特許第6807751号(P6807751)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807751
(24)【登録日】2020年12月10日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】共重合体および油性ゲル化剤
(51)【国際特許分類】
   C08F 220/12 20060101AFI20201221BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 1/04 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 1/08 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20201221BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   C08F220/12
   A61K8/81
   A61Q19/00
   A61Q1/00
   A61Q1/04
   A61Q19/10
   A61Q5/12
   A61Q1/10
   A61Q5/06
   A61Q5/00
   A61Q17/04
   A61Q1/12
   A61Q1/14
   A61Q1/08
   A61Q5/02
   A61Q7/00
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-564723(P2016-564723)
(86)(22)【出願日】2015年10月27日
(86)【国際出願番号】JP2015080236
(87)【国際公開番号】WO2016098456
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2018年9月25日
(31)【優先権主張番号】特願2014-257488(P2014-257488)
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(73)【特許権者】
【識別番号】000166683
【氏名又は名称】互応化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(72)【発明者】
【氏名】宇山 允人
(72)【発明者】
【氏名】宮沢 和之
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 匠
(72)【発明者】
【氏名】阿部 峰大
(72)【発明者】
【氏名】松村 正人
【審査官】 松元 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−326916(JP,A)
【文献】 特表2003−509539(JP,A)
【文献】 特開2003−238348(JP,A)
【文献】 特開2011−079871(JP,A)
【文献】 特開2012−233178(JP,A)
【文献】 特開昭63−309503(JP,A)
【文献】 特表2005−517518(JP,A)
【文献】 特開2002−332212(JP,A)
【文献】 特表平11−501690(JP,A)
【文献】 特開2015−131767(JP,A)
【文献】 特開平09−030926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 220/00 − 220/70
A61K 8/80 − 8/99
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示される疎水性モノマーと、
下記一般式(2)で示される親水性モノマーと、を含み、疎水性モノマー:親水性モノマーが4:6〜7:3(モル比)含むことを特徴とする共重合体。
【化1】
(式(1)中、Rは直鎖または分岐鎖の16〜22の炭素原子を有するアルキル基である。Rは、水素原子またはメチル基である。)
【化2】
(式(2)中、Rは、グリセリル基、または−(CO)Hで示されるポリプロピレングリコール基(ただしnは2〜10の整数)である。Rは、水素原子またはメチル基である。
【請求項2】
請求項1に記載の共重合体において、一般式(1)で示される疎水性モノマーが、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニルから選択されることを特徴とする共重合体。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の共重合体において、一般式(2)で示される親水性モノマーが、メタクリル酸グリセリル、アクリル酸PPG-6から選択されることを特徴とする共重合体。
【請求項4】
請求項3に記載の共重合体において、一般式(2)で示される親水性モノマーが、タクリル酸グリセリルであることを特徴とする共重合体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の共重合体において、一般式(1)で示される疎水性モノマーと一般式(2)で示される親水性モノマーが、構成モノマー中90%以上であることを特徴とする共重合体。
【請求項6】
請求項に記載の共重合体からなることを特徴とする油性ゲル化剤。
【請求項7】
請求項に記載の油性ゲル化剤を配合することを特徴とする油性ゲル状組成物。
【請求項8】
請求項に記載の油性ゲル状組成物を含むことを特徴とする油性化粧料。
【請求項9】
