特許第6808614号(P6808614)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6808614
(24)【登録日】2020年12月11日
(45)【発行日】2021年1月6日
(54)【発明の名称】誘導加熱調理機器
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20201221BHJP
【FI】
   H05B6/12 305
   H05B6/12 312
【請求項の数】19
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-515643(P2017-515643)
(86)(22)【出願日】2015年5月19日
(65)【公表番号】特表2017-520900(P2017-520900A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(86)【国際出願番号】KR2015004987
(87)【国際公開番号】WO2015182911
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2018年5月18日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0066319
(32)【優先日】2014年5月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒソプ
(72)【発明者】
【氏名】カン,ハンソン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュンクォン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョンジン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,プンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ヨンア
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−257601(JP,A)
【文献】 特開2003−272815(JP,A)
【文献】 特開2011−096493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が透明材質で形成される調理パネルと、
前記調理パネルの前記透明材質で形成された一部に対応するように前記調理パネルの底面に設けられ、補助スリットを有する光遮断層と、
前記調理パネル上に載置される調理容器を誘導加熱するように磁場を発生させる誘導コイルと、
前記誘導コイルの外郭に配置されて光を発散する複数の光源を有する光源モジュールと、
前記調理パネルから離隔されるように配置され、前記光源モジュールを保護するために前記光源モジュールをカバーする光源カバーであり、
前記調理容器のための炎イメージを形成するように前記光源モジュールから発散する光を通過させるメインスリットと、前記メインスリットの外側に形成される第1カバー部および前記メインスリットの内側に形成される第2カバー部と、を含む、
光源カバーと、を含み、
前記メインスリットは、前記光源から発散された光が傾斜して前記メインスリットを通過するように前記光源の半径方向内側に配置され、
前記光遮断層の補助スリットは前記光源カバーのメインスリットを通過した光を通過させるように配置されることを特徴とする、誘導加熱調理機器。
【請求項2】
前記光源カバーは前記光源モジュールに一体結合されたことを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項3】
前記光源カバーは締結部材によって前記光源モジュールに結合されたことを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項4】
前記複数の光源が装着された印刷回路基板をさらに含み、
前記印刷回路基板は前記調理パネルに対して水平に配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項5】
前記光源は前記印刷回路基板の上面に実装されて上方に光を発散することを特徴とする、請求項4に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項6】
前記光源は発光ダイオード(LED)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項7】
前記誘導コイルを支持するメインボードと、前記メインボードとは別途設けられて前記メインボードに結合され、前記光源モジュールを支持する基板支持台を含むことを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項8】
前記基板支持台は前記光源モジュールの印刷回路基板を水平に支持するように平坦に形成される扁平部を含むことを特徴とする、請求項7に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項9】
前記基板支持台は前記メインボードに結合されるように前記扁平部から外郭に突出する結合部を含むことを特徴とする、請求項8に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項10】
前記光源カバーは前記メインスリットの厚さを一定に維持し、外力による前記メインスリットの厚さの変形を防止するために前記メインスリットを横切るように形成される補強ブリッジを含むことを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項11】
前記補強ブリッジは前記第1カバー部と前記第2カバー部を連結することを特徴とする、請求項10に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項12】
前記メインスリットは円周方向に沿って連続的に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項13】
前記補助スリットは前記調理容器のための炎イメージを形成できるように前記メインスリットの上方に離れて形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項14】
前記補助スリットの厚さは前記メインスリットの厚さより大きいことを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項15】
前記光遮断層は前記調理パネルの底面に印刷されて形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項16】
