【課題を解決するための手段】
【0015】
驚くべきことに、ホスフィン酸塩(成分B)に加えて、成形物が亜リン酸の塩(ホスホン酸としても知られる)を成分Cとして含む場合には、ホスフィン酸塩含有難燃性熱可塑性ポリアミドにおける熱安定性が著しく改善し、移行傾向が著しく減少することがここに見いだされた。さらに、この特定の組み合わせ物は、電気的および機械的特性に関するポリアミドのバランスの良い特性プロフィールを保持する。当該ポリアミド組成物(成形物)は、さらに、フィラーおよび/または強化材を成分Dとして含有する。本発明のポリアミド組成物は、また、カルボン酸(エステル)アミドを成分Eとして含有することもできる。
【0016】
さらに、本発明のポリアミド組成物は、亜ホスホン酸塩、または、ホスホナイト(亜ホスホン酸塩)/ホスフェイト(亜リン酸塩)混合物を成分Fとして、および、長鎖脂肪族カルボン酸(脂肪酸)の塩またはエステルを成分Gとして含むことができ、これらのカルボン酸の典型的な鎖長はC
14〜C
40である。
【0017】
したがって、本発明は、
成分Aとして、1〜96質量%の一つまたは二つ以上の熱可塑性ポリアミド、
成分Bとして、2〜25質量%の式(I)のジアルキルホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩および/またはこれらのポリマー、
【化1】
ここで、
R
1およびR
2は、同一または異なっており、直鎖もしくは分岐鎖である、C
1−C
6−アルキル、またはHであり;
R
3は、C
1−C
10−アルキレン、直鎖もしくは分岐鎖である、C
6−C
10−アリーレン、C
7−C
20−アルキルアリーレン、または、C
7−C
20−アリールアルキレンであり;
Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、K、および/またはプロトン化窒素塩基であり;
mは、1〜4;
nは、1〜4;
xは、1〜4であり,
成分Cとして、1〜20質量%の亜リン酸の塩、
成分Dとして、1〜50質量%のフィラーまたは強化材、
成分Eとして、0〜2質量%のカルボン酸エステルアミド、
成分Fとして、0〜1質量%の亜ホスホン酸塩または、亜ホスホン酸塩および亜リン酸塩の混合物、ならびに、
成分Gとして、0〜1質量%典型的に鎖長がC
14〜C
40である長鎖脂肪族カルボン酸(脂肪酸)のエステルまたは塩を含み、
ここで全成分は常に100質量%である、
難燃性ポリアミド組成物を提供する。
【0018】
好ましくは、難燃性ポリアミド組成物は、
15〜91.9質量%の成分A、
5〜20質量%の成分B、
2〜10質量%の成分C、
1〜50質量%の成分D、
0〜2質量%の成分E、
0〜2質量%の成分F、および
0.1〜1質量%の成分Gを含む。
【0019】
特に好ましくは、難燃性ポリアミド組成物は、
16〜91.8質量%の成分A、
5〜20質量%の成分B、
2〜10質量%の成分C、
1〜50質量%の成分D、
0〜2質量%の成分E、
0.1〜1質量%の成分F、および
0.1〜1質量%の成分Gを含む。
【0020】
特に好ましくは、難燃性ポリアミド組成物は、
16〜82.7質量%の成分A、
5〜20質量%の成分B、
2〜10質量%の成分C、
10〜50質量%の成分D、
0.1〜2質量%の成分E、
0.1〜1質量%の成分F、および
0.1〜1質量%の成分Gを含む。
【0021】
他の好ましい難燃性ポリアミド組成物は、
26〜72.7質量%の成分A、
5〜20質量%の成分B
2〜10質量%の成分C
20〜40質量%の成分D
0.1〜2質量%の成分E
0.1〜1質量%の成分F、および
0.1〜1質量%の成分Gを含む。
【0022】
好ましくは、難燃性ポリアミド組成物としては、国際電子技術委員会の基準IEC60112/3に従い測定した、前記組成物の相対追跡指標が550Vよりも大きい組成物である。
【0023】
さらに、難燃性ポリアミド組成物としては、3.2mm〜0.4mmの厚さにおいて組成物のUL−94クラスがV−0である組成物である。
【0024】
好ましくは、難燃性ポリアミド組成物としては、0.75〜3mmの厚さにおいてIEC60695−2−12に従うグローワイヤ難燃性インデックスが960℃である組成物である。
【0025】
好ましくは、ポリアミド(PA)としては、PA6、PA6,6、PA4,6、PA12、PA6,10、PA6T/66、PA6T/6、PA4T、PA9T、PA10T,およびこれらのポリアミドコポリマー、ポリアミドブレンド、組合せから成る群から選択される。
【0026】
成分Aが、ポリアミド66、またはポリアミド66およびポリアミド6のコポリマーもしくはポリマーブレンドであることが好ましい。
【0027】
成分Aが、少なくとも75質量%のポリアミド66、および最大25質量%のポリアミド6から成ることが好ましい。
【0028】
