(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ブームを支持するサブフレームに、車体に設けられたメインフレームと係合する係合位置と、前記メインフレームとの係合が解除された解除位置との間で移動可能に支持されると共に、前記係合位置から前記解除位置へ向かう解除方向に付勢された係合部材と、
前記サブフレームに、前記係合部材が前記係合位置から前記解除方向へ移動するのを規制する規制位置と、前記係合部材が前記解除位置へ移動するのを許可する規制解除位置との間で移動可能に支持されると共に、前記規制解除位置から前記規制位置へ向かう規制方向に付勢された規制部材と、
前記規制部材を前記規制解除位置で保持する解除位置保持機構と、
前記係合部材が前記解除位置へ移動するのに伴って前記解除位置保持機構による前記規制部材の保持を解除する解除機構と、
を具備する、
フロントローダの着脱構造。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0035】
まず、
図1及び
図2を用いて本発明の第一実施形態に係るフロントローダ20を備えたトラクタの車体1の全体構成について説明する。
【0036】
トラクタは、主として機体フレーム2、エンジン3、トランスミッションケース4、前輪5、後輪6、ボンネット7、SCR8、マフラ9、キャビン10、ステアリングホイール11及びフロントローダ20を具備する。
【0037】
機体フレーム2は、複数の板材を適宜組み合わせて形成される枠状の部材である。機体フレーム2は、平面視略矩形状に形成される。機体フレーム2は、その長手方向を前後方向に向けて車体1の前部に配置される。機体フレーム2の後部にはエンジン3が固定される。当該エンジン3の後部には、トランスミッションケース4が固定される。機体フレーム2の前部は、フロントアクスル機構(不図示)を介して左右一対の前輪5に支持される。トランスミッションケース4の後部は、リアアクスル機構(不図示)を介して左右一対の後輪6に支持される。エンジン3はボンネット7に覆われる。
【0038】
ボンネット7の右側方には、エンジン3の排気ガスを浄化するためのSCR(Selective Catalytic Reduction)8が配置される。SCR8の上部には、エンジン3の排気ガスを排出するマフラ9が配置される。当該SCR8及びマフラ9は、トランスミッションケース4に固定される。
【0039】
エンジン3の動力は、トランスミッションケース4に収容された変速装置(不図示)で変速された後、前記フロントアクスル機構を経て前輪5に伝達可能とされると共に、前記リアアクスル機構を経て後輪6に伝達可能とされる。エンジン3の動力によって前輪5及び後輪6が回転駆動され、トラクタは走行することができる。
【0040】
エンジン3の後方にはキャビン10が設けられる。キャビン10の内部には、運転者が搭乗する居住空間が形成される。当該居住空間には、前輪5の切れ角を調節するためのステアリングホイール11、種々の操作具(不図示)、及び運転者が着座するための座席(不図示)等が配置される。
【0041】
車体1の前部には、フロントローダ20が装着される。フロントローダ20は、主として左右一対のメインフレーム100、左右一対のサブフレームユニット500、左右一対のブーム300及びバケット400を具備する。
【0042】
メインフレーム100は、車体1(機体フレーム2及びトランスミッションケース4)の左右にそれぞれ固定される。サブフレームユニット500は、各メインフレーム100の上部に着脱可能に支持される。ブーム300は、各サブフレームユニット500に回動可能に支持される。ブーム300は、メインフレーム100の上部から前下方に向けて延びるように配置される。バケット400は、ブーム300の前端部に回動可能に連結される。ブーム300はブームシリンダ300aを伸縮させることで、サブフレームユニット500に対して回動させることができる。バケット400はバケットシリンダ400aを伸縮させることで、ブーム300に対して回動させることができる。このように、ブーム300及びバケット400を適宜回動させながら土砂の運搬作業等を行うことができる。
【0043】
次に、
図2、
図3及び
図9を用いて、メインフレーム100の詳細な構成について説明する。左右一対のメインフレーム100は、互いに左右対称の位置に配置される。
【0044】
図2に示すメインフレーム100は、ブーム300を支持するサブフレームユニット500を支持するものである。換言すれば、メインフレーム100は、サブフレームユニット500を介してブーム300を支持するものである。メインフレーム100は、主として固定フレーム110、連結フレーム120及び支持フレーム130を具備する。
【0045】
図2に示す固定フレーム110は、車体1に固定される部分である。固定フレーム110は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。固定フレーム110は、ボルト等によって機体フレーム2に固定される。
【0046】
図2に示す連結フレーム120は、固定フレーム110と後述する支持フレーム130とを連結するものである。連結フレーム120は、軸線を左右方向に向けた略円筒状に形成される。連結フレーム120の一端部(左端)は固定フレーム110に挿通され、当該固定フレーム110に溶接によって適宜固定される。
【0047】
図2に示す支持フレーム130は、サブフレームユニット500を支持する部分である。支持フレーム130は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。支持フレーム130は、長手方向を上下方向に向けて配置される。支持フレーム130の下部には連結フレーム120が挿通され、当該支持フレーム130と連結フレーム120とが溶接によって固定される。支持フレーム130には、メインフレーム側ピン131、メインフレーム側フック132及びメインフレーム側案内面133が形成される。
