(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施例1]
図1乃至
図4に示されるように、本発明の実施例1に係る航空コンテナ輸送用トレーラ(以下トレーラ)10は、トラクタ12の後輪の上部の連結部12Aに前端が連結され、該トラクタ12により牽引されて走行するようにされている。
【0012】
図3、
図4の右側の符号70は、航空機との間で航空コンテナ14を積降しするコンテナ積降し装置(この実施例1では、航空コンテナ14を積降しするカートあるいはドーリー)を示す。
【0013】
実施例1に係るトレーラ10は、
図1、
図5に示されるように、4台の航空コンテナ14を載置可能な水平のコンテナデッキ20と、コンテナデッキ20上に載置された航空コンテナ14を固定する固縛装置30(詳細後述)と、を有している。
【0014】
コンテナデッキ20は、車体前後方向中間部に設けられた中央昇降フロア40と、車体後端部に延長フロア兼ゲートフロアとして設けられた後部昇降フロア60と、中央昇降フロア40の車体前方側の前部載置フロア50A、後方側の後部載置フロア50Bとから構成されている。なお、中央昇降フロア40と後部昇降フロア60を総称する場合は「昇降フロア」とする。また、中央昇降フロア40及び後部昇降フロア60における後述の水平ローラコンベア44及び、ボールローラコンベア64を総称するときは、「ローラコンベア」とする。
【0015】
後部昇降フロア60は、
図3、
図4に示されるように、トレーラ10の後端から航空コンテナ14を積降しするときに、後方に拡げられて拡張フロアとされた状態とされる(詳細後述)。
図6はトレーラ10の背面図である。
【0016】
図7に示されるように、航空コンテナ14は、そのトップパネル14Aが長方形であって、コンテナデッキ20は、平面視でトップパネル14Aの長方形における長辺がトレーラ前後方向となる姿勢で航空コンテナ14を車体前後方向に一列に並べて載置され、この状態で固縛装置30の掛止めフック30A(
図16〜
図17参照;詳細後述)により固縛されるようになっている。
【0017】
前部載置フロア50Aは1台の航空コンテナ14を、中央昇降フロア40は1台の航空コンテナ14を、また、後部載置フロア50Bは2台の航空コンテナ14を、それぞれトップパネル14Aの長辺が車体前後方向となる姿勢で、載置可能な長さとされている。
【0018】
前部載置フロア50A及び後部載置フロア50Bは、トレーラ10の後部車輪16のホイールハウス16Aより高い位置に水平に設けられ、且つ、
図8乃至
図10に示されるように、各々、トレーラ幅方向の水平軸に回転自在に支持された複数の水平ローラ52Aをトレーラ前後方向に並べて、航空コンテナ14を前後方向に移動可能に載置する固定ローラコンベア52を構成している。
【0019】
中央昇降フロア40は、後部車輪16におけるホイールハウス16Aの前側に隣接した位置に設けられていて、
図11、
図12に示されるように、固定ローラコンベア52の高さを昇降フロア上限高さH
max、コンテナ積降し装置70との航空コンテナ14の受け渡し可能な高さを昇降フロア下限高さH
minとして、その間で、Xリンク46Aを含む中央電動テーブルリフター46により昇降自在とされている。
【0020】
中央昇降フロア40は、中央ターンテーブル43の上面に一体的に固定されている水平ローラコンベア44を有し、この水平ローラコンベア44上に載置された1台の航空コンテナ14を、昇降フロア上限高さH
max及び昇降フロア下限高さH
minの間の位置で水平面内で回転自在とされている。
【0021】
なお、トレーラ10全体は、荷積又は荷降しの間、その積載荷重によって車高が増減し、また、荷重に偏りがあれば傾くので、
図1に示されるように、トレーラ車体の連結部12Aの前側に臨接する位置、及び、後部車輪16の後側に臨接する位置で、各々車体幅方向両外側に、計4本のアウトリガー11が取り付けられ、トレーラ10の車高の変化や傾きを抑制するとともに、昇降フロア下限高さH
minが一定となるようにされている。
【0022】
詳細には、アウトリガー11は、航空コンテナ荷積み時には、昇降フロア下限高さH
minにある中央昇降フロア40における水平ローラコンベア44及び後部昇降フロア60におけるボールローラコンベア64(詳細後述)の上面が、コンテナ積降し装置の荷降し高さH