前記組成物は、ポリアミド66、およびアモルファス、部分芳香族ポリアミドのブレンドであることも好ましい。
【0029】
成分Bにおいて、R
1およびR
2は、同一または異なっており、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよび/またはフェニルであることが好ましい。
【0030】
成分Bにおいて、R
3は、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、tert−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレン、またはn−ドデシレン;フェニレン、または、ナフチレン;メチルフェニレン、エチル-フェニレン、tert−ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレン、またはtert−ブチルナフチレン;フェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレンまたはフェニルブチレンであることが好ましい。
【0031】
好ましくは、式(III)の亜リン酸の塩(成分C)が
[HP(=O)O
2]
2−M
m+ (III)
であり、ここで、Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、および/またはKである。
【0032】
亜リン酸塩(成分C)は、亜リン酸アルミニウム[Al(H
2PO
3)
3]、
第二亜リン酸アルミニウム[Al
2(HPO
3)
3]、塩基性亜リン酸アルミニウム[Al(OH)(H
2PO
3)
2*2aq]、亜リン酸アルミニウム四水和物[Al
2(HPO
3)
3*4aq]、ホスホン酸アルミニウム、Al
7(HPO
3)
9(OH)
6(1,6−ヘキサンジアミン)
1.5*12H
2O、Al
2(HPO
3)
3*xAl
2O
3*nH
2O、ここでx=2.27
〜1、および/または
Al4H6P16O18であることが好ましい。
【0033】
亜リン酸塩(成分C)が、式(I)、(II)、および/または(III)の亜リン酸アルミニウムであり、
ここで式(I)は、Al
2(HPO
3)
3x(H
2O)
qを含み、qは0〜4であり、
ここで式(II)は、Al
2.00M
z(HPO
3)
y(OH)
vx(H
2O)
wであり、Mはアルカリ金属イオンであり、
zは0.01〜1.5であり、かつ、yは2.63〜3.5であり、かつ、vは0〜2であり、かつ、wは0〜4であり、;
ここで式(III)は、Al
2.00(HPO
3)
u(H
2PO
3)
tx(H
2O)
sであり、uは2〜2.99であり、かつ、tは2〜0.01であり、かつ、sは0〜4であり、
および/または
発泡性可溶性アルミニウム塩および外来窒素遊離イオンとの式(I)の亜リン酸アルミニウムの混合物、アルミニウム塩と式(III)の亜リン酸アルミニウムの混合物であり、または、亜リン酸アルミニウム[Al(H
2PO
3)
3]、
第二亜リン酸アルミニウム[Al
2(HPO
3)
3]、塩基性亜リン酸アルミニウム[Al(OH)(H
2PO
3)
2*2aq]、亜リン酸アルミニウム四水和物[Al
2(HPO
3)
3*4aq]、ホスホン酸アルミニウム、Al
7(HPO
3)
9(OH)
6(1,6−ヘキサンジアミン)
1.5*12H
2O、Al
2(HPO
3)
3*xAl
2O
3*nH
2O、ここでx=2.27
〜1であり、および/または
Al4H6P16O18であることもまた好ましい。
【0034】
成分Cの平均粒子径は0.2〜100μmであることが好ましい。
【0035】
強化フィラーはガラス繊維であることが好ましい。
【0036】
成分Eは、芳香族ジ−またはトリカルボン酸(エステル)アミドの誘導体であることが好ましい。
【0037】
成分Eとしては、N,N’−ビスピペリジニル−1,3−ベンゼンジカルボキシアミドおよび/またはN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル4−ピペリジニル)−1,3−ベンゼンジカルボキシアミドであることが特に好ましい。
【0038】
亜ホスホン酸塩(成分F)としては、下記の一般構造のものが好ましく、
R−[P(OR
1)
2]
m (IV)
ここで、
Rは、モノ−もしくは多価の脂肪族、芳香族、またはヘテロ芳香族有機部分であり、かつ、
R
1は、構造(V)のシステムであるか、
【化2】
または、二つのR
1が構造(VI)の架橋原子団を形成し、
【化3】
ここで、
Aは、直接結合、O、S、C
1−C
18−アルキレン(直鎖もしくは分岐鎖の)またはC
1−C
18−アルキリデン(直鎖もしくは分岐鎖の)であり、
ここで、
R
2は、互いに独立してC
1−C
12−アルキル(直鎖もしくは分岐鎖の)、C
1−C
12−アルコキシ、および/またはC
5−C
12−シクロアルキルであり、かつ、nは0〜5であり、mは1〜4である。
