(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記建設機械(100)の少なくとも一部についてのリアルタイムの画像を記録し、該記録されたリアルタイムの画像を前記表示装置(300)に送信する、カメラ(131)をさらに備える、請求項1に記載の建設機械。
路面仕上げ機である建設機械(100)であって、前記作業機器は、前記路面仕上げ機の駆動装置(156)、道路建設に用いる材料を収容する材料ホッパー(101)、該材料ホッパーから拡散オーガ(155)に前記材料を搬送するスクレーパコンベヤ(151)、舗装スクリード(102)、該舗装スクリード(102)に対するヒーター(152)、又は前記舗装スクリード(102)の取付け点(157)を設定する高さ調整シリンダ(154)のうちの少なくとも1つであり、前記作業機器の動作パラメータを測定するのに少なくとも1つのセンサ(111、121、122、123)が設けられた、請求項1〜5の何れか1項に記載の建設機械。
前記建設機械(100)の少なくとも一部についてのリアルタイムの画像は、カメラ(131)によって記録されて前記表示装置(300)に送信され、該表示装置(300)は、対話型のタッチディスプレイであり、及び/又は、前記建設機械(100)の少なくとも一部のうち、少なくとも部分的に動画化された画像を表示する、請求項7又は8に記載の方法。
前記建設機械(100)は、路面仕上げ機であり、作業機器は、前記路面仕上げ機の駆動装置(156)、道路建設に用いる材料を収容する材料ホッパー(101)、該材料ホッパーから拡散オーガ(155)に前記材料を搬送するスクレーパコンベヤ(151)、舗装スクリード(102)、該舗装スクリード(102)に対するヒーター(152)、又は前記舗装スクリード(102)の取付け点(157)を調整する高さ調整シリンダ(154)のうちの少なくとも1つであり、少なくとも1つのセンサ(111、121、122、123)は、前記作業機器の動作パラメータを測定する、請求項7〜11の何れか1項に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
道路の敷設又は仕上げ用の建設機械は、現行の技術水準から十分に既知である。これらの建設機械は、例えば、アスファルト等の材料を道路上に広げ、圧縮することのできる路面仕上げ機とすることができる。移動方向において路面仕上げ機の後方に続くことが通常であるコンパクタも、そのような建設機械である。このような建設機械には、路面仕上げ機にアスファルト合材又は道路建設用の他の材料を供給することができるフィーダ車両も挙げられる。これらの車両の組合せも、建設機械として理解することができる。
【0003】
これらの建設機械を操作するとき、周囲環境に関しても、建設機械の動作に関しても大量の情報が生み出される。
【0004】
一例として路面仕上げ機を使用すると、例えば道路の縁に対する路面仕上げ機の位置についての情報が生じる。加えて、周囲の気温又は湿度に関する情報も関与することになり得る。路面仕上げ機の前方及び後方の路面の温度は非常に重要である。また、このような情報は、路面仕上げ機の材料ホッパー内の温度又は材料ホッパー内の舗装材料(アスファルト合材等)の温度にも関連がある。
【0005】
建設機械の条件に影響する動作パラメータも関与し得る。例えば路面仕上げ機を操作するとき、舗装スクリードの侵入角度又は高さ、さらに高さ調整シリンダ(leveling cylinder)の設定を知ることが重要である。材料ホッパーから拡散オーガへと材料を供給するスクレーパコンベヤの搬送速度も関与し得る。他のサイズも、路面仕上げ機のオペレータにとっての関心事であり得る。
【0006】
この大量のデータは、建設機械の動作中に既に発生しており、解析のために頻繁に記憶され、後の時点で必要に応じて評価される。例えば、舗装スクリードの加熱システムに対して、現在の動作ステータス(加熱がオンにされているかオフにされているか)を出力することができる監視装置を設けることも知られている。
【0007】
周囲環境からの、また建設機械の異なる機器からの大量の受信データは、通常、オペレータにはアクセスができず、アクセスできたとしても、処理することが困難である。特に、建設機械の運転者が、建設機械の実際の操作で、受信され得る大量の情報又はデータによって、建設機械を運転することから気をそらされるかもしれないリスクがある。これは、事故のリスクを増大させるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、既知の現行の技術水準に基づくと、解決すべき課題は、運転者又は他のオペレータが建設機械の種々の動作パラメータについての情報を可能な限り最も単純かつ理解しやすい方法で得ることができ、これにより、道路工事が正しく行われることを確実にすると共に、事故のリスクを最小限にする、建設機械及び該建設機械の動作パラメータを表示する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、本発明によると、請求項1に記載のような、道路の敷設若しくは仕上げ用の建設機械によって、又は請求項
7に記載のような、建設機械の動作パラメータを表示する方法によって解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に含まれる。
【0010】
路面仕上げ機等の道路の敷設又は仕上げ用の本発明に係る建設機械は、少なくとも1つの作業機器と、表示装置と、複数のセンサとを備え、各センサは、建設機械の動作パラメータの値を測定するように構成され、
