【実施例】
【0026】
以下、実験例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書において、特に記載しない限り、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
【0027】
各成分の定量
各サンプルにおけるファゴミン、カフェイン、カテキン類は、以下の方法にて定量した。
【0028】
(1)ファゴミン
緑茶飲料中のファゴミンの分析は、液体クロマトグラフィータンデム型質量分析法(LC−MS/MS)を用いて行った。必要に応じて、緑茶飲料を減圧濃縮し、分析に供した。
【0029】
LC−MS/MS測定条件
・カラム:TSKgel Amide-80, φ4.6mm×250mm, 粒径5μm
・移動相:水、アセトニトリル及び酢酸の混液
・流量:1.0ml/min
・カラム温度:40℃
・イオン化法:エレクトロスプレー(正イオン検出モード)
・設定質量数(m/z):147.9→85.9
(2)カフェインおよびカテキン類
緑茶飲料をフィルター(0.45μm)でろ過してから、HPLC(高速液体クロマトグラフ)により標準物質(標品)を用いて定量した。カフェインの定量にはカフェイン(富士フイルム和光純薬)、カテキン類の定量には、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレートおよびエピガロカテキンガレート(クリタ高純度試薬)を使用した。
【0030】
HPLC測定条件
・HPLC装置:TOSOH HPLCシステム LC8020 model II
・カラム:TSKgel ODS80T sQA(4.6mm×150mm)
・カラム温度:40℃
・移動相A:水-アセトニトリル-トリフルオロ酢酸(90:10:0.05)
・移動相B:水-アセトニトリル-トリフルオロ酢酸(20:80:0.05)
・検出:UV275nm
・注入量:20μL
・流速:1mL/min.
・グラジエントプログラム:
時間(分) %A %B
0 100 0
5 92 8
11 90 10
21 90 10
22 0 100
29 0 100
30 100 0
実験1:緑茶飲料の製造と評価
玉露茶葉10gを60℃の湯60mLを用いて2.5分間抽出を行い、茶葉を分離して緑茶(玉露)飲料を得た(サンプル1−1)。
【0031】
同様に、火入れ浅めの煎茶を原料として、ベースとなる緑茶飲料を調製した(サンプル1−2)。次いで、ベースとなる緑茶飲料(サンプル1−2)に、ファゴミン(フナコシ社製、純度98%)を添加し、下表に示す量でカフェイン、ファゴミン、カテキン類を含有する容器詰緑茶飲料を得た(pH:約6.0)。
【0032】
また、サンプル1−2に各種カテキン類(フナコシ社製、純度98%)を添加し、カテキン類を高濃度で含む緑茶飲料を製造した(サンプル1−17、1−18)。なお、サンプル1−17、1−18に係る緑茶飲料に添加したカテキン類は、エピカテキンが約20%、エピガロカテキンガレートが約40%、エピカテキンが約10%、カテキンが約20%、エピカテキンガレートが約10%であった。
【0033】
得られた緑茶飲料の苦味について、専門パネル5名にて官能評価をした。飲用後に感じられる後味の苦味について、サンプル1−1を5点、サンプル1−2を1点として、下記の基準に基づいて各専門パネルが評価した結果を再度全員で自由討議し、全員の合意のもとに整数値で評価した。
・5点:良質な苦味を非常に感じる(サンプル1−1と同等)
・4点:良質な苦味をとても感じる
・3点:良質な苦味を感じる
・2点:良質な苦味を僅かに感じる
・1点:良質な苦味を感じない(サンプル1−2と同等)
官能評価結果を表1に示す。緑茶飲料にファゴミンを添加することにより、飲料を口に入れた瞬間に感じられる苦味には変化はないものの、飲用後に感じられる後味に良質な苦味が付与された。なお、ファゴミン含有量が1mg/100mlであるサンプル1−16は、苦味付与の効果はあるが、ファゴミンの雑味が感じられ、緑茶飲料としての嗜好性が損なわれた。また、サンプル1−14、1−15は後味の評価は同じ5点ではあるが、1−15の方にファゴミンの雑味がわずかに感じたパネラーもいた。
【0034】
なお、カテキン類含有量を50mg/100mL、200mg/100mLに調整した緑茶飲料(サンプル1−17、サンプル1−18)については、飲用直後のシャープな渋味が強くはなるが、飲用後に感じられる後味(良質な苦味)については変化が見られなかった。すなわち、ファゴミンを添加せずに、単にカテキン類を高濃度にしただけでは、玉露のような良質な苦味を緑茶飲料に付与することはできなかった。
【0035】
【表1】
【0036】
実験2:緑茶飲料の製造と評価
火入れ強めの煎茶を主体としたベースとなる緑茶飲料(サンプル2−1)にファゴミン(フナコシ社製、純度98%)を添加し、下表に示す量でカフェイン、ファゴミン、カテキンを含有する容器詰緑茶飲料を得た(pH:約6.0)。
【0037】
得られた緑茶飲料の苦味について実験1と同様にして官能評価を行ったが、実験1で使用したサンプル1−1を5点とし、サンプル2−1を1点とした。
官能評価結果を表2に示す。実験1と同様に、緑茶飲料にファゴミンを添加することにより、飲料を口に入れた瞬間に感じられる苦味には変化はないものの、飲用後に感じられる後味に良質な苦味が付与された。また、ファゴミン含有量が1mg/100mlであるサンプル2−9は、苦味付与の効果はあるが、ファゴミンの雑味が感じられ、緑茶飲料としての嗜好性が損なわれた。
【0038】
【表2】
【0039】
実験3:緑茶飲料の製造と評価
ベースとなる緑茶飲料(原料茶葉:煎茶)として、カフェインを除去した市販の緑茶飲料を使用した(サンプル3−1)。本実験では、ベースとなる緑茶飲料にファゴミン(フナコシ社製、純度98%)を添加し、下表に示す量でカフェイン、ファゴミン、カテキンを含有する容器詰緑茶飲料を得た(pH:約6.0)。
【0040】
得られた緑茶飲料の苦味について実験1と同様にして官能評価を行ったが、実験1で使用したサンプル1−1を5点とし、サンプル3−1を1点とした。
官能評価結果を表3に示す。緑茶飲料にファゴミンを添加することにより、飲料を口に入れた瞬間に感じられる苦味には変化はないものの、飲用後に感じられる後味に良質な苦味が付与された。しかし、同量のファゴミンを添加した、実験1のサンプル1−11、実験2のサンプル2−6と比較すると、カフェインが含まれていない為、ファゴミンによる後味の苦味付与効果が弱いことが分かった。
【0041】
【表3】