【0039】
好ましくは、成分Gは、14〜40の炭素原子を有する長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、および/または亜鉛塩、および/または、14〜40の炭素原子を有する長鎖脂肪酸と多価アルコール、例えば、エチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、および/またはペンタエリスリトールとの反応生成物である。
【0040】
さらに、本発明は、請求項1〜23の一つかそれ以上に請求される難燃性ポリアミド組成物を含む3次元の品目を提供し、当該品目としては、成形品、射出成形部品、押出し組成物、押出し部品である。
【0041】
驚くべきことに、本発明の難燃性ポリアミド組成物は、改善された熱および加水分解安定性と合わせて良好な難燃性効果を有する。カルボン酸エステルアミドを添加することにより加工処理を改善する。ポリマー分解は防止されるか、大幅に減少し、そして、堆積と風解も生じない。さらに、本発明の難燃性ポリアミド組成物は、溶融中の工程において僅かな変色しか示さない。
【0042】
本発明において、組成物は少なくとも一つの熱可塑性ポリアミドを、成分Aとして含有する。
【0043】
Hans Domininghaus in “Die Kunststoffe und ihre Eigenschaften” [Plastics and their properties], 5th edition (1998), p. 14によれば、熱可塑性ポリアミドの分子鎖は、側部分岐がなく、または、その長さと数が変化する側部分岐のないポリアミドであり;これらのポリアミドは、熱した場合に軟化し、ほとんど制限のない成形性を有する。
【0044】
本発明において好ましいポリアミドは様々な加工処理により製造することができ、そして、あらゆる特定の用途に合わせて、多くの構造単位から合成することができ、そして、単独で、もしくは加工助剤もしくは安定剤、さらにポリマー性合金パートナー、と組み合わせて加工処理することができ、特に調整された特性の組合せを有する材料を提供できる。他の適切な材料としては、他のポリマー成分、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ABSとのブレンドであり、ここで、任意に、一つまたは二つ以上の相溶化剤を使用することができる。特に強化ポリアミドの場合、ポリアミドの特性は、例えば、耐衝撃性に関して、エラストマーの添加で改善することができる。多くの可能な組合せにより、多くの非常に優れた特性を有する非常に多くの製品を提供することができる。
【0045】
多くのモノマー単位、所望の分子量を調整するための連鎖調整剤、または、所望の最終製品により必要とされる意図する処理後の処理のための反応性基を有するモノマーを使用するポリアミドの製造のための既知の手順がある。
【0046】
ポリアミドの製造のための工業的に十分な工程の多くは、溶融物中の重縮合を進める。ここで、ラクタムの加水分解重合もまた、重縮合として認識される。
【0047】
成分Aとしては、半結晶性であり、ジアミンおよびジカルボン酸および/または少なくとも5員環を有するラクタムから出発し製造することができるポリアミド、または対応するアミノ酸を使用することが好ましい。
【0048】
使用することができる出発材料としては、脂肪族および/または芳香族ジカルボン酸、好ましくは、アジピン酸、2,2,4−および2,4,4−トリメチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、脂肪族および/または芳香族ジアミン、好ましくは、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,9ノナンジアミン、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、異性体ジアミノジシクロヘキシルメタン、ジアミノジシクロヘキシルプロパン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、アミノカルボン酸、好ましくは、アミノカプロン酸、または対応するラクタムである。示した複数のモノマーから製造されたコポリアミドを含む。カプロラクタムを使用することが特に好ましく、[イプシロン]−カプロラクタムを使用することが特に好ましい。
【0049】
さらに、特に好ましい材料としては、PA6、PA66および脂肪族および/または芳香族ポリアミド、並びにコポリアミドをベースとした材料の多くであり、ポリマー鎖中において各ポリアミド基に対して3〜11のメチレン基を有するものである。
【0050】
