(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本発明者らが本開示に係る各態様の発明をするにあたって、検討した事項を説明する。
【0013】
(本発明の基礎となった知見)
従来のように頭部に装着される装着体201に光源部202および検出部203を備えた光脳機能計測装置では、一旦装着体201を頭部に装着すると、光源部202および検出部203の位置を変えることが難しく、任意の位置の脳機能を計測するには適さないという課題を有していた。
本発明者らは、従来型の光脳機能計測装置では、光入射位置および光出射位置によって計測結果が異なるという課題に気付き、その原因を検討してきた。
【0014】
検討の結果、頭皮(または頭部表面ともいう)に動脈や静脈など特に血流量が大きい部分が存在するため、光源からの光がこの部分を通過すると光が減衰することに、本発明者らは気付いた。よって、光入射位置および光出射位置のうちの少なくとも一方の近傍に血流量が大きい部分が存在すると、この近傍の血流量の大きい部分によって光が吸収され、光源部から検出部までの光の減衰率が変化し、光脳機能計測装置の感度が大きく変化する(特に、血流量が大きい部分では感度不足となる)という課題があることに、本発明者らは気が付いた。
【0015】
上記課題を解決するため、少なくとも光入射位置または光出射位置の何れかの位置を可変とすることで、人体の頭部表面の血流量が大きい部分によって光源からの光が大きく吸収される影響を少なくする(または、影響をなくす)ように、光入射位置または光出射位置の何れかの位置を調節し、光脳機能計測装置の感度が大きく変化することを抑える(または、感度の変化をなくす)ことが必要であると本発明者らは考えた。
【0016】
本開示は、人体頭部の任意の位置の脳機能計測を実現する光脳機能計測装置を提供する。
以下、実施の形態1では光入出射位置の両方が位置可変の場合について記載し、実施の形態2では光出射位置のみが可変の場合について記載し、実施の形態3では光入射位置のみが可変の場合について記載する。
【0017】
本開示の実施の形態1から3の構成により、少なくとも光入射位置および光出射位置の何れかは、頭皮の動脈および静脈を避けた位置とすることが可能となる。例えば、光入射位置および光出射位置を変えながら計測する中で、特に感度(検出部で計測される光量)が2mm〜0.5mm程度の短距離で大きく変動する場合は、光入射位置および光出射位置のうち、位置を変えた方の部位の頭皮の下に動脈または静脈が存在すると認識できる。
【0018】
また、動脈および静脈の位置を認識せずとも、複数の光入射位置および光出射位置からの計測結果を平均化することで、動脈や静脈の分布に影響されない計測結果を得ることが可能となる。
【0019】
なお、以下で説明する実施の形態は、何れも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係る光脳機能計測装置100の一例を示す図である。
図1に示すように、光脳機能計測装置100は、光源部101、光路変更手段103、検出部104、光学系105、および本体装置106を備える。
【0021】
光源部101は、赤外光102を出射し、赤外光102は人体頭部に照射される。赤外光102の光路上(光源部101と頭部との間)に設置された光学系によって、赤外光102は人体頭部へ導かれる。
図1に示す例では、赤外光を人体頭部へ導く光学系は、例えば赤外光102の光路を変更させる光路変更手段103を備える。光路変更手段103によって赤外光102の光路を変更させることで、赤外光102は、人体頭部上へ導かれる。また、光路変更手段103がミラーの場合は、その角度を変えることにより、赤外光102の照射位置(光入射位置)を移動させることが可能となる。
【0022】
人体頭部に照射された赤外光102は、人体頭部内で拡散反射され、光出射位置およびその周辺から頭部外に出射される。頭部外に出射される光出射位置と光入射位置との間の距離がある程度近い場合、その光出射位置(第1出射位置と称す)から出射される赤外光は、人体頭部内で拡散反射される赤外光102のうち、主として頭皮のみを通過して第1出射位置から出射される赤外光を、多くの割合で含む。一方で、頭部外に出射される光出射位置と光入射位置との間の距離が大きくなるに従って、その出射位置(第2出射位置と称す)から出射される赤外光は、人体頭部内で拡散反射される赤外光102のうち、主として頭皮を通過し、頭蓋骨または脳内を通過した後、頭皮を通過して第2出射位置から出射される赤外光を、多くの割合で含む。人体頭部内で拡散反射された赤外光は、上述のように複数の出射位置から頭部外に出射され、光学系105にて検出部104に導かれる。
【0023】
検出部104は、複数の検出素子を備えており、頭部表面上の複数個所(複数の光出射位置)から出射した赤外光の強度(または光量)を計測することが可能である。検出部104は、例えば縦横に検出素子が並んだ2次元配列のものを採用する。
【0024】
