(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態に係るKVMスイッチを備えるシステムの概略構成図である。
【0012】
図1のシステム10は、サーバ1A,1Bと、KVMスイッチ2と、キーボード3と、マウス4と、モニタ5とを備えている。キーボード3及びマウス4は入力装置であり、モニタ5は表示装置であり、キーボード3、マウス4及びモニタ5をコンソールと称する。尚、キーボード3及びマウス4の代わりにあるいは追加してタッチパネルが接続されていてもよい。KVMスイッチ2に接続されるサーバは2台を超えてもよい。
図1内の「V」は画像信号を示し、「KM」はキーボード3及びマウス4の操作信号を示す。サーバ1Bの構成は、サーバ1Aの構成と同一なので、その説明は省略する。以下の説明では、サーバ1Aの構成をサーバの代表として使用するが、サーバ1Bの構成をサーバの代表として使用してもよい。
【0013】
サーバ1Aは、サーバの全体の動作を制御するCPU11A、ワーキングエリアとして機能するRAM12A、各種のプログラムやデータを記憶するROM13A及びハードディスクドライブ(HDD)14A、及びKVMスイッチ2と接続するためのインターフェース(I/F)16Aを備えている。CPU11Aは、バス17Aを介してRAM12A、ROM13A、HDD14A及びI/F16Aに接続されている。HDD14Aは、KVMスイッチ2に画像データを送信するためのドライバアプリケーション15Aを備えている。ドライバアプリケーション15AはROM13Aに記憶されてもよい。ドライバアプリケーション15AはCPU11Aによって実行される。
【0014】
ドライバアプリケーション15Aは、画像データに関してKVMスイッチ2への送信機能を有しているが、記憶媒体22からの画像データの読み出し機能を有していない。また、ドライバアプリケーション15Aは画像信号を暗号化する機能を有する。ドライバアプリケーション15Aは、KVMスイッチ2から所定のコマンドを受信した場合又は予め設定された所定のタイミングで画像データを暗号化し、KVMスイッチ2に暗号化された画像データを送信する。
【0015】
KVMスイッチ2は、KVMスイッチ2の全体の動作を制御するメインマイコン21と、サーバ1A,1Bから送信される画像データを記憶する記憶媒体22と、サーバの切替及びOSD(On Screen Display)の切替を指示するためのスイッチ23と、サーバ1A,1Bと接続するためのI/F24A,I/F24Bと、キーボード3、マウス4及びモニタ5と接続するためのI/F25とを備えている。サーバ1A,1Bと接続するためのI/F24は2つ以上あってもよい。I/F24は受信手段として機能し、記憶媒体22は記憶手段として機能する。メインマイコン21は、暗号化手段、復号化手段、出力手段、設定手段、切替手段、更新手段及びキー作成手段として機能する。
【0016】
メインマイコン21は、サーバの切替及びOSDの切替を実行する。尚、OSDの切替とは、サーバからの画面データに重ねられる画像データの切替を意味する。OSDが実行されている場合には、モニタ5には画像データが重ねられたサーバの画面データが表示される。
【0017】
また、メインマイコン21は、サーバ1A,1Bより受信した画像信号から画像データを作成し、作成された画像データを暗号化して記憶媒体22に保存する。さらに、メインマイコン21は、記憶媒体22に保存された暗号化データを復号化し、復号化された画像データをOSDとしてモニタ5に出力する。OSDにより表示される画像データはメインマイコン21によってサーバの画面データに重ね合わされるので、サーバ1Aがスクリーンショットのコマンドに応じて画面データをコピーしても、OSDとしての画像データをコピーすることはできない。つまり、サーバ1AはOSDとしての画像データをKVMスイッチ2から取り出すことはできない。
【0018】
メインマイコン21及びドライバアプリケーション15Aは、KVMスイッチ2の個体識別番号を含むデータをキーとして画像データを暗号化する。このため、暗号化された画像データは同型のKVMスイッチを使っても復号化することはできない。尚、暗号化方式は、既存の暗号化方式を用いる。
【0019】
図2は、キー作成処理を示すフローチャートである。キー作成処理は、ドライバアプリケーション15Aによって実行される。
【0020】
ドライバアプリケーション15Aは、KVMスイッチ2の認識が初回認識であるか否かを判別する(ステップS1)。尚、「初回認識」とは、KVMスイッチ2を初めて認識することを意味し、「初回認識でない」とは、KVMスイッチ2をすでに認識していることを意味する。KVMスイッチ2の認識が初回認識でない場合、言い換えるとすでにKVMスイッチ2が認識されている場合には(ステップS1でNO)、既にキーは作成されているので、本処理を終了する。
