特許第6808079号(P6808079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6808079-燃料供給装置、および船外機 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6808079
(24)【登録日】2020年12月10日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】燃料供給装置、および船外機
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/10 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
   F02M37/10 D
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-14404(P2020-14404)
(22)【出願日】2020年1月31日
【審査請求日】2020年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】特許業務法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津田 淳志
(72)【発明者】
【氏名】高田 実
(72)【発明者】
【氏名】久保 賢二
(72)【発明者】
【氏名】新井 秀人
(72)【発明者】
【氏名】町田 久
【審査官】 稲村 正義
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/151472(WO,A1)
【文献】 特開2010−174797(JP,A)
【文献】 特開2011−157848(JP,A)
【文献】 特開2011−220191(JP,A)
【文献】 特開2014−187751(JP,A)
【文献】 特開2016−118106(JP,A)
【文献】 特開2017−110503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 37/10
H01R 13/00,24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクの内部に装着され、前記燃料タンクの内部に貯留された燃料を吸引して外部へ吐出する燃料ポンプ部を有する燃料供給装置であって、
外部の電源に接続されるハーネスと、
前記ハーネスに設けられ、弾性部を有する送電側ターミナルを備えた送電側コネクタ部と、
前記燃料ポンプ部に設けられ、前記弾性部の弾性力に基づく接圧が与えられて前記送電側ターミナルに接続される受電側ターミナルを備えた受電側コネクタ部と、
前記送電側ターミナルと前記受電側ターミナルとが接続されているとき、少なくとも前記受電側ターミナルの根元部分と前記送電側ターミナルの前記弾性部の少なくとも一部分とを覆うように配置された絶縁体と、
を備えた、
ことを特徴とする燃料供給装置。
【請求項2】
前記絶縁体は、絶縁性フッ素グリスにより構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
【請求項3】
燃料タンクの内部に装着され、前記燃料タンクの内部に貯留された燃料を吸引して外部ヘ吐出する燃料ポンプ部を有する燃料供給装置を備える船外機であって、
前記燃料供給装置は、
外部の電源に接続されるハーネスと、
前記ハーネスに設けられ、弾性部を有する送電側ターミナルを備えた送電側コネクタ部と、
前記燃料ポンプ部に設けられ、前記弾性部の弾性力に基づく接圧が与えられて前記送電側ターミナルに接続される受電側ターミナルを備えた受電側コネクタ部と、
前記送電側ターミナルと前記受電側ターミナルとが接続されているとき、少なくとも前記受電側ターミナルの根元部分と前記送電側ターミナルの前記弾性部の少なくとも一部分とを覆うように配置された絶縁体と、
を備えた、
ことを特徴とする船外機。
【請求項4】
前記絶縁体は、絶縁性フッ素グリスにより構成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の船外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、燃料供給装置、および船外機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、インタンク式の燃料供給装置は、燃料を貯留する燃料タンク内に配置されて、燃料タンク内の燃料を外部へ供給するように構成されている。このインタンク式の燃料供給装置は、燃料タンク内の燃料に浸漬された状態で駆動されるが、燃料タンクの使用環境によっては、燃料タンク内に水、塵芥などの不純物が多く混入することがある。とくに、船舶に取り付けられる船外機では、海上での給油、粗悪な燃料の使用、および燃料タンクが結露する環境での使用などによって、燃料タンク内に水、塵芥などの不純物が混入する可能性が高くなる。このような場合、燃料タンク内の燃料に浸漬された燃料供給装置の受電側コネクタ部に、水、塵芥などの不純物が残留し、その受電側コネクタ部に設けられている受電側ターミナルが腐食する可能性がある。
