(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
成分(C)が、カチオン化ガラクトマンナン、カチオン化デンプン、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-22及びポリクオタニウム-52からなる群より選ばれる1種以上である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の毛髪化粧料キット。
シャンプー組成物中に成分(D)として両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の毛髪化粧料キット。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の毛髪化粧料キットは、以下に示すシャンプー組成物とコンディショナー組成物を備えるものである。
【0015】
●シャンプー組成物
本発明の毛髪化粧料キットにおけるシャンプー組成物は以下の成分(A)及び(B)を含有する。
(A) アニオン性界面活性剤
(B) 疎水性カチオン化セルロース
【0016】
〔成分(A):アニオン性界面活性剤〕
成分(A)のアニオン性界面活性剤としては、硫酸系、スルホン酸系、カルボン酸系のものが好ましく、例えばアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩等の硫酸系アニオン性界面活性剤;スルホコハク酸アルキルエステル塩、スルホコハク酸アルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩等のスルホン酸系アニオン性界面活性剤;高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸又はその塩等のカルボン酸系アニオン性界面活性剤が挙げられる。中でも速い泡立ちと良好な泡の感触を両立する観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩が好ましく、更には次の一般式(1)又は(2)で表されるものが好ましい。
RO(CH
2CH
2O)
nSO
3-M
+ (1)
ROSO
3-M
+ (2)
〔式中、Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、M
+はアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム由来のカチオンを示し、nはモル平均で1〜5の数を示す。〕
【0017】
この中でも、速い泡立ちと良好な泡の感触を両立する観点から、一般式(1)中のRが炭素数10〜14のアルキル基、nがモル平均で好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2、M
+がアンモニウム又はナトリウム由来のカチオンであるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。
【0018】
成分(A)のアニオン性界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、シャンプー組成物中における含有量は、良好な泡立ちと洗いやすさの観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
【0019】
〔成分(B):疎水性カチオン化セルロース〕
成分(B)の疎水性カチオン化セルロースとしては、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-67、ポリクオタニウム-72等の疎水性カチオン化ヒドロキシエチルセルロースのほか、疎水性カチオン化ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
【0020】
疎水性カチオン化ヒドロキシエチルセルロースとしては、下記一般式(3)で表されるアンヒドログルコース由来の主鎖を有し、かつ該アンヒドログルコース単位あたりのカチオン化エチレンオキシ基の平均モル数が好ましくは0.01〜3.0であり、エチレンオキシ基の平均モル数が好ましくは0.5〜4.0であるものが挙げられる。
【0022】
〔式中、R
1、R
2及びR
3は、それぞれ独立に下記一般式(4-1)又は(4-2)で表されるカチオン化エチレンオキシ基とエチレンオキシ基を有する置換基を示し、aはアンヒドログルコースの平均重合度であって好ましくは50〜10000の数を示す。〕
【0023】
一般式(3)におけるR
1、R
2及びR
3は、一般式(4-1)又は(4-2)で表される置換基であり、同一であっても異なっていてもよい。また、a個のR
1、a個のR
2、a個のR
3は、それぞれ同一であっても異なってもよい。
【0025】
〔式中、Y
1及びY
2は、一方が水素原子であり、他方が下記一般式(5)で表されるカチオン性基を示す。一般式(3)中に、複数の一般式(4-1)又は(4-2)で表される置換基が存在する場合、該置換基間においてY
1及びY
2はそれぞれ異なっていてもよい。pは一般式(4-1)又は(4-2)中に含まれるエチレンオキシ基の数、qは一般式(4-1)又は(4-2)中に含まれるカチオン化エチレンオキシ基(−CH(Y
1)−CH(Y
2)−O−)の数であって、それぞれ0又は正の整数である。ただし、a個のR
1、a個のR
2及びa個のR
3における全てのp及びqが同時に0となることはない。また、p及びqの両方が0でない場合、カチオン化エチレンオキシ基とエチレンオキシ基の付加順序は問わず、更にp及びqの両方が0でなくp及びqのいずれか一方又は両方が2以上である場合、ブロック結合及びランダム結合のいずれであってもよい。分子内に複数の一般式(4)で表される置換基が存在する場合、該置換基間においてp、qの値はそれぞれ異なっていてよいが、そのうち少なくとも1つはqが1以上である。〕
【0027】
〔式中、R
4〜R
6はそれぞれ独立に炭素数1〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、X
-はアニオン性基を示す。ただし、分子内に存在する全てのR
6のうち少なくとも1つは炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。〕
【0028】
一般式(5)において、R
4〜R
6としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-テトラデシル基、n-ヘキサデシル基、n-オクタデシル基が挙げられる。R
4及びR
5としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基が好ましく、メチル基がより好ましい。R
