特許第6807298号(P6807298)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807298
(24)【登録日】2020年12月9日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
   A63F7/02 326Z
【請求項の数】1
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-218310(P2017-218310)
(22)【出願日】2017年11月13日
(65)【公開番号】特開2019-88389(P2019-88389A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2018年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100104514
【弁理士】
【氏名又は名称】森 泰比古
(72)【発明者】
【氏名】岡田 淳
【審査官】 渡辺 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−012560(JP,A)
【文献】 特開2012−125731(JP,A)
【文献】 特開2011−152214(JP,A)
【文献】 特開2013−048709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
B06B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄の変動表示が可能であって所定の抽選に当選したことを契機に特典が得られる様に構成されると共に、演出制御手段からの指令に応じて各種演出を実行する演出手段を備え、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする遊技機。
(1A)遊技者による操作が可能な操作手段に振動発生手段を備えさせ、前記演出制御手段は、前記演出手段による演出を実行させる際に、前記振動発生手段を作動させる指令をも出力し得る様に構成されていること。
(1B)前記振動発生手段は、それ自身が共振することによって前記操作手段に振動を発生させる振動体を備えていること。
(1C)前記振動体は、コイルと磁石とを備え、前記コイルに対して第1の周波数の通電が行われたときに第1の方向へと振動可能であると共に、前記コイルに対して第2の周波数の通電が行われたときに第2の方向へと振動可能である様に、第1の支持手段と第2の支持手段とによって筐体内において異なる方向から支持されていること。
(1D)前記第1の支持手段を前記コイルに対して第1の周波数の通電が行われたときに共振を生じる第1の固有振動数を有する支持部材によって構成し、前記第2の支持手段を前記コイルに対して第2の周波数の通電が行われたときに共振を生じる第2の固有振動数を有する支持部材によって構成したこと。
(1E)前記演出制御手段は、前記振動発生手段に対して、前記コイルに対して前記第1の周波数による通電を実行させる第1の指令、前記コイルに対して前記第2の周波数による通電を実行させる第2の指令、及び、前記コイルに対して前記第1の周波数と前記第2の周波数を途中で変化させるパターンの通電を実行させ第3の指令、の内のいずれかを選択して出力し得る様に構成されていること
1F)前記振動体は、前記筐体内において、前記第1,第2の支持手段により、一方の支持手段については両側から、他方の支持手段については片側から支持されていること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、スロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、演出ボタンに振動機能を持たせたものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−075331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の遊技機では、演出ボタンを操作する遊技者に振動の有無を体感させるだけであり、興趣の向上につながり難かった。
【0005】
本発明は、振動演出による興趣の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の遊技機は、図柄の変動表示が可能であって所定の抽選に当選したことを契機に特典が得られる様に構成されると共に、演出制御手段からの指令に応じて各種演出を実行する演出手段を備え、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(1A)遊技者による操作が可能な操作手段に振動発生手段を備えさせ、前記演出制御手段は、前記演出手段による演出を実行させる際に、前記振動発生手段を作動させる指令をも出力し得る様に構成されていること。
(1B)前記振動発生手段は、それ自身が共振することによって前記操作手段に振動を発生させる振動体を備えていること。
(1C)前記振動体は、コイルと磁石とを備え、前記コイルに対して第1の周波数の通電が行われたときに第1の方向へと振動可能であると共に、前記コイルに対して第2の周波数の通電が行われたときに第2の方向へと振動可能である様に、第1の支持手段と第2の支持手段とによって筐体内において異なる方向から支持されていること。
(1D)前記第1の支持手段を前記コイルに対して第1の周波数の通電が行われたときに共振を生じる第1の固有振動数を有する支持部材によって構成し、前記第2の支持手段を前記コイルに対して第2の周波数の通電が行われたときに共振を生じる第2の固有振動数を有する支持部材によって構成したこと。
(1E)前記演出制御手段は、前記振動発生手段に対して、前記コイルに対して前記第1の周波数による通電を実行させる第1の指令、前記コイルに対して前記第2の周波数による通電を実行させる第2の指令、及び、前記コイルに対して前記第1の周波数と前記第2の周波数を途中で変化させるパターンの通電を実行させ第3の指令、の内のいずれかを選択して出力し得る様に構成されていること
1F)前記振動体は、前記筐体内において、前記第1,第2の支持手段により、一方の支持手段については両側から、他方の支持手段については片側から支持されていること。
【0007】
本発明の遊技機によれば、演出制御手段は、各種演出を実行する際に、振動発生手段を作動させて操作手段に振動を生じさせる演出を伴わせることができる。この際、振動発生手段は、それ自身が共振する振動体を備えているから、操作手段に対して共振による明確な振動を生じさせることができる。そして、振動体は複数の共振点を有しているから、操作手段には、共振点の異なる振動を生じさせることが可能となり、振動の有無だけでなく、振動数が異なる振動を遊技者に体感させることができる。これにより、振動による興趣の向上を図ることができる。
【0009】
本発明の遊技機によれば、操作手段に対して、共振点が異なる振動を生じさせたり、共振点を重ね合わせた複雑な振動を生じさせることができる。この結果、遊技者に、振動数が異なる振動だけでなく、複数の振動数が重なり合った複雑な振動を体感させ、より一層の興趣向上が可能となる。
【0011】
本発明の遊技機によれば、振動数だけでなく、振動方向をも異ならせた振動を操作手段に生じさせることができる。この結果、遊技者は、振動数と振動方向の異なる振動を体感することとなり、一層の興趣向上を図ることができる。
【0013】
本発明の遊技機によれば、コイルに対して第1の周波数の通電を実行すると第1の支持手段が共振を起こし、コイルに対して第2の周波数の通電を実行すると第2の支持手段が共振を起こす。また、コイルに対して第1の周波数の通電と、第2の周波数の通電とを時間差をあけて実行するなら、第1の支持手段による共振と第2の支持手段による共振とが時間差をあけて生じる。さらに、コイルに対して第1の周波数と第2の周波数とを混在させた通電を実行するなら、第1の支持手段による共振と第2の支持手段による共振とが重なり合う様にして生じる。この結果、操作手段に対して種々の態様の振動を生じさせることができ、振動を体感することによる遊技者の興趣を一層高めることができる。
