特許第6807686号(P6807686)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807686
(24)【登録日】2020年12月10日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20201221BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20201221BHJP
   H01L 33/56 20100101ALI20201221BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20201221BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20201221BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20201221BHJP
【FI】
   H01L33/48
   H01L33/54
   H01L33/56
   H01L33/00 H
   F21V9/38
   F21S2/00 311
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-178921(P2016-178921)
(22)【出願日】2016年9月13日
(65)【公開番号】特開2018-46113(P2018-46113A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2019年7月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【弁理士】
【氏名又は名称】伊坪 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100161089
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 良一
(72)【発明者】
【氏名】栗城 新吾
【審査官】 右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−080084(JP,A)
【文献】 特開2007−287384(JP,A)
【文献】 特開2009−289957(JP,A)
【文献】 特開2013−051375(JP,A)
【文献】 特開2016−119381(JP,A)
【文献】 特開2015−201614(JP,A)
【文献】 特開2012−142429(JP,A)
【文献】 特開2012−156209(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/015058(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0037079(US,A1)
【文献】 特開2011−108744(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102254904(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
F21S 2/00
F21V 9/00 − 9/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に実装された第1の複数のLED素子および前記第1の複数のLED素子を封止する第1の封止樹脂で構成され、シアン色の光を出射する第1の発光部と、
前記基板上に実装された第2の複数のLED素子および前記第2の複数のLED素子を封止する第2の封止樹脂で構成され、赤色光を出射する第2の発光部と、
前記第1および第2の発光部を取り囲むように前記基板上に実装された第3の複数のLED素子および前記第3の複数のLED素子を封止する第3の封止樹脂で構成され、青色光を出射する第3の発光部と、
前記第3の発光部を取り囲むように前記基板上に実装された第4の複数のLED素子および前記第4の複数のLED素子を封止する第4の封止樹脂で構成され、緑色光を出射する第4の発光部と、
前記第1の発光部、前記第2の発光部、前記第3の発光部及び前記第4の発光部との間を分割する透光性の樹脂枠と、
を有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記樹脂枠は、
円環部および前記円環部の中心を通り前記円環部を2分する直線部を有し、前記基板上に固定された第1の樹脂枠と、
前記第1の樹脂枠を取り囲むように前記基板上に固定された円環状の第2の樹脂枠と、
前記第2の樹脂枠を取り囲むように前記基板上に固定された円環状の第3の樹脂枠と、を有し、
前記第1の発光部は、前記第1の樹脂枠の前記円環部および前記直線部により画定される一方の半円領域に配置され、
前記第2の発光部は、前記第1の樹脂枠の前記円環部および前記直線部により画定される他方の半円領域に配置され、
前記第3の発光部は、前記第1の樹脂枠と前記第2の樹脂枠の間の環状領域に配置され、
