特許第6808612号(P6808612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6808612
(24)【登録日】2020年12月11日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】着用型投影装置及び投影方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20201221BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20201221BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20201221BHJP
【FI】
   G03B21/14 Z
   G03B21/00 D
   H04N9/31
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-508726(P2017-508726)
(86)(22)【出願日】2014年10月31日
(65)【公表番号】特表2017-514185(P2017-514185A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】CN2014090022
(87)【国際公開番号】WO2015165231
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2017年9月8日
【審判番号】不服2019-10150(P2019-10150/J1)
【審判請求日】2019年8月1日
(31)【優先権主張番号】201410175568.7
(32)【優先日】2014年4月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 炎▲順▼
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 星星
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 秋▲実▼
(72)【発明者】
【氏名】李 耀▲輝▼
【合議体】
【審判長】 中塚 直樹
【審判官】 濱野 隆
【審判官】 中澤 真吾
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0295712(US,A1)
【文献】 特開2008−294961(JP,A)
【文献】 特開2006−235158(JP,A)
【文献】 特開2007−088980(JP,A)
【文献】 特開2009−258205(JP,A)
【文献】 特開2012−018673(JP,A)
【文献】 特開2013−70218(JP,A)
【文献】 特開2008−268376(JP,A)
【文献】 特開2004−229290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/00-21/10
G03B 21/12-21/13
G03B 21/134-21/30
G03B 33/00-33/16
H04N 5/66-5/74
H04N 9/12-9/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を取得するステップと、
取得された手のひらの各領域の色分布情報及び設定された色標準情報に基づいて補正後の色出力パラメータを確定し、取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するステップと、
確定された色出力パラメータ及び確定された輝度出力パラメータに基づいて画像を出力するように投影ユニットを制御するステップとを含み、
前記取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するステップは、
取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて手のひらの各領域の輝度補正因子を確定し、各領域の輝度補正因子及び取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するステップを含み、
前記各領域の輝度補正因子及び取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて確定された補正後の輝度出力パラメータは以下の式で算出でき、即ち、
【数1】
ただし、
【数2】
は補正後の輝度出力パラメータであり、
【数3】
は手のひらの各領域の輝度情報であり、
【数4】
は輝度補正因子であり、
【数5】
は手のひらの各領域の輝度情報における輝度が最高である輝度値である、
着用型投影装置の投影方法。
【請求項2】
前記手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を取得するステップは、
手のひらの各領域のRGBパターン情報を取得するステップと、
取得された手のひらの各領域のRGBパターン情報に基づいて手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を確定するステップとを含む、
請求項1に記載された投影方法。
【請求項3】
前記取得された手のひらの各領域の色分布情報及び設定された色標準情報に基づいて補正後の色出力パラメータを確定するステップは、
取得された手のひらの各領域の色分布情報に基づいて色基準値を確定し、確定された色基準値、設定された色標準情報及び取得された手のひらの各領域の色分布情報に基づいて補正後の色出力パラメータを確定するステップを含む、
