(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ブリバラセタム、またはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグと、ドネペジル、またはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグとを含む薬学的組成物であって、
該ブリバラセタム、またはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグが、長期放出形態であり;
該ドネペジル、またはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグが、長期放出形態ではなく;
該組成物が、単位剤形中にあるか、または1つの製剤に一緒に包装された別々の単位中にある、薬学的組成物。
前記ブリバラセタム、またはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグが、約0.1〜350mg、0.7〜350mg、3〜300mg、3〜150mg、3〜110mg、または7〜70mgの1日用量で投与される、請求項4に記載の使用のための薬学的組成物。
【発明を実施するための形態】
【0037】
発明の詳細な説明
本明細書中で別途定義がない限り、本出願で使用した科学用語および技術用語は、当業者に一般に理解されている意味を有するものとする。一般に、本明細書中に記載の細胞および組織培養、分子生物学、細胞および癌生物学、神経生物学、神経化学、ウイルス学、免疫学、微生物学、薬理学、遺伝学、ならびにタンパク質および核酸化学に関連して使用した命名法およびその技術は、当該分野で周知であり、且つ一般に使用されているものである。
【0038】
本発明の方法および技術を、一般に、他で示さない限り、当該分野で周知の従来の方法に従い、且つ本明細書を通して引用および考察された種々の一般的およびより具体的な参考文献に記載のように実施する。例えば、「Principles of Neural Science」,McGraw−Hill Medical,New York,N.Y.(2000);Motulsky,「Intuitive Biostatistics」,Oxford University Press,Inc.(1995);Lodishら,「Molecular Cell Biology,第4版」,W.H.Freeman & Co.,New York(2000);Griffithsら,「Introduction to Genetic Analysis,第7版」,W.H.Freeman & Co.,N.Y.(1999);Gilbertら,「Developmental Biology,第6版」,Sinauer Associates,Inc.,Sunderland,MA(2000)を参照のこと。
【0039】
本明細書中で使用した化学用語を、「The McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms」,Parker S.編,McGraw−Hill,San Francisco,C.A.(1985)に例示の従来の用法にしたがって使用する。
【0040】
全ての本出願で言及した上記および任意の他の刊行物、特許、および公開された特許出願は、特に本明細書中で参考として援用される。矛盾する場合、本明細書(その特定の定義が含まれる)に従う。
【0041】
本明細書を通して、用語「〜を含む(comprise)」またはそのバリエーション(「comprises」または「comprising」など)は、言及した整数(または構成要素)または整数(または構成要素)の群を含むことを意味するが、いかなる他の整数(または構成要素)または整数(または構成要素)の群も排除しないと理解されるであろう。
【0042】
単数形「a」、「an」、および「the」には、文脈上そうでないと明確に示されない限り、複数形が含まれる。
【0043】
用語「〜が含まれる(including)」は、「〜が含まれるが、これらに限定されない」を意味するために使用される。「〜が含まれる」および「〜が含まれるが、これらに限定されない」を交換可能に使用する。
【0044】
用語「剤」を、本明細書中で、化学物質(有機化合物または無機化合物、化学物質の混合物など)、生体高分子(核酸、抗体(その一部ならびにヒト化抗体、キメラ抗体、およびヒト抗体、ならびにモノクローナル抗体が含まれる)、タンパク質またはその一部(例えば、ペプチド)、脂質、炭水化物など)、または生体物質(細菌、植物、真菌、または動物(特に哺乳動物)の細胞または組織など)から作製された抽出物を示すために使用する。剤には、例えば、構造が既知の剤および構造が知られていない剤が含まれる。かかる剤のSV2A阻害活性またはAChEI活性によって、この剤が本発明の方法および組成物において「治療薬」として適切となり得る。
【0045】
「患者」、「被験体」、または「個体」を交換可能に使用し、これらは、ヒトまたは非ヒト動物のいずれかをいう。これらの用語には、哺乳動物(ヒト、霊長類、家畜動物(ウシ、ブタなどが含まれる)、伴侶動物(例えば、イヌ、ネコなど)、および齧歯類(例えば、マウスおよびラット)など)が含まれる。
【0046】
「認知機能」または「認知状態」は、それぞれ、学習および/または記憶(注意、情報取得、情報処理、作動記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶検索、弁別学習、意思決定、抑制反応の調節、注意セットの移行、強化学習の遅延、逆転学習、自発的行動の時間積分、および自身の周辺および自己管理における興味、処理の速度、理由づけおよび問題解決ならびに社会認識の表現が含まれるが、これらに限定されない)に関与する任意の高次の知的な脳の過程または脳の状態をいう。
【0047】
ヒトでは、認知機能を、例えば(制限されない)、全般臨床改善度(CIBIC−plusスケール)(clinical global impression of change scale (CIBIC−plus scale));ミニメンタルステート検査(Mini Mental State Exam)(MMSE);神経精神症状評価(Neuropsychiatric Inventory)(NPI);臨床的認知症評価尺度(Clinical Dementia Rating Scale)(CDR);ケンブリッジ神経心理学的自動試験(Cambridge Neuropsychological Test Automated Battery)(CANTAB);サンド臨床評価−老年者(Sandoz Clinical Assessment−Geriatric)(SCAG)、ブシュケ選択式回想テスト(Buschke Selective Reminding Test)(BuschkeおよびFuld,1974);言語対関連(Verbal Paired Associates)下位検査;論理記憶(Logical Memory)下位検査;ウェクスラー記憶検査(改変)(Wechsler Memory Scale−Revised)(WMS−R)の視覚再生(Visual Reproduction)下位検査(Wechsler,1997);ベントン視覚記銘検査(Benton Visual Retention Test)、または明示的三肢強制選択法、あるいはMATRICSコンセンサス神経心理学的試験バッテリ(MATRICS consensus neuropsychological test battery)によって測定することができる。Folsteinら,J Psychiatric Res 12:189−98,(1975);Robbinsら,Dementia 5:266−81,(1994);Rey,L’examen clinique en psychologie,(1964);Klugerら,J Geriatr Psychiatry Neurol 12:168−79,(1999);Marquisら,2002およびMasurら,1994を参照のこと。Buchanan,R.W.,Keefe,R.S.E.,Umbricht,D.,Green,M.F.,Laughren,T.,およびMarder,S.R.(2011),The FDA−NIMH−MATRICS guidelines for clinical trial design of cognitive−enhancing drugs:what do we know 5 years later? Schizophr.Bull.37,1209−1217もまた参照のこと。
【0048】
動物モデル系では、認知機能を、当該分野で公知の種々の従来の方法(モリス水迷路(MWM)、バーンズ円形迷路、高架式放射状アーム迷路、T迷路、または動物が空間情報を使用する任意の他の迷路の使用が含まれる)で測定することができる。認知機能は、逆転学習、次元外セットシフティング、条件付き識別学習、および報酬の見込みの評価によって、評価され得る。当該分野で公知の他の試験を使用して、認知機能(新規対象の認識および匂い認識課題など)を評価することもできる。
【0049】
認知機能を、画像化技術(陽電子放出断層撮影(PET)、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、または脳機能を測定可能な任意の他の画像化技術など)を使用して測定することもできる。動物では、認知機能を、電気生理学的技術を使用して測定することもできる。
【0050】
認知機能の「促進」は、正常な非機能障害被験体の機能により類似するような機能障害認知機能への影響をいう。認知機能を、任意の検出可能な程度に促進することができるが、ヒトでは、好ましくは、機能障害被験体が、正常な非機能障害被験体または年齢を適合させた非機能障害被験体に可能な限り近い習熟レベルで日常生活を送ることができるのに充分に促進する。
【0051】
いくつかの場合において、加齢性の認知を罹患する被験体の認知機能の「促進」は、年齢を適合させた正常な非機能障害被験体の機能または若年成人被験体の機能により類似するような機能障害認知機能への影響をいう。この被験体の認知機能を、任意の検出可能な程度に促進することができるが、ヒトでは、好ましくは、機能障害被験体が、正常な非機能障害被験体または若年成人被験体または年齢を適合させた非機能障害被験体に可能な限り近い習熟レベルで日常生活を送ることができるのに充分に促進する。
【0052】
認知機能の「保存」は、第1の口頭報告または診断で被験体に認められる認知機能が低下しないか、またはこれを下回らないか、あるいはかかる低下を遅延させるような正常な認知機能または認知機能の機能障害への影響をいう。
【0053】
認知機能の「改善」には、被験体における認知機能の促進および/または認知機能の保存が含まれる。
【0054】
「認知機能障害」とは、正常な、機能障害のない被験体において期待されるほどには強くない、被験体における認知機能をいう。いくつかの場合において、認知機能は、正常な、機能障害のない被験体において期待される認知機能と比較して、約5%、約10%、約30%、またはより大きく低下する。いくつかの場合において、加齢性の認知機能障害に罹患する被験体における「認知機能障害」とは、年齢を適合させた正常な機能障害がない被験体において期待されるほどには強くない、または若年成人被験体(すなわち、認知試験において、所定の年齢についての平均スコアを有する被験体)の機能ほどには強くない、被験体の認知機能をいう。
【0055】
「加齢性認知機能障害」とは、認知機能が、年齢を適合させた正常な被験体で期待される認知機能または若年成人被験体で期待される認知機能ほど強くない、高齢被験体の認知機能障害をいう。いくつかの場合、認知機能は、年齢を適合させた正常な被験体で期待される認知機能と比較して約5%、約10%、約30%、またはそれを超えて減少する。いくつかの場合、認知機能は年齢を適合させた正常な被験体で期待される通りであるが、若年成人被験体で期待される認知機能と比較して約5%、約10%、約30%、約50%、またはそれを超えて減少する。加齢性の機能障害認知機能は、軽度認知機能障害(MCI)(健忘MCIおよび非健忘MCIが挙げられる)、加齢性記憶障害(AAMI)、ならびに加齢性認知低下(ARCD)に関連し得る。
【0056】
ADに関連するか、ADに関係するか、またはADにおける「認知機能障害」とは、従来の方法論および標準を使用してADを診断されたことがない被験体において期待されるほどには強くない、被験体における認知機能をいう。
【0057】
「軽度認知機能障害」または「MCI」は、他の認知異常を伴わない孤立性記憶障害および比較的正常な機能的能力によって特徴づけられる容態をいう。MCIの臨床的特徴についての1組の基準を以下の特徴によって特定する:(1)記憶障害の訴え(患者、病歴提供者、または医師による報告)、(2)正常な日常生活能(ADL)、(3)正常な包括的認知機能、(4)年齢と比較して異常な記憶(所与の年齢についての平均を1.5標準偏差を超えて下回るスコアリングとして定義)、および(5)認知症指標の不在(DSM−IVガイドラインによって定義)。Petersenら,Srch.Neurol.56:303−308(1999);Petersen,「Mild cognitive impairment:Aging to Alzheimer’s Disease.」 Oxford University Press,N.Y.(2003)。
【0058】
MCIの診断は、通常、十分に確立された神経心理学的試験(ミニメンタルステート検査(MMSE)、ケンブリッジ神経心理学的自動試験(CANTAB)、および各試験(レイ聴覚言語学習試験(AVLT)、修正ウェクスラー記憶検査の論理的記憶部分試験(WMS−R)、およびニューヨーク大学(NYU)パラグラフ想起試験など)が含まれる)の使用によって蓄積することができる認知機能障害の客観的評価を必要とする。Folsteinら,J Psychiatric Res 12:189−98(1975);Robbinsら,Dementia 5:266−81(1994);Klugerら,J Geriatric Psychiatry Neurol 12:168−79(1999)を参照のこと。
【0059】
「加齢性記憶障害(AAMI)」は、加齢に起因する記憶力低下をいう。少なくとも50歳であり、以下の基準を全て満たす場合、患者がAAMIを有すると見なすことができる:a)患者が記憶能力の低下に気付いていること、b)患者の能力が若年成人と比較して標準的な記憶試験で悪化していること、c)通常の加齢を除く記憶力低下の全ての他の明確な原因が除外されていること(言い換えれば、記憶力低下が他の原因(先般の心臓発作または頭部損傷、鬱病、薬物適用の副作用、アルツハイマー病など)に起因し得ない)。
【0060】
「加齢性認知低下(ARCD)」は、ヒトにおける通常の加齢の結果である記憶および認識能力の低下をいう(例えば、CraikおよびSalthouse,1992)。これはまた、実質的に全ての哺乳動物種にあてはまる。加齢性記憶障害は、以前と比較して客観的な記憶力が低下しているが、同世代と比較して正常な認知機能を有する高齢者をいう(Crookら,1986)。年齢相応の記憶力低下は、これらが正常な発達上の変化であり(Crook,1993;Larrabee,1996)、病態生理学的でなく(Smithら,1991)、明白な認知症に進行することが稀である(YoungjohnおよびCrook,1993)ことを強調するあまり軽蔑的でない呼称である。DSM−IV(1994)は、ARCDの診断分類を体系化している。
【0061】
アルツハイマー病(AD)は、その初期段階における記憶欠乏により特徴付けられる。後期症状としては、損なわれた判断、失見当識、錯乱状態、挙動変化、話すことの困難、および運動欠損が挙げられる。組織学的に、ADは、β−アミロイド斑およびタウタンパク質のもつれにより特徴付けられる。
【0062】
血管性痴呆は、脳卒中により引き起こされる。症状は、ADの症状と重なるが、記憶機能障害への集中がない。
【0063】
レヴィー小体を伴う痴呆は、内部ニューロンを形成する脳内のα−シヌクレインの異常な沈着により特徴付けられる。認知機能障害は、ADと類似し得、記憶および判断の機能障害、ならびに挙動変化が挙げられ得る。
【0064】
前頭側頭型痴呆は、神経膠症、ニューロン損失、前頭皮質および/または前頭側頭葉における浅側海綿状変性、ならびにピック小体により特徴付けられる。症状としては、人格および挙動の変化(社会的技能および言語表現/理解力の低下が挙げられる)が挙げられる。
【0065】
「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」とは、破局事象に対する即時の応答または遅延された応答(その外傷の再経験、その外傷に関連する刺激の精神的麻痺または回避、および増大した覚醒により特徴付けられる)により特徴付けられる、不安障害をいう。現象の再経験としては、侵入性の記憶、フラッシュバック、悪夢、および外傷を思い出させるものに応答しての心理学的または生理学的な急迫が挙げられる。このような応答は不安を生じさせ、そして患者の生活の質ならびに身体的および情動的健康に対して、慢性と急性との両方の、重大な影響を有し得る。PTSDはまた、機能障害を受けた認知性能に関連し、そしてPTSDを罹患する年配の個体は、コントロール患者と比較して、より大きい認知性能の低下を有する。
【0066】
「統合失調症」とは、広範囲な精神病理学(陽性症状(例えば、異常または歪曲した精神的表現(例えば、幻覚、妄想))、意欲および順応した目的に向かう動作の減少(例えば、快感消失症、感情の平坦化、意欲消失(avolition))により特徴付けられる陰性症状、および認知機能障害が挙げられる)により特徴付けられる、慢性の消耗性の障害をいう。脳の異常性が、統合失調症における全範囲の精神病理学の基礎にあることが提唱されているが、現在利用可能な抗精神病薬は、患者における認知機能障害を処置する際にほとんど効果がない。
【0067】
「双極性障害」または「BP」または「躁うつ病性障害(manic depressive disorder)」または「躁うつ病性障害(manic depressive illness)」とは、慢性的な心理学的/気分障害をいい、これは、うつの期間と、上機嫌な躁病期間とを含む、かなりの気分変化により特徴付けられ得る。BPは、熟練した医師によって、個人歴および医療歴、問診ならびに診察に基づいて診断され得る。用語「躁病」または「躁病期間」または他の異形は、個体が以下の特徴のうちの数個または全てを示す期間をいう:競争心、早口、上昇したレベルの活動および興奮、ならびに拡大した意識の自尊心、多幸症、乏しい判断、不眠症、損なわれた集中および攻撃性。
【0068】
「筋萎縮性側索硬化症」(ALSとしても公知)とは、運動ニューロン(随意筋の動きを制御する中枢神経系中の神経細胞)の変性により特徴付けられる、進行性の、致死性の神経変性疾患をいう。ALSはまた、内側嗅皮質および海馬におけるニューロン変性、記憶欠乏、ならびに異なる脳の領域(例えば、皮質)におけるニューロン過剰興奮性により特徴付けられる。
【0069】
「がん治療に関連する認知機能障害」とは、がん治療(例えば、化学療法および放射線)で処置された被験体において発症する、認知機能障害をいう。がん治療の細胞傷害性、および脳に対する他の有害な副作用は、記憶、学習および注意のような機能に、認知機能障害をもたらす。
【0070】
パーキンソン病(PD)とは、自発的運動の低下によって特徴付けられる、神経学的障害である。罹患する患者は、正常な個体と比較して、運動活性の減少およびより遅い自発的運動を有する。この患者は、特徴的な「仮面状顔貌」の顔、歩行中に急ぐ傾向、曲がった姿勢および全身の筋肉の虚弱を有する。受動的運動の、代表的な「鉛管様」硬直が存在する。この疾患の別の重要な特徴は、安静時に起こり、運動中に減衰する、末端の振顫である。
【0071】
「自閉症」とは、本明細書中で使用される場合、限定および繰り返される行動による損なわれた社会的相互作用および意思疎通をもたらす神経発達障害によって特徴付けられる、自閉症スペクトル障害をいう。「自閉症スペクトル障害」とは、一群の発育障害をいい、これらとしては、自閉症;アスペルガー症候群;他に特定されない広汎発達障害(PDD−NOSまたは非定型自閉症);レット症候群;および小児期崩壊性障害が挙げられる。
【0072】
精神遅滞とは、有意に損なわれた認知機能および順応行動の欠損によって特徴付けられる、広汎性の障害である。精神遅滞はしばしば、70未満の知能指数(IQ)スコアとして定義される。先天性の原因が、精神遅滞の基礎にある多くの原因の間に存在する。ニューロン連絡の機能障害もまた、精神遅滞の基礎にある原因の1つであると考えられている(Myrrhe van Spronsen and Casper C.Hoogenraad,Curr.Neurol.Neurosci.Rep.2010,10,207−214)。
【0073】
いくつかの例において、精神遅滞としては、ダウン症候群、口蓋心顔面症候群(velocariofacial syndrome)、胎児アルコール症候群、脆弱X症候群、クラインフェルター症候群、神経線維腫症、先天性甲状腺機能低下症、ウィリアムズ症候群、フェニルケトン尿症(PKU)、スミス−レムリ−オピッツ症候群、プラーダー−ヴィリ症候群、フェラン−マクダーミド症候群(Phelan−McDermid syndrome)、モワットウィルソン症候群(Mowat−Wilson syndrome)、繊毛関連疾患(ciliopathy)、ロウ症候群およびシデリウム(siderium)X型関連精神遅滞が挙げられるが、これらに限定されない。ダウン症候群は、出生時欠損(ある程度の精神遅滞、特徴的な顔面特徴、およびしばしば、心臓欠損、増大した感染、視覚および聴覚に関する問題、ならびに他の健康上の問題が挙げられる)の組み合わせを含む障害である。脆弱X症候群は、流行している形態の遺伝性精神遅滞であり、男性4,000に1人、および女性8,000に1人の頻度で発生する。この症候群また、発達遅延、多動、注意欠陥障害、および自閉様行動によって特徴付けられる。脆弱X症候群に対する有効な処置は存在しない。
【0074】
強迫神経症(「OCD」)とは、強迫行動をもたらす侵害的な反復性の望ましくない思考(強迫観念)、および個体が行う衝動を感じる精神作用(強迫行為)によって最も一般的に特徴付けられる、精神状態である。現在の疫学的データは、OCDが、米国において4番目に一般的な精神障害であることを示す。いくつかの研究は、OCDの有病率が1〜3%であることを示唆するが、臨床的に認識されるOCDの有病率はずっと低く、このことは、この障害を有する多くの個体が、診断されていないかもしれないことを示唆する。OCDを有する患者はしばしば、心理学者、精神科医、または精神分析専門医によって、強迫観念および強迫行為の特徴を含む、精神障害の診断と統計マニュアル,第4版テキスト改訂版(DSM−IV−TR)(2000)診断基準に従って診断される。
【0075】
物質の乱用(例えば、薬物嗜癖、アルコール嗜癖)は、精神障害である。この嗜癖は、乱用性物質への曝露の際に即座に誘発されるものではない。むしろ、これには、数時間から数日間から数日間までにわたる様々な時間経過で発症する、複数の複雑な神経の適応が関与する(Kauer J.A.Nat.Rev.Neurosci.2007,8,844−858)。嗜癖への経路は一般に、1種または1種より多くの規制物質(例えば、麻酔薬、バルビツレート、メタンフェタミン、アルコール、ニコチン、および他のこのような種々の規制物質のうちのいずれか)の自発的な使用で開始する。規制物質(単数または複数)を長期間使用すると、経時的に、この規制物質(単数または複数)を自発的に控える能力は、脳機能および従って挙動に対する延長された使用の影響に起因して、損なわれる。従って、物質の乱用は一般に、好ましくない結果に直面してさえも持続する、強制的な物質の切望、探究および使用によって特徴付けられる。これらの切望は、その患者の基礎にある神経生物学の変化を表し得、これはおそらく、回復が得られるべきである場合、意味のある様式で取り組まれなければならない。物質の乱用はまた、多くの場合、脱離症状によって特徴付けられ、これらはいくつかの物質について、生命を脅かし(例えば、アルコール、バルビツレート)、そして他の物質においては、かなりの病的状態(これには、悪心、嘔吐、熱、眩暈感、および発汗過多が含まれ得る)、窮迫、ならびに回復を得る能力の低下をもたらし得る。例えば、アルコール症(アルコール依存としても公知)は、このような物質の乱用の1つである。アルコール症は主として4つの症状によって特徴付けられ、これらには、切望、制御消失、身体依存および耐性が含まれる。これらの症状はまた、他の規制物質に対する嗜癖を特徴付け得る。アルコールおよび他の規制物質に対する切望はしばしば、食物または水に対する必要性と同程度に強い。従って、アルコール症者は、家族、健康状態および/または法律上の重大な結果にもかかわらず、飲酒を続け得る。
【0076】
容態または患者の「処置」は、有利または所望の結果(臨床結果が含まれる)を得るために対策を講じることをいう。有利または所望の臨床結果としては、認知機能の改善、認知機能障害の進行を遅延させるかもしくは遅くすること、認知機能の衰退の速度を低下させること、疾患または障害の予防または進行の遅延、あるいはCNS障害(例えば、加齢性の認知機能障害、軽度認知機能障害(MCI)、健忘MCI、痴呆、アルツハイマー病(AD)、前駆期AD、PTSD、統合失調症または双極性障害(特に、躁病)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、がん治療に関連する認知機能障害、精神遅滞、パーキンソン病(PD)、自閉症、強迫行動、および物質の乱用)に関連する認知機能障害に関連する1つ以上の症状の軽減、緩和、または進行の遅延が挙げられるが、これらに限定されない。加齢性の認知機能障害を処置することは、加齢性の認知機能障害(MCI、ARCDおよびAAMIが挙げられるが、これらに限定されない)の痴呆(例えば、AD)への転換を遅くすることをさらに包含する。
【0077】
「認知機能障害を処置する」とは、1つ以上の認知試験における被験体の動作が、任意の検出可能な程度まで改善するように、またはさらなる低下が防止されるように、認知機能障害を罹患する被験体の認知機能を改善するために対策を講じることをいう。好ましくは、その被験体の認知機能は、認知機能障害の処置後、正常な機能障害のない被験体の機能により近く類似する。ヒトにおける認知機能障害の処置は、認知機能を任意の検出可能な程度まで改善し得るが、好ましくは、機能障害を有する被験体が、正常な機能障害を有さない被験体と同レベルの制度で、通常の生活の毎日の活動を行うことを可能にするために充分に改善される。いくつかの場合において、「認知機能障害を処置する」とは、1つ以上の認知試験における被験体の動作が、任意の検出可能な程度まで改善されるように、またはさらなる低下を防止されるように、認知機能障害を罹患する被験体の認知機能を改善するために対策を講じることをいう。好ましくは、その被験体の認知機能は、認知機能障害の処置後、正常な機能障害のない被験体の機能により近く類似する。いくつかの場合において、加齢性の認知機能障害を罹患する被験体における「認知機能障害を処置する」とは、被験体の認知機能が、認知機能障害の処置後、年齢を適合させた正常な機能障害を有さない被験体の機能、または若年成人被験体の機能により近く類似するように、その被験体における認知機能を改善するために対策を講じることをいう。いくつかの場合において、被験体における「認知機能障害を処置する」とは、認知機能障害を有する被験体において、認知機能障害の進行を遅延または緩慢化させるための工程を行うことをいう。いくつかの場合において、被験体における「認知機能障害を処置する」とは、認知機能障害を有する被験体において、認知機能の低下の速度を低減させるための工程を行うことをいう。
【0078】
被験体に物質、化合物、または剤を「投与すること」または「投与」を、当業者に公知の種々の方法の1つを使用して行うことができる。例えば、化合物または剤を、静脈内、動脈内、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、眼内、舌下、経口(経口摂取による)、鼻腔内(吸入による)、脊髄内、脳内、および経皮(例えば、皮膚の管を介した吸収による)に投与することができる。化合物または剤を、化合物または剤の長期放出、遅延放出、または制御放出を行う再充填可能であるか生分解性のポリマーデバイスもしくは他のデバイス(例えば、パッチおよびポンプ)、または製剤によって適切に導入することもできる。例えば、1回、複数回、および/または1回または複数回の長期間にわたって投与することもできる。いくつかの局面では、投与には、直接投与(自己投与が含まれる)および間接的投与(製剤化薬の作用が含まれる)の両方が含まれる。例えば、本明細書中で使用する場合、医師が患者に薬物を自己投与させるか別の者に薬物を投与させるように指示し、そして/または患者に薬物を製剤化することは、患者への薬物の投与である。
【0079】
被験体への物質、化合物、または剤の適切な投与方法はまた、例えば、被験体の年齢、被験体が投与時に活動的か非活動的かどうか、被験体が投与時に認知機能障害であるかどうか、機能障害の範囲、ならびに化合物または薬物の化学的および生物学的な性質(例えば、溶解度、消化性、生物学的利用能、安定性、および毒性)に依存する。いくつかの実施形態において、化合物または剤は、例えば、経口摂取によって被験体に経口投与されるか、または例えば注射によって、被験体に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、経口投与した化合物または剤は、長期放出製剤または遅延放出製剤中に存在するか、かかる遅延放出または長期放出のためのデバイスを使用して投与する。
【0080】
薬物または剤の「治療有効量」は、被験体に投与した場合に、意図する治療効果(例えば、被験体(例えば、CNS障害に関連する認知機能障害を有する患者)の認知機能の改善、または認知機能障害の進行の遅延もしくは緩慢化、または認知機能の低下の速度の低減)を有する薬物または剤の量である。完全な治療効果が1回の投与によって必ずしも起こらなくてよく、一連の用量の投与後のみに起こってよい。したがって、治療有効量を、1回または複数回の投与で投与することができる。被験体に必要な正確な有効量は、例えば、被験体のサイズ、健康状態および年齢、認知機能障害の性質および範囲、投与のために選択された治療または治療の組み合わせ、および投与様式に依存するであろう。当業者は、慣用的な実験によって所与の状況に有効な量を容易に決定することができる。
【0081】
「治療量未満の量」とは、本発明の剤または化合物が投与される、治療量より少ない量、すなわち、認知機能不全が関与する障害を処置するためにその剤または化合物が単独で(すなわち、個々に、他方の治療剤または化合物の非存在下で)投与される場合に通常使用される量より少ない、量をいう。
【0082】
「アナログ」は、別の化学実体に機能的に類似するが同一の化学構造を共有しない化合物をいうために、本明細書中で使用される。例えば、アナログは、ベース化合物または親化合物に充分に類似しており、その結果、このアナログは、小さな構造の違いにもかかわらず、治療用途においてこのベース化合物の代わりに使用され得る。
【0083】
「誘導体」は、化合物の化学修飾をいうために本明細書中で使用される。化合物の化学修飾としては、例えば、アルキル基、アシル基またはアミノ基での、水素の置き換えが挙げられ得る。他の多くの修飾もまた可能である。
【0084】
用語「プロドラッグ」は、当該分野において認識されており、そして生理学的条件下でSV2AインヒビターまたはAChEIに転換される、化合物または剤を包含することを意図される。プロドラッグを作製する一般的な方法は、生理学的条件下で加水分解または代謝されて所望の化合物または剤を提供する部分を選択することである。他の実施形態において、プロドラッグは、宿主動物の酵素活性によって、SV2AのインヒビターまたはAChEIに転換される。
【0085】
「薬学的に受容可能な塩」は、本発明の剤および化合物の、治療的に活性な、非毒性の、塩基塩形態または酸塩形態の、本発明による剤または化合物をいうために本明細書中で使用される。塩基としてその遊離形態で生じる化合物の酸付加塩形態を、無機酸(例えば、ハロゲン化水素酸(塩酸または臭化水素酸など)、硫酸、硝酸、およびリン酸);または有機酸(例えば、酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、環状酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、およびパモ酸など)などの適切な酸での前記遊離塩基形態の処理によって得ることができる。例えば、WO01/062726号を参照のこと。
【0086】
本発明の方法の説明
本発明の方法は、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形もしくはプロドラッグの、AChEIまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形もしくはプロドラッグの投与と組み合わせての投与を包含する。SV2AインヒビターまたはAChEIおよびその薬学的に受容可能な塩の、剤または化合物はまた、これらの剤、化合物および塩の、水和物、溶媒和物、多形、およびプロドラッグを包含する。
【0087】
認知機能障害を評価する方法
動物モデルは、CNS障害に関連する認知機能障害の処置を開発および評価するための重要な手段として働く。動物モデルにおける認知機能障害を特徴付ける特徴は代表的に、ヒトにおける認知機能障害まで及ぶ。従って、このような動物モデルにおける効力は、ヒトにおける効力の予測的なものであると期待される。CNS障害についての動物モデルにおける認知機能障害の程度、およびこのCNS障害に対する処置の方法の効力は、種々の認知試験の使用によって、試験および確認され得る。
【0088】
放射状迷路(RAM)行動タスクは、認知試験、特に、空間記憶を試験する1つの例である(Chappellら.Neuropharmacology 37:481−487,1998)。RAM装置は、例えば、等しく間隔を空けた8つのアームからなる。迷路のアームは、中心プラットフォームの各小面から突出する。食物ウェルが、各アームの遠位端に位置する。食物は、報酬として使用される。ブロックが、いずれかのアームに入ることを防ぐために配置され得る。この装置を囲む多数の迷路外の手がかりもまた提供され得る。馴化段階および訓練段階の後、被験体の空間記憶が、コントロール条件下または試験化合物で処置された条件下で、このRAMにおいて試験され得る。この試験の一部として、被験体は、ビヒクルコントロールまたは試験化合物のある範囲の投薬量のうちの1つでの試行前に、予備訓練される。各試行の開始時に、8アーム迷路のアームのサブセットが遮断される。被験体は、遮断されていないアームで食物を得ることを可能にされ、このアームへのアクセスは、この試行のこの初期の「情報段階」中に許容される。次いで、被験体は、この情報段階と引き続く「保持試験」との間の遅延期間(例えば、60秒間の遅延、15分間の遅延、1時間の遅延、2時間の遅延、6時間の遅延、24時間の遅延、またはより長い遅延)の間、この迷路から離され、この間に、この迷路の障壁が除かれ、従って、8つ全てのアームへのアクセスが可能になる。この遅延期間後、被験体は、中心プラットフォームに戻され(先に遮断されていたアームに対する障壁は除去されている)、そしてこの試行のこの保持試験段階中に残っている食物報酬を得ることを許される。遮断されたアームの同一性および構成は、試行ごとに変わる。この保持試験段階中にこれらの被験体が起こした「エラー」の数が追跡される。この試行の遅延前構成要素においてすでに食物が回収されたアームに被験体が入る場合、または遅延後の回においてすでに訪問したアームを再訪問する場合に、この試行におけるエラーが起こる。より少ない数のエラーは、より良好な空間記憶を示す。次いで、種々の試験化合物処置計画のもとで試験被験体により起こされたエラーの数が、CNS障害に関連する認知機能障害を処置する差異の試験化合物の効力について、比較され得る。
【0089】
CNS障害モデル動物の認知機能障害に対する試験化合物の効果を評価するために使用され得る別の認知試験は、モリス水迷路である。水迷路は、迷路に対する新規パターンのセットで囲まれたプールである。水迷路のための訓練プロトコルは、海馬依存性であることが示されている、改変された水迷路タスクに基づき得る(de Hozら,Eur.J.Neurosci.,22:745−54,2005;SteeleおよびMorris,Hippocampus 9:118−36,1999)。被験体は、このプールの表面より下に隠れた、沈んだ回避プラットフォームの位置を探し出すように訓練される。この訓練試行の間、被験体は、このプールの周囲の無作為出発位置から、迷路(プール)に放される。この出発位置は、試行ごとに変わる。被験体が設定時間以内に回避プラットフォームの位置を探し出さない場合、実験者は、この被験体をプラットフォームに案内して置き、このプラットフォームの位置を「教える」。最後の訓練試行後の遅延期間後、回避プラットフォームが存在しない保持試験が与えられて、空間記憶を評価する。被験体が(今は存在しない)回避プラットフォームの位置を探し出すことを好むレベル(例えば、その位置を探し出すために費やされた時間、またはマウスがその位置を横切る回数により測定される)は、より良好な空間記憶、すなわち、認知機能障害の処置を示す。次いで、異なる処置条件下での回避プラットフォームの位置を探すことの好みが、CNS障害に関連する認知機能障害を処置する際の試験化合物の効力について比較され得る。
【0090】
ヒトにおける認知機能を評価するための種々の試験が、当該分野において公知である。例えば、限定されないが、全般臨床改善度(CIBIC−plusスケール);ミニメンタルステート検査(MMSE);神経精神症状評価(NPI);臨床的認知症評価尺度(CDR);ケンブリッジ神経心理学的自動試験(CANTAB);サンド臨床評価−老年者(SCAG)、ブシュケ選択式回想テスト(BuschkeおよびFuld,1974);言語対関連下位検査;論理記憶下位検査;ウェクスラー記憶検査(WMS−R)の視覚再生下位検査(Wechsler,1997);ベントン視覚記銘検査、またはMATRICSコンセンサス神経心理学的試験バッテリ(これは、作動記憶、処理の速度、注意、言語学習、視覚型学習、理由づけおよび問題解決、ならびに社会認識の試験を含む)である。Folsteinら,J Psychiatric Res 12:189−98,(1975);Robbinsら,Dementia 5:266−81,(1994);Rey,L’examen clinique en psychologie,(1964);Klugerら,J Geriatr Psychiatry Neurol 12:168−79,(1999);Marquisら,2002およびMasurら,1994、またはMATRICSコンセンサス神経心理学的試験バッテリ(これは、作動記憶、処理の速度、注意、言語学習、視覚型学習、理由づけおよび問題解決、ならびに社会認識の試験を含む)を参照のこと。ヒトにおける認知試験の別の例は、明示的三肢強制選択法である。この試験において、被験体は、3つの型の画像対(類似の対、同一の対および無関係の箔)を混ぜたものからなる、共通の物体のカラー写真を提示される。第二の類似の物体の対は、「おとり」と称される。これらの画像対は完全に無作為化され、そして一連の画像として個々に提示される。被験体は、見える画像が新しいか、古いか、または類似であるかの判断を行うように支持される。おとり刺激の提示に対する「類似」応答は、この被験体による首尾よい記憶想起を示す。逆に、おとり刺激を「古い」または「新しい」と呼ぶことは、正しい記憶想起が起こらなかったことを示す。
