特許第6807323号(P6807323)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807323
(24)【登録日】2020年12月9日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】光検出システム、及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/77 20060101AFI20201221BHJP
   G01N 21/03 20060101ALI20201221BHJP
   G02B 5/04 20060101ALN20201221BHJP
【FI】
   G01N21/77 D
   G01N21/03 Z
   !G02B5/04 A
【請求項の数】7
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-548146(P2017-548146)
(86)(22)【出願日】2016年3月10日
(65)【公表番号】特表2018-509624(P2018-509624A)
(43)【公表日】2018年4月5日
(86)【国際出願番号】US2016021673
(87)【国際公開番号】WO2016149017
(87)【国際公開日】20160922
【審査請求日】2019年2月25日
(31)【優先権主張番号】62/132,774
(32)【優先日】2015年3月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ボレア, フィリップ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ボマリート, ジゥゼッペ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ワルドナー, ミシェル エー.
(72)【発明者】
【氏名】ブレイス, トーマス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー, スティーヴン アール.
(72)【発明者】
【氏名】デューイ, トーマス イー., ジュニア
【審査官】 伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0004548(US,A1)
【文献】 特開2008−268019(JP,A)
【文献】 特表2014−513794(JP,A)
【文献】 特開平03−010149(JP,A)
【文献】 特表2000−510592(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0261294(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0046687(US,A1)
【文献】 特開2013−190211(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0089995(US,A1)
【文献】 特表2011−523358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング軸線に沿って上部面と底部面との間に延在するハウジングであって、前記ハウジングは、前記上部面に配設されたポートを含み、前記ポートは、開口部を含む、ハウジングと、
前記ハウジング内に配設され、試料を受け入れるようになっている受け部であって、前記受け部は、光軸線に沿って延在する受け部本体を含み、前記受け部本体は、前記ハウジングの前記ポートの前記開口部に接続された第1の端部、及び第2の端部を含む、受け部と、
前記ハウジング内に前記光軸線に沿って配設され、前記受け部本体の前記第2の端部に隣接する入力面を含む検出器であって、前記入力面は、作用区域を含む、検出器と、
前記ハウジング内に、前記光軸線に沿って前記受け部本体の前記第2の端部と前記検出器の前記入力面との間に配設された反射体であって、前記受け部本体の前記第2の端部に隣接して配設された入力アパーチャ、前記検出器の前記入力面に隣接して配設された出力アパーチャ、及び前記入力アパーチャと前記出力アパーチャとの間に延在する反射面を含む反射体と、を備え、
前記反射体の前記出力アパーチャの断面積は、前記入力アパーチャの断面積の少なくとも2倍であり、且つ、前記入力アパーチャの断面積の70倍以下である、光検出デバイス。
【請求項2】
前記反射体の前記反射面は、第1の曲率半径を有する第1の部分を含み、
前記反射体の前記反射面は、前記第1の曲率半径とは異なる第2の曲率半径を有する第2の部分を更に含み、
前記第1の曲率半径の中心及び前記第2の曲率半径の中心のそれぞれは、前記反射体の前記出力アパーチャにより画定される平面が、前記第1の曲率半径の前記中心及び前記第2の曲率半径の前記中心のうちの一方又は両方と、前記反射体の前記入力アパーチャとの間にあるように、前記平面上又は前記平面の下方のいずれかに配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記反射体の前記反射面と前記検出器の前記入力面とは、光空洞を形成し、
前記受け部は、前記受け部本体の前記第2の端部に隣接する透過領域を更に含み、前記透過領域の少なくとも一部分は、前記光空洞内に配設され、
前記透過領域は、前記受け部本体の前記第2の端部に接続された透過カップを含む、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記光空洞に光を射出する光源を更に備え、
前記光源の射出軸線は、前記検出器の前記入力面の前記作用区域の中心と交差する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記光源の前記射出軸線は、前記光軸線に対して平行ではない、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記受け部は、前記検出器と前記受け部内に配設された試料との間に汚染障壁を提供するようになっている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
試料採取装置と、請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記光検出デバイスと、を備える光検出システムであって、
前記試料採取装置は、
開口部、及び前記検出器に動作可能に結合されるようになっているキュベット部を備える容器と、
試料採取部を含む試料採取デバイスであって、前記試料採取部は、前記試料を取得し、解放可能に保持するようになっている、試料採取デバイスと、を備え、
前記受け部は、前記試料採取装置を受け入れるようになっている、光検出システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
試料採取プログラムは、食品飲料産業において重要な原材料、中間材料、完成品、及び処理環境を監視するために使用される。また、患者環境の環境表面、並びにスクリーニング手順及び治療手順で使用される器具及びデバイスを除染することの有効性を監視するために、医療環境において同様の試料採取プログラムが使用される。定期的な試料採取及び検査により、品質保証担当者はごく初期の段階で、微生物等の望ましくない物質を検出し、設備及び/又は製品の続いて起こる汚染を防止するための処置をとることができる。これらの望ましくない物質を検出するために、様々な検査を実施することができる。このような検査の例としては、化学残留物検査(例えば、アデノシン三リン酸(ATP)生物発光検査及びタンパク質比色分析検査)、培養方法、遺伝子検査(例えば、PCR)、免疫診断検査、及び生物発光検査が挙げられる。
【0002】
典型的に、試料採取デバイス又は装置を使用して、環境検査のための表面試料を採取する。市販の試料採取装置としては、スポンジ、スワブ等の吸収装置が挙げられる。加えて、ある特定の試料採取装置は、所定の量の液体試料を採取することができる。
【0003】
ATPは、すべての代謝系におけるエネルギー「通貨」として使用されるので、試料中の有機残渣又は生物有機残渣の存在を示すことができる。ATPの存在は、生物発光酵素アッセイを使用して測定することができる。例えば、ルシフェリン/ルシフェラーゼ酵素アッセイシステムは、ATPを使用して光を発生させる。この光出力は、光検出デバイス、例えば照度計において検出及び定量化することができる。試料中のATPの存在は、微生物の存在の直接の指標であり得る(即ち、ATPは、他のATP源を含んでいない試料中の微生物に由来する)か、あるいは、ATPは、微生物の存在の間接的な指標であり得る(即ち、ATPは、植物性又は動物性の物質に由来し、微生物の成長を支援する栄養素が試料中に存在し得ることを示す)。加えて、試料中のATPの有無を使用して、定期的に、食品産業、飲料産業、医療産業(例えば、環境表面、手術器具、内視鏡、及び他の医療用デバイス)、水産業、並びに衛生産業における洗浄プロセスの有効性を評価する。
【0004】
