定使用電力をCPU102に伝える。
・受信部31について
無線通信を行うリーダー41を備え、RFIDタグ12を備えた接続プラグ3Bがテーブルタップ100に近接したことを感知して、RFIDタグ12に記憶された設定使用電力から予定使用電力を受信する。
【0050】
送信部30と受信部31とで送受信部が形成され、RFID通信システムが形成される。
・使用電力演算部32について
コンセント口2のいくつかに接続された機器で使用中の使用電力値を累計した累計使用電力を取得し、累計使用電力値と予定使用電力を演算して、想定される想定使用電力を取得し、リーダー41とRFIDタグ12との位置関係で設定された距離域内においてテーブルタップ100に許容された最大使用許容電力から想定使用電力を減算する演算を行う。
・情報処理部33について
減算結果から当該コンセント口での当該機器の使用不可情報を生成する。
・警告発信部34について
コンセント口での当該機器の使用不可情報を
取得したときに警告情報を当該テーブルタップ外に発信する。
【0051】
演算の結果に基づいてコンセント口あるいはコンセントの使用意図に対してコンセント口あるいはコンセントへの接続プラグの接続操作直前に警告情報を発信する。接続操作直前とは、コンセント口あるいはコンセントと接続プラグとの位置関係が近距離状態にあり、通常数秒以内にコンセント口あるいはコンセントと接続プラグが接続されることを示す。当該警告情報は、ブザー48を用いた音警告あるいは光点滅装置49による光点滅警告、あるいはこれら双方による警告でなされ得る。
・表示部35について
使用電力演算部32で演算された演算結果及び情報処理部33で生成された警告情報を表示する。
・表示処理部36について
表示部35の画面に表示するための処理を行う。
・記憶部37について
各種のプログラムを格納する。
【0052】
図5は、
図2に示す使用電力警告システム101の結線の変形例を示す図である。
【0053】
図5に示される変形例は、
図2に示される結線図と実質同一になるものであるが、
図2に示されるものが使用中の使用電力についての情報を受信しているのに対して、
図5に示される例では、コンセント口に接続されるすべての接続プラグ3にRFIDタグ12A〜12Eが装着されて、別途取得された機器A〜Dが使用中であることの情報が入力されている条件下で、使用中の接続プラグに関連したRFIDタグ12A〜12Dについて、機器A〜Dが使用する電力から設定された設定使用電力についての情報が入力され、演算に用いられる。
【0054】
別途取得された機器A〜Dが使用中であることの情報は、各コンセント口に接続された配線に設けた電流計測装置46A〜46Gの内の電流計測装置46A〜46Dによって取得される。RFIDタグ12Eから設定使用電力あるいは予定使用電力が発信され、CPU102に取得される。電流計測装置46A〜46Dによって運転時の実際の使用電力がCPU102に取得されるようにしてもよい。このようにすることで、設定使用電力あるいは予定使用電力の一部に運転時の実際の使用電力を用いることができる。
【0055】
このように、複数のコンセント口のいくつかに接続プラグを介して機器が接続され、
前記複数のコンセントに接続される接続プラグにRFIDチップを持つRFIDタグを備え、当該RFIDタグが、当該接続プラグを介してテーブルタップに接続される機器で使用予定の設定使用電力を記憶し、
送受信部と、使用電力演算部と、情報処理部と、警告発信部とを備え、
前記送受信部が、RFIDタグを備えた接続プラグが当該テーブルタップに近接したことを感知して、前記RFIDタグに記憶された設定使用電力を受信し、
前記使用電力演算部が、感知情報が受信されたときに前記複数のコンセント口のいくつかに接続プラグを介して接続された機器の設定使用電力を含んで累計した累計設定使用電力値を取得し、前記累計設定使用電力値と前記設定使用電力を演算して、想定される想定使用電力を取得し、前記テーブルタップに許容された前記最大使用許容電力値から前記想定使用電力を減算し、
前記情報処理部が、減算結果から当該コンセント口での当該機器の使用不可情報を生成し、
前記警告発信部が、当該コンセント口での当該機器の使用不可情報を
取得したときに、
当該40cm〜1mの通信距離に基づいて、当該接続プラグの当該テーブルタップへの誤差し込み防止の警告情報を
形成し、発信する
を特徴とするテーブルタップが構成される。
【0056】
上述で、“設定使用電力を含んで”としたのは、一部に実際に計測された実測の使用電力を採用し得ることによる。
【0057】
図5に示す例にあっても、
図4に示されるテーブルタップの機能が採用される。
【0058】
この場合に、RFIDタグ12A〜12Dへの設定使用電力の記憶に代えて、記憶部37に設定使用電力を記憶しておいて、コンセント口ごとの電力使用に対応して設定使用電力を選択して累計した設定使用電力を演算することができる。
【0059】
図6は、本例の場合のCPUの機能を示す図である。
【0060】
CPU102の機能:
想定使用電力=累計設定使用電力+設定使用電力
