特許第6807961号(P6807961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6807961噴霧乾燥の設備内で濃縮物を加熱する方法および方法を実行するための設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6807961
(24)【登録日】2020年12月10日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】噴霧乾燥の設備内で濃縮物を加熱する方法および方法を実行するための設備
(51)【国際特許分類】
   A23C 1/04 20060101AFI20201221BHJP
   F26B 3/12 20060101ALI20201221BHJP
   F26B 21/10 20060101ALI20201221BHJP
   F26B 17/10 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   A23C1/04
   F26B3/12
   F26B21/10
   F26B17/10 B
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-564796(P2018-564796)
(86)(22)【出願日】2017年6月14日
(65)【公表番号】特表2019-520067(P2019-520067A)
(43)【公表日】2019年7月18日
(86)【国際出願番号】EP2017000694
(87)【国際公開番号】WO2017220191
(87)【国際公開日】20171228
【審査請求日】2019年5月31日
(31)【優先権主張番号】102016007636.4
(32)【優先日】2016年6月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】310004541
【氏名又は名称】ゲーエーアー テーデーエス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(74)【代理人】
【識別番号】100142572
【弁理士】
【氏名又は名称】水内 龍介
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェンツォフ ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ロッレ ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】アッシンク フーベルト
(72)【発明者】
【氏名】タッケ ルードガー
(72)【発明者】
【氏名】シュミート アンドレアス
【審査官】 松原 寛子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/026560(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0153728(US,A1)
【文献】 特開平04−219101(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/085784(WO,A1)
【文献】 特開平05−123103(JP,A)
【文献】 化学と生物,1963年,Vol.1,p.315-322
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23C 1/00
F26B 3/12
F26B 17/10
F26B 21/10
CAplus/FSTA/AGRICOLA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧乾燥の設備(100)内で濃縮物(K)を加熱する方法であって、以下の連続ステップ(a)〜(d):
(a) 流れ温度(T1)で従来技術から一般に知られている低圧レベル(p1)から、高圧レベル(p2)までの前記濃縮物(K)の昇圧(P)が生じ、前記高圧レベル(p2)が最大350barにまで達することができるステップ、
(b) 高圧熱交換器(18)の手段により、高圧レベル(p2)にある前記濃縮物(K)を上昇した噴霧温度(T3)(75〜80℃の範囲内)へと高圧加熱(H)するステップであって、前記高圧熱交換器(18)は、二次側にて熱伝達媒体(W)を供給され、複数の内管を設けたシェルアンドチューブ型熱交換器として設計されており、前記複数の内管は、その内部に前記濃縮物(K)が平行して流れ、単円部の上に円形リングの形状にて配設され、共に内部チャネルを形成しており、前記内部チャネルは複数の内管どうしを隣接させて、流れ方向における円周方向環状空間の形状になるように設計されている、ステップ、
(c) 一方の側が前記円周方向環状空間の出口に接続し、もう一方の側が第2高圧ライン区間に接続しており、既定の延伸長さと、既定の長さに依存するその連続したチャネル通路断面とを有する環状空間形状の出口側チャネルから成る手段により、ステップ(b)による処理の過程またはその直後において、前記濃縮物(K)に既定のせん断負荷(S)を加えるステップ、