例えば、ATP測定値システムは、食品業界において、衛生プロセスの有効性を監査するために、15年以上にわたって監視ツールとして利用されてきた。このようなシステムは、洗浄及び消毒する必要がある食品処理作業において一般に見られる種々の表面で、非常に少量のATP(例えば、1フェムトモル)を検出することができる。浄化されたと考えられる表面でATPの存在が検出されると、洗浄プロセス及び殺菌プロセスの失敗を示すことができる。
【0005】
近年、患者の環境の清浄度を監視するため臨床適用例において、ATP監視ツールが同様の目的のための利用されている。現在、院内の汚染表面が、例えば、C.ディフィシル、VRE、MRSA、A.バウマニ、及び緑膿菌(P. aeruginosa)の伝染性かつ流行性の伝播、並びにノロウイルスの流行性の伝播に対して重大な寄与をなすという、説得力のある臨床的根拠がある。効果的な感染防止プログラムには、環境の清浄度のシステマティックな監視が含まれる。ATP監視は、例えば、そのようなプログラムをサポートするために使用され得る定量測定システムを提供することができる。
【発明の概要】
【0006】
概して、本開示は、光検出デバイス、及び当該検出デバイスを利用するシステムの種々の実施形態を提供する。光検出デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に配設された受け部と、同じくハウジング内に配設された検出器と、を含むことができる。光検出デバイスはまた、ハウジング内の受け部の第2の端部と検出器の入力面との間に配設された反射体を含むことができる。1つ以上の実施形態では、反射体の出力アパーチャの断面積は、検出器の入力面の作用区域面積以下であることがある。
【0007】
一態様では、本開示は、ハウジング軸線に沿って上部面と底部面との間に延在するハウジングを含む光検出デバイスであって、ハウジングは、上部面に配設されたポートを含み、ポートは、開口部を含む、光検出デバイスを開示する。光検出デバイスはまた、ハウジング内に配設され、試料を受け入れるようになっている受け部を含み、受け部は、光軸線に沿って延在する受け部本体を含み、受け部本体は、ハウジングの前記ポートの開口部に接続された第1の端部、及び第2の端部を含む。光検出デバイスはまた、ハウジング内に光軸線に沿って配設された検出器を含み、かつ、受け部本体の前記第2の端部に隣接する入力面を含み、入力面は、作用区域を含む。更に、光検出デバイスはまた、ハウジング内に、光軸線に沿って受け部本体の第2の端部と前記検出器の入力面との間に配設された反射体を含み、反射体は、受け部本体の第2の端部に隣接して配設された入力アパーチャ、検出器の前記入力面に隣接して配設された出力アパーチャ、及び入力アパーチャと出力アパーチャとの間に延在する反射面を含む。更に、反射体の出力アパーチャの断面積は、検出器の入力面の作用区域の表面積以下である。
【0008】
別の態様では、本開示は、光検出デバイスの受け部内に生物発光試料を配設することを含む方法を提供し、受け部は、光軸線に沿って延在する受け部本体を含む。受け部本体は、第1の端部及び第2の端部を含む。方法は更に、光軸線に沿って検出器を配設することを含み、検出器は入力面を含む。方法は更に、光軸線に沿って受け部本体の第2の端部と検出器の入力面との間に反射体を配設することを含み、反射体は、受け部本体の第2の端部に隣接して配設された入力アパーチャ、検出器の入力面に隣接して配設された出力アパーチャ、及び入力アパーチャと出力アパーチャとの間に延在する反射面を含む。反射体と検出器の入力面とは、光空洞を形成する。方法は更に、生物発光試料により光空洞に射出された光を、検出器の入力面の作用区域を通して方向付けることを含み、反射体の出力アパーチャの断面積は、検出器の入力面の作用区域の表面積以下である。更に、方法は、検出器を使用して、射出された光の特性を測定することを含む。
【0009】
本明細書に記載されるすべての見出しは読者の利便性のためのものであって、特に断りのない限り、見出しの後に続く文面の意味を限定するために使用されるものではない。
【0010】
「備える」という用語及びこの変化形は、明細書及び特許請求の範囲においてこれらの用語が用いられる箇所で限定的な意味を持たない。そのような用語は、記述されるステップ若しくは要素、又はステップの群若しくは要素の群を包含することを示唆するが、いかなる他のステップ若しくは要素、又は他のステップの群若しくは要素の群も排除しないことを示唆するものであると、理解されるであろう。
【0011】
「好ましい」及び「好ましくは」という言葉は、一定の状況下で一定の利益を提供できる、本開示の実施形態を指す。しかしながら、同じ又は他の状況において他の実施形態が好ましい場合もある。更には、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用ではないことを示唆するものではなく、本開示の範囲から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
【0012】
本出願において、用語「a」、「an」、及び「the」は、1つの実体のみを指すことを意図したものではなく、その説明のために具体的な例が用いられ得る一般的な部類を含む。用語「a」、「an」、及び「the」は、「少なくとも1つの」なる語と互換可能に使用される。その後に列挙が続く「〜のうちの少なくとも1つ」及び「〜のうちの少なくとも1つを備える」という語句は、その列挙内の項目のうちの任意の1つ、及び、その列挙内の項目のうちの2つ以上の任意の組み合わせを指す。
【0013】
その後に列挙が続く「〜のうちの少なくとも1つ」及び「〜のうちの少なくとも1つを備える」という語句は、その列挙内の項目のうちの任意の1つ、及び、その列挙内の項目のうちの2つ以上の任意の組み合わせを指す。
【0014】
本明細書で使用する場合、用語「又は」は、内容が明確に他を指示しない限り、概ね、「及び/又は」を含む普通の意味で利用される。本開示の特定の部分における用語「及び/又は」使用は、他の部分における「又は」の使用が「及び/又は」を意味することができないことを意味することを意図したものではない。
【0015】
「及び/又は」という用語は、列挙される要素のうちの1つ若しくはすべて、又は列挙される要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
【0016】
本明細書において、測定された量に関連して使用する時、用語「約」は、測定をし、測定の対象物及び使用された測定装置の精度と同等の水準の注意を行使した当業者によって期待される測定量における変動を指す。本明細書においては、「最大で」数字(例えば、「最大で50」)という場合には、その数(例えば、「50」)を含む。
【0017】
本明細書ではまた、端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包摂されるすべての数、並びにその端点を含むものである(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
【0018】
本開示のこれらの態様及び他の態様は、以下の「発明を実施するための形態」から明らかとなるであろう。しかしながら上記の概要は、特許請求される発明の主題を限定するものとして決して解釈するべきではなく、発明の主題は付属の「特許請求の範囲」によってのみ定義されるものである。なお、特許請求の範囲は手続きにおいて補正される場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本明細書の全体を通じて添付の図面を参照するが、図中、同様の参照番号は、同様の要素を示す。
図1】光検出システムの一実施形態の概略斜視図である。
図2図1の光検出システムの光検出デバイスの概略断面図である。
図3図2の光検出デバイスの受け部の概略断面図である。
図4図2の光検出デバイスの一部分の概略断面図である。
図5図2の光検出デバイスの反射体の概略断面図である。
図6】試料採取装置の一実施形態の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
概して、本開示は、光検出デバイス、及び当該検出デバイスを利用するシステムの種々の実施形態を提供する。光検出デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に配設された受け部と、同じくハウジング内に配設された検出器と、を含むことができる。光検出デバイスはまた、ハウジング内の受け部の第2の端部と検出器の入力面との間に配設された反射体を含むことができる。1つ以上の実施形態では、反射体の出力アパーチャの断面積は、検出器の入力面の作用区域面積以下であることがある。
【0021】
任意の好適な適用例において、光検出デバイスを利用することができる。例えば、光検出デバイスを使用して、デバイス内に配設された生物発光試料が射出した光を検出し、測定することができる。生物発光試料は、任意の好適な試料を含むことができる。1つ以上の実施形態では、生物発光試料は、ルシフェリン−ルシフェラーゼ酵素反応から光を生成して、種々の環境試料からATPの存在を検出及び定量化することができる。
【0022】
