(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807957
(24)【登録日】2020年12月10日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】斑点防止界面活性剤を含む自動食器洗浄組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 1/722 20060101AFI20201221BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20201221BHJP
C11D 3/10 20060101ALI20201221BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20201221BHJP
C11D 3/30 20060101ALI20201221BHJP
C11D 3/386 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
C11D1/722
C11D3/37
C11D3/10
C11D3/20
C11D3/30
C11D3/386
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-561687(P2018-561687)
(86)(22)【出願日】2017年6月5日
(65)【公表番号】特表2019-519639(P2019-519639A)
(43)【公表日】2019年7月11日
(86)【国際出願番号】US2017035896
(87)【国際公開番号】WO2017218222
(87)【国際公開日】20171221
【審査請求日】2020年5月29日
(31)【優先権主張番号】16290109.4
(32)【優先日】2016年6月16日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サラ・ビー・クラモ
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・ディー・ドーグス
(72)【発明者】
【氏名】スコット・バッカー
(72)【発明者】
【氏名】セブリーヌ・フェリュー
(72)【発明者】
【氏名】ポール・マーカンド
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ピー・ワッサーマン
【審査官】
小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】
特表2002−537484(JP,A)
【文献】
特開2017−197615(JP,A)
【文献】
米国特許第05126068(US,A)
【文献】
米国特許第03862243(US,A)
【文献】
特開2010−222501(JP,A)
【文献】
特表2010−525127(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/001327(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00− 19/00
A47L 15/00− 21/06
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動食器洗浄組成物であって、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、及びマレイン酸のうちの少なくとも1つのモノマー単位を含む分散剤ポリマーと、
ビルダーと、
界面活性剤と、を含み、前記界面活性剤が、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、
【化1】
式中、
R
1が、直鎖または分枝鎖の飽和C
8−24アルキル基であり、
R
2が、直鎖飽和C
2−8アルキル基であり、
mが、22〜42の平均値を有し、
nが、4〜12の平均値を有し、
m+nは、26〜54の平均値であり、
式Iの前記脂肪アルコールアルコキシレートが、>45重量%の1分子当たりの平均エチレンオキシ単位濃度を有し、
式Iの前記脂肪アルコールアルコキシレートが、nで除算した、前記1分子当たりの平均エチレンオキシ単位濃度Xに等しい比Zを有し、前記比Zが、<9.5である、自動食器洗浄組成物。
【請求項2】
R1が、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、及びエイコシル基からなる群から選択される、請求項1に記載の自動食器洗浄組成物。
【請求項3】
R2が、C2アルキル基である、請求項1に記載の自動食器洗浄組成物。
【請求項4】
前記1分子当たりの平均エチレンオキシ単位濃度Xが、50〜64.5重量%であり、前記比Zが、4〜9.4である、請求項1に記載の自動食器洗浄組成物。
【請求項5】
前記分散剤ポリマーが、(メタ)アクリル酸のホモポリマーである、請求項1に記載の自動食器洗浄組成物。
【請求項6】
前記ビルダーが、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属過炭酸塩、アルカリ金属クエン酸塩、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、及び過炭酸アンモニウムからなる群から選択される、請求項1に記載の自動食器洗浄組成物。
【請求項7】
前記ビルダーが、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の自動食器洗浄組成物。
【請求項8】
漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、酵素、アミノカルボキシレートキレート剤、充填剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される任意の構成成分をさらに含む、請求項1に記載の自動食器洗浄組成物。
【請求項9】
R1が、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基及びエイコシル基からなる群から選択され、R2が、C2アルキル基であり、前記1分子当たりの平均エチレンオキシ単位濃度Xが、50〜64.5重量%であり、かつ前記比Zが、4〜9.4である、請求項1に記載の自動食器洗浄組成物。
【請求項10】
自動食器洗浄機内で物品を清浄する方法であって、
少なくとも1つの物品を提供することと、
請求項1に記載の自動食器洗浄組成物を提供することと、
前記自動食器洗浄組成物を、前記少なくとも1つの物品に適用することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、斑点防止組成物のための界面活性剤に関する。具体的には、本発明は、食器上の斑点を低減するかかる界面活性剤を組み込んだ自動食器洗浄組成物に関する。
【0002】
自動食器洗浄組成物は概して、布洗浄または水処理のために使用されるものとは異なる洗剤組成物の分類として認識される。自動食器洗浄組成物は、使用者から、完全な清浄サイクルの完了後、洗浄された物品上に斑点及び膜張りがない外観を生じさせることが期待される。
【0003】
縞状汚染のない水性硬質表面洗浄組成物に使用するためのアルコールエトキシレートのファミリーは、Burkeらによる米国特許第5,126,068号に開示されている。Burkeらは、とりわけ、下記式のアルコールエトキシレートを含有する洗浄用組成物を開示しており、
【0004】
【化1】
【0005】
式中、Rは長さが8〜15個の炭素原子を有するアルキル鎖であり、xは約4〜15の数であり、yは約0〜15の数であり、zは約0〜5の数である。
【0006】
それにもかかわらず、ホスフェート不含組成物がますます望ましくなってきている。ホスフェート不含組成物は、カルシウム及びマグネシウムを硬水から封鎖し、それらが乾燥後、食器上に不溶解性可視堆積物を残さないようにするために、例えば、シトレート、カルボネート、バイカルボネート、アミノカルボキシレートの塩などの非ホスフェートビルダーに依存する。しかし、ホスフェート不含組成物は、ガラス食器及び他の表面上に斑点を残す傾向がより強い。
【0007】
自動食器洗浄において改善された特性を示し、ホスフェート不含である組成物が、本業界において進歩的であるであろう。したがって、斑点防止特性を有する新しい界面活性剤がなおも必要とされている。具体的には、ホスフェート不含及び斑点防止の両方である自動食器洗浄用配合物を促進する斑点防止特性を有する新しい界面活性剤がなおも必要とされている。
【0008】
本発明は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、及びマレイン酸のうちの少なくとも1つのモノマー単位を含む分散剤ポリマーと、ビルダーと、界面活性剤とを含む自動食器洗浄組成物を提供し、ここで、界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、
【0009】
【化2】
【0010】
式中、R
1は、直鎖または分枝鎖の飽和C
8−24アルキル基であり、R
2は、直鎖の飽和C
2−8アルキル基であり、mは、22〜42の平均値を有し、nは、4〜12の平均値を有し、式中、m+nは、26〜54の平均値であり、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートは、>45重量%の1分子当たりの平均エチレンオキシ単位濃度Xを有し、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートは、nで除算したXに等しい比Zを有し、比Zは<9.5である。
【0011】
分散剤ポリマー(分散剤ポリマーが、(メタ)アクリル酸のホモポリマー、(メタ)アクリル酸と少なくとも1つの他のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマー、及びそれらの塩を含む)と、ビルダーと、界面活性剤とを含む自動食器洗浄組成物が提供され、界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、R
1は、直鎖または分枝鎖の飽和C
8−24アルキル基であり、R
2は、直鎖の飽和C
2−8アルキル基であり、mは、22〜42の平均値を有し、nは、4〜12の平均値を有し、式中、m+nは、26〜54の平均値であり、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートは、>45重量%の1分子当たりの平均エチレンオキシ単位濃度Xを有し、脂肪アルコールアルコキシレートは、nで除算したXに等しい比Zを有し、比Zは<9.5である。
【0012】
分散剤ポリマー(分散剤ポリマーが、(メタ)アクリル酸のホモポリマー、(メタ)アクリル酸と少なくとも1つの他のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマー、及びそれらの塩を含む)と、ビルダー(ビルダーが、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属過炭酸塩、アルカリ金属クエン酸塩、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、及び過炭酸アンモニウムからなる群から選択される)と、界面活性剤とを含む自動食器洗浄組成物が提供され、界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、式中、R
