特許第6808162号(P6808162)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6808162
(24)【登録日】2020年12月11日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】屋根における諸部材の取付装置
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/00 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
   E04D13/00 B
   E04D13/00 K
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-224404(P2016-224404)
(22)【出願日】2016年11月17日
(65)【公開番号】特開2018-80532(P2018-80532A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2019年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】593054860
【氏名又は名称】スワロー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100063819
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 理一
(72)【発明者】
【氏名】原田 雅史
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 正則
(72)【発明者】
【氏名】野澤 良介
【審査官】 前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−124665(JP,A)
【文献】 特開2010−285799(JP,A)
【文献】 特開2011−052519(JP,A)
【文献】 特開昭59−114366(JP,A)
【文献】 特開2008−174998(JP,A)
【文献】 米国特許第05613328(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/00、13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部材の全体が適当長さに成る外枠体の長手方向の左右両側端部に曲折部を設けるとともにこの両曲折部の適当間隔部には凹溝部を対設し、前記固定部材の外枠体の内部に摺動可能な内枠体を,その一端両側部に内凹溝部につづく長溝孔部を設けるとともにその中間部に内凹溝部につづく長溝孔部を設け、前記内枠体が前記外枠体内部の摺動時に、外枠体の一凹溝部と内枠体の内凹溝部につづく長溝孔部とが、また外枠体の他凹溝部と内枠体の他内凹溝部につづく長溝孔部とがそれぞれ接離開閉し得るようにし、前記内枠体の一端部の左右両側に外方に曲折した停止部を設け、前記内枠体の底面部適所に長孔を設け、この長孔に取付けるべき屋根構造部への取付け具を連結する螺子を臨設して成ることを特徴とする屋根における諸部材の取付装置。
【請求項2】
固定部材の全体が適当長さに成る外枠体の長手方向の左右両側端部に曲折部を設けるとともにこの両曲折部の適当間隔部には凹溝部を対設し、前記固定部材の外枠体の内部に摺動可能な内枠体を,その一端両側部に内凹溝部につづく長溝孔部を設けるとともにその中間部に内凹溝部につづく長溝孔部を設け、前記内枠体が前記外枠体内部の摺動時に、外枠体の一凹溝部と内枠体の内凹溝部につづく長溝孔部とが、また外枠体の他凹溝部と内枠体の他内凹溝部につづく長溝孔部とがそれぞれ接離開閉し得るようにし、前記内枠体の一端部の左右両側に外方に曲折した停止部を設け、この停止部に設けた通口と前記外枠体の一端部に設けた突片部の通口との間を螺子にて締結し得るようにし、前記外枠体の底面部には凸底部を形成し、この外枠体の凸底部の適所に屋根構造部への取付け具を連結する螺子を臨設して成ることを特徴とする屋根における諸部材の取付装置。
【請求項3】
固定部材の全体が適当長さに成る外枠体の長手方向の左右両側端部に曲折部を設けるとともにこの両曲折部の適当間隔部には凹溝部を対設し、前記固定部材の外枠体の内部に摺動可能な内枠体を,その一端両側部に内凹溝部につづく長溝孔部を設けるとともにその中間部に内凹溝部につづく長溝孔部を設け、前記内枠体が前記外枠体内部の摺動時に、外枠体の一凹溝部と内枠体の内凹溝部につづく長溝孔部とが、また外枠体の他凹溝部と内枠体の他内凹溝部につづく長溝孔部とがそれぞれ接離開閉し得るようにし、前記内枠体の一端部の左右両側に外方に曲折した停止部を設け、前記内枠体の底面部適所に長孔を設け、この長孔に取付けるべき屋根構造部への取付け具を連結する螺子を臨設して成ることを特徴とする屋根における雪止め材取付装置。
