(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、作物管理システムの概略図を示している。
作物管理システムは、牧草、乾草、稲等の作物を管理するシステムである。作物は上述したものに限定されない。
【0013】
作物管理システムは、成形機に設けられた情報出力装置10を備えている。成形機20は、農場等の作物を収集して、収集した作物を、ロール状や矩形状(キューブ状)の所定形状に成形する機械である。成形機20は、例えば、作物をロール状に成形するロールベーラ、ホールクロップ等である。
まず、ロールベーラを例にとり、成形機20について説明する。
【0014】
図2に示すように、ロールベーラ20は、車体21と、車体21に設けられた走行装置22と、車体21に設けられた成形装置23とを備えている。走行装置22は、車輪を有する車輪式の走行装置22である。なお、走行装置22は、クローラベルトを有するクローラ式の走行装置22であってもよい。ロールベーラ20は、エンジン等の原動部を有して自走する自走式であっても、トラクタ等の牽引車24により牽引される牽引式であってもよい。この実施形態では、ロールベーラ20は、車体21の前部が連結部を介してトラクタ等に連結される牽引式である。
【0015】
成形装置23は、ロール状にする作物を取り入れる取入部25と、取入部25により取り入れられた作物を収容する収容部26と、収容部26に入れられた作物を回転ローラ等によってローラ状の成形材Kに成形する成形部27と、成形部27で成形した成形材Kを排出する排出部28とを有している。したがって、成形装置23によって、作物は所定の大きさのロール状の成形材Kに成形され、成形後、外部に排出される。説明の便宜上、ロール状の成形材Kのことをロール成形材ということがある。
【0016】
なお、成形装置23は、上述した構成に限定されず、作物を所定形状に成形する装置であればよい。例えば、成形装置23は、作物をチェーンによってロール状に成形するチェーン式であっても、ベルトによってロール形状にするベルト式であっても、その他の方式であってもよい。また、成形装置23は、ロール成形材Kの側面にネット等の梱包材29を巻きつける機構(巻き付け機構)を有することが好ましい。この場合、ロール成形材Kの側面に梱包材29が巻きつけられた状態で排出部28から外部へ排出することができる。
【0017】
図1に示すように、情報出力装置10は、成形装置23によって成形された成形材Kに関する情報(以降、成形材情報)を出力可能な装置である。具体的には、情報出力装置10は、通信装置11と、重量検出装置12と、水分検出装置13と、計時装置14とを有している。通信装置11には、重量検出装置12、水分検出装置13及び計時装置14が接続されている。
【0018】
通信装置11は、近距離、或いは、長距離の通信を無線等で行う装置であり、成形機20の外部の機器と接続可能である。例えば、通信装置11は、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(WireNess FideNity、登録商標)、IEEE802.15シリーズのBlueTooth(登録商標)等により無線通信を行う通信モジュールである。なお、通信装置11は、携帯電話通信網により無線通信を行う通信モジュールであっても、データ通信網により無線通信を行う通信モジュールであっても、その他の通信モジュールであってもよい。
【0019】
重量検出装置12は、成形装置23によって成形された成形材Kの重量、即ち、外部に排出時の成形材Kの重量を検出する装置である。重量検出装置12は、成形装置23に設けられたロードセル等で構成されている。重量検出装置12は、検出した重量を成形材情報として通信装置11に出力する。重量検出装置12は、重量を出力する毎に、出力する重量に管理番号等の管理情報を付して通信装置11に出力することが好ましい。
【0020】