【0091】
認知性能を評価することに加えて、加齢性の認知機能障害および痴呆の進行、ならびに加齢性の認知機能障害の痴呆への転換が、被験体の脳内の代理変化を評価することによって、監視され得る。代理変化としては、局所的脳体積の変化、貫通路分解、ならびに休止状態fMRI(R−fMRI)およびフルオロデオキシグルコース陽電子断層撮影法(FDG−PET)により脳機能に見られる変化が挙げられるが、これらに限定されない。加齢性の認知機能障害および痴呆の進行を監視する際に有用な局所的脳体積の例としては、海馬体積の減少、および内側嗅皮質の体積または厚さの減少が挙げられる。これらの体積は、例えば、MRIによって被験体において測定され得る。Aisenら,Alzheimer’s & Dementia 6:239−246(2010)。貫通路分解は、年齢、および低下した認知機能に結び付けられることが示されている。例えば、より大きい貫通路分解を有するより高齢の成人は、海馬依存性記憶試験において、より悪く行動する傾向がある。貫通路分解は、超高分解能拡散張筋画像化(DTI)によって、被験体において監視され得る。Yassaら,PNAS 107:12687−12691(2010)。休止状態fMRI(R−fMRI)は、休止中の脳を画像化すること、およびfMRI信号の大振幅の自発的低周波数(<0.1Hz)波動(これらは、機能的に関連する領域にわたって時間的に相関付けられる)を記録することを包含する。シードベースの機能的関連性、独立成分分析、および/またはシグナルの周波数ドメイン分析が、脳領域(特に、関連性が年齢、ならびに認知機能障害および/または痴呆の程度とともに増減する領域)間の機能的関連性を明らかにするために使用される。FDG−PETは、FDGの取り込みを、脳内の局所的代謝活性の尺度として使用する。後帯状皮質、側頭頭頂皮質、および前頭葉前部関連皮質などの領域におけるFDG取り込みの減少は、認知の減少および痴呆の程度に関連することが示されている。Aisenら,Alzheimer’s & Dementia 6:239−246(2010)、Herholzら,NeuroImage 17:302−316(2002)。
【0092】
加齢性の認知機能障害
本発明は、加齢性の認知機能障害またはその危険性を、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグを長期放出形態で、AChEIまたはその水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグ、薬学的に受容可能な塩と組み合わせて使用して、処置するための方法および組成物を提供する。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、長期放出ではない形態で使用される。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、即時放出形態で使用される。特定の実施形態において、処置は、加齢性の認知機能障害を有する患者において、認知機能を改善することを包含する。特定の実施形態において、処置は、加齢性の認知機能障害の予防、またはその進行の遅延を包含する。特定の実施形態において、処置は、加齢性の認知機能障害に関連する1つ以上の症状の軽減、改善、または進行の遅延を包含する。特定の実施形態において、加齢性の認知機能障害の処置は、加齢性の認知機能障害(MCI、ARCDおよびAAMIが挙げられるが、これらに限定されない)の痴呆(例えば、AD)への転換を遅くすることを包含する。これらの方法および組成物は、加齢性の認知機能障害(MCI、ARCDおよびAAMIなどの状態、またはその危険性)の処置において、ヒト患者に対して臨床用途で使用され得る。この組成物の用量およびこの方法についての投薬間隔は、本明細書中に記載される場合、これらの用途において安全かつ有効なものである。
【0093】
いくつかの実施形態において、本発明の方法および組成物により処置されるべき被験体は、加齢性の認知機能障害を示すか、またはこのような機能障害の危険がある。いくつかの実施形態において、加齢性の認知機能障害としては、加齢性記憶機能障害(AAMI)、軽度認知機能障害(MCI)および加齢性認知衰退(ARCD)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
動物モデルは、このような加齢性の認知機能障害の処置を開発および評価するための重要な手段として働く。動物モデルにおける加齢性の認知機能障害を特徴付ける特徴は代表的に、ヒトにおける加齢性の認知機能障害まで及ぶ。従って、このような動物モデルにおける効力は、ヒトにおける効力の予測的なものであると期待される。
【0095】
加齢性の認知機能障害の種々の動物モデルが、当該分野において公知である。例えば、広範な挙動特徴付けが、高齢のLong−Evansラットの異系交配株における認知機能障害の天然に存在する型を同定した(Charles River Laboratories;Gallagherら,Behav.Neurosci.107:618−626,(1993))。モリス水迷路(MWM)を用いる挙動評価において、ラットは、この迷路の周囲の空間手がかりの構成によって案内される、回避プラットフォームの位置を学習して覚える。行動の認知的基礎が、回避プラットフォームの位置を探す際の動物の空間的偏りの測定を使用して、プローブ試行において試験される。この試験集団における高齢ラットは、目に見えるプラットフォームまで泳ぐことに困難はないが、このプラットフォームが偽装されると、加齢性機能障害が検出され、空間情報の使用を必要とする。異系交配Long−Evans株の個々の高齢ラットについての行動は、大いに変動する。例えば、これらのラットのある割合は、若年成人と同等に行動する。しかし、約40%〜50%は、若年の行動の範囲から外れる。高齢ラット間のこの変動性は、信頼性のある個体差を反映する。従って、高齢集団内で、いくらかの動物は認知機能障害を有し、そして加齢による機能不全(AI)と指定され、そして他の動物は認知機能障害を有さず、そして加齢による機能不全がない(AU)と指定される。例えば、Colomboら,Proc.Natl.Acad.Sci.94:14195−14199,(1997);GallagherおよびBurwell,Neurobiol. Aging 10:691−708,(1989);Gallagherら.Behav.Neurosci.107:618−626,(1993);RappおよびGallagher,Proc.Natl.Acad.Sci.93:9926−9930,(1996);Nicolleら,Neuroscience 74:741−756,(1996);Nicolleら,J.Neurosci.19:9604−9610,(1999);国際特許出願公開WO2007/019312および国際特許出願公開WO 2004/048551を参照のこと。加齢性の認知機能障害のこのような動物モデルは、加齢性の認知機能障害を処置する際の、本発明の方法および組成物の有効性をアッセイするために使用され得る。
【0096】
加齢性の認知機能障害を処置する際の本発明の方法および組成物の効力は、種々の認知試験(上で議論されたようなモリス水迷路および放射状アーム迷路が挙げられる)を使用して評価され得る。
【0097】
痴呆
本発明はまた、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物もしくは多形を長期放出形態で、AChEIまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物もしくは多形と組み合わせて使用して、痴呆を処置するための方法および組成物を提供する。特定の実施形態において、処置は、痴呆を有する患者において、認知機能を改善することを包含する。特定の実施形態において、処置は、痴呆の進行を遅延させるかまたは遅くすることを包含する。特定の実施形態において、処置は、痴呆に関連する認知機能の衰退の速度を低下させることを包含する。特定の実施形態において、処置は、痴呆の予防、またはその進行の遅延を包含する。特定の実施形態において、処置は、痴呆に関連する1つ以上の症状の軽減、改善、または進行の遅延を包含する。特定の実施形態において、処置されるべき症状は、認知機能障害である。特定の実施形態において、痴呆は、アルツハイマー病(AD)、血管性痴呆、レヴィー小体を伴う痴呆、または前頭側頭型痴呆である。これらの方法および組成物は、痴呆を処置する際に、臨床用途においてヒト患者に対して使用され得る。この組成物の用量およびこの方法についての投薬間隔は、本明細書中に記載される場合、これらの用途において安全かつ有効なものである。
【0098】
動物モデルは、痴呆の処置を開発および評価するための重要な手段として働く。動物モデルにおける痴呆を特徴付ける特徴は代表的に、ヒトにおける痴呆まで及ぶ。従って、このような動物モデルにおける効力は、ヒトにおける効力の予測的なものであると期待される。痴呆の種々の動物モデルが、当該分野において公知であり、例えば、PDAPP、Tg2576、APP23、TgCRND8、J20、hPS2 Tg、およびAPP + PS1トランスジェニックマウスである。Sankaranarayanan,Curr.Top.Medicinal Chem.6:609−627,2006;Kobayashiら.Genes Brain Behav.4:173−196.2005;AsheおよびZahns,Neuron.66:631−45,2010。痴呆のこのような動物モデルは、痴呆を処置する際の本発明の方法および組成物の有効性をアッセイするために使用され得る。
【0099】
痴呆、または痴呆に関連する認知機能障害を処置する際の本発明の方法および組成物の効力は、痴呆の動物モデルにおいて、および痴呆を罹患するヒト被験体において、上で議論されたような当該分野において公知である種々の認知試験を使用して、評価され得る。
【0100】
心的外傷後ストレス障害
本発明はまた、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物もしくは多形を長期放出形態で、AChEIまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物もしくは多形と組み合わせて使用して、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を処置するための方法および組成物を提供する。特定の実施形態において、処置は、PTSDを有する患者において、認知機能を改善することを包含する。特定の実施形態において、処置は、PTSDの進行を遅延させるかまたは遅くすることを包含する。特定の実施形態において、処置は、PTSDに関連する認知機能の衰退の速度を低下させることを包含する。特定の実施形態において、処置は、PTSDの予防、またはその進行の遅延を包含する。特定の実施形態において、処置は、PTSDに関連する1つ以上の症状の軽減、改善、または進行の遅延を包含する。特定の実施形態において、処置されるべき症状は、認知機能障害である。これらの方法および組成物は、PTSDを処置する際に、臨床用途においてヒト患者に対して使用され得る。この組成物の用量およびこの方法についての投薬間隔は、本明細書中に記載される場合、これらの用途において安全かつ有効なものである。
【0101】
PTSDを罹患する患者(およびPTSDを罹患しない、より低い程度に外傷に曝露された患者)は、より小さい海馬体積を有する(Woonら,Prog.Neuro−Psychopharm.& Biological Psych.34,1181−1188;Wangら,Arch.Gen.Psychiatry 67:296−303,2010)。PTSDはまた、機能障害を有する認知行動に関連付けられる。PTSDを罹患する高齢個体は、コントロール患者と比較して、認知行動のより大きい減少を有し(Yehudaら,Bio.Psych.60:714−721,2006)、そして痴呆を発症するより大きい確率を有する(Yaffeら,Arch.Gen.Psych.678:608−613,2010)。
【0102】
動物モデルは、PTSDの処置を開発および評価するための重要な手段として働く。動物モデルにおけるPTSDを特徴付ける特徴は代表的に、ヒトにおけるPTSDまで及ぶ。従って、このような動物モデルにおける効力は、ヒトにおける効力の予測的なものであると期待される。PTSDの種々の動物モデルが、当該分野において公知である。
【0103】
PTSDの1つのラットモデルは、時間依存性感作(TDS)である。TDSは、選択的にストレスを与える事象への動物の曝露、および引き続く、先行ストレスを状況的に思い出させるものを包含する。以下は、TDSの一例である。ラットを拘束具に入れ、次いで泳ぎタンクに入れ、そして一定時間(例えば、20分間)泳がせる。この後、各ラットを次いで即座に、意識を失うまで気体の麻酔薬に曝露し、そして最終的に乾燥させる。これらの動物を何日間かにわたり(例えば、1週間)静置する。次いで、これらのラットを、最初のストレスを与えるもの(例えば、泳ぎタンクでの泳ぎセッション)からなる「再ストレス」セッションに曝露する(Liberzonら,Psychoneuroendocrinology 22:443−453,1997;Harveryら,Psychopharmacology 175:494−502,2004)。TDSは、ラットにおける音響驚愕応答(ASR)の増強をもたらし、これは、PTSDの顕著な症状である誇張した音響驚愕に匹敵する(KhanおよびLiberzon,Psychopharmacology 172:225−229,2004)。PTSDのこのような動物モデルは、PTSDを処置する際の本発明の方法および組成物の有効性をアッセイするために使用され得る。
【0104】
PTSD、またはPTSDに関連する認知機能障害を処置する際の本発明の方法および組成物の効力はまた、PTSDの動物モデルにおいて、およびPTSDを罹患するヒト被験体において、上で議論されたような当該分野において公知である種々の認知試験を使用して、評価され得る。
【0105】
統合失調症
本発明は、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物もしくは多形を長期放出形態で、AChEIまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物もしくは多形と組み合わせて使用して、統合失調症または双極性障害(特に、躁病)を処置するための方法および組成物を提供する。特定の実施形態において、処置は、統合失調症を有する患者において、認知機能を改善することを包含する。特定の実施形態において、処置は、統合失調症の進行を遅延させるかまたは遅くすることを包含する。特定の実施形態において、処置は、統合失調症に関連する認知機能の衰退の速度を低下させることを包含する。特定の実施形態において、処置は、統合失調症または双極性障害(特に、躁病)の予防またはその進行を遅くすることを包含する。統合失調症は、陽性症状(例えば、異常またはゆがんだ精神表出(例えば、幻覚、妄想))、意欲および順応した目的に向かう動作の減少(例えば、快感消失症、感情の平坦化、意欲消失)により特徴付けられる陰性症状、ならびに認知機能障害を含めた広範なスペクトルの精神病理学によって特徴付けられる。特定の実施形態において、処置は、統合失調症に関連する、1つまたは1つより多くの陽性症状および/または陰性症状、ならびに認知機能障害の軽減、改善、またはその進行を遅くすることを包含する。さらに、統合失調症と重なる症候学を有する、他の多数の精神医学的疾患(例えば、分裂性および分裂感情性の障害、他の急性および慢性の精神病および双極性障害(特に、躁病))が存在する。いくつかの実施形態において、処置は、双極性障害(特に、躁病)に関連する1つまたは1つより多くの症状、ならびに認知機能障害の軽減、改善、またはその進行を遅くすることを包含する。これらの方法および組成物は、臨床用途において、統合失調症または双極性障害(特に、躁病)の処置において、ヒト患者のために使用され得る。この組成物の用量およびこの方法のための投薬間隔は、本明細書中に記載されるように、これらの用途において安全かつ有効であるものである。
【0106】
認知機能障害は、統合失調症に関連付けられる。これらは精神病の発症の前に起こり、そして罹患していない親類に存在する。統合失調症に関連する認知機能障害は、機能的結果の良好な予測物を構築し、そしてこの障害の中心的特徴である。統合失調症における認知特徴は、前頭皮質および海馬回路における機能不全を反映する。統合失調症を罹患する患者はまた、海馬の病理(例えば、海馬体積の減少、ニューロンサイズの減少および機能不全機能亢進)を提示する。これらの脳領域における興奮と抑制との不釣合いはまた、分裂病患者において文書化されており、薬物標的抑制機構が治療的であり得ることを示唆する。例えば、Guidottiら,Psychopharmacology 180:191−205,2005;Zierhut,Psych.Res.Neuroimag.183:187−194,2010; Woodら,NeuroImage 52:62−63,2010;Vinkersら,Expert Opin.Investig.Drugs 19:1217−1233,2009;Youngら,Pharmacol.Ther.122:150−202,2009を参照のこと。
【0107】
動物モデルは、統合失調症の処置を開発および評価するための重要な手段として働く。動物モデルにおける統合失調症を特徴付ける特徴は代表的に、ヒトにおける統合失調症まで及ぶ。従って、このような動物モデルにおける効力は、ヒトにおける効力の予測的なものであると期待される。統合失調症の種々の動物モデルが、当該分野において公知である。
【0108】
統合失調症の1つの動物モデルは、メチオニンでの長期処置である。メチオニンで処置されたマウスは、前頭皮質および海馬において不足したGAD67の発現を示し、死後の統合失調症患者の脳において報告されたものに類似している。これらのラットはまた、驚愕のプレパルス(prepulse)抑制および社会的相互作用の不足を示す(Tremonlizzoら,PNAS,99:17095−17100,2002)。統合失調症の別の動物モデルは、ラットにおける酢酸メチルアゾキシメタノール(methylaoxymethanol acetate)(MAM)処置である。妊娠雌性ラットにMAM(20mg/kg,腹腔内)を在胎17日目に投与する。MAM処置は、統合失調症様表現型(解剖学的変化、挙動欠陥および変化したニューロン情報処理が挙げられる)への病理発症(pathodevelopmental)プロセスを子孫において反復させる。より具体的には、MAMで処置されたラットは、前頭前部皮質および海馬の部分において、パルブアルブミン陽性のGABA作用性介在ニューロンの低下した密度を示す。挙動試験において、MAMで処置されたラットは、低下した潜在的抑制を示す。潜在的抑制とは、以前に曝露されて任意の結果をもたらした結果に関する学習が低下した、行動現象である。以前の良性の刺激を無視し、そしてこのような刺激との関連の形成を減少させるこの傾向は、感覚の過剰負荷を防止すると考えられる。低い潜伏性刺激は、精神病の指標である。潜伏性刺激は、ラットにおいて、以下の様式で試験され得る。ラットを2つの群に分ける。一方の群は、複数の試行にわたってある音に予め曝露される。他方の群は、音の提示を受けない。次いで、両方の群を聴覚恐怖条件手順に供する。この手順において、同じ音が、有害性刺激(例えば、足への電気ショック)と同時に提示される。その後、両方の群を両方の音に提示し、そして音の提示中のラットの運動活性の変化を監視する。恐怖条件後、ラットは、運動活性を強く低下させることによって、音の提示に応答する。しかし、条件期間前にこの音に暴露された群は、強い潜伏性抑制を示す。音の提示に応答する運動活性の抑制が低下する。逆に、MAMで処置されたラットは、損なわれた潜伏性抑制を示す。すなわち、恐怖条件付け手順より前の音への曝露は、恐怖条件付けを抑制することに有意な効果を有さない(Lodgeら,J.Neurosci.,29:2344−2354,2009を参照のこと)。統合失調症のこのような動物モデルは、統合失調症または双極性障害(特に、躁病)を処置する際の本発明の方法および組成物の有効性をアッセイするために使用され得る。
【0109】
MAMで処置したラットは、低用量D−アンフェタミン投与よりも有意に増強された運動応答(または異常な運動活性)を示す。MAMで処置したラットはまた、有意により大きい数の、自発的に発射する腹側被蓋ドパミン(DA)ニューロンを示す。これらの結果は、過剰な海馬活性の結果であると考えられる。なぜなら、MAMで処置したラットにおいて、腹側海馬(vHipp)の不活性化(例えば、ナトリウムチャネル遮断薬であるテトロドトキシン(TTX)の、MAMラットへのvHipp内投与による)は、上昇したDAニューロン集団活性を完全に逆転させ、そしてまた、増強されたアンフェタミン誘導性運動挙動を標準化したからである。海馬機能不全と、DA系の過剰応答性との相関は、MAMで処置した動物におけるアンフェタミンおよび統合失調症患者における精神病に対する、増強された応答の基礎にあると考えられる。Lodge D.J.ら.Neurobiology of Disease(2007),27(42),11424−11430を参照のこと。上記研究における、MAMで処置したラットの使用は、統合失調症または双極性障害(特に、躁病)の処置における、本発明の方法および組成物の有効性をアッセイするために使用するために適切であり得る。例えば、本発明の方法および組成物は、MAMで処置した動物を使用して、MAMで処置した動物における、中心海馬(vHipp)調節、上昇したDAニューロン集団活性、およびアンフェタミンに対する過活動な運動応答に対するそれらの効果について、評価され得る。
【0110】
MAMで処置したラットにおいて、海馬(HPC)機能不全は、ドパミン系機能亢進をもたらす。ベンゾジアゼピン陽性アロステリックモジュレーター(PAM)(GABA
Aレセプターのα5サブユニット、SH−053−2’F−R−CH
3に対して選択的)を、海馬(HPC)の出力に対するその影響について試験する。SH−053−2’F−R−CH
3の、MAMで処置した動物における、アンフェタミンに対する過活動な運動応答に対する効果もまた、試験される。α5GABAAR PAMは、MAMラットの腹側被蓋領域(VTA)における自発的に活性なDAニューロンの数を、生理食塩水で処置したラット(コントロール群)において観察されたレベルまで低下させる(これらの両方を全身投与し、腹側HPCに直接拡散させる場合)。さらに、生理食塩水で処置した動物とMAMで処置した動物との両方におけるHPCニューロンは、α5GABAAR PAM処置後に、低下した皮質誘発応答を示す。さらに、MAMで処置したラットにおいて観察される、アンフェタミンに対する増大した運動応答は、α5GABA
AR PAM処置後に低下する。Gill K.Mら.Neuropsychopharmacology(2011),1−9を参照のこと。上記研究における、MAMで処置したラットの使用は、統合失調症または双極性障害(特に、躁病)を処置する際の本発明の方法および組成物の有効性を評価するために、本発明において使用するのに適切であり得る。例えば、本発明の方法および組成物は、MAMで処置した動物を使用して、MAMで処置した動物における、海馬(HPC)の出力およびアンフェタミンに対する過活動な運動応答に対するそれらの効果について、評価され得る。
【0111】
胚日齢15(E15)の妊娠ラットへのMAMの投与は、その子の、空間記憶または8アーム放射状迷路上の4つの物品の空間位置を学習する能力を、重大に損なわせる。さらに、胚日齢17(E17)のMAMで処置したラットは、訓練の初期段階においては、コントロールラットの能力のレベルに達し得るが、30分間の遅延を介在させると、空間情報を処理して回復することが不可能であり、作動記憶の重大な障害を示す。Gourevitch R.ら.(2004).Behav.Pharmacol,15,287−292を参照のこと。統合失調症のこのような動物モデルは、統合失調症または双極性障害(特に、躁病)を処置する際の、本発明の方法および組成物の有効性をアッセイするために使用され得る。
【0112】
マウスにおけるアポモルフィン誘導よじ登り(apomorphine−induced climbing)(AIC)および常同(AIS)は、本発明において有用な別の動物モデルである。剤を、マウスに所望の投薬レベルで(例えば、腹腔内投与によって)投与する。その後、例えば30分後に、実験マウスにアポモルフィンを(例えば、1mg/kg scで)投与する。このアポモルフィン注射の5分後、アポモルフィンにより誘導された、嗅ぐ−舐める−齧る症候群(常同運動)およびよじ登り挙動を、各動物についてスコア付けして記録する。読み取りを、30分間の試験セッション中に5分ごとに繰り返し得る。各動物についてのスコアをこの30分間の試験セッションにわたって、各症候群(常同運動およびよじ登り)について合計する。この効果が少なくとも50%の阻害に達する場合、ID
50値(95%信頼区間)を、逆予測を用いて非線形最小二乗計算を使用して計算する。平均よじ登りスコアおよび常同スコアを、アポモルフィンを受けた、ビヒクルで処置された(例えば、生理食塩水で処置された)マウスにおいて観察されたコントロール値の百分率として予測し得る。Grauer S.M.ら.Psychopharmacology(2009)204,37−48を参照のこと。このマウスモデルは、統合失調症または双極性障害(特に、躁病)またはそれに関連する認知機能障害を処置する際の、本発明の方法および組成物の有効性をアッセイするために使用され得る。
【0113】
統合失調症、または統合失調症に関連する認知機能障害を処置する際の本発明の方法および組成物の効力はまた、統合失調症または双極性障害(特に、躁病)の動物モデルにおいて、および統合失調症を罹患するヒト被験体において、上で議論されたような当該分野において公知である種々の認知試験を使用して、評価され得る。
【0114】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
本発明はさらに、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物もしくは多形を長期放出形態で、AChEIまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物もしくは多形と組み合わせて使用して、ALSを処置するための方法および組成物を提供する。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、長期放出ではない形態で使用される。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、即時放出形態で使用される。特定の実施形態において、処置は、ALSを有する患者において、認知機能を改善することを包含する。特定の実施形態において、処置は、ALSの進行を遅延させるかまたは遅くすることを包含する。特定の実施形態において、処置は、ALSに関連する認知機能の衰退の速度を低下させることを包含する。特定の実施形態において、処置は、ALSの予防、またはその進行の遅延を包含する。特定の実施形態において、処置は、ALSに関連する1つ以上の症状の軽減、改善、または進行の遅延を包含する。特定の実施形態において、処置されるべき症状は、認知機能障害である。これらの方法および組成物は、ALSを処置する際に、臨床用途においてヒト患者に対して使用され得る。この組成物の用量およびこの方法についての投薬間隔は、本明細書中に記載される場合、これらの用途において安全かつ有効なものである。
【0115】
運動ニューロンの変性に加えて、ALSは、内側嗅皮質および海馬におけるニューロン変性、記憶欠乏、ならびに皮質などの異なる脳領域におけるニューロン過剰興奮性により特徴付けられる。
【0116】
ALS、またはALSに関連する認知機能障害を処置する際の本発明の方法および組成物の効力はまた、ALSの動物モデルにおいて、およびALSを罹患するヒト被験体において、上で議論されたような当該分野において公知である種々の認知試験を使用して、評価され得る。
【0117】
がん治療に関連する認知機能障害
本発明はさらに、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物もしくは多形を長期放出形態で、AChEIまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物もしくは多形と組み合わせて使用して、がん治療に関連する認知機能障害を処置するための方法および組成物を提供する。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、長期放出ではない形態で使用される。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、即時放出形態で使用される。特定の実施形態において、処置は、がん治療に関連する認知機能障害の予防、またはその進行の遅延を包含する。特定の実施形態において、処置は、がん治療に関連する認知機能障害を有する患者において、認知機能を改善することを包含する。特定の実施形態において、処置は、がん治療に関連する認知機能障害の進行を遅延させるかまたは遅くすることを包含する。特定の実施形態において、処置は、がん治療に関連する認知機能障害に関連する認知機能の衰退の速度を低下させることを包含する。特定の実施形態において、処置は、がん治療に関連する認知機能障害の1つ以上の症状の軽減、改善、または進行の遅延を包含する。これらの方法および組成物は、がん治療に関連する認知機能障害を処置する際に、臨床用途においてヒト患者に対して使用され得る。この組成物の用量およびこの方法についての投薬間隔は、本明細書中に記載される場合、これらの用途において安全かつ有効なものである。
【0118】
がん処置において使用される治療(化学療法、放射線、またはこれらの組み合わせが挙げられる)は、患者において、記憶、学習および注意などの機能において、認知機能障害を引き起こし得る。がん治療の細胞傷害性および脳に対する他の有害な副作用は、認知機能障害のこの形態の基礎であり、これは、何十年間も続く(Dietrichら,Oncologist 13:1285−95,2008;Soussainら,Lancet
374:1639−51,2009)。
【0119】
がん治療後の認知機能障害は、正常な認識のために必須である前頭皮質および海馬回路における機能不全を反映する。動物モデルにおいて、化学療法または放射線のいずれかへの曝露は、これらの脳の系(特に海馬)に特異的に依存する認識の試験での行動に、有害に影響を与える(Kimら,J.Radiat.Res.49:517−526,2008;Yangら,Neurobiol.Learning and Mem.93:487−494,2010)。従って、これらの皮質系および海馬系を標的化する薬物は、がん治療を受けている患者において神経保護的であり得、そしてがん治療として使用される介在よりも長く続き得る、認知機能障害の症状を処置する際に有効であり得る。
【0120】
動物モデルは、がん治療に関連する認知機能障害の処置を開発および評価するための重要な手段として働く。動物モデルにおけるがん治療に関連する認知機能障害を特徴付ける特徴は代表的に、ヒトにおけるがん治療に関連する認知機能障害まで及ぶ。従って、このような動物モデルにおける効力は、ヒトにおける効力の予測的なものであると期待される。がん治療に関連する認知機能障害の種々の動物モデルが、当該分野において公知である。
【0121】
がん治療に関連する認知機能障害の動物モデルの例としては、抗腫瘍剤(例えば、シクロホスファミド(CYP))または放射線(例えば、
60Coγ線)で動物を処置することが挙げられる(Kimら,J.Radiat.Res.49:517−526,2008;Yangら,Neurobiol.Learning and Mem.93:487−494,2010)。次いで、がん治療に関連する認知機能障害の動物モデルの認知機能が、認知試験を用いて試験されて、がん治療に関連する認知機能障害を処置する際の本発明の方法および組成物の有効性をアッセイし得る。がん治療に関連する認知機能障害、およびがん治療に関連する認知機能障害を罹患するヒト被験体を処置する際の本発明の方法および組成物の効力は、上で議論されたような当該分野において公知である種々の認知試験を使用する。
【0122】
パーキンソン病(PD)
パーキンソン病(PD)とは、自発的運動の低下によって特徴付けられる、神経学的障害である。罹患する患者は、正常な個体と比較して、運動活性の減少およびより遅い自発的運動を有する。この患者は、特徴的な「仮面状顔貌」の顔、歩行中に急ぐ傾向、曲がった姿勢および全身の筋肉の虚弱を有する。受動的運動の、代表的な「鉛管様」硬直が存在する。この疾患の別の重要な特徴は、安静時に起こり、運動中に減衰する、末端の振顫である。
【0123】
パーキンソン病(その病因は未知である)は、振顫麻痺の名称の最も一般的な運動障害の一群に属し、これは、およそ1000人あたり1人に影響を与える。振顫麻痺の名称に分類されるこれらの他の障害は、ウイルス感染、梅毒、動脈硬化症および外傷、ならびに毒性化学物質および麻酔薬への曝露から生じ得る。それにもかかわらず、シナプス安定性の不適切な損失は、神経回路の混乱および脳疾患をもたらし得ると考えられている。遺伝、薬物使用、加齢プロセス、ウイルス感染、または他の種々の原因のうちのいずれの結果としてであれ、ニューロン連絡の機能障害は、多くの神経学的疾患(例えば、PD)の基礎にある原因であると考えられている(Myrrhe van SpronsenおよびCasper C.Hoogenraad,Curr.Neurol.Neurosci.Rep.2010,10,207−214)。
【0124】
この疾患の原因とは無関係に、主要な病理学的特徴は、脳幹神経節、特に黒質における、ドパミン作用性細胞の変性である。黒質におけるドパミン含有ニューロンの尚早の死に起因して、脳幹神経節の最大の構造体である線状は、黒質からの減少した入力を有し、減少したドパミン放出をもたらす。基礎にある病理の理解は、パーキンソン病を軽減し得る最初の首尾よい処置の導入をもたらした。この疾患の治療に対する事実上すべてのアプローチが、ドパミン置換に基づく。この処置において現在使用されている薬物は、血液脳関門を越えた後にドパミンに転換され得るか、またはこれらは、ドパミンの合成を増強してその分解を減少させ得る。不運なことに、その主要な病理学的事象である黒質における細胞の変性は、救済されない。この疾患は、進行し続け、そして頻繁には特定の長期間の後に、ドパミン置換処置はその有効性を失う。
【0125】
本発明は、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩を長期放出形態で、AChEIまたはその薬学的に受容可能な塩と組み合わせて使用して、PDを処置するための方法および組成物を提供する。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、長期放出ではない形態で使用される。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、即時放出形態で使用される。特定の実施形態において、処置は、PDの予防またはその進行を遅くすることを包含する。特定の実施形態において、処置は、PDに関連する1つまたは1つより多くの症状の軽減、改善、または進行の遅延を包含する。特定の実施形態において、処置されるべき症状は、認知機能障害である。例えば、本開示の方法および組成物は、パーキンソン病の症状である運動/認知機能障害を改善するために使用され得る。さらに、本開示の方法および組成物は、パーキンソン病の症状である記憶欠陥を処置するために有用であり得る。
【0126】
PDについての多数の動物モデルが存在する。PDについての例示的な動物モデルとしては、レセルピンモデル、メタンフェタミンモデル、6−ヒドロキシドパミン(6−OHDA)モデル、1−メチル−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(MPTP)モデル、パラクアット(PQ)−Manebモデル、ロテノンモデル、3−ニトロチロシンモデルおよびトランスジェニックマウスを使用する遺伝モデルが挙げられる。トランスジェニックモデルは、α−シヌクレインを過剰発現するマウス、α−シヌクレインのヒト変異体形態を発現するマウス、またはLRKK2変異を発現するマウスを含む。Ranjita B.らによるこれらのモデルの概説(Ranjita B.ら.BioEssays 2002,24,308−318)を参照のこと。これらの動物モデルに関するさらなる情報は、Jackson Laboratories(http://research.jax.org/grs/parkinsons.htmlもまた参照のこと)、およびこれらの正当性が立証されたモデルの使用を開示する多数の刊行物から入手可能である
PD、またはPDに関連する認知機能障害を処置する際の本発明の方法および組成物の効力は、PDの上記動物モデルのうちのいずれかにおいて、およびPDを有するヒト被験体において、上で議論されたような当該分野において公知である種々の認知試験を使用して、評価され得る。
【0127】
自閉症
「自閉症」とは、本明細書中で使用される場合、限定および繰り返される行動による損なわれた社会的相互作用および意思疎通をもたらす神経発達障害によって特徴付けられる、自閉症スペクトル障害をいう。「自閉症スペクトル障害」とは、一群の発育障害をいい、これらとしては、自閉症;アスペルガー症候群;他に特定されない広汎発達障害(PDD−NOSまたは非定型自閉症);レット症候群;および小児期崩壊性障害が挙げられる。
【0128】
