(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807207
(24)【登録日】2020年12月9日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】プラスチック製ボトル
(51)【国際特許分類】
B65D 1/02 20060101AFI20201221BHJP
B65D 1/42 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
B65D1/02 221
B65D1/42
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-201109(P2016-201109)
(22)【出願日】2016年10月12日
(65)【公開番号】特開2018-62367(P2018-62367A)
(43)【公開日】2018年4月19日
【審査請求日】2019年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】505440295
【氏名又は名称】北海製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】久保 徳晃
【審査官】
長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−126449(JP,A)
【文献】
特開2006−016076(JP,A)
【文献】
特開平08−230854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/02
B65D 1/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状口部と、該円筒状口部に連接する円錐台状肩部と、該円錐台状肩部に連接する円筒状胴部と、該円筒状胴部に連接し内周側でボトル内に膨出する凹部を有する底部とを備えるプラスチック製ボトルであって、
該円筒状胴部は、該底部に連接する部分に円周方向に沿って互いに平行に形成された複数の第1の周溝状リブと、該第1の周溝状リブの上方に円周方向に沿って互いに平行に形成された複数の第2の周溝状リブとを備え、
該第1及び第2の周溝状リブは、周方向の断面形状において平面視したときに、該円筒状胴部の曲率半径より小さな曲率半径を備える複数個の頂部と、該円筒状胴部の曲率半径より大きな曲率半径を備え、各頂部間を連絡する該頂部と同数の辺部とからなる正多角形状であり、
該第1の周溝状リブは該第2の周溝状リブよりも多数の該頂部を備え、第1の周溝状リブのすべての頂部は他の第1の周溝状リブのすべての頂部に対して該円筒状胴部の円周上の異なる位置にあり、第2の周溝状リブのすべての頂部は他の第2の周溝状リブのすべての頂部に対して該円筒状胴部の円周上の異なる位置にあることを特徴とするプラスチック製ボトル。
【請求項2】
請求項1記載のプラスチック製ボトルにおいて、前記第1及び第2の周溝状リブは奇数個の前記頂部を備えることを特徴とするプラスチック製ボトル。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のプラスチック製ボトルにおいて、前記第1の周溝状リブは5個の前記頂部を備え、前記第2の周溝状リブは3個の前記頂部を備えることを特徴とするプラスチック製ボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック製ボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料、調味料等の容器として、有底円筒状のプラスチック製ボトルが用いられている。前記プラスチック製ボトルは、円筒状口部と、該円筒状口部に連接する円錐台状肩部と、該円錐台状肩部に連接する円筒状胴部と、該円筒状胴部に連接し内周側でボトル内に膨出する凹部を有する底部とを備えている。このようなプラスチック製ボトルは、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の射出成形により得られたプリフォームのブロー成形により製造されており、前記底部の内周側に凹部が形成されていることにより自立することができる。