6としては、メチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基が好ましく、メチル基、n-ドデシル基がより好ましい。
【0029】
一般式(5)において、X
-はアンモニウムの対イオンであるアニオン性基であり、その具体例としてはアルキル硫酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、アルキル炭酸イオン、ハロゲン化物イオンが挙げられる。これらのうち、製造の容易さの観点から、ハロゲン化物イオンが好ましい。ハロゲン化物イオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンが挙げられるが、塩化物イオン、臭化物イオンが好ましく、塩化物イオンがより好ましい。
【0030】
このような疎水性カチオン化ヒドロキシエチルセルロースとしては、ポリクオタニウム-67が挙げられる。市販品としては、ソフトキャットSL-100、ソフトキャットSL-5、ソフトキャットSL-30、ソフトキャットSL-60(以上、ダウケミカル社製)が挙げられる。
【0031】
疎水性カチオン化ヒドロキシプロピルセルロースとしては、下記一般式(6)で表されるアンヒドログルコース由来の主鎖を有し、かつ該アンヒドログルコース単位あたりのカチオン化エチレンオキシ基の平均モル数が好ましくは0.01〜2.9であり、プロピレンオキシ基の平均モル数が好ましくは0.1〜4.0であるものが挙げられる。
【0033】
〔式中、R
7、R
8及びR
9は、それぞれ独立下記一般式(7-1)又は(7-2)で表されるカチオン化エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基を有する置換基であり、bはアンヒドログルコースの平均重合度であって好ましくは50〜5000の数を示す。〕
【0034】
一般式(6)におけるR
7、R
8及びR
9は、下記一般式(7-1)又は(7-2)で表される置換基であり、同一であっても異なっていてもよい。また、b個のR
7、b個のR
8、b個のR
9は、それぞれ同一であっても異なってもよい。
【0036】
〔式中、Y
3及びY
4は、一方が水素原子であり、他方が下記一般式(8)で表されるカチオン性基を示す。一般式(6)中に、複数の一般式(7-1)又は(7-2)で表される置換基が存在する場合、該置換基間においてY
3及びY
4はそれぞれ異なっていてもよい。POはプロピレンオキシ基を示す。sは一般式(7-1)又は(7-2)中に含まれるプロピレンオキシ基の数、rは上記一般式(7-1)又は(7-2)中に含まれるカチオン化エチレンオキシ基(−CH(Y
3)−CH(Y
4)−O−)の数であって、それぞれ0又は正の整数である。ただし、b個のR
7、b個のR
8及びb個のR
9における全てのr及びsが同時に0となることはない。また、r及びsの両方が0でない場合、カチオン化エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基の付加順序は問わず、更にr及びsの両方が0でなくr及びsのいずれか一方又は両方が2以上である場合、ブロック結合及びランダム結合のいずれであってもよい。分子内に複数の一般式(7-1)又は(7-2)で表される置換基が存在する場合、該置換基間においてr、sの値はそれぞれ異なっていてよいが、そのうち少なくとも1つはrが1以上である。〕
【0038】
一般式(8)において、R
10、R
11及びR
12は、それぞれ独立に炭素数1〜3の直鎖又は分岐のアルキル基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。これらのうち、一般式(7-1)及び(7-2)中のY
3及びY
4のいずれについても、上記一般式(8)において、R
10、R
11及びR
12が、それぞれ独立にメチル基又はエチル基であることが好ましく、いずれもメチル基であることが更に好ましい。
【0039】
また、一般式(8)において、Z
-はアンモニウムの対イオンであるアニオン性基であり、その具体例としては一般式(5)と同様のアニオン性基が挙げられる。
【0040】
成分(B)の疎水性カチオン化セルロースは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、シャンプー組成物中における含有量は、シャンプーすすぎ時の滑らかな感触、乾燥時のばらけ易さ、及び乾燥後の毛髪の立ち上がり性の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.08質量%以上、更に好ましくは0.10質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下である。
【0041】
〔成分(C):成分(B)以外のカチオン性ポリマー〕
シャンプー組成物には、シャンプーすすぎ時の滑らかな感触と乾燥時のばらけ易さをより向上させるため、更に成分(C)として、成分(B)以外のカチオン性ポリマーを含有させることができる。
【0042】
成分(B)以外のカチオン性ポリマーとしては、カチオン化グアーガム(例えば、ソルベイ社製のジャガーC14やジャガーC17)、カチオン化タラガム(例えば、東邦化学社製のカチナールCT-100)、カチオン化ローカストビーンガム(ローカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;例えば、東邦化学社製のカチナールCLB-100)、カチオン化フェヌグリークガム(例えば、東邦化学社製のカチナールCF-100)等のカチオン化ガラクトマンナンのほか、カチオン化キサンタンガム、成分(B)以外のカチオン化セルロース(例えばポリクオタニウム-10;例えば、花王社製のポイズC-60H、ポイズC-80M、ポイズC-150L)、カチオン化デンプン、ジアリルジメチル四級アンモニウム塩のホモポリマー(ポリクオタニウム-6;例えば、ルーブリゾール社製のマーコート100)、ジアリルジメチル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物(ポリクオタニウム-7;例えば、ルーブリゾール社製のマーコート550、マーコートプラス2200)、ジアリルジメチル四級アンモニウム塩/アクリル酸共重合物(ポリクオタニウム-22;例えば、ルーブリゾール社製のマーコート280)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体(ポリクオタニウム-52;例えば、花王社製のソフケアKG-101E、ソフケアKG-301W)、四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体(ポリクオタニウム-4;例えば、アクゾノーベル社製のセルコートL200)、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(ポリクオタニウム-11;例えば、アシュランド社製のガフカット755)、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体(例えば、アシュランド社製のコポリマー845、937、958)、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体(アシュランド社製のガフカットHS-100)、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体(米国サンドス社製カルタレチン)、特開昭53-139734号公報、特開昭60-36407号公報に記載されているカチオン性ポリマー等が挙げられる。
