特許第6807811号(P6807811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6807811レーザ装置、レーザ装置の光源の劣化度推定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807811
(24)【登録日】2020年12月10日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】レーザ装置、レーザ装置の光源の劣化度推定方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/06 20060101AFI20201221BHJP
   H01S 5/40 20060101ALI20201221BHJP
   H01S 3/0941 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   H01S5/06
   H01S5/40
   H01S3/0941
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-140386(P2017-140386)
(22)【出願日】2017年7月19日
(65)【公開番号】特開2019-21819(P2019-21819A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2018年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】阪本 真一
【審査官】 小濱 健太
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/156227(WO,A1)
【文献】 特開2011−171690(JP,A)
【文献】 特開2006−222411(JP,A)
【文献】 特開2009−252960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00−5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレーザダイオードを有する光源と、
前記複数のレーザダイオードに最大の駆動電流が印加されてから前記駆動電流の所定期間内における最大値を保持する駆動電流ピークホールド部と、
前記複数のレーザダイオードに前記最大の駆動電流が印加されてから前記光源から出射する光のパワーの前記所定期間内における最大値を保持する光パワーピークホールド部と、
前記駆動電流の大きさと前記光のパワーの大きさと前記光源の劣化度との関係を記憶するメモリと、
前記メモリを参照して、前記駆動電流ピークホールド部に保持されている前記駆動電流の前記所定期間内における最大値と、前記光パワーピークホールド部に保持されている前記光のパワーの前記所定期間内における最大値とから、前記劣化度を推定する劣化度推定部と、
を備え、
前記所定期間は、前記複数のレーザダイオードに印加される前記駆動電流のタイミングと、当該駆動電流によって前記光源から出射する光のタイミングとが互いにずれる期間よりも長い期間である
ことを特徴とするレーザ装置。
【請求項2】
前記所定期間は1時間以上24時間以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項3】
前記メモリは、前記劣化度と前記光源が予め定められた使用限界となるまでの時間との関係を更に記憶し、
前記メモリを参照して、推定された前記劣化度から前記使用限界となるまでの時間を更に推定する使用限界時間推定部を更に備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ装置。
【請求項4】
制御部と、
前記複数のレーザダイオードに電流を印加する駆動電源部と、
前記光源から出射する光のパワーをモニタする光パワーモニタ部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記光パワーモニタ部から前記光のパワーの低下を示す信号が入力する場合に、前記光源から出射する前記光のパワーが前記光パワーモニタ部から前記光のパワーの低下を示す信号が入力する前における前記光のパワーを超えない範囲で前記駆動電流を大きくするよう前記駆動電源部を制御する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ装置。
【請求項5】
制御部と、
前記複数のレーザダイオードに電流を印加する駆動電源部と、
前記光源から出射する光のパワーをモニタする光パワーモニタ部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記光パワーモニタ部から前記光のパワーの低下を示す信号が入力する場合に、前記光源から出射する前記光のパワーが前記光パワーモニタ部から前記光のパワーの低下を示す信号が入力する前における前記光のパワーと同等になるように前記駆動電源部を制御する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ装置。
【請求項6】
前記駆動電流ピークホールド部は、前記所定期間経過後に当該所定期間内に記憶した前記駆動電流の最大値を消去し、
前記光パワーピークホールド部は、前記所定期間経過後に当該所定期間内に記憶した前記光のパワーの最大値を消去する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のレーザ装置。
【請求項7】
前記光源は、前記複数のレーザダイオードから出射する光により励起される活性元素が添加された増幅用光ファイバを更に有する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のレーザ装置。
【請求項8】
前記光源から出射する光により励起される活性元素が添加された増幅用光ファイバを更に備え、
前記駆動電流ピークホールド部は、前記増幅用光ファイバに入射する前の前記光のパワーの最大値を保持する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のレーザ装置。
【請求項9】
レーザ装置の光源の劣化度推定方法であって、
前記光源は複数のレーザダイオードを有し、
前記複数のレーザダイオードに最大の駆動電流が印加されてから前記駆動電流の所定期間内における最大値を保持する駆動電流ピークホールドステップと、
前記複数のレーザダイオードに前記最大の駆動電流が印加されてから前記光源から出射する光のパワーの前記所定期間内における最大値を保持する光パワーピークホールドステップと、
前記駆動電流の大きさと前記光のパワーの大きさと前記光源の劣化度との関係を記憶するメモリを参照して、前記駆動電流ピークホールドステップで保持された前記駆動電流の前記所定期間内における最大値と、前記光パワーピークホールドステップで保持された前記光のパワーの前記所定期間内における最大値とから、前記劣化度を推定する劣化度推定ステップと、
を備え、
前記所定期間は、前記複数のレーザダイオードに印加される前記駆動電流のタイミングと、当該駆動電流によって前記光源から出射する光のタイミングとが互いにずれる期間よりも長い期間である
ことを特徴とするレーザ装置の光源の劣化度推定方法。
【請求項10】
前記所定期間は1時間以上24時間以下である
