(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
一又はそれ以上の実施形態において、温風暖房機は、制御装置が、温風暖房機に電源が投入された時に、リレーをオフに制御している状態で、ヒータ温度センサで検出される温度が
、所定時間が経過するまでの間に所定温度幅以上上昇した場合に、リレーがオン故障していると判断す
る。
【0010】
温風暖房機に電源が投入された時点では、電気ヒータは室温と同程度の温度となっている。そして、リレーが正常に動作している場合は、制御装置がリレーをオフに制御していれば、電気ヒータの温度が上昇することはない。これに対して、リレーがオン故障している場合は、制御装置がリレーをオフに制御していても、電気ヒータが発熱して、電気ヒータの温度が上昇していく。そこで、上記の温風暖房機では、制御装置が、温風暖房機に電源が投入された時に、リレーをオフに制御している状態で、ヒータ温度センサで検出される温度が上昇するか否かを判断し、ヒータ温度センサで検出される温度が上昇する場合に、リレーがオン故障していると判断する。このような構成とすることによって、リレーのオン故障を速やかに検出することができる。
【0011】
一又はそれ以上の実施形態において、温風暖房機は、制御装置が、電気ヒータを用いた暖房運転を終了した時に、リレーをオフに制御している状態で、ヒータ温度センサで検出される温度が、所定時間が経過した時に
所定温度幅以上下降しない場合に、リレーがオン故障していると判断す
る。
【0012】
電気ヒータを用いた暖房運転が終了した時点では、電気ヒータは高温となっている。リレーが正常に動作している場合は、制御装置がリレーをオフに制御していれば、電気ヒータの温度は放熱によって下降していく。これに対して、リレーがオン故障している場合は、制御装置がリレーをオフに制御していても、電気ヒータが発熱して、電気ヒータの温度がそれほど下降しない。そこで、上記の温風暖房機では、制御装置が、電気ヒータを用いた暖房運転を終了した時に、リレーをオフに制御している状態で、ヒータ温度センサで検出される温度が、所定時間が経過した時に所定温度まで下降するか否かを判断する。そして、制御装置は、ヒータ温度センサで検出される温度が、所定時間が経過した時に所定温度まで下降しない場合に、リレーがオン故障していると判断する。このような構成とすることによって、リレーのオン故障を速やかに検出することができる。
【0013】
(実施例)
図1を参照しながら、温風暖房機の一実施形態に係るガスファンヒータ2について説明する。ガスファンヒータ2は、背面の給気口4を介して室内から空気を取り込み、吸い込んだ空気を燃焼用空気として燃料ガスを燃焼させ、燃料ガスの燃焼によって加熱された空気を前面の吹出口6から室内に送り出すことで、室内を暖房する。ガスファンヒータ2は、いわゆる開放式のガスファンヒータである。
【0014】
ガスファンヒータ2は、燃料ガスを供給するガス供給管8と、ガス供給管8からの燃料ガスを燃焼させるバーナ10と、給気口4から室内の空気を取り込み、加熱された空気を吹出口6から室内に送り出す送風ファン12と、ガスファンヒータ2の運転を制御する制御部14と、ユーザがガスファンヒータ2の運転を操作する操作部16と、これらを収容する筐体18を備えている。
【0015】
給気口4は筐体18の背面の上方側に形成されており、吹出口6は筐体18の前面の下方側に形成されている。筐体18の内部には、給気口4から流入した空気の一部をバーナ10に燃焼用空気として供給し、残りをバーナ10の燃焼排ガスと混合させた状態で吹出口6に導く内部空気通路20が形成されている。送風ファン12は、内部空気通路20内でバーナ10よりも下流側(バーナ10と吹出口6の間)に配置されている。なお、給気口4には、塵埃等の侵入を抑制するエアフィルタ22が設けられている。
【0016】
内部空気通路20内の、送風ファン12と吹出口6の間には、電気ヒータ24が設けられている。電気ヒータ24は、通電によって発熱し、内部空気通路20を通過する空気を加熱する。
【0017】
ガス供給管8には、ガス供給管8を開閉する電磁式の開閉弁26が設けられている。ガス供給管8には、ガスファンヒータ2の外部から都市ガス(例えば13Aなどの、メタンガス(CH4)を主成分とするガス)が供給される。バーナ10には、その炎口の上方にイグナイタ28が設けられている。