【0021】
KVMスイッチ2の認識が初回認識である場合、言い換えるとKVMスイッチ2がこれまで認識されていない場合には(ステップS1でYES)、ドライバアプリケーション15Aは、キーが作成済みであるか否かを判別する(ステップS2)。キーが作成済みである場合は(ステップS2でYES)、本処理を終了する。
【0022】
キーが作成済みでない場合は(ステップS2でNO)、ドライバアプリケーション15Aは、KVMスイッチ2と通信を行い、KVMスイッチ2から、KVMスイッチ2の個体識別番号を含むデータを取得する(ステップS3)。ドライバアプリケーション15Aは、取得した個体識別番号を含むデータを使って、画像データを暗号化及び復号化するためのキーを作成する(ステップS4)。ドライバアプリケーション15Aは、作成したキーをKVMスイッチ2に送信し、サーバ1AとKVMスイッチ2との間でキーを共有化する(ステップS5)。そして、本処理を終了する。
【0023】
尚、キーの初期化は、キー作成時に使用したKVMスイッチ2からのコマンドでのみ可能である。
図2では、キー作成処理はドライバアプリケーション15Aによって実行されるが、メインマイコン21によって実行されてもよい。この場合、メインマイコン21がドライバアプリケーション15AによるKVMスイッチ2の認識が初回認識であるかを判定し(ステップS1)、キーが作成済みであるか否かを判定し(ステップS2)、記憶媒体22に格納された個体識別番号を含むデータを使ってキーを作成し(ステップS4)、作成したキーをドライバアプリケーション15Aに送信し、サーバ1AとKVMスイッチ2との間でキーを共有化する(ステップS5)。
【0024】
図3(A)は、サーバ1Aの画像データの例を示す図である。
図3(B)〜(E)は、サーバ1Bの画像データの例を示す図である。
【0025】
図3(A)に示すように、サーバ1Aの画像データは、画面サイズと同じサイズの画面データ31、ウィンドウのサイズと同じサイズのウィンドウ画像データ32、及びウィンドウ内に表示される画像ファイルデータ33を含む。
【0026】
図3(B)は、OSDによりサーバ1Aの画面データ31がサーバ1Bの画面データに重ねられている状態を示す。
図3(C)は、OSDによりサーバ1Aのウィンドウ画像データ32がサーバ1Bの画面データに重ねられている状態を示す。
図3(D)は、OSDによりサーバ1Aの画像ファイルデータ33がサーバ1Bの画面データに重ねられている状態を示す。画像ファイルデータ33がOSDにより他のサーバの画面データに重ねられる場合、ウィンドウの額縁は存在しない。
【0027】
図3(E)は、OSD画面であるサーバ1Aの画面データ31及び他のウィンドウ画像データ34が、サーバ1Bの画面データに重ねられている状態を示す。このように、メインマイコン21は、OSD画面として複数の画像データをサーバの画面データに重ねることができる。
【0028】
OSDとして使用される画像データの種類は、画面データ、ウィンドウ画像データ及び画像ファイルデータである。複数の同一種類のデータ(例えば、2つの画面データ)がOSDとして使用されてもよいし、複数の異なる種類のデータ(例えば、画面データと画像ファイルデータ)がOSDとして使用されてもよい。
【0029】
図4は、記憶媒体22のメモリマップを示す図である。
【0030】
記憶媒体22は、サーバ1A用の記憶領域41A及びサーバ1B用の記憶領域41Bを備えている。このように、記憶媒体22は、サーバ毎に記憶領域を確保している。また、各記憶領域には、暗号化された画面データ42、暗号化されたウィンドウ画像データ43、暗号化された画像ファイルデータ44、及び暗号化された合成画像データ45が保存される。尚、各記憶領域に保存されるデータは、暗号化された画面データ42、暗号化されたウィンドウ画像データ43、暗号化された画像ファイルデータ44、及び暗号化された合成画像データ45の少なくとも1つでもよい。合成画像データ45は複数の画像データが合成されたデータであり、例えば、2つの画面データ42が合成されたデータ、又は画面データ42及び画像ファイルデータ44が合成されたデータなどである。
【0031】
図5は、画像データの保存処理を示すフローチャートである。
【0032】
