特許第6807616号(P6807616)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6807616粒子ダンピングチャンバーによるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点及びその取付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807616
(24)【登録日】2020年12月10日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】粒子ダンピングチャンバーによるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点及びその取付方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/58 20060101AFI20201221BHJP
   E04B 1/24 20060101ALI20201221BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20201221BHJP
   F16F 15/04 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   E04B1/58 508H
   E04B1/24 C
   E04B1/24 M
   E04B1/58 508F
   E04H9/02 301
   F16F15/04 Z
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-571203(P2019-571203)
(86)(22)【出願日】2018年7月5日
(65)【公表番号】特表2020-526686(P2020-526686A)
(43)【公表日】2020年8月31日
(86)【国際出願番号】CN2018094606
(87)【国際公開番号】WO2019200726
(87)【国際公開日】20191024
【審査請求日】2020年1月21日
(31)【優先権主張番号】201810358579.7
(32)【優先日】2018年4月20日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518229179
【氏名又は名称】青▲島▼理工大学
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO UNIVERSITY OF TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牟犇
(72)【発明者】
【氏名】王燕
(72)【発明者】
【氏名】苗吉▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】汪方▲瑩▼
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−038755(JP,A)
【文献】 特開2004−076303(JP,A)
【文献】 特開平09−209450(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/026113(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102704575(CN,A)
【文献】 韓国登録特許第10−0684931(KR,B1)
【文献】 中国実用新案第205577124(CN,U)
【文献】 中国実用新案第206396915(CN,U)
【文献】 中国特許出願公開第103669594(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第1241668(CN,A)
【文献】 韓国公開特許第2000−0040240(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/24
E04B 1/38−1/61
E04H 9/00−9/16
F16F 15/00−15/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄骨コア(1)、全組立式被覆鋼管柱(2)、全組立式環形状梁柱接合アセンブリ、構造健全性検査システム及び粒子ダンピングチャンバー(17)を含み、前記鉄骨コア(1)は前記全組立式被覆鋼管柱(2)内に位置し、且つ前記全組立式被覆鋼管柱(2)と同心であり、前記鉄骨コア(1)は円形中空鉄骨(8)及び複数の鋼板張出リブ(7)を含み、前記全組立式被覆鋼管柱(2)は複数の円弧状鋼管柱ピースを繋ぎ合わせて成り、前記鉄骨コア(1)と前記全組立式被覆鋼管柱(2)の間の空間にはコンクリートを充填し、前記全組立式環形状梁柱接合アセンブリは上部円弧状接合タイル(4)、下部円弧状接合タイル(5)及び梁柱コア接合部材(3)を含み、隣接する円弧状接合タイルはボルト接合で繋ぎ合わされて円形外部補強環を成しており、上下2つの外部補強環は前記梁柱コア接合部材(3)の上下両側に位置し、前記全組立式被覆鋼管柱(2)の外側にはめ、前記全組立式環形状梁柱接合アセンブリの前記梁柱コア接合部材(3)は、前記全組立式被覆鋼管柱(2)とボルト接合し、鋼梁(6)は前記全組立式環形状梁柱接合アセンブリとボルト接合して、節点全体が構成され、前記粒子ダンピングチャンバー(17)は前記全組立式被覆鋼管柱(2)と前記鉄骨コア(1)の間の空間内に位置し、前記粒子ダンピングチャンバー(17)内には大量のゴム球状粒子が含まれていることを特徴とする、粒子ダンピングチャンバー(17)によるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点。
【請求項2】
前記粒子ダンピングチャンバー(17)及び前記コンクリートは前記鉄骨コア(1)と前記全組立式被覆鋼管柱(2)の空間内に間隔を空けて分布することを特徴とする、請求項1に記載の粒子ダンピングチャンバー(17)によるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点。
【請求項3】
前記円形中空鉄骨(8)の外側にある前記鋼板張出リブ(7)の間には、連続して分布するT形連結用歯(10)も設けられ、前記粒子ダンピングチャンバー(17)の内側面には対応するT形スライドレール(19)が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の粒子ダンピングチャンバー(17)によるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点。
【請求項4】
前記構造健全性検査システムは、主線、導線(13)、FBGインテリジェントセンサ(16)、プロセッサ(22)、ロングライフ電源(23)及び無線データ送信機(24)を含み、前記構造健全性検査システムは前記鉄骨コア(1)の前記円形中空鉄骨(8)の内側にある主線管(11)に設置され、環形状データチップ(12)が前記プロセッサ(22)、前記無線データ送信機(24)及び前記ロングライフ電源(23)を含んで前記主線管(11)の外部をしっかりと被覆しており、前記主線管(11)は前記導線(13)及び前記導線(13)と接続された前記主線を内包しており、前記主線管(11)の開孔を通じて前記環形状データチップ(12)と接続され、前記円形中空鉄骨(8)には前記導線(13)を通してFBGインテリジェントセンサ(16)を前記プロセッサ(22)と接続するための導線(13)孔が設けられており、前記FBGインテリジェントセンサ(16)及び対応して接続された前記導線(13)は、繊維コンクリート(15)中に埋め込まれていることを特徴とする、請求項1に記載の粒子ダンピングチャンバー(17)によるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点。
【請求項5】
前記構造健全性検査システムは、鋼管の内壁に貼り付けられたひずみゲージ(18)をさらに含み、前記ひずみゲージ(18)は前記導線(13)を介して前記環形状データチップ(12)と接続されていることを特徴とする、請求項4に記載の粒子ダンピングチャンバー(17)によるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点。
【請求項6】
前記環形状データチップ(12)にはポリウレア被膜が被覆されていることを特徴とする、請求項4に記載の粒子ダンピングチャンバー(17)によるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点。
【請求項7】
前記粒子ダンピングチャンバー(17)のハウジングは軽量な強化繊維材であることを特徴とする、請求項1に記載の粒子ダンピングチャンバー(17)によるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点。
【請求項8】
全組立式被覆鋼管柱(2)の円弧状鋼管柱ピースの片側には柱ピース連結用歯が設けられ、別の側には対応する柱ピース摺動溝が設けられ、前記鋼板張出リブ(7)の端部には前記鋼板張出リブに沿って連続して分布する一続きの連結用歯が設けられ、前記円弧状鋼管柱ピースの内側には係入される前記鋼板張出リブ(7)の歯に対応する複数の摺動溝が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の粒子ダンピングチャンバー(17)によるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点。
【請求項9】
粒子ダンピングチャンバー(17)によるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点の取付方法であって、それには、