請求項に記載の油性ゲル状組成物を含むことを特徴とする油中水型乳化化粧料。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2014年12月19日付け出願の日本国特許出願2014−257488号の優先権を主張しており、ここに折り込まれるものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は新規な共重合体に関し、特に安定な油性ゲル状組成物を調製可能な油性ゲル化剤として用いることができる共重合体に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、ゲル状組成物は、化粧料や食品などのあらゆる分野において利用されている。このうち、油分を含むゲル状組成物の形成には、一般に油性ゲル化剤が用いられる。
油性ゲル化剤としては、例えば質量比30:70〜70:30のパルミチン酸とベヘン酸を構成脂肪酸とするトリグリセリド70質量%以上を含み、かつヨウ素価が10以下である油脂(特許文献1)が開示されている。
しかし、油性ゲル状組成物の安定性や温度安定性には、改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−133358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記従来技術に鑑み行われたものであり、その解決すべき課題は、新規な共重合体であって、モノマーの割合を調製することにより安定な油性ゲル状組成物を調製可能な共重合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らが前述の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の疎水性モノマーおよび特定の親水性モノマーからなる共重合体が、安定な油性ゲル状組成物を調製可能な油性ゲル化剤であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる共重合体は、下記一般式(1)で示される疎水性モノマーと、
下記一般式(2)および/または下記一般式(3)で示される親水性モノマーと、を含むことを特徴とする。
【0007】
【化1】
(式(1)中、Rは直鎖または分岐鎖の16〜22の炭素原子を有するアルキル基である。Rは、水素原子またはメチル基である。)
【0008】
【化2】
(式(2)中、Rは、水素原子、グリセリル基、直鎖または分岐鎖の1〜4の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、または−(CO)Hで示されるポリプロピレングリコール基(ただしnは2〜10の整数)である。Rは、水素原子またはメチル基である。)
【0009】
【化3】
(式(3)中、Rは、水素原子またはメチル基である。Rは、直鎖または分岐鎖の1〜4の炭素原子を有するアルキル基またはヒドロキシアルキル基、または下記一般式(4)で示される置換基である。)
【0010】
【化4】
【0011】
前記共重合体において、一般式(1)で示される疎水性モノマーが、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニルから選択されることが好ましい。
前記共重合体において、一般式(3)で示される親水性モノマーが、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸から選択されることが好ましい。
前記共重合体において、一般式(2)で示される親水性モノマーが、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリセリル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸PPG-6、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル、アクリル酸から選択されることが好ましい。
【0012】
前記共重合体において、前記疎水性モノマーと前記親水性モノマーが、構成モノマー中90%以上であることが好適である。
前記共重合体において、疎水性モノマー:親水性モノマーが3:7〜8:2(モル比)であることが好適である。
前記共重合体において、一般式(2)および/または一般式(3)で示される親水性モノマーが、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリセリルであることが好適である。
本発明にかかる共重合体は、実質的に、下記一般式(1)で示される疎水性モノマーと、
下記一般式(2)および/または下記一般式(3)で示される親水性モノマーと、からなることを特徴とする。
本発明にかかる油性ゲル化剤は、前記共重合体からなることを特徴とする。
本発明にかかる油性ゲル状組成物は、前記油性ゲル化剤を配合することを特徴とする。
本発明にかかる油性化粧料は、前記油性ゲル状組成物を含むことを特徴とする。
本発明にかかる油中水型乳化化粧料は、前記油性ゲル状組成物を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、新規な共重合体を提供することができる。また、疎水性モノマーと親水性モノマーの割合を調製することにより、安定な油性ゲル状組成物を調製可能な油性ゲル化剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】レオロジー測定データを示すグラフである(油分:2−エチルヘキサン酸セチル)。