前記第4の発光部は、前記第2の樹脂枠と前記第3の樹脂枠の間の環状領域に配置されている、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1の複数のLED素子と前記第2の複数のLED素子は、前記第1の樹脂枠の前記直線部に関して線対称かつ前記第1の樹脂枠の中心に関して点対称に配置され、
前記第3の複数のLED素子は、前記第1の樹脂枠と前記第2の樹脂枠の間で同心円状に配置され、
前記第4の複数のLED素子は、前記第2の樹脂枠と前記第3の樹脂枠の間で同心円状に配置されている、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記基板の上面における前記第3の樹脂枠よりも外周側に、前記第1から第4の発光部にそれぞれ対応する第1から第4の電極端子が設けられている、請求項2または3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1から第4の複数のLED素子は、前記第1から第4の発光部のそれぞれにおいて、ボンディングワイヤにより互いに電気的に接続され、
前記基板の上面には、前記第1から第4の複数のLED素子と前記第1から第4の電極端子とをそれぞれ電気的に接続する第1から第4の配線パターンが設けられ、
前記第1および第2の配線パターンは、前記第3および第4の封止樹脂の下を通って、前記第1の樹脂枠の前記円環部の下に延在し、
前記第3および第4の複数のLED素子の前記ボンディングワイヤは、前記第1および第2の配線パターンを跨いでいる、請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記基板は、
前記第1から第4の複数のLED素子が実装された金属基板と、
前記第1から第4の発光部に対応する位置に複数の開口部を有し、前記第1から第4の電極端子および前記第1から第4の配線パターンが上面に設けられ、前記金属基板の上面に固定された回路基板と、
を有する、請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1、第2および第4の複数のLED素子は、紫外から青色の波長域の光を発し、
前記第1の封止樹脂は、前記第1の複数のLED素子からの光を吸収してシアン色に発光する蛍光体を含有し、
前記第2の封止樹脂は、前記第2の複数のLED素子からの光を吸収して赤色に発光する蛍光体を含有し、
前記第4の封止樹脂は、前記第4の複数のLED素子からの光を吸収して緑色に発光する蛍光体を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック基板または金属基板などの汎用基板の上に発光素子として複数のLED(発光ダイオード)素子が実装されたCOB(Chip On Board)の発光装置が知られている。こうした発光装置では、蛍光体を含有する透光性の樹脂によりLED素子が封止されており、LED素子からの光と、LED素子からの光により蛍光体を励起させて得られる光とを混合させることにより、用途に応じて白色光などが得られる。
【0003】
例えば、特許文献1には、基板上に形成された複数の発光素子と、複数の発光素子を埋め込む封止体とを備え、封止体が蛍光体を含有し隔壁によって複数の領域に分離されている発光装置が記載されている。この発光装置では、複数の領域のうち、第1の領域に埋め込まれた発光素子のうち1つの発光素子と、第2の領域に埋め込まれた発光素子のうち1つの発光素子とが渡し電極により接続され、渡し電極は基板と隔壁との間に挟まれるように配置されている。
【0004】
特許文献2には、LED素子、透光性樹脂および少なくとも2種類の蛍光体をそれぞれが含む第1の発光部および第2の発光部を有し、第1の配線に電気的に接続された第1の発光部および第2の配線に電気的に接続された第2の発光部を含む発光部全体の発する光の色温度を調整可能な発光装置が記載されている。
【0005】
特許文献3には、基板と、基板の上面に互いに隣接して形成された複数の発光部とを備え、各発光部が、電気的に互いに接続された複数の発光素子と、複数の発光素子を一括封止した樹脂層とにより構成される発光装置が記載されている。この発光装置では、各発光部を個別に駆動することが可能であり、各発光部のうち少なくとも2つの発光部は、互いに異なる色を少なくとも1色発光し、隣接する各発光部間の境界部は、基板の上面に垂直な方向から見て、各発光部の形成領域がそれぞれ渦巻線を描く形状となるように一つなぎに形成されている。
【0006】
また、特許文献4には、紫外から青色領域で発光する発光素子と、発光素子からの紫外から青色領域の光を吸収し、シアン色に発光する第1の蛍光体と、発光素子からの紫外から青色領域の光を吸収し、赤色に発光する第2の蛍光体と、発光素子を覆う封止体とを含む発光デバイスが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014−179653号公報
【特許文献2】特開2015−201614号公報
【特許文献3】国際公開第2012/165007号
【特許文献4】特開2014−060283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
COBの発光装置としては、調色可能なものが求められている。独立に駆動可能であり発光色が互いに異なる複数の発光部を1つの発光装置の中に設ければ、各発光部の駆動電流を調整して各発光部からの出射光を混合させることにより、それらの中間色が得られるので、その要求に応えることができる。しかしながら、こうした発光装置では、発光色の演色性と各発光部からの出射光の混色性が必ずしも十分でないことがある。