自閉症とは、3つの主要な行動の様相における機能障害、すなわち、反復行動、社会的欠損、および認知機能不全によって特徴付けられる、神経発達障害である。この反復行動の領域は、強迫行動、目的物に対する通常でない愛着、慣例または儀式の厳格な固守、ならびに常同症および自己刺激行動などの反復運動の衒奇を包含する。この社会的欠損の様相は、相互の社会的相互作用の欠損、目を合わせることの欠如、会話を続ける能力の低下、および日常的な相互作用の技量を損なうことを包含する。これらの認知機能不全は、言語の異常を包含し得る。自閉症は、何千人もの米国人に影響を与える、障害を与える神経学的障害であり、そして多数の亜型を包含し、種々の推定上の原因があり、文書化された軽減処置はほとんどない。自閉症スペクトルの障害は、出生時に存在し得るか、またはより遅い発症(例えば、2歳もしくは3歳において)を有し得る。自閉症についての、明白な生物学的マーカーは、存在しない。この障害の診断は、乏しい意思疎通能力、社会的能力および認知能力の風変わりな点、ならびに適応性のない行動パターンによって特徴付けられる行動症候群に、小児が一致する程度を考慮することによってなされる。ニューロン連絡の機能障害は、自閉症の基礎にある原因のうちの1つであると考えられている(Myrrhe van SpronsenおよびCasper C.Hoogenraad,Curr.Neurol.Neurosci.Rep.2010,10,207−214)。
【0129】
本発明は、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩を長期放出形態で、AChEIまたはその薬学的に受容可能な塩と組み合わせて使用して、自閉症を処置するための方法および組成物を提供する。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、長期放出ではない形態で使用される。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、即時放出形態で使用される。特定の実施形態において、処置は、自閉症の予防またはその進行を遅くすることを包含する。特定の実施形態において、処置は、自閉症に関連する1つまたは1つより多くの症状の軽減、改善、または進行の遅延を包含する。特定の実施形態において、処置されるべき症状は、認知機能不全である。例えば、本開示の方法および組成物は、自閉症の症状である運動/認知機能不全を改善するために使用され得る。
【0130】
Rodierらによって確立された、インビトロ電気生理学的技術を使用する自閉症のバルプロ酸(VPA)ラットモデル(Rodier,P.M.ら.Reprod.Toxicol.1997,11,417−422)は、自閉症の最も徹底的に確立された傷害ベースの動物モデルのうちの1つであり、そして1960年代に、胚形成という極限性の時間枠中にVPAで処置された妊婦が、通常の集団よりもかなり高い、自閉症の子供を出産する危険性を有したという観察に基づく。VPAに曝露された妊娠ラットの子供は、自閉症に代表的である数種の解剖学的症状および行動症状(例えば、減少した小脳のプルキンエニューロンの数、損なわれた社会的相互作用、反復行動)、および自閉症の他の症状(増強された恐怖記憶処理が挙げられる)を示す。Rinaldi T.ら.Frontiers in Neural Circuits,2008,2,1−7を参照のこと。自閉症、または自閉症に関連する認知機能不全を処置する際の本発明の方法および組成物の効力は、VPAで処置された自閉症のラットモデルにおいて、および自閉症を有するヒト被験体において、上で議論されたような当該分野において公知である種々の認知試験を使用して、評価され得る。
【0131】
精神遅滞
精神遅滞とは、有意に損なわれた認知機能および順応行動の欠損によって特徴付けられる、広汎性の障害である。精神遅滞はしばしば、70未満の知能指数(IQ)スコアとして定義される。先天性の原因が、精神遅滞の基礎にある多くの原因の間に存在する。ニューロン連絡の機能障害もまた、精神遅滞の基礎にある原因の1つであると考えられている(Myrrhe van SpronsenおよびCasper C.Hoogenraad,Curr.Neurol.Neurosci.Rep.2010,10,207−214)。
【0132】
いくつかの例において、精神遅滞としては、ダウン症候群、口蓋心顔面症候群、胎児アルコール症候群、脆弱X症候群、クラインフェルター症候群、神経線維腫症、先天性甲状腺機能低下症、ウィリアムズ症候群、フェニルケトン尿症(PKU)、スミス−レムリ−オピッツ症候群、プラーダー−ヴィリ症候群、フェラン−マクダーミド症候群、モワットウィルソン症候群、繊毛関連疾患、ロウ症候群およびシデリウムX型関連精神遅滞が挙げられるが、これらに限定されない。ダウン症候群は、出生時欠損(ある程度の精神遅滞、特徴的な顔面特徴、およびしばしば、心臓欠損、増大した感染、視覚および聴覚に関する問題、ならびに他の健康上の問題が挙げられる)の組み合わせを含む障害である。脆弱X症候群は、流行している形態の遺伝性精神遅滞であり、男性4,000に1人、および女性8,000に1人の頻度で発生する。この症候群また、発達遅延、多動、注意欠陥障害、および自閉様行動によって特徴付けられる。脆弱X症候群に対する有効な処置は存在しない。
【0133】
本発明は、軽度精神遅滞、中等度精神遅滞、重度精神遅滞、最重度精神遅滞、および重篤度が特定されない精神遅滞の処置を想定する。このような精神遅滞は、染色体変化(例えば、三染色体性21に起因するダウン症候群)、遺伝、妊娠および周産期の問題、ならびに他の重度精神障害に関連するかもしれず、必ずしもそうではないかもしれない。本発明は、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩を長期放出形態で、AChEIまたはその薬学的に受容可能な塩と組み合わせて使用して、精神遅滞を処置するための方法および組成物を提供する。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、長期放出ではない形態で使用される。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、即時放出形態で使用される。特定の実施形態において、処置は、精神遅滞の予防またはその進行を遅くすることを包含する。特定の実施形態において、処置は、精神遅滞に関連する1つまたは1つより多くの症状の軽減、改善、または進行の遅延を包含する。特定の実施形態において、処置されるべき症状は、認知機能不全/欠陥である。例えば、本開示の方法および組成物は、精神遅滞の症状である運動/認知機能障害を改善するために使用され得る。
【0134】
数種の動物モデルが、精神遅滞について開発されている。例えば、ノックアウトマウスモデルが、脆弱X症候群について開発された。脆弱X症候群とは、FMR1タンパク質FMRPの非存在によっておこる、一般的な形態の精神遅滞である。FMRPの2つのホモログFXR1PおよびFXR2Pが同定されている。FXR2Pは、FMRPと同様に、脳および精巣において高い発現を示す。Fxr2ノックアウトマウスとFmr1ノックアウトマウスとの両方、およびFmr1/Fxr2二重ノックアウトマウスは、脆弱X症候群などの精神遅滞についての有用なモデルであると考えられている。Bontekoe C.J.M.ら.Hum.Mol.Genet.2002,11(5):487−498を参照のこと。精神遅滞、または精神遅滞に関連する認知機能不全/欠陥を処置する際の本発明の方法および組成物の効力は、これらのマウスモデルおよび精神遅滞について開発された他の動物モデルにおいて、ならびに精神遅滞を有するヒト被験体において、上で議論されたような当該分野において公知である種々の認知試験を使用して、評価され得る。
【0135】
強迫行動(強迫神経症)
強迫神経症(「OCD」)とは、強迫行動をもたらす侵害的な反復性の望ましくない思考(強迫観念)、および個体が行う衝動を感じる精神作用(強迫行為)によって最も一般的に特徴付けられる、精神状態である。現在の疫学的データは、OCDが、米国において4番目に一般的な精神障害であることを示す。いくつかの研究は、OCDの有病率が1〜3%であることを示唆するが、臨床的に認識されるOCDの有病率はずっと低く、このことは、この障害を有する多くの個体が、診断されていないかもしれないことを示唆する。OCDを有する患者はしばしば、心理学者、精神科医、または精神分析専門医によって、強迫観念および強迫行為の特徴を含む、精神障害の診断と統計マニュアル,第4版テキスト改訂版(DSM−IV−TR)(2000)診断基準に従って診断される。強迫観念の特徴としては、以下のものが挙げられる:(1)侵害として経験され、そして顕著な不安または窮迫を引き起こす、周期的に起こる持続性の思考、衝動、または概念;(2)これらの思考、衝動、または概念が、現実の問題に関する単なる過度の心配ではない;および(3)そのヒトが、このような思考、衝動、または概念を無視または抑制しようと試みるか、あるいはこれらを何らかの他の思考または行為で中和しようと試みる。このヒトは、これらの強迫観念を伴う思考、衝動、または概念が、自分自身の精神の産物であり、現実に基づくものではないことを認識している。強迫行為の特徴としては、以下のものが挙げられる:(1)強迫観念に応答して、または厳格に適用されなければならない規則に従って、ヒトが行わなければならないと感じる反復行動または精神活動;(2)これらの行動または精神活動は、窮迫を防止するかもしくは減少させること、または何らかの恐ろしい事象もしくは状況を防止することを目的とする;しかし、これらの行動または精神活動は、実際にはその問題に関連していないか、またはこれらは過度である。
【0136】
OCDを有する個体は代表的に、強迫観念に関連する不安からの緩和を求めるために、仕事(または強迫行為)を行う。手洗い、勘定、確認、または清掃などの反復行動はしばしば、強迫思考を防止すること、またはこれらをなくすことを望んで行われる。しかし、これらの「儀式」を行うことは、一時的な緩和を与えるのみである。OCDを有する人々はまた、他の精神障害のスペクトル(例えば、全般性不安障害、神経性食欲不振、パニック発作、または統合失調症)を有すると診断され得る。
【0137】
ニューロン連絡の機能障害は、強迫観念障害の基礎にある原因のうちの1つであると考えられている(Myrrhe van SpronsenおよびCasper C.Hoogenraad,Curr.Neurol.Neurosci.Rep.2010,10,207−214)。OCDは、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質の異常なレベルに関連付けられ得ることを、研究が示唆している。OCDの第一線の処置は、行動療法、認知療法、および投薬法からなる。処置のための投薬法としては、セロトニン再取り込みインヒビター(SRI)(例えば、パロキセチン(Seroxat
TM、Paxil(登録商標)、Xetanor
TM、ParoMerck
TM、Rexetin
TM)、セルトラリン(Zoloft(登録商標)、Stimuloton
TM)、フルオキセチン(Prozac(登録商標)、Bioxetin
TM)、エスシタロプラム(Lexapro(登録商標))、およびフルボキサミン(Luvox(登録商標)))、ならびに三環系抗うつ薬(特に、クロミプラミン(Anafranil(登録商標)))が挙げられる。ベンゾジアゼピンもまた、処置において使用される。しかし、患者のうちの40%〜60%もの多くが、SRI治療に対して充分に応答せず、そして患者のさらにより多くの集団が、自分の症状の完全な寛解を経験しない。
【0138】
本発明は、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩を長期放出形態で、AChEIまたはその薬学的に受容可能な塩と組み合わせて使用して、OCDを処置するための方法および組成物を提供する。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、長期放出ではない形態で使用される。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、即時放出形態で使用される。特定の実施形態において、処置は、OCDの予防またはその進行を遅くすることを包含する。特定の実施形態において、処置は、OCDに関連する1つまたは1つより多くの症状の軽減、改善、または進行の遅延を包含する。特定の実施形態において、処置されるべき症状は、認知機能不全である。例えば、本開示の方法および組成物は、OCDにおける認知機能不全を処置するため、および/またはOCDを有する患者において認知機能を改善するために使用され得る。キンピロール感作ラットモデルが、OCDについて開発されている。キンピロール感作ラットの強制確認動作は、中断を条件とし、これは、OCD強迫行為に寄与する特徴である。OCD、またはOCDに関連する認知機能不全を処置する際の本発明の方法および組成物の効力は、このラットモデルおよびOCDについて開発された他の動物モデルにおいて、ならびにOCDを有するヒト被験体において、上で議論されたような当該分野において公知である種々の認知試験を使用して、評価され得る。
【0139】
物質の乱用
物質の乱用(例えば、薬物嗜癖、アルコール嗜癖)は、精神障害である。この嗜癖は、乱用性物質への曝露の際に即座に誘発されるものではない。むしろ、これには、数時間から数日間から数日間までにわたる様々な時間経過で発症する、複数の複雑な神経の適応が関与する(Kauer J.A.Nat.Rev.Neurosci.2007,8,844−858)。嗜癖への経路は一般に、1種または1種より多くの規制物質(例えば、麻酔薬、バルビツレート、メタンフェタミン、アルコール、ニコチン、および他のこのような種々の規制物質のうちのいずれか)の自発的な使用で開始する。規制物質(単数または複数)を長期間使用すると、経時的に、この規制物質(単数または複数)を自発的に控える能力は、脳機能および従って挙動に対する延長された使用の影響に起因して、損なわれる。従って、物質の乱用は一般に、好ましくない結果に直面してさえも持続する、強制的な物質の切望、探究および使用によって特徴付けられる。これらの切望は、その患者の基礎にある神経生物学の変化を表し得、これはおそらく、回復が得られるべきである場合、意味のある様式で取り組まれなければならない。物質の乱用はまた、多くの場合、脱離症状によって特徴付けられ、これらはいくつかの物質について、生命を脅かし(例えば、アルコール、バルビツレート)、そして他の物質においては、かなりの病的状態(これには、悪心、嘔吐、熱、眩暈感、および発汗過多が含まれ得る)、窮迫、ならびに回復を得る能力の低下をもたらし得る。例えば、アルコール症(アルコール依存としても公知)は、このような物質の乱用の1つである。アルコール症は主として4つの症状によって特徴付けられ、これらには、切望、制御消失、身体依存および耐性が含まれる。これらの症状はまた、他の規制物質に対する嗜癖を特徴付け得る。アルコールおよび他の規制物質に対する切望はしばしば、食物または水に対する必要性と同程度に強い。従って、アルコール症者は、家族、健康状態および/または法律上の重大な結果にもかかわらず、飲酒を続け得る。
【0140】
アルコール、中枢刺激薬、およびアヘン製剤の乱用の、中枢神経系(CNS)に対する影響を探求する最近の研究は、精神健康に対する種々の有害な影響(物質により誘導される認知の欠陥が挙げられる)を実証した。Nyberg F.Cognitive Impairments in Drug Addicts,第9章を参照のこと。いくつかの研究所および診療所において、脳機能のかなりの損傷が、これらの薬物からもたらされることが分かっている。脳に対するこれらの乱用性薬物の危険な影響のうちでも、加速した退化に寄与するものである。近年中に特別な注目を集めた観察は、慢性的な薬物使用者が、管理および記憶の機能に関連する脳の領域において、顕著な欠陥を示す、というものである。依存性薬物(例えば、アルコール、中枢刺激薬およびアヘン製剤)により引き起こされる顕著な神経順応は、海馬の細顆粒状ゾーン(SGZ)における減少した神経発生を包含する。実際に、SGZにおける神経発生の成人での減少は、海馬の機能を、再発および維持された乱用行動に寄与するような様式で変更し得ることが、提唱されている。これはまた、減少した神経発生が、これらの乱用性薬物によって惹起される認知機能不全に寄与し得る可能性を高める。
【0141】
本発明は、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩を長期放出形態で、AChEIまたはその薬学的に受容可能な塩と組み合わせて使用して、物質の乱用を処置するための方法および組成物を提供する。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、長期放出ではない形態で使用される。いくつかの実施形態において、このAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、即時放出形態で使用される。特定の実施形態において、処置は、物質の乱用の予防またはその進行を遅くすることを包含する。特定の実施形態において、処置は、物質の乱用に関連する1つまたは1つより多くの症状の軽減、改善、または進行の遅延を包含する。特定の実施形態において、処置されるべき症状は、認知機能障害である。例えば、本開示の方法および組成物は、認知機能障害を処置するため、および/または嗜癖を有する患者において認知機能を改善するために使用され得る。
【0142】
数種の動物モデルが、物質の乱用を研究するために開発されている。例えば、遺伝的に選択されたMarchigian Sardinianのアルコールを好む(msP)ラットモデルが、アルコール症の神経生物学を研究するために開発された。Ciccocioppo R.ら.Addiction Biology 2006,11,339−355を参照のこと。物質の乱用、または物質の乱用に関連する認知機能障害を処置する際の本発明の方法および組成物の効力はまた、物質の乱用の動物モデルにおいて、および嗜癖を有するヒト被験体において、上で議論されたような当該分野において公知である種々の認知試験を使用して、評価され得る。
【0143】
SV2Aインヒビター
「シナプス小胞タンパク質−2(SV2)」は、SV2A、SV2B、およびSV2Cと命名された3つのメンバーからなるシナプス小胞タンパク質のファミリーである。SV2Aは、最も広範に分布するファミリーメンバーであり、脳内に遍在性に発現される。このタンパク質は膜内在性タンパク質であり、糖、クエン酸塩、および生体異物を輸送する細菌および真菌の輸送タンパク質の12回膜貫通ファミリーに対する相同性レベルは低い(20〜30%)(Bajjaliehら,Science.257:1271−1273.(1992))。SV2ファミリータンパク質は脳および内分泌細胞内に存在し、さらに全てのシナプス小胞および内分泌小胞中に存在する。SV2タンパク質は、正常なシナプス機能で役割を果たすことが報告されており、小胞がCa(
2+)およびシナプトタグミン応答状態に変換される予備刺激小胞の成熟工程で機能する(Sudhofら,2009)。機能的には、SV2タンパク質は、シナプス電流を増強し、容易に放出可能な小胞プールサイズの維持によって伝達物質放出の確率を増加させることが報告されている(Custerら,2006)。
【0144】
「SV2Aインヒビター」は、SV2Aに結合して前シナプス小胞放出の減少によってシナプス機能を低下させる任意の剤、物質、または化合物をいう(例えば、Noyerら.1995;Fuksら.2003;Lynchら.2004;Gillardら.2006;Custerら,2006;Smedtら,2007;Yangら,2007;Meehan,「Levetiracetam has an activity−dependent effect on inhibitory transmission」,Epilepsia,2012年1月31日;およびWO2001/62726号の実施例8(その全てが具体的に本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。物質、化合物、または剤は、それ自体がSV2Aに結合しない場合でさえ、別の化合物または剤がSV2Aに結合するか、前シナプス小胞放出の減少によってシナプス機能を減少する原因となるかその能力に影響を及ぼす限り、SV2Aインヒビターである。本明細書中で使用する場合、SV2Aインヒビターには、そのインヒビターの薬学的に受容可能な塩が含まれる。これらとしてはまた、これらのインヒビターの水和物、多形、プロドラッグ、塩、および溶媒和物が挙げられる。
【0145】
本発明の方法および組成物において有用な、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形のうちでもとりわけ、例えば、米国(U.S.)特許出願12/580,464、国際特許出願PCT/US2009/005647、米国特許出願番号61/105,847、米国特許出願番号61/152,631、および米国特許出願番号61/175,536に開示されるものである。しかし、任意のSV2Aインヒビターあるいはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物もしくは多形、もしくはプロドラッグが、本発明の方法および組成物において使用され得る。いくつかの実施形態において、SV2Aインヒビターは、国際特許出願WO2010/144712;WO2010/002869;WO2008/132139;WO2007/065595;WO2006/128693;WO2006/128692;WO2005/054188;WO2004/087658;WO2002/094787;WO2001/062726;米国特許番号7,465,549;7,244,747;5,334,720;4,696,943;4,696,942;米国特許出願公開番号20090312333;20090018148;20080081832;2006258704;ならびに英国特許番号1,039,113;および1,309,692に記載されるSV2Aインヒビターの群から選択されるか、あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、または多形である。他のSV2Aインヒビターもまた、本発明において使用され得る。出願人は、上記で引用した書類中に見出されるこれらの化合物の調製方法についても言及する。他の合成方法も使用することができる。これらの方法は当業者に周知である。
【0146】
本発明のいくつかの実施形態において、SV2Aインヒビターは、レベチラセタム、ブリバラセタム、およびセレトラセタム、またはその誘導体もしくはアナログ、あるいは薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、水和物、多形、もしくはプロドラッグからなる群より選択される。
【0147】
本発明のいくつかの実施形態において、SV2Aインヒビターは、レベチラセタムまたはその塩、溶媒和物、水和物、多形もしくはプロドラッグである。レベチラセタムとは、化合物(2S)−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)ブタンアミド)の国際純正および応用化学連合(IUPAC)名をいう。レベチラセタムは、広く使用されている鎮痙薬である。レベチラセタムは、CNSにおける特定の部位(シナプス小胞タンパク質2A(SV2A)に結合し(例えば、Noyerら.1995;Fuksら.2003;Lynchら.2004;Gillardら.2006を参照のこと)そしてさらに、シナプス前神経伝達物質放出を阻害することによって、シナプス活性を直接阻害することが示されている(Yangら,2007)。
【0148】
本発明の方法および組成物において有用なSV2Aインヒビターのうちでもとりわけ、以下のものである:
i)国際特許出願WO2001/062726号:
式I:
【0149】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
【0150】
(式中、
Xは、−CA
1NR
5R
6、−CA
1OR
7、−CA
1−R
8、またはCNであり、
A
1およびA
2は、独立して、酸素、硫黄、または−NR
9であり、
R
1は、水素、アルキル、アリール、または−CH
2−R
1aであり、R
1aは、アリール、複素環、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、またはシアノであり、
R
2、R
3、およびR
4は、同一または異なり、各々が独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、ニトロオキシ、シアノ、アジド、カルボキシ、アミド、スルホン酸、スルホンアミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、エステル、エーテル、アリール、複素環、またはオキシ誘導体、チオ誘導体、アミノ誘導体、アシル誘導体、スルホニル誘導体、またはスルフィニル誘導体であり、
R
2a、R
3a、およびR
4aは、同一または異なり、各々が独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリールであり、
R
5、R
6、R
7、およびR
9は、同一または異なり、各々が独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル、アリール、複素環、またはオキシ誘導体であり、
R
8は、水素、ヒドロキシ、チオール、ハロゲン、アルキル、アリール、複素環、またはチオ誘導体であり、
但し、R
2、R
3、R
4、R
2a、R
3a、およびR
4aの少なくとも1つは水素以外であり、但し、化合物が全ての可能な異性体の混合物であり、Xが−CONR
5R
6であり、A
2が酸素であり、R
1が、水素、メチル、エチル、またはプロピルである場合、ピロリジン環上の置換基はモノメチル、ジメチル、またはトリメチルまたはモノエチル以外であり、但し、R
1、R
2、R
4、R
2a、R
3a、およびR
4aがそれぞれ水素であり、A
2が酸素であり、且つXがCONR
5R
6である場合、R
3はカルボキシ、エステル、アミド、置換オキソピロリジン、ヒドロキシ、オキシ誘導体、アミノ、アミノ誘導体、メチル、ナフチル、フェニル(必要に応じてオキシ誘導体またはパラ位でハロゲン原子により置換された)と異なる)を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
【0151】
下記の定義では、別段に記述しない限りは、R
11およびR
12は、同一または異なり、各々が独立して、アミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、エステル、エーテル、アリール、アラルキル、複素環、またはオキシ誘導体、チオ誘導体、アシル誘導体、アミノ誘導体、スルホニル誘導体、またはスルフィニル誘導体(任意の適切な基(低級アルキルまたはアルキルの置換基としての下記の他の基から選択される1つ以上の部分が含まれるが、これらに限定されない)によりそれぞれ必要に応じて置換される)である。
【0152】
用語「オキシ誘導体」を、本明細書中で使用する場合、−O−R
11基(式中、R
11を、「オキシ誘導体」以外で上記の通り定義する)を含むと定義する。非限定的な例は、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アシルオキシ、オキシエステル、オキシアミド、アルキルスルホニルオキシ、アルキルスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、またはヘテロシクロオキシ(ペンチルオキシ、アリルオキシ、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、2−ナフチルオキシ、2−ピリジルオキシ、メチレンジオキシ、カーボネートなど)である。
【0153】
用語「チオ誘導体」を、本明細書中で使用する場合、−S−R
11基(式中、R
11を、「チオ誘導体」以外で上記の通り定義する)を含むと定義する。非限定的な例は、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、およびアリールチオである。
【0154】
用語「アミノ誘導体」を、本明細書中で使用する場合、−NHR
11基または−NR
11R
12基(式中、R
11およびR
12を上記の通り定義する)を含むと定義する。非限定的な例は、モノ−またはジ−アルキル−、アルケニル−、アルキニル−、およびアリールアミノまたは混合アミノである。
【0155】
用語「アシル誘導体」は、本明細書中で使用する場合、カルボン酸から誘導される基を示し、したがって、式R
11−CO−(式中、R
11を上記の通り定義し、水素でもあり得る)の基を含むと定義する。非限定的な例は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、イソブチリル、バレリル、ラウロイル、ヘプタンジオイル、シクロヘキサンカルボニル、クロトノイル、フマロイル、アクリロイル、ベンゾイル、ナフトイル、フロイル、ニコチノイル、4−カルボキシブタノイル、オキサリル、エトキサリル、システイニル、オキサモイルである。
【0156】
用語「スルホニル誘導体」を、本明細書中で使用する場合、式−SO
2−R
11(式中、R
11を、「スルホニル誘導体」以外で上記の通り定義する)の基を含むと定義する。非限定的な例は、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、およびアリールスルホニルである。
【0157】
用語「スルフィニル誘導体」を、本明細書中で使用する場合、式−SO−R
11(式中、R
11を、「スルフィニル誘導体」以外で上記の通り定義する)の基を含むと定義する。非限定的な例は、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、およびアリールスルフィニルである。
【0158】
用語「アルキル」を、本明細書中で使用する場合、直鎖、分枝鎖、環状の部分、またはその組み合わせを有し、且つ、1〜20個の炭素原子、好ましくは、非環状アルキルについては1〜6個の炭素原子およびシクロアルキルについては3〜6個の炭素原子(これら2つの好ましい場合、他で特定しない限り、「低級アルキル」)を含む、飽和した1価の炭化水素基を含むと定義する。アルキル部分を、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、チオシアナト、アシル、アシルオキシ、スルホニル誘導体、スルフィニル誘導体、アルキルアミノ、カルボキシ、エステル、エーテル、アミド、アジド、シクロアルキル、スルホン酸、スルホンアミド、チオ誘導体、オキシエステル、オキシアミド、複素環、ビニル、C1〜5−アルコキシ、C6〜10−アリールオキシ、およびC6〜10−アリールからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基により必要に応じて置換することができる。
【0159】
好ましいアルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、およびシアノからなる群から選択される少なくとも1個の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたはter−ブチル、および2,2,2−トリメチルエチル(トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチル、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルなど)である。
【0160】
用語「アルケニル」を、本明細書中で使用する場合、少なくとも1個の二重結合(エテニル(=ビニル)、1−メチル−1−エテニル、2,2−ジメチル−1−エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(=アリル)、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、1−ヘキセニル、および2−ヘキセニルなど)を有し、且つ、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、アリール、および複素環からなる群から選択される少なくとも1個の置換基により必要に応じて置換される(モノ−およびジ−ハロビニル(ハロがフルオロ、クロロ、またはブロモである)など)、分枝および非分枝両方の不飽和炭化水素基を含むと定義する。
【0161】
用語「アルキニル」を、本明細書中で使用する場合、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合(例えば、エチニルおよび2−プロピニル(=プロパルギル)など)を含み、且つ、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、アリール、および複素環からなる群から選択される少なくとも1個の置換基により必要に応じて置換される(ハロエチニルなど)1価の分枝または非分枝炭化水素基を含むと定義する。
【0162】
架橋基として存在する場合、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、それぞれ、直鎖または分枝鎖のC1〜12、好ましくはC1〜4−アルキレン部分、またはC2〜12−、好ましくはC2〜4−アルケニレンまたは−アルキニレン部分を示す。
【0163】
分枝誘導体が慣習的に「n」、「sec」、および「イソ」などの接頭辞によって分類される基(例えば、「n−プロピル」、「sec−ブチル」)は、他に示さない限り、n形態である。
【0164】
用語「アリール」を、本明細書中で使用する場合、1〜3個の環からなり、且つ6〜30個の炭素原子を含む芳香族炭化水素から、1個の水素の除去により誘導された有機基(ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、アシル、アシルオキシ、スルホニル、スルフィニル、アルキルアミノ、カルボキシ、エステル、エーテル、アミド、アジド、スルホン酸、スルホンアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルチオ、オキシエステル、オキシアミド、アリール、C1〜6−アルコキシ、C6〜10−アリールオキシ、C1〜6−アルキル、C1〜6−ハロアルキルから独立して選択される1〜5個の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたフェニルおよびナフチルなど)を含むと定義する。アリール基は、好ましくは、6〜10個の炭素原子を含む単環である。好ましいアリール基は、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アジド、C1〜6−アルコキシ、C1〜6−アルキルチオ、C1〜6−アルキル、C1〜6−ハロアルキル、およびフェニルから独立して選択される1〜5個の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたフェニルおよびナフチルである。
【0165】
用語「ハロゲン」には、本明細書中で使用する場合、Cl、Br、F、Iの原子が含まれる。
【0166】
用語「ヒドロキシ」は、本明細書中で使用する場合、式−OHの基を表わす。
【0167】
用語「チオール」は、本明細書中で使用する場合、式−SHの基を表わす。
【0168】
用語「シアノ」は、本明細書中で使用する場合、式−CNの基を表わす。
【0169】
用語「ニトロ」は、本明細書中で使用する場合、式−NO
2の基を表わす。
【0170】
用語「ニトロオキシ」は、本明細書中で使用する場合、式−ONO
2の基を表わす。
【0171】
用語「アミノ」は、本明細書中で使用する場合、式−NH
2の基を表わす。
【0172】
用語「アジド」は、本明細書中で使用する場合、式−N
3の基を表わす。
【0173】
用語「カルボキシ」は、本明細書中で使用する場合、式−COOHの基を表わす。
【0174】
用語「スルホン酸」は、本明細書中で使用する場合、式−SO
3Hの基を表わす。
【0175】
用語「スルホンアミド」は、本明細書中で使用する場合、式−SO
2NH
2の基を表わす。
【0176】
用語「エステル」を、本明細書中で使用する場合、式−COO−R
11(式中、R
11を、オキシ誘導体、チオ誘導体、またはアミノ誘導体を除き、上記のように定義する)の基を含むと定義する。
【0177】
用語「エーテル」を、1つ以上の酸素原子が介在した、C1〜50直鎖または分枝アルキル、C2〜50直鎖または分枝アルケニル基またはアルキニル基、またはその組み合わせから選択される基を含むと定義する。
【0178】
用語「アミド」を、式−CONH
2、−CONHR
11、または−CONR
11R
12(式中、R
11およびR
12は上記定義の通りである)の基を含むと定義する。
【0179】
用語「複素環」を、本明細書中で使用する場合、炭素環構造に介在する少なくとも1個のO、S、および/またはN原子を有する、上記定義の芳香族または非芳香族の環状アルキル部分、アルケニル部分、またはアルキニル部分を含むと定義し、必要に応じて、炭素環構造の炭素の1つをカルボニルに置き換えることができる。芳香族複素環の非限定的な例は、アルキルまたはアルキル基について上記に記載の他の基により必要に応じて置換されたピリジル、フリル、ピロリル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラゾリル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリル、イソキノリル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ピラゾリル、インドリル、インドリジニル、プリニル、イソインドリル、カルバゾリル、チアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、チエノ(2,3−b)フラニル、フロピラニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキセピニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアントレニル、ベンゾチアゾリル、またはベンゾオキサゾリル、シンノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェノチアジニル、フラザニル、イソクロマニル、インドリニル、キサンテニル、ヒポキサンチニル、プテリジニル、5−アザシチジニル、5−アザウラシリル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニル、およびピラゾロピリミジニルである。非芳香族複素環の非限定的な例は、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、モルホリノ、モルホリニル、1−オキサスピロ(4.5)デカ−2−イル、ピロリジニル、2−オキソ−ピロリジニル、糖部分(すなわち、グルコース、ペントース、ヘキソース、リボース、フルクトースであり、これらも置換され得る)など(任意の適切な基(低級アルキルまたはアルキル基についての上記の他の基から選択される1つ以上の部分が含まれるが、これらに限定されない)と必要に応じて置換できる)である。用語「複素環」には、上記複素環のいずれかがアリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、または別の単環式複素環から独立して選択される1個または2個の環に縮合しているか、単環式複素環基がアルキレン基により架橋している二環式、三環式、および四環式のスピロ基(キヌクリジニル、7−アザビシクロ(2.2.1)ヘプタニル、7−オキサビシクロ(2.2.1)ヘプタニル、8−アザビシクロ(3.2.1)オクタニルなど)も含まれる。