ことを特徴とする請求項9に記載のレーザ装置の光源の劣化度推定方法。
【請求項11】
前記メモリは、前記劣化度と前記光源が予め定められた使用限界となるまでの時間との関係を更に記憶し、
推定された前記劣化度から前記使用限界となるまでの時間を更に推定する使用限界時間推定ステップを更に備える
ことを特徴とする請求項9又は10に記載のレーザ装置の光源の劣化度推定方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザダイオードを用いた光源の劣化の状態を適切に検出し得るレーザ装置、レーザ装置の光源の劣化度推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ファイバレーザ装置は、集光性に優れ、パワー密度が高く、小さなビームスポットとなる光が得られることから、レーザ加工分野、医療分野等の様々な分野において用いられている。このため、ファイバレーザ装置は、加工機と組み合わされて使用されることがある。
【0003】
ファイバレーザ装置では、一般的に励起光源として複数のレーザダイオード(LD)が用いられている。レーザダイオードは様々な原因により故障したり出力が弱くなったりする場合がある。ファイバレーザ装置における一部のレーザダイオードが故障したり出力が低下したりすると、他のレーザダイオードから出射する光のパワーが大きくされる等の手段により、励起光源を継続的に使用する場合がある。しかし、励起光源からの光のパワーが一定の割合以上低下する場合、励起光源を交換しなくてはならない場合や、ファイバレーザ装置が使用限界を迎えたものとして当該ファイバレーザ装置を交換しなくてはならない場合がある。従って、励起光源の劣化度を推定したいとの要請がある。
【0004】
下記特許文献1には、励起光源の劣化度を判定することができる光増幅器が記載されている。この光増幅器では、初期状態におけるレーザダイオード等の励起光源素子の駆動電流と出射する励起光のパワーとの関係と、一定時間使用した後の状態における励起光源素子の駆動電流と出射する励起光のパワーとの関係とを比較する。この比較結果から励起光源素子の劣化度を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4532249号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、レーザダイオード等の励起光源素子の駆動電流と出射する励起光のパワーとの関係が用いられて、それぞれの励起光源素子の劣化度が判定される。しかしレーザダイオードに印加される駆動電流のタイミングと、レーザダイオードから出射する光のタイミングとが互いにずれて一致しない場合がある。従って、大きな駆動電流がレーザダイオードに印加されるタイミングにおいて、常にパワーの大きな光が励起光源から出射するとは限らず、小さな駆動電流がレーザダイオードに印加されるタイミングでパワーの大きな光が励起光源から出射するタイミングや、大きな駆動電流がレーザダイオードに印加されるタイミングでパワーの小さな光が励起光源から出射するタイミングがある。従って、レーザダイオードに入力する駆動電流の大きさと励起光源から出射する光のパワーとの関係を単純に比較するのみでは、劣化度を判断するタイミングによって、励起光源が劣化していると判断されたり、励起光源が然程劣化していないと判断されたりする等といった具合に励起光源の劣化度の推定が不安定になり、当該劣化度を適切に推定することができないという懸念がある。このような懸念は、レーザダイオードを用いたレーザ装置であれば、ファイバレーザ以外のレーザ装置であっても想定し得る。
【0007】
そこで、本発明はレーザダイオードを用いた光源の劣化の状態を適切に推定し得るレーザ装置、レーザ装置の光源の劣化度推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、レーザ装置であって、複数のレーザダイオードを有する光源と、前記複数のレーザダイオードに印加される駆動電流の所定期間内における最大値を保持する駆動電流ピークホールド部と、前記光源から出射する光のパワーの前記所定期間内における最大値を保持する光パワーピークホールド部と、前記駆動電流の大きさと前記光のパワーの大きさと前記光源の劣化度との関係を記憶するメモリと、前記メモリを参照して、前記駆動電流ピークホールド部に保持されている前記駆動電流の前記所定期間内における最大値と、前記光パワーピークホールド部に保持されている前記光のパワーの前記所定期間内における最大値とから、前記劣化度を推定する劣化度推定部と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
上記のように、レーザダイオードに印加される駆動電流のタイミングと、レーザダイオードから出射する光のタイミングとが互いにずれて一致しない場合がある。従って、レーザダイオードに印加される駆動電流の大きさが最大になるタイミングと、複数のレーザダイオードを有する光源から出射する光のパワーが最大になるタイミングとは、一致しない場合がある。つまり、最大の駆動電流がレーザダイオードに印加されて、所定時間経過してから当該最大の駆動電流により最大のパワーの光が出射する場合がある。このため、駆動電流の大きさが最大になるタイミングと光のパワーが最大になるタイミングとが一致しない場合であっても、駆動電流の大きさの最大値と光源から出射する光のパワーの最大値とは概ね対応する。従って、本発明のように、所定期間内における駆動電流の最大値と光のパワーの最大値とから光源の劣化度が推定されることにより、光源の劣化の状態を適切に推定することができる。なお、駆動電流の最大値や光のパワーの最大値には、スパイクノイズ等により瞬間的に流れる大きな電流や、意図しない発振等により瞬間的に出射する尖塔値の高い光等は含まれない。
【0010】
また、前記メモリは、前記劣化度と前記光源が予め定められた使用限界となるまでの時間との関係を更に記憶し、前記レーザ装置は、前記メモリを参照して、推定された前記劣化度から前記使用限界となるまでの時間を更に推定する使用限界時間推定部を更に備えることが好ましい。
【0011】
光源の劣化の状態が適切に推定されたとしても、推定された劣化度に基づいて、レーザ装置の使用限界までの時間を使用者が把握することは困難である。しかし、上記のように、光源の劣化度から予め定められた使用限界となるまでの時間が推定されることで、レーザ装置の使用者は、光源が使用限界となるまでの時間を容易に把握することができ、予備の光源等を適切な時期に準備することができる。
【0012】
また、前記レーザ装置は、制御部と、前記複数のレーザダーオードに電流を印加する駆動電源部と、前記光源から出射する光のパワーをモニタする光パワーモニタ部と、を更に備え、前記制御部は、前記光パワーモニタ部から前記光のパワーの低下を示す信号が入力する場合に、前記光源から出射する前記光のパワーが前記光パワーモニタ部から前記光のパワーの低下を示す信号が入力する前における前記光のパワーを超えない範囲で前記駆動電流を大きくするよう前記駆動電源部を制御することが好ましい。
【0013】
