【実施例】
【0021】
<警備システムの概念>
まず、本実施例に係る警備システムの概念について説明する。
図1は、本実施例に係る警備システムの概念を説明するための説明図である。
図1に示すように、警備員Aは、カメラ31を装着しており、このカメラ31により動画像を撮像する(1)。このカメラ31は、警備員Aの顔の向きの移動に伴って撮像範囲が移動し、撮像される動画像の対象が変化する。なお、警備員Aに対しては、あらかじめ「定期的に他の警備員の顔画像を撮像せよ」との指令がなされているものとする。
【0022】
その後、カメラ31により撮像された動画像データは、警備員端末装置40及び無線通信ネットワーク等を介して、コントロールセンタに配設された管理装置50に送信される(2)。なお、カメラ31により撮像された動画像データは、警備員端末装置40を介することなくカメラ31から直接管理装置50に送信するよう構成することもできる。
【0023】
動画像データを受信した管理装置50は、動画像データ内に警備員の制服を身に付けている警備員Bの適正な顔画像(顔認証できる程度の顔画像)が含まれているか否かを判定する(3)。そして、動画像データ内に警備員Bの顔画像が含まれている場合には、あらかじめ記憶された警備員Bの登録顔画像を用いて顔認証を行い、登録された警備員であるか不正な第三者によるなりすましであるかを判定する(4)。この結果、警備員Bがあらかじめ登録された正規の警備員であると判定された場合には、管理装置50は、次に処理する動画像データを待ち受ける。
【0024】
これに対して、動画像データ内に警備員の制服を身に付けている警備員Bが含まれているが適正な顔画像が含まれていない場合や、警備員Bの顔認証に失敗した場合には、該警備員Bの近傍に位置する警備員Aの警備員端末装置40に対して、警備員Bの顔画像を撮像する指令を通知し(5)、警備員端末装置40上に指令を表示する(6)。警備員になりすまそうとしている悪意ある不審人物は、他の警備員に顔を見られないように俯きがちとなり、適正な顔画像を取得できないことが多いと推察されるため、本実施例では、警備員Aに対して警備員Bの顔画像を取得するよう指令を行うことで、なりすましの可能性がある警備員Bの顔画像の取得を促すようにしている。かかる表示内容を確認した警備員Aは、警備員Bに対して顔画像を撮像したいとの声掛けを行い(7)、警備員Bの顔画像を含む動画像データを取得する。
【0025】
このように、本警備システムでは、動画像データ内に警備員Bの顔画像が含まれている場合には、顔認証を行って正規の警備員であるか第三者によるなりすましであるかを判定するとともに、動画像データ内に警備員Bの顔画像が含まれていない場合には、顔画像の取得を各警備員に促すよう構成したため、警備区域を複数の警備員等で警備する場合に、警備員等へのなりすましを効率良く検知することができる。
【0026】
なお、上記の一連の説明は、本実施例の概要を分かりやすく説明するための例示であり、上記の構成及び手順は、本発明の内容を限定するものではない。例えば、
図1においては警備員を対象とする場合を示したが、警備を担当する会場スタッフ又はボランティア等の警備担当者であってもよい。
【0027】
<警備システムの構成>
次に、
図1に示した警備システムのシステム構成について説明する。
図2は、
図1に示した警備システムのシステム構成図である。
図2に示すように、警備システムは、複数の警備員装備30及び管理装置50を有する。
【0028】
警備員装備30は、警備員が装備する装置である。警備員装備30には、ウェアラブルカメラであるカメラ31と、マイク32と、GPS(Global Positioning System)ユニット33と、イヤホン34と、スピーカ35と、警備員端末装置40とが含まれる。
【0029】
カメラ31は、周囲を撮像し、画像データを警備員端末装置40に出力する。具体的には、カメラ31は、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の光学センサにより、周囲を撮像した動画像データを生成する。また、カメラ31には警備員の身体に取り付けられる取付具が設けられていてもよく、例えば、この取付具によりヘルメット、眼鏡又はイヤホンと一体化することもできる。
【0030】
マイク32は、周囲の音を取得し、音データを警備員端末装置40に出力する。GPSユニット33は、GPS人工衛星の信号を受信して位置を算出し、位置データを警備員端末装置40に出力する。イヤホン34及びスピーカ35は、警備員端末装置40からの制御を受けて音の出力を行なう。
【0031】