請求項1に記載された投影方法。
【請求項4】
前記色基準値は手のひらの中心領域における各色分布情報の平均値である、
ことを特徴とする請求項3に記載された投影方法。
【請求項5】
前記確定された色基準値、設定された色標準情報及び取得された手のひらの各領域の色分布情報に基づいて確定された補正後の色出力パラメータは以下の式で算出でき、即ち、
【数6】
ただし、
【数7】
は補正後の赤色調の出力パラメータであり、
【数8】
は補正後の青色調の出力パラメータであり、
【数9】
取得された手のひらの領域の色分布情報における赤色調の情報であり、
【数10】
取得された手のひらの領域の色分布情報における青色調の情報であり、
【数11】
は設定された色標準情報における赤色調の情報であり、
【数12】
は確定された色基準値における赤色調の値であり、
【数13】
は設定された色標準情報における青色調の情報であり、
【数14】
は確定された色基準値における青色調の値である、
請求項4に記載された投影方法。
【請求項6】
手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を取得するステップと、
取得された手のひらの各領域の色分布情報及び設定された色標準情報に基づいて補正後の色出力パラメータを確定し、取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するステップと、
確定された色出力パラメータ及び確定された輝度出力パラメータに基づいて画像を出力するように投影ユニットを制御するステップとを含み、
前記取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するステップは、
取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて手のひらの各領域の輝度補正因子を確定し、各領域の輝度補正因子及び取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するステップを含み、
前記各領域の輝度補正因子及び取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて確定された補正後の輝度出力パラメータは以下の式で算出でき、即ち、
【数15】
ただし、
【数16】
は補正後の輝度出力パラメータであり、
【数17】
は手のひらの各領域の輝度情報であり、
【数18】
は輝度校正因子であり、
【数19】
は投影装置の出光面中心と手のひらとの距離であり、
【数20】
は投影装置の出光面の出射光角度であり、
【数21】
は投影装置の出光面の出射光角度の中心線と手のひらとがなす角度であり、
【数22】
は投影装置の手のひらにおける投影領域において投影装置に近い一端から投影装置から離れる一端までの長さであり、
【数23】
は投影装置の手のひらにおける投影領域において投影装置に近い一端から投影装置から離れる一端までの方向の画素の総行数であり、
【数24】
は投影装置の手のひらにおける投影領域において投影装置に近い一端から投影装置から離れる一端までの方向の、画素が位置する行数である、
着用型投影装置の投影方法。
【請求項7】
色基準値は手ひらの中心領域における分布情報の平均値である、
請求項6に記載された投影方法。
【請求項8】
前記確定された色基準値、設定された色標準情報及び取得された手のひらの各領域の色分布情報に基づいて確定された補正後の色出力パラメータは以下の式で算出でき、即ち、
【数25】
ただし、
【数26】
は補正後の赤色調の出力パラメータであり、
【数27】
は補正後の青色調の出力パラメータであり、
【数28】
取得された手のひらの領域の色分布情報における赤色調の情報であり、
【数29】
取得された手のひらの各領域の色分布情報における青色調の情報であり、
【数30】
は設定された色標準情報における赤色調の情報であり、
【数31】
は確定された色基準値における赤色調の値であり、
【数32】
は設定された色標準情報における青色調の情報であり、
【数33】
は確定された色基準値における青色調の値である、
請求項7に記載された投影方法。
【請求項9】
手のひらの各領域のパターン情報を収集するための収集装置と、
前記収集装置と信号的に接続し、前記収集装置によって収集された手のひらの各領域のパターン情報に基づいて手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を取得し、取得された手のひらの各領域の色分布情報及び設定された色標準情報に基づいて補正後の色出力パラメータを確定し、取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するための処理ユニットと、
確定された色出力パラメータ及び確定された輝度出力パラメータに基づいて画像を出力するように投影ユニットを制御する投影ユニットとを含み、
前記処理ユニットは、
取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて手のひらの各領域の輝度補正因子を確定し、各領域の輝度補正因子及び取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定し、
前記各領域の輝度補正因子及び取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて確定された補正後の輝度出力パラメータを以下の式で算出し、即ち、