第2出射位置から出射される赤外光の光量(第2の光量)を計測し、計測した光量を用いて脳機能の計測をすることが望ましいが、第2出射位置から出射される赤外光は、上述したように頭皮を通過するので、この影響を受ける。一方で第1の出射位置から出射される赤外光の光量(第1の光量)を計測することで、赤外光が頭皮を通過したときの影響を把握することができる。
よって、第2出射位置から出射される赤外光の光量(第2の光量)および第1の出射位置から出射される赤外光の光量(第1の光量)をそれぞれ計測し、計測した第1の光量に基づいて、計測した第2の光量に含まれる頭皮を通過したときの赤外光への影響を除去することで、より正確に脳機能を計測することが可能となる。計測した第1の光量に基づいて、計測した第2の光量に含まれる頭皮を通過したときの赤外光への影響を除去するための計算は、例えば本体装置106側で行ってもよいし、検出部104側で行ってもよい。
【0025】
このとき、光入射位置または光出射位置の近傍に血流量が大きい部分がある場合と、ない場合とでは、光出射位置から出射される赤外光の光量が大きく変化するため、正確に脳機能を計測することができない。光入射位置または光出射位置の近傍に血流量が大きい部分があるというのは、例えば光入射位置または光出射位置に対応する部分の頭皮の下に存在する動脈または静脈である。
本実施の形態では、少なくとも光入射位置および光出射位置の何れかは、頭皮の動脈および静脈を避けた位置に調整することで、計測した第2の光量に含まれる頭皮を通過したときの影響を軽減できるようにしたことを特徴とする。
【0026】
図1の構成では、各検出素子が検出する赤外光の光出射位置は固定であるが、検出素子を選択することで、光出射位置を選択することが可能となる。
【0027】
また、
図2に本開示の光脳機能計測装置の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、
図1の光源部101内の光源1001は、本体装置106内の光源用電源1002から電力を供給され、光源用電源1002および光路変更手段103は制御部1003で制御される。つまり、制御部1003によって、赤外光102の頭部への入力(パワー)と光入射位置が制御される。本体装置106は、例えば、メモリ(図示せず)およびCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含んでもよい。制御部1003は、例えば、CPUがメモリに記憶した制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。また、制御部1003の機能は、ASICs(Application−Specific Integrated Circuit)またはFPGAs(Field Programmable Gate Arrays)などの専用のハードウェア回路に実装されていてもよい。
【0028】
また、赤外光102の入力に相当する光源投入電力と、光入射位置に相当する光路変更手段103の光路変更状態(光路変更手段103がミラーの場合は、その角度情報など)に関する情報が、制御部1003からデータ解析部1004に送信される。またこの際に、データ解析部1004は、光路変更状態に関する情報から光出射位置を算出する。データ解析部1004は、例えば、CPUがメモリに記憶したデータ解析プログラムを読み出して実行することにより実現される。また、データ解析部1004の機能は、ASICsまたはFPGAsなどの専用のハードウェア回路に実装されていてもよい。
【0029】
更に、検出部104内の各検出素子1005で検出した電流(または電圧)のアナログ信号は、アナログ/デジタル変換機1006を通してデータ解析部1004にて送られ、対応する検出素子における光出射位置からの出力として、データ処理される。
【0030】
つまり、データ解析部1004は、赤外光102の入力、光入射位置、出力、光出射位置(例えば第1の出射位置、第2の出射位置など)の4つの情報を保持する。データ解析部1004は、上記4つの情報から、頭部各部位での吸光特性や散乱特性など算出し、人体頭部内の血流量分布や、オキシヘモグロビン/デオキシヘモグロビン割合分布などを算出する(脳機能状態を算出する)。上記算出方法については、従来型の光機能計測装置と同様の方法を用いることも可能である。
【0031】
また、図示しないが、アナログ/デジタル変換機1006と検出素子の間に、アンプを備え増幅する構成としてもよい。
【0032】
また、本体装置106は、画像表示部1007を備え、データ解析部1004にて算出した脳機能状態は、画像表示部1007に表示されてもよい。被験者自身が自身の脳機能状態を把握することが可能となる。また、本体装置106は、内部にバッテリーを備えてもよく、外部電源を用いてもよい。
【0033】
上記、
図2を用いた本開示の光機能計測装置の構成については、一例であって、同様の機能を発現する別の構成であってもよい。
【0034】
ここで、光源部101には、半導体レーザ、固体レーザ、ファイバレーザ、スーパールミネッセントダイオード、LEDなどが用いられる。ただし、半導体レーザ、固体レーザ、ファイバレーザ、スーパールミネッセントダイオードを用いることが望ましく、より小型の光路変更手段103を用いることが可能となるため、装置全体の小型化が可能となる。
