特許第6807352号(P6807352)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6807352プロセスチャンバのレーザ窓を洗浄及び/又は交換するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807352
(24)【登録日】2020年12月9日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】プロセスチャンバのレーザ窓を洗浄及び/又は交換するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/70 20140101AFI20201221BHJP
   B23K 26/34 20140101ALI20201221BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20201221BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20201221BHJP
   B33Y 40/00 20200101ALI20201221BHJP
   B29C 64/35 20170101ALI20201221BHJP
   B29C 64/25 20170101ALI20201221BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20201221BHJP
   B29C 64/371 20170101ALI20201221BHJP
【FI】
   B23K26/70
   B23K26/34
   B23K26/21 Z
   B33Y30/00
   B33Y40/00
   B29C64/35
   B29C64/25
   B29C64/153
   B29C64/371
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-108642(P2018-108642)
(22)【出願日】2018年6月6日
(65)【公開番号】特開2018-202485(P2018-202485A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2018年7月25日
(31)【優先権主張番号】BE2017/5402
(32)【優先日】2017年6月6日
(33)【優先権主張国】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】597013711
【氏名又は名称】スリーディー システムズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】ジョナス ファン ヴェーレンベルグ
(72)【発明者】
【氏名】ブロウリー ファルケンボルグ
【審査官】 黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/103686(WO,A1)
【文献】 特開平4−56144(JP,A)
【文献】 特開2003−218053(JP,A)
【文献】 特開2008−164089(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第106738905(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 − 26/70
B33Y 30/00
B33Y 40/00
B29C 64/153
B29C 64/25
B29C 64/35
B29C 64/371
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整雰囲気を含む閉鎖プロセスチャンバ(3)、特にレーザを用いた3D物体の積層構築のためのプロセスチャンバの外壁(2)上に備えられたレーザ窓(1)を有する装置であって、
前記外壁(2)が、レーザ窓(1)を備える開口(4)を少なくとも特徴とし、前記レーザ窓(1)が、前記プロセスチャンバ(3)の外側に配置されたレーザ源(16)から、前記開口(4)を介して前記プロセスチャンバ(3)中へレーザビーム(15)を通過させて積層状に前記3D物体を構築し、
前記外壁(2)と前記レーザ窓(1)との間に伸長する外部シーリングリング(5)が提供され、
前記レーザ窓(1)が、前記開口(4)に関して開放位置と閉鎖位置との間で移動可能である点が改良され、
さらに、前記プロセスチャンバ(3)中に伸長し、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であるシーリングプレート(6)が提供され、
