(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6808088
(24)【登録日】2020年12月10日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】純粋な5−HT6受容体アンタゴニストとしてのフルオロピペリジン化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 413/04 20060101AFI20201221BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20201221BHJP
A61K 31/538 20060101ALI20201221BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20201221BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20201221BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20201221BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
C07D413/04CSP
C07D413/14
A61K31/538
A61P25/28
A61P25/14
A61P25/16
A61P25/18
【請求項の数】11
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2020-505814(P2020-505814)
(86)(22)【出願日】2018年8月6日
(65)【公表番号】特表2020-526573(P2020-526573A)
(43)【公表日】2020年8月31日
(86)【国際出願番号】IB2018055894
(87)【国際公開番号】WO2019030641
(87)【国際公開日】20190214
【審査請求日】2020年4月3日
(31)【優先権主張番号】201741028024
(32)【優先日】2017年8月7日
(33)【優先権主張国】IN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507302416
【氏名又は名称】スヴェン・ライフ・サイエンシーズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUVEN LIFE SCIENCES LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ラーマクリシュナ・ニロジ
(72)【発明者】
【氏名】アニル・カルバリ・シンディ
(72)【発明者】
【氏名】アブドゥル・ラシード・モハメド
(72)【発明者】
【氏名】ラジェシュ・クマール・バダンジ
(72)【発明者】
【氏名】クマール・ボッジャ
(72)【発明者】
【氏名】ビノッド・クマール・ゴーヤル
(72)【発明者】
【氏名】サントシュ・クマール・パンデイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャガディーシュ・バブ・テンツ
(72)【発明者】
【氏名】ベンカテスワール・ジャスティ
【審査官】
二星 陽帥
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−514662(JP,A)
【文献】
特表2008−514663(JP,A)
【文献】
特表2007−500161(JP,A)
【文献】
特開2008−037850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 413/04
C07D 413/14
A61K 31/538
A61P 25/14
A61P 25/16
A61P 25/18
A61P 25/28
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
〔式中、
R
1はフェニルまたはピリジルを表し;ここでフェニルまたはピリジルは場合により、ハロゲン、(C
1−6)アルキルまたはハロ(C
1−6)アルキルから選択される1以上の基で置換されていてよく;
R
2は水素または(C
1−6)アルキルを表し;
R
3は水素または(C
1−6)アルキルを表し;またはR
2およびR
3は一体となって(C
3−6)シクロアルキルを形成し得て;
R
4は水素、(C
1−6)アルキルまたはハロ(C
1−6)アルキルを表し;
R
5は水素、(C
1−6)アルキル、ハロ(C
1−6)アルキルまたは−(CH
2)
0−3−(C
3−6)シクロアルキルを表す〕
のフルオロピペリジン化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩。
【請求項2】
化合物が
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−2−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−4−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロ−3−メチルピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;および
7−フェニルスルホニル−4−[3−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)ピペリジン−4−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
から成る群から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩。
【請求項3】
化合物が
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルにおける以下の分光シグナル特性を有するエナンチオマー−1:1H−NMR(DMSO−d6、400MHz) δ ppm:1.81−1.84(m、1H)、2.24−2.32(m、1H)、3.10−3.16(m、1H)、3.36−3.41(m、2H)、3.46−3.53(m、3H)、4.09−4.18(m、2H)、4.32−4.38(m、1H)、5.05−5.17(d、J=47.8Hz、1H)、7.04−7.06(d、J=8.89Hz、1H)、7.17−7.18(d、J=2.05Hz、1H)、7.33−7.36(m、1H)、7.55−7.65(m、3H)、7.88−7.89(d、J=7.4Hz、2H)、8.73(bs、1H)、9.52(bs、1H);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルにおける以下の分光シグナル特性を有するエナンチオマー−2:1H−NMR(DMSO−d6、400MHz) δ ppm:1.87−1.90(m、1H)、1.97−2.09(m、1H)、3.04−3.10(m、2H)、3.37−3.39(m、3H)、3.63−3.66(m、1H)、4.14−4.18(m、2H)、4.46−4.48(m、1H)、5.00−5.15(m、1H)、7.07−7.11(d、J=8.84Hz、1H)、7.15−7.16(d、J=1.69Hz、1H)、7.34−7.36(dd、J=1.27、8.7Hz、1H)、7.55−7.65(m、3H)、7.87−7.89(d、J=7.38Hz、2H)、8.56(bs、1H)、9.38(bs、1H);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルにおける以下の分光シグナル特性を有するエナンチオマー−3:1H−NMR(DMSO−d6、400MHz) δ ppm:1.89−1.90(m、1H)、1.99−2.02(m、1H)、3.07−3.16(m、2H)、3.39−3.40(m、3H)、3.64−3.66(m、1H)、4.13−4.19(m、2H)、4.46−4.48(m、1H)、5.13−5.15(m、1H)、7.09−7.11(d、J=8.91Hz、1H)、7.15−7.16(d、J=2.61Hz、1H)、7.34−7.36(dd、J=1.76、8.75Hz、1H)、7.55−7.65(m、3H)、7.87−7.89(d、J=7.4Hz、2H)、8.53(bs、1H)、9.34(bs、1H);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルにおける以下の分光シグナル特性を有するエナンチオマー−4:1H−NMR(DMSO−d6、400MHz) δ ppm:1.81−1.84(m、1H)、2.27−2.34(m、1H)、3.12−3.15(m、1H)、3.37−3.52(m、5H)、4.10−4.16(m、2H)、4.31−4.37(m、1H)、5.05−5.17(d、J=47.8Hz、1H)、7.05−7.07(d、J=8.86Hz、1H)、7.17−7.17(d、J=1.99Hz、1H)、7.33−7.35(dd、J=1.87、8.66Hz、1H)、7.56−7.63(m、3H)、7.87−7.89(d、J=7.38Hz、2H)、8.68(bs、1H)、9.66(bs、1H);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルにおける以下の分光シグナル特性を有するエナンチオマー−1:1H−NMR(DMSO−d6、400MHz) δ ppm:1.90−2.01(m、2H)、3.05−3.15(m、3H)、3.34−3.39(m、2H)、3.64−3.67(m、1H)、4.12−4.19(m、2H)、4.45−4.49(m、1H)、4.94−5.13(m、1H)、7.08−7.10(d、J=8.90Hz、1H)、7.20−7.21(d、J=2.09Hz、1H)、7.37−7.40(dd、J=2.04、8.75Hz、1H)、7.49−7.51(m、1H)、7.61−7.65(m、1H)、7.71−7.75(m、2H)、9.09(bs、1H)、9.29(bs、1H);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルにおける以下の分光シグナル特性を有するエナンチオマー−2:1H−NMR(DMSO−d6、400MHz) δ ppm:1.90−2.01(m、2H)、3.06−3.15(m、3H)、3.35−3.39(m、2H)、3.64−3.67(m、1H)、4.12−4.19(m、2H)、4.45−4.50(m、1H)、4.94−5.10(m、1H)、7.08−7.10(d、J=9.8Hz、1H)、7.20−7.21(d、J=2.02Hz、1H)、7.37−7.40(dd、J=2.02、8.74Hz、1H)、7.46−7.51(m、1H)、7.59−7.64(m、1H)、7.71−7.75(m、2H)、9.09(bs、1H)、9.29(bs、1H);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルにおける以下の分光シグナル特性を有するエナンチオマー−3:1H−NMR(DMSO−d6、400MHz) δ ppm:1.81−1.84(m、1H)、2.17−2.31(m、1H)、3.12−3.15(m、1H)、3.31−3.36(m、2H)、3.46−3.57(m、3H)、4.11−4.17(m、2H)、4.29−4.40(m、1H)、5.50−5.17(d、J=47.68Hz、1H)、7.02−7.04(d、J=8.87Hz、1H)、7.22−7.22(d、J=1.69Hz、1H)、7.37−7.39(dd、J=1.52、8.68Hz、1H)、7.47−7.51(m、1H)、7.60−7.65(m、1H)、7.72−7.76(m、2H)、8.45−8.68(bs、1H)、9.36(bs、1H);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルにおける以下の分光シグナル特性を有するエナンチオマー−4:1H−NMR(DMSO−d6、400MHz) δ ppm:1.81−1.84(m、1H)、2.25−2.31(m、1H)、3.11−3.13(m、1H)、3.32−3.36(m、2H)、3.46−3.57(m、3H)、4.13−4.14(m、2H)、4.28−4.40(m、1H)、5.05−5.17(d、J=47.71Hz、1H)、7.01−7.03(d、J=8.74Hz、1H)、7.22−7.22(d、J=1.65Hz、1H)、7.37−7.39(m、1H)、7.47−7.51(m、1H)、7.59−7.65(m、1H)、7.72−7.76(m、2H)、8.66(bs、1H)、9.24(bs、1H);
ラセミ−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−2−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩;
ラセミ−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−4−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩;
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロ−3−メチルピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルにおける以下の分光シグナル特性を有するジアステレオマー−1;1H−NMR(DMSO−d6、400MHz) δ ppm:1.46−1.52(d、J=24.5Hz、3H)、2.02−2.05(m、2H)、3.07−3.08(m、1H)、3.29−3.31(m、2H)、3.39−3.47(m、3H)、4.12−4.18(m、2H)、4.39−4.45(m、1H)、7.07−7.09(d、J=8.7Hz、1H)、7.13(d、J=1.81Hz、1H)、7.30−7.33(dd、J=1.5、8.7Hz、1H)、7.54−7.63(m、3H)、7.85−7.87(d、J=7.49Hz、2H)、8.97(bs、1H)、9.63(bs、1H);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロ−3−メチルピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルにおける以下の分光シグナル特性を有するジアステレオマー−2;1H−NMR(DMSO−d6、400MHz) δ ppm:1.26−1.32(d、J=22.3Hz、3H)、1.76−1.79(m、1H)、2.17−2.26(m、1H)、3.05−3.10(m、1H)、3.32−3.49(m、5H)、4.08−4.20(m、2H)、4.29−4.39(m、1H)、7.12−7.15(、2H)、7.31−7.33(dd、J=1.53、8.67Hz、1H)、7.54−7.64(m、3H)、7.87−7.89(d、J=7.44Hz、2H)、8.66(bs、1H)、9.53(bs、1H);