(d)その後、ステップ(c)に従って処理された前記濃縮物(K)をその加圧噴霧(DZ)の場所へ即時移送(U)させるステップであって、前記即時移送(U)のための移送時間(Δt)は、前記ステップ(c)を実行する手段と前記加圧噴霧(DZ)の場所との間の可能な最小流体有効距離により決定されるステップ、
により特徴付けられる、方法。
【請求項2】
前記高圧加熱(H)中において前記濃縮物(K)の上昇流速(v)は、前記高圧加熱(H)から上流に位置する処理エリアでその流速に対して20〜25%の上昇であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記高圧加熱(H)中の前記上昇流速は最大で3m/秒であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記高圧レベル(p2)は最大で350barであることを特徴とする、前出の請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記上昇した噴霧温度(T3)は80℃に設定されることを特徴とする、前出の請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記濃縮物(K)は、最大65%の質量パーセント(65m%)の乾燥材料濃度(c)で処理されることを特徴とする、前出の請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
噴霧乾燥の設備(100)内で濃縮物の加熱を制御する方法であって、前記濃縮物(K)は請求項1に記載の方法によって加熱され、
前記高圧加熱(H)の制御パラメータは、加熱する前記濃縮物(K)の性質と物理的エッジ条件とによって決定され、
加熱する前記濃縮物(K)の前記性質は、その流量、粘度、圧力、温度、乾燥材料濃度であり、前記物理的エッジ条件は前記加圧噴霧(DZ)の場所における圧力と温度であり、
前記濃縮物(K)にそれぞれ関連する前記制御パラメータは、前記高圧レベル(p2)
、前記上昇した噴霧温度(T3)、前記高圧加熱(H)中における流速(v)、前記せん断負荷(S)の強度であり、
前記制御パラメータは、噴霧乾燥の設備の始動前またはその最中に保存もしくは生成されたキャリブレーション関数の手段により設定される、方法。
【請求項8】
加圧噴霧ノズル(2a)を設けた乾燥塔(2)と、
低圧ライン(12)(供給ポンプ(6)が配設されている)を介して、高圧ピストンポンプ(10)の入口に流体アクセス可能な方式にて接続した供給タンク(4)と、
加圧噴霧ノズル(2a)に流体アクセス可能な方式にて高圧ピストンポンプ(10)の出口側を接続する高圧ライン(14)に配設され、複数の内管(20)を有するシェルアンドチューブ型熱交換器として設計される高圧熱交換器(18)であって、前記複数の内管(20)は、その内部に前記濃縮物(K)が平行に流れ、単円部(26)の上に円形リングの形状にて配設され、共に内部チャネル(20)を形成しており、前記内部チャネル(20)は前記複数の内管(20)どうしを隣接させて、流れ方向における円周方向環状空間(22)の形状になるように設計されている、高圧熱交換器(18)と、
前記高圧ピストンポンプ(10)の前記出口を前記高圧熱交換器(18)の前記入口に接続する前記高圧ライン(14)の第1高圧ライン区間(14.1)と、
前記加圧噴霧ノズル(2a)に流体アクセス可能な方式にて前記高圧熱交換器(18)の前記出口を接続し、流体有効長さは構造的に可能な最小サイズに縮小されている前記高圧ライン(14)の第2高圧ライン区間(14.2)と、
前記高圧熱交換器(18)の出口側に配設され、環状型空間の出口側チャネル(24)内に存在している搬送された前記濃縮物(K)の既定のせん断負荷のための手段であって、前記出口側チャネル(24)は一方の側が前記円周方向環状空間(22)の出口に接続し、もう一方の側が前記第2高圧ライン区間(14.2)に接続しており、ここで、前記環状空間型の出口側チャネル(24)は既定の延伸長さ(L)と、既定の長さに依存するその連続したチャネル通路断面(AS)とを有する、搬送された前記濃縮物(K)の既定のせん断負荷のための手段
とから成る、請求項1に記載の方法を実行するために適している設備(100)。
【請求項9】
前記チャネル通路断面(AS)は延伸長さ(L)全体にかけて一定であることを特徴とする、請求項8に記載の設備。
【請求項10】
前記チャネル通路断面(AS)は平行に流れる全ての内管(20)の総通路断面に対応することを特徴とする、請求項9に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによる、噴霧乾燥の設備内で濃縮物を加熱する方法、特に感温性濃縮物向けの方法と、本方法を実行するための設備とに関する。本発明はさらに、噴霧乾燥の設備内で濃縮物の加熱を制御する方法に関する。感温性濃縮物は、高濃度のタンパク質、乾燥材料、微量の水を含有し、容易に変性し、無菌条件での噴霧乾燥の過程において無菌の最終製品に処理される基体として特に理解されるべきである。
