(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807753
(24)【登録日】2020年12月10日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】ブレーキ部材駆動機構
(51)【国際特許分類】
F16D 63/00 20060101AFI20201221BHJP
F16D 65/16 20060101ALI20201221BHJP
B66B 11/08 20060101ALI20201221BHJP
F16D 123/00 20120101ALN20201221BHJP
F16D 125/66 20120101ALN20201221BHJP
【FI】
F16D63/00 L
F16D65/16
B66B11/08 G
F16D123:00
F16D125:66
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-572722(P2016-572722)
(86)(22)【出願日】2015年6月10日
(65)【公表番号】特表2017-520731(P2017-520731A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(86)【国際出願番号】US2015035083
(87)【国際公開番号】WO2015191696
(87)【国際公開日】20151217
【審査請求日】2018年6月6日
(31)【優先権主張番号】62/011,341
(32)【優先日】2014年6月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591020353
【氏名又は名称】オーチス エレベータ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Otis Elevator Company
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】フー,グオホン
(72)【発明者】
【氏名】マーヴィン,ダリル ジェイ.
【審査官】
竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2006/054328(WO,A1)
【文献】
特表2002−532366(JP,A)
【文献】
特開平09−202558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 49/00−71/04
B66B 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き上げられた構造のためのブレーキングシステムであって、
前記引き上げられた構造の動作を案内するように構成された案内レール(14)と、
前記引き上げられた構造に対して作用するように結合され、前記案内レール(14)を摩擦により係合するように構成されたブレーキ表面(20)を有する第1のブレーキ部材(18)であって、ブレーキ位置と非ブレーキ位置との間で可動な前記第1のブレーキ部材(18)と、
前記第1のブレーキ部材(18)に対して作用するように結合され、前記非ブレーキ位置から前記ブレーキ位置へと前記第1のブレーキ部材(18)を駆動するように構成されたブレーキ部材駆動機構(12)であって、
前記第1のブレーキ部材(18)に対して作用するように結合された容器(24)と、
前記容器(24)内に配置された強磁性材料で形成され、所定の状態を示す前記引き上げられた構造の検出により前記案内レール(14)を磁性的に係合するために電子的に駆動されるように構成されたブレーキアクチュエータ(54)と、
を備えた前記ブレーキ部材駆動機構(12)と、
を備え、前記ブレーキアクチュエータ(54)及び前記案内レール(14)の前記磁性的係合が、前記第1のブレーキ部材(18)の前記ブレーキ位置への動作を駆動し、
前記ブレーキ部材駆動機構(12)が、
前記ブレーキアクチュエータ(54)を直接的に含むブレーキアクチュエータハウジング(46)と、
少なくとも部分的に前記ブレーキアクチュエータハウジング(46)を包囲し、前記容器(24)内で摺動可能に配置された摺動部(26)と、
をさらに備える、ブレーキングシステム。
【請求項2】
前記ブレーキアクチュエータ(54)が、前記案内レール(14)を磁性的に係合するように構成された接触表面(56)を備え、前記接触表面(56)の少なくとも一部が、滑らかでない表面を含み、前記ブレーキアクチュエータ(54)が、テーパー状の部分をさらに備える、請求項1に記載のブレーキングシステム。
【請求項3】
前記容器(24)が前記第1のブレーキ部材(18)に対して直接的に結合される、および/または、