その時点で利用可能なATP検出システムの精度及び繰り返し性は著しく変動し得る。そのような変動は、繰り返し可能に試料を取得する難しさに起因する。更に、ルシフェリン−ルシフェラーゼ検出ケミストリーを採用するシステムは、試薬組成物の調整法の繰り返し性の欠如、及びアッセイに試薬を提供するために採用されるフォームファクタを理由に変動することができる。加えて、検出システムの光学特性は、精度及び繰り返し性に影響を及ぼし得る。例えば、検出システムは、反射体と、検出器と、試料を収容する試料チャンバ又はキュベット部と、を含むことができ、それらは、異なる設計、構成及びアラインメントを有することができる光学縦列を形成する。更に、すべてのシステムは、システムの使いやすさだけでなく、システムの性能全体にも影響を及ぼすユーザエクスペリエンスを作り出す。
【0023】
本開示の1つ以上の実施形態は、有利なことに、試料が射出した光の捕捉効率を最適化し、それにより、精度及び再現性に関して、全体的な感度を向上させ、システムのロバスト性を増大させることができる。更に、1つ以上の実施形態は、ハウジング内に配設された回路及び/又は検出器に光検出デバイスに配設された試料が漏出することを防止することができる、光検出デバイスのハウジング内に配設された受け部を含むことができる。
【0024】
図1図5は、光検出システム2の一実施形態の種々の図である。システム2は、光検出デバイス10と、試料採取装置(図示せず)、例えば、図6の試料採取装置80と、を含むことができる。光検出デバイス10は、デバイス内に配設された試料が射出した光を検出するようになっている任意の好適な光検出デバイス、例えば、照度計を含むことができる。光検出デバイス10は、持ち運び可能なハンドヘルドデバイスであり得る。1つ以上の実施形態では、光検出デバイス10は、研究室で使用するためのベンチトップデバイスであり得る。
【0025】
デバイス10は、ハウジング12を含むことができる。ハウジング12は、任意の好適な形状又は形状の組み合わせをとることができる。更に、ハウジングは、任意の好適な材料又は材料の組み合わせを含むことができる。ハウジング12は、ハウジング軸線4に沿って上部面14から底部面16まで延在することができる。ハウジング12はまた、上部面14と底部面16との間に配設されたハンドル部18を含むことができる。更に、ハウジング12は、単一の一体型ハウジングであっても、あるいは、任意の好適な技術又は技術の組み合わせ、例えば、ねじ、接着剤、タブなどを使用して取り付けられるいくつかの部分を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、ハウジング12は、ユーザがハウジングを把持し、片手でデバイス10を動作させることを可能にする人間工学的な形状又は形状の組み合わせをとることができる。
【0026】
ハウジング12はまた、ハウジングの上部面14に配設されたポート20を含むことができる。ポート20は、上部面14に配設されているものとして示されているが、任意の好適なハウジング表面12に、例えば、ハウジングの底部面16、前部面13又は後部面15に配設してもよい。ポート20は、試料採取装置(例えば、図6の試料採取装置80)を受け入れるようになっていてもよい。ポート20は、任意の適切な形状又は形状の組み合わせをとることができる。ポート20は、ハウジング軸線4に沿ってポートに形成された開口部21を含むことができる。開口部21は、任意の好適な形状又は形状の組み合わせをとることができ、任意の好適な寸法を含むことができる。1つ以上の実施形態では、開口部21は、試料を受け入れるようになっていてもよい。更に、1つ以上の実施形態では、開口部21は、本明細書で更に説明するように、試料採取装置を受け入れるようになっていてもよい。
【0027】
1つ以上の実施形態では、ハウジング12はまた、周囲光がハウジングに入射することを防止するために、ポート20を覆うようになっている扉11を含むことができる。任意の好適な扉11、例えば、2015年3月13日付けで出願された、同時係属中の米国仮特許出願第62/132,790号(代理人書類番号76072US002)に記載されている扉を利用することができる。任意の好適な技術又は技術の組み合わせ、例えば、ヒンジを使用して、扉11をハウジング12に取り付けることができる。更に、扉11がポート20を閉じるようになっているように、任意の好適な位置で、当該扉をハウジング12に取り付けることができる。1つ以上の実施形態では、扉11は、扉が別個の構成要素であるように、ハウジング12から取り外し可能であってもよい。
【0028】
図1には示されていないが、ポート20はまた、レッジと、扉11に係合することができる1つ以上のガスケットと、を含むことができ、扉が閉位置にある時に周囲光がハウジングに入射することを防止するために、密封ポートを提供することができる。ハウジング12は、任意の好適な外部デバイス、例えば、電源、コンピュータ、メモリデバイスなどにデバイス10を接続する能力を提供する任意の種類の追加のポート、例えば、通信ポート又は電気ポートを含むことができる。
【0029】
光検出デバイス10はまた、ユーザがデバイスを用いて種々の機能を実行するためのインターフェースを提供するようになっている1つ以上の制御22を含むことができる。任意の好適な制御22(1つ以上)は、デバイス10を備えることができる。更に、1つ以上の実施形態では、ハウジング12内の又はその上の任意の好適な位置に制御22を配設することができる。例えば、図1に示した実施形態では、ユーザが、ハウジング12のハンドル部18を把持し、把持している手の指を用いて制御を動作させることができるように、制御22が配設される。制御22をそのように配置することにより、片手でのデバイス10の使用が可能になる。制御22は、デバイス10のハウジング12内に配設された任意の好適な回路28に電気結合され得る。かかる回路28は、任意の好適な電子デバイス(1つ以上)、例えば、1つ以上のコントローラ、プロセッサ、ストレージデバイス、電力変換器、アナログ/デジタル変換器、GPS構成要素、無線アンテナ、及び受信器などを含むことができる。回路28は、任意の好適な電源(1つ以上)、例えば、バッテリー26、外部電源などに電気結合され得る。
【0030】
デバイス10はまた、デバイスのハウジング12内に配設された回路28とのユーザインターフェースを提供するようになっているディスプレイ24を含むことができる。ディスプレイ24は、任意の好適なディスプレイを含むことができる。1つ以上の実施形態では、ディスプレイ24は、デバイスの制御をユーザに提供し、かつ、ユーザに情報も表示するタッチ感知ディスプレイであり得る。任意の好適なタッチ感知ディスプレイ24は、デバイス10と共に利用することができる。
【0031】
また、図2図3に示すように、デバイス10のハウジング12内に、受け部30が配設される。1つ以上の実施形態では、受け部30は、試料採取装置、例えば、図6の試料採取装置80を受け入れるようになっている。更に、1つ以上の実施形態では、試料採取装置を使用せずに、試料を受け部に直接配設することができる。一般に、受け部30は、光検出デバイス10のハウジング12へと試料採取装置を誘導するようになっていてもよい。受け部30は、光軸線31に沿って延在する受け部本体32を含むことができる。受け部本体32は、ハウジング12のポート20の開口部21に接続された第1の端部34と、第2の端部36と、を含むことができる。1つ以上の実施形態では、受け部本体32はまた、当該本体の第2の端部36に隣接して配設された任意の透過領域38を含むことができる。ここで使用する場合、「第2の端部に隣接して」という語句は、透過領域38が、本体32の第1の端部34よりも第2の端部36に近接するように配設されていることを意味する。図2図3には透過領域38を含むものとして示されているが、受け部本体32は、代わりに、第2の端部36に開口部を含み、透過領域を含まなくてもよい。そのような実施形態では、試料を収容する試料採取装置のキュベット部が第2の本体32を越えて端部36で延在するように、試料採取装置を受け部30内に配設することができる。
【0032】
任意の好適な位置又は任意の好適な向きで、デバイス10のハウジング12内に受け部30を配設することができる。一般に、受け部30は、試料採取装置が、受け部本体32の第2の端部36に隣接して配設された検出器40に対して適切に向けられるようになっており、そうなるようにハウジング12内に配設される。例えば、光軸線31がハウジング軸線4と任意の好適な角度を形成するように受け部30を配設することができる。例えば、光軸線31は、ハウジング軸線4と実質的に平行であり得る。本明細書で使用する場合、「ハウジング軸線と実質的に平行」という用語は、光軸線31がハウジング軸線4と10度以下の角度を形成することを意味する。更に、例えば、光軸線31は、ハウジング軸線4と実質的に共線であり得る。
【0033】