水分検出装置13は、成形装置23によって成形された成形材Kの水分(水分量)、即ち、外部に排出時の成形材Kの水分を検出する装置である。水分検出装置13は、成形材Kの誘電率を用いて当該成形材Kの水分を測定したり、或いは、成形材Kの電気抵抗を用いて当該成形材Kの水分(水分含有率)を測定したり、成形材Kに赤外線或いはマイクロ波等を照射することで水分を測定するセンサ等である。水分検出装置13は、水分を検出するものであればどのような装置であってもよい。
【0021】
水分検出装置13は、検出した水分を成形材情報として通信装置11に出力する。水分検出装置13は、水分を出力する毎に、出力する水分に管理番号等の管理情報を付して通信装置11に出力することが好ましい。
計時装置14は、成形機20によって成形材Kを成形した時間を計測する装置である。計時装置14は、例えば、時間(西暦、月、日等の日付、時刻)を計測するタイマである。計時装置14は、成形装置23の動作に基づいて、成形材Kの成形を開始した開始時間、成形材Kの成形を終了した終了時間、成形材Kを排出した排出時間等を通信装置11に出力する。上述した実施形態では、情報出力装置10は、重量検出装置12、水分検出装置13及び計時装置14を有しているが、重量検出装置12、水分検出装置13及び計時装置14のいずれか1つ以上を有していればよい。また、情報出力装置10は、成形機20において、成形材Kに関する情報を出力する装置であればよく、重量検出装置12、水分検出装置13及び計時装置14のみに限定されない。
【0022】
通信装置11は、成形材情報(重量、水分、時間)及び管理番号をロールベーラ20の作業終了後やロールベーラ20でロール成形材Kを成形する毎、或いは、定期的に、外部のコンピュータに送信する。上述した実施形態では、重量検出装置12、水分検出装置13が、計測値(重量、水分)に管理情報を付していたが、これに代え、通信装置11が、計測値(重量、水分)を取得する毎に管理情報を付してもよい。また、通信装置11によって、成形材情報及び管理情報を外部のコンピュータに送信する際に、少なくとも日付を送信することが好ましい。
【0023】
図1に示すように、作物管理システムは、無線タグ、即ち、RFIDタグ(Radio Frequency Identification)30を備えている。RFIDタグ30は、成形材Kに設けられている。RFIDタグ30は、少なくとも成形材Kの識別情報を送信するタグである。識別情報とは、成形材Kを特定、即ち、識別するための情報である。識別情報は、成形材Kを識別するための情報であれば何でもよく、成形材K毎に個別に割り当てられたユニークな番号(シリアル番号)であってもよいし、その他の情報であってもよい。
【0024】
図3は、農場等にロールベーラ20を走行させて成形材Kを成形した状態を示している。
図3に示すように、ロールベーラ20では、ロール成形材Kを成形する毎にロール成形材Kを農場に排出するため、農場にはロールベーラ20から排出された多くのロール成形材Kが存在する。
作業者等は、予めRFIDタグ30を用意しておき、農場に排出されたロール成形材KにRFIDタグ30を取付ける。作業者は、ロール成形材Kの1つ当たり、1つのRFIDタグ30を取付ける。農場では、ロール成形材Kは、側部(側面)が農場の地面に接していて横倒しになっている状態である。また、ロール成形材Kの側部には、ネット等の梱包材29が巻きつけられている。作業者は、例えば、ロール成形材Kの側部に巻きつけられた梱包材29にRFIDタグ30を取付ける。上述したように、RFIDタグ30は、梱包材29に取付けているが、梱包材29以外の箇所に取付けてもよいし、ロール成形材の底部(底面)に取付けてもよい。
【0025】
図1に示すように、作物管理システムは、管理装置40を備えている。管理装置40は、サーバ、携帯端末、パーソナルコンピュータ等のコンピュータである。なお、携帯端末とは、持ち運びが容易なコンピュータであって、スマートフォン(多機能携帯電話)、タブレット等である。この実施形態では、管理装置40は、サーバである。
サーバ40は、取得部41と、第1記憶部42とを有している。取得部41は、サーバ40に格納されたプログラム等から構成され、RFIDタグ30の識別情報を外部から取得する。第1記憶部42は、不揮発性のメモリであって、取得部41が取得したRFIDタグ30の識別情報等を記憶する。
【0026】