ラセミ−6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩;
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(キラルカラムクロマトグラフィー(カラムID:250×4.6mm、5μm、Chiralpak IC;移動相:0.1% ジエチルアミン メタノール溶液;流速:1mL/分、温度:25℃)における、5.2分の保持時間(RT)を有するエナンチオマー−1);
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(キラルカラムクロマトグラフィー(上記と同じ条件)における、5.9分の保持時間(RT)を有するエナンチオマー−2);
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(キラルカラムクロマトグラフィー(上記と同じ条件)における、8.1分の保持時間(RT)を有するエナンチオマー−3);
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(キラルカラムクロマトグラフィー(上記と同じ条件)における、15.1分の保持時間(RT)を有するエナンチオマー−4);
7−フェニルスルホニル−4−[3−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)ピペリジン−4−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルにおける以下の分光シグナル特性を有するエナンチオマー−1;1H−NMR(DMSO−d6、400MHz) δ ppm:1.26−1.32(d、J=22.3Hz、3H)、1.76−1.79(m、1H)、2.17−2.26(m、1H)、3.05−3.10(m、1H)、3.32−3.49(m、5H)、4.08−4.20(m、2H)、4.29−4.39(m、1H)、7.12−7.15(、2H)、7.31−7.33(dd、J=1.53、8.67Hz、1H)、7.54−7.64(m、3H)、7.87−7.89(d、J=7.44Hz、2H)、8.66(bs、1H)、9.53(bs、1H);および
7−フェニルスルホニル−4−[3−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)ピペリジン−4−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルにおける以下の分光シグナル特性を有するエナンチオマー−2;1H−NMR(CDCl3、400MHz) δ ppm:1.62−1.68(m、1H)、2.40−2.44(m、2H)、2.78−2.86(m、2H)、3.16−3.18(m、1H)、3.30−3.33(m、1H)、3.45−3.48(m、2H)、3.59−3.63(m、1H)、3.64−3.69(m、1H)、4.14−4.17(m、2H)、4.53−4.57(m、1H)、4.65−4.69(m、1H)、4.82−4.94(d、J=49.35Hz、1H)、6.56−6.58(d、J=8.72Hz、1H)、7.29−7.30(m、1H)、7.11−7.52(m、4H)、7.89−7.91(d、J=7.27Hz、2H)
から成る群から選択される、エナンチオマー、ジアステレオマーまたはラセミ体である、請求項1または2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項5】
5−ヒドロキシトリプタミン6受容体介在性認知障害の処置に使用するための請求項4に記載の医薬組成物であって、前記認知障害がアルツハイマー病における認知症、パーキンソン病における認知症、ハンチントン病における認知症、ダウン症に関連する認知症、トゥレット症候群に関連する認知症、閉経後に関連する認知症、前頭側頭骨性認知症、レヴィー小体認知症、血管性認知症、HIVにおける認知症、クロイツフェルト−ヤコブ病における認知症、物質誘発性持続性認知症、ピック病における認知症、統合失調症における認知症、一般的な医学的状態における認知症および老人性認知症から成る群から選択されるものである、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
アルツハイマー病における認知症、パーキンソン病における認知症、ハンチントン病における認知症、ダウン症に関連する認知症、トゥレット症候群に関連する認知症、閉経後に関連する認知症、前頭側頭骨性認知症、レヴィー小体認知症、血管性認知症、HIVにおける認知症、クロイツフェルト−ヤコブ病における認知症、物質誘発性持続性認知症、ピック病における認知症、統合失調症における認知症、一般的な医学的状態における認知症および老人性認知症から成る群から選択される認知障害の処置のための医薬の製造における、請求項1〜3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項7】
認知障害の処置における使用のための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、およびアセチルコリンエステラーゼ阻害剤を含む組合せ剤。
【請求項8】
認知障害の処置における使用のための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤およびNMDA受容体アンタゴニストを含む組合せ剤。
【請求項9】
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤がガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、およびタクリンまたはその薬学的に許容される塩から選択される、請求項7または8に記載の組合せ剤。
【請求項10】
NMDA受容体アンタゴニストがメマンチンまたはその薬学的に許容される塩から選択される、請求項8に記載の組合せ剤。
【請求項11】
認知障害がアルツハイマー病における認知症、パーキンソン病における認知症、ハンチントン病における認知症、ダウン症に関連する認知症、トゥレット症候群に関連する認知症、閉経後に関連する認知症、前頭側頭骨性認知症、レヴィー小体認知症、血管性認知症、HIVにおける認知症、クロイツフェルト−ヤコブ病における認知症、物質誘発性持続性認知症、ピック病における認知症、統合失調症における認知症、一般的な医学的状態における認知症および老人性認知症から選択される、請求項7または8に記載の組合せ剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5−ヒドロキシトリプタミン6受容体(5−HT
6R)アンタゴニストとしてのフルオロピペリジン化合物、その立体異性体、同位体形態またはその薬学的に許容される塩に関する。特に、本発明はフルオロピペリジン化合物、その立体異性体、同位体形態またはその薬学的に許容される塩の製造方法、医薬組成物、組合せ剤および使用を開示する。
【背景技術】
【0002】
神経伝達物質、5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)またはセロトニンの撹乱は、不安、うつ病、神経変性障害、認知障害または運動協調障害のような多様な中枢神経系障害と関連付けがなされている。セロトニンは中枢および末梢神経系(CNSおよびPNS)に局在し、多くの生物学的過程において重要な役割を果たすことが知られている。その上方調節または調節解除は、認知障害、精神障害、運動協調性障害、摂食行動障害、性障害、神経内分泌調節障害などを含む状態と関係する。5−HT受容体サブタイプは、5−HT
1、5−HT
2、5−HT
3、5−HT
4、5−HT
5、5−HT
6、5−HT
7およびアイソフォーム、例えば、5−HT
2A、5−HT
2B、5−HT
2C、5−HT
4A、5−HT
4B、5−HT
4Dおよび5−HT
4Eを含む。
【0003】
5−ヒドロキシトリプタミン6受容体(5−HT
6R)サブタイプは、1993年に初めて同定され、それはGPCRファミリーのメンバーである。5−HT
6Rは、脳、特に認知に関連する海馬および前頭部皮質においてほぼ排他的に発現される(Molecular Pharmacology, 1993, 43, 320-327)。5−HT
6Rの活性化は、通常、コリン作動性の機能を抑制し(British Journal of Pharmacology, 1999, 126, 1537-1542)、一方受容体の遮断は認知機能を改善する。
【0004】
近年の研究により、いくつかの治験化合物によるこの受容体の拮抗作用が、動物モデルにおいて学習および記憶を改善したことが示された(CNS & Neurological Disorders-Drug Targets, 2004, 3, 59-79)。従って、5−HT
6受容体の拮抗作用は潜在的に、種々の認知障害について有効な処置を提供し得る。
【0005】
米国第7378415号特許では、下に示すような、あるCNS障害の処置のための5−HT
6および5−HT
2A受容体親和性を有するベンゾオキサジンおよびキノキサリン化合物が開示された。
【化1】
【0006】
臨床候補化合物である、5−HT
6Rアンタゴニストであり、かつ5−HT
2A受容体に対する親和性もまた示すイダロピルジン(Lu AE58054)およびセルラピルジン(SAM−531)は臨床治験が中止された。
【0007】
したがって、本発明の目的は、5−HT
2A受容体に対して最小限の親和性を有するまたは親和性を有さない強力な5−HT
6受容体親和性を有する化合物を提供すること、および良好な安全性プロファイルを有する化合物もまた、提供することである。本発明は、5−HT
2A受容体に対する最小限の親和性を有するまたは親和性を有さない5−HT
6受容体に対して高選択的なフルオロピペリジン化合物を提供する。当業者は、フルオロピペリジン誘導体の特定の位置への特定の基(フルオロ)の導入が5−HT
2A受容体への選択性の改善をもたらし、より良好な安全性プロファイルを有することに想到しなかった。これらの知見は極めて驚くべきものであり、かつ予想しないものであった。
【発明の概要】
【0008】
第一の態様において、本発明は、式(I)
【化2】
〔式中、
R
1はフェニルまたはピリジルを表し;ここでフェニルまたはピリジルは場合により、ハロゲン、(C
1−6)アルキルまたはハロ(C
1−6)アルキルから選択される1以上の基で置換されていてよいく;
R
2は水素または(C
1−6)アルキルを表し;
R
3は水素または(C
1−6)アルキルを表し;またはR
2およびR
3は一体となって(C
3−6)シクロアルキルを形成し得て;
R
4は水素、(C
1−6)アルキルまたはハロ(C
1−6)アルキルを表し;
R
5は水素、(C
1−6)アルキル、ハロ(C
1−6)アルキルまたは−(CH
2)
0−3−(C
3−6)シクロアルキルを表す〕
のフルオロピペリジン化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩に関する。
【0009】
別の態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩の製造方法に関する。
【0010】
さらに別の態様において、本発明は、治療有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物、またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤または担体を含む医薬組成物に関する。
【0011】
さらに別の態様において、本発明は、認知障害の処置における使用のための式(I)の化合物またはその薬学的な塩、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤およびNMDA受容体アンタゴニストの組合せ剤に関する。
【0012】
さらに別の態様において、本発明は、認知障害の処置における使用のための式(I)の化合物またはその薬学的な塩およびアセチルコリンエステラーゼ阻害剤の組合せ剤に関する。
【0013】
さらに別の態様において、本発明は、認知障害の処置における使用のための式(I)の化合物またはその薬学的な塩およびNMDA受容体アンタゴニストの組合せ剤に関する。
【0014】
さらに別の態様において、本発明は、5−HT
6受容体アンタゴニストとして使用するための式(I)の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩に関する。
【0015】
さらに別の態様において、本発明は、認知障害の処置における使用のための式(I)の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩に関する。
【0016】
別の態様において、本発明は、処置を必要とする患者に治療有効量の式(I)の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩を投与することを含む認知障害の処置方法に関する。
【0017】
さらに別の態様において、本発明は、認知障害の処置のための医薬の製造のための式(I)の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】雄性Wistarラットの海馬前面におけるアセチルコリンの細胞外レベルに対する実施例1の化合物およびドネペジル組合せ剤の効果を示す。
【
図2】雄性Wistarラットの海馬前面におけるアセチルコリンの細胞外レベルに対する実施例1の化合物、ドネペジルおよびメマンチン組合せ剤の効果を示す。
【0019】
