特許第6807617号(P6807617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6807617
(24)【登録日】2020年12月10日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】航空コンテナ輸送用トレーラ
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/00 20060101AFI20201221BHJP
   B60P 7/13 20060101ALI20201221BHJP
   B60P 1/02 20060101ALI20201221BHJP
   B60P 1/44 20060101ALI20201221BHJP
   B62D 53/04 20060101ALI20201221BHJP
   B64F 1/32 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   B60P1/00 Z
   B60P1/00 H
   B60P7/13
   B60P1/02 Z
   B60P1/44 Z
   B62D53/04 A
   B64F1/32
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-33233(P2020-33233)
(22)【出願日】2020年2月28日
【審査請求日】2020年3月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236551
【氏名又は名称】株式会社浜名ワークス
(74)【代理人】
【識別番号】110002963
【氏名又は名称】特許業務法人MTS国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森上 祐介
(72)【発明者】
【氏名】末永 正比呂
【審査官】 結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭51−151918(JP,A)
【文献】 特開2017−65580(JP,A)
【文献】 特開昭60−203541(JP,A)
【文献】 米国特許第4756660(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/00,
B60P 7/13,
B62D 53/04,
B64F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台の航空コンテナを前後方向一列に並べて載置可能な水平のコンテナデッキと、
前記コンテナデッキ上に載置された航空コンテナを固定する固縛装置と、を有してなり、
前記コンテナデッキは、車体前後方向中間部及び車体後端部の少なくとも一方に設けられ、トレーラ車体の左側面及び右側面のいずれからも航空コンテナの積降し可能の水平の昇降フロアと、前記昇降フロアに隣接して配置され、車体上下方向に固定された水平の載置フロアとを備え、
前記載置フロアは、後部車輪のホイールハウスより高い位置に水平に設けられ、且つ、トレーラ幅方向の水平軸に回転自在に支持された複数の水平ローラをトレーラ前後方向に並べて、航空コンテナを前後方向に移動可能に載置するローラコンベア、及び、平面視で長方形の航空コンテナのトップパネルの長辺と直交する辺を短辺としたとき、航空コンテナの底辺の短辺方向両側のコンテナ摺動部が車体前後方向摺動自在に係合する、断面がコ字形状の車体幅方向一対の固定サイドガイドを有し、
前記昇降フロアは、ターンテーブル及びローラコンベアを含み、前記載置フロアにおけるローラコンベアの上面の高さを昇降フロア上限高さ、コンテナ積降し装置との航空コンテナの受渡し可能高さであって、前記後部車輪のホイールハウスより低い位置を昇降フロア下限高さとして、1台の航空コンテナを水平に載置した状態で、前記ターンテーブル及び前記ローラコンベアと一体的に昇降自在とされ、
前記ターンテーブルは、載置した1台の航空コンテナを、水平面内で回転自在とされ、
航空コンテナのトップパネルが長方形であって、前記コンテナデッキは、平面視で前記トップパネルの長方形における長辺がトレーラ前後方向となる姿勢で航空コンテナを載置するようにされた航空コンテナ輸送用トレーラ。
【請求項2】
請求項において、
記昇降フロアは、全体が前記ターンテーブルと一体的に水平面内で回転される構成であり、トレーラ走行中の姿勢での平面視で、前方に凸となる円弧形状前端縁及び後方に凸となる円弧形状後端縁を有し、前記円弧形状前端縁及び円弧形状後端縁の円弧半径は、前記ターンテーブルによって回転される外周部の回転軌跡と一致するようにされ、前記昇降フロアには、前記コンテナ摺動部が前記長辺方向摺動自在に係合する断面コ字形状の短辺方向一対の昇降フロアサイドガイドが一体的に設けられ、前記昇降フロアサイドガイドは、前記ターンテーブルと一体的に回転され、前記固定サイドガイドに対して車体前後方向に整列する姿勢、又は、前記固定サイドガイドに対して直交する姿勢となるように構成された航空コンテナ輸送用トレーラ。