取得部41によるRFIDタグ30の識別情報の取得方法は、RFIDタグ30の識別情報をRFIDリーダ50に読み取り、読み取った識別情報をサーバ40に送信する方法がある。即ち、作物管理システムは、RFIDタグ30、即ち、無線タグの識別情報を受信可能なRFIDリーダ50(無線タグリーダ)を備えている。
RFIDリーダ50は、例えば、作業者が持ち運び可能な携帯型のリーダであって、読取部51と、出力部52とを有している。読取部51は、アンテナ等であって、RFIDタグ30がパッシブ型のRFIDタグ30である場合、RFIDタグ30に電波を照射し、RFIDタグ30から送信されたRFIDタグ30の識別情報を取得する。読取部51は、RFIDタグ30がアクティブ型のRFIDタグ30である場合、RFIDタグ30に対して識別情報の要求を行い要求に応じてRFIDタグ30から送信されたRFIDタグ30の識別情報を取得する。なお、読取部51は、RFIDタグ30がアクティブ型のRFIDタグ30である場合、RFIDタグ30に識別情報の要求を行わずに、RFIDタグ30から任意に送信されたRFIDタグ30の識別情報を取得してもよい。
【0027】
出力部52は、近距離、或いは、長距離の通信を無線等で行う通信装置である。出力部52は、長距離の通信を行う通信装置である場合、読取部51によって取得したRFIDタグ30の識別情報をサーバ40に送信する。また、出力部52は、近距離の通信を行う通信装置である場合、読取部51によって取得したRFIDタグ30の識別情報を作業者等が所持するコンピュータ(以降、作業者コンピュータという)60に送信する。
【0028】
作業者コンピュータ60は、RFIDリーダ50の出力部52から送信されたRFIDタグ30の識別情報を受信した後、受信した識別情報をサーバ40に送信する。作業者コンピュータ60は、例えば、携帯端末、パーソナルコンピュータ等である。
なお、RFIDリーダ50によって、RFIDタグ30の識別情報をサーバ40に送信するに際し、予め、RFIDリーダ50に作業者に関する情報(ユーザ情報)を登録しておき、RFIDリーダ50に登録したユーザ情報と共に、RFIDリーダ50が読み込んだ識別情報をサーバ40に送信することが好ましい。
【0029】
具体的には、RFIDリーダ50は、表示部53を有している。表示部53は、例えば、液晶パネルモニタ等であって、様々な情報を表示可能である。RFIDリーダ50の表示部53は、ユーザ登録画面を表示する。登録画面では、作業者の氏名、住所、電話番号、ユーザID、パスワード等のユーザ情報を入力可能である。作業者は、RFIDリーダ50に設けられたインターフェース等を用いて、登録画面にユーザ情報を入力することによって、ユーザ情報をRFIDリーダ50に登録する。
【0030】
RFIDリーダ50にユーザ情報を登録する方法は、別の方法であってもよい。例えば、作業者コンピュータ60にユーザ登録画面を表示して、ユーザ登録画面に入力されたユーザ情報を作業者コンピュータ60に登録し、作業者コンピュータ60に登録したユーザ情報をRFIDリーダ50に転送することによって、RFIDリーダ50にユーザ情報を登録してもよい。
【0031】
このように、RFIDリーダ50に登録したユーザ情報を、RFIDタグ30の識別情報と共にサーバ40に送信することによって、サーバ40は、RFIDタグ30の識別情報とユーザ情報とを関連付けて第1記憶部42に記憶することができる。
なお、RFIDリーダ50からサーバ40に識別情報を送信する前に、予めRFIDリーダ50又は作業者コンピュータ60をサーバ40に接続して、サーバ40にユーザ情報を送信することにより、サーバ40に対してユーザ情報の登録を行ってもよい。また、サーバ40は、ユーザ情報の登録を行った場合に、ログインID及びパスワード等を発行し、RFIDリーダ50又は作業者コンピュータ60に送信する。RFIDリーダ50又は作業者コンピュータ60は、サーバ40で発行されたログインID及びパスワード等を登録する。この場合は、作業者コンピュータ60又はRFIDリーダ50は、ログインID及びパスワードを用いて、サーバ40にログインした後、RFIDタグ30の識別情報をサーバ40に送信する。