【0035】
また、光源部101は、複数のレーザを備えるなど、複数の波長の光を生成する、または、生成する光の波長の切り替えが可能な光源部であってもよい。脳内のより多くの情報を取得することで、より多種な脳機能状態を判断することが可能となる。
【0036】
また、上記光源部101から出射する複数の波長のレーザ光は、同一光路であってもよい。これによって、脳内同一箇所の複数の波長の光の透過性を把握することが可能となるため、脳内の成分分布計測による脳機能状態計測が可能となる。
【0037】
また、上記複数の波長の光は、少なくとも1つが805nm未満の波長の光であって、別の少なくとも1つが805nmより長い波長の光であってもよい。これによって、脳内のオキシヘモグロビンおよびデオキシヘモグロビンの濃度分布から脳内の酸素消費量の空間分布を把握することが可能となる。これによって、脳機能の活発な領域を把握することが可能となる。
【0038】
本実施の形態では、一例として、光源部101内に780nmと830nmの2つの異なる波長のレーザ光源とダイクロイックミラーを備え、2つのレーザ光源から出射した2つのレーザ光をダイクロイックミラーで合波し、1本の光路で出射する構成とする。
【0039】
また、光路変更手段103は、ポリゴンミラー、ガルバノミラー、回転型のプリズム、MEMSミラーなどが用いられる。特に、2軸走査型のMEMSミラーを用いることで、小型で、高速な脳機能計測装置が可能となる。
【0040】
また、光学系105は、人体頭部上の異なる場所から出射された光を異なる検出素子に導くレンズやミラーなどの光学系である。例えば、頭部表面から出射した赤外光を検出素子周辺に結像する光学系を用いることで、上記が可能となる。
【0041】
光学系105が、レンズを含む場合は、レンズの入出射面に赤外光102に対する反射防止膜を備え、光学系105が、ミラーを含む場合は、ミラーの反射面に赤外光102に対する透過防止膜を備えてもよい。より高感度な脳機能計測が可能となる。
【0042】
また、光学系105は、頭部表面と検出部104の間の光学系を示し、単一のレンズ、または、ミラーであってもよく、複数の光学部品からなる光学系であってもよい。
【0043】
また、光学系105は、図示しないが、共焦点光学系を備えてもよい。これによって、人体頭部表面と検出部104との間の空間上で散乱した赤外光によるノイズを除去し、より高感度な光脳機能計測装置となる。
【0044】
また、光学系105は、図示しないが、偏光板を備えてもよい。これによって、人体頭部表面で散乱反射した赤外光102の多くを除去し、より選択的に人体頭部内部に入射した後、再び頭部表面から出射した赤外光102を計測することが可能となる。頭部表面で散乱反射した赤外光の割合を減らすことで、より高感度な脳機能計測が可能となる。
【0045】
また、光学系105に偏光板を用いる場合は、人体頭部に照射する赤外光も直線偏光の光であることが望ましい、より高感度な脳機能計測が可能となる。
【0046】
また、赤外光102を2つの直交する偏光に分離し、少なくとも2つの検出部で同時に計測する構成としてもよい。これによって、赤外光102の入射位置と出射位置、その光強度の関係性をより正確に計測することが可能となる。よって、より正確な脳機能計測が可能となる。
【0047】
また、光学系105は、光源部101から出射する赤外光102の波長のみを透過するフィルターを備え、赤外光102以外の波長の光が検出部104に導かれることを防ぐ構成としてもよい。これによって、より高感度な脳機能計測が可能となる。
【0048】
また、本体装置106内の制御部1003によって、光源部101のON/OFF制御(出力制御)を行ってもよい。光源部101から出射する赤外光102が異なる瞬間(または、光源部101のON時とOFF時)に各検出素子で計測される赤外光の光量を比較することで、光源部101以外の発光体で生成された光(ノイズ)を除去し、光源部101から出射された赤外光102の(人体頭部表面上での)強度分布を計測することが可能となる。これによって、より高感度な脳機能計測が可能となる。
【0049】
また、図示しないが、本開示の光脳機能計測装置は、照度センサを備えていてもよい。設置環境の照度から、検出部104に入射する外光強度を推定し、赤外光102の強度から推定した強度を減算することで、検出部104に入射する赤外光102の強度をより正確に求めることが可能となる。つまり、より高感度な脳機能計測が可能となる。照度センサの設置位置は、検出部104に近いほど望ましく、計測対象者(赤外光102照射)向きに設置されていることが望ましい。このようにすることで、より正確に検出部104に入射する外光強度を求めることが可能となる。
【0050】
照度センサとしては、フォトダイオードなどが用いられる。本開示の場合は近赤外光の強度を求めたいため、赤外領域に感度が高い照度センサが望ましい。
【0051】