1は、直鎖または分枝鎖の飽和C
8−24アルキル基であり、R
2は、直鎖の飽和C
2−8アルキル基であり、mは、22〜42の平均値を有し、nは、4〜12の平均値を有し、式中、m+nは、26〜54の平均値であり、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートは、>45重量%の1分子当たりの平均エチレンオキシ単位濃度Xを有し、脂肪アルコールアルコキシレートは、nで除算したXに等しい比Zを有し、比Zは<9.5である。
【0013】
本発明は、自動食器洗浄機において物品を洗浄する方法であって、少なくとも1つの物品を提供することと、本発明の自動食器洗浄組成物を提供することと、自動食器洗浄組成物を少なくとも1つの物品に適用することとを含む。
【発明を実施するための形態】
【0014】
自動食器洗浄組成物(特にリン酸塩を含まない自動食器洗浄組成物)中に組み込まれる場合、特に本明細書に記載の界面活性剤脂肪アルコールアルコキシレートは、自動食器洗浄組成物の斑点防止性能を劇的に改善する。
【0015】
別途示されない限り、数値の範囲(例えば、「2〜10」)は、この範囲を定義する数値(例えば、2及び10)を含める。
【0016】
別途示されない限り、比、パーセンテージ、部などは、重量による。組成物中の重量パーセンテージ(または、重量%)は、乾燥重量のパーセンテージであり、すなわち、組成物中に存在し得る一切の水を排除している。ポリマー中のモノマー単位のパーセンテージは、固形重量のパーセンテージであり、すなわち、ポリマー乳剤中に存在する一切の水を排除している。
【0017】
本明細書で使用される場合、別途示されない限り、用語「分子量」及び「Mw」は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)及びポリエチレングリコール標準物などの従来の標準物を用いた従来の方法で測定された場合の重量平均分子量を指すために互換的に使用される。GPC技法は、Modem Size Exclusion Chromatography,W.W.Yau,J.J.Kirkland,D.D.Bly;Wiley−lnterscience,1979、及びA Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis,J.P.Sibilia;VCH,1988,p.81−84で詳細に論じられている。分子量は、本明細書においてダルトンの単位で報告される。
【0018】
用語「エチレン性不飽和」は、分子または部分を重合性にする1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する分子または部分を記載するために使用される。用語「エチレン性不飽和」は、モノエチレン性不飽和(1つの炭素−炭素二重結合を有する)及び多エチレン性不飽和(2つ以上の炭素−炭素二重結合を有する)を含む。本明細書で使用される場合、用語「(メタ)アクリル」は、アクリルまたはメタクリルを指す。
【0019】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される用語「エチレンオキシ」及び「EO」は、−CH
2−CH
2−O−基を指す。
【0020】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される用語「ホスフェート不含」は、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、0.5重量%未満(好ましくは0.2重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満、最も好ましくは検出限界値未満)のホスフェート(リン元素として測定)を含有する組成物を意味する。
【0021】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、及びマレイン酸のうちの少なくとも1つのモノマー単位を含む分散剤ポリマーと、ビルダーと、界面活性剤とを含み、界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートであり、
【0023】
式中、R
1は、直鎖または分枝の飽和C
8−24アルキル基であり(好ましくは、直鎖または分枝鎖の飽和C
12−20アルキル基であり、より好ましくは、直鎖または分枝鎖の飽和C
12−20アルキル基が、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、及びエイコシル基からなる群から選択される)、R
2は、直鎖飽和C
2−8アルキル基(好ましくは、直鎖飽和C
2−6アルキル基、より好ましくは、直鎖飽和C
2−4アルキル基、最も好ましくはC
2アルキル基)であり、mは22〜42(好ましくは23〜33、より好ましくは24〜32、最も好ましくは25〜31)の平均値を有し、nは4〜12(好ましくは5〜11、より好ましくは6〜11、最も好ましくは7〜10)の平均値を有し、m+nは26〜54(好ましくは30〜50、より好ましくは30〜45、最も好ましくは30〜40)の平均値であり、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートは、>45重量%(好ましくは、≧50重量%、より好ましくは>45〜64.5重量%、最も好ましくは50〜64.5重量%)の1分子当たりの平均エチレンオキシ単位濃度Xを有し、式Iの脂肪アルコールアルコキシレートは、nで除算したXに等しい比Zを有し、比Zは<9.5(好ましくは4〜9.4、より好ましくは5〜9.2)である。界面活性剤は、式Iの脂肪アルコールアルコキシレート化合物の混合物であり得、ここで、界面活性剤は、炭素数は異なるが、上述された範囲と一致する平均炭素数を有するアルキル基R