この場合、光源における複数のレーザダイオードの幾つかが劣化して、光源から出射する光のパワーが低下する場合であっても、駆動電流が大きくなるように駆動電源部が制御されることで、レーザ装置から出射する光のパワーが不足することを抑制することができる。また、駆動電流が大きくなることで、駆動電流ピークホールド部に保持される駆動電流の最大値は更新される。一方、光パワーピークホールド部に保持される光のパワーの最大値は、光パワーモニタ部から光のパワーの低下を示す信号が入力する前のままとなる。光源が劣化する場合、出射される光のパワーが一定であっても駆動電流が大きくなる。従って、このレーザ装置によれば、光源の劣化の状態をより適切に推定することができる。
【0014】
また、前記レーザ装置は、制御部と、前記複数のレーザダーオードに電流を印加する駆動電源部と、前記光源から出射する光のパワーをモニタする光パワーモニタ部と、を更に備え、前記制御部は、前記光パワーモニタ部から前記光のパワーの低下を示す信号が入力する場合に、前記光源から出射する前記光のパワーが前記光パワーモニタ部から前記光のパワーの低下を示す信号が入力する前における前記光のパワーと同等になるように前記駆動電源部を制御することが好ましい。
【0015】
このように制御することで、レーザ装置から出射する光のパワーが不足することをより抑制することができる。また、出射する光のパワーが光のパワーの低下を示す信号が入力する前と同じになるように駆動電流が大きくされることで、駆動電流ピークホールド部に保持される駆動電流の最大値は更新される。従って、光源の劣化の状態をより適切に推定することができる。
【0016】
また、前記駆動電流ピークホールド部は、前記所定期間経過後に当該所定期間内に記憶した前記駆動電流の最大値を消去し、前記光パワーピークホールド部は、前記所定期間経過後に当該所定期間内に記憶した前記光のパワーの最大値を消去することが好ましい。
【0017】
このように所定期間経過後に駆動電流の最大値や光のパワーの最大値が消去されることで、駆動電流ピークホールド部や光パワーピークホールド部内の一時記憶部の容量を小さくすることができる。また、使用者が低出力の動作に切り替えて長期間運用する場合であっても、メモリフルとなることを抑制して現状でのレーザダイオード劣化度を診断することができる。
【0018】
また、前記光源は、前記複数のレーザダイオードから出射する光により励起される活性元素が添加された増幅用光ファイバを更に有することが好ましい。
【0019】
この場合、光源はファイバレーザ装置から形成され、複数のレーザダイオードは励起光を出射する励起光源部となる。このような光源では、複数のレーザダイオードから出射する光が活性元素を励起して、励起された活性元素から放出される光が増幅用光ファイバから出射する。この場合、レーザダイオードから出射する光が直接光源から出射する場合と比べて、レーザダイオードに電流を印加するタイミングと光源から光が出射するタイミングとが、よりずれる傾向にある。しかし、駆動電流の最大値と光のパワーの最大値とから光源の劣化度が推定される本発明のレーザ装置によれば、上記のような増幅用光ファイバを有する場合であっても、光源の劣化の状態を適切に推定することができる。
【0020】
また、前記レーザ装置は、前記光源から出射する光により励起される活性元素が添加された増幅用光ファイバを更に備え、前記駆動電流ピークホールド部は、前記増幅用光ファイバに入射する前の前記光のパワーの最大値を保持することとしても良い。
【0021】
この場合、光源から出射する光が増幅用光ファイバの活性元素を励起するため、光源は励起光源と理解することができ、レーザ装置全体としてファイバレーザ装置が構成される。このような場合であっても、光源の劣化の状態を適切に推定することができる。また、この場合、他のモニタを組み合わせることにより、よりファイバレーザ全体の故障個所を推定することが可能となる。
【0022】
また、上記課題を解決するため、本発明は、レーザ装置の光源の劣化度推定方法であって、前記光源は複数のレーザダイオードを有し、前記複数のレーザダイオードに印加される駆動電流の所定期間内における最大値を保持する駆動電流ピークホールドステップと、前記光源から出射する光のパワーの前記所定期間内における最大値を保持する光パワーピークホールドステップと、前記駆動電流の大きさと前記光のパワーの大きさと前記光源の劣化度との関係を記憶するメモリを参照して、前記駆動電流ピークホールドステップで保持された前記駆動電流の前記所定期間内における最大値と、前記光パワーピークホールドステップで保持された前記光のパワーの前記所定期間内における最大値とから、前記劣化度を推定する劣化度推定ステップと、を備えることを特徴とするものである。
【0023】
このようなレーザ装置の光源の劣化度推定方法によれば、所定期間内における駆動電流の最大値と光のパワーの最大値とから光源の劣化度が推定されることにより、光源の劣化の状態を適切に推定することができる。
【0024】
また、前記メモリは、前記劣化度と前記光源が予め定められた使用限界となるまでの時間との関係を更に記憶し、レーザ装置の光源の劣化度推定方法は、推定された前記劣化度から前記使用限界となるまでの時間を更に推定する使用限界時間推定ステップを更に備えることが好ましい。
【0025】
このようなレーザ装置の光源の劣化度推定方法によれば、レーザ装置の使用者は、光源が使用限界となるまでの時間を把握することができ、予備の光源等を適切な時期に準備することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、レーザダイオードを用いた光源の劣化の状態を適切に推定し得るレーザ装置、レーザ装置の光源の劣化度推定方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1実施形態におけるレーザ装置を示す図である。
図2】メモリに記憶されている駆動電流の大きさと光のパワーの大きさと光源の劣化度との関係を模式的に示す図である。
図3】メモリに記憶されている劣化度と光源が予め定められた使用限界となるまでの時間との関係を模式的に示す図である。
図4】プロセッサの動作を示すフローチャートである。
図5】光源が劣化する場合に、制御部が駆動電源部を制御して駆動電流を増加させる場合において、駆動電流の大きさと光のパワーの大きさと光源の劣化度との関係を模式的に示す図である。
図6】本発明の第2実施形態におけるレーザ装置を示す図である。
図7】本発明の第3実施形態におけるレーザ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係るレーザ装置、レーザ装置の光源の劣化度推定方法の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態にかかるレーザ装置を示す図である。図1に示すように、本実施形態のレーザ装置1は、光源2と、光パワーモニタ部30と、駆動電源部41と、駆動電流モニタ部42と、プロセッサ50と、メモリ56とを主な構成として備える。
【0030】
光源2は、励起光を出射する励起光源部20と、励起光源部20から出射する励起光が入射し、励起光により励起される活性元素が添加される増幅用光ファイバ13と、増幅用光ファイバ13の一端に接続される光ファイバ12と、光ファイバ12に設けられる高反射率FBG16と、光ファイバ12に励起光を入射するためのコンバイナ10と、増幅用光ファイバ13の他端に接続される光ファイバ14と、光ファイバ14に設けられる低反射率FBG17と、を主な構成として備える。増幅用光ファイバ13と高反射率FBG16と低反射率FBG17とで共振器が形成され、光源2はファイバレーザ装置から構成されていると理解することができる。
【0031】