【0018】
筐体18の背面には、室内温度センサ30が設けられている。室内温度センサ30は給気口4から筐体18内に吸い込まれる室内の空気の温度を検出する。室内温度センサ30としては、熱電対やサーミスタなどの各種形式のものを用いることができる。
【0019】
内部空気通路20において、電気ヒータ24の近傍には、ヒータ温度センサ32が設けられている。ヒータ温度センサ32は、電気ヒータ24の温度を検出する。ヒータ温度センサ32としては、熱電対やサーミスタなどの各種の形式のものを用いることができる。
【0020】
図2に示すように、操作部16は、ユーザがガスファンヒータ2の運転開始および運転停止を指示する運転スイッチ34、ユーザに異常の発生を報知する異常報知ブザー36、暖房目標温度を設定する温度設定部38、暖房目標温度、室内温度等の各種情報を表示する表示部40などを備えている。運転スイッチ34は、押し操作が繰り返される毎に、制御部14に対して運転開始と運転停止が交互に指示されるように構成されている。
【0021】
制御部14は、送風ファン12、電気ヒータ24、開閉弁26、イグナイタ28などの動作を制御する。制御部14は、各種のプログラムやデータを記憶しておくためのメモリ42と、計時用のタイマ44を備えている。
【0022】
制御部14は、第1リレー46および第2リレー48のオン/オフを切換制御することで、電気ヒータ24への通電を制御する。第1リレー46と第2リレー48は、それぞれ、電気ヒータ24への電力供給線上に設けられており、オンの場合に電気ヒータ24への通電を許可し、オフの場合に電気ヒータ24への通電を禁止する。第1リレー46および第2リレー48の両方がオンの場合に、電気ヒータ24に通電がなされ、第1リレー46および第2リレー48の一方または両方がオフの場合に、電気ヒータ24への通電は遮断される。
【0023】
(電源投入時の動作)
ガスファンヒータ2の電源コード(図示せず)を家屋のコンセントに差し込むと、ガスファンヒータ2に電源が投入される。ガスファンヒータ2に電源が投入されると、制御部14は、
図3に示す処理を行って、第1リレー46および第2リレー48のオン故障の有無を判別する。
【0024】
ステップS2では、制御部14は、初期基準ヒータ温度を取得する。本実施例のガスファンヒータ2では、制御部14は、ヒータ温度センサ32で検出される温度を、初期基準ヒータ温度に設定する。
【0025】
ステップS4では、制御部14は、第1リレー46をオンに制御し、第2リレー48をオフに制御する。この場合、第2リレー48が正常に動作していれば、電気ヒータ24には通電がなされない。しかしながら、第2リレー48にオン故障が生じている場合には、電気ヒータ24に通電がなされる。
【0026】
ステップS6では、制御部14は、タイマ44による計時を開始する。
【0027】
ステップS8では、制御部14は、ステップS6でタイマ44による計時を開始してからの経過時間が第1所定時間(例えば60秒)以上であるか否かを判断する。経過時間が第1所定時間に満たない場合(NOの場合)、処理はステップS10へ進む。
【0028】
ステップS10では、制御部14は、ヒータ温度センサ32で検出される温度(ヒータ温度)が、ステップS2で取得した初期基準ヒータ温度に第1所定温度幅(例えば20℃)を加算した値以上であるか否かを判断する。ヒータ温度が初期基準ヒータ温度に第1所定温度幅を加算した値に満たない場合(ステップS10でNOの場合)、処理はステップS8へ戻る。ヒータ温度が初期基準ヒータ温度に第1所定温度幅を加算した値以上の場合(ステップS10でYESの場合)、処理はステップS12へ進む。
【0029】
ステップS12では、制御部14は、第2リレー48にオン故障が生じていると判断して、操作部16を介してユーザに第2リレー48にオン故障が生じている旨を報知する。
図3の処理においてステップS12が実行されるのは、ステップS6で第1リレー46をオンに制御し、第2リレー48をオフに制御してから、第1所定時間(例えば60秒)が経過するまでに、電気ヒータ24の温度が第1所定温度幅(例えば20℃)以上上昇した場合である。