発明の詳細な説明
特に断らない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される次の用語は、下記の意義を有する。
【0020】
本明細書で使用される用語「(C
1−6)アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む分枝鎖または直鎖脂肪族炭化水素をいう。(C
1−6)アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含む。
【0021】
本明細書で使用される用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。好ましくは、ハロゲンはフッ素、塩素または臭素である。より好ましくは、ハロゲンはフッ素である。
【0022】
本明細書で使用される用語「ハロ(C
1−6)アルキル」は、上で定義される(C
1−6)アルキルであって、同一または異なる炭素原子の1以上の水素が同一または異なるハロゲンで置換されたものをいう。ハロ(C
1−6)アルキルの例は、フルオロメチル、クロロメチル、フルオロエチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロエチル、クロロフルオロエチルなどを含む。
【0023】
本明細書で使用される用語「(C
3−6)シクロアルキル」は、3〜6個の炭素原子を含む飽和単環式炭化水素環をいう。(C
3−6)シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む。
【0024】
語句「治療有効量」は、(i)本明細書に記載の特定の疾患、状態または障害を処置する、(ii)本明細書に記載の特定の疾患、状態または障害の1以上の症状を排除する、(iii)本明細書に記載の特定の疾患、状態または障害の症状を低減する、(iv)本明細書に記載の特定の疾患、状態または障害の症状の発生を遅延させる本発明の化合物の量として定義される。
【0025】
本明細書で使用される用語「同位体形態」は、式(I)の化合物であって、式(I)の化合物の1以上の原子がそれぞれの同位体により置換されたものをいう。例えば、水素の同位体は
2H(重水素)および
3H(トリチウム)を含む。
【0026】
本明細書で使用される用語「立体異性体」は、空間における原子の配置が異なる式(I)の化合物の異性体をいう。本明細書に開示される化合物は、単一の立体異性体、ラセミ体および/またはエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物として存在し得る。全てのこのような単一の立体異性体、ラセミ体およびその混合物は、本発明の範囲内であると意図される。
【0027】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される塩」は、活性化合物、すなわち式(I)の化合物の塩をいい、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基によって適切な酸または酸誘導体との反応により製造される。
【0028】
本明細書で使用される用語「認知障害」は、学習、記憶、認知、問題解決に主に影響を与え、健忘症、認知症およびせん妄を含む、一群の精神健康障害をいう。認知障害は特発性であり得るか、疾患、障害、病気または毒性により生じ得る。好ましくは、ここで言及される認知障害は、認知症である。認知症の例は、限定されないが、アルツハイマー病における認知症、パーキンソン病における認知症、ハンチントン病における認知症、ダウン症に関連する認知症、トゥレット症候群に関連する認知症、閉経後に関連する認知症、前頭側頭骨性認知症、レヴィー小体認知症、血管性認知症、HIVにおける認知症、クロイツフェルト−ヤコブ病における認知症、物質誘発性持続性認知症、ピック病における認知症、統合失調症における認知症、一般的な医学的状態における認知症および老人性認知症を含む。
【0029】
実施態様
本発明は、いかなる限定もなく、式(I)の化合物により表される全ての化合物を包含する。しかしながら、好ましい本発明の態様および要素が、次の実施態様の形態でここに考察される。
【0030】
第二の態様において、本発明は、式(I)
【化3】
〔式中、
R
1はフェニルまたはピリジルを表し;ここでフェニルまたはピリジルは場合により、ハロゲン、(C
1−6)アルキルまたはハロ(C
1−6)アルキルから選択される1以上の基で置換されていてよく;
R
2は水素または(C
1−6)アルキルを表し;
R
3は水素または(C
1−6)アルキルを表し;またはR
2およびR
3は一体となって(C
3−6)シクロアルキルを形成し得て;
R
4は水素、(C
1−6)アルキルまたはハロ(C
1−6)アルキルを表し;
R
5は水素、(C
1−6)アルキル、ハロ(C
1−6)アルキルまたは−(CH
2)
0−3−(C
3−6)シクロアルキルを表す〕
の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩に関する。
【0031】
別の態様において、本発明は、式(I)の化合物に由来する式(Ia)、
【化4】
〔式中、
R
1はフェニルまたはピリジルを表し;ここでフェニルまたはピリジルは場合により、ハロゲン、(C
1−6)アルキルまたはハロ(C
1−6)アルキルから選択される1以上の基で置換されていてよく;
R
2は水素または(C
1−6)アルキルを表し;
R
3は水素または(C
1−6)アルキルを表し;またはR
2およびR
3は一体となって(C
3−6)シクロアルキルを形成し得て;
R
4は水素、(C
1−6)アルキルまたはハロ(C
1−6)アルキルを表し;
R
5は水素、(C
1−6)アルキル、ハロ(C
1−6)アルキルまたは−(CH
2)
0−3−(C
3−6)シクロアルキルを表す〕
の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩に関する。
【0032】
別の態様において、本発明は、式(I)の化合物に由来する式(Ib)
【化5】
〔式中、
R
1はフェニルまたはピリジルを表し;ここでフェニルまたはピリジルは場合により、ハロゲン、(C
1−6)アルキルまたはハロ(C
1−6)アルキルから選択される1以上の基で置換されていてよく;
R
2は水素または(C
1−6)アルキルを表し;
R
3は水素または(C
1−6)アルキルを表し;またはR
2およびR
3は一体となって(C
3−6)シクロアルキルを形成し得て;
R
4は水素、(C
1−6)アルキルまたはハロ(C
1−6)アルキルを表し;
R
5は水素、(C
1−6)アルキル、ハロ(C
1−6)アルキルまたは−(CH
2)
0−3−(C
3−6)シクロアルキルを表す〕
の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩に関する。
【0033】
別の態様において、本発明は、R
1が場合によりハロゲン、(C
1−6)アルキルまたはハロ(C
1−6)アルキルから選択される1以上の基で置換されていてよいフェニルを表す式(I)の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩に関する。
【0034】
別の態様において、本発明は、R
1が場合によりハロゲン、(C
1−6)アルキルまたはハロ(C
1−6)アルキルから選択される1以上の基で置換されていてよいピリジルを表す式(I)の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩に関する。
【0035】
別の態様において、本発明は、R
1がフェニルを表す式(I)の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩に関する。
【0036】
別の態様において、本発明は、式(I)
【化6】
〔式中、
R
1は場合により、ハロゲン、(C
1−6)アルキルまたはハロ(C
1−6)アルキルから選択される1以上の基で置換されていてよいフェニルであり;
R
2は水素を表し;
R
3は水素を表し;
R
4は水素または(C
1−6)アルキルを表し;
R
5は水素を表す〕
の化合物またはその立体異性体、同位体形態または薬学的に許容される塩に関する。
【0037】
別の実施態様において、本発明の化合物は:
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−2−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−4−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロ−3−メチルピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;および
7−フェニルスルホニル−4−[3−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)ピペリジン−4−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
またはその立体異性体または薬学的に許容される塩から成る群から選択される。
【0038】
別の実施態様において、好ましい本発明の化合物は:
ラセミ−7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークI);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークII);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIII);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIV);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークI);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークII);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークIII);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークIV);
ラセミ−7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークI);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークII);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIII);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIV);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークI);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークII);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークIII);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークIV);
ラセミ−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−2−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
ラセミ−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−2−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩;
ラセミ−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−4−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
ラセミ−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−4−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩;
ラセミ−7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロ−3−メチルピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロ−3−メチルピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(初めに溶出する異性体);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロ−3−メチルピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(2番目に溶出する異性体);
ラセミ−6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
ラセミ−6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩;
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークI);
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークII);
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIII);
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIV);
7−フェニルスルホニル−4−[3−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)ピペリジン−4−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIII);