【0043】
中でも、毛髪適用時、すすぎ時及び乾燥後の滑らかさを向上させる観点、ならびに、シャンプー組成物中での安定性の観点から、カチオン化ガラクトマンナン、カチオン化デンプン、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-22及びポリクオタニウム-52が好ましい。これら成分(B)以外のカチオン性ポリマーは、いずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0044】
成分(C)のカチオン性ポリマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、シャンプー組成物中における含有量は、シャンプーすすぎ時の滑らかな感触、及び乾燥時のばらけ易さの観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.10質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下である。
【0045】
シャンプー組成物中における成分(C)に対する成分(B)の質量比(B)/(C)は、シャンプーすすぎ時の滑らかな感触、及び乾燥後のばらけ易さの観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.30以上であり、また、好ましくは100以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、更に好ましくは3以下、更に好ましくは1以下である。
【0046】
〔成分(D):両性界面活性剤/非イオン界面活性剤〕
シャンプー組成物には、シャンプーすすぎ時の滑らかな感触、乾燥時のばらけ易さ、及び乾燥後の毛髪の立ち上がり性の観点から、更に両性界面活性剤及び非イオン界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有させることができる。両性界面活性剤としては、炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基又はアシル基を有するカルボベタイン系、アミドベタイン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、アミドスルホベタイン系、ホスホベタイン系、イミダゾリニウム系の界面活性剤が挙げられ、なかでもカルボベタイン系界面活性剤、スルホベタイン系界面活性剤が好ましい。好ましい両性界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。両性界面活性剤は二種以上を併用することもできる。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルサッカライド、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド、アルキルグリセリルエーテル、アルケニルグリセリルエーテル等が挙げられる。なかでもシャンプー時の泡のすべり、泡のきめ細かさの観点から、高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミドが好ましい。
【0047】
成分(D)の両性界面活性剤及び非イオン界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、シャンプー組成物中における含有量は、シャンプー時の泡質、泡量の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下、更に好ましくは4質量%以下である。
【0048】
〔水〕
シャンプー組成物は、媒体として水を含有する。水は、成分(A)及び(B)並びにその他の成分の残量となる。
【0049】
シャンプー組成物には、更に、シャンプーに一般に使用されるその他の成分を、目的に応じて配合することができる。例えば、成分(A)及び成分(D)以外の界面活性剤;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン等の多価アルコール類;ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン類;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ剤;pH調整剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;ユーカリの極性溶媒抽出物、真珠層を有する貝殻又は真珠から得られる蛋白質又はその加水分解物、シルクから得られる蛋白質又はその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、ツバキ抽出物、アロエ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類;雲母チタン等のパール粉体;香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ(ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS))に記載されている成分等が挙げられる。
【0050】
●コンディショナー組成物
本発明の毛髪化粧料キットにおけるコンディショナー組成物は以下の成分(a)〜(c)を含有する。
(a) カチオン性界面活性剤
(b) 高級アルコール
(c) 芳香族スルホン酸若しくはその塩、又は水不溶性粒子
【0051】
〔成分(a):カチオン性界面活性剤〕
成分(a)のカチオン性界面活性剤としては、例えば、(i)アルキルトリメチルアンモニウム塩、(ii)アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、(iii)ジアルキルジメチルアンモニウム塩、(iv)アルキルジメチルアミン及びその塩、(v)アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、(vi)アルキルアミドアミン及びその塩等が挙げられる。
【0052】