【0048】
図3及び
図9に示すメインフレーム側ピン131は、後述するサブフレームユニット500(より詳細には、ガイド板520のサブフレーム側フック522)によって保持される部分である。メインフレーム側ピン131は、支持フレーム130の前上端部に、軸線を左右方向に向けた円柱状に形成される。メインフレーム側ピン131は、支持フレーム130から左右に突出するように形成される。
【0049】
メインフレーム側フック132は、後述するサブフレームユニット500(より詳細には、サブフレーム510のサブフレーム側ピン511)を保持する部分である。メインフレーム側フック132は、側面視において、前方が開放された略U字状に形成され、後述するサブフレーム側ピン511を下方から支持することができる。メインフレーム側フック132は、支持フレーム130の後上端部に、かつ、メインフレーム側ピン131よりも上方に形成される。
【0050】
メインフレーム側案内面133は、後述するサブフレームユニット500をメインフレーム100に装着するときに、サブフレームユニット500(より詳細には、サブフレーム510のサブフレーム側ピン511)を取付位置に案内するためのものである。メインフレーム側案内面133は、支持フレーム130の上端部に、面を略上方に向けた平面状に形成される。より詳細には、メインフレーム側案内面133は、メインフレーム側ピン131とメインフレーム側フック132との間に、前方に向かうにつれて上下方向の高さが低くなる前下がりの斜面状に形成される。メインフレーム側案内面133は、メインフレーム側ピン131まで連続して形成しておらず、メインフレーム側ピン131とメインフレーム側案内面133との間には凹部133aが形成される。凹部133aが形成されることで、着脱時の接触衝撃等によるメインフレーム側ピン131の変形や損傷を防止することが可能となる。
【0051】
次に、
図4から
図12を用いて、サブフレームユニット500の詳細な構成について説明する。なお、左右一対のサブフレームユニット500は、互いに左右対称に形成されるものであって、
図4から
図12(及び後述する
図13から
図18)においては、左右一対のサブフレームユニット500のうち左側のサブフレームユニット500を図示している。以下においては、特に断りのない限り、左側のサブフレームユニット500について説明を行い、右側のサブフレームユニット500については説明を省略する。また、
図4から
図12は、サブフレームユニット500がメインフレーム100に装着された状態(装着状態)を示しており、以下では、この装着状態を基準として説明を行う。
【0052】
サブフレームユニット500は、メインフレーム100とブーム300との間に設けられる部分である。サブフレームユニット500は、その上部において、ブーム300を回動可能に支持する(
図2参照)。サブフレームユニット500は、サブフレーム510、ガイド板520、サム530、ロックバー540、ばね550、ディテント機構560、解除アーム570及び操作機構580を具備する。
【0053】
図4から
図8に示すサブフレーム510は、サブフレームユニット500の右部及び左部を構成する部分である。サブフレーム510は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。サブフレーム510は、長手方向を上下方向に向けて配置される。サブフレーム510は、左右に一対設けられ、適宜の部材によって互いに接続される。なお、
図5、
図6、
図8から
図11、
図14から
図18においては、説明の便宜上、左側のサブフレーム510については図示を省略している。また、
図7においては、説明の便宜上、右側のサブフレーム510については図示を省略している。サブフレーム510には、サブフレーム側ピン511及び規制孔512が形成される。
【0054】
図4、
図5及び
図8に示すサブフレーム側ピン511は、支持フレーム130のメインフレーム側フック132(
図3参照)によって保持される部分である。サブフレーム側ピン511は、円柱状に形成される。サブフレーム側ピン511は、軸線を左右方向へ向けた状態でサブフレーム510の後下部に固定される。サブフレーム側ピン511は、左右一対のサブフレーム510の間に、当該左右一対のサブフレーム510を接続するように設けられる。
【0055】
図4から
図8に示す規制孔512は、後述する操作レバー582の動作範囲を規制するためのものである。規制孔512は、サブフレーム510を左右方向に貫通するように形成される。規制孔512は、側面視において、後述するロックバー540の揺動中心(揺動軸541)を中心とする、中心角約50°の部分円環状に形成される。規制孔512は、揺動軸541の後上方に形成される(
図10等参照)。
【0056】
また、車体1の外側(
図4等においては、左側)のサブフレーム510に形成された規制孔512(以下、規制孔512Lとも称する)は、全域に亘って幅が一定となるように形成されている。これに対して、車体1の内側(
図4等においては、右側)のサブフレーム510に形成された規制孔512(以下、規制孔512Rとも称する)は、下端部に対してその他の部分の幅が小さくなるように形成されている(
図8参照)。
【0057】
具体的には、規制孔512Rの下端部512Raは、略円形状に形成されている。当該下端部512Raの幅(円の直径)は、規制孔512Lの幅と略同一となるように形成されている。規制孔512Rの下端部を除く部分(上端部から下端部近傍に亘る円弧状の部分、以下「弧状部512Rb」と称する)の幅は、規制孔512Lの幅よりも小さく(細く)なるように形成されている。
【0058】
図4から