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記昇降フロアは、前記コンテナ摺動部が前記長辺方向摺動自在に係合する断面コ字形状の短辺方向一対の昇降フロアサイドガイドを設けてなり、この昇降フロアサイドガイドは、前記固定サイドガイドに対して車体前後方向に整列可能に構成された航空コンテナ輸送用トレーラ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記昇降フロアは、前記後部車輪の前側に隣接した位置に設けられた中央昇降フロアからなり、この中央昇降フロアはターンテーブル及びローラコンベアを含み、前記載置フロアにおけるローラコンベアの上面の高さを中央昇降フロア上限高さ、コンテナ積降し装置との航空コンテナの受渡し可能な高さであって、前記後部車輪のホイールハウスより低い位置を中央昇降フロア下限高さとして、1台の航空コンテナを水平に載置した状態で、前記ターンテーブル及び前記ローラコンベアと一体的に昇降自在とされ、前記載置フロアは前記中央昇降フロアの前側の前部載置フロアと後側の後部載置フロアからなり、前記前部載置フロアは少なくとも1台の航空コンテナを、前記後部載置フロアは少なくとも2台の航空コンテナを、それぞれ載置可能とされた航空コンテナ輸送用トレーラ。
【請求項5】
複数台の航空コンテナを前後方向一列に並べて載置可能な水平のコンテナデッキと、
前記コンテナデッキ上に載置された航空コンテナを固定する固縛装置と、を有してなり、
前記コンテナデッキは、車体前後方向中間部及び車体後端部に設けられ、トレーラ車体の左側面及び右側面のいずれからも航空コンテナの積降し可能の水平の中央昇降フロア及び水平の後部昇降フロアと、前記中央昇降フロアの前側に隣接して、及び、前記中央昇降フロアと前記後部昇降フロアとの間に配置され、車体上下方向に固定された水平の載置フロアとを備え、
前記載置フロアは、後部車輪のホイールハウスより高い位置に水平に設けられ、且つ、トレーラ幅方向の水平軸に回転自在に支持された複数の水平ローラをトレーラ前後方向に並べて、航空コンテナを前後方向に移動可能に載置するローラコンベア、及び、平面視で長方形の航空コンテナのトップパネルの長辺と直交する辺を短辺としたとき、航空コンテナの底辺の短辺方向両側のコンテナ摺動部が車体前後方向摺動自在に係合する、断面がコ字形状の車体幅方向一対の固定サイドガイドを有し、
前記中央昇降フロアは、前記後部車輪の前側に隣接した位置に設けられ、ターンテーブル及びローラコンベアを含み、前記載置フロアにおけるローラコンベアの上面の高さを中央昇降フロア上限高さ、コンテナ積降し装置との航空コンテナの受け渡し可能な高さであって、前記後部車輪のホイールハウスより低い位置を中央昇降フロア下限高さとして、1台の航空コンテナを水平に載置した状態で、前記ターンテーブル及び前記ローラコンベアと一体的に昇降自在とされ、
前記載置フロアは前記中央昇降フロアの前側の前部載置フロアと後側の後部載置フロアとからなり、前記前部載置フロアは少なくとも1台の航空コンテナを、前記後部載置フロアは少なくとも2台の航空コンテナをそれぞれ載置可能とされ、
前記後部昇降フロアは、コンテナ積降し時に、前記コンテナデッキ後端から更に後方に連続して、前記コンテナデッキと同一高さで、1台の航空コンテナを載置可能な水平の拡張フロアを形成し、トレーラ走行時には、前記コンテナデッキ後端を中心として、水平状態から直角に立上ってトレーラ後端を閉じるゲートフロアを前記コンテナデッキ後端に形成するように構成され、水平状態の前記後部昇降フロアは航空コンテナを、後端からも水平に積降し可能とされた航空コンテナ輸送用トレーラ。
【請求項6】
請求項4又は5において、
前記中央昇降フロアは、全体が中央ターンテーブルと一体的に水平面内で回転される構成であり、トレーラ走行中の姿勢での平面視で、前方に凸となる円弧形状前端縁及び後方に凸となる円弧形状後端縁を有し、前記円弧形状前端縁及び円弧形状後端縁の円弧半径は、前記中央ターンテーブルによって回転される外周部の回転軌跡と一致するようにされ、前記中央昇降フロアには、前記コンテナ摺動部が前記長辺方向摺動自在に係合する断面コ字形状の短辺方向一対の昇降フロアサイドガイドが一体的に設けられ、前記昇降フロアサイドガイドは、前記中央ターンテーブルと一体的に回転され、前記固定サイドガイドに対して車体前後方向に整列する姿勢、又は、前記固定サイドガイドに対して直交する姿勢となるように構成された航空コンテナ輸送用トレーラ。
【請求項7】
請求項6において、
前記中央昇降フロアのローラコンベアは、前記昇降フロアサイドガイドが、前記固定サイドガイドに対して車体前後方向に整列する状態で、トレーラ幅方向の水平軸に回転自在に支持された複数の水平ローラをトレーラ前後方向に並べて、航空コンテナを前後方向に移動可能に載置する水平ローラコンベアとされた航空コンテナ輸送用トレーラ。
【請求項8】
請求項1において、
前記昇降フロアは、コンテナ積降し時に、前記コンテナデッキ後端から更に後方に連続して、前記コンテナデッキと同一高さで、1台の航空コンテナを載置可能な水平の拡張フロアを形成し、トレーラ走行時には、前記コンテナデッキ後端を中心として、水平状態から直角に立上ってトレーラ後端を閉じるゲートフロアをトレーラ後端に形成する後部昇降フロアから構成され、水平状態の前記後部昇降フロアは航空コンテナを、後端からも水平に積降し可能とされた、
航空コンテナ輸送用トレーラ。
【請求項9】
請求項又は8において、
前記後部昇降フロアにおける、前記ローラコンベアは、前記ターンテーブルを含む前記後部昇降フロアの上面に、上端に回転自在のボールを備えた上向きの複数のボールユニットを配置して構成され、航空コンテナを水平面内で任意方向に移動自在に載置するボールローラコンベアとされた航空コンテナ輸送用トレーラ。