図4に示すように、第2リレー48が正常に動作していれば、時刻t
1で第1リレー46をオンに制御し、第2リレー48をオフに制御した場合、電気ヒータ24には通電がされないから、時刻t
1から第1所定時間経過後の時刻t
2においても、電気ヒータ24の温度は電源投入直後のヒータ温度である初期基準ヒータ温度T
0のまま上昇することはない。これに対して、第2リレー48にオン故障が生じている場合、時刻t
1で第1リレー46をオンに制御し、第2リレー48をオフに制御した場合、電気ヒータ24に通電がなされる。この場合、電気ヒータ24の温度は、時間の経過とともに上昇していき、時刻t
1から第1所定時間経過後の時刻t
2までに、初期基準ヒータ温度T
0に第1所定温度幅ΔT
1を加算した温度を超えることになる。従って、第1所定時間と第1所定温度幅を適切に設定しておくことで、
図3に示すステップS6からステップS12までの処理によって、第2リレー48のオン故障の有無を検出することができる。ステップS12の後、制御部14は、第1リレー46をオフに制御した上で、
図3の処理を終了する。
【0030】
ステップS8で、経過時間が第1所定時間以上となると(YESとなると)、処理はステップS14へ進む。
【0031】
ステップS14では、制御部14は、第1リレー46をオフに制御し、第2リレー48をオフに制御する。
【0032】
ステップS16では、制御部14は、タイマ44による計時を開始する。
【0033】
ステップS18では、制御部14は、ステップS16でタイマ44による計時を開始してからの経過時間がインターバル時間(例えば0.5秒)に達するまで待機する。経過時間がインターバル時間に達すると(YESとなると)、処理はステップS20へ進む。
【0034】
ステップS20では、制御部14は、第1リレー46をオフに制御し、第2リレー48をオンに制御する。この場合、第1リレー46が正常に動作していれば、電気ヒータ24には通電がなされない。しかしながら、第1リレー46にオン故障が生じている場合には、電気ヒータ24に通電がなされる。
【0035】
ステップS22では、制御部14は、タイマ44による計時を開始する。
【0036】
ステップS24では、制御部14は、ステップS22でタイマ44による計時を開始してからの経過時間が第2所定時間(例えば60秒)以上であるか否かを判断する。経過時間が第2所定時間に満たない場合(NOの場合)、処理はステップS26へ進む。
【0037】
ステップS26では、制御部14は、ヒータ温度センサ32で検出される温度(ヒータ温度)が、ステップS2で取得した初期基準ヒータ温度に第2所定温度幅(例えば20℃)を加算した値以上であるか否かを判断する。ヒータ温度が初期基準ヒータ温度に第2所定温度幅を加算した値に満たない場合(ステップS26でNOの場合)、処理はステップS24へ戻る。ヒータ温度が初期基準ヒータ温度に第2所定温度幅を加算した値以上の場合(ステップS26でYESの場合)、処理はステップS28へ進む。
【0038】
ステップS28では、制御部14は、第1リレー46にオン故障が生じていると判断して、操作部16を介してユーザに第1リレー46にオン故障が生じている旨を報知する。
図3の処理においてステップS28が実行されるのは、ステップS20で第1リレー46をオフに制御し、第2リレー48をオンに制御してから、第2所定時間(例えば60秒)が経過するまでに、電気ヒータ24の温度が第2所定温度幅(例えば20℃)以上上昇した場合である。
図4に示すように、第1リレー46が正常に動作していれば、時刻t
3で第1リレー46をオフに制御し、第2リレー48をオンに制御した場合、電気ヒータ24には通電がされないから、時刻t
3から第2所定時間経過後の時刻t
4においても、電気ヒータ24の温度は電源投入直後のヒータ温度である初期基準ヒータ温度T
0のまま上昇することはない。これに対して、第1リレー46にオン故障が生じている場合、時刻t
3で第1リレー46をオフに制御し、第2リレー48をオンに制御した場合、電気ヒータ24に通電がなされる。この場合、電気ヒータ24の温度は、時間の経過とともに上昇していき、時刻t
3から第2所定時間経過後の時刻t
4までに、初期基準ヒータ温度T
0に第2所定温度幅ΔT