図8に示すガイド板520は、メインフレーム100にサブフレームユニット500を装着するときに、メインフレーム100を取付位置に案内し、当該取付位置でメインフレーム100を保持するものである。ガイド板520は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。ガイド板520は、左右に一対設けられる。各ガイド板520は、左右一対のサブフレーム510の内側にそれぞれ固定される。なお、説明の便宜上、サブフレーム510と同様に、図面に応じてガイド板520の図示を適宜省略している。ガイド板520には、サブフレーム側案内面521、サブフレーム側フック522及び切欠部523が形成される。
【0059】
図8及び
図9に示すサブフレーム側案内面521は、メインフレーム100にサブフレームユニット500を装着するときに、メインフレーム側ピン131を取付位置に案内するためのものである。サブフレーム側案内面521は、ガイド板520の下端部に、面を略下方に向けた平面状に形成される。より詳細には、サブフレーム側案内面521は、前方に向かうにつれて上下方向の高さが低くなる斜面状に形成される。サブフレーム側案内面521は、メインフレーム側案内面133と平行となるように形成される。サブフレーム側案内面521は、ガイド板520の後端部から前端部近傍(より詳細には、後述するサブフレーム側フック522)まで延びるように形成される。
【0060】
サブフレーム側フック522は、メインフレーム100のメインフレーム側ピン131を保持する部分である。サブフレーム側フック522は、ガイド板520の前下部に形成される。サブフレーム側フック522は、側面視において、後方が開放された略U字状に形成され、後述するメインフレーム側ピン131を下方から支持することができる。サブフレーム側フック522は、サブフレーム側案内面521の前端部と接続される。
【0061】
図8に示す切欠部523は、後述するディテントピン561の移動を規制するものである。切欠部523は、ガイド板520の上端部が開口するように形成される。切欠部523は、ガイド板520の上端部から下方に延びるように形成される。
【0062】
図5から
図7、
図9、
図10に示すサム530は、メインフレーム側ピン131をサブフレーム側フック522に移動不能に保持する(メインフレーム側ピン131がサブフレーム側フック522から離脱するのを防止するための)ものである。サム530は、左右一対のガイド板520の間に設けられる。サム530は、左右一対設けられる。サム530は、側面視略L字状に形成される。サム530は、主として揺動軸531、係合溝532、サム側第一当接面533、サム側第二当接面534及び連結軸535を具備する。
【0063】
揺動軸531は、サム530を揺動可能に支持するものである。揺動軸531は、軸線を左右方向に向けて配置される。揺動軸531は、サブフレーム側フック522の上方に配置される。揺動軸531の両端は、左右のガイド板520にそれぞれ固定される。揺動軸531は、左右一対のサム530の前後中央部に挿通される。
【0064】
図9及び
図10に示す係合溝532は、メインフレーム側ピン131と係合する部分である。係合溝532は、サム530の下部、かつ、前後中央部に形成される。係合溝532は、側面視において、下方が開放された半円弧状に形成される。係合溝532は、側面視において、その径がメインフレーム側ピン131の径と略同一となるように形成される。
【0065】
図10に示すサム側第一当接面533は、サム530の後方の側面である。サム側第一当接面533は、面を後上方に向けた平面状に形成される。
【0066】
サム側第二当接面534は、サム530の後方の側面である。サム側第二当接面534は、面を後下方に向けた曲面状に形成される。より具体的には、サム側第二当接面534は、側面視において揺動軸531を中心とする円弧状に形成される。
【0067】
連結軸535は、左右一対のサム530を連結するものである。連結軸535は、軸線を左右方向に向けて配置される。連結軸535は、揺動軸531の後下方に配置される。連結軸535の両端は、左右一対のサム530にそれぞれ固定される。これによって、左右一対のサム530が互いに連結され、一体的に揺動可能となる。
【0068】
図5から
図7、並びに
図9から
図11に示すロックバー540は、サム530の揺動を規制するものである。ロックバー540は、左右一対のガイド板520の間に設けられる。ロックバー540は、側面視において、一対の円弧を有するオーバル状に形成される。ロックバー540は、サム530の後上方に配置される。ロックバー540は、主として揺動軸541、ロックバー側第一当接面542、ロックバー側第二当接面543、溝部544、連結軸545、案内面546及び被係止部547を具備する。
【0069】
揺動軸541は、ロックバー540を揺動可能に支持するものである。揺動軸541は、軸線を左右方向に向けて配置される。揺動軸541の両端は、左右のガイド板520にそれぞれ固定される。揺動軸541は、ロックバー540の中央部に挿通される。
【0070】
図10に示すロックバー側第一当接面542は、ロックバー540の前方の側面である。ロックバー側第一当接面542は、面を前下方に向けた曲面状に形成される。より具体的には、ロックバー側第一当接面542は、側面視において揺動軸541を中心とする円弧状に形成される。
【0071】
ロックバー側第二当接面543は、ロックバー540の前方の側面である。ロックバー側第二当接面543は、面を前上方に向けた平面状に形成される。
【0072】
図6、
図7及び
図11に示す溝部544は、ロックバー540の下部に形成される。より具体的には、溝部544は、ロックバー540の下部の左右中央を、上方(揺動軸541側)に向かって凹ませるようにして形成される。
【0073】
