(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1領域は、前記液晶層と接する膜表面が無機膜であり、前記第2領域は前記液晶層と接する膜表面が有機膜であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、現在最も広く使用されている平板表示装置の一つであって、互いに対向する二枚の表示基板とその間に入っている液晶層、二枚の表示基板のうちの少なくとも一つに位置する画素電極と共通電極など電場生成電極などからなる。
電場生成電極に電圧を印加して液晶層に電場を生成し、これを通じて液晶層内の液晶分子の配向を決定し入射光の偏光を制御することによって画像を表示する。
【0003】
液晶表示装置には、ねじれネマティック(twisted nematic;TN)モード、超ねじれネマティック(super twisted nematic;STN)モード、垂直配向ネマティック(vertically aligned nematic;VAN)モード、パターン化されたITO垂直配向ネマティック(patterned ITO vertically aligned nematic;PVA)モード、高分子安定化垂直配向ネマティック(polymer stabilized vertically aligned nematic;PSVA)モード、及び多重ドメイン垂直配向ネマティック(multi domain vertically aligned nematic;MVA)モード、などの電気光学的モードが使用されている。
【0004】
これらモードは実質的に、基板、液晶層のそれぞれに垂直な電場を使用する。
これらモード以外に、基板、液晶層のそれぞれに実質的に平行な電場を使用する電気光学的モード、例えばインプレインスイッチング(In Plane Switching;IPS)モード、及びフリンジフィールドスイッチング(Fringe Field Switching;FFS)モードもある。
【0005】
これら表示モードに追加して、比較的に短いコレステリックピッチを有するコレステリック(螺旋状分子配列)液晶を使用する新たな液晶表示モードが提案された。
“フレキソ電気(flexo−electric)”効果を活用するものであり、液晶表示装置でコレステリック液晶は“均一に横たわる螺旋(Uniformly Lying Helix、ULH)”配列で配向される。
しかし、このモードではいくつかの問題、特に電気光学的特性で必要な均一な配向を得にくいという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来のコレステリック液晶での表示モードにおける問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ULHモードの液晶表示装置で均一な配向が可能な液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明による液晶表示装置は、第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に介在する液晶層と、前記第1基板と前記液晶層との間と、前記第2基板と前記液晶層との間の内の少なくとも一つに配置される配向膜とを有し、前記配向膜は、親水性の第1領域と疎水性の第2領域が前記第1基板又は前記第2基板に平行な方向に沿って周期的に繰り返
し配置され、前記液晶層は、螺旋構造を有する液晶分子及び自己整列液晶添加剤を含んで、ULH(Uniform Lying Helix)構造を形成
し、前記液晶分子と前記自己整列液晶添加剤は、相分離なく、よく混合され、前記自己整列液晶添加剤は、中心部と、前記中心部に連結された2つの末端基とを含み、前記2つの末端基の内の一側の末端基は親水性基を含み、前記自己整列液晶添加剤の親水性基を含む末端基が、前記配向膜の親水性の前記第1領域の表面と親水性相互作用(hydrophilic interaction)によって物理的に結合することによって、前記自己整列液晶添加剤は前記第1領域の表面上にホメオトロピック配向することで、前記液晶層内の前記第1領域に対応する部分では前記液晶分子も実質的に垂直配向し、前記配向膜の疎水性の前記第2領域に対応する部分では、前記自己整列液晶添加剤は実質的に水平配向され、前記液晶層内の前記液晶分子も実質的に共に水平配向されることを特徴とする。
【0008】
前記第1領域は前記液晶層と接する膜表面が無機膜であり、前記第2領域は前記液晶層と接する膜表面が有機膜であることが好ましい。
前記配向膜は、同一層に位置する無機膜と有機膜を含み、前記同一層に位置する無機膜と有機膜は、前記第1基板又は前記第2基板に平行な方向に沿って周期的に反復配列されていることが好ましい。