【請求項10】
請求項5乃至7のいずれかにおいて、
前記固縛装置が、前記中央昇降フロア上に載置されている航空コンテナを前記中央昇降フロア下限高さ位置で固縛可能に構成されていて、前記中央昇降フロア下限高さ位置での前記中央昇降フロア上に航空コンテナを固縛した状態で走行可能な航空コンテナ輸送用トレーラ。
【請求項11】
請求項4乃至7、10のいずれかにおいて、
前記中央昇降フロアは、航空コンテナの底辺の車体幅方向両側が車体前後方向摺動自在に係合する、断面がコ字形状の車体幅方向に一対の昇降フロアサイドガイドを有し、
この昇降フロアサイドガイドは、前記中央昇降フロアにおける前記ターンテーブルの車体幅方向両外側に配置されるとともに、車体幅方向外側からの航空コンテナ積降し時には、航空コンテナと干渉しない退避位置に待機する構成とされた航空コンテナ輸送用トレーラ。
【請求項12】
請求項11のいずれかにおいて、
前記昇降フロアサイドガイドはターンテーブルと一体的に支持されていて、同期して回転するように構成された航空コンテナ輸送用トレーラ。
【請求項13】
請求項12において、
前記昇降フロアサイドガイドは、コンテナ車体の横方向からの航空コンテナ積下し時に、車体幅方向で、且つ、前記固定サイドガイドの延長線と直交する姿勢となるようにされ、
前記中央昇降フロアは、前記昇降フロアサイドガイドに案内されて、コンテナ車体幅方向に航空コンテナを積込んだときに、この航空コンテナの先端に当接してコンテナ車体幅方向の移動を規制するストッパを有する航空コンテナ輸送用トレーラ。
【請求項14】
請求項4、8、9のいずれかにおいて、
前記後部昇降フロアは、航空コンテナの底辺の車体幅方向両側が車体前後方向摺動自在に係合する、断面がコ字形状の車体幅方向に一対の後部昇降フロアサイドガイドを有し、
前記後部昇降フロアサイドガイドは、前記ターンテーブルに一体的に支持されていて、ターンテーブルと同期して回転し、前記固定サイドガイドに対して車体前後方向に整列する姿勢又は前記固定サイドガイドの延長線に対して直交する姿勢となるように構成された航空コンテナ輸送用トレーラ。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれかにおいて、
トレーラ車体における左右側面の各々において、前記後部車輪の後側位置、及び、トレーラ車体の前端に設けられた合計4基のアウトリガーを有し、
前記アウトリガーは、航空コンテナ荷積み時には、昇降フロア下限高さにある前記昇降フロアの前記ローラコンベア上面が、コンテナ積降し装置の荷降し高さHunloよりも1〜3cm低くなり、航空コンテナ荷降し時には、昇降フロア下限高さにある前記ローラコンベア上面が、コンテナ積降し装置の荷積み高さHloよりも1〜3cm高くなるようにトレーラ車体の高さを調節可能とされた航空コンテナ輸送用トレーラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空コンテナ輸送用トレーラに関するものであり、特に、航空機から降ろした航空コンテナを直接空港外にも搬送できるようにした航空コンテナ輸送用トレーラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空貨物、例えば航空コンテナの運搬は、空港内の機体との間で荷物を搬入出するには、低床のドーリーと称される運搬車両を用いるが、ドーリーは空港外の道路は走行が出来ないので、航空敷地内にある専用の集荷場に一旦コンテナを集め、ここで、専用の運搬車に荷物を積み下ろすようにしていた。
【0003】
しかし、荷物の空港外への搬出、空港外から搬入の際に集荷場でのドーリーとの積降しに時間がかかり、効率改善が望まれていた。
【0004】
空港外を走行可能な運搬車両を航空機との間の荷物の搬出入に用いることも考えられ、この場合、駐機場にギリギリの間隔で駐機している航空機の間に、機体に横付けする姿勢で駐車することになるが、ドーリーと同じ高さで航空コンテナを搬出入することは困難であるとともに、例えば、フォークリフトなどを用いて航空コンテナを搬出入することは、フォークリフトと航空機が干渉して困難であった。一方、ドーリーは、空港内での専用運搬車両であり、これを、空港外の道路で走行させることは困難であった。
【0005】
特許文献1には、「航空機からコンテナを積み込む場合には、航空機の荷物搬出部にトレーラを横付けする」との開示があるが、この特許文献1記載のトレーラは実際はカート又はドーリーの一部であり、コンテナ1個のみを積み込んだり搬出する場合に用いるものであり、複数の航空コンテナを載置して空港外の道路を走行し、コンテナを搬送するような構成ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63−97445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、機体との間で搬出(搬入)される航空コンテナを車体の横方向からドーリー等のコンテナ積降し装置を介して、積降し可能として、そのまま航空コンテナを空港外、又は空港内へ搬送することができる航空コンテナ輸送用トレーラを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る航空コンテナ輸送用トレーラは、複数台の航空コンテナを前後方向一列に並べて載置可能な水平のコンテナデッキと、前記コンテナデッキ上に載置された航空コンテナを固定する固縛装置と