(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンピュータによって実行されたときに少なくとも1つのマシニングセンタに所定のオブジェクトを製造するための方法を実行させる命令が格納された非一時的なコンピュータ読取可能な媒体であって、前記方法は、
少なくとも二次元方向に配置された複数の別個の構成要素によって形成された被加工物を前記所定のオブジェクトの最終的な外形に基づいて機械加工することにより、前記被加工物から余材を取り除くステップを含み、前記複数の別個の構成要素は、前記所定のオブジェクトの最終的な外形に基づいて選択され、かつ前記所定のオブジェクトの前記最終的な形状に近づくように配置され、
前記所定のオブジェクトの最終的な外形に基づいて選択された前記複数の別個の構成要素の機械加工された表面の上にまたはこの表面とともに第1の1つの連続面が形成されるように、第1の材料を前記機械加工された被加工物に付加するステップと、
前記被加工物の複数の別個の構成要素を、前記複数の別個の構成要素を機械加工する前にベースに固定するステップとをさらに含み、
前記ベースは、前記複数の別個の構成要素を二次元方向に配置する主面と、前記主面よりも高く、かつ、前記複数の別個の構成要素のうちの一部の構成要素の側面の少なくとも一部を接触させる縁とを有する、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面において、いくつかの図における同様の参照番号は同一のまたは対応する部分を示す。図面は一般的に、特に指定されない限りまたは概略構造もしくはフローチャートを示す場合以外は、一定の縮尺で描かれている。
【0011】
さらに、「約」、「およそ」、「より少ない」という用語および類似する用語は一般的に、特定された値との誤差が20%、10%または特定の実施形態では好ましくは5%以内の値とその間の値とを含む範囲を意味する。
【0012】
図1Aは、ある実施形態に従う所定のオブジェクトを製造するためのプロセスを示す。所定のオブジェクトは、複数の別個の構成要素を含む被加工物から作成される。複数の別個の構成要素は、所定のオブジェクトの最終的な外形に基づいて選択される。たとえば、所定のオブジェクトの最終的な外形が、ストック内の利用可能な構成要素の大きさに基づいて、複数の別個の構成要素に分割されてもよい。構成要素の選択は、自動で行なわれても手動で行なわれてもよい。
【0013】
ステップS101において、被加工物の複数の別個の構成要素を、予備成形のためにグループ分けする。たとえば、別個の構成要素を、予備成形のためにベースに固定する。別の例では、ベースは不要であり、別個の構成要素を、予備成形のために相互に固定する。これに代えて、所定のオブジェクトの予備形状(すなわち、構成要素の初期配列または所定のオブジェクトに近似するもの)を、ベースに固定したおよび/または相互に固定した別個の構成要素を任意に組合わせたもので形成してもよい。複数の別個の構成要素を、ボルトまたはそれ以外の固定方法等の適切なやり方を用いて、別個の構成要素が所定のオブジェクトの予備形状を形成するように、ベースにまたは相互に固定する。特定の実施形態において、ステップS101は、ブロックの選択およびベースの準備のための1つのサブステップまたはサブステップを組合わせたものを含み得る。
【0014】
ステップS103において、複数の別個の構成要素を、所定のオブジェクトの最終的な外形に基づいて、機械加工する。たとえば、材料除去プロセスを実行することにより、機械加工された表面が所定のオブジェクトの最終的な外形に似たものになるように別個の構成要素のうちの1つ以上をさらに成形する。
【0015】
ステップS105において、第1の材料を被加工物に付加することにより、機械加工された表面のうち1つ以上の表面の上にまたはこの1つ以上の表面とともに(たとえば一緒に)、第1の1つの連続面を形成する。たとえば、第1の材料を、この材料からなる連続層が機械加工された表面を覆うように付加することにより、第1の1つの連続層を形成する。別の例では、第1の材料を、複数の構成要素同士を分離する空間に付加することにより、機械加工された表面がつながって1つの連続面を形成するようにする。その他の実施形態では、機械加工された表面を材料で覆うことと、別々の構成要素間の空間を充填することとを組合わせたものを用いて、第1の1つの連続面を形成する。
【0016】