前記配向膜は、無機膜を含む下部層と有機膜を含む上部層とを含み、前記上部層は予め設定された周期でパターニングされ、前記上部層の膜表面と前記下部層の膜表面が交互に前記液晶層と接することが好ましい。
前記配向膜は、有機膜を含む下部層と無機膜を含む上部層とを含み、前記上部層は予め設定された周期でパターニングされ、前記上部層の膜表面と前記下部層の膜表面が交互に前記液晶層と接することが好ましい。
前記配向膜は有機膜を含み、前記第1領域
は、親水性を有することが好ましい。
前記配向膜と前記第1基板との間、又は前記配向膜と前記第2基板との間の内の少なくとも一つに配置される透明電極をさらに有し、前記透明電極は、一つの板(a whole plate)で形成されることが好ましい。
前記液晶層は、反応性メソゲン(Reactive mesogen)をさらに含むことが好ましい。
本発明の一実施形態による液晶表示装置の製造方法は、第1基板の上に透明電極を形成する段階、前記透明電極の上に配向膜を形成する段階、前記第1基板と対向する第2基板を配置する段階、および前記第1基板と前記第2基板の間に位置する液晶層を形成する段階を含み、前記配向膜は親水性の第1領域と疎水性の第2領域が前記第1基板または前記第2基板に平行な方向に沿って周期的に繰り返されるように形成し、前記液晶層は螺旋構造を有する液晶分子および自己整列液晶添加剤を含んでULH(Uniform Lying Helix)構造を形成する。
前記配向膜を形成する段階は、前記透明電極の上に下部層および前記下部層の上に位置する上部層を形成する段階、および前記上部層を予め設定された間隔を有するようにパターニングして前記第1領域と前記第2領域を形成する段階を含んでもよい。
前記下部層および前記上部層のうちの一つは有機膜を含み、他の一つは無機膜を含んでもよい。
前記配向膜を形成する段階は、前記透明電極の上に有機膜を形成する段階、および前記有機膜の表面を予め設定された間隔でプラズマ処理して親水性の前記第1領域を形成する段階を含んでもよい。
前記自己整列液晶添加剤は中心部と、前記中心部に連結された2つの末端基を含み、前記2つの末端基のうちの一側末端基は親水性基を含んでもよい。
前記自己整列液晶添加剤は、前記第1領域の前記配向膜表面に隣接して垂直配向され、前記第2領域の前記配向膜表面に隣接して水平配向され、前記第1領域に対応する前記液晶層部分に前記液晶分子が垂直配向され、前記第2領域に対応する前記液晶層部分に前記液晶分子が水平配向されてもよい。
前記透明電極は一つの板で形成してもよい。
前記液晶層は、反応性メソゲン(Reactive mesogen)を含んでもよい。
前記液晶層に電界が印加された状態で紫外線を照射する段階をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る液晶表示装置によれば、螺旋構造の液晶分子を含む液晶層に自己整列液晶添加剤を添加し、親水性領域と疎水性領域が交互に位置する配向膜構造を形成することによって良好なULH(Uniform Lying Helix)構造を形成することができ、それにより、ULHモードの液晶表示装置を実現することによってサブミリセカンドの応答特性を実現することができるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係る液晶表示装置を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0012】
本発明は、ここで説明する実施形態に限定されず、他の形態に具体化することもできる。むしろ、ここで紹介する実施形態は開示した内容が徹底且つ完全になるように、そして当業者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供するものである。
【0013】
図面において、層及び領域の厚さは明確性を期するために誇張した。また、層が他の層又は基板の“上”にあると言及される場合にそれは他の層又は基板の上に直接形成されるか、又はそれらの間に第3の層が介されてもよい。明細書全体にわたって同一の参照番号で表示された部分は同一の構成要素を意味する。
【0014】
本発明の一実施形態による液晶表示装置において、液晶層は螺旋構造を有する液晶分子及び自己整列液晶添加剤を含む。
螺旋構造を有する液晶分子を含む液晶層は、自己整列添加剤と周期的な親水性/疎水性パターンによって螺旋軸(helical axis)と光学軸(optic axis)が基板に平行であり周期的なパターンと垂直になるように配列してULH(Uniform Lying Helix)構造を形成する。
