特許第6808258号(P6808258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6808258
(24)【登録日】2020年12月11日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】清掃用具
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/24 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
   A47L13/24 A
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-88506(P2020-88506)
(22)【出願日】2020年5月20日
【審査請求日】2020年6月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504135505
【氏名又は名称】ワコー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141748
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 浩司
(72)【発明者】
【氏名】石田 侃
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−522771(JP,A)
【文献】 特開平11−113825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃用シートを装着可能な清掃用具であって、
(a) 清掃面に前記清掃用シートを取り付ける取付部と、
(b) 前記取付部と接続された柄部と、
を備え、
前記清掃用シートは、少なくとも前記取付部の清掃面側を覆うように取り付けられており、
前記取付部は、
(a-1) 清掃面側に形成された第1主面を有するとともに、硬質樹脂により形成された板状の基部と、
(a-2) 少なくとも前記基部の周囲の側面を覆うように配置されており、軟質樹脂により形成された囲繞部と、
を有するとともに、
前記柄部は、前記基部の主面のうち、前記第1主面と逆側の面と接続されており、
前記取付部に含まれる前記基部および前記囲繞部のそれぞれは、少なくとも前記清掃面の長手方向に沿って湾曲可能とされていることを特徴とする清掃用具。
【請求項2】
請求項1に記載の清掃用具において、
前記囲繞部は、二次成形を用いることによって、少なくとも前記基部の周囲に形成されることを特徴とする清掃用具。
【請求項3】
請求項2に記載の清掃用具において、
前記囲繞部は、前記基部の前記第1主面と、前記基部の周囲と、を覆うように形成されていることを特徴とする清掃用具。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の清掃用具において、
前記取付部は、
(a-3) 前記基部を挟んで、前記柄部の逆側に配置されており、少なくとも前記囲繞部と接するように設けられた接触部、
をさらに備え、
前記清掃用シートは、前記接触部の主面のうち、清掃面側に形成された前記接触部の第2主面を覆うように、前記取付部に取り付けられることを特徴とする清掃用具。
【請求項5】
請求項4に記載の清掃用具において、
前記接触部は、発泡プラスチックにより形成されていることを特徴とする清掃用具。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれに記載の清掃用具において、
前記取付部は、
(a-4) 各々が、一又は複数の突起部を有するとともに、前記基部に対して回動することによって、前記取付部に対して前記清掃用シートを固定する複数の固定部、
をさらに備え、
前記一又は複数の突起部は、前記基部に設けられた対応する取付孔に挿入可能とされており、

各固定部の回動動作に従い、前記清掃用シートが各突起部とともに対応する取付孔に挿入されることによって、前記清掃用シートが前記取付部に取り付けられることを特徴とする清掃用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、厚手の払拭体を装着可能なモップが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3217186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1のモップでは、持ち柄の傾き角度を調節してヘッドの姿勢を変更することによって、洗浄面(例えば、自動車の車体表面)の傾きに追従させている。しかし洗浄面が湾曲面を有する場合、ヘッドの姿勢変更だけでは、良好な清掃を実現できない。
