(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  水路の蓋に形成されている前記孔部が、隣接する蓋との間で形成される予め蓋に形成されている溝部で構成され、前記ケース部の前記下面が前記孔部の周囲に接着により固着されることを特徴とする請求項1に記載の水位計。
  水路の蓋に形成された前記ケースの全体を収納可能な形状の凹部に、前記ケースが収納されて固着され、前記孔部が、前記凹部の底面に形成された挿通孔とされることを特徴とする請求項1に記載の水位計。
  前記孔部が、水路の蓋に形成された挿通孔とされ、前記挿通孔の周囲に形成された貫通孔に前記ケースに挿通されたネジ手段により、前記ケースが水路の蓋に固着されることを特徴とする請求項5に記載の水位計。
  前記閉域通信網における水位計において規定された水位以上の水位が検出された時に、前記情報処理装置は、当該水位計が属している前記親機に、規定された水位以上の水位が検出されていない水位計において前記発光部を発光させる指示情報を送信することを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
  前記閉域通信網における水位計は、本堤と河川との間に設置された第1の水位計と、本堤を除く他の堤と本堤との間とに設置された第2の水位計とで構成することができ、前記第1の水位計から規定水位以上の水位が検出された際に、前記第2の水位計の前記発光部を発光させるようにしたことを特徴とする請求項10に記載の通信システム。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施例の水位計の構成を示す斜視図である。
 
【
図2】本発明の第1実施例の水位計の構成を示す上面図である。
 
【
図3】本発明の第1実施例の水位計の構成を示す正面図である。
 
【
図4】本発明の第1実施例の水位計の構成をA−A断面図で示す正面図である。
 
【
図5】本発明の第1実施例の水位計の構成を正面斜め上から見た斜視図で示す分解図である。
 
【
図6】本発明の第1実施例の水位計の構成を正面斜め下から見た斜視図で示す分解図である。
 
【
図7】本発明の第1実施例の水位計の取り付けの態様を示す斜視図である。
 
【
図8】本発明の第1実施例の水位計を取り付けた状態を示す斜視図である。
 
【
図9】本発明の第1実施例の水位計の構成を示す機能ブロック図である。
 
【
図10】本発明の第2実施例の水位計の構成を示す斜視図である。
 
【
図11】本発明の第2実施例の水位計の取り付けの態様を示す正面斜め上から見た斜視図である。
 
【
図12】本発明の第2実施例の水位計の取り付けの態様を示す正面斜め下から見た斜視図である。
 
【
図13】本発明の第2実施例の水位計を取り付けた状態を示す上面図である。
 
【
図14】本発明の第2実施例の水位計を取り付けた状態を示す下面図である。
 
【
図15】本発明の第2実施例の水位計を取り付けた状態を示す側面図およびB−B断面図で示す側面図である。
 
【
図16】本発明の第2実施例の水位計を取り付けた状態を示す他の側面図およびC−C断面図で示す他の側面図である。
 
【
図17】本発明の第3実施例の水位計の構成を示す斜視図である。
 
【
図18】本発明の第3実施例の水位計の構成を正面斜め上から見た斜視図で示す分解図である。
 
【
図19】本発明の第3実施例の水位計の構成を正面斜め下から見た斜視図で示す分解図である。
 
【
図20】本発明の第3実施例の水位計の取り付けの態様を示す正面斜め上から見た斜視図である。
 
【
図21】本発明の第3実施例の水位計の取り付けの他の態様を示す正面斜め下から見た斜視図である。
 
【
図22】本発明の第3実施例の水位計を取り付けた状態を示す斜視図である。
 
【
図23】本発明の第3実施例の水位計を取り付けた状態を透過図で示す斜視図である。
 
【
図24】本発明の第3実施例の水位計を取り付けた状態を示す正面図である。
 
【
図25】本発明の第3実施例の水位計を取り付けた状態を示す側面図およびD−D断面図で示す側面図である。
 
【
図26】本発明の第4実施例の水位計の構成を示す斜視図である。
 
【
図27】本発明の第4実施例の水位計の構成を示す正面図である。
 
【
図28】本発明の第4実施例の水位計の構成を示す上面図である。
 
【
図29】本発明の第4実施例の水位計の構成を示す下面図である。
 
【
図30】本発明の第4実施例の水位計の構成を正面斜め上から見た斜視図で示す分解図である。
 
【
図31】本発明の第4実施例の水位計の構成を正面斜め下から見た斜視図で示す分解図である。
 
【
図32】本発明の第4実施例の水位計の取り付けの態様を示す正面斜め上から見た斜視図である。
 
【
図33】本発明の第4実施例の水位計の取り付けの態様を示す正面斜め下から見た斜視図である。
 
【
図34】本発明の第4実施例の水位計の取り付けた状態を示す斜視図である。
 
【
図35】本発明の第4実施例の水位計の取り付けた状態を示す上面図である。
 
【
図36】本発明の第4実施例の水位計の取り付けた状態を示す正面図である。
 
【
図37】本発明の第4実施例の水位計の構成を示す機能ブロック図である。
 
【
図38】本発明の第4実施例の水位計の適用例である警告システムの構成を示す機能ブロック図である。
 
【
図39】本発明の第4実施例の水位計の他の適用例を示す図である。
 
 
【発明を実施するための形態】
【0009】
  本発明の実施例にかかる水位計は、水位を検出する水位検出手段と、発光部を備える警告表示手段とを備えており、水位検出手段で検出した水位が規定水位以上となった際に発光部を点灯して警告表示手段により警告表示を行うようにしている。
  本発明の実施例の水位計の説明をするに当たり、住宅などが水に浸かることを「浸水」、田畑や道路などが水に浸ることを「冠水」と一般的に云われているが、本明細書においては、「浸水」と「冠水」とを住宅などや田畑や道路などが水に浸ることを意味する同義語として扱い、以下の説明においては特に断らない限り「冠水」というものとする。
 