まず、メインマイコン21は、ユーザアクションに基づいて、サーバから送信された画像信号から画像データを作成する(ステップS11,S12)。ユーザアクションとは、ユーザによる、KVMスイッチ2のスイッチ23、キーボード3又はOSD設定画面からの入力指示である。メインマイコン21は、上述したキーを使って画像データを暗号化する(ステップS13)。例えば、画面データ42、ウィンドウ画像データ43及び合成画像データ45は、メインマイコン21によって暗号化される。
【0033】
メインマイコン21は、暗号化された画像データを記憶媒体22に保存して(ステップS14)、本処理を終了する。ステップS14において、予め暗号化された画像データがある場合には、暗号化された画像データが更新される。
【0034】
メインマイコン21は、タイマアクションによってサーバから送信された画像信号から画像データを作成してもよい(ステップS15,S12)。ここでは、タイマアクションとは一定期間ごとに行われる画像データの更新指示である。尚、画像データの更新周期は、OSD設定画面で設定される。
【0035】
メインマイコン21は、ドライバアプリケーション15Aから暗号化された画像データを受信し、記憶媒体22に保存してもよい(ステップS16,S14)。例えば、画像ファイルデータ44は、ドライバアプリケーション15Aで暗号化されて、メインマイコン21に送信されている。
【0036】
図6は、画像信号又は画像データの転送処理を示すフローチャートである。
【0037】
まず、CPU11Aは、ユーザアクション又はタイマアクションによる指示を入力する(ステップS21,S22)。ユーザアクションは、KVMスイッチ2のスイッチ23、キーボード3又はOSD設定画面からサーバに転送される指示入力、若しくはサーバ内のアプリケーションで実行される指示入力である。タイマアクションとは、画像信号又は画像データを一定期間ごとにKVMスイッチ2に送信する指示入力であり、例えば、一定期間ごとに画像信号又は画像データを更新するためのKVMスイッチ2からの指示入力、又はドライバアプリケーション15Aで設定された画像信号又は画像データを更新するための指示入力である。
【0038】
CPU11Aは、ユーザアクション又はタイマアクションによる指示が、画像データの転送指示であるか又は画像信号の転送指示であるかを判別する(ステップS23)。
【0039】
ステップS23において、入力された指示が画像データの転送指示である場合には、CPU11Aは、入力された指示に対応する画像データを作成し(ステップS24)、画像データを暗号化し(ステップS25)、暗号化されたデータをKVMスイッチ2に転送して(ステップS26)、本処理を終了する。
【0040】
ステップS23において、入力された指示が画像信号の転送指示である場合には、CPU11Aは、入力された指示に対応する画像信号をKVMスイッチ2に転送して(ステップS27)、本処理を終了する。
【0041】
図7は、転送データの設定画面を示す図である。
【0042】
転送データの設定画面51は、KVMスイッチ2に転送する画像信号又は画像データを設定するための設定欄52と、画像信号又は画像データの更新間隔(即ち、転送間隔)を設定するための設定欄53とを含む。
【0043】
設定欄52では、KVMスイッチ2に転送する画像信号又は画像データとして、画面データ、ウィンドウ画像データ及び画像ファイルデータの少なくとも1つを設定する。画面データ又はウィンドウ画像データが選択された場合は、選択された画面データ又はウィンドウ画像データに対応する画像信号がKVMスイッチ2に転送される。画像ファイルデータが選択された場合は、暗号化された画像ファイルデータがKVMスイッチ2に転送される。画像ファイルデータを選択する場合には、画像ファイルデータのアドレスを指定することができる。
【0044】
設定欄53では、画像信号又は画像データの更新間隔を設定する。「更新なし」の項目を選択すると、画像信号又は画像データを更新するために画像信号又は画像データがKVMスイッチ2に転送されることはない。「1sec」、「10sec」又は「60sec」の項目を選択すると、画像信号又は画像データが選択された時間間隔でKVMスイッチ2に転送される。
図7の例では、「D:\TEST\GRAPHIC1.bmp」の画像ファイルデータが10秒ごとにKVMスイッチ2に転送される。
【0045】
図8は、KVMスイッチ2における切替モードの設定画面を示す図である。
図8の設定画面は、例えば、スイッチ23の切替又は所定のホットキー(例えば、F1キー+shiftキー)の入力によりモニタ5に表示される。
【0046】
KVMスイッチ2の切替モードは、サーバ及びOSDの同時切替モード、サーバの切替モード及びOSDの切替モードの3種類がある。