図2】レオロジー測定データを示すグラフである(油分:水添ポリデセン)。
図3】レオロジー測定データ(温度による変化)を示すグラフである(油分:2−エチルヘキサン酸セチル)。
図4】レオロジー測定データ(温度による変化)を示すグラフである(油分:水添ポリデセン)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明にかかる共重合体は、特定の疎水性モノマーと、特定の親水性モノマーと、を含むものである。以下、共重合体を構成する各モノマーについて詳述する。
【0016】
疎水性モノマーとして、下記一般式(1)で示されるモノマーを1種または2種以上用いることができる。
【0017】
【化5】
【0018】
式(1)中、Rは直鎖または分岐鎖の16〜22の炭素原子を有するアルキル基である。
直鎖または分岐鎖の16〜22の炭素原子を有するアルキル基としては、セチル基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、ベヘニル基等が挙げられる。
【0019】
式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基である。
【0020】
このような疎水性モノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(C16〜C22)、すなわちアクリル酸またはメタクリル酸と、炭素数16〜22の炭化水素基を有するアルコールからなるエステルである。
具体的には、例えば、アクリル酸セチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸イソステアリル、メタクリル酸イソステアリル、アクリル酸オレイル、メタクリル酸オレイル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ベヘニル等が挙げられる。
【0021】
親水性モノマーは、下記一般式(2)および/または下記一般式(3)で示されるモノマーを1種または2種以上用いることができる。
【0022】
【化6】
【0023】
式(2)中、Rは、水素原子、グリセリル基、直鎖または分岐鎖の1〜4の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、または−(CO)Hで示されるポリプロピレングリコール基である。
【0024】
このようなヒドロキシアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシエチル−2−メチルプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
また、ポリプロピレングリコールの付加モル数を表すnは2〜10の整数である。
【0025】
式(2)中、Rは、水素原子またはメチル基である。
【0026】
一般式(2)で示される親水性モノマーとして、具体的には、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)、メタクリル酸グリセリル(GLM)、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA)、アクリル酸PPG-6(AP-400)、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル(HPMA)、メタクリル酸2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル(HBMA)、アクリル酸(Aa)から選択されることが好ましい。
【0027】
【化7】
【0028】
式(3)中、Rは、水素原子またはメチル基である。
【0029】
は、直鎖または分岐鎖の1〜4の炭素原子を有するアルキル基またはヒドロキシアルキル基、または下記一般式(4)で示される置換基である。
【0030】
【化8】
【0031】
中のアルキル基としては、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が挙げられる。
また、ヒドロキシアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシエチル−2−メチルプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
【0032】
一般式(3)で示される親水性モノマーとして、具体的には、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド(HEAA)、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)から選択されることが好ましい。
【0033】
本発明にかかる共重合体は、ランダム型とブロック型のいずれも使用できるが、合成の容易性の観点から、ランダム型を用いることが好ましい。
【0034】
本発明の共重合体は、以下の製造方法で得ることができる。
すなわち、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌機が取り付けられた四つ口フラスコに、一般式(1)で示される疎水性モノマーおよび一般式(2)および/または一般式(3)で示される親水性モノマーの混合物とエタノールを仕込み、窒素気流下、昇温する。還流状態となった時点で、重合開始剤を添加し、数時間還流状態を維持して重合反応を進行する。次いで、溶液から溶媒を留去した後、再度エタノールを加えることで得ることができる。
【0035】