【0005】
そこで、本発明では、清掃対象が湾曲面を有する物であっても、良好な清掃を実現できる清掃用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、清掃用シートを装着可能な清掃用具であって、清掃面に前記清掃用シートを取り付ける取付部と、前記取付部と接続された柄部と、を備え、前記清掃用シートは、少なくとも前記取付部の清掃面側を覆うように取り付けられており、前記取付部は、清掃面側に形成された第1主面を有するとともに、硬質樹脂により形成された板状の基部と、少なくとも前記基部の周囲の側面を覆うように配置されており、軟質樹脂により形成された囲繞部と、を有するとともに、前記柄部は、前記基部の主面のうち、前記第1主面と逆側の面と接続されており、前記取付部に含まれる前記基部および前記囲繞部のそれぞれは、少なくとも前記清掃面の長手方向に沿って湾曲可能とされていることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の清掃用具において、前記囲繞部は、二次成形を用いることによって、少なくとも前記基部の周囲に形成されることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の清掃用具において、前記囲繞部は、前記基部の前記第1主面と、前記基部の周囲と、を覆うように形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の清掃用具において、前記取付部は、前記基部を挟んで、前記柄部の逆側に配置されており、少なくとも前記囲繞部と接するように設けられた接触部、をさらに備え、前記清掃用シートは、前記接触部の主面のうち、清掃面側に形成された前記接触部の第2主面を覆うように、前記取付部に取り付けられることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の清掃用具において、前記接触部は、発泡プラスチックにより形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれに記載の清掃用具において、前記取付部は、各々が、一又は複数の突起部を有するとともに、前記基部に対して回動することによって、前記取付部に対して前記清掃用シートを固定する複数の固定部、をさらに備え、前記一又は複数の突起部は、前記基部に設けられた対応する取付孔に挿入可能とされており、各固定部の回動動作に従い、前記清掃用シートが各突起部とともに対応する取付孔に挿入されることによって、前記清掃用シートが前記取付部に取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1から請求項6に記載の発明において、取付部は、少なくとも清掃面の長手方向に沿って湾曲可能とされている。これにより、清掃対象が湾曲面を有する物であっても、清掃対象に対して清掃面を良好に追従させることができる。そのため、清掃対象を良好に清掃することができる。
【0013】
特に、請求項6に記載の発明では、清掃用シートの一部は、各突起部とともに対応する取付穴に挿入させられる。そのため、取付部に対して清掃用シートを容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の形態における清掃用具の全体構成を示す縮小斜視図である(固定部:全閉鎖時)。
図2】本発明の第1の形態における清掃用具の使用状態を示す斜視図である(固定部:一方開放時)。
図3】洗浄用シートを取り付けた状態における取付部付近の平面図である。
図4】洗浄用シートを取り付けた状態における取付部付近の底面図である。
図5】本発明の第1の形態における清掃用具の正面図である(固定部:全閉鎖時)。
図6】本発明の第1の形態における清掃用具の左側面図である(固定部:全閉鎖時)。
図7】本発明の第1の形態における清掃用具の平面図である(固定部:全閉鎖時)。
図8】本発明の第1の形態における清掃用具の底面図である(固定部:全閉鎖時)。
図9図5におけるA−A部分の拡大図である。
図10図7のB−B線におけるA−A部分の拡大断面図である。
図11】本発明の第1の形態における清掃用具の正面図である(固定部:一方開放時)。
図12】本発明の第1の形態における清掃用具の背面図である(固定部:一方開放時)。
図13】本発明の第1の形態における清掃用具の左側面図である(固定部:一方開放時)。
図14】本発明の第1の形態における清掃用具の右側面図である(固定部:一方開放時)。
図15】本発明の第1の形態における清掃用具の平面図である(固定部:一方開放時)。
図16】本発明の第1の形態における清掃用具の底面図である(固定部:一方開放時)。
図17】本発明の第1の形態における清掃用具の使用状態を示す斜視図である(湾曲時)。