前記容器(24)が前記第1のブレーキ部材(18)に対して間接的に結合される、請求項1または2に記載のブレーキングシステム。
【請求項4】
前記所定の状態が、過加速度状態及び過速度状態の少なくとも一方を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のブレーキングシステム。
【請求項5】
前記容器(24)が、第1の溝穴(36)を形成する第1の壁(38)と第2の溝穴(40)を形成する対向する第2の壁(42)とを備え、前記第1の溝穴(36)及び前記第2の溝穴(40)が、おおよそ共通平面に互いに実質的に配置される、請求項1〜4のいずれかに記載のブレーキングシステム。
【請求項6】
前記摺動部(26)が、前記容器(24)の前記第1の溝穴(36)を通して延び、そこで摺動するように構成された第1の案内突出部(28)と、前記容器(24)の前記第2の溝穴(40)を通して延び、そこで摺動するように構成された第2の案内突出部(32)と、を備える、請求項5に記載のブレーキングシステム。
【請求項7】
前記第1の案内突出部(28)及び前記第2の案内突出部(32)が、ブッシュ(44)によってそれぞれ包囲される、請求項6に記載のブレーキングシステム。
【請求項8】
前記摺動部(26)に対して作用するように結合され、前記ブレーキアクチュエータハウジング(46)を係合されない位置において選択的に保持するように構成された係止部(62)をさらに備える、請求項1〜7のいずれかに記載のブレーキングシステム。
【請求項9】
前記容器(24)、前記ブレーキアクチュエータ(54)、前記ブレーキアクチュエータハウジング(46)、及び前記摺動部(26)のそれぞれが、実質的に矩形形状を備える、請求項1〜8のいずれかに記載のブレーキングシステム。
【請求項10】
前記容器内に配置され、前記ブレーキアクチュエータを前記案内レールへと押し出すように構成されたばねをさらに備える、請求項1〜9のいずれかに記載のブレーキングシステム。
【請求項11】
コイル(212)の通電された状態の間、前記ブレーキ部材駆動機構(12)を駆動するように構成された前記コイル(212)を有する電磁部品をさらに備える、請求項1〜10のいずれかに記載のブレーキングシステム。
【請求項12】
前記第1のブレーキ部材(18)内で一体的に形成された容器部をさらに備え、
前記ブレーキアクチュエータハウジング(114)は、前記容器部内に配置され、前記容器部内で移動するように構成されている、請求項1〜11のいずれかに記載のブレーキングシステム。
【請求項13】
前記ブレーキアクチュエータ(116)が、金属材料で形成され、前記案内レール(14)を磁性的に係合するように構成されたブレーキパッド(120)を備え、
特に、前記所定の状態が、過加速度状態及び過速度状態の少なくとも一方を含み、
特に、前記容器(24)及び前記ブレーキアクチュエータハウジング(114)が、実質的に環状形状を備える、請求項12に記載のブレーキングシステム。
【請求項14】
前記案内レール(14)との前記ブレーキパッド(120)の磁性的係合と関連した衝撃力を緩和させるために前記ブレーキアクチュエータ(116)から突出するバンパー(126)をさらに備える、請求項13に記載のブレーキングシステム。
【請求項15】
前記容器(24)内に配置され、前記ブレーキアクチュエータ(54)を前記案内レール(14)へと押し出すように構成されたばね(60)をさらに備える、請求項12〜14のいずれかに記載のブレーキングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、ブレーキングシステムに関し、より詳細には、引き上げられた構造のブレーキを支援するために使用されるもののようなブレーキングシステムのためのブレーキ部材駆動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばエレベータシステム及びクレーンシステムのような引き上げシステムは、引き上げられた構造(たとえば、エレベータのかご)、釣り合いおもり、引き上げられた構造と釣り合いおもりを接続する張力部材(たとえば、ロープ、ベルト、ケーブル等)を含むことが多い。こうしたシステムの動作中、安全ブレーキングシステムは、引き上げられた構造が所定の速度または加速度を超える場合、案内レールのような案内部材に対して引き上げられた構造のブレーキを支援するように構成される。
【0003】