警備員端末装置40は、携帯電話通信網を用いた無線通信を行なう機能を有する。また、Wi−Fi(Wireless Fidelity)等の規格に準じた無線通信を行なう機能を有してもよい。警備員端末装置40は、これらの通信機能を用いて管理装置50と通信することができる。
【0032】
警備員端末装置40は、カメラ31により撮像された動画像データを管理装置50に送信するとともに、管理装置50から受信した指令データを表示部並びにイヤホン34又はスピーカ35へ出力する。
【0033】
管理装置50は、警備員装備30から受信した動画像データを用いて、不正な第三者による警備員へのなりすましを検知するとともに、各警備員が所持する警備員端末装置40に対して通知を行う装置である。なお、この管理装置50についての詳細な説明については後述する。
【0034】
次に、
図2に示した警備員端末装置40の内部構成について説明する。
図3は、
図2に示した警備員端末装置40の内部構成を示す内部構成図である。
図3に示すように、警備員端末装置40は、装備インタフェース41、表示操作部42、携帯通信網接続部43、記憶部45及び制御部46を有する。なお、ここでは説明の便宜上、本実施例の特徴部分でない箇所の説明を省略することとする。
【0035】
装備インタフェース41は、カメラ31、マイク32及びGPSユニット33の出力を受け付け、イヤホン34及びスピーカ35への音の出力を行なうインタフェースである。表示操作部42は、表示出力と操作入力の受付とを行なうタッチパネルディスプレイなどのデバイスである。
【0036】
携帯通信網接続部43は、携帯電話通信網に接続して通信を行なう通信インタフェースである。この他、Wi−Fi(Wireless Fidelity)等の規格に準じた無線通信を行なう通信インタフェースを設けてもよい。記憶部45は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶デバイスであり、カメラ31で撮像された動画像データ45a等を格納する。
【0037】
制御部46は、警備員端末装置40を全体制御する制御部であり、動画像撮像制御部46a、動画像送信部46b及び指令処理部46cを有する。制御部46は、CPU(Central Processing Unit)などで実現できる。制御部46をCPUにより実現する場合には、動画像撮像制御部46a、動画像送信部46b及び指令処理部46cは、CPUが実行するプロセスとして実現される。
【0038】
動画像撮像制御部46aは、カメラ31による動画像の撮像開始、記憶部45への動画像データ45aの格納、カメラ31による動画像の撮像終了を制御する制御部である。例えば、警備員が所定の位置に配置して警備を開始する場合に、表示操作部42上に表示された「警備開始ボタン」を警備員が押下操作すると、動画像の撮像開始をカメラ31に通知し、表示操作部42上に表示された「警備中断ボタン」又は「警備終了ボタン」を警備員が押下操作すると、動画像の撮像終了をカメラ31に通知する。
【0039】
動画像送信部46bは、記憶部45に記憶された動画像データ45aを管理装置50に送信する処理部である。なお、カメラ31により撮像された動画像データ45aの記憶部45への格納と、記憶部45からの動画像データ45aの読み出しを並行して行うこともできる。
【0040】
指令処理部46cは、管理装置50から通知された指令を処理する処理部である。具体的には、管理装置50から「特定の警備員に対する顔画像取得」の指令を受けたならば、その旨を表示操作部42に表示するとともに、イヤホン34又はスピーカ35への音の出力を行なう。
【0041】
次に、
図1に示した管理装置50の内部構成について説明する。
図4は、
図1に示した管理装置50の内部構成を示す内部構成図である。
図4に示すように、管理装置50は、表示部51、入力部52、通信部53、記憶部54及び制御部55を有する。
【0042】
表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部52は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。通信部53は、警備員端末装置40などと通信するためのインタフェース部である。
【0043】
記憶部54は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、警備員管理データ54a、動画像データ54b及び認証条件データ54cを記憶する。警備員管理データ54aは、警備員の個人に属する情報、警備員の配置、警備の予定、警備員の顔画像データ又は該顔画像データの特徴量、認証されない期間などを管理するデータである。警備員の個人に属する情報としては、警備員の識別情報、氏名、所属などが含まれる。この警備員管理データ54aを参照すると、所定の期間顔認証されていない警備員を特定することができる。