構造健全性検査システムの検査工程であって、鉄骨コア(1)の中空鋼管の内側にあるひずみゲージ(18)の導線(13)と、円形中空鉄骨(8)の片側の内側に貼り付けられたFBGインテリジェントセンサ(16)の導線(13)の一端を環形状データチップ(12)と接続し、前記構造健全性検査システムの作動検査を行う第1工程と、
構造健全性検査システムの取り付け工程であって、前記作動検査の完了後、前記環形状データチップ(12)を主線管(11)に被せて、前記主線管(11)を前記鉄骨コア(1)の前記円形中空鉄骨(8)内に入れる第2工程と、
鉄骨コア(1)の位置決め工程であって、柱の位置及び高さに基づいて前記鉄骨コア(1)を位置決めし、構造上の梁の設計した高さに基づき、梁柱コア接合部材(3)と柱ピースが接合される各ボルト孔を位置決めする第3工程と、
全組立式被覆鋼管柱(2)の組み立て工程であって、前記全組立式被覆鋼管柱(2)の1つ目のピース上の摺動溝を、前記鉄骨コア(1)の鋼板張出リブ(7)の連結用歯の上方に置き、前記連結用歯と前記摺動溝の位置を合わせてから、柱ピースを前記摺動溝に沿って指定位置までスライドさせ、全組立式被覆鋼管柱(2)の残りのピースを前記方法に従い、且つ各柱ピース同士の前記連結用歯と前記摺動溝の位置合わせを保証してから、指定位置までスライドさせて、前記全組立式被覆鋼管柱(2)を組み合わせる第4工程と、
全組立式環形状梁柱接合アセンブリの取り付け工程であって、前記梁柱コア接合部材(3)と前記全組立式被覆鋼管柱(2)の各ピースをボルト接合する第5工程と、
粒子ダンピングチャンバー(17)の取り付け工程であって、前記鉄骨コア(1)の前記円形中空鉄骨(8)と前記全組立式被覆鋼管柱(2)が形成する空間内に粒子ダンピングチャンバー(17)を取り付ける第6工程と、
コンクリートの注入工程であって、スライドさせた前記粒子ダンピングチャンバー(17)の上方から繊維コンクリート(15)を一定の厚さに注入し、前記厚さが前記粒子ダンピングチャンバー(17)の厚さを超えないようにする第7工程と、
センサの取り付け工程であって、前記第6工程及び前記第7工程を繰り返し、柱の中間部分まで充填されたら、前記粒子ダンピングチャンバー(17)を取り付けた後に、前記コンクリートの厚さの半分の前記繊維コンクリート(15)を注入し、前記円形中空鉄骨(8)の片側にある孔部分の外側に貼り付けられた前記導線(13)の先を前記FBGインテリジェントセンサ(16)と導線(13)孔を通じて接続し、注入したコンクリートの上に置き、続けてもう半分の厚さのコンクリートを注入してそれを埋め、次に前記鉄骨コア(1)の前記円形中空鉄骨(8)と前記全組立式被覆鋼管柱(2)が形成する空間内に前記粒子ダンピングチャンバー(17)をスライドさせて、それをコンクリートの上方に接触するまでスライドさせて、前記繊維コンクリート(15)を注入し、前記工程を繰り返して、各層の前記FBGインテリジェントセンサ(16)の埋め込みを順に完成させ、工程は、前記鉄骨コア(1)の前記円形中空鉄骨(8)と前記全組立式被覆鋼管柱(2)が形成する4つの空間部分で同時に行い、柱内の空間が全て前記繊維コンクリート(15)と前記粒子ダンピングチャンバー(17)で充填されたら終了する第8工程と、
円弧状接合タイルの取り付け工程であって、上部円弧状接合タイル(4)のT形歯を前記梁柱コア接合部材(3)の上側のT形溝に沿って所定の位置までスライドさせ、下部円弧状接合タイル(5)のT形歯を前記梁柱コア接合部材(3)の下側のT形溝に沿って所定の位置までスライドさせて、上下2つの外部補強環を形成し、各前記円弧状接合タイルをボルト接合し、鋼梁(6)と前記梁柱コア接合部材(3)をボルト接合する第9工程と、
構造健全性検査システムを作動させる第10工程と、を工程に含むことを特徴とする、粒子ダンピングチャンバー(17)によるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点の取付方法。
【請求項10】
前記第6工程には、前記粒子ダンピングチャンバー(17)のT形スライドレール(19)を前記中空鋼管の外部にあるT形連結用歯(10)と位置合わせし、前記粒子ダンピングチャンバー(17)を底部にスライドさせることも含まれることを特徴とする、請求項9に記載の粒子ダンピングチャンバー(17)によるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子ダンピングチャンバーによるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点及びその取付方法に関するものであり、構造工学技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
経済成長や生活水準向上に伴い、人々の居住環境に対する要求は増々高まっており、「住む家がある」から「良い家に住む」へと変化してきている。ただ居住空間を有するだけでなく、広さ、快適さ、安全性が求められるようになり、住宅の建造技術に対する要求が一層高くなっている。近年、建築物の工業生産化の発展に伴い、建築における多種多様な新技術が次々に登場しているが、組立式鋼構造建築は長年の発展において豊富に蓄積されてきた技術である。組立式鋼構造建築は、建造の簡便さ、施工における環境保全性、良好な耐震性能や、鋼材の備蓄が可能であることなど多くの利点があるため、広く用いられている。