7−フェニルスルホニル−4−[3−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)ピペリジン−4−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIV);
またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩から成る群から選択される。
【0039】
別の実施態様において、好ましい本発明の化合物は:
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークIII);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークI);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークII);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークIV);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークI);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークII);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークIII);
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークIV);
ラセミ−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−2−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩;
ラセミ−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−4−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩;
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロ−3−メチルピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(初めに溶出する異性体);
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロ−3−メチルピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(2番目に溶出する異性体);
ラセミ−6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩;
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークI);
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークII);
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIII);
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIV);
7−フェニルスルホニル−4−[3−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)ピペリジン−4−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIII);および
7−フェニルスルホニル−4−[3−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)ピペリジン−4−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIV);
またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩から成る群から選択される。
【0040】
実験方法:
スキーム1は、R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5が第一の態様で定義されるとおりである式(I)の化合物の製造のための一般的方法を示す。
【化7】
【0041】
工程1:式(2)の化合物の製造
ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル(ACN)およびジメチルホルムアミド(DMF)から選択される溶媒中、炭酸アンモニウム、炭酸セシウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムから選択される塩基の存在下、式(1)の化合物を化合物R
1SH(式中、R
1は第一の態様で定義されるとおりである)と25〜30℃の範囲の温度で2〜4時間反応させて式(2)の化合物を得る。
【0042】
工程2:式(3)の化合物の製造
DCM、クロロホルム(CHCl
3)、トルエンから選択される溶媒中、工程2で得られた式(2)の化合物をメタ−クロロ過安息香酸(mCPBA)またはオキソンのような酸化剤と25〜30℃の範囲の温度で22〜26時間反応させて式(3)の化合物を得る。
【0043】
工程3:式(4)の化合物の製造
THF:エタノール:水のような溶媒混合物の存在下、工程2で得られた式(3)の化合物のニトロ基を室温から還流条件下で2〜6時間、Fe/NH
4Cl、亜鉛/酢酸またはNaBH
4/NiClで還元して式(4)の化合物を得る。
【0044】
工程4:式(6)の化合物の製造
DCM、ジクロロエタン(EDC)、CHCl
3、メタノール、酢酸およびトルエンから選択される溶媒中、還元的アミノ化状態で、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤を用いて、工程3で得られた式(4)の化合物を式(5)
【化8】
の化合物と25〜30℃の範囲の温度で22〜26時間反応させて式(6)の化合物を得る。
【0045】
工程5:式(7)の化合物の製造
DCM、THF、ACNおよびDMFから選択される溶媒中、ヨウ化ナトリウムおよびヨウ化テトラブチルアンモニウムのようなヨウ素化試薬および炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムのような塩基の存在下、工程4で得られた式(6)の化合物を式(A)
【化9】
の化合物と室温から還流状態で4〜8時間反応させて式(7)の化合物を得る。
【0046】
工程6:式(8)の化合物の製造
THF、ACNおよびDMFから選択される溶媒中、ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化テトラブチルアンモニウムおよび炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウムまたはナトリウム tert−ブトキシドを用いて、工程5で得られた式(7)の化合物を25〜30℃の範囲の温度で2〜6時間環化させて式(8)の化合物を得る。
【0047】
工程7:式(I)の化合物(式中、R
5は水素である)の製造
室温から還流条件下で2〜6時間、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、1,4−ジオキサンのような溶媒および塩酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸のような酸を用いて工程6で得られた式(8)の化合物のtert−ブチルオキシカルボニル基を除去し、式(I)の化合物(式中、R
5は水素である)を得る。
【0048】
工程8:式(I)の化合物(式中、R
5は(C
1−6)アルキル、ハロ(C
1−6)アルキルまたは−(CH
2)
0−3−(C
3−6)シクロアルキルである)の製造
ホルムアルデヒド/ギ酸混合物、アルデヒド、ケトン、ハロゲン化アルキルまたはハロゲン化シクロアルキルを用いて、工程7で得られた式(I)の化合物を場合によりアルキル化して式(I)の化合物(式中、R
5は(C
1−6)アルキル、ハロ(C
1−6)アルキルまたは−(CH
2)
0−3−(C
3−6)シクロアルキルである)を得る。
【0049】
エナンチオマーの分離
キラルカラムクロマトグラフィー分離を用いて式(8)の化合物、式(I)の化合物のジアステレオ異性体を、分離して純粋なエナンチオマー形態を得る。
【0050】
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩の製造
式(I)の化合物は場合により、適切な酸または酸誘導体との反応により薬学的に許容される塩に変換され得る。適切な薬学的に許容される塩は当業者に明らかである。塩は無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸およびリン酸または有機酸、例えばシュウ酸、コハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、安息香酸、トルイル酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸またはナフタレンスルホン酸と形成される。
【0051】
スキーム2は式(3a)の化合物の製造方法を示す。
【化10】
塩化アルミニウム存在下、式(1a)の化合物をR
1SO
2Clと130〜150℃の温度で8〜16時間反応させて式(3a)の化合物を得る。式(3a)の化合物はまた、スキーム1のプロセスに従って式(I)の化合物に変換され得る。
【0052】
式(I)の化合物の立体異性体
式(I)の化合物の立体異性体は、1以上の次に示す従来法で製造され得る。
a.その光学活性形態において1以上の試薬を使用し得る。
b.還元プロセスにおいて光学的に純粋な触媒または金属触媒を有するキラルリガンドを使用し得る。金属触媒はロジウム、ルテニウム、インジウムなどであり得る。キラルリガンドは、好ましくはキラルホスフィンであり得る。
c.立体異性体の混合物は、キラル酸またはキラルアミンまたはキラルアミノアルコールまたはキラルアミノ酸とのジアステレオマー塩の形成のような従来法により分割され得る。その後、得られたジアステレオマー混合物を分別結晶、クロマトグラフィーなどのような方法で分離し、分離された物質/塩から光学活性な生成物を単離するさらなる工程を実施する。
d.立体異性体混合物は、キラル酸またはキラル塩基と形成されたジアステレオマー塩を分割する微生物分解のような従来法により分割され得る。使用されるキラル酸は酒石酸、マンデル酸、乳酸、カンファースルホン酸、キラルアミノ酸などであり得る。使用されるキラル塩基はキナアルカロイド、ブルシンまたはリシン、アルギニンのような塩基性アミノ酸などであり得る。
【0053】
別の実施態様において、適切な薬学的に許容される塩は、限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩およびコハク酸塩を含む。
【0054】
本発明の別の態様において、式(I)の化合物は5−ヒドロキシトリプタミン6受容体(5−HT6R)アンタゴニストである。
【0055】
別の態様において、本発明は、処置を必要とする患者に治療有効量の式(I)の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩を投与することを含む、認知障害の処置方法に関する。
【0056】
別の態様において、本発明は、処置を必要とする患者に治療有効量の式(I)の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩を投与することを含む、アルツハイマー病における認知症、パーキンソン病における認知症、ハンチントン病における認知症、ダウン症に関連する認知症、トゥレット症候群に関連する認知症、閉経後に関連する認知症、前頭側頭骨性認知症、レヴィー小体認知症、血管性認知症、HIVにおける認知症、クロイツフェルト−ヤコブ病における認知症、物質誘発性持続性認知症、ピック病における認知症、統合失調症における認知症、一般的な医学的状態における認知症および老人性認知症を含む認知障害の処置方法に関する。
【0057】
さらに別の態様において、本発明は、認知障害から選択される疾患または障害の処置における使用のための、式(I)の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩に関する。
【0058】
さらに別の態様において、本発明は、認知障害の処置のための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0059】
さらに別の態様において、本発明は、認知障害の処置のための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその立体異性体または同位体形態または薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0060】
さらに別の実施態様において、本発明は、認知障害の処置における使用のための式(I)の化合物またはその薬学的な塩、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤およびNMDA受容体アンタゴニストの組合せ剤に関する。
【0061】
さらに別の実施態様において、本発明は、認知障害の処置における使用のための式(I)の化合物またはその薬学的な塩およびアセチルコリンエステラーゼ阻害剤の組合せ剤に関する。
【0062】
さらに別の実施態様において、本発明は、認知障害の処置における使用のための式(I)の化合物またはその薬学的な塩およびNMDA受容体アンタゴニストの組合せ剤に関する。
【0063】
別の実施態様において、本発明は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤がガランタミン、リバスチグミン、ドネペジルおよびタクリンまたはその薬学的に許容される塩から選択される組合せ剤に関する。
【0064】
別の実施態様において、本発明は、組合せ剤中のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤がドネペジル塩酸塩である組合せ剤に関する。
【0065】
別の実施態様において、本発明は、組合せ剤中のNMDA受容体アンタゴニストがメマンチンまたはその薬学的に許容される塩である組合せ剤に関する。別の実施態様において、本発明は、組合せ剤中のNMDA受容体アンタゴニストがメマンチン塩酸塩である組合せ剤に関する。