【0015】
本発明の遊技機によれば、振動体は、コイルに対して第1の周波数の通電が行われたときに第1の方向へと共振し、コイルに対して第2の周波数の通電が行われたときに第2の方向へと共振する。これにより、振動数だけでなく振動の方向が異なる共振現象を遊技者に操作手段を介して体感させることができ、一層の興趣向上が可能となる。
【0016】
本発明の遊技機は、さらに、以下の構成をも備えたものとすることができる。
(6)前記演出制御手段は、前記抽選の結果に基づく前記特典の取得に関する信頼度を反映させた振動態様で前記振動発生手段による振動を生じさせる様に、振動による信頼度対応演出をも実行する手段として構成されていること。
【0017】
かかる構成をも備えた遊技機によれば、操作手段の振動によって遊技者に特典(例えば、パチンコ機における大当たりやスロットマシンにおけるボーナス状態)の取得に関する信頼度を体感させる演出において、単なる振動の有無ではなく、共振による明確な振動、異なる振動数、異なる振動方向、複雑な振動の重なり合い、等を信頼度と対応付けた信頼度対応演出を振動によって実行することができ、遊技者の興趣を一層向上させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、振動演出による興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1のパチンコ機を示し、(A)は正面図、(B)は右側面図である。
図2】実施例1のパチンコ機が備える振動発生装置を示し、(A)は全体の構成を表す模式的構成図、(B)は入力信号,振動方向,振動波形と共に振動体を示す斜視図、(C)は複数の共振点を例示するグラフ、(D)は複数の共振点を重ね合わせた振動波形の生成例を示す説明図である。
図3】実施例1のパチンコ機の制御装置の全体の構成を示すブロック図である。
図4】実施例1のパチンコ機の制御装置の演出に係る構成を示すブロック図である。
図5】実施例1のパチンコ機の制御基板の構成を示し、(A)は主制御基板の構成を示す模式図、(B)は演出制御基板の構成を示す模式図である。
図6】実施例1のパチンコ機の主制御基板における記憶部の構成を示し、(A)は特図保留記憶部の構成を示す模式図、(B)は変動パターンテーブル記憶部の構成を示す模式図である。
図7】実施例1のパチンコ機の演出制御基板の記憶部を示し、(A)は演出データ記憶手段の構成を示す模式図、(B)は変動ゲーム中演出データの構成を示す模式図である。
図8】実施例1のパチンコ機における特図開始処理を説明する図であって、(A)は制御系統のブロック図、(B)は演算処理のフローチャートである。
図9】実施例1のパチンコ機における変動演出処理を説明する図であって、(A)は制御系統のブロック図、(B)は演算処理のフローチャートである。
図10】実施例1のパチンコ機における振動演出制御を説明する図であって、(A)は制御系統のブロック図、(B)は演出制御基板が実行する振動体制御信号出力処理Aのフローチャート、(C)は演出制御基板が実行する振動体制御信号出力処理Bのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態として、具体的な実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機Pは、図1(A),(B)に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤C、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F及び発射装置Gを備えている。外枠Aはパチンコ機Pの外郭を構成する縦長方形の枠である。中枠Bは、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の枠であって、外枠Aの前面側に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられる。遊技盤Cは、中枠Bの開口部に取り付けられる。前枠Dは、施錠装置Hの操作によって、左端のヒンジを中心に開閉可能となる様に、中枠Bの前面側に組み付けられる。なお、前枠Dは、全体が中枠Bに対して開閉可能なもの、前枠上部と前枠下部とから構成され、前枠上部だけを独立して開閉する状態と、前枠上部及び前枠下部を共に開閉する状態とを施錠装置Hに対する鍵の操作で切り換える構成等とすることができる。上の球受け皿Eは、貸し球や賞球の受け皿で、下の球受け皿Fは、上の球受け皿Eが一杯になったときに排出される遊技球や打ち損じの遊技球等を受ける受け皿である。発射装置Gは、上の球受け皿Eから発射レールに送り込まれた遊技球をハンドル操作に対応する強さで打ち出すための装置である。
【0022】
また、前枠の上部にはスピーカーSP,SPが備えられている。また、遊技盤Cの中央部には液晶表示装置LCDを備え、液晶表示装置LCDの前面へ出没する落下可動体KDdwn、振り子可動体KDswingが備えられると共に、遊技盤Cや前枠Dの各所にLEDを用いた発光装置も備えられている。これら液晶表示装置LCD等を用いて、表示演出、音声演出、発光演出、可動体演出を実行可能となっている。
【0023】
遊技盤Cは、図1(A)に示す様に、多数の遊技釘11や風車12が植設された遊技領域10の中央にセンター役物5が取り付けられ、センター役物5の中央直下に始動入賞装置7が備えられる。また、この始動入賞装置7の右斜め下方に大入賞口15が設置され、センター役物5の右側には大入賞口15の開放時に右側から遊技球を入賞させるための右打ち通路35が備えられた構成となっている。遊技盤Cには、この他、誘導レール17、普通入賞口18a,18b、アウト口19等も設置されている。
【0024】
センター役物5は、大型装飾体31、ステージ32、ワープ通路33を備えるリング状を呈し、左上部分には障害釘に代わる障害ブロック34が設けられている。右打ち通路35の下方の右側遊技領域20には、多数の遊技釘11が植設されると共に、普通図柄抽選の契機を与えるゲート37、第2始動入賞装置27も設置されている。この第2始動入賞装置27は、ゲート37を遊技球が通過したことを契機に実行される普通図柄抽選結果に基づいて開閉動作される電動式チューリップを供えている。
【0025】
遊技盤Cの裏面には、図1(B)に示す様に、液晶表示装置LCDを保持させる裏ユニットC2が取り付けられる。液晶表示装置LCDの表示内容は、遊技盤Cの中央部に設けられた開口窓C3を介して遊技者に視認させる。また、落下可動体KDdwn、振り子可動体KDswingは、遊技盤Cと裏ユニットC2との間に形成される空間部C4内において、液晶表示装置LCDの前面への出没動作を実行する様に、裏ユニットC2の前面に取り付けられている。
【0026】
本実施例のパチンコ機P1は、図1(A),(B)に示す様に、遊技者による操作が可能なプッシュボタンPBと、操作レバーLVとを備えている。これらプッシュボタンPB及び操作レバーLVは、それぞれ振動発生装置PBVR,LVVRによって振動し得る様に構成されている。
【0027】
[2 振動演出装置の概要]
振動発生装置PBVR,LVVRは、図2(A)に示す様に、振動体VR1を、第1の支持部材VR2,VR2と、第2の支持部材VR3とにより、筐体VR4内において2方向に振動可能な状態で支持した構造を有する。
【0028】
振動体VR1は、図2(B)に示す様に、収納容器VR11内に、コイルVR12と、磁石VR13,VR14とを備えている。第1の支持部材VR2,VR2は、コイルVR12に対して第1の周波数f1の通電が行われたときに共振を生じる第1の固有振動数を有し、第2の支持部材VR3は、コイルVR12に対して第2の周波数f2の通電が行われたときに共振を生じる第2の固有振動数を有する。
【0029】