各センサは、測定値に対応するデータを表示装置に出力するように構成され、表示装置は、建設機械の少なくとも一部についての画像を、動作パラメータの測定値と共に出力するように構成されている。
表示装置は、仮想現実メガネを含み、その表示が建設機械のオペレータの視野によって変わり、作業機器がオペレータの視野内にある場合、作業機器の少なくとも1つの動作パラメータを表示するように構成され、及び/又は、作業機器の動作パラメータは、作業機器がオペレータの視野内にない場合、リスト領域(390)内に表示される。
【0011】
建設機械の作業機器とは、道路の建設及び/又は仕上げに用いる装置を意味する。これには、例えば、路面仕上げ機のスクリードも、道路建設用の材料が貯蔵される材料ホッパーも含まれる。建設機械の駆動装置等の他の機器もこれに含まれる。
【0012】
複数のセンサは、少なくとも2つのセンサからなり、その場合、これらのセンサは、異なる2つの動作パラメータを測定することが好ましい。動作パラメータは、建設機械若しくは作業機器の動作、又は建設機械の動き、又は周囲環境の特徴を特徴付ける値又は情報として定義される。これらには、例えば、仕上げ用機械の速度及び位置も、道路への舗装材料の出力率、又は材料ホッパー内に貯蔵された舗装材料の量若しくは温度も含まれる。舗装スクリードの温度(加熱)、又は舗装スクリードの傾斜角度、スクレーパコンベヤの搬送速度等の他の動作パラメータも含まれる。同様に、例えば、路面仕上げ機の後方で駆動するコンパクタ、又は路面仕上げ機の材料ホッパーに供給を行うフィーダ車両(フィーダとしても知られる)についての他の動作パラメータを提供することもできる。
【0013】
建設機械は、路面仕上げ機又はフィーダ車両等の単一の車両である必要はなく、例えば、路面仕上げ機と、路面仕上げ機の後方で駆動するコンパクタと、路面仕上げ機の前方で駆動するフィーダとを含む車両群とすることもできる。路面仕上げ機、及び/又はローラー/コンパクタ、及び/又はフィーダ車両に加えて、他の車両も考慮することができる。トラックも、車両群の一部又は個別の「建設機械」とみなすことができる。本発明は、この観点に限定されない。トラックは、この場合、フィーダ車両の機能を有することができる。建設機械の代わりに、本発明は、トラックによって、又は一般的にフィーダ/フィーダ車両若しくは運搬車両(トラックも含む)によって実現することもできる。
【0014】
表示装置は、建設機械に配置されることが有利であるが、建設機械に恒久的に接続される必要はない。
【0015】
表示装置上の動作パラメータの測定値を伴う建設機械の一部の表示は、ここでは、少なくとも2つの測定された動作パラメータ又はそれらの測定値が建設機械の一部と共に表示されるようになっていることを理解されたい。これは、例えば、路面仕上げ機の舗装スクリード、及び舗装スクリードの圧縮圧力又は舗装スクリードの傾斜角度若しくは高さが、舗装スクリードと共に表示装置上に表示されることを意味する。
【0016】
このことは、オペレータが、運転者又は他のオペレータによる建設機械の動作に関連する広範な情報を容易かつ集中的に得ることを可能にする。これにより、オペレータが監視すべき計器の数が低減し、したがって、機械の操作を円滑に行いながら交通の安全性が増す。
【0017】
1つの実施形態において、建設機械は、該建設機械の少なくとも一部についてのリアルタイムの画像を記録し、記録されたリアルタイムの画像を表示装置に送信するためのカメラを備えるように意図される。したがって、この実施形態では、建設機械の少なくとも一部のカメラによって永続的に撮影される画像が表示装置上に表示される。当然ながら、本発明によれば、この表示は、動作パラメータを伴って行われる。したがって、オペレータは、受信した動作パラメータの測定値に基づいた建設機械の状況についての情報を得ることができるだけでなく、オペレータがリアルタイムの表示に基づいて認識することができるが、センサだけでは検出が困難であり得る情報の提供も同時に受けることができる。このことは、建設機械の操作をさらに円滑にする。
【0018】
建設機械の動作パラメータは、建設機械の動き、作業機器の機能、作業機器の動作モード、及び/又は建設機械の周囲環境における位置のうちの少なくとも1つを示すようにして提供されてもよい。作業機器の機能は、加熱システム若しくは舗装スクリードの現在温度、又はコンベヤベルトが材料ホッパーに舗装材料を供給する速度、又はスクレーパコンベヤが材料ホッパーから材料を取り出す速度等のような動作時における作業機器の特徴を示す値を意味するものと理解される。作業機器の動作モードは、作業機器に関連する特性でもあるが、通常は作業機器の動作中の静的又は準静的な特性であることが好ましい。例えば、部分的に調整可能である舗装スクリードの仕上げ幅が、作業機器の動作モードを特徴付ける動作パラメータである。動作モードは、作業機器がオンにされているか否かを示すこともできる。例えば、スクリードの加熱に関連する動作パラメータは、加熱装置が作動しているか(オン)又は作動していないか(オフ)を示すように、「オン」又は「オフ」に設定されてもよい。
【0019】
建設機械の動作パラメータの測定値は、表示装置によって、建設機械の少なくとも一部についての画像に重ねることができるように提供され得る。このことは、建設機械の少なくとも一部が表示されている場合、対応する動作パラメータがこの表示の上に重ねられる。これにより、建設機械の少なくとも一部と動作パラメータとを組み合わせた表示が行われることを意味する。この表示形式は、「複合現実」又は「拡張現実」として記載することもできる。このようにして、オペレータは、表示された測定値を、例えば、建設機械の作業機器に容易に割り当てることができる。