前記光遮断層はシート形態で設けられて前記調理パネルの底面に接着部材によって付着されることを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項17】
前記光源モジュールから発散する光の進行方向を転換させて集光させる光学部材をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項18】
前記光学部材は前記光源モジュールと前記光源カバーに一体結合されることを特徴とする、請求項17に記載の誘導加熱調理機器。
【請求項19】
前記調理パネルは前記補助スリットを通じて前記光源モジュールから発散する光が使用者の視線に直接露出されることを最小化するように前記調理パネルの上面に設けられる遮断膜を含むことを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱調理機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は調理容器の加熱状態を容易に認知できるように容器に仮想の炎イメージを表示する誘導加熱調理機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
誘導加熱調理機器は誘導加熱の原理を利用して食品を加熱調理する調理機器である。誘導加熱調理機器は調理容器が載置される調理台と、電流が印加されると磁場を発生させる誘導コイルを具備する。
【0003】
誘導コイルに電流が印加されて磁場が発生すると調理容器に2次電流が誘導され、調理容器自体の抵抗成分によってジュール熱が発生する。したがって、調理容器が加熱されて調理容器に入れられた食品が調理される。
【0004】
このような誘導加熱調理機器は、ガスや油などの化石燃料を燃焼させてその燃焼熱を通じて調理容器を加熱するガスレンジや石油コンロなどに比べて急速加熱が可能で、有害ガスの発生がなく、火災発生の危険がないという長所がある。
【0005】
ただし、誘導加熱調理機器は調理容器の加熱時に炎が発生しないため、外部から調理容器の加熱状態を直観的に認知することが困難な面がある。
【0006】
そこで、誘導加熱調理機器に調理容器の加熱状態を表示するようにレベルメーター形式のデジタルディスプレイが具備されたりもする。ただし、このようなデジタルディスプレイは認知性が劣っているため、使用者が誘導加熱調理機器から一定距離以上離れるかよく観察しないと認知が困難であるだけでなく、認知できたとしても使用者に即座に感覚を提供することが難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一側面は調理容器に仮想の炎イメージを表示する誘導加熱調理機器を開示する。
【0008】
本発明の一側面は、光源とメインスリット間の距離公差を最小化することによって炎イメージの品質および製品の信頼性を向上させた誘導加熱調理機器を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の思想によれば、誘導加熱調理機器は少なくとも一部が透明材質で形成される調理パネルと、前記調理パネルの底面に設けられて補助スリットを有する光遮断層を含む調理台;と、前記調理台上に載置された調理容器を誘導加熱するように磁場を発生させる誘導コイル;と、前記誘導コイルの外郭に配置される複数の光源と、前記複数の光源が実装された印刷回路基板を有する光源モジュール;および前記調理容器に炎イメージを形成させるように前記光源モジュールから発散する光を通過させるメインスリットを有する光源カバー;を含む。
【0010】
前記光源カバーは前記光源モジュールに一体結合され得る。
【0011】
前記光源カバーは締結部材によって前記光源モジュールに結合され得る。
【0012】
前記印刷回路基板は前記調理台に対して水平に配置され得る。
【0013】
前記光源は前記印刷回路基板の上面に実装されて上方に光を発散することができる。
【0014】
前記光源はLEDを含むことができる。
【0015】
前記誘導加熱調理機器は前記誘導コイルを支持するメインボードと、前記メインボードとは別途設けられて前記メインボードに結合され、前記光源モジュールを支持する基板支持台を含むことができる。
【0016】
前記基板支持台は前記光源モジュールの印刷回路基板を水平に支持するように平坦に形成される扁平部を含むことができる。
【0017】
前記基板支持台は前記メインボードに結合されるように前記扁平部から外郭に突出する結合部を含むことができる。
【0018】
前記光源カバーは前記メインスリットの厚さを一定に維持し、外力による前記メインスリットの厚さの変形を防止するように前記メインスリットを横切るように形成される補強ブリッジを含むことができる。
【0019】
前記光源カバーは前記メインスリットの外側に形成される第1カバー部と、前記メインスリットの内側に形成される第2カバー部を含むことができる。
【0020】
前記補強ブリッジは前記第1カバー部と前記第2カバー部を連結することができる。
【0021】
前記メインスリットは円周方向に沿って連続的に形成され得る。
【0022】
前記補助スリットは前記メインスリットの上方内側に形成され得る。
【0023】
前記補助スリットの厚さは前記メインスリットの厚さより大きいこともある。
【0024】
前記光遮断層は前記調理パネルの底面に印刷されて形成され得る。
【0025】
前記光遮断層はシート形態で設けられて前記調理パネルの底面に接着部材によって付着され得る。
【0026】
前記誘導加熱調理機器は前記光源モジュールから発散する光の進行方向を転換させて集光させる光学部材をさらに含むことができる。
【0027】
前記光学部材は前記光源モジュールと前記光源カバーに一体結合され得る。
【0028】
前記調理台は前記補助スリットを通じて前記光源モジュールから発散する光が使用者の視線に直接露出されることを最小化するように前記調理パネルの上面に設けられる遮断膜を含むことができる。
【0029】
他の側面において、本発明の思想によれば、誘導加熱調理機器は光を発散させる光源;と、前記光源から発散する光を通過させるメインスリットを有する光源カバー;と、前記メインスリットを通過した光が通過する補助スリットを有する調理台;と、磁場を発生させる誘導コイル;および前記誘導コイルを支持する誘導コイル支持台;を含む。
【0030】
前記調理台は少なくとも一部が透明材質で形成される調理パネルと、前記補助スリットを有して前記調理パネルの底面に設けられる光遮断層を含むことができる。
【0031】
前記調理台は、前記補助スリットを通じて前記光源が使用者の視野に直接露出されることを最小化するように、前記調理パネルの上面に設けられる遮断膜をさらに含むことができる。
【0032】
前記遮断膜は前記補助スリットの垂直上方から外側に延長されるように設けられ得る。
【0033】
前記光源カバーは前記メインスリットを中心に外側方向に形成される第1カバー部と、前記メインスリットを中心に内側方向に形成される第2カバー部を含むことができる。
【0034】