【0015】
本実施形態による液晶分子は、コレステリック液晶であり得、コレステリック液晶はネマティック液晶に螺旋構造を誘導するキラル成分が添加された液晶混合物である。
本実施形態による液晶分子は、比較的大きいフレキソエレクトリック定数(Flexoelectric constant)と比較的小さい誘電率(Dielectric constant)を有しているため、螺旋軸に垂直に電場を印加すると螺旋軸の方向は変わらないが、配向子(director)は歪曲されて光学軸(optic axis)の傾斜変化を起こす。
このように光学軸の傾斜は交差している偏光器の間に位置する液晶層の透過率に変化を起こすことができる。
【0016】
本実施形態による液晶分子は、下記に示す化学式1で表される化合物であり得る。
R1−RD1−Sp−RD2−R2 ・・・化学式1
化学式1において、R1及びR2は、それぞれ独立して、H、F、Cl、CN、NCS又は非置換されるかハロゲン又はCNによって一置換又は多置換される1〜25個の炭素原子を有する直鎖又は分岐されたアルキル基であり得る。
化学式1において、RD1及びRD2はそれぞれ独立してメソゲン基であり、メソゲン基は剛体(rigid)性質を有する化合物であり得る。
【0017】
RD1及びRD2は、それぞれ独立して、下記に示す化学式IIa〜IIo及びこれらの鏡像(mirror image)から選択され得る。
【0018】
化学式IIa〜IIoにおいて、Lはそれぞれの場合、互いに独立して、F、Cl、CN、OH、NO
2又は1〜7個の炭素原子を有する任意的にフッ化されるアルキル、アルコキシ又はアルカンオイル基であり、rはそれぞれの場合、互いに独立して、0、1、2、3又は4であり得る。
【0019】
非極性基を有する化合物の場合、化学式1において、R1及びR2は15個以下の炭素原子を有するアルキル又は2〜15個の炭素原子を有するアルコキシが好ましい。
R1又はR2がアルキル又はアルコキシラジカル、即ち、末端CH
2基が−O−に代替される場合、これは直鎖又は分岐型であり得る。これは2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を有する直鎖が好ましく、したがって、例えばエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ又はオクトキシが好ましく、また例えばメチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシ又はテトラデコキシが好ましい。
【0020】
オキサアルキル、即ち、一つのCH
2基が−O−に代替される場合、例えば直鎖2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−オキサブチル(=エトキシメチル)又は3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−又は4−オキサペンチル、2−、3−、4−又は5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−又は6−オキサへプチル、2−、3−、4−、5−、6−又は7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−オキサノニル又は2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−又は9−オキサデシルが好ましい。
【0021】
末端極性基を有する化合物の場合、R1及びR2はCN、NO
2、ハロゲン、OCH
3、OCN、SCN、CORx、COORx又は1乃至4個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−、又はポリ−フッ化されたアルキル又はアルコキシ基から選択される。
Rxは、任意的に1〜4個、好ましくは1〜3個の炭素原子を有するフッ化されたアルキルである。
ハロゲンは好ましくはF又はClである。
【0022】
化学式1において、R1及びR2はH、F、Cl、CN、NO
2、OCH
3、COCH
3、COC
2H
5、COOCH
3、COOC
2H
5、CF
3、C
2F
5、OCF
3、OCHF
2及びOC
2F
5、特にH、F、Cl、CN、OCH
3、及びOCF
3、特にH、F、CN、及びOCF
3から選択されるのが特に好ましい。
化学式1において、Spは−(CH2)o−であり、oは5〜40の整数であり得る。
この時、一つ以上の互いに隣接しない非−末端CH
2基は、−O−、−S−、−NH−、−N(CH