図8の設定画面の設定欄56では、切替モードをサーバ及びOSDの同時切替モード、サーバの切替モード及びOSDの切替モードのいずれか1つに設定する。
図8のカッコ内の記載はキーボード3によるホットキーでのモード選択操作を示し、ホットキーは変更することも可能である。
【0047】
図8の設定画面の設定欄57では、サーバ及びOSDの同時切替モードが選択された場合のリンク情報を設定する。リンク情報とは、サーバの切替とOSDの切替とを関連付けする情報である。例えば、
図8の最上段のリンク情報では、サーバの切替先がサーバ1Aである場合に、OSDが自動的にOSDデータ002に切り替わることを示している。つまり、サーバ及びOSDの同時切替モードでは、目的のサーバの選択時に、本リンク情報で設定されているOSDデータがモニタ5に表示される。OSDデータとは、OSDとして表示される画面データ、ウィンドウ画像データ、画像ファイルデータ及び合成画像データのいずれか1つである。
【0048】
尚、リンク情報はキーボード3又はスイッチ23を使って変更可能である。例えば、
図8の最上段のリンク情報ではサーバ1AがOSDデータ002とリンク付けされているが、メインマイコン21は、キーボード3からの入力に基づいて、サーバ1AがOSDデータ001とリンク付けされるようにリンク情報を変更することができる。
【0049】
図9は、OSDデータの設定画面を示す図である。
図9の設定画面は、例えば、スイッチ23の切替又は所定のホットキー(例えば、F2キー+shiftキー)の入力によりモニタ5に表示される。KVMスイッチ2では、複数のOSDデータが設定可能である。
図9では、OSDデータ001の設定例を示す。
【0050】
図9の設定画面の設定欄58では、OSDデータの表示、更新又は消去を指定するための、キーボード3によるユーザアクションを設定する。例えば、「Num Lock x 2」が選択されている場合には、Num Lockキーが2回押下されるとOSDデータが表示される。さらに、Num Lockキーが2回押下されるとOSDデータが更新される。さらに、Num Lockキーが2回押下されるとOSDデータが消去、つまりOSDデータが非表示になる。
【0051】
図9の設定画面の設定欄59では、OSDデータとして表示される画像データを設定する。
図9の例では画像データ001及び画像データ002(即ち、合成画像データ)が選択されているが、1つの画像データのみを選択してもよいし、3つ以上の画像データを選択してもよい。画像データを選択しない場合は、OSDデータは表示されない。
【0052】
また、設定欄59では、選択の順序により画像データの表示の優先度を設定でき、上から順に高い優先度が画像データに設定される。例えば、画像データ001の表示領域と画像データ002の表示エリアとが重なる場合、重なるエリアでは優先度が高い画像データが表示される。
図9の例では、重なるエリアでは画像データ001が表示される。
図3(E)の例では、画面データ31及びウィンドウ画像データ34がOSDデータとして選択されており、ウィンドウ画像データ34が画面データ31よりも高い優先度を有する。
【0053】
図9の設定画面の設定欄60では、OSDデータが更新されるタイミングを設定する。
【0054】
図10は、画像データの設定画面を示す図である。
図10の設定画面は、例えばスイッチ23の切替又は所定のホットキー(例えば、F3キー+shiftキー)の入力によりモニタ5に表示される。KVMスイッチ2では、複数の画像データが設定可能である。
図10では、画像データ001の設定例を示す。
【0055】
図10の設定画面の設定欄61では、画像データを出力するサーバを設定する。
図10の設定画面の設定欄62では、画像データとして、画面データ、ウィンドウ画像データ及び画像ファイルデータのいずれか1つを設定する。
【0056】
図10の設定画面の設定欄63では、画像データの倍率を設定する。例えば、
図10の例では、画像データが表示画面のサイズ、即ち操作対象のサーバの画面データの解像度の0.1倍である。
図10の設定画面の設定欄64では、画像データの表示位置を設定する。例えば、
図10の例では、画像データの左下角のX座標が675であり、Y座標が120である。
【0057】
図11は、サーバの切替モード又はOSDの切替モードが設定された場合のサーバ及び画像データの設定画面を示す図である。
図11の設定画面は、例えばスイッチ23の切替又は所定のホットキー(例えば、F4キー+shiftキー)の入力によりモニタ5に表示される。
【0058】
図11の設定画面の設定欄65では、画像データを出力するサーバを設定する。