【0003】
前述のような不具合を解消すべく、受電側コネクタ部の下部に液体排出口を設けたインタンク式の燃料供給装置が提案されている(例えば、特許第3521449号公報参照)。特許文献1に開示された従来のインタンク式の燃料供給装置によれば、受電側コネクタ部の内部の水、塵芥などの不純物のほとんどは、受電側コネクタ部が燃料から露出した状態にあるとき、受電側コネクタ部の下部に設けられた液体排出口から受電側コネクタ部の外部へ自然に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3521449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、燃料供給装置の受電側コネクタ部は、受電側ターミナルと樹脂とが一体にインサート成形されているが、受電側ターミナルの根元と樹脂との間に比較的小さな隙間が形成されていることがある。特許文献1に開示された従来の燃料供給装置によれば、前述の隙間が液体排出口よりも低い位置に存在することがあり、その隙間に混入した水、塵芥などの不純物は、液体排出口から排出されないため、受電側ターミナルの腐食を十分に防止できない。
【0006】
また、燃料供給装置は、外部電源に接続されるハーネスに設けられた送電側コネクタ部を有しており、送電側コネクタ部に設けられた送電側ターミナルには、ばね部が設けられている。この送電側ターミナルは、受電側ターミナルに対して、バネ部の拡張応力による接触圧力を維持しながら電気的および機械的に接続されるように構成されている。しかしながら、引張応力を発生し続ける送電側ターミナルは、前述の不純物を含んだ燃料から発生する腐食性ガスにより腐食し、受電側ターミナルとの間に接続不良が発生する可能性がある。
【0007】
本願は、前述のような課題を解決するための技術を開示するものであり、受電側ターミナルと送電側ターミナルの腐食を防止することができる燃料供給装置、および船外機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に開示される燃料供給装置は、
燃料タンクの内部に装着され、前記燃料タンクの内部に貯留された燃料を吸引して外部へ吐出する燃料ポンプ部を有する燃料供給装置であって、
外部の電源に接続されるハーネスと、
前記ハーネスに設けられ、弾性部を有する送電側ターミナルを備えた送電側コネクタ部と、
前記燃料ポンプ部に設けられ、前記弾性部の弾性力に基づく接触圧力が与えられて前記送電側ターミナルに接続される受電側ターミナルを備えた受電側コネクタ部と、
前記送電側ターミナルと前記受電側ターミナルとが接続されているとき、少なくとも前記受電側ターミナルの根元部分と前記送電側ターミナルの前記弾性部の少なくとも一部分とを覆うように配置された絶縁体と、
を備えた、
ことを特徴とする。
【0009】
また、本願に開示される船外機は、
燃料タンクの内部に装着され、前記燃料タンクの内部に貯留された燃料を吸引して外部ヘ吐出する燃料ポンプ部を有する燃料供給装置を備える船外機であって、
前記燃料供給装置は、
外部の電源に接続されるハーネスと、
前記ハーネスに設けられ、弾性部を有する送電側ターミナルを備えた送電側コネクタ部と、
前記燃料ポンプ部に設けられ、前記弾性部の弾性力に基づく接圧が与えられて前記送電側ターミナルに接続される受電側ターミナルを備えた受電側コネクタ部と、
前記送電側ターミナルと前記受電側ターミナルとが接続されているとき、少なくとも前記受電側ターミナルの根元部分と前記送電側ターミナルの前記弾性部の少なくとも一部分とを覆うように配置された絶縁体と、
を備えた、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本願に開示される燃料供給装置によれば、受電側ターミナルと送電側ターミナルの腐食を防止することができる燃料供給装置が得られる。
【0011】
また、本願に開示される船外機によれば、燃料供給装置の受電側ターミナルと送電側ターミナルの腐食を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】燃料タンク内に設置された実施の形態1による燃料供給装置を示す概略断面図である。