【背景技術】
【0002】
小児向けの易溶性の食品などの、粉末食品、特に粉末乳製品の製造は、多くの場合、いわゆる乾燥塔内での噴霧乾燥によって行われる。乾燥塔では、気化器内、もしくは個別の蒸発装置内で予め特定の濃度に濃縮され、その後、加熱器内で規定温度に加熱される製品(以降で「濃縮物」と呼ぶ)が、ディスクを介して、または以下の好適なケースにあるようにノズル、特に単一製品ノズルを介して、高温空気流中に噴霧される。加熱器を離れる濃縮物は、高圧ピストンポンプの手段(いわゆるノズルポンプ)によって最大350barに達する圧力で、いわゆる加圧噴霧ノズルに供給される。
【0003】
一般に、乾燥塔の静力学は、重い高圧ピストンポンプを支持し、かつこれを加圧噴霧ノズルの直近に設置するために不十分であり、技術的かつ手順上の理由から所望されている。加圧噴霧ノズルの付近に配設された高圧ピストンポンプは、乾燥塔の頂部空間内のいわゆる高温エリアと呼ばれるエリア内で、75〜80℃に達し得る周囲温度において動作し、また、無菌の操作方法が必要である。加えて、微生物のさらなる熱失活は不可能である。
【0004】
前述の理由で、高圧ピストンポンプは現在まで乾燥塔の低いエリアに配設されている。高圧ピストンポンプと加圧噴霧ノズルとの間の著しい高さの差異は立ち上がり管で橋渡しされ、立ち上がり管は計画に従って、あるいは必然的に熱保持区間としても機能する。
【0005】
粉末食品の可能な限り長期で最も衛生的な貯蔵を確保するために、最終製品は優れた可溶性を有し、可能な限り無菌状態でなければならない。適切な温度と停止時間の連続をもって搬送された場合、また、加圧噴霧ノズルに対する熱保持区間として機能する立ち上がり管を考慮した場合、必要な滅菌性は、主に、加熱器から離れる濃縮物での微生物の殺滅によって得られる。いわゆる「低温粉末」の製造には最大77℃の温度が必要であり、いわゆる「高温粉末」には約85℃、いわゆる「超高温粉末」には最大125℃が必要である。
【0006】
先の高圧処理後における、高温に関連した、立ち上がり管での濃縮物の必要な平均停止時間は、最終製品の可溶性に望ましくない形の影響を与える。さらに、立ち上がり管内での長時間にわたる熱保持は、濃縮物の変性につながる。そのため、例えば、直径DN50、容積流量5,000リットル/時で、長さ30メートルの立ち上がり管内で搬送される場合の濃縮物の平均停止時間は42秒間である。これは、概して、最終製品の品質低下も意味する。このタイプの変性は、例えば、ベビーフードの粉末品質への影響であり得るため、完全な可溶性がもはや保証されず、準備したベビーフードに容認できないダマが形成されてしまう。さらに、高温での長い停止時間により、濃縮物の化学反応が生じたり、立ち上がり管の壁と加圧噴霧ノズル内とにいわゆる製品ファウリングと呼ばれる堆積物が形成されることになり、提供される充填濃縮物の製造時間が不要に長引いてしまう。
【0007】
例えば、ミルク濃縮物の場合、立ち上がり管内、およびしたがって加圧噴霧ノズルまでの温度は、ラクトースの結晶化工程を避けるために65〜68℃を超えてはならない。そのため、ここでは立ち上がり管には許容温度が規制される。
【0008】
例えば、精密濾過法の手段による滅菌を介した、蒸発装置の手前の濃縮物の微生物状態の向上が知られている。これは複雑であるが、最終製品の微生物状態を向上させる。
【0009】
加圧噴霧ノズルの入口までにおいて必要な無菌状態も、高圧ピストンポンプが無菌条件下で正当な技術的努力で濃縮物を搬送できないことから、高圧ピストンポンプによって危険に晒され得る。反対に、無菌搬送状態は相当な技術的努力を要するため、一般には実用として取り扱われていないか、取り扱うことができない。大気からの細菌が高圧ピストンポンプのピストンを介して濃縮物中に導入され、再感染が起こる可能性がある。すると、紛体化された最終製品が汚染され、この汚染が、最終製品に残っている厄介な残留湿気の影響により、時間を追うごとに増してしまうことがある。
【0010】
先行技術によれば、加熱器を離れる液体ベース製品の無菌搬送は、下流の高圧ピストンポンプ内での技術的努力が向上した場合にのみ可能である。
【0011】
低圧加熱と、以降の乾燥塔の脚エリアでの最大350barまでの昇圧とが実施され、濃縮物の加圧噴霧ノズルへの搬送が立ち上がり管によって実施される既知の噴霧乾燥の設備には以下の欠点がある:
・立ち上がり管が技術的に望ましくない停止時間区間および熱保持部のように機能してしまう;
・停止時間が加圧噴霧ノズルへの入口温度を不要に低下させてしまう;
・停止時間により、望ましくない粘度が増加する(ゲル化効果);
・立ち上がり管内の停止時間を明確に規定できないため、加圧噴霧ノズルの手前での感温性濃縮物の状態が明確に規定されない;
・熱保持に関連した停止時間によって濃縮物の変性が起こる。これには濃縮物の堆積の増加が関与する;
・これにより、設備のサービス寿命が短縮され、クリーニングの頻度が増える;
