(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
幅方向に所定の幅を有し、前記幅方向に直交する方向を長手方向とし、前記幅方向と前記長手方向とに形成される面方向を平面方向としたとき、前記平面方向に延びた基台と、
前記基台の前記長手方向における前側の端部にあって、牽引車に牽引される牽引ユニットと、
前記基台の前記幅方向及び前記長手方向に直交する方向である上下方向の下側にあって、前記幅方向の中心線に対して互いに等間隔に取り付けられたタイヤ部と、
前記基台に積載物が積載されるとき、前記積載物のうち少なくとも下側の外形を形成する柱部材を支持する支持部材と、
前記基台の前記上下方向の上側にあって、前記支持部材と接続される位置決め部と、
前記支持部材と前記位置決め部とを接続する接続部材と
を備え、
前記位置決め部と前記支持部材とは複数備えられ、
前記支持部材は、前記積載物と係合する支持部材係合部と、前記接続部材と係合する接続部材係合部を備え、
前記支持部材係合部が前記積載物と係合したとき、前記支持部材と前記積載物とは、前記上下方向及び前記平面方向において相対的な移動が規制され、
前記支持部材が前記位置決め部に積載され、前記接続部材によって前記支持部材と前記位置決め部とが接続されるとき、前記支持部材と前記位置決め部とは、前記上下方向及び前記平面方向において相対的な移動が規制されることにより、
前記積載物は、前記基台に対する前記平面方向の位置が定められ、かつ前記上下方向への移動が規制され、
前記支持部材は、少なくとも前記積載物における前記長手方向及び前記幅方向の角部の4箇所に備えられ、少なくとも前記長手方向において前記支持部材と前記支持部材との間に補助支持部材が備えられ、
前記柱部材は、前記長手方向において、一端が前記支持部材に取り付けられ、他端が前記補助支持部材に取り付けられ、
前記補助支持部材は、前記積載物の外側に向かって前記平面方向に沿う方向に開口する補助支持凹部を備えたことを特徴とする積載トレーラー。
少なくとも一つの前記位置決め部において、前記可動部と前記長手方向案内部と前記幅方向案内部とは、前記積載物に対応した前記支持部材の位置に応じて移動した位置で、前記可動部と前記長手方向案内部又は前記幅方向案内部との間と、前記長手方向案内部と前記幅方向案内部との間で互いに固定されたことを特徴とする請求項2又は10に記載の積載トレーラー。
少なくとも一つの前記位置決め部において、前記可動部と前記長手方向案内部と前記幅方向案内部とは、前記積載物に対応した前記支持部材の位置に応じて移動した位置で、前記可動部と前記長手方向案内部又は前記幅方向案内部との間と、前記長手方向案内部と前記幅方向案内部との間で互いに固定される状態と、
前記可動部と、前記長手方向案内部と、前記幅方向案内部とが相対的に移動可能な状態とを選択可能であることを特徴とする請求項2又は10に記載の積載トレーラー。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照し、本発明を具現化した積載トレーラー1及び積載トレーラーユニット35を説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている装置の構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0039】
<積載トレーラー1共通の構成>
図面を参照して、本発明に係る積載トレーラー1の構成を説明する。各実施形態の積載トレーラー1の構成はそれぞれ後述するが、まず、共通の構成を説明する。
図3に示すように、積載トレーラー1は、幅方向に所定の幅を有し、幅方向に直交する方向を長手方向としたときに、長手方向に延びた基台2と、基台2の長手方向における前側の端部にあって、牽引車に牽引される牽引ユニット3とを備える。
【0040】
図3に示すように、積載トレーラー1は、基台2の幅方向及び長手方向に直交する方向である上下方向の下側にあって、幅方向の中心線C1に対して互いに等間隔に取り付けられたタイヤ部4を備える。
図1に示すように、基台2に積載物50が積載されるとき、積載物50のうち少なくとも下側の外形を形成する柱部材51を支持する支持部材6を備える。
図1〜
図3に示すように、積載トレーラー1は、基台2の上下方向の上側に形成された位置決め部5を備える。基台2は、鋼材、木材その他の材料を使用することができる。
【0041】
図1、
図7〜
図11、
図14〜
図17、及び
図19〜
図21に示すように、積載トレーラー1は、支持部材6と位置決め部5(位置決め補助部材80b、80c)とを接続する接続部材10(10a、10b、10c)を備える。位置決め部5と支持部材6とは複数備えられる(
図3、
図4参照)。支持部材6は、積載物50と係合する支持部材係合部30と、接続部材10と係合する接続部材係合部90(90a、90b、90c)を備える。支持部材係合部30が積載物50(柱部材51)と係合したとき、支持部材6と積載物50(柱部材51)とは、上下方向及び平面方向において相対的な移動が規制される。支持部材6が位置決め部5に積載され、接続部材10によって支持部材6と位置決め部5とが接続されるとき、支持部材6と位置決め部5とは、上下方向及び平面方向において相対的な移動が規制される。そして、積載物50は、基台2に対する平面方向の位置が定められ、かつ上下方向への移動が規制される。
【0042】
図1、
図5に示すように、支持部材係合部30は支持部材6に形成され、柱部材51が取り付けられる柱支持部30b(30c)を備える。柱支持部30b(30c)は、少なくとも長手方向と幅方向とに延び、柱部材51と結合する柱結合部30dとを備える。
【0043】
図8、
図9を参照して、支持部材6(6a)の柱支持部30b、30cを説明する。柱支持部30b、30cは、長手方向と幅方向、及び上方向に延びて形成されている。
図8(b)、
図9(b)に示すように、積載トレーラー1aの柱支持部30bは、四方が囲われた形状であり、挿入される柱部材51の四面を覆うよう形成されている。これに対し、別の形態も可能である。
図8(c)、
図9(c)に示すように、柱支持部30cは、上下方向の上側が開放されている。柱部材51は、柱支持部30cに挿入するときに、平面方向からのみならず上下方向の上側から下側に向かって挿入可能である。また、第一支持部材6aは、柱支持部30bの強度を上げるために補強リブ30pが形成されている。なお、図示しないが、柱支持部30cの場合は、上下方向に延びる部分に延長して補強リブ30pが形成される。なお、柱支持部30b、30cは、上方向には形成されず、長手方向と幅方向にのみ延びてもよい。
【0044】
図8に示すように、支持部材6は、積載物50が位置決め部5に接続されるときに、積載物50の外側に向かって平面方向に沿う方向に開口する支持凹部15を備える。なお、
図8は第一実施形態の積載トレーラー1aを示した図であるが、支持凹部15の構成は、各実施形態に共通である。支持凹部15は、後述する
図23に示すように、ジャッキ21を挿入し、ジャッキ21を上下方向に作動させることによって積載物50を上下させるためのものである。
【0045】
次に、
図8を参照して、さらに支持部材6(6a)の構成を説明する。支持部材6(6a)は、積載物50が位置決め部5に積載されるときに、積載物50の外側に向かって平面方向に沿う方向に開口する支持凹部15を備える。支持凹部15は、
図8に示すように幅方向の側面(
図8では、左側の側面)に備えられているが、例えば、
図9に支持凹部15が現れても良い(長手方向の後側の側面)。第一支持部材6aの位置によって任意の位置に設けても良い。
【0046】
支持凹部15は、
図23に示すように、ジャッキ21を挿入し、ジャッキ21を上下方向に作動させることによって積載物50を上下させるためのものである。例えば、第一支持部材6aが積載物50の四隅に備えられる場合、4箇所の支持凹部15にジャッキ21を挿入し、ジャッキ21を作動させることで積載物50を昇降させることができる。
【0047】
柱部材51は、柱支持部30b(30c)内部のストッパー壁(図示しない)まで挿入される。第一支持部材6aと柱部材51とは、柱結合部30dであるボルト及びナット、木ネジのようなセルフタップタイプのネジ等、その他締結部品、或いは接着によって結合される。例えば、ボルト及びナットが使用される場合、柱部材51には予め通し穴が形成されている。
【0048】
次に、
図5、
図6を参照して補助支持部材16を説明する。支持部材6は、少なくとも積載物50における長手方向及び幅方向の角部の4箇所に備えられ、少なくとも長手方向において支持部材6と支持部材6との間に補助支持部材16が備えられる。
図5は、第一支持部材6aの一方のみ図示している。柱部材51は、長手方向において、一端が支持部材6に取り付けられ、他端が補助支持部材16に取り付けられる。
図5に示すように、補助支持部材16は、積載物50の外側に向かって平面方向に沿う方向に開口する補助支持凹部17を備える。補助支持凹部17は、