図18】本発明の第2の形態における清掃用具の構成の一例を示す拡大断面図である。
図19】本発明の形態における清掃用具の構成の他の例を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
<1.第1の実施の形態>
<1.1.清掃用具の全体構成>
図1および図2のそれぞれは、第1の形態における清掃用具1の全体構成を示す斜視図である。また、図3および図4は、それぞれ取付部20に清掃用シート10を取り付けた状態を示す平面図および底面図である。
【0017】
図1および図2に示すように、清掃用具1は、主として、取付部20と、柄部80と、を備える。ここで、清掃用具1は、図3および図4に示すように、取付部20に対して清掃用シート10を巻き付けた状態で装着可能とされている。すなわち、清掃用シート10は、少なくとも取付部20の清掃面20a側を覆うように取り付けられている。
【0018】
なお、図1および以降の各図には、図面に記載された各構成要素の理解を助けるため、必要に応じて適宜、Z軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系が、付されている。
【0019】
取付部20は、清掃面20aの長手方向AR1(図1および図2参照:X軸と平行な方向)に沿って湾曲可能とされている。また、図3および図4に示すように、取付部20の清掃面20aには、清掃用シート10が取付可能とされている。なお、取付部20の詳細な構成については、後述する。
【0020】
柄部80は、清掃時において清掃用具1の使用者(以下、単に、「使用者」と称する)の持ち手となる部分である。図1および図2に示すように、柄部80は、取付部20と接続されており、主として、延伸部81と、把持部83と、回動部85と、を有している。
【0021】
延伸部81は、一方向に延伸する棒体である。図1および図2に示すように、延伸部81の一端には、使用者の手で握られる把持部83が、延伸部81の他端には回動部85が、それぞれ設けられている。ここで、延伸部81は、伸縮自在に設けられても良い。
【0022】
回動部85は、取付部20に対して延伸部81を回動させる。図1および図2に示すように、回動部85は、取付部20上に設けられており、主として、揺動部86を有している。
【0023】
揺動部86は、取付部20に対して、第1回動軸85aを中心に揺動可能とされている。また、揺動部86には、自身(揺動部86自身)と交差する第2回動軸85bが設けられており、延伸部81は、揺動部86に対して第2回動軸85bを中心に回動可能とされている。
【0024】
そのため、取付部20の清掃面20aが、清掃対象(例えば、自動車のボディやフロントガラスのように、湾曲面を有するもの)に接触させられた状態で、使用者が柄部80から適切な荷重を付加すると、取付部20が、所望の姿勢となるように、回動させられる。
【0025】
<1.2.取付部の構成構成>
図5から図8は、それぞれ各固定部60(60a、60b)を閉鎖した状態の正面図、左側面図、平面図、および底面図である。また、図9は、図5におけるA−A部分の拡大図である。図10は、図7のB−B線におけるA−A部分の拡大断面図である。さらに、図11から図16は、それぞれ固定部60aを開放した状態の正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面図、および底面図である。例えば、図5に示すように、取付部20は、主として、基部30と、囲繞部40と、接触部50と、複数の固定部60(60a、60b)と、を備える。
【0026】
なお、柄部80における延伸部81の中間部分の形状は、図1および図2に示すように、連続して同一となる。そのため、延伸部81のうち一点鎖線で挟まれた部分については、図示を省略する。また、図5図6、および図11から図15のそれぞれにおける省略部分の寸法は13cmである。
【0027】
基部30は、硬質樹脂により形成された板状体である。例えば、基部30の主面30a上には、図1に示すように、柄部80の回動部85、および複数の固定部60(60a、60b)が設けられている。
【0028】
また、図2に示すように、基部30に形成された各嵌合孔32には、弾性体により形成された挿入部33が嵌め込まれており、各挿入部33には、複数(本実施の形態では、2つ)の取付孔35が形成されている。また、図10に示すように、各取付孔35からは、複数(本実施の形態では6つ)のスリット36が放射状に延びる。
【0029】
ここで、本実施の形態の基部30を形成する硬質樹脂としては、合成樹脂(プラスチック)、より具体的には、ポリカーボネイト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ABS樹脂のいずれが用いられても良い。