【0003】
鋼構造の節点は、組立式鋼構造において重要な受圧部材とされており、その性能いかんで構造全体の性能が決まることも往々にしてある。しかし、従来の組立式鋼構造建築における節点技術には、以下に挙げる幾つかの欠点も存在している。1つ目に、鉄筋コンクリート構造と比べて施工が簡単である一方、溶接などのように施工者に高い技術が求められる工程が存在し、施工者の現場での作業によって品質が不均一になりやすい。2つ目に、プレハブ化の度合いが低く、部材が大きすぎるため、運搬が困難である。3つ目に、耐震性能に劣り、地震作用下で溶接継目部分の割れ又は全体の変形が生じやすく、回復不能な損壊が生じてしまう。4つ目に、インテリジェント化の度合いが低く、鋼管柱であれ内部のコンクリートであれ、その性能に対するモニタリング及び評価を有効に行うことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術中の組立式鋼構造建築における接合部の節点に存在する、プレハブ化の度合いの低さ、耐震性能の悪さ、自身の性能評価の難しさなどの課題を解決するため、粒子ダンピングチャンバーによるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点及びその取付方法を提供することを目的としている。
【0005】
本発明は以下の技術案を採用して実現したものである。
【0006】
粒子ダンピングチャンバーによるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点であって、鉄骨コア、全組立式被覆鋼管柱、全組立式環形状梁柱接合アセンブリ、構造健全性検査システム及び粒子ダンピングチャンバーを含み、鉄骨コアは全組立式被覆鋼管柱内に位置し、且つ全組立式被覆鋼管柱と同心(中心が一致)であり、鉄骨コアは円形中空鉄骨及び複数の鋼板張出リブを含み、全組立式被覆鋼管柱は複数の円弧状鋼管柱ピースを繋ぎ合わせて成り、全組立式環形状梁柱接合アセンブリは複数の円弧状接合タイル及び複数の梁柱コア接合部材を含み、複数の円弧状接合タイルは互い同士がボルト接合で繋ぎ合わされ、共に1つの円柱形外部補強環を成しており、円弧状接合タイルは上部円弧状接合タイル及び下部円弧状接合タイルを含み、それぞれ繋ぎ合わされて上下2つの外部補強環を成し、全組立式被覆鋼管柱の外側にはめられ、上下2つの外部補強環は梁柱コア接合部材の上下両側に位置し、且つ梁柱コア接合部材と接合され、さらに梁柱コア接合部材によって全組立式被覆鋼管柱とボルト接合される。鋼梁は全組立式環形状梁柱接合アセンブリとボルト接合されて、節点全体が構成される。全組立式被覆鋼管柱と鉄骨コアの円形中空鉄骨との間の空間内には、粒子ダンピングチャンバーが取り付けられ、またコンクリートが注入される。粒子ダンピングチャンバー内には大量のゴム球状粒子が含まれている。
【0007】
上述の粒子ダンピングチャンバー内には大量のゴム球状粒子と十分な可動空間が存在しており、ゴム球状粒子がチャンバー内で運動して互いに衝突することにより、優れたエネルギー散逸効果が得られる。
【0008】
粒子ダンピングチャンバーのハウジングは軽質(軽量)な強化繊維材であり、耐火性繊維プラスチック、アルミニウム合金、炭素繊維などの高強度・軽質という利点を有する既知の材料である。
【0009】
粒子ダンピングチャンバーは全組立式被覆鋼管柱と鉄骨コアの間の空間内に位置し、4列に分布している。粒子ダンピングチャンバーの数は柱の長さで決定する。
【0010】
ダンピングチャンバー及びコンクリートは鉄骨コアと全組立式被覆鋼管柱の空間内に間隔を空けて分布し、ダンピングチャンバーの性能が十分発揮されるようにしている。
【0011】
円形中空鉄骨の外側にある鋼板張出リブの間には、通しで分布するT形連結用歯も設けられ、粒子ダンピングチャンバーの内側面に対応するT形スライドレールが設けられ、粒子ダンピングチャンバーはT形スライドレール及びT形連結用歯によって鉄骨コアと連結されている。
【0012】
構造健全性検査システムは、主線、導線、FBGインテリジェントセンサ、プロセッサ、ロングライフ電源及び無線データ送信機を含み、構造健全性検査システムは鉄骨コアの円形中空鉄骨の内側にある主線管に設置され、環形状データチップがプロセッサ、無線データ送信器及びロングライフ電源を含んで主線管の外部をしっかりと被覆しており、主線管は導線及び導線と接続された主線を内包しており、主線管の開孔を通じて環形状データチップと接続され、中空鉄骨には導線を通してFBGインテリジェントセンサをプロセッサと接続するための導線孔が設けられており、FBGインテリジェントセンサ及び対応して接続された導線は、粒子ダンピングチャンバーの間に充填された繊維コンクリート中に埋め込まれている。
【0013】