前記シーリングプレート(6)の前記開放位置において、該シーリングプレート(6)が前記外壁(2)中の前記開口(4)をクリアに保ち、
前記シーリングプレート(6)の前記閉鎖位置において:
−前記開口(4)の周りに、前記シーリングプレート(6)と前記外壁(2)との間で前記プロセスチャンバ(3)中に伸長する内部シーリングリング(7)が提供され、
−前記内部シーリングリング(7)と組み合わせて、前記シーリングプレート(6)が、前記プロセスチャンバ(3)の前記開口(4)を密封し、
−前記開口(4)の周りに、少なくとも前記シーリングプレート(6)、前記内部シーリングリング(7)及び前記レーザ窓(1)に面するロックチャンバ(8)が作製され、
−前記ロックチャンバ(8)中に前記調整雰囲気を供給するために、入口(11)及び出口(10)が前記ロックチャンバ(8)中に伸長する、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記出口(10)が圧力開放弁を備える、及び/又は、前記出口(10)が、前記ロックチャンバ(8)中に真空を作り出すための真空ポンプ(9)に連結される、ことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
好ましくは前記開口(4)及び/又は前記外壁(2)に主として平行に、前記シーリングプレート(6)の前記開放位置と前記閉鎖位置との間で前記シーリングプレート(6)を誘導する内部ガイド(12)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記レーザ窓(1)の開放位置と閉鎖位置との間で前記レーザ窓(1)を誘導する外部ガイド(13)を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記内部シーリングリング(7)及び/又は前記外部シーリングリング(5)が膨張式シールを含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記レーザ窓(1)が、1つ以上のレーザ窓枠(1’、1”)を有するアダプタープレート(14)を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記入口(11)及び前記出口(10)が、入口及び出口として交互に作用する単一の連結パイプから構成されることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
調整雰囲気を含む密閉プロセスチャンバ(3)、特に、選択的レーザ焼結(SLS)のような技術による3D物体の積層構築のためのプロセスチャンバ(3)のレーザ窓(1)を洗浄又は交換する方法であって、
前記プロセスチャンバ(3)の外壁(2)が、前記レーザ窓(1)を備える開口(4)を少なくとも特徴とし、前記レーザ窓(1)が、前記3D物体の積層構築のために、前記プロセスチャンバ(3)の外側に配置されたレーザ源(16)から、前記開口(4)を介して前記プロセスチャンバ(3)中へレーザビーム(15)を通過させることを特徴とし、前記方法が、
−前記レーザ窓(1)の内側(17)上において前記密閉プロセスチャンバ(3)中にシーリングプレート(6)を配置し、前記レーザ窓(1)を取り付けた前記開口(4)を完全に被覆する、工程;
−前記外壁(2)と前記シーリングプレート(6)との間で、前記レーザ窓(1)を有する前記開口(4)の周りで内部シーリングリング(7)を閉鎖することにより密閉されたロックチャンバ(8)を作製する工程;
−前記外壁(2)中で前記開口(4)に関して前記レーザ窓(1)を開放位置と閉鎖位置との間で移動させる工程;
−前記レーザ窓(1)の内側(17)を洗浄する、又は、新しいレーザ窓(1)により前記レーザ窓(1)を交換する工程;
−前記外壁(2)の前記開口(4)の上に、前記洗浄されたレーザ窓(1)又は前記新しいレーザ窓(1)を配置する工程;
−前記外壁(2)と前記レーザ窓(1)との間で、前記レーザ窓(1)を有する前記開口(4)の周りで外部シーリングリング(5)を閉鎖する工程;
−前記ロックチャンバ中の雰囲気を調製する工程;
−前記レーザ窓(1)の内側(17)上で前記シーリングプレート(6)を取り除く工程、
を含む、方法。
【請求項9】
前記ロックチャンバ中の前記雰囲気の調整が、不活性ガスを供給することにより行われることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記ロックチャンバ中の前記雰囲気の調整が、前記ロックチャンバ(8)中に真空を作り出し、次いで不活性ガスを供給することにより行われることを特徴とする、請求項又はに記載の方法。