【0010】
<第1実施例>
  本発明の第1実施例の水位計1の物理的な構成を
図1ないし
図6に示す。
図1は第1実施例の水位計1の構成を示す斜視図、
図2は第1実施例の水位計1の構成を示す上面図、
図3は第1実施例の水位計1の構成を示す正面図、
図4は第1実施例の水位計1の構成をA−A断面図で示す正面図、
図5は第1実施例の水位計1の構成を正面斜め上から見た斜視図で示す分解図、
図6は第1実施例の水位計1の構成を正面斜め下から見た斜視図で示す分解図である。
  これらの図を参照しながら第1実施例の水位計1の構成を以下に説明する。本発明にかかる第1実施例の水位計1は、樹脂製または金属製のケース部1−1と、樹脂製の蓋部1−2とからなる内部が収納空間とされた略円盤状のケースを備え、ケースの下面からは延伸部1−1aが下方へ延伸されている。
図5,6に示すようにケース部1−1は、略円形の平板状の底板を備え、底板の周縁から円筒状の鍔部1−1bが上方へ形成され、底板のほぼ中央から下方へ延伸する径の細い円筒状の細長い延伸部1−1aが形成されている。また、蓋部1−2は略円形の上板を備え、上板の周縁から円筒状の鍔部1−2cが下方へ形成されている。上板は、中央部が平板状とされ周縁に向かって下方へ傾斜するテーパ状に形成されている。上板の平板状の部分に表示窓1−2aが形成されており、表示窓1−2aには警告表示部を構成する発光部12が臨んでいる。上板のテーパ状の部位には所定幅の円弧状とされたソーラーパネル11が接着により固着されている。接着は、両面テープや接着材による接着とされている。なお、蓋部1−2は光透過性の樹脂製とするのが好適である。
 
【0011】
  ケースは、ケース部1−1の上に蓋部1−2を配置して、鍔部1−1bが内側になるように鍔部1−2cを被嵌して溶着や接着等により固着することにより構成され、ケースの内部は収納空間とされている。
図4ないし
図6に示すように、この収納空間に、第1実施例の水位計1において水位を検出するための回路や警告表示を行う回路等の各部品が組まれた第1基板10aおよび第2基板10bが内蔵される。また、延伸部1−1aの内部も収納空間とされ、水位を検知するセンサ部を構成する第1センサ13a、第2センサ13bおよび第3センサ13cが内蔵されている。第1センサ13aと第2センサ13bおよび第3センサ13cとは異なる原理で水位を検出するためのセンサとされており、例えば第1センサ13aは超音波により水位を検出するための超音波センサとされ、第1センサ13aから発射された超音波が戻るまでの反射時間から水位を検出している。第2センサ13bおよび第3センサ13cは、第2センサ13bあるいは第3センサ13cの電極の位置まで水位が上昇したときに電極の静電容量が変化することを利用して水位を検出する静電容量式のセンサとされている。
 
【0012】
  第1基板10aの一面には警告表示部を構成する発光部12が、表示窓1−2aに臨める所定の高さで設けられており、LED(light emitting diode)等からなる発光部12から引き出されたリード線は第1基板10aにハンダ付けされている。また、ソーラーパネル11により充電される2次電池14が第1基板10aの一面に配置されて所定の配線が行われている。2次電池14は水位計1の電源として機能する。第2基板10bは第1基板10aとリード線で接続されており、図示しないマイクロコントローラが配置されて所定の配線が行われている。マイクロコントローラは、第1実施例の水位計1の動作を統括制御する制御手段である。また、ソーラーパネル11から引き出されたリード線11aは、蓋部1−2に形成された挿通孔1−2bに挿通されて第1基板10aにハンダ付けされている。第2基板10bにハンダ付けされたリード線13dの先端に設けられた第1センサ13aないし第3センサ13cは、ケース部1−1の略中央に形成されている収納孔1−1cから延伸部1−1a内に挿入されて収納される。そして、第1基板10aおよび第2基板10bのケースへの収納時に、その下面がケース部1−1の底板の上面に形成されたボス1−1dにそれぞれ当接するようになる。
 