前記第2カバー部は、前記補助スリットを通じて調理台下側の付属品が外部に露出されることを防止するように前記補助スリットより内側に延長され得る。
【0035】
前記第2カバー部と前記誘導コイル支持台の間には垂直方向のギャップが形成され得る。
【0036】
前記ギャップには前記誘導コイルの少なくとも一部分が収容され得る。
【発明の効果】
【0037】
本発明の思想によれば、誘導加熱調理機器は調理容器の下端の表面に炎イメージを形成するため、使用者が調理容器の加熱状態を直観的に容易に認知することができる。
【0038】
本発明の思想によれば、調理容器に形成される仮想の炎イメージは実際の炎と類似の高さ、幅、立体感、濃淡を有することができる。
【0039】
本発明の思想によれば、光源とメインスリット間の距離公差が最小化されて炎イメージの品質および製品の信頼性を向上させることができる。
【0040】
本発明の思想によれば、光源としてWLEDまたはRGBLEDなどを使用することができ、複数の光源を個別制御することができるため多様な炎の演出が可能である。
【0041】
本発明の思想によれば、遮断膜によって光源から発散する光が直接使用者に露出されることを最小化できるため、炎が人為的であるという感じがなく、製品の審美感を向上させることができる。
【0042】
本発明の思想によれば、光源カバーのカバー部は補助スリットよりも誘導コイルに近い方向に延長されるため、補助スリットを通じて誘導加熱調理機器の内部が露出されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の第1実施例に係る誘導加熱調理機器を有するオーブンレンジの外観を図示した図面。
図2図1の誘導加熱調理機器の主な構成を分解して図示した図面。
図3図1の誘導加熱調理機器の調理台を除いて図示した平面図。
図4図1の誘導加熱調理機器の調理台を分解して図示した図面。
図5図1の誘導加熱調理機器の光源ユニットを分解して図示した図面。
図6図1の誘導加熱調理機器のメインボードと基板支持台の結合構造を説明するための図面。
図7図1の誘導加熱調理機器の基板支持台と印刷回路基板の結合構造を説明するための図面。
図8図1の誘導加熱調理機器の光源モジュールと、光学部材と、光源カバーの結合関係を説明するための図面。
図9図1の誘導加熱調理機器の光源カバーを図示した平面図。
図10図1の誘導加熱調理機器の凸レンズを図示した斜視図。
図11図1の誘導加熱調理機器の凸レンズを図示した断面図。
図12図1の誘導加熱調理機器のLEDがRGBの3個のチップを有する時、、凸レンズの入射面の長さを説明するための図面。
図13図1の誘導加熱調理機器のLEDがRGBの3個のチップを有する時、赤色光、緑色光、青色光を混合するためにレンズの入射面に形成される腐食パターンを図示した図面であって、図12のA部分を拡大して図示した図面。
図14図1の誘導加熱調理機器のLEDがWHITEの1個のチップを有する時、凸レンズの入射面の長さを説明するための図面。
図15図1の誘導加熱調理機器の凸レンズの他の実施例。
図16図1の誘導加熱調理機器の炎が形成される構造を説明するための概略図。
図17図1の誘導加熱調理機器の炎が形成される構造を説明するための断面図。
図18図1の誘導加熱調理機器の遮断膜について説明するための図面である。
図19図1の誘導加熱調理機器に置かれた調理容器の表面の横ヘアーラインの作用を図示した図面。
図20図1の誘導加熱調理機器に置かれた調理容器の表面に仮想の炎イメージが形成された状態を図示した図面。
図21】本発明の第2実施例に係る誘導加熱調理機器の主な構成を概略的に図示した図面。
図22】本発明の第3実施例に係る誘導加熱調理機器の主な構成を概略的に図示した図面。
図23】本発明の第4実施例に係る誘導加熱調理機器の主な構成を概略的に図示した図面。
図24図1の誘導加熱調理機器の調理台下部の付属品が露出されることを防止する光源カバーの作用を説明するための図面。
図25図1の誘導加熱調理機器の誘導コイルを組み立てる過程を説明するための図面。
図26図1の誘導加熱調理機器の操作部を拡大して図示した図面。
図27図1の誘導加熱調理機器の操作部を拡大して図示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明に係る好ましい実施例を詳細に説明する。
【0045】
図1は本発明の第1実施例に係る誘導加熱調理機器を有するオーブンレンジの外観を図示した図面である。図2図1の誘導加熱調理機器の主な構成を分解して図示した図面である。図3図1の誘導加熱調理機器の調理台を除いて図示した平面図である。
【0046】
図1図3を参照すると、オーブンレンジ1は下部に設けられるオーブン10と、上部に設けられる誘導加熱調理機器100を含んで一体に形成され得る。本発明の実施例に係る誘導加熱調理機器100は、このようにオーブン10と一体で設けることもでき、またはオーブン10とは別途に単独で設けることもできる。
【0047】
オーブン10はガスまたは電気を利用して高温の熱を発生させ、空気の対流によってキャビティー内部の飲食物を調理することができる。オーブンレンジ1の前面にはオーブン10のドア11、12が設けられ、オーブン10のドア11、12はヒンジ軸を中心に回動して開閉され得る。オーブン10のドア11、12の上端にはオーブンレンジ1の作動状態を表示するディスプレイ装置13と、オーブンレンジ1の各種機能を作動させる操作部14が設けられ得る。
【0048】
誘導加熱調理機器100は本体110と、調理容器が載置される調理台120と、調理容器を誘導加熱するように磁場を発生させる誘導コイル130と、光を発散させる光源ユニット140と、誘導コイル130および光源ユニット140に電力を供給したり遮断する電力供給装置と、光源ユニット140の点灯、消灯、明るさなどを制御する光源コントローラ115と、各種電装品および光源ユニット140を冷却させる冷却装置116と、誘導加熱調理機器100の動作情報を表示する補助ディスプレイ装置119を含むことができる。
【0049】
本体110は、概略上面が開放されたボックスの形態で設けられ、本体110の開放された上面に調理台120が結合され得る。本体110の内部にはメインボード111が設けられ、メインボード111により誘導コイル130が支持され得る。メインボード111の下側には機械室114が形成され得る。
【0050】
調理台120は調理容器を水平に支持するように平坦な形状を有することができる。
【0051】
誘導コイル130は調理台120の下に水平に配置される。誘導コイル130はメインボード111に装着される誘導コイル支持台(131、図17)の上に装着され得る。本実施例において誘導コイル130は大型1個、中型2個、小型1個の合計4個か設けられているが、誘導コイル130の個数に制限はない。
【0052】
本実施例において誘導コイル130は、概略円形で設けられる。ただし、これに限定されず、四角形またはその他の多様な形状で設けられることも可能である。
【0053】