振動発生装置PBVR,LVVRは、コイルVR12に対して第1の周波数f1の通電を行うことにより、第1の支持部材VR2,VR2の共振状態を発生させ、振動体VR1にB方向振動波形に示す様なB方向の振動を生じさせる。同じく、振動発生装置PBVR,LVVRは、コイルVR12に対して第2の周波数f2の通電を行うことにより、第2の支持部材VR3の共振状態を発生させ、振動体VR1にA方向振動波形に示す様なA方向の振動を生じさせる。
【0030】
この結果、振動発生装置PBVR,LVVRは、図2(C)に示す様に、振周波数f1,f2の2つの共振点を有するものとなっている。また、共振現象を利用した振動であることから、小さな電力を短時間加えるだけであっても振動力はそれなりに大きくなる。さらに、図2(D)に示す様に、第1の周波数f1と第2の周波数f2とを組み合わせた通電を行うことにより、混合振動波形を生じさせることもできる。これも共振を利用して短時間の通電によって2つの共振点に対応する振動を発生し得ることによる。そして、図2(C)に示す様に、振動を感じさせる触感範囲を広くとることができる。
【0031】
[3 制御装置]
[3.1 制御装置全体]
次に、本実施例のパチンコ機Pのゲーム性等について説明する。まず、制御系統について図3に基づいて説明する。CPU,ROM,RAM,クロック等を備えた主制御基板310に対して、始動入賞装置7に備えられている特図1スイッチSW1、第2始動入賞装置27に備えられている特図2スイッチSW2、ゲート37に備えられている普図スイッチSW3、大入賞口15に備えられた入賞検知スイッチSW7、普通入賞装置18a,18bに備えられた入賞検知スイッチSW11,SW12からの検知信号、及び裏ユニットC2の所定位置に設けられた球排出通路に備えられた排出球検知スイッチSW41〜43からの検知信号が入力される様になっている。
【0032】
また、主制御基板310からは、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器TKZ、大入賞口15の開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置27の普通電動役物開閉用ソレノイドSOL27へとコマンドが出力される様になっている。インタフェース基板350は、払出制御基板330との間でコマンドのやり取りを行う構成となっている。なお、電源基板360は、電源中継基板380を介して主制御基板310への電源供給を行う構成となっている。そして、演出制御基板320は、表示制御基板370へとコマンドを出力する構成となっている。また、貸し玉ボタンQ、カード取り出しボタンRからの押下信号は、球貸し操作基板390へと入力され、この球貸し操作基板390からインタフェース基板350を経由して払出制御基板330へと入力される構成となっている。インタフェース基板350はまた、カードユニット500との間でもコマンドをやり取りする構成となっている。また、払出制御基板330を介してホールコンピュータ400へと賞球払出数等のホール管理用のデータやエラー報知等も行うことができる様に構成されている。
【0033】
演出制御基板320は、主制御基板310からの指令信号に基づいて、表示制御基板370へと表示演出のための指令信号を出力する。また、演出制御基板320は、主制御基板310からの指令信号に基づいて、音声演出、発光演出、可動体演出を実行させるための指令信号を信号中継基板410へと出力する。信号中継基板410は、演出制御基板320からの指令信号を発光演出を実行するためのランプ制御基板420、音声演出を実行するための音声制御基板430、及び可動体演出を実行するためのモータ制御IC510、ソレノイド制御IC520へと出力する。可動体は、遊技盤Cと裏ユニットC2との間の空間C4において、液晶表示装置LCDの前面側で出没動作や回動動作等を実行する様に設置される。
【0034】
演出制御基板320には、プッシュボタンPBの押下信号を出力するスイッチSWPB、操作レバーLVの操作信号を出力するスイッチSWLVからの信号が入力される様に接続されている。また、演出制御基板320は、振動発生装置PBVR,LVVRに振動を発生させるための振動体制御基板100へと信号を出力できる様に接続されている。
【0035】
[3.2 演出に係る制御装置の概要]
図4に示す様に、主制御基板310は、特図スイッチSW1,SW2からの始動入賞検知信号が入力されると、所定の抽選処理を実行して変動パターンを決定したら、特図表示器TKZを制御して特図変動表示を実行する。このとき、主制御基板310は、特図変動表示の開始タイミングに合わせて表示演出等を開始させ、特図変動表示の確定タイミングに合わせて表示演出を確定させるため、変動パターン及び変動指令信号を演出制御基板320に対して出力する。
【0036】
主制御基板310から変動指令を入力された演出制御基板320は、表示演出指令信号を表示制御基板370に対して出力する。この表示演出指令信号は、表示制御基板370によって実行される液晶表示装置LCDにおける飾り図柄変動表示の開始タイミング及び確定タイミングを、特図表示器TKZにおける特図変動表示の開始タイミング及び確定タイミングと同期させる様に、主制御基板310からの変動指令信号に同期した信号として出力される。
【0037】
主制御基板310から変動指令を入力された演出制御基板320はまた、音演出指令信号、光演出指令信号、及び可動体演出指令信号を信号中継基板410に対して出力する。可動体演出指令信号は、信号中継基板410からモータ制御IC、ソレノイド制御ICへと入力され、可動体を動作させる可動体演出を実行させる。
【0038】
光演出指令信号は、信号中継基板410からランプ制御基板420へと出力される。ランプ制御基板420は、この光演出指令信号に対応するLED基板に発光・点滅等を実行させるための制御電流を出力する。この制御電流は、対応するLED基板へと入力され、光演出が実行される。
【0039】
音演出指令信号は、信号中継基板410から音声制御基板430へと出力される。音声制御基板430は、この音演出指令信号に対応する音声出力を実行させるための制御電流を出力する。この制御電流は、スピーカSPへと入力され、音演出が実行される。
【0040】
演出制御基板320は、さらに、振動体制御基板100に対して振動演出指令信号を出力することにより、プッシュボタンPBや操作レバーLVを振動させる振動演出も実行している。振動制御基板100は、この指令に基づいて、図2(B),(D)に示した様な「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、「混合振動波形」に対応する共振状態を振動体VR1に生じさせるためのパルス信号を出力するためのパルス信号発生回路110を備えている。
【0041】
[4 制御基板の構成]
主制御基板310は、図5(A)に示す様に、主制御用CPU310a、主制御用ROM310b、及び主制御用RAM310cを組み込んだワンチップマイコンと、入出力回路310dと、その他図示省略した水晶発振回路等を備えている。入出力回路310dは、電源中継基板380を介して電源を入力すると共に、特図スイッチSW1,SW2、普図スイッチSW3、大入賞口の入賞検知スイッチSW7,普通入賞口の入賞検知スイッチSW11,12、球排出球検知スイッチSW41〜43からの信号を主制御CPU310aに対して信号を入力し、演出制御基板320、払出制御基板330、発射制御基板340、特図表示器TKZ、大入賞口開閉用ソレノイドSOL7、第2始動入賞装置開閉用ソレノイドSOL27に対して、主制御CPU310aから信号を出力する様に、ワンチップマイコンに接続されている。なお、主制御基板310は、払出制御基板330、発射制御基板340との間では、信号入力もなされる様に接続されている。主制御用CPU310aは、前述の各種スイッチからの入力を受けて主制御用ROM310b及び主制御用RAM310cとの間で情報をやり取りしながら、賞球払出、特別図柄抽選等のパチンコ機の中枢となる各種の処理を実行する。
【0042】