ブレーキ装置を駆動するための先行する試みは、調節機、調節ロープ、張力装置及び安全駆動モジュールを含む機構を概して必要とした。安全駆動モジュールは、ブレーキング装置とも称される安全装置を駆動するための揚力ロッド及び連結部を備える。引き上げられた構造の信頼性のある安定したブレーキを提供しつつ、この機構の構成要素を低減、簡易化または排除することは好適となり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施形態によれば、引き上げられた構造のためのブレーキングシステムは、引き上げられた構造の動作を案内するように構成された案内レールを含む。さらに含まれるのは、引き上げられた構造に対して作用するように結合され、案内レールを摩擦により係合するように構成されたブレーキ表面を有する第1のブレーキ部材であり、第1のブレーキ部材は、ブレーキ位置と非ブレーキ位置との間で可動である。さらに含まれるのは、第1のブレーキ部材に対して作用するように結合され、非ブレーキ位置からブレーキ位置へと第1のブレーキ部材を駆動するように構成されたブレーキ部材駆動機構である。ブレーキ部材駆動機構は、第1のブレーキ部材に対して作用するように結合された容器を含む。ブレーキ部材駆動機構は、さらに容器内に配置された強磁性材料で形成され、所定の状態を示す引き上げられた構造の検出により案内レールを磁性的に係合するために電子的に駆動されるように構成されたブレーキアクチュエータを含み、ブレーキアクチュエータ及び案内レールの磁性的係合は、第1のブレーキ部材のブレーキ位置への動作を駆動する。
【0005】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、ブレーキアクチュエータが、案内レールを磁性的に係合するように構成された接触表面を備え、接触表面の少なくとも一部が、滑らかでない表面を含み、ブレーキアクチュエータが、テーパー状の部分をさらに備えることを含んでも良い。
【0006】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、容器が第1のブレーキ部材に対して直接的に結合されたことを含んでも良い。
【0007】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、容器が第1のブレーキ部材に対して間接的に結合されたことを含んでも良い。
【0008】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、所定の状態が、過加速度状態及び過速度状態の少なくとも一方を含むことを含んでも良い。
【0009】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、ブレーキ部材駆動機構が、ブレーキアクチュエータを直接的に含むブレーキアクチュエータハウジングを含むことを含んでも良い。さらに含まれるのは、少なくとも部分的にブレーキアクチュエータハウジングを包囲し、容器内で摺動可能に配置された摺動部である。
【0010】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、容器が、第1の溝穴を形成する第1の壁と第2の溝穴を形成する対向する第2の壁とを備え、第1の溝穴及び第2の溝穴が、おおよそ共通平面に互いに実質的に配置されることを含んでも良い。
【0011】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、摺動部が、容器の第1の溝穴を通して延び、そこで摺動するように構成された第1の案内突出部と、容器の第2の溝穴を通して延び、そこで摺動するように構成された第2の案内突出部と、を備えることを含んでも良い。
【0012】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、第1の案内突出部及び第2の案内突出部が、ブッシュによってそれぞれ包囲されたことを含んでも良い。
【0013】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、摺動部に対して作用するように結合され、ブレーキアクチュエータハウジングを係合されない位置において選択的に保持するように構成された係止部をさらに備えたことを含んでも良い。
【0014】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、容器、ブレーキアクチュエータ、ブレーキアクチュエータハウジング、及び摺動部のそれぞれが、実質的に矩形形状を備えたことを含んでも良い。
【0015】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、容器内に配置され、ブレーキアクチュエータを案内レールへと押し出すように構成されたばねをさらに備えたことを含んでも良い。