誘導コイル130に電流が印加されると誘導コイル130は垂直方向に磁場を形成することができる。この磁場によって調理台120に載置された調理容器に2次電流が誘導され、調理容器自体の抵抗成分によってジュール熱が発生する。したがって、調理容器が加熱され、これによって、調理容器に入れられた食品が調理され得る。調理容器は鉄成分を有するか磁性を有さなければならない。
【0054】
光源ユニット140は誘導コイル130の個数だけ設けられ得る。光源ユニット140は基板支持台112の上に装着され得る。基板支持台112に対しては後述する。光源ユニット140は誘導コイル130の半径方向の外側に円周方向に沿って設けられ得る。
【0055】
概略円の形状に形成された誘導コイルに関する本実施例において光源ユニット140は誘導加熱調理機器の前方に概略120度の角度範囲で設けられているが、これに限定されるものではない。一例として、光源ユニット140は180度または360度の範囲に設けられることもある。ただし、一般的に誘導加熱調理機器は台所の壁面に配置され、使用者は主に誘導加熱調理機器の前面だけを見るため、誘導加熱調理機器の後面および側面に光源ユニット140を配置することは不要であり、概略120度の範囲にだけ設けられても本発明の効果を達成することができる。
【0056】
光源ユニット140は誘導コイル130に電流が印加されて調理容器が加熱される時、調理容器の加熱状態を直観的に認知することができるように調理容器の下端の表面に炎イメージを形成させることができる(図20)。このとき、調理容器はまるで光が投影されるスクリーンのような役割をする。
【0057】
光源ユニット140は光源(151、図5)と印刷回路基板(156、図5)を有する光源モジュール(150、図5)と、光源モジュール150から発散する光を調理容器の下端の方向に案内して集光させる光学部材(160、図5)と、光学部材150から発散する光を通過させて調理容器の下端に炎イメージを形成させるメインスリット(183、図5)を有する光源カバー(180、図5)を含むことができる。光源ユニット140の詳しい構成については後述する。
【0058】
光源コントローラ115は光源の点灯、消灯、明るさなどを制御することができる。光源コントローラ115は光源に印加される電流の量を調節して仮想の炎の大きさおよび明るさを調節することができる。
【0059】
また、光源モジュール140に複数の光源が含まれた場合、光源コントローラ115は複数の光源全体を一度に制御することもでき、個別制御することもでき、区画に分けて分割制御したり順次制御することもできる。したがって、炎イメージの多様な演出が可能である。一例として、加熱の開始または終了時に炎を一方向に順次点灯するか消灯し、または一部または全体の炎を短い間隔で点滅させて使用者の注意を引く演出が可能である。
【0060】
冷却装置116は空気を強制流動させる送風ファン117と、放熱板118と、空気の流れをガイドするダクト(図示せず)を含むことができる。冷却装置116は機械室114で空気を循環させることによって誘導コイル130および光源ユニット140で発生する熱を放熱させることができる。
【0061】
補助ディスプレイ装置119はレベルメーター(level meter)を使って誘導加熱調理機器の作動の有無を表現したりセブンディジットセグメント(7 digit segment)を使って誘導加熱調理機器の加熱温度または作動時間などを表現することができる。
【0062】
図4図1の誘導加熱調理機器の調理台を分解して図示した図面である。図4を参照して、本発明の第1実施例に係る誘導加熱調理機器の調理台について説明する。
【0063】
調理台120は調理容器を支持する。調理台120は透明材質の調理パネル121と、調理パネル121の底面に設けられて補助スリット124を有する光遮断層123を含む。
【0064】
調理パネル121は平板の形態を有し、調理容器を支持できる十分な強度と、熱に耐える耐熱性を有さなければならない。このために調理パネル121は強化耐熱ガラスまたは強化セラミック材質で形成され得る。
【0065】
調理パネル121は光源ユニット140から発散する光が通過して調理容器に投影されるように透明材質で形成される。ただし、調理パネル121は光源ユニット140から発散する光の中から調理機器に炎イメージを形成させる一部の光だけを通過させればよいため、調理パネル121全体が透明である必要はなく、一部だけが透明に形成されてもよい。
【0066】
すなわち、調理パネル121の全体領域を透明材質で設けず、調理容器に向かう光が通過できる一部領域だけを透明材質で設け、残りの領域は不透明の材質で設けて、調理パネル121の製造費用を節減させることもできる。
【0067】
光遮断層123は調理パネル121の下側に設けられた各種付属品が外部に露出されることを防止する。したがって、光遮断層123は光透過率の低い黒色を有し得る。
【0068】
光遮断層123には調理容器に向かう光を遮断しないように補助スリット124が形成される。補助スリット124は光源ユニット140から発散されて光源カバー(180、図17)のメインスリット(183、図17)を通過した光が光遮断層123に遮断されずに調理容器に投影されるようにする。補助スリット124はメインスリット183の(上側である)上方の半径方向内側に形成され得る。
【0069】
補助スリット124は炎イメージの大きさに影響を及ぼさないことが好ましい。それは、補助スリット124はメインスリット183より光源(151、図17)から遠く離れているため、光源151との距離公差がさらに大きくなる可能性があるからである。
【0070】
したがって、メインスリット183を通過した光を遮断せずにそのまま通過させることができるように補助スリット124の厚さ(D2、図17)はメインスリット183の厚さ(D1、図17)よりも大きく形成されることが好ましい。
【0071】
補助スリット124は円弧状であって、円周方向に沿って概略120度範囲に形成され得る。ただし、これに限定されず、180度または360度などの多様な角度範囲に形成され得る。
【0072】
補助スリット124は円周方向に沿って連続的に形成され得る。ただし、これに限定されず、複数の光の個数に対応するように非連続的に形成されることも可能である。
【0073】
光遮断層123は補助ディスプレイ装置(119、図2)から発散する光が通過できるUIホール125を含むことができる。
【0074】
光遮断層123は別途のシート形態で設けられて接着部材によって調理パネル121の底面に付着され得る。
【0075】
または、光遮断層123は調理パネル121の底面に印刷され得る。印刷方法としてはガラス印刷が利用され得る。ガラス印刷はガラスにパターンを施した後、インクをガラスに吹き付けて陶磁器を焼くように高温で加熱してガラスにインクを浸み込ませる印刷方法である。
【0076】
調理台120は光源ユニット140の光が使用者に直接露出されることを最小化して光源151を隠蔽させるように調理パネル121の上面に設けられる遮断膜127を含むことができる。遮断膜127は光透過率の低い黒色を有し得る。
