(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
本明細書において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0012】
<実施形態1>
1.システム構成
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示されるように、情報処理システム1000は、システム構成として、サーバ装置100と、クライアント装置110と、クライアント装置120と、クライアント装置130と、を含む。クライアント装置110は、Web会議システムを用いて商談を行う営業担当者のPC(Personal Computer)等である。また、クライアント装置120は、Web会議システムを介して営業を受けた顧客のPC等である。クライアント装置130は、Web会議システムを用いて商談を行う営業担当者の同僚、又は上司等のPC等である。
図1では、説明の簡略化のため、情報処理システム1000において、クライアント装置110、クライアント装置120、クライアント装置130はそれぞれ1台ずつしか図示していないが、それぞれ複数台、情報処理システム1000に含まれてもよい。また、クライアント装置は、PCに限定されるものではなく、スマートフォン、タブレット型コンピュータ等であってもよい。
【0013】
(サーバ装置100の処理の概要)
サーバ装置100は、Web会議システムを用いた商談における営業担当者及び顧客の動画と、商談における営業担当者及び顧客の音声を文字列に変換した文字列データと、を関連付けて、商談ごとに商談データとして記憶している。そして、サーバ装置100は、クライアント装置110、クライアント装置130等から検索要求を受け取ると、検索要求に該当する商談データを検索要求元のクライアント装置に返す。
【0014】
2.ハードウェア構成
(1)サーバ装置100のハードウェア構成
図2は、サーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ装置100は、ハードウェア構成として、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、を含む。制御部201は、CPU(Central Processing Unit)等であって、サーバ装置100の全体を制御する。記憶部202は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等であって、プログラム、制御部201がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部201が、記憶部202に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する
図4のサーバ装置100の機能構成及び後述する
図5、
図6のアクティビティ図の処理が実現される。通信部203は、NIC(Network Interface Card)等であって、サーバ装置100をネットワーク150に接続し、他の装置(例えば、クライアント装置130等)との通信を司る。
【0015】
(2)クライアント装置110のハードウェア構成
図3は、クライアント装置110のハードウェア構成の一例を示す図である。クライアント装置110は、ハードウェア構成として、制御部301と、記憶部302と、撮像部303と、入力部304と、出力部305と、通信部306と、を含む。制御部301は、CPU等であって、クライアント装置110の全体を制御する。記憶部302は、HDD、ROM、RAM等であって、プログラム、制御部301がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部301が、記憶部302に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、クライアント装置110の機能が実現される。撮像部303は、カメラ等であって、クライアント装置110の利用者を撮像する。入力部304は、マウス及びキーボード等であって、ユーザ操作を制御部301に入力する。更に入力部304は、マイク等であって、ユーザの音声を制御部301に入力する。出力部305は、ディスプレイ及びスピカー等であって、制御部201の処理の結果等を表示したり、音声で出力したりする。通信部306は、NIC等であって、クライアント装置110をネットワーク150に接続し、他の装置(例えば、クライアント装置120等)との通信を司る。
【0016】
クライアント装置120及びクライアント装置130のハードウェア構成は、クライアント装置110のハードウェア構成と同様である。クライアント装置120の制御部がクライアント装置120の記憶部に記憶されたプログラムに基づき処理を実行することによって、クライアント装置120の機能が実現される。同様に、クライアント装置130の制御部がクライアント装置130の記憶部に記憶されたプログラムに基づき処理を実行することによって、クライアント装置130の機能が実現される。
3.機能構成
図4は、サーバ装置100の機能構成の一例を示す図である。
図4に示されるように、サーバ装置100は、機能構成として、音声認識部401と、記憶処理部402と、登録部403と、検索部404と、出力制御部405と、を含む。
【0017】
(音声認識部401)
音声認識部401は、商談の音声データに基づき音声認識を行い、テキスト化する。音声認識部401は、音声認識を行う際に、分からない単語があれば、単語変換辞書のデータに基づき、単語を認識する。また、音声認識部401は、商談における音声の波形に基づき、商談における話者(営業を行っている営業担当者か、営業を受けているお客様か)を分類し、話者ごとの文字列(テキスト化)に変換する。更に、音声認識部401は、変換した文字列を解析し、解析結果に基づき、商談における話者を分類してもよい。
【0018】
(記憶処理部402)
記憶処理部402は、商談の動画データと、商談の音声データをテキスト化したテキストデータと、を関連付けて商談データとして記憶部202等の記憶領域に記憶する。なお、その他にも、商談データには、商談が行われた日時情報、営業の担当者、お客様の情報等が付加されて記憶部202等に記憶される。