また、光源部101をパルス駆動し、検出部104の検出タイミングと光源部101の発光タイミングを変えて複数回の光送受信を行うことで、人体頭部と光源部101および検出部104との距離を計測することが可能となる。距離によって、検出部104の感度が異なるため、距離把握による感度補正によって、より正確な脳機能計測が可能となる。
【0052】
また、光源部101のパルス波形(ピーク強度とパルス幅)および検出部104の検出時間を調節することで、光源部101から出射した赤外光102と外乱光との割合が変化する。つまり、パルス波形や検出時間が異なる条件で複数回の光送受信を行うことで、より正確に外乱の影響度を把握し補正することが可能となる。つまり、より正確に脳機能計測が行える。
【0053】
また、光路変更手段103も制御部1003によって制御されることによって、人体頭部表面上において、赤外光102の入射位置を変えられる。よって、赤外光102の入射位置が変えられるごとにデータ解析部1004で算出される光出射位置も変えられる。よって、赤外光102の入射位置が変えられるごとに各出射位置での光強度を求めることが可能となる。これによって、より正確に脳機能計測が行える。
【0054】
また、検出部104は、高感度な光電子増倍管やアバランシェフォトダイオードからなる複数の検出素子からなる検出部が用いられる。これによって、高感度な脳機能計測が可能となる。
【0055】
また、検出部104は、高感度なCMOSまたはCCDであってもよい。これによって、人体頭部表面から出射する赤外光102の強度分布と共に、人体頭部の画像(位置および向きなどの情報)も取得することが可能となる。赤外光102の強度分布と人体頭部の可視画像(近赤外画像(白黒表示)でも可)とを重畳して表示することで、人体頭部上の赤外光強度分布(ヘモグロビン酸素飽和度分布、脳機能状態)の位置を、より詳細に被験者(ユーザ)に伝えることが可能となる。
【0056】
また、高感度な光電子増倍管やアバランシェフォトダイオードなどからなる高感度な検出部と、安価なCMOSまたはCCDを備えたカメラの両方を備えてもよい。カメラなどの画像取得手段を用いることで、画像認識技術を用いて、赤外光102の入射位置が眉毛や髪などにかかっていないか判断することが可能となり、更に、高感度な検出部と併用することで感度も高い光脳機能計測装置となる。
【0057】
また、本開示の光脳機能計測装置に(図示しないが)記憶手段を備え、過去の脳機能計測結果を記録させる場合、カメラ画像と脳機能計測結果画像とをセットで記録させることで、脳機能計測結果が誰の計測結果なのか、後から確認することが可能であり、誤認識を防止することも可能となる。
【0058】
また、本実施の形態に係る光脳機能計測装置300の他の一例を
図3に示す。
図3に示すように、光電子増倍菅やアバランシェフォトダイオード、PINフォトダイオードなどからなる検出部301を用い、検出部301の角度を変更することで、視野である光出射位置を変更する構成としてもよい。この場合、光学系105と検出部301を一体型とし(以降、検出モジュール303とする)、検出モジュール303に(図示しないが)向き変更手段を備えることで、検出部301の視野方向である光出射位置を移動させることが可能となる。ここで、上記向き変更手段としては、ステッピングモータなどからなるパンチルト調整手段が用いられる。また、検出部301または光学系105の何れかを固定し、もう一方のみを移動させる方法で、光出射位置を移動させてもよい。パンチルト調整手段を用いる方が広角度範囲の脳機能計測が可能となるが、検出部301および光学系105の何れか一方を移動させる方法の方が高速な脳機能計測が可能となる。
【0059】
また、
図4に、本実施の形態に係る光脳機能計測装置400の他の一例を示す。
図4に示すように、検出部301、光学系105、光源部101が一体型となって、向きを変える構成としてもよい。光源部101から出射した赤外光102が照射される頭部表面の周囲で、予め設定された距離だけ離れた位置から出射する赤外光102が検出部301に導かれるよう検出部301、光学系105、光源部101が配置されている。
【0060】
図1の構成が最も小型で高速な脳機能計測装置が可能であり、
図3、
図4となるほど高速性が低下し、大型となるが、安価な脳機能計測装置が可能となる。
【0061】
また、
図3、
図4(後述する
図7、
図8、
図9)に示すように、検出部301が単素子で光出射位置を走査させる構成の場合、頭部の位置を計測する頭部位置計測手段302を備えることが望ましい。頭部位置を把握することが可能となり、光入射位置および光出射位置が頭部となるように光路変更手段103および検出部301を制御することが可能となる。
【0062】
また、
図1(後述する
図5、
図6)に示すように、検出部104が複数の検出素子を備える場合も頭部位置計測手段302を備えてもよい。ユーザの頭部位置情報と脳機能状態の情報を重ね合わせてマッピングすることで、頭部上の位置と脳機能状態の関係性を、より分かり易くユーザに伝えられる。
【0063】