図23に示すように、ジャッキ21を挿入し、ジャッキ21を上下方向に作動させることによって積載物50を上下させるためのものである。
【0049】
図5に示すように、補助支持部材16は、4方向に柱部材51及び縦柱部材55を挿入するための柱支持部16b(16c)が形成されている。柱支持部16b(16c)は、第一支持部材6aの柱支持部30b(30c)と同様に、柱部材51が挿入可能な形状に形成されている。
図6(b)に示す例では、柱支持部16bは周囲の四面が囲われた形状であり、
図6(b)に示す例では、柱支持部16cは上側の面が開放されている。この違いは、第一支持部材6aの柱支持部30bと30cとの違いと同様である。
【0050】
柱部材51は通常角材(多くは木材)が使用されるが、
図5に示すように、柱支持部30b、16bに挿入される部分は上側の面に一部段差51aが設けられている。これは、柱部材51が柱支持部30b、16bに挿入されるとき、柱部材51の上側面51bと、第一支持部材6aにおける柱支持部30bの上側面30q、及び補助支持部材16における柱支持部16bの上側面16qとの間に段差が生じないようにするためである。仮に段差があると、柱部材51の上に直接構造物等を積載したときに不安定になるからである。
【0051】
図5(a)〜(d)に示すように、柱部材51は、柱補助部材52(52a〜52d)を備えても良い。
図5(a)に示す例では、第一柱補助部材52aは断面形状にてT字状の形状を有し、柱部材51が延びる方向に沿って延びる形状である。
図5(b)に示す例では、第二柱補助部材52bは断面形状がU字状又はコの字状の形状を有する。
図5(c)に示す例では、第三柱補助部材52cは断面形状がL字状の形状を有する。
図5(d)に示す例では、第四柱補助部材52dは断面形状がI字状の形状を有し、柱部材51の中心に位置する。なお、
図5に示す例は柱部材51が柱補助部材52を備えた例のみを示したが、
図1に示すように、柱補助部材52がなくてもよい。
【0052】
図1に示すように、位置決め部5は、長手方向に沿う方向に形成された長手方向案内部7と、幅方向に沿う方向に形成された幅方向案内部8を備える。また、位置決め部5は、長手方向案内部7、又は幅方向案内部8に案内される可動部9を備える。長手方向案内部7と幅方向案内部8とは、いずれか一方が基台2に固定され、平面方向において相対的に移動可能であり、上下方向において互いに係合して相対的に移動が規制される。
【0053】
可動部9は、少なくとも上下方向の上側が開放され、上下方向に沿って開口された位置決め開口部5aが形成されている。可動部9は、長手方向案内部7、又は幅方向案内部8とは、平面方向において相対的に移動可能であり、上下方向において互いに係合して相対的に移動が規制される。
【0054】
可動部9は、平面方向において可動部9と長手方向案内部7と幅方向案内部8とが互いに相対的に移動することにより、位置決め部5が形成された範囲内で自在に移動可能である。
図1に示すように、可動部9は、平面方向において、長手方向案内部7と幅方向案内部8とによって形成された位置決め部5の範囲内で自在に移動可能である。位置決め部5の範囲は、可動部9を移動させる必要に応じて範囲が設定される。また、少なくとも一つの位置決め部5は、所定の位置で、可動部9と長手方向案内部7又は幅方向案内部8との間と、長手方向案内部7と幅方向案内部8との間で互いに固定可能である。
【0055】
図8〜
図11、
図14〜
図16、
図19〜
図21に示すように、支持部材6は、積載物50と係合する支持部材係合部30と、位置決め部5と接続する接続部材10を備える。支持部材6は、支持部材係合部30が積載物50と係合したとき、上下方向において積載物50と相対的な移動が規制される。平面方向において、可動部9が支持部材6に対応した位置にあるとき、接続部材10は、少なくとも一部が位置決め開口部5aに挿入されて、支持部材6と位置決め部5のうちの可動部9とが接続される。上下方向において、可動部9と支持部材6とは相対的に移動が規制される。積載物50は支持部材係合部30に係合されて基台2に積載されるとき、位置決め部5によって基台2に対する平面方向の位置が定められ、かつ上下方向への移動が規制される。
【0056】
図3に示すように、例として、位置決め部5は基台2において対角上の四隅に形成されている。位置決め部5は、少なくとも一つは可動部9の位置が固定可能であるが、他の箇所は必ずしも固定可能でなくてもよい。例えば、位置決め部5のうちの1箇所のみ、可動部9と長手方向案内部7と幅方向案内部8との間が固定可能であり、この位置を基準位置として他の位置決め部5は、積載物50の支持部材6の位置に応じて可動部9が追従して移動してもよい。
【0057】
後述する積載トレーラー1aにおいて、仮に位置決め部5における全ての可動部9が固定される場合、位置決め開口部5aと、位置決め開口部5aに挿入される第一支持部材6aの頸部11c(頭部11の一部)との隙間をある程度設ける必要がある。これに対して、位置決め部5のうちの1箇所のみ可動部9と長手方向案内部7と幅方向案内部8との間が固定可能とする。他の箇所は移動可能とすると、位置決め開口部5aと頸部11cとの隙間を少なくすることができ、積載物50が平面方向に移動することを規制できる。
【0058】
また、別の例として、4箇所のうち、対角上の2箇所の位置決め部5が、平面方向において、可動部9と長手方向案内部7と幅方向案内部8とが、積載物50に対応した支持部材6の位置に応じて相対的に移動された状態で、互いに固定可能でもよい。他の位置決め部5は、可動部9と長手方向案内部7と幅方向案内部8とが、積載物50に対応した支持部材6の位置に応じて相対的に移動可能であって互いに固定されない状態でもよい。
【0059】
また、位置決め部5の全てにおいて、可動部9と長手方向案内部7と幅方向案内部8との間が固定可能な構成であって、積載される積載物50の形態に応じて固定する位置を選択可能でもよい。勿論、全ての位置決め部5において、可動部9と長手方向案内部7と幅方向案内部8との間が固定されてもよい。
【0060】
なお、位置決め部5を構成する長手方向案内部7、幅方向案内部8、可動部9は、鋼材等の金属、木材、樹脂、その他の材料を使用することができる。
【0061】
次に、位置決め部5について
図1、
図2を参照して説明する。積載トレーラー1は、少なくとも一つの位置決め部5において、可動部9と長手方向案内部7と幅方向案内部8とは、積載物50に対応した支持部材6の位置に応じて移動した位置で固定される。すなわち、可動部9と長手方向案内部7又は幅方向案内部8との間と、長手方向案内部7と幅方向案内部8との間で互いに固定される。
【0062】
図2(a)に示す例では、複数箇所が溶接位置41にて溶接によって固定される。溶接位置41は任意の位置に設定可能である。可動部9が適切な位置に移動された後に、長手方向案内部7、幅方向案内部8、及び可動部9とが相対的に移動しないように固定される。
図2(b)は溶接する代わりにボルト及びナット、或いはタップネジその他の締結部品によって締結位置42において固定される例を示す。
【0063】
次に、位置決め部5について別の例を説明する。積載トレーラー1は、少なくとも一つの位置決め部5において、二つの状態を選択可能である。一つは、可動部9と長手方向案内部7と幅方向案内部8とは、積載物50に対応した支持部材6の位置に応じて移動した位置で、可動部9と長手方向案内部7又は幅方向案内部8との間と、長手方向案内部7と幅方向案内部8との間で互いに固定される状態である。もう一つは、可動部9と、長手方向案内部7と、幅方向案内部8とが相対的に移動可能な状態である。
【0064】
図2(b)に示すように、位置決め部5の長手方向案内部7、幅方向案内部8、及び可動部9は締結部品によって締結されて固定される。よって、締結部品を外すことによって、長手方向案内部7、幅方向案内部8、及び可動部9は相対的に移動が可能となる。締結部品は、ボルト及びナットの組合せ、セルフタップタイプのタップネジ、係合ピン、その他、長手方向案内部7と幅方向案内部8と可動部9とを相対的に固定するような締結部品を使用することができる。
【0065】
次に、
図1、
図2を参照して、長手方向案内部7と幅方向案内部8の構成を説明する。長手方向案内部7は、2つの部材からなる第一レール状部材7aによって形成され、可動部9を挟んで幅方向案内部8に沿って移動可能である。幅方向案内部8は、2つの部材からなる第二レール状部材8aによって形成され、長手方向案内部7を挟んだ状態で基台2に固定されている。
【0066】
次に、図示しないが、長手方向案内部7と幅方向案内部8の別の構成を説明する。幅方向案内部8は、2つの部材からなる第三レール状部材8b(図示せず)によって形成され、可動部9を挟んで長手方向案内部7に沿って移動可能である。長手方向案内部7は、2つの部材からなる第四レール状部材7b(図示せず)によって形成され、幅方向案内部8を挟んだ状態で基台2に固定されている。