【請求項11】
前記シーリングプレート(6)の誘導が、内部ガイド(12)より行われることを特徴とする、請求項から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記シーリングプレートの誘導が、前記外壁(2)、前記開口(4)及び/又は前記レーザ窓(1)に主として平行に行われることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記内部シーリングリング(7)及び/又は前記外部シーリングリング(5)の閉鎖が、膨張式シールを膨張することにより行われることを特徴とする、請求項から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記外壁(2)中の前記開口(4)に関する前記レーザ窓(1)の開放位置と閉鎖位置との間の移動が、外部ガイド(13)より行われることを特徴とする、請求項から13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調整雰囲気(modified atmosphere)を含む、外壁により囲まれたプロセスチャンバ、特に、選択的レーザ焼結(SLS)のような技術による3D物体の積層プリントのためのプロセスチャンバのレーザ窓を洗浄及び/又は交換するための装置に関し、この装置は、レーザ窓が取り付けられる外壁における開口を特徴とし、このレーザ窓によって、プロセスチャンバの外側に位置するレーザ源からプロセスチャンバ中へのレーザビームが可能となり、外壁とこのレーザ窓との間に伸長する外部シーリングリングが提供される。
【0002】
本発明はまた、密閉されたプロセスチャンバの外壁の開口におけるレーザ窓を洗浄及び/又は交換するための方法に関する。
【0003】
現在の最新技術によれば、金属がレーザビームを用いたプロセシングにより蒸発される、「ダイレクトメタルプリンティング」(SLM、DMLSなど)のような処理のための調整雰囲気を含むプロセスチャンバにおいて、レーザ窓が提供される。
【0004】
これらの処理は、上記の雰囲気がプロセスチャンバ中でこのために必要であるとして当業者に知られている。所望の雰囲気の供給は、さまざまの工程で行われなければならないので非常に時間がかかる。例えば、プロセスチャンバは、まずすべての酸素などを除去するために真空下に置かれなければならない。次に、空間に窒素ガスを供給することにより空間をフラッシュ(flush)し、その後、所望の不活性ガスを供給してプロセスチャンバ中に不活性雰囲気を生成する前に、窒素雰囲気を有する空間を再び真空下に置く。適用される処理に依存して、必ずしもチャンバをまず真空下に置く必要はなく、所望の不活性ガスを用いたフラッシング(flushing)により、プロセスチャンバ中の雰囲気を変化してもよい。
【0005】
本明細書において、レーザ窓は、プロセスチャンバとレーザ源及び/又はレーザスキャナとの間のパーティションを形成し、したがって、プロセスチャンバが調整雰囲気を保持するために閉鎖されたままでありながらレーザビームを通過させなければならない。したがって、レーザ源及び/又はレーザスキャナは通常、プロセスチャンバの外に配置される。
【0006】
例えば、これらの処理における金属の蒸発により、レーザ窓は汚染される。この汚染によって、レーザパワーの一部が吸収され、したがって、レーザ窓が加熱される。これによって、「熱レンズ(thermal lensing)」として知られるものが生じうる。これによって、溶融処理が不安定となり、残存する多孔性が現れ、生成される断片の粗さが増加する。
【0007】
レーザ窓の汚染を制限するために、ガスフローシステムが、ガス流の連続的な濾過と組み合わせてレーザ窓の内部に組み込まれる。
【0008】
それにもかかわらず、レーザ窓の内部の汚染を防ぐことはできない。したがって、長期の処理の場合などに、レーザ窓を洗浄又は交換することが必要である。このためには、処理を長期間に亘り中断しなければならない。オペレータは、内側でレーザ窓を洗浄するためにプロセスチャンバを開かなければならず、これは、このチャンバ中で調整雰囲気を保持できないことも意味する。洗浄の後、この調整雰囲気を再現しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、プロセスチャンバ中で調整雰囲気を保持しながら、レーザ窓の洗浄及び/又は交換を可能とする方法及び装置を提供することにより、このための解決を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、レーザ窓は、開口に関して移動可能であり、装置は、添付の特許請求の範囲で要求されるようにプロセスルーム中に伸長するシーリングプレートを備える。