2を加算した温度を超えることになる。従って、第2所定時間と第2所定温度幅を適切に設定しておくことで、
図3に示すステップS20からステップS28までの処理によって、第1リレー46のオン故障の有無を検出することができる。ステップS28の後、制御部14は、第2リレー48をオフに制御した上で、
図3の処理を終了する。
【0039】
ステップS24で、経過時間が第2所定時間以上となると(YESとなると)、処理はステップS30へ進む。
【0040】
ステップS30では、制御部14は、第1リレー46をオフに制御し、第2リレー48をオフに制御する。ステップS30の後、制御部14は、
図3の処理を終了して、操作部16を介してユーザから暖房運転の開始が指示されるまで待機する。
【0041】
(暖房運転開始時の動作)
ユーザが運転スイッチ34を操作して、暖房運転の開始が指示されると、制御部14は、送風ファン12を駆動してバーナ10に燃焼用空気を供給するとともに、開閉弁26を開いてガス供給管8からバーナ10にガスを供給し、イグナイタ28で着火することで、バーナ10の燃焼を開始させる。また、制御部14は、第1リレー46をオンに制御し、第2リレー48をオンに制御することで、電気ヒータ24への通電を行なう。これによって、ガスファンヒータ2は、給気口4を介して室内から空気を取り込み、バーナ10と電気ヒータ24で加熱した後、加熱された空気を吹出口6を介して室内に送り出すことで、室内を暖房する。
【0042】
(暖房運転終了時の動作)
暖房運転の実行中に、ユーザが運転スイッチ34を操作して、暖房運転の終了が指示されると、制御部14は、開閉弁26を閉じてバーナ10を消火するとともに、
図5に示す処理を行って、第1リレー46および第2リレー48のオン故障の有無を判別する。
【0043】
ステップS32では、制御部14は、送風ファン12を所定回転数(例えば600rpm)で駆動して、ポストパージ動作を開始する。
【0044】
ステップS34では、制御部14は、第1基準ヒータ温度を取得する。本実施例のガスファンヒータ2では、制御部14は、ヒータ温度センサ32で検出される温度を、第1基準ヒータ温度に設定する。
【0045】
ステップS36では、制御部14は、第1リレー46をオンに制御し、第2リレー48をオフに制御する。この場合、第2リレー48が正常に動作していれば、電気ヒータ24には通電がなされない。しかしながら、第2リレー48にオン故障が生じている場合には、電気ヒータ24に通電がなされる。
【0046】
ステップS38では、制御部14は、タイマ44による計時を開始する。
【0047】
ステップS40では、制御部14は、ステップS38でタイマ44による計時を開始してからの経過時間が第3所定時間(例えば60秒)に達するまで待機する。経過時間が第3所定時間に達すると(YESとなると)、処理はステップS42へ進む。
【0048】
ステップS42では、制御部14は、ヒータ温度センサ32で検出される温度(ヒータ温度)が、ステップS34で取得した第1基準ヒータ温度から第3所定温度幅(例えば15℃)を減算した値以下であるか否かを判断する。ヒータ温度が第1基準ヒータ温度から第3所定温度幅(例えば15℃)を減算した値を超える場合(ステップS42でNOの場合)、処理はステップS44へ進む。
【0049】
ステップS44では、制御部14は、第2リレー48にオン故障が生じていると判断して、操作部16を介してユーザに第2リレー48にオン故障が生じている旨を報知する。
図5の処理においてステップS44が実行されるのは、ステップS36で第1リレー46をオンに制御し、第2リレー48をオフに制御してから、第3所定時間(例えば60秒)が経過するまでに、電気ヒータ24の温度が第3所定温度幅(例えば15℃)以上下降しなかった場合である。
図6に示すように、第2リレー48が正常に動作していれば、時刻t
5で第1リレー46をオンに制御し、第2リレー48をオフに制御した場合、電気ヒータ24には通電がなされない。そして、送風ファン12の駆動により電気ヒータ24の冷却が行われるから、時刻t
5から第3所定時間経過後の時刻t
6において、電気ヒータ24の温度は、暖房運転終了直後のヒータ温度である第1基準ヒータ温度T
1から第3所定温度幅ΔT
3を減算した温度以下になる。これに対して、第2リレー48にオン故障が生じている場合、時刻t