ここで、頭部位置計測手段302は、例えば、可視画像または赤外線画像を取得する画像取得手段であってもよい。目や鼻、口などの特徴的なパターンを目印として用いて顔認識技術によって顔位置を把握することが可能となる。また、頭部位置計測手段302は、例えば、タイムオブフライトを用いて距離を計測する距離計測手段、またはステレオカメラを用いて形状を計測する形状計測手段であってもよい。
【0064】
また、
図1および
図3のように、人体頭部上で光入射位置と光出射位置をそれぞれ独立に決められる構成では、光入射位置および光出射位置の何れかを固定した状態で、光入射位置と光出射位置との間の距離を変えることで、脳内の光吸収特性と、頭部表面の血流による光吸収特性とを分離することが可能となる。これによって、より正確な脳機能計測が可能となる。
【0065】
また、光入射位置および光出射位置の何れかを固定した状態で、光入射位置と光出射位置との間の距離を変えずに、もう一方の位置を変える。つまり、光入射位置固定で、光入射位置を中心とした円を描くように光出射位置を変える、または、光出射位置固定で、光出射位置を中心とした円を描くように光入射位置を変える。これによって、より高感度な脳機能計測が可能となる。
【0066】
また、上述した光入射位置と光出射位置との間の距離が異なる3種類の条件で(光入射位置と光出射位置との間の距離を上述した3つの異なる状態で)赤外光102の送受信を行うことが望ましい。これによって、計測対象者の頭皮や頭蓋骨の厚みを把握し、計測結果を補正することが可能となるため、より高精度に脳機能状態を計測することが可能となる。
【0067】
ここで、
図1の構成では、例えば、光入射位置を固定し、位置の異なる複数の光出射位置からの赤外光強度を同時に計測することが可能となるため、上記高感度で、頭部表面の血流の影響を軽減した脳機能計測がより高速で実現できる。
【0068】
また、例えば、光入射位置を固定し、光入射位置と光出射位置との間の距離が2mmから0.5mm間隔で変わるように光出射位置を変えて赤外光102の送受信を行うことが望ましい。これによって、検出部104で検出した赤外光強度に基づいて、2mm〜0.5mm程度の短距離で赤外光の光量が大きく変動する場合は、光出射位置に対応する部分の頭皮の下を動脈または静脈が存在する部位として判断できるので、この光出射位置から出射される赤外光の光量を脳機能の計測に用いないようにすることができる。
【0069】
また、光出射位置を固定し、光入射位置と光出射位置との間の距離が2mmから0.5mm間隔で変わるように光入射位置を変えて赤外光102の送受信を行ってもよい。検出部104で検出した赤外光強度に基づいて、2mm〜0.5mm程度の短距離で赤外光の光量が大きく変動する場合は、光入射位置に対応する部分の頭皮の下を動脈または静脈が存在する部位として判断できるので、この光入射位置は避け、別の位置から赤外光102を入射させるように光路変更手段103を制御することができる。
【0070】
つまり、頭皮の動脈や静脈の位置を把握できるため、少なくとも光入射位置および光出射位置の何れかを頭皮の動脈および静脈を避けた位置とすることができ、脳機能計測の精度がより高まる。
【0071】
また、上記方式の他に、複数の光入射位置または複数の光出射位置での赤外光102送受信の結果を平均化する、または、最大、最小のデータを除去するなどの方法で動脈や静脈の位置に影響されない脳機能計測が可能となる。動脈や静脈位置を把握する方式は、より正確ではあるが、計測速度については、後述の平均化や最大最小除去の方法が優れる。
【0072】
(実施の形態2)
本実施の形態では、光源部を人体接触させる光脳機能計測装置について示す。
光源部を人体接触させることで、より高出力な赤外光を照射することが可能となるため、より高感度な光脳機能計測装置となるが、光源部の位置は変えられず、出射位置のみを変えることで脳内の任意の位置の機能状態を計測することを可能とする。
【0073】
図5に、本実施の形態に係る光脳機能計測装置500について示す。
図5に示すように、光脳機能計測装置500は、光源部101を頭皮に接触させるように固定する。頭皮接触型とすることで光源部101から人体頭部に入射する光出力を高めることが可能となり、より高感度な脳機能計測が可能となる。
【0074】
また、検出部104は、
図3および
図4に示す検出部301の構成であってもよい。
また、光源部101を頭皮に接触させるように固定するには、
図10に示したように装着体201を固定手段として用いてもよい。
【0075】
また、
図6に、本実施の形態に係る別の光脳機能計測装置600について示す。
図6に示すように、光脳機能計測装置600は、光源部101を耳内に装着する光脳機能計測装置となる。耳穴内で赤外光を出力し、頭皮から出射する赤外光を計測することで、耳から頭皮までの脳内の吸光度に応じた信号を計測することが可能となる。つまり、脳内深部の機能状態計測も可能となるため望ましい。
【0076】
また、同様に、鼻穴内や口腔内に光源部を挿入してもよい。ただし、装着位置が安定し易く、呼吸の障害になることもないため、光源部101をユーザの耳穴内に装着する方法が最も望ましい。
【0077】