【0013】
  第1実施例の水位計1を水路の蓋に取り付ける態様を
図7に示す。
図7に示すように水路はU字溝15により構成されており、U字溝15の開口された上部は水路蓋16により閉塞される。水路蓋16は、横長の所定厚さとされた矩形状とされ、短辺のほぼ中央には矩形状の切欠部16aが形成されている。水路蓋16は、隣接する水路蓋16との間に隙間なく配列されてU字溝15の開口された上面を閉塞するが、隣接する水路蓋16との間で切欠部16aが対面することで溝部16bが形成される。この溝部16bに上から第1実施例の水位計1の延伸部1−1aを挿入する。そして、ケース部1−1の平面状とされた下面を溝部16bの周囲に接着することにより、第1実施例の水位計1を水路蓋16に固着する。固着した状態が
図8に示されており、延伸部1−1aは水路蓋16の下面から可能へ突出するように下方へ突出しており、延伸部1−1aに収納されている第1センサ13aないし第3センサ13cによりU字溝15内の水位を検知可能となっている。
 
【0014】
  図9に第1実施例の水位計1の電気的構成を示す機能ブロック図を示す。
図9に示すように第1実施例の水位計1は、マイクロコントローラ150、センサ部151、警告表示部153とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源部156を備えている。上述したように、センサ部151は第1センサ13aないし第3センサ13cを構成要素としており、警告表示部153は発光部12を備え、電源部156はソーラーパネル11および2次電池14から構成されている。マイクロコントローラ150は、水位計1の動作を統括制御する制御手段である。この場合、第1センサ13aで定期的に水位を検知しておき、有意な水位を検知したときに、第2センサ13bおよび第3センサ13cを起動させることで、節電を行うことも可能である。また、超音波センサとされた第1センサ13aでは、流れてくる物体を水と誤って検知する場合もある為、第1センサ13aを第2センサ13bおよび第3センサ13cの起動用として使用したり、組み合わせて判定することで誤った検知を防止することも可能である。
 
【0015】
  第1実施例の水位計1は、上記したように用水路などの水路の水路蓋16の溝部16bに挿入して接着するだけで取り付けられることから、施工を簡易に行うことができる。そして、上記したように第1実施例の水位計1は簡単な構成となることから、安価な水位計とすることができる。水路の水位が上昇して規定水位の高さ以上となったことが、第1実施例の水位計1で検出されると警告表示部153を構成する発光部12が点灯されて、この発光を外部から視認できるようになる。すなわち、水路蓋16がしてある水路において、水路蓋16によりU字溝15の水位を視認できない環境においても、U字溝15の水位を検知可能であることからU字溝15の水位の上昇時に発光部12による警告発光を行うことでU字溝15の水位が上昇していることを認識可能となる。
  また、水位の上昇に伴い第1実施例の水位計1が水没してしまった際も、警告表示部153の機能により視認が可能となり、その地点に冠水が発生していることが分かる。さらに、発光している第1実施例の水位計1に人や車両などが衝突する危険を低減することが可能となる。
 
【0016】
<第2実施例>
  本発明の第2実施例の水位計2の構成は、水路の蓋が鋼材を格子状に組んだ溝蓋であるグレーチングとされている場合に好適な水位計とされている。第2実施例の水位計2は、第1実施例の水位計1において、4つの取付穴を備える構成とされており、他の構成においては第1実施例の水位計1と同様の構成とされているので、4つの取付穴以外の構成に関する説明は省略する。
  本発明の第2実施例の水位計2の構成を
図10に示す。
図10に示すように、第2実施例の水位計2は、樹脂製または金属製のケース部2−1と、光透過性とされた樹脂製の蓋部2−2からなる略円盤状のケースを備え、ケースの下面からは延伸部2−1aが下方へ延伸されている。ケース部2−1には4つの取付穴2a−1が形成されている。ケース部2−1のほぼ中央から下方へ延伸する径の細い円筒状の延伸部2−1aが形成されている。また、蓋部2−2は略円形の上板を備え、上板は、中央部が平板状とされ周縁に向かって下方へ傾斜するテーパ状に形成されている。テーパ状の部位には蓋部2−2を貫通する4つの取付穴2a−2が約90°間隔で4つ形成されている。上板の平板状の部分に表示窓2−2aが形成されており、表示窓2−2aには警告表示部を構成する発光部が臨んでいる。上板のテーパ状の部位には所定幅の円弧状とされたソーラーパネル21が接着により固着されている。
 
【0017】
  ケースは、ケース部2−1の鍔部に蓋部2−2の鍔部を被嵌して溶着や接着等により固着することにより構成され、ケースの内部は収納空間とされている。蓋部2−2に形成された取付穴2a−2はケース部2−1に形成された4つの取付穴2a−1に連通し、ケースを貫通する4つの取付穴2a−1,2a−2が、蓋部2−2からケース部2−1に渡り形成される。ケースの収納空間には、第2実施例の水位計2において水位を検出するための回路や警告表示を行う回路等の各部品が組まれた
図4ないし
図6に示す構成と同様の構成とされた第1基板および第2基板が内蔵される。また、延伸部2−1aの内部の収納空間に、水位を検知するセンサ部を構成する第1センサないし第3センサが内蔵されている。第1センサと第2センサおよび第3センサとは異なる原理で水位を検出するためのセンサとされており、例えば第1センサは超音波センサとされ、第2センサおよび第3センサは静電容量式のセンサとされている。
 