【0009】
そこで、本発明は、独立に駆動可能な複数の発光部からの出射光の混色性および装置全体の発光色の演色性を向上させた発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
基板と、基板上に実装された第1の複数のLED素子および第1の複数のLED素子を封止する第1の封止樹脂で構成され、シアン色の光を出射する第1の発光部と、基板上に実装された第2の複数のLED素子および第2の複数のLED素子を封止する第2の封止樹脂で構成され、赤色光を出射する第2の発光部と、第1および第2の発光部を取り囲むように基板上に実装された第3の複数のLED素子および第3の複数のLED素子を封止する第3の封止樹脂で構成され、青色光を出射する第3の発光部と、第3の発光部を取り囲むように基板上に実装された第4の複数のLED素子および第4の複数のLED素子を封止する第4の封止樹脂で構成され、緑色光を出射する第4の発光部とを有することを特徴とする発光装置が提供される。
【0011】
上記の発光装置は、円環部および円環部の中心を通り円環部を2分する直線部を有し、基板上に固定された第1の樹脂枠と、第1の樹脂枠を取り囲むように基板上に固定された円環状の第2の樹脂枠と、第2の樹脂枠を取り囲むように基板上に固定された円環状の第3の樹脂枠とをさらに有し、第1の発光部は、第1の樹脂枠の円環部および直線部により画定される一方の半円領域に配置され、第2の発光部は、第1の樹脂枠の円環部および直線部により画定される他方の半円領域に配置され、第3の発光部は、第1の樹脂枠と第2の樹脂枠の間の環状領域に配置され、第4の発光部は、第2の樹脂枠と第3の樹脂枠の間の環状領域に配置されていることが好ましい。
【0012】
上記の発光装置では、第1の複数のLED素子と第2の複数のLED素子は、第1の樹脂枠の直線部に関して線対称かつ第1の樹脂枠の中心に関して点対称に配置され、第3の複数のLED素子は、第1の樹脂枠と第2の樹脂枠の間で同心円状に配置され、第4の複数のLED素子は、第2の樹脂枠と第3の樹脂枠の間で同心円状に配置されていることが好ましい。
【0013】
上記の発光装置では、基板の上面における第3の樹脂枠よりも外周側に、第1から第4の発光部にそれぞれ対応する第1から第4の電極端子が設けられていることが好ましい。
【0014】
上記の発光装置では、第1から第4の複数のLED素子は、第1から第4の発光部のそれぞれにおいて、ボンディングワイヤにより互いに電気的に接続され、基板の上面には、第1から第4の複数のLED素子と第1から第4の電極端子とをそれぞれ電気的に接続する第1から第4の配線パターンが設けられ、第1および第2の配線パターンは、第3および第4の封止樹脂の下を通って、第1の樹脂枠の円環部の下に延在し、第3および第4の複数のLED素子のワイヤボンディングは、第1および第2の配線パターンを跨いでいることが好ましい。
【0015】
上記の発光装置では、基板は、第1から第4の複数のLED素子が実装された金属基板と、第1から第4の発光部に対応する位置に複数の開口部を有し、第1から第4の電極端子および第1から第4の配線パターンが上面に設けられ、金属基板の上面に固定された回路基板とを有することが好ましい。
【0016】
上記の発光装置では、第1、第2および第4の複数のLED素子は、紫外から青色の波長域の光を発し、第1の封止樹脂は、第1の複数のLED素子からの光を吸収してシアン色に発光する蛍光体を含有し、第2の封止樹脂は、第2の複数のLED素子からの光を吸収して赤色に発光する蛍光体を含有し、第4の封止樹脂は、第4の複数のLED素子からの光を吸収して緑色に発光する蛍光体を含有することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
上記の発光装置によれば、本構成を有しない場合と比べて、独立に駆動可能な複数の発光部からの出射光の混色性および装置全体の発光色の演色性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】発光装置1の上面図である。
図2】発光装置1の基板5の上面図である。
図3】発光装置1の基板5の分解図である。
図4】発光装置1におけるLED素子31〜34の配置を示す上面図である。
図5図4に符号VAおよびVBで示した部分の拡大断面図である。
図6】発光装置1の製造工程を示す上面図である。
図7】別の発光装置のセラミック基板10’の上面図である。
図8】セラミック基板10’とその上に設けられたレジスト27の分解図である。
図9】セラミック基板10’を有する発光装置2の製造工程を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、発光装置について詳細に説明する。ただし、本発明は図面または以下に記載される実施形態には限定されないことを理解されたい。
【0020】
図1は、発光装置1の上面図である。発光装置1は、基板5、LED素子31〜34、樹脂枠41〜43および封止樹脂51〜54を有する。発光装置1は、発光素子として多数のLED素子を含み、例えば投光器、高天井照明、スタジアム照明、イルミネーションなどのLED光源装置として利用されるLEDパッケージである。