【0077】
遮断膜127は円弧状であって、円周方向に沿って概略120度範囲に形成され得る。ただし、これに限定されず、180度または360度などの多様な角度範囲で形成され得る。
【0078】
遮断膜127は補助スリット124の垂直上方で半径方向外側に延長されるように設けられることが好ましい。このように、遮断膜127が補助スリット124の垂直上方で半径方向の外側に配置されると、光源ユニット140から調理容器に上向き傾斜して進行する光を遮断することなく補助スリット124を通過した光が使用者の視野に直接露出されることを最小化することができるからである(図18参照)。
【0079】
遮断膜127によって光源151が使用者に直接露出されることが最小化されるため、使用者は光源151の存在を認知できず、したがって、炎イメージが人為的に形成された感じを与えず、製品の審美感を向上させることができる。
【0080】
遮断膜127は別途のシート形態で設けられて接着部材によって調理パネル121の上面に付着され得る。または、遮断膜127は調理パネル121の上面に印刷され得る。印刷方法としてガラス印刷を利用することができる。
【0081】
調理台120は調理容器の適正位置を案内する容器案内線122を含むことができる。容器案内線122は、概略誘導コイル130の大きさに対応する大きさを有することができる。容器案内線122は印刷または付着によって形成され得る。
【0082】
図5図1の誘導加熱調理機器の光源ユニットを分解して図示した図面である。図6図1の誘導加熱調理機器のメインボードと基板支持台の結合構造を説明するための図面である。図7図1の誘導加熱調理機器の基板支持台と印刷回路基板の結合構造を説明するための図面である。図8図1の誘導加熱調理機器の光源モジュールと、光学部材と、光源カバーの結合構造を説明するための図面である。図9図1の誘導加熱調理機器の光源カバーを図示した平面図である。
【0083】
図5図9を参照して、本発明の第1実施例に係る誘導加熱調理機器100の光源ユニット140の構成について説明する。
【0084】
光源ユニット140は複数の光を発散する光源モジュール150と、光源モジュール150から発散された光を屈折または反射させて光の進行方向を転換させて集光させる光学部材160と、光学部材160により進行方向が転換されて集光された光を通過させて調理容器の表面に炎イメージを形成させるメインスリット183を有する光源カバー180を含むことができる。
【0085】
光源モジュール150は光を発散する光源151と、光源151が実装されて光源151に電力を供給する印刷回路基板156を含む。
【0086】
本実施例においては、光源151としてLED(Light Emitting Diode)が使われた。LED151は、大きさが小型であり、発光効率が優れており、寿命が長い長所がある。しかし、光源151は必ずしもLED151だけを含むものではなく、冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp)、外部電極蛍光ランプ(External Electrode Fluorescent Lamp)、炭素ナノチューブランプ(Carbon nanotube Lamp)などの多様な発光手段を含むことができる。
【0087】
光源モジュール150は調理容器に形成させようとする炎イメージの個数だけのLED151を有することができる。すなわち、LED151一個当たり一つの炎イメージを形成することができる。LED151は誘導コイル130の円周方向に沿って所定間隔離隔するように配列され得る。LED151は誘導加熱調理機器100の前方の概略120度の角度範囲で配列され得る。ただし、これに限定されず、180度または360度範囲などでも配列できることはいうまでもない。
【0088】
LED151は一つのチップを有する白色LEDであるか(図14)3個のチップを有するRGBLED(図11図12)であり得る。赤色、緑色、青色のRGBLEDを使う場合に各色相を組み合わせて実際の炎にさらに類似の色相を具現することができる。
【0089】
本実施例において、LED151は印刷回路基板156の上に実装されて使われるSMD(Surface Mount Device)型LEDイであるが、印刷回路基板156上にLEDチップ自体が実装されてモールディングされるCOB(Chip On Borad)型LEDが使われることもある。
【0090】
LED151は印刷回路基板156の上面にその発光面が上側に向かうように実装され得る。すなわち、LED151は所定の指向角で上方に光を発散することができる。一例として、本実施例においてLED151の指向角は、概略120度であり得る。
【0091】
LED151が実装される印刷回路基板156は調理台120に対して水平に設けられる。特に、印刷回路基板156は全体的に均一に扁平度を維持できるようにメインボード111ではない別途の基板支持台112に装着され得る。
【0092】
基板支持台112はメインボード111とは別途成形されてメインボード111に結合される。メインボード111は大きさが肥大であるため全体的に均一に扁平度を維持するのが難しいが、基板支持台112は印刷回路基板156の大きさ程度に小さく設けられるのため全体的に均一に扁平度を維持することができる。
【0093】
図6によく図示された通り、基板支持台112は印刷回路基板156が装着されて支持される扁平部112aと、メインボード111に結合される結合部112bを有することができる。扁平部112aは印刷回路基板156に実装された複数のLED151がすべて同じ方向に光を発散させるように屈曲なく扁平に形成され得る。
【0094】
結合部112bは扁平部112aの外郭に突出するように複数個形成され、メインボード111にねじなどの締結部材(S1)により堅固に結合され得る。
【0095】
図7によく図示された通り、LED151が実装された印刷回路基板156は基板支持台112の扁平部112aの上面に装着され得る。印刷回路基板156は締結部材(S2)により基板支持台112に堅固に結合され得る。
【0096】
これによって、印刷回路基板156に実装された複数のLED151は発散する光の方向をすべて同一に形成することができ、したがって、調理容器に形成される複数の炎イメージの大きさおよび明るさが統一性を有することができ、製品の信頼性を向上させることができる。
【0097】
光学部材160はLED151から発散する光を屈折または反射させて進行方向を転換させ、光を集光させる。光学部材160により光が集光されることによって、光の直進性が向上して炎イメージの明るさが増大することができる。
【0098】
本発明の第1実施例に係る誘導加熱調理機器の光学部材160は光を屈折させて集光させる凸レンズ170と、凸レンズ170を支持するベース部161を含む。光学部材160の凸レンズ170とベース部161は一体に形成され得る。光学部材160の凸レンズ170とベース部161はシリコンなどの樹脂材質で一体射出成形され得る。または、ガラス材質で成形され得る。