【0003】
前記プラスチック製ボトルは、高温で殺菌された内容物をそのままの温度で充填し、密封した場合、内容物が冷却されるに従ってボトル内部が減圧された状態となり、変形が生じることがあるという問題がある。前記問題を解決するために、円筒状胴部の円周方向に沿って形成された周溝状リブを軸方向に沿って複数形成したプラスチック製ボトルが知られている。
【0004】
前記プラスチック製ボトルでは、前記周溝状リブの前記円筒状胴部の表面に対する深さが深いほど、前記減圧による変形に対する効果が大きいとされている。一方、前記プラスチック製ボトルは、前記周溝状リブが深いと、空ボトル又は内容物が充填されたボトル(以下、充填ボトルと略記することがある)が前記底部により自立している状態で垂直方向に荷重が掛かった際に、該周溝状リブの部分が縦垂直方向にたわみ易いため垂直方向の寸法変化が生じやすいという問題がある。
【0005】
前記垂直方向に荷重がかかる状況としては、充填ボトルが前記底部により自立している状態で所定本数ずつダンボール箱に箱詰めされ、複数の該ダンボール箱が垂直方向に積み重ねられる場合等が考えられる。また、充填前の空ボトルの場合には、保管時にはパレットにて複数段積み重ねられた状態で保管される際に下段近傍のボトルに荷重がかかる。
【0006】
前記減圧による変形を生じるという問題と、前記垂直方向の寸法変化が生じやすいという問題とを同時に解決する手段として、前記周溝状リブを、周方向の断面形状において平面視したときに、正多角形としたプラスチック製ボトルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、前記周溝状リブを、周方向の断面形状において平面視したときに、前記円筒状胴部の曲率半径より小さな曲率半径を備える複数の頂部と、該円筒状胴部の曲率半径より大きな曲率半径を備え、各頂部間を連絡する該頂部と同数の辺部とからなる丸みを帯びた正多角形状としたプラスチック製ボトルが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
特許文献1又は特許文献2に記載のプラスチック製ボトルによれば、前記周溝状リブにより前記減圧による変形を防止することができる一方、前記正多角形の頂角又は前記丸みを帯びた正多角形状の頂部が梁として作用することにより前記垂直方向の寸法変化を防止することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3682559号公報
【特許文献2】特許第4573193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記プラスチック製ボトルでは、目付量を減量して軽量化すると、空ボトル又は充填ボトルが前記底部により自立している状態で前述のように垂直方向に荷重が掛かった際に、前記周溝状リブの円周方向の一部に偏った変形が生じ垂直度が損なわれるという不都合がある。
【0011】
本発明は、かかる不都合を解消して、ボトル内部の減圧に伴う変形及び垂直方向に荷重が掛かった際の垂直方向の寸法変化を防止することができ、しかも自立時の垂直度を維持することができるプラスチック製ボトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる目的を達成するために、本発明のプラスチック製ボトルは、円筒状口部と、該円筒状口部に連接する円錐台状肩部と、該円錐台状肩部に連接する円筒状胴部と、該円筒状胴部に連接し内周側でボトル内に膨出する凹部を有する底部とを備えるプラスチック製ボトルであって、該円筒状胴部は、該底部に連接する部分に円周方向に沿って互いに平行に形成された複数の第1の周溝状リブと、該第1の周溝状リブの上方に円周方向に沿って互いに平行に形成された複数の第2の周溝状リブとを備え、該第1及び第2の周溝状リブは、周方向の断面形状において平面視したときに、該円筒状胴部の曲率半径より小さな曲率半径を備える複数個の頂部と、該円筒状胴部の曲率半径より大きな曲率半径を備え、各頂部間を連絡する該頂部と同数の辺部とからなる正多角形状であり、該第1の周溝状リブは該第2の周溝状リブよりも多数の該頂部を備え
