【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、食肉、植物または植物の一部分に影響を及ぼす病原体に対する抗菌化合物および/または組成物の使用に関する。一実施形態において、提供される抗菌化合物は、ある種のオキサボロール部分の付加生成物として、揮発性である。これらの抗菌化合物および/または組成物の揮発性を利用する送達システムが提供される。例えば、1−メチルシクロプロペンなどの揮発性植物成長調整剤との組合せもまた開示される。
【0004】
一態様において、提供されるのは、式(A):
R
A−L
A−G−L
B−R
B (A)
[式中、
R
AおよびR
Bのそれぞれは、独立して、オキサボロール部分を含む基であり;
L
AおよびL
Bのそれぞれは、独立して、−O−、
【化1】
であり;
RおよびR’のそれぞれは、独立して、水素、非置換もしくは置換C
1〜C
18−アルキル、アリールアルキル、アリール、または複素環部分であり;
Gは、置換もしくは非置換C
1〜18−アルキレン、アリールアルキレン、アリーレン、または複素環部分である]
の構造を有する抗菌化合物、および農学的に許容されるその塩である。
【0005】
一実施形態において、抗菌化合物は、揮発性化合物である。別の実施形態において、抗菌化合物は、食肉、植物または植物の一部分に影響を及ぼす病原体に対する使用であって、食肉、植物または植物の一部分に接触させることを含む使用を有する。別の実施形態において、式(A)の−L
A−G−L
B−部分は、ジオールまたはジアミン化合物に由来する。さらなる実施形態において、ジオール化合物は、1,2−エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,1,2,2−テトラメチル−1,2−エチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の実施形態において、ジアミン化合物は、1,2−エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、またはそれらの組合せである。別の実施形態において、L
AおよびL
Bのそれぞれは、独立して、−O−または−NH−である。別の実施形態において、L
AおよびL
Bは同じである。別の実施形態において、L
AおよびL
Bは異なる。別の実施形態において、Gは、置換または非置換C
1〜C
8−アルキレンである。さらなる実施形態において、Gは、置換または非置換C
1〜4−アルキレンである。さらなる実施形態において、Gは、−CH
2−、−CH
2−CH
2−、および−CH
2−CH
2−CH
2−から選択される。
【0006】
別の実施形態において、R
AおよびR
Bのそれぞれは、独立して、5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール、5−クロロ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール、1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール、およびそれらの組合せからなる群に由来する。別の実施形態において、R
AおよびR
Bは同じである。別の実施形態において、R
AおよびR
Bは異なる。
【0007】
別の実施形態において、R
AおよびR
Bのそれぞれは、独立して、式(B)、(C)、(D)、(E)、(F)または(G):
【化2】
[式中、
q1およびq2は、独立して、1、2または3であり;
q3=0、1、2、3または4であり;
Bはホウ素であり;
Mは、水素、ハロゲン、−OCH
3または−CH
2−O−CH
2−O−CH
3であり;
M
1は、ハロゲン、−CH
2OHまたは−OCH
3であり;
Xは、O、SまたはNR
1cであり、ここで、R
1cは、水素、置換アルキルまたは非置換アルキルであり;
R
1、R
1a、R
1b、R
2およびR
5は、独立して、水素、OH、NH
2、SH、CN、NO
2、SO
2、OSO
2OH、OSO
2NH
2、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールである]あるいは
【化3】
[式中、
各R
6は、独立して、水素、アルキル、アルケン、アルキン、ハロアルキル、ハロアルケン、ハロアルキン、アルコキシ、アルケンオキシ、ハロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールアルケン、アリールアルキン、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケン、ヘテロアリールアルキン、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトリル、アミン、エステル、カルボン酸、ケトン、アルコール、スルフィド、スルホキシド、スルホン、スルホキシミン、スルフィルイミン、スルホンアミド、スルファート、スルホナート、ニトロアルキル、アミド、オキシム、イミン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルバマート、チオカルバマート、尿素、チオ尿素、カルボナート、アリールオキシ、またはヘテロアリールオキシであり;
n=1、2、3または4であり;
Bはホウ素であり;
X
2=(CR
62)
mであり
、ここで、m=1、2、3または4である]あるいは
【化4】
[式中、
AおよびDは、それらが結合する炭素原子と一緒に、C
1〜6−アルキル、C
1〜6−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、アミノ、1つまたは複数のC