また、光脳機能計測装置600の場合も、検出部104は
図3および
図4に示す検出部301の構成であってもよい。
【0078】
また、
図5の構成と
図6の構成とを比較すると、
図5の構成はより高感度であり、
図6の構成は脳内深部の計測が可能である点で、それぞれ望ましい。
【0079】
(実施の形態3)
本実施の形態では、検出部を人体接触させる本開示の光脳機能計測装置について示す。
検出部を人体接触させることで、外乱光の影響を更に軽減することが可能となるため、より高感度な光脳機能計測装置となるが、検出部の位置は変えられず、入射位置のみを変えることで脳内の任意の位置の機能状態を計測することを可能とする。
【0080】
図7に、本実施の形態に係る光脳機能計測装置700について示す。
図7に示すように、光脳機能計測装置700は、検出部301を頭部に固定するように装着する。また、装着する検出部301は複数であってもよい。
【0081】
また、検出部301の頭部に固定するように装着するには、
図10に示したように装着体201を固定手段として用いてもよい。
【0082】
また、
図8に、本実施の形態に係る別の光脳機能計測装置800について示す。
図8に示すように、光脳機能計測装置800は、検出部301を耳内に装着する光脳機能計測装置となる。頭皮から赤外光を入射し、耳穴内で赤外光を計測することで、耳から頭皮までの脳内の吸光度に応じた信号を計測することが可能となる。つまり、脳内深部の機能状態計測も可能となるため望ましい。
【0083】
また、同様に、鼻穴内や口腔内に検出部を挿入してもよい。ただし、装着位置が安定し易く、呼吸の障害になることもないため、検出部301をユーザの耳穴内に装着する方法が最も望ましい。
【0084】
また、
図7の構成と
図8の構成とを比較すると、
図7の構成はより高感度であり、
図8の構成は脳内深部の計測が可能である点で、それぞれ望ましい。
【0085】
また、実施の形態2および3においても、実施の形態1と同様の構成で、同様の効果を発現することは言うまでもない。
【0086】
また、各実施の形態の脳機能計測装置は、音声や映像などの人体インターフェースによって、被験者(ユーザ)に対して、額にかかる前髪を上げる指示を行ってもよい。これによって、より高感度な前頭葉の脳機能計測が可能となる。
【0087】
例えば、
図3を例に説明する。
頭部位置計測手段302で計測された頭部の位置が、予め決められた所定位置から逸脱している場合に、「頭部を近づけてください」や「頭部を右に動かしてください」などと、音声や画像表示手段上の文字表示などでユーザに伝えてもよい。これによって、より正確にユーザの脳機能計測が可能となる。
【0088】
また、頭部位置計測手段が画像取得手段の場合は、額の髪の毛のかかり具合を計測してもよい。額に髪がかかっている場合は、「髪をかきあげてください」や「額の髪が計測の邪魔です」などと、音声や画像表示手段上の文字表示などでユーザに伝えてもよい。これによって、より正確にユーザの脳機能計測を行える。
【0089】
また、同様に音声や画像表示手段を用いて、「計測環境下の埃が多過ぎます」や「外乱光(太陽光)の強度が強過ぎます」などのように、計測精度が低い状態である場合に、その原因をユーザに伝えてもよい。これにより、ユーザは計測精度が低い状態であることを把握することが可能となり、対策することも可能となる。
【0090】
また、
図5から
図8で示すように、光源部または検出部の何れかが接触型の場合、眼鏡またはバンドなどを固定手段として用いて、対象となる光源部または検出部を頭部に固定する構成としてもよい。
【0091】
また、赤外光102の入射位置および出射位置付近の頭部表面の温度(肌の温度)を計測する肌温度計測手段を備えていることが望ましい。また、赤外光102の入射位置および出射位置付近の頭部表面の状態(肌の状態)を計測する肌状態計測手段を備えていることが望ましい。肌状態計測手段は、例えば、頭部表面の肌水分を計測する。
【0092】
例えば、赤外光102が頭部表面に入射する入射位置付近の温度を計測するために肌温度計測手段は、光源部101に隣接した位置に設けるのが望ましい。
例えば、赤外光102が頭部表面に入射する入射位置付近の肌水分を計測するために肌水分計測手段は、光源部101に位置に設けるのが望ましい。
また、例えば、頭部表面から出射する赤外光102の出射位置付近の頭部表面の温度を計測するために肌温度計測手段は、検出部に隣接した位置に設けるのが望ましい。
また、例えば、頭部表面から出射する赤外光102の出射位置付近の頭部表面の肌水分を計測するために肌水分計測手段は、検出部に隣接した位置に設けるのが望ましい。
【0093】
これによって、温度や肌状態によって変動する赤外光102の表面散乱は、表皮、真皮層での散乱反射の影響を補正することが可能となる。よって、より正確に脳内の散乱透過特性を把握する(脳機能計測を行う)ことが可能となる。
【0094】
例えば、温度および肌水分率が変化することで表皮、真皮層の水分などによる光の吸収特性変化が起こる。上記構成で、この影響を減らすことができる。
【0095】