ポリアミドおよびコポリアミドは、ポリアミド12、ポリアミド4、ポリアミド4,6、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,9、ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6/6,6、ポリアミド7,7、ポリアミド8,8、ポリアミド9,9、ポリアミド10,9、ポリアミド10,10、ポリアミド11、ポリアミド12である。これらは以下の商標として既知である、Nylon(登録商標)、DuPont、Ultramid(登録商標)、BASF、Akulon(登録商標) K122、DSM、Zytel(登録商標) 7301、DuPont;Durethan(登録商標) B29、BayerおよびGrillamid(登録商標)、Ems Chemie。
【0051】
他の好ましい適切な材料としては、m−キシレン、ジアミン、およびアジピン酸由来の芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミンおよびイソ−および/またはテレフタル酸および任意に調整剤としてのエラストマーから製造されるポリアミド、例えば、ポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド、上記ポリアミドと、ポリオレフィンとの、オレフィンコポリマーとの、アイオノマーとの、または、化学的に結合またはグラフト化したエラストマーとの、または、ポリエーテルとの、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマーである。EPDM−もしくはABS−修飾ポリアミドまたはコポリアミドも、また安定であり;処理中に縮合されたポリアミドもある(「RIMポリアミドシステム」)。
【0052】
好ましい実施形態例において、本発明の組成物は、本発明に使用される熱可塑性ポリアミドと共に、少なくとも一つの他の熱可塑性ポリマー、特に好ましくは、少なくとも一つの他のポリアミドを含む。
【0053】
好ましい脂肪族ポリアミドとしては、特に、PA6、PA66、PA6T/66、およびPA6T/6である。特に好ましいポリアミド66およびポリアミド6の混合物として、各々ポリアミドの総量をベースとして、ポリアミド66が>50%であり、ポリアミド6が<50%であることが好ましく、ポリアミド6が<25%であることが特に好ましい。
【0054】
また、ポリアミド6,6および一つまたは二つ以上の半芳香族、アモルファスポリアミドとのブレンドもまた好ましい。
【0055】
好ましい一実施形態例において、熱可塑性ポリアミドに加えて、付加的に、既知の添加剤、特に、離型剤、安定剤、および/または流動補助剤を、溶融中で混合するか、または、使用するポリマーの表面に塗布する。成分Aの熱可塑性ポリアミドのための出発材料は、合成、例えば、石油化学原料由来とすることができ、および/または、再生原料から化学的または生化学的処理によりものとすることができる。
【0056】
ここに具体的に示さない他の難燃剤および難燃相乗剤を使用することもできる。特に、窒素含有難燃剤、例えば、メラミンシアヌレート、縮合メラミン(メレム、メロン)、またはメラミンフォスフェイトおよびメラミンポリフォスフェイトを添加することができる。さらに、他のリン難燃剤、例えば、アリールフォスフェイト、赤リン、またはホスファゼンも使用することができる。さらに、脂肪族および芳香族スルホン酸の塩、ならびに無機難燃剤添加物、例えば、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウム、およびCaMg炭酸水和物を使用することもできる(例えば、独国特許第4236122A号)。さらに、酸素−、窒素−、または硫黄含有金属化合物の群からの難燃性相乗剤を使用することもでき、好ましくは、酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、硫化亜鉛、酸化モリブデン、二酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、窒化チタン、窒化ホウ素、窒化マグネシウム、窒化亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、またはこれらの混合物である。
【0057】
好ましく適した他の難燃性添加剤としては、炭化剤、特に好ましくはフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリカーボネイト、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、および、さらに、ドリップ防止剤、特に、テトラフルオロエチレンポリマーである。
【0058】
難燃剤は、純粋な形態で添加することができ、また、マスターバッチ、圧縮剤の形でも添加できる。
【0059】
成分Bは、ジエチルホスフィン酸アルミニウム塩もしくは亜鉛塩が好ましい。
【0060】
式(I)の亜リン酸アルミニウムにおいて、qは0.01〜0.1であることが好ましい。