【0020】
表示装置は、
建設機械の動作パラメータの測定値に加えて、動作パラメータのうちの少なくとも1つに対して少なくとも1つの目標値を出力するように設計されることにより、提供されてもよい。特に、この目標値は、材料ホッパーに貯蔵された舗装材料の温度等の変動する動作パラメータに影響を及ぼすことがあり得る。ここでは、表示装置によって、実際の温度(現在の測定値)と共に目標温度を出力することができ、これにより、建設機械のオペレータ又は運転者が必要に応じて温度を再調整することができる。これにより、建設機械の動作はさらに簡略化される。
【0021】
加えて、建設機械は、路面仕上げ機であり、作業機器は、路面仕上げ機の駆動装置、道路建設に用いる材料を収容する材料ホッパー、材料ホッパーから拡散オーガに材料を搬送するスクレーパコンベヤ、舗装スクリード、舗装スクリードに対する加熱システム、又は舗装スクリードの取付け点を調整する高さ調整シリンダのうちの少なくとも1つであり、作業機器の動作パラメータを測定するのに少なくとも1つのセンサが設けられることにより提供されてもよい。本発明によれば、動作パラメータを建設機械の一部と共に表示することによって、通常使用される作業機器の動作パラメータの、簡略化された容易に理解できる表示を達成することができる。
【0022】
1つの実施形態において、表示装置は、タッチディスプレイ又は仮想現実(VR:virtual reality)メガネである。タッチディスプレイは、建設機械のオペレータ又は運転者が、情報を受け取るだけでなく、表示装置とやり取りして建設機械を制御又は統制することもできるように、更なるやり取りの可能性をもたらすことができる。仮想現実メガネは、オペレータに測定値が示されている間、オペレータが機械の駆動に集中したままでいることができ、例えば、道路から目を離して別個のディスプレイを見る必要がないという利点をもたらす。双方の実施形態は、建設機械の操作を容易にすると共に、操作上の安全性を増す。仮想現実メガネは、ヘッドマウントディスプレイ及びデータグラスの形態での実施を含み、この形態は、適性に応じて選択することができる。
【0023】
この実施形態の更なる展開において、表示装置は、仮想現実メガネであるか、又は仮想現実メガネを含み、作業機器が建設機械のオペレータの視野内にある場合、作業機器の少なくとも1つの動作パラメータを表示するように設計される。例えば、路面仕上げ機の傍らを歩いている路面仕上げ機のオペレータが、路面仕上げ機の舗装スクリードを見た場合、オペレータは、加熱装置の設定又は舗装スクリードの取付け点も決定する高さ調整シリンダの設定についての情報を見ることができる。一方、オペレータが材料ホッパーを見た場合、オペレータは、舗装材料の温度及びスクレーパコンベヤの搬送速度についての情報を見ることができる。この実施形態は、オペレータが見ている作業機器に関する情報又は動作パラメータをオペレータに与え、その時点でのオペレータに関連しないと思われる情報は隠すことができるようになっている。
【0024】
路面仕上げ機等の道路の敷設又は仕上げ用の建設機械の動作パラメータを表示する本発明に係る方法は、複数のセンサからの動作パラメータの値を測定することと、この値を表示装置に出力することとを含み、表示装置は、建設機械の少なくとも一部についての画像を動作パラメータの測定値と共に出力する。
表示装置は、仮想現実メガネを含み、その表示がオペレータの視野によって変わり、作業機器の動作パラメータは、該作業機器がオペレータの視野内にある場合、該作業機器に関連して表示され、及び/又は、作業機器の動作パラメータは、作業機器がオペレータの視野内にない場合、リスト領域内に表示される。これにより、建設機械の操作及び該建設機械の動作の監視を簡潔な方法で行うことができる。一方で、それに加えて、道路交通の安全性又は建設機械の運転時の安全性を増すことができると共に、信頼性をもって建設工事を実施することができる。
【0025】
建設機械の測定された動作パラメータは、表示上に重ねられることにより提供されてもよい。このようにして、オペレータは、例えば、作業機器と動作パラメータの測定値とを容易に関連付けることができる。
【0026】
一実施形態において、表示装置は、仮想現実メガネを含み、上記画像は、オペレータの視野に応じて表示され、作業機器の動作パラメータは、作業機器がオペレータの視野内にある場合、作業機器に関連して表示され、又は、作業機器の動作パラメータは、作業機器がオペレータの視野内にない場合、リスト領域に表示される。上述したように、例えば、オペレータが舗装スクリードを見ているときに、舗装スクリードの動作パラメータ(複数の場合もある)がオペレータに向けて表示されるようにしてもよい。しかし、他の情報又は測定された動作パラメータをオペレータに向けて表示するために、仮想現実メガネの形態のディスプレイの或る領域は、オペレータが見ている作業機器の動作パラメータとは関係のない他の動作パラメータを示すリスト若しくは表又は同様の表示を含むことができる。したがって、オペレータには、必要性の高い情報が与えられながら、何れの情報も失うことがなく、それでもなお、建設機械の操作又は建設機械の運転に集中することが可能である。
【0027】