このため、主制御用ROM310bには、主制御用CPU310aが遊技に関する処理を実行するためのプログラムを記憶するプログラム記憶部310e、このプログラムに基づいた演算処理の際に用いる「当たり判定値」などのデータ等を記憶するデータ等記憶部310fが備えられている。主制御用ROM310bには、さらに、特別図柄抽選によって選択され得る複数種類の変動パターンを記憶した変動パターン記憶部310gも備えられている。変動パターンは、特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の遊技演出(表示演出等)のベースとなるパターンを示すものである。本実施例における変動パターンは、特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄が確定停止表示されるまでの変動時間(演出時間)、及び当該変動時間中の飾り図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)を特定できるものとなっている。
【0043】
また、主制御用RAM310cには、主制御用CPU310aが各種処理を実行する際のワークメモリとなる一時記憶部310hと共に、特に、特別図柄抽選の結果、普通図柄抽選の結果を所定個数を限度として保留記憶しておく保留記憶部310iが備えられている。
【0044】
演出制御基板320は、図5(B)に示す様に、演出制御用CPU320a、演出制御用ROM320b、及び演出制御用RAM320cを組み込んだワンチップマイコンと、入出力回路320dと、その他図示省略した水晶発振回路等を備えている。入出力回路320dは、主制御基板310、プッシュボタンスイッチSWPB、操作レバースイッチSWLVから演出制御CPU320aに対して信号を入力し、振動体制御基板100、表示制御基板370、信号中継基板410に対して信号を出力する様に、ワンチップマイコンに接続されている。演出制御CPU320aは、主制御基板310から入力される信号に基づいて、遊技演出を実行するための処理を行う。また、プッシュボタンスイッチSWPB、操作レバースイッチSWLVからの入力信号に基づいて、遊技演出に変化を与える処理を行う。さらに、振動体制御基板100に接続された振動発生装置PBVR,LVVRを用いた振動発生演出等を必要に応じて実行する処理も行う様に構成されている。
【0045】
このため、演出制御用ROM320bには、演出制御用CPU320aが遊技演出に関する処理を実行するためのプログラムを記憶するプログラム記憶部320e、このプログラムを用いた演算処理において用いる「演出内容選択のための判定値」などのデータ等を記憶するデータ等記憶部320fが備えられている。主制御用ROM320bには、さらに、主制御基板310から入力された変動パターンに対応して選択される各種演出のための複数種類の演出データを記憶した演出データ記憶部320gも備えられている。また、演出制御用RAM320cには、演出制御用CPU320aが各種処理を実行する際のワークメモリとなる一時記憶部320hと共に、特に、特別図柄抽選の結果を先読みによって記憶しておく先読み記憶部320iが備えられている。
【0046】
本実施例においては、払出制御基板330、発射制御基板340、演出表示制御基板370、信号中継基板410、ランプ制御基板420、音声制御基板430、MT制御IC510、ソレノイド制御IC520等も、主制御基板310や演出制御基板320と同様にワンチップマイコンで構成する。振動体制御基板100にも、振動発生装置PBVR,LVVRの一方又は両方に、「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、及び「混合振動波形」のいずれかの共振状態による振動を発生させるためのワンチップマイコンが備わっている。
【0047】
本実施例のパチンコ機P1では、主制御基板310において、主制御用CPU310aが、入出力回路310dを介して信号が入力されることを契機として、主制御用ROM310bに予め記憶しておいたプログラムやデータ等を用いて、主制御用RAM310cに一時記憶や保留記憶を行い、入出力回路310dを介して演出制御基板320等に対して信号を出力する処理を実行する。
【0048】
本実施例のパチンコ機P1では、演出制御基板320において、演出制御用CPU320aが、入出力回路320dを介して信号が入力されることを契機として、演出制御用ROM320bに予め記憶しておいたプログラムやデータ等を用いて、演出制御用RAM320cに一時記憶や保留記憶を行い、入出力回路320dを介して、演出表示制御基板370や信号中継基板410に対して信号を出力する処理を実行することにより、表示演出、音声演出、発光演出、及び可動体演出を統括的に制御する役割を担い、表示制御基板370、信号中継基板410、ランプ制御基板420、音声制御基板430、モータ制御IC510、及びソレノイド制御IC520が、具体的な演出を実行する関係にある。さらに、本実施例では、演出制御基板320は、上述の様な表示・音声・発光・可動体の各演出に加えて、振動体制御基板100に接続された振動発生装置PBVR,LVVRを用いて、プッシュボタンPB、操作レバーLVによる振動演出をも実行する。本発明との関係においては、演出制御基板320だけではなく、表示制御基板370、信号中継基板410、ランプ制御基板420、音声制御基板430、モータ制御IC510、及びソレノイド制御IC520に加えて、振動体制御基板100も、演出制御手段に相当し、液晶表示装置LCD、スピーカSP、LED基板、モータMT、ソレノイドSOL、及び振動発生装置PBVR,LVVRが各種演出を実行する演出手段に相当する。
【0049】
[5 主制御基板の記憶部(特別図柄抽選)]
主制御基板310は、図6(A)に示す様に、特図1用スイッチSW1からの検知信号の入力を契機として取得した特図1判定用乱数に対応する情報(乱数値そのもの、乱数値に対応するフラグ情報やコード情報など)を最大4個、特図2用スイッチSW2の検知信号入力を契機として取得した特図2判定用乱数に対応する情報(乱数値そのもの、乱数値に対応するフラグ情報やコード情報など)を最大4個、それぞれ保留記憶しておくために、主制御用RAMの保留記憶部310i内の所定の記憶領域に、特図1保留記憶部311、及び特図2保留記憶部312を備えている。これら特図1保留記憶部311,特図2保留記憶部312には、それぞれ乱数取得順に従って始動保留情報が記憶される。
【0050】
図1判定用乱数及び特図2判定用乱数は、それぞれ、「大当たり判定用乱数(乱数1)」、「特図振分判定用乱数(乱数2)」、「演出実行判定用乱数(乱数3)」、及び「変動パターン振分判定用乱数(乱数4)」から構成される。大当たり判定用乱数(乱数1)は、大当たりかはずれかを決定するための乱数である。特図振分判定用乱数(乱数2)は、特別遊技のラウンド数など、大当たり種別を振り分けるための乱数である。演出実行判定用乱数(乱数3)は、リーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。リーチ演出は、「当たり」の場合だけでなく、「はずれ」においても所定の割合で実行する構成となっている。変動パターン振分判定用乱数(乱数4)は、変動パターンを振り分けるための乱数である。
【0051】
乱数1と比較する「大当たり判定値」は、主制御基板310のROMに記憶されている。本実施例においては、大当り判定値は、非確変(低確率)の状態と、確変(高確率)の状態とで、異なる確率となる様に設定されている。この大当たり確率は、特図1,特図2に対して共通である。
【0052】
乱数1で「大当たり」となった場合、乱数2による大当たり種別振り分けにより、特別遊技中の大入賞口開放ラウンド数が「2ラウンド(2R)」、「7ラウンド(7R)」、「15ラウンド(15R)」等に振り分けられる。
【0053】
この他、乱数2による振り分けでは、「大当たり」のラウンド数が15回であっても、(1)30秒間に渡って大入賞口15を開放する「長時間開放動作」を1ラウンドとして15回実行する特別遊技の態様、(2)途中のラウンド(例えば、7ラウンド)までを「長時間開放動作」のラウンドで構成し、残りラウンドは大入賞口15を短時間(例えば、数秒あるいは1秒以下)だけ開閉する「短時間開放動作」で構成した特別遊技の態様、(3)15ラウンドの全てを上述の「短時間開放動作」で構成した特別遊技の態様、のいずれかへと振り分ける構成とすることもできる。