【0018】
  第2実施例の水位計2を水路の蓋に取り付ける態様を
図11、
図12に示す。
図11は第2実施例の水位計2の取り付けの態様を示す正面斜め上から見た斜視図、
図12は第2実施例の水位計2の取り付けの態様を示す正面斜め下から見た斜視図である。
  図示しない水路はU字溝により構成されており、U字溝の開口された上部は
図11、
図12に示すグレーチング27により閉塞される。グレーチング27は、鋼材を格子状に組んだ溝蓋である水路の蓋とされている。グレーチング27の格子状の間の隙間に上から第2実施例の水位計2の延伸部2−1aを挿入する。そして、水位計2の蓋部2−2に形成された4つの取付穴2a−2に4本のボルト28aをそれぞれ上から挿入して、ケース部2−1の下面の取付穴2a−1から突出したボルト28aをグレーチング27の格子状の間の隙間に挿入する。そして、グレーチング27の下面から突出した4本のボルト28aの先端部に4つの当板28bをそれぞれ挿通して、さらに4つのナット28cをそれぞれボルト28aに螺着する。これにより、第2実施例の水位計2をグレーチング27に固着する。当板28bは、中央にボルト28aを挿入する挿入孔が形成された円形とされているが、外形形状は格子状の間の隙間から抜け出なければ矩形や多角形としてもよい。
 
【0019】
  第2実施例の水位計2をグレーチング27に固着した状態が
図13ないし
図16に示されている。
図13は第2実施例の水位計2を取り付けた状態を示す上面図、
図14は第2実施例の水位計2を取り付けた状態を示す下面図、
図15(a)は第2実施例の水位計2を取り付けた状態を示す側面図、
図15(b)は第2実施例の水位計2を取り付けた状態をB−B断面図で示す側面図、
図16(a)は第2実施例の水位計2を取り付けた状態を示す他の側面図、
図15(b)は第2実施例の水位計2を取り付けた状態をC−C断面図で示す他の側面図である。
  これらの図に示すように、第2実施例の水位計2は、ケースに形成された4つの取付穴2aに挿入された4本のボルト28aがグレーチング27の格子状の間の隙間を通って、その先端部がグレーチング27の下まで達している。このボルト28aの先端部にそれぞれに当板28bを介してナット28cが螺着されている。第2実施例の水位計2における延伸部2−1aは、グレーチング27の格子状の間の隙間を通って、グレーチング27の下から下方へ突出しており、延伸部2−1aに収納されている第1センサないし第3センサにより水路の水位を検知可能となっている。
 
【0020】
  第2実施例の水位計2は、上記したように用水路などの水路の蓋であるグレーチング27に挿入してボルト28a、当板28b、ナット28cにより螺着するだけで取り付けられることから、施工を簡易に行うことができる。そして、上記したように第2実施例の水位計2は第1実施例の水位計1と同様の構成とされていることから、上記した第1実施例の水位計1と同様に安価な水位計とすることができ、同様の作用効果を奏することができる。
 
【0021】
<第3実施例>
  本発明の第3実施例の水位計3の物理的な構成を
図17ないし
図19に示す。
図17は第3実施例の水位計3の構成を示す斜視図、
図18は第3実施例の水位計3の構成を正面斜め上から見た斜視図で示す分解図、
図18は第3実施例の水位計3の構成を正面斜め下から見た斜視図で示す分解図である。
  これらの図を参照しながら第3実施例の水位計3の構成を以下に説明する。本発明にかかる第3実施例の水位計3は、樹脂製または金属製のケース部3−1と、樹脂製の蓋部3−2からなる高さの寸法が幅の寸法より小さい直方体形状とされたケースを備え、ケースの下面からは収納部3−3が下方へ延伸されている。
図18,19に示すようにケース部3−1は、上面が開口された矩形の箱状に形成され、底板の周縁から上方へ側壁部3−1aが形成され、底板のほぼ中央には略円形の嵌挿孔3−1eが形成されている。この嵌挿孔3−1eには、径の細い円筒状の収納部3−3の上端が嵌挿されて溶着や接着等で固着されており、収納部3−3はケース部3−1の下面から下方へ延伸されている。また、蓋部3−2は矩形形状の平板状とされ、ケース部3−1の上面の開口を閉塞するように、ケース部3−1の上端に被嵌されて溶着や接着等により固着される。なお、蓋部3−2は光透過性の樹脂製とするのが好適である。
 
【0022】
  ケース部3−1の上面の開口が蓋部3−2により閉塞されて、ケースの内部は収納空間とされている。この収納空間に、第3実施例の水位計3において水位を検出するための回路や警告表示を行う回路等の各部品が組まれた第1基板30aおよび第2基板30bとソーラーパネル31とが内蔵される。また、収納部3−3の内部の収納空間に、水位を検知するセンサ部を構成する第1センサ33a、第2センサ33bおよび第3センサ33cが内蔵されている。第1センサ33aと第2センサ33bおよび第3センサ33cとは異なる原理で水位を検出するためのセンサとされており、例えば第1センサ33aは超音波により水位を検出するための超音波センサとされ、第2センサ33bおよび第3センサ33cは静電容量式のセンサとされている。
 