ステップS107、S109、S111、およびS113は、この製造プロセスの任意のステップである。これらステップのうちの1つ以上は、被加工物の別個の構成要素の総数のうちのサブセットのみがステップS101でグループ分けされる特定の実施形態において、実行される。ステップS107において、1つ以上の構成要素を被加工物に付加するか否か判断する。1つ以上の構成要素を付加すると判断した場合、たとえば、ステップS101に記載されているグループ分けと同様のやり方で、1つ以上の構成要素をステップS109において付加する。この1つ以上の別個の構成要素を、ステップS111において機械加工し、第2の材料を被加工物に付加して、上記1つ以上の構成要素の機械加工された表面のうち少なくとも1つの表面の上にまたはこの表面とともに、場合によっては被加工物の別の表面の上に、第2の1つの連続面を形成する。第2の材料は、ステップS105に関して述べた第1の材料の付加と同様のやり方で付加する。その後このプロセスはステップS107に戻り、1つ以上の付加的な別個の構成要素を付加するか否か判断する。
【0017】
ステップS107における判断が、これ以上構成要素を付加しないことを示す場合、または、ステップS105から直接ステップS115に進む場合、1つ以上の連続面を機械加工することにより、1つ以上の仕上げられた連続面を形成する。たとえば、1つ以上の連続面に対し、後処理機械加工を行なう。
【0018】
特定の実施形態では各機械加工プロセス後に材料を付加する必要がないことがある点に注意する必要がある。たとえば、すべての構成要素またはこれら構成要素のうちの予め定められたサブセットが被加工物に加えられて初めて、材料が付加されてもよい。さらに、後処理を、材料を付加するいずれか1つ以上のステップの後に実行してもよい。
【0019】
上記のように、被加工物は、所定のオブジェクトの最終的な外形を近似するようにグループ分けされた複数の別個の構成要素を含む。特定の実施形態において、被加工物を形成するすべての別個の構成要素をステップS101でグループ分けする。他の実施形態では、被加工物を形成する別個の構成要素の総数のうちのサブセットのみをステップS101でグループ分けする。
図3は、所定のオブジェクトの最終的な外形に実質的に近似する形状を形成するように配置された、被加工物の別個の構成要素の一例を示す。別個の構成要素は、これら構成要素同士の間の空間が最小になるように配置してもよい。
【0020】
さらに、特定の実施形態において、製造プロセスは、この製造プロセス中に一回以上材料を被加工物に付加することによって所定のオブジェクトを形成することを含む。たとえば、付加材料は、ステップS101のグループ分けの前に、その間に、もしくはその後に付加してもよく、または、ステップS103の機械加工の前に、その間に、もしくはその後に付加してもよい。ある実施形態において、別個の構成要素は、枠組み、骨組み、または何らかの支持構造を形成し、これに材料を付加することで、所定のオブジェクトを形成することができる。
【0021】
図1Bは、ある実施形態に従うダイ/モールド製造プロセスを示す。しかしながら、このプロセスは他の種類のオブジェクトの製造に適用できることに注意する。記載されているステップは、代表的なものにすぎず、たとえば
図1Aを参照しながら先に述べたように、必要に応じて並べ替えてもよく、または繰返してもよい。
【0022】
ダイまたはモールドは、所望の形状の中空のキャビティである。ダイまたはモールドは、鋳造または打抜き加工(stamping)等の製造プロセスで使用することができる。鋳造プロセスは、液体材料をモールドに流して固めることを含む。モールドは、同一形状の部品の製造のために再使用される。ダイは打抜き加工のプロセスで使用することができ、このプロセスでは、金属薄板をダイに押付け、この金属の所望の形状が得られるまで高圧を加える。本開示において、「ダイ」および「モールド」という用語は、同義で使用され、同じオブジェクトを意味する。
【0023】
ダイは、典型的には硬化鋼合金のような高強度材料のブロックから製造され、高い機械加工精度を必要とする。製造は、ミーリングおよび穴あけ等の材料除去プロセスを用いて、所望の形状になるように材料を手作業で機械加工することを含み得る。典型的な製造の場合、複雑な形状を作ることは、非常に困難である可能性があり、不正確さをもたらすことがある。複雑な形状およびより高い精度のためには、コンピュータ支援製造(CAM)等の高度な製造プロセスを用いればよい。CAMは、所望の形状の三次元(3D)コンピュータ支援図面(CAD)を作成することと、コンピュータ制御マシンにこの3D図面をプログラミングすることを含む。どちらのプロセスも、大量の材料を除去する必要があり、時間がかかり、精度の点で限界があり、高コストを招き、結果として精度と表面の品質が失われる可能性がある。