(i)アルキルトリメチルアンモニウム塩
アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば下記一般式(9)で表されるものが挙げられる。
R
13−N
+(CH
3)
3 An
- (9)
〔式中、R
13は炭素数12〜22のアルキル基を示し、An
-は塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;メトサルフェートイオン、エトサルフェートイオン、メトフォスフェートイオン、エトフォスフェートイオン、メトカーボナートイオン等を示す。〕
【0053】
具体的には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェート等が挙げられる。
【0054】
(ii)アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩
アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば下記一般式(10)で表されるものが挙げられる。
R
14−O−R
15−N
+(CH
3)
3 An
- (10)
〔式中、R
14は炭素数12〜22のアルキル基を示し、R
15はヒドロキシ基が置換していてもよいエチレン基又はプロピレン基を示し、An
-は塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;メトサルフェートイオン、エトサルフェートイオン、メトフォスフェートイオン、エトフォスフェートイオン、メトカーボナートイオン等を示す。〕
【0055】
具体的には、ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
【0056】
(iii)ジアルキルジメチルアンモニウム塩
ジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、例えば下記一般式(11)で表されるものが挙げられる。
(R
16)
2N
+(CH
3)
2 An
- (11)
〔式中、R
16はそれぞれ独立して炭素数12〜22のアルキル基を示し、An
-は塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;メトサルフェートイオン、エトサルフェートイオン、メトフォスフェートイオン、エトフォスフェートイオン、メトカーボナートイオン等を示す。〕
【0057】
具体的には、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
【0058】
(iv)アルキルジメチルアミン及びその塩
アルキルジメチルアミンは、酸と反応して4級アンモニウム塩となり、界面活性剤となる。したがって、ここでは、アルキルジメチルアミン及びその塩をカチオン界面活性剤と定義する。また、その含有量は、アルキルジメチルアミンの質量で換算する。アルキルジメチルアミン及びその塩としては、例えば下記一般式(12)で表されるもの及びその塩が挙げられる。
R
17−N(CH
3)
2 (12)
〔式中、R
17は炭素数12〜22のアルキル基を示す。〕
【0059】
塩としては、有機酸又は無機酸による塩が挙げられる。有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸;ポリグルタミン酸等のポリカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸等が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。これらの中で、有機酸が好ましく、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、酸性アミノ酸が好ましく、ジカルボン酸としてはマレイン酸、コハク酸がより好ましい。ヒドロキシカルボン酸としてはグリコール酸、乳酸、リンゴ酸がより好ましい。酸性アミノ酸としてはグルタミン酸がより好ましい。
【0060】
具体的なアルキルジメチルアミン及びその塩としては、N,N-ジメチルベヘニルアミン、N,N-ジメチルステアリルアミン及びそれらの有機酸塩が挙げられ、N,N-ジメチルベヘニルアミンの乳酸塩、N,N-ジメチルステアリルアミンの乳酸塩等が好ましい。
【0061】
(v)アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩
アルコキシアルキルジメチルアミンは、酸と反応して4級アンモニウム塩となり、界面活性剤となる。したがって、ここでは、アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩をカチオン界面活性剤と定義する。また、その含有量は、アルコキシアルキルジメチルアミンの質量で換算する。アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩としては、例えば下記一般式(13)で表されるもの及びその塩が挙げられる。
R
18−O−R
19−N(CH
3)
2 (13)
〔式中、R
18は炭素素数12〜22のアルキル基を示し、R
19はヒドロキシ基が置換していてもよいエチレン基又はプロピレン基を示す。〕
【0062】
塩としては、有機酸又は無機酸による塩が挙げられる。有機酸又は無機酸としては前述の一般式(12)で表されるアルキルアルキルジメチルアミンの中和に用いられる有機酸又は無機酸が挙げられる。
【0063】
具体的なアルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩としては、N,N-ジメチル-3-ヘキサデシルオキシプロピルアミン、N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシプロピルアミン及びそれらの有機酸塩が挙げられ、N,N-ジメチル-3-ヘキサデシルオキシプロピルアミンの乳酸塩、N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシプロピルアミンのグリコール酸塩が好ましい。
【0064】
(vi)アルキルアミドアミン及びその塩
アルキルアミドアミンは、酸と反応して4級アンモニウム塩となり、界面活性剤となる。したがって、ここでは、アルキルアミドアミン及びその塩をカチオン界面活性剤と定義する。また、その含有量は、アルキルアミドアミンの質量で換算する。アルキルアミドアミン及びその塩としては、例えば下記一般式(14)で表されるもの及びその塩が挙げられる。
R
20−CONH−(CH
2)
t−N(CH
3)
2 (14)
〔式中、R
20は炭素数12〜22のアルキル基を示し、tは2〜4の数を示す。〕
【0065】
これらの中で、R
20が炭素数14〜22のアルキル基であるものが好ましい。