1〜6−アルキル基によって置換されているアミノ、カルボキシ、アシル、アリールオキシ、カルボンアミド、C
1〜6−アルキルによって置換されているカルボンアミド、スルホンアミドもしくはトリフルオロメチルによって置換されていてもよい、5、6もしくは7員縮合環を形成し、または、該縮合環は、2つのオキサボロール環を連結することができ;Bはホウ素であり;
X
1は、基−CR
7R
8であり、ここで、R
7およびR
8は、それぞれ独立して、水素、C
1〜6−アルキル、ニトリル、ニトロ、アリール、アラルキルであるか、または、R
7およびR
8は、それらが結合する炭素原子と一緒に、脂環式の環を形成する]あるいは
【化5】
[式中、
R
9は、CN、C(O)NR
11R
12またはC(O)OR
13であり、ここで、R
13は、水素、置換アルキルまたは非置換アルキルであり、
X
3は、N、CHおよびCR
10であり;
R
10は、ハロゲン、置換または非置換アルキル、C(O)R
14、C(O)OR
14、OR
14、NR
14R
15であり、ここで、R
11、R
12、R
14およびR
15のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールである]
から選択される、および農学的に許容されるその塩。
【0008】
別の実施形態において、抗菌化合物は、式(A1)または式(A2):
【化6】
[式中、
A
1、A
2、D
1およびD
2のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは非置換C
1〜18−アルキル、アリールアルキル、アリール、または複素環であり;あるいは、A
1およびD
1、またはA
2およびD
2が一緒に、置換または非置換の5、6または7員縮合環を形成し;
R
16、R
17、R
18およびR
19のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは非置換C
1〜6−アルキル、ニトリル、ニトロ、アリールまたはアリールアルキルであり;あるいは、R
16およびR
17、またはR
18およびR
19が一緒に、置換または非置換の脂環式の環を形成し;
Bはホウ素であり;ならびに
Gは、置換もしくは非置換C
1〜18−アルキレン、アリールアルキレン、アリーレン、または複素環部分である]
の構造を有する、および農学的に許容されるその塩。
【0009】
別の実施形態において、R
AおよびR
Bのそれぞれは、独立して、
【化7】
[式中、
X
2=(CR
62)
mであり、m=1、2、3または4である]
である。
【0010】
別の実施形態において、R
AおよびR
Bのそれぞれは、独立して、
【化8】
である。
【0011】
別の実施形態において、抗菌化合物は
【化9】
の構造を有する。
【0012】
別の態様において、提供されるのは、本明細書に記載の抗菌化合物を含む混合物または組成物である。一実施形態において、組成物の混合物は、シクロプロペン化合物をさらに含む。さらなる実施形態において、シクロプロペン化合物は、式:
【化10】
[式中、
Rは、置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはナフチル基であり、ここで、置換基は、独立して、ハロゲン、アルコキシ、または置換もしくは非置換のフェノキシである]
のものである。一実施形態において、Rは、C
1〜8アルキルである。別の実施形態において、Rはメチルである。
【0013】
別の実施形態において、シクロプロペン化合物は、式:
【化11】
[式中、
R
1は、置換もしくは非置換C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4アルケニル、C
1〜C
4アルキニル、C
1〜C
4シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはナフチル基であり;R
2、R
3、およびR
4は水素である]
のものである。別の実施形態において、シクロプロペンは、1−メチルシクロプロペン(1−MCP)を含む。
【0014】
別の態様において、提供されるのは、食肉、植物または植物の一部分に影響を及ぼす病原体に対する抗菌化合物の使用方法である。方法は、食肉、植物または植物の一部分を、式(A):
R
A−L
A−G−L
B−R
B (A)
[式中、
R
AおよびR
Bのそれぞれは、独立して、オキサボロール部分を含む基であり;
L
AおよびL
Bのそれぞれは、独立して、−O−、
【化12】
であり;
RおよびR’のそれぞれは、独立して、水素、非置換もしくは置換C
1〜18−アルキル、アリールアルキル、アリール、または複素環部分であり;
Gは、置換もしくは非置換C
1〜18−アルキレン、アリールアルキレン、アリーレン、または複素環部分である]
の構造を有する有効量の抗菌化合物、および農学的に許容されるその塩と接触させることを含む。
【0015】
一実施形態において、抗菌化合物は、揮発性化合物である。別の実施形態において、式(A)の−L
A−G−L
B−部分は、ジオールまたはジアミン化合物に由来する。さらなる実施形態において、ジオール化合物は、1,2−エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,1,2,2−テトラメチル−1,2−エチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の実施形態において、ジアミン化合物は、1,2−エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、またはそれらの組合せである。別の実施形態において、L