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。また、重合開始剤添加後の還流時間は、3〜5時間程度が好ましい。
【0036】
本発明にかかる共重合体は、油性ゲル化剤として用いることができる。本発明の共重合体は、配合することで安定な油性ゲル状組成物を得ることができる。
【0037】
本発明の共重合体において、一般式(1)で示される疎水性モノマーと一般式(2)および/または一般式(3)で示される親水性モノマーが、共重合体を構成するモノマー、すなわち構成モノマー中90%以上であることが好ましく、100%であることがより好ましい。前記疎水性モノマーと前記親水性モノマーが、構成モノマー中90%未満の場合、油性ゲル化剤として用いることができない場合がある。
【0038】
本発明の共重合体に含むことのできる一般式(1)で示される疎水性モノマー以外の疎水性モノマーとしては、例えば、メチルスチレン、スチレン、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル、アクリル酸−2−パーフルホロヘキシル−2−エチル、メタクリル酸−2−パーフルホロヘキシル−2−エチル等が挙げられる。
本発明の共重合体に含むことのできる一般式(2)または一般式(3)で示される親水性モノマー以外の親水性モノマーとしては、例えば、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、アクロイルモルホリン、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)エチレンウレア、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等が挙げられる。
【0039】
本発明にかかる共重合体において、疎水性モノマーと親水性モノマーの割合、すなわち疎水性モノマー:親水性モノマーが、3:7〜8:2(モル比)であることが好ましく、4:6〜7:3(モル比)であることがより好ましい。親水性モノマーの割合が高すぎる場合、油性ゲル化剤として用いることができない場合がある。また、疎水性モノマーの割合が高すぎる場合、油性ゲル化剤として用いた場合に不透明になってしまい、ゲルの性状が固体っぽくなってしまう場合がある。
【0040】
上記一般式(1)で示される疎水性モノマーとして、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニルを用いることが好ましい。これらの疎水性モノマーを含む共重合体は、油性ゲル化剤として用いた場合のゲル化能および油分との相溶性に優れる。
【0041】
上記一般式(2)および/または式(3)で示される親水性モノマーとして、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド(HEAA)、アクリル酸2−ヒドロキシエチル (HEA)、メタクリル酸グリセリル(GLM)を用いることが好ましい。これらの親水性モノマーを含む共重合体は、油性ゲル化剤として用いた場合のゲル化能および油分との相溶性に優れる。
【0042】
本発明の共重合体を油性ゲル化剤として用いる場合、シリコーン油に対する相溶性が低く、ゲル化しづらい。このため、炭化水素油、エステル油、アルコールを油分として含むことが好ましい。
炭化水素油、エステル油、アルコールの合計量は、油分中80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましい。
【0043】
炭化水素油としては、流動パラフィン、テトライソブタン、水添ポリデセン、オレフィンオリゴマー、イソドデカン、イソヘキサデカン、スクワラン、水添ポリイソブテン等が挙げられる。
エステル油としては、2−エチルヘキサン酸セチル、トリエチルヘキサノイン、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリイソステアリン、リンゴ酸ジイソステアリル、ジピバリン酸PPG−3、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル、オクタカプリル酸ポリグリセリル−6、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル等が挙げられる。
アルコールとしては、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。
【0044】
油性ゲル状組成物を調製するにあたっては、本発明の共重合体を炭化水素油、エステル油、アルコールにそれぞれ溶解してから混合すると、調製しやすい。溶解・混合に際しては、必要に応じて加熱してもよい。
【0045】
本発明にかかる共重合体を油性ゲル化剤として用いる場合の配合量は、油性ゲル状組成物中2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましい。配合量が2質量%未満では、ゲル化能に劣る場合がある。また、配合量は、油性ゲル状組成物中10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましい。10質量%を超えると、油分との相溶性が悪くなる場合がある。
【0046】
本発明の油性ゲル化剤は、少量でゲル化でき、ゲル化剤に由来するべたつきがなく、好適に油性ゲル状組成物を得ることができる。このような油性ゲル状組成物は、油性化粧料または油中水型乳化化粧料に好適に配合することができる。油分を固化するために、例えば、ワックス類など常温で固体ないし半固体の油分を用いるとべたつきを生じてしまうことがあるが、本発明の油性ゲル状組成物を配合した場合には、べたつきを生じない。