【0061】
式(II)の亜リン酸アルミニウムにおいて、zは0.15〜0.4;は2.80〜3;vは0.1〜0.4であり、wは、0.01〜0.1であることが好ましい。
【0062】
式(III)の亜リン酸アルミニウムにおいて、uは2.834〜2.99;tは0.332〜0.03であり、sは0.01〜0.1であることが好ましい。
【0063】
他の好ましい実施形態例において、本発明の難燃性ポリアミド組成物は、少なくとも一つのフィラーおよび/または強化材を成分Dとして含有する。
【0064】
好ましくはタルク、マイカ、シリケート、石英、二酸化チタニウム、珪灰石、カオリン、非晶質シリカ、ナノスケール鉱物、特に好ましくは、モンモリロナイトもしくはナノベーマイト、炭酸マグネシウム、チョーク、チョーク、硫酸バリウム、ガラスビーズ、および/または繊維フィラーをベースとした異なる二つかそれ以上のフィラーおよび/または強化材、および/または炭素繊維および/またはガラス繊維強化材をベースとした強化材の混合物を使用することもできる。タルク、マイカ、シリケート、石英、二酸化チタニウム、珪灰石、カオリン、非晶質シリカ、炭酸マグネシウム、チョーク、チョーク、硫酸バリウム、および/またはガラス繊維をベースとした鉱物微粒子フィラーを使用することが好ましい。タルク、珪灰石、カオリン、および/またはガラス繊維、特に好ましくはガラス繊維をベースとした鉱物微粒子フィラーを使用することが好ましい。
【0065】
さらに、また、針状鉱物フィラーを使用することが特に好ましい。本発明においては、用語、針状鉱物フィラーは、非常に明白な針状の特徴を有する鉱物フィラーを意味する。好ましくは、針状珪灰石である。鉱物の長さ:直径比は、2:1〜35:1、特に、3:1〜19:1、特に、4:1〜12:1であることが好ましい。本発明の針状鉱物の平均粒子径は、CILAS粒度分析の測定において、20μm未満、特に15μm未満、特に10μm未満であることが好ましい。
【0066】
ある好ましい実施形態例においては、フィラーおよび/または強化材、特に好ましくはシランである、カップリング剤またはカップリング剤系で表面修飾されることが好ましい。しかしながら、前処理は必須ではない。特にガラス繊維を使用する場合、シランに加えて、ポリマー分散剤、フィルム形成剤、漂白剤、および/または、ガラス繊維処理助剤を使用することもできる。
【0067】
繊維径が通常7〜18μm、好ましは9〜15μmである本発明の成分Dとして特に好ましく使用されるガラス繊維は、長フィラメント繊維または短ガラス繊維または粉砕ガラス繊維の形態で添加される。これらの繊維は、適切な大きさの系およびカップリング剤またはカップリング剤系、好ましくはシランにより処理されるとよい。
【0068】
さらに、本発明の組成物は他の添加剤も含むことができる。本発明の目的において好ましい添加剤は、抗酸化剤、UV安定剤、ガンマ線安定剤、加水分解安定剤、帯電防止剤、乳化剤、核形成剤、可塑剤、加工助剤、衝撃改質剤、染料、および顔料である。当該添加剤は、単独でまたは混合物で、またはマスターバッチの形態で使用されることができる。
【0069】
適切な抗酸化剤の例としては、アルキル化モノフェノール、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル6−tert−ブチルフェノール;ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール;トコフェノール、例えば、α−トコフェノール、β−トコフェノール、γ−トコフェノール、d−トコフェノール、およびそれらの混合物(vitamin E);水酸化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド;アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール;O−,N−,およびS−ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル;−ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート;−ヒドロキシベンジル芳香族、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル)−4−ヒドロキシベンジル−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール;トリアジン化合物、例えば、2,4−ビスオクチルメルカプト−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリロ)−1,3,5−トリアジン;ベンジルホスホン酸塩、例えば、ジメチル2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸塩;アシルアミノフェノール、4−ヒドロキシラウリン酸アミド、4−ヒドロキシステアルアニリド、−オクチルN−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート;β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸とモノ−もしくは多価アルコールとのエステル;β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸とモノ−もしくは多価アルコールとのエステル;β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸とモノ−もしくは多価アルコールとのエステル;3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸とモノ−もしくは多価アルコールとのエステル;β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド,例えば、N,N’ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジンである。
【0070】
立体障害フェノール単独または、亜リン酸塩と組み合わせて使用することが特に好ましく、N,N’−ビス[3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミン(例えば、Irganox(登録商標) 1098、BASF SE製、Ludwigshafen、ドイツ)を使用することが特に好ましい。
【0071】
適切なUV吸収剤および光安定剤の例としては、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクトキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4−トリヒドロキシ、または2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体;
任意に置換された安息香酸エステル、例えば、4−tert−ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート;アクリレート、例えば、エチル/イソオクチルα−シアノ−β、β−ジフェニルアクリレート、メチルαカルボメトキシシンナメート、メチル/ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリンである。
【0072】
使用される好ましい顔料としては、無機顔料、特に二酸化チタン、ウルトラマリンブルー、酸化鉄、硫化亜鉛、またはカーボンブラックであり、そして、さらに、有機顔料、好ましくは、フタロシアニン、キナクリドン、ペリレンであり、また、染料、好ましくは、ニグロシン、およびアントラキノンである。
【0073】
適切なポリアミド安定剤の例としては、ヨウ素および/またはリン化合物と組み合わせた銅の塩:二価マグネシウムの塩もまた適切である。
【0074】
適切な塩基性共安定剤は、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、例えば、ステアリン酸Ca、ステアリン酸Zn、Mgベヘネート、ステアリン酸Mg、リシノール酸Na、パルミチン酸K、アンチモンピロカテコレート、またはスズピロカテコレートである。
【0075】
適切な核形成剤の例としては、4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、およびジフェニル酢酸、酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素、さらに、特に好ましくは、タルク粉末であり、これに限定されない。
【0076】
流動補助剤としては、少なくとも一つのα−オレフィンと、少なくとも一つの脂肪族アルコールのメタクリレートまたはアクリレートのコポリマーが使用されることが好ましい。ここで、特に好ましくは、α−オレフィンがエテンおよび/またはプロペンから成り、メタクリレートまたはアクリレートが、アルコール成分として6〜20の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を有する、コポリマーである。2−エチルヘキシルアクリレートが特に好ましい。本発明の流動補助剤として適切なコポリマーの特徴は、その組成だけでなく、低分子量にもある。すなわち、本発明において、熱分解から保護される組成物のために適切なコポリマーとしては、特に、190℃、負荷2.16kgで測定したMFI値が、少なくとも100g/10分、好ましくは少なくとも150g/10分、特に好ましくは少なくとも300g/10分であるコポリマーである。MFI(メルトフローインデックス)は熱可塑性溶融物の流度を特徴付けるものであり、ISO1133およびASTM D1238の基準による。本発明に目的において、MFIおよびMFIに関する全てのデータは、190℃、試験質量2.16kgにおいてISO 1133をベースとし、かつ/またはそれにより均一に測定/決定したものである。