【0054】
あるいは、規定回数の確変を付与する「STタイプ」としたり、全ての当たり図柄に確変を付与する一方で転落条件に当選した場合に「高確率」から「低確率(通常確率)」へと切り替わる「転落抽選タイプ」とすることもできる。この種の特別遊技において、さらに、特別遊技終了後の「時短ゲーム」における普通電動役物のサポート回数を20回、40回、60回、80回、100回と複数種類設定し、これらの中のいずれかへ振り分けるための「当たり種別判定」を行う構成にすることもできる。
【0055】
この様な乱数2によって振り分けられ得る大当たり種別(時短回数を含む)は、特図1と特図2とで異なる設定とすることができ、さらに、どの種類の大当たりへ振り分けられるかを定める「当たり種別の振り分け確率」を、特図1と特図2とで異ならせておくこともできる。
【0056】
本実施例においては、乱数1について、特図2で「大当たり」となった場合の方が、特図1で「大当たり」となった場合よりも、確変突入確率、時短の付与回数、ラウンド中の開放態様などがより有利となる様に振り分け確率が乱数2について設定されている。なお、乱数2は、乱数1が「はずれ」の場合には、実質的には意味のないものとなる。
【0057】
乱数3は、乱数1が「はずれ」の場合に、後述の特図開始処理において「はずれリーチ」の有無を決定するのに用いられる。乱数1が「当たり」の場合は、リーチ演出が実行されることとなっているので、この乱数3は、実質的には意味のないものとなる。
【0058】
乱数4によって振り分けられる「変動パターン」は、「変動時間の長さ」を決定するものとなる。本実施例においては、この変動パターンを決定するための変動パターンテーブルとして、図6(B)に示す様に、通常遊技状態用の変動パターンテーブル313aと、時短状態(確変状態を含む)用の変動パターンテーブル313bが、主制用ROMの変動パターン記憶部310g内の所定の記憶領域に予め記憶されている。なお、図6(A)においては、乱数1〜乱数4をそれぞれ記憶している様に記載しているが、乱数1〜乱数4によって定まる特別図柄抽選の結果を表すフラグ情報やコード情報が記憶されるものであっても構わない。
【0059】
[6 演出制御基板の記憶部(演出データ)]
演出制御基板320には、音声演出、表示演出、発光演出、及び可動体演出のための演出データが、演出用制御ROMの演出データ記憶部320gの所定領域に予め記憶されている。この演出データ記憶部320gには、図7(A)に示す様に、演出データとして、特別図柄変動ゲーム中に実行する変動ゲーム中演出データDH、大当たり遊技中に実行する大当たり中演出データDVと、デモ中に実行するデモ中演出データDMとが記憶されている。また、特図変動ゲームにおいて実行される変動パターンに応じた飾り図柄変動ゲームを表示するための飾り図柄変動演出データDKZも記憶されている。
【0060】
変動ゲーム中演出データDHnは、図7(B)に示す様に、背景表示用データ(DHn1)、キャラクタ表示用データ(DHn2)、発光演出用データ(DHn3)、音声演出用データ(DHn4)、可動体演出用データ(DHn5)、及び振動演出用データ(DHn6)の組み合わせとなっている。なお、変動ゲーム中演出データDHnにおいてDHn1〜DHn6の内、例えば、振動演出を行わない場合はDHn6がブランクデータとなる。
【0061】
大当たり中演出データDVは、大当たり種別に応じてDV1,DV2,…が備えられている。同様に、デモ中演出データDMは、デモ1用(DM1)、デモ2用(DM2)、…と複数パターンを備えている。
【0062】
飾り図柄変動演出データDKZは、ノーマルはずれ、ノーマル当たり、リーチはずれ、リーチ当たり、スーパーリーチはずれ、スーパーリーチ当たりなど、主制御基板310による抽選の結果に基づいて指令される変動パターンに対応したデータとして記憶されている。このため、本実施例においては、主制御基板310の通常状態用変動パターンテーブル313aに対応する飾り図柄変動時間となる通常状態用飾り図柄変動演出データDKZaと、主制御基板310の時短状態用変動パターンテーブル313bに対応する飾り図柄変動時間となる時短状態用飾り図柄変動演出データDKZbとが、演出制御基板320の演出データ記憶部320gに記憶されている。
【0063】
表示制御基板370は、演出制御基板320から指令される背景表示用データDHn1に従って液晶表示装置LCDに表示した背景画像に対して重ね合わせる様にして、変動パターンに対応する飾り図柄変動演出データDKZを表示する。また、この表示演出においては、キャラクタ表示データDHn2が存在する場合はキャラクタ画像を重ねて表示する演出も実行される。
【0064】
ここで、本実施例においては、変動ゲーム中演出データDHは、変動パターンに対して1対1対応となっている訳ではなく、例えば、変動パターン1に対して演出1,演出2,…などと複数の中から振り分けによって演出制御基板側で決定する構成となっている。同じく、飾り図柄変動演出データDKZも、例えば、変動パターン1に対しては変動時間1と1対1の対応であるが、飾り図柄変動パターンについては、変動パターン1に対して飾図1a,飾図1b,…の様に、複数の中から振り分けによって演出制御基板側で決定する構成となっている。これら振り分け可能な演出データDHや飾り図柄変動パターンは、変動パターンが大当たりの場合に振り分けられ易く、はずれの場合に振り分けられ難いグループと、その逆のグループといった具合に、信頼度グループを構成する様に振り分け確率を設定している。
【0065】
[7 主制御基板における特図開始処理]
主制御基板310は、図8(A)に示す制御系統により、RAM内に記憶された始動保留情報を読み出し、「当たり/はずれ」に応じた特別図柄変動を特図表示器TKZに実行させると共に、演出制御基板320を介して表示演出(背景、キャラクタ等)、音声演出、発光演出、可動体演出、及び振動演出を実行させる。
【0066】
主制御基板310は、図8(B)のフローチャートに示す様な特図開始処理を、所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。この処理においては、まず、遊技演出(図柄変動または特別遊技)の実行中であるか否かを判定し(S210)、遊技演出実行中であるときは(S210:YES)、今回の処理を終了する。一方、遊技演出実行中でないときは(S210:NO)、RAM内の所定の記憶領域に始動保留情報が記憶されているか否かを判定する(S220)。始動保留情報が記憶されていない場合は(S220:NO)、デモ演出実行中か否かを判定し(S230)、デモ演出実行中であるならば処理を終了し(S230:YES)、デモ演出実行中でない場合は(S230:NO)、デモ演出開始を演出制御基板320に対して指令する(S240)。
【0067】
始動保留情報の記憶がある場合は(S220:YES)、記憶順の一番早い始動保留情報が特図1始動保留情報であるか否かを判定する(S250)。特図1始動保留情報である場合は(S250:YES)、特図1記憶数N1をデクリメントし(S260)、記憶順の一番早い始動保留情報(乱数1〜乱数4)を読み出す(S270)。これにより、RAM内の記憶領域における始動保留情報の記憶順が更新され、特図表示器TKZや液晶表示装置LCDを介して実施されている保留表示も更新される。
【0068】
こうして読み出した特図1始動保留情報中の乱数1が、主制御基板310のROMに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する(S310)。この大当たり判定値は、非確変の時(低確率の時)の大当り確率と、確変状態の時(高確率の時)の大当り確率とが、予め設定されている。
【0069】