・高圧ピストンポンプは滅菌方式で操作される必要がある。すなわち、濃縮物はポンプにより無菌処理されなければならず、コスト高が伴う。
・無菌操作されない高圧ピストンポンプにより、最終製品の重大な汚染が起こる;
・加圧噴霧ノズルの正面の温度が比較的低温であるため、乾燥塔の生産高が低下する。
【0012】
高圧下にある高圧ピストンポンプを離れる液体濃縮物に要する滅菌を達成するために、加圧噴霧ノズルに向かう途中での濃縮物の適切な高圧加熱を提供することができる。この高圧加熱は加圧噴霧ノズルの正面にて直接実施することができるため、立ち上がり管内の温度を重要でないレベルにまで低下させることが可能である。この配設では、乾燥塔の脚部における非無菌搬送での高圧ピストンポンプの操作を引き続き行うことができる。これに関し、加熱のために外部から蒸気が供給された、十分に圧力抵抗されたコイル状のモノチューブ内で高圧加熱を実行することが既に示唆されている。しかし、外部からのモノチューブの全長にわたる均一な熱入力と、したがって、モノチューブ内を流れる濃縮物の全ての粒子についての均等な停止時間とが確保されないため、この示唆は有利ではない。
【0013】
モノチューブとして設計された熱交換器は米国特許第3,072,486 A号からも知られている。この公報は、噴霧乾燥の設備における可溶性ミルク粉末の調製について記載している。スキムミルクまたは全乳の濃縮物を加熱装置にて約40〜49℃の温度に予熱し、次に、これを容積型ポンプの手段によってミキサに供給し、ガスの供給によってしっかりした泡が立つように泡立てる。泡をパイプラインを介してミキサから排出し、高圧ポンプに供給し、ここで、例えば約103barに昇圧されて、パイプラインを介して高圧ポンプに接続した噴霧ヘッドにおける噴霧乾燥器内に入る。噴霧ヘッド内に放出を行うパイプラインの端部は、より大きな直径を持つチューブで包囲されており、このチューブはオーブン内で約232℃の温度に加熱された気体を、約82〜84℃の温度にて噴霧ヘッドに供給する。したがって、泡を輸送するパイプラインの端部は、気体により外部から加熱されたモノチューブを呈する。
【0014】
十分に均一な熱入力の要件と、濃縮物の全ての粒子についてほぼ均等な、低圧レベルでの停止時間の要件とを満たす熱交換器は、概して、いわゆるシェルアンドチューブ熱交換器であり、原則的に前述のモノチューブの代用となり得る。このタイプのシェルアンドチューブ型熱交換器の基本構造は、例えば独国実用新案第94 03 913 U1号で述べられている。独国特許出願公開第10 2005 059 463 A1号もまた、低圧レベル用のこのタイプのシェルアンドチューブ型熱交換器を開示しており、さらに、この熱交換器内に多数のチューブ束をどのように平行に配設し、接続エルボの手段または接続冶具により、流体アクセス可能な方式にて連続接続できるかを示している。この文献の図1はこのタイプの配設を示す(先行技術)。
【0015】
当座の間、このタイプのシェルアンドチューブ型熱交換器内のチューブ束を接続するために最大350barで加圧する製品用の曲げまたは個別の接続冶具が利用可能(独国特許出願公開第10 2014 012 279 A1号)であるが、既知のシェルアンドチューブ型熱交換器(独国実用新案第94 03 913 U1号;独国特許出願公開第10 2005 059 463 A1号)はこの高圧レベルには不適切であり、ここでは、濃縮物の変性と製品堆積が防止され、滅菌、すなわち微生物学的に完全な最終製品が保証されるという、加圧噴霧ノズルの正面にて濃縮物を噴霧乾燥する処理から成る、手順上の課題が解決されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第3,072,486 A号
【特許文献2】独国実用新案第94 03 913 U1号
【特許文献3】独国特許出願公開第10 2005 059 463 A1号
【特許文献4】独国特許出願公開第10 2014 012 279 A1号
【特許文献5】独国実用新案第94 03 913 U1号
【特許文献6】独国特許出願公開第10 2005 059 463 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的は、先行技術の欠点を克服し、一般的なタイプの噴霧乾燥の設備内で濃縮物を加熱する方法、および本方法を実行する設備を提供することであり、本方法および設備は、乾燥塔の経済的な生産高を増加させるケースにおいて、微生物学的に完璧な最終製品を確保しつつ、濃縮物が変性する傾向および濃縮物が堆積する傾向を低減させる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的は、特許請求項1の特徴を備えた方法により解決する。本方法の有利な設計は従属請求項の主題である。本方法を実行する設備は請求項8の特徴で特定される。本発明による設備の有利な設計は、関連する従属請求項の主題である。噴霧乾燥の設備内で濃縮物の加熱を制御する方法は請求項7の主題である。
【0019】