【0180】
上記定義では、置換基(R
2、R
3、R
4、R
2a、R
3a、R
4a、R
5、R
6、R
7、R
8など)がヘテロ原子またはカルボニルを介して分子の残部に結合する場合、直鎖または分枝鎖のC1〜12−、好ましくはC1〜4−アルキレン架橋またはC2〜12、好ましくはC2〜4−アルケニレン架橋または−アルキニレン架橋を、ヘテロ原子またはカルボニルと分子の残部への結合点との間に必要に応じて挿入することができると理解すべきである。
【0181】
Xの好ましい例は、−COOR
7または−CONR
5R
6(式中、R
5、R
6、およびR
7は、好ましくは、水素、C1〜4−アルキル、フェニル、またはアルキルフェニルである)である。
【0182】
好ましくは、Xは、カルボキシまたは−CONR
5R
6(式中、R
5およびR
6は、好ましくは、水素、C1〜4−アルキル、フェニル、またはアルキルフェニル)であり、特に−CONH
2である。
【0183】
好ましくは、A
1およびA
2はそれぞれ酸素である。
【0184】
好ましくは、R
1は、水素、アルキル、特にC1〜12アルキル、特に低級アルキルまたはアリール、特にフェニルである。
【0185】
好ましいR
1基の例は、メチレン架橋を介してそれぞれ必要に応じて結合したメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−またはter−ブチル、2,2,2−トリメチルエチル、または少なくとも1個のハロゲン原子により置換されたもの(トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチル、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルなど)である。
【0187】
好ましくは、R
2およびR
2aは、独立して、水素、ハロゲン、またはアルキル、特に低級アルキルである。
【0188】
好ましいR
2およびR
2a基の例は、独立して、水素、ハロゲン、またはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソまたはter−ブチル、2,2,2−トリメチルエチル、または少なくとも1個のハロゲン原子により置換されたもの(トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチル、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルなど)である。
【0189】
特に、R
2およびR
2aの少なくとも一方、最も好ましくは両方が水素である。
【0190】
好ましくは、R
3a、R
4、およびR
4aは、独立して、水素、アルキル、特にメチル、エチル、またはアリール、特にフェニルまたはアラルキル、特にベンジルである。
【0191】
好ましいR
3a基、R
4基、およびR
4a基の例は、独立して、水素、ハロゲン、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソまたはter−ブチル、2,2,2−トリメチルエチル、または少なくとも1個のハロゲン原子により置換されたもの(トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチル、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルなど)である。
【0192】
特に、R
4およびR
4aの少なくとも一方、最も好ましくは両方が水素である。
【0193】
R
3aは、特に水素またはアルキル、特に低級アルキルであり、最も好ましくは水素である。
【0194】
好ましくは、R
3は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、またはアルコキシから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換され、且つ直接またはチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基、またはオキシカルボニル基、必要に応じてC1〜4−アルキレン架橋、特にメチレンを介して環に結合したC1〜12−アルキル、特にC1〜6−アルキル;1つ以上のハロゲンによりそれぞれ必要に応じて置換されたC2〜6−アルケニルまたは−アルキニル、特にC2〜3−アルケニルまたは−アルキニル;アジド;シアノ;アミド;カルボキシ;ハロゲン、C1〜6−アルキル、およびフェニルから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換され、且つ直接またはカルボニル基またはC1〜4−アルキレン架橋、特にメチレンを介して環に結合したトリアゾリル、テトラゾリル、ピロリジニル、ピリジル、1−オキシドピリジル、チオモルホリニル、ベンゾジオキソリル、フリル、オキサゾリル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、またはピペラジニル;ナフチル;またはハロゲン、C1〜6−アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6−アルコキシ、C1〜6−アルキルチオ、アミノ、アジド、フェニル、およびニトロから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換され、且つ直接またはオキシ、スルホニル、スルホニルオキシ、カルボニル、カルボニルオキシ基、必要に応じてさらにC1〜4−アルキレン架橋、特にメチレンを介して環にそれぞれ結合したフェニル、フェニルアルキル、もしくはフェニルアルケニルである。
【0195】
また、好ましくは、R
3は、ハロゲン、チオシアナト、アジド、アルコキシ、アルキルチオ、フェニルスルホニルから選択される1つ以上の置換基により必要に応じて置換されたC1〜6−アルキル;ニトロオキシ;1つ以上のハロゲンまたはアセチルによりそれぞれ必要に応じて置換されたC2〜3−アルケニルまたは−アルキニル;テトラゾリル、ピリジル、フリル、ピロリル、チアゾリル、またはチエニル;またはハロゲン、C1〜6−アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6−アルコキシ、アミノ、アジド、フェニル、およびニトロから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換され、且つ直接またはスルホニルオキシ、必要に応じてさらにC1〜4−アルキレン架橋、特にメチレンを介して環にそれぞれ結合したフェニルまたはフェニルアルキルである。
【0196】
他の好ましいR
3基の例は、水素、ハロゲン、またはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソまたはter−ブチル、2,2,2−トリメチルエチル、または少なくとも1個のハロゲン原子により置換されたもの(トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチル、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルなど)である。
【0197】
R
3は、特に、ハロゲン、チオシアナト、またはアジドから選択される1つ以上の置換基により必要に応じて置換されたC1〜4−アルキル;1つ以上のハロゲンによりそれぞれ必要に応じて置換されたC2〜5−アルケニルまたは−アルキニル;チエニル;またはハロゲン、C1〜6−アルキル、C1〜6ハロアルキル、またはアジドから選択される1つ以上の置換基により必要に応じて置換されたフェニルである。
【0198】
好ましいR
3基のさらなる例は、C1〜6アルキルおよびC2〜6ハロアルケニルである。
【0199】
好ましくは、R
5およびR
6は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソまたはter−ブチル、2,2,2−トリメチルエチル、特に水素またはメチルである。
【0200】
R
5およびR
6の特に少なくとも一方、最も好ましくは両方が水素である。
【0201】
好ましくは、R
7は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソまたはtert−ブチル、2,2,2−トリメチルエチル、メトキシ、エトキシ、フェニル、ベンジル、または少なくとも1個のハロゲン原子により置換されたもの(トリフルオロメチル、クロロフェニルなど)である。
【0202】
好ましくは、R
7は、水素、メチル、またはエチル、特に水素である。
【0203】
好ましくは、R
8は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソまたはter−ブチル、2,2,2−トリメチルエチル、フェニル、ベンジル、または少なくとも1個のハロゲン原子により置換されたもの(トリフルオロメチル、クロロベンジルなど)である。
【0204】
好ましくは、R
8は、水素またはメチルである。
【0205】
1つ以上のこれらの好ましい化合物群の組み合わせが特に好ましい。
【0206】
式Iの化合物(化合物1A)の特定の群は、以下の化合物を含む:
A
2は酸素であり、
Xは−CONR
5R
6、−COOR
7、−CO−R
8、またはCNであり、
R
1は、水素、またはアルキル、アリール、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノであり、
R
2、R
3、R
4は、同一または異なり、各々が独立して、水素またはハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、アシル、アシルオキシ、スルホニル誘導体、スルフィニル誘導体、アミノ誘導体、カルボキシ、エステル、エーテル、アミド、スルホン酸、スルホンアミド、アルコキシカルボニル、チオ誘導体、アルキル、アルコキシ、オキシエステル、オキシアミド、アリール、オキシ誘導体、複素環、ビニルであり、R
3は、さらに、1つ以上のハロゲン、シアノ、チオシアノ、アジド、シクロプロピル、アシル、および/またはフェニルによりそれぞれ必要に応じて置換されたC2〜5アルケニル、C2〜5アルキニル、またはアジド;または任意のフェニル部分を1つ以上のハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、および/またはフェニルにより置換することができるフェニルスルホニルオキシ;最も好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはイソブチルを示してもよい。
【0207】
R
2a、R
3a、およびR
4aは水素であり、
R
5、R
6、R
7は、同一または異なり、各々が独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル、アリール、複素環、またはオキシ誘導体であり、
R
8は、水素、ヒドロキシ、チオール、ハロゲン、アルキル、アリール、複素環、アルキルチオ、またはチオ誘導体である。
【0208】
これらの化合物1Aのうち、R
1は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはイソブチル;最も好ましくはメチル、エチル、またはn−プロピルである。
【0209】
R
2およびR
4は、好ましくは独立して、水素またはハロゲンまたはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルであり、最も好ましくは、それぞれ水素である。
【0210】
R
3は、好ましくは、1つ以上のハロゲン、シアノ、チオシアノ、アジド、アルキルチオ、シクロプロピル、アシル、および/またはフェニルによりそれぞれ必要に応じて置換されたC1〜5アルキル、C2〜5アルケニル、C2〜C5アルキニル、シクロプロピル、アジド;フェニル;フェニルスルホニル;任意のフェニル部分を1つ以上のハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、および/またはフェニルにより置換することができるフェニルスルホニルオキシ、テトラゾール、チアゾール、チエニル、フリル、ピロール、ピリジン;最も好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはイソブチルである。
【0211】
Xは、好ましくは、−COOH、−COOMe、−COOEt、または−CONH
2;最も好ましくは−CONH
2である。
【0212】
式Iの化合物(化合物1B)のさらに特定の群は、以下の化合物を含む:
Xは−CA
1NH
2、−CA
1NHCH
3、または−CA
1N(CH
3)
2であり、
R
1はアルキルまたはフェニルであり、
R
3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シアノ、イソチオシアナト、エーテル、カルボキシル、アミド、アリール、複素環であるか、
R
3は、CH
2R
10(式中、R
10は、水素、シクロアルキル、オキシエステル、オキシアルキルスルホニル、オキシアリールスルホニル、アミノアルキルスルホニル、アミノアリールスルホニル、ニトロオキシ、シアノ、イソチオシアナト、アジド、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、複素環、アリールオキシ、アルコキシ、またはトリフルオロエチルである)であり、
R
3aは、水素、アルキル、またはアリール(特に、但し、R
3aが水素である場合、R
3メチル以外である)であるか、
R
3R
3aがシクロアルキルを形成し、
R
2、R
2a、R
4、およびR
4aはそれぞれ水素である。
【0213】
式Iの化合物のうち、
R
1は、好ましくはアルキル、特にC1〜12−アルキル、より特にC1〜6−アルキルであり、最も好ましくはエチルであり、
R
2、R
2a、R
3a、およびR
4aは、好ましくは水素であり、
R
3は、好ましくは、水素;ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、またはアルコキシから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換され、且つ直接またはチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基、またはオキシカルボニル基、必要に応じてさらにC1〜4−アルキレン架橋、特にメチレンを介して環に結合したC1〜12−アルキル、特にC1〜6−アルキル;1つ以上のハロゲンによりそれぞれ必要に応じて置換されたC2〜6−アルケニルまたは−アルキニル、特にC2〜3−アルケニルまたは−アルキニル;アジド;シアノ;アミド;カルボキシ;ハロゲン、C1〜6−アルキル、およびフェニルから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換され、且つ、直接またはカルボニル基またはC1〜4−アルキレン架橋、特にメチレンを介して環に結合したトリアゾリル、テトラゾリル、ピロリジニル、ピリジル、1−オキシドピリジル、チオモルホリニル、ベンゾジオキソリル、フリル、オキサゾリル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、またはピペラジニル;ナフチル;またはハロゲン、C1〜6−アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6−アルコキシ、C1〜6−アルキルチオ、アミノ、アジド、フェニル、およびニトロから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換され、且つ、直接またはオキシ、スルホニル、スルホニルオキシ、カルボニル、またはカルボニルオキシ基、必要に応じてさらにC1〜4−アルキレン架橋、特にメチレンを介して環にそれぞれ結合したフェニル、フェニルアルキル、またはフェニルアルケニルから選択され、
R
3aは、好ましくは、水素またはC1〜4−アルキルであり、
R
4およびR
4aは、好ましくは独立して、水素、C1〜4−アルキル、フェニル、またはベンジルである。
【0214】
式Iの化合物(化合物1C)のさらなる群は、Xが−CONR
5R
6であり、且つR
1が水素、メチル、エチル、またはプロピルである場合、ピロリジン環上の置換基はモノ−、ジ−、またはトリ−メチルまたはモノ−エチル以外である、ラセミ型の化合物を含む。
【0215】
式Iの化合物(化合物1D)のさらなる群は、Xが−CONR
5R
6であり、R
1が水素またはC1〜6−アルキル、C2〜6−アルケニルまたは−アルキニル、またはシクロアルキル(それぞれ非置換)である場合、環中の置換基は、アルキル、アルケニル、またはアルキニル(それぞれ非置換)以外である、ラセミ型の化合物を含む。
【0216】
式Iの化合物(化合物IE)のさらなる特定の群は、そのラセミ体としてかエナンチオマーが豊富な形態、好ましくは純粋なエナンチオマーで、以下の化合物を含む:
Xは−CA
1NH
2であり、
R
1はHであり、
R
3は、アジドメチル、ヨードメチル、1〜5個のハロゲン原子により必要に応じて置換されたエチル、1〜5個のハロゲン原子により必要に応じて置換されたn−プロピル、1個または2個のメチルおよび/または1〜3個のハロゲン原子により必要に応じて置換されたビニル、C1〜4−アルキル、フェニル、またはハロゲンにより必要に応じて置換されたアセチレンであり、
R
3aは、水素またはハロゲン、好ましくはフッ素であり、
R
2、R
2a、R
4、およびR
4aはそれぞれ水素である。
【0217】
式Iの化合物(化合物1F)のさらなる特定の群は、そのラセミ体としてかエナンチオマーが豊富な形態、好ましくは純粋なエナンチオマーで、以下の化合物を含む:
Xは−CA
1NH
2であり、
R
1はHであり、
R
3は、アジド、オキシニトロ、1〜6個のハロゲン原子により必要に応じて置換されたC1〜6−アルキル、C2〜6−アルケニル、またはC2〜6−アルキニルであり、
R
3aは、水素またはハロゲン、好ましくはフッ素であり、
R
2、R
2a、R
4、およびR
4aは、それぞれ水素である。
【0218】
上記の全ての範囲では、R
1が結合する炭素原子が非対称である場合、好ましくは「S」配置である。
【0219】
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物で有用な化合物は、以下からなる群から選択される:
(2S)−2−[4−(ブロモメチル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[(4R)−4−(ヨードメチル)−2−オキソピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−(2−オキソ−4−フェニル−1−ピルプリジニル)ブタンアミド;
(2S)−2−[4−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[4−(クロロメチル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
ベンゼンスルホン酸{1−[(1S)−1−(アミノカルボニル)プロピル]−5−オキソ−3−ピロリジニル}メチル4−メチル;
(2S)−2−[(4R)−4−(アジドメチル)−2−オキソピロリジニル]ブタンアミド;
2−[4−(2,2−ジブロモビニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
硝酸{1−[(1S)−1−(アミノカルボニル)プロピル]−5−オキソ−3−ピロリジニル}メチル;
(2S)−2−[2−オキソ−4−(1H−テトラゾール(tetraazol)−1−イルメチル)−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−(2−オキソ−4−ビニル−1−ピロリジニル)ブタンアミド;
2−{2−オキソ−4−[(フェニルスルホニル)メチル]−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[(4R)−4−(2,2−ジブロモビニル)−2−オキソピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[(4S)−4−(2,2−ジブロモビニル)−2−オキソピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[4−(イソチオシアナトメチル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−[2−オキソ−4−(1,3−チアゾール−2−イル)−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[2−オキソ−4−(2−チエニル)−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[4−(2−メトキシフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[4−(3−メトキシフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[4−(4−アジドフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[2−オキソ−4−(3−チエニル)−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[4−(3−アジドフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[2−オキソ−4−(3−チエニル)−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[(4S)−2−オキソ−4−ビニルピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[(4R)−2−オキソ−4−ビニルピロリジニル]ブタンアミド;
2−[4−(2−ブロモフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−[2−オキソ−4−(3−ピリジニル)−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−(4−[1,1’−ビフェニル]−4−イル−2−オキソ−1−ピロリジニル)ブタンアミド;
(2S)−2−{4−[(メチルスルファニル)メチル]−2−オキソ−1−ピロリジニル}ブタンアミド;
2−[4−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[(4R)−4−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ペンタンアミド;
(2S)−2−[(4R)−4−(ヨードメチル)−2−オキソピロリジニル]プロパンアミド;
2−(2−オキソ−4−プロピル−1−ピロリジニル)プロパンアミド;
2−(2−オキソ−4−プロピル−1−ピロリジニル)ブタンアミド;
2−(2−オキソ−4−ペンチル−1−ピロリジニル)ブタンアミド;
(2S)−2−[(4R)−4−(ヨードメチル)−2−オキソピロリジニル]−N−メチルブタンアミド;
(2S)−2−(4−ネオペンチル−2−オキソ−1−ピロリジニル)ブタンアミド;
(2S)−2−(4−エチル−2−オキソ−1−ピロリジニル)ブタンアミド;
2−[4−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−[4−(2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[(4S)−2−オキソ−4−プロピルピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[(4R)−2−オキソ−4−プロピルピロリジニル]ブタンアミド;
2−{4−[(Z)−2−フルオロエテニル]−2−オキソ−1−ピロリジニル}ブタンアミド;
2−[4−(2−メチル−1−プロペニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−(4−ブチル−2−オキソ−1−ピロリジニル)ブタンアミド;
2−[4−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;2−(4−イソブチル−2−オキソ−1−ピロリジニル)ブタンアミド;
2−[4−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−[4−(3−クロロフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−{2−オキソ−4−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−ピロリジニル}ブタンアミド;
2−[4−(2−フルオロフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;2−[4−(3−メチルフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[2−オキソ−4−(2−フェニルエチル)−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[4−(3−ブロモフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−{4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソ−1−ピロリジニル}ブタンアミド;
2−[4−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−[4−(2,4−ジクロロフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−[4−(2−フリル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[2−オキソ−4−(3−フェニルプロピル)−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[4−(3,5−ジブロモフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−[4−(3,4−ジクロロフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−(2−オキソ−4−プロピル−1−ピロリジニル)ブタンアミド;
2−[4−(3−クロロフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−(4−エチニル−2−オキソ−1−ピロリジニル)ブタンアミド;
2−[4−(2−フルオロフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;(2S)−2−[4−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1−ピロリジニル}ブタンアミド;
(2S)−2−[(4S)−4−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[2−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−[4−(3−メチルフェニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[4−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[(4R)−4−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[2−オキソ−4−(1H−ピロール−1−イル)−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−(4−アリル−2−オキソ−1−ピロリジニル)ブタンアミド;
(2S)−2−[4−(2−ヨードプロピル)−2−オキソ−1−ピロリジニル}ブタンアミド;
(2S)−2−(4−アリル−2−オキソ−1−ピロリジニル)ブタンアミド;
(2S)−2−[2−オキソ−4−(2−オキソプロピル)−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[4−(2−ブロモ−1H−ピロール−1−イル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−(4−メチル−2−オキソ−4−プロピル−1−ピロリジニル)ブタンアミド;
(2R)−2−[4−(2,2−ジクロロビニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−[4−(ブロモエチニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−[(4S)−4−(2,2−ジフルオロプロピル)−2−オキソピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[4−(ブロモエチニル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド;
2−(2−オキソ−4−プロピル−1−ピロリジニル)ペンタンアミド;
3−シクロプロピル−2−(2−オキソ−4−プロピル−1−ピロリジニル)プロパンアミド;
2−(2−オキソ−4−プロピル−1−ピロリジニル)−3−(1,3−チアゾール−4−イル)プロパンアミド;
2−(2−オキソ−4−プロピル−1−ピロリジニル)−4−ペンテンアミド;
(2S)−2−[(4R)−2−オキソ−4−ビニルピロリジニル]ブタンアミド;
(全ての異性体およびその混合物またはその薬学的に受容可能な塩が含まれる)。
【0220】
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物で有用な化合物は、以下からなる群から選択される:
(2S)−2−[(4S)−4−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[(4S)−2−オキソ−4−プロピルピロリジニル]ブタンアミド;
(2S)−2−[(4R)−2−オキソ−4−プロピルピロリジニル]ブタンアミド。
【0221】
ii)国際特許出願WO2002/094787号:
式I:
【0222】
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
【0223】
(式中、
nは0または1を示し、それにより、R
1はn=0の場合に存在せず、R
1はn=1の場合に存在し、
A
1は酸素原子または硫黄原子を示し、
Xは、−CONR
7R
8,−COOR
9,−CO−R
10、またはCNであり、
R
1(存在する場合)、R
2、R
3、R
4、およびR
5は、同一または異なり、各々が独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、ニトロオキシ、シアノ、アジド、カルボキシ、アミド、スルホン酸、スルホンアミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、エステル、エーテル、アリール、複素環、またはオキシ誘導体、チオ誘導体、アミノ誘導体、アシル誘導体、スルホニル誘導体、またはスルフィニル誘導体であり、
但し、R
1(存在する場合)、R
2、R
3、R
4、またはR
5から選択される置換基Rの少なくとも1個は水素ではなく、
R
6は、水素、アルキル、アリール、または−CH
2−R
6aであり、R
6aは、アリール、複素環、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、またはシアノであり、
R
7、R
8、およびR
9は、同一または異なり、各々が独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル、アリール、複素環、またはオキシ誘導体であり、
R
10は、水素、ヒドロキシ、チオール、ハロゲン、アルキル、アリール、複素環、またはチオ誘導体である)の化合物、
その薬学的に受容可能な塩、幾何異性体(シスおよびトランス異性体、ZおよびE異性体が含まれる)、エナンチオマー、ジアステレオマー、およびその混合物(立体異性体の全ての可能な混合物が含まれる)。
【0224】
上記式では、置換基R
1〜R
5の少なくとも1個が水素と異なる。いくつかの非置換化合物は、米国特許第5,468,733号および同第5,516,759号で言及されている。米国特許第5,468,733号は、癌遺伝子Rasタンパク質のインヒビターとしての非環式置換2−オキソ−1−ピロリジニルおよび2−オキソ−1−ピペリジニル誘導体について言及している。特に、これらの化合物は、Rasが正常な細胞を癌細胞に形質転換する能力を遮断し、その結果、癌処置用のいくつかの化学療法組成物中に含めることができる。
【0225】
米国特許第5,516,759号は、LHRH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)拮抗活性を保有するドデカペプチドのN末端に存在する非環式置換2−オキソ−1−ピロリジニル、2−オキソ−1−ピペリジニル、およびアゼパニル誘導体について言及している。かかるLHRHアンタゴニストは、性ステロイドの抑制が重要な役割(避妊、思春期遅発、良性前立腺肥大などの処置が含まれる)を果たす種々の容態の処置で有用である。
【0226】
下記の定義では、別段に記述しない限りは、R
11およびR
12は、同一または異なり、各々が独立して、アミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、エステル、エーテル、アリール、アラルキル、複素環、またはオキシ誘導体、チオ誘導体、アシル誘導体、アミノ誘導体、スルホニル誘導体、またはスルフィニル誘導体(任意の適切な基(低級アルキルまたはアルキルの置換基としての下記の他の基から選択される1つ以上の部分が含まれるが、これらに限定されない)によりそれぞれ必要に応じて置換される)である。
【0227】
用語「オキシ誘導体」を、本明細書中で使用する場合、−O−R
11基(式中、R
11を、「オキシ誘導体」以外で上記の通り定義する)が含まれると定義する。非限定的な例は、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アシルオキシ、オキシエステル、オキシアミド、アルキルスルホニルオキシ、アルキルスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、またはヘテロシクロオキシ(ペンチルオキシ、アリルオキシ、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、2−ナフチルオキシ、2−ピリジルオキシ、メチレンジオキシ、カーボネートなど)である。
【0228】
用語「チオ誘導体」を、本明細書中で使用する場合、−S−R
11基(式中、R
11を、「チオ誘導体」以外で上記の通り定義する)を含むと定義する。非限定的な例は、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、およびアリールチオである。
【0229】
用語「アミノ誘導体」を、本明細書中で使用する場合、−NHR
11基または−NR
11R
12基(式中、R
11およびR
12を上記の通り定義する)を含むと定義する。非限定的な例は、モノ−またはジ−アルキル−、アルケニル−、アルキニル−、およびアリールアミノまたは混合アミノである。
【0230】
用語「アシル誘導体」は、本明細書中で使用する場合、カルボン酸から誘導される基を示し、したがって、式R
11−CO−(式中、R
11を上記の通り定義し、水素でもあり得る)の基を含むと定義する。式−COR
11(式中、R
11は、水素、C1〜12アルキル、C2〜12アルケニル、C2〜12アルケニル、複素環(heterocyle)、およびアリールから選択される)のアシル誘導体が好ましい。非限定的な例は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、イソブチリル、バレリル、ラウロイル、ヘプタンジオイル、シクロヘキサンカルボニル、クロトノイル、フマロイル、アクリロイル、ベンゾイル、ナフトイル、フロイル、ニコチノイル、4−カルボキシブタノイル、オキサリル、エトキサリル、システイニル、オキサモイルである。
【0231】
用語「スルホニル誘導体」を、本明細書中で使用する場合、式−SO
2−R
11(式中、R
11を、「スルホニル誘導体」以外で上記の通り定義する)の基を含むと定義する。非限定的な例は、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、およびアリールスルホニルである。
【0232】
用語「スルフィニル誘導体」を、本明細書中で使用する場合、式−SO−R
11(式中、R
11を、「スルフィニル誘導体」以外で上記の通り定義する)の基を含むと定義する。非限定的な例は、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、およびアリールスルフィニルである。
【0233】
用語「アルキル」を、本明細書中で使用する場合、直鎖、分枝鎖、環状の部分、またはその組み合わせを有し、且つ、一般に、1〜20個の炭素原子、ほとんどの場合1〜12個の炭素原子、好ましくは非環状アルキルについては1〜7個の炭素原子およびシクロアルキルについては3〜7個の炭素原子(これら2つの好ましい場合、他で特定しない限り,「低級アルキル」)を含み、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、チオシアナト、アシル、アシルオキシ、スルホニル誘導体、スルフィニル誘導体、アルキルアミノ、カルボキシ、エステル、エーテル、アミド、アジド、シクロアルキル、スルホン酸、スルホンアミド、チオ誘導体、アルキルチオ、オキシエステル、オキシアミド、複素環、ビニル、アルコキシ(好ましくはC1〜5)、アリールオキシ(好ましくはC6〜10)、およびアリール(好ましくはC6〜10)からなる群から独立して選択される好ましくは1〜5個の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換された1価の飽和炭化水素基を含むと定義する。