1つ以上の実施形態では、検査中に検出器から出力される信号が最大になるように、デバイスが操作位置に保持された時の光軸線31と垂直軸線との間の角度が選択されるように、ハウジング12内に受け部30を配設することができる。本明細書で使用する場合、「垂直軸線」という用語は、地球の重力場と位置合わせされている軸線を指す。1つ以上の実施形態では、光軸線31と垂直軸線との間の角度は、0°〜45°の範囲内である。1つ以上の実施形態では、光軸線31と垂直軸線との間の角度は、0°〜30°の範囲内である。
【0034】
任意の好適な技法又は技法の組み合わせを使用して、ポート20の開口部21に受け部本体32の第1の端部34を接続することができる。1つ以上の実施形態では、受け部とポート20との間の任意の隙間又は空間を通ってハウジング12の内部に光又は外部の環境要素が入ることを防止するために、受け部本体32の第1の端部34をポート20の開口部21に封止することができる。1つ以上の実施形態では、受け部本体32は、ポート20、例えば、ポートと一体とすることができ、受け部本体は、単一部品から製造しても、あるいは、単一部品に成型してもよい。1つ以上の実施形態では、受け部30をハウジングから取り外す、修復する、洗浄する、又は交換することができるように、ポート20を受け部本体32とは別に製造することができる。
【0035】
受け部本体32は、任意の適切な材料又は材料の組み合わせを含むことができる。1つ以上の実施形態では、受け部本体32の上側領域33は、当該上側領域が不透明であるような材料又は材料の組み合わせを含むことができる。1つ以上の実施形態では、上側領域33は、反射性又は吸光性の材料又は材料の組み合わせを含むことができる。1つ以上の実施形態では、上側領域33の第1の部分を反射性とすることができ、第2の部分を吸光性とすることができる。
【0036】
受け部本体32の任意の透過領域38は、受け部30内に配設された試料が射出した光の少なくとも一部分を透過領域が透過するような任意の好適な材料又は材料の組み合わせを含むことができる。更に、透過領域38は、任意の好適な技術又は技術の組み合わせを使用して受け部本体32の第2の端部36に接続される透過カップであり得る。1つ以上の実施形態では、透過領域38の材料及び/又は構成は、広帯域光、例えば、紫外光、可視光、及び赤外光のうちの少なくとも1つを透過するようになっていてもよい。1つ以上の実施形態では、透過領域38は、狭帯域光、例えば、紫外光のみを透過するようになっていてもよい。更に、1つ以上の実施形態では、透過領域38は、狭帯域可視光、例えば、青色光を透過するようになっていてもよい。透過領域38はまた、本明細書で更に説明するように、受け部30内に配設された試料が射出した光が、受け部30の第2の端部36に隣接して配設された検出器40に向かって方向付けられるようになっていてもよい。
【0037】
受け部本体32の上側領域33と透過領域38とは一体であり得る。1つ以上の実施形態では、上側領域と透過領域とが、任意の好適な技術又は技術の組み合わせを使用して別々に製造され、取り付けられるように、上側領域33を透過領域38に取り付けることができる。
【0038】
1つ以上の実施形態では、受け部本体32は、受け部内に配設された試料を封入し、試料が本体からデバイス10のハウジング12の内部へと漏出することを防止するようになっている。かかる漏出は、デバイス10の内部回路28、及び検出器40を損傷する原因となり得る。換言すると、受け部30は、検出器40と受け部内に配設された試料との間の汚染障壁を提供するようになっていてもよい。
【0039】
本明細書で述べるように、ハウジング12内に受け部30を永続的に配設することができる。1つ以上の実施形態では、受け部30は、取り外し可能であるようにハウジング12内に配設され得る。受け部30を取り外すために、ハウジング12は、表面を離隔し、それにより、ハウジング12の内部へのアクセスを提供するように、任意の好適な技術を使用して取り付けられた1つ以上の部分又は部品を含むことができる。ハウジング12の内部が露出されると、受け部30を取り外して、洗浄すること、修復すること、又は交換することのいずれかを行うことができる。
【0040】
受け部30はまた、受け部本体32内に配設されたシャッター37を含むことができる。シャッター37は、(例えば、試料採取装置内に配設された)試料が存在しない時に、周囲光が検出器40に入射し、潜在的に検出器を損傷させる原因となることをシャッターが防止するように、受け部本体32内の任意の好適な位置に配設することができる。1つ以上の実施形態では、シャッター37は、試料採取装置がポート20の開口部21を通って受け部30に挿入された時に試料採取装置により変位されないようになっている。1つ以上の実施形態では、シャッター37は、受け部本体32の第1の端部34と第2の端部36との間に配設される。シャッター37は、受け部本体32に沿って検出器40へと光が方向付けられることを防止するようになっている任意の好適な機構を含むことができる。例えば、シャッター37は、電気シャッター、機械シャッター、又は電気機械シャッターを含むことができる。試料採取装置が受け部本体32に挿入されるにつれて、試料採取装置の端部部分(例えば、図6の試料採取装置80のキュベット部100)は、シャッター37を押圧し、シャッターを変位させ、例えば、本体32の透過領域38に試料採取装置の端部部分を挿入することが可能になる。
【0041】
任意の好適な技術又は技術の組み合わせを使用して、シャッター37を受け部本体32に取り付けることができる。例えば、ヒンジ39を使用して、シャッター37を受け部本体32に取り付けることができる。任意の好適なヒンジを利用することができる。1つ以上の実施形態では、ヒンジ39が閉位置に付勢されるように、ヒンジ39にばね荷重型とすることができる。試料採取装置の端部部分をシャッター37に対して押圧すると、シャッターは、閉位置から開位置まで移動し、それにより、試料採取装置の端部部分を、例えば、受け部本体32の透過領域38に挿入することが可能になる。受け部本体32は、開位置にある時、例えば、試料採取装置が受け部本体内に配設されている時に、シャッター37に適応する嵌め込み部分35を含むことができる。
【0042】
シャッター37は、受け部30内に配設された試料を分析するために利用される回路28をアクティブ化するようになっているスイッチに電気結合することができる。任意の好適なスイッチ又はスイッチの組み合わせをシャッター37と共に利用することができる。1つ以上の実施形態では、回路28は、シャッター37が閉位置にある時に検出器40がアクティブ化されることを防止することができる。かかる構成は更に、ポート20及び受け部30を通ってハウジングに入射する周囲光による検出器40への損傷を防止することができる。
【0043】
光検出システム2の光検出デバイス10はまた、入力面42を含む検出器40を含むことができる。検出器40は、任意の好適な検出デバイス又はデバイスの組み合わせ、例えば、光電子増倍管、アバランシェ検出器、フォトダイオードなどを含むことができる。検出器40は、受け部30内に配設された試料が射出し、検出器の作用区域内で入力面42を通して方向付けられる光を受光するようになっている。本明細書で使用する場合、「作用区域」という用語は、光を検出器40へと透過し、検出することができる、入力面42の区域を意味する。作用区域の外側の入力面42を通って透過した光は、検出器40には検出されない。作用区域は、入力面42の任意の好適な部分(1つ以上)を含むことができる。1つ以上の実施形態では、作用区域の表面積は、入力面42の表面積と同じであり得、即ち、作用区域と入力面とは一致している。1つ以上の実施形態では、作用区域の表面積は、入力面42の表面積よりも小さいことがある。更に、作用区域は、任意の好適な形状又は形状の組み合わせをとることができ、任意の好適な寸法を有することができる。1つ以上の実施形態では、作用区域は円形形状であり得る。かかる実施形態では、作用区域の直径は、少なくとも約5mm、10mm、15mm、20mm、30mm、40mmなどであり得る。1つ以上の実施形態では、作用区域の直径は、約50mm以下であり得る。1つ以上の実施形態では、検出器40は、射出された光の特性、例えば、強度、光束、波長、積分光などを判定することができる。デバイス10は、任意の好適な数の検出器40、例えば、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の検出器を含むことができる。検出器40は、回路28に電気結合され得る。
【0044】
動作中、試料が射出した光子は、検出器40の入力面42に衝突又は入射する。入力面を通って検出器へと透過するように作用区域内で入力面42に入射する光子は、例えば、フィルタリングされ、増幅され、回路28に伝達され得る電気信号を生成することができる。検出器40が提供する電気信号の特性(例えば、電圧、電流、デューティーサイクル)は、試料が射出した光子の数に関係し得る。試料が射出した光子の数は、次いで、試料中に存在する生物物質の量に比例し得る。したがって、検出器40が生成した電気信号は、試料中の生物物質の存在だけでなく、試料中に存在する生物物質の相対量の指標も提供することができる。1つ以上の実施形態では、検出器が検出した光出力は、相対発光量(RLU)において特徴付けることができる。
【0045】