unloよりも1〜3cm低くなり、航空コンテナ荷降し時には、昇降フロア下限高さH
minにあるボールコンベア44上面が、コンテナ積降し装置の荷積み高さH
loよりも1〜3cm高くなるようにトレーラ車体の高さを調節可能とされている。
【0023】
中央昇降フロア40は、全体が中央ターンテーブル43と一体的に水平面内で回転される構成であり、トレーラ走行中の姿勢での平面視で、前方に凸となる円弧形状前端縁40A及び後方に凸となる円弧形状後端縁40Bを有する車体前後方向に長い長方形とされている。
【0024】
円弧形状前端縁40A及び円弧形状後端縁40Bの円弧半径は、中央昇降フロア40が中央ターンテーブル43によって回転されるときの外周部の回転軌跡と一致するようにされている。
【0025】
また、中央昇降フロア40には、コンテナ摺動部14Bが長辺方向摺動自在に係合する断面コ字形状の短辺方向一対の中央可動サイドガイド41が一体的に設けられている。更に、中央可動サイドガイド41により案内されて中央昇降フロア40上に移載される航空コンテナ14の行き過ぎを防止するため、航空コンテナ14に当接してストッパとなる位置、又は干渉しない退避位置に駆動される中央ストッパ42Aが設けられている。
【0026】
中央可動サイドガイド41は、中央ターンテーブル43と一体的に回転され、固定サイドガイド80に対して車体前後方向に整列する姿勢、又は、固定サイドガイド80に対して直交する姿勢となるように構成されている。
【0027】
中央昇降フロア40は、中央可動サイドガイド41が、固定サイドガイド80に対して車体前後方向に整列する状態で、トレーラ幅方向の水平軸に回転自在に支持された複数の水平ローラ44Aをトレーラ前後方向に並べて、航空コンテナ14を前後方向に移動可能に載置する水平ローラコンベア44を含んで構成されている。
【0028】
後部昇降フロア60は、
図13に示されるように、コンテナ積降し時にコンテナデッキ20の後端から更に後方に連続して、コンテナデッキ20と同一高さで、一台の航空コンテナ14を載置可能な水平の拡張フロアを形成し、トレーラ走行時には、
図2に示されるように、コンテナデッキ20の後端を中心として、水平状態から直角に立上ってトレーラ後端を閉じるゲートフロアをトレーラ後端に形成するように構成されている。
【0029】
後部昇降フロア60は、後部ターンテーブル63を含む上端面に、ボールローラコンベア64を備えている。このボールローラコンベア64は、
図14、
図15に示されるように、回転自在のボールを備えた上向きの複数のボールユニット64Aを並べて構成され、航空コンテナ14を、水平面内で任意方向に移動自在に載置し、且つ、トレーラ車体の左側面及び右側面のいずれからも、航空コンテナ14の積降しが可能となるように構成されている。
【0030】
後部昇降フロア60のボールローラコンベア64は、トップパネル14Aの長辺が車体幅方向となる姿勢で航空コンテナ14が積降し可能で、且つ、積載された航空コンテナ14は水平面内でトップパネル14Aの長辺が車体前後方向となる姿勢まで水平面内で回転できるように構成され、また、車体後方向からの航空コンテナ14の積降しが可能とされている。
【0031】
中央昇降フロア40及び後部昇降フロア60は、更に、
図1、
図3に示されるように、それぞれ、Xリンク46A、66Aを備えた中央電動テーブルリフター46及び後部電動テーブルリフター66を有している。
【0032】
航空コンテナ14は、その底辺の車体幅方向両側に車体前後方向に長い摺動部14Bを有している(
図7参照)。前部載置フロア50A及び後部載置フロア50Bは、
図16乃至
図18に示されるように、摺動部14Bを車体前後方向に摺動自在に係合して案内する、断面がコ字形状の車体幅方向一対の固定サイドガイド80を有している。
【0033】
また、後部昇降フロア60には、
図19、
図20に示されるように、航空コンテナ14の摺動部14Bに摺動自在に係合して案内する、断面がコ字形状の後部可動サイドガイド61が設けられている。
【0034】
この後部可動サイドガイド61は、固定サイドガイド80の車体前後方向の延長線上でこれに整列して配置されている前後方向ガイド61Aと、この前後方向ガイド61Aと直交して配置され、車体横方向に航空コンテナ14を案内する横方向ガイド61Bとから構成されている。