【請求項4】
固定部材の全体が適当長さに成る外枠体の長手方向の左右両側端部に曲折部を設けるとともにこの両曲折部の適当間隔部には凹溝部を対設し、前記固定部材の外枠体の内部に摺動可能な内枠体を,その一端両側部に内凹溝部につづく長溝孔部を設けるとともにその中間部に内凹溝部につづく長溝孔部を設け、前記内枠体が前記外枠体内部の摺動時に、外枠体の一凹溝部と内枠体の内凹溝部につづく長溝孔部とが、また外枠体の他凹溝部と内枠体の他内凹溝部につづく長溝孔部とがそれぞれ接離開閉し得るようにし、前記内枠体の一端部の左右両側に外方に曲折した停止部を設け、この停止部に設けた通口と前記外枠体の一端部に設けた突片部の通口との間を螺子にて締結し得るようにし、前記外枠体の底面部には凸底部を形成し、この外枠体の凸底部の適所に屋根構造部への取付け具を連結する螺子を臨設して成ることを特徴とする屋根における雪止め材取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の屋根に設置する諸部材の取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物の屋根には各種形態のものが存するところ、住宅・工場等の建築物の屋根としては瓦棒葺や竪平葺などの屋根が普及しているが、これらの屋根面に設置する雪止め部材その他諸部材の取付装置は、設置する位置が固定するような設計であるため、取付部材にとって不便であったことに鑑み、本発明は屋根面における諸部材の取付け状況に合わせて最適位置に設置できるようにする装置を提供することを目的とするものである。
【0003】
そのための手段として、本発明は瓦棒葺や竪平葺などの各屋根の構造体に適合するアタッチメントを用いてスライドできる金具部材を用意し、適位置に当該部材を保持固定するようにするものであり、上部に所定構成の雪止め材などの諸部材を左右方向に懸架して取付けるのである。これに関係する公知の特許文献としては、次のようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−173179号公報
【特許文献2】特開2015−221987号公報
【0005】
特許文献1は、瓦下の屋根板に固着する屋根取付部と、瓦屋根上に位置するアングル装着部とを備え、アングル装着部を対向する金属板で構成する嵌入部で形成し、アングル挟持機能を付与した瓦屋根用の雪止め金具である。
【0006】
特許文献2は、軒側挟持部と棟側挟持部とを、金具本体の上方から位置変更操作するための長窓状操作用窓部を金具本体の上部に設け、操作用窓部の上方をスライド移動可能な移動体を金具本体の上部に設け、移動体に屋根上設置物を固定する固定ボルトを設けた横葺屋根用の屋根上設置物取付金具である。
【0007】
以上の公知文献には、建築物の葺屋根面に雪止め部材の取付金具を固定し、この取付金具の上側面部に可動材をスライドすることにより、該部材を固定するものは存するが、この可動材を適位置に調整移動して固定保持するものは存しないから、長尺の雪止め部材などを懸架してこれを適位置において固定設置するという手段は存しなかったといえるのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、任意構造の屋根面において、雪止め部材その他の比較的大型の各種諸部材を設置するために、その諸部材の取付けのための固定部材を、適位置まで前後方向にスライド調整することを可能にするとともに安全かつ安定的に取り付けることができる治具と取付装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、固定部材の全体が適当長さに成る外枠体の長手方向の左右両側端部に曲折部を設けるとともにこの両曲折部の適当間隔部には凹溝部を対設し、前記固定部材の外枠体の内部に摺動可能な内枠体を,その一端両側部に内凹溝部につづく長溝孔部を設けるとともにその中間部に内凹溝部につづく長溝孔部を設け、前記内枠体が前記外枠体内部の摺動時に、外枠体の一凹溝部と内枠体の内凹溝部につづく長溝孔部とが、また外枠体の他凹溝部と内枠体の他内凹溝部につづく長溝孔部とがそれぞれ接離開閉し得るようにし、前記内枠体の一端部の左右両側に外方に曲折した停止部を設け、前記内枠体の底面部適所に長孔を設け、この長孔に取付けるべき屋根構造部への取付け具を連結する螺子を臨設して成るものである。
【0010】
