【実施例】
【0038】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。
【0039】
まず、実施例等に用いる植物抽出物の調製方法を示す。
【0040】
[増毛産有機栽培エーデルワイス抽出物]
(1)栽培から収穫
北海道増毛町湯の沢の有機JAS認定圃場にて、エーデルワイスの栽培を行った。9月中旬、定植の1週間前に、有機栽培用鶏糞、有機栽培用米糠、有機栽培用石灰、有機栽培用熔燐、油粕、バーク堆肥を施肥し、圃場を整備した。定植は株分けした株を株間30cm、畝間90cmとなるように行った。5月上旬、及び7月上旬に、有機栽培用鶏糞、有機栽培用米糠を追肥した。また、適宜雑草を除去した。8月下旬の開花期に地上部を収穫し、水洗し、屋外で風乾した。ある程度乾燥したところで、凍結乾燥を行い、水分を除去した状態で保管した。
(2)増毛産有機栽培エーデルワイス抽出物の調製
(1)で得られた有機栽培エーデルワイスの地上部部位全草を乾燥後細切し、20質量倍量の70容量%エタノール水溶液に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、エタノールを留去した。得られた抽出物を60容量%のグリセリン水溶液にエキス純分として0.5質量%となるように添加することにより、増毛産有機栽培エーデルワイス抽出物を調製した。
【0041】
[エーデルワイス抽出物]
欧州産乾燥エーデルワイスの地上部を70容量%のエタノール水溶液に浸漬後、ろ過したろ液を濃縮し、溶媒を留去した。55容量%のグリセリンにエキス純分として7.5質量%となるように添加することにより、エーデルワイス抽出物を調製した。
【0042】
[増毛産有機栽培オドリコソウ抽出物]
(1)栽培から収穫
北海道増毛町湯の沢の有機JAS認定圃場にて、オドリコソウの栽培を行った。9月中旬、定植の1週間前に、有機栽培用鶏糞、有機栽培用米糠、有機栽培用石灰、有機栽培用熔燐、油粕、バーク堆肥を施肥し、圃場を整備した。定植は株分けした株を株間30cm、畝間90cmとなるように行った。5月上旬に、有機栽培用鶏糞、有機栽培用米糠を追肥した。また、適宜雑草を除去した。6月中旬の開花期に地上部を収穫し、水洗し、屋外で風乾した。ある程度乾燥したところで、凍結乾燥を行い、水分を除去した状態で保管した。
(2)増毛産有機栽培オドリコソウ抽出物の調製
(1)で得られた有機栽培オドリコソウの地上部部位全草を乾燥させて粉砕し、20質量倍量の精製水を加えてオートクレーブにて20分間、121℃に加温して抽出した。温度の高い状態を保って吸引濾過により不溶物を取り除いた後、凍結乾燥を行って抽出物を得た。得られた乾燥物を20容量%1,3−ブチレングリコールにエキス純分として0.5質量%となるように溶解後、再度ろ過することにより、増毛産有機栽培オドリコソウ抽出物を調製した。
【0043】
[オドリコソウ抽出物]
欧州産乾燥オドリコソウの地上部を50容量%の1,3−ブチレングリコールに浸漬後、ろ過し、溶媒を留去した。50容量%の1,3−ブチレングリコールにエキス純分として1質量%となるように添加することにより、オドリコソウ抽出物を調製した。
【0044】
[ヒト皮膚線維芽細胞を用いた試験]
ヒト皮膚線維芽細胞を3×10
5個/ウェルとなるように6ウェルプレートに播種し、5%FBSを含むDMEM培地にて24時間培養した。各植物抽出物を所定量添加した0.5%FBSを含むDMEM培地に交換し、37℃、5%CO
2インキュベーター内で24時間培養した。採取した細胞から、市販のRNA抽出キット(Quick Gene RNA Cultured Cell Kit S)を使用してRNAを抽出し、cDNA合成後に下記のプライマーを使用してサイバーグリーン法によるリアルタイムPCRにより遺伝子発現を確認した。なお、内部標準としてGAPDHを使用した。mRNA発現量は、各植物抽出物無添加の場合の発現量を1とした相対値で示した。各作用は表3〜表6に示した。
【0045】
使用したプライマー配列を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
実施例、比較例は各抽出物のエキス濃度(w/v%)が表2に示す量になるように培地に溶解した。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
エーデルワイス抽出物とオドリコソウ抽出物を併用した結果を表3に示す。
各抽出物を単独で用いた比較例1及び比較例2では、コラーゲンの分解に関連するc−FOSの産生が促進されたのに対し、各抽出物を併用した実施例1ではc−FOSの産生が抑制された。
【0051】
したがって、本発明のエーデルワイス抽出物及びオドリコソウ抽出物を含有する皮膚外用剤は老化防止効果を発揮する。
【0052】
【表4】
【0053】
増毛産有機栽培エーデルワイス抽出物の有効性を、エーデルワイス抽出物と比較した結果を表4に示す。
コラーゲンの形成に関連するCOL3A1の産生が比較例1では抑制されたのに対して、実施例2では促進された。コラーゲンの分解に関連するMMP1の産生が比較例1と比較して、実施例2ではさらに抑制された。同様にコラーゲンの分解に関連するc−FOSの産生が比較例1では促進されたのに対して、実施例2では抑制された。
【0054】
したがって、本発明の増毛産有機栽培エーデルワイス抽出物を含有する皮膚外用剤は老化防止効果を発揮する。
【0055】
【表5】