【0035】
後部昇降フロア60における後部ターンテーブル63の直径は各一対の前後方向ガイド61A、61A間及び横方向ガイド61B、61B間の幅よりも小さく、これらが中央ターンテーブル43の車体幅方向両外側を通るように配置されると共に、航空コンテナ積降し時には、
図19において2点鎖線で示されるように、航空コンテナ14と干渉しない退避位置に待機する構成とされている。
【0036】
図23に示されるように、後部昇降フロア60においては、前後方向ガイド61A、横方向ガイド61Bを作動位置又は退避位置に駆動する後部可動サイドガイド駆動装置61C、載置した航空コンテナ14の行き過ぎを防止する後部ストッパ62A、及び、、これをストップ位置又は退避位置に駆動する後部ストッパ駆動装置62Bを備えている。
【0037】
固縛装置30は、前部載置フロア50A及び後部載置フロア50Bにおいて、航空コンテナ14を、その摺動部14Bが固定サイドガイド80により車体幅方向に拘束された状態で、
図21A、
図21B、
図22A、
図22Bに示されるように、左右の摺動部14Bのトップパネル長辺方向端部に直交するトップパネル短辺と平行な、航空コンテナ14の前後端掛止部14Cに掛け止め/掛外しされる掛止めフック30Aを有している。
【0038】
また、固縛装置30は、中央昇降フロア40上では、載置されている航空コンテナ14を、中央昇降フロア上限高さH
max位置及び中央昇降フロア下限高さH
min位置で固縛可能に構成されていて、トレーラ10は、中央昇降フロア下限高さH
min位置での中央昇降フロア40上に航空コンテナ14を固縛した状態でも走行可能とされている。
【0039】
図21Bにおける符号30Bは、航空コンテナ14の固縛時(Lock時)に、
図21Aで示される状態が維持されるように掛止めフック30Aを付勢する圧縮コイルばねを示す。ロック解除時には、
図22A、
図22Bに示されるように、掛止めフック駆動装置30Cにより圧縮コイルばね30Bを圧縮して、且つ、掛止めフック30Aを掛外し状態に維持させる。
【0040】
図23は、本実施例1における駆動装置、モータ、シリンダ等を制御するための制御部90を示すブロック図であり、制御部90は、駆動部92、制御装置94及びリモートコントローラ96から構成されている。
【0041】
駆動部92は、アウトリガー11を駆動するためのアウトリガー駆動シリンダ11Aと、後部昇降フロア60を垂直に立ち上げてリアゲートとしたり、水平にして延長フロアを構成したりする後部昇降フロア開閉シリンダ60Aと、後部可動サイドガイド61を駆動するための後部可動サイドガイド駆動装置61Cと、中央ストッパ42Aを駆動するための中央ストッパ駆動装置42Bと、後部ストッパ62Aを駆動するための後部ストッパ駆動装置62Bと、固縛装置30における掛止めフック30Aを駆動するための掛止めフック駆動装置30Cと、中央電動テーブルリフター46を駆動するための中央電動テーブルリフター駆動モータ47と、後部電動テーブルリフター66を駆動するための後部テーブルリフター駆動モータ67と、中央ターンテーブル43を駆動するための中央ターンテーブル駆動モータ43Aと、後部ターンテーブル63を駆動するための後部ターンテーブル駆動モータ63Aと、を含んで構成されている。
【0042】
制御装置94は、リモートコントローラ96から入力した指示信号にもとづいて、駆動部92の駆動装置やシリンダあるいはモータを制御するものである。
【0043】
次に、本実施例1における航空コンテナ14の、トレーラ10への中央昇降フロア40を用いた荷積みの過程の一例について説明する。
【0044】
なお、中央昇降フロア40と後部昇降フロア60におけるトレーラ10への荷積み及び荷降しの両方同時に又は一方のみから荷積み、荷降しをしてもよく、両方から荷積をして、一方のみから荷降ししたり、その逆であってもよい。
【0045】
まず、アウトリガー11を、アウトリガー駆動シリンダ11Aを用いて伸長させる。この時、ボールコンベア44の上面が積降し可能高さよりも1〜3cm低くなるように調整して、アウトリガー11の長さ(高さ)を固定する。
【0046】
中央昇降フロア40の高さを、昇降フロア下限高さ(以下下限高さ)H