【0011】
この目的のために、シーリングプレートは、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であり、シーリングプレートは、閉鎖位置において外壁中の開口を密封し、開放位置において外壁中に開口を残し、シーリングプレートが密封位置に配置される場合、開口の周りでシーリングプレートと外壁との間でプロセスチャンバ中に伸長する内部シーリングリングが提供され、この密封位置において、内部シーリングリング、シーリングプレート及びレーザ窓が取り付けられた開口に面するロックチャンバが作製され、入口及び出口が、ロックチャンバ中に調整雰囲気を供給するためにロックチャンバ中に伸長する。
【0012】
有利には、装置は、好ましくは、開口、レーザ窓及び/又は外壁に主として平行して、シーリングプレートを開放位置と閉鎖位置との間に誘導する内部ガイドを備える。
【0013】
装置のある実施形態によれば、内部シーリングリング及び/又は外部シーリングリングは、膨張式シールを含む。
【0014】
本発明はまた、添付の特許請求の範囲で要求されるように、密閉されたプロセスチャンバの外壁の開口中のレーザ窓を洗浄又は交換するための方法に関する。
【0015】
本発明のさらなる詳細及び利点が、本発明に従った方法及び装置のいくつかの特定の実施形態の以下の記載に示される。この記載は、例としてのみ与えられるものであり、特許請求される保護範囲を制限するものではない;以下で用いられる参照番号は、添付の図面に関する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】レーザ窓が閉鎖位置にありシーリングプレートが開放位置にある場合の、本発明の実施形態に従った装置の断面の概略図
図2図1においてレーザ窓及びシーリングプレートが閉鎖位置にある場合の概略図
図3図1においてレーザ窓が開放位置にありシーリングプレートが閉鎖位置にある場合の概略図
図4】開口を有するプロセスチャンバの外壁の外側の一部の概略斜視図
図5】複数の窓枠からなるレーザ窓の概略図
【発明を実施するための形態】
【0017】
さまざまの図面において、同じ参照番号は同じ又は類似する部材に関する。
【0018】
概して、本発明は、プロセスチャンバのレーザ窓を洗浄及び/又は交換する装置及び方法に関する。より詳細には、本発明は、内部シーリングリングと組み合わせて、プロセスチャンバ中にロックチャンバを作製できる、シーリングプレートに関し、ロックチャンバ中の雰囲気は、プロセスチャンバ中の雰囲気とは別個に生成できる。このロックチャンバは、レーザ窓を取り付けた外壁中の開口の周りでプロセスチャンバ中に作製される。本発明は、特に、それ自体は当業者に既知のレーザを用いた処理を使用する、3D物体の積層製造のためのプロセスチャンバにおける用途に関する。
【0019】
図1から3は、本発明に従った装置の実施形態の線図を示す。
【0020】
プロセスの実施中、3D物体がレーザを用いて層状に製造され、プロセスチャンバ3は、製造プロセスに必要な所望の調整雰囲気を生成するために完全に閉鎖される。
【0021】
プロセスチャンバ3の外壁2は、レーザ窓1及び外部シーリングリング5により閉鎖される開口4を備える。本明細書において、シーリングリング5は、開口の周りでかつレーザ窓1に対して緊密に閉じる。
【0022】
レーザ窓1を外壁2に提供することにより、レーザ源16を、プロセスチャンバ3の外側に配置することができる。窓1により、レーザビーム15がプロセスチャンバ3中に入ることができる。
【0023】
プロセス中、レーザ窓1は、その内側17において汚染される。
【0024】
内側17においてレーザ窓1を洗浄するために、図2に示されるように、外壁2の内側18における開口4にシーリングプレート6を取り付ける。
【0025】
機構12を用いて、シーリングプレート6を開口4の前に配置する。内部リーリングリング7が、外壁2とシーリングプレート6との間を連結することにより、開口4がプロセスチャンバ3から完全に密封される。好ましくは、内部シーリングリング7は、外壁2の内側18に対向して連結する。
【0026】
これによって、開口4の周りにロックチャンバ8が作製される。このロックチャンバ8は、シーリングプレート6、レーザ窓1、並びに、内部シーリングリング5及び外部シーリングリング7に面する。
【0027】
図2に示されるように、レーザ窓1が、例えばヒンジを備えた外部ガイド機構13を用いて開放位置に移動される場合、ロックチャンバ8が開かれ、調整雰囲気は、ロックチャンバ8から分散するがプロセスチャンバ3中では保持される。
【0028】