塩としては、有機酸又は無機酸による塩が挙げられる。有機酸又は無機酸としては前述の一般式(12)で表されるアルキルジメチルアミンの中和に用いられる有機酸又は無機酸が挙げられる。
【0066】
具体的なアルキルアミドアミン及びその塩としては、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド及びその塩、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド及びその塩が挙げられる。
【0067】
これらの中で、(i)アルキルトリメチルアンモニウム塩、(ii)アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、(v)アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、(vi)アルキルアミドアミン及びその塩が好ましく、乾燥したと感じるまでの時間の短さの観点から、(i)アルキルトリメチルアンモニウム塩、(v)アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、(vi)アルキルアミドアミン及びその塩が好ましい。更には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、N,N-ジメチル-3-ヘキサデシルオキシプロピルアミン及びその塩、N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシプロピルアミン及びその塩、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド及びその塩、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド及びその塩が好ましい。
【0068】
成分(a)のカチオン性界面活性剤は、いずれか1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。コンディショナー組成物中における成分(a)の含有量は、コンディショナー使用時の滑らかな感触、乾燥後のばらけ易さ、及び乾燥後の毛髪の立ち上がり性の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
【0069】
〔成分(b):高級アルコール〕
成分(b)の高級アルコールとしては、直鎖及び分岐鎖、また飽和及び不飽和のいずれの脂肪族アルコールでもよく、その炭素数は、好ましくは10以上、より好ましくは14以上、更に好ましくは16以上であり、また、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。具体的にはラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-オクチルドデカノール等が挙げられる。これらのうち、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコールが好ましい。これらの高級アルコールは、いずれか1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0070】
コンディショナー組成物中における成分(b)の含有量は、コンディショナー使用時の滑らかな感触、乾燥後のばらけ易さ、及び乾燥後の毛髪の立ち上がり性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である。
【0071】
〔成分(c):芳香族スルホン酸若しくはその塩、又は水不溶性粒子〕
成分(c)のうち、芳香族スルホン酸又はその塩は、成分(a)のカチオン性界面活性剤と共に結晶性のコンプレックスを形成し、これが毛髪間のスペーサーとなって乾燥時に毛髪をばらけ易くし、乾燥後の毛髪の立ち上がり性を向上させる機能を有する。芳香族スルホン酸又はその塩としては、例えばナフタレンスルホン酸類、アズレンスルホン酸類、ベンゾフェノンスルホン酸類、ベンゼンスルホン酸類等が挙げられる。成分(c)は分子量が300以下であることが好ましい。
【0072】
ナフタレンスルホン酸類としては、例えば下記一般式(15)で表される化合物が挙げられる。
【0074】
〔式中、A
1〜A
8のうち1以上はスルホ基又はその塩を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アルキル基、アルケニル基、低級アルコキシ基、ホルミル基、アシル基、置換基を有していてもよいフェニルアゾ基又は−N(R')(R'')(R'及びR''は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、フェニル基、ベンジル基又はアシル基)を示す。〕
【0075】
このナフタレンスルホン酸類の具体例としては、1-又は2-ナフタレンスルホン酸(α-又はβ-ナフタレンスルホン酸)、2,7-ナフタレンジスルホン酸、1,5-ナフタレンジスルホン酸、2,6-ナフタレンジスルホン酸、1,3,6-ナフタレントリスルホン酸、1-ナフトール-2-スルホン酸、1-ナフトール-4-スルホン酸、2-ナフトール-6-スルホン酸、2-ナフトール-7-スルホン酸、1-ナフトール-3,6-ジスルホン酸、2-ナフトール-3,6-ジスルホン酸、2-ナフトール-6,8-ジスルホン酸、2,3-ジヒドロキシナフタレン-6-スルホン酸、1,7-ジヒドロキシナフタレン-3-スルホン酸、クロモトロープ酸(4,5-ジヒドロキシナフタレン-2,7-ジスルホン酸)、3,6-ジヒドロキシナフタレン-2,7-ジスルホン酸、S酸(1-アミノ-8-ナフトール-4-スルホン酸)、ガンマ酸(2-アミノ-8-ナフトール-6-スルホン酸)、J酸(2-アミノ-5-ナフトール-7-スルホン酸)、H酸(1-アミノ-8-ナフトール-3,6-ジスルホン酸)、7-アミノ-1,3-ナフタレンジスルホン酸、1-アミノ-2-ナフトール-4-スルホン酸、1-ナフチルアミン-4-スルホン酸、ブロエナーズ酸(2-ナフチルアミン-6-スルホン酸)、クレーブズ酸(1-ナフチルアミン-7-スルホン酸)、2-ナフチルアミン-1-スルホン酸、1-ナフチルアミン-6-スルホン酸、1-ナフチルアミン-8-スルホン酸、4-アミノ-5-ヒドロキシ-8-フェニルアゾ-2,7-ナフタレンジスルホン酸、4-アミノ-8-(4-カルボキシフェニルアゾ)-5-ヒドロキシ-2,7-ナフタレンジスルホン酸、6-アミノ-4-ヒドロキシ-3-フニルアゾ-2-ナフタレンスルホン酸、4-アミノ-8-(4-カルボキシフェニルアゾ)-5-ヒドロキシ-1-ナフタレンスルホン酸、7-アミノ-4-ヒドロキシ-1-フェニルアゾ-2-ナフタレンスルホン酸、8-アミノ-5-(4-カルボキシフェニルアゾ)-2-ナフタレンスルホン酸、4-アミノ-3-(4-カルボキシフェニルアゾ)-5-ヒドロキシ-1-ナフタレンスルホン酸、6-アミノ-4-ヒドロキシ-5-フェニルアゾ-2-ナフタレンスルホン酸、2,7-ジアミノ-1-ナフトール-3-スルホン酸、7,8-ジアミノ-1-ナフトール-3-スルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物(重量平均縮合度2〜100)、6-メチル-2-ナフタレンスルホン酸、4-エチル-1-ナフタレンスルホン酸、5-イソプロピル-1-ナフタレンスルホン酸、5-ブチル-2-ナフタレンスルホン酸及びそれらの塩が挙げられる。