【0019】
(登録部403)
登録部403は、登録要求に基づき、単語変換辞書に新たな単語を登録する。より具体的に説明すると、登録部403は、外部端末より登録要求を受信し、受信した登録要求に基づき、単語変換辞書に新たな単語を登録する。外部端末とは、例えば、クライアント装置110、クライアント装置130等である。例えば、クライアント装置110を介してWeb会議システムを用いて商談を行った営業担当者は、営業の際に出てきた会社名及びサービス名等を登録すべく、会社名及びサービス名等を含む登録要求をサーバ装置100に送信する。
【0020】
(検索部404)
検索部404は、検索要求に対応する検索条件に基づいて、商談データを検索し、検索条件に該当する商談データを検索結果として取得する。検索要求は、外部装置(例えば、クライアント装置110、クライアント装置130等)から送信される。検索要求には、例えば、検索対象の商談の日時情報、営業の担当者の情報、商談データに含まれるキーワード等が含まれる。また、検索部404は、外部装置の出力部305に表示されている画面において所定のボタンが選択されると、設定された言葉が含まれる商談データを検索する。ここで、所定のボタンとは、例えば、「次の商談につながる言葉」ボタンである。また、設定された言葉は、例えば、次の商談につながる言葉である。検索部404は、「次の商談につながる言葉」ボタンが外部装置の出力部305に表示されている画面において選択された場合、次の商談につながる言葉として設定ファイルに記載さているワードを含む商談データを検索する。ここで、設定ファイルは、管理者によって内容が設定されてもよい。また、サーバ装置100が次の商談に繋がった商談データを解析してそのような商談データに多く含まれるワードを特定し、設定ファイルに追加、又は更新するようにしてもよい。
【0021】
(出力制御部405)
出力制御部405は、検索部404による検索結果を含む検索結果画面を検索要求元に出力する。より具体的に説明すると、出力制御部405は、商談データのうち、次の商談につながる言葉が含まれている件数を、商談データを識別する識別情報とともに、商談ごとにまとめた検索結果画面を検索要求元に出力する。
【0022】
4.情報処理
図5は、サーバ装置100の登録に関する情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
A501において、音声認識部401は、商談の動画を含むデータの登録要求を受け取ったか否かを判定する。サーバ装置100は、Web会議システムの機能を提供している。Web会議システムは、Web会議を使用した商談が終わった場合、音声認識部401に対して、商談の動画を含むデータの登録要求を送信する。音声認識部401は、商談の動画を含むデータの登録要求を受け取ったと判定した場合、処理をS502に勧め、商談の動画を含むデータの登録要求を受け取っていないと判定した場合、A501の処理を繰り返す。
【0023】
A502において、音声認識部401は、動画に含まれる音声データに基づき音声認識を行い、テキスト化する。ここで、音声認識部401は、音声データの波形に基づき、商談における話者(営業を行っている営業担当者か、営業を受けているお客様か)を分類し、話者ごとのテキストに変換する。更に、音声認識部401は、変換したテキストを解析し、解析結果に基づき、商談における話者を分類してもよい。
【0024】
A503において、記憶処理部402は、商談の動画データと、商談の音声データをテキスト化したテキストデータと、を関連付けて商談データとして記憶部202等の記憶領域に記憶する。なお、その他にも、商談データには、商談が行われた日時情報、営業の担当者、お客様の情報等が付加されて記憶部202等に記憶される。
【0025】
A505において、登録部403は、外部端末より登録要求を受信したか否かを判定する。登録部403は、登録要求を受信したと判定した場合、処理をA506に勧め、登録要求を受信していないと判定すると、A505の処理を繰り返す。
【0026】
A506において、登録部403は、登録要求に含まれる単語を、単語変換辞書に登録する。登録要求に含まれる単語としては、Web会議システムを使った商談で出てきた会社名やサービス名等である。
【0027】
図6は、サーバ装置100における検索に関する情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
A601において、検索部404は、外部端末より検索要求を受信したか否かを判定する。検索部404は、検索要求を受信したと判定すると、処理をA602に進め、検索要求を受信していないと判定すると、A601の処理を繰り返す。
【0028】
A602において、検索部404は、検索要求に対応する検索条件に基づいて、商談データを検索し、検索条件に該当する商談データを検索結果として取得する。ここで、検索要求が、「次の商談につながる言葉」ボタンが選択されたことによって外部端末より送信される検索要求であった場合、この検索要求には、「次の商談につながる言葉」ボタンが選択されたことを示す情報が含まれる。検索部404は、検索要求に「次の商談につながる言葉」ボタンが選択されたことを示す情報が含まれていた場合、検索要求に対応する検索条件として、次の商談につながる言葉として設定ファイルに記載さているワードを取得し、取得したワードを含む商談データを検索する。そして、検索部404は、検索条件に該当する商談データを検索結果として取得する。
【0029】
A603において、出力制御部405は、商談データのうち、次の商談につながる言葉が含まれている件数を、商談データを識別する識別情報とともに、商談ごとにまとめた検索結果画面を生成する。
A604において、出力制御部405は、A603で生成された検索結果画面を要求元のクライアント装置の出力部305に出力するよう制御する。
図7は、検索結果画面の一例を示す図である。
図7に示されるように、検索結果画面には、検索結果として、次の商談につながる言葉が含まれている件数701及び702が含まれている。
