【実施例】
【0043】
以下に実施例を挙げて本発明の詳細を説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において単に%と記載した場合は、質量%を意味する。
【0044】
[実施例1]
<各種糖質の塩味増強効果1>
食塩1.5%及びゲンチオビオース0.02%となるよう、水に食塩及びゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加しゲンチオオリゴ糖含有食塩水を調製した。
【0045】
また、ゲンチオオリゴ糖以外の糖質を、上記ゲンチオオリゴ糖含有糖質と同じ固形分量となるように添加して、各種糖質を含有する1.5%食塩水をそれぞれ調製した。なお、各種糖質は、トレハロース(林原社製)、グラニュー糖(フジ日本精糖社製)、難消化性デキストリン(商品名「ファイバーソルII」、松谷化学工業社製)、難消化性グルカン(商品名「フィットファイバー#80」、日本食品化工社製)を用いた。
【0046】
コントロールは、糖質を添加しない1.5%食塩水(未添加区)とした。
【0047】
得られた各種食塩水について、11名のパネラーにて塩味の官能検査を実施した。具体的には、塩味の強さについて未添加区を5点として1〜15点で評価し、平均点を算出した。その結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
表1の通り、ゲンチオオリゴ糖(ゲンチオビオース)を添加した食塩水は、評価点が8点を超えており、評価点が6点代であった他の糖質を添加した食塩水に比べ特に顕著な塩味増強効果を有している事が明らかとなった。
【0050】
[実施例2]
<各種糖質の塩味増強効果2>
食塩1.0%及びゲンチオビオース0.02%となるよう、水に食塩及びゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加しゲンチオオリゴ糖含有食塩水を調製した。
【0051】
また、ゲンチオオリゴ糖の代わりに、糖アルコール(商品名「アマミール」、三菱商事フードテック社製)を同様に添加した糖アルコール含有1.0%食塩水を調製した。糖アルコールは、添加する固形分量がゲンチオオリゴ糖添加区と一致するように添加した。なお、上記糖アルコールは、単糖類、二糖及び三糖類以上をそれぞれ40〜50%、30〜55%及び20%以下含有する、特許文献5に記載の高糖化還元水飴である。
【0052】
コントロールは、糖質を添加しない1.0%食塩水(未添加区)とした。
【0053】
得られた各種食塩水について、10名のパネラーにて塩味の官能検査を実施した。具体的には、塩味の強さについて1〜15点で評価し、平均点を算出した。その結果を表2に示した。
【0054】
【表2】
【0055】
表2の通り、ゲンチオオリゴ糖を添加した食塩水は、評価点が10.2点と10点を超えており、評価点が8.3点であった未添加区と比べ顕著に塩味が増強されていた。一方、糖アルコールを添加した試験区は、評価点が7.5点と未添加区(食塩水)に比べ低い値を示していた。
【0056】
[実施例3]
<各種糖質の塩化カリウムの味質改善効果>
食塩0.75%、塩化カリウム0.75%及びゲンチオビオース0.02%となるよう、水に食塩、塩化カリウム及びゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加しゲンチオオリゴ糖含有溶液を調製した。また、ゲンチオオリゴ糖の代わりに難消化性デキストリン(商品名「ファイバーソル2」、松谷化学工業社製)を同様に添加した難消化性デキストリン含有溶液を調製した。難消化性デキストリンは、添加する固形分量がゲンチオオリゴ糖添加区と一致するように添加した。コントロールは、糖質を添加しない食塩・塩化ナトリウム溶液(未添加区)とした。
【0057】
得られた各種溶液について、11名のパネラーにて塩味及び塩化ナトリウムのえぐみの官能検査を実施した。具体的には、塩味の強さ及び塩化ナトリウムのえぐみの強さについて未添加区を0点として下記基準を用いて−2〜2点で0.5点単位にて評価し、平均点を算出した。その結果を表3に示した。
−2点:著しく低減している、−1点:やや低減している、0点:同等、1点:やや増強している、2点:著しく増強している
【0058】
【表3】
【0059】
表3の通り、ゲンチオオリゴ糖を添加した溶液は、塩味の評価点が0.4点と未添加区に比べ塩味が増強されており、また塩化ナトリウムのえぐみの評価点が−0.3点と未添加区に比べえぐみが低減し味質が改善されていた。一方で、水溶性食物繊維である難消化性デキストリンを添加した溶液は、塩味の評価点が−0.2点と未添加区に比べ塩味が低減しており、また塩化ナトリウムのえぐみの評価点が0.6点と未添加区に比べえぐみが増強し味質が損なわれていた。
