(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水中サンドポンプによる流体輸送を行なう技術では、水中サンドポンプが羽根形状回転翼を高速回転して水とともに土砂を流体輸送するもので、揚砂管路内の流速が常にスラリーの沈殿しない高速流であることが必要なため、土砂の回収が目的であるにもかかわらず、多量の水を必要とし、回収後の固液分離など水の後処理に大きな設備が必要となる。
また、最大の欠点は浚渫などで連続運転すると回転羽根やケーシングの磨耗損傷が発生し、あるいは絡みつきによる閉塞を生じることが多い。
【0005】
真空発生装置による吸引搬送を行なう技術は、シールド工事の掘削土砂の水平搬送や立坑での土砂揚砂技術などで確立しているが、この場合、従来の揚程は、絶対真空条件下であってもトリチェリ原理により10m(760mmHg)とされており、吸込揚程が高くなると真空吸引効果の低下をきすことになり、比重や粘性の高い泥土や土砂の水中での揚砂搬送は不能となる。
また、揚程10m以上の条件では、これを補完する技術として吸込み先端部に開閉機構つき吸気管を設置してこの開閉バルブの閉操作により負圧で10mまで土砂を揚砂し、開操作により負圧力を破壊して、吸気管から流入する外気を揚砂管に取込み、この空気流で10m以上を揚砂させ、この開閉機構の開閉操作を反復させることで、水中土砂を断続的に回収タンクへ揚送させる方式もある。
しかしこの操作は、揚砂管路内の移送状況や圧力状況により、供給空気量を微妙に調整することを要するため、その制御操作も煩雑化する問題があり大きな作業量が必要とされる現場には不適である。
【0006】
空気圧縮装置によるエアリフトを行なう技術は、例えば、地中連続壁を施工するために地山に掘削した掘削溝内の安定液(泥水)中に沈降する土砂を取り除くスライム処理に使用される。
その原理は次のようなものである。すなわち、揚砂管の先端部に送気管を取り付け、高圧空気を流出させると、揚砂管内の水が空気と混合し比重が軽くなる。
このとき先端部では浸水深さに相当する地下水圧が加わるため、この水圧で揚砂管内の土砂が水とともに押し上げられるもので、この方式は水中サンドポンプと同様、多量の水を必要とするうえ、揚砂の対象となる土砂を揚砂管内へ導く機能がないため、別な機械装置が必要となり作業効率が悪い。
また、空気をブロウさせるため、回収対象物の泥土が拡散し作業水域を汚濁化させてしまい汚濁防止フェンスが必要になったり、作業期間が河川に影響がでない渇水期に限定されるといった欠点がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、土砂の気流搬送効率を高めると共に、作業の簡素化を図り、土砂を高濃度に回収でき、水中の汚濁化を抑制する上で有利な
揚砂搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明は、水中の底部の堆積土砂を吸引して空気と共に気流搬送することで揚砂する揚砂搬送装置であって、長手方向の両端が水上に位置し長手方向の中間部が前記堆積土砂中に位置する管体と、前記堆積土砂中における前記管体の箇所に設けられた土砂吸引口と、前記管体の内部に、少なくとも前記土砂吸引口が設けられた前記管体の箇所から前記管体の長手方向の一端に向かう気流を形成する気流形成部とを備え
、前記土砂吸引口が設けられた前記管体の箇所から前記一端までの前記管体の箇所により気流搬送管が形成され、前記気流搬送管の水上の端部に前記気流搬送管の内部に負圧を作用させる真空発生装置が設けられ、前記土砂吸引口が設けられた前記管体の箇所から前記他端までの前記管体の箇所により前記気流搬送管に空気を補給する空気補給管が形成され、前記気流形成部は、前記真空発生装置と前記空気補給管とを含んで構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、少なくとも土砂吸引口が設けられた管体の箇所から管体の長手方向の一端に向かう気流を発生させ、この気流を用いて水中の底部の堆積土砂中において土砂吸引口から吸引し、水を含んだ堆積土砂を管体の他端に向けて気流搬送することで連続的に堆積土砂の吸引回収を行なうようにした。
そのため、土砂吸引口を堆積土砂中に静止させた状態で堆積土砂を吸引できるため、回収した堆積土砂に含まれる水の割合を低下させる上で有利となり、堆積土砂を高濃度に回収する上で有利となる。
また、従来の真空吸引方式を用いた技術と異なり、比重や粘性の高い泥土や堆積土砂などを水中で効率よく高濃度に吸込むことができ、揚程10m以上の揚砂を一貫して断続的でなく連続的に搬送することが可能となる。