また本発明は、固定部材の全体が適当長さに成る外枠体の長手方向の左右両側端部に曲折部を設けるとともにこの両曲折部の適当間隔部には凹溝部を対設し、前記固定部材の外枠体の内部に摺動可能な内枠体を,その一端両側部に内凹溝部につづく長溝孔部を設けるとともにその中間部に内凹溝部につづく長溝孔部を設け、前記内枠体が前記外枠体内部の摺動時に、外枠体の一凹溝部と内枠体の内凹溝部につづく長溝孔部とが、また外枠体の他凹溝部と内枠体の他内凹溝部につづく長溝孔部とがそれぞれ接離開閉し得るようにし、前記内枠体の一端部の左右両側に外方に曲折した停止部を設け、この停止部に設けた通口と前記外枠体の一端部に設けた突片部の通口との間を螺子にて締結し得るようにし、前記外枠体の底面部には凸底部を形成し、この外枠体の凸底部の適所に屋根構造部への取付け具を連結する螺子を臨設して成るものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る取付具は、主として屋根の軒先部に設置するものであるから、葺屋根材の法面に太陽光発電システムを設置した屋根であろうと設置していない通常の屋根であろうと、本装置を支障なく安全かつ確実に設置することができるのである。
【0012】
また、屋根材の種類を問わず、広告看板や雪止め具などの諸部材を所望位置に自由かつ確実に調整しながら取付け設置することができるのである。
【0013】
このように屋根上に取付ける諸目的の取付部材を、本発明の構成によって設置するものであるから、その利用性は広範囲なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1の固定部材の開口時の斜視図
図2】同上固定部材の開口時の別斜視図
図3】同上固定部材の開口時の平面図
図4図3A−A線の断面図
図5図3B−B線の断面図
図6】実施例1の固定部材の閉口時の斜視図
図7】同上固定部材の閉口時の別斜視図
図8】同上固定部材の閉口時の平面図
図9図8C−C線の断面図
図10図8D−D線の断面図
図11】実施例2の固定部材の開口時の斜視図
図12】同上固定部材の開口時の別斜視図
図13】同上固定部材の開口時の平面図
図14図13E−E線の断面図
図15図13F−F線の断面図
図16】実施例2の固定部材の閉口時の斜視図
図17】同上固定部材の閉口時の別斜視図
図18】同上固定部材の閉口時の平面図
図19図18G−G線の断面図
図20図18H−H線の断面図
図21】竪平葺屋根に実施例1の固定部材を介して雪止め材を取り付けた実施例の正斜視図
図22図21の実施例1の背斜視図
図23図21の実施例1の左側面図
図24図21の実施例1の平面図
図25】竪平葺き屋根部への本固定部材の開口時の図3A−A線の断面図
図26】竪平葺き屋根部への本固定部材の開口時の図3B−B線の断面図
図27図25の本固定部材の閉口時の図3A−A線の断面図
図28図26の本固定部材の閉口時の図3B−B線の断面図
図29】竪平葺屋根に実施例2の固定部材を介して雪止め材を取付けた実施例の正斜視図
図30図29の実施例2の背斜視図
図31図29の実施例2の左側面図
図32】竪平葺屋根部への本固定部材の開口時の図13E−E線の断面図
図33】竪平葺屋根部への本固定部材の開口時の図13F−F線の断面図
図34図32の本固定部材の閉口時の図13E−E線の断面図
図35図33の本固定部材の閉口時の図13F−F線の断面図
図36】瓦棒葺屋根に実施例1の固定部材を介して雪止め材を取付けた実施例の正斜視図
図37図36の実施例1の背斜視図
図38図36の実施例1の左側面図
図39図36の実施例1の平面図
図40】瓦棒葺屋根に実施例2の固定部材を介して雪止め材を取付けた実施例の正斜視図
図41図40の実施例2の背斜視図
図42図40の実施例2の左側面図
図43】瓦棒葺屋根への本固定部材の開口時の図3A−A線の断面図
図44】瓦棒葺屋根への本固定部材の開口時の図3B−B線の断面図
図45】瓦棒葺屋根への本固定部材の閉口時の図8C−C線の断面図
図46】瓦棒葺屋根への本固定部材の閉口時の図8D−D線の断面図
図47】瓦棒葺屋根への本固定部材の開口時の図13E−E線の断面図
図48】瓦棒葺屋根への本固定部材の開口時の図13F−F線の断面図
図49】瓦棒葺屋根への本固定部材の閉口時の図13E−E線の断面図
図50】瓦棒葺屋根への本固定部材の閉口時の図13F−F線の断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施例1についていえば、取付ける部材を屋根構造部に合わせるべく、使用すべき固定部材1を選ぶが、本発明にあっては、図示した竪平葺屋根と瓦棒葺屋根の各構造部の場合における雪止め材の取付け作用について説明する。