【0016】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、コイルの通電された状態の間、ブレーキ部材駆動機構を駆動するように構成されたコイルを有する電磁部品を含んでも良い。
【0017】
別の実施形態によれば、引き上げられた構造のためのブレーキングシステムは、引き上げられた構造の動作を案内するように構成された案内レールを含む。さらに含まれるのは、引き上げられた構造に対して作用するように結合され、案内レールを摩擦により係合するように構成されたブレーキ表面を有する第1のブレーキ部材であって、ブレーキ位置と非ブレーキ位置との間で可動な第1のブレーキ部材である。さらに含まれるのは、非ブレーキ位置からブレーキ位置へと第1のブレーキ部材を駆動するように構成されたブレーキ部材駆動機構である。ブレーキ部材駆動機構は、第1のブレーキ部材内で一体的に形成された容器部を含む。ブレーキ部材駆動機構は、容器部内に配置され、容器部内で移動するように構成されたブレーキアクチュエータハウジングをさらに含む。ブレーキ部材駆動機構は、ブレーキアクチュエータハウジングの端部に対して作用するように結合された強磁性材料で形成され、所定の状態を示す引き上げられた構造の検出により案内レールを磁性的に係合するように構成されたブレーキアクチュエータ、をさらに備え、ブレーキアクチュエータ及び案内レールの磁性的係合は、第1のブレーキ部材のブレーキ位置への動作を駆動する。
【0018】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、ブレーキアクチュエータが、金属材料で形成され、案内レールを磁性的に係合するように構成されたブレーキパッドを備えたことを含んでも良い。
【0019】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、案内レールとのブレーキパッドの磁性的係合と関連した衝撃力を緩和させるためにブレーキアクチュエータから突出するバンパーを含んでも良い。
【0020】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、所定の状態が過加速度状態及び過速度状態の少なくとも一方を含むことを含んでも良い。
【0021】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、容器内に配置され、ブレーキアクチュエータを案内レールへと押し出すように構成されたばねを含んでも良い。
【0022】
上述の1つまたは複数の特徴に加え、または別の特徴として、さらなる実施形態は、容器及びブレーキアクチュエータハウジングが、実質的に環状形状を備えたことを含んでも良い。
【0023】
別の実施形態によれば、引き上げられた構造の安全ブレーキ部材のためのブレーキ部材駆動機構は、所定の状態を示す引き上げられた構造の検出により案内レールを磁性的に係合するように電子的に駆動されるように構成された強磁性材料で形成されたブレーキアクチュエータを備え、ブレーキアクチュエータ及び案内レールの磁性的係合が、安全ブレーキ部材のブレーキ位置への動作を駆動する。
【0024】
本発明とみなされる主題は、明細書の結びにおいて特許請求の範囲に特に抽出されて顕著に主張される。本発明に係る前述の及び他の特徴及び利点は、添付図面と共に用いられる以下の詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】第1の実施形態による引き上げられた構造のためのブレーキングシステムの斜視図である。
【
図2】非ブレーキ位置にある
図1のブレーキングシステムの概略図である。
【
図3】ブレーキ位置にある
図1のブレーキングシステムの概略図である。
【
図4】
図1のブレーキングシステムのブレーキ部材駆動機構の前方斜視図である。
【
図5】
図1のブレーキングシステムのブレーキ部材駆動機構の後方斜視図である。
【
図6】
図1のブレーキングシステムのブレーキ部材駆動機構のブレーキアクチュエータハウジングの斜視図である。
【
図7】
図1のブレーキングシステムのブレーキ部材駆動機構の摺動部の斜視図である。
【
図8】
図1のブレーキングシステムのブレーキ部材駆動機構の容器の斜視図である。
【
図9】第2の実施形態による引き上げられた構造のブレーキングシステムの斜視図である。
【
図10】
図9のブレーキングシステムのブレーキ部材駆動機構の斜視図である。
【
図11】
図9のブレーキングシステムのブレーキ部材駆動機構の断面図である。
【
図12】
図9のブレーキングシステムのブレーキ部材駆動機構の正面図である。
【
図13】非ブレーキ位置にある別の実施形態によるブレーキングシステムの概略図である。
【
図14】ブレーキ位置にある
図13のブレーキングシステムの概略図である。
【
図15】