【0066】
さらに別の態様において、本発明は、式(I)の化合物の医薬組成物に関する。治療において式(I)の化合物またはその立体異性体およびその薬学的に許容される塩を使用するために、それらは通常、標準的な薬務に従って製剤される。
【0067】
本発明の医薬組成物は、1以上の薬学的に許容される賦形剤を用いて従来の方法で製剤され得る。薬学的に許容される賦形剤は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、流動促進剤、ポリマー、コーティング剤、溶媒、共溶媒、防腐剤、湿潤剤、濃化剤、消泡剤、甘味剤、風味剤、抗酸化剤、着色剤、可溶化剤、可塑剤、分散剤などである。賦形剤は、微結晶セルロース、マンニトール、ラクトース、α化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、コーンスターチもしくはそれらの誘導体、ポビドン、クロスポビドン、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、グリセリルパルミトステアレート、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸もしくは水素化された植物油、アラビアゴム、苦土、グルコース、脂質、ワックス、天然油もしくは硬化油、水、生理食塩水もしくはアルコール、例えばエタノール、プロパノールもしくはグリセロール、糖溶液、例えばグルコース溶液もしくはマンニトール溶液または多様な賦形剤の混合物から選択される。
【0068】
さらに別の態様において、本発明の活性化合物は、ピル剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、ペレット剤、パッチ剤、インプラント剤、フィルム剤、液剤、半固体剤、ゲル剤、エアロゾル剤、エマルジョン剤、エリキシル剤などの形態に製剤され得る。このような医薬組成物およびその製造方法は、当分野において既知である。
【0069】
さらに別の態様において、本発明の医薬組成物は、1〜90重量%、5〜75重量%および10〜60重量%の本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。医薬組成物中の活性化合物またはその薬学的に許容される塩は、約1mg〜約500mgまたは約5mg〜約400mgまたは約5mg〜約250mgまたは約7mg〜約150mgの範囲または1mg〜500mgの広い範囲に入る任意の範囲内であり得る。
【0070】
活性化合物の用量は、患者の年齢および体重、処置される疾患の性質および重篤度ならびに同様の他の要因により変化し得る。従って、一般式(I)の化合物、立体異性体およびそれらの薬学的に許容される塩の薬理学的に有効量の何らかの言及は、前記因子を指す。
【0071】
略語
次の略語がここで使用される。
【表1-1】
【表1-2】
【実施例】
【0072】
本発明の化合物は、適切な原料および条件を用いて次の実験方法に従って製造され得る。次の実施例は、本発明の範囲を限定するものではなく、説明の手段としてのみ提供される。
【0073】
中間体1:2−ニトロ−5−(フェニルスルファニル)フェノール
【化11】
25〜35℃で、5−フルオロ−2−ニトロフェノール(31.4g、0.2モル)およびチオフェノール(24.2g、0.22モル)のDMF(600mL)溶液にCs
2CO
3(78g、0.24モル)を分割して添加した。得られた物質を室温で1時間撹拌し、冷水(1000mL)に注ぎ、その間に固体が沈殿した。これらの固体をろ過し、CHCl
3(1000mL)に溶解した。有機層を塩水(250mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して粗製物質を得て、酢酸エチル:n−ヘキサン(30:70)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して2−ニトロ−5−(フェニルスルファニル)フェノールを得た。
収量:47.2g(95%);
1H−NMR(CDCl
3、400MHz) δ ppm:6.67−6.68(m、2H)、7.47−7.52(m、3H)、7.55−7.58(m、2H)、7.93−7.95(d、J=9.52Hz、1H)、10.7(s、1H);質量スペクトル(m/z):247.9(M+H)
+。
【0074】
中間体2:5−(フェニルスルホニル)−2−ニトロフェノール
【化12】
室温で、2−ニトロ−5−(フェニルスルファニル)フェノール(47g、0.19モル)のDCM(1000mL)溶液にm−CPBA(82.4g、0.47モル)を分割して添加した(発熱、溶媒を穏やかに還流)。反応混合物を室温で18時間さらに撹拌し、水(500mL)に注いだ。有機層を分離し、10% NaHCO
3水溶液(250mL×2)、塩水(250mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して5−フェニルスルホニル−2−ニトロフェノールを得た。
収量:52.2g(約100%);
1H−NMR(CDCl
3、400MHz) δ ppm:7.49−7.52(dd、J=1.52、8.76Hz、1H)、7.55−7.58(m、2H)、7.63−7.67(m、1H)、7.76−7.76(d、J=1.36Hz、1H)、7.96−7.98(d、J=7.48Hz、2H)、8.22−8.24(d、J=8.84Hz、1H)、10.58(s、1H);質量スペクトル(m/z):278.2(M−H)
+。
【0075】
中間体3:2−アミノ−5−(フェニルスルホニル)フェノール
【化13】
5−(フェニルスルホニル)−2−ニトロフェノール(52g、0.18モル)、Fe(41g、0.74モル)およびNH
4Cl(49.8g、0.93モル)のH
2O、エタノール(D.S)およびTHF(1000mL:250mL:250mL)中の懸濁液を約4時間還流した。反応混合物を室温まで冷却し、濃縮して残渣を得た。上記混合物に水(500mL)を添加し、NaHCO
3(pH約9)で塩基性化し、生成物をCHCl
3(500mL×3)で抽出した。有機抽出物を合わせ、塩水(250mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して2−アミノ−5−(フェニルスルホニル)フェノールを得た。
収量:41.7g(約90%);
1H−NMR(CD
3OD、400MHz) δ ppm:6.71−6.71(m、1H)、7.13−7.22(m、2H)、7.51−7.53(m、3H)、7.83−7.85(m、2H);質量スペクトル(m/z):250.1(M+H)
+。
【0076】
中間体4:tert−ブチル 4−(4−フェニルスルホニル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート
【化14】
2−アミノ−5−(フェニルスルホニル)フェノール(40g、0.16モル)、tert−ブチル 3−フルオロ−4−オキソ−ピペリジン−1−カルボキシレート(41.8g、.19モル)のEDC(1000mL)中の懸濁液を4時間還流して透明な溶液を得た。反応混合物を室温まで冷却し、上記溶液にNaBH(OAc)
3(102g、0.48モル)を3つの等量のロットで、それぞれ1時間間隔で添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、再び1時間還流した。反応混合物を室温まで冷却し、水(500mL)を添加し、NH
3水溶液(pH約9)で塩基性化した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(500mL×3)で抽出した。有機抽出物を合わせ、塩水(250mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して粗製物質を得て、これを酢酸エチル:n−ヘキサン(30:70)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製してtert−ブチル 4−(4−フェニルスルホニル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレートをジアステレオマー混合物として得た。
収量:60.3g(約83%);HPLC(55.5%および40.8%);一対のジアステレオマー;質量スペクトル(m/z):449.4(M−H)
+。
【0077】
中間体5:tert−ブチル 4−[4−フェニルスルホニル−2−(2−クロロエトキシ)フェニルアミノ]−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート
【化15】
撹拌中のtert−ブチル 4−(4−フェニルスルホニル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート(60g、0.13モル)、1−ブロモ−2−クロロエタンおよびNaI(2g、0.013モル)の混合物のアセトニトリル(1000mL)溶液に、炭酸カリウム(73.5g、0.53モル)を添加した。反応混合物を5時間還流し、室温まで冷却し、水(1000mL)に注ぎ、酢酸エチル(1000mL×2)で抽出した。有機抽出物を合わせ、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して粗製物質を得て、これをカラムクロマトグラフィーにより精製した。初めに(一部2番目に溶出する異性体とともに)溶出するジアステレオマーを酢酸エチル:CHCl
3(3:97)で得て、2番目に(一部初めに溶出する異性体とともに)溶出するジアステレオマーを酢酸エチル:CHCl
3(5:95、その後酢酸エチルを勾配で増加させた)で得た。
初めに溶出する異性体:
収量:12.74g(約18.6%);HPLC 85.5%;
1H−NMR(CDCl
3、400MHz) δ ppm:1.49(s、9H)、1.53−1.59(m、1H)、2.13−2.16(m、1H)、3.12−3.25(m、2H)、3.62−3.65(m、1H)、3.85−3.88(m、2H)、4.11−4.15(m、1H)、4.31−4.34(m、3H)、4.45−4.46(m、1H)、4.92−4.94(d、J=7.38Hz、1H)、6.74−6.76(d、J=8.58Hz、1H)、7.24−7.25(m、1H)、7.46−7.54(m、4H)、7.89−7.91(d、J=7.26Hz、2H);質量スペクトル(m/z):513.6、515.5(M+H)
+。
2番目に溶出する異性体:
収量:24.69g(約36%);HPLC 91.5%;
1H−NMR(CDCl
3、400MHz) δ ppm:1.49(s、9H)、1.79−1.87(m、2H)、2.86−3.12(m、2H)、3.55−3.62(m、1H)、3.84−3.87(m、2H)、4.12−4.17(m、1H)、4.30−4.33(m、2H)、4.41−4.53(m、1H)、4.69−4.92(m、1H)、5.13−5.15(d、J=9.12Hz、1H)、6.59−6.61(d、J=8.46Hz、1H)、7.27−7.29(m、1H)、7.47−7.56(m、4H)、7.90−7.91(d、J=7.1Hz、2H);質量スペクトル(m/z):513.4、515.2(M+H)
+。
【0078】
中間体6:tert−ブチル 4−(7−フェニルスルホニル−2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート
【化16】
室温で、撹拌中のtert−ブチル 4−[4−フェニルスルホニル−2−(2−クロロエトキシ)フェニルアミノ]−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート(2番目に溶出する異性体、22g、0.04モル)およびNaI(0.32g、0.002モル)の混合物のDMF(220mL)溶液に水素化ナトリウム(2.6g、0.064モル、鉱油中60%分散)を添加し、18時間撹拌した。反応混合物をその後水(500mL)に注ぎ、CHCl
3(300mL×3)で抽出した。有機抽出物を合わせ、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターで濃縮してtert−ブチル 4−(7−フェニルスルホニル−2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレートを灰白色固体として得た。この固体をn−ヘキサン(100mL×3)で磨砕し、生成物をロータリーエバポレーターで真空乾燥させた。
収量:18.3g(約89%);HPLC(90.1%);
1H−NMR(CDCl
3、400MHz) δ ppm:1.47(s、9H)、1.64−1.65(m、1H)、2.21−2.31(m、1H)、2.82−3.05(m、2H)、3.37−3.47(m、1H)、3.54−3.57(m、1H)、3.78−3.89(m、1H)、4.12−4.18(m、2H)、4.42−4.59(m、2H)、4.78−4.90(m、1H)、6.58−6.60(d、J=8.74Hz、1H)、7.31−7.31(d、J=1.94Hz、1H)、7.41−7.51(m、4H)、7.89−7.90(d、J=7.21Hz、2H);質量スペクトル(m/z):477.2(M+H)
+。
【0079】
中間体7:tert−ブチル 4−(7−フェニルスルホニル−2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレートのキラル分離
下記の方法を用いて、中間体6(HPLCより、10%の少量フラクションおよび90%の主要フラクションを含む)をキラルカラムクロマトグラフィーにより4個の別個のピークとして中間体7に分離した。
方法:カラムID:Chiralpak IC、移動相:DCM:酢酸エチル(75:25)、流速:1mL/分、温度:25℃、波長320nM。
【0080】
中間体7(ピークI):キラルHPLC 99.9%、(RT:8.6分);
1H−NMR(CDCl
3、400MHz) δ ppm:1.47(s、9H)、1.61−1.68(m、2H)、1.82−1.86(m、1H)、2.78−2.84(m、2H)、3.34−3.44(m、2H)、3.88−3.91(m、1H)、4.16−4.22(m、3H)、4.57−4.62(m、1H)、6.77−6.79(d、J=8.76Hz、1H)、7.31−7.31(d、J=1.72Hz、1H)、7.42−7.52(m、4H)、7.88−7.90(d、J=7.48Hz、2H);質量スペクトル(m/z):477.3(M+H)