AおよびL
Bは同じである。別の実施形態において、L
AおよびL
Bは異なる。別の実施形態において、L
AおよびL
Bのそれぞれは、独立して、−O−または−NH−である。別の実施形態において、L
AおよびL
Bは同じである。別の実施形態において、L
AおよびL
Bは異なる。別の実施形態において、Gは、置換または非置換C
1〜8−アルキレンである。さらなる実施形態において、Gは、置換または非置換C
1〜4−アルキレンである。さらなる実施形態において、Gは、−CH
2−、−CH
2−CH
2−、および−CH
2−CH
2−CH
2−から選択される。
【0016】
別の実施形態において、R
AおよびR
Bのそれぞれは、独立して、5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール、5−クロロ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール、1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール、およびそれらの組合せからなる群に由来する。別の実施形態において、R
AおよびR
Bは同じである。別の実施形態において、R
AおよびR
Bは異なる。
【0017】
別の実施形態において、R
AおよびR
Bのそれぞれは、独立して、式(B)、(C)、(D)、(E)、(F)または(G):
【化13】
[式中、
q1およびq2は、独立して、1、2または3であり;
q3=0、1、2、3または4であり;
Bはホウ素であり;
Mは、水素、ハロゲン、−OCH
3または−CH
2−O−CH
2−O−CH
3であり;
M
1は、ハロゲン、−CH
2OHまたは−OCH
3であり;
Xは、O、SまたはNR
1cであり、ここで、R
1cは、水素、置換アルキルまたは非置換アルキルであり;
R
1、R
1a、R
1b、R
2およびR
5は、独立して、水素、OH、NH
2、SH、CN、NO
2、SO
2、OSO
2OH、OSO
2NH
2、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールである]あるいは
【化14】
[式中、
各R
6は、独立して、水素、アルキル、アルケン、アルキン、ハロアルキル、ハロアルケン、ハロアルキン、アルコキシ、アルケンオキシ、ハロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールアルケン、アリールアルキン、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケン、ヘテロアリールアルキン、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトリル、アミン、エステル、カルボン酸、ケトン、アルコール、スルフィド、スルホキシド、スルホン、スルホキシミン、スルフィルイミン、スルホンアミド、スルファート、スルホナート、ニトロアルキル、アミド、オキシム、イミン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルバマート、チオカルバマート、尿素、チオ尿素、カルボナート、アリールオキシ、またはヘテロアリールオキシであり;
n=1、2、3または4であり;
Bはホウ素であり;
X
2=(CR
62)
mであり
、ここで、m=1、2、3または4である]あるいは
【化15】
[式中、
AおよびDは、それらが結合する炭素原子と一緒に、C
1〜6−アルキル、C
1〜6−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、アミノ、1つまたは複数のC
1〜6−アルキル基によって置換されているアミノ、カルボキシ、アシル、アリールオキシ、カルボンアミド、C
1〜6−アルキルによって置換されているカルボンアミド、スルホンアミドまたはトリフルオロメチルによって置換されていてもよい、5、6または7員縮合環を形成し、または、該縮合環は、2つのオキサボロール環を連結することができ;Bはホウ素であり;
X
1は、基−CR
7R
8であり、ここで、R
7およびR
8は、それぞれ独立して、水素、C
1〜6−アルキル、ニトリル、ニトロ、アリール、アラルキルであるか、または、R
7およびR
8は、それらが結合する炭素原子と一緒に、脂環式の環を形成する]あるいは
【化16】
[式中、
R
9は、CN、C(O)NR
11R
12またはC(O)OR
13であり、ここで、R
13は、水素、置換アルキルまたは非置換アルキルであり、
X
3は、N、CHおよびCR
10であり;
R
10は、ハロゲン、置換または非置換アルキル、C(O)R
14、C(O)OR
14、OR
14、NR
14R
15であり、ここで、R
11、R
12、R
14およびR
15のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールである]
から選択される、および農学的に許容されるその塩。
【0018】
別の実施形態において、抗菌化合物は、式(A1)または式(A2):
【化17】
[式中、
A
1、A
2、D
1およびD
2のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは非置換C
1〜18−アルキル、アリールアルキル、アリール、または複素環であり;あるいは、A
1およびD
1、またはA
2およびD
2が一緒に、置換または非置換の5、6または7員縮合環を形成し;
R
16、R
17、R
18およびR
19のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは非置換C
1〜6−アルキル、ニトリル、ニトロ、アリールまたはアリールアルキルであり;あるいは、R
16およびR
17、またはR
18およびR
19が一緒に、置換または非置換の脂環式の環を形成し;
Bはホウ素であり;ならびに
Gは、置換もしくは非置換C
1〜18−アルキレン、アリールアルキレン、アリーレン、または複素環部分である]
の構造を有する、および農学的に許容されるその塩。
【0019】
別の実施形態において、R
AおよびR
Bのそれぞれは、独立して、
【化18】
[式中、
X
2=(CR
62)
mであり、m=1、2、3または4である]
である。
【0020】
別の実施形態において、R
AおよびR
Bのそれぞれは、独立して、
【化19】
である。
【0021】
別の実施形態において、抗菌化合物は
【化20】
の構造を有する。
【0022】
提供される方法の一実施形態において、病原体は、アルテルナリア属種(Alternaria spp.)、アスペルギルス属種(Aspergillus spp.)、ボトリオスフェリア属種(Botryospheria spp.)、ボトリティス属種(Botrytis spp.)、ビソクラミス属種(Byssochlamys spp.)、コレトトリクム属種(Colletotrichum spp.)、ディプロディア属種(Diplodia spp.)、フザリウム属種(Fusarium spp.)、ゲオトリクム属種(Geotrichum spp.)、ラシオジプロディア属種(Lasiodiplodia spp.)、モノリニア属種(Monolinia spp.)、ムコール属種(Mucor spp.)、ペニシリウム属種(Penicillium spp.)、ペジクラ属種(Pezicula spp.)、ホモプシス属種(Phomopsis spp.)、フィトフトラ属種(Phytophthora spp.)、ピシウム属種(Pythium spp.)、リゾクトニア属種(Rhizoctonia spp.)、リゾプス属種(Rhizopus spp.)、スクレロティニア属種(Sclerotinia spp.)およびベンツリア属種(Venturia spp.)からなる群から選択される。別の実施形態において、病原体は、エルウィニア属種(Erwinia spp.)、ペクトバクテリウム属種(Pectobacterium spp.)、シュードモナス属種(Pseudomonas spp.)、ラルストニア属種(Ralstonia spp.)、キサントモナス属種(Xanthomonas spp.)、サルモネラ属種(Salmonella spp.)、エシェリキア属種(Escherichia spp.)、リステリア属種(Listeria spp.)、バチルス属種(Bacillus spp.)、シゲラ属種(Shigella spp.)およびブドウ球菌属種(Staphylococcus spp.)からなる群から選択される。別の実施形態において、病原体は、カンジダ属種(Candida spp.)、デバリオマイセス属種(Debaryomyces spp.)、バチルス属種(Bacillus spp.)、カンピロバクター属種(Campylobacter spp.)、クロストリジウム属種(Clostridium spp.)、クリプトスポリジウム属種(Cryptosporidium spp.)、ジアルディア属種(Giardia spp.)、ビブリオ属種(Vibrio spp.)およびエルシニア属種(Yersinia spp.)からなる群から選択される。別の実施形態において、方法は、収穫前処理または収穫後処理を含む。さらなる実施形態において、収穫前処理は、種子処理および移植物処理からなる群から選択される。別の実施形態において、収穫後処理は、現場包装中の処理、パレット輸送中の処理、箱詰め処理、輸送中の処理、ならびに保管中および/または流通網全体を通じての処理からなる群から選択される。
【0023】
別の実施形態において、植物または植物の一部分は、トランスジェニック植物またはトランスジェニック植物の一部分を含む。別の実施形態において、植物または植物の一部分は、トウモロコシ、小麦、綿、米、大豆、およびカノーラからなる群から選択される。別の実施形態において、植物または植物の一部分は、果実、野菜、苗木、芝生および観賞作物からなる群から選択される。さらなる実施形態において、果実は、バナナ、パイナップル、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツおよび他のかんきつ類を含むかんきつ類、ブドウ、スイカ、カンタロープ、マスクメロンおよび他のメロン、リンゴ、モモ、西洋ナシ、サクランボ、キウイフルーツ、マンゴ、ネクタリン、グアヴァ、パパイヤ、カキ、ザクロ、アボカド、イチジク、ならびにストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、カラントおよび他の種類のベリーを含むベリーからなる群から選択される。さらなる実施形態において、野菜は、トマト、ジャガイモ、サツマイモ、キャッサバ、コショウ、ピーマン、ニンジン、セロリ、カボチャ、ナス、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、アスパラガス、マッシュルーム、タマネギ、ニンニク、ニラネギ、およびサヤマメからなる群から選択される。さらなる実施形態において、草花または草花の一部分は、バラ、カーネーション、ラン、ゼラニウム、ユリまたは他の観賞用草花からなる群から選択される。さらなる実施形態において、食肉は、牛肉、バイソン、鶏肉、シカ、ヤギ、七面鳥、豚肉、羊、魚、貝、軟体動物、または乾蔵された肉製品の群から選択される。