【0044】
動画像データ54bは、警備員端末装置40から送信された動画像データであり、この動画像データは警備員端末装置40又は警備員の識別情報ごとに記憶される。なお、この動画像データ54bは、一定時間ごとにファイル化される。
【0045】
認証条件データ54cは、動画像データ54bに含まれる警備員の顔画像を認証処理するための条件を含むデータである。例えば、認証条件データ54cには、警備員が下方又は側方を向き、警備員の本来の顔画像を形成する画素数の2/3以上の画素数が得られないという条件が含まれる。この場合には、顔画像データの補正を行ったとしても正確な顔画像が得られない可能性が高いため、この場合はなりすまし検知処理が行われない。また、逆光又は暗環境等により顔画像を形成する画素の半数の画素値が著しく高いケースや低いケースも、顔画像データの補正を行ったとしても正確な顔画像が得られない可能性が高いため、この場合はなりすまし検知処理が行われない。このように、顔画像が適正でない条件を認証条件データ54cに記憶し、この認証条件データ54cに適合しない顔画像についてはなりすまし検知処理の対象とはしない。
【0046】
制御部55は、管理装置50を全体制御する制御部であり、警備員管理部55a、動画像データ取得部55b、判定部55c、なりすまし検知部55d及び指令通知部55eを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、警備員管理部55a、動画像データ取得部55b、判定部55c、なりすまし検知部55d及び指令通知部55eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0047】
警備員管理部55aは、警備員に関する情報を警備員管理データ54aに登録することで警備員の管理を行う処理部である。また、警備員管理データ54aに示された警備員の配置や予定に基づいて、警備員端末装置40に対して交代などの指示を送信する。特に、警備員管理部55aは、警備員管理データ54aを参照することによって、所定の期間顔認証されていない警備員を特定することができるため、特定した警備員の周囲に所在する警備員に対して該当する警備員の顔画像を撮像するよう指令通知部55eに指示する。
【0048】
動画像データ取得部55bは、警備員端末装置40から動画像データを取得する処理部であり、取得した動画像データは、警備員端末装置40又は警備員の識別情報ごとに動画像データ54bとして記憶部54に格納する。
【0049】
判定部55cは、記憶部54に記憶された動画像データ54bに、警備員を特定可能な顔画像が含まれるか否かを判定する処理部である。具体的には、動画像データ54bに警備員の顔画像が含まれる場合に、記憶部54に記憶された認証条件データ54cを参照して、該顔画像が認証条件データ54cに適合するか否かを判定する。
【0050】
なお、判定部55cは、撮像された人物が着用している衣類等(例えば、制服、シャツ、ズボン、靴、帽子やアクセサリ等その他の身に付けているもの)に基づいて警備員であるか否かを特定することができる。
【0051】
なりすまし検知部55dは、判定部により警備員を特定可能な顔画像が含まれると判定された場合に、この警備員の顔画像に基づいて、第三者による警備担当者へのなりすましが発生しているか否かを検知する処理部である。具体的には、この顔画像と警備員の登録顔画像とを用いて周知の1対Nの顔認証処理を行う。例えば、両顔画像の相互相関係数を算出して所定値以上であれば両者が一致すると判定する。顔認証処理の結果、すべての登録顔画像と一致しない場合には、第三者による警備担当者へのなりすましが発生している可能性があると判定し、登録顔画像のいずれかと一致する場合には、第三者による警備担当者へのなりすましが発生していないと判定する。
【0052】
指令通知部55eは、判定部55cによって動画像データ54bに含まれる顔画像が認証条件データ54cに適合していないと判定された場合に、警備員端末装置40に対して所定の指令を通知する処理部である。なお、該当する警備員の警備員端末装置40に対して所定の指令を通知することもできる。ただし、所定の時間内(例えば10分以内)に動画像データ54bに含まれる顔画像が認証条件データ54cに適合し、かつ、正当な警備員であると認証された場合には、警備員端末装置40に対する所定の指令を中止することもできる。過度に頻繁に指令を行わせることは妥当ではないためである。
【0053】