図11の設定画面の設定欄66では、画像データとして、画面データ、ウィンドウ画像データ、画像ファイルデータ及び合成画像データのいずれか1つを設定する。
図11の設定画面の設定欄67では、画像データの更新間隔を設定する。
図11の設定画面の設定欄68では、画像データの倍率を設定する。
図11の設定画面の設定欄69では、画像データの表示位置を設定する。
【0059】
例えば、設定欄65のサーバの設定を維持したまま、設定欄66の画像データの設定を変更すると、サーバの画面データを維持したままOSDの表示のみを切り替えることができる。逆に、設定欄66の画像データの設定を維持したまま、設定欄65のサーバの設定を変更すると、OSDの表示を維持したままサーバの画面データのみを切り替えることができる。設定欄66で画像データが選択されていない状態で、設定欄65のサーバの設定を変更すると、OSDの表示なしでサーバの画面データのみを切り替えることができる。
【0060】
尚、
図8〜
図11の設定画面のデータはKVMスイッチ2のメインマイコン21又は記憶媒体22に予め保存されている。
【0061】
図12は、切替処理を示すフローチャートである。
【0062】
メインマイコン21は、ユーザアクションによる指示を入力する(ステップS31)。このユーザアクションは、
図8の設定画面、スイッチ23、もしくはホットキー入力によるサーバ及び/又はOSDの切替指示である。
【0063】
次いで、メインマイコン21は、ユーザアクションがサーバ及びOSDの同時切替指示であるか否かを判別する(ステップS32)。ユーザアクションがサーバ及びOSDの同時切替指示である場合には(ステップS32でYES)、メインマイコン21はサーバの切替を実行する(ステップS34)。
【0064】
ユーザアクションがサーバ及びOSDの同時切替指示でない場合には(ステップS32でNO)、メインマイコン21は、ユーザアクションがサーバのみの切替指示であるか否かを判別する(ステップS33)。ユーザアクションがサーバのみの切替指示である場合には(ステップS33でYES)、メインマイコン21はサーバの切替を実行する(ステップS34)。ユーザアクションがサーバのみの切替指示でない場合には(ステップS33でNO)、ユーザアクションがOSDのみの切替指示になるので、メインマイコン21はOSDの切替を実行して(ステップS37)、本処理を終了する。
【0065】
ステップS34の後、メインマイコン21は、再び、ユーザアクションがサーバ及びOSDの同時切替指示であるか否かを判別する(ステップS35)。ユーザアクションがサーバ及びOSDの同時切替指示でない場合には(ステップS35でNO)、本処理を終了する。ユーザアクションがサーバ及びOSDの同時切替指示である場合には(ステップS35でYES)、メインマイコン21は
図8の設定画面で設定されたリンク情報を取得し(ステップS36)、当該リンク情報に基づいてOSDの切替を実行して(ステップS37)、本処理を終了する。
【0066】
図12の切替処理によれば、メインマイコン21は、サーバの切替と同時にOSDの表示も切り替えることができる。特に、OSDデータとして合成画像データが選択されていれば、メインマイコン21は、サーバの切替と同時に複数の画像データの表示を切り替えることができる。従って、サーバの切替の度にOSDを再表示する操作が不要である。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態によれば、KVMスイッチ2は、複数のサーバの少なくとも1つから画像信号を受信するI/F24A,24Bと、画像信号から画像データを作成し、当該画像データを暗号化するメインマイコン21と、暗号化された画像データを保存する記憶媒体22とを備え、メインマイコン21は、記憶媒体22に保存された暗号化された画像データを復号化し、復号化された画像データをOSDとして他のサーバの画面データに重ね合わせて、モニタ5に出力する。
【0068】
従って、デュアルモニタが不要なので、作業スペースの増大を防ぐことができる。さらに、画像データが暗号化されて、記憶媒体22に保存され、モニタ5に出力される前に復号化されるので、画像データの流出を防ぐことができる。仮に、画像データが記憶媒体22から取り出されても、暗号化されているので、画像データを閲覧することはできない。また、復号化された画像データはOSDとして他のサーバの画面データに重ね合わせて、モニタ5に出力されるので、1つのサーバの画像データを表示しながら他のサーバを操作することができる。
【0069】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。