3)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、又は−C≡C−に代替してもよい。
【0023】
R1、R2及びSpにおいて、末端CH2基は、RD1又はRD2に直接的に結合される基であり、非−末端CH2基は、RD1又はRD2に直接的に結合されない基である。
化学式1で表される化合物は、例えば、下記に示す化学式l−1〜l−17で表される化合物であり得る。
【0024】
以上で説明した本発明の一実施形態による液晶分子は、ULH(Uniform Lying Helix)構造を形成することができる比較的大きいフレキソエレクトリック定数(Flexoelectric constant)と比較的小さい誘電率(Dielectric constant)を有する液晶分子の例示に該当し、剛性のある(rigid)二つのダイマー(dimer)がアルキル基を含むチェーン(chain)で連結されたバイメソゲン(bimesogne)のような材料からなるフレキソエレクトリック効果を示すことができる液晶物質であれば多様に変形可能である。
【0025】
本発明の一実施形態による自己整列液晶添加剤は、中心部と、中心部に連結された2個の末端基を含む。
本実施形態で自己整列液晶添加剤は液晶分子に混合してもよい。
自己整列液晶添加剤は、液晶層と接する配向膜と相互作用して液晶分子の配向状態を決定することができる。
本実施形態で自己整列液晶添加剤は液晶層内に0.001wt%〜10wt%含まれ得る。
【0026】
自己整列液晶添加剤において、中心部は芳香族、ヘテロ芳香族、脂環式又はヘテロ環系などを含み、2個の末端基の内の一側の末端基は親水性基を含み、他側の末端基は疎水性基を含む。
具体的には、本実施形態による自己整列液晶添加剤は、N、O、S、及びPから選択された原子を有する極性構造成分を親水性基として有する。
【0027】
本実施形態による自己整列液晶添加剤は、下記に示す化学式2−1〜2−16で表される化合物であり得るが、これに制限されない。
【0028】
好ましくは、本実施形態による自己整列液晶添加剤は、ビフェニル又は2〜3個のベンゼン、シクロヘキサン環などの中心部、−OH、−NH
2のような親水性基を含む一側の末端基と、アルキレン基(−(CH2)n−、nは自然数)を含む他側の末端基からなり得る。
但し、前述の自己整列液晶添加剤構造に限定されず、中心部と中心部に連結された2個の末端基を含み、2個の末端基の内の一側の末端基は親水性基を含み、他側の末端基は疎水性基を含む構造であれば多様な形態に変形可能である。
【0029】
本実施形態による自己整列液晶添加剤は、親水性基を1〜3個を含むことができる。
その例として、本実施形態による自己整列液晶添加剤は、下記に示す化学式2−17で表される化合物であり得る。
【0030】
本発明の一実施形態による液晶層には、反応性メソゲン(Reactive Mesogen)をさらに含んでもよい。
反応性メソゲンは、重合可能な化合物であり、電界が印加された状態又は電界が印加されない状態で紫外線照射してプレチルトを形成することによって応答時間を向上させることができる。
【0031】
本実施形態で、反応性メソゲンは下記に示す化学式RM−1〜RM−6で表される化合物であり得るが、これに制限されない。
【0032】
本実施形態による液晶表示装置で螺旋構造を有する液晶分子は、水平と垂直の整列(alignment)程度が交互によく合わせられた場合に、安定した配向状態を実現することができる。
以下、本発明の一実施形態による液晶表示装置で液晶分子が安定した配向状態を示すための配向膜構造について説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態による液晶層での液晶分子と自己整列液晶添加剤の混合状態を示す概略的な図である。
図2は、本発明の一実施形態による液晶層での液晶分子と自己整列液晶添加剤が整列された状態を示す概略的な図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態による液晶分子310は,比較的大きいフレキソエレクトリック定数(Flexoelectric constant)と比較的小さい誘電率(Dielectricconstant)を有して、螺旋(helical)構造を有しており、ここに自己整列液晶添加剤320が混合されている。
【0034】
自己整列液晶添加剤320は、親水性基320aと疎水性基320bを含み、これらは環状中心部(図示せず)によって連結される。
本実施形態で、自己整列液晶添加剤320は、液晶分子と類似の構造を有してもよく、自己整列液晶添加剤320は、常温で相分離なく液晶分子とよく混合(homogeneously well mixed)される。