【0021】
発光装置1では、樹脂枠41〜43により分割され、封止樹脂51〜54により覆われた2つの半円形の領域と2つの円環状(ドーナツ型)の領域が、それぞれ第1〜第4の発光部に相当する。第1の発光部はシアン色(C)に、第2の発光部は赤色(R)に、第3の発光部は青色(B)に、第4の発光部は緑色(G)に発光する。以下で説明するように、発光装置1には、第1〜第4の発光部にそれぞれ対応する4系統の電極端子が設けられており、各発光部は独立に発光可能である。このため、発光装置1では、1色ごとの発光も可能であり、4色すべてを発光させれば白色光が得られる。また、各発光部の電流を調整することにより、全体の発光色の調整も可能である。すなわち、発光装置1は、4つのLED発光モジュールを1台に集約し、白色光の調色機能を実現させた、フルカラーのCOBの照明パッケージである。
【0022】
図2は、発光装置1の基板5の上面図である。図3(A)〜図3(C)は、発光装置1の基板5の分解図である。より詳細には、図3(A)〜図3(C)は、それぞれ、金属基板10、回路基板20および回路基板20上に設けられたレジスト27の上面図である。基板5は、金属基板10と回路基板20とで構成されている。
【0023】
金属基板10は、耐熱性および放熱性に優れたアルミニウムで構成され、LED素子31〜34の実装領域を有する平坦な基板である。金属基板10は一例として正方形の形状を有し、金属基板10の対角線上で向かい合う2つの頂点付近には、発光装置1を照明器具などに取り付けるための2つの固定用貫通穴18が設けられている。金属基板10は、LED素子31〜34および後述する蛍光体の粒子により発生した熱を放熱させる放熱基板としても機能する。なお、金属基板10の材質は、耐熱性と放熱性に優れたものであれば、例えば銅などの別の金属でもよい。
【0024】
回路基板20は、例えばガラスエポキシ基板などの絶縁性の基板であり、一例として、金属基板10と同じ大きさの正方形の形状を有する。回路基板20にも、対角線上で向かい合う2つの頂点付近には、金属基板10と同様に2つの固定用貫通穴28が設けられている。回路基板20は、固定用貫通穴28の位置が金属基板10の固定用貫通穴18の位置と合うように、その下面が例えば接着シートにより金属基板10の上面に貼り付けられて固定されている。
【0025】
回路基板20は、その中央部分に半円形の2つの開口部21C,21Rを有する。また、回路基板20は、開口部21C,21Rの外周側に、円環領域を周方向に4等分した形状である開口部21B〜21Bを有し、さらに、開口部21B〜21Bの外周側に、円環領域を周方向に4等分した形状である4つの開口部21G〜21Gを有する。開口部21C,21R,21B〜21B,21G〜21Gの形成位置が、第1〜第4の発光部の位置にそれぞれ対応する。開口部21C,21R,21B〜21B,21G〜21G内で露出している金属基板10の上面が、それぞれ、LED素子31〜34の実装領域11C,11R,11B〜11B,11G〜11Gである。
【0026】
また、回路基板20の上面における樹脂枠43よりも外周側であって、固定用貫通穴28が設けられていない残りの2つの頂点のうちの一方には電極端子24C,24R,24B,24Gが、他方には電極端子25C,25R,25B,25Gが、それぞれ設けられている。電極端子24C,25C、電極端子24R,25R、電極端子24B,25Bおよび電極端子24G,25Gは、それぞれ、第1〜第4の電極端子の一例であり、第1〜第4の発光部に対応し、LED素子31〜34に接続されている。電極端子24C,24R,24B,24Gと電極端子25C,25R,25B,25Gは、一方がアノード電極、他方がカソード電極であり、これらが外部電源に接続されて電圧が印加されることによって、発光装置1の各発光部は発光する。
【0027】
また、回路基板20の上面には、配線パターン22C,22R,22B,22Gおよび配線パターン23C,23R,23B,23Gが設けられている。これらの配線パターンは、例えば金メッキにより形成される。
【0028】
配線パターン22Cは、樹脂枠41の下に相当する開口部21Cの縁部を90度分の円弧に沿って延び、開口部21B,21Gと開口部21B,21Gの間の壁部である回路基板20の接続領域261の上を通って、電極端子24Cに接続されている。配線パターン23Cは、樹脂枠41の下に相当する開口部21Cの残りの縁部と開口部21Rの縁部とを計180度分の円弧に沿って延び、開口部21B,21Gと開口部21B,21Gの間の壁部である回路基板20の接続領域263の上を通って、電極端子25Cに接続されている。配線パターン22C,23Cは、第1の配線パターンの一例である。
【0029】
配線パターン22Rは、樹脂枠41の下に相当する開口部21Rの縁部を90度分の円弧に沿って延び、開口部21B,21Gと開口部21B,21Gの間の壁部である回路基板20の接続領域262の上を通って、電極端子24Rに接続されている。配線パターン23Rは、樹脂枠41の下に相当する開口部21Rの残りの縁部を90度分の円弧に沿って延び、開口部21B,21Gと開口部21B,21Gの間の壁部である回路基板20の接続領域264の上を通って、電極端子25Rに接続されている。配線パターン22R,23Rは、第2の配線パターンの一例である。