【0016】
まず竪平葺屋根aへの取付け状態は図21乃至図28に示しているが、この取付け状態にするためには、基本的にはまず図1乃至図10に示した固定部材1を使用する。
【0017】
この固定部材1は外枠体2と内枠体3とから成り、前記外枠体には前後部に間隔をおいて左右両側部に凹溝部5,5,5,5を設けるとともに、前記内枠体にも前後部に間隔をおいて左右両側部に内凹溝部8,8,8,8を設けているから、この外枠体2が有する凹溝部と内枠体3が有する内凹溝部との間に、隣接する竪平屋根部aに懸架する雪止め材xその他の部材の定置板yを嵌置する。しかる後に、外枠体2内の内枠体3の一端部に設けた摘み部9に指掛けして内枠体を外枠体2内を摺動するようになる。
【0018】
すると、内枠体3の前後部の内凹溝部8,8,8,8に前記雪止め具xの定置板yが載置するとともに長溝孔部7,7,7,7の上側部7’,7’,7’,7’が前記定置板yを上側方より抑止するように位置することになるから、内枠体3の底面部の前後部に設けた長孔12,13に挿入している外枠体2の底面部外から突設した雄螺子10,10の位置が、前記内枠体の長孔12,13内の一端部から他端部へ移動して停止する。
【0019】
しかる後に、固定部材1の外枠体2の底面部から突設して内枠体3の長孔12,13上に配置された雄螺子10,10に雌螺子11,11を締結する。すると、この段階において、実施例1の固定部材1は竪平屋根構造部に締着して連結するから、竪平葺屋根a面に雪止め具xなどの諸部材が取付け具bを介して設置されるようになるのである。
【0020】
また、瓦棒葺屋根cへの取付け状態は図36乃至図39に示しているが、この取付け状態にするためにも、基本的には図1乃至図10に示した固定部材1を使用する。この固定部材1その他の構成と作用は、前記竪平葺屋根aへの取付け手段について説明したことと同じである。即ち、実施例1の固定部材1を瓦棒屋根構造部に締着して連結した時は、瓦棒葺屋根c面に所定の雪止め材xその他の諸部材が取付け具dを介して設置されるようになるのである。
【0021】
次に実施例2についていえば、取付ける部材を屋根構造部に合わせるべく、使用すべき固定部材1を選ぶが、本発明にあっては、図示した竪平葺屋根と瓦棒葺き屋根の各構造部の場合における雪止め材の取付け作用について説明する。
【0022】
まず竪平葺屋根aへの取付け状態は図29乃至図35に示しているが、この取付け状態にするためには、基本的には図11乃至図20に示した固定部材1を使用する。
【0023】
この固定部材1は外枠材2と内枠材3とから成り、前記外枠体には前後部に間隔をおいて左右両側部に凹溝部5,5,5,5を設けるとともに、前記内枠体にも前後部に間隔をおいて左右両側部に内凹溝部8,8,8,8を設けているから、この外枠体2が有する凹溝部と内枠体3が有する内凹溝部との間の左右両側部に、隣接する竪平葺屋根部aに懸架する雪止め材xの定置板yを嵌置した後、内枠体3を移動して定位置で停止する。
【0024】
しかる後に、外枠体2の凸底部20,20内にその底面通孔21から突設している雄螺子10,10に対し雌螺子11,11を締結する。すると、この段階において、固定部材1は竪平屋根構造部に締着して連結することになるから、竪平葺屋根部a面に所定の雪止め材xその他の諸部材が取付け具dを介して設置されるようになる。
【0025】
また、瓦棒葺屋根部cへの取付け状態は図40乃至図46に示しているが、この取付け状態にするためにも、実施例2の固定部材1を瓦棒葺屋根構造部に締着して連結すれば、瓦棒葺屋根部c面に所定の雪止め材xその他の諸部材が取付け具dを介して設置されるようになる。
【実施例1】
【0026】
実施例1にあっては、図1乃至図10は内外二重構成の外枠体2と内枠体3とから成る固定部材1を示し、その内枠体3は外枠体2の内部において後記内方曲折部4,4をガイドに前後方向に摺動し得るようになるもので、両者の長さは同一である。
【0027】
前記外枠体2の左右両側部の上端部には任意長さの内方曲折部4,4を形成するが、この左右両内方曲折部は任意間隔をおいて凹溝部5,5,5,5を設けている。この両凹溝部の凹巾長さは同一である。
【0028】
前記外枠体2の内部には、同一巾形状に成る内枠体3が配置され摺動し得るようになるところ、この内枠体の左右両側部の一端部には外方向に摺動を停止する停止部6,6を設ける。
【0029】