励起光源部20は、複数のレーザダイオード21から構成され、増幅用光ファイバ13に添加される活性元素を励起する波長の励起光を出射する。励起光源部20のそれぞれのレーザダイオード21は、励起光用光ファイバ25に接続されており、レーザダイオード21から出射する光は、それぞれのレーザダイオード21に光学的に接続される励起光用光ファイバ25を伝搬する。励起光用光ファイバ25としては、例えば、マルチモードファイバを挙げることができ、この場合、励起光は励起光用光ファイバ25をマルチモード光として伝搬する。なお、後述のように増幅用光ファイバ13に添加される活性元素がイッテルビウムである場合、励起光の波長は、例えば、915nmとされる。
【0032】
増幅用光ファイバ13は、コアと、コアの外周面を隙間なく囲む内側クラッドと、内側クラッドの外周面を被覆する外側クラッドと、外側クラッドの外周面を被覆する被覆層とから構成されている。増幅用光ファイバ13のコアを構成する材料としては、例えば、屈折率を上昇させるゲルマニウム等の元素、及び、励起光源部20から出射する光により励起されるイッテルビウム(Yb)等の活性元素が添加された石英が挙げられる。このような活性元素としては、希土類元素が挙げられ、希土類元素としては、上記イッテルビウムの他にツリウム(Tm)、セリウム(Ce)、ネオジウム(Nd)、ユーロピウム(Eu)、エルビウム(Er)等が挙げられる。さらに活性元素として、希土類元素の他に、ビスマス(Bi)等が挙げられる。また、増幅用光ファイバ13の内側クラッドを構成する材料としては、例えば、何らドーパントが添加されていない純粋石英が挙げられる。なお、コアに屈折率を上昇させる元素が添加されない場合には、クラッドは例えばフッ素等の屈折率を低下させる元素が添加された石英から成る。また、増幅用光ファイバ13の外側クラッドを構成する材料としては、例えば、内側クラッドより屈折率の低い樹脂が挙げられ、増幅用光ファイバ13の被覆層を構成する材料としては、例えば、外側クラッドを構成する樹脂とは異なる紫外線硬化樹脂が挙げられる。増幅用光ファイバ13は、主に基本モードの光を伝搬するシングルモードファイバとされるが、パワーの大きな信号光が増幅用光ファイバのコアを伝搬可能なように、コアの直径がマルチモードファイバのコアと同様とされつつも、主に基本モードの光を伝搬する構成とされてもよい。あるいは、増幅用光ファイバ13は、コアを伝搬する光のビーム品質を維持しつつ数モードの光を伝搬するフューモードファイバとされても良く、ビーム品質にこだわらない場合マルチモードファイバとされても良い。
【0033】
光ファイバ12は、コアに活性元素が添加されていない点を除き増幅用光ファイバ13と同じ構成とされる。光ファイバ12は、コアの中心軸が増幅用光ファイバ13のコアの中心軸と合わされて、増幅用光ファイバ13の一端に接続されている。従って、増幅用光ファイバ13のコアと光ファイバ12のコアとが光学的に結合し、増幅用光ファイバ13の内側クラッドと光ファイバ12の内側クラッドとが光学的に結合している。
【0034】
また、高反射率FBG16は、光ファイバ12のコアに設けられている。こうして高反射率FBG16は、増幅用光ファイバ13の一端側に設けられている。高反射率FBG16は、光ファイバ12の長手方向に沿って一定の周期で屈折率が高くなる部分が繰り返されることで構成されている。この周期が調整されることにより、高反射率FBG16は、励起状態とされた増幅用光ファイバ13の活性元素が放出する光のうち特定波長の光を反射する。高反射率FBG16は、上述のように増幅用光ファイバ13に添加される活性元素がイッテルビウムである場合、例えば波長が1060nmの光を例えば99%以上の反射率で反射する。
【0035】
また、コンバイナ10において、光ファイバ12の内側クラッドに励起光用光ファイバ25のコアが接続されている。こうして、励起光源部20と接続される励起光用光ファイバ25と増幅用光ファイバ13の内側クラッドとは、光ファイバ12の内側クラッドを介して、光学的に結合される。
【0036】
光ファイバ14は、活性元素が添加されていないことを除いて増幅用光ファイバ13のコアと同様のコアと、当該コアの外周面を隙間なく囲み増幅用光ファイバ13の内側クラッドと同様の構成のクラッドと、クラッドの外周面を被覆する被覆層とから構成されている。光ファイバ14は、増幅用光ファイバ13の他端に接続されており、増幅用光ファイバ13のコアと光ファイバ14のコアとが光学的に結合している。
【0037】
また、低反射率FBG17は光ファイバ14のコアに設けられている。こうして低反射率FBG17は、増幅用光ファイバ13の他端側に設けられている。低反射率FBG17は、光ファイバ14の長手方向に沿って一定の周期で屈折率が高くなる部分が繰り返されており、高反射率FBG16が反射する光の少なくとも一部の波長の光を高反射率FBG16よりも低い反射率で反射するように構成されている。低反射率FBG17は、例えば、高反射率FBG16が反射する光と同じ波長の光を50%の反射率で反射するように構成されている。従って、上記のように高反射率FBG16が波長1060nmの光を反射する場合、低反射率FBG17を当該波長の光の一部が透過して、透過した光は光ファイバ14から出射する。
【0038】
従って、本実施形態では、光ファイバ14の低反射率FBG17を含む少なくとも一部までが光源2とされる。
【0039】
また、光ファイバ14の増幅用光ファイバ13側と反対側には、カプラ15が設けられており、カプラ15において、デリバリファイバである光ファイバ18及びモニタ用ファイバである光ファイバ19が、光ファイバ14に接続されている。なお、光ファイバ14と光ファイバ18とは一体とされ一つの光ファイバから構成されていても良い。光ファイバ14を伝搬する光の大部分はカプラ15において光ファイバ18に伝搬し、光ファイバ14を伝搬する光のうち一定の割合の光がカプラ15において光ファイバ19に分岐する。
【0040】
光ファイバ19には、光パワーモニタ部30が接続されている。光パワーモニタ部30は受光素子31とA/D変換部32とを有する。受光素子31は、フォトダイオード等で構成され、光ファイバ19から出射する光のパワーに応じた電圧を出力する。また、A/D変換部32は、受光素子31に電気的に接続されており、入力する電圧に基づく信号を出力する。従って、光パワーモニタ部30からは、光ファイバ19を伝搬する光のパワーに基づく信号が出力される。光ファイバ19を伝搬する光は、上記の通り光ファイバ14を伝搬する光のうち一定の割合の光であるため、光パワーモニタ部30からは、光ファイバ14を伝搬する光のパワーに基づく信号が出力されることになる。このため光パワーモニタ部30は、光源2から出射する光のパワーをモニタするものと理解することができる。なお、光パワーモニタ部30は、光源2から出射する光のパワーをモニタするものであれば、上記構成に限らない。
【0041】
なお、本実施形態では、カプラ15により光ファイバ14を伝搬する光の一部が分岐され、光パワーモニタ部30で光のパワーがモニタされたが、カプラ15が用いられず光ファイバ14を伝搬する光のレイリー光をモニタするレイリーモニタにより、光ファイバ14を伝搬する光のパワーがモニタされても良い。
【0042】
光パワーモニタ部30にはプロセッサ50が電気的に接続されている。プロセッサ50には、駆動電源部41が電気的に接続されている。駆動電源部41は、プロセッサ50から受ける信号に基づいて、光源2の励起光源部20の複数のレーザダイオード21に所定の電流を印加する。