【0032】
サーバ40は、上述したようにRFIDリーダ50又は作業者コンピュータ60から送信されたRFIDタグ30の識別情報及びユーザ情報を受信する。サーバ40の取得部41は、サーバ40がRFIDタグ30の識別情報及びユーザ情報を受信した時点でRFIDタグ30の識別情報及びユーザ情報を取得する。また、サーバ40の取得部41は、RFIDタグ30の識別情報だけでなく、成形材Kの成形材情報を取得する。サーバ40は、通信装置11から送信された成形材情報(重量、水分、時間)を受信する。取得部41は、サーバ40が成形材情報(重量、水分、時間)を受信した際に、当該成形材情報を取得する。
【0033】
サーバ40は、関連付け部43と、第2記憶部44とを有している。関連付け部43は、サーバ40に格納されたプログラム等から構成されている。第2記憶部44は、不揮発性のメモリ等から構成されている。以降、説明の便宜上、RFIDタグ30の識別情報のことを「タグ識別情報」ということがある。
関連付け部43は、取得部41で取得したタグ識別情報と、取得部41で取得した成形材情報とを関連付ける。関連付け部43による関連付けについて説明する。
【0034】
図4Aは、所定の日付(例えば、2016年10月3日)における取得部41が取得したタグ識別情報、成形材情報である重量及び水分を示している。
図4Aに示すように、成形材情報は、ロール成形材Kが成形される毎に発生するものであり、成形材情報の個数が、ロール成形材Kの個数と対応する。また、ロール成形材Kには、1つのロール成形材Kに対して、1つのRFIDタグ30が取り付けられるため、タグ識別情報の個数が、ロール成形材Kの個数と対応する。また、
図4Aに示された管理番号は、ロール成形材Kが成形される毎に番号が大きくなっており、番号が大きくなるほど、成形された時刻が遅いことを意味している。
【0035】
図4Bは、関連付け部43によって関連付けられたロール成形材Kの重量及び水分と、タグ識別情報とを示している。
図4Bに示すように、関連付け部43は、所定の日付に対応する管理番号を参照し、管理番号が最も小さいロール成形材Kに対応する重要及び水分と、複数のタグ識別情報の中で番号が最も小さいタグ識別情報とを対応付ける。また、関連付け部43は、管理番号が最も大きいロール成形材Kに対応する重量及び水分と、複数のタグ識別情報の中で番号が最も大きいタグ識別情報とを対応付ける。即ち、関連付け部43は、管理番号及びタグ識別情報をそれぞれ順番に並べて、順番に並べられた管理番号に対応する重量及び水分と、タグ識別情報とを関連付ける。関連付け部43によって、関連付けられた成形材情報(重量、水分)と、タグ識別情報とは、第2記憶部44に記憶される。
【0036】
なお、
図4Aでは、サーバ40の取得部41は、重量及び水分を取得しているが、取得した成形材情報が重量のみである場合、当然の如く、関連付け部43は、重量と、タグ識別情報とを関連付ける。また、取得した成形材情報が水分のみである場合、関連付け部43は、水分とタグ識別情報とを関連付ける。
なお、成形材情報に時間(開始時間、終了時間、排出時間)が含まれる場合は、管理番号の代わりに、時間(開始時間、終了時間、排出時間)を用いて、重量及び水分と、タグ識別情報とを関連付けることが可能である。
図5Aは、所定の日付(例えば、2016年10月3日)におけるロール成形材Kの重量、水分、排出時間、取得部41が取得したタグ識別情報を示している。
図5Aに示すように、成形材情報には管理番号は付されていない。
【0037】
図5Bは、関連付け部43によって関連付けられた成形材情報と、タグ識別情報とを示している。
図5Bに示すように、関連付け部43は、所定の日付におけるロール成形材Kの排出時間を参照し、成形材情報において最も排出時間が早い重量及び水分と、複数のタグ識別情報の中で番号が最も小さいタグ識別情報とを対応付ける。また、関連付け部43は、成形材情報において排出時間が最も遅い重量及び水分と、複数のタグ識別情報の中で番号が最も大きいタグ識別情報とを対応付ける。関連付け部43は、開始時間、終了時間等を用いて、ロール成形材Kの重量及び水分と、タグ識別情報とを関連付けてもよい。即ち、関連付け部43は、成形材情報に含まれる時間(開始時間、終了時間、排出時間)に基づいて、重量及び水分とタグ識別情報とを関連付ける。なお、成形材情報が時間(開始時間、終了時間、排出時間)のみの場合、関連付け部43は、時間とタグ識別情報とを関連付ける。