5で第1リレー46をオンに制御し、第2リレー48をオフに制御した場合、電気ヒータ24に通電がなされる。この場合、電気ヒータ24は、送風ファン12の駆動により徐々に冷却はされるものの、電気ヒータ24への通電による発熱が存在するため、それほど大きく温度が下降しない。そのため、時刻t
5から第3所定時間経過後の時刻t
6において、電気ヒータ24の温度は、第1基準ヒータ温度T
1から第3所定温度幅ΔT
3を減算した温度を超えることになる。従って、第3所定時間と第3所定温度幅を適切に設定しておくことで、
図5に示すステップS34からステップS44までの処理によって、第2リレー48のオン故障の有無を検出することができる。ステップS44の後、制御部14は、第1リレー46をオフに制御した上で、
図5の処理を終了する。
【0050】
ステップS42で、ヒータ温度が第1基準ヒータ温度から第3所定温度幅(例えば15℃)を減算した値以下の場合(ステップS42でYESの場合)、処理はステップS46へ進む。
【0051】
ステップS46では、制御部14は、第1リレー46をオフに制御し、第2リレー48をオフに制御する。
【0052】
ステップS48では、制御部14は、タイマ44による計時を開始する。
【0053】
ステップS50では、制御部14は、ステップS48でタイマ44による計時を開始してからの経過時間がインターバル時間(例えば0.5秒)に達するまで待機する。経過時間がインターバル時間に達すると(YESとなると)、処理はステップS52へ進む。
【0054】
ステップS52では、制御部14は、第2基準ヒータ温度を取得する。本実施例のガスファンヒータ2では、制御部14は、ヒータ温度センサ32で検出される温度を、第2基準ヒータ温度に設定する。
【0055】
ステップS54では、制御部14は、第1リレー46をオフに制御し、第2リレー48をオンに制御する。この場合、第1リレー46が正常に動作していれば、電気ヒータ24には通電がなされない。しかしながら、第1リレー46にオン故障が生じている場合には、電気ヒータ24に通電がなされる。
【0056】
ステップS56では、制御部14は、タイマ44による計時を開始する。
【0057】
ステップS58では、制御部14は、ステップS56でタイマ44による計時を開始してからの経過時間が第4所定時間(例えば60秒)に達するまで待機する。経過時間が第4所定時間に達すると(YESとなると)、処理はステップS60へ進む。
【0058】
ステップS60では、制御部14は、ヒータ温度センサ32で検出される温度(ヒータ温度)が、ステップS52で取得した第2基準ヒータ温度から第4所定温度幅(例えば5℃)を減算した値以下であるか否かを判断する。ヒータ温度が第2基準ヒータ温度から第4所定温度幅(例えば5℃)を減算した値を超える場合(ステップS60でNOの場合)、処理はステップS62へ進む。
【0059】
ステップS62では、制御部14は、第1リレー46にオン故障が生じていると判断して、操作部16を介してユーザに第1リレー46にオン故障が生じている旨を報知する。
図5の処理においてステップS62が実行されるのは、ステップS54で第1リレー46をオフに制御し、第2リレー48をオンに制御してから、第4所定時間(例えば60秒)が経過するまでに、電気ヒータ24の温度が第4所定温度幅(例えば5℃)以上下降しなかった場合である。
図6に示すように、第1リレー46が正常に動作していれば、時刻t
7で第1リレー46をオフに制御し、第2リレー48をオンに制御した場合、電気ヒータ24には通電がなされない。そして、送風ファン12の駆動により電気ヒータ24の冷却が行われるから、時刻t
7から第4所定時間経過後の時刻t
8において、電気ヒータ24の温度は、時刻t
7でのヒータ温度である第2基準ヒータ温度T
2から第4所定温度幅ΔT
4を減算した温度以下になる。これに対して、第1リレー46にオン故障が生じている場合、時刻t
7で第1リレー46をオフに制御し、第2リレー48をオンに制御した場合、電気ヒータ24に通電がなされる。この場合、電気ヒータ24の温度は、送風ファン12の駆動により徐々に冷却はされるものの、電気ヒータ24への通電による発熱が存在するため、徐々に上昇していく。そのため、時刻t