肌温度計測手段としては、サーモパイル、ボロメータなどの非接触放射温度計測手段が用いられる。また、サーミスタまたは熱伝対などの接触型であってもよいが、肌温度計測手段として用いるサーミスタまたは熱伝対を接触させた部位に光照射ができず脳機能計測できないエリアとなるため、肌温度計測手段としては、非接触放射温度計測手段を用いるのがより望ましい。
【0096】
肌水分計測手段としても、接触型の電気伝導度から肌水分を算出する手段であってもよいが、上記と同様の理由により非接触型が望ましい。例えば、近赤外〜遠赤外領域の光の吸光特性を利用して肌水分計測を行ってもよい。例えば、光源部101から1.5μm付近の波長の光と1.4μm付近の波長の光を出射することで、脳機能計測と同時に表皮の水分率計測も可能となる。言うまでもなく、1.5μmと1.6μmであってもよく、1.55μmと1.64μmであってもよい。水の吸光度の異なる複数の波長の光を用いることで水分率の推定が可能となる。
【0097】
また、6μm付近や3μm付近の遠赤外、中赤外領域の水の吸収し易い波長を利用してもよい。
【0098】
(実施の形態4)
本実施の形態では、光源部と検出部が一体となった持ち運び可能な小型の光脳機能計測装置について示す。
図9に示すように、光脳機能計測装置は、光源部101および検出部301を少なくとも1つ備える。両者の間の距離が変化しないよう、光源部101および検出部301は光送受信プローブ901に装着されている。
【0099】
本実施の形態の光脳機能計測装置は、光源部、検出部共に接触型となるが、ユーザ自身が光送受信プローブ901を持って、任意の位置に動かすことが可能となるため、任意の位置の脳機能計測が可能となる。光入出射位置を変えながらの計測も可能となる。
【0100】
ただし、実施の形態1から3の構成に比べて、光入出射位置と脳機能との関係性を把握する精度が低く、計測対象部全体の計測速度についても、実施の形態1から3の構成が勝る。
【0101】
また、図示しないが、光源部101からの距離が異なる複数の検出部を備えることで、より高感度な脳機能計測が可能となる。
【0102】
また、光源部101からの距離が等しい複数の検出部を備えることで、頭皮表面の血流と脳内の血流の吸光度を分離して求めることが可能となるため、より正確な脳機能計測が可能となる。
【0103】
また、本実施の形態においても、光源部101および検出部301に隣接した位置に肌温度計測手段や肌水分計測手段を設けてもよい。既述の効果が得られる。
【0104】
また、本体装置に付随した画像表示部1007には、計測した肌温度や肌水分などの情報も表示してもよい。人体は脳機能計測と同時に、肌温度や肌水分も把握することが可能となるため、健康や美容管理用途でも有用な光脳機能計測装置となる。
【0105】
また、実施の形態1から4の光脳機能計測装置は、様々な他の機能を備えた装置に装備されていてもよい。
【0106】
例えば、実施の形態1から4の光脳機能計測装置を運転席に備えた自動車であってもよい。運転者の眠気の程度を推定し、推定結果に基づいて車内の換気(CO2濃度調節)を行ってもよい。
【0107】
また、実施の形態1から4の光脳機能計測装置を備えた机(照明付き)やデスク用スタンド照明であってもよい。計測対象者の集中度、眠気を推定し、推定結果に併せて、照明強度を調節することで集中力を高めることが可能となる。
【0108】
また、実施の形態1から4の光脳機能計測装置を備えた空気質(CO2濃度、湿度、温度、その他成分濃度)調整手段であってもよい。空気質調整手段は、集中度、眠気、または、感情を推定し、空気質を調整する。
【0109】
また、実施の形態1から4の光脳機能計測装置を備えたAV機器であってもよい。眠気や感情に合わせて音楽、映像などの選択によって、各自により適した環境を提供してもよい。
【0110】
また、実施の形態1から4の光脳機能計測装置を備えた工場のライン装置であってもよい。作業者の集中度に合わせて、ラインを止めて休憩時間を設けるなど、最適な作業時間の調整や、作業者ごとの負荷のばらつきなどを把握し、作業工程の交代などを音声や画像表示で提案することが可能となる。
【0111】
また、会議室内に実施の形態1から4の光脳機能計測装置を設置することで、会議参加者の眠気や感情の高ぶりを推定し、会議室の空調や照明を調節したり、音声などで会議終了を促したりすることで、集中力を欠いたメンバーによる無駄な会議を防止することが可能となる。
【0112】
また、実施の形態1から4の光脳機能計測装置を備えたテレビであってもよい。感情状態に合わせて適切なCMを選択するなど、広告効果を高めることが可能となる。
【0113】
また、上記で示した構成については、光脳機能計測装置と、他の機能を備えた装置(自動車、机など)の両方に通信手段を備えていれば、別々の装置であってもよい。
【0114】
また、上記計測対象者の状態(集中度、眠気、快不快など)の推定のため、本開示の光脳機能計測装置と、脳波系、心拍計、血圧計、レーザスペックル血流計などとを併用することで、より正確に状態推定が行える。
【0115】