1及びR
2の範囲を含有する混合物である。
【0024】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、自動食器洗浄組成物の乾燥重量に基づいて、少なくとも0.2重量%(好ましくは、少なくとも1重量%)の界面活性剤を含み、この界面活性剤は、上述した式Iの脂肪アルコールアルコキシレートである。好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、自動食器洗浄組成物の乾燥重量に基づいて、0.2〜15重量%(好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1.5〜7.5重量%)の界面活性剤を含み、この界面活性剤は、上述した式Iの脂肪アルコールアルコキシレートである。
【0025】
本発明の自動食器洗浄組成物に使用される式Iの界面活性剤脂肪アルコールアルコキシレートは、既知の合成手順を用いて容易に調製することができる。例えば、本化合物を調製するための典型的な手順は、以下の通りである。式R
1OH(式中R
1は、直鎖または分岐鎖の飽和C
8−24アルキル基である)と一致するアルコールを反応器に添加し、塩基(例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシドまたは水酸化カリウム)の存在下で加熱する。混合物は、相対的に水を含んでいないはずである。次いで、この混合物に、加圧下で所望の量のエチレンオキシドEOを添加する。EOが消費された後(反応器の気圧の実質的な低下により示されるように)、得られたエトキシル化アルコールは、塩基条件下で、1:4〜1:12のエトキシル化アルコール対アルキレンオキシドのモル比で、アルキレンオキシドとの反応にかけることができる(ここで、アルキレンオキシドは、4〜10個の炭素原子を含有する)。触媒対エトキシル化アルコールのモル比は、0.01:1〜1:1(好ましくは、0.02:1〜0.5:1)であり得る。エトキシル化アルコールを形成するための反応及びアルキレンオキシドとのさらなる反応は、典型的には溶媒の非存在下で、25〜200℃(好ましくは80〜160℃)の温度で行われる。
【0026】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物中で使用される分散剤ポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、及びマレイン酸のうちの少なくとも1つのモノマー単位を含む。好ましくは、分散剤ポリマーは、(メタ)アクリル酸の単位を含む。好ましくは、分散剤ポリマーは、≧2,000(より好ましくは≧3,000、最も好ましくは≧4,000)ダルトン、及び≦100,000(より好ましくは≦70,000、より好ましくは≦50,000、より好ましくは≦30,000、より好ましくは≦25,000、より好ましくは≦20,000)ダルトンの重量平均分子量Mwを有する。好ましくは、分散剤ポリマーは、2,000〜40,000(より好ましくは、4,000〜20,000)ダルトンの重量平均分子量Mwを有する。
【0027】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物中で使用される分散剤ポリマーは、(メタ)アクリル酸のホモポリマー、(メタ)アクリル酸と少なくとも1つの他のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマー、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物中で使用される分散剤ポリマーは、(メタ)アクリル酸のホモポリマー、(メタ)アクリル酸と少なくとも1つの他のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマー、及びそれらの塩のうちの少なくとも1つを含み、ここで、(メタ)アクリル酸と少なくとも1つの他のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーは、メタクリル酸及びアクリル酸のコポリマーを含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物に使用される分散剤ポリマーは、(メタ)アクリル酸のホモポリマー及びその塩(好ましくは(メタ)アクリル酸のホモポリマー)である。
【0028】
好ましくは、(メタ)アクリル酸と少なくとも1つの他のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーは、(メタ)アクリル酸のエステル(例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル)、スチレン、スルホン化モノマー(例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、4−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3−アリルオキシ、2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(HAPS)、2−スルホエチル(メタ)アクリル酸、2−スルホプロピル(メタ)アクリル酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸、4−スルホブチル(メタ)アクリル酸)、置換(メタ)アクリルアミド(例えば、tert−ブチルアクリルアミド)、及びこれらの塩からなる群から選択される残基を含む。