任意の好適な位置で、デバイス10のハウジング12内に検出器40を配設することができる。1つ以上の実施形態では、検出器40は、光軸線31に沿って配設される。更に、1つ以上の実施形態では、(図4に示すように)入力面42の中心46が光軸線上に配設されるように、光軸線31に沿って検出器40を配設することができる。入力面42が光軸線31と任意の好適な角度を形成するように、ハウジング12内に検出器40を配設することができる。1つ以上の実施形態では、入力面42は光軸線に実質的に直交することができる。本明細書で使用する場合、「実質的に直交する」という語句は、入力面42が、光軸線31と少なくとも85°であり、かつ95°以下である角度を形成するように配設されていることを意味する。
【0046】
検出器の入力面42が、受け部本体32の第2の端部36に隣接するように、ハウジング12内に検出器40を配設することができる。ここで使用する場合、「第2の端部に隣接する」という語句は、入力面が、受け部30内に配設された試料が射出した光を受光することができるように、検出器40の入力面42が受け部本体32の第2の端部36に近接して配設されていることを意味する。受け部本体32の第2の端部36から任意の好適な距離で、検出器40の入力面42を配設することができる。1つ以上の実施形態では、入力面42と受け部本体32の第2の端部36との間の距離は調節可能であり得る。
【0047】
光検出デバイス10はまた、ハウジング12内に、光軸線31に沿って受け部本体32の第2の端部36と検出器40の入力面42との間に配設された反射体50を含むことができる。反射体50は、入力アパーチャ56と、出力アパーチャ58と、入力アパーチャと出力アパーチャとの間に延在する反射面51と、を含むことができる(図5)。入力アパーチャ56は、受け部本体32の第2の端部36に隣接して配設することができる。ここで使用する場合、「第2の端部に隣接して」という語句は、入力アパーチャ56が、検出器40の入力面42よりも受け部本体32の第2の端部36に近接して配設されていることを意味する。また、出力アパーチャ58を、検出器40の入力面42に隣接して配設することができる。ここで使用する場合、「入力面に隣接して」という語句は、出力アパーチャ58が、受け部本体32の第2の端部36よりも入力面42に近接して配設されていることを意味する。反射面51は、反射体軸線53に直交する平面において、任意の好適な断面形状又は形状の組み合わせ、例えば、円形、楕円形、多角形などを有することができる。1つ以上の実施形態では、反射面51は、第1の断面形状、及び1つ以上の追加の断面形状を有することができる。例えば、反射面51は、入力アパーチャ56において円形断面形状を有し、出力アパーチャ58において矩形断面形状を有することができ、反射面は、円形断面形状から矩形断面形状に遷移するようになっていてもよい。
【0048】
入力アパーチャ56は、反射体軸線53に直交する平面において、任意の好適な直径を有することができる。例えば、1つ以上の実施形態では、入力アパーチャ56の直径は、少なくとも約5mmであり得る。更に、1つ以上の実施形態では、入力アパーチャ56の直径は、約25mm以下であり得る。一般に、入力アパーチャ56は、試料採取装置のキュベット部及び/又は受け部本体32の透過領域38に適応するように寸法決めされる。入力アパーチャ56は、反射体軸線53と直交する平面において、任意の好適な断面積を有することができる。例えば、1つ以上の実施形態では、入力アパーチャ56は、少なくとも15mmの断面積を有することができる。1つ以上の実施形態では、入力アパーチャは、500mm以下の断面積を有することができる。
【0049】
また、出力アパーチャ58は、反射体軸線53と直交する平面において、任意の好適な直径を有することができる。例えば、1つ以上の実施形態では、出力アパーチャ58の直径は、少なくとも約5mmであり得る。更に、1つ以上の実施形態では、出力アパーチャ58の直径は、約50mm以下であり得る。出力アパーチャ58は、反射体軸線53と直交する平面において、任意の好適な断面積を有することができる。1つ以上の実施形態では、出力アパーチャ58は、少なくとも15mmの断面積を有することができる。1つ以上の実施形態では、出力アパーチャ58は、2000mm以下の断面積を有することができる。
【0050】
一般に、出力アパーチャ58は、検出器40の入力面42の作用区域に適応するように寸法決めされる。1つ以上の実施形態では、出力アパーチ58の断面積は、検出器40の入力面42の作用区域以下である。1つ以上の実施形態では、検出器40の入力面42の作用区域は、反射体50の出力アパーチャ58により取り囲まれている。更に、1つ以上の実施形態では、出力アパーチ58の断面積は、入力面42の作用区域よりも小さくてもよい。例えば、出力アパーチャ58の断面積は、入力面42の作用区域よりも約10%、5%、4%、3%、2%、1%小さくてもよい。1つ以上の実施形態では、出力アパーチャ58の断面積は、入力面42の作用区域よりも1〜10%の範囲内で小さくてもよい。1つ以上の実施形態では、出力アパーチャ58の断面積は、入力面42の作用区域よりも1〜5%の範囲内で小さくてもよい。
【0051】
反射体50の出力アパーチャ58の断面積は、入力アパーチャ56の断面積に対して任意の好適な寸法であり得る。1つ以上の実施形態では、出力アパーチャ58の断面積は、入力アパーチャ56の断面積よりも大きい。1つ以上の実施形態では、出力アパーチャ58の断面積は、入力アパーチャ56の断面積の少なくとも約1.5倍である。1つ以上の実施形態では、出力アパーチャ58の断面積は、入力アパーチャ56の断面積の少なくとも約2倍である。1つ以上の実施形態では、出力アパーチャ58の断面積は、入力アパーチャ56の断面積の多くとも約70倍である。
【0052】
反射体50は、入力アパーチャ56と出力アパーチャ58との間に、反射体軸線53に沿って測定される任意の好適な長さを有することができる。1つ以上の実施形態では、反射体50の長さは、少なくとも約10mm、少なくとも約12mm、少なくとも約15mm、少なくとも約20mm、少なくとも約30mmなどであり得る。1つ以上の実施形態では、反射体50の長さは、約50mm以下であり得る。
【0053】
検出器40の入力面42の作用区域と任意の好適な関係で反射体50を配設することができる。1つ以上の実施形態では、光軸線31に沿って、入力アパーチャ56、出力アパーチャ58、及び入力面42の作用区域をセンタリングすることができる。
【0054】
反射面51が受け部本体32の透過領域38の少なくとも一部分を取り囲むように、反射体50を配設することができる。1つ以上の実施形態では、反射面51が透過領域38の全体を取り囲むように、反射体50を配設することができる。1つ以上の実施形態では、反射面51が透過領域38の一部分のみを取り囲むように、反射体50を配設することができる。1つ以上の実施形態では、反射面51が、入力アパーチャ56と出力アパーチャ58と反射面とにより画定された容積内に透過領域38を封入するように、当該反射面を成形することができる。更に、1つ以上の実施形態では、この容積の外側に透過領域38の一部分を配設することができる。1つ以上の実施形態では、透過領域38の全体をこの容積内に配設することができる。
【0055】
反射面51と検出器40の入力面42とは一緒に、光空洞44を形成することができる。光空洞44は中空であり得る。1つ以上の実施形態では、光空洞44は、中実の光ガイドであってもよく、受け部本体32の透過領域38は、この中実の光ガイド内に配設されている。
【0056】
反射体50は、受け部30内に配設された試料によって光空洞44に射出される任意の好適な割合の光が作用区域内で検出器40の入力面42を通して方向付けられるようになっていてもよい。本明細書で使用する場合、「検出器40の入力面42を通して」という語句は、作用区域内で検出器の入力面に入射した光と入力面に対する法線ベクトルとが、検出器の受光角度以内である角度であることを意味している。検出器40の受光角度は、作用区域内での入力面42に入射する光が入力面を通り検出器内に方向付けられて検出される角度である。換言すると、検出器40の入力面42上の入射光で、入力面42で反射されている、及び検出器40内に向いていない光は、検出器の受光角度外である。1つ以上の実施形態では、試料が光空洞44に射出した光のうちの少なくとも15%が、検出器40の入力面42を通して方向付けられる。1つ以上の実施形態では、試料が光空洞44に射出した光のうちの少なくとも20%が、検出器40の入力面42を通して方向付けられる。1つ以上の実施形態では、試料が光空洞44に射出した光のうちの少なくとも50%が、検出器40の入力面42を通して方向付けられる。
【0057】