連結軸545は、後述するばね550が連結されるものである。連結軸545は、軸線を左右方向に向けて配置される。連結軸545は、ロックバー540の後下部(溝部544の後端部近傍)に固定される。連結軸545は、溝部544を左右に亘るように配置される。
【0074】
図10及び
図11に示す案内面546は、ロックバー540の外周部において、後述するディテントピン561を案内する面である。案内面546は、面を後上方に向けた曲面状に形成される。より具体的には、案内面546は、側面視において揺動軸541を中心とする円弧状に形成される。案内面546は、揺動軸541を挟んでロックバー側第一当接面542と反対側に形成される。
【0075】
被係止部547は、後述するディテントピン561を係止するための部分である。被係止部547は、ロックバー540の外周部に形成される。被係止部547は、案内面546の後側に隣接するように形成される。被係止部547は、ロックバー540の径方向に沿って立ち上がるような面によって形成される。
【0076】
図11に示すばね550は、サム530及びロックバー540を所定の方向に向かって付勢するためのものである。ばね550は、引張りコイルばねによって形成される。ばね550は、左右一対のサム530の間、及びロックバー540の溝部544内に亘って配置される。ばね550の一端は、サム530の連結軸535に連結される。ばね550の他端は、ロックバー540の連結軸545に連結される。当該ばね550の付勢力によって、サム530が左側面視反時計回りに付勢されると共に、ロックバー540が左側面視時計回りに付勢される。なお、図示の簡略化のため、ばね550は
図11にのみ示している。
【0077】
図6、
図7、
図10及び
図11に示すディテント機構560は、ロックバー540の揺動を規制するためのものである。ディテント機構560は、主としてディテントピン561、ボルト562及びばね563を具備する。
【0078】
ディテントピン561は、円柱状に形成される。ディテントピン561は、軸線を左右方向に向けた状態で、その左右両端部が左右一対のガイド板520の切欠部523(
図8参照)にそれぞれ挿通されるように設けられる。これによって、ディテントピン561は、切欠部523の長手方向に沿って上下に移動(摺動)可能となる。
【0079】
ボルト562は、ディテントピン561に上方から当接する部材である。ボルト562は、頭部を下方に向けた状態で配置される。ボルト562は、後述する解除アーム570の上面に、摺動可能に支持される。ボルト562の頭部(下端部)は、ディテントピン561に上方から当接する。
【0080】
ばね563は、ボルト562を下方に向かって付勢するものである。ばね563は、圧縮コイルばねによって形成される。ばね563は、ボルト562の頭部と、後述する解除アーム570の上面と、の間に配置される。当該ばね563によって、ボルト562が常時下方に向かって付勢され、ひいてはディテントピン561が常時下方に向かって付勢される。なお、図示の簡略化のため、ばね563は
図11にのみ示している。
【0081】
解除アーム570は、ディテント機構560によるロックバー540の揺動の規制を適宜解除するためのものである。解除アーム570は、細長い板材を略U字状に折り曲げて形成される。解除アーム570は、下方に向かって開口された略U字状に折り曲げられることで、左右一対の側面と、上面と、を有するように形成される。解除アーム570は、左右一対の側面が、ロックバー540の左右両側方にそれぞれ位置するように配置される。解除アーム570の上面は、ロックバー540の上方に位置するように配置される。解除アーム570の下端部(右側の側面の下端部)は、サム530の連結軸535に回動可能に支持される。解除アーム570には、長孔571が形成される。
【0082】
長孔571は、解除アーム570の左右一対の側面にそれぞれ形成される。長孔571は、解除アーム570の側面の長手方向に沿って、所定の長さだけ延びるように形成される。左右一対の長孔571には、ディテントピン561の両端がそれぞれ挿通される。
【0083】
図6、
図7、
図10から
図12に示す操作機構580は、メインフレーム100からサブフレームユニット500を取り外すときに、ロックバー540を揺動させるためのものである。操作機構580は、主としてアーム部581、操作レバー582、ワッシャ583及びばね584を具備する。
【0084】
アーム部581は、ロックバー540に固定される部材である。アーム部581は、本体部581a及びボス部581bを具備する。
【0085】
本体部581aは、側面視略矩形状の板材である。本体部581aの一端部(前端部)は、適宜の締結部材(ボルト等)によって、ロックバー540の左側面に固定される。本体部581aは、ロックバー540から後方に向かって延びるように配置される。
【0086】
ボス部581bは、円筒状の部材である。ボス部581bは、軸線を左右方向に向けて配置される。ボス部581bは、本体部581aの後端部に挿通された状態で固定される。
【0087】
操作レバー582は、作業者が把持して操作する部材である。操作レバー582は、略円柱状に形成される。操作レバー582は、軸線を左右方向に向けて配置される。操作レバー582は、ボス部581bに摺動可能となるように挿通される。操作レバー582の直径は、サブフレーム510に形成された規制孔512Lの幅、並びに規制孔512Rの下端部512Raの幅(直径)と略同一となるように形成される。操作レバー582には、主として凹部582a及び先鋭部582bが形成される。
【0088】
図6及び
図12に示す凹部582aは、操作レバー582の外周面を凹ませて形成された部分である。凹部582aは、操作レバー582の左端部近傍に形成される。凹部582aは、操作レバー582の軸芯を挟んで一対形成される。このように、円柱状の操作レバー582に凹部582aを形成することで、当該操作レバー582を把持し易く(操作し易く)することができる。