また、指令通知部55eは、なりすまし検知部55dが警備員へのなりすましが発生した可能性があることを検知された場合に、該当する警備員の近傍に位置する警備員の警備員端末装置40に対して所定の指令を通知する処理部である。なお、該当する警備員の警備員端末装置40に対して所定の指令を通知することもできる。
【0054】
<警備システムの処理の説明>
次に、警備システムにおける処理について説明する。ここでは警備員を例にとって説明するが、会場スタッフ等であってもよい。また、複数の警備員は、それぞれ警備員装備30を装備しているものとする。
【0055】
図5は、
図3に示した警備員端末装置40の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、警備中に繰り返し実行される。
図5に示すように、カメラ31により動画像が撮像されると(ステップS101)、この動画像データがカメラ31から警備員端末装置40に送信され(ステップS102)、警備員端末装置40内の記憶部45に格納される(ステップS103)。
【0056】
ステップS103の後、警備員端末装置40は、所定に時刻になったか否かを判定し(ステップS104)、所定の時刻になっていなければ(ステップS104;No)、そのまま処理を終了する。そして、所定の時刻になったならば(ステップS104;Yes)、記憶部45から動画像データ45aを読み出し(ステップS105)、この動画像データ45aを管理装置50に対して送信する(ステップS106)。このように、警備員端末装置40に割り当てられた所定の時刻に動画像データ45aを送信することとした理由は、各警備員端末装置40から管理装置50へ動画像データ45aが集中する状況を回避するためであり、十分なリソースが確保されている場合は、時刻に関係なく常時、管理装置50へ動画像データ45aを送信してもよい。
【0057】
次に、管理装置50における処理について説明する。
図6は、
図4に示した管理装置50判定処理手順を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず通信部53を介して動画像データを受信したかどうかを判定し(ステップS201)、動画像データを受信していない場合には(ステップS201;No)この処理を繰り返す。一方、動画像データを受信した場合には(ステップS201;Yes)、動画像データを記憶部54に記憶した後(ステップS202)、動画像データに警備員の顔画像が含まれているか否かを判定し(ステップS203)、動画像データに警備員の顔画像が含まれていない場合には(ステップS203;No)、ステップS201に移行する。
【0058】
これに対して、動画像データに警備員の顔画像が含まれている場合には(ステップS203;Yes)、顔画像が認証条件に適合するか否かを判定し(ステップS204)、顔画像が認証条件に適合しない場合には(ステップS204;No)、該当する警備員の近傍に位置する警備員の警備員端末装置40に対して、該当する警備員の顔画像を撮像するよう指令を送信し(ステップS206)所定の終了操作がされていないことを条件として(ステップS207;No)、ステップS201に移行する。
【0059】
また、顔画像が認証条件に適合する場合には(ステップS204;Yes)、この顔画像を各警備員の登録顔画像と照合する顔認証を行い、その結果正当な警備員であると判定された場合には(ステップS205;Yes)、所定の終了操作がされていないことを条件として(ステップS207;No)、ステップS201に移行する。正当な警備員でない(第三者による警備員へのなりすましの可能性がある)と判定された場合には(ステップS205;No)、該当する警備員の近傍に位置する警備員の警備員端末装置40に対して、該当する警備員の顔画像を撮像するよう指令を送信し(ステップS206)、所定の終了操作がされていないことを条件として(ステップS207;No)、ステップS201に移行する。なお、所定の終了操作がされたならば(ステップS207;Yes)、上記一連の処理を終了する。
【0060】
なお、上記の説明では、顔画像を各登録顔画像と照合する場合を示したが、顔画像から所定の特徴量を抽出し、この特徴量と登録特徴量とを照合することもできる。かかる照合処理には、相互相関係数などを用いることができる。
【0061】
また、上記の説明では、該当する警備員の近傍に位置する警備員の警備員端末装置40に対して、該当する警備員の顔画像を撮像するよう指令を送信する場合を示したが、該当する警備員の警備員端末装置40に対して、「他の警備員に接触して自身の顔を撮像させよ」等の指令を行うこともできる。
【0062】
次に、警備員端末装置40の表示操作部42に表示される画面例について説明する。