反射面51は、射出された光の少なくとも一部分を反射体50が作用区域内で入力面42を通して方向付けるような任意の好適な形状又は形状の組み合わせをとることができる。一般に、点光源の周りで回転した放物形状を有する反射体、例えば、複合放物面型集光器は、反射体の焦点に配設された点光源が射出した光を、平行な光線として反射体の出力アパーチャに再び方向付けることになる。本明細書で説明するような試料装置を参照すると、光は、受け部本体32の透過領域38を通して試料により射出され、それにより、点光源よりも大きな放射面を提供することができる。1つ以上の実施形態では、反射面51は、実質的に円筒形であり得る。換言すると、反射面51は、反射体の中心軸線53に対して実質的に平行な側面を有するように形成することができる(図5)。1つ以上の実施形態では、反射面51は、放物形状をとることができ、例えば、反射体軸線53を中心に放物曲線を回転させて、放物形状の反射体を提供することができる。
【0058】
反射面51は、図5に示すように、第1の曲率半径61を有する第1の部分52を含むことができる。1つ以上の実施形態では、反射面51全体が第1の曲率半径61を有する。図5に示すように、第1の曲率半径61は、中心60を中心とする。第1の曲率半径61の中心60は、反射体50に対して任意の好適な位置に配置することができる。例えば、1つ以上の実施形態では、反射体50の出力アパーチャ58が画定する平面59上に、第1の曲率半径61の中心60を配設することができる。1つ以上の実施形態では、平面59の下方に第1の曲率半径61の中心60を配置又は配設することができ、即ち、平面59が反射体50の中心60と入力アパーチャ56との間となるように中心60を配設することができる。
【0059】
1つ以上の実施形態では、反射体50の反射面51は、任意の好適な数の曲率半径を含むことができる。例えば、図5に示すように、反射面51は、中心62を中心とする第2の曲率半径63を有する第2の部分54を含む。第2の曲率半径63は、第1の曲率半径61と同じであり得る。1つ以上の実施形態では、第2の曲率半径63は、第1の曲率半径61とは異なる。第2の曲率半径63の中心62は、反射体50に対して任意の好適な位置に配置することができる。例えば、1つ以上の実施形態では、平面59上に第2の曲率半径を配置することができる。1つ以上の実施形態では、平面59よりも下に第2の曲率半径63の中心62を配置することができ、即ち、平面59が中心62と反射体50の入力アパーチャ56との間となるように第2の曲率半径63の中心62を配設することができる。1つ以上の実施形態では、平面59上に中心60、62を配設することができる。1つ以上の実施形態では、平面59の下方に中心60、62の一方又は両方を配設することができる。
【0060】
第1の部分52と第2の部分54とが異なる曲率半径を有するものとして反射体50を表してきたが、反射面51は、異なる曲率半径を有する3つ以上の部分を含むことができる。更に、1つ以上の実施形態では、反射体50の反射面51の好適な数の部分が、第1の曲率半径61又は第2の曲率半径63を含むことができる。
【0061】
第1の曲率半径61及び第2の曲率半径63はそれぞれ、任意の好適な長さを含むことができる。1つ以上の実施形態では、第1の曲率半径61及び第2の曲率半径63の一方又は両方は、少なくとも約50mm、55mm、60mm、65mm、70mm、100mm、200mm、500mm、600mm、700mmなどの半径を有することができる。更に、1つ以上の実施形態では、第1の曲率半径及び第2の曲率半径6163の一方又は両方は、約800mm以下の半径を有することができる。
【0062】
デバイス10のハウジング12内の任意の好適な位置に反射体50を配設することができる。1つ以上の実施形態では、光軸線31に沿って反射体50を配設することができる。更に、1つ以上の実施形態では、反射体軸線53を光軸線31と実質的に位置合わせさせることができる。1つ以上の実施形態では、反射体50が光軸線に沿ってセンタリングされるように、反射体軸線53を光軸線31と共線とすることができる。
【0063】
第1の曲率半径61を有する第1の部分52を、第2の曲率半径63を有する第2の部分54に対して任意の好適な関係で配設することができる。1つ以上の実施形態では、第1の部分52は、第2の部分54に隣接している。1つ以上の実施形態では、第1の部分52の一部分は、第2の部分54の一部分と交差する、あるいは重なり合う。1つ以上の実施形態では、第1の部分52は、反射面51の曲率が連続するように、即ち、第1の部分が、2つの部分の間で屈曲することなく第2の部分54に遷移するように、第2の部分54に隣接している。1つ以上の実施形態では、第1の部分52と第2の部分54との間に平坦部分を配設することができる。更に、1つ以上の実施形態では、第1の部分52と第2の部分54との間に、リッジ、ステップ又はファセットを配設することができる。
【0064】
1つ以上の実施形態では、反射体50の反射面51は、試料が光空洞44に射出した光が任意の好適な回数、反射面に入射した後に、作用区域内で検出器40の入力面42を通して方向付けられるようになっていてもよい。例えば、1つ以上の実施形態では、光空洞44に射出された光の少なくとも一部分は、例えば10回以下、反射体50の反射面51で反射した後に、作用区域内で入力面42を通して方向付けられる。1つ以上の実施形態では、光空洞44に射出された光の少なくとも一部分は、1回以下、反射体50の反射面51で反射した後に、作用区域内で入力面42を通して方向付けられる。1つ以上の実施形態では、光空洞44に射出された光の少なくとも一部分は、反射面51で反射することなく、あるいは、反射面51に入射することなく、作用区域内で入力面42を通して方向付けられる。反射面51が多くとも1回反射させた後に、光空洞44に射出された光のうちの任意の好適な割合を、即ち、多くとも1回の反射で、例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%を作用区域内で入力面42を通して方向付けることができる。任意の好適な技術又は技術の組み合わせを利用して、試料が光空洞44に射出した光の、反射面51が多くとも1回反射させた後に作用区域内で入力面42を通して方向付けられる割合を判定することができ、例えば、TracePro(Lambda Research Corporation(Littleton,Mass))のような任意の好適な光線追跡ソフトウェアプログラムを使用して、反射体及び光空洞44をモデル化することができる。
【0065】
反射体50は、反射体が反射性となるような任意の好適な材料又は材料の組み合わせ、例えば、金属、ポリマーなどを含むことができる。1つ以上の実施形態では、反射体50は、多層光学フィルムを含む。任意の好適な多層光学フィルム又はフィルムの組み合わせ、例えば、(3M Company(St.Paul,MN)から市販されている)Vikuiti(登録商標)Enhanced Specular Reflector Film(ESR)を利用することができる。多層光学フィルムを成形基材上に配設して、反射体50の反射面51を提供することができる。1つ以上の実施形態では、多層光学フィルムを所望の形状又は形状の組み合わせに成形して、反射面51を提供することができる。例えば、1つ以上の実施形態では、多層光学フィルムを熱成形して、反射面51に所望の形状を提供することができる。
【0066】
反射面51は、任意の好適な反射特性を提供することができる。例えば、反射面51の少なくとも一部分は、鏡面反射面であり得る。1つ以上の実施形態では、反射面51の少なくとも一部分は、拡散反射面であり得る。したがって、反射体50は、鏡面反射体、拡散反射体、又は組み合わせ鏡面/拡散反射体であることができる。
【0067】
デバイス10はまた、検出器40の精度を向上させるようになっている任意の追加の光学素子(1つ以上)を含むことができる。例えば、1つ以上の実施形態では、検出器40の入力面42に隣接して、マスク(図示せず)を配設することができる。本明細書で使用する場合、「入力面に隣接して配設する」という語句は、マスクが、検出器40の入力面42に、次いで反射体50の入力アパーチャ56に近接しているように配設されていることを意味する。マスクは、検出器40の入力面42に隣接して配設された別個の要素であり得る。1つ以上の実施形態では、マスクが反射体50と一体となるようにマスクを形成することができる。1つ以上の実施形態では、入力面42上にマスクを配設することができる。かかる実施形態では、任意の好適な技術又は技術の組み合わせを使用して、マスクを入力面42に取り付けることができる。マスクが反射体50の一部である実施形態では、マスクを検出器40の入力面42に取り付けて、入力面に対して反射体を封止し、それにより、試料が光空洞44に射出した光が、入力面42を通って透過する前に、当該空洞から透過することを防止することができる。マスクが含まれない実施形態では、光空洞44に射出された光が空洞から流出しないように、任意の好適な技術又は技術の組み合わせを使用して、反射体50を光導体の入力面42に取り付けることができ、例えば、光漏出を防止するために光空洞が封止される。
【0068】