本明細書において、レーザ窓1の内側17は、洗浄のためにアクセス可能となり、その後、レーザ窓1を閉鎖位置に移動することによりロックチャンバ8を再び閉鎖できる。レーザ窓1を新しいレーザ窓1と交換することも可能である。
【0029】
出口10及び入口11は、ロックチャンバ8に出入りする。
【0030】
ロックチャンバ8が再び閉鎖されると、プロセスチャンバ3の雰囲気に対応する調整雰囲気がロックチャンバ8中に生成される。
【0031】
このために、出口10及びこれに連結された真空ポンプ9を用いてロックチャンバ8中に真空を作り出してもよく、その後、入口11を介してロックチャンバ8に所望のガスを再充填する。
【0032】
あるいは、図示されないが、入口11及び出口10は、単一の連結から構成されてもよく、これはいずれも真空を生成するため及びガスを再び供給するために使用される入口及び出口として交互に作用する。
【0033】
さらに、必ずしもロックチャンバ8中に真空を作り出すことなく、入口11及び出口10を介して、所望のガスによりこのチャンバ8をフラッシュすることのみによって、ロックチャンバ8中の雰囲気を変えることも可能である。
【0034】
最後に、シーリングプレート6を、図1に示されるような開放位置に戻すよう移動できる。
【0035】
上記の実施形態のバリエーションによれば、内部シーリングリング5及び外部シーリングリング7は、好ましくは、密封のために膨張される膨張式シーリングリングを含む。
【0036】
上記の実施形態の別のバリエーションによれば、図5に示されるように、レーザ窓1は、複数のレーザ窓枠1、1’、1”を備えるアダプタープレート14から構成される。
【0037】
上記の実施形態のさらなるバリエーションによれば、図示されないが、内部及び/又は外部ガイド機構12及び/又は13は、ガイドレール及び駆動ユニットを備える。駆動ユニットは、油圧式、空気圧式および/又は電動式などでもよい。好ましくは、これらの機構により、外壁2、開口4及び/又はレーザ窓1に主に平行な誘導が確保される。
【0038】
図4は、プロセスチャンバ3の外壁2に配置できる、本発明に従った装置を有するモジュールを示す。図示されないが、内部ガイド機構12は、1つ以上のガイドレール20及び駆動ピストンを備え、これによって、開口位置と閉鎖位置との間で開口4に平行なシーリングプレートの移動が可能となる。さらに、この実施形態において、開口4は、3つのサブ開口4、4’、4”に再分割される。開口4は、再分割なしであるいはより多くの又は少ない再分割で実施されてもよい。
【0039】
上記の実施形態の可能なバリエーションによれば、外部ガイド機構13は、1つ以上のファスナー19及び/又は取り外し可能なヒンジを備え、これによって、レーザ窓1を外壁2から完全に取り外すことが容易にできる。
【0040】
本発明は、もちろん、上記の装置又は方法、あるいは、添付の図面に提案される実施形態に制限されない。例えば、これらの実施形態及びバリエーションのさまざまの特徴は、互いに組み合わせてもよい。
他の実施形態
1. 調整雰囲気を含む閉鎖プロセスチャンバ(3)、特にレーザを用いた3D物体の積層構築のためのプロセスチャンバの外壁(2)上に備えられたレーザ窓(1)を有する装置であって、
前記外壁(2)が、レーザ窓(1)を備える開口(4)を少なくとも特徴とし、前記レーザ窓(1)が、前記プロセスチャンバ(3)の外側に配置されたレーザ源(16)から、前記開口(4)を介して前記プロセスチャンバ(3)中へレーザビーム(15)を通過させて積層状に前記3D物体を構築し、
前記外壁(2)と前記レーザ窓(1)との間に伸長する外部シーリングリング(5)が提供され、
前記レーザ窓(1)が、前記開口(4)に関して移動可能である点が改良され、
さらに、前記プロセスチャンバ(3)中に伸長し、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であるシーリングプレート(6)が提供され、
前記シーリングプレート(6)の前記開放位置において、該シーリングプレート(6)が前記外壁(2)中の前記開口(4)をクリアに保ち、
前記シーリングプレート(6)の前記閉鎖位置において:
−前記開口(4)の周りに、前記シーリングプレート(6)と前記外壁(2)との間で前記プロセスチャンバ(3)中に伸長する内部シーリングリング(7)が提供され、
−前記内部シーリングリング(7)と組み合わせて、前記シーリングプレート(6)が、前記プロセスチャンバ(3)の前記開口(4)を密封し、
−前記開口(4)の周りに、少なくとも前記シーリングプレート(6)、前記内部シーリングリング(7)及び前記レーザ窓(1)に面するロックチャンバ(8)が作製され、
−前記ロックチャンバ(8)中に前記調整雰囲気を供給するために、入口(11)及び出口(10)が前記ロックチャンバ(8)中に伸長する、