【0089】
図7及び
図12に示す先鋭部582bは、操作レバー582の右端に向かって縮径するように形成された略円錐台状の部分である。先鋭部582bの先端(右端)の直径は、サブフレーム510に形成された規制孔512Rの弧状部512Rb(
図8参照)の幅よりも小さくなるように形成される。
【0090】
図6、
図7及び
図12に示すワッシャ583は、略円環板状の部材である。ワッシャ583には、操作レバー582の右端部が挿通される。ワッシャ583は、適宜の係止具によって、操作レバー582に対する右方への移動が規制されている。
【0091】
図12に示すばね584は、操作レバー582を右方に向かって付勢するためのものである。ばね584は、圧縮コイルばねによって形成される。ばね584は、アーム部581の本体部581aと、ワッシャ583と、の間に配置される。当該ばね584によって、ワッシャ583が常時右方に向かって付勢され、ひいては操作レバー582が常時右方に向かって付勢される。なお、図示の簡略化のため、ばね584は
図12及び
図13にのみ示している。
【0092】
操作レバー582の左右両端部は、左右一対のサブフレーム510の規制孔512にそれぞれ挿通されている。より具体的には、装着状態において、操作レバー582の左端部は、左側のサブフレーム510の規制孔512Lの下端部に挿通されている。また操作レバー582の右端部は、右側のサブフレーム510の規制孔512Rの下端部512Raに挿通されている。操作レバー582は、規制孔512によって移動範囲(揺動範囲)が規定されている。
【0093】
次に、フロントローダ20(より詳細には、フロントローダ20のうちメインフレーム100を除く部分)を車体1から取り外す方法について説明する。
【0094】
図9及び
図10は、サブフレームユニット500がメインフレーム100に装着された状態(装着状態)を示している。装着状態においては、メインフレーム側ピン131がサブフレーム側フック522に保持されていると共に、サブフレーム側ピン511がメインフレーム側フック132に保持されている(
図9参照)。
【0095】
このとき、ロックバー540は、ばね550の付勢力によって、操作レバー582と規制孔512とで決められる移動範囲の中で、最も時計回りに揺動した位置(規制位置)で保持されている。ロックバー540のロックバー側第一当接面542がサム530のサム側第一当接面533と当接することで、サム530の左側面視反時計回り方向への揺動を規制している。これにより、サム530は、係合溝532がメインフレーム側ピン131と係合する位置(係合位置)で保持され、メインフレーム側ピン131のサブフレーム側フック522からの離脱を防止している。このとき、メインフレーム側ピン131は、左右のサブフレーム側フック522と、その間に位置する係合溝532とによって固定されている。
【0096】
このとき、ロックバー540のロックバー側第一当接面542(揺動軸541を中心とする円弧状の面)が、サム530のサム側第一当接面533(平面)と当接するため、ロックバー540がサム530から受ける押圧力は、ロックバー540の揺動中心(揺動軸541)に向かうように作用する。すなわち、サム530からの押圧力は、ロックバー540を揺動させる方向(周方向)に作用しない。これにより、サム530から受ける押圧力によって、ロックバー540が揺動しないようにすることができる。
【0097】
また、装着状態において、ディテントピン561は、ロックバー540の案内面546に押し当てられている。案内面546は滑らかな円弧状に形成されているため、ディテントピン561がロックバー540と係止されることはなく、当該ディテントピン561によってロックバー540の揺動が規制されることはない。
【0098】
また、装着状態において、操作レバー582は、サブフレーム510の規制孔512Rの下端部512Raに挿通されている(
図11参照)。規制孔512Rの弧状部512Rbの幅は、操作レバー582の直径よりも小さいため、操作レバー582は当該規制孔512R内を移動することができない。このように、規制孔512Rによって移動が規制されているため、当該操作レバー582の誤作動を防止することができる。
【0099】
装着状態から操作レバー582を用いてロックバー540を揺動させる場合、
図13に示すように、ワッシャ583がボス部581bと当接するまで、操作レバー582を外側(左側)に引き出す。これによって、操作レバー582をサブフレーム510の外側に大きく突出させることができ、当該操作レバー582が把持し易く(操作し易く)なる。
【0100】
また、操作レバー582を外側に引き出すことで、操作レバー582のうち、先鋭部582bのみが規制孔512R内に位置することになる。この際、規制孔512R内に位置している先鋭部582bの直径は、規制孔512Rの弧状部512Rb(
図11参照)の幅と略同一となるように形成されている。このため、操作レバー582を外側に引き出した状態では、当該操作レバー582の移動が規制孔512Rによって規制されることはない。すなわち、操作レバー582は、規制孔512R(弧状部512Rb)に沿って移動することができる。
【0101】
操作レバー582を引き出したまま、当該操作レバー582を規制孔512に沿って左側面視反時計回り方向に移動させると、これに伴って、ロックバー540が左側面視反時計回り方向に揺動する(
図14参照)。
【0102】
装着状態からロックバー540が左側面視反時計回り方向に約50°(操作レバー582が規制孔512の上端部近傍に位置するまで)揺動すると、ディテントピン561は、ロックバー540の被係止部547に係止する。このため、ロックバー540は、ディテントピン561と被係止部547とによって、左側面視時計回り方向への揺動が規制される。すなわちロックバー540は、当該位置(規制解除位置)で保持される。この状態で作業者が操作レバー582から手を離しても、ロックバー540が元の位置(規制位置)に戻ることはない。