【0029】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物中で使用される分散剤ポリマーは、50〜95重量%(好ましくは、70〜93重量%)のアクリル酸、及び5〜50重量%(好ましくは、7〜30重量%)の2−アクリルアミド(acrylamido)−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩の重合単位由来のコポリマーを含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物中で使用される分散剤ポリマーは、50〜95重量%(好ましくは、70〜93重量%)のアクリル酸、及び5〜50重量%(好ましくは、7〜30重量%)の2−アクリルアミド(acrylamido)−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩の重合単位由来のコポリマーを含み、ここで、コポリマーは、2,000〜40,000(より好ましくは、10,000〜20,000)ダルトンの重量平均分子量Mwを有する。
【0030】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物中で使用される分散剤ポリマーは、(メタ)アクリル酸のホモポリマーを含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物中で使用される分散剤ポリマーは、(メタ)アクリル酸のホモポリマーを含み、ここで、(メタ)アクリル酸のホモポリマーは、2,000〜40,000(より好ましくは、2,000〜10,000)ダルトンの重量平均分子量Mwを有する。
【0031】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物中で使用される分散剤ポリマーは、アクリル酸のホモポリマーを含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物中で使用される分散剤ポリマーは、アクリル酸のホモポリマーを含み、ここで、アクリル酸のホモポリマーは、2,000〜40,000(より好ましくは、2,000〜10,000)ダルトンの重量平均分子量Mwを有する。
【0032】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物中で使用される分散剤ポリマーは、アクリル酸のホモポリマーと、アクリル酸及び2−アクリルアミド(acrylamido)−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩の重合単位由来のコポリマーとの混合物とを含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物中で使用される分散剤ポリマーは、アクリル酸のホモポリマーと、アクリル酸及び2−アクリルアミド(acrylamido)−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩の重合単位由来のコポリマーとの混合物とを含み、ここで、アクリル酸のホモポリマーは、2,000〜40,000(より好ましくは、2,000〜10,000)ダルトンの重量平均分子量Mwを有し、コポリマーは、2,000〜40,000(より好ましくは、10,000〜20,000)ダルトンの重量平均分子量Mwを有する。
【0033】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、自動食器洗浄組成物の乾燥重量に基づいて、1〜10重量%(好ましくは2〜8重量%、より好ましくは3〜6重量%)の分散剤ポリマーを含む。
【0034】
本発明の自動食器洗浄組成物中で使用される分散剤ポリマーは、様々な供給元から市販されており、かつ/またはそれらは、文献の技法を使用して調製され得る。例えば、低分子量分散剤ポリマーは、フリーラジカル重合により調製され得る。これらのポリマーを調製するための好ましい方法は、溶媒中での均一重合による。溶媒は、水、または2−プロパノールもしくは1,2−プロパンジオールなどのアルコール溶媒であり得る。フリーラジカル重合は、アルカリペルサルフェート、または有機ペルアシッド及び有機ペルエステルなどの前駆体化合物の分解により開始される。前駆体の活性化は、高反応温度のみの作用(熱活性化)、または鉄(II)サルフェートとアスコルビン酸との組み合わせなどのレドックス作用物質の混和物(レドックス活性化)による場合もある。これらの場合、連鎖移動剤が典型的に使用され、ポリマー分子量を調節する。溶液重合において用いられる好ましい連鎖移動剤の1つの分類は、アルカリバイサルファイトまたはアンモニウムバイサルファイトである。ナトリウムメタ−バイサルファイトが特に記載される。
【0035】
分散剤ポリマーは、水溶性溶液ポリマー、スラリー、乾燥粉末、または顆粒の形態もしくは他の固形形態であり得る。
【0036】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物中で使用されるビルダーは、1つ以上のカルボネートまたはシトレートを含む。用語「カルボネート(複数可)」は、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、カルボネート、バイカルボネート、ペルカルボネート、及び/またはセスキカルボネートのアルカリ金属またはアンモニウム塩を指す。用語「シトレート(複数可)」は、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、アルカリ金属クエン酸塩を指す。好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物中で使用されるビルダーは、1つ以上のカルボネートまたはシトレートを含み、ここで、カルボネート及びシトレートは、ナトリウム、カリウム、及びリチウム(より好ましくは、ナトリウムまたはカリウム、最も好ましくは、ナトリウム塩)のカルボネート及びシトレートからなる群から選択される。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物中で使用されるビルダーは、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0037】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、自動食器洗浄組成物の乾燥重量に基づいて、10〜75重量%(より好ましくは25〜75重量%、より好ましくは30〜70重量%、より好ましくは40〜65重量%)のビルダーを含む。カルボネートまたはシトレートの重量パーセントは、金属イオンを含む塩の実際の重量に基づく。