【0047】
油性化粧料としては、例えば、スキンケア化粧料(例えば、美容液など)、メーキャップ化粧料(例えば、口紅、グロスなど)、皮膚洗浄料(例えば、メイク落としなど)、毛髪化粧料(例えば、ヘアトリートメントなど)等の油性ゲル状化粧料、メーキャップ化粧料(例えば、マスカラ、マスカラ下地など)、皮膚洗浄料(例えば、メイク落としなど)、毛髪化粧料(例えば、ヘアオイルなど)、サンケアオイル等の油性化粧料が挙げられる。
【0048】
油中水型乳化化粧料としては、例えば、スキンケア化粧料(例えば、ローション、乳液、クリーム、美容液など)、メーキャップ化粧料(例えば、ファンデーション、化粧下地、口紅、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、マスカラ下地など)、皮膚洗浄料(例えば、ボディソープ、洗顔料、メイク落としなど)、毛髪洗浄料(例えば、シャンプーなど)、毛髪化粧料(例えば、リンス、ヘアトリートメント、育毛料など)、日焼け止め化粧料、染毛料等が挙げられる。
【0049】
本発明の油性ゲル状組成物を配合した油性化粧料または油中水型乳化化粧料には、保湿剤、紫外線吸収剤、香料、酸化防止剤、防腐防黴剤、体質顔料、着色顔料、水などの通常化粧料に用いられる成分を配合することができる。
【実施例】
【0050】
本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれにより限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
実施例の説明に先立ち本発明で用いた試験の評価方法について説明する。
【0051】
評価(1):油分との相溶性
共重合体を各種油分に85℃で溶解させた時の油分との相溶性を、目視により観察した。
A:相溶した。
B:わずかに沈殿が見られた。
C:全く相溶しなかった。
【0052】
評価(2):ゲル化能
共重合体を各種油分に85℃で5%溶解させた後、撹拌しながら35℃まで冷却させた時の状態について、傾斜法により、流動性のない状態をゲルと判定した。
A:ゲル化した。
B:わずかにゲル化した。
C:ゲル化しなかった。
【0053】
評価(3):透明性
試料の透明性を目視により評価した。
【0054】
評価(4):粘度
室温(25℃)で保存した製造後1時間経過した試料を、B型粘度計(BL型、12rpm)にて測定した。
【0055】
評価(5):乳化粒子径
試料調製後の乳化粒子の平均粒子径を顕微鏡観察により評価した。
【0056】
はじめに、本発明にかかる共重合体の製造方法を以下に示す。
還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌機が取り付けられた容量1リットルの四つ口フラスコに、各試験例に示す割合(モル比)の疎水性モノマーおよび親水性モノマーの混合物(合計100質量部)とエタノール250質量部を仕込み、窒素気流下、昇温した。還流状態(約80℃)となった時点で、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1質量部を添加し、4時間還流状態を維持することで重合反応を進行させた。次いで、溶液から溶媒を留去した後、再度エタノールを加えることで固形分濃度50質量%の共重合体(樹脂溶液)を得た。
【0057】
本発明者らは、共重合体のゲル化能について検討を行った。すなわち、下記表1に示す疎水性モノマーおよび親水性モノマーを用いた共重合体を、上記製造方法により製造し、上記評価方法(1)および(2)について評価した。なお、油分としては2−エチルヘキサン酸セチルを用いた。結果を表1に示す。
なお、以下の表において、疎水性モノマーと親水性モノマーの配合割合は、モル比で示されている。
【0058】
以下の表中において、疎水性モノマーと親水性モノマーは、略称で示してある。
表中における疎水性モノマーの化合物名は、以下の通りである。
SA:アクリル酸ステアリル(一般式(1)で示されるモノマー、R=ステアリル基、R=水素)
BEA:アクリル酸ベヘニル(一般式(1)で示されるモノマー、R=ベヘニル基、R=水素)
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル(一般式(1)で示されるモノマー、R=2−エチルヘキシル基、R=水素)
LA:アクリル酸ラウリル(一般式(1)で示されるモノマー、R=ラウリル基、R=水素)
CA:アクリル酸セチル(一般式(1)で示されるモノマー、R=セチル基、R=水素)
【0059】
表中における親水性モノマーの正式な化合物名は、以下の通りである。
HEAA:N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(一般式(3)で示されるモノマー、R=水素、R=2−ヒドロキシエチル基)
Aa:アクリル酸(一般式(2)で示されるモノマー、R=水素、R=水素)
AMPS:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(一般式(3)で示されるモノマー、R=水素、R=一般式(4)で示される置換基)
DAAM:ダイアセトンアクリルアミド(下記一般式(5)で示されるモノマー)
NIPAM:N−イソプロピルアクリルアミド(一般式(3)で示されるモノマー、R=水素、R=2−イソプロピル基)
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(一般式(2)で示されるモノマー、R=2−ヒドロキシエチル基、R=メチル基)