【0030】
配線パターン22Bは、樹脂枠43の下に相当する開口部21G,21Gの外側の縁部を約150度分の円弧に沿って延び、電極端子24Bに接続されている。配線パターン23Bは、樹脂枠43の下に相当する開口部21Gの外側の縁部を90度分の円弧に沿って延び、電極端子25Bに接続されている。また、配線パターン22Bの一部は接続領域262の上に、配線パターン23Bの一部は接続領域264の上に、それぞれ枝分かれしている。配線パターン22B,23Bは、第3の配線パターンの一例である。
【0031】
配線パターン22Gは、樹脂枠43の下に相当する開口部21Gの外側の縁部を90度分の円弧に沿って延び、電極端子24Gに接続されている。配線パターン23Gは、樹脂枠43の下に相当する開口部21G,21Gの外側の縁部を約150度分の円弧に沿って延び、電極端子25Gに接続されている。また、配線パターン22Gの一部は接続領域262の上に、配線パターン23Gの一部は接続領域264の上に、それぞれ枝分かれしている。配線パターン22G,23Gは、第4の配線パターンの一例である。
【0032】
また、回路基板20の上面には、開口部21G〜21Gよりも中央側の円形領域および電極端子24C,24R,24B,24G,25C,25R,25B,25Gの部分を除いて、レジスト27が設けられている。
【0033】
LED素子31〜34は、それぞれ、例えば発光波長帯域が450〜460nm程度の青色光を発する青色LEDである。ただし、LED素子31〜34は、青色LEDに限らず、例えば紫色LEDまたは近紫外LEDであってもよく、その発光波長帯域は、紫外域を含む200〜460nm程度の範囲内であってもよい。LED素子31〜34は、それぞれ、金属基板10の実装領域11C,11R,11B〜11B,11G〜11Gに、発光面を金属基板10とは反対側に向けて、例えば透明な絶縁性の接着剤などにより固定されている。
【0034】
図4は、発光装置1におけるLED素子31〜34の配置を示す上面図である。LED素子31〜34は、上面に一対の素子電極を有し、図4に示すように、各発光部における隣接するLED素子31〜34の素子電極は、ボンディングワイヤ(以下、単にワイヤという)35によりそれぞれ互いに電気的に接続されている。
【0035】
LED素子31は、実装領域11Cにおいてワイヤ35により24個ずつ直列に接続され、この24個のLED素子31が1つのグループを構成している。各グループの両端のLED素子31から出たワイヤ35は、配線パターン22Cまたは配線パターン23Cに接続されており、発光装置1では、6グループのLED素子31が、配線パターン22Cと配線パターン23Cの間に並列に接続されている。計144個のLED素子31は、第1の複数のLED素子の一例である。
【0036】
LED素子32は、実装領域11Rにおいてワイヤ35により24個ずつ直列に接続され、この24個のLED素子32が1つのグループを構成している。各グループの両端のLED素子32から出たワイヤ35は、配線パターン22Rまたは配線パターン23Rに接続されており、発光装置1では、6グループのLED素子32が、配線パターン22Rと配線パターン23Rの間に並列に接続されている。LED素子31とLED素子32は、樹脂枠41の直線部41Lに関して線対称かつ樹脂枠41の中心に関して点対称に配置されている。計144個のLED素子32は、第2の複数のLED素子の一例である。
【0037】
LED素子33は、実装領域11B〜11Bのそれぞれに36個ずつ実装され、全体として、樹脂枠41と樹脂枠42の間で3個の同心円状に配置されている。LED素子33は、実装領域11B,11Bにおける3グループと、実装領域11B,11Bにおける3グループとに分かれて、ワイヤ35により24個ずつ直列に接続されている。各グループの両端のLED素子33から出たワイヤ35は、接続領域262上の配線パターン22Bまたは接続領域264上の配線パターン23Bに接続されており、発光装置1では、6グループのLED素子33が、配線パターン22Bと配線パターン23Bの間に並列に接続されている。計144個のLED素子33は、第3の複数のLED素子の一例である。
【0038】
LED素子34は、実装領域11G〜11Gのそれぞれに36個ずつ実装され、全体として、樹脂枠42と樹脂枠43の間で3個の同心円状に配置されている。LED素子34は、実装領域11G,11Gにおける3グループと、実装領域11G,11Gにおける3グループとに分かれて、ワイヤ35により24個ずつ直列に接続されている。各グループの両端のLED素子34から出たワイヤ35は、接続領域262上の配線パターン22Gまたは接続領域264上の配線パターン23Gに接続されており、発光装置1では、6グループのLED素子34が、配線パターン22Gと配線パターン23Gの間に並列に接続されている。計144個のLED素子34は、第4の複数のLED素子の一例である。
【0039】
LED素子31〜34の順方向電圧をそれぞれVf〜Vfとおくと、電極端子24C,24R,24B,24Gと電極端子25C,25R,25B,25Gの間にそれぞれ24×Vf,24×Vf,24×Vfおよび24×Vf以上の電圧を印加することにより、すべてのLED素子31〜34が発光する。