、を有してなり、前記コンテナデッキは、車体前後方向中間部及び車体後端部の少なくとも一方に設けられ、トレーラ車体の左側面及び右側面のいずれからも航空コンテナの積降し可能の水平の昇降フロアと、前記昇降フロアに隣接して配置され、車体上下方向に固定された水平の載置フロアとを備え、前記載置フロアは、後部車輪のホイールハウスより高い位置に水平に設けられ、且つ、トレーラ幅方向の水平軸に回転自在に支持された複数の水平ローラをトレーラ前後方向に並べて、航空コンテナを前後方向に移動可能に載置するローラコンベア、及び、平面視で長方形の航空コンテナのトップパネルの長辺と直交する辺を短辺としたとき、航空コンテナの底辺の短辺方向両側のコンテナ摺動部が車体前後方向摺動自在に係合する、断面がコ字形状の車体幅方向一対の固定サイドガイドを有し、前記昇降フロアは、ターンテーブル及びローラコンベアを含み、前記載置フロアにおけるローラコンベアの上面の高さを昇降フロア上限高さ、コンテナ積降し装置との航空コンテナの受渡し可能高さであって、前記後部車輪のホイールハウスより低い位置を昇降フロア下限高さとして、1台の航空コンテナを水平に載置した状態で、前記ターンテーブル及び前記ローラコンベアと一体的に昇降自在とされ、前記ターンテーブルは、載置した1台の航空コンテナを、水平面内で回転自在とされ、航空コンテナのトップパネルが長方形であって、前記コンテナデッキは、平面視で前記トップパネルの長方形における長辺がトレーラ前後方向となる姿勢で航空コンテナを載置可能とされて、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明においては、航空輸送用トレーラは、車体前後方向中間部及び車体後端部の少なくとも一方に、ターンテーブルを含む昇降自在の昇降フロアを設けて、トレーラ幅方向のいずれの方向からも航空コンテナを積降することができ、空港内で機体に横付けして、機体と接触したりすることなく、ドーリー等のコンテナ積降し装置を介して迅速に航空コンテナを積降し、且つ、そのまま、航空コンテナを空港外の道路を経て目的地に搬送し、あるいは空港外から機体の横に航空コンテナを運び込んで機体に積込むことができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例1に係る航空コンテナ輸送用トレーラをトラクタと共に示す側面図
図2】同平面図
図3】後部昇降フロアを展開した状態の航空コンテナ輸送用トレーラの後部を示す側面図
図4】同平面図
図5】航空コンテナ積載状態を示す図2と同様の平面図
図6図5のVI−VI線視図
図7】航空コンテナを示す斜視図
図8】航空コンテナ輸送用トレーラにおける載置フロアのローラコンベアを拡大して示す平面図
図9】同側面図
図10図8のX−X線視図
図11】航空コンテナ輸送用トレーラにおける中央昇降フロア及び昇降機構の下限位置での状態を示す側面図
図12】同上限位置での航空コンテナ積載状態を示す側面図
図13】航空コンテナ輸送用トレーラにおける後部昇降フロア及び昇降機構の上限位置での状態を示す側面図
図14】航空コンテナ輸送用トレーラにおけるボールコンベアを構成するボールユニットを示す正面図
図15】同平面図
図16】航空コンテナを車体前後方向に案内するためのサイドガイド及び航空コンテナとの係合状態を模式的に示す平面図
図17図16のXVII−XVII線視図
図18図16のXVIII−XVIII線に沿う平断面図
図19】中央昇降フロアにおける可動サイドガイドと航空コンテナとの係合状態を模式的に示す車体後方から視た側面図
図20図19のXX−XX線に沿う平断面図
図21A】航空コンテナを固定した状態の固縛装置を模式的に示す側面図
図21B図21AのB1−B1線視図
図22A】航空コンテナを解放した状態の固縛装置を模式的に示す側面図
図22B図22AのB2−B2線視図
図23】実施例1における各駆動部及びその制御系を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施例1]
図1乃至図4に示されるように、本発明の実施例1に係る航空コンテナ輸送用トレーラ(以下トレーラ)10は、トラクタ12の後輪の上部の連結部12Aに前端が連結され、該トラクタ12により牽引されて走行するようにされている。
【0012】
図3図4の右側の符号70は、航空機との間で航空コンテナ14を積降しするコンテナ積降し装置(この実施例1では、航空コンテナ14を積降しするカートあるいはドーリー)を示す。
【0013】
実施例1に係るトレーラ10は、図1図5に示されるように、4台の航空コンテナ14を載置可能な水平のコンテナデッキ20と、コンテナデッキ20上に載置された航空コンテナ14を固定する固縛装置30(詳細後述)と、を有している。
【0014】
コンテナデッキ20は、車体前後方向中間部に設けられた中央昇降フロア40と、車体後端部に延長フロア兼ゲートフロアとして設けられた後部昇降フロア60と、中央昇降フロア40の車体前方側の前部載置フロア50A、後方側の後部載置フロア50Bとから構成されている。なお、中央昇降フロア40と後部昇降フロア60を総称する場合は「昇降フロア」とする。また、中央昇降フロア40及び後部昇降フロア60における後述の水平ローラコンベア44及び、ボールローラコンベア64を総称するときは、「ローラコンベア」とする。
【0015】
後部昇降フロア60は、図3図4に示されるように、トレーラ10の後端から航空コンテナ14を積降しするときに、後方に拡げられて拡張フロアとされた状態とされる(詳細後述)。図6はトレーラ10の背面図である。