図13のブレーキングシステムのブレーキ部材駆動機構の永久磁石部の斜視図である。
【
図16】
図13のブレーキングシステムのブレーキ部材駆動機構の電磁石部の斜視図である。
【
図17】1つの実施形態による
図13のブレーキ部材駆動機構の側面図である。
【
図18】別の実施形態による
図13のブレーキ部材駆動機構の側面図である。
【
図19】対称構成にある
図13のブレーキ部材駆動機構の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1〜
図3を参照すると、ブレーキ部材組立体10とブレーキ部材駆動機構12の実施形態とが示される。本明細書に記載の実施形態は、以下で詳細に説明される、案内部材に対するブレーキ(たとえば、引き上げられた構造(図示せず)の低速化または動作停止)を支援するように動作可能な全体のブレーキングシステムに関する。ブレーキ部材組立体10及びブレーキ部材駆動機構12は、様々な形式の引き上げられた構造及び様々な形式の案内部材を備えて使用され得るものであり、引き上げられた構造及び案内部材の構成及び相対的方向は、変化しても良い。1つの実施形態において、引き上げられた構造は、エレベータのかご通路内で可動なエレベータのかごを備える。
【0027】
図1をさらに参照しつつ
図2及び
図3を参照すると、本明細書において案内レール14と称される案内部材は、エレベータのかごの通路の側壁に対して接続され、概して鉛直な方法で引き上げられた構造を案内するように構成される。案内レール14は、概してたとえば鋼鉄のような耐久性のある金属といった、多数の適した材料で形成されても良い。選択された正確な材料にかかわらず、案内レール14は、強磁性材料である。
【0028】
ブレーキ部材組立体10は、取り付け構造16及びブレーキ部材18を含む。ブレーキ部材18は、ブレーキパッドまたは案内レール14との繰り返し可能なブレーキ係合に適した類似の構造である。取り付け構造16は、引き上げられた構造に対して接続され、ブレーキ部材18は、ブレーキ部材18を案内レール14近傍に配置する方法で取り付け構造16において配置される。ブレーキ部材18は、案内レール14を摩擦により係合するように作用可能な接触表面20を含む。
図2及び
図3に示されるように、ブレーキ部材組立体10は、ブレーキ位置(
図3)に対する非ブレーキ位置(
図2)の間で可動である。非ブレーキ位置は、引き上げられた構造の通常動作においてブレーキ部材組立体10が配置される位置である。特に、ブレーキ部材18は、ブレーキ部材組立体10が非ブレーキ位置にあるときに案内レール14と接触せず、したがって案内レール14を摩擦により係合しない。ブレーキ部材組立体10は、外側の構成要素68に対するブレーキ部材組立体10の移動を可能とする方法により取り付け構造16で構成される。ブレーキ部材組立体10、より詳細にはブレーキ部材18の移動に次いで、ブレーキ部材18は、案内レール14と接触し、これにより案内レール14を摩擦により係合する。取り付け構造16は、テーパー状の壁22を含み、ブレーキ部材組立体10は、非ブレーキ位置からブレーキ位置への動作の間にブレーキ部材18を案内レール14との接触へと駆動させる楔のような構成に形成される。ブレーキ位置において、ブレーキ部材18の接触表面20と案内レール14との間の摩擦力は、案内レール14に対する引き上げられた構造の動作を停止させるのに十分である。単一のブレーキ部材が本明細書において図示され、説明されるが、1よりも多いブレーキ部材が含まれ得ることに留意されたい。たとえば、引き上げられた構造のブレーキを有効にするように連結してブレーキ部材が作動するように、ブレーキ部材18の側から案内レール14の対向する側において第2のブレーキ部材が配置されても良い。
【0029】
ここで
図4〜
図8を参照すると、ブレーキ部材駆動機構12は、より詳細に図示される。ブレーキ部材駆動機構12は、非ブレーキ位置からブレーキ位置へとブレーキ部材18の動作を駆動するように選択的に作用可能である。
【0030】
ブレーキ部材駆動機構12は、特定の構成要素を他の構成要素内で摺動可能に保持させて、層状の方法で互いの間に配置された複数の構成要素で形成される。容器24は、以下に詳細に説明されるように、複数の部品を収容する外側の部材である。容器24は、概して矩形断面で形成され、直接的または間接的にブレーキ部材組立体10に対して作用するように結合される。作用的結合は、概して機械的締結部により成されるが、別の適した結合方法が想定される。
【0031】