また、従来の真空吸引方式において開閉バルブの開閉操作を反復させることで、水中堆積土砂を断続的に回収タンクへ揚送させる技術と異なり、開閉バルブの複雑な制御操作が不要であり作業の簡素化を図る上で有利である。
また、従来の空気圧縮機を利用した技術と異なり、水中の底部で空気をブロウさせることがないため、水中の汚濁化を抑制する上で有利となる。
また、従来の羽根式ポンプを用いた技術と異なり、可動部の機械的な磨耗や、絡みつきなどのトラブルを生じることがない。
したがって、堆積土砂の気流搬送効率を高めると共に、作業の簡素化を図れ、堆積土砂を高濃度に回収でき、水中の汚濁化を抑制する上で有利となる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施の形態)
次に本発明の実施の形態に係る揚砂搬送装置につい
て説明する。
揚砂搬送装置は、河川、運河、湖、ダム貯水池、ポンプ沈砂池26などの水中の底部に堆積した堆積土砂(汚泥や泥土などを含む)34を揚砂するものである。
図1に示すように、揚砂搬送装置2は、長手方向の両端が水上に位置し長手方向の中間部が堆積土砂34中に位置し土砂吸引口36が設けられた管体4と、少なくとも土砂吸引口36が設けられた管体4の箇所から管体4の長手方向の一端に向かう気流を形成する気流形成部6とを含んで構成されている。
本実施の形態では、土砂吸引口36が設けられた管体4の箇所から前記一端までの管体4の箇所により気流搬送管14が形成され、土砂吸引口36が設けられた管体4の箇所から前記他端までの管体4の箇所により気流搬送管14に空気を補給する空気補給管8が形成されている。
気流搬送管14の水上の端部に気流搬送管14の内部に負圧を作用させる真空発生装置20が設けられている。
気流形成部6は、真空発生装置20と空気補給管8とを含んで構成されている。
空気補給管8として、大気連通管12およびブロワ22が設けられたブロワ管16が用いられている。
なお、
図1において符号28は台船、符号30はバックホウ、符号32は陸部を示している。
【0011】
大気連通管12は、台船28で支持され、水上から水中の底部に鉛直に延設されている。
大気連通管12の上部は大気に開放されている。
図3に示すように、大気連通管12の管断面口径φ1は例えば150mmである。
大気連通管12は、水中の底部において、より詳細には、堆積土砂34中において水平方向に延在する水平管部1202を有している。
【0012】
気流搬送管14は、水中の底部に堆積した堆積土砂34を空気とともに気流搬送する箇所である。
図3に示すように、気流搬送管14の管断面口径φ2は大気連通管12の管断面口径φ1よりも大きく、例えば200mmである。
なお、気流搬送管14の管断面口径φ2に対する大気連通管12の管断面口径φ1の口径比φ1/φ2は70%以上75%以下であることが堆積土砂34の回収能力を確保する上で好ましい。
口径比φ1/φ2が70%を下回ると、気流搬送するための空気量が低下するため、回収能力を確保する効果が低下する。
口径比φ1/φ2が75%を上回ると、後述する土砂吸引口36の面積が低下するため、回収能力を確保する効果が低下する。
気流搬送管14は、水上から水中の底部に鉛直に延設された第1の鉛直部14Aと、第1の鉛直部14Aの上端から陸部32の上に至る水平部14Bと、陸部32の上において水平部14Bの端部から下方に延在する第2の鉛直部14Cとを備えている。
第1の鉛直部14Aは、台船28で支持され、水平部14Bと第2の鉛直部14Cは陸上で支持されている。
【0013】
真空発生装置20は水上に設けられ、本実施の形態では陸上に設けられている。
真空発生装置20は、気流搬送管14の第2の鉛直部14Cに連結されている。
真空発生装置20により気流搬送管14の内部に負圧を作用させ、空気補給管8(大気連通管12およびブロワ管16)から空気が補給されることで、気流搬送管14の内部に堆積土砂34を気流搬送するための気流が発生するように図られている。
【0014】
気流搬送管14は、水中の底部において水平方向に延在する水平管部1402を有し、水平管部1402の端部は、大気連通管12の水平管部1202に接続管部13を介して接続されている。
接続管部13は、口径が異なる大気連通管12と気流搬送管14と接続するものであり、大気連通管12から気流搬送管14に至るにつれて断面形状が次第に大きくなるように形成されている。
【0015】