【0035】
図2に示すように、本実施形態による自己整列液晶添加剤320は、親水性基320aと親水性表面との親水性相互作用(hydrophilic interaction)によって親水性表面を有する膜(層)と物理的に結合する。
この時、親水性基320aは親水性表面を有する膜(層)に向かいホメオトロピック配向され得る。
自己整列液晶添加剤320の配向力は、これと接する膜材料の表面物性に大きく影響を受ける。
【0036】
具体的には、自己整列液晶添加剤320と膜表面との相互作用が大きい場合には自己整列液晶添加剤320は膜表面の上にホメオトロピック配向し、自己整列液晶添加剤320と膜表面との相互作用が小さい場合には液晶分子310と自己整列液晶添加剤320とがよく混合されて膜表面の上に液晶分子と共に水平(planar)に配向され得る。
【0037】
図3は、互いに対向する基板の対向面上に無機膜を形成した場合の液晶分子の配向を示す概略的な断面図である。
図3に示すように、第1基板110の対向面上に無機膜の一種である窒化シリコン膜11aを形成し、第1基板110と対向する第2基板210の対向面上に窒化シリコン膜21aを形成する。
【0038】
第1基板110と第2基板210の間に液晶層を形成する。この時、液晶層は螺旋構造を有する液晶分子310と自己整列液晶添加剤(図示せず)を含む。
螺旋構造を有する液晶分子310と自己整列液晶添加剤(図示せず)に関する内容は前述のとおりである。
液晶層と接する窒化シリコン膜11a、21aは親水性の性質を有するため、自己整列液晶添加剤は窒化シリコン膜11a、21aに実質的にホメオトロピック配向され、これにより液晶分子310も液晶層内で実質的に垂直配向する。
【0039】
図4は、互いに対向する基板の対向面上に無機膜と有機膜を順次形成したの液晶分子の配向を示す概略的な断面図である。
図5は、
図4の液晶分子の配向状態を示す画像である。
図4に示すように、第1基板110の対向面上に無機膜の一種である窒化シリコン膜11aを形成し、窒化シリコン膜11aの上に有機膜11bを形成する。
第1基板110と対向する第2基板210の対向面上に窒化シリコン膜21aを形成し、窒化シリコン膜21aの上に有機膜21bを形成する。
【0040】
第1基板110と第2基板210との間に液晶層を形成する。この時、液晶層は螺旋構造を有する液晶分子310と自己整列液晶添加剤(図示せず)を含む。
液晶層と接する有機膜11b、21bは疎水性の性質を有するため、自己整列液晶添加剤は有機膜11b、21bに実質的に水平(planar)に配向する。
これにより液晶分子310も液晶層内で実質的に水平配向された状態を示す。
このように液晶層内で実質的に水平配向された液晶分子は
図5の画像を通じて確認できる。
【0041】
図6は、本発明の一実施形態による液晶表示装置での液晶分子の配向を示す概略的な側断面図である。
図6に示すように、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する第1表示板100及び第2表示板200、第1表示板100と第2表示板200の間に介在する液晶層3を含む。
【0042】
第1表示板100は、第1基板110の上に第1電極191が位置し、第1電極191の上に第1配向膜11が位置する。
第1基板110と第1電極191の間にゲート線、データ線、これらと接続される薄膜トランジスタなどの多様な素子と層間絶縁のための絶縁膜などが形成される。
第1電極191は、ITO、IZOのような透明電極であってもよく、割れない(not torn apart)一つの板(a whole plate)で形成されてもよい。
【0043】
第2表示板200は、第2基板210の上に第2電極270が位置し、第2電極270の上に第2配向膜21が位置する。
第2基板210と第2電極270の間にカラーフィルタ、ブラックマトリックス、オーバーコート層などの構成が形成されてもよい。但し、カラーフィルタ及びブラックマトリックスのような構成要素は第1表示板100に形成してもよい。
第2電極270は、ITO、IZOのような透明電極であってもよく、割れない一つの板で形成されてもよい。
【0044】
本実施形態で、配向膜11、21は、親水性の第1領域11c、21cと疎水性の第2領域11d、21dとが、第1基板110又は第2基板210に平行な方向に沿って周期的に反復配列されている。
液晶層3と接する第1領域11c、21cの表面が無機膜であり得、第2領域11d、21dの表面が有機膜であり得る。
配向膜11、21を形成する無機膜と有機膜が同一層に配置され得る。
【0045】