7から第4所定時間経過後の時刻t
8において、電気ヒータ24の温度は、第2基準ヒータ温度T
2から第4所定温度幅ΔT
4を減算した温度を超えることになる。従って、第4所定時間と第4所定温度幅を適切に設定しておくことで、
図5に示すステップS52からステップS62までの処理によって、第1リレー46のオン故障の有無を検出することができる。ステップS62の後、制御部14は、第2リレー48をオフに制御した上で、
図5の処理を終了する。
【0060】
ステップS60で、ヒータ温度が第2基準ヒータ温度から第4所定温度幅(例えば5℃)を減算した値以下の場合(ステップS60でYESの場合)、処理はステップS64へ進む。
【0061】
ステップS64では、制御部14は、第1リレー46をオフに制御し、第2リレー48をオフに制御する。ステップS64の後、制御部14は、
図5の処理を終了して、ポストパージ動作を継続する。
【0062】
なお、
図5に示す処理において、ステップS32で送風ファン12を駆動する際の回転数は、直前まで行っていた暖房運転におけるバーナ10の燃焼時間の長さに応じて増減させてもよい。また、ステップS42の判断で用いる第3所定温度幅、およびステップS60の判断で用いる第4所定温度幅は、ステップS32で送風ファン12を駆動する際の回転数に応じて、増減させてもよい。
【0063】
以上のように、本実施例のガスファンヒータ2は、給気口4と吹出口6を備える筐体18と、都市ガスを燃焼させて空気を加熱するバーナ10と、電力を熱に変換して空気を加熱する電気ヒータ24と、電気ヒータ24への電力供給線上に設けられており、オンの場合に電気ヒータ24への通電を許可し、オフの場合に電気ヒータ24への通電を禁止する第1リレー46(または第2リレー48)と、電気ヒータ24の温度を検出するヒータ温度センサ32と、給気口4を介して室内から空気を取り込み、バーナ10と電気ヒータ24を通過させて、吹出口6を介して室内に空気を送り出す送風ファン12と、制御部14を備えている。制御部14は、第1リレー46(または第2リレー48)をオフに制御している時のヒータ温度センサ32で検出される温度の経時的な変化に基づいて、第1リレー46(または第2リレー48)のオン故障の有無を判断する。
【0064】
図3に示すように、本実施例のガスファンヒータ2では、制御部14が、ガスファンヒータ2に電源が投入された時に、第1リレー46(または第2リレー48)をオフに制御しているとき状態で、ヒータ温度センサ32で検出される温度が上昇した場合に、第1リレー46(または第2リレー48)がオン故障していると判断する。
【0065】
図5に示すように、本実施例のガスファンヒータ2では、制御部14が、電気ヒータ24を用いた暖房運転を終了した時に、第1リレー46(または第2リレー48)をオフに制御している状態で、ヒータ温度センサ32で検出される温度が、第3所定時間(または第4所定時間)が経過した時に、第1基準ヒータ温度から第3所定温度幅を減算した温度(または第2基準ヒータ温度から第4所定温度幅を減算した温度)以下に下降しない場合に、第1リレー46(または第2リレー48)がオン故障していると判断する。
【0066】
上記の実施例では、温風暖房機の一実施形態としてガスファンヒータ2を例示して説明したが、本明細書が開示する温風暖房機はこれに限られるものではなく、例えば、石油ファンヒータ、ガスストーブ、石油ストーブなどであってもよい。
【0067】
上記の実施例では、温風暖房機が、給気口を介して室内から取り込んだ空気を、バーナの燃焼用空気として利用し、バーナからの燃焼排ガスを、吹出口を介して室内に送り出す、いわゆる開放式の温風暖房機である場合について説明したが、本明細書が開示する温風暖房機はこれに限られるものではない。本明細書が開示する温風暖房機は、例えば、給気口を介して室内から取り込んだ空気を、バーナの燃焼用空気として利用し、バーナからの燃焼排ガスを、室外に排出する、いわゆる半密閉式の温風暖房機であってもよいし、室外から取り込んだ空気を、バーナの燃焼用空気として利用し、バーナからの燃焼排ガスを、室外に排出する、いわゆる密閉式の温風暖房機であってもよい。
【0068】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。