図7の例では、自社側(営業担当者側)とお客様側とで別々に集計して記載されているが、自社側だけでもよい。また、検索結果画面には、703及び704に示されるように、商談単位で結果がまとめられている。また、703の左上には、703を識別する「0001」が記載さており、704の左上には、704を識別する「0002」が記載されている。
図7の例では、次につながる言葉としては、「来週までにお返事」、「次回」、「次の打ち合わせ」等が示されている。なお、これらのワードは、
図7の画面において、他の言葉と区別して表示されてもよい。区別の例としては、例えば、色を変える、フォントを大きくする、書体を変える等がある。
【0030】
再生ボタン705は、商談において次の商談につながる言葉がでてきた部分の会話の動画を再生するための動画オブジェクトの一例である。再生ボタン705が選択された場合、出力制御部405は、商談において次の商談につながる言葉がでてきた部分の会話の動画がクライアント装置の出力部305において再生されるように制御する。
また、出力制御部405は、703及び704における会話において、営業担当者側及びお客様側の何れの会話なのかを識別可能に表示するよう制御する。出力制御部405は、例えば、会話の色を代えて識別可能に表示してもよいし、再生ボタンの色を代えて識別可能に表示してもよい。
【0031】
5.実施形態1の効果
実施形態1によれば、登録要求に基づき、単語変換辞書に新たな単語を登録するので、音声認識の精度を向上化する技術を提供することができる
また、
図7に示されるように、商談単位で検索結果がまとまって表示される。したがって、例えば、商談中に次の商談につながる言葉が出てきたのか検索したい場合等でも、誰が、どのお客様に対してどのような次につながる言葉を言っているのか、分かりやすい。また、話者分離された内容において、営業担当者が一つの商談において何回そのような言葉を言っているのか把握しやすい。また、その言葉をテキストで把握することができるとともに、どのような前後関係、又は場面において言っていたのか、すぐに動画を再生して確認することができる。
【0032】
<変形例>
変形例を説明する。出力制御部405は、検索結果に基づき、商談単位で最も次につながる言葉を言っていた営業担当者を順に表示する一覧画面を生成して、要求元のクライアント装置の出力部305において表示するよう制御してもよい。
図8は、一覧画面の一例を示す図である。
図8に示されるように、一覧画面には、商談単位で最も次につながる言葉を言っていた営業担当者に関する情報が順に表示されている。確認ボタン801が選択された場合、出力制御部405は、選択された情報の詳細を要求元のクライアント装置の出力部305において表示するよう制御する。例えば、出力制御部405は、
図7の上半分の情報を表示するよう制御する。
【0033】
本変形例によれば、商談において次につながる言葉を使っていた営業担当者を回数順に基づいて一覧で表示することができる。また、一覧から、最もその言葉を使っている営業担当者の実際の動画を再生可能な画面を表示することができる。そして、その画面から動画を再生して確認することにより、他の営業担当者の教育等に使用することもできる。
【0034】
(付記)
発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記登録部は、外部端末より前記登録要求を受信し、受信した前記登録要求に基づき、前記単語変換辞書に新たな単語を登録する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、記憶処理部を有し、前記記憶処理部は、前記商談の動画データと、前記商談の音声データをテキスト化したテキストデータと、を関連付けて商談データとして記憶領域に記憶する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、検索部と、出力制御部と、を有し、前記検索部は、検索要求に対応する検索条件に基づいて、前記商談データを検索し、検索条件に該当する商談データを検索結果として取得し、前記出力制御部は、前記検索部による検索結果を含む検索結果画面を検索要求元に出力する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記検索部は、設定された言葉が含まれる商談データを検索する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記言葉は、次の商談につながる言葉である、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記出力制御部は、前記商談データのうち、前記次の商談につながる言葉が含まれている件数を、商談データを識別する識別情報とともに、商談ごとにまとめた前記検索結果画面を前記検索要求元に出力する、情報処理装置。
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、第1の工程と、第2の工程と、を含み、前記第1の工程では、商談の音声データに基づき音声認識を行い、テキスト化し、前記音声認識を行う際に、認識できない単語があれば、単語変換辞書のデータに基づき、前記単語を認識し、前記第2の工程では、登録要求に基づき、前記単語変換辞書に新たな単語を登録する、情報処理方法。
プログラムであって、コンピュータを、前記情報処理装置の各部として機能させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
【0035】
例えば、上述のプログラムを記憶する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体として提供してもよい。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0036】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【解決手段】情報処理システムにおいて、情報処理装置(サーバ装置100)は、音声認識部401と、登録部403と、を有する。音声認識部は、商談の音声データに基づき音声認識を行い、テキスト化し、音声認識を行う際に、認識できない単語があれば、単語変換辞書のデータに基づき、単語を認識する。登録部は、登録要求に基づき、単語変換辞書に新たな単語を登録する。