+。
【0081】
中間体7(ピークII):キラルHPLC 99.8%、(RT:10.7分);
1H−NMR(CDCl
3、400MHz) δ ppm:1.47(s、9H)、1.61−1.68(m、2H)、1.82−1.86(m、1H)、2.78−2.84(m、2H)、3.34−3.44(m、2H)、3.88−3.91(m、1H)、4.16−4.22(m、3H)、4.57−4.62(m、1H)、6.77−6.79(d、J=8.76Hz、1H)、7.31−7.31(d、J=1.72Hz、1H)、7.42−7.52(m、4H)、7.88−7.90(d、J=7.48Hz、2H);質量スペクトル(m/z):477.5(M+H)
+。
【0082】
中間体7(ピークIII):キラルHPLC 99.9%、(RT:12.2分);
1H−NMR(CDCl
3、400MHz) δ ppm:1.47(s、9H)、1.62−1.64(m、1H)、2.24−2.28(m、1H)、2.84−3.01(m、2H)、3.42−3.47(m、1H)、3.54−3.58(m、1H)、3.76−3.87(m、1H)、4.14−4.19(m、2H)、4.43−4.50(m、2H)、4.78−4.91(m、1H)、6.58−6.60(d、J=8.74Hz、1H)、7.31−7.32(d、J=1.70Hz、1H)、7.41−7.53(m、4H)、7.89−7.91(d、J=7.31Hz、2H);質量スペクトル(m/z):477.1(M+H)
+。
【0083】
中間体7(ピークIV):キラルHPLC 99.7%、(RT:17.8分);
1H−NMR(CDCl
3、400MHz) δ ppm:1.47(s、9H)、1.62−1.64(m、1H)、2.24−2.28(m、1H)、2.84−3.01(m、2H)、3.42−3.47(m、1H)、3.54−3.58(m、1H)、3.76−3.87(m、1H)、4.14−4.19(m、2H)、4.43−4.50(m、2H)、4.78−4.91(m、1H)、6.58−6.60(d、J=8.74Hz、1H)、7.31−7.32(d、J=1.70Hz、1H)、7.41−7.53(m、4H)、7.89−7.91(d、J=7.31Hz、2H);質量スペクトル(m/z):477.1(M+H)
+。
【0084】
実施例1:
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークIII)
【化17】
撹拌中のtert−ブチル (4−(7−フェニルスルホニル−2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート(中間体7(ピークIII)、0.5g、0.001モル)のメタノール(10mL)中の懸濁液にメタノール性HCl(16% w/v溶液、1.3mL、0.005モル)を添加し、得られた混合物を約4時間還流して透明な溶液を得た。反応混合物を室温まで冷却し、ロータリーエバポレーターで真空乾燥させて結晶固体を得た。
収量:0.41g(95%);
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:1.81−1.84(m、1H)、2.24−2.32(m、1H)、3.10−3.16(m、1H)、3.36−3.41(m、2H)、3.46−3.53(m、3H)、4.09−4.18(m、2H)、4.32−4.38(m、1H)、5.05−5.17(d、J=47.8Hz、1H)、7.04−7.06(d、J=8.89Hz、1H)、7.17−7.18(d、J=2.05Hz、1H)、7.33−7.36(m、1H)、7.55−7.65(m、3H)、7.88−7.89(d、J=7.4Hz、2H)、8.73(bs、1H)、9.52(bs、1H);質量スペクトル(m/z):377.0(M+H)
+;HPLC(%純度):99.93。
【0085】
実施例2:
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークI)
実施例1の実験方法に従って、tert−ブチル 4−(7−フェニルスルホニル−2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート(中間体7(ピークI))から表題化合物を製造した。
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:1.87−1.90(m、1H)、1.97−2.09(m、1H)、3.04−3.10(m、2H)、3.37−3.39(m、3H)、3.63−3.66(m、1H)、4.14−4.18(m、2H)、4.46−4.48(m、1H)、5.00−5.15(m、1H)、7.07−7.11(d、J=8.84Hz、1H)、7.15−7.16(d、J=1.69Hz、1H)、7.34−7.36(dd、J=1.27、8.7Hz、1H)、7.55−7.65(m、3H)、7.87−7.89(d、J=7.38Hz、2H)、8.56(bs、1H)、9.38(bs、1H);質量スペクトル(m/z):377.2(M+H)
+;HPLC(%純度):99.96。
【0086】
実施例3:
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークII)
実施例1の実験方法に従って、tert−ブチル 4−(7−フェニルスルホニル−2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート(中間体7(ピークII))から表題化合物を製造した。
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:1.89−1.90(m、1H)、1.99−2.02(m、1H)、3.07−3.16(m、2H)、3.39−3.40(m、3H)、3.64−3.66(m、1H)、4.13−4.19(m、2H)、4.46−4.48(m、1H)、5.13−5.15(m、1H)、7.09−7.11(d、J=8.91Hz、1H)、7.15−7.16(d、J=2.61Hz、1H)、7.34−7.36(dd、J=1.76、8.75Hz、1H)、7.55−7.65(m、3H)、7.87−7.89(d、J=7.4Hz、2H)、8.53(bs、1H)、9.34(bs、1H);質量スペクトル(m/z):377.2(M+H)
+;HPLC(%純度):94.00。
【0087】
実施例4:
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークIV)
実施例1の実験方法に従って、tert−ブチル 4−(7−フェニルスルホニル−2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート(中間体7(ピークIV))から表題化合物を製造した。
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:1.81−1.84(m、1H)、2.27−2.34(m、1H)、3.12−3.15(m、1H)、3.37−3.52(m、5H)、4.10−4.16(m、2H)、4.31−4.37(m、1H)、5.05−5.17(d、J=47.8Hz、1H)、7.05−7.07(d、J=8.86Hz、1H)、7.17−7.17(d、J=1.99Hz、1H)、7.33−7.35(dd、J=1.87、8.66Hz、1H)、7.56−7.63(m、3H)、7.87−7.89(d、J=7.38Hz、2H)、8.68(bs、1H)、9.66(bs、1H);質量スペクトル(m/z):377.2(M+H)
+;HPLC(%純度):99.63。
【0088】
実施例5〜8:実施例1〜4に記載の実験方法に従って、いくつか重要ではない変更をして、適切な中間体を用いて実施例5〜8の化合物を製造した。
【0089】
実施例5:
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークI)
【化18】
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:1.90−2.01(m、2H)、3.05−3.15(m、3H)、3.34−3.39(m、2H)、3.64−3.67(m、1H)、4.12−4.19(m、2H)、4.45−4.49(m、1H)、4.94−5.13(m、1H)、7.08−7.10(d、J=8.90Hz、1H)、7.20−7.21(d、J=2.09Hz、1H)、7.37−7.40(dd、J=2.04、8.75Hz、1H)、7.49−7.51(m、1H)、7.61−7.65(m、1H)、7.71−7.75(m、2H)、9.09(bs、1H)、9.29(bs、1H);質量スペクトル(m/z):395.2(M+H)
+;HPLC(%純度):99.8。
【0090】
実施例6:
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークII)
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:1.90−2.01(m、2H)、3.06−3.15(m、3H)、3.35−3.39(m、2H)、3.64−3.67(m、1H)、4.12−4.19(m、2H)、4.45−4.50(m、1H)、4.94−5.10(m、1H)、7.08−7.10(d、J=9.8Hz、1H)、7.20−7.21(d、J=2.02Hz、1H)、7.37−7.40(dd、J=2.02、8.74Hz、1H)、7.46−7.51(m、1H)、7.59−7.64(m、1H)、7.71−7.75(m、2H)、9.09(bs、1H)、9.29(bs、1H);質量スペクトル(m/z):395.2(M+H)
+;HPLC(%純度):99.8。
【0091】
実施例7:
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークIII)
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:1.81−1.84(m、1H)、2.17−2.31(m、1H)、3.12−3.15(m、1H)、3.31−3.36(m、2H)、3.46−3.57(m、3H)、4.11−4.17(m、2H)、4.29−4.40(m、1H)、5.50−5.17(d、J=47.68Hz、1H)、7.02−7.04(d、J=8.87Hz、1H)、7.22−7.22(d、J=1.69Hz、1H)、7.37−7.39(dd、J=1.52、8.68Hz、1H)、7.47−7.51(m、1H)、7.60−7.65(m、1H)、7.72−7.76(m、2H)、8.45−8.68(bs、1H)、9.36(bs、1H);質量スペクトル(m/z):395.2(M+H)
+;HPLC(%純度):99.39。
【0092】
実施例8:
7−(3−フルオロフェニルスルホニル)−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(ピークIV)
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:1.81−1.84(m、1H)、2.25−2.31(m、1H)、3.11−3.13(m、1H)、3.32−3.36(m、2H)、3.46−3.57(m、3H)、4.13−4.14(m、2H)、4.28−4.40(m、1H)、5.05−5.17(d、J=47.71Hz、1H)、7.01−7.03(d、J=8.74Hz、1H)、7.22−7.22(d、J=1.65Hz、1H)、7.37−7.39(m、1H)、7.47−7.51(m、1H)、7.59−7.65(m、1H)、7.72−7.76(m、2H)、8.66(bs、1H)、9.24(bs、1H);質量スペクトル(m/z):395.2(M+H)
+;HPLC(%純度):98.78。
【0093】
実施例9:
ラセミ−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−2−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩
【化19】
工程1:2−ニトロ−5−(ピリジン−2−スルホニル)フェノール
【化20】
撹拌中の2−ニトロ−5−(ピリジン−2−イルスルファニル)フェノール(6.8g、0.027モル)の混合物のIPA:H
2O(100mL:200mL)溶液にNaIO
4(29g、0.13モル)を添加し、反応混合物を24時間還流した。反応混合物をその後室温まで冷却し、DCM(150mL×3)を用いて抽出した。有機抽出物を合わせ、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して粗製物質を得て、これを酢酸エチル:n−ヘキサン(30:70)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して2−ニトロ−5−(ピリジン−2−スルホニル)−フェノールを得た。
収量:6.2g(81%);
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:7.45−7.48(m、1H)、7.69−7.75(m、2H)、8.02−8.04(d、J=8.56Hz、1H)、8.16−8.28(m、2H)、8.72−8.73(d、J=4.2Hz、1H)、11.96(bs、1H);質量スペクトル(m/z):279.2(M−H)
+。
【0094】
ラセミ−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−2−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩
中間体4〜6に記載の実験方法に従って、いくつか重要ではない変更をして、2−ニトロ−5−(ピリジン−2−スルホニル)フェノール(上記工程で得られたもの)および適切な中間体を用いて、表題化合物を合成した。