図1及び
図2の構成と、図示しない構成といずれを選択するかは、基台2の構成その他によって選択可能であり、いずれであっても良い。
【0067】
次に、積載トレーラー1に共通する構成をさらに詳細に説明する。
図1及び
図12は、位置決め部5の例を示したもので、
図3に示すA部の斜視図である。位置決め部5は他の箇所にも形成可能であり、例えば、
図3に示す例では、基台2の角部の4箇所に形成されている。
図1は、後述する積載トレーラー1aの第一支持部材6aが位置決め部5に接続される例を示し、
図12は、後述する積載トレーラー1b、1cの第二支持部材6b又は第三支持部材6cが位置決め部5に接続される例を示す。
【0068】
図1、
図12を参照して位置決め部5の構成を詳細に説明する。長手方向案内部7は、コの字状の断面形状を有する2本の第一レール状部材7aによって形成され、幅方向案内部8は、一部がコの字状の断面形状を有する2本の第二レール状部材8aによって形成されている(
図8、
図9、
図15を参照)。長手方向案内部7は、上下方向において幅方向案内部8に挟まれて上下方向の移動が規制され、第一レール状部材7aの上下方向の壁7cによって長手方向への移動が規制されている。この構成により、長手方向案内部7は、幅方向への移動が可能となる。
【0069】
可動部9は、位置決め開口部5aを有する角パイプ状部材9bと、角パイプ状部材9bに繋がって長手方向の両側に板状のひさし部9cが上下方向の上側と下側とに形成され、上下のひさし部9cは角パイプ状部材9dによって繋がっている。ひさし部9cは、第一レール状部材7aに対して上下方向の外側にあって、第一レール状部材7aを挟んでいる。角パイプ状部材9bと角パイプ状部材9dは、幅方向において2本の第一レール状部材7aに挟まれて案内されている。この構成により、可動部9は、長手方向案内部7に対して上下方向への移動が規制され、長手方向への移動が案内される。可動部9は長手方向案内部7に対して長手方向に移動可能であり、長手方向案内部7は幅方向案内部8に対して幅方向に移動可能である。よって、可動部9は、基台2に対して相対的に平面方向に自在に移動可能である。
【0070】
図示しないが、
図1及び
図12に対して、長手方向案内部7と幅方向案内部8との関係が逆でもよい。すなわち、幅方向案内部8が長手方向案内部7に対して移動可能な構成であり、可動部9は、幅方向案内部8に対して移動可能である。詳細な構成説明は省略する。
【0071】
図2は、可動部9の位置が決まった後の固定方法の例を示している。
図2(a)は、長手方向案内部7、幅方向案内部8、及び可動部9との間を溶接によって完全に固定している。積載する積載物50のサイズが一定の場合、溶接されれば位置決め部5が安定して固定される。固定方法は、溶接の代わりに接着でも良い。また、
図2(b)は、長手方向案内部7、幅方向案内部8、及び可動部9との間を固定される状態と移動可能な状態とを選択可能にしている。
【0072】
なお、長手方向案内部7は、必ずしも長手方向に平行に形成する必要は無く、長手方向に沿う方向に形成されていれば良い。また、幅方向案内部8は、必ずしも幅方向に平行に形成する必要は無く、幅方向に沿う方向に形成されていれば良い。可動部9が平面方向を自在に移動可能な構成であればよい。
【0073】
次に、
図5を参照して、補助連結部材18を説明する。補助連結部材18は、積載物50の柱部材51の少なくとも一部を覆い、第一支持部材6aと補助支持部材16、或いは第一支持部材6aと第一支持部材6aとを連結する。補助連結部材18は、第一支持部材6aに柱部材51が挿入された状態で、柱部材51を覆いながら第一支持部材6aの柱支持部30b、30cの外側から取り付けられる。
【0074】
補助連結部材18は、ボルト及びナット、或いは木ネジ、セルフタップタイプのネジ等、その他の締結部品、或いは接着によって第一支持部材6aと柱部材51に結合される。
図5に示す例では、長手方向において、補助連結部材18は第一支持部材6aと補助支持部材16とに結合されているが、幅方向において、第一支持部材6aと第一支持部材6aとに結合されてもよい。また、補助連結部材18は断面形状がコの字状の例を示しているが、例えばL字状の断面形状でもよい(図示せず)。この場合、補助連結部材18は、柱部材51に対して積載物50の外側と下側とを覆うので、例えば、積載物50が組み立てられた後に、補強的に補助連結部材18を追加して取り付けることが可能である。なお、補助連結部材18は必ず必要とするものではなく、積載物50が全体として十分な剛性を有するとき等使用されない場合がある。なお、
図5は第一支持部材6aを例にして示しているが、第二支持部材6b、及び第三支持部材6cに適用してもよい。
【0075】
<積載トレーラー1に共通の解決すべき課題と効果>
以上説明したように、積載トレーラー1は、種々の課題を解決しその効果を奏する。従来例は、例えば先行技術文献である特許文献1(特開平7−52702)に示される。従来の積載トレーラーは、積載物を支持する支持部材である添え柱を固定し、これらの4本の添え柱を介して荷台に支持されるが、荷台に対して積載物が上下方向に移動することを規制することができない。すなわち、積載物は、トラックに積載した状態で輸送すると、トラックの振動によって荷台に対して上下方向に移動する恐れがある。積載物は、荷台に対して上下方向に振動することにより、損傷等が発生する恐れがあるという問題があった。
【0076】
この課題に対し、本発明の積載トレーラー1は、支持部材係合部30が積載物50と係合するとき、支持部材6と積載物50とは、上下方向及び平面方向において相対的な移動が規制される。支持部材6が位置決め部5に積載され、接続部材10によって支持部材6と位置決め部5とが接続されるとき、支持部材6と位置決め部5とは、上下方向及び平面方向において相対的な移動が規制される。よって、積載物50は、基台2に対する平面方向の位置が定められ、かつ上下方向への移動が規制されるので、基台2に対して上下方向に振動することによる損傷等が発生することを防止できる。
【0077】
積載トレーラー1は、積載物50が、支持部材係合部30に係合されて基台2に積載されるとき、位置決め部5によって基台2に対する平面方向の位置が定められ、かつ上下方向への移動が規制される。よって、積載トレーラー1は、積載物50を安定して積載し輸送することができる。
【0078】
また、積載トレーラー1は、積載物50が支持部材6に確実に取り付けられていないと、積載トレーラー1に積載したときにずれてしまうという課題がある。この課題に対し、積載トレーラー1は、支持部材係合部30が支持部材6に形成され、柱部材51が取り付けられる柱支持部30b(30c)を備え、柱支持部30b(30c)は、少なくとも長手方向と幅方向とに延び、柱部材51と結合する柱結合部30dとを備える。よって、積載物50のうち少なくとも下側の外形を形成する柱部材51を支持する支持部材6に柱支持部30b、30cと柱結合部30dが備えられるので、積載物50はより確実に支持部材6に支持される。
【0079】
また、従来の積載トレーラーは以下の課題がある。すなわち、積載トレーラーに積載される積載物の上げ下ろしをするときに、例えばフォークリフトを準備する必要があり、積載物を上げ下ろしするための機材準備のための費用が嵩むという課題があった。
【0080】
積載トレーラー1は、この課題を解決するものである。積載トレーラー1において、支持部材6は、位置決め部5に積載されるときに、積載物50の外側に向かって平面方向に沿う方向に開口する支持凹部15を備える。よって、積載トレーラー1は支持凹部15を備えので、持ち上げ機材を支持凹部15に係合させて積載物50を持ち上げることができる。例えば、持ち上げ機材として、簡易な手動式のジャッキ21を用いることができる。ジャッキ21は、支持凹部15に挿入し、手動によって上下方向に移動できるので、積載物50を容易に上下方向へ移動できる。積載物50は、ジャッキ21によって上方向へ移動した後に、積載トレーラー1を移動させることで基台2から外すことができ、その後ジャッキ21によって下方向へ移動させれば接地面に設置させることができる。
【0081】
また、積載物50は、長手方向に長大な場合、支持凹部15が積載物50の四隅に取り付けられた支持部材6に限定して設けられていると、積載物50を昇降させるときに積載物50の長手方向の中央部が変形してしまうという課題が想定される。
【0082】
積載トレーラー1は、この課題を解決するものである。積載トレーラー1は、補助支持部材16が、長手方向において、積載物50の外形を形成する柱部材51の中間部に取り付けられるので、積載物50の剛性を上げることができる。また、補助支持部材16は、補助支持凹部17を備えるので、支持凹部15と同様にジャッキ21等の持ち上げ機材を補助支持凹部17に係合させて積載物50を持ち上げることができる。
【0083】