【0038】
本発明の自動食器洗浄組成物は任意に、添加剤をさらに含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は任意に、アルカリ源、漂白剤(例えば、ナトリウムペルカルボネート、ナトリウムペルボレート)、漂白活性化剤(例えば、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED))、漂白触媒(例えば、マンガンアセテート(II)、または塩化コバルト(II));酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、またはセルラーゼ);アミノカルボキシレートキレート剤(例えば、メチルグリシンジ酢酸(MGDA)、グルタミン酸−N,N−ジ酢酸(GLDA)、イミノジコハク酸(IDSA)、1,2−エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、アスパラギン酸ジ酢酸(ASDA)、これらの塩、及びこれらの混合物);ホスホネート(例えば、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP));発泡抑制剤;染料;芳香剤;シリケート;追加のビルダー;抗菌剤;充填剤(例えば、ナトリウムサルフェート);及びこれらの混合物からなる群から選択される添加剤をさらに含む。錠剤または粉末形態で提供される自動食器洗浄組成物に使用される充填剤は、不活性水溶性物質、典型的にはナトリウムまたはカリウム塩(例えば、ナトリウムサルフェート、カリウムサルフェート、塩化ナトリウム、塩化カリウム)を含み、典型的には自動食器洗浄組成物の最大75重量%の範囲の量で提供される。ゲル形態で提供される自動食器洗浄組成物に使用される充填剤には、錠剤及び粉末自動食器洗浄組成物で使用するために上述したものに加えて、水が含まれる。自動食器洗浄組成物に使用される香料、染料、発泡抑制剤、酵素及び抗菌剤は、典型的には、自動食器洗浄組成物の≦10重量%(好ましくは≦5重量%)を占める。
【0039】
本発明の自動食器洗浄組成物は任意に、アルカリ源をさらに含む。好適なアルカリ源としては、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物(例えば、炭酸ナトリウムならびにカリウムカルボネート、重炭酸ナトリウム、カリウムセスキカルボネート、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、ならびに水酸化カリウム)及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。炭酸ナトリウムが好ましい。好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、自動食器洗浄組成物の乾燥重量に基づいて、1〜80重量%(好ましくは20〜60重量%)のアルカリ源を含む(好ましくは、このアルカリ源は炭酸ナトリウムである)。
【0040】
本発明の自動食器洗浄組成物は任意に、漂白剤をさらに含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、自動食器洗浄組成物の乾燥重量に基づいて、1〜30重量%(好ましくは8〜20重量%)の漂白剤を含む。
【0041】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、炭酸ナトリウム;重炭酸ナトリウム;金属イオン封鎖剤(好ましくは、金属イオン封鎖剤はクエン酸ナトリウムである);漂白剤(好ましくは、漂白剤はナトリウムペルカルボネートである);漂白活性化剤(好ましくは漂白活性化剤はTAEDである);界面活性剤(界面活性剤は上記の式Iの脂肪アルコールアルコキシレートである);酵素(好ましくは、酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択される);分散剤ポリマー(好ましくは、分散剤ポリマーは、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とAMPS(またはAMPSの塩)のコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される);ホスホネート(好ましくは、ホスホネートはHEDPである);及び任意に充填剤(好ましくは、充填剤はナトリウムサルフェートである)を含む。