【0099】
凸レンズ170はLED151の個数だけ設けられ、LED151に対応するように円周方向に沿って相互離隔するように設けられる。
【0100】
凸レンズ170はLED151で垂直上方に発散する光の進行方向をメインスリット183および調理容器に向かって上向き傾斜して転換させる。凸レンズ170の具体的構成については後述する。
【0101】
ベース部161は下部に水平に形成される底部(162、図17)と、底部162から所定高さに延長される垂直部(163、図17)と、光源カバー180に密着結合するように垂直部163から水平に延長されるフランジ部(164、図17)を含むことができる。底部162には凸レンズ170が形成され得る。底部162は印刷回路基板156に密着するように下側に突出する密着突起(162a、図11)を含むことができる。垂直部163は誘導コイル130で発生する熱が凸レンズ170および光源151に伝達されることを遮断することができる。光学部材160はねじなどの締結部材(S3)により印刷回路基板156および基板支持台112に固定できる。
【0102】
光源カバー180は凸レンズ170をカバーして凸レンズ170に異物が浸透することを防止することができる。
【0103】
光源カバー180は半径方向外側の第1カバー部181と、半径方向内側の第2カバー部182と、第1カバー部181と第2カバー部182の間に形成されるメインスリット183を含む。第1カバー部181と第2カバー部182は光学部材160のフランジ部164に密着することができる。
【0104】
光源カバー180のメインスリット183はLED151から発散する光を通過させて調理容器に炎イメージを形成させる役割をする。光源カバー180はLED181から発散する光の中で調理容器に向かう光はメインスリット183を通じて通過させ、残りの光はカバーする。
【0105】
メインスリット183はLED151の垂直方向上側の半径方向内側に位置される。したがって、LED151から発散する光は上向き傾斜してメインスリット183に進行する。
【0106】
メインスリット183は円周方向に沿って一定の角度の範囲で形成され得る。本実施例においてメインスリット183は円周方向に沿って120度の範囲で形成されたが、これに限定されず、180度または360度などの範囲で形成され得ることは言うまでもない。
【0107】
メインスリット183は所定の厚さ(D1、図17)を有して円周方向に沿って連続的に形成され得る。したがって、メインスリット(D1)は炎イメージの高さにのみ影響を及ぼし、炎イメージの幅には影響を及ぼさないことができる。すなわち、炎イメージの高さはメインスリット(D1)の厚さによって決定されるが、炎イメージの幅はLED151および凸レンズ170の形状によって決定され得る。
【0108】
光源カバー180はメインスリット183の厚さ(D1)を一定に維持させて外力によるメインスリット183の変形を防止するように、メインスリット183に形成される少なくとも一つの補強ブリッジ(184、図9)を有することができる。
【0109】
補強ブリッジ184は第1カバー部181と第2カバー部182を連結して前記メインスリット183を横切るように設けられる。補強ブリッジ184は炎イメージに影響を及ぼさないように光と干渉しない位置に一つ以上形成され得る。
【0110】
光源カバー180は結合突起構造または締結部材によって光学部材160に結合され得る。結合突起構造は光源カバー180に形成される結合ホール185と光学部材160に形成される結合突起164aを含むことができる。また、光源カバー180は締結部材(S4)により基板支持台112に結合され得る。。
【0111】
このような構成によって、結果的に光源モジュール150と、光学部材160と、光源カバー180が一体となって基板支持台112に結合され、したがって、光源モジュール150のLED151と、光源カバー180のメインスリット183間の距離公差が最小化される効果がある。
【0112】
光源モジュール150のLED151と、光源カバー180のメインスリット183間の距離は調理容器に形成される炎イメージの大きさと明るさに最も大きい影響を与える要素であって、本発明の第1実施例に係る誘導加熱調理機器は前述した通り、メインボード111とは別途に設けられて高度の平坦度を有する基板支持台112に光源モジュール150の印刷回路基板156が装着され、光源モジュール150と光学部材160と光源カバー180が一体に結合されるため、結果的に、光源モジュール150のLED151と、光源カバー180のメインスリット183間の距離公差が最小化され、したがって、炎イメージの品質と製品の信頼性を向上させることができる。
【0113】
図10図1の誘導加熱調理機器の凸レンズを図示した斜視図である。図11図1の誘導加熱調理機器の凸レンズを図示した断面図である。図12図1の誘導加熱調理機器のLEDがRGBの3個のチップを有する時、凸レンズの入射面の長さを説明するための図面である。図13図1の誘導加熱調理機器のLEDがRGBの3個のチップを有する時、赤色光、緑色光、青色光を混合するためにレンズの入射面に形成される腐食パターンを図示した図面であって、図12のA部分を拡大して図示した図面である。図14図1の誘導加熱調理機器のLEDがWHITEの1個のチップを有する時、凸レンズの入射面の長さを説明するための図面である。図15図1の誘導加熱調理機器の凸レンズの他の実施例である。
【0114】
図10図15を参照して、本発明の第1実施例に係る誘導加熱調理機器の凸レンズの構造を説明する。
【0115】
凸レンズ170はLED151で垂直上方に発散する光を屈折させてメインスリット183に向かってななめに進行方向を転換させ、光を集光させる。
【0116】
凸レンズ170は半球状の外観を有する半球部171と、半球部171より外側に突出する突出部172を含むことができる。半球部171はメインスリット183を眺める方向に位置され、突出部172はその反対方向に位置される。本実施例において突出部172は、概略六面体状を有しているが、突出部172の形状に制限はない。
【0117】
ただし、突出部172は必ずしも必須のものではない。図15に図示された通り、凸レンズ170cは突出部がなく単純に半球部171cだけを含むことができる。その理由は後述する。
【0118】
凸レンズ170は内部に空き空間173を有する。また、凸レンズ170はLED151を収容する収容空間174を有することができる。側面視において、空き空間173は、概略三角形状を有することができ、収容空間174は概略方形状を有することができる。LED151から発散された光は三角形状の空き空間173で凸レンズ170の入射面175に向かって進行することができる。
【0119】
突出部172は凸レンズ170の成形を助けるためのものであって、凸レンズ170の射出成形時に空き空間173の三角形状の頂点173a付近に樹脂が均一に充填され得るように三角形状の頂点173a付近と、ここに隣接した突出部172の外側面172aまでの間隔(G1)を広げる役割をする。このように間隔が広くなることによって樹脂の充填時に樹脂が均一に十分に充填され得る。