また、従来の積載トレーラーは以下の課題がある。すなわち、従来は、積載物のサイズに対応したトレーラーが製造され、サイズが異なる場合は添え柱の位置をそれぞれ変えて固定する必要があり、生産性が悪くフレキシビリティーに欠けるという問題があった。
【0084】
この課題に対し、本発明の積載トレーラー1は、位置決め部5が形成される範囲において、可動部9は長手方向案内部7と幅方向案内部8との間で相対的に移動することで平面方向に自在に移動可能である。可動部9は、積載する積載物50を支持する支持部材6の位置に応じて移動させることができる。積載トレーラー1は、積載物50のサイズ及び積載する位置に応じて可動部9の位置を調整することができるので、積載物50に応じて積載トレーラー1の基台2をそれぞれ準備する必要が無い。可動部9は、所定の位置において、長手方向案内部7と幅方向案内部8との間に互いに固定可能なので、積載物50に適した可動部9の位置を固定でき、積載物50を安定して積載及び搬送することができる。
【0085】
積載トレーラー1は、積載物50が、支持部材係合部30に係合されて基台2に積載されるとき、位置決め部5によって基台2に対する平面方向の位置が定められ、かつ上下方向への移動が規制される。よって、積載トレーラー1は、積載物50を安定して積載し輸送することができる。
【0086】
また、積載トレーラー1は、少なくとも一つの位置決め部5において、可動部9と、長手方向案内部7と、幅方向案内部8とが、積載物50に対応した支持部材6の位置に対応した位置で互いに固定される。よって、積載トレーラー1は、可動部9が積載物50に適した位置で固定され、積載物50を安定して積載し搬送することができる。
【0087】
また、別の構成として、積載トレーラー1は、少なくとも一つの位置決め部5において、可動部9と長手方向案内部7と幅方向案内部8とは、積載物50に対応した支持部材6の位置に応じて移動した位置で、二通りの状態にできる。すなわち、可動部9と長手方向案内部7と幅方向案内部8とが固定される状態と、移動可能な状態とを選択できる。この場合、可動部9は、一つの積載物50に合わせて一旦固定した場合であっても、再度別の積載物50に合わせて移動させることができるので、複数のサイズの積載物50を一つの積載トレーラー1で積載可能である。
【0088】
また、積載トレーラー1の位置決め部5は、基台2に固定された幅方向案内部8に対して長手方向案内部7を移動させ、さらに長手方向案内部7に対して可動部9を移動させることにより、可動部9を平面方向に自在に移動させることができる。
【0089】
また、積載トレーラー1の位置決め部5は、別の構成にすることができる。位置決め部5は、基台2に固定された長手方向案内部7に対して幅方向案内部8を移動させ、さらに幅方向案内部8に対して可動部9を移動させることにより、可動部9を平面方向に自在に移動させることができる。
【0090】
また、積載トレーラー1は、積載物50の剛性が十分でないと支持部材6の支持凹部15或いは補助支持部材16の補助支持凹部17にジャッキ21挿入して持ち上げようとしたときに変形して持ち上がらないという恐れがある。この課題に対して、積載トレーラー1は、積載物50の柱部材51を覆い、第一支持部材6aと補助支持部材16とを連結する補助連結部材18を備えてもよい。この場合、さらに積載物50の剛性が上がるという効果がある。
【0091】
<第一実施形態の積載トレーラー1aの構成>
次に、第一実施形態の積載トレーラー1aの構成を説明する。前述した、各実施形態に共通の構成は説明を省略する。
図1、
図7〜
図11を参照して説明する。積載トレーラー1aの位置決め部5は、基台2において上下方向に開口する位置決め開口部5aを備える。接続部材係合部90は、支持部材6のうち基台2に接する支持部材底壁90aに形成される。支持部材6は、位置決め部5に積載されるときに位置決め開口部5aに対向する位置に上下方向に開口する支持開口部14を備える。
【0092】
図8、
図9に示すように、接続部材10aは、頭部11と、ネジ部12と、調整部13を備える。
図10、
図11に示すように、頭部11は、平面視にて第一短径11aと第一長径11bとを有する楕円形状であるか或いは矩形形状である。支持開口部14は、平面視にて頭部11の第一短径11aよりも大きい第二短径14aと、第一長径11bよりも大きい第二長径14bを有し、かつ第二短径14aは第一長径11bよりも小さく形成されている。
【0093】
ネジ部12は、上下方向の上側に形成されたネジ頭部12aと、ネジ部12と同期回転する回転つまみ12bを備え、上下方向における少なくとも一部に雄ネジ部12cが形成され、少なくとも一部が位置決め開口部5aに挿入される。ネジ頭部12aは、ネジ部12と回転方向及び上下方向とにおいて一体的に移動する。
【0094】
頭部11は、ネジ頭部12aに対してネジ部12の回転方向において係合し、ネジ部12が回転したときに同じ方向に回転し、
図11(a)に示すように、第一長径11bが第二長径14bに沿う方向のときに、支持開口部14に対して上下方向に挿抜可能である。
図11(b)に示すように、頭部11は、第一長径11bが第二長径14bと交差する方向のときに、支持部材底壁90aと係合して上下方向の下側に移動することが規制される。
【0095】
図9(a)に示すように、調整部13は、第一支持部材6aが可動部9に装着された状態において、可動部9の可動部下側面9fを挟んでネジ部12に取り付けられた調整ナット13aと、調整ナット13aを回転させる調整機構部13bを備える。
【0096】
図8(a)に示すように、頭部11は、回転つまみ12bを回転させることにより、ネジ頭部12aの回転を介して支持部材底壁90aと係合する。ネジ頭部12aは、調整ナット13aを回転させることにより、上下方向に移動して調整される。ネジ頭部12aが上下方向の下側に向かって移動する力が生じたときに、第一支持部材6aが頭部11を介して基台2に押しつけられる方向に力が生じる。
【0097】
<積載トレーラー1aの第一支持部材6aの詳細説明>
次に、
図1、
図7〜
図9を参照して積載トレーラー1aの支持部材6である第一支持部材6aをさらに詳細に説明する。
図1に示すように、積載物50に取り付けられた第一支持部材6aは、位置決め部5の可動部9に接続して基台2に積載される。
図7〜
図9に示すように、第一支持部材6aは、長手方向と幅方向と上下方向の3方に柱支持部30b(30c)を備え、積載物50の外形を形成する柱部材51が挿入されて結合される。
【0098】
図8、
図9に示すように、第一支持部材6aは、接続部材10aによって可動部9に接続される。接続部材10aは、頭部11と、ネジ部12と、調整部13とによって構成されている。頭部11は、第一支持部材6aの支持部材底壁90aに係合して、第一支持部材6aに結合された積載物50が上下方向に移動することを規制する役割を果たす。頭部11は、略台形形状の側面を有し、
図11に示すように平面視においては略矩形形状を有する。頭部11は強度を増すために、複数のリブが形成されている。頭部11は、ネジ部12のネジ頭部12aに連結されている。
【0099】
図10、
図11を参照して、頭部11と第一支持部材6aの支持部材底壁90aとの関係を説明する。支持部材底壁90aには支持開口部14が形成されている。
図10(a)、
図11(a)は、頭部11が支持開口部14に対して挿抜可能な状態を示す。支持開口部14は、第二短径14aと第二長径14bを有する略矩形形状の穴である。これに対して、頭部11は平面視で第一短径11aと第一長径11bを有する略矩形形状である。第二短径14aは第一短径11aよりも大きく、第二長径14bは第一長径11bよりも大きい。さらに、第一短径11aは第一長径11bよりも小さく、第二短径14aは第二長径14bよりも小さい。
【0100】
図10(a)、(b)に示すように、第一長径11bが第二長径14bに沿う方向になったとき、頭部11は支持開口部14に対して挿抜可能である。これに対して、
図10(c)、
図11(b)に示すように、頭部11が平面視で反時計回りに約90度回転すると、頭部11の下側の面と支持部材底壁90aとが係合した状態となる。なお、頭部11が必要以上に回転しないように、ストッパーリブ14cが形成されている。頭部11は、ストッパーリブ14cによって所定の角度範囲(約95度)に限定して回転可能である。
【0101】
図10に示すように、積載トレーラー1aの接続部材10aは、さらに頭部補助部材110を備える。
図10(a)に示すように、頭部補助部材110は、少なくとも一部が第三短径111aと第三長径111bとを有し楕円形状或いは矩形形状である補助部111と、ネジ部12が挿入される頭部補助部材穴112を備える。第三短径111aは第二短径14a以下であり、第三長径111bは第二長径14b以下である。第三長径111bは第三短径111aよりも大きく形成されている。
図8(a)に示すように、頭部補助部材110は、頭部11と調整部13との間にあって、頭部11が支持部材底壁90aと係合したとき、補助部111は支持開口部14に挿入された状態である。