【0040】
図5(A)は、図4に符号VAで示した部分の拡大断面図である。図5(A)では、接続領域264におけるLED素子34のワイヤ35と配線パターン23Gとの接続を示している。接続領域264の上面には、配線パターン23B,23R,23Gの3本が図中右側(開口部21Gの側)から順に配置されており、配線パターン23B,23Rの上には、ワイヤ35との短絡を防止するためのレジスト70が塗布されている。接続領域264の配線パターン23Gには、その両側(開口部21Gの側と開口部21Gの側)からLED素子34のワイヤ35が接続されており、図中右側から配線パターン23Gに接続されるワイヤ35は、配線パターン23B,23Rを跨いでいる。
【0041】
なお、ワイヤ35が撓まないように、接続領域264とそれに隣接するLED素子34との間に金属バンプを配置し、金属バンプによって高さを稼いでから、配線パターン23B,23Rを跨いでワイヤ35を配線パターン23Gに接続してもよい。また、図示しないが、接続領域262におけるLED素子33,34のワイヤ35と配線パターン22B,22Gとの接続、および接続領域264におけるLED素子33のワイヤ35と配線パターン23Bとの接続も、図5(A)に示したものと同様である。すなわち、接続領域262,264において、配線パターン22R,23Rは封止樹脂53,54の下を通り、LED素子33,34のワイヤ35は配線パターン22R,23Rを跨いでいる。
【0042】
図5(B)は、図4に符号VBで示した部分の拡大断面図である。図5(B)では、接続領域261におけるLED素子34のワイヤ35と配線パターン22Cとの位置関係を示している。接続領域261の上面には配線パターン22Cが配置されており、配線パターン22Cの上には、ワイヤ35との短絡を防止するためのレジスト70が塗布されている。接続領域261では、ワイヤ35は配線パターン22Cを跨いでいる。
【0043】
図示しないが、接続領域261におけるLED素子33のワイヤ35と配線パターン23Bとの位置関係、および接続領域263におけるLED素子33,34のワイヤ35と配線パターン23Cとの位置関係も、図5(B)に示したものと同様である。すなわち、接続領域261,263において、配線パターン22C,23Cは封止樹脂53,54の下を通り、LED素子33,34のワイヤ35は配線パターン22C,23Cを跨いでいる。
【0044】
樹脂枠41は、第1の樹脂枠の一例であり、封止樹脂51,52の流出しを防止するためのダム材である。樹脂枠41は、開口部21C,21Rの大きさに合わせて成形された枠体であり、円環部41Cおよび円環部41Cの中心を通り円環部41Cを2分する直線部41Lを有する。樹脂枠41は、開口部21C,21Rの縁部に沿って回路基板20の上面に固定されており、配線パターン22C,22R,23C,23Rの一部を覆っている。樹脂枠41は、LED素子31,32から出射された光とその外周側に実装されたLED素子33から出射された光との混色性が高まるように、例えば透明なシリコーン樹脂で構成され、透光性を有する。なお、樹脂枠41には、散乱材が混入されていてもよい。
【0045】
樹脂枠42は、第2の樹脂枠の一例であり、封止樹脂53の流出しを防止するためのダム材である。樹脂枠42は、開口部21B〜21Bの外側の円周の大きさに合わせて形成された円環状の枠体であり、開口部21B〜21Bの縁部に沿って、樹脂枠41を取り囲むように回路基板20の上面に固定されている。樹脂枠42も、LED素子31〜34から出射された光の混色性が高まるように、例えば透明なシリコーン樹脂で構成され、透光性を有する。なお、樹脂枠42にも、散乱材が混入されていてもよい。
【0046】
樹脂枠43は、第3の樹脂枠の一例であり、封止樹脂54の流出しを防止するためのダム材である。樹脂枠43は、開口部21G〜21Gの外側の円周の大きさに合わせて形成された円環状の枠体であり、開口部21G〜21Gの縁部に沿って、樹脂枠42を取り囲むように回路基板20の上面に固定されている。樹脂枠41の円環部41Cおよび樹脂枠42,43は、すべて同心円状に配置されている。また、樹脂枠43は、配線パターン22R,22B,22G,23R,23B,23Gの一部を覆っている。樹脂枠43は、例えば白色粒子が混入された不透明なシリコーン樹脂で構成され、反射性を有する。これにより、LED素子31〜34から側方に出射された光が発光装置1の正面(LED素子31〜34から見て金属基板10とは反対側)に向けて反射するため、発光装置1の正面における発光強度が高くなる。
【0047】
封止樹脂51は、第1の封止樹脂の一例であり、樹脂枠41の円環部41Cおよび直線部41Lにより囲まれる実装領域11C上の空間に充填されて、半円板の形状に硬化され、144個のLED素子31を一体的に封止(保護)する。封止樹脂51は、LED素子31からの青色光を吸収してシアン色に発光するBaMgSi:Eu2+またはBaSi:Eu2+などの蛍光体を含有する。
【0048】
封止樹脂52は、第2の封止樹脂の一例であり、樹脂枠41の円環部41Cおよび直線部41Lにより囲まれる実装領域11R上の空間に充填されて、半円板の形状に硬化され、144個のLED素子32を一体的に封止(保護)する。封止樹脂52は、LED素子32からの青色光を吸収して赤色に発光するCaAlSiN:Eu2+などの蛍光体を含有する。