構造健全性検査システムは、鋼管の内壁に貼り付けられたひずみゲージをさらに含み、ひずみゲージは導線を介して環形状データチップ上のプロセッサと接続されている。
【0014】
鉄骨コアの円形中空鉄骨の内壁上のひずみゲージ及び導線の取り付けと試験はいずれも加工工場で完了させる。
【0015】
環形状データチップにはポリウレア被膜が被覆されており、防水、耐低温、防食の特性を有している。
【0016】
円形鉄骨コンクリート接合節点にはさらに鉄骨コアを含み、鉄骨コアは鋼管柱内に位置し、且つ鋼管柱の円心で中心対称を呈している。
【0017】
全組立式被覆鋼管柱の円弧状鋼管柱ピースの片側には柱ピース連結用歯が設けられ、別の側には対応する柱ピース摺動溝が設けられ、各柱ピースは柱ピース連結用歯及び柱ピース摺動溝によって上から下まで連結し、繋ぎ合わせることで鋼管柱を成している。
【0018】
鉄骨コアは、円形中空鉄骨と、鉄骨の外側を均等に取り囲んだ複数の鋼板張出リブとで構成され、鋼板張出リブの自由端には鋼板リブに沿って連続して分布する一続きの連結用歯が設けられ、円弧状鋼管柱ピースの内側には係入される鋼板張出リブの歯に対応する複数の摺動溝が設けられている。
【0019】
円弧状接合タイルは、弧形端板と、端板の両側及び底側に垂直に連結された複数の連結板を含み、弧形端板は鋼管柱と接合されている。隣接する円弧状接合タイルは連結板により接合されている。梁柱コア接合部材は、弧形内板と、内板面に垂直な外板を含み、弧形内板は鋼管柱と接合され、隣接する梁柱コア接合部材は外板により接合されている。
【0020】
上部円弧状接合タイルの下平面及び下部円弧状接合タイルの上平面にはT形歯が設けられ、梁柱コア接合部材の上下表面にはそれぞれ対応するT形溝が設けられている。
【0021】
弧形端板の隣接する繋ぎ目と全組立式被覆鋼管柱の柱ピースの繋ぎ目は互いにずらされており、全組立式被覆鋼管柱に対する締め付け作用を有する。
【0022】
円弧状接合タイル中の上部円弧状接合タイルと下部円弧状接合タイルの数は等しく、且つ対応しており、円弧状接合タイルの対を成す数は梁柱コア接合部材の数と等しい。
【0023】
鉄骨コアの鋼板張出リブの数は、全組立式被覆鋼管柱のピースの数と等しい。
【0024】
鉄骨コアの鋼板張出リブには、コンクリートを注入するための複数の円形貫通孔が設けられ、自重を軽減している。
【0025】
全組立式被覆鋼管柱の円弧状鋼管柱ピースの数は複数であり、隣接する2つのピースが連結されて繋ぎ合わされ、共に円柱形を成しており、常用的には2ピース、3ピース又は4ピースであり、全組立式被覆鋼管柱を構成する柱ピース数をNとすると、柱ピースの弧度は360°/Nである。
【0026】
梁柱コア接合部材は、弧形内板と、内板面に垂直な外板を含み、梁柱コア接合部材の数は複数であり、隣接する2つが連結されて繋ぎ合わされ、共に円柱形を成しており、常用的には2つ、3つ又は4つであり、梁柱コア接合部材の数をNとすると、弧形内板の弧度は360°/Nであり、梁間角度の異なる鋼構造建築に適用可能である。
【0027】
粒子ダンピングチャンバーによるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点の取付方法には、以下の工程が含まれる。
【0028】
(1)構造健全性検査システムの検査:鉄骨コアの中空鋼管の内側にあるひずみゲージの導線と、円形中空鉄骨の片側にある孔部分の内側に貼り付けられたFBGインテリジェントセンサの導線の一端を環形状データチップと接続し、構造健全性検査システムの作動検査を行う。
【0029】
(2)構造健全性検査システムの取り付け:作動検査の完了後、環形状データチップを主線管に被せて、主線管を鉄骨コアの円形中空鉄骨内に入れる。
【0030】
(3)鉄骨コアの位置決め:柱の位置及び高さに基づいて鉄骨コアを位置決めし、構造上の梁の設計した高さに基づき、梁柱コア接合部材と柱ピースが接合される各ボルト孔を位置決めする。
【0031】
(4)全組立式被覆鋼管柱の組み立て:全組立式被覆鋼管柱の1つ目のピース上の摺動溝を鉄骨コアの鋼板張出リブの連結用歯の上方に置き、連結用歯と摺動溝の位置を合わせてから、柱ピースを摺動溝に沿って指定位置までスライドさせる。全組立式被覆鋼管柱の残りのピースを上述の方法に従い、且つ各柱ピース同士の連結用歯と摺動溝の位置合わせを保証してから、指定位置までスライドさせて、全組立式被覆鋼管柱を組み合わせる。
【0032】
(5)全組立式環形状梁柱接合アセンブリの取り付け:梁柱コア接合部材と全組立式被覆鋼管柱の各ピースをボルト接合する。
【0033】
(6)粒子ダンピングチャンバーの取り付け:鉄骨コアの円形中空鉄骨と全組立式被覆鋼管柱が形成する空間内に粒子ダンピングチャンバーを取り付ける。
【0034】
(7)コンクリートの注入:スライドさせた粒子ダンピングチャンバーの上方から繊維コンクリートを一定の厚さに注入し、その厚さが粒子ダンピングチャンバーの厚さを超えないようにする。
【0035】