【0102】
より詳細には、第三短径111aは、第二短径14aとの間に所定の隙間が生じる寸法に設定され、第三長径111bは、第二長径14bとの間に所定の隙間が生じる寸法に設定される。この所定の隙間は、積載物50が基台2に載置されるときの位置ずれ誤差、或いは積載物50の柱部材51を支持する支持部材6の取付誤差又は製作上の寸法誤差を吸収するための隙間である。なお、所定の隙間の上限は、接続部材10aが移動して不安定にならない程度に制限される。すなわち、第三短径111aは、第二短径14a以下であって、かつ第二短径14aとの間に所定の隙間が生じる寸法の範囲であり、第三長径111bは、第二長径14b以下であって、かつ第二長径14bとの間に所定の隙間が生じる寸法の範囲である。
【0103】
図9(a)に示すように、第一支持部材6aには窓部30eが形成され、頭部11がどのような状態(
図11の(a)の状態であるか或いは(b)の状態であるか)にあるかを確認することができる。なお、窓部30eを設ける代わりに、図示しないが頭部11の一部にピン挿入穴を設け、第一支持部材6aに形成されたピン穴から確認ピンが挿入できたときが
図11(a)の係合状態であることが確認できてもよい。
【0104】
ネジ部12はボルトが使用され、ネジ頭部12aとは一体的に形成されている。なお、ネジ頭部12aとネジ部12の他の部分とが別体であって、ネジ頭部12aと他のネジ部12とが、回転方向と上下方向に同期する構成でも良い。ネジ部12の下側には、回転つまみ12bが備えられている。ネジ部12は回転つまみ12bを回転することで回転する。
図9(a)に示すように、回転つまみ12bはリング状の板状の形状であって、ナット12dと一体で形成されている。ナット12dと固定ナット13cとはダブルナットになっていて、互いに締め合うことで固定され、回転つまみ12bを回すとネジ頭部12aが一体的に回転する。なお、回転つまみ12bは、ナット12dと一体になった構成を説明したが、ネジ部12に一体的に形成されていてもよい。
【0105】
図8のうち部分断面図で示すように、頭部11の内部はネジ頭部12aの形状に合わせた凹部が形成され、ネジ頭部12aが回転すると頭部11も同期して回転するよう形成されている。また、頭部11とネジ頭部12aとは、上下方向においても同期して移動するよう形成されている。ネジ頭部12aの鍔部が、頭部11のうちの下側の面と係合し、ネジ頭部12aにおいて上下方向の下側に向けた力が発生したときは、頭部11も同様に下側に向けた力が発生し、第一支持部材6aを下側の方向へ押す。
【0106】
図9(a)に示すように、ネジ部12は上下方向で可動部9を挟むように調整ナット13aが備えられている。調整ナット13aは、ネジ頭部12aと協働して第一支持部材6aの支持部材底壁90aを可動部9と同時に基台2の側へ押しつける機能を有する。可動部9は、長手方向案内部7との間で上下方向の移動が規制され、長手方向案内部7は、幅方向案内部8との間で上下方向の移動が規制される。幅方向案内部8は、上下方向において基台2に固定されている。従って、第一支持部材6aは、可動部9を下側へ押しつけられると、基台2の側へ押しつけられることになる。すなわち、積載物50は、第一支持部材6aの支持部材係合部30に係合されていると、基台2に対して上下方向の移動が規制される。
【0107】
調整ナット13aは、調整機構部13bによって回転され、上下方向の位置が調整される。調整機構部13bは伝達方向の切り替え可能なラチェット機構を備え、一方向に回転すると調整ナット13aに回転を伝達し、他方向に回転したときは空回りする。調整機構部13bは、切り替えスイッチにより、伝達方向が調整ナット13aを締め付ける方向(可動部9に対して締め付ける方向)と、弛める方向(可動部9に対して弛める方向)のいずれかを選択して使用する。調整ナット13aが締め付けられる方向に回転すると、ネジ頭部12aと協働して第一支持部材6aの支持部材底壁90aを可動部9と同時に基台2の側へ押しつける。
【0108】
調整機構部13bのレバー部は、使用されない通常時は所定の位置にて移動が規制される。すなわち、調整機構部13bのレバー部は、ストッパーネジ13dが通されてストッパーナット上13eとの間に挟まれ、ストッパーネジ13dは、板状のひさし部9cに溶接されたストッパーナット下13fに締結される。よって、調整機構部13bは、回転方向と上下方向への移動が規制される。逆に、調整機構部13bが使用されるときは、ストッパーネジ13dが取り外される。なお、図示しないが、調整機構部13bはラチェット機構を備えず、レンチが形成されていてもよい。
【0109】
<第一実施形態の積載トレーラー1aの解決すべき課題と効果>
以上説明したように、第一実施形態の積載トレーラー1aは、種々の課題を解決しその効果を奏する。従来は、積載トレーラーの基台に積載物を積載した後に、何らかの手段によって基台上で積載物が移動しないような工夫がなされていた。しかしながら、積載物のサイズ、或いは構造によって積載物が確実に移動しないようにすることが難しく、例えば、上下方向において一定の隙間を生じた状態で移動を規制しているのが一般的である。しかしながら、この場合、積載物を移動中に振動が発生し、積載物がダメージを受けたり、場合によっては積載物が基台からずれてしまうといった課題があった。
【0110】
積載トレーラー1aは、この課題を解決するものである。積載トレーラー1aは、柱支持部30b(30c)、又は柱支持部30b(30c)に備えられた柱結合部30dによって、第一支持部材6aと積載物50とが上下方向の相対的な移動が規制される。積載トレーラー1aは、回転つまみ12bを回転させることにより、頭部11がネジ頭部12aの回転を介して支持部材底壁90aと係合する。ネジ頭部12aは、調整ナット13aを回転させることにより、上下方向に移動して調整される。ネジ頭部12aが上下方向の下側に向かって移動する力が生じたときに、第一支持部材6aが頭部11を介して基台2に押しつけられる方向に力が生じる。
【0111】
よって、頭部11と第一支持部材6aとの間の隙間が無くなるので、第一支持部材6aが上下方向に移動することを防止できる。積載物50が第一支持部材6aと係合されている場合は、積載物50が上下方向に移動する事を防止できる。
【0112】
また、ネジ頭部12aは、上下方向への移動の調整がなされないとき、調整機構部13bのレバー部は、所定の位置にて移動が規制される。よって、不可抗力によって調整機構部13bのレバーが動いてしまい、ネジ頭部12aが動いてしまうことを防止できる。
【0113】
接続部材10aは次の課題が想定される。
図10を参照すると、支持開口部14は前後方向と幅方向において、ネジ部12との隙間が生じる。積載物50に前後方向或いは幅方向への荷重がかかったとき、接続部材10aは隙間分移動する可能性があり、不安定である。
【0114】
この課題に対して、ネジ部12が頭部補助部材穴112に挿入され、頭部補助部材110の補助部111は支持開口部14に挿入されるので、接続部材10aが平面方向に移動することを制限できる。よって、積載トレーラー1aに積載物50が積載されて輸送されるとき、積載物50が移動することを防止できる。
【0115】
<第二及び第三実施形態の積載トレーラー1b、1cに共通する構成>
図12から
図22を参照して、第二及び第三実施形態の積載トレーラー1b、1cに共通する構成を説明する。積載トレーラー1b、1cの位置決め部5は、基台2に取り付けられ第二支持部材6b、又は第三支持部材6cが積載されるときに案内となる位置決め補助部材80b、80cと、位置決め補助部材80b、80cを基台2に固定する締結部20を備える。位置決め補助部材80b、80cは、第二支持部材6b、第三支持部材6cが位置決め部5に積載されるときに案内となる壁部80mと、接続部材10b、10cであって、第二支持部材6b、第三支持部材6cの接続部材係合部90に対して進退可能な規制機構部19を備える。接続部材係合部90は後述する係合凹部90b及び係合凸部90cが相当する。
【0116】
積載トレーラー1は次の課題が想定される。積載物50を基台2に積載する際に、案内となる部材があると、積載が容易であると想定される。さらに、積載物50を積載した後に、支持部材6が基台2に対して容易に固定されることが望まれる。この二つの課題に対して、支持部材6(6b、6c)は、位置決め部5である壁部80mを備えた位置決め補助部材80(80b、80c)を介して基台2に積載されるので、積載物50はスムーズに基台2に積載される。また、位置決め補助部材80は、接続部材10(10b、10c)であって支持部材6の接続部材係合部90(90b、90c)に対して進退可能な規制機構部19を備える。よって、支持部材6が基台2に対して移動することを規制する状態と規制しない状態とを選択できる。
【0117】
<第二実施形態の積載トレーラー1bの構成>
次に、
図13〜