最大使用許容電力−想定使用電力>0(零)の演算
”0”より大の場合:当該機器の使用可の判定
“0”より小もしくは等しい場合:当該機器の使用不可の判定
図7は、
図1、
図2に示される思想が電源タップ200に応用、展開された例を示す図である。機器F〜機器Jが示される。
【0061】
図1、
図2に示される例にあっては、テーブルタップケース内に使用電力警告システム101が設けられ、受信部31、使用電力演算部32、情報処理部33、警告発信部34、表示部35及び表示処理部36は、テーブルタップケース内にあるいはテーブルタップケース1に装着して設けられた。これに対して、
図5に示す例では、テーブルタップケースがなく、各コンセント2Aが独立形態をなす。各コンタクト2Aは、
図1、
図2に示されるコンタクト口2に相当する。したがって、使用電力警告システム101は、コンセント外に配置されるCPU102内に構成されて、使用電力警告システム101を持つ電源タップ200が構成される。
【0062】
図7に示す例にあっても、
図4に示されるテーブルタップの機能が採用される。
【0063】
この場合に、テーブルタップ100は、電源タップ200に読み替えられる。
【0064】
これによれば、複数の個々のコンセントを備えて、各コンセントに機器が接続可能とされ、受信部と、使用電力演算部と、情報処理部と、警告発信部とを備え、最大使用許容電力が設定された電源タップであって、
前記複数の個々のコンセントのいくつかに予め定めた機器に接続された接続プラグが接続され、他の残りのコンセントに読み取り情報内蔵チップを持つタグを備えた接続プラグが接続可能とされ、当該タグが当該接続プラグに接続される機器で使用予定の設定使用電力を記録し、
前記受信部が、前記タグを備えた接続プラグが当該
電源タップに
40cm〜1mの通信距離に近接したことを感知して、前記タグに記録された設定使用電力を受信し、
前記使用電力演算部が、感知情報が受信されたときに当該コンセントのいくつかに接続された機器での使用電
力を累計した累計使用電力を取得し、前記累計使用電
力と前記
設定使用電力を演算して、想定される想定使用電力を取得し、前記電源タップに許容された前記最大使用許容電力から前記想定使用電力を減算し、
前記情報処理部が、減算結果から当該コンセントでの当該機器の使用不可情報を生成し、
前記警告発信部が、当該コンセントでの当該機器の使用不可情報を
取得したときに、
当該40cm〜1mの通信距離に基づいて、当該接続プラグの当該電源タップへの誤差し込み防止の警告情報を
形成し、発信することを特徴とする電源タップが提案される。
【0065】
図8は、
図5に示される思想が電源タップ200に応用、展開された例を示す図である。機器F〜機器Jが示される。
【0066】
図5に示される例にあっては、テーブルタップケース内に使用電力警告システム101が設けられた。受信部31、使用電力演算部32、情報処理部33、警告発信部34、表示部35及び表示処理部36は、テーブルタップケース内にあるいはテーブルタップケース1に装着して設けられた。これに対して、
図8に示す例では、テーブルタップケースがなく、各コンセント2Aが独立形態をなす。各コンセント2Aは、
図1図2に示されるコンセント口2に相当する。したがって、使用電力警告システム101は、コンセント外に配置されるCPU102内に構成されて、使用電力警告システム101を持つ電源タップ200が構成される。
【0067】
図8に示す例にあっても、
図4に示されるテーブルタップの機能が採用される。
【0068】
この場合に、テーブルタップ100は、電源タップ200に読み替えられる。
【0069】
これによれば、複数の個々のコンセントを備えて、各コンセントに機器が接続可能とされ、受信部と、使用電力演算部と、情報処理部と、警告発信部とを備え、最大使用許容電力が設定された電源タップであって、
前記複数の個々のコンセントのいくつかに予め定めた機器に接続された接続プラグが接続され、他の残りのコンセントに読み取り情報内蔵チップを持つタグを備えた接続プラグが接続可能とされ、当該タグが当該接続プラグに接続される機器で使用予定の設定使用電力を記憶し、
前記受信部が、一つの接続プラグが当該
電源タップに
40cm〜1mの通信距離に近接したことを感知して、当該接続プラグに備えたタグに記録された設定使用電力を受信し、
前記使用電力演算部が、感知情報が受信されたときに前記コンセントのいくつかに接続されて使用中の機器に設定された使用限界電力を含んで累計した累計使用限界電力を取得し、当該累
計使用
限界電
力と前記設定使用電力を演算して、想定される想定使用電力を取得し、前記電源タップに許容された前記最大使用許容電力から前記想定使用電力を減算し、
前記情報処理部が、減算結果から当該コンセントでの当該機器の使用不可情報を生成し、
前記警告発信部が、当該コンセン
トでの当該機器の使用不可情報を
取得したときに、
当該40cm〜1mの通信距離に基づいて、当該接続プラグの当該電源タップへの誤差し込み防止の警告情報を