前記外枠体内部の内枠体3の左右両側部には、他端部と中間部に長溝孔部7,7,7,7をそれぞれ設けているが、各長溝孔部7,7,7,7は内凹溝部8,8,8,8の底辺部の延長線上にあり、この各長溝孔部7,7,7,7は内枠体3の前後摺動時には前記外枠体2の凹溝部5,5,5,5の内側面部にそれぞれ接して凹溝部を閉口するようになる。即ち、内枠体3が摺動してその一端部の停止部6,6が外枠体2の一端部に接して停止した時は、内枠体3の長溝孔部7,7,7,7の上側部7’,7’,7’,7’が外枠体2の凹溝部5,5,5,5の位置に移動し、その開口部分を覆うようになる。
【0030】
9は前記内枠体3の底面部の一端部に設けた摘み部で、この摘み部は外枠体2の内部における内枠体の摺動時に指先を掛けることになる。
【0031】
10,10は前記外枠体2の底面部の前後2箇所に設けた雄螺子で、底面部から突設するこの雄螺子は前記内枠体3の底面部の前後部に設けた形状の異なる長孔12,13にそれぞれ挿入し、外枠体2内部を摺動する内枠体3を所定位置に固定するために、長孔12,13上において雌螺子11,11をそれぞれ締結するようにするが、前記雄螺子10,10の頭部はその下方部に取付く屋根構造材a,cの取付金具b,dの上側部から外枠体2の通孔と内枠体3の長孔12,13とに挿入して雌螺子11,11にて締結する。
【実施例2】
【0032】
実施例2にあっては、図11乃至図20は内外二重構成の外枠体2と内枠体3から成る固定部材1を示し、その内枠体3は外枠体2の内部において後記内方曲折部4,4をガイドに前後方向に摺動し得るようになるが、これと実施例1との相違点は、内外両枠体の形状と両枠体の固定手段と屋根材取付具との連結固定手段にある。即ち、外枠体2はその底面部中央が外方に凸設する凸底部20を形成し、内枠体3の底面部とは離間状態にある。
【0033】
前記外枠体2の左右両側部の上端部には任意長さの内方曲折部4,4を形成し、この左右両内方曲折部の前後部には任意間隔をおいて凹溝部5,5,5,5を設けている。この両凹溝部の凹巾長さは同一である。
【0034】
前記外枠体2の内部には、同一巾形状に成る内枠体3が配置され摺動し得るようになるが、この内枠体の左右両側部の一端部には外方向に摺動を停止する停止部14,14を設ける。
【0035】
前記外枠体内部の内枠体3の左右両側部には、その一端部と他端部に長溝孔部7,7,7,7をそれぞれ設けているが、各長溝孔部7,7,7,7は内凹溝部8,8,8,8の底辺部の延長線上にあり、この各長溝孔部は内枠体3の摺動時には前記外枠体2の凹溝部5,5,5,5の内側面部にそれぞれ接合して凹溝部を閉口するようになる。即ち、内枠体3が摺動してその一端部の停止部6,6が外枠体2の一端部に接して停止した時は、内枠体3の長溝孔部7,7,7,7の上側部7’,7’,7’,7’が外枠体2の凹溝部5,5,5,5の位置に移動して、その開口部分を覆うようになる。
【0036】
前記内枠体3の一端部に設けた停止部14,14には通孔15,15を設け、この通孔には雄螺子17,17を装着し、この雄螺子は前記外枠体2の一端部に設けた突片部18,18の通孔16,16に挿通して雌螺子19,19で締結し、これによって雪止め材xその他の諸部材の屋根面への取付け位置を調整する。
【0037】
また、外枠体2の底面部に形成した凸底部20と屋根材取付け具b,dとの間は、凸底部の通孔21から突設している雄螺子10に雌螺子11を締結することにより固定するようになる。
【符号の説明】
【0038】
1 固定部材
2 外枠体
3 内枠体
4,4 内方曲折部
5,5,5,5 凹溝部
6,6 停止部
7,7,7,7 長溝孔部
7’,7’,7’,7’ 上側部
8,8,8,8 内凹溝部
9 摘み部
10,10 雄螺子
11,11 雌螺子
12 長孔
13 長孔
14,14 停止部
15,15 通孔
16,16 通孔
17,17 雄螺子
17’,17’ 雌螺子
18,18 突片部
19,19 雌螺子
20,20 凸底部
21,21 通孔
22,22 雌螺子
a 竪平葺屋根部
b 取付け具
c 瓦棒葺屋根部
d 取付け具
x 雪止め材
y 雪止め材の定置板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
図17
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図35
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図39
図40
図41
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図44
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図46
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図50