図17を参照して、本発明に係る第二実施形態の積載トレーラー1bを説明する。積載トレーラー1bの接続部材係合部90は、第二支持部材6bの一部に形成され積載物50の外側に向かって開口した係合凹部90bを備える。位置決め部5は、基台2において上下方向に開口する位置決め開口部5aと、位置決め補助部材80bに形成され位置決め開口部5aに挿入可能な位置決め凸部80kとを備える。締結部20は、位置決め凸部80kの上下方向の下側と基台2とを締結し、規制機構部19bは、係合凹部90bと係合して上下方向への移動を規制する状態と、係合凹部90bと係合しない非係合状態とを選択可能である。
図13〜
図17に示す例では、位置決め開口部5aは、可動部9に形成されている。なお、位置決め開口部5aは、基台2に直接形成されてもよい。
【0118】
積載トレーラー1bの第二支持部材6bは、積載物50が位置決め部5に積載されるときに案内される壁部80mと、支持部材係合部30であって積載物50の上下方向の動きを規制する規制機構部19bを備える。接続部材10bは、位置決め開口部5aに挿入可能な位置決め凸部80kと、位置決め凸部80kの上下方向の下側と可動部9とを結合する締結部20とからなる。なお、位置決め部5は、位置決め開口部5aと位置決め凸部80kを備える例を示したがこれに限らない。図示しないが、位置決め部5は、位置決め開口部5aと位置決め凸部80kとを備えず、位置決め補助部材80bが締結部20によって直接基台2に締結されても良い。この場合、締結部20は、ボルト、ナット、或いは接着等の締結部材が相当する。後述する第三実施形態の積載トレーラー1cも同様である。
【0119】
規制機構部19bは、第二支持部材6bの幅方向の側面、長手方向における前側の面、又は後側の面のいずれかに形成された凹部である係合凹部90bと係合して上下方向への移動を規制する状態と、係合凹部90bと係合しない非係合状態とを選択可能である。
図15に示すように、締結部20はボルト20aとナット20bからなり、ボルト20aが位置決め凸部80kの下端部80nと係合する。ナット20bは、可動部9の可動部下側面9fと係合する。
【0120】
図13〜
図17を参照して、規制機構部19bをさらに詳細に説明する。なお、規制機構部19bは、種々の構成が可能であるが、そのうちの一例について説明する。積載トレーラー1bは、規制機構部19bが、位置決め補助部材80bにおいて平面方向に延びて形成された規制部材支持部61と、補助部材62とを備える。調整部締結手段63は、第一上側締結部64と、補助部材62に形成された第一下側締結部65を備える。支点部締結手段66は、第二上側締結部67と、補助部材62に形成された第二下側締結部68を備える。
【0121】
規制部材69は、規制部材支持部61の上下方向の上側にあり、調整部締結手段63と支点部締結手段66は、規制部材69と一体的に移動可能である。支点部締結手段66は、第二上側締結部67と第二下側締結部68が規制部材69を挟む。調整部締結手段63は、規制部材支持部61の所定の位置において、第一上側締結部64と第一下側締結部65が規制部材69を挟む。支点部締結手段66は、規制部材69が上下方向に所定量移動可能な状態で締結されている。規制部材69は、調整部71において調整部締結手段63によって上下方向に昇降して調整される。
【0122】
規制部材69は、規制部材支持部61の上側にあり、
図15、
図16に示すようにコの字状の箱型形状である。規制部材69は、上板部69aと下板部69bのそれぞれに第一下側締結部65である固定ボルトが挿入される調整上板穴69cと調整下板穴69dと、第二下側締結部68である固定ボルトが挿入される支点下板穴69eを備える。補助部材62は、規制部材支持部61の下側にあり、補助部材調整穴62aと補助部材支点穴62bを備える。第一下側締結部65である固定ボルトと、第二下側締結部68である固定ボルトは、補助部材62に溶接されている。
【0123】
支点部70は、第二下側締結部68である固定ボルトに対して、第二上側締結部67であるナットと補助締結部72であるナットとが締結される。補助締結部72であるナットは、第二上側締結部67であるナットのゆるみ止めの役割を果たす。調整部71は、第一下側締結部65である固定ボルトに対して、第一上側締結部64である蝶ナットが締結される。
【0124】
規制部材69は、調整部71が緩んだ状態で規制部材支持部61に対して移動可能である。移動方向は、支点部70と調整部71とが並んだ方向であり、係合凹部90bに対して挿抜可能な方向である。規制部材69が移動するときは、支点部70と調整部71とが一体的に移動する。規制部材69は、支点部70とは反対側に係合部73を備える。係合部73は弾性部材74を備え、規制部材69が係合凹部90bに挿入されるとき、係合凹部90bと係合する。なお、係合部73が弾性部材74を備える代わりに、係合凹部90bに高さ調整部材75が備えられてもよい。
図15、
図16は、例として係合凹部90bが高さ調整部材75を備えた例を示している。なお、規制機構部19bを構成する各要素は、種々の材料を選択することができるが、強度を要する場合は金属を採用することが望ましい。
【0125】
<積載トレーラー1bにおける積載物50の積載手順>
次に、
図13〜
図17を参照して、積載トレーラー1bにおける積載物50の積載手順を説明する。積載物50は、位置決め部5である位置決め補助部材80bを案内として基台2に積載される。その際、積載物50は、第二支持部材6bと位置決め補助部材80bとの間に保護部材101aを介して積載される。保護部材101aは、係合凹部90bに対応する部分は開口している。
【0126】
積載物50を昇降させるときは、
図13、
図16に示すように規制部材69は係合凹部90bから離間させ、規制部材69と係合凹部90bとが干渉しないようにする。このとき、調整部71の調整部締結手段63は締結されていない緩んだ状態である。支点部70と調整部71の締結作業は、規制部材69が係合凹部90bから離間した状態で行われる。従って、ユーザーは、係合凹部90bを含む積載物50の外側で作業できる。
【0127】
支点部70は、第二上側締結部67と第二下側締結部68は、規制部材69を挟んで固定してしまうのではなく、所定の隙間を空けて規制部材69の可動域を設けておく。支点部70は、支点部締結手段66によって予め締結されおり、積載物50を積載する際に締結作業を行う必要は無い。
【0128】
次に、
図15に示すように、規制部材69を係合部73が係合凹部90bと係合する位置まで移動させ、調整部71の第一上側締結部64と第一下側締結部65とを締結する。このとき、調整部71を締結すると支点部70を支点として規制部材69が回転運動を伴って下側に移動し、係合部73(或いは高さ調整部材75を介して)が、係合凹部90bを下側へ押しながら係合する。係合部73又は高さ調整部材75が弾性材によって形成されていると、係合部73は弾性変形を伴って係合凹部90bと係合する。積載物50を基台2から昇降させる場合は、以上説明した手順と逆の手順を行う。
【0129】
<第二実施形態の積載トレーラー1bの解決すべき課題と効果>
以上説明したように、第二実施形態の積載トレーラー1bは、種々の課題を解決しその効果を奏する。積載トレーラー1bは、積載トレーラー1aと同様の課題に加えて、積載物から突出する部分を形成することなく積載物を固定したいといったニーズがあり、課題でもある。積載トレーラー1bは、この課題を解決するものである。
【0130】
図15、
図16に示すように、積載トレーラー1bは、第二支持部材6bが規制機構部19bを備え、係合凹部90bと係合して上下方向への移動を規制する状態と、係合凹部90bと係合しない非係合状態とを選択可能である。よって、規制機構部19bは第二支持部材6bに予め形成されている凹部である係合凹部90bを利用するので、積載物50に特別な加工を施す必要が無く、積載物50が上下方向へ移動することを防止できる。
【0131】
さらに、
図13〜
図17を参照して、規制機構部19bの効果を詳細に説明する。
図14〜
図16に示すように、積載トレーラー1bは、調整部締結手段63が緩んだ状態のとき、規制部材69が支点部70と調整部71が並ぶ方向に沿って移動可能である。調整部締結手段63と支点部締結手段66とは、規制部材69と一体的に移動可能である。よって、規制部材69の係合部73は、係合凹部90bに対して平面方向の移動を伴いながら係合可能である。また、規制部材69は、調整部71において調整部締結手段63によって上下方向に昇降して調整される。つまり、係合部73は、上下方向への移動を伴いながら係合凹部90bに係合する。よって、ユーザーは簡単な操作で積載物50が上下方向へ移動することを防止できる。
【0132】
さらに、
図15、
図16に示すように、規制部材69は積載物50の外側へ移動可能なので、支点部70の締結作業を広い空間で行うことができる。また、調整部71は、規制部材69を係合凹部90bに挿入した状態においても係合凹部90bの外側に位置するので、調整部71の締結作業が容易である。また、第一下側締結部65は、補助部材62に溶接されているので、特別の工具を用いることなく第一上側締結部64を締結することができる。