検出器40に対して任意の好適な関係で、反射体50を配設することができる。例えば、反射体50の出力アパーチャ58は、任意の好適な距離、例えば、30mm以下、25mm以下、20mm以下、10mm以下、5mm超、1mm以下、5mm以下など、検出器40の入力面42から離れて配置することができる。1つ以上の実施形態では、出力アパーチャ58における反射体50の一部分は、検出器40の入力面42と接触していてもよい。更に、任意の好適な技術又は技術の組み合わせを使用して、反射体50を検出器40に接続することができる。例えば、反射体50は、入力面42及び検出器40の両側のうちの一方又は両方と接触し得るレッジ66を含むことができる(図4)。1つ以上の実施形態では、反射体が検出器に対して移動しないように、任意の好適な技術又は技術の組み合わせを使用して、反射体50及び検出器40を所定の位置に保持することができる。
【0069】
デバイス10はまた、光空洞44に光を射出するようになっている光源70を含むことができる。1つ以上の実施形態では、検出器40のアナログカウントレベルの判定を補助することができる基準光源として光源70を利用することができる。図4に示すように、光源70からの基準光を、反射体50に形成された開口部を通して光空洞44へと方向付けることができる。開口部は、任意の好適な形状をとることができ、任意の好適な寸法を有することができる。1つ以上の実施形態では、開口部は、ピンホール開口部であり得る。光源70は、デバイス10のハウジング12内に配設された回路28に電気結合され得る。1つ以上の実施形態では、デバイス10は、光源に応答する検出器40の出力に基づいて光源70を制御するために利用され得るフィードバックループを含むことができる。光源70は、任意の好適な光源、例えば、1つ以上の発光ダイオードを含むことができる。
【0070】
光源の射出軸線72が光軸線31と任意の好適な角度を形成するように、光源70を配設することができる。本明細書で使用する場合、「射出軸線」という用語は、光源がそれに沿って最大強度の光を射出する光源の軸線を指す。1つ以上の実施形態では、光源70の射出軸線72は、検出器40の入力面42の作用区域の中心46と交差する。更に、1つ以上の実施形態では、射出軸線72は、光軸線31に対して平行ではない。1つ以上の実施形態では、光源から光空洞44への配光がより均一になるように、光源70と検出器40の入力面42との間に拡散体(図示せず)を配設することができる。
【0071】
1つ以上の実施形態では、検査対象の材料の試料を受け部30に直接配設することができる。1つ以上の実施形態では、受け部30に配設された試料採取装置に、試料を配設することができる。任意の好適な試料採取装置、例えば、PCT国際公開第2014/007846号及び米国特許出願公開第2012/0329081号に記載される試料採取装置をシステム2と共に利用することができる。例えば、図6は、試料採取装置80の一実施形態の概略断面図である。試料採取装置80は、試料採取デバイス81及び容器90を含む。試料採取デバイス81は、任意の好適な試料採取デバイスを含むことができる。試料採取デバイス81は、ハンドル84と試料採取部88とを含むハンドル部82を含む。任意のステム86を介して試料採取部88をハンドリング部82に結合することができる。容器90に受け入れられるように試料採取デバイス81を成形及び寸法決めすることができる。ハンドリング部82は、任意の好適な材料又は材料の組み合わせを含むことができ、使用中に試料採取デバイス81を把持及び/又は操作することができる位置として機能することができる。試料採取デバイス81を容易に手動で又は機械的に把持できるようにするために、ハンドル84を成形する、及び/又はテクスチャ加工することができる。
【0072】
試料採取部88は、試料源から試料を取得及び保持することが可能な任意の好適な材料又は材料の組み合わせを含むことができる。1つ以上の実施形態では、試料採取部は、環境表面、例えば、食品処理工場及び食品処理設備で見られる表面、並びに、病室又は手術室の高頻度接触面、及び、外科用器具、硬性内視鏡及び可撓性内視鏡を含む医療用デバイスの表面を含む病院で見られる表面から収集される試料を保持することができる。1つ以上の実施形態では、試料採取部88は、液体試料、例えば、水質検査を含む食品処理動作で使用される液体、管腔手術器具及びカニューレ手術器具並びに他の医療用デバイスの内側表面から試料を収集するために使用される無菌水、並びに透析及び内視鏡検査などの医療手技で使用される水を保持することができる。1つ以上の実施形態では、試料採取デバイス81は、例えば試料採取部88に、デバイスが試料内に配設されている、又は試料と接触する時に、コーティングが試料と接触するようなコーティングを含むことができる。任意の好適なコーティング又はコーティングの組み合わせを試料採取デバイス81と共に含むことができる。
【0073】
容器90は、少なくとも1つの壁91と、試料採取デバイス81を受け入れるようになっている開口部93と、を含むことができる。1つ以上の実施形態では、容器90は、試料採取デバイス81全体を受け入れるようになっていてもよい。容器90はまた、光検出デバイス、例えば、光検出デバイス10に動作可能に結合するようになっているキュベット部100を含むことができる。1つ以上の実施形態では、キュベット部100は、光検出デバイスの招待型の受け入れ区画、例えば、システム2の受け部30に、容器90のキュベット部又は容器全体を入れることによって、光検出デバイスに動作可能に結合される。
【0074】
キュベット部100は、任意の好適な材料又は材料の組み合わせを含むことができる。1つ以上の実施形態では、キュベット部90は、試料採取デバイス81内の触媒反応の生成物として射出された光、例えば、ルシフェラーゼ酵素による触媒反応の生成物として射出された光の透過を可能にする光透過領域を提供する材料又は材料の組み合わせを含む。
【0075】
容器90内に試薬組成物96を配設することができる。試薬組成物96は、液体試薬、気体試薬又は固体試薬であり得る。試薬組成物96は、任意の好適な試薬又は試薬の組み合わせ、例えば、ルシフェリン/ルシフェラーゼATP検出試薬、ニンヒドリン、及びビシンコニン酸タンパク検出試薬を含むことができる。
【0076】
キュベット部100に隣接して配設された脆弱壁92により形成された容器90の閉鎖区画94に試薬96を配設することができる。脆弱壁92は、任意の好適な材料又は材料の組み合わせを含むことができる。1つ以上の実施形態では、脆弱壁92は、耐水性材料、例えば、プラスチックフィルム、金属箔、又は金属被覆プラスチックフィルムで作製され得る。任意の好適な技術又は技術の組み合わせ、例えば、接着剤、ヒートシール、ソニックウェルドなどを使用して、脆弱壁92をキュベット部100及び/又は容器90の壁91に取り付けることができる。
【0077】
一般に、例えば、任意の好適な技術又は技術の組み合わせを使用して、液体試料におけるATPの有無を検出するために、光検出システムを使用することができる。試料中のATPの存在は、試料中の有機残留物及び/又は微生物(例えば、病原微生物)が存在する可能性を示すことができる。1つ以上の実施形態では、試料中のATPの量は、試料中の微生物の相対数の指標であり得る。
【0078】
例えば、試料採取装置80を利用して、所定の体積の液体試料を取得することができる。所定の体積の試料を容器90中の液体試薬組成物96と接触させて反応混合物を形成するために、試料採取デバイス81を使用することができる。次いで、光検出デバイス、例えば、光検出デバイス10と共に試料採取装置を利用して、反応混合物から射出された光を検出することができる。
【0079】
1つ以上の実施形態では、試料採取装置80を利用して、表面上の残留物、例えば、固体表面に見出される液体残留物及び/又は固体残留物中に存在するATPを検出することができる。例えば、試料採取装置80を利用して、表面を洗浄するために使用されるプロセスの有効性を検出することができる。多くの環境(例えば、食品加工施設、病院)では、洗浄プロセスは、検査される表面から検出可能なATPを実質的に減少又は除去するべきである。試料採取装置80を利用して検査することができる好適な試料としては、これらに限定されないが、処理設備(例えば、食品処理表面、管、ドレイン、コンベヤ、保管容器)、環境表面(例えば、シンク、天板、引き出し、床、壁、天井、扉、ベッドレール、リネン、コンピュータのタッチスクリーン、キーボード、モニタ)、及び医療設備又はデバイス(例えば、内視鏡、リトラクタ、トロカール、外科用メス、トレー)が挙げられる。かかる試料は、表面に存在する液体残留物及び/又は固体残留物を含むことがある。
【0080】
1つ以上の実施形態では、試料採取デバイス81を使用して試料を取得することができる。試料採取デバイス81が容器90に挿入される。試料採取デバイス81のハンドル84に対する手動の又は機械的な圧力を使用して、試料採取部88を脆弱壁92を断裂するまで区画94に向かって付勢し、図6に示されるように、試料採取部88と関連付けられた液体試料(図示せず)を試薬組成物96と接触させる。試料採取デバイス81及び容器90は互いに対して操作位置に配設される。1つ以上の実施形態では、試料採取装置81は、容器90に完全に挿入され試料採取デバイスの試料採取部88が液体試薬組成物96に接触する。
【0081】