【0043】
また、駆動電源部41から光源2の励起光源部20に至る電気的な経路には駆動電流モニタ部42が電気的に接続されている。駆動電流モニタ部42は、駆動電源部41が複数のレーザダイオード21に印加する電流の大きさをモニタする。駆動電流モニタ部42は、プロセッサ50に電気的に接続されており、駆動電源部41が複数のレーザダイオード21に印加する電流の大きさに基づく信号をプロセッサ50に入力する。
【0044】
プロセッサ50は、制御部51と、駆動電流ピークホールド部52と、光パワーピークホールド部53と、劣化度推定部54と、使用限界時間推定部55と、を有する。また、プロセッサ50には、メモリ56が電気的に接続されている。
【0045】
制御部51は、駆動電源部41やプロセッサ50内の制御部51以外のブロックの制御を行う。
【0046】
駆動電流ピークホールド部52は、例えば内部メモリとコンパレータとを含んで構成され、駆動電流モニタ部42から入力する駆動電流の電流値の最大値を保持する。なお、この内部メモリがメモリ56の一部で代用されても良い。本実施形態では、駆動電流ピークホールド部52は、所定期間毎にリセットされ、所定期間経過後毎に保持している駆動電流の最大値を消去する。従って、駆動電流ピークホールド部52は、複数のレーザダイオード21に印加される駆動電流の所定期間内における最大値を保持する。この消去は、駆動電流ピークホールド部52が所定期間毎に行っても良く、制御部51が所定期間毎に駆動電流ピークホールド部52を制御して行っても良い。また、この所定期間は、特に限定されないが、例えば、1時間から24時間とされる。
【0047】
光パワーピークホールド部53は、例えば内部メモリとコンパレータとを含んで構成され、光パワーモニタ部30から入力する光パワーの最大値を保持する。なお、この内部メモリがメモリ56の一部で代用されても良い。上記のように光パワーモニタ部30は、光源2から出射する光のパワーをモニタするものと理解することができるため、光パワーモニタ部30から入力する光パワーの最大値を記憶する光パワーピークホールド部53は、光源2から出射する光のパワーの最大値を保持すると理解することができる。本実施形態では、光パワーピークホールド部53は、駆動電流ピークホールド部52がリセットされる上記の所定期間毎にリセットされ、所定期間経過後毎に保持している光のパワーの最大値を消去する。従って、光パワーピークホールド部53は、光源2から出射する光のパワーの所定期間内における最大値を保持する。この消去は、光パワーピークホールド部53が所定期間毎に行っても良く、制御部51が所定期間毎に光パワーピークホールド部53を制御して行っても良い。また、光パワーピークホールド部53がリセットされる所定期間は、駆動電流ピークホールド部52がリセットされる所定期間と同じとされる。
【0048】
劣化度推定部54は、メモリ56を参照して、駆動電流ピークホールド部52に保持されている駆動電流の最大値と、光パワーピークホールド部53に保持されている光のパワーの最大値とから、光源2の劣化度を推定する。
【0049】
従って、メモリ56には、駆動電流の大きさと光のパワーの大きさと光源の劣化度との関係が記憶されている。図2は、メモリ56に記憶されている駆動電流の大きさと光のパワーの大きさと光源2の劣化度との関係を模式的に示す図である。図2において、横軸は励起光源部20の複数のレーザダイオード21に印加される駆動電流の大きさを示し、縦軸は光源2から出射する光のパワーを示している。図2では、実線が励起光源部20の複数のレーザダイオード21の効率が低下していない状態での駆動電流の大きさと光のパワーの大きさとを示し、破線が励起光源部20の複数のレーザダイオード21が10%の劣化度である状態での駆動電流の大きさと光のパワーの大きさとを示している。この劣化度とは、それぞれのレーザダイオード21が劣化していない状態で複数のレーザダイオード21に印加されるべき駆動電流が、光源2が劣化した複数のレーザダイオード21に印加される場合に、光源2から出射される光のパワーの低下の度合いを示す。従って、この劣化度は、光源2の効率の低下と所定の関係にある。例えば、光源2の励起光源部20が10個のレーザダイオード21を備えているとして、1個のレーザダイオード21からの光のパワーが0%となり、他のレーザダイオードが劣化せずに光のパワーが100%で光を出射する場合、光源2の劣化度は10%となる。この場合、複数のレーザダイオード21の故障したレーザダイオード21の比率、すなわち故障比率と等しくなる。また、例えば、当初の駆動電流が光源2の複数のレーザダイオード21に印加されている状態で、それぞれの複数のレーザダイオード21からの光のパワーが10%低下する場合、光源2の劣化度は10%となる。図2から明らかなように、光源2から一定のパワーの光が出射する場合、励起光源部20の複数のレーザダイオード21に印加される駆動電流は、光源2が劣化していない状態よりも光源2が劣化している状態の方が大きくなる。なお、図2では、光源2が劣化している例として、劣化度が10%の場合のみが記載されているが、メモリ56には、例えば、光源2の劣化度が0%,5%,10%,15%,20%,25%の場合の駆動電流の大きさと光のパワーの大きさとの関係が記憶されている。
【0050】
劣化度推定部54は、駆動電流ピークホールド部52に保持されている駆動電流の最大値、及び、光パワーピークホールド部53に保持されている光のパワーの最大値を読み出す。そして、読みだした駆動電流の最大値と光のパワーの最大値との関係が、メモリ56に記憶されているどの劣化度に近いかを判断する。例えば、劣化度推定部54は、光源2から出射する光のパワーが5kWであり、駆動電流が9.5Aである場合、図2から全てのレーザダイオード21が劣化することなく動作していると推定しその結果を出力する。また、例えば、劣化度推定部54は、光源2から出射する光のパワーが5kWであり、駆動電流が10.5Aである場合、図2から光源2の劣化度が10%であると推定しその結果を出力する。
【0051】
また、使用限界時間推定部55は、メモリ56を参照して、劣化度推定部54で推定された光源2の劣化度から光源2が予め定められた使用限界となるまでの時間を推定する。
【0052】
従って、メモリ56には、光源2の劣化度と、光源2が予め定められた使用限界となるまでの時間との関係が記憶されている。図3は、メモリ56に記憶されている劣化度と光源が予め定められた使用限界となるまでの時間との関係を模式的に示す図である。図3において、横軸は光源2の劣化度を示し、縦軸は光源2から出射する光の大きさを示している。図3に示すように、本実施形態では、光源2は、全てのレーザダイオード21が劣化することなく動作している場合に12万時間後に使用限界を迎えるとされており、光源2の劣化度が10%である場合には4万時間後に使用限界を迎えるとされており、光源2の劣化度が15%である場合には2万時間後に使用限界を迎えるとされており、そして、光源2の劣化度が25%である場合には使用限界を迎えた状態とされている。
【0053】
使用限界時間推定部55は、劣化度推定部54が出力する光源2の劣化度にかかる信号を読み、劣化度推定部54の推定結果が光源2の劣化度が10%であるという結果であれば、光源2の使用限界までの時間が4万時間であると推定し、劣化度推定部54の推定結果が光源2の劣化度が25%以上であるという結果であれば、光源2は使用限界を迎えているとしてその結果を出力する。