【0024】
一実施形態において、接触させることは、スプレー、ミスト、熱もしくは非熱噴霧、浸漬、ガス処理、およびこれらの組合せからなる群から選択される手段により、揮発性抗菌化合物を施用することを含む。さらなる実施形態において、ガス処理は、小袋からの放出、合成もしくは天然フィルム、線維性材料からの放出、および/またはライナーもしくは他の包装材料からの放出、粉末からの放出、気体放出発生器からの放出、圧縮もしくは非圧縮ガスシリンダーを用いた放出、ボックス内部の液滴からの放出、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される。別の実施形態において、方法は、食肉、植物、植物の一部分を、揮発性植物成長調整剤と接触させることをさらに含む。さらなる実施形態において、揮発性植物成長調整剤は、シクロプロペン化合物である。さらなる実施形態において、シクロプロペン化合物は、1−メチルシクロプロペン(1−MCP)を含む。
【0025】
別の態様において、提供されるのは、抗菌化合物を調製する方法である。方法は:
(a)第1の有機溶媒中で、少なくとも1つのオキサボロール化合物を、少なくとも1つの付加化合物と混合すること;
(b)加熱により第1の有機溶媒を蒸発させることによって、少なくとも1つの付加化合物が少なくとも1つのオキサボロール化合物と反応し、少なくとも1つの付加生成物を生成すること;および
(c)第2の有機溶媒を使用して、少なくとも1つの付加生成物を結晶化すること
を含む。
【0026】
一実施形態において、第1の有機溶媒は、第2の有機溶媒と同じである。別の実施形態において、第1の有機溶媒はトルエンである。別の実施形態において、第1の有機溶媒は、第2の有機溶媒とは異なる。別の実施形態において、第2の有機溶媒は、トルエンまたはヘキサンである。別の実施形態において、第2の有機溶媒はヘキサンである。
【0027】
別の実施形態において、加熱は、110℃から1250℃の間、100℃から150℃の間、または18℃から200℃の間の温度で行われる。
【0028】
別の実施形態において、少なくとも1つの付加化合物は、ジオールまたはジアミン化合物を含む。さらなる実施形態において、ジオール化合物は、1,2−エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,1,2,2−テトラメチル−1,2−エチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の実施形態において、ジアミン化合物は、1,2−エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、またはそれらの組合せである。
【0029】
別の実施形態において、少なくとも1つのオキサボロール化合物は、式(B1)、(C1)、(D1)、(E1)、(F1)または(G1):
【化21】
[式中、
R
*は−OHであり、他の置換基は、本明細書に定義されるように、式(B)、(C)、(D)、(E)、(F)または(G)のものである]
から選択される構造の化合物を含む。
【0030】
別の実施形態において、少なくとも1つのオキサボロール化合物は、5−フルオロ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール、5−クロロ−1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール、1,3−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2,1−ベンゾオキサボロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される化合物を含む。
【0031】
別の実施形態において、少なくとも1つのオキサボロール化合物は、
【化22】
[式中、
X
2=(CR
62)
mであり、m=1、2、3または4である]
から選択される構造の化合物を含む。
【0032】
別の実施形態において、少なくとも1つのオキサボロール化合物は、
【化23】
から選択される構造の化合物を含む。
【0033】
別の実施形態において、少なくとも1つの付加生成物は、式(A1)または(A2):
【化24】
[式中、
置換基は、式(A1)または(A2)について本明細書に定義されている通りである]
の構造を有する化合物を含む。
【0034】
別の実施形態において、少なくとも1つの付加生成物は、
【化25】
の構造を有する化合物を含む。
【0035】
別の実施形態において、ステップ(a)は、50℃から60℃の間、40℃から80℃の間、または20℃から120℃の間の温度で行われる。
【0036】
別の実施形態において、ステップ(a)は、少なくとも1つの触媒の存在下で行われる。さらなる実施形態において、触媒は、アミン、ホスフィン、複素環式窒素、アンモニウム、ホスホニウム、アルソニウム、スルホニウム部分、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の実施形態において、触媒は、ホスホニウム化合物、アンモニウム化合物、クロニウム塩、アミノ化合物、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の実施形態において、触媒は、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、イミダゾール誘導体、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、およびそれらの組合せからなる群から選択される。