【0049】
封止樹脂53は、第3の封止樹脂の一例であり、樹脂枠41,42により囲まれる実装領域11B〜11B上および接続領域261〜264上の空間に充填されて、144個のLED素子33を一体的に封止(保護)する。封止樹脂53は青色光を出射する第3の発光部に対応し、LED素子33は青色LEDであるため、封止樹脂53は、蛍光体を含有しない透明樹脂であってもよい。
【0050】
封止樹脂54は、第4の封止樹脂の一例であり、樹脂枠42,43により囲まれる実装領域11G〜11G上および接続領域261〜264上の空間に充填されて、144個のLED素子34を一体的に封止(保護)する。封止樹脂54は、LED素子34からの青色光を吸収して緑色に発光する(BaSr)SiO:Eu2+などの蛍光体を含有する。
【0051】
封止樹脂51〜54は、例えば、エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂などの無色かつ透明な樹脂で構成される。封止樹脂51〜54の材質は、すべて同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。また、発光装置1における樹脂枠41〜43および封止樹脂51〜54の高さはそれぞれ同じであり、したがって、封止樹脂51〜54の厚さはすべての発光部で同じである。ただし、例えば、樹脂枠41の高さを樹脂枠42,43よりも高くして、封止樹脂51,52の上面を封止樹脂53,54の上面よりも高くするなど、発光面となる封止樹脂51〜54の高さを発光部ごとに異ならせてもよい。
【0052】
発光装置1の第1の発光部は、LED素子31および封止樹脂51で構成される。第1の発光部は、樹脂枠41の円環部41Cおよび直線部41Lにより画定される一方の半円領域に配置され、シアン色の光を出射する。光の3原色であるR,G,BからRを除いた色がシアンである(C=G+B)ため、第1の発光部の発光波長は、青色から緑色に跨る例えば480〜520nmの範囲内にピークを有する。
【0053】
発光装置1の第2の発光部は、LED素子32および封止樹脂52で構成される。第2の発光部は、樹脂枠41の円環部41Cおよび直線部41Lにより画定される他方の半円領域に配置され、赤色光を出射する。第2の発光部の発光波長は、例えば620〜750nmの範囲内にピークを有する。
【0054】
発光装置1の第3の発光部は、LED素子33および封止樹脂53で構成される。第3の発光部は、第1および第2の発光部を取り囲む樹脂枠41と樹脂枠42の間の環状領域に配置され、青色光を出射する。第3の発光部の発光波長は、例えば450〜490nmの範囲内にピークを有する。
【0055】
発光装置1の第4の発光部は、LED素子34および封止樹脂54で構成される。第4の発光部は、第3の発光部を取り囲む樹脂枠42と樹脂枠43の間の環状領域に配置され、緑色光を出射する。第4の発光部の発光波長は、例えば500〜570nmの範囲内にピークを有する。
【0056】
保護素子61〜64は、LED素子31〜34に過電圧が印加されたときに電流をバイパスさせてLED素子31〜34を保護するための素子であり、それぞれツェナーダイオードで構成される。保護素子61〜64は、図4に示すように、回路基板20上において、それぞれ、配線パターン22Cと配線パターン23Cの間、配線パターン22Rと配線パターン23Rの間、配線パターン22Bと配線パターン23Bの間および配線パターン22Gと配線パターン23Gの間に、ワイヤを介してLED素子31〜34と並列に接続されている。
【0057】
図6(A)〜図6(C)は、発光装置1の製造工程を示す上面図である。これらの図では、簡単のため、図1に示したものとはLED素子31〜34の個数を少なく記載しており、ワイヤ35の図示を省略している。
【0058】
発光装置1の製造時には、まず、図6(A)に示すように、金属基板10上の実装領域11C,11R,11B〜11B,11G〜11GにLED素子31〜34が実装される。このとき、発光部ごとに、LED素子31〜34同士はワイヤ35で24個ずつ直列接続され、直列接続の各グループの端部に位置するLED素子31〜34から出たワイヤ35は、配線パターン22C,22R,22B,22G,23C,23R,23B,23Gのいずれかに接続される。次に、図6(B)に示すように、回路基板20の上面に樹脂枠41〜43が固定される。そして、図6(C)に示すように、樹脂枠41〜43により囲まれる各領域に封止樹脂51〜54が充填されて、LED素子31〜34が封止される。以上の工程により、図1に示す発光装置1が完成する。
【0059】
以上説明したように、発光装置1は、基板中央に配置された2つの半円形の発光部と、その外周側に同心円状に配置された2つの円環状の発光部とを有し、中央の2つの半円領域はシアン色および赤色に、それよりも外周側の円環領域は青色に、最外殻の円環領域は緑色に発光する。各色の発光部を別々のパッケージで構成すると、発光部同士の距離が離れていることに起因して色むらが発生し得るが、各色の発光部を1つのパッケージ(1コア)内にまとめることにより、互いに近接した位置から各色の光が出射されるため、発光装置1では混色性が改善される。
【0060】