本発明の方法は、どのような関連する従来技術からも発生せず、無菌の最終製品を生産する無菌的に機能する高圧ピストンポンプを必要とせず、また、以下の連続ステップ(a)〜(d)により特徴付けられる:
(a)流れ温度(T1)で低圧レベル(p1)から、高圧レベル(p2)までの濃縮物(K)の昇圧(P)が生じるステップ。
(b)高圧熱交換器の手段により、高圧レベル(p2)にある濃縮物(K)を上昇した噴霧温度(T3)(75〜80℃の範囲内)へと高圧加熱(H)するステップであって、高圧熱交換器は、二次側にて熱伝達媒体(W)を供給され、複数の内管を設けたシェルアンドチューブ型熱交換器として設計されており、複数の内管は、その内部に濃縮物(K)が平行して流れ、単円部の上に円形リングの形状にて配設され、共に内部チャネルを形成している。
(c)流れ方向において内部チャネルと隣接しており、既定の延伸長さと、既定の長さに依存するその連続したチャネル通路断面とを有する環状空間形状の出口側チャネルから成る手段により、ステップ(b)による処理の過程またはその直後において、濃縮物(K)に既定のせん断負荷(S)を加えるステップ。
(d)その後、ステップ(c)に従って処理された濃縮物(K)をその加圧噴霧(DZ)の場所へ即時移送(U(ウムラウト付きU))させるステップであって、即時移送(U(ウムラウト付きU))のための移送時間(Δt)は、ステップ(c)を実行する手段と加圧噴霧(DZ)の場所との間の可能な最小流体有効距離により決定される。
【0020】
本方法のケースでは、濃縮物を上昇した噴霧温度に加熱するステップは、濃縮物が低圧レベルから高圧レベルへの圧力上昇を最初に通過した後の高圧レベルにおいて、1つのステップにて実施される。
【0021】
本方法では、重要な発明的基本理念は、上昇した噴霧温度への高圧加熱の過程において、または上昇した噴霧温度への高圧加熱の直後に、濃縮物に既定のせん断負荷を加えることにある。既定のせん断負荷は、濃縮物への流れ‐機械的な負荷の追加、つまり濃縮物にせん断力を加えることと理解されたい。これらのせん断力は、濃縮物が流れるべきである環状空間形状をした出口側チャネルの、既定の延伸長さと、既定の長さに依存する連続とによって決定され、これらは、濃縮物(配合組成)の各々の必要条件について、このチャネルの幾何学設計を用いて調整することができる。
【0022】
次に、濃縮物をその加圧噴霧の場所へ即時移送するステップが続く。この即時移送のための移送時間は可能な限り短くなるように設定される。具体的には、可能な限り短くとは、せん断負荷の手段を好ましくは含む高圧加熱の手段が、加圧噴霧の場所、つまり加圧噴霧ノズルまでの可能な最小流体有効距離を受容することを意味する。せん断負荷の手段は、好ましくは、加圧噴霧ノズル内に直接流入することである。これについて、流体有効距離とは、濃縮物により実際に覆われる流路を意味する。
【0023】
本発明による高圧加熱を用いることで、現在までますます不利になり続けている先行技術における熱保持がほぼ制限され、熱処理を再現可能な方式で設定するために、加圧噴霧ノズルの正面に加熱を直接もしくは個別に画定することが可能になる。望ましい熱負荷(濃縮物に依存し、濃縮物につき調整される)は、質量流量および成分を既定の方式で設定できる。さらに、高圧加熱中に温度と停止時間が設定されるという点で、所望の最終製品を考慮して濃縮物の変性を制御することが可能になる。これにより、最終製品の有効な微生物学的向上、あるいは、既定のタンパク質またはデンプンの膨張が達成される。
【0024】
立ち上がり管内の低温と、高圧加熱の過程における高温での短い停止時間とによって、結晶化工程および/または製品固有の性質によって生じる、濃縮物の粘度の増加、いわゆるゲル化効果が既知の方法よりも低くなる。このゲル化効果は、一方で、既定のせん断負荷によって減少する傾向にあり、また、他方で、ゲル化効果は標準化されているため、加圧噴霧ノズルの最初の膠着が堆積の形成によって大幅に遅れることとなる。これにより、クリーニングおよび組立の時間が短縮される。
【0025】
本発明による方策のさらなる利点は、濃縮物をより高い乾燥材料濃度で供給できることである。濃縮物の性質に応じて、55質量パーセントから最大65質量パーセントまでの乾燥材料の増加が可能である。濃縮物の質量パーセントとは、多量の液体に含まれた濃縮物の質量より形成された、パーセントで表す比率を意味する。加圧噴霧設備あるいは個別の乾燥設備の性能は、乾燥材料濃度が高いほど上がることが知られており、この場合、既知の方法に関連して噴霧温度を1℃から最大5℃上げて、同じ粉末品質が得ることができる。
・加圧噴霧ノズルを離れる濃縮物の温度の温度を1℃上げることにより、効率の上昇、つまり乾燥塔の生産高が2.5〜3%上昇する。
・本発明による方法は、このように、乾燥に要する特定のエネルギーを低減し、既存の乾燥機能を拡張できる。
・ここで紹介する本発明による方法を、いわゆる「超高温粉末」を製造する目的で、濃縮物のUHT(超高温殺菌)処理を無菌エリアにまで使用できる可能性がある。
【0026】