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル(一般式(2)で示されるモノマー、R=2−ヒドロキシエチル基、R=水素)
GLM:メタクリル酸グリセリル(一般式(2)で示されるモノマー、R=グリセリル基、R=メチル基)
QA:N,N,N,−トリメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)−アンモニウムクロライド(下記一般式(6)で示されるモノマー)
AE−400:アクリル酸PEG−10(下記一般式(7)で示されるモノマー)
AP−400:アクリル酸PPG−6(一般式(2)で示されるモノマー、R=−(CO)H(n=6)、R=水素)
HPMA:メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル(一般式(2)で示されるモノマー、R=2−ヒドロキシプロピル基、R=メチル基)
HBMA:メタクリル酸2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(一般式(2)で示されるモノマー、R=2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基、R=メチル基)
【0060】
【化9】
【0061】
【化10】
【0062】
【化11】
【0063】
【表1】
【0064】
表1によれば、アクリル酸ステアリルおよびN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドからなる共重合体(試験例1−1)は、5%の配合で著しいゲル化能を有していた。
また、アクリル酸ベヘニルおよびN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドからなる共重合体(試験例1−2)も、5%の配合で著しいゲル化能を有していた。
【0065】
そこで、本発明者らは、試験例1−2の共重合体を含む油性ゲルの特性について検討を行った。
すなわち、試験例1−2の共重合体、公知の油性ゲル化剤(ジメチルシリル化無水ケイ酸、パルミチン酸デキストリン、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、マイクロクリスタリンワックス)を5%用いた油性ゲルについて、上記評価方法(1)および(2)について評価した。なお、油分としては2−エチルヘキサン酸セチルまたはオレフィンオリゴマー30を用いた。結果を表2に示す。
【0066】
公知の油性ゲル化剤としては、以下の商品を用いて検討を行った。
ジメチルシリル化無水ケイ酸:アエロジルR972(日本アエロジル社製)
パルミチン酸デキストリン:レオパールKL(千葉製粉社製)
(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル:ノムコートHK−G(日清製油社製)
マイクロクリスタリンワックス:パーミック160(日興リカ社製)
【0067】
また、上記評価方法(2)について評価した後、各試料のレオロジー測定も行った。すなわち、コーンプレート型粘弾性測定機MCR302(Anton Paar Germany GmbH社製)を用い、測定治具として、プレートPP25(Radius 0.5mm)を用い、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’を測定した。測定条件は、γ=0.05〜500%、f=1Hz、測定温度は20℃で行った。
油分としては、2−エチルヘキサン酸セチルの他に、水添ポリデセンを用いて測定を行った。結果を、それぞれ図1図2に示す。
【0068】
さらに、試験例1−2の試料、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、マイクロクリスタリンワックスについては、温度を変化させた場合のレオロジー測定も行った。測定装置は上記の装置で、測定条件は、γ=1%、f=1Hz、測定温度は0〜60℃で行った。
油分としては、2−エチルヘキサン酸セチル、水添ポリデセンを用いて測定を行った結果を、それぞれ図3図4に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
表2によれば、全ての油性ゲル化剤は、2−エチルヘキサン酸セチルおよびオレフィンオリゴマーに85℃で溶解したが、組み合わせによりゲル化しないものもあった。
試験例1−2の試料、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、マイクロクリスタリンワックスは、いずれの油分ともゲルを形成することができた。
【0071】
図1および図2によれば、試験例1−2の試料が最もひずみに対して強く、明瞭な線形領域が存在することがわかった。
一方、その他の試料は低ひずみ側のG’は高いがひずみに対して弱く、線形領域がほとんど存在しなかった。
【0072】
図3および図4によれば、どちらの油分の場合も、試験例1−2の試料は60℃付近まで安定だった。
また、2−エチルヘキサン酸セチルを用いた場合、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、マイクロクリスタリンワックスは破壊領域にあり、温度によらず不安定であった。
また、水添ポリデセンを用いた場合、マイクロクリスタリンワックスは破壊領域にあり、温度によらず不安定であった。
【0073】
以上のことから、本発明にかかる共重合体から得られた油性ゲル状組成物が最もひずみと温度安定性に優れていることがわかった。