【0076】
アズレンスルホン酸類の具体例としては、例えばグアイアズレンスルホン酸、1-アズレンスルホン酸、3-アセチル-7-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、3-(2-ヒドロキシエチル)-7-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、3-メチル-7-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、7-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、3-フェニル-6-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、1,4-ジメチル-7-イソプロピル-2-アズレンスルホン酸、4-エトキシ-3-エチル-6-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、1,3-アズレンジスルホン酸、4,6,8-トリメチル-1,3-アズレンジスルホン酸、1,3-ビス(1,1-ジメチルエチル)-5,7-アズレンジスルホン酸、1,3-ビス(1,1-ジメチルエチル)-5-アズレンスルホン酸、3-ホルミル-4,6,8-トリメチル-1-アズレンスルホン酸及びそれらの塩が挙げられる。
【0077】
ベンゾフェノンスルホン酸類としては、例えば下記一般式(16)で表される化合物が挙げられる。
【0079】
〔式中、A
11〜A
20のうち1以上はスルホ基又はその塩を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基又はアシル基を示す。〕
【0080】
このベンゾフェノンスルホン酸類の具体例としては、オキシベンゼンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸、o-クロロベンゾフェノンスルホン酸、p-クロロベンゾフェノンスルホン酸、4,4'-ジクロロベンゾフェノンスルホン酸、2,4'-ジクロロベンゾフェノンスルホン酸、2,4-ジクロロベンゾフェノンスルホン酸、2-ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、4-ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、2-アミノベンゾフェノンスルホン酸、4-アミノベンゾフェノンスルホン酸、2-メチルベンゾフェノンスルホン酸、4-メトキシベンゾフェノンスルホン酸、4,4'-ジメチルベンゾフェノンスルホン酸、4,4'-ジメトキシベンゾフェノンスルホン酸、4-クロロ-4'-ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸及びそれらの塩が挙げられる。
【0081】
ベンゼンスルホン酸類としては、例えば下記一般式(17)で表される化合物が挙げられる。
【0083】
〔式中、A
21〜A
26のうち1以上はスルホ基又はその塩を示し、残余は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕
【0084】
ベンゼンスルホン酸類の具体例としては、ベンゼンスルホン酸、o-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホン酸及びそれらの塩が挙げられる。
【0085】
芳香族スルホン酸としては、乾燥時のばらけ易さの観点から、一般式(15)で表されるナフタレンスルホン酸類、一般式(16)で表されるベンゾフェノンスルホン酸類、一般式(17)で表されるベンゼンスルホン酸類が好ましく、更に、2-ナフタレンスルホン酸(β-ナフタレンスルホン酸)、1-ナフタレンスルホン酸(α-ナフタレンスルホン酸)、オキシベンゼンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸(オキシベンゾン-5)ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンスルホン酸、グアイアズレンスルホン酸、2,7-ナフタレンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物(重量平均縮合度2〜50)、1,5-ナフタレンジスルホン酸、2,6-ナフタレンジスルホン酸、クロモトロープ酸、H酸(1-アミノ-8-ナフトール-3,6-ジスルホン酸)、p-トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びそれらの塩が好ましく、更には2-ナフタレンスルホン酸、1-ナフタレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸(オキシベンゾン-5)及びそれらの塩がより好ましい。中でも2-ナフタレンスルホン酸(β-ナフタレンスルホン酸)又はその塩が好ましい。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩、有機四級アンモニウム塩が挙げられる。
【0086】
成分(c)のうち、水不溶性粒子としては、それ自身が毛髪間のスペーサーとなって毛髪をばらけ易くし、乾燥後の毛髪の立ち上がり性を向上させる機能を有する。水不溶性粒子としては、シリコーン粉体、有機粉体、無機粉体が挙げられる。
【0087】
シリコーン粉体としては、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(例えば、トレフィルE-506C、トレフィルE-508:東レ・ダウコーニング社製)、ポリメチルシルセスキオキサン(例えば、KMP-590:信越化学工業社製、トスパール120A、トスパール145A等:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(例えば、KSP-100、KSP-101等:信越化学工業社製)、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー(例えば、KSP-300:信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0088】