形成し、発信すること を特徴とする電源タップが提案される。
【0070】
以上、読み取り情報内蔵チップを持つタグがRFIDチップを持つタグであることを特徴とする例について説明したが、読み取り情報内蔵チップを持つタグがQRコードを持つタグであることを特徴としたテーブルタップあるいは電源タップを構成することができる。この場合、RFIDチップを持つタグを、QRコードを持つタグに、リーダーを小型カメラに、そしてRFID通信システムを撮像情報処理システムに読み替えるものとする。QRコードを持つタグ以外にも2次元バーコードを持つタグが使用可能である。複数のコンセント口のいくつかに予め定めた機器に接続された接続プラグが接続され、他の残りのコンセント口に読み取り情報内蔵チップを持つタグを備えた接続プラグが接続可能とされる。
【0071】
複数のコンセント口を備えて、各コンセント口に機器が接続可能とされ、最大使用許容電力値が設定されたテーブルタップを備え、当該テーブルタップが使用電力警告システムを備えた病院の集中治療室が提案される。
【0072】
図9は、本発明が適用される典型的な例としての病院の集中治療室の構成図である。
【0073】
本実施例になる病院の集中治療室300は、既存の集中治療室の形態で、内部の室内に、複数のコンセント口を備えて、各コンセント口に機器が接続可能とされ、最大使用許容電力値が設定されたテーブルタップ及び複数の個々のコンセントを備えて、各コンセントに機器が接続可能とされ、受信部と、使用電力演算部と、情報処理部と、警告発信部とを備え、最大使用許容電力が設定された電源タップを備える。当該テーブルタップ及び電源タップが各使用電力警告システムを備える。
【0074】
図9において、病院の集中治療室300は、コンセント口あるいはコンセントのいくつかに予め定めた機器が接続され、他のコンセント口あるいはコンセントにRFIDチップを持つRFIDタグを備えた接続プラグが接続可能とされ、当該RFIDタグが当該接続プラグに接続される機器で使用予定の設定使用電力が設定され、
使用電力警告システム101が、前記コンセント口あるいはコンセントのいくつかに接続されて使用中の機器で使用中の
使用電力あるいは使用限界電力値を累計した累計使用電力値を取得し、設定使用電力と
使用電力あるいは累計使用電力値とを演算して、想定使用電力を取得し、最大使用許容電力に比較して、大であるときに当該機器の使用について使用電力警告情報を発するテーブルタップ100あるいは電源タップ200を備える。
【0075】
病院の集中治療室300は、具体的には次のように構成される。
複数のコンセント口及びコンセントのいくつかに接続プラグを介して機器が接続される。
【0076】
テーブルタップ及び電源タップの双方が、送信部と受信部からなる送受信部と、使用電力演算部と、情報処理部と、警告発信部とを備える。
【0077】
各送信部が、前記複数のコンセント口あるいはコンセントに接続される接続プラグにRFIDチップを持つRFIDタグを備え、各RFIDタグが、当該接続プラグを介してテーブルタップ及び電源タップに接続される機器で使用予定の設定使用電力を記憶し、前記受信部が、リーダーを備えて構成される。
【0078】
各送受信部が、各一つの接続プラグの当該テーブルタップあるいは電源タップへの近接したことを感知して、当該接続プラグに備えたRFIDタグに記憶された設定使用電力を受信する。
【0079】
各使用電力演算部が、複数のコンセント口あるいはコンセントのいくつかに接続プラグを介して接続された機器の設定使用電力から累計した累計設定使用電力値を取得し、累計設定使用電力値と前記設定使用電力を演算して、想定される想定使用電力を取得し、テーブルタップあるいは電源タップに許容された最大使用許容電力値から前記想定使用電力を減算する。
【0080】
各情報処理部が、減算結果から当該コンセントでの当該機器の使用不可情報を生成し、
各警告発信部が、当該コンセント口での当該機器の使用不可情報を
取得したときに警告情報を発信する。
【0081】
本実施例が適用される利用場所としては、各種の施設がある。例えば、病院については、集中治療室、手術室、病室がある。その他、電力遮断が実験・試験結果の大きな影響を及ぼす実験・試験室、細菌培養環境室、生物の孵化環境室などがある。
【課題】接続プラグを差し込む前に許容電力を超えているか否かを判断し、例えば病院の集中治療室などにおいて各種の医療機器がテーブルタップに接続されて使用される場合、緊急で多忙を極めているときにあっても、テーブルタップに設定された許容電流値を超えた追加の接続プラグが接続される恐れがないようにする。
【解決手段】使用電力演算部が、感知情報が受信されたときに複数のコンセント口あるいはコンセントのいくつかに接続プラグを介して接続された機器の設定使用電力から累計した累計設定使用電力値を取得し、累計設定使用電力値と設定使用電力を演算して、想定される想定使用電力を取得し、テーブルタップに許容された最大使用許容電力値から想定使用電力を減算する演算を行い、その結果に基づいてコンセント口あるいはコンセントの使用意図に対して使用操作直前に警告する。