【0024】
付加製造は、ミーリング、穴あけ等の材料除去プロセスとは逆に、材料の付加に基づく製造プロセスである。これは3Dプリンティングプロセスと呼ぶこともできる。3Dプリンティングプロセスは、複雑なオブジェクトの製造に使用することができる。最初に、複雑なオブジェクトの3D図面をコンピュータ制御マシンに入力すると、このマシンは、連続する複数の層をなすように材料を堆積させることにより、所望の形状を形成する。付加製造は、製品開発中に、視覚化のために、およびラピッドプロトタイピングのために使用することができる。
【0025】
材料を除去する製造方法および材料を付加する製造方法は、いずれにも長所と短所がある。ダイおよびモールド等の構成品を素早くかつ費用効果高く作成しつつ、製品に必要な精度と正確さを維持する、新しい高度な製造プロセスが必要である。
【0026】
このプロセスは、これから製造するダイまたはモールド等の所定のオブジェクトがたとえばCADソフトウェアを用いて設計され図面が作成されたときに、始まる。ダイ/モールド製造プロセスは、ブロックのようなさまざまな大きさまたは形状の1つ以上の構成要素を組合わせたものから、精密に仕上げられたオブジェクトが得られる、マルチステッププロセスである。
図1Bは、別個の矩形の構成要素であるブロックとの関連で記載されているが、他の種類および形状の構成要素を使用してもよい。ステップS121で、オブジェクトの3D図面を、大きさが異なるブロックに分割することにより、所定のオブジェクトの大まかな形状を作る。大まかな形状は、最終的なオブジェクトの骨組みであってもよい。ほとんどのCADソフトウェアで利用できる単純なメッシュ技術を用いて図面を分割してメッシュ状にしてもよく、さらに、メッシュサイズをストック内の利用可能なブロックの大きさに関連付けてもよい。ブロックの大きさの選択は、所定のオブジェクトの複雑度に応じて、手動で行なっても自動で行なってもよい。特定の実施形態に従うと、ブロックのストック、および、ブロックの材料、大きさ、および形状等の特性は、データベースに保存してもよい。ブロック選択プロセスをさらに改善するために、除去する材料の量、機械加工、および材料の付加のうち1つまたはこれらを組合わせたものを最小にするブロック選択アルゴリズムを規定することによって、生産性を高めることができる。
【0027】
ステップS123において、予備成形のためにブロックを挿入するベースを準備する。特定の実施形態において、ベースは、予備成形を容易にするために高くされた縁を含む。しかしながら、高くされた縁は必須ではなく、ベースはブロックを装着できるのであればどのような形状であってもよい。
【0028】
ベースは、製造する所定のオブジェクトの底部の寸法に基づいて作成または選択される。ベースを準備するプロセスは、必要に応じて、鋳鉄等の適切なベース材料を選択すること、孔を開けること、および機械加工を含み得る。さらに、特定の実施形態では、ベースを
図1Aに示されるステップのうちの1つ以上を用いて作成してもよい。別の実施形態では、ベースを、過去に製造されたダイ/モールドから利用できる標準的な1組のベースから選択してもよい。ベースの再利用は、経済的なだけでなく、時間と資源の節約にもなり、結果として処理時間の短縮およびスループット時間の高速化につながる。
【0029】
必要であれば、ブロックを固定するための孔の位置を、ブロックの大きさに基づいて決定してもよい。これに代えて、ベースおよび/またはブロックを機械加工してスロットを形成することにより、これらの間に固定された接合部を作成してもよい。たとえば、機械加工によってベースに雌スロットを形成しブロックに対応する雄スロットを形成することにより、蟻継ぎを形成してもよい。ある実施形態では、付加製造プロセスを用いて、コネクタを形成するか、そうでなければブロックをベースに固定してもよい。
【0030】
ステップS125において、ステップS121で選択したブロックを、ベースに挿入するか、そうでなければ接触させる。所定の大きさのブロックを正しい場所に挿入する必要がある。この場所は、所定のオブジェクトのメッシュ状の3D図面に従って容易に特定することができる。ブロックが正しい位置に挿入されたら、ステップS127において、これらブロックをベースに固定する。たとえば、ボルト、三角形のスタッドを配置したもの、溶接等を用いて、ブロックをベースに固定してもよい。ある実施形態では、ブロックの側面に追加の孔を開け、隣接するブロック同士を固定して、構造の剛性をさらに高めてもよい。
【0031】
たとえば、