【0038】
以上のように、作物管理システムは、成形材情報を出力する情報出力装置10と、成形材Kの識別情報を記憶するRFIDタグ30と、管理装置40とを備えている。そのため、従来のように、作業者が農場に排出されたロール成形材Kを区別するために、ロール成形材Kの表面等に手書きで、ロール成形材Kに関する情報(日付、農業等)を記載しなくても、ロール成形材Kに設けられたタグ識別情報をRFIDリーダ50等で読み込んで管理装置40に出力するだけで、ロール成形材Kについて把握することができる。
【0039】
例えば、情報出力装置10が重量検出装置12を有している場合、管理装置40の関連付け部43において関連付けられたタグ識別情報に基づいて、
図4Bに示すように、ロール成形材Kの重量を把握することができる。また、情報出力装置10が水分検出装置13を有している場合、管理装置40の関連付け部43において関連付けられたタグ識別情報に基づいて、ロール成形材Kの水分を把握することができる。また、情報出力装置10が計時装置14を有している場合、管理装置40の関連付け部43において関連付けられたタグ識別情報に基づいて、ロール成形材Kの成形時の時間(開始時間、終了時間、排出時間)を把握することができる。
【0040】
例えば、
図6に示すように、ロールベーラ20によって成形されたロール成形材Kは、保管場所Jに積み上げられて保管される。複数のロール成形材KにおいてRFIDタグ30の向きは一定でないことが多く、破線で示すように所定の位置からRFIDタグ30の位置が見えない場合もある。しかしながら、保管場所Jに積み上げられた所定のロール成形材Kに対してRFIDリーダ50をかざせば、RFIDタグ30の識別情報を読み込むことができる。そして、読み込んだ識別情報をサーバ40に送信することによって、所定のロール成形材Kの重量、水分、開始時間、終了時間、排出時間等を把握することができる。
【0041】
図1に示すように、RFIDリーダ50は、要求部54を有していることが好ましい。要求部54は、RFIDリーダ50に格納されたプログラム等から構成されている。要求部54は、読取部51で読み取られたタグ識別情報に関連付けられた成形材情報を管理装置40に要求する。具体的には、要求部54は、タグ識別情報と共に成形材情報の要求をサーバ40に出力する。サーバ40は、RFIDリーダ50の要求部54からの要求に基づき、第2記憶部44を参照して、要求に対応するタグ識別情報に関連付けられた成形材情報を抽出する。また、サーバ40は、抽出した成形材情報を、当該成形材情報の要求を行ったRFIDリーダ50に対して送信する。RFIDリーダ50は、サーバ40から送信された成形材情報を受信後、要求部54の要求によって得られた成形材情報を表示部53に表示する。
【0042】
なお、上述した実施形態では、ロールベーラ20に設けられた通信装置11から直接サーバ40に成形材情報を送信しているが、作業者コンピュータ60に成形材情報を送信した後、当該成形材情報を作業者コンピュータ60からサーバ40に送信してもよい。
[第2実施形態]
図7は、第2実施形態における作物管理システムを示している。第2実施形態は、第1実施形態に示した作物管理システムの変形例である。第1実施形態と同様である部分は説明を省略する。
【0043】
図7に示すように、ロールベーラ20は、RFIDタグ30、即ち、無線タグの識別情報を受信可能なRFIDリーダ(無線タグリーダ)70を備えている。説明の便宜上、ロールベーラ20に設けられたRFIDリーダ70のことを搭載リーダという。搭載リーダ70は、第1実施形態のRFIDリーダ50と同様に読取部51を備えている。読取部51の構成は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0044】