【0042】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、10〜50重量%(好ましくは15〜30重量%、より好ましくは15〜25重量%)の炭酸ナトリウム;5〜50重量%(好ましくは10〜40重量%、より好ましくは25〜35重量%)の金属イオン封鎖剤(好ましくは、金属イオン封鎖剤はクエン酸ナトリウムである);5〜25重量%(好ましくは10〜20重量%)の漂白剤(好ましくは、漂白剤はナトリウムペルカルボネートである);1〜6重量%(好ましくは2〜5重量%)の漂白活性化剤(好ましくは漂白活性化剤はTAEDである);0.2〜15重量%(好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは2〜7.5重量%)の界面活性剤(界面活性剤は上記の式Iの脂肪アルコールアルコキシレートである);1〜6重量%(好ましくは2〜4重量%)の酵素(好ましくは、酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、酵素はプロテアーゼとアミラーゼとの混合物である);1〜10(好ましくは2〜7.5重量%)の分散剤ポリマー(好ましくは、分散剤ポリマーは、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とAMPS(またはAMPSの塩)のコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される);及び1〜10重量%(好ましくは2〜7.5重量%)の充填剤(好ましくは、充填剤はナトリウムサルフェートである)を含み、各重量%は、自動食器洗浄組成物の乾燥重量に基づく。
【0043】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、少なくとも9(好ましくは、≧10)のpH(蒸留水中の1重量%における)を有する。好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、13以下のpH(上流水中の1重量%における)を有する。
【0044】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、任意の典型的な形態、例えば、錠剤、粉末、塊、一回量、小袋、ペースト、液体、またはゲルで配合され得る。本発明の自動食器洗浄組成物は、食器道具及び調理具、皿などの用品を自動食器洗浄機で清浄するのに有用である。
【0045】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、典型的な操作条件下で使用され得る。例えば、自動食器洗浄機内で使用されるとき、洗浄過程中の典型的な水温は、好ましくは20℃〜85℃、好ましくは30℃〜70℃である。自動食器洗浄組成物のための典型的な濃度は好ましくは、食器洗浄機内の液体の合計パーセンテージとして、0.1〜1重量%、好ましくは0.2〜0.7重量%である。適切な製品形態及び添加時間の選択により、本発明の自動食器洗浄組成物は、予備洗浄、主洗浄、最終から2番目のすすぎ、最終のすすぎ、またはこれらのサイクルの任意の組み合わせにおいて存在し得る。
【0046】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、<0.5重量%(好ましくは<0.2重量%、より好ましくは<0.1重量%、さらにより好ましくは<0.01重量%、最も好ましくは検出限界値超)のホスフェート(リン元素として測定)を含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、ホスフェート不含である。
【0047】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、合計で<0.5重量%(好ましくは<0.2重量%、より好ましくは<0.1重量%、さらにより好ましくは<0.01重量%、最も好ましくは<検出限界値)のアミノカルボキシレートキレート剤を含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、合計で<0.5重量%(好ましくは、<0.2重量%、より好ましくは<0.1重量%、さらにより好ましくは<0.01重量%、最も好ましくは<検出限界地)の、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸−N、N−二酢酸(GLDA)、イミノ二コハク酸(IDSA)、1,2−エチレンジアミンニコハク酸(EDDS)及びアスパラギン酸二酢酸(ASDA)を含むアミノカルボキシレートキレート剤を含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、<0.5重量%(好ましくは<0.2重量%、より好ましくは<0.1重量%、さらにより好ましくは<0.01重量%、最も好ましくは<検出限界値)のメチルグリシン二酢酸(MGDA)を含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、アミノカルボキシレートキレート剤不含である。好ましくは、本発明の自動食器洗浄組成物は、メチルグリシン二酢酸(MGDA)不含である。
【0048】
ここで、本発明のいくつかの実施形態が以下の実施例で詳細に記載される。
【0049】
実施例I−1:12.6C開始剤溶液の調製
窒素雰囲気下でオーバーヘッド撹拌し、水冷蒸留ヘッドを備えた1リットルの丸底フラスコを温度制御された電気加熱マントル内に置き、686.4gのドデカノールとテトラデカノールの70:30重量%混合物(Proctor&Gambleから入手可能なCO−1270脂肪アルコール)及び5.28gの85%水酸化カリウム粉末を加えて混合物を形成した。次いで、この混合物を100℃に加熱して、カールフィッシャー分析により0.22重量%の水を有する溶液を提供した。次いで、蒸留ヘッドを通して丸底フラスコから窒素を2時間パージしながら、溶液を130〜140℃にさらに加熱し、カールフィッシャー分析により0.003重量%の水を含有する溶液を提供した。塩基含有量は、0.61重量%の水酸化カリウムとして滴定した。残りの678.10gの溶液を丸底フラスコからボトルに注ぎ、55℃で保存した。
【0050】
アルコキシル化反応手順