土砂吸引口36は水中の堆積土砂34を吸引する箇所であり、水中の底部の堆積土砂34中に位置する気流搬送管14の箇所に設けられている。
土砂吸引口36は、本実施の形態では、水平管部1402の端部で水平管部1402の上部に設けられている。
本実施の形態では、接続管部13の断面積は、水平管部1402の断面積よりも小さく、接続管部13の上方に突出する水平管部1402の端部の箇所が土砂吸引口36として形成されている。
また、土砂吸引口36は、水平方向や下方ではなく斜め上方を向いている。
これにより、各種の堆積土砂34を土砂吸引口36から効率的に吸引する上で有利となっている。
【0016】
なお、土砂吸引口36は、水平管部1402の下部や側部に設けても良いが、本実施の形態のように土砂吸引口36を水平管部1402の上部に設けると、重力と水圧を利用することで比重の高い泥土や砂分を吸込みやすくでき、堆積土砂34の回収能力を確保する上で有利となる。
また、土砂吸引口36を水平管部1402の上部に設けると、水平管部1402の上部に堆積土砂34が吸引されると共に、水平管部1402を流れる気流が水平管部1402の内部の下側を通過するため、あたかも気流に乗せられた状態で堆積土砂34が搬送され、気流搬送効率を高め堆積土砂34の回収能力を確保する上で有利となる。
また、土砂吸引口36の面積は、水平管部1402の断面積の25%以上30%以下が堆積土砂34の回収能力を確保する上で好ましい。
土砂吸引口36の面積が水平管部1402の断面積の25%を下回ると、土砂吸引口36の面積が小さいため堆積土砂34の回収能力を確保する効果が低下する。
土砂吸引口36の面積が水平管部1402の断面積の30%を上回ると、土砂吸引口36における堆積土砂34の流速が低下するため堆積土砂34の回収能力を確保する効果が低下する。
【0017】
土砂回収部38は、気流搬送管14で気流搬送された堆積土砂34を回収する箇所である。
土砂回収部38は、水上における気流搬送管14の箇所に設けられ、本実施の形態では、陸上における水平部14Bの箇所に設けられている。
土砂回収部38は、気流搬送管14で気流搬送された水を含む堆積土砂34と、気流を構成する空気とを分離すると共に、堆積土砂34と水とを分離するものであり、このような土砂回収部38として固液分離装置など従来公知の様々な構造が採用可能である。
土砂回収部38で回収された堆積土砂34は、例えば、ホッパ40からダンプトラック42の荷台に排出され、あるいは、コンベヤ装置により適宜箇所に搬送される。
【0018】
ブロワ管16は、水上から水中の底部に延設され、水中の底部において大気連通管12に接続されている。
ブロワ22はブロワ管16に圧縮空気を供給するものであり、ブロワ22は水上に設けられ、本実施の形態では陸上に設けられている。
ブロワ管16は、水上から水中の底部に鉛直に延設された第1の鉛直部16Aと、第1の鉛直部16Aの上端から陸部32の上に至る水平部16Bと、陸部32の上において水平部16Bの端部から下方に延在する第2の鉛直部16Cとを備え、ブロワ22は第2の鉛直部16Cに設けられている。
第1の鉛直部16Aは、台船28で支持され、水平部16Bと第2の鉛直部16Cは陸上で支持されている。
なお、ブロワ22がブロワ管16に供給する圧縮空気の圧力は、後述するコンプレッサ24が圧縮空気供給管18に供給する圧縮空気の圧力よりも小さい。
【0019】
圧縮空気がブロワ管16を介して水平管部1402の内部に供給されることにより、堆積土砂34が土砂吸引口36に吸い込まれる作用が促進され、言い換えると、土砂吸引口36へ堆積土砂34が押し込まれる作用が促進され、土砂吸引口36の詰まりを抑制し、また、気流搬送効率を確保する上で有利となる。
ブロワ22により供給される圧縮空気の風量は、真空発生装置20により発生する気流の風量に対して1/3程度であることが、土砂吸引口36へ堆積土砂34を押し込む作用を促進する上で有利である。
例えば、真空発生装置20により発生する気流の風量Q1=100m
3/minとした場合、ブロワ22により供給される圧縮空気の風量Q2=33m
3/min程度となる。
ブロワ22により供給される圧縮空気の風量が、真空発生装置20により発生する気流の風量に対して1/3を下回ると、水平管部1402の内部に供給される圧縮空気の風量が不足するため、堆積土砂34が土砂吸引口36に吸い込まれる作用を促進する効果が低下する。