【0133】
<第三実施形態の積載トレーラー1cの構成>
次に、
図18〜
図22を参照して、第三実施形態の積載トレーラー1cの構成を説明する。なお、第二実施形態の積載トレーラー1bと共通の機能を有する要素は同様の符号を付し、説明を行わない場合がある。
【0134】
図18〜
図22に示すように、積載トレーラー1cの接続部材係合部90は、第三支持部材6cの一部に形成され積載物50の外側に向かって突出した係合凸部90cを備える。位置決め部5は、基台2において上下方向に開口する位置決め開口部5a(図示せず)と、位置決め補助部材80cに形成され位置決め開口部5aに挿入可能な位置決め凸部80k(図示せず)とを備える。締結部20は、位置決め凸部80kの上下方向の下側と基台2とを締結する。規制機構部19cは、係合凸部90cと係合して上下方向への移動を規制する状態と、係合凸部90cと係合しない非係合状態とを選択可能である。ここで、位置決め開口部5a、位置決め凸部80k、及び締結部20は積載トレーラー1bの構成と同様なので、図示及び詳細な説明は省略する。
【0135】
図18に示すように、係合凸部90cは、第三支持部材6cの後側に形成されている。なお、係合凸部90cは、他の前側、右側、左側のいずれかに形成されてもよく、その場合は位置決め補助部材80cの構成と規制機構部19cは係合凸部90cの位置に対応した形態及び取付位置となる。
【0136】
規制機構部19cは、規制機構部19bと同様な構成部分の詳細な説明は省略する。規制機構部19cのうち、支点部70、調整部71等の構成は規制機構部19bと同様である。規制機構部19cは、第三支持部材6cの外側に形成された係合凸部90cに対して進退可能である。
図19、
図20は、規制機構部19cが係合凸部90cに対して係合される状態を示す。
図21は、規制機構部19cが係合凸部90cに対して非係合状態を示す。
【0137】
規制機構部19cは、規制部材69にボルト穴69fが形成され、蝶型ボルトである接合ボルト92を挿入可能である。係合凸部90cには、接合ボルト92を挿入可能な穴91が形成されている。上下方向において、係合凸部90cと基台2との間に接合ボルト92が挿入される穴を備えたスペーサ102が取り付けられ、さらに基台2には接合ボルト92が挿入される穴が形成され、その下側には接合ナット93が溶接されている。規制機構部19cが係合凸部90cに係合した状態において、規制部材69に接合ボルト92が挿入され、基台2の接合ナット93に対して締結される。これにより、規制機構部19cの移動が規制され、規制機構部19cが係合凸部90cに係合した状態が保持される。
【0138】
図21に示すように、規制機構部19cを係合凸部90cから非係合状態にするときは、接合ボルト92が外され、規制部材69が係合凸部90cから待避され、接合ボルト92が位置決め補助部材80cの上に乗った状態である。これにより、接合ボルト92が接合ナット93から外された状態でも紛失すること無く規制部材69に保持される。
【0139】
<積載トレーラー1cにおける積載物50の積載手順>
次に、
図18〜
図22を参照して、積載トレーラー1cにおける積載物50の積載手順を説明する。積載物50は、積載トレーラー1bと同様に、位置決め部5である位置決め補助部材80cを案内として基台2に積載される。その際、積載物50は、第三支持部材6cと位置決め補助部材80cとの間に保護部材101bを介して積載される。
【0140】
積載物50を昇降させるときは、
図21に示すように規制部材69は係合凸部90cから離間させ、規制部材69と係合凸部90cとが干渉しないようにする。このとき、調整部71の調整部締結手段63は締結されていない緩んだ状態である。支点部70と調整部71の締結作業は、規制部材69が係合凸部90cから離間した状態で行われる。従って、ユーザーは、積載物50の外側で作業できる。
【0141】
支点部70において、第二上側締結部67と第二下側締結部68は、規制部材69を挟んで固定してしまうのではなく、所定の隙間を空けて規制部材69の可動域を設けておく。支点部70は、支点部締結手段66によって予め締結されおり、積載物50を積載する際に締結作業を行う必要は無い。
【0142】
次に、
図19、
図20に示すように、規制部材69を係合部73が係合凸部90cと係合する位置まで移動させ、調整部71の第一上側締結部64と第一下側締結部65とを締結する。このとき、調整部71を締結すると支点部70を支点として規制部材69が回転運動を伴って下側に移動し、高さ調整部材75を介して係合部73が、係合凸部90cを下側へ押しながら係合する。係合部73又は高さ調整部材75が弾性部材74によって形成されていると、係合部73は弾性変形を伴って係合凹部90bと係合する。合わせて、接合ボルト92をボルト穴69fと調整部材穴75a、及び穴91に通して、基台2に溶接された接合ナット93に締結する。積載物50を基台2から昇降させる場合は、以上説明した手順と逆の手順を行う。なお、以上の作業は工具を準備する必要はなく、規制機構部19cに備え付けられた要素のみで行うことができる。
【0143】
<第三実施形態の積載トレーラー1cの解決すべき課題と効果>
以上説明したように、第三実施形態の積載トレーラー1cは、種々の課題を解決しその効果を奏する。積載トレーラー1cは、積載トレーラー1aの課題に加え、積載物50が基台2に対して上下方向への移動が規制される状態と規制されない状態とを形成したいという課題がある。さらに、積載物50は、それ自体に接続部材10の係合部を形成することなく基台2と係合させたいという課題がある。さらに、積載物50が固定された状態を容易に目視確認したいといったニーズがあり、課題でもある。積載トレーラー1cは、この課題を解決するものである。
【0144】
位置決め補助部材80cは、位置決め凸部80kが位置決め開口部5aに挿入され締結部20によって基台2に締結されるので、積載物50を積載すべき位置に確実に設置される。また、位置決め補助部材80cに備えられた規制機構部19cは、第三支持部材6cの係合凸部90cと係合する状態と非係合状態とを選択できる。よって、積載物50が基台2に対して上下方向への移動が規制される状態と規制されない状態とを形成できる。さらに、第三支持部材6cに係合凸部90cが形成されているので積載物50の他の箇所に接続部材係合部90を形成する必要が無い。さらに、係合凸部90cは積載物50の外側に位置するので、積載物50が固定された状態を容易に目視確認できる。
【0145】
<積載トレーラーにおける積載物50の剛性を高める構成>
次に、積載トレーラー1に共通する、積載物50の剛性を高めるための構成を説明する。まず、積載物50において、下側の外形を形成する柱部材51の剛性を高める構成を説明する。
図5を参照して、柱補助部材52について説明する。積載トレーラー1は、積載物50のうち下側の外形を形成する柱部材51の一部に接触し、柱部材51が延びる方向に沿って延びる柱補助部材52を備える。柱補助部材52はすでに説明したように、それぞれ第一柱補助部材52a、第二柱補助部材52b、第三柱補助部材52c、第四柱補助部材52dに例示する種々の形状が考えられる。柱補助部材52の少なくとも一方の端部は、柱部材51を介して支持部材6に結合されている。
図5の例では、長手方向において、柱補助部材52の一方の端部が支持部材6に、他方の端部が補助支持部材16にそれぞれ柱部材51を介して結合されている。また、積載物50の長手方向の長さによっては、柱補助部材52の両端部が支持部材6に結合されてもよい。なお、図示しないが、幅方向においても柱補助部材52を備えてもよく、その場合、柱補助部材52の両端部が支持部材6に結合されてもよい。また、前述したように柱部材51の剛性を高める必要長い場合は、柱補助部材52を備えなくてもよい。
【0146】
次に、積載物50において、上下方向に形成される縦柱部材55の剛性を高める構成を説明する。
図24、
図25を参照して縦柱補助部材53(53a、53b)を説明する。積載トレーラー1は、上側の外形を形成する上柱部材54と、上下方向において上柱部材54と柱部材51とを接続する縦柱部材55を支持する上側支持部材60を備える。さらに、上側支持部材60と支持部材6とを結合する縦柱補助部材53を備える。上側支持部材60と支持部材6とは、縦柱部材55を介して、縦柱補助部材53によって結合されている。
【0147】
図24に示す例では、第一縦柱補助部材53aは金属製の板状の部材であり、縦柱部材55に挟まれて柱結合部30dにて支持部材6と上側支持部材60とに結合されている。第一縦柱補助部材53aは、縦柱部材55によって上下方向の全長に渡って挟まれている。
図24(b)〜
図24(d)は、
図24(a)の断面S10―S10〜S12―S12を示すが、それぞれ支持部材6と上側支持部材60の断面形状の違いを示す。