【0234】
ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アルコキシ、アジド、アルキルチオ、シクロプロピル、アシル、およびフェニルから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換された1〜7個の炭素原子を含むアルキル基が好ましい。1つ以上のヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、または/およびアジドによりそれぞれ必要に応じて置換されたC1〜4アルキルおよびC3〜7シクロアルキルが最も好ましい。
【0235】
最も好ましいアルキル基は、ヒドロキシメチル、プロピル、ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、シクロプロピルメチル、ヨードメチル、アジドメチル、2,2−ジフルオロプロピル、2−ヨード−2,2−ジフルオロエチルである。
【0236】
用語「低級アルキル」は、本明細書中で使用する場合、他で示さない限り、C
1〜C
7の飽和した、直鎖、分枝鎖、または環状の炭化水素をいう。非限定的な例は、任意の適切な基(アルキル基について上記の基から選択される1つ以上の部分が含まれるが、これらに限定されない)により必要に応じて置換されたメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tertイソブチル(tertiobutyl)、ペンチル、シクロプロピル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、3−メチルペンチル(methypentyl)、2,2−ジメチルブチルである。好ましくは、低級アルキルはメチルである。
【0237】
用語「アルケニル」を、本明細書中で使用する場合、少なくとも1個の二重結合を有し、且つ、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、シクロアルキル、アシル、ニトロ、シアノ、アリール、および複素環からなる群から選択される少なくとも1個の置換基により必要に応じて置換された分枝および非分枝両方の不飽和炭化水素基を含むと定義する。
【0238】
好ましいアルケニル基は、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、シクロアルキル、フェニル、およびアシルから選択される1つ以上の置換基により必要に応じて置換されたC2〜C12アルケニル、特にC2〜6アルケニル(エテニル(=ビニル)、1−メチル−1−エテニル、2,2−ジメチル−1−エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(=アリル)、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、1−ヘキセニル、および2−ヘキセニルなど)である。1つ以上のハロゲンまたは/および低級アルキルにより必要に応じて置換されたビニル、特に2,2−ジフルオロビニル、2,2−ジブロモビニル、および2,2−ジクロロビニルが最も好ましい。
【0239】
用語「アルキニル」を、本明細書中で使用する場合、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合(例えば、エチニルおよび2−プロピニル(=プロパルギル)など)を含み、且つハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、アリール、複素環、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、アルキル、およびアシルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基により必要に応じて置換された1価の分枝または非分枝炭化水素基を含むと定義する。
【0240】
好ましいアルキニル基は、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、アシル、アリール(フェニルなど)、およびアルキル(好ましくは、シクロアルキル)から選択される1つ以上の置換基により必要に応じて置換されたC2〜12アルキニル、特にC2〜6アルキニルである。
【0241】
低級アルキルまたは/およびハロゲンにより必要に応じて置換されたエチニル、プロピニル、およびブチニル、特に、1−プロピニル、シクロプロピルエチニル、3−メチル−1−ブチニル、および3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニルが最も好ましい。
【0242】
架橋基として存在する場合、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、それぞれ、直鎖または分枝鎖のC1〜12、好ましくはC1〜4−アルキレン部分、またはC2〜12−、好ましくはC2〜4−アルケニレンまたは−アルキニレン部分を示す。
【0243】
分枝誘導体が慣習的に「n」、「sec」、および「イソ」などの接頭辞によって分類される基(例えば、「n−プロピル」、「sec−ブチル」)は、他に示さない限り、n形態である。
【0244】
用語「アリール」を、本明細書中で使用する場合、少なくとも1個の環、ほとんどの場合1〜3個の環からなり、且つ一般に6〜30個の炭素原子を含み、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、アシル、アシルオキシ、スルホニル、スルフィニル、アルキルアミノ、カルボキシ、エステル、エーテル、アミド、アジド、スルホン酸、スルホンアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、C1〜6−アルキルチオ、オキシエステル、オキシアミド、アリール、C1〜6−アルコキシ、C6〜10−アリールオキシ、C1〜6−アルキル、C1〜6−ハロアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換された芳香族炭化水素から、1個の水素の除去により誘導された有機基(フェニルおよびナフチルなど)を含むと定義する。アリール基は、好ましくは、6〜10個の炭素原子を含む単環または二環である。好ましいアリール基は、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アジド、C1〜6−アルコキシ、C1〜6−アルキル、C1〜6−ハロアルキル、スルホニル、およびフェニルから独立して選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたフェニルおよびナフチルである。
【0245】
好ましいアリールは、1つ以上のハロゲン、低級アルキル、アジド、またはニトロにより必要に応じて置換されたフェニル(3−クロロフェニルおよび3−アジドフェニルなど)である。
【0246】
用語「ハロゲン」には、本明細書中で使用する場合、Cl、Br、F、Iの原子が含まれる。
【0247】
用語「ヒドロキシ」は、本明細書中で使用する場合、式−OHの基を表わす。
【0248】
用語「チオール」は、本明細書中で使用する場合、式−SHの基を表わす。
【0249】
用語「シアノ」は、本明細書中で使用する場合、式−CNの基を表わす。
【0250】
用語「ニトロ」は、本明細書中で使用する場合、式−NO
2の基を表わす。
【0251】
用語「ニトロオキシ」は、本明細書中で使用する場合、式−ONO
2の基を表わす。
【0252】
用語「アミノ」は、本明細書中で使用する場合、式−NH
2の基を表わす。
【0253】
用語「アジド」は、本明細書中で使用する場合、式−N
3の基を表わす。
【0254】
用語「カルボキシ」は、本明細書中で使用する場合、式−COOHの基を表わす。
【0255】
用語「スルホン酸」は、本明細書中で使用する場合、式−SO
3Hの基を表わす。
【0256】
用語「スルホンアミド」は、本明細書中で使用する場合、式−SO
2NH
2の基を表わす。
【0257】
用語「エステル」を、本明細書中で使用する場合、式−COO−R
11(式中、R
11を、オキシ誘導体、チオ誘導体、またはアミノ誘導体を除き、上記のように定義する)の基を含むと定義する。式−COOR
11(式中、R
11は、C1〜12アルキル、C2〜12アルケニル、C2〜12アルキニル、およびアリールから選択される)のエステルが好ましい。R
11が低級アルキル、特にメチルであるエステルが最も好ましい。
【0258】
用語「エーテル」を、1つ以上の酸素原子が介在した、C1〜50直鎖または分枝アルキル、C2〜50直鎖または分枝アルケニル基またはアルキニル基、またはその組み合わせから選択される基を含むと定義する。
【0259】
用語「アミド」を、式−CONH
2、−CONHR
11、または−CONR
11R
12(式中、R
11およびR
12は上記定義の通りである)の基を含むと定義する。
【0260】
用語「複素環」を、本明細書中で使用する場合、炭素環構造に介在する少なくとも1個のO、S、および/またはN原子を有し、必要に応じて、炭素環構造の炭素の1つをカルボニルに置き換えることができ、任意の適切な基(低級アルキルまたはアルキル基についての上記の他の基から選択される1つ以上の部分が含まれるが、これらに限定されない)により必要に応じて置換された上記定義の芳香族または非芳香族の環状アルキル部分、アルケニル部分、またはアルキニル部分を含むと定義する。複素環の非限定的な例は、アルキルまたはアルキル基について上記に記載の他の基により必要に応じて置換されたピリジル、フリル、ピロリル、チエニル、イソチアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラゾリル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリル、イソキノリル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ピラゾリル、インドリル、インドリジニル、プリニル、イソインドリル、カルバゾリル、チアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、チオモルホリニル、チエノ(2,3−b)フラニル、フロピラニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキセピニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアントレニル、ベンゾチアゾリル、またはベンゾオキサゾリル、シンノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、1−オキシドピリジル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェノチアジニル、フラザニル、ベンゾジオキソリル、イソクロマニル、インドリニル、キサンテニル、ヒポキサンチニル、プテリジニル、5−アザシチジニル、5−アザウラシリル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、モルホリノ、モルホリニル、1−オキサスピロ(4.5)デカ−2−イル、ピロリジニル、2−オキソ−ピロリジニル、糖部分(すなわち、グルコース、ペントース、ヘキソース、リボース、フルクトースであり、これらも置換され得る)である。用語「複素環」には、上記複素環のいずれかがアリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、または別の単環式複素環から独立して選択される1個または2個の環に縮合しているか、単環式複素環基がアルキレン基により架橋している二環式、三環式、および四環式のスピロ基(キヌクリジニル、7−アザビシクロ(2.2.1)ヘプタニル、7−オキサビシクロ(2.2.1)ヘプタニル、8−アザビシクロ(3.2.1)オクタニルなど)も含まれる。
【0261】
複素環は、好ましくは、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、アシル、およびフェニルから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたトリアゾリル、テトラゾリル、ピロリジニル、ピリジル、1−オキシドピリジル、チオモルホリニル、ベンゾジオキソリル、フリル、オキサゾリル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、およびピペラジニルから選択される。
【0262】
より好ましくは、複素環は、ハロゲン、アルキル、ハロゲン置換アルキル、アシル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、およびフェニルから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたテトラゾリル、ピロリジニル、ピリジル、フリル、ピロリル、チアゾリル、およびチエニルから選択され、特に、1つ以上のハロゲン、アシル(ホルミルなど)、シアノ、および/または低級アルキル(メチルなど)により必要に応じて置換された2−および3−チエニルから選択される。
【0263】
上記定義では、置換基(R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
7、R
8、R
9、R
10など)がヘテロ原子またはカルボニルを介して分子の残部に結合する場合、直鎖または分枝鎖のC1〜12−、好ましくはC1〜4−アルキレン架橋またはC2〜12、好ましくはC2〜4−アルケニレン架橋または−アルキニレン架橋を、ヘテロ原子またはカルボニルと分子の残部への結合点との間に必要に応じて挿入することができると理解すべきである。
【0264】
用語「R置換基」は、独立して、R
1、R
2、R
3、R
4、またはR
5をいう。
【0265】
好ましい実施形態によれば、式Iの化合物は、nが0を示す場合の上記定義の通りである。化合物は、n=0であるのでR
1が存在しない6員環構造(2−チオキソ−または2−オキソ−ピペリジニル誘導体)であり、以下の式(I−A)によって示される。
【0266】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【0267】
以下の実施例によれば、式Iの化合物は、nが1を示す場合の上記定義の通りである。化合物は、n=1であるのでR
1が存在する7員環構造(2−チオキソ−または2−オキソ−アゼパニル誘導体)であり、以下の式(I−B)によって示される。
【0268】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0269】
より好ましい実施形態によれば、前記化合物は、n=0、R
3および/またはR
4が水素と異なり、R
2およびR
5が水素を示す場合の上記定義の通りである。
【0270】
別のより好ましい実施形態によれば、前記化合物は、n=1、R
2、R
3、および/またはR
4は水素と異なり、R
1およびR
5は水素を示す場合の上記定義の通りである。
【0271】
なおさらに好ましい実施形態によれば、前記化合物は、R
3またはR
4(n=0の場合)またはR
2、R
3、またはR
4(n=1の場合)から選択される1個のみのR置換基が水素と異なり、残りのR置換基が水素である場合の上記定義の通りである。これによって、本発明者らは、1置換された2−チオキソ−ピペリジニル誘導体もしくは2−オキソ−ピペリジニル誘導体または2−チオキソ−アゼパニル誘導体もしくは2−オキソ−アゼパニル誘導体をいう。
【0272】
別の好ましい実施形態によれば、式Iの化合物は、A
1が酸素原子を示す場合の上記定義の通りである。これによって、本発明者らは、2−オキソ−ピペリジニル誘導体または2−オキソ−アゼパニル誘導体をいう。
【0273】
別の好ましい実施形態によれば、式Iの化合物は、XがCONR
7R
8、特にCONH
2である場合の上記定義の通りである。これによって、本発明者らは、2−オキソ(またはチオキソ)−ピペリジニルまたは2−オキソ(またはチオキソ)−アゼパニルのアミド誘導体をいう。
【0274】
別の好ましい実施形態によれば、式Iの化合物は、R
6が水素、C1〜4アルキル、またはCH
2−R
6a基を示し、R
6aが複素環を示す場合の上記定義の通りである。最も好ましくは、R
6はC1〜4アルキル、特にエチルである。R
6がエチルである場合、本発明者らは、2−(2−オキソ(またはチオキソ)−1−ピペリジニル)ブタンアミド誘導体または2−(2−オキソ(またはチオキソ)−1−アゼパニル)ブタンアミド誘導体をいう。
【0275】
別の好ましい実施形態によれば、式Iの化合物は、R
6が結合する炭素原子がS配置である場合の上記定義の通りである。R
6がエチルであり、Aが酸素であり、XがCONR
7R
8である場合、本発明者らは、(2S)−2−(2−オキソ−1−ピペリジニル)ブタンアミド誘導体または(2S)−2−(2−オキソ−1−アゼパニル)ブタンアミド誘導体をいう。
【0276】
1つの好ましい実施形態によれば、化合物は、R
2(n=1の場合)、R
3、およびR
4は、同一または異なり、各々が独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトロオキシ、シアノ、カルボキシ、アミド、スルホン酸、スルホンアミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、エステル、エーテル、アリール、複素環、アシル誘導体、スルホニル誘導体、またはスルフィニル誘導体であり、
R
1(存在する場合)、R
2(n=0の場合)、およびR
5は水素であり、
R
6は、水素、アルキル、アリール、または−CH
2−R
6aであり、R
6aは、アリール、複素環、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、またはシアノである場合の上記定義の通りである。
【0277】
この好ましい実施形態によれば、化合物は、一般に、R
6がベンジルである場合にXは−COOCH
3であり且つn=1、R
3およびR
4が共に水素である場合にR
2はメチルと異なり、R
2およびR
3が共に水素である場合にR
4はメチルと異なるような化合物である。
【0278】
別の好ましい実施形態によれば、化合物は、R
2(n=1の場合)、R
3、およびR
4は、同一または異なり、各々が独立して、水素;シアノ;カルボキシ;アミド;
ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アルコキシ、アジド、アルキルチオ(alkyltio)、シクロアルキル、アシル、アリール、および複素環から選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたC1〜12アルキル;
ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、アルキル、アリール、およびアシルから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたC2〜12アルケニル;
ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、アルキル、アリール、およびアシルから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたC2〜12アルキニル;式−CO−R
11(式中、R
11は、C1〜12アルキル、C2〜12アルケニル、C2〜12アルキニル、複素環、およびアリールから選択される)のアシル誘導体;
式−CO−O−R
11(式中、R
11は、C1〜12アルキル、C2〜12アルケニル、C2〜12アルキニル、およびアリールから選択される)のエステル;
ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、アシル、およびフェニルから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたトリアゾリル、テトラゾリル、ピロリジニル、ピリジル、1−オキシドピリジル、チオモルホリニル、ベンゾジオキソリル、フリル、オキサゾリル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、およびピペラジニルから選択される複素環;
C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、アミノ、アジド、スルホニル、アリール、およびニトロから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたアリールである場合の上記定義の通りである。
【0279】
別の好ましい実施形態によれば、化合物は、R
2(n=1の場合)、R
3、およびR
4は、同一または異なり、各々が独立して、水素;
ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アルコキシ、アジド、アルキルチオ(alkyltio)、シクロプロピル、アシル、およびフェニルから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたC1〜7アルキル;
ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、シクロアルキル、フェニル、およびアシルから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたC2〜6アルケニル;
ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、シクロアルキル、フェニル、およびアシルから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたC2〜6アルキニル;
ハロゲン、アルキル、ハロゲン置換アルキル、アシル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、およびフェニルから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたテトラゾリル、ピロリジニル、ピリジル、フリル、ピロリル、チアゾリル、およびチエニルから選択される複素環;
C1〜6アルキル、ハロゲン置換アルキル、ハロゲン、アルコキシ、アミノ、アジド、スルホニル、フェニル、およびニトロから選択される1つ以上の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換されたフェニルである場合の上記定義の通りである。
【0280】
別の好ましい実施形態によれば、化合物は、R
2基、R
3基、およびR
4基(n=1の場合)、またはR
3基およびR
4基(n=0の場合)から選択されるR置換基の少なくとも1個が、独立して、1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、および/またはアジドにより必要に応じて置換されたC1〜4−アルキルまたはC3〜7−シクロアルキルを示す場合の上記定義の通りである。
【0281】
別の好ましい実施形態によれば、化合物は、R
2基、R
3基、およびR
4基(n=1の場合)、またはR
3基およびR
4基(n=0の場合)から選択されるR置換基の少なくとも1個が、独立して、1つ以上のハロゲンまたは/および低級アルキルにより必要に応じて置換されたビニルを示す場合の上記定義の通りである。
【0282】
別の好ましい実施形態によれば、化合物は、R
2基、R
3基、およびR
4基(n=1の場合)、またはR
3基およびR
4基(n=0の場合)から選択されるR置換基の少なくとも1個が、独立して、1つ以上のハロゲンおよび/または低級アルキルにより必要に応じて置換されたエチニル、プロピニル、またはブチニルを示す場合の上記定義の通りである。
【0283】
別の好ましい実施形態によれば、化合物は、R
2基、R
3基、およびR
4基(n=1の場合)、またはR
3基およびR
4基(n=0の場合)から選択されるR置換基の少なくとも1個が、独立して、1つ以上のハロゲン、低級アルキル、アジド、および/またはニトロにより必要に応じて置換されたフェニルを示す場合の上記定義の通りである。
【0284】
別の好ましい実施形態によれば、化合物は、R
2基、R
3基、およびR
4基(n=1の場合)、またはR
3基およびR
4基(n=0の場合)から選択されるR置換基の少なくとも1個が、独立して、1つ以上のハロゲン、アシル、シアノ、または/および低級アルキルにより必要に応じて置換された2−チエニルまたは3−チエニルを示す場合の上記定義の通りである。
【0285】
特に好ましい実施形態によれば、化合物は、R
3基、R
4基、およびR
2基(n=1の場合)またはR
3基およびR
4基(n=0の場合)から選択されるR置換基の少なくとも1個が、ヒドロキシメチル、プロピル、ブチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、シクロプロピルメチル、ヨードメチル、アジドメチル、2−チエニル、3−チエニル、フェニル、3−クロロフェニル、3−アジドフェニル、2,2−ジフルオロビニル、2,2−ジブロモビニル、2,2−ジクロロビニル、2−エチニル、5−メチル−2−チエニル、5−ホルミル−2−エチニル、5−シアノ−2−チエニル、3−ブロモ−2−チエニル、4−メチル−2−チエニル、3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル、l−プロピニル、シクロプロピルエチニル、3−メチル−1−ブチニル、1−ブチニル、2,2−ジフルオロプロピル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル、および2−ヨード−2,2−ジフルオロエチルである場合の上記定義の通りである。
【0286】
さらに別の好ましい実施形態によれば、化合物は、R
1、R
2、R
4、およびR
5が水素である場合の上記定義の通りである。
【0287】
さらに別の好ましい実施形態によれば、化合物は、R
1、R
2、R
3、およびR
5が水素である場合の上記定義の通りである。
【0288】
さらに別の好ましい実施形態によれば、化合物は、n=1であり、且つR
1、R
3、R
4、およびR
5が水素である場合の上記定義の通りである。
【0289】
R
6が結合する炭素原子が非対称である場合の上記の全ての範囲では、「S」配置であることが好ましい。
【0290】
上記定義の本発明の方法および組成物で有用な代表的化合物は、以下からなる群から選択される:
2−[5−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−(2−オキソ−5−プロピル−1−ピペリジニル)ブタンアミド、
2−[2−オキソ−5−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(アジドメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−(2−オキソ−5−フェニル−1−ピペリジニル)ブタンアミド、
2−[2−オキソ−5−(2−チエニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−5−(3−チエニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(3−クロロフェニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(3−アジドフェニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(2,2−ジブロモビニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(2,2−ジクロロビニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−(5−エチニル−2−オキソ−1−ピペリジニル)ブタンアミド、
2[5−(5−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(5−ホルミル−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(5−シアノ−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(3−ブロモ−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(4−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−5−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−5−(1−プロピニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(シクロプロピルエチニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(3−メチル−1−ブチニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(1−ブチニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(2,2−ジフルオロプロピル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−(2−オキソ−4−プロピル−1−ピペリジニル)ブタンアミド、
2−[2−オキソ−4−(3,3,3トリフルオロプロピル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(アジドメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−(2−オキソ−4−フェニル−1−ピペリジニル)ブタンアミド、
2−[2−オキソ−4−(2−チエニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−4−(3−チエニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(3−クロロフェニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(3−アジドフェニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(2,2−ジブロモビニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(2,2−ジクロロビニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−(4−エチニル−2−オキソ−1−ピペリジニル)ブタンアミド、
2−[4−(5−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(5−ホルミル−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(5−シアノ−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(3−ブロモ−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(4−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−4−(1−プロピニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(シクロプロピルエチニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(3−メチル−1−ブチニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(1−ブチニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(2,2−ジフルオロプロピル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[4−(2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2[4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−(2−オキソ−5−プロピル−1−アゼパニル)ブタンアミド、
2−[2−オキソ−5−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(アジドメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−(2−オキソ−5−フェニル−1−アゼパニル)ブタンアミド、
2−[2−オキソ−5−(2−チエニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−5−(3−チエニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(3−クロロフェニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(3−アジドフェニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(2,2−ジブロモビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(2,2−ジクロロビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−(5−エチニル−2−オキソ−1−アゼパニル)ブタンアミド、
2−[5−(5−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(5−ホルミル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(5−シアノ−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(3−ブロモ−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(4−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−5−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−5−(1−プロピニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(シクロプロピルエチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(3−メチル−1−ブチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(l−ブチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(2,2−ジフルオロプロピル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[5−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−(2−オキソ−6−プロピル−1−アゼパニル)ブタンアミド、
2−[2−オキソ−6−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(アジドメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−(2−オキソ−6−フェニル−1−アゼパニル)ブタンアミド、
2−[2−オキソ−6−(2−チエニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−6−(3−チエニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(3−クロロフェニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(3−アジドフェニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(2,2−ジブロモビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(2,2−ジクロロビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−(6−エチニル−2−オキソ−1−アゼパニル)ブタンアミド、
2−[6−(5−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(5−ホルミル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(5−シアノ−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(3−ブロモ−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(4−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−6−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−6−(1−プロピニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(シクロプロピルエチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(3−メチル−1−ブチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(1−ブチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(2,2−ジフルオロプロピル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[6−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−(2−オキソ−4−プロピル−1−アゼパニル)ブタンアミド、