【0074】
次に、共重合体を構成する疎水性モノマーの種類を検討した。すなわち、本発明者らは下記表3に示す疎水性モノマーおよび親水性モノマーを用いた共重合体を、上記製造方法により製造し、上記評価方法(1)および(2)について評価した。なお、油分としては2−エチルヘキサン酸セチルを用いた。結果を表3に示す。
【0075】
【表3】
【0076】
表3によると、疎水性モノマーとして、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(C8〜C12)を用いた場合(試験例2−1、2−2)、油性ゲル化剤として機能しないことがわかる。
一方、疎水性モノマーとして、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(C16〜C22)を用いた共重合体は、優れた油性ゲル化剤であった。
【0077】
次に、共重合体を構成する親水性モノマーの種類を検討した。すなわち、本発明者らは下記表4および表5に示す疎水性モノマーおよび親水性モノマーを用いた共重合体を、上記製造方法により製造し、上記評価方法(1)および(2)について評価した。なお、油分としては2−エチルヘキサン酸セチルを用いた。結果を表4および表5に示す。
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
表4および表5によると、共重合体を構成する疎水性モノマーとして(メタ)アクリル酸アルキルエステル(C16〜C22)を用いた場合でも、親水性モノマーの種類により油性ゲル化剤として機能しないものもあることがわかる。
【0081】
以上のことから、本発明にかかる共重合体は、一般式(1)で示される疎水性モノマー疎水性モノマーと、一般式(2)および/または一般式(3)で示される親水性モノマーと、を含むことが必要である。
【0082】
このような本発明の共重合体は、安定な油性ゲル状組成物を調製できる油性ゲル化剤であって、油分との相溶性も良好である。また、油分との相溶性およびゲル化能を考慮すると、親水性モノマーとして、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド(HEAA)、アクリル酸2−ヒドロキシエチル (HEA)、メタクリル酸グリセリル(GLM)を用いることが好ましい。
【0083】
次に、共重合体を構成する疎水性モノマーと親水性モノマーの割合(モル比)について検討を行った。すなわち、本発明者らは下記表6に示す疎水性モノマーおよび親水性モノマーを用いた共重合体を、上記製造方法により製造し、上記評価方法(1)〜(3)について評価した。なお、油分としては2−エチルヘキサン酸セチルを用いた。また、共重合体のHLBについても算出した。結果を表6に示す。
【0084】
【表6】
【0085】
表6によると、親水性モノマーの割合(および共重合体のHLB)が高すぎると、ゲル化しなかった。
また、疎水性モノマーの割合が高すぎると、不透明になることがわかった。また、ゲルの性状も固体っぽくなってしまった。
【0086】
したがって、本発明にかかる共重合体を油性ゲル化剤として用いる場合、疎水性モノマーと親水性モノマーの割合、すなわち疎水性モノマー:親水性モノマーが、3:7〜8:2(モル比)であることが好ましい。また、共重合体のHLBが2〜10であることが好ましい。
【0087】
次に、油性ゲル化剤として用いる場合の共重合体の油分中の配合量について検討を行った。すなわち、本発明者らは、上記製造方法により製造した油性ゲル化剤を配合した下記表7に示す油性ゲルを、上記評価方法(1)〜(3)について評価した。なお、油分としては2−エチルヘキサン酸セチルを用いた。結果を表7に示す(配合量は質量%で示してある)。
なお、SA 50/HEAA 50はアクリル酸ステアリル:N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド=50:50(モル比)からなる共重合体であって、BEA 60/HEAA 40はアクリル酸ベヘニル:N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド=60:40(モル比)からなる共重合体である。
【0088】
【表7】
【0089】
表7によると、油性ゲル化剤の配合量が少なすぎるとゲル化能に劣り、油性ゲル化剤の配合量が多すぎると、油分との相溶性に劣ってしまうことがわかる。
したがって、本発明にかかる共重合体を油性ゲル化剤として用いる場合、油性ゲル化剤の配合量は、組成物中2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましい。また、油性ゲル化剤の配合量は、組成物中10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましい。
【0090】
次に、本発明者らは、本発明の共重合体を油性ゲル化剤として用いる場合の油分の種類について検討を行った。すなわち、上記製造方法により製造した油性ゲル化剤を配合した下記表8に示す油性ゲルを、上記評価方法(1)および(2)について評価した。結果を表8に示す(配合量は質量%で示してある)。
【0091】
【表8】
【0092】
表8によると、油分として、2−エチルヘキサン酸セチルの代わりに他のエステル油、炭化水素油、アルコールを用いた場合も、油性ゲルが得られた。
しかし、シリコーン油を用いた場合には、油性ゲルは得られなかった。