【0077】
使用される可塑剤としては、好ましくは、ジオクチルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、炭化水素油、および、N−(n−ブチル)ベンゼンスルホンアミドである。
【0078】
さらに、本発明は、製品、好ましくは、本発明の組成物からの、繊維、薄片、または射出成形または押出成形によって得られる成形品を提供する。
【0079】
適切なホスフィン酸塩としては、PCT/WO97/39053に記載されており、引例としてここに組み込まれる。特に好ましいホスフィン酸塩は、ホスフィン酸アルミニウム、ホスフィン酸カルシウム、およびホスフィン酸亜鉛である。
【0080】
亜リン酸(成分C)の好ましい塩は、水に可溶であるか発泡性である塩である。
【0081】
亜リン酸の特に好ましい塩は、アルミニウム、カルシウム、および亜鉛塩である。
【0082】
成分Cは、亜リン酸およびアルミニウム化合物の反応生成物であることが特に好ましい。
【0083】
好ましい亜リン酸アルミニウムとしては以下のCAS番号のものである:15099−32−8、119103−85−4、220689−59−8、56287−23−1、156024−71−4、71449−76−8、および15099−32−8。
【0084】
亜リン酸アルミニウムの粒子径が0.2〜100μmであることが好ましい。
【0085】
好ましい亜リン酸アルミニウムは、20〜200℃で4日までのアルミニウム源とリン源および必要ならテンプレートとの反応経由の生成物である。このために、アルミニウム源およびリン源を1〜4時間混合し、熱水条件または還流下で加熱し、固体を濾過により単離し、洗浄し、例えば110℃で乾燥させる。
【0086】
好ましいアルミニウム源としては、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムニトレート、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム(例えば、プセドベーマイト(pseudoboehmite))である。
【0087】
好ましいリン源としては、亜リン酸、(酸性)亜リン酸アンモニウム、アルカリ金属の亜リン酸塩、またはアルカリ土類金属の亜リン酸塩である。
【0088】
好ましいアルカリ金属亜リン酸塩としては、亜リン酸二ナトリウム、亜リン酸二ナトリウム水和物、トリ亜リン酸ナトリウム、亜リン酸塩水素カリウムである。
【0089】
好ましい亜リン酸二ナトリウム水和物としては、Bruggemannからの(登録商標)Bruggolen H10である。
【0090】
好ましいテンプレートとしては、1,6−ヘキサンジアミン、グアニジンカーボネート、およびアンモニアである。
【0091】
好ましいアルカリ土類金属の亜リン酸塩としては、亜リン酸カルシウムである。
【0092】
ここで、好ましいアルミニウム:リン:溶媒比は、1:1:3.7〜1:2.2:100molである。アルミニウム:テンプレート比は、1:0〜1:17molである。反応溶液の好ましいpHは3〜9である。好ましい溶媒は水である。
【0093】
使用されるホスフィン塩および亜リン酸塩は同じであることが特に好ましく、例えば、ジアルキルホスフィン酸アルミニウムと共に亜リン酸アルミニウムまたは、ジアルキルホスフィン酸亜鉛とともに亜リン酸亜鉛である。
【0094】
成分Gとしては、14〜40個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、および/または亜鉛塩、および/または14〜40個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸と多価アルコールの反応生成物、例えば、エチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、および/またはペンタエリスリトールであることが好ましい。ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、またはステアリン酸亜鉛、またはカルシウムモンタナート(calcium montanate)が特に好ましい。
【0095】
他の難燃剤としては、アリールフォスフェイト、ホスホン酸塩、ジ亜リン酸塩、さらに、または、赤リンが好ましい。
【0096】
亜ホスホン酸塩において以下の部分であることが好ましい:
Rは、C
4−C
18−アルキル(直鎖もしくは分岐鎖)、C
4−C
18−アルキレン(直鎖もしくは分岐鎖の)、C
5−C
12−シクロアルキル、C
5−C
12−シクロアルキレン、C
6−C
24−アリールおよびヘテロアリール、C