、第1の周溝状リブの
すべての頂部は他の第1の周溝状リブの
すべての頂部に対して該円筒状胴部の円周上の異なる位置にあり
、第2の周溝状リブの
すべての頂部は他の第2の周溝状リブの
すべての頂部に対して該円筒状胴部の円周上の異なる位置にあることを特徴とする。
【0013】
本発明のプラスチック製ボトルは、前記第1及び第2の周溝状リブを備えることにより、高温の内容物が充填された後、冷却されるに従ってボトル内部が減圧されたときに、前記円筒状胴部が変形することを防止することができる。また、前記第1及び第2の周溝状リブが前記正多角形状であり、前記円筒状胴部の曲率半径より小さな曲率半径を備える複数個の頂部を備えているので、空ボトル又は充填ボトルが前記底部により自立している状態で垂直方向に荷重が掛かったときに該頂部が梁として作用することにより、該周溝状リブの部分での垂直方向の変形量を小さくすることができる。
【0014】
ところで、前述のように、円筒状口部と、円錐台状肩部と、円筒状胴部と、内周側でボトル内に膨出する凹部を有する底部とを備えるプラスチック製ボトルでは、目付量を減量して軽量化すると、空ボトル又は充填ボトルが該底部により自立している状態で垂直方向に荷重が掛かった際に、垂直度が損なわれるという問題がある。
【0015】
本発明者らは、軽量化したプラスチック製ボトルにおいて、垂直方向の荷重により垂直度が損なわれる現象と、ボトル内部が減圧されることによる変形とについて検討した。この結果、本発明者らは、垂直度については前記プラスチック製ボトルの前記円筒状胴部における底部近傍の強度が重要であり、減圧による変形については該円筒状胴部における中央部の強度が重要であることを見出した。
【0016】
そこで、本発明のプラスチック製ボトルでは、底部に連接する部分に形成された第1の周溝状リブは、その上方に形成された第2の周溝状リブよりも多数の頂部を備えることにより、前記円筒状胴部の底部近傍において垂直方向の荷重に対する強度を確保し、垂直度を維持することができる。
【0017】
また、本発明のプラスチック製ボトルでは、1つの第1の周溝状リブの
すべての頂部は他の第1の周溝状リブの
すべての頂部に対して前記円筒状胴部の円周上の異なる位置にあるので、垂直方向の荷重が該円筒状胴部の円周上の一方向に偏ることを避けることができ、確実に垂直度を維持することができる。
【0018】
一方、第2の周溝状リブは、第1の周溝状リブの上方に形成されていることにより、前記円筒状胴部の中央部近傍に位置しており、第1の周溝状リブよりも頂部が少ないことにより相対的に辺部の長さが長くなり、ボトル内部の減圧による変形を確実に防止することができる。また、第2の周溝状リブは前記頂部を備え、1つの第2の周溝状リブの
すべての頂部は他の第2の周溝状リブの
すべての頂部に対して前記円筒状胴部の円周上の異なる位置にあるので、第1の周溝状リブと同様に垂直度を維持する効果を得ることができる。
【0019】
この結果、本発明のプラスチック製ボトルによれば、ボトル内部の減圧に伴う変形及び垂直方向に荷重が掛かった際の座屈変形を防止することができ、しかも自立時の垂直度を維持することができる。
【0020】
また、本発明のプラスチック製ボトルにおいて、前記第1及び第2の周溝状リブは奇数個の前記頂部を備えることが好ましい。前記第1及び第2の周溝状リブは奇数個の前記頂部を備えるので、各頂部に対して前記辺部が対向することとなり、相対向する部分が互いに異なる形状であることにより、ボトル内部の減圧により前記円筒状胴部が平面視楕円形に変形することを確実に防止することができる。
【0021】
本発明のプラスチック製ボトルでは、例えば、前記第1の周溝状リブは5個の前記頂部を備え、前記第2の周溝状リブは3個の前記頂部を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明のプラスチック製ボトルの構成を示す正面図。
【