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:1.82−1.85(m、1H)、2.24−2.32(m、1H)、3.11−3.15(m、2H)、3.47−3.53(m、4H)、4.09−4.18(m、2H)、4.30−4.39(m、1H)、5.06−5.18(d、J=47.81Hz、1H)、7.04−7.07(d、J=8.86Hz、1H)、7.17−7.17(d、J=2Hz、1H)、7.33−7.36(dd、J=1.84、8.68Hz、1H)、7.61−7.64(m、1H)、8.06−8.11(m、2H)、8.66−8.70(m、2H)、9.49(bs、1H);質量スペクトル(m/z):378.2(M+H)
+;HPLC(%純度):97.54。
【0095】
実施例10:
ラセミ−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−4−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩
【化21】
工程1:2−ニトロ−5−(ピリジン−4−スルホニル)フェノール
【化22】
実施例9の工程1に記載の方法に従って、2−ニトロ−5−(ピリジン−4−イルスルファニル)フェノールから表題化合物を合成した。
収量:1.4g(95%);
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:7.53−7.55(d、J=8.04Hz、1H)、7.66−7.67(m、1H)、7.91−7.93(m、2H)、8.05−8.07(d、J=8.16Hz、1H)、8.90−8.92(m、2H)、12.03(bs、1H);質量スペクトル(m/z):279.2(M−H)
+。
【0096】
ラセミ−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−7−(ピリジン−4−スルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩
中間体4〜6に記載の実験方法に従って、いくつか重要ではない変更をして、2−ニトロ−5−(ピリジン−4−スルホニル)フェノール(上の工程で得られたもの)および適切な中間体を用いて、表題化合物を合成した。
質量スペクトル(m/z):378.4(M+H)
+。
【0097】
実施例11:
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロ−3−メチルピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(初めに溶出する異性体)
【化23】
中間体6に記載の実験方法に従って、いくつか重要ではない変更をして、適切な中間体を用いて、本実施例化合物を合成した。
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:1.46−1.52(d、J=24.5Hz、3H)、2.02−2.05(m、2H)、3.07−3.08(m、1H)、3.29−3.31(m、2H)、3.39−3.47(m、3H)、4.12−4.18(m、2H)、4.39−4.45(m、1H)、7.07−7.09(d、J=8.7Hz、1H)、7.13(d、J=1.81Hz、1H)、7.30−7.33(dd、J=1.5、8.7Hz、1H)、7.54−7.63(m、3H)、7.85−7.87(d、J=7.49Hz、2H)、8.97(bs、1H)、9.63(bs、1H);質量スペクトル(m/z):391.3(M+H)
+;HPLC(%純度):99.79。
【0098】
実施例12:
7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロ−3−メチルピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(2番目に溶出する異性体)
【化24】
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:1.26−1.32(d、J=22.3Hz、3H)、1.76−1.79(m、1H)、2.17−2.26(m、1H)、3.05−3.10(m、1H)、3.32−3.49(m、5H)、4.08−4.20(m、2H)、4.29−4.39(m、1H)、7.12−7.15(、2H)、7.31−7.33(dd、J=1.53、8.67Hz、1H)、7.54−7.64(m、3H)、7.87−7.89(d、J=7.44Hz、2H)、8.66(bs、1H)、9.53(bs、1H);質量スペクトル(m/z):391.3(M+H)
+;HPLC(%純度):99.07。
【0099】
実施例13:
ラセミ−6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩
【化25】
工程1:4−フェニルスルホニル−2−ニトロフェノール
【化26】
機械撹拌下、室温で、2−ニトロフェノール(5g、0.035モル)にAlCl
3(7.2g、0.53モル)を添加して約15分間維持し、ベンゼンスルホニルクロライド(7.6g、0.043モル)を添加した。反応混合物を140℃に加熱し、3時間維持して濃暗色の物質を得た。反応混合物を室温まで冷却し、冷水(250mL)を添加し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機抽出物を合わせ、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して粗製物質を得て、これを酢酸エチル:n−ヘキサン(20:80)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して4−フェニルスルホニル−2−ニトロフェノールを得た。
収量:4.3g(43%);
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:7.28−7.30(d、J=8.9Hz、1H)、7.59−7.63(m、2H)、7.67−7.71(m、1H)、7.95−7.97(d、J=8.81Hz、2H)、8.02−8.04(dd、J=2.18、8.95Hz、1H)、8.40−8.41(d、J=2.14Hz、1H)。
【0100】
工程2:2−アミノ−4−フェニルスルホニルフェノール
【化27】
中間体3に記載の方法に従って、4−フェニルスルホニル−2−ニトロフェノールから表題化合物を合成した。
収量:3.4g(89%);
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:5.03(bs、2H)、6.74−6.76(d、J=8.2Hz、1H)、6.98−7.00(dd、J=2.12、8.16Hz、1H)、7.07−7.08(d、J=2.08Hz、1H)、7.54−7.63(m、3H)、7.79−7.81(d、J=7.2Hz、2H)、10.2(bs、1H);質量スペクトル(m/z):248.4(M−H)
+。
【0101】
工程3:tert−ブチル 4−(5−フェニルスルホニル−2−ヒドロキシフェニルアミノ)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート
【化28】
中間体4に記載の方法に従って、2−アミノ−4−フェニルスルホニルフェノールから表題化合物を合成した。本化合物をジアステレオマー混合物として単離した。
収量:2.4g(85%);質量スペクトル(m/z):449.1(M−H)
+。
【0102】
工程4:tert−ブチル 4−[5−フェニルスルホニル−2−(2−クロロエトキシ)フェニルアミノ]−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート
【化29】
中間体5に記載の方法に従って、tert−ブチル 4−(5−フェニルスルホニル−2−ヒドロキシ−フェニルアミノ)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレートから表題化合物を合成した。本化合物をジアステレオマー混合物として単離した。
収量:1.87g(68%);HPLC(40.3%、53.7%);質量スペクトル(m/z):513.2(M+H)
+。
【0103】
工程5:tert−ブチル 4−(6−フェニルスルホニル−3,4−ジヒドロベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート
【化30】
中間体6に記載の実験方法に従って、tert−ブチル 4−[5−フェニルスルホニル−2−(2−クロロエトキシ)フェニルアミノ]−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレートから表題化合物を合成した。本化合物をジアステレオマー混合物として単離した。
収量:0.39g(23%);HPLC(40.3%、53.7%);質量スペクトル(m/z):477.2(M+H)
+。
【0104】
工程6:ラセミ−6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩
【化31】
実施例1に記載の方法に従って、tert−ブチル 4−(6−フェニルスルホニル−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレートから表題化合物を合成した。本化合物をジアステレオマー混合物として単離した。
収量:0.62g(87%);HPLC(47.08%、47.30%);質量スペクトル(m/z):377.2(M+H)
+。
【0105】
実施例14〜17:下記の方法を用いて、6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(実施例13)のキラル分離により実施例14〜17を得た。
方法:カラムID:250×4.6mm、5μm、Chiralpak IC;移動相:0.1% ジエチルアミン メタノール溶液;流速:1mL/分;温度:25℃;波長:243nM。
【0106】
実施例14:
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークI)
キラルHPLC 93.5%、(RT:5.2分)、質量スペクトル(m/z):377.1(M+H)
+。
【0107】
実施例15:
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークII)
キラルHPLC 98.1%、(RT:5.9分)、質量スペクトル(m/z):377.5(M+H)
+。
【0108】
実施例16:
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIII)
キラルHPLC 96.50%、(RT:8.1分)、質量スペクトル(m/z):377.1(M+H)
+。
【0109】
実施例17:
6−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIV)
キラルHPLC 98.1%、(RT:15.1分)、質量スペクトル(m/z):377.0(M+H)
+。
【0110】
実施例18:
7−フェニルスルホニル−4−[3−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)ピペリジン−4−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIII)
【化32】
撹拌している7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(0.04g、0.00009モル、実施例1)および1−ブロモ−2−フルオロエタン(0.037g、0.0003モル)のアセトニトリル(5mL)溶液にCs
2CO
3(0.097g、0.0003モル)を添加し、8時間還流した。反応混合物をその後室温まで冷却し、水(5mL)に注ぎ、酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。有機抽出物を合わせ、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して粗製物質を得て、これを酢酸エチル:メタノール(2:98)を用いてカラムクロマトグラフィーにより表題化合物に精製した。
収量:0.028g(70%)、
1H−NMR(DMSO−d
6、400MHz) δ ppm:1.26−1.32(d、J=22.3Hz、3H)、1.76−1.79(m、1H)、2.17−2.26(m、1H)、3.05−3.10(m、1H)、3.32−3.49(m、5H)、4.08−4.20(m、2H)、4.29−4.39(m、1H)、7.12−7.15(、2H)、7.31−7.33(dd、J=1.53、8.67Hz、1H)、7.54−7.64(m、3H)、7.87−7.89(d、J=7.44Hz、2H)、8.66(bs、1H)、9.53(bs、1H);質量スペクトル(m/z):423.1(M+H)
+;HPLC(%純度):99.07。
【0111】
実施例19:
7−フェニルスルホニル−4−[3−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)ピペリジン−4−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン(ピークIV)
【化33】
実施例18に記載の方法に従って、7−フェニルスルホニル−4−(3−フルオロピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン塩酸塩(実施例4)から表題化合物を合成した。
収量:0.031g(75%);
1H−NMR(CDCl
3、400MHz) δ ppm:1.62−1.68(m、1H)、2.40−2.44(m、2H)、2.78−2.86(m、2H)、3.16−3.18(m、1H)、3.30−3.33(m、1H)、3.45−3.48(m、2H)、3.59−3.63(m、1H)、3.64−3.69(m、1H)、4.14−4.17(m、2H)、4.53−4.57(m、1H)、4.65−4.69(m、1H)、4.82−4.94(d、J=49.35Hz、1H)、6.56−6.58(d、J=8.72Hz、1H)、7.29−7.30(m、1H)、7.11−7.52(m、4H)、7.89−7.91(d、J=7.27Hz、2H);質量スペクトル(m/z):423.4(M+H)
+;HPLC(%純度):98.71。
【0112】
実施例20:
5−HT
6受容体についてのK
bの決定:
組み換えヒト5−HT