【0054】
なお、特に図示していないが、劣化度推定部54で推定された光源2の劣化度や、使用限界時間推定部55された光源2の使用限界まで時間は、モニタ等の出力部に出力されて可視化されることが好ましい。
【0055】
次にレーザ装置1の動作について説明する。
【0056】
まず、制御部51が駆動電源部41を制御して、駆動電源部41は所定の駆動電流を励起光源部20のそれぞれのレーザダイオード21に印加する。すると、それぞれのレーザダイオード21から励起光が出射する。励起光源部20から出射した励起光は、励起光用光ファイバ25から光ファイバ12の内側クラッドを介して、増幅用光ファイバ13の内側クラッドに入射する。増幅用光ファイバ13の内側クラッドに入射した励起光は主に内側クラッドを伝搬して、増幅用光ファイバ13のコアを通過する際にコアに添加されている活性元素を励起する。励起状態とされた活性元素は、特定の波長の自然放出光を放出する。この自然放出光は、増幅用光ファイバ13のコアを伝搬して、一部の波長の光が高反射率FBG16により反射され、反射された光のうち低反射率FBG17が反射する波長の光が低反射率FBG17で反射されて、高反射率FBG16と低反射率FBG17との間、すなわち共振器内を往復する。この光は、増幅用光ファイバ13のコアを伝搬するときに誘導放出により増幅され、レーザ発振状態となる。そして、増幅された光のうち一部の光は、低反射率FBG17を透過して光ファイバ14から出射する。光ファイバ14から出射する光の殆どはカプラ15において光ファイバ18に伝搬して、光ファイバ18から出射する。こうして、レーザ装置1から光が出射する。
【0057】
次にレーザ装置1の光源2の劣化度推定方法及び光源2の使用限界時間推定方法について説明する。
【0058】
図4は、光源2の劣化度推定方法及び光源2の使用限界時間推定方法を示すフローチャートである。
【0059】
上記のように、駆動電源部41から所定の駆動電流が励起光源部20のそれぞれのレーザダイオード21に印加されると、駆動電流モニタ部42が当該駆動電流を検知して、駆動電流の大きさにかかる信号をプロセッサ50に入力する。プロセッサ50に駆動電流の大きさにかかる信号が入力すると、駆動電流ピークホールドステップST1において、制御部51は駆動電流ピークホールド部52を制御する。制御部51に制御される駆動電流ピークホールド部52は、駆動電流ピークホールド部52が所定期間内において既に保持している駆動電流の最大値と、駆動電流モニタ部42から入力した駆動電流の大きさとを比較する。比較の結果、駆動電流モニタ部42から入力した駆動電流の大きさが、駆動電流ピークホールド部52が既に保持している駆動電流の最大値よりも大きければ、駆動電流ピークホールド部52は、駆動電流モニタ部42から入力した駆動電流の大きさを新たに駆動電流の最大値として保持する。一方、比較の結果、駆動電流モニタ部42から入力した駆動電流の大きさよりも駆動電流ピークホールド部52が既に保持している駆動電流の最大値が大きければ、駆動電流ピークホールド部52は、今まで保持していた駆動電流の最大値をそのまま保持する。なお、スパイクノイズ等を排除するため、駆動電流モニタ部42は、ローパスフィルタを有して、例えば時間幅が10μs以下の駆動電流のピークを検知しないようにすることが好ましい。あるいは、駆動電流ピークホールド部52が、駆動電流の最大値となる時間幅が所定の時間、例えば10μs以下である場合には、スパイクノイズであるとして駆動電流の最大値として扱わないよう制御されてもよい。
【0060】
また、上記のように光源2から光が出射すると、光ファイバ14を伝搬する光の多くはカプラ15においてデリバリファイバである光ファイバ18に伝搬するが、光ファイバ14を伝搬する光のうち一定の割合の光が、光ファイバ19に伝搬する。光ファイバ19に伝搬した光は受光素子31で受光される。受光素子31は受光した光のパワーに基づく電圧を出力して当該電圧はA/D変換部32に入力する。A/D変換部32は、入力する電圧に基づく信号を出力し、当該信号はプロセッサ50に入力する。従って、上記のようにA/D変換部32を含む光パワーモニタ部30からは、光ファイバ19を伝搬する光のパワーに基づく信号が出力される。上記のように、この信号は、光ファイバ14を伝搬する光のパワーに基づく信号でもある。プロセッサ50に光ファイバ14を伝搬する光のパワーに基づく信号が入力すると、光パワーピークホールドステップST2において、制御部51は光パワーピークホールド部53を制御する。制御部51に制御された光パワーピークホールド部53は、光パワーピークホールド部53が所定期間内において既に保持している光のパワーの最大値と、光パワーモニタ部30から入力した光のパワーの大きさとを比較する。比較の結果、光パワーモニタ部30から入力した光のパワーの大きさが、光パワーピークホールド部53が既に保持している光のパワーの最大値よりも大きければ、光パワーピークホールド部53は、光パワーモニタ部30から入力した光のパワーの大きさを新たに光のパワーの最大値として保持する。一方、比較の結果、光パワーモニタ部30から入力した光のパワーの大きさよりも、光パワーピークホールド部53が既に保持している光のパワーの最大値が大きければ、光パワーピークホールド部53は、今まで保持していた光のパワーの最大値をそのまま保持する。なお、尖塔値の高い意図しない光等を排除するため、光パワーモニタ部30は、ローパスフィルタを有して、例えば時間幅が10μs以下の光のピークを検知しないようにすることが好ましい。あるいは、光パワーピークホールド部53が、光のパワーの最大値となる時間的な長さが所定の時間、例えば10μs以下である場合には、意図しない光であるとして光のパワーの最大値として扱わないよう制御されてもよい。
【0061】
次に制御部51は、劣化度推定ステップST3において、劣化度推定部54を制御する。制御部51に制御された劣化度推定部54は、メモリ56を参照して、駆動電流ピークホールド部52に保持されている所定期間内における駆動電流の最大値と、光パワーピークホールド部53に保持されている所定期間内における光のパワーの最大値とから、上記のように光源2の劣化度を推定する。なお、上記のように出力部が設けられる場合には、推定された光源2の劣化度は、当該出力部から出力される。
【0062】
次に制御部51は、使用限界時間推定ステップST4において、使用限界時間推定部55を制御する。制御部51に制御された使用限界時間推定部55は、メモリ56を参照して、上記のように劣化度推定部54で推定された光源2の劣化度から、光源2が予め定められた使用限界となるまでの時間を推定する。なお、上記のように出力部が設けられる場合には、推定された光源2の使用限界までの時間は、当該出力部から出力される。
【0063】
こうして、本実施形態のレーザ装置1によれば、光源2の劣化度及び光源2の使用限界までの時間が推定される。
【0064】
このように推定された光源2の劣化度及び光源2が使用限界となるまでの時間は、所定期間内であれば、駆動電流ピークホールド部52が保持している駆動電流の最大値、或いは、光パワーピークホールド部53が保持している光のパワーの最大値が更新されない限り、更新されない。また、上記のように所定期間毎に駆動電流ピークホールド部52及び光パワーピークホールド部53はリセットされるため、リセット後において、再び、駆動電流ピークホールド部52に駆動電流の最大値が保持されると共に、光パワーピークホールド部53に光のパワーの最大値が保持される。従って、リセット後に、再び、光源2の劣化度及び光源2が使用限界となるまでの時間が推定される。