高圧加熱の過程またはその直後における濃縮物の既定のせん断負荷は、濃縮物が、既定の延伸長さを持つ既定の通路断面を既定の上昇流速で流れるように実行される。既定のせん断負荷を制御するために、本方法の1つの設計は、高圧加熱中における濃縮物の上昇流速を、高圧加熱から上流に位置する処理エリア内でその流速に対して20〜25%上昇させる。この点において、上昇流速は最大3m/秒であると示唆される。この流速の上昇は高圧レベルで起こるため、高圧加熱工程中に起こる関連した追加の降圧は重要ではない。上昇流速によって濃縮物側での熱伝達がよくなり、その結果、以下の利点が得られる:
・低温熱交換器表面領域との熱交換が可能;
・より高い濃度のタンパク質濃縮物が可能;
・より高い流量、したがってより高い生産高率が可能;
・より優れた熱伝達のために、濃縮物のより高温での加熱と、これによるより高い乾燥性能とが可能;
・濃縮物の既定の体系的に望ましい変性が起こる。
【0027】
本発明による方法は、昇圧により濃縮物を到達させる最大350barの高圧レベルを提供する。さらに、本発明による方法の1つの設計は、上昇した噴霧温度が75〜80℃の範囲内にあることを提供し、ここでは好ましくは80℃に設定される。本方法は、最大65質量パーセント(65m%)の乾燥材料濃度を有する濃縮物をさらに提供する。
【0028】
どのような近い従来技術からも発生しない基本概念の本方法を実行する設備は、本発明による目的の解決のために加圧噴霧ノズルを設けた乾燥塔、供給タンクから成り、供給タンクは低圧ライン(供給ポンプが配設されている)を介して、高圧ピストンポンプの入口に流体アクセス可能な方式にて接続する。高圧熱交換器は、加圧噴霧ノズルに流体アクセス可能な方式にて高圧ピストンポンプの出口側を接続する高圧ラインに配設される。
【0029】
高圧熱交換器は複数の内管を有するシェルアンドチューブ型熱交換器として設計されており、複数の内管は、その内部に濃縮物が平行に流れ、単円部の上に円形リングの形状にて配設され、共に内部チャネルを形成している。内部チャネルは内管どうしを隣接させて、流れ方向における円周方向環状空間の形状にしている。高圧ラインの第1高圧ライン区間は高圧ピストンポンプの出口を高圧熱交換器の入口に接続し、高圧ラインの第2高圧ライン区間は高圧熱交換器の出口を流体アクセス可能な方式にて加圧噴霧ノズルに接続している。
【0030】
第2高圧ライン区間の流体有効長さが構造的に可能な最小サイズに縮小され、すなわち、高圧熱交換器の出口が、濃縮物の流路に対して構造的に可能な限り加圧噴霧ノズルに接近される。
【0031】
高圧熱交換器はその出口側に、搬送された濃縮物の既定のせん断負荷のための手段を有し、ここで、この手段は可動要素無しで、かつ/または、既定の通路断面、既定の流路の長さ、および既定の上昇流速を介した純粋に流体方式による外部エネルギーの供給なしで有効である。
【0032】
濃縮物の既定のせん断負荷の手段は、環状空間の形状をした出口側チャネル内に存在し、この出口側チャネルは一方の側が円周方向環状空間の出口に接続し、もう一方の側が第2高圧ライン区間に接続している。これにより、環状空間型の出口側チャネルは、最も一般的なシナリオにおいて、既定の延伸長さと、既定の延伸長さに依存するその連続したチャネル通路断面とを有する。
【0033】
平行に流れる複数の内管の配設に関する特徴は、内管の本数に関係なく、シェルアンドチューブ型熱交換器の円形断面全体を占有しない配設として理解されたい。むしろ、全ての内管が上記単円部上に配設されることで、内管の区切られた中心部だけでない未占有の内部エリアが残る。この配設により、流れ方向にて円形リングの形状で単円部上に配設された内管によって形成された内部チャネルが、内管どうしを隣接させて円周方向環状空間の形状にすることができる。
【0034】
熱処理された濃縮物の全部分について停止時間が同一である観点から、チャネル通路断面が延伸長さ全体にかけて一定であることが有利であり、また、そのように示唆もされる。この望ましい均一処理は、シェルアンドチューブ型熱交換器全体にかけての上昇流速が、濃縮物の既定のせん断負荷の最後まで可能な限り均一であるという点においてさらに奨励され、ここで、この点において、さらなる実施形態は、チャネル通路断面が、平行に流れる内管の総通路断面に対応していることを提供する。
【0035】
本発明による方法と、本方法を実行する設備は、濃縮物に応じて有利な方式で制御することができる。これについて、本発明は、噴霧乾燥の設備内で濃縮物の加熱を制御する方法を提案する。高圧加熱の制御パラメータは、加熱する濃縮物の性質と物理的エッジ条件(physical edge conditions)とにより決定される。加熱する濃縮物の性質はその流量、粘度、圧力、温度、乾燥材料濃度であり、物理的エッジ条件は加圧噴霧の場所における圧力と温度である。濃縮物にそれぞれ関連する制御パラメータは、高圧レベル、上昇した噴霧温度、高圧加熱中における上昇流速、さらに、せん断負荷の強度である。
【0036】
制御パラメータは、噴霧乾燥の設備の始動前またはその最中に保存もしくは生成されたキャリブレーション関数の手段により設定される。キャリブレーション関数は以下の点で得られる。