図8はある実施形態に従う2つのブロックの接合を示す。
図8において、向かい合うそれぞれの側面において、ブロック803は孔803aおよび803bを含み、ブロック805は同様の孔を含む。ブロック803とブロック805は、スタッド807および809によって接続される。スタッド807の一部は孔803aの中に入れられその残りの部分はブロック805の対応する孔の中に入れられる。同様に、スタッド809の一部は孔803bの中に入れられその残りの部分はブロック805の対応する孔の中に入れられる。これらの孔は整列ガイドとしての役割も果たし得る。ブロックの側面の孔を開けている間に、ブロックに対して機械加工作業を行なうことにより所望の形状を得ることも考慮する必要がある。
【0032】
すべてのブロックを配置し正しい位置でベースに固定した後、ステップS129において機械加工プロセスを開始することができる。これらのブロックを一体(すなわち被加工物)として機械加工することができる。なぜなら、これらのブロックはオブジェクトの形状に基づいて順序正しくレイアウトされているからである。たとえばコンピュータ数値制御(CNC)マシンを使用するCAMの場合、CNC機械加工プログラムを書込むときに、ブロックの大きさが異なることを考慮する必要がある。この段階において機械加工は最後のものではなく所望の形状に誤りがある場合がある。したがって、ステップS131において機械加工が完了しているか否か判断する。この判断は、得られたオブジェクトの形状と所望のオブジェクトの形状の誤差の量に基づいていてもよい。特定の実施形態において、オブジェクトの寸法はすべて、実際のオブジェクト寸法の0%〜5%分だけ、所望のオブジェクト形状よりも小さくなければならない。これら寸法は、レーザ測定を用いて求めてもよい。
【0033】
生産性を高め製造時間を短縮するために、ある実施形態では、固定具および追加の装置を実装して、ブロック配置ステップS125およびS127と機械加工ステップS129を、同時に実行してもよい。たとえば、3D形状を、独立して製造できる複数の分離形状に分割してもよい。ステップS125およびS127を実行することによって第1の分離形状を作成することができ、機械加工ステップS129を第1の分離形状に対して実行する一方で、第2の分離形状に対するブロック配置ステップS125およびS127を実行することができる。これにより、いずれかの機械加工プロセスを実行する前にすべてのブロックが配置されていた場合不可能であるかもしれないより複雑な形状を製造することもできる。
【0034】
機械加工が完了すると、ステップS135で付加製造プロセスを実行する。付加製造プロセスは、機械加工された表面を覆うことによって1つの表面を作る。特定の実施形態において、付加製造プロセスは、機械加工されたオブジェクトに材料を付加することにより、被加工物に1つ以上の特徴を形成する。ある実施形態において、付加製造プロセスを実行することにより、機械加工されたオブジェクトを所望のオブジェクト形状の寸法通りに構築するか、または、単純に被加工物の表面上に連続層を形成する。レーザ溶接堆積(Laser Welding Deposition)(LWD)、直接エネルギ堆積(Direct Energy Deposition)等、使用し得るいくつかの付加製造プロセスがある。
【0035】
ステップS135において、付加製造プロセスが完了したか否か判断する。幾何学的形状および寸法が、たとえば誤差0%〜2%の範囲で所望のオブジェクトと一致していれば、付加プロセスは完了していると言える。この判断は、レーザ測定に基づいて行なってもよい。さらに、ステップS137において、精度および高い表面仕上げ品質のために仕上げプロセスを実行する。使用する仕上げプロセスは、製造したオブジェクトの表面仕上げ、品質、および正確さを高めるための、バフ磨き、研磨、電解研磨、表面硬化等であってもよい。
図2〜
図5は、ダイ/モールド製造プロセスをステップごとに示す。
【0036】
図2は代表的なベースを示す。ベースは、S123について先に述べたように準備すればよい。上記のように、特定の実施形態において、ベースは、予備成形を容易にするために高くされた縁を含む。ベースは、鋼鉄を含む1つ以上の金属等の剛性材料からなるベース201からなる。ベース201の縁は、ブロックと並ぶように高くされている。ブロックを固定するためにベース201に孔が開けられている。たとえば、孔203、205、207、および209が開けられ、各々が1つずつ、合計4つのブロックを固定する。しかしながら、高くされた縁は必須ではなく、ベースは、ブロックを装着できるのであればどのような形状でもよい。