1/4hpの磁気駆動攪拌機、1500ワット(115V)のCalrodの電気加熱器、1/4インチの水が充填された冷却コイル、1/16インチの試料抽出するための浸漬管、内部サーモウェル、1024psigに設定された1/4インチの破裂板、900psigに設定された1/4インチの放出弁、液体レベルより下に沈められた酸化物添加ライン、及び2インチの直径ピッチの翼攪拌機が備え付けられた2Lの316ステンレス鋼の円錐形状底部(最小攪拌容量は20mL)のParr反応器(モデル4530)内でアルコキシル化反応を行った。攪拌機シャフトの底部は、反応器の輪郭の形をした特注作製されたステンレス鋼パドルを有し、初期の非常に小さい容量での攪拌を可能にした。酸化物添加システムは、1リットルのステンレス鋼添加シリンダーから構成され、それは、装填、秤量、及び酸化物投入ラインに取り付けられた。反応器システムをSiemens SIMATIC PCS7プロセス制御システムにより制御した。Type Kの熱電対を用いて反応温度を測定し、Ashcroftの気圧変換装置を用いて気圧を測定し、ボール弁をSwagelokの空圧式弁駆動装置を用いて操作し、ASCOの電気弁を用いて水流の冷却を制御し、Brooks Quantim(登録商標)Coriolis質量流量制御装置(モデル、QMBC3L1B2A1A1A1DH1C7A1DA)、及び質量流量制御装置にわたる100psigの気圧の差異を維持して、安定した流量を提供するTESCOM逆圧調節装置(モデル、44−1163−24−109A)からなる質量流量制御システムにより酸化物添加速度を制御した。
【0051】
比較実施例C1〜C7及びC11
比較実施例C1〜C7及びC11のそれぞれにおいて、アルコキシル化反応は、2Lの316ステンレス鋼円錐底部(最小撹拌容量20mL)Parr反応器中で行われ、Parr反応器は、エチレンオキシド(EO)を添加する前に、実施例I−1と同様にしてシールし、450psigで圧力をチェックし、窒素で6回パージし、120〜130℃に加熱した。次いで、Parr反応器にエチレンオキシド(EO)を0.5〜3g/分の速度で充填し、表1に記載の開始剤に対するEOのモル比を得た。パール反応器内の圧力を安定化した後、プロピレンオキシド(PO)(存在する場合)及びブチレンオキシド(BO)(存在する場合)をパール反応器に0.5〜2g/分の速度で充填し、表1に記載の開始剤に対するPOのモル比及び開始剤に対するBOのモル比を提供した。次いで、Parr反応器を120〜130℃で一晩保持した後、50℃に冷却して、下記の自動食器洗浄試験で使用するための生成物界面活性剤を回収した。
【0053】
比較実施例C8〜C10、C12〜24及び実施例1〜7
比較実施例C8〜C10、C12〜24、及び実施例1〜7のそれぞれにおいて、アルコキシル化反応は、2Lの316ステンレス鋼円錐底部(最小撹拌容量20mL)Parr反応器中で行われ、Parr反応器は、エチレンオキシド(EO)を添加する前に、ある量の開始剤を表2に記載した濃度の塩基性アルコキシル化触媒と共に充填し、窒素で1時間パージし、120〜130℃に加熱した。次いで、Parr反応器にエチレンオキシド(EO)を0.5〜3g/分の速度で充填し、表2に記載の開始剤に対するEOのモル比を得た。パール反応器内の圧力を安定化した後、プロピレンオキシド(PO)(存在する場合)及びブチレンオキシド(BO)(存在する場合)をパール反応器に0.5〜2g/分の速度で充填し、表2に記載の開始剤に対するPOのモル比及び開始剤に対するBOのモル比を提供した。次いで、Parr反応器を120〜130℃で一晩保持した後、50℃に冷却して、下記の自動食器洗浄試験で使用するための生成物界面活性剤を回収した。
【0055】
食べ物汚れを調製するための手順
表3〜4に記載の食べ物汚れ配合物は、水を70℃に加熱し、次いでジャガイモデンプン、クォークパウダー、安息香酸及びマーガリンを添加することによって調製した。マーガリンが確実に溶解するまで攪拌した。次いで、牛乳を添加し、よく攪拌する。得られた混合物を冷却させる。次いで、温度が45℃未満になったら、卵黄、ケチャップ、及びマスタードを添加する。自動食器洗浄試験に使用するために、50gの分量で得られた食べ物汚れ配合物を十分に混合し、次いで凍結する。
【0058】
食器洗浄組成物
上記比較実施例C1〜24及び実施例1〜7に従って調製された界面活性剤を含有する食器洗浄組成物を、表5〜7のうちの1つで同定された成分配合物を用いて提供した。成分配合物の各々に使用されたプロテアーゼは、Novozymesから入手可能なSavinase(登録商標)12Tプロテアーゼであった。各成分配合物に使用されたアミラーゼは、Novozymesから入手可能なStainzyme(登録商標)12Tアミラーゼであった。
【0062】
食器洗浄試験条件
機械:Miele SS−ADW、モデルG1222SC Labor。プログラム:V4、8分間にわたる加熱洗浄、ファジィ論理離脱加熱乾燥を伴う50℃での洗浄サイクル。水:375ppmの硬度(EDTA滴定により確認されたCaCO
3,として)、Ca:Mg=3:1、250ppmの炭酸ナトリウム。食べ物汚れ:表8〜14に記載の組成物50gをt=0で導入し、カップ内で凍結した。比較実施例C1〜C24及び実施例1〜7からの各界面活性剤を、表8〜14に記載のように、1回の洗浄につき20gを投与した食器洗浄組成物で試験した。
【0063】
膜張り及び斑点の評価
外気で乾燥後、訓練を受けた評価者による、下からの制御された照明を有する発光ボックス内でのガラスタンブラーの観察により、膜張り及び斑点の評点を判定した。ガラスタンブラーを、ASTM法に従って、1(膜/斑点なし)から5(重度の膜張り/斑点形成)までの範囲で、膜張り及び斑点について評価した。膜張り及び斑点についての平均値1〜5を各ガラスタンブラーについて判定し、それぞれ表8〜14に報告する。