代替の一実施形態において、建設機械の少なくとも一部についてのリアルタイムの表示は、カメラによって記録されて、表示装置に送信される。表示装置は、対話型のタッチディスプレイであり、及び/又は、建設機械の少なくとも一部のうち、少なくとも部分的に動画化された画像であるようにして提供される。ディスプレイ上の建設機械の一部の状況のリアルタイムの画像により、オペレータは、センサによって測定された動作パラメータに加えて、センサによって測定されない建設機械の他の状況を見ることが可能になる。これは、包括的であるが同時に単純でもある建設機械の監視を可能にする。
【0028】
一方で、表示装置上の建設機械の少なくとも一部の動画表示は、例えば、表示の一部分を拡大するか又はこれらの部分とやり取りして更なる制御オプションを表示することによって、向上したインタラクションオプションを提供することができる。
【0029】
建設機械の測定された動作パラメータに加えて、動作パラメータの目標値が表示されるようにしてもよい。これは、オペレータに、実際の状態の単純な概要及び建設機械の目標の状態からの存在し得る偏差を通知する。
【0030】
さらに、表示装置は、オペレータが、ディスプレイ及び/又は
建設機械の測定された動作パラメータとやり取りして建設機械を制御するのに用いるための制御要素を備えてもよい。例えば、制御要素は、タッチディスプレイのタッチ感応式のタッチスクリーンとすることができる。一方、キーボード及びマウス、又はジョイスティック、又は他の要素を考慮することもでき、これらの操作要素は、オペレータが建設機械の動作パラメータに集中的に作用することができるインタラクションオプションを提供する。
【0031】
加えて、建設機械は、路面仕上げ機であり、作業機器は、路面仕上げ機の駆動装置、道路建設に用いる材料を収容する材料ホッパー、材料ホッパーから拡散オーガに材料を搬送するスクレーパコンベヤ、舗装スクリード、舗装スクリードに対するヒーター、又は舗装スクリードの取付け点を調整する高さ調整シリンダのうちの少なくとも1つであり、少なくとも1つのセンサは、作業機器の動作パラメータを測定することにより提供される。したがって、本発明に係る方法は、路面仕上げ機によって用いられる通常の作業機器に対して実施されることが有利である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係る、敷設又は仕上げが行われる道路140上にある建設機械100を示している。
図1に示されている実施形態において、建設機械は、図示の形態では路面仕上げ機であるただ一つの車両を有する。路面仕上げ機は、路面を地面に施工するために用いられる。例えば、路面仕上げ機は、アスファルト合材若しくはコンクリート合材又は他の好適な材料を消費することができる。
【0034】
建設機械100のタイプのような路面仕上げ機は、通常の方法で設計することができ、適切な駆動装置/モータ156(ディーゼルエンジン、電気モータ等)を備える車輪付き路面仕上げ機又は装軌式路面仕上げ機とすることができる。これらの車両は、通常、運転室103と、材料ホッパー101と、舗装スクリード102とを備える。道路の舗装又は仕上げに用いる材料は、材料ホッパーに貯蔵され、ここでは破線でのみ示されているスクレーパコンベヤ151を介して、又は材料ホッパーの底部にある他の好適な機器を介して舗装スクリード102に供給される。ほとんどの場合、材料が道路上に可能な限り均一に広がることを確実にするために、拡散オーガ155が、舗装スクリード102の少なくとも或る特定の幅にわたって材料を分配する。舗装スクリードは、材料を加熱する加熱装置又はヒーター152を含むことが知られており、また、高さ調整シリンダ154及び高さ調整シリンダ154へのそれぞれの接続部153によって、路面に対する或る特定の位置に保持される。高さ調整シリンダ154又はその設定は、舗装スクリードの取付け点157も規定する。舗装スクリード102は、通常、舗装される道路上の材料を圧縮する圧縮装置を備える。また、スクリードリリーフ(screed relief)を設けることができる。
【0035】
材料ホッパー101及び舗装スクリード102は、一般的に、建設機械が道路の建設又は処理を補助するのに用いる「作業機器」101、102と称される装置の例である。
【0036】
路面仕上げ機100に加えて、道路敷設に用いられる他の車両も建設機械とみなすことができる。例えば、ローラー/コンパクタ、及び/又は、フィーダも建設機械として用いることができる。加えて、個別の又は車両群の形態で互いに任意に組み合わせたトラック等の他の車両をフィーダとみなすことができる。
【0037】
そのような建設機械の動作中、通常、建設機械の運転者又は建設機械と並走するオペレータにとって多くの情報が存在する。このような情報には、建設機械の速度又は舗装スクリード(スクリードの加熱装置152)の温度又は舗装スクリードの向き等の建設機械自体に関する情報、並びに、材料ホッパー及び材料ホッパーに収容された材料に関する動作パラメータが含まれる。加えて、運転者又はオペレータは、進行方向において路面仕上げ機の前方にある路面、又は路面仕上げ機100によって既に敷かれた路面に関する情報に関心を持つ場合がある。これには、例えば、路面仕上げ機の前方の地面(いわゆる「平面」)の温度、及び路面仕上げ機の後方の舗装路の温度が含まれる。
【0038】
この情報又は全体の動作パラメータを測定するために、本発明は、動作パラメータを測定する複数のセンサ(少なくとも2つ)を備える建設機械を提供する。例えば、材料ホッパー101内又は材料ホッパー101上に配置され、材料ホッパー内に収容された材料に関連する少なくとも1つの温度を測定するセンサ111が設けられてもよい。例えば、センサ111は、表面付近のアスファルト合材の温度若しくはアスファルト合材の中心部温度、又は、上述のスクレーパコンベヤ151の領域における材料の、スクレーパコンベヤから舗装スクリードに供給される直前の温度を測定することができる。