(8)センサの取り付け:工程(6)及び(7)を繰り返し、柱の中間部分まで充填されたら、粒子ダンピングチャンバーを取り付けた後に、上述したコンクリートの厚さの半分の繊維コンクリートを注入し、円形中空鉄骨の片側にある孔部分の外側に貼り付けられた導線の先をFGBインテリジェントセンサと導線孔を通じて接続し、注入したコンクリートの上に置き、続けてもう半分の厚さのコンクリートを注入してそれを埋める。次に鉄骨コアの円形中空鉄骨と全組立式被覆鋼管柱が形成する空間内に粒子ダンピングチャンバーをスライドさせて、それをコンクリートの上方に接触するまでスライドさせて、繊維コンクリートを注入する。上述の工程を繰り返し、各層のFBGインテリジェントセンサの埋め込みを順に完成させる。工程は、鉄骨コアの円形中空鉄骨と全組立式被覆鋼管柱が形成する4つの空間部分で同時に行う。柱内の空間が全て繊維コンクリートと粒子ダンピングチャンバーで充填されたら終了する。
【0036】
(9)円弧状接合タイルの取り付け:上部円弧状接合タイルのT形歯を梁柱コア接合部材の上側のT形溝に沿って所定の位置までスライドさせる。下部円弧状接合タイルのT形歯を梁柱コア接合部材の下側のT形溝に沿って所定の位置までスライドさせて、上下2つの外部補強環を形成する。各円弧状接合タイルをボルト接合する。鋼梁と梁柱コア接合部材をボルト接合する。
【0037】
(10)構造健全性検査システムを作動させる。
【0038】
工程(6)には、粒子ダンピングチャンバーのT形スライドレールを中空鋼管の外部にあるT形連結用歯と位置合わせし、粒子ダンピングチャンバーを底部にスライドさせることも含まれる。
【0039】
工程(8)には、コンクリートの注入時に、FBGインテリジェントセンサの導線の一端を円形中空鉄骨の片側にある孔部分の外側に貼り付け、もう一端を円形中空鉄骨の片側にある孔部分の内側に貼り付け、中間を導線孔に通すことも含まれる。
【発明の効果】
【0040】
本発明は次の有利な効果を有する。
【0041】
(1)本発明は組立式鋼構造の節点に粒子ダンピングチャンバーを初めて使用したものであり、エネルギー散逸効果に優れ、節点に優れた耐震性能を持たせることができる。
【0042】
(2)本発明の節点自体が構造健全性集積検査システムを備えており、節点の状態に対する連続リアルタイム検査を実現し、建築物のライフサイクルのインテリジェント化管理を実現する上で有利である。
【0043】
(3)本発明の鉄骨コアはバイオニクス設計を採用し、動物の骨格を模倣して設計しており、高い強度を持ち、軽質(軽量)で、材料の節約になると同時に、柱の強度及び節点全体の耐震性能が担保される。
【0044】
(4)本発明の節点形式は、現場での溶接を完全に回避し、全て組立式で接合され、且つ部材のプレハブ化の度合いが高く、運搬するのに便利であり、節点の施工効率が向上する。節点全体を構成する部材は全て工場で製造し、現場で組み立てて、現場でコンクリートを注入することで、現場での施工が品質に及ぼす影響を最大限に低減させる。
【0045】
(5)本発明は上下2つの外部補強環を有し、節点エリアにおける応力集中を効果的に低減できる一方で、全組立式被覆鋼管柱に対する締め付け作用を果たすこともでき、弱梁強柱の効果を実現している。
【0046】
(6)本発明が採用する全組立式環形状梁柱接合アセンブリは、融通性・汎用性に富み、梁数が異なる、梁間角度が異なるなどの構造に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明の構造概略図である。
図2】本発明の構造平面図である。
図3】鉄骨コアの構造概略図である。
図4】本発明の鉄骨コアの構造正面図である。
図5】本発明の鋼管柱の縦方向断面図である。
図6】本発明の粒子ダンピングチャンバーの立体構造概略図である。
図7】本発明の全組立式環形状梁柱接合アセンブリの平面構造概略図である。
図8】本発明の梁柱コア接合部材の立体構造概略図である。
図9】本発明の実施例1の組み立て過程概念図である。
図10】本発明の構造健全性検査システムのアーキテクチャ概念図である。
図11】本発明の構造健全性検査システムの伝送関係概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明を図に基づいてさらに説明する。
【実施例1】
【0049】
図1図9に示す通り、本発明の粒子ダンピングチャンバーによるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点は、鉄骨コア1、全組立式被覆鋼管柱2、全組立式環形状梁柱接合アセンブリ、構造健全性検査システム及び粒子ダンピングチャンバー17を含み、鉄骨コアは全組立式被覆鋼管柱内に位置し、且つ全組立式被覆鋼管柱と同心(同軸)であり、鉄骨コアは円形中空鉄骨8及び4つの鋼板張出リブ7を含み、全組立式被覆鋼管柱は4つの円弧状鋼管柱ピースを繋ぎ合わせて成り、全組立式環形状梁柱接合アセンブリは4対の円弧状接合タイル及び4つの梁柱コア接合部材3を含み、4対の円弧状接合タイルは互い同士がボルト接合で繋ぎ合わされ、共に1つの円柱形外部補強環を成しており、円弧状接合タイルは上部円弧状接合タイル4及び下部円弧状接合タイル5を含み、それぞれボルト接合で繋ぎ合わされて上下2つの外部補強環を成し、全組立式被覆鋼管柱の外側にはめられている。