図24(b)は、支持部材6及び上側支持部材60が縦柱部材55の4辺のうちの対向する2面を支持する場合を示す。
図24(c)は、同様に縦柱部材55の4辺のうちの3辺を支持する場合を示す。
図24(d)は、同様に縦柱部材55の4辺を支持する場合を示す。
図24(e)は、縦柱部材55と第一縦柱補助部材53aとの関係を示す斜視図である。
【0148】
図25に示す例では、第二縦柱補助部材53bは両端に雄ネジが形成された金属製の棒状の部材である。第二縦柱補助部材53bの一方の端部は、支持部材6の一部を挟んでナット58と結合し、他方の端部は、上側支持部材60の一部を挟んでナット58と結合している。支持部材6と上側支持部材60には、それぞれナット58を締結するための工具挿入用の穴が形成されている(図示せず)。縦柱部材55は、
図25(b)〜
図25(d)に示すように、一部に切欠き部が上下方向に形成され、その切欠き部に第二縦柱補助部材53bが挿入されている。
図25(b)〜
図25(d)は、
図25(a)の断面S10―S10〜S12―S12を示すが、それぞれ支持部材6と上側支持部材60の断面形状の違いを示す。
図25(b)は、支持部材6及び上側支持部材60が縦柱部材55の4辺のうちの対向する2面を支持する場合を示す。
図25(d)は、同様に縦柱部材55の4辺を支持する場合を示す。
図25(e)は、縦柱部材55と第二縦柱補助部材53bとの関係を示す斜視図である。なお、以上説明した縦柱補助部材53は、縦柱部材55の剛性を高める必要が無い場合は備えなくてもよい。
【0149】
図23から
図25に示すように、積載物50の上部の4箇所には、フレノリンクボルト103が取り付けられている。
図24、
図25に示すように、フレノリンクボルト103は、積載物50の上部の角部である上側支持部材60に取り付けられ、リング部103aが回転する(実線の状態から二点鎖線の状態に移動可能)。フレノリンクボルト103は、上側支持部材60の内部に溶接されたフレノリンクボルト用ナット104に締結されている。ワイヤー105はリング部103aに通し、中央部を上側から吊り上げることにより積載物50を積載トレーラー1から降ろすことができる。逆に、ワイヤー105によって積載物50を積載トレーラー1に積載することも可能である。
【0150】
<積載トレーラー1の積載物50の剛性を高める構成の課題と効果>
以上説明したように、積載トレーラー1は、積載物50の剛性について種々の課題を解決しその効果を奏する。積載トレーラー1は、積載物50を積載する際に基台2と結合させるための種々の構成を備えるが、例えば積載物50の長手方向の全長に渡って基台2との間を結合させることは困難である。そのため、積載物50の剛性が低いと積載トレーラー1が移動する際に変形するといった課題がある。また、上下方向においても、積載物50の剛性が低いと、積載トレーラー1が移動する際に変形し最悪の場合は破損するという課題がある。さらに、
図23に示すように、積載物50をワイヤー105によって吊り上げるとき、上側支持部材60と支持部材6との間の剛性が低いと積載物50が変形してしまうという課題がある。積載トレーラー1は、これらの課題を解決するものである。
【0151】
図5に示すように、積載トレーラー1は、柱補助部材52が柱部材51の一部に接触して補強し、少なくとも一方の端部が柱部材51を介して支持部材6に結合されるので、剛性を高めた積載物50を積載することができる。よって、積載トレーラー1が移動するときでも、積載物50が変形することを防止できる。
【0152】
図24、
図25に示すように、積載トレーラー1は、縦柱補助部材53によって縦柱部材55を介して上側支持部材60と支持部材6とが結合されるので、基台2に載置される側のみでなく、積載物50全体の剛性を高めた状態で積載物50を積載できる。よって、積載トレーラー1が移動するときでも、積載物50が変形することを防止できる。また、積載物50をワイヤー105によって引き上げたときに、積載物50が変形して破損することを防止できる。
【0153】
<積載トレーラーユニット35の構成>
次に、
図23を参照して、積載トレーラーユニット35を説明する。積載トレーラーユニット35は、積載トレーラー1と、積載トレーラー1に積載可能であって、外形を形成する柱部材51が支持部材6に取り付けられた積載物50を備える。少なくとも一つの位置決め部5において、可動部9と、長手方向案内部7と、幅方向案内部8とは、支持部材6に対応した位置で固定される。積載トレーラー1に積載物50が積載され、支持部材6が位置決め部5に積載されるとき、支持部材6と可動部9とが接続部材10によって接続される。
【0154】
次に、
図23を参照して、積載トレーラーユニット35の構成をさらに詳細に説明する。積載トレーラーユニット35は、支持部材6に支持凹部15を備え、平面方向に沿う方向に開口されている。さらに、補助支持部材16は、補助支持凹部17を備え、平面方向に沿う方向に開口されている。支持凹部15と補助支持凹部17とに挿入されるジャッキ21が上下方向に昇降したときに、積載物50は基台2に対して上下方向に昇降する。積載トレーラーユニット35は、種々の積載物50を積載可能である。例えば、積載物50として、プレハブ式ハウス、倉庫、荷物用のケージその他のものを積載可能である。
【0155】
<積載トレーラーユニット35の解決すべき課題と効果>
以上説明したように、積載トレーラーユニット35は、種々の課題を解決しその効果を奏する。積載トレーラーユニット35は、積載トレーラー1に対して積載物50を積載する或いは持ち上げるときに、積載物が変形しないようにするといった課題がある。また、積載トレーラーユニット35は、積載物50が積載トレーラー1の基台2に対して適切な位置に積載されることと、特別な持ち上げ機材を準備することなく、簡易な装置で積載物50を昇降させたいといったニーズと課題がある。
【0156】
積載トレーラーユニット35は、この課題を解決するものである。積載物50の外形を形成する柱部材51が柱補助部材52を備えるので剛性が高くなり、積載物50全体の強度が高まる。また、積載トレーラーユニット35は、少なくとも一つの位置決め部5において、可動部9が支持部材6に対応した位置で固定されるので、積載物50に適した位置で支持部材6と可動部9とが接続され、積載物50を安定して積載できる。
【0157】
また、積載トレーラーユニット35は、支持凹部15に挿入されるジャッキ21が上下方向に昇降したときに、基台2に対して積載物50を上下方向に昇降するので上下方向の昇降が可能である。よって、クレーン或いはフォークリフトのような昇降装置を用いることなく、積載物50を昇降させることができる。
【0158】
また、支持凹部15は、位置決め部5に接続される支持部材6に備えられているので、例えば、支持凹部15は、積載物50の4箇所の角部に隣接して備えられる。よって、積載物50は、ジャッキ21によってスムーズに昇降させることができる。さらに、積載物50は、補助支持部材16が取り付けられ、補助支持部材16に補助支持凹部17が形成されている。よって、ジャッキ21を支持凹部15に加えて補助支持凹部17にも使用することにより、よりスムーズに積載物50を昇降させることができる。
【0159】
また、積載トレーラーユニット35は、
図23に示すように積載物50の上部の4箇所には、フレノリンクボルト103が取り付けられているので、フレノリンクボルト103にワイヤー105を通すことにより積載物50を吊り上げて昇降することができる。
図24、
図25に示すように縦柱補助部材53によって上側支持部材60と支持部材6との間の剛性が高められるので、積載物50の剛性が高まる。よって、ワイヤー105によって積載物50を昇降させたとき、積載物50が変形することを抑止できる。
【0160】
<変形例>
なお、基台2は平面形状が略長方形である例を示したがこれに限らない。例えば、楕円形状でも良いし台形形状でもよく、種々の形状を採用することができる。また、位置決め補助部材80b、80cは、いずれも位置決め凸部80kを備え、可動部9に形成された位置決め開口部5aに装着する例を示したがこれに限らない。位置決め補助部材80b、80cは基台2に直接ネジ等で締結されても良い。
【0161】
また、位置決め開口部5aは可動部9で形成される例を示したがこれに限らない。位置決め部5は予め基台2に決められた位置に固定されていても良い。
【解決手段】積載トレーラー1は、支持部材6と位置決め部5とを接続する接続部材を備える。位置決め部5と支持部材6とは複数備えられる。支持部材6は、積載物50と係合する支持部材係合部30と、接続部材と係合する接続部材係合部を備える。支持部材係合部30が積載物50と係合したとき、支持部材6と積載物50とは、上下方向及び平面方向において相対的な移動が規制される。支持部材6が位置決め部5に積載され、接続部材によって支持部材6と位置決め部5とが接続されるとき、支持部材6と位置決め部5とは、上下方向及び平面方向において相対的な移動が規制される。