【0056】
増毛産有機栽培オドリコソウ抽出物の有効性を、オドリコソウ抽出物と比較した結果を表5に示す。
コラーゲンの分解に関連するMMP1の産生が比較例2と比較して、実施例3ではさらに抑制された。同様にコラーゲンの分解に関連するc−FOSの産生が比較例2では促進されたのに対して、実施例3では抑制された。
【0057】
したがって、本発明の増毛産有機栽培オドリコソウ抽出物を含有する皮膚外用剤は老化防止効果を発揮する。
【0058】
【表6】
【0059】
増毛産有機栽培エーデルワイス抽出物と増毛産有機栽培オドリコソウ抽出物を併用した結果を表6に示す。
各抽出物を単独で用いた実施例2及び実施例3と比較して、併用した実施例4ではコラーゲンの産生に関連するCOL1A1及びCOL3A1の産生が相乗的に促進された。また、コラーゲンの分解に関連するMMP1及びc−FOSの産生が相乗的に抑制された。
【0060】
したがって、本発明の増毛産有機栽培エーデルワイス抽出物及び増毛産有機栽培オドリコソウ抽出物を含有する皮膚外用剤は老化防止効果を発揮する。
【0061】
[実施例5]乳液
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7)グリセリン 4.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)カルボキシビニルポリマー 0.15
(10)精製水 100とする残部
(11)アルギニン(1質量%水溶液) 20.0
(12)エーデルワイス抽出物 0.01
(13)オドリコソウ抽出物 0.01
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。冷却後40℃にて、(11)〜(13)を順次加え、均一に混合する。
【0062】
[実施例6]化粧水
(1)エタノール 15.0(質量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 100とする残部
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)増毛産有機栽培エーデルワイス抽出物 0.01
(10)増毛産有機栽培オドリコソウ抽出物 0.01
製法:(1)に(2)および(3)を溶解する。さらに(4)〜(10)を順次添加した後、十分に攪拌し、均一に混合する。
【0063】
[実施例7]クリーム
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20質量%水溶液) 15.0
(10)精製水 100とする残部
(11)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
(12)増毛産有機栽培エーデルワイス抽出物 0.001
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。(11)を添加して攪拌後、冷却し40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0064】
[実施例8]美容液
(1)精製水 100とする残部(質量%)
(2)グリセリン 10.0
(3)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 17.5
(5)アルギン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 15.0
(6)モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(8)N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジ(フィトステリル−2−オクチルドデシル) 2.0
(9)硬化パーム油 2.0
(10)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(11)ベヘニルアルコール 0.75
(12)ミツロウ 1.0
(13)ホホバ油 1.0
(14)1,3−ブチレングリコール 10.0
(15)L−アルギニン(10質量%水溶液) 2.0
(16)エーデルワイス抽出物 0.005
(17)オドリコソウ抽出物 0.005
製法:(1)〜(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。冷却後50℃にて(15)を、40℃にて(16)〜(17)を加え、均一に混合する。
【0065】
[実施例9]水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5(質量%)
(2)精製水 100とする残部
(3)水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.5
(4)グリセリン 10.0
(5)1,3−ブチレングリコール 10.0
(6)エタノール 10.0
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8)香料 0.1
(9)増毛産有機栽培オドリコソウ抽出物 0.005
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後、(4)に予め溶解した(5)を加える。均一に攪拌した後、予め混合しておいた(6)〜(9)を加え、均一に攪拌混合する。