・説明したタイプの制御パラメータは、満足できる製品品質が得られるまで、設備の始動および停止(retraction)中に個別の濃縮物(配合組成)を用いることにより得られる。
・これらのパラメータは、「キャリブレーション関数」の形式で、制御部に登録および保存される(制御パラメータ=(濃縮物または個別配合組成)の関数)。
【0037】
同じ濃縮物(配合組成)の以降の処理中に、このキャリブレーション関数の形式におけるこれらの経験値にアクセスし、必要な制御パラメータを適宜設定することができる。
【0038】
以下の説明と添付の図面中の図形から、ならびに特許請求の範囲から、本発明のより詳細な呈示が得られる。本発明は方法の様々な設計にて、また、方法を実行する設備の様々な実施形態にて実現できる一方で、既知の方法、この既知の方法からの開始、本発明の方法の好適な設計を概略的に図面に示す。シェルアンドチューブ型熱交換器として設計された高圧熱交換器を設けた本方法を実行する設備の好適な例示的な実施形態を図面に示し、以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】先行技術による噴霧乾燥の設備において濃縮物を加熱する方法を簡略化した略図の形式にて示しており、(図1a)は噴霧乾燥の設備において濃縮物を加熱する本発明による方法を簡略化した略図の形式にて示す。
図2図1の先行技術による方法を実行するための、先行技術による設備を略図にて示す。
図3図1aに従った本発明による方法を実行する設備を略図にて示す。
図4】シェルアンドチューブ型熱交換器の形態にて設計された高圧熱交換器の出口側領域を子午断面にて示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
詳細な説明
従来技術(図1図2
図1は、従来技術による噴霧乾燥の設備1(乾燥設備)において濃縮物Kを加熱する方法を示し、図2は、従来技術による、既知の方法を実行するための設備1を示す。以下では、本方法および関連の設備1を、これら2つの図面に基づき並行して網羅する。記載の温度、圧力、および乾燥材料濃度は例として選択されたものであり、実用においてはその上下に逸脱してよい。
【0041】
乾燥設備1の乾燥塔2内で、加圧噴霧ノズル2aを介して加圧噴霧DZにより噴霧される濃縮物Kは、供給タンク4内のストックパイルBを通過する(図1、2)。供給タンク4は、低圧ライン12の第1ライン区間12.1(供給ポンプ6が配設されている)を介して、低圧熱交換器8の一次側入口に流体アクセス可能な方式にて接続しており、低圧熱交換器8内では、流れ温度T1=58℃から入口温度T2=65〜68℃(加圧噴霧ノズル2aでもほぼ存在)までの低圧加熱H1が濃縮物Kに対して施される。低圧熱交換器8は、二次側にて熱伝達媒体W(好適には熱湯)の手段により供給される。高圧ピストンポンプ10はその入口側にて、低圧ライン12の第2ライン区間12.2を介し、低圧熱交換器8の一次側出口に接続し、また、その出口側にて、高圧ライン14を介し、加圧噴霧ノズル2aに接続している。
【0042】
高圧ピストンポンプ10内では、濃縮物Kの、入口側に存在する低圧レベルp1から出口側にて生成される高圧レベルp2までの昇圧Pが起こる。高圧レベルP2は最大でp2=最大350barにまで達することができ、また、高圧レベルP2により、加圧噴霧ノズル2aが降圧なく350barで操作される。濃縮物Kは乾燥材料濃度cを有し、これは例えば、52〜57質量パーセント(m%)の乾燥材料TSであってよい。
【0043】
乾燥塔2は、加圧噴霧ノズル2aが配設された頂部にまで最高達する塔高さHを有する。高圧ライン14は、主に、立ち上がり管の形態にてこの塔高さHを越える。例えばH=30mの塔高さのケースでは、高圧ライン14も、立ち上がり管の上流および下流に位置する接続ラインのために、その長さは少なくとも30mになる。高圧ライン14の直径DN50のケースでは、入口温度T2、高圧レベルp2、乾燥材料濃度cで、濃縮物Kの第1停止期間V1について、例えば5,000リットル/時の流量では、平均第1停止時間t1が42秒間となる。記載した従来技術による方法に関連する問題については上で述べている。
【0044】
発明
方法および乾燥設備(図1a、図3図4
図1aは、噴霧乾燥の設備100内で濃縮物Kを加熱する本発明による方法を示し、図3は、本方法を実行するための本発明による設備100を示す。以下では、本方法および関連の設備を、これら2つの図面に基づき並行して網羅する。記載の温度、圧力、および乾燥材料の濃度は例として選択されたものであり、実用においてはその上下に逸脱してよい。
【0045】
図1aは従来技術による方法(図1)と本発明による方法との違いを太線で明白に示し、図3は、乾燥設備100に基づき、これらの違いをどのように実現するかを本デバイスの観点から示す。一致する実例には同じ参照符号を用いている。したがって、繰り返しを避けるために、上述した図1図2についての説明を参照する。
【0046】