minまで下げ、更に、中央ターンテーブル43により、
図2の状態から
図5の状態へ90度回転させ、車体横方向から航空コンテナ14を受け入れる姿勢にする。
【0047】
次に、航空コンテナ14を車体横方向から、水平ローラコンベア44上に移載し、航空コンテナ14の姿勢はそのままで、中央昇降フロア40を中央電動テーブルリフター46により昇降フロア上限高さ(以下上限高さ)H
maxまで上昇させる。
【0048】
次に、中央ターンテーブル43を、中央ターンテーブル駆動モータ43Aにより駆動して、航空コンテナ14を90°回転させて、固定サイドガイド80に整列させる(
図2参照)。
【0049】
固定サイドガイド80を案内として、航空コンテナ14を前部載置フロア50Aの固定ローラコンベア52上に移載し、固縛装置30により航空コンテナ14を固定する。
【0050】
2台目の航空コンテナ14も上記と同様に中央昇降フロア40上に固定する。
【0051】
次に、中央昇降フロア40を上限高さ位置に固定する。なお、トレーラの重心を低くして、走行安定性を向上させるために、航空コンテナ14を載置した状態で、中央昇降フロア40を下限高さ位置に固定することもできる。
【0052】
最後は、後部昇降フロア60による航空コンテナ14の積込み完了を確認して、アウトリガー11を引き上げて、荷積みを終了する。
【0053】
次に、航空コンテナ14の、中央昇降フロア40を用いた荷降しの過程について説明する。
【0054】
まず、アウトリガー11をアウトリガー駆動シリンダ11Aを用いて伸長させる。この時、ボールコンベア44の上面が積降し可能高さよりも1〜3cm高くなるように調整して、アウトリガー11の高さを固定する。
【0055】
航空コンテナ14の姿勢はそのままで、中央昇降フロア40を上限高さまで上昇させ、中央ターンテーブル43により、航空コンテナ14を90°回転させ、車体横方向に移動可能な姿勢にする。
【0056】
次に、固縛装置30を解除し、航空コンテナ14を横方向に押し出し、続いて、前部載置フロア50A上の航空コンテナ14を、固縛装置30を解除して、中央昇降フロア40上に移動する。
【0057】
次に、中央ターンテーブル43により、航空コンテナ14を90°回転させ、車体横方向の姿勢にしてから、中央昇降フロア40から送り出す。
【0058】
次は、中央昇降フロア40を上限高さ位置又は下限高さ位置に固定し、後部昇降フロア60によるコンテナ荷降し完了を確認して、アウトリガー11を引き上げて荷降しを終了する。
【0059】
航空コンテナ14の、後部昇降フロア60を用いた荷積みの過程について説明する。
【0060】
まず、後部昇降フロア60を、後部昇降フロア開閉シリンダ60Aにより後方に開いて、
図3、
図4に示されるように、水平の延長フロアを形成する。
【0061】
次は、アウトリガー11を伸長させる。この時、ボールコンベア44の上面に積降し可能高さよりも1〜3cm低くなるようにアウトリガー11の高さを調節して固定する。
【0062】
後部電動テーブルリフター66により、後部昇降フロア60を昇降フロア下限高さH
minとし、
図3に示される状態とし、更に、後部可動サイドガイド61を、車体横方向又は後方から航空コンテナ14を受け入れる姿勢にする。
【0063】
後部昇降フロア60における後部ストッパ62Aをボールコンベア44の上面から突出させて、移載されてくる航空コンテナ14の先端に当接するストッパ状態にセットする。
【0064】
航空コンテナ14を車体横方向からボールコンベア44上の横方向ガイド61Bをガイドとして積載するが、後方から積載する場合は、前後方向ガイド61Aをガイドとする。次に、航空コンテナ14の姿勢はそのままで、後部昇降フロア60を昇降フロア上限高さH
maxまで上昇させる。
【0065】
横方向ガイド61Bを退避位置にしてから、後部ターンテーブル63により車体横方向に積載した航空コンテナ14を90°回転させるか、又は車体後方から積載した航空コンテナ14は回転させることなく、前後方向ガイド61Aはそのままで、航空コンテナ14を固定サイドガイド80に整列させる。
【0066】
次は、固定サイドガイド80を案内として航空コンテナ14を後部載置フロア50Bの固定ローラコンベア52上に移載し、後部載置フロア50Bの前端まで移動させ、ここで、固縛装置30により、航空コンテナ14を固定する。