【0120】
凸レンズ170は第1入射面175と、第2入射面176を有することができる。第1入射面175はLED151から発散する光をメインスリット183方向に屈折させる。
【0121】
第1入射面175は平面で形成され、調理台120に対して所定の角度に傾斜して形成される。第1入射面175は実質的に光を方向をLED151で垂直上方に発散された光の方向をメインスリット183側に転換させるためその扁平度や角度が精密に設計されなければならないが、第2入射面176を通過した光はほとんど光源カバー180によって遮断されるため第2入射面176の形態や角度は自由に設計され得る。
【0122】
凸レンズ170は第1入射面175を経て屈折された光が投射される出射面177を有する。出射面177はメインスリット183を眺めるように設けられる。出射面177は所定の曲率を有する球面または曲面であり得る。出射面177は外側に膨らんで形成されて光を集光させる。一例として、LED151から発散する光の指向角が概略120度とする時、凸レンズ170を通過した光の指向角は、概略45度〜65度に狭められ得る。
【0123】
このように、光が集光されることによって、光の直進性が向上し、LED151の出力を高くせずとも光の強度を高くすることができる。また、光の屈折効果によって調理容器に形成された炎イメージの形状が立体感を有するようになり、さらに実際の炎と類似の効果を有することができる。
【0124】
凸レンズ170の入射面175の長さ(L1、図12)と、空き空間173の大きさはLED151のチップ152、153、154の個数と、位置および指向角によって決定され得る。
【0125】
一例として、図12に図示された通り、LED151がRGBの3チップ152、153、154を有する場合、入射面175の長さ(L1)は入射面175に最も近く位置したチップ154から発散する光と、最も遠く位置したチップ152から発散する光をすべてカバーできるほどの十分な長さを有さなければならない。
【0126】
これに反し、図14に図示された通り、LED151が1個のチップ155を有する場合には、凸レンズ170bの入射面175bの長さ(L2)は1個のチップ155から発散する光だけをカバーできれば充分である。すなわち、LED151が1個のチップ155を有する場合の凸レンズ170bの入射面175bの長さ(L2)と、空き空間173bの大きさはそれぞれLED151が3個のチップ152、153、154を有する場合の凸レンズ170の入射面175の長さ(L1)と、空き空間173の大きさより小さい。
【0127】
一方、LED151がRGBの3チップ152、153、154を有する場合に、各チップ152、153、154の位置が相異するためチップ152、153、154の位置により炎イメージの色が変わり得る。これを防止するために、本発明の実施例に係る凸レンズ170の入射面175はRGBそれぞれのチップ152、153、154から発散する光を相互混合させて1個の色に発散させる腐食パターン(178、図13)を有することができる。本実施例において腐食パターン170は入射面175に形成されたが、出射面177にも形成され得ることは言うまでもない。
【0128】
図13に図示された通り、腐食パターン178は光の屈折角度を多様に変化させることができる凹凸を含むことができる。腐食パターン178は凸レンズ170の成形時に一緒に成形され得る。すなわち、凸レンズ170の成形金型に腐食パターン178を形成することによって樹脂が充填完了されると腐食パターン178が共に完成され得る。
【0129】
図16図1の誘導加熱調理機器の炎が形成される構造を説明するための概略図である。図17図1の誘導加熱調理機器の炎が形成される構造を説明するための断面図である。図18図1の誘導加熱調理機器の遮断膜について説明するための図面である。図19図1の誘導加熱調理機器に置かれた調理容器の表面の横ヘアーラインの作用を図示した図面である。図20図1の誘導加熱調理機器に置かれた調理容器の表面に仮想の炎イメージが形成された状態を図示した図面である。
【0130】
図16図20を参照して、本発明の第1実施例に係る誘導加熱調理機器の炎形成作用について説明する。
【0131】
前述した通り、誘導加熱調理機器100は少なくとも一部が透明材質で形成される調理パネル121と、調理パネル121の底面に設けられて補助スリット124を有する光遮断層123と、調理容器(C)を誘導加熱するように磁場を発生させる誘導コイル130と、複数の光源151が実装された印刷回路基板156を有する光源モジュール150と、光源モジュール150から発散された光の方向を転換させて集光させる凸レンズ170を有する光学部材160と、調理容器(C)に炎イメージを形成させるように光源モジュール150から発散する光を通過させるメインスリット183を有する光源カバー180と、光源モジュール150の光が使用者に直接露出されることを最小化して光源151を隠蔽させるように調理パネル121の上面に設けられる遮断膜127を含むことができる。
【0132】
誘導コイル130に電気が印加されて調理容器(C)の加熱が開始されると、光源モジュール150の光源151に電流が印加されて光が発散する。光源151から垂直上方に発散された光は光学部材160の凸レンズ170を通過してメインスリット183に向かってななめに進行方向が転換されて集光される。メインスリット183を通過した光は補助スリット124を通過して調理容器(C)の下端の表面に投射される。
【0133】
図19に図示された通り、調理容器(C)に投射された光は調理容器(C)の表面(S)に加工された横ヘアーライン(H)により上下方向に散乱および反射されながら実際と類似の炎イメージ(F)を形成することができる。
【0134】
図21は本発明の第2実施例に係る誘導加熱調理機器の主な構成を概略的に図示した図面である。図22は本発明の第3実施例に係る誘導加熱調理機器の主な構成を概略的に図示した図面である。図23は本発明の第4実施例に係る誘導加熱調理機器の主な構成を概略的に図示した図面である。
【0135】
図21図23を参照して、本発明の第2実施例〜第4実施例に係る誘導加熱調理機器を説明する。第1実施例と同じ構成に対しては同じ図面符号を付与して説明は省略する。
【0136】
図21に図示されたように、誘導加熱調理機器200は少なくとも一部が透明材質で形成される調理パネル121と、調理パネル121の底面に設けられて補助スリット124を有する光遮断層123と、調理容器(C)を誘導加熱するように磁場を発生させる誘導コイル130と、複数の光源151が実装された印刷回路基板156を有する光源モジュール150と、光源モジュール150から発散された光の方向を転換させて集光させる凸レンズ170を有する光学部材160と、調理容器(C)に炎イメージを形成させるように光源モジュール150から発散する光を通過させるメインスリット183を有する光源カバー180を含むことができる。