【0016】
図7に示されるように、航空コンテナ14は、そのトップパネル14Aが長方形であって、コンテナデッキ20は、平面視でトップパネル14Aの長方形における長辺がトレーラ前後方向となる姿勢で航空コンテナ14を車体前後方向に一列に並べて載置され、この状態で固縛装置30の掛止めフック30A(図16図17参照;詳細後述)により固縛されるようになっている。
【0017】
前部載置フロア50Aは1台の航空コンテナ14を、中央昇降フロア40は1台の航空コンテナ14を、また、後部載置フロア50Bは2台の航空コンテナ14を、それぞれトップパネル14Aの長辺が車体前後方向となる姿勢で、載置可能な長さとされている。
【0018】
前部載置フロア50A及び後部載置フロア50Bは、トレーラ10の後部車輪16のホイールハウス16Aより高い位置に水平に設けられ、且つ、図8乃至図10に示されるように、各々、トレーラ幅方向の水平軸に回転自在に支持された複数の水平ローラ52Aをトレーラ前後方向に並べて、航空コンテナ14を前後方向に移動可能に載置する固定ローラコンベア52を構成している。
【0019】
中央昇降フロア40は、後部車輪16におけるホイールハウス16Aの前側に隣接した位置に設けられていて、図11図12に示されるように、固定ローラコンベア52の高さを昇降フロア上限高さHmax、コンテナ積降し装置70との航空コンテナ14の受け渡し可能な高さを昇降フロア下限高さHminとして、その間で、Xリンク46Aを含む中央電動テーブルリフター46により昇降自在とされている。
【0020】
中央昇降フロア40は、中央ターンテーブル43の上面に一体的に固定されている水平ローラコンベア44を有し、この水平ローラコンベア44上に載置された1台の航空コンテナ14を、昇降フロア上限高さHmax及び昇降フロア下限高さHminの間の位置で水平面内で回転自在とされている。
【0021】
なお、トレーラ10全体は、荷積又は荷降しの間、その積載荷重によって車高が増減し、また、荷重に偏りがあれば傾くので、図1に示されるように、トレーラ車体の連結部12Aの前側に臨接する位置、及び、後部車輪16の後側に臨接する位置で、各々車体幅方向両外側に、計4本のアウトリガー11が取り付けられ、トレーラ10の車高の変化や傾きを抑制するとともに、昇降フロア下限高さHminが一定となるようにされている。
【0022】
詳細には、アウトリガー11は、航空コンテナ荷積み時には、昇降フロア下限高さHminにある中央昇降フロア40における水平ローラコンベア44及び後部昇降フロア60におけるボールローラコンベア64(詳細後述)の上面が、コンテナ積降し装置の荷降し高さHunloよりも1〜3cm低くなり、航空コンテナ荷降し時には、昇降フロア下限高さHminにあるボールコンベア44上面が、コンテナ積降し装置の荷積み高さHloよりも1〜3cm高くなるようにトレーラ車体の高さを調節可能とされている。
【0023】
中央昇降フロア40は、全体が中央ターンテーブル43と一体的に水平面内で回転される構成であり、トレーラ走行中の姿勢での平面視で、前方に凸となる円弧形状前端縁40A及び後方に凸となる円弧形状後端縁40Bを有する車体前後方向に長い長方形とされている。
【0024】
円弧形状前端縁40A及び円弧形状後端縁40Bの円弧半径は、中央昇降フロア40が中央ターンテーブル43によって回転されるときの外周部の回転軌跡と一致するようにされている。
【0025】
また、中央昇降フロア40には、コンテナ摺動部14Bが長辺方向摺動自在に係合する断面コ字形状の短辺方向一対の中央可動サイドガイド41が一体的に設けられている。更に、中央可動サイドガイド41により案内されて中央昇降フロア40上に移載される航空コンテナ14の行き過ぎを防止するため、航空コンテナ14に当接してストッパとなる位置、又は干渉しない退避位置に駆動される中央ストッパ42Aが設けられている。
【0026】
中央可動サイドガイド41は、中央ターンテーブル43と一体的に回転され、固定サイドガイド80に対して車体前後方向に整列する姿勢、又は、固定サイドガイド80に対して直交する姿勢となるように構成されている。
【0027】
中央昇降フロア40は、中央可動サイドガイド41が、固定サイドガイド80に対して車体前後方向に整列する状態で、トレーラ幅方向の水平軸に回転自在に支持された複数の水平ローラ44Aをトレーラ前後方向に並べて、航空コンテナ14を前後方向に移動可能に載置する水平ローラコンベア44を含んで構成されている。
【0028】
後部昇降フロア60は、図13に示されるように、コンテナ積降し時にコンテナデッキ20の後端から更に後方に連続して、コンテナデッキ20と同一高さで、一台の航空コンテナ14を載置可能な水平の拡張フロアを形成し、トレーラ走行時には、図2に示されるように、コンテナデッキ20の後端を中心として、水平状態から直角に立上ってトレーラ後端を閉じるゲートフロアをトレーラ後端に形成するように構成されている。
【0029】
後部昇降フロア60は、後部ターンテーブル63を含む上端面に、ボールローラコンベア64を備えている。このボールローラコンベア64は、図14図15に示されるように、回転自在のボールを備えた上向きの複数のボールユニット64Aを並べて構成され、航空コンテナ14を、水平面内で任意方向に移動自在に載置し、且つ、トレーラ車体の左側面及び右側面のいずれからも、航空コンテナ14の積降しが可能となるように構成されている。