円弧状接合タイルは、弧形端板と、端板の両側及び底側に垂直に連結された3つの連結板を含み、弧形端板は鋼管柱と接合されている。梁柱コア接合部材は、弧形内板と、内板面に垂直な外板を含み、弧形内板は鋼管柱と接合されている。梁柱コア接合部材の数は4つであり、隣接する梁柱コア接合部材はボルト接合で繋ぎ合わされ、共に円柱形管状フープを成している。上部円弧状接合タイルの下平面及び下部円弧状接合タイルの上平面にはT形歯が設けられ、梁柱コア接合部材の上下表面にはそれぞれ対応するT形溝が設けられており、上下2つの外部補強環と梁柱コア接合部材はT形歯とT形溝によって連結され、且つ梁柱コア接合部材によって全組立式被覆鋼管柱とボルト接合されている。全組立式被覆鋼管柱の各ピースの中心角は90°であり、同様に、各円弧状接合タイルの中心角は90°である。鋼梁6は全組立式環形状梁柱接合アセンブリとボルト接合されて、節点全体が構成される。
【0050】
全組立式被覆鋼管柱と鉄骨コアの円形中空鉄骨との間の空間内には、粒子ダンピングチャンバーが取り付けられ、またコンクリートが注入される。粒子ダンピングチャンバー内には大量のゴム球状粒子が含まれている。粒子ダンピングチャンバー内には大量のゴム球状粒子と十分な可動空間が存在しており、ゴム球状粒子がチャンバー内で運動して互いに衝突することにより、優れたエネルギー散逸効果が得られる。粒子ダンピングチャンバーは全組立式被覆鋼管柱と鉄骨コアの間の空間内に位置し、4列に分布している。粒子ダンピングチャンバーの数は柱の長さで決定する。ダンピングチャンバー及びコンクリートは鉄骨コアと全組立式被覆鋼管柱の空間内に間隔を空けて分布し、ダンピングチャンバーの性能が十分発揮されるようにしている。
【0051】
鉄骨コアの鋼板張出リブには、コンクリートを注入するための複数の円形貫通孔14が設けられている。
【0052】
鋼板張出リブの自由端には鋼板リブに沿って通しで分布する一続きの鋼板張出リブ端部連結用歯9が設けられ、円弧状鋼管柱ピースの内側には係入される鋼板張出リブの歯に対応する複数の摺動溝が設けられている。
【0053】
円形中空鉄骨の外側にある鋼板張出リブの間には、通しで(連続して)分布するT形連結用歯10も設けられ、粒子ダンピングチャンバーの内側面に対応するT形スライドレールが設けられ、粒子ダンピングチャンバーはT形スライドレール及びT形連結用歯によって鉄骨コアと連結されている。
【0054】
粒子ダンピングチャンバーのハウジングは炭素繊維材であるが、耐火性繊維プラスチック、アルミニウム合金などの他の軽質な強化繊維材でもよい。
【実施例2】
【0055】
図10図11に示す通り、本発明はさらに構造健全性検査システムを含み、構造健全性検査システムは、主線、導線、FBGインテリジェントセンサ16、プロセッサ22、ロングライフ電源23及び無線データ送信機24を含み、構造健全性検査システムは鉄骨コアの円形中空鉄骨の内側にある主線管11に設置され、環形状データチップ12がプロセッサ、無線データ送信器及びロングライフ電源を含んで主線管の外部をしっかりと被覆しており、主線管は導線13及び導線と接続された主線を内包しており、主線管の開孔を通じて環形状データチップと接続され、中空鉄骨には導線を通してFBGインテリジェントセンサをプロセッサと接続するための導線孔が設けられており、FBGインテリジェントセンサ及び対応して接続された導線は、粒子ダンピングチャンバーの間に充填された繊維コンクリート中に埋め込まれている。FBGインテリジェントセンサは、コンクリート内の情報を収集し、導線を通じて環形状データチップに伝達することができ、無線データ送信器によって外部へ伝送される。プロセッサ及び無線データ送信器の電力はロングライフ電源から供給される。
【0056】
鉄骨コアの円形中空鉄骨の内壁上のひずみゲージ18及び導線の取り付けと試験はいずれも加工工場で完了させる。
【0057】
環形状データチップにはポリウレア被膜が被覆されており、防水、耐低温、防食の特性を有している。
【0058】
その他の技術的特徴は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0059】
構造健全性検査システムは、鋼管の内壁に貼り付けられたひずみゲージをさらに含み、ひずみゲージは導線を介して環形状データチップ内のプロセッサと接続されている。ひずみゲージは、中空鋼管内の情報を収集し、導線を通じて環形状データチップに伝達することができ、無線データ送信器によって外部へ伝送される。
【0060】
その他の技術的特徴は実施例2と同様である。
【実施例4】
【0061】
本実施例と実施例1の異なる点として、全組立式被覆鋼管柱を構成する柱ピースは3つあり、各柱ピースの中心角は120°であり、鉄骨コアの鋼板張出リブ同士を隔てる角度は120°であり、張出梁は3本あり、梁柱コア接合部材は3つあり、梁同士を隔てる角度は120°である。