【0039】
1つ以上のセンサは、舗装スクリードの動作パラメータを測定するために装備されてもよい。例えば、舗装スクリードの幅が可変であるように意図されている場合に、舗装スクリードの幅を測定又は記録するように、1つ以上のセンサ121が装備されてもよい。センサは、水平面に対する舗装スクリード102の傾斜角度を測定するのに使用されてもよい。加えて、これらのセンサ又は別のセンサ122は、圧縮装置の接触圧力を求めるために使用されてもよい。また、センサ123は、例えば、拡散オーガの動作パラメータ(回転速度等)、又は、舗装スクリードに割り当てられた加熱システム152若しくは舗装スクリード102自体の構成要素の温度を測定するために使用されてもよい。加えて又は代替として、センサは、例えば、舗装スクリードの端部と道路の縁との間の距離を測定するのに使用されてもよい。路面仕上げ機の現在位置又は建設機械100の全体位置を測定するセンサ(例えば、GPSセンサ)等の他のセンサが使用されてもよい。
【0040】
他の機械とのやり取りに関する情報又は動作パラメータを測定するセンサが設けられてもよい。例えば、
図2に表されているような、フィーダまでの距離を求めるレーダセンサが設けられてもよい。
【0041】
ここでは、既に使用されているセンサも用いることができる。例えば、既に使用されている、敷かれた路面の温度を測定する赤外線カメラを用いることができる。
【0042】
建設機械の動作パラメータを測定するこれらのセンサに加えて、建設機械及び/又はその周囲状況の表示、好ましくはビデオ又はライブストリームの形態のリアルタイムの表示を記録する1つ以上のカメラ131(
図1において黒い四角で示されている)が設けられてもよい。ただし、これらのカメラは必須ではない。
【0043】
原則として、既に建設機械100に設けられている全てのセンサが使用されてもよい。加えて、対応する動作パラメータを測定することを可能にするために、関連があるとみなされ得る動作パラメータを記録する更なるセンサが、本発明に係る建設機械100に設けられてもよい。
【0044】
本発明によれば、動作パラメータの測定値に対応するデータは、後述する表示装置に供給され、この表示装置上で、建設機械の少なくとも一部の表示と共に、動作パラメータが表示される。
【0045】
図2は、建設機械200の別の実施形態を示している。この実施形態では、建設機械は、多数の車両から構成されている。
図1に既に表されているような路面仕上げ機100に加えて、道路に敷かれるアスファルト合材又は他の材料を、無端コンベヤベルト230を介して路面仕上げ機100の材料ホッパーに供給することができるフィーダ車両203が設けられている。フィーダ車両203は、単位時間あたりに供給される道路材料の量(例えば、トン毎時単位で測定される)等の動作パラメータを測定する1つの(又は複数の)対応するセンサを備えることもできる。このセンサによって得られた動作パラメータの測定値に対応するデータは、その後、表示装置に転送される。
【0046】
建設機械200の進行方向において路面仕上げ機100の後方に、1つ又は複数のコンパクタ201及び202が続くことができ、このコンパクタ201及び202により、路面仕上げ機100によって敷かれた道路の舗装が実施される。コンパクタ201及び202は、例えば、ローラーとして設計される。ここでも、1つ又は複数のセンサは、路面仕上げ機までの距離、圧縮圧力、速度、又は路床温度等の関連する動作パラメータを測定するために使用されてもよい。また、これらのセンサによって測定される動作パラメータの測定値に対応するデータは、表示装置に供給される。
【0047】
図3aは、本発明に係る表示装置300の第1の実施形態を示している。
図3aに示されている実施形態において、表示装置は、まず一般的にはディスプレイとして設計され、又は基本的には情報を表示する装置として設計される。表示装置300は、タッチスクリーン301又は同様の画像出力面を備えることができる。加えて、キーボード及びマウスの形態の1つ又は複数の操作要素395は、表示装置300に割り当てられてもよい。代替的又は付加的に、タッチディスプレイが用いられる場合、タッチディスプレイ自体は、対話処理用のタッチ感応面として機能することもでき、その場合、図示の操作要素395は、例えば対話型のメニューとして設計される。ただし、これは絶対に必要なものではない。加えて、表示装置300は、データを記憶及び処理する手段(プロセッサ、メモリ等)を有するか、又はそのような手段が表示装置300に割り当てられることが好ましい。センサとのデータ交換の手段もまた、提供されてもよい。例えば運転室又は建設機械において、例えば、クランプの形態で表示装置を取り囲む、表示装置を取り付けるための保持具396が設けられてもよい。この保持具は、建設機械上又は建設機械内に恒久的に取り付けることができ、表示装置300を建設機械に取外し可能に接続することを可能にする。
【0048】
本発明に係る表示装置300において、建設機械の少なくとも一部の表示(
図3aにおける路面仕上げ機321)が、動作パラメータの測定値と共に表示されている。
【0049】
建設機械321の一部の表示は、単なる動画化した(架空の)表示(すなわち、例えば、
図1に示されているカメラ131によって撮影された現実の画像に基づかない)とすることもできる。代替的には、カメラ131によって記録された建設機械100のリアルタイムの表示が表示されるようにしてもよい。