【0030】
後部昇降フロア60のボールローラコンベア64は、トップパネル14Aの長辺が車体幅方向となる姿勢で航空コンテナ14が積降し可能で、且つ、積載された航空コンテナ14は水平面内でトップパネル14Aの長辺が車体前後方向となる姿勢まで水平面内で回転できるように構成され、また、車体後方向からの航空コンテナ14の積降しが可能とされている。
【0031】
中央昇降フロア40及び後部昇降フロア60は、更に、図1図3に示されるように、それぞれ、Xリンク46A、66Aを備えた中央電動テーブルリフター46及び後部電動テーブルリフター66を有している。
【0032】
航空コンテナ14は、その底辺の車体幅方向両側に車体前後方向に長い摺動部14Bを有している(図7参照)。前部載置フロア50A及び後部載置フロア50Bは、図16乃至図18に示されるように、摺動部14Bを車体前後方向に摺動自在に係合して案内する、断面がコ字形状の車体幅方向一対の固定サイドガイド80を有している。
【0033】
また、後部昇降フロア60には、図19図20に示されるように、航空コンテナ14の摺動部14Bに摺動自在に係合して案内する、断面がコ字形状の後部可動サイドガイド61が設けられている。
【0034】
この後部可動サイドガイド61は、固定サイドガイド80の車体前後方向の延長線上でこれに整列して配置されている前後方向ガイド61Aと、この前後方向ガイド61Aと直交して配置され、車体横方向に航空コンテナ14を案内する横方向ガイド61Bとから構成されている。
【0035】
後部昇降フロア60における後部ターンテーブル63の直径は各一対の前後方向ガイド61A、61A間及び横方向ガイド61B、61B間の幅よりも小さく、これらが中央ターンテーブル43の車体幅方向両外側を通るように配置されると共に、航空コンテナ積降し時には、図19において2点鎖線で示されるように、航空コンテナ14と干渉しない退避位置に待機する構成とされている。
【0036】
図23に示されるように、後部昇降フロア60においては、前後方向ガイド61A、横方向ガイド61Bを作動位置又は退避位置に駆動する後部可動サイドガイド駆動装置61C、載置した航空コンテナ14の行き過ぎを防止する後部ストッパ62A、及び、、これをストップ位置又は退避位置に駆動する後部ストッパ駆動装置62Bを備えている。
【0037】
固縛装置30は、前部載置フロア50A及び後部載置フロア50Bにおいて、航空コンテナ14を、その摺動部14Bが固定サイドガイド80により車体幅方向に拘束された状態で、図21A図21B図22A図22Bに示されるように、左右の摺動部14Bのトップパネル長辺方向端部に直交するトップパネル短辺と平行な、航空コンテナ14の前後端掛止部14Cに掛け止め/掛外しされる掛止めフック30Aを有している。
【0038】
また、固縛装置30は、中央昇降フロア40上では、載置されている航空コンテナ14を、中央昇降フロア上限高さHmax位置及び中央昇降フロア下限高さHmin位置で固縛可能に構成されていて、トレーラ10は、中央昇降フロア下限高さHmin位置での中央昇降フロア40上に航空コンテナ14を固縛した状態でも走行可能とされている。
【0039】
図21Bにおける符号30Bは、航空コンテナ14の固縛時(Lock時)に、図21Aで示される状態が維持されるように掛止めフック30Aを付勢する圧縮コイルばねを示す。ロック解除時には、図22A図22Bに示されるように、掛止めフック駆動装置30Cにより圧縮コイルばね30Bを圧縮して、且つ、掛止めフック30Aを掛外し状態に維持させる。
【0040】
図23は、本実施例1における駆動装置、モータ、シリンダ等を制御するための制御部90を示すブロック図であり、制御部90は、駆動部92、制御装置94及びリモートコントローラ96から構成されている。
【0041】
駆動部92は、アウトリガー11を駆動するためのアウトリガー駆動シリンダ11Aと、後部昇降フロア60を垂直に立ち上げてリアゲートとしたり、水平にして延長フロアを構成したりする後部昇降フロア開閉シリンダ60Aと、後部可動サイドガイド61を駆動するための後部可動サイドガイド駆動装置61Cと、中央ストッパ42Aを駆動するための中央ストッパ駆動装置42Bと、後部ストッパ62Aを駆動するための後部ストッパ駆動装置62Bと、固縛装置30における掛止めフック30Aを駆動するための掛止めフック駆動装置30Cと、中央電動テーブルリフター46を駆動するための中央電動テーブルリフター駆動モータ47と、後部電動テーブルリフター66を駆動するための後部テーブルリフター駆動モータ67と、中央ターンテーブル43を駆動するための中央ターンテーブル駆動モータ43Aと、後部ターンテーブル63を駆動するための後部ターンテーブル駆動モータ63Aと、を含んで構成されている。
【0042】
制御装置94は、リモートコントローラ96から入力した指示信号にもとづいて、駆動部92の駆動装置やシリンダあるいはモータを制御するものである。
【0043】
次に、本実施例1における航空コンテナ14の、トレーラ10への中央昇降フロア40を用いた荷積みの過程の一例について説明する。
【0044】
なお、中央昇降フロア40と後部昇降フロア60におけるトレーラ10への荷積み及び荷降しの両方同時に又は一方のみから荷積み、荷降しをしてもよく、両方から荷積をして、一方のみから荷降ししたり、その逆であってもよい。
【0045】