【0067】
2台目の航空コンテナ14は後部昇降フロア60から積込んで後部載置フロア50Bの、先に積込んだ航空コンテナ14の後ろ側に移載して、固縛装置30により固定する。
【0068】
最後は、後部昇降フロア60を、後部昇降フロア開閉シリンダ60Aにより、鉛直に立ち上げて、リアゲートとしてトラクタ後端を閉じ、中央昇降フロア40による航空コンテナ14の積込み完了を確認してから、アウトリガー11を引き上げて、航空コンテナ輸送用トレーラ10を走行可能な状態とする。
【0069】
航空コンテナ14から、物流センター等における荷降台に航空コンテナ輸送用トレーラ10の後端を寄せて、後部昇降フロア60から荷降しする場合は、後部昇降フロア60を、
図3に示されると同様に、後部昇降フロア開閉シリンダ60Aにより、後方に開いて水平の延長フロアとし、且つ、アウトリガー11を、アウトリガー駆動シリンダ11Aによって伸長させる。ここで、ボールコンベア44の上面が、積降し可能高さよりも1〜3cm高くなるように、アウトリガー11の高さを調整して固定する。
【0070】
後部昇降フロア60を、後部電動テーブルリフター66により、後部昇降フロア上限高さH
maxに設定し、続いて、前後方向ガイド61Aを、後部可動サイドガイド駆動装置61Cにより退避位置から突出させて、固定サイドガイド80に整列させ、最後尾(1台目)の航空コンテナ14の固縛装置30を解除し、航空コンテナ14を後部載置フロア50Bから前後方向ガイド61Aにより案内して、ボールコンベア44上に移動する。
【0071】
航空コンテナ14を、前後方向ガイド61Aによりそのまま後方向に送り出し可能な状態とするか、又は、前後方向ガイド61Aを後部可動サイドガイド駆動装置61Cにより退避位置にしてから、後部ターンテーブル63により、航空コンテナ14を90°回転して横方向に送り出し可能とし、次に、後部可動サイドガイド61を案内として、航空コンテナ14を荷降しヤード等に移載する。
【0072】
上記を繰返して、後部載置フロア50Bに残された2台目の航空コンテナ14を、荷降しヤード等に移載する。
【0073】
後部昇降フロア60の後端を、後部昇降フロア開閉シリンダ60Aにより、鉛直まで持ち上げて、トラクタ後端を閉じるリアゲートの状態とし、中央昇降フロア40による航空コンテナ14の荷降し完了を確認してから、アウトリガー11を引き上げて、荷降しを終了する。
【0074】
上記実施例1に係る航空コンテナ輸送用トレーラ10は、2つの昇降フロア、すなわち、中央昇降フロア40と後部昇降フロア60との両方を備えて、その両方又は一方からの荷積み、又は荷降しを、迅速にすることができる。
【0075】
本発明は、上記に限定されるものでなく、航空コンテナ輸送用トレーラは、中央昇降フロア40のみで、後部昇降フロア60を設けないようにしてもよく、更に、中央昇降フロア40を設けることなく、後部昇降フロア60のみとしてもよい。
【0076】
更に、上記実施例1において、各中央昇降フロア40及び後部昇降フロア60は、それぞれ、Xリンクを備えた電動テーブルリフターを用いた構成となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、モータ駆動のチエンによって昇降させる構成であってもよい。
【0077】
又、中央昇降フロア40は、ターンテーブルと一体で回転するような構成とされているが、後部昇降フロア60と同様にボールローラコンベアを用いる構成としてもよい。この場合は、可動サイドガイドは退避位置に戻す必要がない。
【解決手段】トレーラ10のコンテナデッキ20は、コンテナ14の積降しが車体の左右から可能の中央昇降フロア40及び車体左右と後端から可能の後部昇降フロア60と、中央昇降フロアの前後の載置フロア50A、50Bとを備え、載置フロアはコンテナを長手方向、且つ、前後方向に移動可能に載置するローラコンベア52、及び、コンテナの底辺の幅方向両側が前後方向摺動自在に係合する固定サイドガイドを有し、中央昇降フロアは車体幅方向に積降しする横方向姿勢と前後方向姿勢に回転可能とされ、後部昇降フロアは、ターンテーブル及びボールコンベアを含み車体幅方向及び後方からの積降し可能とされ、中央昇降フロアと後部昇降フロアは、1台のコンテナを載置した状態で昇降自在とされている。