また、シアンのスペクトルは青色と緑色が半々で生成されるため、基板中央に赤色とシアン色の発光部を配置することで、これらの発光部のスペクトルはRGBの混ざったものになる。ただし、赤色とシアン色の発光部のみではそれらを発光させたときに赤色が強くなり過ぎるので、それを防ぐために、発光装置1では、外周側に円環状の青色と緑色の発光部が配置されている。仮に、青色と緑色の発光部を基板中央に、赤色とシアン色の発光部を外周側に配置するなど、発光装置1のものとは異なる配置にしたとすると、色のバランスが崩れ、RGBのうちでいずれかの色が目立ち過ぎるという不具合が生じる恐れがある。しかしながら、発光装置1では、基板中央に赤色とシアン色の発光部を配置することで、すべての発光部を発光させたときに、バランスのとれた発光色が得られる。
【0061】
したがって、演色性の観点でも、各色の発光部の配置は、発光装置1のものが最適である。発光装置1では、赤色、緑色および青色の発光部に加えて、シアン色の発光部を設け、かつ、各発光部を上記の通りに配置することで、各発光部からの出射光の混色性および装置全体の発光色の演色性が向上する。
【0062】
図7は、別の発光装置のセラミック基板10’の上面図である。図8(A)および図8(B)は、セラミック基板10’とその上に設けられたレジスト27の分解図である。
【0063】
セラミック基板10’は、その上面にLED素子31〜34の配線パターン22C,22R,22B,22G,23C,23R,23B,23Gおよび電極端子24C,24R,24B,24G,25C,25R,25B,25Gが形成され、かつLED素子31〜34が実装される平坦な基板である。セラミック基板10’は、開口部が形成されていない点が発光装置1の回路基板20とは異なるが、セラミック基板10’上の配線パターンおよび電極端子の形状および配置は、回路基板20のものと同じである。また、図8(B)に示すセラミック基板10’のレジスト27は、図2(C)に示した回路基板20のものと同じである。セラミックは比較的、熱伝導率が高い材質であるため、セラミック基板10’は、発光装置1の金属基板10と回路基板20の機能を兼ねている。
【0064】
発光装置は、金属基板10と回路基板20で構成される基板に代えて、図7に示したようなセラミック基板10’を有してもよい。セラミック基板10’を有する発光装置も、基板以外の構成は発光装置1と同じであり、上面図は図1に示したものと同じである。
【0065】
図9(A)〜図9(C)は、セラミック基板10’を有する発光装置2の製造工程を示す上面図である。これらの図でも、簡単のため、LED素子31〜34の個数を実際の製品よりも少なく記載しており、ワイヤの図示を省略している。
【0066】
発光装置2の製造時には、まず、図9(A)に示すように、LED素子31〜34が、発光装置1のLED素子31〜34と同様の配置でセラミック基板10’上に実装され、ワイヤを介して配線パターン22C,22R,22B,22G,23C,23R,23B,23Gに接続される。発光装置2におけるLED素子31〜34の接続関係も、発光装置1のものと同じである。次に、図9(B)に示すように、セラミック基板10’の上面に樹脂枠41〜43が固定され、図9(C)に示すように、樹脂枠41〜43により囲まれる各領域に封止樹脂51〜54が充填される。以上の工程により、発光装置2が完成する。
【0067】
発光装置2でも、発光装置1と同様に、各発光部からの出射光の混色性および装置全体の発光色の演色性が向上する。また、発光装置1では、回路基板20の各開口部内で露出している金属基板10の上面に直接LED素子31〜34が実装されているため、放熱牲がよく、製品寿命が長くなる。これに対し、発光装置2では、金属基板10および回路基板20に代えてセラミック基板10’を使用するので、基板の構造が単純であり、かつ絶縁性が高くなる。
【0068】
なお、発光装置1,2では、製造を容易にするために、LED素子31〜34としてすべて同じ発光波長の素子を使用し、各封止樹脂に異なる種類の蛍光体を分散混入させることにより、発光部ごとに異なる色を得ている。ただし、LED素子31〜34として、発光波長が互いに異なる素子を使用してもよい。例えば、LED素子32は赤色光を発する赤色LEDであってもよく、この場合、封止樹脂52は赤色蛍光体を含有しなくてもよい。また、LED素子34は緑色光を発する緑色LEDであってもよく、この場合、封止樹脂54は緑色蛍光体を含有しなくてもよい。また、LED素子33は、紫外LED素子などの青色光以外の光を発する素子であってもよく、この場合、封止樹脂53は、LED素子33からの光を吸収して青色に発光するBaMgAl1017:Eu2+などの蛍光体を含有してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1,2 発光装置
5 基板
10 金属基板
10’ セラミック基板
20 回路基板
21C,21R,21B〜21B,21G〜21G 開口部
22C,22R,22B,22G,23C,23R,23B,23G 配線パターン
24C,24R,24B,24G,25C,25R,25B,25G 電極端子
31,32,33,34 LED素子
35 ワイヤ
41,42,43 樹脂枠
51,52,53,54 封止樹脂
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9