【0103】
図14に示す状態において、フロントローダ20(メインフレーム100を除く部分)を地面に降ろした状態で車体1を後退させる。すると、メインフレーム100(メインフレーム側ピン131)は、サム530の後部を上方に押し上げながら、サブフレームユニット500に対して後方に相対移動する(
図15参照)。サム530は、メインフレーム側ピン131からの押圧力と、ばね550による付勢力によって、左側面視反時計回り方向に揺動する。左側面視において、サム530の後下面とサブフレーム側フック522の上面との隙間が、メインフレーム側ピン131の直径以上になる位置(解除位置)までサム530が揺動すると、サム530とメインフレーム100(メインフレーム側ピン131)との係合が解除される。この状態からさらに車体1を後退させることで、サブフレームユニット500をメインフレーム100から取り外すことができる。
【0104】
また、サム530が左側面視反時計回り方向に揺動すると、
図15に示すように、当該サム530の連結軸535に連結された解除アーム570が上方へと押し上げられる。解除アーム570が上方へ押し上げられると、当該解除アーム570の長孔571の下端部によってディテントピン561が上方に押し上げられる。これによって、ディテントピン561がロックバー540から離間し、当該ディテントピン561とロックバー540の被係止部547との係止が解除される。すなわち、解除アーム570によって、ディテントピン561によるロックバー540の揺動の規制が解除される。
【0105】
ディテントピン561と被係止部547との係止が解除されると、ロックバー540は、ばね550の付勢力によって左側面視時計回り方向に揺動する。ロックバー540が揺動すると、サム530のサム側第二当接面534と、ロックバー540のロックバー側第二当接面543とが当接する(
図15参照)。これによって、ロックバー540の左側面視時計回り方向への揺動が規制される。
【0106】
このとき、サム530のサム側第二当接面534(揺動軸531を中心とする円弧状の面)が、ロックバー540のロックバー側第二当接面543(平面)と当接するため、サム530がロックバー540から受ける押圧力は、サム530の揺動中心(揺動軸531)に向かうように作用する。すなわち、ロックバー540からの押圧力は、サム530を揺動させる方向(周方向)に作用しない。これにより、ロックバー540から受ける押圧力によって、サム530が揺動しないようにすることができる。
【0107】
このように、フロントローダ20(メインフレーム100を除く部分)を地面に降ろした状態で、操作レバー582を操作してサム530とメインフレーム側ピン131とのロックを解除した後、車体1を後退させることにより、フロントローダ20のサブフレームユニット500、ブーム300及びバケット400を、メインフレーム100から容易に取り外すことができる。
【0108】
次に、フロントローダ20(より詳細には、フロントローダ20のうちメインフレーム100を除く部分)を車体1に装着する方法について説明する。
【0109】
フロントローダ20(メインフレーム100を除く部分)をメインフレーム100から取り外して地面に降ろした状態で、
図16に示すように、車体1を前進させ、メインフレーム100をサブフレームユニット500に近接させる。
【0110】
車体1が前進すると、メインフレーム側ピン131がサブフレーム側案内面521に当接する。そして、メインフレーム側ピン131は、サブフレーム側案内面521によってサブフレーム側フック522へと案内される。また、車体1が前進すると、メインフレーム側案内面133は、サブフレーム側ピン511に当接する。そして、サブフレーム側ピン511は、メインフレーム側案内面133によってメインフレーム側フック132へと案内される。
【0111】
ここで、サブフレーム側案内面521が前下がりの斜面状に形成されているため、車体1を前進させたときに、メインフレーム側ピン131がサブフレーム側案内面521に当接し易い。また、メインフレーム100に対するサブフレームユニット500の高さが多少ずれていても、メインフレーム側ピン131をサブフレーム側案内面521に当接させることができるため、メインフレーム側ピン131をサブフレーム側フック522に案内し易くすることができる。
【0112】
同様に、メインフレーム側案内面133も前下がりの斜面状に形成されているため、車体1を前進させたときに、サブフレーム側ピン511がメインフレーム側案内面133に当接し易い。また、メインフレーム100に対するサブフレームユニット500の高さが多少ずれていても、サブフレーム側ピン511をメインフレーム側案内面133に当接させることができるため、サブフレーム側ピン511をメインフレーム側フック132に案内し易くすることができる。
【0113】
図17及び
図18に示すように、メインフレーム側ピン131は、サブフレーム側フック522へと案内される際に、サム530の前端部を前方に向かって押圧し、当該サム530を左側面視時計回り方向(前上がり方向)に揺動させる。これによって、サム530は再び係合位置に戻り、メインフレーム側ピン131と係合する。
【0114】
また、サム530の揺動に伴って、解除アーム570が下方へと引き下げられる。解除アーム570が引き下げられると、当該解除アーム570によって押し上げられていたディテントピン561が再びロックバー540の案内面546に当接する。
【0115】
また、サム530が揺動することによって、サム530(サム側第二当接面534)とロックバー540(ロックバー側第二当接面543)とが離間する。これによって、ロックバー540が左側面視時計回りに揺動可能となる。
【0116】
ロックバー540は、ばね550の付勢力によって、左側面視時計回りに揺動し、再び規制位置まで移動する(