【0023】
  第1基板30aの一面には警告表示部を構成する発光部32が、所定の高さで設けられており、LED等からなる発光部32から引き出されたリード線は第1基板30aにハンダ付けされている。また、ソーラーパネル31により充電される2次電池34が第1基板30aの一面に配置されて所定の配線が行われている。2次電池34は水位計3の電源として機能する。第2基板30bは第1基板30aとリード線で接続されており、図示しないマイクロコントローラが配置されて所定の配線が行われている。マイクロコントローラは、第3実施例の水位計3の動作を統括制御する制御手段である。また、第2基板30aより上に配置されたソーラーパネル31から引き出されたリード線31aは、第1基板30aにハンダ付けされている。第2基板30bにハンダ付けされたリード線33dの先端に設けられた第1センサ33aないし第3センサ33cは、ケース部3−1の略中央に形成されている嵌挿孔3−1eから収納部3−3内に挿入されて収納される。そして、第1基板30aおよび第2基板30bのケースへの収納時に、その下面がケース部3−1の底板の上面に形成されたボス3−1dにそれぞれ当接するようになる。
 
【0024】
  第3実施例の水位計3を水路の蓋に取り付ける態様を
図20、
図21に示す。
図20は第3実施例の水位計3の取り付けの態様を示す正面斜め上から見た斜視図、
図21は第3実施例の水位計3の取り付けの態様を示す正面斜め下から見た斜視図である。
  水路は図示しないU字溝により構成されており、U字溝の開口された上面は水路蓋36により閉塞される。
図20、
図21に示すように水路蓋36は、横長の所定厚さとされた矩形状とされ、短辺のほぼ中央には矩形状の切欠部36aが形成されている。水路蓋36のほぼ中央部に断面矩形の矩形凹部36bが形成され、矩形凹部36bのほぼ中央に挿通孔36cが形成されている。矩形凹部36bは、第3実施例の水位計3の外形形状とほぼ同様の水位計3を収納できる大きさおよび深さに形成されており、挿通孔36cの径は収納部3−3の外径とほぼ同様の収納部3−3を挿通できる大きさに形成されている。
 
【0025】
  第3実施例の水位計3を取り付けた状態を
図22ないし
図25に示す。
図22は第3実施例の水位計3を取り付けた状態を示す斜視図、
図23は第3実施例の水位計3を取り付けた状態を透過図で示す斜視図、
図24は第3実施例の水位計3を取り付けた状態を示す正面図、
図24は第3実施例の水位計3を取り付けた状態を示す側面図、
図25(a)は第3実施例の水位計3を取り付けた状態を示す側面図、
図25(b)は第3実施例の水位計3を取り付けた状態をD−D断面図で示す側面図である。
  挿通孔36cに上から第3実施例の水位計3の収納部3−3を挿入していくと、
図22ないし
図25に示すように矩形凹部36bに第3実施例の水位計3が収納されるようになる。そして、矩形凹部36bに水位計3のケース部3−1を接着することにより、第3実施例の水位計3を水路蓋16に固着する。第3実施例の水位計3を矩形凹部36bに取り付けた状態では、水路蓋36の上面は平坦になると共に、水路蓋36の下面から収納部3−3が下方へ突出し、収納部3−3に収納されている第1センサ33aないし第3センサ33cにより水路の水位を検知可能となっている。
 
【0026】
  第3実施例の水位計3において、電気的構成は第1実施例の水位計1と同様の構成とされているので、その説明は省略する。
  第3実施例の水位計3は、上記したように用水路などの水路の水路蓋36に矩形凹部36bを形成して、矩形凹部36bに挿入して接着するだけで取り付けられることから、施工を簡易に行うことができる。そして、上記したように第3実施例の水位計3は簡単な構成となることから、安価な水位計とすることができる。水路の水位が上昇して規定水位の高さ以上となったことが、第3実施例の水位計3で検出されると警告表示部を構成する発光部32が点灯されて、この発光を外部から視認できるようになる。すなわち、水路蓋36がしてある水路において、水路蓋36により水路の水位を視認できない環境においても、水路の水位を検知可能であることから水位の上昇時に発光部32による警告発光を行うことで水位が上昇していることを認識可能となる。
  また、水位の上昇に伴い第3実施例の水位計3が水没してしまった際も、発光部32は発光されることから視認が可能となり、その地点に冠水が発生していることが分かる。さらに、第3実施例の水位計3が取り付けられた水路蓋36の上面は平坦になることから人や車両などが第3実施例の水位計3に衝突するおそれをなくすことができる。
 