【0050】
本発明によれば、建設機械100のオペレータ又は運転者が、対応する作業機器(例えば、フィーダ車両等の場合、舗装スクリード、加熱システム、コンベヤベルト)に動作パラメータを割り当てることが可能であるように、動作パラメータが表示される。例えば、舗装スクリードの全体の幅に影響を与える動作パラメータ312が、舗装スクリード310と共に示されている。この表示は、図示の実施形態では、建設機械の表示に重ねた枠囲みのボックスに、測定された動作パラメータの値B=4.5mを表示して、関連する作業機器に、例えば矢印、破線、又は他の手段によってつなげることによって行うことができる。高さ調整シリンダを通した舗装スクリードの侵入角度をα=2度で表す動作パラメータ314についても同様である。材料ホッパー324内の舗装材料の温度も、温度T=175℃という対応する表示315によって示すことができ、建設機械のオペレータ又は運転者にこの値が舗装材料の温度を示すことが一目でわかるように、材料ホッパーに関連付けることができる。
【0051】
加えて、路面仕上げ機自体には必ずしも影響を与えない他の動作パラメータが表示されてもよい。例えば、動作パラメータ316をT=3.4℃と表示することによって、進行方向における路面仕上げ機321の前方の路面の温度を表示することができる。路面仕上げ機のすぐ後方に敷かれた路面の温度も、動作パラメータ313において表示することができる。ここでは、一例として、値T=120℃が与えられている。加えて、建設機械の動きの特徴を示す1つ以上の動作パラメータを明示することができる。
図3aに示されている実施形態において、この表示は、速度の場合のv=6m/minという動作パラメータ311を用いて行われている。
【0052】
上記の動作パラメータは、対応する作業機器の隣、又は例えば路面の隣に常に示されているが、動作パラメータを、対応する作業機器の中又は作業機器に直接重ねて示すこともできることが理解され得る。例えば、動作パラメータ312及び314は、舗装スクリード310の領域に表示されてもよい。これは、この表示により、オペレータが動作パラメータの測定値を、自身が記載する構成要素(例えば、作業機器又は道路等)に割り当てることを可能にするが、オペレータが動作パラメータの測定値を難なく読むことができるように、目的に応じて選ぶことができる。原則として、表示の動作パラメータは、まず複合現実又は拡張現実の形態で建設機械の一部に重ねられる。
【0053】
図3aに示されている実施形態では、センサによって測定される動作パラメータの値のみが示されている。しかし、「実測値」と一般に呼ばれるこれらの値に加えて、動作パラメータの少なくとも1つ又はいくつかに対する目標値を表示することも有利であり得る。この表示は、例えば、枠囲みのボックス内の実測値だけでなく、目標値も、また必要に応じて、実測値と目標値との差をも表示することによって行うことができ、それに応じて、オペレータが作業モード又は建設機械若しくは作業機器の動作モードを適用することができるようになっている。例えば、道路の敷設時に、敷かれる材料が135℃の温度を有するように提供されてもよい。この場合、これが、関連する動作パラメータの「目標値」となる。この目標値は、フィールド313において現在の測定温度と共に表示される。目標値対実測値又は実測値対目標値の差も、また、フィールド313に表示されてもよい。
【0054】
上述した実施形態では、例えば、建設機械の動き又は作業機器若しくは建設機械の動作パラメータを決定付ける数値のみが出力されるが、他の実施形態も想定可能である。したがって、数値的に規定することができない動作パラメータ又は通常は数値的に規定されない動作パラメータを表示することも可能である。これには、例えば、舗装スクリードの加熱装置又はスクレーパコンベヤが当てはまる。ここでは、スクレーパコンベヤの搬送速度の代わりに又はそれに加えて、例えば、スクレーパコンベヤがオンにされているかオフにされているかが明示されてもよい。舗装スクリードに割り当てられる加熱装置又は拡散オーガについても同様である。加えて、例えば、表示全体又は表示の少なくとも一部の上に重なるエラーメッセージ又は警告も、表示装置上に出力されてもよい。
【0055】
原則として建設機械の少なくとも一部が表示装置300上に示されているが、
図3aに示すように、道路との関連で建設機械全体が示されてもよい。
【0056】
図3bは、表示装置上の表示の更なる一実施形態を示している。
図3bに示されている実施形態において、建設機械(ここでも路面仕上げ機)の一部のみが示されている。例えば、材料ホッパーの表示は、ここでは本質的に省かれている。しかし、
図3bに示されている実施形態では、舗装スクリード及び舗装スクリードに関するより詳細な動作パラメータを示している。
【0057】
したがって、
図3aに既に示されている動作パラメータ314及び313に加えて、更なる動作パラメータが示されている。動作パラメータ331は、例えば、T=130℃である舗装材料の温度を、舗装スクリードの領域に直接示している。動作パラメータ332は、拡散オーガが達成する処理量又は敷設率をR=20.5t/hで示している。動作パラメータ334は、舗装スクリードの全体の幅及び/又は伸長可能な部材の幅を表す。従来の路面仕上げ機では、最大16メートルの舗装幅を達成することができる。この場合、舗装スクリードの端部は、部分的に液体又は少なくとも粘性の舗装材料におけるこれらの縁部の浮力を補償するために、舗装スクリードの中央に対して或る特定の「たわみ(sagging)」を有する場合が特に有利である。このたわみは、数センチメートルとすることができ、また、動作パラメータ333、この場合ではD=1cmとして参照することができる。さらに、動作パラメータ335は、水平に対する路面又は建設機械321の傾斜角度(ここでは、β=0.4度)を表示するのに用いることができ、一方、