図2】実施の形態1による燃料供給装置の一部分の概略断面図である。
図3】実施の形態2による船外機を備えた船舶の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、実施の形態1による燃料供給装置について、図に基づいて説明する。図1は、燃料タンク内に設置された実施の形態1による燃料供給装置を示す概略断面図である。図1において、燃料供給装置1は、燃料タンク2の内部に吊り下げられて装着され、燃料タンク2の内部に貯留された燃料3に浸漬された状態で配置される。図1では、燃料タンク2の内部に貯留された燃料3は満タンク状態ではなく、燃料供給装置1はその一部分が燃料3の液面から露出しているが、燃料が満タンク状態のときは、燃料供給装置1は燃料3の中に液没する。
【0014】
燃料供給装置1は、燃料ポンプ部4と、燃料ポンプ部4の軸方向の一端部に設けられた吸入管5と、吸入管5に装着された吸入フィルタ6と、燃料ポンプ部4の軸方向の他端部における壁部43に設けられた吐出管7と、燃料ポンプ部4の壁部43に設けられた受電側コネクタ部8と、ハーネス9と、ハーネス9の一端部に設けられた送電側コネクタ部10とを備えている。なお、図1では、送電側コネクタ部10は、受電側コネクタ部8に挿入されているため図示されていない。ハーネス9は、電源側コネクタ部15により接続された電源ケーブル11を介して、外部電源であるバッテリ12に接続されている。
【0015】
燃料ポンプ部4は、ハウジングの内部にモータ41と、モータ41により駆動されるインペラ42を備え、モータ41によりインペラ42を回転させることで、吸入フィルタ6を介して吸入管5から燃料3を吸引し、吸引した燃料に圧力を加えて吐出管7から吐出するように構成されている。
【0016】
以上のように構成された燃料供給装置1は、電源ケーブル11と、電源側コネクタ部15と、ハーネス9と、送電側コネクタ部10と、受電側コネクタ部8と、を介してバッテリ12から燃料ポンプ部4のモータ41に電力が供給され、モータ41が駆動される。これによりインペラ42が回転し、吸入フィルタ6を介して吸入管5から燃料3を吸引し、この吸引した燃料に圧力を加えて吐出管7から吐出し、燃料パイプ13を介して内燃機関などの外部の装置14に燃料を供給する。
【0017】
つぎに、受電側コネクタ部8と送電側コネクタ部10について、さらに詳細に説明する。図2は、実施の形態1による燃料供給装置の一部分の概略断面図である。図2において、燃料ポンプ部4の軸方向の他端部における壁部43(図1参照)に設けられた受電側コネクタ部8は、側部に開口部801を有しかつ軸方向の端部が開口した円筒状の受入部80を備えている。受入部80は、受電側コネクタ部8の本体部83と一体に形成されている。受入部80の内壁部には、後述する送電側コネクタ部10の外壁部に設けられた係止爪106に係合し得る係合部803が設けられている。
【0018】
受電側コネクタ部8は、燃料ポンプ部4のモータ41に接続された正極側の受電側ターミナル81と負極側の受電側ターミナル82とを備えている。正極側の受電側ターミナル81と、負極側の受電側ターミナル82は、受電側コネクタ部8の本体部83を構成する樹脂にインサート成形により埋設されており、受電側ターミナル81、82のそれぞれの先端部は、受入部80の内側の空間内おいて、本体部83の軸方向端面部から露出して垂直に突出している。ここで、受電側ターミナル81、82における、本体部83の樹脂からの露出を開始する部分を、受電側ターミナルの根元部分と称する。
【0019】
ハーネス9の端部に装着された送電側コネクタ部10は、側部に開口部1001を有する筒状の樹脂製の挿入部100と、正極側の送電側ターミナル101と、負極側の送電側ターミナル102を備えている。正極側の送電側ターミナル101と、負極側の送電側ターミナル102は、挿入部100に設けられた隔壁部105により分離されて挿入部100の内部に配置されている。正極側の送電側ターミナル101は、その一端部がハーネス9の正極側端子91に、たとえばかしめ工法により接合され、負極側の送電側ターミナル102は、その一端部がハーネス9の負極側端子92に、たとえばかしめ工法により接合されている。正極側の送電側ターミナル101の他端部は、U字状に折り曲げて形成された弾性部としてのバネ部1011を有している。負極側の送電側ターミナル102の他端部は、U字状に折り曲げて形成された弾性部としてのバネ部1021を有している。
【0020】