図4】Aは第1の周溝状リブにおける頂部の配置を模式的に示す説明図、Bは第2の周溝状リブにおける頂部の配置を模式的に示す説明図、Cは第1の周溝状リブと第2の周溝状リブとの組合せにおける頂部の配置を模式的に示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施形態のプラスチック製ボトル(以下、ボトルと略記する)1は、円筒状口部2と、円筒状口部2に連接する円錐台状肩部3と、円錐台状肩部3に連接する円筒状胴部4と、円筒状胴部4に連接する底部5とを備えている。円筒状口部2は、抽出口を備える開閉蓋(図示せず)を装着する周状突起6a,6bを外周面に備え、底部5は内周側でボトル1内に膨出する凹部7を備えており、ボトル1は底部5により自立可能とされている。
【0025】
円筒状胴部4は、底部5に連接する部分に円周方向に沿って互いに平行に形成された3本の第1の周溝状リブ8a,8b,8cと、第1の周溝状リブ8aの上方に円周方向に沿って互いに平行に形成された3本の第2の周溝状リブ9a,9b,9cとを備え、さらに第2の周溝状リブ9aの上方に円周方向に沿って互いに平行に形成された複数の第3の周溝状リブ10を備えている。
【0026】
第1の周溝状リブ8a,8b,8cは、第1の周溝状リブ8aを例として
図2に示すように、周方向の断面形状において平面視したときに、5個の頂部11aと、各頂部11a間を連絡する5個の辺部12aとからなる丸みを帯びた正五角形状となっている。ここで、頂部11aは円筒状胴部4の曲率半径より小さな曲率半径を備え、辺部12aは円筒状胴部4の曲率半径より大きな曲率半径を備えている。
【0027】
また、第1の周溝状リブ8b,8cは、図示しないが、第1の周溝状リブ8aと同様に、5個の頂部11b,11cと、各頂部11b,11c間を連絡する5個の辺部12b,12cとからなる丸みを帯びた正五角形状となっている。
【0028】
次に、第2の周溝状リブ9a,9b,9cは、第2の周溝状リブ9aを例として
図3に示すように、周方向の断面形状において平面視したときに、3個の頂部13aと、各頂部13a間を連絡する3個の辺部14aとからなる丸みを帯びた正三角形状となっている。ここで、頂部13aは円筒状胴部4の曲率半径より小さな曲率半径を備え、辺部14aは円筒状胴部4の曲率半径より大きな曲率半径を備えている。
【0029】
また、第2の周溝状リブ9b,9cは、図示しないが、第2の周溝状リブ9aと同様に、3個の頂部13b,13cと、各頂部13b,13c間を連絡する3個の辺部14b,14cとからなる丸みを帯びた正三角形状となっている。
【0030】
次に、第3の周溝状リブ10は周方向の断面形状において平面視したときに円形となっており、本実施形態のボトル1は7本の第3の周溝状リブ10を備えている。
【0031】
図4Aに示すように、第1の周溝状リブ8a,8b,8cは、頂部11a,11b,11cが互いに円筒状胴部4の円周上の異なる位置となるように配置されている。尚、
図4Aでは第1の周溝状リブ8a,8b,8cの断面形状を模式的に正五角形として示している。この場合、各頂部11a,11b,11c間の角度αは、次式(1)によって求めることができる。
【0032】
α=(360/N)/n ・・・(1)
式(1)中、Nは正多角形状の頂点の数であり、nは周溝状リブの本数である。第1の周溝状リブ8a,8b,8cの場合、式(1)からα=24°となる。
【0033】
また、
図4Bに示すように、第2の周溝状リブ9a,9b,9cも、頂部13a,13b,13cが互いに円筒状胴部4の円周上の異なる位置となるように配置されており、この場合、各頂部13a,13b,13c間の角度αは、式(1)からα=40°となる。尚、
図4Bでは第2の周溝状リブ9a,9b,9cの断面形状を模式的に正三角形として示している。
【0034】
また、
図4Cに示すように、第1の周溝状リブ8a,8b,8cの各頂部11a,11b,11cと、第2の周溝状リブ9a,9b,9cの各頂部13a,13b,13cとは、その一部が円筒状胴部4の円周上の同一の位置となっていてもよい。
図4Cでは、第1の周溝状リブ8aの頂部11aの1つと、第2の周溝状リブ9aの頂部13aの1つとが、円筒状胴部4の円周上の同一の位置となっている。
【0035】
本実施形態のボトル1は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂の射出成形により得られた目付量24.0gのプリフォームをブロー成形により二軸延伸することにより得ることができ、1075.74ミリリットルの全満容量を備えている。