図3aから既知の動作パラメータ314 α=2度は、単数又は複数の高さ調整シリンダの設定を示すのに用いることができる。
【0058】
図3bに従った動作パラメータの規定は、単に例示的なものであり、決定的なものでも強制的なものでもないことを理解されたい。例えば、動作パラメータ332の代わりに別の動作パラメータを規定することができる。当然ながら、このことは、他の図示の動作パラメータにも当てはまる。
【0059】
表示装置についてオペレータは、例えば、
図3aに表示された画像とやり取りすることによって、
図3aにおけるより全般的な画像から
図3bに移動させることができる。このために、
図3aを参照して既に記載された操作要素を用いることができる。例えば、表示装置300がタッチ感応式のタッチディスプレイ301(
図3aを参照)を備える場合、舗装スクリード310の領域の表示に触れることにより、オペレータは、
図3aにおける画像から、作業機器(この例では、舗装スクリード)の拡大詳細図を示す
図3bにおける画像に移動させる。
図3aにおける画像は、建設機械の動画表示を示す場合が有利である。
図3aの図がカメラ131(
図1を参照)による建設機械のリアルタイムの画像を示す場合であっても、表示装置との好適なやり取りによって
図3bに従った画像に至ることができる。このやり取りは、例えば、
図3bに従ったより詳細な画像をメニューアイテムの選択によって、又は入力デバイスを用いた対応する入力によって呼び出すことで行われる。
【0060】
より簡略な建設機械の全体図と、更なる動作パラメータを伴う建設機械の一部のみ(場合によっては更なる動作パラメータを伴う)の画像とを切り替えることができることにより、オペレータは、あらゆる状況において、一目で及び表示装置との最小限のやり取りで、自身に関連する動作パラメータを得ることができる。これにより、オペレータにとっての動作がより容易になり、特に、運転者が表示装置を使用する際に、表示装置とのやり取りによって建設機械を制御する実際のタスクから気をそらされることを最小限にすることができる。これにより、事故のリスクが最小限になる。
【0061】
言うまでもなく、
図3a及び
図3bにおける図は、路面仕上げ機に限定されるものではなく、道路の敷設又は仕上げに用いられる他の建設機械を表示するのにも用いることができる。例えば、
図2に示されているようなフィーダ車両を、路面仕上げ機に加えて又は代替的に、適切な表示装置上に表示することもできる。
【0062】
例えば、
図3a及び
図3bに示されているようなディスプレイの形態の表示装置300を、建設機械100の運転室に固定することができる。ここでは、表示装置300が取り付けられる車両の動作パラメータを表示することができるだけでなく、
図2に示すフィーダ又はブルドーザー等の他の車両の動作パラメータを表示することもできる。したがって、
図2に示されているように、路面仕上げ機100の運転者には、路面仕上げ機自体についての全ての必要な情報だけでなく、路面仕上げ機とやり取りする他の車両についての情報も、路面仕上げ機の動作を最適化するために提供することができる。
【0063】
代替的又は付加的に、表示装置は、タブレットコンピュータ等の可搬型のディスプレイの形態で、建設機械の外部に設けられてもよい。表示装置は、建設機械と並走するオペレータが動作パラメータを監視することができるように、建設機械の外部ケーシングに恒久的に取り付けることもできる。
【0064】
表示装置は、タブレットコンピュータ等の形態のモバイル表示装置として設計されるが、建設機械の対応する置き場所又はホルダに取り付けることができるように提供されてもよい。また、この実施形態では、表示装置上の表示、特に、建設機械又は建設機械の一部の画像、及び表示された動作パラメータは、表示装置が対応する置き場所内に配置されているか否かによって変化するように提供されてもよいし、表示装置が配置される吊り具又は取付け具に応じて画像が変化するように提供されてもよい。
【0065】
例えば、置き場所は、建設機械100の駆動装置の領域に設けられる。表示装置がこの置き場所内に配置された場合、駆動ユニットの表示及び駆動装置/モータに関する動作パラメータの表示、また、例えば、路面仕上げ機が装軌式路面仕上げ機として設計される場合にはスプロケットの表示がもたらされるように、表示装置上の表示が変化することができる。表示装置が舗装スクリードの領域にある置き場所内に配置された場合、舗装スクリードは、例えば、
図3bに記載されているように表示され、これは関連する動作パラメータにも影響を与えることができる。
【0066】
この実施形態では、オペレータのディスプレイとのやり取りは、作業機器又は機械の一部に関連する情報が、更なるやり取りを必要とせずに常に表示されることから、さらに簡略化することができる。表示装置が何れの置き場所にも配置されていない場合、例えば
図3aに示されているような全体的な表示を行うことができ、これにより、オペレータに、最も関連性の高い動作パラメータのうちのいくつかの概要を与える。
【0067】