【0037】
図3は、
図1BのステップS125およびS127に記載されている、ダイ/モールドの大まかな形状をなす、代表的なブロック配列を示す。この大まかな形状は、表面S1a、S2a、S3a、およびS4aからなる段差状構造を有する。大まかな形状は、いくつかの異なる大きさのブロックを用いて作成される。ブロック303aは孔203の上方に配置されボルトでベース201に留められている。上述のように、ブロックは、ロボットを用いて自動的に配置しボルト締めしてもよく、手動で配置しボルト締めしてもよい。ブロック305aは孔205の上方に配置されボルトでベース201に留められている。同様に、ブロック307aおよび309aは孔207および209の上方に配置されボルトでベース201に留められている。残りのブロックも同様にレイアウトされベース201に固定されてもよい。また、ブロックは
図8に示すように互いに固定されてもよい。この場合、いくつかのブロックのみをベースに固定する必要があるであろう、または、ベースがなくてもよい。すべてのブロックがレイアウトされた後、機械加工プロセスが始まる。
【0038】
図4は、
図1BのステップS129に記載されている機械加工プロセスの実行後の代表的なブロック配列を示す。機械加工は表面S1b、S2b、S3b、およびS4bに対して実行される。ブロック303bおよび307bは、機械加工する必要がなかったので、材料の除去も不要であった。ブロック305bおよび309bは機械加工され、余分な材料が除去されて図に示されるような傾斜を有する表面S1bが形成された。同様に、表面S2b、S3b、およびS4bに沿うブロックが機械加工される。ある実施形態において、材料層を付加できるよう、機械加工後の形状の寸法は所望の寸法よりも小さい。
【0039】
機械加工を行なって所望の形状を作っているが、表面は連続していない。機械加工作業が完了すると、付加製造プロセスが開始されて、継ぎ目のない表面を形成するとともに、必要に応じて正確な寸法にする。ある実施形態において、付加製造プロセスは、ブロックの1つ以上の表面上に材料層を堆積させることで、継ぎ目のない表面を形成する。別の実施形態において、付加製造プロセスは、ブロック間の空間を充填することによって継ぎ目のない表面を形成する。特定の実施形態では、層の付加と空間の充填を組合わせたものを用いてもよい。
【0040】
上記プロセスは、ステップを順次実行することに限定されない。S121およびS123またはS125、S127およびS129等の、ステップのうちの一部を、最終製品に影響を与えることなく並列に実行してもよい。
【0041】
図5は、
図1BのステップS133に記載されている付加製造プロセスの完了後の代表的なブロック配列を示す。付加製造プロセスは、S1b、S2b、S3b、およびS4b等の表面に対して実行される。付加製造プロセス中に、ブロック間の隙間が、たとえばレーザ溶接堆積を用いて充填される。
【0042】
特定の実施形態における付加製造プロセスに使用できるレーザ溶接堆積マシンの断面図が
図6に示されている。レーザ溶接堆積マシンは、ミーリングハイブリッドマシニングセンタに組込んでもよく、または、フライス加工マシンとは別に設けてもよい。レーザ溶接堆積マシン構造は円錐ノズル610を含む。円錐ノズル610は、レーザビーム615、金属粉620、およびシールドガス625を被加工物601上に同時に導く別々の孔を含む。ノズルを用いて被加工物601の特定領域を対象にする。レーザ堆積溶接の機能原理は次の通りである。円錐ノズルが処理方向に移動している間に金属粉620が層状に被加工物601に溶着される。レーザビーム615によって被加工物601および金属粉620を局所的に加熱する。レーザビーム615による加熱の影響を受ける被加工物601の部分を希釈ゾーン603と呼ぶ。希釈ゾーン603の中で、金属粉620と被加工物601の溶融プール607が、円錐ノズル610から照射されるレーザビーム615によって作られる。円錐ノズルが処理方向に移動している間に、金属堆積層605が被加工物601の希釈ゾーン603の上面上に作られる。金属堆積層605は継ぎ目なしで被加工物601と一体化される。また、シールドガス625を溶融プール607の上に流すことにより、堆積中の酸化を防ぐ。オブジェクトの所望の寸法が得られるまで、円錐ノズル610を少しずつ垂直方向に移動させることにより、いくつかの金属堆積層605を作ることができる。金属堆積層605を冷却した後に、付加機械加工プロセス(たとえば仕上げプロセス)を実行すればよい。
【0043】
再び