【0027】
<第4実施例>
  本発明の第4実施例の水位計4の物理的な構成を
図26ないし
図31に示す。
図26は第4実施例の水位計4の構成を示す斜視図、
図27は第4実施例の水位計4の構成を示す正面図、
図28は第4実施例の水位計4の構成を示す上面図、
図29は第4実施例の水位計4の構成を示す下面図、
図30は第4実施例の水位計4の構成を正面斜め上から見た斜視図で示す分解図、
図31は第4実施例の水位計4の構成を正面斜め下から見た斜視図で示す分解図である。
  これらの図を参照しながら第4実施例の水位計4の構成を以下に説明する。本発明にかかる第4実施例の水位計4は、樹脂製または金属製のケース部4−3と、ケース基部4−1aを下部に備える筒状部4−1と、筒状部4−1の上端に被せられるキャップ4−2とからなるケースを備え、ケースの下面からは延伸部4−3aが下方へ延伸されている。
図30および
図31に示すようにケース部4−3は、略円形の平板状の底板を備え、底板の周縁から円筒状の鍔部4−3bが上方へ形成され、底板のほぼ中央から下方へ延伸する径の細い円筒状の延伸部4−3aが形成されている。また、筒状部4−1は断面が略円形の円筒状の部分と、円筒状の部分の下端に形成された略円形のケース基部4−1aとを備え、ケース基部4−1aの周縁から円筒状の鍔部4−1bが下方へ形成されている。ケース基部4−1aは、中央部に立設して形成されている円筒状の部分から周縁に向かって下方へ傾斜するテーパ状に形成されている。テーパ状の部分には約90°の間隔で4つの取付穴4a−1が形成され、取付穴4a−1はケース部4−3に形成されている4つの取付穴4a−3に連通している。テーパ状の部分には所定幅の円弧状とされたソーラーパネル41が接着により固着されている。接着は、両面テープや接着材による接着とされている。なお、筒状部4−1におけるケース基部4−1aは光透過性の樹脂製とするのが好適である。
 
【0028】
  ケースは、ケース部4−3の上に筒状部4−1を配置して、鍔部4−3bが内側になるように鍔部4−1bを被嵌して溶着や接着等により固着することにより構成され、ケースの内部は収納空間とされている。
図30および
図31に示すように、この収納空間に、第4実施例の水位計4において水位を検出するための回路や警告表示を行う回路、設置位置を検出する回路、通信を行う回路等の各部品が組まれた第1基板40aおよび第2基板40bが内蔵される。また、延伸部4−3aの内部も収納空間とされ、水位を検知するセンサ部を構成する第1センサ43a、第2センサ43b、第3センサ43cおよび第4センサ43dが内蔵されている。第1センサ43aと第2センサ43bと第3センサ43cおよび第4センサ43dとは異なる原理で水位を検出するためのセンサとされており、例えば第1センサ43aは超音波により水位を検出するための超音波センサとされ、第2センサ43bは水圧を利用して水位を検出する圧力センサとされ、第3センサ43cおよび第4センサ43dは静電容量式のセンサとされている。
 
【0029】
  ソーラーパネル41により充電される2次電池44が第1基板40aの一面に配置されて所定の配線が行われている。2次電池44は水位計4の電源として機能する。第2基板40bは第1基板40aとリード線で接続されており、図示しないマイクロコントローラと位置測位装置と通信部が配置されて所定の配線が行われている。マイクロコントローラは、第4実施例の水位計4の動作を統括制御する制御手段であり、具体的には、マイクロコントローラは、センサ部で検出した水位の情報と、水位を検出した時刻を取得して、時刻情報を付した水位情報とする。また、位置測位装置から水位計4が設置された地点の位置情報を取得する。水位情報、水位を検出した時刻情報、水位計4の位置情報は、所定のタイミングで通信部から外部へ送出される。また、ソーラーパネル41から引き出されたリード線は、ケース基部4−1aに形成された挿通孔に挿通されて第1基板40aにハンダ付けされている。第1基板40aにハンダ付けされたリード線43eの先端に設けられた第1センサ43aないし第3センサ43cは、ケース部4−3の略中央に形成されている収納孔4−3cから延伸部4−3a内に挿入されて収納される。また、第2基板40bの一面には警告表示部を構成する発光部42および第4センサ43dが、所定の高さで設けられており、LED等からなる発光部42から引き出されたリード線および第4センサ43dから引き出されたリード線は第2基板40bにハンダ付けされている。筒状部4−1の上面に形成されているL字状の嵌合孔4−1cに通信用アンテナ45aおよび測位用アンテナ45bが装着され、通信用アンテナ45aおよび測位用アンテナ45bから引き出されたリード線45cが第2基板40bにハンダ付けされている。嵌合孔4−1cは、筒状部4−1の上端に被嵌されるキャップ4−2により閉塞される。そして、第1基板40aおよび第2基板40bのケースへの収納時に、その下面がケース部4−3の底板の上面に形成された2つのボス4−3dにそれぞれ当接するようになる。
 
【0030】
  第4実施例の水位計4を水路の蓋に取り付ける態様を
図32、
図33に示す。
図32は第4実施例の水位計4の取り付けの態様を示す正面斜め上から見た斜視図、
図33は第4実施例の水位計4の取り付けの態様を示す正面斜め下から見た斜視図である。
  水路は図示しないU字溝により構成されており、U字溝の開口された上部は水路蓋47により閉塞される。
図32、
図33に示すように水路蓋47は、横長の所定厚さとされた矩形状とされ、短辺のほぼ中央には矩形状の切欠部47aが形成されている。水路蓋47のほぼ中央部に断面円形の挿通孔47bが形成され、挿通孔47bをほぼ中心として挿通孔47bを囲むように約90°間隔で4つの貫通孔47cが形成されている。挿通孔47bは、第4実施例の水位計4の延伸部4−3aの外径とほぼ同様の延伸部4−3aを挿通できる径に形成されており、貫通孔47cは4つの取付穴4a−1、取付穴4a−3の位置と同様の間隔および位置に形成されている。
 