【0036】
本実施形態のボトル1によれば、第1の周溝状リブ8a,8b,8c、第2の周溝状リブ9a,9b,9c及び第3の周溝状リブ10を備えることにより、高温の内容物が充填された後、冷却されるに従ってボトル1内部が減圧されたときに、円筒状胴部4の周方向の断面形状が平面視楕円形に変形することを防止することができる。
【0037】
また、本実施形態のボトル1によれば、空ボトル又は充填ボトルが底部5により自立している状態で垂直方向に荷重が掛かったときに、第1の周溝状リブ8a,8b,8cの頂部11a,11b,11c及び第2の周溝状リブ9a,9b,9cの頂部13a,13b,13c梁として作用することにより、第1の周溝状リブ8a,8b,8c及び第2の周溝状リブ9a,9b,9cの部分での高さ方向の変形量を小さくすることができる。
【0038】
さらに、本実施形態のボトル1によれば、第1の周溝状リブ8a,8b,8cは、第2の周溝状リブ9a,9b,9cよりも多数の頂部11a,11b,11cを備えることにより、円筒状胴部4の底部5近傍において垂直方向の荷重に対する強度を確保し、垂直度を維持することができる。
【0039】
また、本実施形態のボトル1では、第1の周溝状リブ8a,8b,8cの頂部11a,11b,11cが互いに円筒状胴部4の円周上の異なる位置にあるので、垂直方向の荷重が円筒状胴部4の円周上の一方向に偏ることを避けることができ、確実に垂直度を維持することができる。
【0040】
一方、第2の周溝状リブ9a,9b,9cは、第1の周溝状リブ8aの上方に形成されていることにより、円筒状胴部4の中央部近傍に位置しており、第1の周溝状リブ8あ、8b、8cよりも頂部13a,13b,13cが少ないことにより相対的に辺部14a,14b,14cの長さが長くなっている。この結果、前述のようにボトル1内部が減圧されたときに、円筒状胴部4の周方向の断面形状が平面視楕円形に変形することを確実に防止することができる。
【0041】
また、第2の周溝状リブ9a,9b,9cは頂部13a,13b,13cが互いに円筒状胴部4の円周上の異なる位置にあるので、第1の周溝状リブ8a,8b,8cと同様にボトル1の垂直度を維持する効果を得ることができる。
【0042】
この結果、本実施形態のボトル1によれば、ボトル1内部の減圧に伴う変形及び垂直方向に荷重が掛かった際の高さ方向の変形量を小さくすることができ、しかも自立時の垂直度を維持することができる。
【0043】
次に、実施例として、バルク梱包でのパレット積載による空ボトルの長期保管を想定し最下段ボトルが受ける荷重に安全率を乗じた値とほぼ同等の荷重である一本当たり2Kgのウエイトを口部に積載した状態で40℃の環境で1週間保管後の垂直度変化を測定した。
【0044】
前記垂直度の測定は、ボトル1を回転台上に自立状態で固定し、該回転台を回転させながら、接地面から224mmの高さの位置である円筒状胴部4の上端部(円錐台状肩部3との連接部)の側方に配置したレーザー変位センサーにより、円筒状胴部4の上端部と該センサーとの距離を測定し、該距離の最大値と最小値との差を垂直度として求めることにより行った。
【0045】
また、比較例として、第1の周溝状リブ8a,8b,8c及び第2の周溝状リブ9a,9b,9cの位置を入れ替えて、底部に連接する部分に第2の周溝状リブ9a,9b,9cを、その上部の胴部中央近傍に第1の周溝状リブ8a,8b,8cを配置したボトルについて、本実施形態のボトル1と同一条件で垂直度を測定した。結果を表1に示す。
【0047】
表1から、本実施形態のボトル1によれば、自立状態における垂直度の維持について、優れた性能を得ることができることが明らかである。
【符号の説明】
【0048】
1…プラスチック製ボトル、 2…円筒状口部、 3…円錐台状肩部、 4…円筒状胴部、 5…底部、 7…凹部、 8a,8b,8c…第1の周溝状リブ、 9a,9b,9c…第2の周溝状リブ、 11a,11b,11c…第1の周溝状リブの頂部、 12a,12b,12c…第1の周溝状リブの辺部、 13a,13b,13c…第2の周溝状リブの頂部、 14a,14b,14c…第2の周溝状リブの辺部。