搭載リーダ70は、成形部27で成形した成形材Kを排出する排出部28又は排出部28の近傍に設けられている。具体的には、排出部28は収容部26に対して開閉自在な矩形状のカバー等で形成されていて、カバーの後面又は側面等に設けられている。搭載リーダ70の読取部51は、カバーの内方に向けられていて、後述するように、ロール成形材Kに取付けられたタグ識別情報を検出可能である。
【0045】
搭載リーダ70は、通信装置11に接続されている。搭載リーダ70の読取部51は、ロール成形材Kが排出部28から排出される毎に、当該ロール成形材Kに取付けられたRFIDタグ30の情報を読み取り、読み取ったタグ識別情報を通信装置11に出力する。通信装置11は、タグ識別情報を受け取ると、タグ識別情報をサーバ40等に出力する。また、通信装置11は、成形材情報をサーバ40に送信する。なお、搭載リーダ70において、通信装置11と同様の機能を設け、搭載リーダ70から直接サーバ40にタグ識別情報を送信するようにしてもよい。
【0046】
ロール成形材KのRFIDタグ30の取付けは、様々な方法がある。例えば、予めロール成形材Kを梱包する梱包材29にRFIDタグ30を取付けておき、巻き付け機構によって梱包材29を巻くことによって、RFIDタグ30をロール成形材Kに取付ける。或いは、ロールベーラ20の成形装置23にRFIDタグ30をロール成形材Kに貼り付ける貼り付け機を設けておき、巻き付け機構によってロール成形材Kに梱包材29を巻き付けた際に、貼り付け機が梱包材29にRFIDタグ30を貼り付けてもよい。ロール成形材Kに対するRFIDタグ30の取付けはこれに限定されず他の方法であってもよい。
【0047】
サーバ40は、通信装置11又は搭載リーダ70から送信されたタグ識別情報を受信する。また、サーバ40は、通信装置11から送信された成形材情報を受信する。サーバ40の関連付け部43及び第2記憶部44は、第1実施形態と同様である。第2実施形態の作物管理システムによれば、ロール成形材Kがロールベーラ20から排出される毎に自動的に搭載リーダ70によって、ロール成形材Kに取付けられたタグ識別情報を取得することができ、ロール成形材Kに取付けられたタグ識別情報の取得を自動化することができる。
【0048】
通信装置11又は搭載リーダ70からサーバ40にタグ識別情報を送信するに際しては、予め通信装置11又は搭載リーダ70にユーザ情報の登録を行い、通信装置11又は搭載リーダ70は、タグ識別情報と共にユーザ情報をサーバ40に送信してもよい。また、上述した実施形態では、ロールベーラ20に設けられた通信装置11又は搭載リーダ70から直接サーバ40に、成形材情報、タグ識別情報を送信しているが、これに代え、作業者コンピュータ60を経由して、成形材情報、タグ識別情報をサーバ40に送信してもよい。作業者コンピュータ60を経由する場合は、通信装置11及び搭載リーダ70にユーザ情報の登録は行わなくてもよく、作業者コンピュータ60にユーザ登録をしておき、当該作業者コンピュータ60からサーバ40に、成形材情報及びタグ識別情報を送信する際に作業者コンピュータ60に登録されたユーザ情報を送信すればよい。
【0049】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
情報出力装置10は、成形材情報を出力する装置として、成形材Kのタンパク質を測定して出力する検出装置であってもよいし、成形材Kのビタミンを測定して出力する検出装置であってもよいし、成形材Kのでんぷん価を測定して出力する検出装置であってもよいし、成形材Kの繊維質を測定して出力する検出装置であってもよい。
【0050】
また、上述した実施形態では、RFIDタグ30の識別情報と成形材情報とを関連付けていたが、これに加え、作業の位置と成形材情報とを関連付けてもよい。例えば、成形機20、RFIDリーダ50、作業者コンピュータ60のいずれかに、GPS等の測位衛星の信号に基づいて位置を検出する位置検出装置を設け、当該位置検出装置で検出した位置と、成形材情報とを関連付けてもよい。また、予め牧草(作物)の品種を、成形機20、管理装置40、RFIDリーダ50、作業者コンピュータ60などに入力できるようにしておき、作物の品種と成形材情報とを関連付けてもよい。