有機粉体としては、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、四フッ化エチレンパウダー、微結晶性セルロース、コメデンプン、ラウロイルリジン等が挙げられる。
【0089】
無機粉体としては、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、ベントナイト、ケイ酸、無水ケイ酸(シリカ)、ケイ酸マグネシウム、雲母、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ミョウバン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
【0090】
これら水不溶性粉体は、乾燥時の毛髪のばらけ易さを促進するスペーサーとして適度な大きさである観点から、その平均粒径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1.0μm以上であり、また、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは10μm以下である。
【0091】
成分(c)は、いずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。成分(c)としては、ナフタレンスルホン酸又はその塩が好ましい。コンディショナー組成物中における成分(c)の含有量は、乾燥時の毛髪のばらけ易さ、乾燥後の毛髪の立ち上がり性の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは6質量%以下、更に好ましくは4質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
【0092】
〔成分(d):芳香族アルコール〕
コンディショナー組成物は、シャンプーすすぎ時の滑らかな感触の観点から、更に成分(d)として、芳香族アルコールを含有することができる。成分(d)の芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p−アニシルアルコール、p−メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール及び2−ベンジルオキシエタノールから選択される1以上の化合物が挙げられる。これらのうち、シャンプーすすぎ時の滑らかさの観点から、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノール、ベンジルオキシエタノールが好ましく、ベンジルアルコールがより好ましい。これらの芳香族アルコールは、1種又は2種以上を用いることが好ましい。
【0093】
コンディショナー組成物中における成分(d)の含有量は、シャンプーすすぎ時の滑らかな感触の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.10質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
【0094】
〔水〕
コンディショナー組成物は、媒体として水を含有する。水は、成分(a)〜(c)及びその他の成分の残量となる。
【0095】
〔その他の任意成分〕
コンディショナー組成物には、更に、毛髪化粧料に一般に使用されるその他の成分を、目的に応じて配合することができる。例えば、ジメチルポリシロキサン、環状シリコーン、アミノ変性シリコーン、ジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリシドール変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等のシリコーン類;カチオン化セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、高重合ポリエチレンオキサイド等の高分子化合物;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド等の非イオン界面活性剤;スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸;イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどの油剤;エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン等のアルコール類;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ剤;pH調整剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;ユーカリの極性溶媒抽出物、真珠層を有する貝殻又は真珠から得られる蛋白質又はその加水分解物、シルクから得られる蛋白質又はその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、ツバキ抽出物、アロエ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類;雲母チタン等のパール粉体;メントール等の清涼剤:香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ(ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS))に記載されている成分等が挙げられる。
【0096】
●毛髪処理方法
本発明の毛髪化粧料キットを使用して毛髪の処理は、以下の工程(i)〜(v)を含む方法により行うことができる。
(i) 本発明の毛髪化粧料キットにおけるシャンプー組成物を頭髪に塗布する工程
(ii) シャンプー組成物が塗布された頭髪を手を用いて泡立てる工程
(iii) 頭髪上のシャンプー組成物を水を用いて洗い流す工程
(iv) 本発明の毛髪化粧料キットにおけるコンディショナー組成物を頭髪に塗布する工程
(v) 頭髪上のコンディショナー組成物を水を用いて洗い流す工程
【0097】
これらの工程は、通常のシャンプーによる洗髪及びすすぎと、その後のコンディショナーによる処理及びすすぎと同様にして行うことができる。
【0098】
工程(i)において、シャンプー組成物は、予め手のひらにのせ、両手をこすりあわせるせることで泡立てた後に頭髪に塗布してもよい。頭髪に塗布するシャンプー組成物の量は、1g以上20g以下が好ましい。
なお、工程(i)の前に、シャンプー組成物の頭髪への塗り広げ易さの観点から、ブラシ等の道具を用いて毛髪の絡まりを解いておくことが好ましい。また、同様の観点から、頭髪を予め水を用いて濡らしておくことが好ましい。
【0099】
工程(ii)において、手を用いて泡立てる際に、指、手のひらを用いて泡立ててもよく、ブラシ等の道具を用いて泡立ててもよい。
【0100】