6−C
24−アリーレンおよび−ヘテロアリーレン、ここでこれらはさらに置換されてもよく;
R
1は、構造(V)または(VI)の系であり、ここで、
R
2は、互いに独立して、C
1−C
8−アルキル(直鎖もしくは分岐鎖の)、C
1−C
8−アルコキシ、シクロヘキシルであり;
Aは、直接結合、O、C
1−C
8−アルキレン(直鎖もしくは分岐鎖の)、C
1−C
8−アルキリデン(直鎖もしくは分岐鎖の)、かつ
nは、0〜3、かつ
mは、1〜3である。
【0097】
亜ホスホン酸塩において以下の部分であることが特に好ましい:
Rは、シクロヘキシル、フェニル、フェニレン、ビフェニル、およびビフェニレン,
R
1は、構造(V)または(VI)の系であり、ここで、
R
2は、互いに独立して、C
1−C
8−アルキル(直鎖もしくは分岐鎖の)、C
1−C
8−アルコキシ、シクロヘキシル
Aは、直接結合、O、C
1−C
6−アルキリデン(直鎖もしくは分岐鎖の)、かつ
nは、1〜3、かつ
mは、1または2である。
【0098】
上記の特許請求の範囲における化合物の混合物は、さらに式(VII)の亜リン酸塩と組み合わされ請求される
P(OR
1)
3 (VII)
ここでR
1の定義は上記のとおりである。
【0099】
上記特許請求の範囲に基づいて特に好ましい化合物は、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化亜鉛などのフリーデルクラフト(Friedel−Crafts)触媒存在下における、ベンゼン、ビフェニル、もしくはジフェニルエーテルなどの芳香族もしくはヘテロ芳香族と、三ハロゲン化リン、好ましくは三塩化リンとのフリーデルクラフト反応、および、その後のフェノール下層構造(II)および(III)との反応を介して製造される。さらに、ここで表現上含まれる材料は、過剰の三ハロゲン化リン、または上記のフェノールからの反応系列の後に生じた亜リン酸塩との混合物もまた含まれる。
【0100】
この群の化合物において、ここで好ましいのは以下の構造(VIII)および(IX)によるものである:
【化4】
【0101】
ここでnは0または1であり、これらの混合物は、さらに、任意に、化合物(X)および(XI)を任意に含む:
【化5】
【0102】
適切な成分Gとしては、典型的に鎖長がC
14〜C
40である長鎖脂肪族カルボン酸(脂肪酸)の塩またはエステルである。このエステルは、上記のカルボン酸と、通常の多価アルコール、例えば、エチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、もしくはペンタエリスリトールとの反応生成物である。上記のカルボン酸の使用できる塩としては、特に、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、および亜鉛塩である。
【0103】
成分Gは、ステアリン酸の塩、例えば、グリセロールモノステアレートまたはステアリン酸カルシウムであることが好ましい。
【0104】
成分Gは、モンタンワックス酸とエチレングリコールの反応生成物であることが好ましい。
【0105】
前記反応生成物が、エチレングリコールモノ−モンタンワックス酸エステル、エチレングリコールジ−モンタンワックス酸エステル、モンタンワックス酸、およびエチレングリコールの混合物であることが特に好ましい。
【0106】
成分Gは、モンタンワックス酸とカルシム塩の反応生成物であることが好ましい。
【0107】
前記反応生成物が、1,3−ブタンジオールモノ−モンタンワックス酸エステル、1,3−ブタンジオールジ−モンタンワックス酸エステル、モンタンワックス酸、1,3−ブタンジオール、カルシウムモンタナートおよび前記カルシウム塩の混合物であることが特に好ましい。
【0108】
上記の添加剤は、製造方法の非常に多くの工程において樹脂に導入することができる。すなわち、ポリアミドの場合においては、重合/ポリ縮合工程の特に最初における、またはその最後、工程、それに続く配合(コンパウンディング)工程において、溶融物中に添加物を混合することができる。さらに、それに続く工程にまで添加物の添加を遅らせる製造方法もある。この方法は、顔料マスターバッチまたは添加物マスターバッチが使用される場合に特に使われる。さらに、乾燥工程においてその温度が上がる場合において、特に粉状の添加物をポリマーペレットにドラム中で添加できる方法もある。
【0109】
さらに、本発明は、相対的に高い温度において難燃性ポリマー成形品を得るために、(例えば、Arburg Allrounder射出成形機における)射出成形および加圧成形、発泡射出成形、内部ガス圧射出成形、ブロー成形、フィルムキャスチング、カレンダー処理、積層加工、またはコーティングを含む本発明による難燃性ポリマー成形物を含む難燃性ポリマー成形品の製造方法もまた提供する。
【0110】
追加的に、カルボジイミドもまた存在することができる。