図7は、警備員端末装置40の表示操作部42に表示される画面例を示す図である。この画面例61に示されるように、警備員端末装置40の表示操作部42には、画像撮像の協力を依頼する旨の指示とともに、撮像対象となる警備員の姿が写った画像が含まれる。これにより、指令を受信した警備員は、画像撮像の協力を依頼する警備員を明確に識別することができるとともに、警備員であると判定されなかった判定対象に対して、再度の判定についての協力を要請することができる。
【0063】
図8は、警備員端末装置40の表示操作部42に表示される他の画面例を示す図である。この画面例62では、内部者である警備員の制服を身に付けた人が複数写っている場合に、制服を身に付けた人のいずれが撮像の対象となっているかを示す指標62aが表示される。この指標62aは、管理装置50において付すこととしてもよい。これにより、画像に複数の警備員の制服を身に付けた人が写っている場合であっても、警備員端末装置40の表示操作部42で指示を確認した警備員は、撮像の対象となる人を明確に識別することができる。
【0064】
図9は、警備員端末装置40の表示操作部42に表示される他の画面例を示す図である。この画面例63では、撮像条件が不十分なために認識できなかった場合に、その原因となった撮像条件を表示することにより、撮像条件を改善した画像撮像を促すことができる。指令が表示された警備員端末装置40を携帯する警備員は、指令に従い警備員に声を掛けて、例えば警備員に顔画像撮像の協力を要請する。
【0065】
上述してきたように、本実施例では、所定の警備区域の警備を担当する複数の警備員がそれぞれ所持する警備員端末装置40と、各警備員端末装置40と通信可能に設けられた管理装置50とを有する警備システムであって、管理装置50は、各警備員に装着されたカメラ31により撮像された動画像データを取得する動画像データ取得部55bと、動画像データ取得部55bにより取得された動画像データに、警備員を特定可能な顔画像が含まれるか否かを判定する判定部55cと、この判定部55cにより警備員を特定可能な顔画像が含まれると判定された場合に、警備員の顔画像に基づいて、第三者による警備員へのなりすましを検知するなりすまし検知部55dとを備えるよう構成したので、警備区域を複数の警備員で警備する場合に、警備員へのなりすましを効率良く検知することができる。
【0066】
なお、本実施例では、第三者が警備員になりすます場合について説明したが、所定の警備区域の警備を担当する会場スタッフやボランティアになりすます場合にも同様に適用することができる。この場合には、会場スタッフやボランティアに警備員端末装置40及びカメラ31を所持させるとともに、会場スタッフやボランティアを特定可能な服装をさせる必要がある。
【0067】
また、本実施例では、1つのカメラ31で撮像された動画像データに基づいて、第三者による警備員へのなりすましを検知する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のカメラ31で撮像された複数の動画像データに基づいて、第三者による警備員へのなりすましを検知することもできる。また、カメラ31で撮像された動画像データ及び固定カメラにより撮像された動画像データに基づいて、第三者による警備員へのなりすましを検知することもできる。これにより、複数の方向から撮像された動画像データを用いてなりすまし検知を行うため、検知精度を高めることができる。
【0068】
また、本実施例では、カメラ31で撮像された動画像データを警備員端末装置40を介して管理装置50に送信する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく。カメラ31から直接動画像データを管理装置50に送信する場合に適用することもできる。
【0069】
また、本実施例では、カメラ31で動画像データを撮像する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、静止画像を撮像する場合についても同様に適用することができる。
【0070】
また、本実施例では、動画像データと複数の登録顔画像とを用いて1対Nの顔認証処理を行い、すべての登録顔画像と一致しない場合に第三者による警備担当者へのなりすましが発生している可能性があると判定する構成を例に説明を行ったが、本発明はかかる構成に限定されるものではない。例えば、動画像データに含まれるはずの警備員を予め特定し、動画像データと特定した警備員の登録顔画像とを用いて1対1の顔認証処理を行い、一致しない場合に第三者による警備担当者へのなりすましが発生している可能性があると判定してもよい。動画像データに含まれるはずの警備員は、動画像データの撮像位置及び撮像日時と、警備員管理データ54aに示された警備員の配置予定とを照らし合わせることで特定可能である。