2−[2−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(アジドメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−(2−オキソ−4−フェニル−1−アゼパニル)ブタンアミド、
2−[2−オキソ−4−(2−チエニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−4−(3−チエニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(3−クロロフェニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(3−アジドフェニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(2,2−ジブロモビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(2,2−ジクロロビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−(4−エチニル−2−オキソ−1−アゼパニル)ブタンアミド、
2−[4−(5−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(5−ホルミル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(5−シアノ−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(3−ブロモ−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(4−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[2−オキソ−4−(1−プロピニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(シクロプロピルエチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(3−メチル−1−ブチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(1−ブチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(2,2−ジフルオロプロピル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、
2−[4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド。
【0291】
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物で有用な化合物は、以下からなる群から選択される:
(2S)−2−[5−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
(2S)−2−[5−(アジドメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−(2−オキソ−5−フェニル−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
(2S)−2−[4−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド。
【0292】
iii) 国際特許出願WO 2004/087658:
式I:
【0293】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
【0294】
(式中、
R
1は、水素であり、
R
2は、水素またはC1〜20−アルキルであり、
R
3は、水素、C1〜20−アルキル、C4〜8−シクロアルキル、C5〜8−シクロアルケニル、アリール、芳香族または非芳香族複素環、C1〜20−アルコキシ、または式−W−R
8の基であり、R
3aは、水素、C1〜20−アルキル、または式:
【0295】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
【0296】
の基であるか、
NR
3R
3aは、式:
【0297】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
【0298】
の基であり、
R
4は、水素であり、
R
5は、水素;ニトロ;ハロゲン;アジド;シアノ;−S−C1〜4−アルキル;−SO−C1〜4−アルキル;−SO
2−C1〜4−アルキル;−SONH
2;非置換またはハロゲンにより置換されたC1〜20−アルキル;または非置換またはハロゲンにより置換されたC1〜20−アルコキシであり、
R
6は、水素、C1〜20−アルキル、またはハロゲンであり、
R
7は、水素、C1〜20−アルキル、またはハロゲンであり、
Wは、C1〜12−アルキレン、−NH−、または−NHC(=O)−であり、
Xは、O、S、またはNHであり、
Yは、O、S、−CR
12R
13−、−NR
14−、または−C(=O)−であり、
R
8は、アリールまたは複素環であり、
R
9、R
10、R
10a、およびR
11は、水素、C1〜4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、またはメトキシカルボニルから独立して選択されるか、
R
10およびR
10aは一緒になって、C3〜6−アルキレンを形成し、
R
12は、水素、C1〜4−アルキル、ハロゲン、またはヒドロキシであり、
R
13は、水素であるか、
CR
12R
13はジオキソラニルであり、
R
14は、アリール、複素環、または式−V−R
15の基であり、
VはC
1〜12−アルキレンであり、
R
15は、アリールまたは複素環であり、
mは1〜4であり、
nは0または1であり、
R
2が水素であり、R
3がHまたは2,6−ジイソプロピルフェニルであり、且つR
3aがHである場合、R
5、R
6、またはR
7のうちの少なくとも1個は水素と異なる)を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその立体異性体。
【0300】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
【0301】
(式中、
R
1は、水素であり、
R
2は、水素またはC1〜20−アルキルであり、
R
3は、水素、C1〜20−アルキル、C4〜8−シクロアルキル、C5〜8−シクロアルケニル、アリール、芳香族または非芳香族複素環、C1〜20−アルコキシ、または式−W−R
8の基であり、
R
3aは、水素、C1〜20−アルキル、または式:
【0302】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
【0303】
の基であるか、
NR
3R
3aは、式:
【0304】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
【0305】
の基であり、
R
4は、水素であり、
R
5は、水素;ニトロ;ハロゲン;非置換またはハロゲンにより置換されたC1〜20−アルキル;または非置換またはハロゲンにより置換されたC1〜20−アルコキシであり、
R
6は、水素、C1〜20−アルキル、またはハロゲンであり、
R
7は、水素、C1〜20−アルキル、またはハロゲンであり、
Wは、C1〜12−アルキレン、−NH−、または−NHC(=O)−であり、
Xは、O、S、またはNHであり、
Yは、O、S、−CR
12R
13−、−NR
14−、または−C(=O)−であり、
R
8は、アリールまたは複素環であり、
R
9、R
10、R
10a、およびR
11は、水素、C1〜4−アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、またはメトキシカルボニルから独立して選択されるか、
R
10およびR
10aは一緒になって、C3〜6−アルキレンを形成し、
R
12は、水素、C1〜4−アルキル、ハロゲン、またはヒドロキシであり、
R
13は、水素であるか、
CR
12R
13はジオキソラニルであり、
R
14は、アリール、複素環、または式−V−R
15の基であり、
VはC1〜12−アルキレンであり、
R
15は、アリールまたは複素環であり、
mは1〜4であり、
nは0または1であり、
R
2が水素であり、R
3がHまたは2,6−ジイソプロピルフェニルであり、且つR
3aがHである場合、R
5、R
6、またはR
7のうちの少なくとも1個は水素と異なる)またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその立体異性体を有する。
【0306】
用語「アルキル」を、本明細書中で使用する場合、直鎖、分枝鎖、環状の部分、またはその組み合わせを有し、且つ、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子、より好ましくは非環状アルキルについては1〜4個の炭素原子およびシクロアルキルについては3〜8個の炭素原子を含む、1価の飽和炭化水素基を含むと定義する。アルキル(Alliyl)部分を、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、エステル、またはアルキルアミノから独立して選択される1〜5個の置換基により必要に応じて置換することができる。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチル、n−ブチル、2−フルオロエチル、3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル、1−(ヒドロキシメチル)プロピル、3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル、3−エトキシプロピル、2−エトキシ−2−オキソエチル、および3−(ジメチルアミノ)プロピルである。
【0307】
用語「シクロアルキル」は、本明細書中で使用する場合、任意の適切な基(アルキル基について上記の基から選択される1つ以上の部分が含まれるが、これらに限定されない)により置換することができる飽和環式または多環式炭化水素由来の3〜18個の炭素原子、好ましくは4〜8個の炭素原子の1価の基をいう。好ましいシクロアルキル基はシクロヘプチルである。
【0308】
用語「アルキレン」は、本明細書中で使用する場合、直鎖部分または分枝鎖部分を有し、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を含み、且つ、任意の適切な基(アルキル基について上記の基から選択される1つ以上の部分が含まれるが、これらに限定されない)により必要に応じて置換された2価のアルキル基を示す。好ましいアルキレン基は、メチレン、エチレン、ヒドロキシエチレン、トリメチレン、またはプロピレンである。
【0309】
用語「シクロアルケニル」を、本明細書中で使用する場合、少なくとも1個の二重結合を有し、4〜20個の炭素原子、好ましくは5〜8個の炭素原子を含み、且つ、任意の適切な基(アルキル基について上記の基から選択される1つ以上の部分が含まれるが、これらに限定されない)により必要に応じて置換された環式不飽和炭化水素基と定義する。好ましいシクロアルケニル基は、6−(ヒドロキシメチル)シクロヘクス−3−エン−1−イルである。
【0310】
用語「アリール」を、本明細書中で使用する場合、1〜3個の環からなり、且つ6〜30個の炭素原子を含み、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、C1〜6−アルキル、C1〜6−アルコキシ、C1〜6−アルキルスルホニル、トリフルオロメチルチオ、またはピリジニルアルキルから独立して選択される1〜5個の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換された芳香族炭化水素から、1個の水素の除去により誘導された有機基(フェニルおよびナフチルなど)を含むと定義する。アリール基は、好ましくはフェニル基である。好ましいアリール基は、フェニル、3−ヒドロキシフェニル、3−フルオロフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル、3−(2−ピリジン−2−イルエチル)フェニル、3,4−ジメチルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−メチルスルホニルフェニル、2−ニトロフェニル、2−クロロ−6−フルオロフェニル、2−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル、2−クロロフェニル、または4−ブロモフェニルである。
【0311】
用語「ハロゲン」には、本明細書中で使用する場合、Cl、Br、F、Iの原子が含まれる。
【0312】
用語「ニトロ」は、本明細書中で使用する場合、式−NO
2の基を表わす。
【0313】
用語「ヒドロキシ」は、本明細書中で使用する場合、式−OHの基を表わす。
【0314】
用語「アルコキシ」は、本明細書中で使用する場合、式−OR
b(式中、R
bは上記定義のアルキル基である)の基を表わす。
【0315】
用語「エステル」は、本明細書中で使用する場合、式−COOR
C(式中、R
cは上記定義のアルキル基またはアリール基である)の基を表わす。
【0316】
用語「アルコキシカルボニル」は、本明細書中で使用する場合、式−COOR
d(式中、R
dは上記定義のアルキル基である)の基を表わす。
【0317】
用語「アミノ」は、本明細書中で使用する場合、式−NH
2の基を表わす。
【0318】
用語「アルキルアミノ」は、本明細書中で使用する場合、式−NHR
eまたは−NR
eR
f(式中、R
eおよびR
fは上記定義のアルキル基である)の基を表わす。
【0319】
用語アルキルスルホニルは、本明細書中で使用する場合、式−SO
2−R
g(式中、R
gはC1〜4−アルキルである)の基を表わすものと定義する。
【0320】
用語「複素環」を、本明細書中で使用する場合、炭素環構造に介在する少なくとも1個のO、S、および/またはN原子を有し、必要に応じて、炭素環構造の炭素の1つをカルボニルに置き換えることができる上記定義の芳香族または非芳香族のシクロアルキル部分またはシクロアルケニル部分を含むと定義する。
【0321】
芳香族複素環の非限定的な例は、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、アジド、C1〜6−アルコキシ、C1〜6−アルキルチオ、C1〜6−アルキル、C1〜6−ハロアルキル、ホルミル、またはエステルから独立して選択される1〜5個の置換基により必要に応じて置換されたピラゾリル、フリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピロリル、チエニル、イソチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、オキサジアゾール、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イソインドリル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、キノリル、イソキノリル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インドリジニル、プリニル、カルバゾリル、チエノ(2,3−b)フラニル、チアントレニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、シンノリニル、キノキサリニル、フェノチアジニル、イソクロマニル、およびキサンテニルである。より好ましい芳香族複素環は、ピラゾリル、フリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、およびピリジニルである。
【0322】
非芳香族複素環の非限定的な例は、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、アジド、C1〜6−アルコキシ、C1〜6−アルキルチオ、C1〜6−アルキル、C1〜6−ハロアルキル、ホルミル、またはエステルから独立して選択される1〜5個の置換基により必要に応じて置換されたテトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、テトラヒドロベンゾアゾシニル、ジヒドロイソクロメニル、テトラヒドロピラニル、オキソオクタヒドロキノリニル、ジオキソラニル、1−オキサスピロ(4.5)デカ−2−イル、ピロリジニル、2−オキソ−ピロリジニル、8−チアビシクロ[3.2.1]シクロオクタニル、1,4−ジチエパニル、テトラヒドロ−2H−チオピラニル、アゼパニル、およびアゾカニルである。より好ましい非芳香族複素環は、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、インドリニル、テトラヒドロ−1−ベンゾアゾシン−1(2H)−イル、3,4−ジヒドロ−1H−イソクロメン−1−イル、テトラヒドロピラニル、オキソオクタヒドロキノリニル、およびジオキソラニルである。用語「複素環」には、上記複素環のいずれかがアリール環、シクロアルキル環、シクロアルケニル環、または別の単環式複素環から独立して選択される1個または2個の環に縮合するか、単環式複素環基が、アルキレン基により架橋している二環式、三環式、および四環式のスピロ基(キヌクリジニル、7−アザビシクロ(2.2.1)ヘプタニル、7−オキサビシクロ(2.2.1)ヘプタニル、および8−アザビシクロ(3.2.1)オクタニルなど)も含まれる。
【0323】
用語「ピリジニルアルキル」は、本明細書中で使用する場合、式−R
h−ピリジニル(式中、R
hはC1〜4−アルキレンである)の基を表わす。
【0324】
用語「アジド」は、本明細書中で使用する場合、式−N
3の基を表わす。
【0325】
用語「シアノ」は、本明細書中で使用する場合、式−CNの基を表わす。
【0326】
一般に、R
2は水素またはC1〜4−アルキルである。
【0327】
好ましくは、R
2は、水素、メチル、またはエチルである。より好ましくは、R
2は水素またはメチルである。
【0328】
一般に、R
3は、水素;非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、またはアルキルアミノから選択される1〜5個の置換基により置換されたC1〜6−アルキル;C5〜7−シクロアルキル;(ヒドロキシメチル)シクロヘキセニル;非置換であるか、ハロゲン、C1〜4−アルキル、ヒドロキシ、メトキシ、ニトロ、メチルスルホニル、トリフルオロメチルチオ、またはピリジニルアルキルから選択される1〜5個の置換基により置換されたフェニル;非置換であるか、メトキシにより置換されたピリジニル;トリアゾリル;C1〜4−アルコキシ;または式−W−R
8(式中、
一般に、Wは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜4−アルキル、またはアルコキシにより置換されたC1〜4−アルキレン;−NH−;または−NHC(=O)−であり、
R
8は、非置換であるか、ハロゲン、C1〜4−アルキル、ヒドロキシ、メトキシ、ニトロ、メチルスルホニル、またはトリフルオロメチルチオから選択される1〜5個の置換基により置換されたフェニル;非置換であるか、メチルにより置換されたフリル;ピラゾリル;ピリジニル;モルホリニル;テトラヒドロベンゾアゾシニル;非置換であるか、メチルにより置換されたピペリジニル;ジヒドロイソクロメニル、またはジヒドロイミダゾリルである)の基である。
【0329】
好ましくは、R
3は、水素、n−ブチル、シクロヘプチル、2−フルオロエチル、3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル、1−(ヒドロキシメチル)プロピル、3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル、3−エトキシプロピル、2−エトキシ−2−オキソエチル、3−(ジメチルアミノ)プロピル、6−(ヒドロキシメチル)シクロヘクス−3−エン−1−イル、3−ヒドロキシフェニル、3−フルオロフェニル、3−(2−ピリジン−2−イルエチル)フェニル、3,4−ジメチルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、ベンジル、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル、4−メチルスルホニルベンジル、2−ニトロベンジル、2−クロロ−6−フルオロベンジル、2−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンジル、2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル、2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル、2−(2−クロロフェニル)エチル、2−(4−メチルフェニル)エチル、(4−ブロモフェニル)アミノ、ピリジン−3−イル、6−メトキシピリジン−3−イル、4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、ピリジン−4−イルメチル、(5−メチル−2−フリル)メチル、3−(1H−ピラゾール−1−イル)プロピル、2−モルホリン−4−イルエチル、2−((3,4,5,6−テトラヒドロ−1−ベンゾアゾシン−1(2H)−イル)プロピル、2−(2−メチルピペリジン−1−イル)エチル、3,4−ジヒドロ−1H−イソクロメン−1−イルメチル、メトキシ、(4−ピリジニルカルボニル)アミノ、または4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルアミノである。より好ましくは、R
3は水素である。
【0330】
一般に、R
3aは、水素、C1〜4−アルキル、または式:
【0331】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【0332】
(式中、
mは1〜4である)の基である。
【0333】
好ましくは、R
3aは、水素、メチル、またはテトラヒドロフラン−2−イルメチルである。より好ましくは、R
3aは水素である。
【0334】
別の実施形態では、NR
3R
3aは、非置換であるか、ヒドロキシにより置換されたピペリジニル;チオモルホリニル;非置換であるか、C1〜4−アルコキシカルボニルにより置換されたチアゾリジニル;2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル;1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル;4−オキソオクタヒドロ−1(2H)−キノリニル;または式:
【0335】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【0336】
(式中、R
14はピリジニル;非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜4−アルキルにより置換されたフェニル;または式−V−R
15(式中、Vは非置換のC1〜4−アルキレンであり、R
15はフェニルまたはモルホリニルである)である)の基である。
【0337】
好ましい実施形態では、NR
3R
3aは、4−ピリジン−2−イルピペラジン−1−イル、4−(3−メチルフェニル)ピペラジン−1−イル、4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−イル、4−(2−フェニルエチル)ピペラジン−1−イル、4−(2−モルホリン−4−イルエチル)ピペラジン−1−イル、3−ヒドロキシピペリジン−1−イル、チオモルホリン−4−イル、4−メトキシカルボニル−1,3−チアゾリジン−3−イル、2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル、または4−オキソオクタヒドロ−1(2H)−キノリニルである。
【0338】
一般に、R
5は、水素、ニトロ、ハロゲン、非置換であるか、ハロゲンにより置換されたC1〜4−アルキル、または非置換であるか、ハロゲンにより置換されたC1〜4−アルコキシである。
【0339】
好ましくは、R
5は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、n−プロピル、イソプロピル、ニトロ、またはハロゲンである。より好ましくは、R
5はハロゲンまたはトリフルオロメチルである。
【0340】
一般に、R
6は、水素、C1〜6−アルキル、またはハロゲンである。
【0341】
好ましくは、R
6は、水素、メチル、またはClである。より好ましくは、R
6は水素である。
【0342】
一般に、R
7は、水素、メチル、またはハロゲンである。
【0343】
好ましくは、R
7は、水素、メチル、Br、F、またはClである。より好ましくは、R
7は、水素、Br、またはFである。
【0344】
1つ以上のこれらの好ましい化合物基の組み合わせが特に好ましい。
【0345】
好ましい実施形態では、化合物は、式I:
【0346】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0347】
(式中、
R
1は水素であり、
R
2は水素またはC1〜4−アルキルであり、
R
3は、水素;非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、またはアルキルアミノから選択される1〜5個の置換基により置換されたC1〜6−アルキル;C5〜7−シクロアルキル;(ヒドロキシメチル)シクロヘキセニル;非置換であるか、ハロゲン、C1〜4−アルキル、ヒドロキシ、メトキシ、ニトロ、メチルスルホニル、トリフルオロメチルチオ、またはピリジニルアルキルから選択される1〜5個の置換基により置換されたフェニル;非置換であるか、メトキシにより置換されたピリジニル;トリアゾリル;C1〜4−アルコキシ;または式−W−R
8の基であり、
R
3aは、水素、C1〜4−アルキル、または式:
【0348】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0349】
の基であるか、
NR
3R
3aは、非置換であるか、ヒドロキシにより置換されたピペリジニル;チオモルホリニル;非置換であるか、C1〜4−アルコキシカルボニルにより置換されたチアゾリジニル;2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル;1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル;4−オキソオクタヒドロ−1(2H)−キノリニル;または式:
【0350】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【0351】
の基であり、
R
4は水素であり、
R
5は、水素;ニトロ;ハロゲン;非置換であるか、ハロゲンにより置換されたC1〜4−アルキル;または非置換であるか、ハロゲンにより置換されたC1〜4−アルコキシであり、
R6は、水素、C1〜6−アリル、またはハロゲンであり、
R7は、水素、メチル、またはハロゲンであり、
Wは、非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜4−アルキル、またはアルコキシにより置換されたC1〜4−アルキレン;−NH−;または−NHC(=O)−であり、
R8は、非置換であるか、ハロゲン、C1〜4−アルキル、ヒドロキシ、メトキシ、ニトロ、メチルスルホニル、またはトリフルオロメチルチオから選択される1〜5個の置換基により置換されたフェニル;非置換であるか、メチルにより置換されたフリル;ピラゾリル;ピリジニル;モルホリニル;テトラヒドロベンゾアゾシニル;非置換であるか、メチルにより置換されたピペリジニル;ジヒドロイソクロメニル、またはジヒドロイミダゾリルであり、
R
14は、ピリジニル;非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜4−アルキルにより置換されたフェニル;または式−V−R
15の基であり、
Vは非置換C1〜4−アルキレンであり、
R
15はフェニルまたはモルホリニルであり、
mは1〜4であり、
R
2が水素であり、R
3がHまたは2,6−ジイソプロピルフェニルであり、且つR
3aがHである場合、R
5、R
6、またはR
7のうちの少なくとも1個は水素と異なる)またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその立体異性体を有する。
【0352】
より好ましい実施形態では、化合物は、式I:
【0353】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0354】
(式中、
R
1は水素であり、
R
2は、水素、メチル、またはエチルであり、
R
3は、水素、n−ブチル、シクロヘプチル、2−フルオロエチル、3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル、1−(ヒドロキシメチル)プロピル、3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル、3−エトキシプロピル、2−エトキシ−2−オキソエチル、3−(ジメチルアミノ)プロピル、6−(ヒドロキシメチル)シクロヘクス−3−エン−1−イル、3−ヒドロキシフェニル、3−フルオロフェニル、3−(2−ピリジン−2−イルエチル)フェニル、3,4−ジメチルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、ベンジル、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル、4−メチルスルホニルベンジル、2−ニトロベンジル、2−クロロ−6−フルオロベンジル、2−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンジル、2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル、2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル、2−(2−クロロフェニル)エチル、2−(4−メチルフェニル)エチル、(4−ブロモフェニル)アミノ、ピリジン−3−イル、6−メトキシピリジン−3−イル、4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、ピリジン−4−イルメチル、(5−メチル−2−フリル)メチル、3−(1H−ピラゾール−1−イル)プロピル、2−モルホリン−4−イルエチル、2−((3,4,5,6−テトラヒドロ−1−ベンゾアゾシン−1(2H)−イル)プロピル、2−(2−メチルピペリジン−1−イル)エチル、3,4−ジヒドロ−1H−イソクロメン−1−イルメチル、メトキシ、(4−ピリジニルカルボニル)アミノ、または4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルアミノであり、
R
3aは、水素、メチル、またはテトラヒドロフラン−2−イルメチルであるか、
NR
3R
3aは、4−ピリジン−2−イルピペラジン−1−イル、4−(3−メチルフェニル)ピペラジン−1−イル、4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−イル、4−(2−フェニルエチル)ピペラジン−1−イル、4−(2−モルホリン−4−イルエチル)ピペラジン−1−イル、3−ヒドロキシピペリジン−1−イル、チオモルホリン−4−イル、4−メトキシカルボニル−1,3−チアゾリジン−3−イル、2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル、または4−オキソオクタヒドロ−1(2H)−キノリニルであり、
R
4は、水素であり、
R5は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、n−プロピル、イソプロピル、ニトロ、またはハロゲンであり、
R
6は、水素、メチル、またはClであり、
R
7は、水素、メチル、Br、F、またはClであり、
R
2が水素であり、R
3がHまたは2,6−ジイソプロピルフェニルであり、且つR
3aがHである場合、R
5、R
6、またはR
7のうちの少なくとも1個は水素と異なる)またはその薬学的に受容可能な塩もしくはその立体異性体を有する。
【0355】
より好ましくは、R
2は水素またはメチルであり、R
3は水素であり、R
3aは水素であり、R
5はハロゲンまたはトリフルオロメチルであり、R
6は水素であり、R
7は、水素、Br、またはFである。
【0356】
全ての上記範囲では、R
2がC1〜20−アルキルである場合、R
2が結合する炭素原子が「S」配置であることが好ましい。
【0357】
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物で有用な化合物は、以下からなる群から選択される:2−(5−ヨード−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5,7−ジブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ(dthydro)−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5−ニトロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)プロパンアミド;(2R)−2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)プロパンアミド;(2S)−2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)プロパンアミド;2−[2−オキソ−5−(トリフルオロメトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]アセトアミド;2−(5−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5,7−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(2−オキソ−5−プロピル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−[2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]アセトアミド;2−(5,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(7−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(6−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)ブタンアミド;(+)−2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)ブタンアミド;(−)−2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)ブタンアミド;2−(5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)プロパンアミド;(+)−2−(5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)プロパンアミド;(−)−2−(5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)プロパンアミド;2−(5−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)プロパンアミド;(−)−2−(5−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)プロパンアミド;(+)−2−(5−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)プロパンアミド;2−(5−クロロ−7−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(3−フルオロフェニル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−[3−(2−ピリジン−2−イルエチル)フェニルラセタルニド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−[6−(ヒドロキシメチル)シクロヘクス−3−エン−1−イル]アセトアミド;5−クロロ−1−[2−オキソ−2−(4−ピリジン−2−イルピペラジン−1−イル)エチル3−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;5−クロロ−1−{2−[4−(3−メチルフェニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(ピリジン−4−イルメチル)−N−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)アセトアミド;5−クロロ−1−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N’−イソニコチノイルアセトヒドラジド;5−クロロ−1−(2−オキソ−2−チオモルホリン−4−イルエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]アセトアミド;1−[(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセチル]オクタヒドロキノリン−4(1H)−オン;N’−(4−ブロモフェニル)−2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトヒドラジド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(6−メトキシピリジン−3−イル)アセトアミド;N−ブチル−2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(3−ヒドロキシプロピル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アセトアミド;5−クロロ−1−{2−オキソ−2[4−(2−フェニルエチル)ピペラジン(pperazin)−1−イル]エチル}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;{[(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセチル]アミノ}酢酸エチル;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(3−エトキシプロピル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(2−フルオロエチル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−メトキシ−N−メチルアセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(3,4−ジメチルフェニル)アセトアミド;N−(4−tert−ブチルフェニル)−2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−[1−(ヒドロキシメチル)プロピル]アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アセトアミド;5−クロロ−1−{2−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(ピリジン−4−イルメチル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−[(5−メチル−2−フリル)メチル]アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−[3−(1H−ピラゾール−1−イル)プロピル]アセトアミド;3−[(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]アセチル]−1,3−チアゾリジン−4−カルボン酸メチル;5−クロロ−1−[2−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−2−オキソエチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N’−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)アセトヒドラジド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−[2−(2−クロロフェニル)エチルアセトアニリド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−[2−(4−メチルフェニル)エチル]アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−[2−(3,4,5,6−テトラヒドロ−1−ベンゾアゾシン−1(2H)−イル)プロピル]アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−[2−(2−メチルピペリジン−1−イル)エチル]アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(2−ニトロベンジル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−(3,4−ジヒドロ−1H−イソクロメン−1−イリンエチル)アセトアミド;N−(2−クロロ−6−フルオロベンジル)−2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;N−ベンジル−2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−メチルアセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ(dthydro)−1H−インドール−1−イル)−N−{2−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンジル}アセトアミド;5−クロロ−1−[2−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)−2−オキソエチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−シクロヘプチルアセトアミド;5−クロロ−1−{2−[4−(2−モルホリン−4−イルエチル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;および2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−N−ピリジン−3−イルアセトアミド。