【数34】
ただし、
【数35】
は補正後の輝度出力パラメータであり、
【数36】
は手のひらの各領域の輝度情報であり、
【数37】
は輝度補正因子であり、
【数38】
は手のひらの各領域の輝度情報における輝度が最高である輝度値である、
着用型投影装置。
【請求項10】
前記収集装置はRGBカメラであり、採光方向は前記投影ユニットの出光方向と平行する、
請求項9に記載された着用型投影装置。
【請求項11】
手のひらの各領域のパターン情報を収集するための収集装置と、
前記収集装置と信号的に接続し、前記収集装置によって収集された手のひらの各領域のパターン情報に基づいて手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を取得し、取得された手のひらの各領域の色分布情報及び設定された色標準情報に基づいて補正後の色出力パラメータを確定し、取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するための処理ユニットと、
確定された色出力パラメータ及び確定された輝度出力パラメータに基づいて画像を出力するように投影ユニットを制御する投影ユニットとを含み、
前記処理ユニットは、
取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて手のひらの各領域の輝度補正因子を確定し、各領域の輝度補正因子及び取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定し、
前記各領域の輝度補正因子及び取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて確定された補正後の輝度出力パラメータを以下の式で算出し、即ち、
【数39】
ただし、
【数40】
は補正後の輝度出力パラメータであり、
【数41】
は手のひらの各領域の輝度情報であり、
【数42】
は輝度校正因子であり、
【数43】
は投影装置の出光面中心と手のひらとの距離であり、
【数44】
は投影装置の出光面の出射光角度であり、
【数45】
は投影装置の出光面の出射光角度の中心線と手のひらとがなす角度であり、
【数46】
は投影装置の手のひらにおける投影領域において投影装置に近い一端から投影装置から離れる一端までの長さであり、
【数47】
は投影装置の手のひらにおける投影領域において投影装置に近い一端から投影装置から離れる一端までの方向の画素の総行数であり、
【数48】
は投影装置の手のひらにおける投影領域において投影装置に近い一端から投影装置から離れる一端までの方向の、画素が位置する行数である、
着用型投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着用型投影装置及び投影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
着用型投影装置は手のひらを投影のスクリーンとする。
【0003】
ところが、使用者によって手のひらの形状、手のひらの掌紋、手のひらの色などの差異が大きい。そして、図1に示すように、着用型投影装置02が投影するときに、着用型投影装置02によって発射された光線と手のひら01とがなす投影角が小さく、着用型投影装置02によって発射された光線の最近点と最遠点との角度の差が大きい。それに、着用型投影装置02の発射光線は手のひら01に画像を表示する時、中心線両側にある部分の幅L1とL2とは異なるため、手のひらに投影され形成された画像の色の均一性及び輝度の均一性が悪い。
【発明の概要】
【0004】
本発明は着用型投影装置及び投影方法を提供する。該着用型投影装置は当該投影方法により投影する場合、手のひら上に形成された画像の色の均一性及び輝度の均一性が高い。
【0005】
本発明の一面の実施例は、手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を取得するステップと、取得された手のひらの各領域の色分布情報及び設定された色標準情報に基づいて補正後の色出力パラメータを確定し、取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するステップと、確定された色出力パラメータ及び確定された輝度出力パラメータに基づいて画像出力パラメータを確定するステップと、確定された画像出力パラメータに基づいて画像を出力するように投影ユニットを制御するステップと、を含む着用型投影装置の投影方法を提供する。
【0006】
例えば、前記手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を取得するステップは、手のひらの各領域のRGBパターン情報を取得ステップと、取得された手のひらの各領域のRGBパターン情報に基づいて手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を確定するステップとを含む。
【0007】
例えば、前記取得された手のひらの各領域の色分布情報及び設定された色標準情報に基づいて補正後の色出力パラメータを確定するステップは、取得された手のひらの各領域の色分布情報に基づいて色基準値を確定し、確定された色基準値、設定された色標準情報及び確定された手のひらの各領域の色情報に基づいて補正後の色出力パラメータを確定するステップを含む。
【0008】
例えば、前記色基準値は手のひらの中心領域における各色情報の平均値である。
【0009】
例えば、前記確定された色基準値、設定された色標準情報及び確定された手のひらの各領域の色情報に基づいて確定された補正後の色出力パラメータは以下の式で算出でき、即ち、