容器24内で適合されるのは、容器24内で保持される摺動部26であるが、容器24に対して摺動する方法で配置される。摺動部26は、実質的に矩形断面で形成される。摺動部26は、摺動部26の第1の側部30から延びる第1の突出部28と摺動部26の第2の側部34から延びる第2の突出部32とを含む。突出部28、32は、摺動部26の主本体に対して対向する方向に延びるように互いに対向するように配置される。突出部28、32は、容器によって形成されるそれぞれの溝穴内に少なくとも部分的にそれぞれ配置される。特に、第1の突出部28は、容器24の第1の壁38により形成される第1の溝穴36内に少なくとも部分的に形成され、第1の溝穴36内で摺動するように構成され、第2の突出部32は、容器24の第2の壁42により形成される第2の溝穴40内に少なくとも部分的に形成され、第2の溝穴40内で摺動するように構成される。それぞれの突出部28、32において適合されるのは、それぞれのブッシュ44である。突出部28、32及び溝穴36、40は、対向する壁にあり、容器24内の摺動動作の間、摺動部26の対称の案内を提供する。ブッシュ44との組み合わせにおける摺動部の対称の案内は、安定した動作と摺動部26及び容器24の相対的な運動に関わる最小化された内部摩擦を提供する。
【0032】
摺動部26内に配置されるのは、他の層状の構成要素(すなわち、容器24及び摺動部26)を備えた場合のように、実質的に矩形断面形状で形成されたブレーキアクチュエータハウジング46である。ブレーキアクチュエータハウジング46は、摺動部26に対して摺動する方法で移動するように構成される。摺動部26内のブレーキアクチュエータハウジング46の摺動する動作は、ブレーキアクチュエータハウジング46の外側表面50から延びる突出部の形式において1つまたは複数の案内部材48によって少なくとも部分的に案内される。摺動部26は、摺動部26の内側表面内に形成された対応する案内路52を含む。ブレーキアクチュエータハウジング46は、摺動部26内で適合するように寸法化されるが、相対運動の間の構成要素の間の小さな程度の「あそび」を形成するように、ブレーキアクチュエータハウジング46と摺動部26との間に所定の隙間が存在し得ることに留意されたい。
【0033】
ブレーキアクチュエータ54は、ブレーキアクチュエータハウジング46内に、ブレーキ部材駆動機構12の他の構成要素を備えるように配置され、ブレーキアクチュエータ54は、実質的に矩形断面形状で形成される。ブレーキアクチュエータ54は、強磁性材料で形成される。ブレーキアクチュエータ54の接触表面56は、接触表面56の全てまたは一部を占める滑らかでない部分を含む。滑らかでない部分は、表面粗さの程度を有する滑らかではない表面を含む表面状態に関する。ブレーキアクチュエータ54の接触表面56は、ブレーキアクチュエータハウジング46の1つまたは複数の開口部58を通して露出されるブレーキアクチュエータ54の部分として定義される。
【0034】
動作中、電子的センサ及び/または制御システム(図示せず)は、引き上げられた構造の様々なパラメータ及び状態を監視し、監視されたパラメータ及び状態を少なくとも1つの所定の状態と比較するように構成される。1つの実施形態において、所定の状態は、引き上げられた構造の速度及び/または加速度を含む。監視された状態(たとえば過速度、過加速度等)が所定の状態を超える場合、ブレーキアクチュエータ54は、ブレーキアクチュエータ54及び案内レール14の磁性的係合を促進するように駆動される。様々な始動機構または構成要素がブレーキ部材駆動機構12、より詳細にはブレーキアクチュエータ54を駆動するために使用され得る。図示された実施形態において、2つのばね60が容器24内に配置され、係止部材62が始動されたときにブレーキアクチュエータ54の駆動を開始するためにブレーキアクチュエータハウジング46において力を働かせるように構成される。2つのばねが上記において参照されて図示されたが、単一のばねまたは2つよりも多いばねが使用されても良いことに留意されたい。ばねの数にかかわらず、全体のばねの力のみが、ブレーキアクチュエータハウジング46に、そして、これによりブレーキアクチュエータ54に付与される対向する保持力にうち勝つのに十分である。保持力は、摩擦、及び摺動部26に対して作用するように結合され、ブレーキアクチュエータハウジング46を保持された位置で係合するように構成された係止部材62を備える。
【0035】