高圧ライン14(図3)は、高圧熱交換器18の一次側の上を通り過ぎており、ここで、高圧ライン14の第1高圧ライン区間14.1は高圧ピストンポンプ10の出口を高圧熱交換器18の入口に接続し、高圧ライン14の第2高圧ライン区間14.2は、高圧熱交換器18の出口を加圧噴霧ノズル2aに接続している。高圧熱交換器18は、二次側にて熱伝達媒体W(好適には熱湯)を供給される。図3での実施例として、低圧レベルp1、高圧レベルp2、流れ温度T1、乾燥材料濃度cについて選択された値は、従来技術による方法と、本方法を実行するための設備1とに記載した値と大抵一致する(図1図2を参照)。
【0047】
高圧熱交換器18では、濃縮物Kの高圧レベルp2での上昇した噴霧温度T3への高圧加熱H(75〜80℃の範囲内であってよい)を実施する(図3)。さらに、濃縮物Kの既定のせん断負荷Sが、高圧加熱Hの過程でまたはその直後に、上昇流速vにてもたらされる(図3図1a)。このために、高圧熱交換器18は、搬送された濃縮物Kの既定のせん断負荷のための手段を出口側に設けている。
【0048】
高圧熱交換器18は塔高さHに配設されているため(図3)、流れ温度T1、高圧レベルp2、乾燥材料濃度c、平均第2停止時間t2(第1停止時間t1よりも短く、そうでない場合には、ほぼ同一の処理データは重要性が低くなる)での濃縮物Kの第2停止期間V2は、以降、高圧熱交換器18と高圧ピストンポンプ10の出口との間の立ち上がり管、すなわち第1高圧ライン区間14.1となる。
【0049】
次に、既定のせん断負荷Sにより処理された濃縮物Kの即時移送U(ウムラウト付きU)がその加圧噴霧DZの場所において実行され(図1a)、ここで、即時移送U(ウムラウト付きU)のための移送時間Δtは、既定のせん断負荷Sの手段と加圧噴霧DZの場所との間の可能な最小流体有効距離によって決定される。即時移送U(ウムラウト付きU)は、対応して測定された第2高圧ライン区間14.2にて実施される。この第2高圧ライン区間14.2は構造的に可能な最小サイズに縮小されている(図3)。
【0050】
本発明による方法は、図1図1a、図2図3の比較で示すように、前述の低圧加熱H1による方法の観点(図1a)ひいては前述の低圧熱交換器8によるデバイスの観点(図3)から従来技術での方法と区別される。高圧熱交換器18は、流れ温度T1(たとえば58℃)から上昇した噴霧温度T3(たとえば最大80℃)までの高圧加熱Hを単独で処理しなければならず、これにより、乾燥塔2の生産高の増加が品質の損失なく達成される。
【0051】
従来技術による方法と比較して、本発明による方法の場合、主として立ち上がり管によって形成された第1高圧ライン区間14.1がその全長にわたって流れ温度T1(たとえば58℃)で流れることが重要である。これは、入口温度T2(たとえば従来技術による方法の場合には65〜68℃)に関しては重要ではない。流れ温度T1、高圧レベルp2、乾燥材料濃度c、平均第2停止時間t2での濃縮物Kの第2停止期間V2は、技術的観点からは全く重要ではない。
【0052】
高圧熱交換器18は、濃縮物Kが平行に流れる複数の内管20を設けたシェルアンドチューブ型熱交換器として設計されている(図4)。内管20は円形リングの形状にて単円部26上に配設され、内管20どうしが内部チャネル20を形成しており、内部チャネル20は、内管(20)どうしを隣接させ、流れ方向における円周方向環状空間(22)の形状にしている。搬送された濃縮物Kの既定のせん断負荷の手段はシェルアンドチューブ型熱交換器18の出口側に配設されており、また、一方の側が円周方向環状空間22の出口に、他方の側が第2高圧ライン区間14.2に接続した環状型の出口側チャネル24から成っている。環状空間型の出口側チャネル24は既定の延伸長さLと、既定の長さに依存するその連続したチャネル通路断面Aとを有し、また、内管20と同様に、その内部には濃縮物Kが上昇流速vにて流れる。
【符号の説明】
【0053】
1 乾燥設備(噴霧乾燥の設備)
2 乾燥塔
2a 加圧噴霧ノズル
4 供給タンク
6 供給ポンプ
8 低圧熱交換器
10 高圧ピストンポンプ(ホモジナイザー)
12 低圧ライン
12.1 第1ライン区間
12.2 第2ライン区間
14 高圧ライン
H 塔高さ
c 乾燥材料濃度(質量パーセント(m%)の乾燥材料(TS))
t1 第1停止時間
T1 流れ温度(約58℃)
T2 入口温度(約65〜68℃)
p1 低圧レベル
p2 高圧レベル(<350bar)
K 濃縮物(製品)
TS 乾燥材料
W 熱伝達媒体
B ストックパイル
DZ 加圧噴霧
H1 低圧加熱
P 昇圧
V1 第1停止期間
100 乾燥設備(噴霧乾燥の設備)
14.1 第1高圧ライン区間
14.2 第2高圧ライン区間
18 高圧熱交換器(シェルアンドチューブ型熱交換器)
20 内管
20 内部チャネル
22 円周方向環状空間
24 環状型の出口側チャネル
26 単円部
チャネル通路断面
L 延伸長さ
t2 第2停止時間
Δt 移送時間
v 上昇流速(Hにおいて)
T3 上昇した噴霧温度(75〜80℃)
H 高圧加熱
S せん断負荷
U(ウムラウト付きU) 即時移送
V2 第2停止期間
図1
図2
図3
図4