また、本開示では光脳機能計測装置について示したが、同様の構成で、脳以外の人体部位のオキシヘモグロビンおよびデオキシヘモグロビンの濃度分布を計測することも可能となる。
【0116】
また、本開示では光脳機能計測装置について示したが、同様の構成で、美容の状態を測定することも可能である。具体的には、例えば、光源部101から出射される赤外光の光路を光路変更手段103によって光路を変更させ目の下の部分に照射させる。目の下の部分に照射した赤外光は、人体頭部内で拡散反射した後、頭部外に出射される。目の下の部分に照射した赤外光のうち、主として照射した位置(目の下の部分)から進入し、目の下の部分(皮膚)と、その下に位置する骨との間を通過して再び顔の外へ出射する光を検出部104で検出する。この目の下の部分(皮膚)とその下の骨との間を通過する赤外光は、血管を通過することにより一部が吸収される。例えば、血管内を流れる血液に含まれるデオキシヘモグロビンなどにより吸収される。この血液に含まれるデオキシヘモグロビンの量は、例えば被験者の健康の状態において異なる。
【0117】
よって、顔の外へ出射する光を検出部104で赤外光の光量を一定時間測定することにより、単位時間当たりに血管を流れるデオキシヘモグロビンの量、または血液に含まれるデオキシヘモグロビンの濃度を推定できる。よって、推定したデオキシヘモグロビン量または濃度から被験者の健康の状態(美容の状態)を計測することができる。
【0118】
このとき、赤外光を目の下の部分に照射する位置と、検出部104が検出する赤外光が顔の外へ出射する位置との間の距離は近いことが望ましい(例えば、0.3cm以上2.0cm以下)。これらの距離が近ければ、顔から出射する赤外光は、目の下の部分(皮膚)とその下の骨との間を通過した赤外光であると考えられるからである。よって、赤外光を目の下の部分に照射する位置を光路変更手段103で調節することが望ましい。または、光学系105を用いて検出部104が検出する赤外光が顔の外へ出射する位置を調節することが望ましい。
【0119】
赤外光を目の下の部分に照射する位置、および検出部104が検出する赤外光が顔の外へ出射する位置のうちの少なくとも1つを調節することにより、これらの位置の間の距離を0.3cm以上2.0cm以下に調節することができる。
【0120】
また、本開示では、光脳機能計測装置について示したが、計測対象を例えば果物、野菜および肉などの食材または植物とすれば、表面状態による影響を軽減し、これらの内部の成分分析を行うこともできる。
【0121】
本明細書に記載の各構成によって、各効果を奏でることは言うまでもない。(変形例)
本開示の光脳機能計測装置の構成および変形例について以下に説明をする。
【0122】
本開示の一実施形態に係る光脳機能計測装置は、人体頭部に照射する赤外光を生成する光源部と、前記人体頭部内で拡散反射し、前記人体頭部の1つ以上の位置から出射された前記赤外光を検出する検出部と、前記光源部から出射した前記赤外光を人体頭部に導くともに、前記赤外光の人体頭部表面上の照射位置を制御する光学系を備え、前記光源部、および前記検出部の少なくとも一方が前記人体と接触しない非接触型であり、前記検出部が検出する赤外光が出射された前記人体頭部の1つ以上の位置は、前記光学系が制御する光の照射位置と少なくとも異なる位置を含むことを特徴とする。
このように構成をすることにより、人体頭部の任意の位置の脳機能計測を実現する光脳機能計測装置を提供することが可能となる。
【0123】
本開示の一実施形態に係る光脳機能計測装置は、前記検出部が非接触型であって、前記検出部は、前記人体頭部の表面上の1つ以上の位置から出射された前記赤外光を検出する複数の検出素子を含むことを特徴とする。
【0124】
本開示の一実施形態に係る光脳機能計測装置は、前記検出部が非接触型の検出器であって、前記検出部にて検出される赤外光が出射される人体頭部の表面上の位置を変える検出位置変更手段を備えていることを特徴とする。
【0125】
本開示の一実施形態に係る光脳機能計測装置は、前記光源部が非接触型の光源であって、前記光学系が、人体頭部の表面上の赤外光の照射位置を変える光路変更手段を備えていることを特徴とする。
【0126】
本開示の一実施形態に係る光脳機能計測装置は、前記赤外光の照射位置付近の肌温度を計測する肌温度計測手段を備えていることを特徴とする。
【0127】
本開示の一実施形態に係る光脳機能計測装置は、前記赤外光の照射位置付近の肌水分を計測する肌水分計測手段を備えていることを特徴とする。
【0128】
本開示の一実施形態に係る光脳機能計測装置は、前記検出部が検出する赤外光が出射される人体頭部の位置を計測する頭部位置計測手段を備えていることを特徴とする。
【0129】
本開示の一実施形態に係る光脳機能計測装置は、前記検出部にて検出した結果に基づいて、前記赤外光の照射位置を制御する。
【0130】
以上、本開示の光脳機能計測装置について示したが、本明細書にて示した構成は一例であって、本開示の主旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能であることは言うまでもない。