案内レール14に向かってブレーキアクチュエータ54が押し出されるとき、ブレーキアクチュエータ54と案内レール14との間の磁力は、ブレーキアクチュエータ54と案内レール14との間の摩擦力に含まれる垂直の力成分を提供する。上述のように、ブレーキアクチュエータハウジング46と摺動部26との間にわずかな隙間が存在する。さらに、摺動部26と容器24との間にわずかな隙間が存在する。両方の場合において、容器24及び/または摺動部26の側壁は、摺動部26及び/またはブレーキアクチュエータハウジング46の移動範囲の長さに沿った一様ではない隙間を形成するようにテーパー化されても良い。上述のように、構成要素の間のあそびの程度は、ブレーキアクチュエータ54が案内レール14を係合するときに自己案内の利点を提供する。特に、垂直な力、それゆえ摩擦力は、ブレーキアクチュエータ54の全体の接触表面56が同一平面で案内レール14と接触することを確実とすることによって最大化される。係合は、接触表面56の上述の滑らかでない特性によってさらに強化される。特に、案内レール14の表面状態に関する低い偏差(low deviation)により、向上した摩擦係数が実現される。このように、案内レール14の表面が油を付けられるかまたは乾燥されるかにかかわらず、好適な摩擦係数が存在する。
【0036】
ブレーキアクチュエータ54の接触表面56と案内レール14との間の磁性的係合により、摩擦力は、全体のブレーキ部材駆動機構12を、案内ブロック及び/またはカバー(
図2及び
図3)のような外側の構成要素68内の溝穴64に対して上方に移動させる。ブレーキ部材駆動機構12の相対運動は、ブレーキ部材組立体10の類似の相対運動を駆動する。ブレーキ部材組立体10の相対運動は、ブレーキ部材18の接触表面20を案内レール14と摩擦係合させ、これによりブレーキ位置へと移動させ、詳細に上述したように、引き上げられた構造を低速化または停止させる。
【0037】
ここで
図9〜
図12を参照すると、別の実施形態によるブレーキ部材駆動機構100が図示される。ブレーキ部材駆動機構100は、非ブレーキ位置からブレーキ位置へのブレーキ部材組立体10の動作を駆動するように構成される。ブレーキ位置において案内レール14を摩擦により係合する接触表面20を含むブレーキ部材18を含んだブレーキ部材組立体10の構造及び機能が詳細に上述されてきた。図示された実施形態は、引き上げられた構造のブレーキを駆動するための別の構造を提供する。上述の実施形態と共に、引き上げられた構造のブレーキを有効とするため、2つまたはそれ以上のブレーキ組立体(たとえば、接触表面を備えたブレーキ部材)が2つまたはそれ以上のブレーキ部材駆動機構と共に含まれても良い。
【0038】
示されるように、構成において楔のような単一の構成要素は、ブレーキ部材組立体10及びブレーキ部材駆動機構100の両方のために本体102を形成する。ブレーキ部材駆動機構100は、容器104を含む。1つの実施形態において、容器104は、本体102によって形成される空洞部であり、これによりその中で一体的に形成される。別の実施形態において、容器104は、本体102内で固定される挿入部である。図示された実施形態において、容器104は、実質的に円形断面形状で形成されるが、しかしながら、別の形状が適し得ることに留意されたい。
【0039】
容器104内で適合されるのは、容器104内で保持される摺動部106であるが、容器104に対して摺動する方法で配置される。摺動部106は、実質的に円形断面で形成されるが、容器104を備える場合のときに別の適した形状が想定される。摺動部106は、摺動部106の外側表面110から延びる少なくとも1つの突出部108を含む。突出部108は、容器104によって形成された溝穴112内に少なくとも部分的に配置され、本体102から延びる。特に、突出部108は、溝穴112内で摺動するように構成される。
【0040】
摺動部106内で配置されるのは、他の層状の構成要素(すなわち、容器104及び摺動部106)を備える場合のときに実質的に円形断面形状で形成されるブレーキアクチュエータハウジング114であるが、別の適した形状が想定される。ブレーキアクチュエータハウジング114は、摺動部106に対して摺動する方法で移動するように構成される。
【0041】
ブレーキアクチュエータ116は、ブレーキアクチュエータハウジング114の端部118近傍に配置される。ブレーキアクチュエータ116は、強磁性材料及び1つまたは複数の磁石122で形成された少なくとも1つのブレーキパッド120を備える。1つの実施形態において、少なくとも1つの磁石122は、半リング(half−ring)の磁石である。半リングの磁石という語は、正確に半円に限定されない。むしろ、任意のリング区分が磁石122部分を形成しても良い。磁石122の外側端部に配置された少なくとも1つのブレーキパッド120は、ブレーキアクチュエータ116の接触表面124を形成するように構成された金属材料である。接触表面124は、非ブレーキ位置からブレーキ位置へとブレーキ部材組立体10を駆動するために、案内レール14を係合し、摩擦力を働かせるように構成される。ブレーキパッド120と案内レール14との間の最初の接触に関連した衝撃力を低減させるためにバンパー126が含まれても良く、ブレーキパッドの金属材料が脆い場合に特に有益となる。
【0042】