【0030】
また、本実施の形態の挿入部33を形成する材料としては、熱可塑性エラストマー(TPE)および熱硬化性エラストマー(ゴム)のいずれが用いられても良い。より具体的には、熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、およびポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)のいずれが用いられても良い。また、熱硬化性エラストマーとしては、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、およびシリコーンゴムのいずれが用いられても良い。
【0031】
さらに、本実施に形態において「主面」とは、板状体の外面を形成する複数の平面のうち、他と比較して面積の広い面を言う。したがって、基部30は、図10に示すように、2つの主面、すなわち、柄部80の回動部85側に形成された主面30aと、清掃面20a側に形成された主面31(第1主面)と、を有する。また、これら主面30a、31のそれぞれは、図10に示すように、XY平面と平行な位置関係になる。
【0032】
囲繞部40は、基部30とは異なった材料(軟質樹脂)により形成されている。例えば図7および図10に示すように、囲繞部40は、基部30の周囲に配置されている。すなわち、囲繞部40は、基部30の主面31側および清掃面20a側のそれぞれが開口する筒状体としての形態を有する。
【0033】
ここで、本実施の形態の囲繞部40を形成する軟質樹脂としては、熱可塑性エラストマー(TPE)、より具体的には、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、およびポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)のいずれが用いられても良い。
【0034】
また、本実施の形態の囲繞部40は、基部30が成形された後、インサート成形により作成されても良い。また、基部30および囲繞部40が、1つの二色成形機を用いて一連の処理により作成されても良い。さらに、各々が別工程で作成された基部30および囲繞部40を、接着により一体的に構成しても良い。
【0035】
接触部50は、発泡プラスチックにより形成されたブロック状の緩衝材であり、囲繞部40に嵌め込むように設けられている。図10に示すように、接触部50には、基部30の取付孔35と連通する貫通孔55が、形成されている。
【0036】
また、清掃用シート10が取付部20に取り付けられる場合、接触部50の主面52、53のうち、清掃面20a側に形成された主面52(第2主面)が、清掃用シート10により覆われる。また、接触部50の主面52、53のうち、主面52と逆側に形成された主面53(第3主面)は、基部30の主面31(第1主面)と対向する。さらに、接触部50の側面54は、囲繞部40の内周面41と対向する。
【0037】
ここで、本実施の形態の接触部50を形成する発泡プラスチックとしては、軟質ポリウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、およびポリエチレンフォームのいずれが用いられても良い。
【0038】
複数の固定部60(60a、60b)は、取付部20(より具体的には、基部30)に対して清掃用シート10を固定する。例えば、図2および図10に示すように、各固定部60(60a、60b)は、複数(本実施の形態では2つ)の突起部65を有する。
【0039】
また、例えば、図1および図2に示すように、各固定部60(60a、60b)は、対応する回動軸61を中心に基部30に対して回動可能とされている。さらに、図10に示すように、各突起部65は、基部30に設けられた挿入部33(より具体的には、挿入部33に形成された対応の取付孔35)に挿入可能とされている。
【0040】
これにより、各固定部60(60a、60b)の回動動作に従って、対応する突起部65の頭部66は、挿入部33の取付孔35挿入される。このとき、清掃用シート10が、各突起部65とともに対応する取付孔35に挿入されるとともに、取付孔35が、押し広げられる。
【0041】
各固定部60(60a、60b)がさらに回動させられ、各固定部60(60a、60b)が閉鎖されると、各突起部65の頭部66は、接触部50の貫通孔55に到達すると、取付孔35には、頭部66よりも直径の小さな柱状部67が挿入される。そして、清掃用シート10の引出部10a(一部)が、対応する突起部65の柱状部67および挿入部33の間に挟み込まれる。そのため、清掃用シート10は、取付部20に対して、容易に取り付けられる。
【0042】