【0060】
[実施例4]
<塩化ナトリウムとゲンチオビオースの質量比>
塩化ナトリウム及びゲンチオビオース含量が表4の濃度となるように、塩化ナトリウム及びゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加し、水溶液を調製した。得られた各溶液を、4名のパネラーにて塩味の強さ及び味質(苦味の影響)について官能検査を実施した。
【0061】
具体的には、塩味の強さについては、未添加区を7点として1〜15点で評価(塩味が強い程評価点は高い)し、平均点を算出した。 味質については、下記基準を用いてパネラー全員の評価を総合し評価した。
×:ゲンチオビオース由来の苦味を強く感じる
△:ゲンチオビオース由来の苦味をわずかに感じる
○:苦味を感じない
また、得られた溶液の塩味の強さ及び味質について、総合的に下記基準を用いて評価した。
×:未添加区と塩味が同等
△:塩味が僅かに増強している、又は塩味は増強しているがその味質に問題が有る
○:塩味が強く増強されており、味質に大きな問題無し
◎:塩味が特に強く増強されており、味質に問題無し
その結果を表4に示した。
【0062】
【表4】
【0063】
表4の通り、ゲンチオビオースを添加した全ての溶液において未添加区に比べ塩味増強効果が確認された。特に、塩化ナトリウム1質量部に対してゲンチオビオースを0.003質量部以上添加した溶液において強い塩味増強効果が確認され、ゲンチオビオースを0.0075〜0.075質量部添加した溶液において顕著に強い塩味増強効果が確認された。なお、塩化ナトリウム1質量部に対してゲンチオビオースを0.375〜1.5質量部添加した溶液は、塩味増強効果は十分発揮されたが、ゲンチオビオース由来の苦味が強くなってしまったためその味質に問題が有った。
【0064】
[実施例5]
<塩化ナトリウム及び塩化カリウムとゲンチオビオースの質量比>
塩化ナトリウム、塩化カリウム及びゲンチオビオース含量が表5の濃度となるよう、塩化ナトリウム、塩化カリウム及びゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加し、水溶液を調製した。得られた各溶液を、4名のパネラーにて塩味の強さ及び味質(塩化カリウムのえぐみの強さ、苦味の影響)について官能検査を実施した。
【0065】
具体的には、塩味の強さについて未添加区を7点として1〜15点で評価(塩味が強い程評価点は高い)し、平均点を算出した。
えぐみの強さについて未添加区を7点として1〜15点で評価(えぐみが強い程評価点は高い)し、平均点を算出した。
苦味の影響について下記基準を用いてパネラー全員の評価を総合し評価した。
×:ゲンチオビオース由来の苦味を強く感じる
△:ゲンチオビオース由来の苦味をわずかに感じる
○:苦味を感じない
また、得られた溶液の塩味の強さ及び味質について総合的に下記基準を用いて評価した。
×:未添加区と塩味・えぐみが同等
△:塩味が僅かに増強しえぐみが僅かに低減されている、又は塩味は増強しえぐみも低減しているがその味質(苦味)に問題が有る
○:塩味が強く増強されえぐみも十分に低減しており、味質(苦味)に大きな問題無し
◎:塩味が特に強く増強されえぐみも十分に低減しており、味質(苦味)に問題無し
その結果を表5に示した。
【0066】
【表5】
【0067】
表5の通り、ゲンチオビオースを添加した全ての溶液において、未添加区に比べ塩味増強効果及びえぐみの低減効果が確認された。特に、塩化ナトリウム及び塩化カリウムの合計1質量部に対してゲンチオビオースを0.005質量部以上添加した溶液において強い塩味増強効果が確認されえぐみ低減効果も十分に確認された。なお、塩化ナトリウム及び塩化カリウムの合計1質量部に対してゲンチオビオースを0.25〜1質量部添加した溶液は、塩味増強効果及びえぐみ低減効果は十分発揮されたが、ゲンチオビオース由来の苦味が強くなってしまったためその味質に問題が有った。
なお、実施例1〜5で調製した水溶液をそのまま調味料(塩味調味液)として用いることもでき、また粉末化することで、テーブルソルト等の粉末調味料を得ることもできる。
【0068】
[実施例6]
<牛丼のつゆ>
市販のレトルト牛丼にゲンチオビオースが0.04%となるようゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加し、ゲンチオオリゴ糖を含有する、レトルトパックに入った牛丼のつゆ(具材等を含む、塩化ナトリウム含有量1.6質量%)を調製した。