【数1】
ただし、
【数2】
は補正後の赤色調の出力パラメータであり、
【数3】
は補正後の青色調の出力パラメータであり、
【数4】
は確定された手のひらの異なる領域の色分布情報における赤色調の情報であり、
【数5】
は確定された手のひらの異なる領域の色分布情報における青色調の情報であり、
【数6】
は設定された色標準情報における赤色調の情報であり、
【数7】
は確定された色基準値における赤色調の値であり、
【数8】
は設定された色標準情報における青色調の情報であり、
【数9】
は確定された色基準値における青色調の値である。
【0010】
例えば、前記取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するステップは、取得された手のひらの各領域の輝度情報分布情報に基づいて手のひらの各領域の輝度補正因子を確定し、各領域の輝度補正因子及び確定された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するステップを含む。
【0011】
例えば、前記各領域の輝度補正因子及び確定された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて確定された補正後の輝度出力パラメータは以下の式で算出でき、即ち、
【数10】
ただし、
【数11】
は補正後の輝度出力パラメータであり、
【数12】
は手のひらの各領域の輝度情報であり、
【数13】
は輝度補正因子であり、
【数14】
は手のひらの各領域の輝度情報における輝度が最高である輝度値である。
【0012】
例えば、前記各領域の輝度補正因子及び確定された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて確定された補正後の輝度出力パラメータは以下の式で算出でき、即ち、
【数15】
なお、
【0013】
一方、本発明の実施例はさらに、手のひらの各領域のパターン情報を収集するための収集装置と、前記収集装置と信号的に接続し、前記収集装置によって収集された手のひらの各領域のパターン情報に基づいて手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を取得し、取得された手のひらの各領域の色分布情報及び設定された色標準情報に基づいて補正後の色出力パラメータを確定し、取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するための処理ユニットと、確定された色出力パラメータ及び確定された輝度出力パラメータに基づいて画像を出力するように投影ユニットを制御する投影ユニットと、を含む着用型投影装置を提供する。
【0014】
例えば、前記取得装置はRGBカメラであり、採光方向は前記投影ユニットの出光方向と平行する。
【0015】
本発明の実施例の技術案をさらに明確するために、以下は実施例の図面について簡略に説明する。無論、以下の説明における図面は本発明実施例の一部であり、本発明を制限したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】着用型投影装置が手のひらに投影する場合の概略図である。
図2】着用型投影装置が手のひらに投影する場合の他の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をさらに明確するために、以下は図面に基づき、本発明実施例の技術案を明確且つ完全に説明する。無論、記載された実施例は本発明の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。当業者は記載された本発明の実施例に基づき、創造的な労働がないまま取得されたあらゆる他の実施例はすべて本発明の範囲に属する。
【0018】
本発明の実施例は、
手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を取得するステップS201と、
取得された手のひらの各領域の色分布情報及び設定された色標準情報に基づいて、補正後の色出力パラメータを確定し、取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて、補正後の輝度出力パラメータを確定するステップS202と、
確定された色出力パラメータ及び確定された輝度出力パラメータに基づいて画像を出力するように投影ユニットを制御するステップS203とを含む、着用型投影装置の投影方法を提供する。
【0019】
例えば、本発明の実施例では、設定された色標準情報とは表示装置の表示標準であり、例えば、一般的なPCシステムはsRGB標準であり、TVシステムはNTSC標準である。
【0020】
上記の着用型投影装置の投影方法では、投影が開始する前、まず、ステップS201によって手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を取得する。そして、ステップS202によって、取得された色分布情報に基づいて補正後の色出力パラメータを確定し、取得された輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定する。最後、ステップS203によって、確定された色出力パラメータ及び確定された輝度出力パラメータに基づいて画像を出力するように着用型投影装置の投影ユニットを制御する。
【0021】
なお、最終に確定された画像出力パラメータでは、手のひらの色による手のひらにおける着用型投影装置の投影画像への影響を補正したために、着用型投影装置によって手のひらに投影され形成された画像の色の均一性及び輝度の均一性が高い。