受電側コネクタ部8の正極側の受電側ターミナル81と、負極側の受電側ターミナル82は、前述のように受電側コネクタ部8の本体部83にインサート成形により配置されているが、本体部83を形成する樹脂が収縮することにより、それぞれの受電側ターミナル81、82が露出する根元部分と本体部83との間に、わずかな隙間が生じる。絶縁体300は、正極側の受電側ターミナル81の根元部分と樹脂製の本体部83との間、および負極側の受電側ターミナル82の根元部分と受樹脂製の本体部83との間に形成された隙間を埋めるように、本体部83の軸方向の端面部に配置されている。
【0021】
絶縁体300は、図2に示されるように、受電側コネクタ部8の受入部80の内部において、本体部83の軸方向の端面部から盛り上がるように形成されており、後述するように、送電側コネクタ部10を受電側コネクタ部8に結合させたとき、正極側の送電側ターミナル101のバネ部1011における引張応力が発生する折り曲げ部1011aと、負極側の送電側ターミナル102のバネ部1021における引張応力が発生する折り曲げ部1021aと、が絶縁体300に埋入するように設けられている。絶縁体300は、ゲル状の物質であることが望ましく、たとえば、絶縁性フッ素グリスを絶縁体300に用いれば、密着性が向上する。
【0022】
以上のように構成された実施の形態1による燃料供給装置1において、ハーネス9の送電側コネクタ部10の挿入部100を、受電側コネクタ部8の受入部80の内部に挿入することで、燃料ポンプ部4とハーネス9とが電気的に接続される。このとき、送電側コネクタ部10の挿入部100に設けられた係止爪106は、受電側コネクタ部8の係合部803に係合することで、送電側コネクタ部10の挿入部100が受電側コネクタ部8の受入部80から抜けることが防止される。
【0023】
送電側コネクタ部10の挿入部100が受電側コネクタ部8の受入部80に挿入されたとき、正極側の受電側ターミナル81は、送電側コネクタ部10の挿入部100に設けられた保持壁103と正極側の送電側ターミナル101におけるばね部1011との間に挟まれ、バネ部1011の弾性力による接触圧力が与えられて正極側の送電側ターミナル101に電気的に接続される。同様に、負極側の受電側ターミナル82は、送電側コネクタ部10の挿入部100に設けられた保持壁104と負極側の送電側ターミナル102におけるばね部1021との間に挟まれ、バネ部1021の弾性力による接触圧力が与えられて負極側の送電側ターミナル102に電気的に接続される。
【0024】
送電側コネクタ部10の挿入部100が受電側コネクタ部8の受入部80に挿入されて図2に示す状態にあるとき、送電側コネクタ部10の正極側の送電側ターミナル101のバネ部1011における引張応力が発生する折り曲げ部1011aと、送電側コネクタ部10の負極側の送電側ターミナル102のバネ部1021における引張応力が発生する折り曲げ部1021aと、が絶縁体300に埋入される。
【0025】
燃料供給装置1が燃料タンク2の燃料3に浸漬され、燃料3が受電側コネクタ部8と送電側コネクタ部10の内部に侵入するが、受電側コネクタ部8と送電側コネクタ部10が燃料3から露出すれば、受電側コネクタ部8と送電側コネクタ部10の内部に侵入していた燃料3は、送電側コネクタ部10における挿入部100の開口部1001から外部へ流出し、また受電側コネクタ部8の内部に侵入していた燃料は、受入部80の開口部801から外部に流出する。また、送電側ターミナル101、102と受電側ターミナル81、82とが接続されているとき、受電側ターミナル81、82の根元部分と送電側ターミナルのバネ部1011、1021の少なくとも一部分が絶縁体300により覆われているので、受電側ターミナル81、82が露出する根元部分と本体部83との間にわずかな隙間が生じていても、水、塵芥などの不純物がその隙間内に侵入することを抑制することができる。
【0026】
以上述べた実施の形態1による燃料供給装置1によれば、受電側コネクタ部8の受電側ターミナル81、82の露出部の根元部分を絶縁体300により覆うようにしているので、受電側ターミナル81、82が露出する根元部分と本体部83との間にわずかな隙間が生じていても、その隙間を絶縁体300により覆うことができ、水、塵芥などの不純物がその隙間内に残留する可能性が低く、受電側ターミナル81、82の腐食を抑制することができる。
【0027】
また、実施の形態1による燃料供給装置1によれば、送電側ターミナル101、102と受電側ターミナル81、82とが接続された状態にあるとき、送電側ターミナル101、102のそれぞれのバネ部1011、1021における折り曲げ部1011a、1021aが絶縁体300により覆われるので、折り曲げ部1011a、1021aに腐食ガスが付着する可能性が低くなり、送電側ターミナルにおける応力腐食割れを抑制することができる。
【0028】
実施の形態2.