【0031】
  第4実施例の水位計4を水路蓋47に取り付けるには、第4実施例の水位計4のケース基部4−1aに形成された4つの取付穴4a−3に4本のボルト48aをそれぞれ上から挿入する。4本のボルト48aはケース部4−3に形成された取付穴4a−3を通って、ボルト48aの下部がケース部4−3の下面から下方へ突出する。次いで、水路蓋47に形成された挿通孔47bに第4実施例の水位計4の延伸部4−3aを上から挿入していくと、4本のボルト48aの下部が水路蓋47に形成されている貫通孔47cにそれぞれ挿入され、ボルト48aの先端部が水路蓋47の貫通孔47cを貫通して、水路蓋47の下面から下方へ突出する。水路蓋47の下面から突出した4本のボルト48aの先端部に4つの当板48bをそれぞれ挿通して、さらに4つのナット48cをそれぞれボルト48aに螺着する。これにより、第4実施例の水位計4が水路蓋47に固着される。当板48bは、中央にボルト48aを挿入する挿入孔が形成された円形とされているが、外形形状は矩形や多角形としてもよい。
 
【0032】
  第4実施例の水位計4を取り付けた状態を
図34ないし
図36に示す。
図34は第4実施例の水位計4を取り付けた状態を示す斜視図、
図35は第4実施例の水位計4を取り付けた状態を示す上面図、
図36は第4実施例の水位計4を取り付けた状態を示す側面図である。
  これらの図に示すように、第4実施例の水位計4を水路蓋47に取り付けた状態では、水路蓋47の下面から延伸部4−3aが下方へ突出し、延伸部4−3aに収納されている第1センサ43aないし第4センサ43dにより水路の水位を検知可能となっている。また、通信用アンテナ45aおよび測位用アンテナ45bが筒状部4−1の上部に配置されていることから、通信用アンテナ45aおよび測位用アンテナ45bは効率的に動作するようになる。このように、第4実施例の水位計4においては水路蓋47がしてある水路において、水路蓋47により水路の水位を視認できない環境においても、水路の水位を検知可能であることから水位の上昇時に発光部42による警告発光を行うことで水位が上昇していることを認識可能となる。また、水位の上昇に伴い第4実施例の水位計4が水没してしまった際も、発光部42は発光されることから視認が可能となり、その地点に冠水が発生していることが分かる。さらに、発光している第4実施例の水位計4に人や車両などが衝突する危険を低減することが可能となる。
 
【0033】
  本発明の第4実施例の水位計4の電気的構成を示す機能ブロック図を
図37に示す。
  
図37に示す第4実施例の水位計4は、マイクロコントローラ210、センサ部211、位置測位装置212、警告表示部213、通信網通信I/F214、広域通信網通信I/F215とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源部216を備えている。マイクロコントローラ210は、第4実施例の水位計4の動作を統括制御する制御手段であり、位置測位装置212は、GPS(Global Positioning System)等を使用して水位計4の設置位置を測位しており、時刻情報取得装置の機能を備えている。具体的には、マイクロコントローラ210は、センサ部211で検出した水位の情報と、水位を検出した時刻を時刻情報取得装置から取り込んで、時刻情報を付した水位情報を内部のテンポラリメモリに書き込む。また、位置測位装置212から第4実施例の水位計4が設置された地点の位置情報を取得してテンポラリメモリに書き込む。この場合、第4実施例の水位計4の位置情報は、位置測位装置212が測位した位置情報、あるいは、直接入力した位置情報とされる。テンポラリメモリに書き込まれている水位情報、水位を検出した時刻情報、第4実施例の水位計4の位置情報は、所定のタイミングで通信網通信I/F214あるいは広域通信網通信I/F215から外部へ送信される。また、第4実施例の水位計4の設置位置において冠水が発生して規定水位以上となった際には、警告表示部213を点灯させて冠水が発生したことを報知する。警告表示部213の発光部の光は水面に照射されて水面境界付近を照らすことができ、水面の視認性を向上させることが可能となる。また、警告表示部213の発光部の光は、第4実施例の水位計4の内部から外部へ照射され、遠方からの視認性および第4実施例の水位計4の視認性を向上させることが可能である。
 
【0034】
<適用例>
  本発明の第4実施例の水位計4を適用することができる警告システム300の構成を示す機能ブロック図を
図38に示す。この警告システム300では、冠水したことを検知して冠水した地点および冠水するおそれがある地点において警告表示を行う機能や、冠水に関連する地域が表示される防災マップを作成する機能を少なくとも備えている。
  
図38に示す警告システム300は、情報処理装置301と複数の閉域通信網350−1〜350−kとを備えており、情報処理装置301と複数の閉域通信網350−1〜350−kの間は、インターネット通信網や公衆通信網からなる広域通信網310で接続されている。
  閉域通信網350−1〜350−kは、所定の地域毎に設置されており、図示する例ではkの閉域通信網が設置されている。防災マップは、所定の地域毎に作成することができ、複数の地域の防災マップを連結することで複数の所定の地域をカバーする防災マップを作成可能となる。閉域通信網は、専用の通信回線を利用する通信網であり、データを途中で傍受されたり改ざんされるおそれを防止できる通信網である。
 