6受容体およびpCRE−Lucレポーター系を発現する安定なCHO細胞株を細胞ベースアッセイに使用した。このアッセイは化合物のGPCRへの結合を決定するための非放射性アプローチを提供する。この特異的アッセイにおいて、受容体の活性化または阻害により調節される細胞内サイクリックAMPレベルが測定される。組み換え細胞は、cAMP応答配列の制御下でルシフェラーゼレポーター遺伝子を有する。10% ウシ胎仔血清(FBS)を含むHams F12培地を用いて、上記細胞を96ウェル透明底白色プレートに5×10
4細胞/ウェルの密度で播種し、37℃、5% CO
2で一晩インキュベートし、続いて18〜20時間血清飢餓させた。増加させた濃度の試験化合物を10μM セロトニン Opti−MEM溶液とともに細胞に添加した。CO
2インキュベーター内で、37℃でインキュベートを4時間継続した。4時間後、溶解緩衝液を用いて細胞を溶解し、ルシフェラーゼアッセイ緩衝液を各ウェルに添加し、発光カウンターを用いて1秒ごとのカウントを記録した。得られた1秒ごとのカウント(CPS)から、10μM 5−HTを100%結合とし、ビークルを0%結合とすることにより、各ウェルについてパーセント結合を計算した。パーセント結合値を化合物濃度に対してプロットし、Graph pad Prism 4ソフトウェアの非線形カーブフィッティングコンピュータプログラムを用いてデータを解析した。アッセイに使用されたアゴニストの濃度を用いてK
b値を計算した。
引用文献:
Br. J. Pharmacol. 2006, 148, 1133-1143
Mol. Brain Res. 2001, 90, 110-117
【0113】
5−HT
2A結合の決定:
組み換えヒト5−HT
2A細胞株由来膜調製物(カタログ番号ES−313−M400UA)および放射性リガンドケタンセリン塩酸塩、[エチレン−
3H]−(R−41468)(カタログ番号NET791250UC)をPerkin Elmerから購入した。緩衝液調製に使用される全ての他の試薬をSigmaから購入した。最終リガンド濃度は1.75nMであった;非特異的決定因子は1−NP[10μM]および5−HT
2A膜タンパク質(5μg/ウェル)であった。陽性対照として1−NPを用いた。0.5mM EDTA緩衝液を含む67mM Tris pH 7.6中、25℃で60分間反応を実施した。急速ろ過により反応を停止させ、0.33% ポリエチレンイミンでプレコートされた96ウェル収集プレート(Millipore カタログ番号MSFBNXB50)を用いて結合混合物を6回洗浄した。プレートを乾燥させ、MicroBeta TriLuxを用いるシンチレーションカウントにより、ろ紙上に回収した結合した放射活性を決定した。非標識化合物の存在下で結合している放射性リガンドを全結合のパーセントとして表し、化合物の濃度に対してプロットした。Graph pad Prism 4ソフトウェアの非線形反復的カーブフィッティングコンピュータプログラムを用いてK
i値を決定した。
引用文献:
J. Pharmacol. Exp. Ther. 1993, 265, 1272-1279
【0114】
【表2】
結論:
上記データは、本発明の化合物が米国特許第7378415号の比較実例化合物と比較して5−HT
2A受容体に対する高い選択性を示すことを明確に示す。
【0115】
比較例:
7−フェニルスルホニル−4−(ピペリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン。
比較例化合物は、米国特許第7378415号の方法のとおりに合成される。
【0116】
実施例21:
齧歯類薬物動態研究
雄性Wistarラット(260±50グラム)を実験動物として使用した。動物をポリプロピレン製ケージで個々に飼育した。試験2日前に、頸静脈カテーテルの外科的埋入のために、雄性Wistarラットにイソフルランで麻酔をかけた。ラットを経口(3mg/kg)および静脈内(1mg/kg)投与のために無作為に分割し(n=3/群)、経口投与(p.o.)前に一晩絶食させた。しかしながら、静脈内投与に割り当てたラットには、餌および水を不断で与えた。
【0117】
所定の位置で、頸静脈を経て血液を採取し、同体積の生理食塩水を補充した。採取した血液を、10μLの抗凝固剤としてのヘパリンを含むラベル付きのエッペンドルフチューブに移した。典型的に、次の時点:投与後0.08時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間および24時間で血液サンプルを採取した。血液を4000rpmで10分間遠心分離した。血漿を分離し、分析まで−80℃で凍結保存した。適切な抽出技術を用いて、クオリファイド(qualified)LC−MS/MS法により試験化合物の濃度を定量化した。試験化合物を血漿中の較正範囲約1〜1000ng/mLで定量化した。バッチ中の較正サンプルおよびバッチに全体に広がる品質管理サンプルを用いて、試験サンプルを分析した。
【0118】
Phoenix WinNonlin 6.2または6.4バージョンソフトウェアパッケージを用いることにより、標準的な非隔壁モデルを用いた非隔壁モデルにより薬物動態パラメーターC
max、AUC
t、T
1/2、クリアランスおよびバイオアベイラビリティ(F)を計算した。
【表3】
【0119】
実施例22:
齧歯類脳浸透研究
雄性Wistarラット(260±40グラム)を実験動物として使用した。3匹の動物をそれぞれのケージで飼育した。試験中、動物に不断で水および餌を与え、12時間の明/暗サイクルに維持した。
【0120】
ラットにおいて、脳透過性を個別的方式で決定した。投与日の1日前に、雄性Wistarラットを順応させ、それらの体重に応じて無作為にグループ化した。各時点(0.50時間、1時間および2時間)で、n=3の動物を使用した。
【0121】
試験化合物を適切に製剤化し、3mg/kg(遊離塩基当量)経口投与した。イソフルラン麻酔を用いることにより、血液サンプルを心臓穿刺により採取した。脳組織を採取するために、動物を屠殺した。血漿を分離し、脳サンプルをホモジナイズし、分析まで−20℃で凍結保存した。LC−MS/MS法を用いて、血漿および脳中の試験化合物の濃度を決定した。
【0122】
適切な抽出技術を用いて、クオリファイドLC−MS/MS法により血漿および脳ホモジネート中で試験化合物を定量化した。血漿および脳ホモジネート中の較正範囲1〜1000ng/mLで試験化合物を定量化した。バッチ中の較正サンプルおよびバッチに全体に広がる品質管理サンプルを用いて、試験サンプルを分析した。脳−血漿比(Cb/Cp)の程度を計算した
【表4】
【0123】
実施例23:
物体認識タスクモデル
認識、すなわち物体認識タスクの動物モデルを用いて、本発明の化合物の認識向上特性を評価した。
【0124】
雄性Wistarラット(約230〜280グラム)を実験動物として使用した。4匹の動物をそれぞれのケージで飼育した。1日前に動物に20%の摂食制限をさせ、試験中水は不断で与え、12時間明/暗サイクルに維持した。ラットを物体が全く存在しない状態で20時間、個々の試験場に慣れさせた。
【0125】
12匹のラットの一群は、ビークル(1mL/kg)を経口で与えられ、動物の別の一群は、馴染(T1)および選択試験(T2)の30分前に式(I)の化合物を与えられた。
【0126】
アクリル製の50×50×50cmのオープンフィールドで試験を実施した。体験(familiarization)期(T1)の間、黄色のマスキングテープで覆われた2つの同一の物体(プラスチックボトル、高さ12.5×直径5.5cm)(a1およびa2)のみが2箇所の隣接する角(壁から10cm)に配置されたオープンフィールドにラットを3分間、個別に入れた。(T1)試験の24時間後、同一のラットをT1試験で入れたときと同一の試験場に入れた。選択期(T2)中、1個の馴染物体(a3)および1個の新奇物体(b)(飴色のガラスボトル、高さ12cmおよび直径5cm)の存在下、ラットに3分間、オープンフィールドを探索させた。T1およびT2試験中、各物体の探索(匂いを嗅ぐ、舐める、噛むまたは1cm未満の距離で物体に鼻を向けながら感覚毛を動かすと定義される)をストップウォッチにより別々に記録した。
T1は馴染物体(a1+a2)を探索するのに費やした合計時間である。
T2は馴染物体および新奇物体(a3+b)を探索するのに費やした合計時間である。
引用文献:
Behavioural Brain Research, 1988, 31, 47-59
【表5】
【0127】
実施例24:
非臨床的毒物学
本発明の実施例1の化合物と米国特許第7378415号の比較例化合物の安全性を、ラットにおける反復用量毒性試験で評価した。
【0128】
本発明の実施例1の化合物と米国特許第7378415号の比較例化合物の毒性プロファイルを評価するために、雌性ラットを試験動物として使用した。
【0129】
試験中、雌性ラットに漸増用量で最短4日間投与した。死亡率、臨床所見、体重変化、摂食量、臨床的および解剖学的病理について毒性評価を実施した。全身曝露もまた、両化合物について評価した。一元配置ANOVAおよびその後にGraphPad Prism ソフトウェア、バージョン4、2003でのダネットポストホック検定を使用して、全ての定量的変数を対照群と比較した。
【表6】
【0130】
結果:
試験された前臨床動物種において、実施例1の化合物は、米国特許第7378415号の比較例化合物と比較して驚くほど優れた安全性プロファイルを示した。実施例1の化合物が投与された試験において、300mg/kg程度の高用量および38100ng*h/mL(AUC)程度の高さに達する血漿曝露での死亡は観測されなかった。対照的に、米国特許第7378415号の比較例化合物を評価した試験において、用量>100mg/kgで投与2日目に死亡が観測され、見られた血漿濃度は4050ng*h/mL(AUC)程度の低さであった。
【0131】
実施例25:
雄性Wistarラットの海馬前面におけるアセチルコリン調節の評価
実験方法:
イソフルラン麻酔下、4群の雄性Wistarラット(240〜300g体重)に、微小透析ガイドカニューレを腹側海馬(AP:−5.2mm、ML:+5.0mm、DV:−3.8mm)に定位的に埋入した。十字縫合および頭蓋骨から垂直にとられた基準点を用いて、ラット脳のアトラス(PaxinosおよびWatson 2004)に従って座標をとった。ラットを丸底プレキシガラスボウルで4〜5日間、飼料および水を自由に摂取させながら、別々に回復させた。
【0132】
4〜5日の術後回復の後、雄性Wistarラットを、動物の無制限の行動を可能にする天秤レバーアーム上で二重石英裏打ち2チャンネル液体スイベル(Instech、イギリス)と接続した。試験の開始16時間前に、予め平衡化した微小透析プローブ(4mmの透析膜)をガイドカニューレにより腹側海馬に挿入した。試験日に、プローブを流速1.5μL/分で、人工脳脊髄液(aCSF;NaCl 147mM、KCl 3mM、MgCl
2 1mM、CaCl
2・2H
2O 1.3mM、NaH
2PO
4・2H
2O 0.2mMおよびNa
2HPO
4・7H
2O 1mM、pH 7.2)で灌流し、2時間の安定化時間維持された。実施例1の化合物(10mg/kg、p.o.)またはビークルの処置前に、5つの基底サンプルを20分間隔で採取した。
【0133】
2群の雄性Wistarラットに、実施例1の化合物の投与30分後にドネペジル(1mg/kg、s.c.)を投与し、別の群のラットに、実施例1の化合物の投与30分後にドネペジル(1mg/kg、s.c.)+メマンチン(1mg/kg、s.c.)組合せ剤を投与した。実施例1の化合物の処置後さらに4時間、透析液サンプルを採取した。透析液を分析前に−50℃以下で保存した。
【0134】
アセチルコリンの定量
0.099nmol/L〜70.171nmol/Lの較正範囲でLC−MS/MS法を用いて透析液中のアセチルコリンを定量化した。
【0135】
統計分析
アセチルコリンについての全ての微小透析データを、5つの投与前値の平均を100%として定義した平均透析液基底濃度からのパーセント変化としてプロットした。二元配置分散分析(時間および処置)、その後のボンフェローニ事後検定を用いて、アセチルコリンレベルにおけるパーセント変化をドネペジル単独またはドネペジルおよびメマンチンの組合せ剤と比較した。アセチルコリンレベルにおけるパーセント変化についての曲線下面積(AUC)値を計算し、一元配置ANOVA、その後のデュネット検定を用いて平均AUC値との統計的有意差をドネペジル単独およびドネペジルまたはメマンチン組合せ剤処置と比較した。統計的有意差はp値0.05未満で考慮した。不正確なプローブ配置は動物からのデータを排除する基準として考慮した。
引用文献:Paxinos G. and Watson C. (2004) Rat brain in stereotaxic coordinates. Academic Press, New York.
【0136】
結果:
(I)ドネペジル(1mg/kg、s.c.)での処置は海馬におけるアセチルコリンレベルの増加をもたらし、最大で基底レベルの888±85%に達した。実施例1の化合物(10mg/kg、p.o.)とドネペジル(1mg/kg、s.c.)の組合せ剤はアセチルコリンレベルの有意な増加をもたらし、ピークレベルは最大で投与前レベルの1445±247%に達した(
図1a)。
【0137】
実施例1の化合物(10mg/kg、p.o.)とドネペジルの組合せ剤処置後に計算した平均曲線下面積値(AUC)は、ドネペジル(1mg/kg、s.c.)単独と比較して有意に高かった(
図1b)。
【0138】
(II)ドネペジル(1mg/kg、s.c.)とメマンチン(1mg/kg、s.c.)の組合せ剤での処置は、最大で基底レベルの1170±270%の海馬におけるアセチルコリンレベルの増加をもたらした。実施例1の化合物(10mg/kg、p.o.)とドネペジル(1mg/kg、s.c.)およびメマンチン(1mg/kg、s.c.)の組合せ剤は有意なアセチルコリンレベルの増加をもたらし、ピークレベルは最大で投与前レベルの2822±415%に達した(
図2(a))。
【0139】
実施例1の化合物(10mg/kg、p.o.)、ドネペジル(1mg/kg、s.c.)およびメマンチン(1mg/kg、s.c.)の処置後に計算した平均曲線下面積値(AUC)は、ドネペジル(1mg/kg、s.c.)およびメマンチン(1mg/kg、s.c.)の組合せ剤と比較して有意に高かった(
図2(b))。