つぎに、実施の形態2による船外機について説明する。図3は、実施の形態2による船外機を備えた船舶の概略図である。図3において、船外機600は、船舶500の後部に装着されている。船外機600は、内燃機関(図示せず)と、内燃機関により駆動されて推進力を発生するスクリュー(図示せず)と、燃料タンク2と、燃料タンク2の内部に貯留された燃料に浸漬された燃料供給装置1を備えている。燃料供給装置1は、前述の実施の形態1による燃料供給装置1と同一の構成である。
【0029】
以上述べた実施の形態2による船外機600によれば、燃料供給装置1は、受電側コネクタ部8の受電側ターミナル81、82の露出部の根元部分を絶縁体300により覆うようにしているので、受電側ターミナル81、82が露出する根元部分と本体部83との間にわずかな隙間が生じていても、その隙間を絶縁体300により覆うことができ、水、塵芥などの不純物がその隙間内に残留する可能性が低く、受電側ターミナル81、82の腐食を抑制することができる。したがって、燃料供給装置1に不具合が生じることのない船外機600を得ることができる。
【0030】
また、実施の形態2による船外機600によれば、燃料供給装置1は、送電側ターミナル101、102と受電側ターミナル81、82とが接続された状態にあるとき、送電側ターミナル101、102のそれぞれのバネ部1011、1021における折り曲げ部1011a、1021aが絶縁体300により覆われるので、折り曲げ部1011a、1021aに腐食ガスが付着する可能性が低くなり、送電側ターミナルにおける応力腐食割れを抑制することができる。したがって、燃料供給装置1に不具合が生じることのない船外機600を得ることができる。
【0031】
なお、各実施の形態1を組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりことが可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 燃料供給装置、2 燃料タンク、3 燃料、4 燃料ポンプ部、5 吸入管、6 吸入フィルタ、7 吐出管、8 受電側コネクタ部、9 ハーネス、10 送電側コネクタ部、11 電源ケーブル、12 バッテリ、13 燃料パイプ、81、82 受電側ターミナル、101、102 送電側ターミナル、1011、1021 バネ部、300 絶縁体、500 船舶、600 船外機
【要約】
【課題】受電側コネクタ部と送電側コネクタ部とにおけるターミナルの腐食を防止することができる燃料供給装置を提供する。
【解決手段】ハーネス(9)に設けられ、バネ部(1011、1021)を有する送電側ターミナル(101、102)を備えた送電側コネクタ部(10)と、燃料ポンプ部(4)に設けられ、弾性部としてのバネ部(1011、1021)の弾性力に基づく接圧が与えられて送電側ターミナル(101、102)に接続される受電側ターミナル(81、82)を備えた受電側コネクタ部(8)と、送電側ターミナル(101、102)と受電側ターミナル(81、82)とが接続されているとき、少なくとも受電側ターミナル(81、82)の根元部分と送電側ターミナル(101、102)のバネ部(1011、1021)の少なくとも一部分とを覆う絶縁体(300)と、を備えた燃料供給装置。
【選択図】図2
図1
図2
図3