【0137】
すなわち、本発明の第2実施例に係る誘導加熱調理機器200は本発明の第1実施例に係る誘導加熱調理機器100の構成要素の中で光源151から発散する光が使用者に直接露出されることを最小化して光源151を隠蔽させるように調理パネル121の上面に設けられる遮断膜127が省略されたものである。遮断膜127の部材によってLED121の光が補助スリット124を通じて使用者に薄い帯の形態で直接露出されるため審美感が多少落ちることもあり得るが、炎イメージの形成には特に支障がないからである。。
【0138】
図22に図示された通り、誘導加熱調理機器300は少なくとも一部が透明材質で形成される調理パネル121と、調理パネル121の底面に設けられて補助スリット124を有する光遮断層123と、調理容器(C)を誘導加熱するように磁場を発生させる誘導コイル130と、複数の光源151が実装された印刷回路基板156を有する光源モジュール150と、調理容器(C)に炎イメージを形成させるように光源モジュール150から発散する光を通過させるメインスリット183を有する光源カバー180と、光源モジュール150の光が使用者に直接露出されることを最小化して光源151を隠蔽させるように調理パネル121の上面に設けられる遮断膜127を含むことができる。
【0139】
すなわち、本発明の第3実施例に係る誘導加熱調理機器300は、本発明の第1実施例に係る誘導加熱調理機器100の構成要素の中で光源モジュール150から発散する光の進行方向を転換させて集光させる凸レンズ170を有する光学部材160が省略されたものである。
【0140】
この実施例において、光源モジュール150から発散する光はすぐに光源カバー180のメインスリット183を通過して調理容器(C)に炎イメージを形成することができる。ただし、凸レンズ170を有する光学部材160の部材により集光度が落ちて炎イメージの明るさが弱いこともあり得るが、これはLED151の出力を高めることによって補完可能である。
【0141】
さらに、図23に図示された通り、誘導加熱調理機器400は少なくとも一部が透明材質で形成される調理パネル121と、調理パネル121の底面に設けられて補助スリット124を有する光遮断層123と、調理容器(C)を誘導加熱するように磁場を発生させる誘導コイル130と、複数の光源151が実装された印刷回路基板156を有する光源モジュール150と、調理容器(C)に炎イメージを形成させるように光源モジュール150から発散する光を通過させるメインスリット183を有する光源カバー183を含むことができる。
【0142】
すなわち、本発明の第4実施例に係る誘導加熱調理機器400は本発明の第1実施例に係る誘導加熱調理機器100の構成要素の中で光学部材160と遮断膜127がすべて省略された形態である。
【0143】
図24図1の誘導加熱調理機器の調理台下部の付属品が露出されることを防止する光源カバーの作用を説明するための図面である。図25図1の誘導加熱調理機器の誘導コイルを組み立てる過程を説明するための図面である。
【0144】
図24を参照すると、光源カバー180の第2カバー部182は、補助スリット124を通じて調理台120下側の光学部材160などの付属品が外部に露出されることを防止することができる。このために第2カバー部182の最内側端部182aは少なくとも補助スリット124より半径方向内側まで延長され得る。
【0145】
図25を参照すると、光源カバー180の第2カバー部182は誘導コイル支持台131の最外側端部131aより半径方向内側に延長される。第2カバー部182と誘導コイル支持台131の間には垂直方向に誘導コイル130が装着され得る所定のギャップ(G2)が形成される。すなわち、ギャップ(G2)には誘導コイル130の外郭の少なくとも一部分が収容され得る。
【0146】
したがって、メインボード111に誘導コイル支持台131を装着し、基板支持台112に光源カバー180を装着した後、誘導コイル支持台131と光源カバー180の間に形成されるギャップ(G2)に誘導コイル130を斜めに進行させることによって誘導コイル130を誘導コイル支持台131の上に装着することができる。したがって、光源カバー180の第2カバー部182は誘導コイル130の装着を案内するガイド部の役割を遂行することができる。
【0147】
図26および図27図1の誘導加熱調理機器の操作部を拡大して図示した図面である。
【0148】
誘導加熱調理機器100の出力レベルの入力を受けるための操作部14は回転可能に設けられる操作ノブ14aを含むことができる。操作ノブ14aは時計回り(C)または反時計回り(CC)に回転することができる。
【0149】
操作ノブ14aの縁には出力レベルを表示するように出力レベルマーク14bが設けられ得る。出力レベルマーク14bは操作ノブ14aとともに回転することができる。
【0150】
誘導加熱調理機器100の本体には操作ノブ14aにより選択された出力レベルを指示するための指示マーク14cが形成され得る。指示マーク14cは誘導加熱調理機器100本体に固定される。本実施例において指示マーク14cは、概略操作ノブ14aの上側に設けられたが、指示マーク14cの位置に限定はない。
【0151】
使用者は誘導加熱調理機器100を作動させる時に操作ノブ14aをある程度誘導加熱調理機器の本体方向に(P)加圧した後で回転させることができる。このような操作ノブ14aの動作方式により誘導加熱調理機器100をさらにガスレンジのように感じることができる。
【0152】
使用者が操作ノブ14aを時計回り(C)または反時計回り(CC)に回転させると、出力レベルマーク14bが操作ノブ14aとともに回転し、出力レベルマーク14bに表示された複数の出力レベルの中で指示マーク14cと対面する出力レベルが誘導加熱調理機器10に入力され得る。
【0153】
例えば、使用者が操作ノブ14aを反時計回り(CC)に回転させると、図27に図示された通り、操作ノブ14aの回転により出力レベル1、2、3、...9が指示マーク14cと対面することになり、出力レベル1、2、3、...9が調理装置1に入力され得る。
【0154】
それだけでなく、オフ(OFF)状態で使用者が操作ノブ14aを時計回り(C)に回転させると誘導加熱調理機器1に最大出力レベルが入力され得る。
【0155】
換言すると、オフ(OFF)状態で使用者が操作ノブ14aを反時計回り(CC)に回転させると出力レベルマーク14bに表示された出力レベルが順次入力され、オフ(OFF)状態で使用者が操作ノブ14aを時計回りに回転させると直ちに最大出力レベルが入力され得る。
【0156】
本発明の権利範囲は前記説明した特定実施例にのみ限定されるものではない。特許請求の範囲に明示された本発明の技術的思想としての要旨を逸脱しない範囲内で当分野で通常の知識を有した者によって修正または変形可能な多様な実施例も本発明の権利範囲に属すると言える。
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