大当り判定の判定結果が肯定の場合には(S310:YES)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(S320)。そして、主制御基板310は、乱数2の値に基づき、特図表示器TKZに確定停止表示させる「大当り図柄」を決定する(S330)。ここで、乱数2の値には、特図1始動保留情報に対する当たり種別の振り分け率に対応して大当り図柄が対応付けられている。従って、主制御基板310は、S330の処理においては、読み出した乱数2の値に対応付けられた大当り図柄を決定することになる。大当り図柄(特図)が決定されると、乱数4の値に基づいて複数個の「大当り演出用の変動パターン(変動時間)」の中から1つの変動パターン(変動時間)を決定する(S340)。
【0070】
一方、S310の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、主制御基板310は、S270で読み出した特図1始動保留情報中の乱数3に基づいてリーチ演出を実行させるか否かを判定する(S350)。本実施例では、主制御基板310は、乱数3の値が、ROMに記憶してあるリーチ演出実行判定値と一致するか否かによりS315の判定を行う。S350の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、主制御基板310は、特図表示器TKZに確定停止表示させる「はずれ図柄」を決定し(S335)、乱数4の値に基づいて複数個の「はずれリーチ演出用の変動パターン(変動時間)」の中から1つの変動パターン(変動時間)を決定する(S345)。
【0071】
また、S350におけるリーチ判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、主制御基板310は、特図表示器TKZに確定停止表示させる「はずれ図柄」を決定する(S338)。次に、主制御基板310は、乱数4の値に基づいて複数個の「はずれ演出用の変動パターン(変動時間)」の中から1つの変動パターン(変動時間)を決定する(S348)。
【0072】
こうして変動パターン(変動時間)および最終停止図柄を決定した主制御基板310は、演出制御基板320に対し、所定の信号を所定のタイミングで出力する(S360)。具体的には、主制御基板310は、変動パターン及び飾り図柄変動開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、主制御基板310は、特図変動表示を開始させるように特図表示器TKZを制御する。また、主制御基板310は、最終停止図柄となる特別図柄を指示するための特図指定コマンドを出力する。こうして、主制御基板310は、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理において、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている変動時間に対応する図柄変動を行った後に、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器TKZの表示内容を制御する。また、主制御基板310は、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、演出制御基板320に対して飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0073】
これに対し、記憶順の一番早い始動保留情報が特図1始動保留情報でない場合は(S250:NO)、特図2始動保留情報であるか否かを判定する(S255)。特図2始動保留情報である場合は(S255:YES)、特図2記憶数N2をデクリメントし(S265)、記憶順の一番早い始動保留情報を読み出す(S275)。その後は、特図2変動表示用処理(S400)を実行する。S400の特図2変動表示用処理は、S310〜S360と同様に構成されている。なお、S330に対応するステップでの乱数2に基づく大当たり種別の振り分け確率は、特図1始動保留情報よりも遊技者に有利な設定となっている。
【0074】
この特図開始処理においては、記憶順の早いものから順番に記憶を消化していく。ここで、本実施例のパチンコ機Pは、通常遊技状態においては「普通図柄当選確率≒0」と設定され、大当たりとなったときの大当たり図柄の振り分けにより、特別遊技終了後に確変や時短が付与された場合には「普通図柄当選確率≒1」へと変更される。
【0075】
この結果、通常遊技状態において右打ちをしても特図2始動保留情報を取得することが困難であることから、遊技者は左打ちで遊技を行い、特図1始動保留情報を蓄積しながら遊技を実行する。この結果、通常遊技状態においては、特図1始動保留情報が記憶順に従って読み出されて判定等が実行される態様で特図開始処理が進行する。
【0076】
一方、特図判定が大当たりとなり、大当たりに伴う特別遊技終了後の遊技状態について確変や時短が付与された場合は、いわゆる電チューサポートを利用して特図2始動保留情報を蓄積し易い状態となる。本実施例のパチンコ機Pは、大当たり中の特別遊技は右打ちすることによって大入賞口15に入賞させ易い状態となり、液晶表示装置LCD等に右打ち示唆のナビゲーション表示を実行する。この右打ちナビゲーション表示に従って、特別遊技の実行中は、遊技者は右打ちで遊技する。そして、確変や時短が付与された場合は、特別遊技終了後も右打ちを示唆するナビゲーション表示に従って、遊技者は右打ちを続行することにより特図2始動保留情報を蓄積しながら有利に遊技を実行することができる。この結果、確変や時短が付与された遊技状態においては、特別遊技の実行直前に保留されていた特図1始動保留情報が最初に消化された後、特図2始動保留情報が記憶順に従って読み出されて判定等が実行される態様で特図開始処理が進行することとなる。
【0077】
なお、確変や時短が付与された遊技状態を開始したときは、特図2始動保留情報を優先して消化する様に構成することもできる。この場合は、通常遊技状態に戻ったとき、特図2始動保留情報が存在しなくなってから特図1始動保留情報が消化される態様で特図開始処理が進行することとなる。
【0078】
[8 演出制御基板による変動演出]
演出制御基板320による変動演出は、図9(A)に示す制御系統により、主制御基板310からの変動コマンドを受信することによって実行される。
【0079】
変動演出処理は、図9(B)のフローチャートに示す様に、特別遊技中でなく、デモ表示状態でもない状態ときに実行される(S410:NO,S420:NO)。
【0080】
変動コマンドを受信したら(S430:YES)、今回の表示演出に用いる飾り図柄変動演出データDKZと変動ゲーム中演出データDHとを決定する(S440)。
【0081】
ここで、本実施例においては、演出制御用ROMの演出データ記憶部320gには、各変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ複数個の飾り図柄変動演出データDKZが記憶されている。S440の処理では、主制御基板310からの入力によって変動パターンが特定されたことにより、当該変動パターンについて選択し得る複数個のDKZの中から、今回の変動ゲーム中演出において使用する一つのDKZを抽選によって決定する。
【0082】
また、演出制御用ROMの演出データ記憶部320gには、各変動パターン(変動時間)に対して、それぞれ複数個の変動ゲーム中演出データDHが記憶されている。S440の処理では、主制御基板310からの入力によって変動パターンが特定されたことにより、当該変動パターンについて選択し得る複数個のDHの中から、今回の変動ゲーム中演出において使用する一つのDHを抽選によって決定する。
【0083】
こうして決定したDH,DKZに対応するデータを演出データ記憶部320gから読み出し(S450)、変動演出を開始する(S490)。
【0084】
変動ゲーム中演出データDHによる演出(S500)は、主制御基板310から全図柄停止コマンドを受信したときに(S510:YES)、飾り図柄変動演出における確定図柄の停止を行って終了する(S520)。この飾り図柄変動表示における確定図柄停止のタイミングは、主制御基板310による特図表示器TKZへの特別図柄確定のタイミングと同期している。