【0358】
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物で有用な化合物は、以下からなる群から選択される:2−(5−ヨード−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;2−(5,7−ジブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド;(2S)−2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)プロパンアミド;2−[2−オキソ−5−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]アセトアミド、および2−(5−クロロ−7−フルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミド。
【0359】
別の実施形態では、本発明の方法および組成物で有用な化合物は、以下からなる群から選択される:2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)アセトアミドおよび(2S)−2−(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)プロパンアミド。
【0360】
iv)米国特許第7,244,747号:
式I:
【0361】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0362】
(式中、
R
1は、水素、C
1〜20アルキル、C
3〜8シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、エステル、アミド、シアノ、ニトロ、アミノ、グアニジン、アミノ誘導体、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アリール、または複素環であり、
R
2は、水素、C
1〜20アルキル、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、エステル、アミド、ニトロ、シアノ、カルバメート、またはアリールであり、
R
3は、水素、C
1〜20アルキル、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、エステル、アミド、ニトロ、シアノ、カルバメート、またはアリールであるか、
R
2およびR
3は、イミダゾール環と一緒になって、以下:
【0363】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0364】
の1H−ベンゾイミダゾール環を形成することができ、
R
4は、水素、C
1〜20アルキル、C
2〜12アルケニル、C
2〜12アルキニル、アリール、アジド、アルコキシカルボニルアミノ、アリールスルホニルオキシ、または複素環であり、
R
4aは水素またはC
1〜20アルキルであるか、
R
4およびR
4aは一緒になって、C
3〜8シクロアルキルを形成することができ、
R
5は水素であるか、
R
4、R
4a、およびR
5は、2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成することができ、
R
6は水素またはC
1〜20アルキルであり、
R
7は水素であるか、
R
6およびR
7は共に結合してC
3〜6シクロアルキルを形成し、
R
8は、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C
1〜20アルキル、またはアルコキシであり、
R
9は、水素、C
1〜20アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、エステル、アミド、シアノ、ニトロ、アミノ、アミノ誘導体、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルフィニル、またはアリールスルフィニルであり、
R
10は、水素、C
1〜20アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、エステル、アミド、シアノ、ニトロ、アミノ、アミノ誘導体、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルフィニル、またはアリールスルフィニルであり、
R
11は、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C
1〜20アルキル、またはアルコキシであり、
R
12は水素またはハロゲンであり、
R
13は、水素、ニトロ、ハロゲン、複素環、アミノ、アリール、非置換であるか、ハロゲンにより置換されたC
1〜20アルキル、または非置換であるか、ハロゲンにより置換されたアルコキシであり、
R
14は、水素、C
1〜20アルキル、またはハロゲンであり、
R
15は、水素、C
1〜20アルキル、またはハロゲンであり、
但し、式:
【0365】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0366】
の基を表わす場合にR
4は水素と異なり、
アスタリスク
*は、置換基の結合点を示す)を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
【0367】
好ましい実施形態では、化合物は、式I:
【0368】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0369】
(式中、
R
1は、水素、C
1〜20アルキル、C
3〜8シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、エステル、アミド、シアノ、ニトロ、アミノ、グアニジン、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリール、または複素環であり、
R
2は、水素、C
1〜20アルキル、ハロゲン、シアノ、エステル、カルバメート、またはアミドであり、
R
3は、水素、シアノ、C
1〜20アルキル、ハロゲン、またはエステルであるか、
R
2およびR
3は、イミダゾール環と一緒になって、以下:
【0370】
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
【0371】
の1H−ベンゾイミダゾール環を形成することができ、
R
4は、水素、C
1〜20アルキル、C
2〜12アルケニル、またはアリールであり、
R
4aは、水素であり、
R
5は、水素であるか、
R
4、R
4a、およびR
5は、2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下:
【0372】
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
【0373】
の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成することができ、
R
6は、水素またはC
1〜20アルキルであり、
R
7は、水素であるか、R
6およびR
7は共に結合してC
3〜6シクロアルキルを形成し、
R
8は、水素であり、
R
9は、水素、C
1〜20アルキル、ハロゲン、またはアルコキシであり、
R
10は、水素、C
1〜20アルキル、ハロゲン、またはシアノであり、
R
11は、水素であり、
R
12は、水素またはハロゲンであり、
R
13は、水素、ハロゲン、複素環、またはC
1〜20アルキルであり、
R
14は、水素であり、
R
15は、水素であり、
但し、
【0374】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
【0376】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【0377】
の基を表わす場合にR
4は水素と異なる)、その互変異性体、幾何異性体(シスおよびトランス異性体、ZおよびE異性体が含まれる)、エナンチオマー、ジアステレオマー、およびその混合物(立体異性体の全ての可能な混合物が含まれる)、またはその薬学的に受容可能な塩を有する。
【0378】
用語「アルキル」は、本明細書中で使用する場合、直鎖(非分枝)、分枝、環状、またはその組み合わせを有し、且つ、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子を含む1価の飽和炭化水素基を示し、より好ましくは、アルキル基は1〜3個の炭素原子を有する。アルキル部分を、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アジド、アリールオキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アルカノイルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、またはアリールからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基により必要に応じて置換することができる。通常、アルキル基は、この場合、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、1−エチルプロピル、n−ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、n−デシル、クロロメチル、トリフルオロメチル、2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、ヒドロキシメチル、シアノメチル、アジドメチル、(アセチルアミノ)メチル、(プロピオニルアミノ)メチル、(ベンゾイルアミノ)メチル、(4−クロロフェノキシ)メチル、ベンジル、2−フェニルエチル、または2−(メチルチオ)エチルである。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、1−エチルプロピル、2,4,4−トリメチルペンチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ヒドロキシメチル、シアノメチル、アジドメチル、(アセチルアミノ)メチル、(プロピオニルアミノ)メチル、(ベンゾイルアミノ)メチル、または2−(メチルチオ)エチルである。より好ましいアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、アジドメチル、またはトリフルオロメチルである。最も好ましいアルキル基は、メチルまたはn−プロピルである。
【0379】
用語「シクロアルキル」は、本明細書中で使用する場合、任意の適切な基(アルキル基について上記の基から選択される1つ以上の部分が含まれるが、これらに限定されない)により置換することができる飽和環式炭化水素から誘導された3〜8個の炭素原子、通常3〜6個の炭素原子の1価の基を表わす。好ましいシクロアルキル基は、シクロプロピルおよびシクロヘキシルである。
【0380】
用語「アルケニル」は、本明細書中で使用する場合、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有し、2〜12個の炭素原子、好ましくは通常2〜4個の炭素原子を含む直鎖、分枝、または環状の不飽和炭化水素基、またはその組み合わせを示す。アルケニル基は、任意の適切な基(アルキル基について上記の基から選択される1つ以上の部分が含まれるが、これらに限定されない)により必要に応じて置換されている。通常、アルケニル基は、1〜3個のハロゲンにより必要に応じて置換されたエテニル(ビニル)である。好ましいアルケニル基は、この場合、2,2−ジフルオロビニルである。
【0381】
用語「アルキニル」は、本明細書中で使用する場合、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含み、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を含み、且つ、任意の適切な基(アルキル基について上記の基から選択される1つ以上の部分が含まれるが、これらに限定されない)により必要に応じて置換された直鎖、分枝、または環状の炭化水素基、またはその組み合わせを示す。好ましくは、アルキニル基は、ハロゲノアルキニル基(ハロアルキニル基)である。
【0382】
「s」、「i」、および「t」などの接頭辞によって分類される基(例えば、「i−プロピル」、「s−ブチル」)は分枝誘導体である。
【0383】
用語「アリール」を、本明細書中で使用する場合、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、アルキルチオ、C
1〜3アルキル、またはアジド、好ましくはハロゲンまたはアジドから独立して選択される1〜4個の置換基により必要に応じて置換されたフェニルと定義する。通常、アリール基は、この場合、フェニル、3−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,4,5−トリフルオロフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニル、3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル、または3−アジド−2,4,6−トリフルオロフェニルである。好ましくは、アリール基は、フェニル、3−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,4,5−トリフルオロフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニル、または3−アジド−2,4−ジフルオロフェニルである。最も好ましいアリール基は、フェニル、3−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,4,5−トリフルオロフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニル、または3−アジド−2,4−ジフルオロフェニルである。
【0384】
用語「複素環」を、本明細書中で使用する場合、炭素環構造に介在する少なくとも1個のO、S、および/またはN原子を有する上記定義の芳香族または非芳香族のシクロアルキル部分を含むと定義する。複素環部分をアルキル基、またはハロゲンにより必要に応じて置換することができ、必要に応じて、炭素環構造の炭素の1つをカルボニルに置き換えることができる。通常、複素環は、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−テトラヒドロフラニル、1H−ピロール−2−イル、1−メチル−1H−ピロール−2−イル、1H−ピラゾール−2−イル、1H−ピラゾール−3−イル、4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、3,5−ジメチル−4−イソチアジル、1H−イミダゾール−2−イル、1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル、4−メチル−1H−イミダゾール−5−イル、または2−メチル−1,3−チアゾール−4−イルである。好ましい複素環は、1H−イミダゾール−2−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、1H−ピラゾール−3−イル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、1−メチル−1H−ピロール−2−イル、1H−ピロール−2−イルである。
【0385】
用語「ハロゲン」には、本明細書中で使用する場合、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子が含まれる。通常、ハロゲンは、塩素、臭素、およびフッ素である。好ましいハロゲンは、フッ素、臭素、および塩素である。
【0386】
用語「ヒドロキシ」は、本明細書中で使用する場合、式−−OHの基を表わす。
【0387】
用語「アルコキシ」は、本明細書中で使用する場合、式−OR
a(式中、R
aは上記定義のアルキル基である)の基を表わす。好ましいアルコキシ基はメトキシである。
【0388】
用語「アリールオキシ」は、本明細書中で使用する場合、式−−OR
b(式中、R
bは上記定義のアリール基である)の基を表わす。好ましいアリールオキシ基はフェノキシである。
【0389】
用語「エステル」は、本明細書中で使用する場合、式−−COOR
c(式中、R
cは上記定義のアルキル基またはアリール基である)の基を表わす。好ましいエステル基はメトキシカルボニルである。
【0390】
用語「アミド」は、本明細書中で使用する場合、式−−CONH
2の基を表わす。
【0391】
用語「アミノ」は、本明細書中で使用する場合、式−−NH
2の基を表わす。
【0392】
用語「アミノ誘導体」は、本明細書中で使用する場合、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を示し、用語「アルキル」および「アリール」を上記の通り定義する。
【0393】
用語「シアノ」は、本明細書中で使用する場合、式−−CNの基を表わす。
【0394】
用語「ニトロ」は、本明細書中で使用する場合、式−NO
2の基を表わす。
【0395】
用語「アジド」は、本明細書中で使用する場合、式−−N
3の基を表わす。
【0396】
用語「グアニジン」は、本明細書中で使用する場合、式−−NHC(=NH)NH
2の基を表わす。
【0397】
用語「アルキルチオ」は、本明細書中で使用する場合、式−−SR
d(式中、R
dは上記定義のアルキル基である)の基を表わす。好ましいアルキルチオ基はメチルチオである。
【0398】
用語「アルキルスルホニル」は、本明細書中で使用する場合、式−−S(=O)
2R
e(式中、R
eは上記定義のアルキル基である)の基を表わす。好ましいアルキルスルホニル基はメチルスルホニルである。
【0399】
用語「アルキルスルフィニル」は、本明細書中で使用する場合、式−S(=O)R
f(式中、R
fは上記定義のアルキル基である)の基を表わす。好ましいアルキルスルフィニル基はメチルスルフィニルである。
【0400】
用語「アリールチオ」は、本明細書中で使用する場合、式−−SR
g(式中、R
gは上記定義のアリール基である)の基を表わす。
【0401】
用語「アリールスルホニル」は、本明細書中で使用する場合、式−−S(=O)
2R
h(式中、R
hは上記定義のアリール基である)の基を表わす。
【0402】
用語「アリールスルフィニル」は、本明細書中で使用する場合、式−−S(=O)R
i(式中、R
iは上記定義のアリール基である)の基を表わす。
【0403】
用語「カルバメート」は、本明細書中で使用する場合、式−−N(H)C(O)OR
j(式中、R
jは上記定義のアルキルまたはアリールである)の基を表わす。通常、カルバメート基は、(プロポキシカルボニル)アミノまたは(ベンジルオキシカルボニル)アミノである。好ましいカルバメート基は(ベンジルオキシカルボニル)アミノである。
【0404】
用語「アルカノイルアミノ」は、本明細書中で使用する場合、式−−NHC(=O)R
k(式中、R
kは上記定義のアルキル基である)の基を表わす。
【0405】
用語「(アリールカルボニル)アミノ」は、本明細書中で使用する場合、式−−NHC(=O)R
m(式中、R
mは上記定義のアリール基である)の基を表わす。好ましい(アリールカルボニル)アミノはベンゾイルアミノである。
【0406】
通常、R
1は、水素;非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、メチルチオ、フェニル、または4−クロロフェノキシにより置換されたC
1〜10アルキル;ヒドロキシ;C
3〜6シクロアルキル;ハロゲン;エステル;アミド;ニトロ;シアノ;アミノ;フェニル;アルキルチオ;アルキルスルホニル;アルキルスルフィニル;非置換であるか、アルキル基により置換された複素環;またはグアニジンである。好ましくは、R
1は、水素;メチル;エチル;i−プロピル;n−プロピル;シクロプロピル;n−ブチル;i−ブチル;t−ブチル;1−エチルプロピル;2,4,4−トリメチルペンチル;ヒドロキシメチル;クロロメチル;トリフルオロメチル;2,2,2−トリフルオロエチル;シアノメチル;2−(メチルチオ)エチル;クロロ;ブロモ;ニトロ;シアノ;アミノ;アミノカルボニル;メトキシカルボニル;メチルチオ;メチルスルフィニル;メチルスルホニル;フェニル;2−フリル;3−フリル;1H−ピロール−2−イル;1−メチル−1H−ピロール−2−イル;2−チエニル;1H−ピラゾール−3−イル;1,2,3−チアジアゾール−4−イル、または1H−イミダゾール−2−イルである。より好ましくは、R
1は、水素;メチル;エチル;i−プロピル;n−プロピル;n−ブチル;メチルチオ;ニトロ;シアノ;アミノ;クロロ、または1H−ピロール−2−イルである。最も好ましくは、R
1は、水素;メチル;メチルチオ;ニトロ;シアノ;アミノまたはクロロである。
【0407】
通常、R
2は、水素;非置換であるか、ヒドロキシ、アルカノイルアミノ、またはベンゾイルアミノにより置換されたC
1〜4アルキル;ハロゲン;エステル;シアノ;アルキルカルバメート;[(N−メトキシ−N−メチル)アミノ]カルボニルである。好ましくは、R
2は、水素;メチル;ヒドロキシメチル;(アセチルアミノ)メチル;(プロピオニルアミノ)メチル;(ベンゾイルアミノ)メチル;[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ;クロロまたはシアノである。より好ましくは、R
2は、水素;クロロまたはシアノである。
【0408】
通常、R
3は、水素;非置換であるか、ヒドロキシにより置換されたC
1〜4アルキル;ハロゲン;エステルまたはシアノである。好ましくは、R
3は、水素;ヒドロキシメチル;クロロ;シアノである。より好ましくは、R
3は水素またはシアノである。最も好ましいR
3は水素である。
【0409】
通常、R
4は、水素;非置換であるか、ハロゲンにより置換されたC
1〜4アルキル;ハロゲンにより置換されたC
2〜4アルケニル、または非置換であるか、アジドまたは/およびハロゲンにより置換されたフェニル基である。好ましくは、R
4は、水素;n−プロピル;2,2−ジフルオロビニル;フェニル;3−クロロフェニル;3−フルオロフェニル;4−クロロフェニル;4−フルオロフェニル;3,5−ジフルオロフェニル;3,4−ジフルオロフェニル;3−クロロ−4−フルオロフェニル;2,3,4−トリフルオロフェニル;2,4,5−トリフルオロフェニル;2,3,5−トリフルオロフェニル;3,4,5−トリフルオロフェニル;3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル、または3−アジド−2,4,6−トリフルオロフェニルである。より好ましくは、R
4は、水素;n−プロピル;2,2−ジフルオロビニル;フェニル;3−クロロフェニル;3−フルオロフェニル;4−クロロフェニル;4−フルオロフェニル;3,5−ジフルオロフェニル;3,4−ジフルオロフェニル;3−クロロ−4−フルオロフェニル;2,3,4−トリフルオロフェニル;2,4,5−トリフルオロフェニル;2,3,5−トリフルオロフェニル;3,4,5−トリフルオロフェニル、または3−アジド−2,4−ジフルオロフェニルである。最も好ましくは、R
4は、n−プロピル;2,2−ジフルオロビニル;フェニル;3−クロロフェニル;3−フルオロフェニル;3,5−ジフルオロフェニル;2,3,4−トリフルオロフェニル;2,4,5−トリフルオロフェニル;2,3,5−トリフルオロフェニル;3,4,5−トリフルオロフェニル、または3−アジド−2,4−ジフルオロフェニルである。
【0412】
通常、R
6は、水素または非置換であるか、ヒドロキシまたはアジドにより置換されたC
1〜10アルキルである。好ましくは、R
6は、水素またはアジドメチルである。より好ましくは、R
6は、水素である。
【0414】
他の好ましい実施形態では、R
6およびR
7が結合してシクロプロピルを形成する。
【0415】
他の好ましい実施形態では、R
2およびR
3は、イミダゾール環と一緒になって、以下:
【0416】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
【0417】
の1H−ベンゾイミダゾール環を形成することができる。
【0419】
通常、R
9は、水素;ハロゲン;C
1〜3アルキルまたはアルコキシである。好ましくは、R
9は、水素;メチル;クロロまたはメトキシである。より好ましいR
9は水素である。
【0420】
通常、R
10は、水素;ハロゲン;シアノ;非置換であるか、ハロゲンにより置換されたC
1〜3アルキル;またはアルコキシである。好ましくは、R
10は、メチル;水素;トリフルオロメチル;フルオロ;シアノ、またはメトキシである。より好ましいR
10は、水素;トリフルオロメチル;フルオロまたはシアノである。
【0422】
他の好ましい実施形態では、R
4、R
4a、およびR
5が、2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下:
【0423】
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
【0424】
の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成することができる。
【0425】
通常、R
12は、水素またはハロゲンである。好ましくは、R
12は、水素;クロロまたはフルオロである。より好ましいR
12は、水素である。
【0426】
通常、R
13は、水素;C
1〜3アルキル;ハロゲン、または非置換であるか、アルキル基により置換されたチアゾリル(メチルチアゾリルなど)である。好ましくは、R
13は、水素;クロロ;ブロモまたはメチルである。最も好ましいR
13は、クロロ;ブロモまたはメチルである。
【0429】
1つ以上のこれらの好ましい化合物基の組み合わせが特に好ましい。
【0430】
一般に、実施形態のうち、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、以下である:
R
1は、水素;非置換であるか、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、メチルチオ、フェニル、または4−クロロフェノキシにより置換されたC
1〜10アルキル;C
3〜6シクロアルキル;ハロゲン;エステル;アミド;ニトロ;シアノ;アミノ;フェニル;アルキルチオ;アルキルスルホニル;アルキルスルフィニル;非置換であるか、アルキル基により置換された複素環;またはグアニジンから選択され、
R
2は、水素;非置換であるか、ヒドロキシ、アルカノイルアミノ、またはベンゾイルアミノにより置換されたC
1〜4アルキル;ハロゲン;エステル;シアノ;アルキルカルバメート、または[(N−メトキシ−N−メチル)アミノ]カルボニルから選択され、
R
3は、水素;非置換であるか、ヒドロキシにより置換されたC
1〜4アルキル;ハロゲン;エステルまたはシアノから選択され、
R
4は、水素;非置換であるか、ハロゲンにより置換されたC
1〜4アルキル;ハロゲンにより置換されたC
2〜4アルケニルまたは非置換であるか、アジドまたは/およびハロゲンにより置換されたフェニル基から選択され、
R
4aは、水素であり、
R
5は、水素であり、
R
6は、水素または非置換であるか、ヒドロキシまたはアジドにより置換されたC
1〜10アルキルから選択され、
R
7は、水素であるか、
R
6およびR
7は結合してシクロプロピルを形成することができるか、
R
2およびR
3は、イミダゾール環一緒になって、以下:
【0431】
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
【0432】
の1H−ベンゾイミダゾール環を形成することができ、
R
8は、水素であり、
R
9は、水素;ハロゲン;C
1〜3アルキル;アルコキシから選択され、
R
10は、水素;ハロゲン;非置換であるか、ハロゲンにより置換されたシアノまたはC
1〜3アルキル;またはアルコキシから選択され、
R
11は、水素であるか、
R
4、R
4a、およびR
5は、2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下:
【0433】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
【0434】
の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成することができ、
R
12は、水素またはハロゲンから選択され、
R
13は、水素;C
1〜3アルキル;ハロゲン;非置換であるか、アルキル基により置換されたチアゾリル(メチルチアゾリルなど)から選択され、
R
14は、水素であり、
R
15は、水素であり、
但し、
【0435】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0437】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0438】
の基を表わす場合にR
4は水素と異なる。
【0439】
好ましい実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、以下である:
R
1は、水素;メチル;エチル;i−プロピル;n−プロピル;シクロプロピル;n−ブチル;i−ブチル;t−ブチル;1−エチルプロピル;2,4,4−トリメチルペンチル;トリフルオロメチル;2,2,2−トリフルオロエチル;ヒドロキシメチル;クロロメチル;シアノメチル;2−(メチルチオ)エチル;クロロ;ブロモ;ニトロ;シアノ;アミノ;アミノカルボニル;メトキシカルボニル;メチルチオ;メチルスルフィニル;メチルスルホニル;フェニル;2−フリル;3−フリル;1H−ピロール−2−イル;1−メチル−1H−ピロール−2−イル;2−チエニル;1H−ピラゾール−3−イル;1,2,3−チアジアゾール−4−イル;または1H−イミダゾール−2−イルから選択され、
R
2は、水素;メチル;ヒドロキシメチル;(アセチルアミノ)メチル;(プロピオニルアミノ)メチル;(ベンゾイルアミノ)メチル;(ベンジルオキシカルボニル)アミノ;クロロ;またはシアノから選択され、
R
3は、水素;ヒドロキシメチル;クロロ;シアノから選択されるか、
R
2およびR
3は、イミダゾール環と一緒になって、以下:
【0440】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0441】
の1H−ベンゾイミダゾール環を形成することができ、
R
8は、水素であり、
R
9は、水素;メチル;クロロ(choro);メトキシから選択され、
R
10は、メチル;水素;トリフルオロメチル;フルオロ;シアノ;またはメトキシから選択され、
R
11は、水素であり、
R
4は、水素;n−プロピル;2,2−ジフルオロビニル;フェニル;3−クロロフェニル;3−フルオロフェニル;4−クロロフェニル;4−フルオロフェニル;3,5−ジフルオロフェニル;3,4−ジフルオロフェニル;3−クロロ−4−フルオロフェニル;2,3,4−トリフルオロフェニル;2,4,5−トリフルオロフェニル;2,3,5−トリフルオロフェニル;3,4,5−トリフルオロフェニル;3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル;または3−アジド−2,4,6−トリフルオロフェニルから選択され、
R
4aは水素であり、R
5は水素であるか、
R
4、R
4a、およびR
5は、2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下:
【0442】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0443】
の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成することができ、
R
12は、水素;クロロ;フルオロから選択され、
R
13は、水素;クロロ;ブロモ;メチルから選択され、
R
14は、水素であり、
R
15は、水素であり、
R
6は、水素;アジドメチルから選択され、
R
7は、水素であるか、
R
6およびR
7は、結合してシクロプロピルを形成し、
但し、
【0444】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0446】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【0447】
の基を表わす場合にR
4は水素と異なる。
【0448】
より好ましい実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、以下である:
R
1は、水素;メチル;エチル;i−プロピル;n−プロピル;n−ブチル;メチルチオ;ニトロ;シアノ;アミノ;クロロ;または1H−ピロール−2−イルから選択され、
R
2は、水素;クロロ;シアノから選択され、
R
3は、水素;シアノから選択されるか、
R
2およびR
3は、イミダゾール環と一緒になって、以下:
【0449】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【0450】
の1H−ベンゾイミダゾール環を形成することができ、
R
8は、水素であり、
R
9は、水素であり、
R
10は、水素;トリフルオロメチル;フルオロ;シアノから選択され、
R
11は、水素であり、
R