【0035】
  閉域通信網350−1は親機320−1を備えており、所定の地域内に設置された330−1〜330−nのn台の水位計Aと331−1〜331−mのm台の水位計Bとが閉域通信網350−1に属している。親機320−1は、閉域通信網350−1に属しているn台の水位計Aおよびm台の水位計Bと無線の閉域通信で接続されている。水位計Aと水位計Bとは同じ構成とされ、本発明の第4実施例の水位計4を水位計Aあるいは水位計Bに適用することができる。この場合、通信網通信I/Fは閉域通信網に対応している。水位計Aおよび水位計Bは、電源がオンされている間は、センサ部が設置された地点の水位を検出していると共に、位置測位装置が設置された地点の位置情報を取得している。そして、検出した水位の情報および水位を取得した時刻情報と、設置された地点の位置情報とを自機が属している親機へ送信する。この場合、情報はパケットに入れられて非同期で送信され、パケットには少なくともMAC(Media Access Control address)アドレスが付加されている。MACアドレスは一意の物理アドレスであることから、各水位計Aおよび各水位計Bの識別情報(ID)として用いることができるが、特有のIDを各水位計Aおよび各水位計Bに与えるようにしてもよい。また、センサ部が有意な水位を検出した時に、発光部からなる警告表示部が発光して設置した地点において冠水したことを警告表示する。有意な水位とは、冠水が発生するおそれが高い規定水位以上の水位とすることができる。この場合、警告表示部の発光部の光は水面に照射されて水面境界付近を照らすことができ、水面の視認性を向上させることが可能となる。また、警告表示部の発光部の光が、水位計Aあるいは水位計Bの内部から外部へ照射されると、遠方からの視認性および水位計Aあるいは水位計Bの視認性を向上させることが可能となる。
 
【0036】
  上記の説明は閉域通信網350−1についての説明であるが、閉域通信網350−2〜350−kにおいても同様であることから、閉域通信網350−2〜350−kの説明は省略する。
  ここで、水位計Aと水位計Bとについて説明する。水位計Aと水位計Bとは構成は同じであるが、設置地点の状態が異なっている。具体的には、水位計Aが設置された地点において規定水位以上となって冠水が発生しても、水位計Bが設置された地点においては即座に冠水は発生しない。しかし、水位計Aが設置された地点においてさらに水位が上昇したときに水位計Bが設置された地点において冠水が発生するおそれが高まるようになる。そこで、水位計Aが設置された地点において規定水位以上となった際に、水位計Bの発光部からなる警告表示部を発光させて設置した地点において冠水するおそれがあることを警告表示させる。このような動作を次のようにして行う。水位計Aからは検出した水位の情報および水位を取得した時刻情報が所定時間毎に親機へ送信され、親機は受信した水位の情報および水位を取得した時刻情報を情報処理装置301へ広域通信網310を介して送出している。情報処理装置301は、受信した水位計Aの水位が規定水位以上となったことを検出して、水位が規定水位以上となった水位計Aが属する閉域通信網に属している水位計Bを検出する。この場合、情報処理装置301では、水位計Aおよび水位計Bから送信された検出した水位の情報および水位を取得した時刻情報と、設置された地点の位置情報とを、それぞれデータベースへ格納しているが、それぞれの情報は水位計Aおよび水位計BのMACアドレスなどのIDと関連付けて格納している。そこで、情報処理装置301は、データベースを検索することにより規定水位以上となった水位計Aが属する閉域通信網に属している水位計Bを検出する。そして、警告表示指示情報を検出された水位計Bが属している親機へ送信する。警告表示指示情報を受信した親機は、自機に属する水位計Bに警告表示指示情報を送信する。警告表示指示情報を受信した水位計Bは、警告表示指示情報に基づいて自機の発光部からなる警告表示部を発光させる。これにより、冠水するおそれがあることを事前に水位計Bにより警告表示することができる。
 
【0037】
  水位計Aおよび水位計Bの設置地点の一例を
図39に示す。
図39に示す例では、水位計Aが河川Rと本堤Hとの間の河川敷に設置されており、親機Tは本堤Hの上に設置され、水位計Bは本堤Hと霞堤、周囲堤、輪中堤のいずれかの堤Kとの間に設置される。そして、大雨等で河川Rの水位が上昇して河川敷まで水があふれてくると、水位計Aの設置地点において冠水が発生するようになる。しかし、水位計Bの設置地点においては冠水は発生していない。河川Rの水位がさらに上昇して本堤Hを水が超えるようになると、水位計Bの設置地点においても冠水が発生するようになる。水位計Bにおいては、水位計Aの設置地点において冠水が発生した際に警告表示部が発光されることから、事前に冠水の警告表示を行えるようになる。
  なお、情報処理装置301は、データベースに格納された情報から冠水した地点を検出することができ、これに基づいて防災マップを作成することができる。
  水位計Aおよび水位計Bの設置地点は
図39に示す位置に限らず、標高が低く冠水しやすい地点に設置された水位計が水位計Aとされ、水位計Aの設置地点より標高が高い地点に設置された水位計を水位計Bとしてもよい。