図5を参照すると、ブロック303c、305c、307c、および
図4のブロック309bに相当するブロック(図示せず)はともに溶接することができる。さらに、材料を加えてブロックを組立てて所望の寸法および形状にすることができる。溶接と堆積により、平滑で均一的な表面を作ることができる。しかしながら、特定の実施形態では、仕上げプロセスを実行して最終的な平滑でおよび/または均一的な表面を作る。
【0044】
所定のオブジェクトおよび/またはダイ/モールド製造プロセスは、
図1Aおよび
図1Bに示されるプロセスのうち1つ以上を実現するコントローラをプログラミングすることにより、自動的に実行することができる。コントローラを実現するための、回路を含む代表的なハードウェア構成が、
図7に示されている。このコントローラは、1つ以上の命令を実行することにより上記プロセスのうち1つ以上を行なうCPU700を含む。プロセスデータ(たとえば所定のオブジェクトに関するデータ)および命令は、メモリ702に格納されていてもよい。また、プロセスデータおよび命令は、ハードドライブ(HDD)等の記録媒体ディスク704または可搬型記録媒体に格納されていてもよく、または遠隔で格納されていてもよい。さらに、本発明は、発明のプロセスの命令が格納されるコンピュータ読取可能な媒体の形態によって限定される訳ではない。たとえば、命令は、CD、DVD、フラッシュメモリ、RAM、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、ハードディスク、または、サーバもしくはコンピュータ等の、コンピュータ支援設計ステーションが通信するその他の情報処理装置に格納されていてもよい。
【0045】
さらに、本発明は、CPU700およびMICROSOFT WINDOWS(登録商標)7、UNIX(登録商標)、SOLARIS(登録商標)、LINUX(登録商標)、APPLE MAC OS(登録商標)、および当業者には周知のその他のシステム等のオペレーティングシステムに関連して実行される、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、またはオペレーティングシステムの構成要素、またはその組合わせとして提供されてもよい。
【0046】
CPU700は、XENON、米国インテル社のコアプロセッサ、米国AMD社のOpteronプロセッサ、または、当業者が認識しているであろう他のプロセッサタイプであってもよい。これに代えて、CPU700は、FPGA、ASIC、PLD上で実現されてもよく、または、当業者が認識しているであろう離散論理回路を用いて実現されてもよい。さらに、CPU700は、並列に連携して作業することによって上記発明のプロセスの命令を実行する複数のプロセッサとして実現されてもよい。
【0047】
図7のコントローラはまた、ネットワーク707とのインターフェイスの機能を果たすための、米国インテル社のINTEL(登録商標)イーサネット(登録商標)PROネットワークインターフェイスカード等のネットワークコントローラ706を含む。ネットワーク707は、インターネット等の公衆ネットワークであってもよく、LANもしくはWANネットワーク等の私設ネットワークであってもよく、またはこれらを組合わせたものであってもよく、また、PSTNまたはISDNサブネットワークを含み得ることがわかる。ネットワーク707との接続は、イーサネット(登録商標)ネットワークのように有線であってもよく、または、EDGE、3Gおよび4G無線セルラーシステムを含むセルラーネットワークのように無線であってもよい。無線ネットワークはまた、WIFI(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)であってもよく、または、周知の通信の他の無線形態であってもよい。
【0048】
コントローラはさらに、ヒューレットパッカード社のHPL2445wLCDモニタ等のディスプレイ710とのインターフェイスの機能を果たすための、米国エヌビディア社のNVIDIA(登録商標) GEFORCE GTXまたはQuadroグラフィックスアダプタ等のディスプレイコントローラ708を含む。汎用I/Oインターフェイス712は、キーボードおよび/またはマウス714ならびにディスプレイ710上のもしくはディスプレイ710とは別に設けられたタッチスクリーンパネル716とのインターフェイスの機能を果たす。汎用I/Oインターフェイスは、ヒューレットパッカード社のOFFICEJET(登録商標)またはDESKJET(登録商標)等のプリンタおよびスキャナを含むさまざまな周辺機器718と接続するように構成されている。