受け部30内に試料採取装置80を配置することによって、生物発光試料を光検出デバイス10の受け部30内に配設することができる。扉11を開くことができ、検出デバイス10のハウジング12のポート20の開口部21に試料採取装置を挿入することができる。光空洞44内で、受け部30自体の上、又は受け部本体32の任意の透過領域38内のいずれかにキュベット部100の少なくとも一部分が配設されるまで、試料採取装置80を受け部30に挿入することができる。反応混合物の形成前又は形成後に、キュベット部100を光検出デバイス10に動作可能に結合することができる。本明細書で使用する場合、「動作可能に結合する」という用語は、試料が射出し得る光の少なくとも一部分を作用区域内で入力面42を通して方向付けることができるように、キュベット部100がハウジング12内に配設されることを意味する。1つ以上の実施形態では、反応混合物が形成された後に、キュベット部100を光検出デバイス10に動作可能に結合する。1つ以上の実施形態では、キュベット部100は、光学信号を提供するために、任意の好適な時間長さ、例えば、少なくとも1秒間、5秒間、10秒間、15秒間、20秒間、30秒間、60秒間、2分間、5分間、10分間、15分間、20分間などにわたって、光検出デバイスに動作可能に結合される。
【0082】
試料採取装置のキュベット部100がデバイスに動作可能に結合されるように試料採取装置80を光検出デバイス10の受け部30内に配設した後、当該デバイスにより発光を監視する。試料が射出し得る光の少なくとも一部分は、光空洞44へと透過され得る。この透過された光の第1の部分は、反射体50が反射させることも、あるいは試料に吸収されることもなく、作用区域内で検出器40の入力面42を通して方向付けられ得る。光空洞44に射出された光の第2の部分は、反射体50の反射面51が反射させることによって、作用区域内で入力面42を通して方向付けられ得る。
【0083】
検出器40を使用して、射出された光の1つ以上の特性を測定することができる。例えば、検出器40を利用して、受け部30内に配設された試料が射出し得た1つ以上の光子を検出することができる。1つ以上の実施形態では、検出デバイス10は、反応混合物から射出された光を検出し、選択した量(例えば、試料中に存在するATPの相対量又は絶対量)を測定することができる。この光出力は、光検出デバイス10により定量化することができる。試料中のATPの存在は、微生物の存在の直接の指標であり得る(即ち、ATPは、他のATP源を含んでいない試料中の微生物に由来する)か、あるいは、ATPは、微生物の存在の間接的な指標であり得る(即ち、ATPは、植物性又は動物性の物質に由来し、微生物の成長を支援する栄養素が試料中に存在し得ることを示す)。
【0084】
光検出デバイス(例えば、光検出デバイス10)を使用して試料が射出した光を測定する時、射出された光の検出中にデバイスが保持又は配置される角度は、デバイスの精度に影響を及ぼし得る。適切な角度で保持されていない器具を用いて試料を測定すると、測定値と実数値との差は20%を超えることがある。これは、測定される試料が、典型的には、測定可能なメニスカスを有することができる試料採取装置のキュベット部(例えば、装置80のキュベット部100)に配設されたわずかな体積(1mL未満)の液体試料であり得るからである。器具が不適当な角度で保持された時には、試料の少なくとも一部分は、システムの検出デバイスの光空洞(例えば、デバイス10の光空洞44)の外側に配設され、それにより、光空洞へと光を射出することができる試料の体積が低減し、したがって、誤信号を生じる可能性がある。総生物発光放射輝度は、バルク溶液と試料採取デバイスの試料採取部(例えば、デバイス81の試料採取部88)の双方から射出される。この傾斜は、分析される試料の放射輝度に影響を及ぼし得る。
【0085】
1つ以上の実施形態では、検出デバイス10はまた、1つ以上の実施形態において検出デバイス10の傾斜角を測定することができる傾斜検出構成要素(図示せず)を含むことができる。本明細書で使用する場合、「傾斜角」という用語は、ハウジング軸線4と垂直軸線との間に形成される角度を意味する。本明細書で使用する場合、「垂直軸線」という用語は、地球の重力場と位置合わせされている軸線を指す。傾斜検出構成要素は、デバイス10が適切な傾斜角内に位置している時、及び/又はデバイスが不適当な傾斜角に位置している時に、ユーザにフィードバックを提供することができる。任意の好適な技術又は技術の組み合わせを使用して、そのようなフィードバックをユーザに提供することができる、例えば、ディスプレイ24上に読出しとしてフィードバックを提供することができる、あるいは、デバイス10は、触覚フィードバックをユーザに提供するようになっていてもよい。例えば、試料が射出した光を検出する間、器具が正しい傾斜角で保持されていない時、及び/又は器具が正しい傾斜角で保持されている時には、ディスプレイ24上のオンスクリーンメッセージによってユーザに警告することができ、あるいは、デバイス10は、触覚フィードバックを提供することができる。デバイス10が正しい傾斜角内に位置するように、デバイス10を再配向するオンスクリーン命令をユーザに提供することができる。傾斜検出構成要素を利用して、任意の好適な傾斜角又は傾斜角の範囲をユーザに指示することができる。1つ以上の実施形態では、例えば、ハウジング内に配設された試料の量によって、並びに、ハウジング内の検出器の光学的性質及び構成によって、望ましい傾斜角を判定することができる。一般に、ハウジング内に配設された試料の1つ以上の特性の最も正確な検出を行うように傾斜角を選択することができる。
【0086】
傾斜検出構成要素は、垂直軸線に対するデバイス10の向きを判定することができる任意の好適な回路又は要素を含むことができる。例えば、1つ以上の実施形態では、マイクロプロセッサによりサンプリングされた傾斜角を傾斜センサにより測定することができ、マイクロプロセッサは、デバイス10のハウジング12内又はハウジング10の外部のいずれかに配設され、傾斜センサに無線結合されるか、あるいは有線結合を介して結合されている。試料の分析の前又はその間に、傾斜センサにより提供されたデータを平均化又は正規化して、デバイス10の傾斜角の安定近似値を得ることができる。傾斜検出構成要素は、任意の好適な精度を有するように較正され得る。例えば、1つ以上の実施形態では、例えば、20%傾斜角測定角度を提供するように傾斜検出構成要素を較正することができる。
【0087】
任意の特定の理論により制限されることを望むものではないが、測定される試料が典型的には試料採取装置のキュベット部に配設された小さな体積(1mL未満)の液体試料であり得、試料は、測定可能なメニスカスを有し得るので、適切な角度で保持されていない器具を用いて試料を測定すると、実数値に対して20%大きい測定値の差が生じ得る。デバイスが不適当な角度で保持された時には、試料の少なくとも一部分は、検出器に光を方向付ける、システムの検出デバイスの光空洞の外側に配設され、それにより、光空洞へと光を射出することができる試料の体積が低減し、したがって、誤信号を生じる可能性がある。したがって、この傾斜は、分析される試料の放射輝度に影響を及ぼし得る。
【0088】
1つ以上の実施形態では、傾斜検出構成要素を利用して、顧客使用行動及び誤用イベントを測定することもでき、これは、所望のサービスインターバルを予測する際に、あるいはトレーニング及びガイダンスを提供する際に有用であり得る。更に、傾斜検出構成要素の1つ以上の実施形態は、測定した傾斜角に基づいて、RLUデータのリアルタイムな数学的正規化を行うことができる。このアルゴリズムは、実際の傾斜角の限界値に制約され得る。例えば、測定された角度が90度よりも大きいと、即時に警告がプロンプトされ、正規化アルゴリズムが抑制される。1つ以上の実施形態では、ユーザに傾斜角に関するフィードバックを提供することにより、ユーザは、複数の試料にわたって同じ傾斜角を維持することが可能になり、それにより、試料採取周期毎に、また試料毎により一貫した読取を可能にすることができる。
【0089】
任意の好適な技術又は技術の組み合わせを利用して、適切な傾斜角を有する位置で光検出デバイス10を維持することができる。例えば、1つ以上の実施形態では、所望の傾斜角で作業面上にデバイスを載置することができるように作業面上にデバイスを配置することができるように、デバイス10のハウジング12に支持部材(1つ以上)を接続することができる。任意の好適な支持部材(1つ以上)、例えば、2015年3月13日付けで出願された、同時係属中の米国仮特許出願第61/132,794号(代理人書類番号76071US002)に記載されている支持部材をハウジング12に接続することができる。
【0090】
本明細書に引用されるすべての参考文献及び刊行物は、それらが本開示と直接矛盾し得る場合を除き、それらの全容を参照によって本開示に明確に援用するものである。本開示の例示的実施形態を検討すると共に本開示の範囲内の可能な変形例を参照してきた。本開示のこれらの及び他の変形例及び変更例は開示の範囲から逸脱することなく当業者には明らかであろうと共に、本開示は本明細書に記載された例示的実施形態に限定されないことは理解されよう。したがって、本開示は、以下に記載の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6