【0069】
また、ゲンチオオリゴ糖の代わりに、マルトオリゴ糖(商品名「フジオリゴ#450」、日本食品化工社製)又はニゲロオリゴ糖(商品名「テイストオリゴ」、日本食品化工社製)を添加した牛丼のつゆもそれぞれ調製した。なお、マルトオリゴ糖又はニゲロオリゴ糖は、ゲンチオオリゴ糖含有糖質と同固形分量となるように添加した。その後、加熱してご飯にかけて牛丼とし、官能評価を実施した。
【0070】
得られたゲンチオオリゴ糖含有牛丼は、ゲンチオオリゴ糖未添加のもの(市販の牛丼)に比べそのつゆの塩味が増強されており塩味を強く感じるものであった。また、ゲンチオオリゴ糖の添加により牛丼のつゆのコクが増していた。一方で、マルトオリゴ糖やニゲロオリゴ糖を添加した牛丼のつゆは、未添加のつゆに比べ甘味やコクは増しているが、ゲンチオオリゴ糖を添加したつゆに比べ、塩味は増強されていなかった。
【0071】
[実施例7]
<冷やし中華のつゆ>
市販の冷やし中華のつゆ(塩化ナトリウム含有量5.1質量%)にゲンチオビオースが0.04%、0.06%となるようそれぞれゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加し、ゲンチオオリゴ糖含有冷やし中華のつゆを調製した。
【0072】
官能評価の結果、ゲンチオオリゴ糖を添加した冷やし中華のつゆは、いずれも未添加のつゆに比べその塩味が増強されており塩味を強く感じるものであった。また、ゲンチオオリゴ糖の添加により冷やし中華のつゆの味が濃くなり、コクが増していた。
【0073】
[実施例8]
<めんつゆ>
市販のめんつゆ(塩化ナトリウム含有量9.8質量%)にゲンチオビオースが0.02%となるようそれぞれゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加し、ゲンチオオリゴ糖含有めんつゆを調製した。また、ゲンチオオリゴ糖の代わりに、糖アルコール(商品名「アマミール」、三菱商事フードテック社製)を添加しためんつゆも調製した。なお、糖アルコールは、ゲンチオオリゴ糖含有糖質と同固形分量となるように添加した。
【0074】
官能評価の結果、ゲンチオオリゴ糖を添加しためんつゆは、未添加の麺つゆに比べトップの味が立ち後味が切れることで味がシャープになっており、塩味を強く感じるものであった。一方で、糖アルコールを添加しためんつゆは、甘味が強く味がまろやかになるが、塩味は増強されていなかった。
【0075】
[実施例9]
<焼きそばソース>
市販のインスタントソース焼きそばのソース(塩化ナトリウム含有量12.4質量%)にゲンチオビオースが0.21%、0.41%、0.82%となるようそれぞれゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加し、ゲンチオオリゴ糖含有焼きそばのソースを調製した。その後、常法により調理したインスタント焼きそばの麺にソースを絡めて官能評価を実施した。
【0076】
官能評価の結果、ゲンチオオリゴ糖を添加して得られた焼きそばは、いずれも未添加の焼きそばに比べソースの塩味が増強されており塩味を強く感じるものであった。また、ゲンチオオリゴ糖の添加により焼きそばのソースの味が濃くなり、コクが増し、さらに味のトップの厚みが増していた。特に、ゲンチオビオースを0.41%含有するソースが強い塩味増強効果を発揮していた。
【0077】
[実施例10]
<チーズソース>
市販のチーズソース(塩化ナトリウム含有量1.3質量%)にゲンチオビオースが0.02%、0.04%となるようそれぞれゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加し、ゲンチオオリゴ糖含有チーズソースを調製した。
【0078】
官能評価の結果、ゲンチオオリゴ糖を添加して得られたチーズソースは、いずれも未添加のチーズソースに比べ、その塩味が増強されていた。また、ゲンチオオリゴ糖の添加により、トップの味の厚みが増し、チーズ感が向上した。
【0079】
[実施例11]
<コンソメスープ>
市販の粉末コンソメスープの素をお湯に溶かし、ゲンチオビオースが0.02%となるようゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加し、ゲンチオオリゴ糖含有コンソメスープ(塩化ナトリウム含有量0.8質量%)を調製した。また、ゲンチオオリゴ糖の代わりに、0.1%となるよう食塩を添加したコンソメスープと、糖アルコール(商品名「アマミール」、三菱商事フードテック社製)を添加したコンソメスープも調製した。なお、糖アルコールは、ゲンチオオリゴ糖含有糖質と同固形分量となるように添加した。