【0062】
その他の技術的特徴は実施例1と同様である。
【実施例5】
【0063】
図1図11に示す通り、本発明は粒子ダンピングチャンバーによるエネルギー散逸性を有する組立式インテリジェント節点の取付方法に係り、以下の工程が含まれる。
【0064】
(1)構造健全性検査システムの検査:鉄骨コアの中空鋼管の内側にあるひずみゲージの 導線と、円形中空鉄骨の片側にある孔部分の内側に貼り付けられたFBGインテリジェントセンサの導線の一端を環形状データチップと接続し、構造健全性検査システムの作動検査を行う。
【0065】
(2)構造健全性検査システムの取り付け:作動検査の完了後、環形状データチップを主線管に被せて、主線管を鉄骨コアの円形中空鉄骨内に入れる。
【0066】
(3)鉄骨コアの位置決め:柱の位置及び高さに基づいて鉄骨コアを位置決めし、構造上の梁の設計した高さに基づき、梁柱コア接合部材と柱ピースが接合される各ボルト孔を位置決めする。
【0067】
(4)全組立式被覆鋼管柱の組み立て:全組立式被覆鋼管柱の1つ目のピース上の摺動溝を、鉄骨コアの鋼板張出リブの連結用歯の上方に置き、連結用歯と摺動溝の位置を合わせてから、柱ピースを摺動溝に沿って指定位置までスライドさせ、全組立式被覆鋼管柱の残りのピースを上述の方法に従い、且つ各柱ピース同士の柱ピース連結用歯と柱ピース摺動溝の位置合わせを保証してから、指定位置までスライドさせて、全組立式被覆鋼管柱を組み合わせる。
【0068】
(5)全組立式環形状梁柱接合アセンブリの取り付け:梁柱コア接合部材と全組立式被覆鋼管柱の各ピースをボルト接合する。
【0069】
(6)粒子ダンピングチャンバーの取り付け:鉄骨コアの円形中空鉄骨と全組立式被覆鋼管柱が形成する空間内に粒子ダンピングチャンバーを取り付ける。粒子ダンピングチャンバーのT形スライドレール19を中空鋼管の外部にあるT形連結用歯と位置合わせし、粒子ダンピングチャンバーを底部にスライドさせる。
【0070】
(7)コンクリートの注入:スライドさせた粒子ダンピングチャンバーの上方から繊維コンクリート15を一定の厚さに注入し、厚さは粒子ダンピングチャンバーの厚さを超えなければよい。
【0071】
(8)センサの取り付け:工程(6)及び(7)を繰り返し、柱の中間部分まで充填されたら、粒子ダンピングチャンバーを取り付けた後に、上述の半分の厚さの繊維コンクリートを注入し、円形中空鉄骨の片側にある孔部分の外側に貼り付けられた導線の先をFGBインテリジェントセンサと導線孔を通じて接続し、注入したコンクリートの上に置き、続けてもう半分の厚さのコンクリートを注入してそれを埋める。次に鉄骨コアの円形中空鉄骨と全組立式被覆鋼管柱が形成する空間内に粒子ダンピングチャンバーをスライドさせて、それをコンクリートの上方に接触するまでスライドさせてから、繊維コンクリートを注入する。上述の工程を繰り返し、各層のFBGインテリジェントセンサの埋め込みを順に完成させる。工程は、鉄骨コアの円形中空鉄骨と全組立式被覆鋼管柱が形成する4つの空間部分で同時に行う。柱内の空間が全て繊維コンクリートと粒子ダンピングチャンバーで充填されたら終了する。
【0072】
(9)円弧状接合タイルの取り付け:上部円弧状接合タイルの円弧状接合タイル連結用歯20を梁柱コア接合部材の上側の梁柱コア接合部材摺動溝21に沿って所定の位置までスライドさせる。下部円弧状接合タイルの連結用歯を梁柱コア接合部材の下側の摺動溝に沿って所定の位置までスライドさせて、上下2つの外部補強環を形成する。各円弧状接合タイルをボルト接合する。鋼梁と梁柱コア接合部材をボルト接合する。
【0073】
(10)構造健全性検査システムの作動:
【0074】
(11)鋼梁の取り付け:鋼梁を全組立式環形状梁柱接合アセンブリとボルト接合することにより、節点全体が構成される。
【0075】
当然ながら、上述の内容は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施例の範囲を限定するものとみなすことはできない。本発明は、上述の例に限られず、当業者が本発明の実質的範囲内で行う同等変化や改良などは、いずれも本発明の特許請求の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0076】
1 鉄骨コア
2 全組立式被覆鋼管柱
3 梁柱コア接合部材
4 上部円弧状接合タイル
5 下部円弧状接合タイル
6 鋼梁
7 鋼板張出リブ
8 円形中空鉄骨
9 鋼板張出リブ端部連結用歯
10 T形連結用歯
11 主線管
12 環形状データチップ
13 導線
(12)
14 円形貫通孔
15 繊維コンクリート
16 FBGインテリジェントセンサ
17 粒子ダンピングチャンバー
18 ひずみゲージ
19 T形スライドレール
20 円弧状接合タイル連結用歯
21 梁柱コア接合部材摺動溝
22 プロセッサ
23 ロングライフ電源
24 無線データ送信器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11