これに対して、各固定部60(60a、60b)が回動させられて、各固定部60(60a、60b)が開放されると、各突起部65の頭部66および柱状部67は、対応する挿入部33の取付孔35から離隔する。
【0043】
その結果、清掃用シート10は取付部20から取り外し可能な状態となる。すなわち、取付部20から清掃用シート10を取り外す作業も、取付作業と同様に、容易に実行できる。
【0044】
<1.3.第1の実施の形態における清掃用具の利点>
以上のように、第1の実施の形態における清掃用具1において、取付部20は、清掃面20aの長手方向AR1に沿って湾曲可能とされている。これにより、清掃対象が湾曲面を有する物であっても、清掃対象に対して清掃面20aを良好に追従させることができる。そのため、清掃対象を良好に清掃することができる。
【0045】
また、各固定部60(60a、60b)の回動動作に従って、清掃用シート10の引出部10a(図4参照)は、各突起部65とともに、対応する取付孔35に挿入させられる。これにより、清掃用シート10の引出部10aが、対応する突起部65および挿入部33の間に挟み込まれる。そのため、取付部20に対して清掃用シート10を容易に取り付けることができる。
【0046】
さらに、取付部20は、複数の固定部60(60a、60b)のような清掃用シート10の取付機構を有している。そのため、薄手(例えば、不織布製)の清掃用シート、および厚手(例えば、編地製)の清掃用シートのいずれであっても、取付部20に容易に取り付けられる。
【0047】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1および第2の実施の形態の清掃用具1、100は、対応する取付部20、120の構成が異なる点を除いては、同様な構成を有する。そこで、以下では、この相違点を中心に説明する。
【0048】
なお、清掃用具1、100で同様な構成要素には、同一符号が付されており、この同一符号が付された構成要素は、第1の実施の形態で説明済みである。そのため、本実施の形態では説明を省略する。
【0049】
<2.1.取付部の構成構成>
図18は、第2形態における清掃用具100の構成の一例を示す拡大断面図であり、図10に対応するものである。ここで、取付部120は、第1の実施の形態の取付部20と同様に、清掃面20aの長手方向AR1に沿って湾曲可能とされている。
【0050】
図18に示すように、清掃用具100の取付部120は、主として、基部30と、囲繞部140と、複数の固定部60(60a、60b)と、を有する。
【0051】
囲繞部140は、第1の実施の形態の囲繞部40と同様な材料(軟質樹脂)により形成されている。図18に示すように、囲繞部140は、基部30の主面31(第1主面)と、基部30の周囲と、を覆うように形成されている。
【0052】
また、囲繞部140の内周面141は、接触部50の主面53(第3主面)と、接触部50の側面54と、のそれぞれと対向する。すなわち、囲繞部140は、清掃面20a側が開口する箱状体としての形態を有する。さらに、囲繞部140には、基部30の取付孔35と、接触部50の貫通孔55と、を連通させる貫通孔145が、形成されている。
【0053】
<2.2.第2の実施の形態における清掃用具の利点>
以上のように、第2の実施の形態における清掃用具100の取付部120は、第1の実施の形態の取付部20と同様に、清掃面20aの長手方向AR1に沿って湾曲可能とされている。これにより、清掃対象が湾曲面を有する物であっても、清掃対象に対して清掃面20aを良好に追従させることができる。そのため、清掃対象を良好に清掃することができる。
【0054】
ここで、第1の実施の形態の囲繞部40は、基部30の周囲に配置(図10参照)されているが、第2の実施の形態の囲繞部140は、基部30の周囲と、基部30の主面31(第1主面)と、を覆うように設けられている(図18)。また、清掃用具1、100は、いずれも同様な機能(清掃対象に対して清掃面20aを良好に追従させること)を発揮することができる。そのため、囲繞部は、少なくとも基部の周囲に配置されていれば十分である。
【0055】
また、第1の実施の形態において、接触部50は、図10に示すように、基部30および囲繞部40のそれぞれと接している。これに対して、第2の実施の形態において、接触部50は、図18に示すように、囲繞部140と接している。また、上述のように、清掃用具1、100は、いずれも同様な機能を発揮することができる。そのため、接触部50は、基部30の主面31(第1主面)を挟んで、清掃面20a側に配置されており、少なくとも囲繞部と接していれば十分である。
【0056】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0057】