まず、アウトリガー11を、アウトリガー駆動シリンダ11Aを用いて伸長させる。この時、ボールコンベア44の上面が積降し可能高さよりも1〜3cm低くなるように調整して、アウトリガー11の長さ(高さ)を固定する。
【0046】
中央昇降フロア40の高さを、昇降フロア下限高さ(以下下限高さ)Hminまで下げ、更に、中央ターンテーブル43により、図2の状態から図5の状態へ90度回転させ、車体横方向から航空コンテナ14を受け入れる姿勢にする。
【0047】
次に、航空コンテナ14を車体横方向から、水平ローラコンベア44上に移載し、航空コンテナ14の姿勢はそのままで、中央昇降フロア40を中央電動テーブルリフター46により昇降フロア上限高さ(以下上限高さ)Hmaxまで上昇させる。
【0048】
次に、中央ターンテーブル43を、中央ターンテーブル駆動モータ43Aにより駆動して、航空コンテナ14を90°回転させて、固定サイドガイド80に整列させる(図2参照)。
【0049】
固定サイドガイド80を案内として、航空コンテナ14を前部載置フロア50Aの固定ローラコンベア52上に移載し、固縛装置30により航空コンテナ14を固定する。
【0050】
2台目の航空コンテナ14も上記と同様に中央昇降フロア40上に固定する。
【0051】
次に、中央昇降フロア40を上限高さ位置に固定する。なお、トレーラの重心を低くして、走行安定性を向上させるために、航空コンテナ14を載置した状態で、中央昇降フロア40を下限高さ位置に固定することもできる。
【0052】
最後は、後部昇降フロア60による航空コンテナ14の積込み完了を確認して、アウトリガー11を引き上げて、荷積みを終了する。
【0053】
次に、航空コンテナ14の、中央昇降フロア40を用いた荷降しの過程について説明する。
【0054】
まず、アウトリガー11をアウトリガー駆動シリンダ11Aを用いて伸長させる。この時、ボールコンベア44の上面が積降し可能高さよりも1〜3cm高くなるように調整して、アウトリガー11の高さを固定する。
【0055】
航空コンテナ14の姿勢はそのままで、中央昇降フロア40を上限高さまで上昇させ、中央ターンテーブル43により、航空コンテナ14を90°回転させ、車体横方向に移動可能な姿勢にする。
【0056】
次に、固縛装置30を解除し、航空コンテナ14を横方向に押し出し、続いて、前部載置フロア50A上の航空コンテナ14を、固縛装置30を解除して、中央昇降フロア40上に移動する。
【0057】
次に、中央ターンテーブル43により、航空コンテナ14を90°回転させ、車体横方向の姿勢にしてから、中央昇降フロア40から送り出す。
【0058】
次は、中央昇降フロア40を上限高さ位置又は下限高さ位置に固定し、後部昇降フロア60によるコンテナ荷降し完了を確認して、アウトリガー11を引き上げて荷降しを終了する。
【0059】
航空コンテナ14の、後部昇降フロア60を用いた荷積みの過程について説明する。
【0060】
まず、後部昇降フロア60を、後部昇降フロア開閉シリンダ60Aにより後方に開いて、図3図4に示されるように、水平の延長フロアを形成する。
【0061】
次は、アウトリガー11を伸長させる。この時、ボールコンベア44の上面に積降し可能高さよりも1〜3cm低くなるようにアウトリガー11の高さを調節して固定する。
【0062】
後部電動テーブルリフター66により、後部昇降フロア60を昇降フロア下限高さHminとし、図3に示される状態とし、更に、後部可動サイドガイド61を、車体横方向又は後方から航空コンテナ14を受け入れる姿勢にする。
【0063】
後部昇降フロア60における後部ストッパ62Aをボールコンベア44の上面から突出させて、移載されてくる航空コンテナ14の先端に当接するストッパ状態にセットする。
【0064】
航空コンテナ14を車体横方向からボールコンベア44上の横方向ガイド61Bをガイドとして積載するが、後方から積載する場合は、前後方向ガイド61Aをガイドとする。次に、航空コンテナ14の姿勢はそのままで、後部昇降フロア60を昇降フロア上限高さHmaxまで上昇させる。
【0065】
横方向ガイド61Bを退避位置にしてから、後部ターンテーブル63により車体横方向に積載した航空コンテナ14を90°回転させるか、又は車体後方から積載した航空コンテナ14は回転させることなく、前後方向ガイド61Aはそのままで、航空コンテナ14を固定サイドガイド80に整列させる。
【0066】
次は、固定サイドガイド80を案内として航空コンテナ14を後部載置フロア50Bの固定ローラコンベア52上に移載し、後部載置フロア50Bの前端まで移動させ、ここで、固縛装置30により、航空コンテナ14を固定する。
【0067】
2台目の航空コンテナ14は後部昇降フロア60から積込んで後部載置フロア50Bの、先に積込んだ航空コンテナ14の後ろ側に移載して、固縛装置30により固定する。
【0068】
最後は、後部昇降フロア60を、後部昇降フロア開閉シリンダ60Aにより、鉛直に立ち上げて、リアゲートとしてトラクタ後端を閉じ、中央昇降フロア40による航空コンテナ14の積込み完了を確認してから、アウトリガー11を引き上げて、航空コンテナ輸送用トレーラ10を走行可能な状態とする。
【0069】
航空コンテナ14から、物流センター等における荷降台に航空コンテナ輸送用トレーラ10の後端を寄せて、後部昇降フロア60から荷降しする場合は、後部昇降フロア60を、図3に示されると同様に、後部昇降フロア開閉シリンダ60Aにより、後方に開いて水平の延長フロアとし、且つ、アウトリガー11を、アウトリガー駆動シリンダ11Aによって伸長させる。ここで、ボールコンベア44の上面が、積降し可能高さよりも1〜3cm高くなるように、アウトリガー11の高さを調整して固定する。