【0065】
次に、光源2が劣化することで光源2から出射する光のパワーが低下する場合のレーザ装置1の動作、レーザ装置1の光源2の劣化度推定方法及び光源2の使用限界時間推定方法について説明する。
【0066】
光源2の励起光源部20における複数のレーザダイオード21が劣化する場合、光源2から出射する光のパワーが低下する。すると、光パワーモニタ部30から光のパワーの低下を示す信号がプロセッサ50に入力する。本実施形態では、制御部51は、光パワーモニタ部30から光のパワーの低下を示す信号がプロセッサ50に入力すると、光源2から出射する光のパワーが光パワーモニタ部30から光のパワーの低下を示す信号が入力する前における光のパワーを超えない範囲で駆動電流を大きくするよう駆動電源部41を制御する。
【0067】
図5は、光源2が劣化する場合に、制御部51が駆動電源部41を制御して駆動電流を増加させる場合において、駆動電流の大きさと光のパワーの大きさと光源2の劣化度との関係を模式的に示す図である。なお、図5では、光源2が劣化していない状態から10%劣化する場合の例が示されている。上記のように駆動電源部41が制御される状態では、駆動電源部41は、図5において破線矢印で示すように電流の値が増加させる。この場合、図5において点線矢印で示すように全く駆動電流が増加されない場合と比べて、光源2から出射する光のパワーは増加する。しかし、本例の場合、光源2が劣化する前、すなわち光パワーモニタ部30から光のパワーの低下を示す信号がプロセッサに入力する前と比べると、光源2から出射する光のパワーは小さくなっている。従って、駆動電流ピークホールド部52に保持される駆動電流の最大値は更新されるが、光パワーピークホールド部53に保持される光のパワーの最大値は、光パワーモニタ部30から光のパワーの低下を示す信号が入力する前の状態のままとなる。しかし、駆動電流ピークホールド部52に保持される駆動電流の最大値が更新されるため、図5において点線矢印で示すように全く駆動電流が増加されない場合と比べて、劣化度推定ステップST3において、劣化度推定部54は光源2の劣化度を適切に推定することができ、使用限界時間推定ステップST4において、使用限界時間推定部55は、光源2が使用限界となるまでの時間を正確に推定することができる。
【0068】
また、光源2の励起光源部20における複数のレーザダイオード21が劣化し、光パワーモニタ部30から光のパワーの低下を示す信号がプロセッサ50に入力する場合、光源2から出射する光のパワーが光パワーモニタ部30から光のパワーの低下を示す信号が入力する前における光のパワーと同等になるように駆動電源部41を制御することが好ましい。すなわち、制御部51は、光のパワーの低下を示す信号がプロセッサ50に入力すると駆動電源部41から出力する電流を大きくすることで、光源2から出射する光のパワーが小さくなる状態が一時的となるようにフィードバック制御をおこなう。この場合、駆動電源部41は、図5において実線矢印で示すように電流の値を増加する。このように制御されることで、光パワーピークホールド部53に保持される光のパワーの最大値は変化しないが、駆動電流ピークホールド部52に保持される駆動電流の最大値は更新される。従って、劣化度推定ステップST3において、劣化度推定部54は光源2の劣化度をより適切に推定することができる。このため、使用限界時間推定ステップST4において、使用限界時間推定部55は、光源2が使用限界となるまでの時間をより正確に推定することができる。
【0069】
以上説明したように、本実施形態のレーザ装置1は、複数のレーザダイオード21を有する光源2と、複数のレーザダイオード21に印加される駆動電流の所定期間内における最大値を保持する駆動電流ピークホールド部52と、光源2から出射する光のパワーの当該所定期間内における最大値を保持する光パワーピークホールド部53と、駆動電流の大きさと光のパワーの大きさと光源2の劣化度との関係を記憶するメモリ56と、メモリ56を参照して、駆動電流ピークホールド部52に保持されている駆動電流の所定期間内における最大値と、光パワーピークホールド部53に保持されている光のパワーの所定期間内における最大値とから、劣化度を推定する劣化度推定部54とを備える。
【0070】
また、本実施形態のレーザ装置1の光源2の劣化度推定方法では、複数のレーザダイオード21に印加される駆動電流の所定期間内における最大値を保持する駆動電流ピークホールドステップST1と、光源2から出射する光のパワーの当該所定期間内における最大値を保持する光パワーピークホールドステップST2と、駆動電流の大きさと光のパワーの大きさと光源2の劣化度との関係を記憶するメモリ56を参照して、駆動電流ピークホールドステップST1で保持された駆動電流の所定期間内における最大値と、光パワーピークホールドステップST2で保持された光のパワーの所定期間内における最大値とから、劣化度を推定する劣化度推定ステップST3とを備える。
【0071】
このような本実施形態のレーザ装置1やレーザ装置1の光源2の劣化度推定方法によれば、レーザダイオードに印加される駆動電流の大きさが最大になるタイミングと、複数のレーザダイオードを有する光源から出射する光のパワーが最大になるタイミングとが、一致しない場合であっても、所定期間内における駆動電流の最大値と光のパワーの最大値とから光源の劣化度が推定されることにより、光源の劣化の状態を適切に推定することができる。
【0072】
また、本実施形態のレーザ装置1では、メモリ56が、劣化度と光源2が予め定められた使用限界となるまでの時間との関係を更に記憶し、レーザ装置1は、メモリ56を参照して、推定された劣化度から当該使用限界までの時間を更に推定する使用限界時間推定部55を更に備える。また、本実施形態のレーザ装置1の光源2の劣化度推定方法では、推定された劣化度から光源2が予め定められた使用限界となるまでの時間を更に推定する使用限界時間推定ステップST4を更に備える。
【0073】
光源2の劣化の状態が適切に推定されたとしても、推定された劣化度に基づいて、レーザ装置1の使用限界までの時間を使用者が把握することは困難である。しかし、本実施形態のように、光源2の劣化度から使用限界までの時間が推定されることで、レーザ装置1の使用者は、使用限界までの時間を容易に把握することができ、予備の光源等を適切な時期に準備することができる。
【0074】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図6を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0075】
図6は、本実施形態にかかるレーザ装置1を示す図である。図6に示すように、本実施形態のレーザ装置1では増幅用光ファイバ13が光源2の外側に配置されており、光源2が第1実施形態の励起光源部20と同様の構成とされる。
【0076】
光源2のそれぞれのレーザダイオード21は、第1実施形態の励起光源部20と同様に励起光用光ファイバ25に接続されている。それぞれの励起光用光ファイバ25は、第1実施形態と同様に、高反射率FBG16が形成された光ファイバ12にコンバイナ10において接続されている。光ファイバ12のコンバイナ10側と反対側の端部は、第1実施形態と同様に、増幅用光ファイバ13に接続されている。増幅用光ファイバ13の光ファイバ12側と反対側の端部は、第1実施形態と同様に、低反射率FBG17が形成された光ファイバ14に接続されている。光ファイバ14の増幅用光ファイバ13側と反対側は、デリバリファイバである光ファイバ18に接続されている。