図9及び
図10参照)。この状態では、ロックバー540によってサム530の揺動が規制され、メインフレーム側ピン131のサブフレーム側フック522からの離脱を防止することができる。
【0117】
このように、フロントローダ20(メインフレーム100を除く部分)を地面に降ろした状態で、車体1を前進させるだけで、サブフレームユニット500並びに当該サブフレームユニット500に設けられたブーム300及びバケット400を、メインフレーム100に容易に装着することができる。
【0118】
したがって、フロントローダ20の脱着作業時に、メインフレーム100との位置合わせのための油圧によるブーム300の操作や、ブーム300をメインフレーム100に固定するためのピンの抜き差しといった従来の作業を不要とすることができる。また、これらの作業のために作業者がキャビン10から乗降する必要がなくなる。よって、フロントローダ20の脱着時の作業工数の低減、及びこれに伴う作業時間の短縮が可能となる。
【0119】
また、メインフレーム100とサブフレームユニット500とが互いに位置合わせを行う構造としているため、メインフレーム100とサブフレームユニット500との位置合わせをスムーズに行うことができる。
【0120】
以上の如く、本実施形態に係るフロントローダ20の着脱構造は、
ブーム300を支持するサブフレーム510に、車体1に設けられたメインフレーム100と係合する係合位置と、前記メインフレーム100との係合が解除された解除位置との間で移動可能に支持されると共に、前記係合位置から前記解除位置へ向かう解除方向に付勢されたサム530(係合部材)と、
前記サブフレーム510に、前記サム530が前記係合位置から前記解除方向へ移動するのを規制する規制位置と、前記サム530が前記解除位置へ移動するのを許可する規制解除位置との間で移動可能に支持されると共に、前記規制解除位置から前記規制位置へ向かう規制方向に付勢されたロックバー540(規制部材)と、
前記ロックバー540を前記規制解除位置で保持するディテント機構560(解除位置保持機構)と、
前記サム530が前記解除位置へ移動するのに伴って前記ディテント機構560による前記ロックバー540の保持を解除する解除アーム570(解除機構)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、車体1への着脱作業の容易化を図ることができる。具体的には、ロックバー540が規制解除位置で保持された状態で、サム530が解除位置へと移動すると、当該サム530の移動に伴ってロックバー540の保持を解除することができる。これによって、ロックバー540が再び規制位置へ向かって移動可能となるため、ロックバー540によるサム530の規制を速やかに行うことができる。
【0121】
また、前記サム530は、
前記解除位置において、前記ロックバー540が前記規制解除位置から前記規制方向へ移動するのを規制するものである。
このように構成することにより、サム530が解除位置にある状態では、ロックバー540がサム530の移動を規制する必要はないため、当該ロックバー540が規制方向へと移動するのを防止することができる。また、当該ロックバー540の移動を防止するための機構を、サム530で兼用することができ、部品点数の削減を図ることができる。
【0122】
また、前記サム530は、
前記サブフレーム510に、前記係合位置と前記解除位置との間で揺動可能に支持されるように形成されているものである。
このように構成することにより、簡易な構造で、サム530をメインフレーム100と係合することができると共に、サム530とメインフレーム100との係合を解除することができる。
【0123】
また、前記ロックバー540は、
前記サブフレーム510に、前記規制位置と前記規制解除位置との間で揺動可能に支持されるように形成されているものである。
このように構成することにより、簡易な構造で、サム530が係合位置から解除方向へ移動するのを規制することができると共に、サム530の移動の規制を解除することができる。
【0124】
また、前記サム530は、
前記サブフレーム510に、前記係合位置と前記解除位置との間で揺動可能に支持されるように形成されており、
前記ロックバー540は、
前記サブフレーム510に、前記規制位置と前記規制解除位置との間で揺動可能に支持されるように形成されており、
前記サム530の揺動軸531は、
前記ロックバー540の揺動軸541と平行となるように設けられ、
前記ロックバー540が、前記規制位置において前記サム530と当接する部分(ロックバー側第一当接面542)は、
前記ロックバー540の揺動軸線方向視において、前記ロックバー540の揺動軸541を中心とする円弧状に形成されており、
前記サム530が、前記規制位置にある前記ロックバー540と当接する部分(サム側第一当接面533)は、
前記サム530の揺動軸線方向視において、直線状に形成されているものである。
このように構成することにより、ロックバー540がサム530の揺動を規制しているときに、サム530から受ける押圧力によってロックバー540が揺動してしまうのを防止することができる。
【0125】
また、前記サム530は、
前記サブフレーム510に、前記係合位置と前記解除位置との間で揺動可能に支持されるように形成されており、
前記ロックバー540は、
前記サブフレーム510に、前記規制位置と前記規制解除位置との間で揺動可能に支持されるように形成されており、
前記サム530の揺動軸531は、
前記ロックバー540の揺動軸541と平行となるように設けられ、
前記サム530が、前記解除位置において前記ロックバー540と当接する部分(サム側第二当接面534)は、
前記サム530の揺動軸線方向視において、前記サム530の揺動軸531を中心とする円弧状に形成されており、