【0049】
汎用の記憶コントローラ724は、記録媒体ディスク704を通信バス726と接続する。このバスは、コントローラのすべての構成要素を相互接続するための、ISA、EISA、VESA、PCIまたはこれらと同様のものであればよい。ディスプレイ710、キーボードおよび/またはマウス714、ならびにディスプレイコントローラ708、記憶コントローラ724、ネットワークコントローラ706、およびその他の汎用I/Oインターフェイス712の一般的な特徴および機能についての説明は、これらの特徴は周知であるので、簡略化のために省略する。
【0050】
図9は、別個の構成要素からなる被加工物から所定のオブジェクトを製造するように構成することができる代表的なハイブリッドマシニングセンタのブロック図を示す。ハイブリッドマシニングセンタは、以下のマシン、すなわち、穴あけまたはミーリング等のための材料除去マシン901、構成要素配置ロボット910、および、レーザ溶接堆積等のための付加製造マシン920のうち少なくとも1つを含む。ハイブリッドマシニングセンタは、被加工物900に対するさまざまなマシンによる作業を制御するためのコントローラを含むまたはこのコントローラに接続される。コントローラのハードウェアによる実現の例については先に
図7を参照しながら述べた通りである。
【0051】
材料除去マシン901は、ミーリング工具または穴あけ工具等の適切な工具を装着するための工具ホルダ903を含む。構成要素配置ロボット910は、構成要素を持上げることおよび固定することを可能にする910aおよび910b等のロボットアームを含む。付加製造マシン920は、被加工物900に対して溶接および材料の堆積を行なうための円錐ノズル610を含む。代表的な円錐ノズル610については先に
図6を参照しながら述べた通りである。以下、工具ホルダ903、ロボットアーム910aおよび910b、ならびに円錐ノズル610を、マシンのツーリング要素と呼ぶ。
【0052】
材料除去マシン901、構成要素配置ロボット910、および付加製造マシン920は固定されていてもよく、被加工物をさまざまなマシン間で搬送して最終的な所定のオブジェクトを作成してもよい。たとえば、被加工物900を、コンベアベルトを介してあるマシンから別のマシンに移動させてもよい。これに代えて、被加工物900は静止状態にしておいて、マシンが被加工物900の上で移動できるようにしてもよい。さらに、コントローラに入力されるプログラミング命令に応じて、3つのマシンを、すべて同時に作動させてもよく、または、順次作動させてもよい。
【0053】
また、この技術が実施される際に上記実施形態に限定されないこと、および、この技術から、さまざまな変形、変化形および代替形を、これらが当該技術の精神および範囲に含まれている限りなし得ることが、理解されるはずである。たとえば、この技術は、ネットワークを介して複数の装置が1つの機能を共有し協調して処理するクラウドコンピューティング用に構築されてもよい。
【0054】
上記開示は以下に示す実施形態も包含する。
(1)所定のオブジェクトを製造するための方法であって、この方法は、所定のオブジェクトの最終的な外形に基づいて、複数の別個の構成要素を含む被加工物を機械加工するステップを含み、複数の別個の構成要素は、所定のオブジェクトの最終的な外形に基づいて選択され、この方法はさらに、所定のオブジェクトの最終的な外形に基づいて選択された複数の別個の構成要素の機械加工された表面の上にまたはこの表面とともに第1の1つの連続面が形成されるように、第1の材料を被加工物に付加するステップを含む。
【0055】
(2)特徴(1)に従う方法であって、第1の1つの連続面を機械加工することにより仕上げられた連続面を形成するステップをさらに含む。
【0056】
(3)特徴(1)または(2)に従う方法であって、被加工物の複数の別個の構成要素を、複数の別個の構成要素を機械加工する前にベースに固定するステップをさらに含む。
【0057】
(4)特徴(1)〜(3)のいずれかに従う方法であって、所定のオブジェクトの最終的な外形を決定するステップと、所定のオブジェクトの、決定した最終的な外形に基づいて、複数の別個の構成要素を選択するステップとをさらに含む。
【0058】
(5)特徴(1)〜(4)のいずれかに従う方法であって、複数の別個の構成要素は、大きさが異なるブロックを含む。
【0059】
(6)特徴(1)〜(5)のいずれかに従う方法であって、機械加工するステップおよび付加するステップは、1台の付加およびミーリング用ハイブリッドマシニングセンタにおいて実行される。