ブロワ22により供給される圧縮空気の風量が、真空発生装置20により発生する気流の風量に対して1/3を上回ると、水平管部1402の内部に供給される圧縮空気の風量が過剰となるため、真空発生装置20により発生する気流の風量が低下し、堆積土砂34が土砂吸引口36に吸い込まれる作用を促進する効果が低下する。
【0020】
圧縮空気供給管18は、水上から水中の底部に延設され土砂吸引口36に対向する箇所から土砂吸引口36に圧縮空気を供給するものである。
コンプレッサ24は、水上に設けられ圧縮空気供給管18に圧縮空気を供給するものであり、本実施の形態では、コンプレッサ24は陸上に設けられている。
圧縮空気供給管18は、水上から水中の底部に鉛直に延設された第1の鉛直部18Aと、第1の鉛直部18Aの上端から陸部32の上に至る水平部18Bと、陸部32の上において水平部18Bの端部から下方に延在する第2の鉛直部18Cとを備え、コンプレッサ24は第2の鉛直部18Cに設けられている。
第1の鉛直部18Aは、台船28で支持され、水平部18Bと第2の鉛直部18Cは陸上で支持されている。
本実施の形態では、圧縮空気吐出口40は、圧縮空気供給管18の先部に設けられた空気噴射ノズル40Aで形成され、この空気噴射ノズル40Aは、その向きが土砂吸引口36に対向するように接続管部13の上部に取着されている。
したがって、コンプレッサ24で生成された圧縮空気を空気噴射ノズル40Aから土砂吸引口36に向かって噴射させることにより、土砂吸引口36の手前に位置した流木や礫といった障害物を除去することができるため、土砂吸引口36の詰まりを防止でき、堆積土砂34の気流搬送効率を確保する上で有利となる。
【0021】
次に作用効果について説明する。
揚砂搬送装置2の大気連通管12、気流搬送管14、ブロワ管16、圧縮空気供給管18の各第1の鉛直部14A、16A、18Aは、台船28に積載されたバックホウ30のアームの先端に支持され、アームの上下方向の揺動により鉛直方向に移動可能となっている。
アームの揺動操作により大気連通管12、気流搬送管14、ブロワ管16、圧縮空気供給管18を水中の底部に堆積した堆積土砂34に向かって降下させ、土砂吸引口36を堆積土砂34の中に押し込む。
ここで、真空発生装置20、ブロワ22、コンプレッサ24を作動させる。
真空発生装置20によって発生する負圧により大気が大気連通管12から流入し、また、ブロワ管16から水中の底部において圧縮空気が大気連通管12に供給され、少なくとも土砂吸引口36が設けられた管体4の箇所から管体4の長手方向の一端に向かう気流が生成される。
言い換えると、気流搬送管14内に水中の底部から上方に向かう気流が生成される。
この場合、ブロワ管16から水中の底部において圧縮空気が大気連通管12に供給されるので、気流搬送管14内で水中の底部から上方に向かう気流がより確実に生成される。
【0022】
この気流により水中の底部において水と共に堆積土砂34が土砂吸引口36から連続的に吸入され、吸入された水と堆積土砂34は気流搬送管14を介して土砂回収部38へ連続的に搬送され、水と堆積土砂34は土砂回収部38により回収され、土砂回収部38からダンプトラック42の荷台に排出される。
本実施の形態では、空気噴射ノズル40Aから圧縮空気が土砂吸引口36に向けて噴出されているので、土砂吸引口36に障害物が位置した場合であっても、障害物は空気噴射ノズル40Aから噴出される圧縮空気により土砂吸引口36の外側に強制的に移動され、堆積土砂34の土砂吸引口36への吸い込みがより確実になされる。
このような動作を大気連通管12、気流搬送管14、ブロワ管16、圧縮空気供給管18を鉛直方向に移動させつつ行なうことで目的とする深さの堆積土砂34が回収されたならば、アームにより大気連通管12、気流搬送管14、ブロワ管16、圧縮空気供給管18を鉛直方向上方に移動させ、それらの下端を堆積土砂34の上方へ移動させる。
そして、台船28を所定距離水平方向に移動させたならば、上記と同様の手順で堆積土砂34の吸引回収を行なう。
このような動作を繰り返して行なうことにより所望の範囲で堆積土砂34の吸引回収を行なう。
【0023】
本発明によれば、大気連通管12およびブロワ管16に連通された気流搬送管14の内部を真空発生装置20によって吸引することで、少なくとも土砂吸引口36が設けられた管体4の箇所から管体4の長手方向の一端に向かう気流を発生させ、本実施の形態では、気流搬送管14の底部から上方に向かう気流を発生させ、この気流を用いて水中の底部中において土砂吸引口36から水中に堆積した堆積土砂34を吸引し、水を含んだ堆積土砂34を土砂回収部38に気流搬送することで連続的に堆積土砂34の吸引回収を行なうようにした。