【0085】
なお、特別遊技中であるときは(S410:YES)、変動ゲーム中演出データDHではなく、大当たり中演出データDVを読み出して(S550)、大当たり中演出ルーチンを実行する(S560)。また、デモ表示タイミングであるときは(S420:YES)、デモ中演出データDMを読み出し(S570)、デモ中演出ルーチンを実行する(S580)。
【0086】
[9 振動演出]
次に、振動体制御基板100を介して実行する振動演出について説明する。振動演出は、図10(A)に示す制御系統により、変動演出中に、振動発生装置PBVR,LVVRの一方又は両方に、「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、及び「混合振動波形」のいずれかの共振状態による振動を発生させる演出として実行される。
【0087】
演出制御基板320は、振動体制御基板110に変動演出中の振動演出を実施させるため、図10(B),(C)に示す「振動体制御信号出力ルーチンA」、又は「振動体制御信号出力ルーチンB」を実行する。
【0088】
まず、「振動体制御信号出力ルーチンA」について説明する。このルーチンでは、演出制御基板320のマイコンは、主制御基板310からの変動指令に対応して読み出した変動ゲーム中演出データDHnが、振動演出用データDHn6を含んでいるか否かを判定する(S810)。振動演出用データDHn6を含んでいる場合は(S810:YES)、当該データに基づいて振動演出に用いる振動発生装置を決定する(S820)。この決定では、プッシュボタンPBを振動させるプッシュボタン用振動発生装置PBVRと、操作レバーLVを振動させる操作レバー用振動発生装置LVVRの内、一方、又は両方を振動演出に用いる振動発生装置として決定する。いずれに決定するかは、振動演出用データDHn6を含む変動指令が属する「信頼度グループ」による。
【0089】
演出制御基板320のマイコンは、次に、発生させる振動パターンに対応する周波数を決定する(S830)。振動パターンは、「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、及び「混合振動波形」の中から、いずれか一つの波形を決定する。ここでも、いずれの振動パターンに決定するかは、振動演出用データDHn6を含む変動指令が属する「信頼度グループ」による。なお、周波数は、振動パターンを「A方向振動波形」とするときは「第1の周波数f1」、「B方向振動波形」とするときは「第2の周波数f2」、「混合振動波形」とするときは「第1の周波数f1」→「第2の周波数f2」と途中で周波数を変化させるパターンとなる。
【0090】
演出制御基板320のマイコンは、次に、振動演出に用いる振動発生装置を備えた操作部材(プッシュボタンPB、操作レバーLV)のスイッチ(プッシュボタンスイッチSWPB、操作レバースイッチSWLV)からスイッチ信号が入力されたか否かを判定する(S840)。この判定は、設定時間がタイムオーバーとなるまで繰り返し実行される(S850)。
【0091】
設定時間がタイムオーバーとなる前にスイッチ信号が入力された場合は(S840:YES)、振動体制御基板100に対する制御信号PULSCMNDを出力する(S860)。ここで、制御信号PULSCMNDは、振動させる装置と周波数とを特定する指令として構成されている。なお、今回の変動演出のために読み出した変動ゲーム中演出データDHnが、振動演出用データDHn6を含んでいない場合は(S810:NO)、S820以下の処理をパスする。また、スイッチ信号が入力されることなくタイムオーバーとなった場合は(S850:YES)、制御信号PULSCMNDを出力することなく処理を終了する。
【0092】
次に、「振動体制御信号出力ルーチンB」について説明する。このルーチンにおいても、演出制御基板320のマイコンは、主制御基板310からの変動指令に対応して読み出した変動ゲーム中演出データDHnが、振動演出用データDHn6を含んでいるか否かを判定する(S910)。振動演出用データDHn6を含んでいる場合は(S910:YES)、当該データに基づいて振動演出に用いる振動発生装置を決定すると共に(S920)、発生させる振動パターンに対応する周波数を決定する(S930)。S920,S930の処理は、S820,S830と同様に構成されている。
【0093】
このルーチンでは、S920,S930による決定がなされたら、直ちに、振動体制御基板100に対する制御信号PULSCMNDを出力する(S940)。なお、S910が「NO」のときは、S920以下の処理をパスする。
【0094】
振動体制御基板100は、演出制御基板320からの制御信号PULSCMNDが入力されたら、当該制御信号によって特定される振動発生装置のコイルVR12に対して当該制御信号によって特定される周波数のパルス信号を通電する。これにより、対象となる振動発生装置の振動体VR1が「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、又は「混合振動波形」のいずれかの共振状態による振動を発生させる。
【0095】
「振動体制御信号出力ルーチンA」が実行された場合は、プッシュボタンPB又は操作レバーLVが遊技者によって操作された状態で、「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、又は「混合振動波形」による振動を発生させるから、遊技者は、自身が操作したプッシュボタンPB又は操作レバーLVを介して、「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、又は「混合振動波形」による共振状態を手の平から体感することになる。
【0096】
「振動体制御信号出力ルーチンB」が実行された場合は、プッシュボタンPB又は操作レバーLVの操作の有無に拘わらず、「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、又は「混合振動波形」による振動を発生させるから、遊技者がプッシュボタンPB又は操作レバーLVを操作していなくても、プッシュボタンPB又は操作レバーLVの振動として視覚を通じて振動演出を体験することができる。なお、この場合にあっても、遊技者がプッシュボタンPB又は操作レバーLVに触れるなら、手の平からも振動演出を体験することができる。
【0097】
本実施例においては、「振動体制御信号出力ルーチンA」と「振動体制御信号出力ルーチンB」のいずれが実行されるかは、主制御基板310から入力された変動指令が属する「信頼度グループ」によって定まる構成とする。例えば、遊技者が操作部材を操作しなくても振動を発生させる「振動体制御信号出力ルーチンB」は、信頼度が高い場合に選択され易く、信頼度が低い場合には選択され難い設定とする用に信頼度グループを構成しておくことができる。
【0098】
また、各ルーチンにおいて、「A方向振動波形」、「B方向振動波形」、又は「混合振動波形」のいずれが選択されるかは、主制御基板310から入力された変動指令が属する「信頼度グループ」によって定まる構成とする。例えば、「混合振動波形」は、信頼度が高い場合に選択され易く、信頼度が低い場合には選択され難い設定とする用に信頼度グループを構成しておくことができる。
【0099】
なお、「振動体制御信号出力ルーチンA」が実行される場合の変動演出においては、プッシュボタンPB又は操作レバーLVのキャラクタ画像を液晶表示装置LCDに出現させ、「押せ!」又は「引け!」といったメッセージを文字や音声で出力する構成としておくとよい。
【0100】
[10 実施例1の構成・作用・効果と変形例]
実施例1のパチンコ機P1は、図柄の変動表示が可能であって所定の抽選に当選したことを契機に特典が得られる様に構成されると共に[主制御基板による特図開始処理、大入賞口開閉処理]、演出制御手段[演出制御基板320]からの指令に応じて各種演出を実行する演出手段[液晶表示装置LCD、スピーカSP、LED基板等]を備え、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(1A)遊技者による操作が可能な操作手段[プッシュボタンPB,操作レバーLV]に振動発生手段[振動発生装置PBVR,LVVR]を備えさせ、前記演出制御手段[演出制御基板320]は、前記演出手段による演出を実行させる際に、前記振動発生手段[振動発生装置PBVR,LVVR]を作動させる指令[PULSCMND]をも出力し得る様に構成されていること。