【0080】
70〜75℃程度に湯煎で温めたコンソメスープを官能評価した。その結果、ゲンチオオリゴ糖あるいは食塩を添加したコンソメスープは、未添加のコンソメスープに比べその塩味が増強されており塩味を強く感じるものであった。また、ゲンチオオリゴ糖あるいは食塩の添加によりコンソメスープの味が全体的に濃くなった。一方で、糖アルコールを添加したコンソメスープは、味がまろやかになるが、塩味は増強されていなかった。
【0081】
[実施例12]
<中華スープ>
市販の粉末中華スープの素をお湯に溶かし、ゲンチオビオースが0.02%となるようゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加し、ゲンチオオリゴ糖含有中華スープ(塩化ナトリウム含有量0.9質量%)を調製した。また、ゲンチオオリゴ糖の代わりに、糖アルコール(商品名「アマミール」、三菱商事フードテック社製)を添加した中華スープも調製した。なお、糖アルコールは、ゲンチオオリゴ糖含有糖質と同固形分量となるように添加した。加えて、特許文献5の実施例2において最も塩味増強効果が発揮されている1.0%の添加量で糖アルコールを添加した中華スープも調製した。
【0082】
得られた中華スープを官能評価した。その結果、ゲンチオオリゴ糖を添加した中華スープは、未添加の中華スープに比べその塩味が増強されており塩味を強く感じるものであった。また、ゲンチオオリゴ糖の添加により中華スープの後味がすっきりした。一方で、糖アルコールを添加した中華スープは、甘味が上がり厚みは向上するが塩味は増強されず、その傾向は糖アルコールを1.0%添加した中華スープで特に強かった。
【0083】
[実施例13]
<お吸い物>
市販の粉末スープの素をお湯に溶かし、ゲンチオビオースが0.02%となるようゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加し、ゲンチオオリゴ糖含有お吸い物(塩化ナトリウム含有量0.9質量%)を調製した。また、ゲンチオオリゴ糖の代わりに、糖アルコール(商品名「アマミール」、三菱商事フードテック社製)を添加したお吸い物も調製した。なお、糖アルコールは、固形分として1.0%となるように添加した。
【0084】
得られたお吸い物を官能評価した。その結果、ゲンチオオリゴ糖を添加したお吸い物は、未添加のお吸い物に比べその塩味が増強されており塩味を強く感じるものであった。また、ゲンチオオリゴ糖の添加によりお吸い物の味がまろやかになった。一方で、糖アルコールを添加したお吸い物は、味がまろやかになるが、塩味は増強されていなかった。
【0085】
[実施例14]
<米飯>
炊飯した米飯に、表6に示した含量となるように、塩化ナトリウム、塩化カリウム及びゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加し、よく混ぜた。その後、−30℃で急速冷凍・保存した後レンジアップし、得られた米飯の官能評価を実施した。
【0086】
【表6】
【0087】
その結果、米飯1〜3は、塩化ナトリウム濃度が0.6%である米飯5に近い塩味を有しており、塩味増強効果が確認された。さらに、米飯1〜3は塩化カリウムのえぐみも軽減されていた。一方で、米飯4は、えぐみが強く塩味増強効果も米飯1〜3に劣るものであった。
【0088】
[実施例15]
<ハヤシソース>
市販のレトルトハヤシソース(塩化ナトリウム含有量1.1質量%)にゲンチオビオースが0.02%、0.04%となるようそれぞれゲンチオオリゴ糖含有糖質(商品名「日食ゲントース#45」、日本食品化工社製)を添加し、ゲンチオオリゴ糖含有ハヤシソースを調製した。
【0089】
官能評価の結果、ゲンチオオリゴ糖を添加したハヤシソースは、いずれも未添加のソースに比べその塩味が増強されていた。また、ゲンチオオリゴ糖の添加によりハヤシソースの味のトップの厚みが増していた。なお、上記実施例に用いた市販のハヤシソースは、オニオンソテー(玉ねぎをスライス又はみじん切りにし飴色になるまでソテーしたもの)を含有するものであった。一方、オニオンソテーを含有しない別の市販ハヤシソースに同量のゲンチオオリゴ糖を添加した結果、塩味増強効果は得られなかった。同様に、オニオンソテーを含有するパスタ用トマトソースやビーフシチューソースにおいてはゲンチオオリゴ糖の塩味増強効果は認められたが、オニオンソテーを含有しないクリームシチューソースにおいてはゲンチオオリゴ糖を添加しても塩味増強効果は認められなかった。よって、上記ハヤシソースにおける塩味増強効果は、他の実施例とは異なりゲンチオオリゴ糖がオニオンソテーの風味を増強することで生じた効果と考えられる。