別の実施形態に関して詳細に上述したように、電子的センサ及び/または制御システム(図示せず)は、引き上げられた構造の様々なパラメータ及び状態を監視し、監視されたパラメータ及び状態を少なくとも1つの所定の状態と比較するように構成される。所定の状態を示す引き上げられた構造の検出に応じて、始動機構または構成要素は、ブレーキアクチュエータ116を案内レール14との磁性的係合へと押し出す。1つの実施形態において、単一のまたは2つのばね130構成が使用され、容器104内に配置され、ブレーキ部材駆動機構100の駆動を開始するためにブレーキアクチュエータハウジング114及び/または摺動部106において力を働かせるように構成される。
【0043】
ブレーキアクチュエータ116及び案内レール14の磁性的係合は、明確化のため重複した記載を省くように、非ブレーキ位置からブレーキ位置へのブレーキ部材組立体10の駆動と共に、詳細に上述されてきた。
【0044】
図13及び
図14を参照すると、別の実施形態によるブレーキ部材駆動機構200が示される。ブレーキ部材駆動機構200は、非ブレーキ位置(
図13)からブレーキ位置(
図14)へのブレーキ部材組立体10の動作を駆動するように構成される。ブレーキ位置において案内レール14を摩擦により係合する接触表面20を含んだブレーキ部材18を含むブレーキ部材組立体10の構造及び機能は、詳細に上述されてきた。図示された実施形態は、引き上げられた構造のブレーキを駆動するための別の構造を提供する。
【0045】
ブレーキ部材駆動機構200は、2つの主要な構成要素を備える。永久磁石部202(
図15)は、ブレーキ部材組立体10に対して作用するように結合された最も外側のハウジングを備えた内側ハウジング204及び外側ハウジング206のような少なくとも1つのブレーキアクチュエータハウジング内に配置されたブレーキアクチュエータ54を含む。ブレーキアクチュエータ54は、強磁性材料で形成され、接触表面56の全部または一部を占める滑らかでない部分を有した接触表面56を含む。
【0046】
別の実施形態に関して詳細に上述されたように、電子センサ及び/または制御システム(図示せず)は、引き上げられた構造の様々なパラメータ及び状態を監視し、監視されたパラメータ及び状態を少なくとも1つの所定の状態と比較するように構成される。1つの実施形態において、所定の状態は、引き上げられた構造の速度及び/または加速度を備える。監視された状態(たとえば、過速度、過加速度等)が所定の状態を超えた場合、ブレーキアクチュエータ54は、ブレーキアクチュエータ54及び案内レール14の磁性的係合を促進するように駆動される。永久磁石部202、それゆえブレーキアクチュエータ54の駆動は、ブレーキ部材駆動機構200の電磁石部208(
図16)により実現される。電磁石部208は、電子的安全駆動制御システムからの命令に応じて通電されるコイル212で包囲されたコア210で形成される。通電された状態に至ると、コイル212は、ブレーキアクチュエータ54を案内レール14へと押し出す。押し出しは、鋼鉄のような強磁性材料で形成されたコア210の対向する磁力、及びブレーキアクチュエータ54によって実現される。コア210及びコイル212は、上述される外側の構成要素68に対して取り付けられる電磁部品ハウジング214内に配置される。
【0047】
図17及び
図18を参照すると、ブレーキ部材駆動機構200の全体形状は、変更しても良い。
図17は、永久磁石部202と電磁石部208との間の比較的平面的な接触面(interface)を有する実施形態を示す。
図18に示されるように、電磁石部208は、永久磁石部208を部分的に包囲しても良い。こうした包囲形状は、案内レール14に対して垂直な押し出し力成分を増加させ、これにより、より小さな磁力を必要とし、より小さな電磁部品を可能とする。
【0048】
全ての上述した実施形態と共に
図19を参照すると、ブレーキ部材駆動機構200は、案内レール14の対向する側部においてブレーキ部材駆動機構を備えた対称な組立体として構成されても良く、または案内レール14の単一の側部のみ係合する非対称な組立体として構成されても良い。
【0049】
限定された数の実施形態のみと共に詳細に本発明が説明されてきたが、本発明がこうした開示された実施形態に限定されないことは容易に理解される。むしろ、本発明はこれまで説明されていないが本発明に係る精神及び範囲と同等な、任意の数の変形例、変更、置換、または均等な構成を組み込むように変更され得る。さらに、本発明に係る様々な実施形態が説明されてきたが、本発明に係る態様は、説明された実施形態のいくつかのみを含み得ることに留意されたい。したがって、本発明は、上述の記載の限定として理解されるものではなく、添付された特許請求の範囲による限定にすぎない。