したがって、本発明にかかる共重合体を油性ゲル化剤として用いる場合、油分として、炭化水素油、エステル油、アルコールを含むことが好ましい。また、油分として、シリコーン油を含まないことが好ましい。
【0093】
次に、本発明の上記製造方法で得られた共重合体を用いて製造した油性ゲル状組成物を配合した油中水型乳化化粧料について検討を行った。すなわち、本発明者らは、下記製造方法により下記表9に示す油中水型乳化化粧料を調製し、上記評価方法(4)および(5)について評価した。結果を表9に示す。
【0094】
なお、BEA 60/GLM 40はアクリル酸ベヘニル:メタクリル酸グリセリル=60:40(モル比)からなる共重合体である。
また、表9では、乳化粒子径が15μm以下のものを総合評価○、乳化粒子径が15μmより大きいものを総合評価×と評価した。
【0095】
(製造方法)
(1)〜(5)を90℃で溶解させた後、25℃まで氷冷し、油性ゲル状組成物を得た。その後、(6)を混合し、ディスパー(4000rpm)で混合させ、油中水型乳化化粧料を得た。
【0096】
【表9】
【0097】
表9によると、公知の油性ゲル化剤であるパルミチン酸デキストリンを用いた油性ゲル状組成物を配合したものよりも、本発明にかかる共重合体を配合した油中水型乳化化粧料の方が、乳化粒子径の小さいものが製造可能であることがわかった。
【0098】
以下に、本発明の共重合体を用いて得た油性ゲル状組成物を配合した油性化粧料または油中水型乳化化粧料の処方例を挙げる。本発明はこれらの処方例によって限定されるものではない。
【0099】
〔処方例1:リップグロス組成物〕
配合成分 質量%
(1)リンゴ酸ジイソステアリル 39.9
(2)BEA 60/HEAA 40 6.0
(3)水添レシチン 0.1
(4)ヒマシ油 5.0
(5)流動パラフィン 5.0
(6)重質流動イソパラフィン 40.0
(7)4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.5
(8)ステアリン酸カルシウム 0.5
(9)酸化チタン被覆合成金雲母 1.0
(10)酸化チタン被覆ガラス末 1.0
(11)ジプロピレングリコール 1.0
<製造方法>
1:成分(1)〜(3)を95℃で溶解混合させる。
2:成分(4)〜(11)を85℃で溶解混合させる。
3:2を1に徐々に添加し、攪拌混合させる。
得られたリップグロス組成物の粘度は85,100mPa・s(30℃)であり、安定性は良好であった。
【0100】
〔処方例2:リップグロス組成物〕
配合成分 質量%
(1)リンゴ酸ジイソステアリル 39.9
(2)BEA 60/GLM 40 6.0
(3)水添レシチン 0.1
(4)ヒマシ油 5.0
(5)流動パラフィン 5.0
(6)重質流動イソパラフィン 40.0
(7)4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.5
(8)ステアリン酸カルシウム 0.5
(9)酸化チタン被覆合成金雲母 1.0
(10)酸化チタン被覆ガラス末 1.0
(11)ジプロピレングリコール 1.0
<製造方法>
1:成分(1)〜(3)を95℃で溶解混合させる。
2:成分(4)〜(11)を85℃で溶解混合させる。
3:2を1に徐々に添加し、攪拌混合させる。
得られたリップグロス組成物の粘度は69,200mPa・s(30℃)であり、安定性は良好であった。
【0101】
〔処方例3:マスカラ下地組成物〕
配合成分 質量%
(1)軽質イソパラフィン 41.46
(2)マイクロクリスタリンワックス 20.00
(3)マカデミアナッツ油 0.01
(4)ヒマワリ油 0.01
(5)イソステアリン酸 2.50
(6)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.00
(7)酢酸dl−α−トコフェロール 0.02
(8)BEA 60/GLM 40 10.00
(9)デカメチルシクロペンタシロキサン 8.00
(10)トリメチルシロキシケイ酸 10.00
(11)酸化チタン被覆マイカ 3.00
(12)ナイロン末 3.00
<製造方法>
1:成分(1)〜(8)を95℃で溶解混合させる。
2:成分(9)〜(12)を85℃で混合分散させる。
3:2を1に徐々に添加し、攪拌混合させる。
得られたマスカラ下地組成物の硬度は32(30℃)であり、安定性は良好であった。
【0102】
〔処方例4:クリーム組成物〕
配合成分 質量%
(1)水添ポリデセン 60.000
(2)ワセリン 1.000
(3)イソステアリン酸 0.100
(4)メチルシロキサン網状重合体 1.000
(5)BEA 60/HEAA 40 6.000
(6)精製水 15.437
(7)EDTA−3Na 0.100
(8)クエン酸 0.020
(9)クエン酸ナトリウム 0.080
(10)ピロ亜硫酸ナトリウム 0.003
(11)メタリン酸ナトリウム 0.010
(12)アルブチン 3.000
(13)トラネキサム酸 1.000
(14)濃グリセリン 3.000
(15)ジプロピレングリコール 3.000
(16)ポリエチレングリコール1000 1.000
(17)エタノール 5.000
(18)メチルパラベン 0.150
(19)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.100
<製造方法>
1:成分(1)〜(5)を95℃で混合分散させる。
2:成分(6)〜(19)を70℃で混合分散させる。
3:2を1に徐々に添加し、攪拌混合させる。
得られたクリームはW/O型で粘度は27,000mPa・s(30℃)であり、安定性は良好であった。
図1
図2
図3
図4