本実施形態で、液晶層3は、螺旋(helical)構造を有する液晶分子310と自己整列液晶添加剤(図示せず)を含む。
第1領域11c、21cと対応する液晶層3の部分で液晶分子310は実質的にホメオトロピック配向される傾向を有し、第2領域11d、21dと対応する液晶層3の部分で液晶分子310は実質的に水平配向される傾向を有する。
【0046】
親水性の第1領域11c、21cと疎水性の第2領域11d、21dが周期的に反復配列されているため、各領域に対応して位置する液晶分子310も実質的に第1基板110を基準に垂直配向、水平配向が周期的に繰り返される。
この時、液晶分子310の螺旋軸(helical axis)と光学軸(optic axis)が第1基板110に平行であり、周期的なパターンが延長する方向と垂直になるよう(
図6で図面に入る方向)に配列されることによりULH(Uniform Lying Helix)構造を形成することができる。
【0047】
したがって、本発明の一実施形態によれば、従来のポリイミドのような配向物質を使用せず、親水性と疎水性が周期的に繰り返される配向膜構造を形成しながら液晶分子と自己整列液晶添加剤を混合して周期的に繰り返される垂直配向及び水平配向を実現してULH(Uniform Lying Helix)モードの液晶表示装置を形成することができる。
この時、螺旋軸(helical axis)が一方向に配向してもよい。
【0048】
他の実施形態として、配向膜11、21は有機膜で形成され、第1領域11c、21cに該当する部分を、酸素を含むプラズマ処理して親水性を有するようにすることができる。
プラズマ処理に使用される酸素が含まれているガスはO
2、O
3、NO、N
2O、CO、CO
2を含む。
【0049】
図7は、本発明の一実施形態による液晶表示装置での液晶分子の配向を示す概略的な側断面図である。
図7に示すように、
図6の実施形態と大部分の構成が同一であるが、第1基板110と第2基板210の上にITO又はIZOのような透明電極からなる第1、第2電極191、270が形成され、第1、第2電極191、270の上に周期的にパターン化された疎水性膜12b、22bが形成される。
第1、第2電極191、270自体が無機膜として親水性役割を果たし、その上に疎水性膜12b、22bを形成することによって、第1、第2基板110、210に水平な方向に親水性領域と疎水性領域が周期的に繰り返される。
【0050】
図8A及び
図8Bは、本発明の一実施形態による液晶表示装置の製造方法を説明するための概略的に示す断面図である。
図8Aに示すように、第1基板110の上に無機膜の一種である窒化シリコン膜11aを形成し、窒化シリコン膜11aの上に有機膜11bを形成する。
第1基板110と対向する第2基板210の上に窒化シリコン膜21aを形成し、窒化シリコン膜21aの上に有機膜21bを形成する。
ここで、有機膜11b、21bは、周期的にパターニングされて液晶層と接する無機膜である窒化シリコン膜11a、21aを露出させる。
パターニング工程は、フォトリソグラフィー工程であってもよい。
【0051】
図8Bに示すように、第1基板110と第2基板210の間に螺旋構造を有する液晶分子310と自己整列液晶添加剤(図示せず)を含んでULH(Uniform Lying Helix)構造を有する液晶層を形成する。
このように形成された液晶表示装置は、液晶層と接する表面が無機膜である窒化シリコン膜11a、21aと有機膜11b、21bが周期的に反復配列される構造を有するため、
図6で説明した実施形態と同様に液晶分子310の垂直配向及び水平配向が周期的に繰り返される構造を実現することができる。
ここで、第1基板110と無機膜である窒化シリコン膜11aの間、及び第2基板210と無機膜である窒化シリコン膜21aの間の内の少なくとも一つに透明電極が形成されてもよい。
【0052】
他の実施形態として、第1基板110と第2基板210の上に有機膜を形成し、有機膜の上に無機膜を形成した後に無機膜を周期的にパターニングしてもよい。
この時、互いに隣り合う無機膜の間から有機膜が液晶層に露出され得る。
このような実施形態でも液晶層と接する表面が無機膜と有機膜が周期的に反復配列される構造を有するため、液晶分子の垂直/水平配向が周期的に繰り返される構造を実現することができる。
【0053】
このように本発明の一実施形態による液晶表示装置の製造方法は、簡単なパターニング工程を通じて親水性と疎水性を有する領域を交互に形成することによってULHモードで必要な垂直配向及び水平配向が周期的に繰り返される構造を実現して配向安全性を高めることができる。
【0054】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。