(1)第1および第2の実施の形態において、取付部20、120は、清掃面20aの長手方向AR1に沿って湾曲可能とされているものとして説明したが、これに限定されるものでない。例えば、取付部20、120は、挿入部33の延伸方向(Y軸と平行な方向)に沿って湾曲可能とされても良い。すなわち、取付部20、120は、少なくとも清掃面20a、120aの長手方向AR1に沿って湾曲可能とされていれば十分である。
【0058】
(2)また、第1の実施の形態において、取付部20は、例えば、図10に示すように、基部30と、囲繞部40と、接触部50と、複数の固定部60(60a、60b)と、を備えるものとして説明したが、これに限定されるものでない。
【0059】
また同様に、第2の実施の形態において、取付部120は、例えば、図18に示すように、基部30と、囲繞部140と、接触部50と、複数の固定部60(60a、60b)と、を備えるものとして説明したが、これに限定されるものでない。
【0060】
図19は、本発明の実施の形態における清掃用具の構成の他の例(清掃用具200)を示す拡大断面図であり、図10に対応するものである。図19に示すように、清掃用具200の取付部220は、主として、基部30と、囲繞部240と、複数の固定部60(60a、60b)と、を有する。
【0061】
囲繞部240は、第1の実施の形態の囲繞部40と同様な材料(軟質樹脂)により形成されている。図19に示すように、囲繞部240は、基部30の主面31(第1主面)と、基部30の周囲と、を覆うように形成されている。
【0062】
また、清掃用シート10が取付部220に取り付けられると、囲繞部240の主面242、243のうち、清掃面220a側に形成された主面242が、清掃用シート10により覆われる。
【0063】
この場合、取付部220が、清掃面220aの長手方向AR1に沿って湾曲可能とされるように、基部30の厚さ(板厚)、並びに基部30および取付部220の材料が設定されていれば、取付部220は、清掃対象に対して清掃面220aを良好に追従させることができる。そのため、清掃対象を良好に清掃することができる。すなわち、清掃用具の取付部は、少なくとも基部と、囲繞部と、複数の固定部と、を備えれば、清掃用具の機能を発揮することができる。
【0064】
ただし、清掃用具200の構成は、第1の実施の形態で採用された接触部50の存在を排除するものではない。例えば、図19に示すように、囲繞部240の清掃面220a側にシート状の接触部250が貼付されても良い。この場合、接触部250は、第1の実施の形態で採用された接触部50と同様の材料(発泡プラスチック)により形成されても良い。
【0065】
(3)また、第1および第2の実施の形態において、取付部20は、2つの固定部60(60a、60b)を有するものとして説明した、取付部20に設けられる固定部の個数は、これに限定されず、3つ以上であっても良い。すなわち、取付部20は、複数の固定部を有する。
【0066】
(4)さらに、第1および第2の実施の形態において、各固定部60(60a、60b)は、2つの突起部65を有するものとして説明したが、これに限定されるものでない。各固定部60(60a、60b)に設けられる突起部の個数は、1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。すなわち、各固定部60(60a、60b)は、一又は複数の突起部を有する。
【符号の説明】
【0067】
1、100、200 清掃用具
10 清掃用シート
20、120、220 取付部
20a、220a 清掃面
30 基部
31 主面(第1主面)
33 挿入部
35 取付孔
36 スリット
40、140、240 囲繞部
41、141 内周面
50 接触部
52 主面(第2主面)
53 主面(第3主面)
54 側面
55 貫通孔
60(60a、60b) 複数の固定部
65 一又は複数の突起部
80 柄部
145、245 貫通孔
AR1 長手方向
【要約】
【課題】清掃対象が湾曲面を有する物であっても、良好な清掃を実現できる清掃用具を提供する。
【解決手段】取付部20は、清掃面20aの長手方向AR1に沿って湾曲可能とされている。取付部20の清掃面20aには、清掃用シートが取付可能とされている。取付部20は、主として、基部30と、囲繞部40と、接触部50と、複数の固定部60と、を備える。基部30は、硬質樹脂により形成された板状体である。囲繞部40は、軟質樹脂により形成されており、基部30の周囲に配置されている。接触部50は、発泡プラスチックにより形成されたブロック状の緩衝材であり、囲繞部40に嵌め込むように設けられている。複数の固定部60は、取付部20に対して清掃用シートを固定する。
【選択図】図10
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19