【0070】
後部昇降フロア60を、後部電動テーブルリフター66により、後部昇降フロア上限高さHmaxに設定し、続いて、前後方向ガイド61Aを、後部可動サイドガイド駆動装置61Cにより退避位置から突出させて、固定サイドガイド80に整列させ、最後尾(1台目)の航空コンテナ14の固縛装置30を解除し、航空コンテナ14を後部載置フロア50Bから前後方向ガイド61Aにより案内して、ボールコンベア44上に移動する。
【0071】
航空コンテナ14を、前後方向ガイド61Aによりそのまま後方向に送り出し可能な状態とするか、又は、前後方向ガイド61Aを後部可動サイドガイド駆動装置61Cにより退避位置にしてから、後部ターンテーブル63により、航空コンテナ14を90°回転して横方向に送り出し可能とし、次に、後部可動サイドガイド61を案内として、航空コンテナ14を荷降しヤード等に移載する。
【0072】
上記を繰返して、後部載置フロア50Bに残された2台目の航空コンテナ14を、荷降しヤード等に移載する。
【0073】
後部昇降フロア60の後端を、後部昇降フロア開閉シリンダ60Aにより、鉛直まで持ち上げて、トラクタ後端を閉じるリアゲートの状態とし、中央昇降フロア40による航空コンテナ14の荷降し完了を確認してから、アウトリガー11を引き上げて、荷降しを終了する。
【0074】
上記実施例1に係る航空コンテナ輸送用トレーラ10は、2つの昇降フロア、すなわち、中央昇降フロア40と後部昇降フロア60との両方を備えて、その両方又は一方からの荷積み、又は荷降しを、迅速にすることができる。
【0075】
本発明は、上記に限定されるものでなく、航空コンテナ輸送用トレーラは、中央昇降フロア40のみで、後部昇降フロア60を設けないようにしてもよく、更に、中央昇降フロア40を設けることなく、後部昇降フロア60のみとしてもよい。
【0076】
更に、上記実施例1において、各中央昇降フロア40及び後部昇降フロア60は、それぞれ、Xリンクを備えた電動テーブルリフターを用いた構成となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、モータ駆動のチエンによって昇降させる構成であってもよい。
【0077】
又、中央昇降フロア40は、ターンテーブルと一体で回転するような構成とされているが、後部昇降フロア60と同様にボールローラコンベアを用いる構成としてもよい。この場合は、可動サイドガイドは退避位置に戻す必要がない。
【符号の説明】
【0078】
10…航空コンテナ輸送用トレーラ(トレーラ)
11…アウトリガー
11A…アウトリガー駆動シリンダ
12…トラクタ
12A…連結部
14…航空コンテナ
14A…トップパネル
14B…摺動部
14C…前後端掛止部
16…後部車輪
16A…ホイールハウス
20…コンテナデッキ
30…固縛装置
30A…掛止めフック
30B…圧縮コイルばね
30C…掛止めフック駆動装置
40…中央昇降フロア
40A…円弧形状前端縁
40B…円弧形状後端縁
41…中央可動サイドガイド
41A…前後方向ガイド
41B…横方向ガイド
41C…中央可動サイドガイド駆動装置
42A…中央ストッパ
42B…中央ストッパ駆動装置
43…中央ターンテーブル
43A…中央ターンテーブル駆動モータ
44…水平ローラコンベア
44A…水平ローラ
46…中央電動テーブルリフター
46A…Xリンク
47…中央電動テーブルリフター駆動モータ
50…載置フロア
50A…前部載置フロア
50B…後部載置フロア
52…固定ローラコンベア
52A…水平ローラ
60…後部昇降フロア
60A…後部昇降フロア開閉シリンダ
61…後部可動サイドガイド
61A…前後方向ガイド
61B…横方向ガイド
61C…後部可動サイドガイド駆動装置
62A…後部ストッパ
62B…後部ストッパ駆動装置
63…後部ターンテーブル
63A…後部ターンテーブル駆動モータ
64…ボールローラコンベア
64A…ボールユニット
66…後部電動テーブルリフター
66A…Xリンク
67…後部テーブルリフター駆動モータ
70…コンテナ積降し装置
80…固定サイドガイド
82…可動サイドガイド
90…制御部
92…駆動部
94…制御装置
96…リモートコントローラ
【要約】      (修正有)
【課題】航空機の横に停車して、ドーリー等を介して車体幅方向から航空コンテナを積降し、空港外の道路を通って運搬できる航空コンテナ輸送用トレーラを提供する。
【解決手段】トレーラ10のコンテナデッキ20は、コンテナ14の積降しが車体の左右から可能の中央昇降フロア40及び車体左右と後端から可能の後部昇降フロア60と、中央昇降フロアの前後の載置フロア50A、50Bとを備え、載置フロアはコンテナを長手方向、且つ、前後方向に移動可能に載置するローラコンベア52、及び、コンテナの底辺の幅方向両側が前後方向摺動自在に係合する固定サイドガイドを有し、中央昇降フロアは車体幅方向に積降しする横方向姿勢と前後方向姿勢に回転可能とされ、後部昇降フロアは、ターンテーブル及びボールコンベアを含み車体幅方向及び後方からの積降し可能とされ、中央昇降フロアと後部昇降フロアは、1台のコンテナを載置した状態で昇降自在とされている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22A
図22B
図23