【0060】
(7)特徴(1)〜(6)のいずれかに従う方法であって、被加工物の複数の別個の構成要素を機械加工した後に、別の構成要素を被加工物に付加するステップと、この別の構成要素を機械加工するステップとをさらに含む。
【0061】
(8)コンピュータによって実行されたときに少なくとも1つのマシニングセンタに所定のオブジェクトを製造するための方法を実行させる命令が格納された非一時的なコンピュータ読取可能な媒体であって、この方法は、所定のオブジェクトの最終的な外形に基づいて、複数の別個の構成要素を含む被加工物を機械加工するステップを含み、複数の別個の構成要素は、所定のオブジェクトの最終的な外形に基づいて選択され、この方法はさらに、所定のオブジェクトの最終的な外形に基づいて選択された複数の別個の構成要素の機械加工された表面の上にまたはこの表面とともに第1の1つの連続面が形成されるように、第1の材料を被加工物に付加するステップを含む。
【0062】
(9)特徴(8)に従う非一時的なコンピュータ読取可能な媒体であって、この方法は、第1の1つの連続面を機械加工することにより仕上げられた連続面を形成するステップをさらに含む。
【0063】
(10)特徴(8)または(9)に従う非一時的なコンピュータ読取可能な媒体であって、この方法は、被加工物の複数の別個の構成要素を、複数の別個の構成要素を機械加工する前にベースに固定するステップをさらに含む。
【0064】
(11)特徴(8)〜(10)のいずれかに従う非一時的なコンピュータ読取可能な媒体であって、この方法は、所定のオブジェクトの最終的な外形を決定するステップと、所定のオブジェクトの、決定した最終的な外形に基づいて、複数の別個の構成要素を選択するステップとをさらに含む。
【0065】
(12)特徴(8)〜(11)のいずれかに従う非一時的なコンピュータ読取可能な媒体であって、複数の別個の構成要素は、大きさが異なるブロックを含む。
【0066】
(13)特徴(8)〜(12)のいずれかに従う非一時的なコンピュータ読取可能な媒体であって、機械加工するステップおよび付加するステップは、1台の付加およびミーリング用ハイブリッドマシニングセンタにおいて実行される。
【0067】
(14)特徴(8)〜(13)のいずれかに従う非一時的なコンピュータ読取可能な媒体であって、この方法は、被加工物の複数の別個の構成要素を機械加工した後に、別の構成要素を被加工物に付加するステップと、この別の構成要素を機械加工するステップとをさらに含む。
【0068】
(15)所定のオブジェクトを製造するためのコントローラであって、このコントローラは回路を含み、回路は、材料除去ツールに、所定のオブジェクトの最終的な外形に基づいて、複数の別個の構成要素を含む被加工物の機械加工を実行させるように構成され、複数の別個の構成要素は、所定のオブジェクトの最終的な外形に基づいて選択され、この回路はさらに、材料堆積ツールに、所定のオブジェクトの最終的な外形に基づいて選択された複数の別個の構成要素の機械加工された表面の上にまたはこの表面とともに第1の1つの連続面が形成されるように、第1の材料を被加工物に付加することを実行させるように構成される。
【0069】
(16)特徴(15)に従うコントローラであって、回路はさらに、仕上げツールに、第1の1つの連続面を機械加工することにより仕上げられた連続面を形成することを実行させるように構成される。
【0070】
(17)特徴(15)または(16)に従うコントローラであって、回路はさらに、材料除去ツールを含むマシニングセンタに、被加工物の複数の別個の構成要素を、複数の別個の構成要素を機械加工する前にベースに固定することを実行させるように構成される。
【0071】
(18)特徴(15)〜(17)のいずれかに従うコントローラであって、回路はさらに、所定のオブジェクトの最終的な外形を決定し、所定のオブジェクトの、決定した最終的な外形に基づいて、複数の別個の構成要素を選択するように構成される。
【0072】
(19)特徴(15)〜(18)のいずれかに従うコントローラであって、複数の別個の構成要素は、大きさが異なるブロックを含む。
【0073】
(20)特徴(15)〜(19)のいずれかに従うコントローラであって、回路はさらに、被加工物の複数の別個の構成要素を機械加工した後に、材料除去ツールを含むマシニングセンタに、別の構成要素を被加工物に付加することを実行させ、マシニングセンタに、この別の構成要素を機械加工することを実行させるように構成される。
【0074】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。