そのため、土砂吸引口36を堆積土砂34中に静止させた状態で堆積土砂34を吸引できるため、回収した堆積土砂34に含まれる水の割合を低下させる上で有利となり、堆積土砂34を高濃度に回収する上で有利となる。
本実施の形態では、従来のポンプ浚渫が含泥率が5〜15%に対し、含泥率を40〜70%まで高くできる。
また、従来の真空吸引方式を用いた技術と異なり、比重や粘性の高い泥土や堆積土砂34などを水中で効率よく高濃度に吸込むことができ、揚程10m以上の揚砂を一貫して断続的でなく連続的に搬送することができる。
また、従来の真空吸引方式において開閉バルブの開閉操作を反復させることで、水中堆積土砂34を断続的に回収タンクへ揚送させる技術と異なり、開閉バルブの複雑な制御操作が不要であり作業の簡素化を図る上で有利である。
また、従来の空気圧縮機を利用した技術と異なり、水中の底部で空気をブロウさせることがないため、水中の汚濁化を抑制する上で有利となる。
また、従来の羽根式ポンプを用いた技術と異なり、可動部の機械的な磨耗や、絡みつきなどのトラブルを生じることがない。
したがって、堆積土砂34の気流搬送効率を高めると共に、作業の簡素化を図れ、堆積土砂34を高濃度に回収でき、水中の汚濁化を抑制する上で有利となる。
【0024】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について
図4を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材については第1の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
堆積土砂34の気流搬送効率を高めるためには、土砂吸引口36から吸引される堆積土砂34の流速を高めることが好ましく、そのためには、土砂吸引口36の大きさをなるべく小さくすることが必要となる。
しかしながら、土砂吸引口36を小さくすると、土砂吸引口36よりも大きな堆積土砂34の塊や流木により土砂吸引口36が詰まり易くなる不利が生じる。
そこで、第2の実施の形態では、第1の実施の形態に振動発生装置42を加えている。
振動発生装置42は、土砂吸引口36に設けられている。
土砂吸引口36は、接続管部13の上壁と、気流搬送管14の水平管部1402の上壁の間に形成され、振動発生装置42は接続管部13の上壁に設けられている。
振動発生装置42として打設したコンクリートの締固めに使用する例えば250Hzの振動周波数で振動する棒状バイブレータなど従来公知の様々なものが採用可能である。
土砂吸引口36に振動発生装置42を設けることにより、土砂吸引口36よりも大きな堆積土砂34の塊を振動により細かく砕くことが可能となる。
すなわち、振動発生装置42による振動で土砂吸引口36よりも小さい大きさの堆積土砂34に砕くことで、堆積土砂34を土砂吸引口36より吸引することができる。また、土砂吸引口36よりも大きな流木を振動により土砂吸引口36から土砂吸引口36の外側へ移動させることができる。
したがって、土砂吸引口36の詰まりを防止しつつ、土砂吸引口36の大きさを小さくして土砂吸引口36から吸引される堆積土砂34の流速を高めることができるため、堆積土砂34の気流搬送効率を確保する上で有利となる。
なお、振動発生装置42を設ける他、土砂吸引口36に網や格子を設けることによって、土砂吸引口36よりも大きな堆積土砂34の塊や流木により土砂吸引口36が詰まることを防止するようにしてもよい。
【0025】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について
図5を参照して説明する。
第3の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、ブロワ管16に代えて圧力水用管44を用いたものである。
圧力水用管44は、水上から水中の底部に延設され、水中の底部において大気連通管12に接続されている。
圧力水用管44は大気連通管12に圧力水を供給するものであり、圧力水用管44に連結されたポンプが水上に設けられ、本実施の形態では陸上に設けられている。
第3の実施の形態では、圧力水用管44の先端から大気連通管12の内部に圧力水を噴射させ、エジェクター効果により気流搬送管14に負圧を作用させ、堆積土砂34が土砂吸引口36に吸い込まれる作用をより促進し、土砂吸引口36の詰まりを抑制し、気流搬送効率を高める。