【0022】
例えば、上記のステップS201では、手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を取得するステップは、
手のひらの各領域のRGBパターン情報を取得するステップと、
取得された手のひらの各領域のRGBパターン情報に基づいて手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を確定し、取得されたRGBパターン情報をYUV形式の情報へ変換し、手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を確定するステップと、を含む。
【0023】
例えば、上記のステップS202では、取得された手のひらの各領域の色分布情報及び設定された色標準情報に基づいて補正後の色出力パラメータを確定するステップは、
取得された手のひらの各領域の色分布情報に基づいて色基準値を確定し、確定された色基準値、設定された色標準情報及び確定された手のひらの各領域の色情報に基づいて補正後の色出力パラメータを確定するステップを含む。
【0024】
例えば、前記色基準値は手のひらの中心領域における各色情報の平均値である。
【0025】
例えば、上記のように確定された色基準値、設定された色標準情報及び確定された手のひらの各領域の色情報に基づいて確定された補正後の色出力パラメータは、以下の式で算出できる。
【数25】
ただし、
【数26】
は補正後の赤色調の出力パラメータであり、
【数27】
は補正後の青色調の出力パラメータであり、
【数28】
は確定された手のひらの異なる領域の色分布情報における赤色調の情報であり、
【数29】
は確定された手のひらの異なる領域の色分布情報における青色調の情報であり、
【数30】
は設定された色標準情報における赤色調の情報であり、
【数31】
は確定された色基準値における赤色調の値であり、
【数32】
は設定された色標準情報における青色調の情報であり、
【数33】
は確定された色基準値における青色調の値であり、xとyは手のひらにおけるある点の座標である。
【0026】
例えば、上記のステップS202では、取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するステップは、
取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて手のひらの各領域の輝度補正因子を確定し、各領域の輝度補正因子及び確定された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するステップを含む。
【0027】
例えば、上記のように各領域の輝度補正因子及び確定された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて確定された補正後の輝度出力パラメータは以下の式で算出できる。
【数34】
ただし、
【数35】
は補正後の輝度出力パラメータであり、
【数36】
は手のひらの各領域の輝度情報であり、
【数37】
は輝度補正因子であり、
【数38】
は手のひらの各領域の輝度情報における輝度が最高である輝度値であり、xとyは手のひらにおけるある点の座標である。
【0028】
例えば、上記のように各領域の輝度補正因子及び確定された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて確定された補正後の輝度出力パラメータは以下の式で算出できる。
【数39】
ただし、
【0029】
さらに、本発明の実施例は、
手のひらの各領域のパターン情報を収集するための収集装置と、
収集装置と信号的に接続し、収集装置によって収集された手のひらの各領域のパターン情報により手のひらの各領域の色分布情報及び輝度分布情報を取得し、取得された手のひらの各領域の色分布情報及び設定された色標準情報に基づいて補正後の色出力パラメータを確定し、取得された手のひらの各領域の輝度分布情報に基づいて補正後の輝度出力パラメータを確定するための処理ユニットと、
確定された色出力パラメータ及び確定された輝度出力パラメータに基づいて画像を出力するように投影ユニットを制御する投影ユニットと、を備える着用型投影装置を提供する。
【0030】
例えば、上記の収集装置はRGBカメラであり、採光方向は投影ユニットの出光方向と平行する。
【0031】
本発明の実施例の着用型投影装置の投影方法及び着用型投影装置は、補正後の色出力パラメータ及び補正後の輝度出力パラメータに基づいて画像を出力するように着用型投影装置の投影ユニットを制御することで、手のひらの色による手のひらにおける着用型投影装置の投影画像への影響を補正し、手のひらの異なる位置での反射率と投影角度などによる手のひらにおける投影画像への影響を補正し、着用型投影装置によって手のひらに投影され形成された画像の色の均一性及び輝度の均一性を高める。
【0032】
無論、当業者は本発明の要旨及び範囲を逸脱しない限り、本発明の実施例に種々の変更及び変形を実施することができる。このようにして、もし本発明に対するこれらの変更及び変形が本発明の請求項及びそれに均等する技術範囲に落ちる場合、これらの変更及び変形も本発明に含まれる。
【0033】
本特許出願は2014年4月28日に提出された中国特許出願であるCN201410175568.7の優先権を要求し、ここに、当該中国特許出願における開示内容をすべて引用し本発明の一部とする。
【0034】
1 手のひら
2 投影装置
図1
図2