ことを特徴とする装置。
2. 前記出口(10)が圧力開放弁を備える、及び/又は、前記出口(10)が、前記ロックチャンバ(8)中に真空を作り出すための真空ポンプ(9)に連結される、ことを特徴とする、実施形態1に記載の装置。
3. 好ましくは前記開口(4)及び/又は前記外壁(2)に主として平行に、前記シーリングプレート(6)の前記開放位置と前記閉鎖位置との間で前記シーリングプレート(6)を誘導する内部ガイド(12)を備えることを特徴とする、実施形態1又は2に記載の装置。
4. 前記レーザ窓(1)の開放位置と閉鎖位置との間で前記レーザ窓(1)を誘導する外部ガイド(13)を備えることを特徴とする、実施形態1から3のいずれかに記載の装置。
5. 前記内部シーリングリング(7)及び/又は前記外部シーリングリング(5)が膨張式シールを含むことを特徴とする、実施形態1から4のいずれか一項に記載の装置。
6. 前記レーザ窓(1)が、1つ以上のレーザ窓枠(1’、1”)を有するアダプタープレート(14)を備えることを特徴とする、実施形態1から5のいずれかに記載の装置。
7. 前記シーリングプレート(6)を駆動して前記レーザ窓を解放し、第1工程において前記レーザ窓を開放位置へ移動し、その後の第2工程において、前記レーザ窓(1)を前記開口(4)に関して前記開放位置へ移動する、駆動手段が提供されることを特徴とする、実施形態1から6のいずれかに記載の装置。
8. 前記入口(11)及び前記出口(10)が、入口及び出口として交互に作用する単一の連結パイプから構成されることを特徴とする、実施形態1から7のいずれかに記載の装置。
9. 調整雰囲気を含む密閉プロセスチャンバ(3)、特に、選択的レーザ焼結(SLS)のような技術による3D物体の積層構築のためのプロセスチャンバ(3)のレーザ窓(1)を洗浄又は交換する方法であって、
前記プロセスチャンバ(3)の外壁(2)が、前記レーザ窓(1)を備える開口(4)を少なくとも特徴とし、前記レーザ窓(1)が、前記3D物体の積層構築のために、前記プロセスチャンバ(3)の外側に配置されたレーザ源(16)から、前記開口(4)を介して前記プロセスチャンバ(3)中へレーザビーム(15)を通過させることを特徴とし、前記方法が、
−前記レーザ窓(1)の内側(17)上において前記密閉プロセスチャンバ(3)中にシーリングプレート(6)を配置し、前記レーザ窓(1)を取り付けた前記開口(4)を完全に被覆する、工程;
−前記外壁(2)と前記シーリングプレート(6)との間で、前記レーザ窓(1)を有する前記開口(4)の周りで内部シーリングリング(7)を閉鎖することにより密閉されたロックチャンバ(8)を作製する工程;
−前記外壁(2)中で前記開口(4)に関して前記レーザ窓(1)を移動させる工程;
−前記レーザ窓(1)の内側(17)を洗浄する、又は、新しいレーザ窓(1)により前記レーザ窓(1)を交換する工程;
−前記外壁(2)の前記開口(4)の上に、前記洗浄されたレーザ窓(1)又は前記新しいレーザ窓(1)を配置する工程;
−前記外壁(2)と前記レーザ窓(1)との間で、前記レーザ窓(1)を有する前記開口(4)の周りで外部シーリングリング(5)を閉鎖する工程;
−前記ロックチャンバ中の雰囲気を調製する工程;
−前記レーザ窓(1)の内側(17)上で前記シーリングプレート(6)を取り除く工程、
を含む、方法。
10. 前記ロックチャンバ中の前記雰囲気の調整が、不活性ガスを供給することにより行われることを特徴とする、実施形態9に記載の方法。
11. 前記ロックチャンバ中の前記雰囲気の調整が、前記ロックチャンバ(8)中に真空を作り出し、次いで不活性ガスを供給することにより行われることを特徴とする、実施形態9又は10に記載の方法。
12. 前記シーリングプレート(6)の交換及び除去が、内部ガイド(12)の上に前記シーリングプレート(6)を誘導することにより行われることを特徴とする、実施形態9から11のいずれかに記載の方法。
13. 前記シーリングプレートの誘導が、前記外壁(2)、前記開口(4)及び/又は前記レーザ窓(1)に主として平行に行われることを特徴とする、実施形態12に記載の方法。
14. 前記内部シーリングリング(7)及び/又は前記外部シーリングリング(5)の閉鎖が、膨張式シールを膨張することにより行われることを特徴とする、実施形態9から13のいずれかに記載の方法。
15. 前記外壁(2)中の前記開口(4)に関する前記レーザ窓(1)の移動が、外部ガイド(13)の上に前記レーザ窓(1)を誘導することにより行われることを特徴とする、実施形態9から14のいずれかに記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5