表示装置がどのホルダに配置されているのかを認識し、それに応じて表示を変化させるために、各ホルダは、例えば、表示装置及び/又は表示装置に関連付けられるプロセッサユニットによって認識することができる電子的又は機械的な識別手段を有する。そして、プロセッサユニット及び/又は表示装置が、認識されたホルダに応じて表示を変化させるように構成されてもよく、したがって、表示装置の位置に応じて表示を変化させるように構成されてもよい。これは、例えば、RFID識別によって行うことができる。
【0068】
図3cは、仮想現実メガネ350としても知られるデータグラスの形態の表示装置300の更なる一実施形態を示している。この表示装置300は、目の前に位置することのできる不透明スクリーンを備えるヘッドマウントディスプレイとして設計することもでき、代替的には、仮想現実メガネ350は、スマートレンズ又はデータグラスの形態の、内蔵ディスプレイを備える標準的な「グラス」の形態で設計されることにより提供されてもよい。第1の実施形態では、仮想現実メガネの特徴は、
図3a及び
図3bに示されている表示装置の特徴と同等であるが、データグラスの形態の第2の実施形態では、例えば動画表示又はカメラによって撮影された建設機械の画像による人工的な表示は不要であり、建設機械の少なくとも一部の「表示」は、オペレータがデータグラスを通して建設機械を見ることによって与えられる。すなわち、この表示は、オペレータ及びデータグラスの着用者の現在の視野に対応する。
【0069】
したがって、
図3cは、データグラスとしての仮想現実メガネの実施形態を本質的に扱っており、ヘッドマウントディスプレイとしての実施形態は、この実施形態において本質的な特徴は
図3a及び
図3bを参照して既に記載されているため扱っていない。
【0070】
図3cに示されている実施形態では、オペレータは、データグラス350を通して、建設機械360の一部、すなわち、材料ホッパー370の少なくとも一部を見ると共に、進行方向において建設機械の前方の道路380を見る。図示の実施形態では、オペレータには、片方のレンズ、すなわち、データグラス350の左側における領域371が示され、この領域371は、材料ホッパー370を強調し、そこに、材料ホッパーに割り当てられる動作パラメータ372(舗装材料の温度)及び373(1時間あたりのスクレーパコンベヤの処理量R=10t/h)が表示される。これは、既知の画像認識手法によって行うことができ、この手法によって、データグラス又はデータグラスに割り当てられたデータ処理デバイス又はプロセッサが、材料ホッパー370を認識し、センサによって測定された動作パラメータの値をこの材料ホッパーに割り当てる。加えて、オペレータは、データグラス350を通して道路380を見ることができ、そのため、道路380の温度381(ここでは、T=6℃)をデータグラスの左側の領域に表示することもできる。
【0071】
言うまでもなく、ここでは、材料ホッパー又は道路に影響するだけでなく、例えば、舗装スクリード又は他の作業機器の特徴も示す他の動作パラメータも表示することができる。これまでに述べた全ての動作パラメータを考慮に入れることができる。加えて、対応する動作パラメータは、左側のレンズ又はデータグラス350の左側に表示されるだけなく、各々のレンズ又はデータグラス350の右側に表示されてもよい。
【0072】
図3cに示されている実施形態は、データグラス350の着用者の視野又は視線方向に応じた或る特定の動作パラメータを表している。これは、ヘッドマウントディスプレイの形態の仮想現実メガネに同様に提供されてもよい。一方で、このことは同時に、オペレータは通常、建設機械の全ての構成要素又は部分を見ていないために、情報に欠ける場合があることを意味する。したがって、データグラス(又は、ヘッドマウントディスプレイにも適用することができるため、一般的な仮想現実メガネ)のリスト領域390において、現在、オペレータの視野内にない、作業機器又は建設機械100の他の機器/構成要素に対する更なる動作パラメータが、表示されることにより提供されてもよい。例えば、オペレータが、材料ホッパー101の代わりに舗装スクリード102が視野に入るように頭を向けると、ここでは材料ホッパー101の動作パラメータの一例として説明されているのと同様に、舗装スクリード102の動作パラメータが、データグラス350の左側のレンズに表示されてもよい。この場合、材料ホッパーの動作パラメータは、リスト領域390に表示されてもよい。
図3cに示すとおり、データグラスの着用者又はオペレータが材料ホッパーを見ている実施形態において、建設機械の速度、舗装スクリードの舗装幅、又は舗装路の温度等の更なる動作パラメータは、リスト領域390に表示されてもよい。
【0073】
言うまでもなく、仮想現実メガネ350(ヘッドマウントディスプレイとして利用可能であるかデータグラスとして利用可能であるかは問わない)は、既に説明された全ての動作パラメータを表示するのに用いることができる。特に、ヘッドマウントディスプレイを仮想現実メガネとして用いる場合、建設機械のリアルタイムの画像をディスプレイ上に表示することによって、データグラス350の画像と類似した画像を表示することも可能である。この画像は、オペレータの視野又は視線方向に応じて変わり、例えば、
図1を参照して記載されているようなカメラ131によって生成される。不透明スクリーンであるにもかかわらず、オペレータは、建設機械内及びその周囲での現在位置を見て取ることができ、同時に、建設機械を制御するのに必要な動作パラメータの供給を受けることができる。
【0074】
原則として、動作パラメータは、拡張現実の形態の仮想現実メガネを用いて表示され、これにより、動作パラメータは、好ましくは建設機械の視界を著しく遮ることなく周囲環境の実際の表示に重なる。