工程(iii)において、洗い流す水の温度は、シャンプー組成物を効率よく洗い流す観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、更に好ましくは10℃以上、また、好ましくは45℃以下、より好ましくは40℃以下である。
【0101】
工程(iv)において、頭髪に塗布するコンディショナー組成物の量は、1g以上20g以下が好ましい。工程(iv)の後、直ちに工程(v)を行ってもよいし、放置してから工程(v)を行ってもよい。放置する場合、放置時間は好ましくは5秒以上、より好ましくは30秒以上、更に好ましくは1分以上であり、また、好ましくは20分以下、より好ましくは15分以下、更に好ましくは10分以下である。
【0102】
工程(v)において、洗い流す水の温度は、コンディショナー組成物を効率よく洗い流す観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、更に好ましくは10℃以上、また、好ましくは45℃以下、より好ましくは40℃以下である。
【実施例】
【0103】
実施例1〜3、比較例1〜8
表1に示す組み合わせのシャンプー組成物及びコンディショナー組成物を調製し、以下の方法及び基準に従って各種評価を行った。
【0104】
[ばらけるまでの時間、ばらけ方の評価]
(ばらけ評価用毛束の調製)
ブリーチ処理を行った日本人の直毛を用いて、樹脂板に2mm幅の間隔、毛髪を2本ずつ5か所(計10本)を固定し、長さ7cmに切りそろえたばらけ評価用毛束を作製した。なおブリーチ処理はブリーチ剤(ゴールドウェル製、1剤として「ゴールドウェル ブリーチ」及び2剤として「トップシック ローション6%」)を用いてブリーチ処理を行った。ブリーチ処理は、1剤と2剤を5:7の比で混合したものを毛髪と等量(質量)塗布し、20分間室温で処理した後、38℃の水道水ですすぐことにより行った。
【0105】
(ばらけるまでの時間)
表1に示すシャンプー組成物の10倍希釈液を調製し、その直後にばらけ評価用毛束を30秒間イオン交換水に浸漬した後、該シャンプー組成物の10倍希釈液50mLに15秒浸漬し、イオン交換水300mLにて1分間すすいだ。次に、表1に示すコンディショナー組成物の10倍希釈液50mLに15秒浸漬し、イオン交換水300mLにて1分間すすいだ。その後、タオルドライを行い、
図1に示すように一定の距離、風向からドライヤー(National社製、EH5406、設定はdry)の温風を当てて静置し、毛髪が1本1本にばらけるまでの時間を測定した。本測定は、N=3で行い、その平均値をとった。また、5分間(300秒間)静置してもばらけないものは「300<」と表記した。
【0106】
(ばらけ方)
上記のばらけるまでの時間を測定後、全乾燥処理工程が合計5分間になるようにばらけ評価用毛束にドライヤー温風を当て、その後の毛束の様子を観察した。
図2に示す基準に従って、1本1本が他の毛髪と接着することなくばらけている場合を「1」、トレスの中程から接着している場合を「2」、トレスの根元近くから接着している場合を「3」と評価した。
【0107】
[乾燥後の毛髪の根元からの立ち上がりの評価]
(立ち上がり評価用毛束の調製)
図3は、立ち上がり評価用毛束10の断面を模式的に示す図である。下記(材料)を用いて、
図3に示すような立ち上がり評価用毛束10を作製した。
【0108】
(材料)
・サンプル毛髪:日本人毛21本(長さ22〜23cm)
・シリコンマイクロチューブ:内径×外径(mm)0.4×0.5 長さ1.5cm×7本(品番1-8194-04 アズワン株式会社)
・鋼線:直径1.5mm長さ2.0cm×7本
・布粘着テープ:1cm×3cm(NICHIBAN No.102N)
・ビニールテープ:0.6cm×1.0cm(ヤマト株式会社NO200−19−5)
・ナイロンテグス:直径0.18mm 適量 (ハリスライカ本舗)
【0109】
まず、1.5cmの長さに切断した直径0.5mm(内径0.4mm)のシリコンチューブに根元方向を揃えたサンプル毛髪3本を根元部分から通し、端をシリコンチューブごとこま結びで止め、シリコンチューブ1を作製した。同様にして、シリコンチューブ1を7組作製し、そのうち1組のシリコンチューブ1についてビニールテープ2を巻き付けて太くし、芯部とした。次に、長さ2cm、直径1.5mmの鋼線3を用意し、残り6組のシリコンチューブ1を6本の鋼線3の間に配置し、芯部と残り1本の鋼線3を中心にして束ね、布粘着テープ4を用いて全体を巻き付けた。更に、布粘着テープ4の上からテグス5を巻き締めた。その後毛髪の長さを17.5cmに切りそろえて立ち上がり評価用毛束10を作製した。
【0110】
(評価方法)
上で作製した立ち上がり評価用毛束10を30秒間イオン交換水に浸漬した後、シャンプー組成物の10倍希釈液50mLに15秒浸漬し、イオン交換水300mLにて1分間すすいだ。次に、コンディショナー組成物の10倍希釈液50mLに15秒浸漬し、イオン交換水300mLにて1分間すすいだ。その後、タオルドライを行い、
図3右図のように毛髪を上向きになるように固定して自然乾燥にて1時間静置した後、根元からの立ち上がり(
図4中のh2)を測定した。
【0111】
[シャンプーすすぎ時の滑らかさ]
(滑らかさ評価用毛束の調製)
ヘアカラーを年4回の頻度で使用していた日本人の直毛を用いて、重さ20g、長さ約30cmの滑らかさ評価用毛束を作製した。
【0112】
(評価方法)
滑らかさ評価用毛束を30秒間、水道水(38℃)で湿らせた後、毛髪の含水量が乾燥毛髪重量の1/2になる程度まで、手で毛髪をしごいて余分な水分を除去した。次に、シャンプー組成物1gを上記滑らかさ評価用毛束に塗布し、毛束の両端を人差し指と親指で挟み、掌を合わせ、擦り合わせるようにして、20秒間泡立てを行った。続いて、38℃、流速60mL/sの水道水で20秒間すすぎながら、滑らかさの観点から専門パネリスト5名により、5段階で官能評価を行った。
5:滑らか
4:やや滑らか
3:どちらともいえない
2:やや滑らかでない
1:滑らかでない
【0113】
【表1】
【0114】
*1:エマール125A(花王社製;EO平均付加モル数:1)
*2:ソフトキャットSL-30(ダウケミカル社製)
*3:ポイズC-60H(花王社製)
*4:ジャガーC14SK(ソルベイ社製)
*5:BY29-119(東レダウコーニングシリコーン社製)平均粒径4μm
【0115】
処方例1〜2
以下に示す処方のシャンプー組成物及びコンディショナー組成物の組み合わせも、実施例と同様の効果を奏する。
【0116】
【表2】
【0117】
*1、*4は表1と同じもの
*6:PPG-2 ヒドロキシプロピルトリモニウムセルロース:(平均重合度:800、カチオン化エチレンオキシ基置換度:0.2、プロピレンオキシ基置換度:2.2、X
-:塩化物イオン)
*7:サンスフェアH-51(AGCエスアイテック社製)平均粒径5μm
*8:SP-500(東レ社製)平均粒径5μm