【0077】
本実施形態では、光ファイバ12におけるコンバイナ10と高反射率FBG16との間にカプラ15が設けられている。光ファイバ12を伝搬する光の大部分はカプラ15においてそのまま光ファイバ12を伝搬し続けるが、光ファイバ12を伝搬する光のうち一定の割合の光がカプラ15において光ファイバ19に分岐する。
【0078】
本実施形態のレーザ装置1は、光源2と増幅用光ファイバ13とを含んでファイバレーザ装置を構成している。つまり、第1実施形態のレーザ装置1では、増幅用光ファイバ13から出射する光のパワーを光パワーモニタ部30でモニタするのに対し、本実施形態のレーザ装置1では、光パワーモニタ部30は増幅用光ファイバ13に入射する前の光のパワーをモニタし、光パワーピークホールド部53は増幅用光ファイバ13に入射する前の光のパワーの所定期間内における最大値を保持する。このため、劣化度推定部54が参照するメモリ56に記憶される駆動電流の大きさと光のパワーの大きさと光源2の劣化度との関係は、第1実施形態におけるメモリ56に記憶される駆動電流の大きさと光のパワーの大きさと光源2の劣化度との関係と異なる。なお、本実施形態においても、カプラ15が用いられず光ファイバ12を伝搬する光のレイリー光をモニタするレイリーモニタにより、光ファイバ12を伝搬する光のパワーがモニタされても良い。
【0079】
このような本実施形態のレーザ装置1では、第1実施形態のレーザ装置1の光源2の劣化度推定方法及び光源2の使用限界時間推定方法と同様にして、光源2の劣化度及び光源2が使用限界となるまでの時間を推定し得る。
【0080】
本実施形態のレーザ装置1によれば、励起光源部としての光源2の劣化度や使用限界時間を推定することができる。
【0081】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図7を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0082】
図7は、本実施形態にかかるレーザ装置1を示す図である。図7に示すように、本実施形態のレーザ装置1では、光源2が複数のレーザユニット2aを備える。それぞれのレーザユニット2aは、第1実施形態の光源2と同様の構成とされる。つまり本実施形態のレーザ装置1における光源2は、第1実施形態の光源2を複数有する構成とされる。ただし、本実施形態のレーザユニット2aは、励起光源部20がレーザダイオード21を1つ以上有していれば良い。それぞれの光源2から光を出射するそれぞれの光ファイバ14は、コンバイナ60においてデリバリファイバである光ファイバ18に接続される。
【0083】
本実施形態では、光ファイバ18の途中にカプラ15が設けられている。従って、光ファイバ18を伝搬する光の大部分はカプラ15においてそのまま光ファイバ18を伝搬し続けるが、光ファイバ18を伝搬する光のうち一定の割合の光がカプラ15において光ファイバ19に分岐する。
【0084】
上記のようにそれぞれのレーザユニット2aは第1実施形態の光源2と同様の構成であるため、第1実施形態のレーザ装置1は1つのレーザユニットから出射する光のパワーを光パワーモニタ部30でモニタすると理解できるのに対し、本実施形態のレーザ装置1では、複数のレーザユニット2aから出射する光のパワーを光パワーモニタ部30でモニタする。ただし、複数のレーザダイオード21を有する光源2から出射する光のパワーを光パワーモニタ部30でモニタする点において、第1実施形態のレーザ装置1も本実施形態のレーザ装置1も同様である。なお、本実施形態においても、カプラ15が用いられず光ファイバ18を伝搬する光のレイリー光をモニタするレイリーモニタにより、光ファイバ18を伝搬する光のパワーがモニタされても良い。光パワーピークホールド部53は複数のレーザユニット2aから出射する光のパワーの所定期間内における最大値を保持する。このため、劣化度推定部54が参照するメモリ56に記憶される駆動電流の大きさと光のパワーの大きさと光源2の劣化度との関係は、第1実施形態におけるメモリ56に記憶される駆動電流の大きさと光のパワーの大きさと光源2の劣化度との関係と異なる。
【0085】
このように光源2が複数のレーザユニット2aから構成される場合であっても、第1実施形態のレーザ装置1の光源2の劣化度推定方法及び光源2の使用限界時間推定方法と同様にして、光源2の劣化度及び光源2が予め定められた使用限界となるまでの時間を推定し得る。
【0086】
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
【0087】
例えば、第1、第2実施形態において、増幅用光ファイバ13、高反射率FBG16及び低反射率FBG17は必須の構成ではない。この構成が省略される場合、第1実施形態のレーザ装置1と第2実施形態のレーザ装置とは実質的に同じ構成となる。また、第3実施形態の各レーザユニット2aが第2実施形態の光源2と同様の構成とされても良い。
【0088】
また、上記実施形態において、増幅用光ファイバ13が用いられる場合であっても、高反射率FBG16及び低反射率FBG17は必須ではない。例えば、第1実施形態の光源2や第2実施形態のレーザ装置1や第3実施形態の各レーザユニット2aが、励起光源部とは別に種光源部を有するMO−PA(Master Oscillator - Power Amplifier)型のファイバレーザ装置から構成されても良い。
【0089】
また、上記実施形態では、レーザ装置1が駆動電流モニタ部42を有し、駆動電流モニタ部42からの信号により駆動電流ピークホールド部52は、駆動電流モニタ部42から入力する駆動電流の電流値の最大値を保持するものとした。しかし、駆動電流モニタ部42は必須ではなく、例えば、制御部51が駆動電源部41を制御するための信号に基づいて、駆動電流ピークホールド部52は、駆動電流の最大値を保持するものとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明によれば、レーザダイオードを用いた光源の劣化の状態を適切に推定し得るレーザ装置、レーザ装置の光源の劣化度推定方法が提供され、レーザ加工分野、医療分野等の様々な産業において利用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1・・・レーザ装置
2・・・光源
2a・・・レーザユニット
13・・・増幅用光ファイバ
16・・・高反射率FBG
17・・・低反射率FBG
20・・・励起光源部
21・・・レーザダイオード
30・・・光パワーモニタ部
41・・・駆動電源部
42・・・駆動電流モニタ部
50・・・プロセッサ
51・・・制御部
52・・・駆動電流ピークホールド部
53・・・光パワーピークホールド部
54・・・劣化度推定部
55・・・使用限界時間推定部
56・・・メモリ
ST1・・・駆動電流ピークホールドステップ
ST2・・・光パワーピークホールドステップ
ST3・・・劣化度推定ステップ
ST4・・・使用限界時間推定ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7