前記ロックバー540が、前記解除位置にある前記サム530と当接する部分は、
前記ロックバー540の揺動軸線方向視において、直線状に形成されているものである。
このように構成することにより、サム530がロックバー540の揺動を規制しているときに、ロックバー540から受ける押圧力によってサム530が揺動してしまうのを防止することができる。
【0126】
また、前記ディテント機構560は、
前記ロックバー540の外周部と当接するように付勢され、前記ロックバー540の外周部と当接することにより当該ロックバー540の移動を規制するディテントピン561(当接部)を具備し、
前記解除アーム570は、
前記サム530が前記解除位置へ移動するのに伴って前記ディテントピン561を前記ロックバー540の外周部から離間するように押圧するものである。
このように構成することにより、ディテント機構560及び解除アーム570を簡素な構造とすることができる。
【0127】
前記サム530は、
前記メインフレーム100が前記サブフレーム510に対して近接するように相対移動すると、前記メインフレーム100によって押圧されて前記解除位置から前記係合位置へ向けて移動するように形成されているものである。
このように構成することにより、車体1(メインフレーム100)から取り外したサブフレーム510に車体1を近接させることで、容易にサム530をメインフレーム100に係合させることができる。
【0128】
また、本実施形態に係るフロントローダ20の着脱構造は、
前記サム530及び前記ロックバー540に連結され、前記サム530を前記解除方向に付勢すると共に、前記ロックバー540を前記規制方向に付勢するばね550(付勢部材)をさらに具備するものである。
このように構成することにより、サム530及びロックバー540を付勢するための部材を共用化することで、部品点数の削減を図ることができる。
【0129】
また、本実施形態に係るフロントローダ20の着脱構造は、
前記ロックバー540を移動させるための操作レバー582(操作具)を具備するものである。
このように構成することにより、操作レバー582を用いてロックバー540を容易に移動させることができる。
【0130】
また、本実施形態に係るフロントローダ20は、上述の着脱構造を具備するものである。
このように構成することにより、車体1への着脱作業の容易化を図ることができるフロントローダ20を提供することができる。
【0131】
また、本実施形態に係るトラクタ(作業車)は、上述のフロントローダ20を備えるものである。
このように構成することにより、フロントローダ20の車体1への着脱作業の容易化を図ることができるトラクタを提供することができる。
【0132】
なお、本実施形態に係るサム530は、本発明に係る係合部材の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るロックバー540は、本発明に係る規制部材の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るディテント機構560は、本発明に係る解除位置保持機構の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る解除アーム570は、本発明に係る解除機構の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るディテントピン561は、本発明に係る当接部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るばね550は、本発明に係る付勢部材の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る操作レバー582は、本発明に係る操作具の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るトラクタは、本発明に係る作業車の実施の一形態である。
【0133】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0134】
例えば、本実施形態においては、サム530は、メインフレーム側ピン131との係合及び当該係合の解除を、揺動により行うものとしたが、サム530の移動の態様は揺動に限定されるものではなく、例えばサブフレーム510に対してスライドすることにより行うものであってもよい。
【0135】
また、本実施形態においては、ロックバー540は、サム530の揺動の規制及び当該規制の解除を、揺動により行うものとしたが、ロックバー540の移動の態様は揺動に限定されるものではなく、例えばサブフレーム510に対してスライドすることにより行うものであってもよい。
【0136】
また、本実施形態においては、2つのガイド板520の内側(間)にサム530が設けられる構造としたが、これに限定されるものではなく、例えばガイド板520が1つであってもよく、ガイド板520の外側にサム530が設けられるものであってもよい。但し、メインフレーム100に対するサブフレームユニット500の支持の安定性等の点において、本実施形態のように、左右一対のサブフレーム510にそれぞれ設けられたガイド板520の内側(間)にサム530が設けられる構造が好ましい。
【0137】
また、本実施形態においては、メインフレーム側ピン131及びサブフレーム側ピン511は互いに異なる部材(メインフレーム100及びサブフレーム510)に設けられるものとしたが、同一の部材に設けられるものであってもよい。サブフレーム側フック522及びメインフレーム側フック132もまた、同一の部材に設けられるものであってもよい。例えば、ピン(メインフレーム側ピン131及びサブフレーム側ピン511)を共にメインフレーム100側に設けて、フック(サブフレーム側フック522及びメインフレーム側フック132)を共にサブフレーム510側に設けてもよい。