(1B)前記振動発生手段[振動発生装置PBVR,LVVR]は、それ自身が共振することによって前記操作手段[プッシュボタンPB,操作レバーLV]に振動を発生させる振動体[VR1]を備え、該振動体は、複数の共振点[f1,f2]を有していること。
【0101】
実施例1のパチンコ機P1によれば、演出制御手段[演出制御基板320]は、各種演出を実行する際に、振動発生手段[振動発生装置PBVR,LVVR]を作動させて操作手段[プッシュボタンPB,操作レバーLV]に振動を生じさせる演出[振動体制御信号出力ルーチンA,B」を伴わせることができる。この際、振動発生手段[振動発生装置PBVR,LVVR]は、それ自身が共振する振動体[VR1]を備えているから、操作手段[プッシュボタンPB,操作レバーLV]に対して共振による明確な振動を生じさせることができる。そして、振動体[VR1]は複数の共振点[f1,f2]を有しているから、操作手段[プッシュボタンPB,操作レバーLV]には、共振点の異なる振動を生じさせることが可能となり、振動の有無だけでなく、振動数が異なる振動を遊技者に体感させることができる。これにより、振動による興趣の向上を図ることができる。
【0102】
実施例1のパチンコ機P1は、さらに、以下の構成をも備えている。
(2)前記演出制御手段[演出制御基板320]は、前記複数の共振点のいずれか一つの共振点での振動[A方向振動波形,B方向振動波形]を前記振動体[VR1]に生じさせる指令、又は、前記複数の共振点を重ね合わせた状態の振動[混合振動波形]を前記振動体[VR1]に生じさせる指令を、前記振動発生手段[PBVR,LVVR]に対して出力し得る様に構成されていること。
【0103】
実施例1のパチンコ機P1によれば、操作手段[プッシュボタンPB,操作レバーLV]に対して、共振点が異なる振動を生じさせたり、共振点を重ね合わせた複雑な振動を生じさせることができる。この結果、遊技者に、振動数が異なる振動だけでなく、複数の振動数が重なり合った複雑な振動を体感させ、より一層の興趣向上が可能となる。
【0104】
実施例1のパチンコ機P1は、さらに、以下の構成をも備えている。
(3)前記振動体[VR1]は、前記複数の共振点に対応して異なる方向[A方向又はB方向]へと振動し得る様に構成されていること。
【0105】
実施例1のパチンコ機P1によれば、振動数だけでなく、振動方向をも異ならせた振動を操作手段[プッシュボタンPB,操作レバーLV]に生じさせることができる。この結果、遊技者は、振動数と振動方向の異なる振動を体感することとなり、一層の興趣向上を図ることができる。
【0106】
実施例1のパチンコ機P1は、さらに、以下の構成をも備えている。
(4)前記振動体[VR1]は、コイル[VR12]と磁石[VR13,VR14]とを備え、前記コイル[VR12]に対して第1の周波数[f1]の通電が行われたときに共振を生じる第1の固有振動数を有する第1の支持手段[VR2,VR2]と、前記コイル[VR12]に対して第2の周波数[f2]の通電が行われたときに共振を生じる第2の固有振動数を有する第2の支持手段[VR3]とにより、筐体[VR4]内に支持されていること。
【0107】
実施例1のパチンコ機P1によれば、コイル[VR12]に対して第1の周波数の通電を実行すると第1の支持手段[VR2]が共振を起こし、コイル[VR12]に対して第2の周波数[f2]の通電を実行すると第2の支持手段[VR3]が共振を起こす。また、コイル[VR12]に対して第1の周波数[f1]の通電と、第2の周波数[f2]の通電とを時間差をあけて実行するなら、第1の支持手段[VR2]による共振と第2の支持手段[VR3]による共振とが時間差をあけて生じる。さらに、コイル[VR12]に対して第1の周波数[f1]と第2の周波数[f2]とを混在させた通電を実行するなら、第1の支持手段[VR2]による共振と第2の支持手段[VR3]による共振とが重なり合う様にして生じる。この結果、操作手段[プッシュボタンPB,操作レバーLV]に対して種々の態様の振動を生じさせることができ、振動を体感することによる遊技者の興趣を一層高めることができる。
【0108】
実施例1のパチンコ機P1は、さらに、以下の構成をも備えている。
(5)前記振動体[VR1]は、コイル[VR12]と磁石[VR13,VR14]とを備え、前記コイル[VR12]に対して第1の周波数[f1]の通電が行われたときに第1の方向[A方向]へと振動可能であると共に、前記コイル[VR12]に対して第2の周波数[f2]の通電が行われたときに第2の方向[B方向]へと振動可能である様に、筐体[VR4]内において異なる方向から支持されていること。
【0109】
実施例1のパチンコ機P1によれば、振動体[VR1]は、コイル[VR12]に対して第1の周波数[f1]の通電が行われたときに第1の方向[A方向]へと共振し、コイル[VR12]に対して第2の周波数[f2]の通電が行われたときに第2の方向[B方向]へと共振する。これにより、振動数だけでなく振動の方向が異なる共振現象を遊技者に操作手段を介して体感させることができ、一層の興趣向上が可能となる。
【0110】
実施例1のパチンコ機P1は、さらに、以下の構成をも備えている。
(6)前記演出制御手段[演出制御基板320]は、前記抽選の結果に基づく前記特典の取得に関する信頼度を反映させた振動態様で前記振動発生手段[PBVR,LVVR]による振動を生じさせる様に、振動による信頼度対応演出をも実行する手段として構成されていること。
【0111】
実施例1のパチンコ機P1によれば、操作手段[プッシュボタンPB,操作レバーLV]の振動によって遊技者に特典(例えば、パチンコ機における大当たりやスロットマシンにおけるボーナス状態)の取得に関する信頼度を体感させる演出において、単なる振動の有無ではなく、共振による明確な振動、異なる振動数[f1,f2]、異なる振動方向[A方向振動波形,B方向振動波形]、複雑な振動の重なり合い[混合振動波形]、等を信頼度と対応付けた信頼度対応演出を振動によって実行することができ、遊技者の興趣を一層向上させる。
【0112】
以上、発明を実施するための最良の形態としての実施例及び変形例を説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
【0113】
例えば、遊技者に演出への参加をさせるプッシュボタンや操作レバーを備えさせたスロットマシンに、本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は遊技機に利用することができる。
【符号の説明】
【0115】
7・・・始動入賞装置、10・・・遊技領域、15・・・大入賞口、18・・・普通入賞口、20・・・右打ち通路、27・・・第2始動入賞装置、30・・・センター役物、37・・・ゲート、100・・・振動体制御基板、310・・・主制御基板、320・・・演出制御基板、330・・・払出制御基板、340・・・発射制御基板、350・・・インタフェース基板、360・・・電源基板、370・・・演出表示制御基板、380・・・電源中継基板、390・・・球貸し操作基板、400・・・ホールコンピュータ、410・・・信号中継基板、420・・・ランプ制御基板、430・・・音声制御基板、510・・・モータ制御IC、520・・・ソレノイド制御IC。
P1・・・パチンコ機、PB・・・プッシュボタン、LV・・・操作レバー、PBVR,LVVR・・・振動発生装置、VR1・・・振動体、VR2・・・第1の支持部材、VR3・・・第2の支持部材、VR4・・・筐体、VR11・・・収納容器、VR12・・・コイル、VR13,VR14・・・磁石。
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図10