この場合、圧力水用管44の先端から大気連通管12の水平管部1202、接続管部13、気流搬送管14の水平管部1402に向けて圧力水を噴射させると、エジェクター効果により気流搬送管14に負圧が作用する上でより有利となる。
したがって、第3の実施の形態によれば、比重や粘性の高い泥土や堆積土砂34などを連続的に搬送する上でより有利となる。
なお、圧力水用管44は、ブロワ管16と共に用いるようにしてもよい。
【0026】
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態について
図6を参照して説明する。
第4の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、ブロワ管16に代えてスチーム管46を用いたものである。
スチーム管46は、水上から水中の底部に延設され、水中の底部において大気連通管12に接続されている。
スチーム管46は大気連通管12に、温度の高い例えば100℃の水蒸気を供給するものであり、スチーム管46に連結された蒸気発生装置が水上に設けられ、本実施の形態では陸上に設けられている。
第4の実施の形態では、スチーム管46の先端から大気連通管12に水蒸気が供給され、高温な水蒸気により気流搬送管14内に上昇気流を発生させ、気流搬送管14での気流による堆積土砂34の上方への搬送効率を高めるようにしている。
したがって、第4の実施の形態によれば、比重や粘性の高い泥土や堆積土砂34などを連続的に搬送する上でより有利となる。
なお、スチーム管46は、ブロワ管16と共に用いるようにしてもよい。
【0027】
(第5の実施の形態)
次に第5の実施の形態について
図7を参照して説明する。
第5の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、気流搬送管14の内周面に螺旋状の溝48を形成したものである。
気流搬送管14に真空発生装置20により負圧を作用させると、気流搬送管14の内部には上昇気流が発生する。
この上昇気流による被搬送物の搬送状態を見ると、コリオリの原理により被搬送物が螺旋状に大きく回転しながら、気流搬送管14の内部を上昇する。
したがって、
図7に示すように、気流搬送管14の内周面1410に深さ5mm程度の溝48を螺旋状に設けることで被搬送物の摩擦抵抗を低減でき、気流搬送効率を向上する上で有利となる。
【0028】
なお、本実施の形態では、空気補給管8として大気連通管12とブロワ管16との双方を用いた場合について説明したが、気流搬送する堆積土砂34の性状に応じて大気連通管12とブロワ管16の一方を省略してもよい。
また、本実施の形態では、気流形成部6を真空発生装置20および空気補給管8を含んで構成した場合について説明したが、真空発生装置20および空気補給管8を省略し、大容量のブロワを用い、ブロワにより管体4の他端から一端に向けて気流を形成することで土砂吸引口36から堆積土砂34を吸い込んで堆積土砂34を気流搬送するようにしてもよい。この場合には、気流形成部6がブロワで構成され、管体4の全体で気流搬送管14が構成され、管体4の長手方向の他端から一端に向かう気流が形成される。
また、実施の形態では、気流搬送管14に設けた土砂回収部38により、気流搬送管14で気流搬送された水を含む堆積土砂34と、気流を構成する空気とを分離すると共に、堆積土砂34と水とを分離する場合について説明した。
しかしながら、土砂回収部38を省略し、気流搬送管14で気流搬送された水を含む堆積土砂34を、コンベヤ装置などの搬送装置により処理場に直接搬送し、処理場において堆積土砂34を天日乾燥して脱水処理を行なうようにしてもよい。
【0029】
また、本実施の形態では、真空発生装置20、ブロワ22、コンプレッサ24を陸上に設けた場合について説明したが、台船28上に十分なスペースがあれば、真空発生装置20、ブロワ22、コンプレッサ24を台船28上に設置してもよいことは無論である。
また、本実施の形態では、気流搬送管14、ブロワ管16、圧縮空気供給管18の各第1の鉛直部14A、16A、18A、大気連通管12を台船28で支持し、気流搬送管14、ブロワ管16、圧縮空気供給管18の各水平部14B、16B、18Bおよび各第2の鉛直部14C、16C、18Cを陸上で支持する場合について説明した。
しかしながら、気流搬送管14、ブロワ管16、圧縮空気供給管18の各水平部14B、16B、18Bが長くなる場合には、それらの長手方向の中間部を河川、運河、湖、ダム貯水池、ポンプ沈砂池などの底部から立設した杭などの構造物によって支持するようにしてもよい。