4は、水素;n−プロピル;2,2−ジフルオロビニル;フェニル;3−クロロフェニル;3−フルオロフェニル;4−クロロフェニル;4−フルオロフェニル;3,5−ジフルオロフェニル;3,4−ジフルオロフェニル;3−クロロ−4−フルオロフェニル;2,3,4−トリフルオロフェニル;2,4,5−トリフルオロフェニル;2,3,5−トリフルオロフェニル;3,4,5−トリフルオロフェニル;または3−アジド−2,4−ジフルオロフェニルから選択され、
R
4aは、水素であり、
R
5は、水素であるか、
R
4、R
4a、およびR
5は、2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下:
【0451】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
【0452】
の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成することができ、
R
12は、水素であり、
R
13は、メチル;クロロ;ブロモから選択され、
R
14は、水素であり、
R
15は、水素であり、
R
6は、水素であり、
R
7は、水素であり、
但し、
【0453】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0455】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【0456】
の基を表わす場合にR
4は水素と異なる。
【0457】
最も好ましい実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、以下のものである:
R
1は、水素;メチル;メチルチオ;ニトロ;シアノ;アミノ;クロロから選択され、
R
2は、水素;クロロ;シアノから選択され、
R
3は、水素であり、
R
4は、n−プロピル;2,2−ジフルオロビニル;フェニル;3−クロロフェニル;3−フルオロフェニル;3,5−ジフルオロフェニル;2,3,4−トリフルオロフェニル;2,4,5−トリフルオロフェニル;2,3,5−トリフルオロフェニル;3,4,5−トリフルオロフェニル;3−アジド−2,4−ジフルオロフェニルから選択され、
R
4aは、水素であり、
R
5は、水素であるか、
R
4、R
4a、およびR
5は、2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下:
【0458】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0459】
の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成することができ、
R
12は、水素であり、
R
13は、クロロ;ブロモ;メチルから選択され、
R
14は、水素であり、
R
15は、水素であり、
R
6は、水素であり、
R
7は、水素である。
【0460】
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物で有用な化合物は、以下からなる群から選択される:1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;4−(3−アジド−2,4,6−トリフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;(−)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−−オン;(+)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−[(2−エチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−イソプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−[(2−プロピル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;(+)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;(−)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3−クロロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−{[2−(メチルチオ)−1H−イミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[2−(メチルスルフィニル)−1H−イミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−tert−ブチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[1−(1H−イミダゾール−1−イル)シクロプロピル]ピロリジン−2−オン;1−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−フェニルピロリジン−2−オン;1−{[2−(メチルスルホニル)−1H−イミダゾール−1−イル]メチル}−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド、4−(4−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;4−(3−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(4−クロロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−{[2−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−2−カルボン酸メチル;1−[(2−ニトロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−2−カルボニトリル;1−[(2−アミノ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2,4−ジクロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−[(5−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−−2−オン;1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;
(+)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;(−)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;1−{[2−オキソ−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;(−)−1−{[2−オキソ−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;(+)−1−{[2−オキソ−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;(−)−1−{[2−オキソ−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;(+)−1−{[2−オキソ−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−1−ピロリジニル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;(−)−1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;(+)−1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;(+)−1−{[2−オキソ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;(−)−1−{[2−オキソ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;(−)−1−{[2−オキソ−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;(−)−1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;1−{[2−オキソ−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−−カルボニトリル;1−{[2−オキソ−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−−カルボニトリル;1−[(5−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(5−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−エチル−5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−−2−オン;1−[2−アジド−1−(1H−イミダゾール−1−イル)エチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(4−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−−2−オン;1−[(2−ブロモ−4,5−ジクロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;(+)−1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;1−{[5−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−イルカルバミン酸ベンジル;N−[(1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アセトアミド;N−[(1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]ベンズアミド;N−[(1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]プロパンアミド;1−(1H−ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−[(2−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;1−[(2−イソプロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−{[2−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}ピロリジン−2−−オン;1−{[2−(メチルチオ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−−オン;1−[(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[2−(クロロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;{1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}アセトニトリル;1−[(5−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン−;1−[(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[2−イソプロピル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピル−ピロリジン−2−オン;1−[(6−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−2−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル;1−{[2−エチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−{[2−(1H−ピロール−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}ピロリジン−2−−オン;1−[(5−フルオロ−2−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−−2−オン;1−{[6−メチル−2−(1H−ピロール−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(6−メトキシ−2−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−−オン;2−ブチル−1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−−カルボニトリル;1−{[2−[2−(メチルチオ)エチル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(5−フルオロ−2−イソブチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−−オン;1−{[5−フルオロ−2−(2,4,4−トリメチルペンチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−−4−プロピルピロリジン−2−オン;2−シクロプロピル−1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−−5−カルボニトリル;1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−2−(1H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル;1−[(2−シクロプロピル−5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(5−フルオロ−2−イソプロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[2−(3−フリル)−6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−−2−オン;1−[(2−シクロプロピル−6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−イソプロピル−6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−−2−オン;1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−2−(1,2,3−チアジアゾール−4−イル−)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル;1−{[2−(1H−イミダゾール−2−イル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[5−フルオロ−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[2−(1−エチルプロピル)−6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[6−メトキシ−2−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[2−(2−フリル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピル−ピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−{[2−チエン−2−イル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル−}ピロリジン−2−オン;1−{[2−(3−フリル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピル−ピロリジン−2−オン;1−{[2−シクロプロピル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−{[2−(1H−ピロール−2−イル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−メチル}ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;5−ブロモ−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;5−クロロ−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;4−フルオロ−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;4−クロロ−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−5−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;1−[(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;および1−[(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル。
【0461】
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物で有用な化合物は、以下からなる群から選択される:1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン、1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;(−)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−−オン;(+)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−[(2−エチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−イソプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−[(2−プロピル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;(+)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;(−)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3−クロロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−{[2−(メチルチオ)−1H−イミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−フェニルピロリジン−2−オン;4−(4−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;4−(3−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(4−クロロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−[(2−ニトロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−−2−オン;1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−2−カルボニトリル;1−[(2−アミノ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(5−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−−2−オン;1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−−カルボニトリル;(+)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;(−)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;(+);1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−−カルボニトリル;1−[(2−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−−2−オン;1−[2−アジド−1−(1H−イミダゾール−1−イル)エチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;(+)−1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−2−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル;1−{[2−エチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−{[2−(1H−ピロール−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}ピロリジン−2−−オン;1−[(5−フルオロ−2−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−−2−オン;2−ブチル−1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−−5−カルボニトリル;1−[(5−フルオロ−2−イソプロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;5−ブロモ−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;5−クロロ−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−5−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;1−[(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル。
【0462】
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物で有用な化合物は、以下からなる群から選択される:1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;(−)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−−オン;(+)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3−クロロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−{[2−(メチルチオ)−1H−イミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−フェニルピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;4−(3−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−[(2−ニトロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−−2−オン;1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−2−カルボニトリル;1−[(2−アミノ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(5−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−−2−オン;(+)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;(−)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;1−[(2−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−−2−オン;1−[(2−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;(+)−1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;5−ブロモ−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;5−クロロ−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−5−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;1−[(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル。
【0463】
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物で有用な化合物は、以下からなる群から選択される:(−)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−−オン;(+)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン。
【0464】
v)国際特許出願WO2007/065595号:
式I:
【0465】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
【0466】
(式中、
R
1は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
2は、水素またはC
1〜4アルキルであり、
R
3は、式−CHR
5R
6の基またはベンジル基であり、
R
4は、アルコキシカルボニル、C3〜6シクロアルキル、アリール、または複素環により必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルであり、
R
5は、C2〜4アルキルであり、
R
6は、C2〜4アルキル、アミド、または−COOR
7であり、
R
7は、C1〜4アルキルである)を有する化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、およびその混合物(立体異性体の全ての可能な混合物が含まれる)、またはその薬学的に受容可能な塩。
【0467】
通常、R
3がベンジル基である場合、R
4はアルコキシカルボニルにより必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルである。
【0468】
通常、R
3が式−CHR
5R
6の基である場合、R
4は、C
3〜6シクロアルキル、アリール、または複素環により必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルである。
【0469】
用語「アルキル」は、本明細書中で使用する場合、直鎖(非分枝)、分枝部分、またはその組み合わせを有し、且つ、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を含む1価の飽和炭化水素基を示す基であり、より好ましくは、アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する。アルキル部分を、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、エチニル、アルコキシカルボニル、アシル、アリール、または複素環からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基により必要に応じて置換することができる。アルキル部分を、以下に定義のシクロアルキルにより必要に応じて置換することができる。好ましいアルキル基は、メチル、シアノメチル、エチル、2−エトキシ−2−オキソエチル、2−メトキシエチル、n−プロピル、2−オキソプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−プロピニル、n−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、3−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルメチル、ベンジル、2−ブロモベンジル、3−ブロモベンジル、4−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、3−アミノベンジル、4−(アミノスルホニル)ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル、または(5−ニトロ−2−フリル)メチルである。より好ましいアルキル基は、メチル、エチル、シアノメチル、2−メトキシエチル、n−プロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−プロピニル、n−ブチル、3−ペンチル、n−ヘキシル、ベンジル、3−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、3−アミノベンジル、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル、または(5−ニトロ−2−フリル)メチルである。最も好ましいアルキル基は、メチル、エチル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、または(5−ニトロ−2−フリル)メチルである。
【0470】
用語「シクロアルキル」は、本明細書中で使用する場合、任意の適切な基(アルキル基について上記の基から選択される1つ以上の部分が含まれるが、これらに限定されない)により置換することができる飽和環式炭化水素から誘導される3〜8個、好ましくは3〜6個の炭素原子の1価の基を表わす。好ましいシクロアルキル基はシクロヘキシルである。
【0471】
用語「アリール」を、本明細書中で使用する場合、ハロゲン、アミノ、ニトロ、アルコキシ、またはアミノスルホニルから独立して選択される1〜4個の置換基により必要に応じて置換されたフェニル基と定義する。好ましいアリール基は、フェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、3−メトキシフェニル、3−ニトロフェニル、3−アミノフェニル、または4−(アミノスルホニル)フェニルである。
【0472】
用語「フェニル」は、本明細書中で使用する場合、式−C
6H
5の芳香族炭化水素基を示す。
【0473】
用語「ベンジル基」は、本明細書中で使用する場合、式−CH
2−アリールの基を表わす。好ましいベンジル基は、ベンジル、2−ブロモベンジル、3−ブロモベンジル、4−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、3−アミノベンジル、または4−(アミノスルホニル)ベンジルである。より好ましいベンジル基は、ベンジル、3−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、または3−アミノベンジルである。最も好ましいアルキル基は、3−メトキシベンジルまたは3−ニトロベンジルである。
【0474】
用語「ハロゲン」は、本明細書中で使用する場合、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示す。好ましいハロゲンは臭素である。
【0475】
用語「ヒドロキシ」は、本明細書中で使用する場合、式−OHの基を表わす。
【0476】
用語「シアノ」は、本明細書中で使用する場合、式−CNの基を表わす。
【0477】
用語「アミノ」は、本明細書中で使用する場合、式−NH
2の基を表わす。
【0478】
用語「エチニル」は、本明細書中で使用する場合、式−C≡CHの基を表わす。
【0479】
用語「アルコキシ」は、本明細書中で使用する場合、式−OR
a(式中、R
aは上記定義のアルキル基である)の基を表わす。好ましいアルコキシ基はメトキシである。
【0480】
用語「ニトロ」は、本明細書中で使用する場合、式−NO
2の基を表わす。
【0481】
用語「アミド」は、本明細書中で使用する場合、式−C(=O)NH2の基を表わす。
【0482】
用語「アシル」は、本明細書中で使用する場合、式−C(=O)R
b(式中、R
bは上記定義のアルキル基である)の基を表わす。好ましいアシル基はアセチル(−C(=O)Me)である。
【0483】
用語「アルコキシカルボニル(またはエステル)」は、本明細書中で使用する場合、式−COOR
c(式中、R
cはアルキル基であり、但し、R
cはヒドロキシによりα−置換されたアルキルを示さない)の基を表わす。好ましいアルコキシカルボニル基はエトキシカルボニルである。
【0484】
用語「複素環」は、本明細書中で使用する場合、OまたはNから選択される1個または2個のヘテロ原子を含む5員環を示す。複素環を、1個または2個のC
1〜4アルキルまたはニトロにより置換することができる。好ましい複素環は、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)または(5−ニトロ−2−フリル)である。最も好ましい複素環は(5−ニトロ−2−フリル)である。
【0485】
一般に、R
1は水素またはC
1〜6アルキルである。通常、R
1は、水素、またはヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、エチニル、アルコキシカルボニル、またはアシルにより必要に応じて置換されたC
1〜6アルキルである。好ましくは、R
1は、水素、メチル、シアノメチル、2−エトキシ−2−オキソエチル、2−メトキシエチル、n−プロピル、2−オキソプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−プロピニル、n−ペンチル、またはn−ヘキシルである。より好ましくは、R
1は、水素、メチル、シアノメチル、2−メトキシエチル、n−プロピル、3−ヒドロキシプロピル、または2−プロピニルである。最も好ましくは、R
1は水素である。
【0486】
一般に、R
2は水素またはC
1〜4アルキルである。通常、R
2は水素または非置換C
1〜4アルキルである。好ましくは、R
2は、水素、メチル、またはn−ブチルである。より好ましくは、R
2はメチルである。
【0487】
一般に、R
3は、式−CHR
5R
6の基またはベンジル基である。好ましくは、R
3は、3−ペンチル、1−(アミノカルボニル)プロピル、1−(エトキシカルボニル)プロピル、または3−ブロモベンジルである。最も好ましくは、R
3は1−(エトキシカルボニル)プロピルである。
【0488】
一般に、R
4は、アルコキシカルボニル、C
3〜6シクロアルキル、アリール、または複素環により必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルである。通常、R
4は、シクロヘキシル、フェニル、ブロモフェニル、アミノフェニル、メトキシフェニル、ニトロフェニル、アミノスルホニルフェニル、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、5−ニトロ−2−フリル、またはエトキシカルボニルにより必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルである。好ましくは、R
4は、n−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルメチル、ベンジル、2−ブロモベンジル、3−ブロモベンジル、4−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、3−アミノベンジル、4−(アミノスルホニル)ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル、(5−ニトロ−2−フリル)メチル、または1−(エトキシカルボニル)プロピルである。より好ましくは、R
4は、n−ブチル、n−ヘキシル、ベンジル、3−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、3−アミノベンジル、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル、(5−ニトロ−2−フリル)メチル、または1−(エトキシカルボニル)プロピルである。最も好ましくは、R
4は、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、または(5−ニトロ−2−フリル)メチルである。
【0489】
一般に、R
5は、C
2〜4アルキルである。通常、R
5は、非置換C
2〜44アルキルである。好ましくは、R
5は、エチルである。
【0490】
一般に、R
6は、C
2〜4アルキル、アミド、または−COOR
7である。通常、R
6は、非置換C
2〜4アルキル、アミド、または−COOR
7である。好ましくは、R
6は、エチル、アミド、またはエトキシカルボニルである。最も好ましくは、R
6はエトキシカルボニルである。
【0491】
一般に、R
7は、C
1〜4アルキルである。通常、R
7は、非置換C
1〜4アルキルである。好ましくは、R
7は、エチルである。
【0492】
いくつかの実施形態では、化合物は、式I:
【0493】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
【0494】
(式中、
R
1は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、エチニル、アルコキシカルボニル、またはアシルにより必要に応じて置換されたC
1〜6アルキルであり、
R
2は、水素または非置換C
1〜4アルキルであり、
R
3は、式−CHR
5R
6の基またはベンジル基であり、
R
4は、シクロヘキシル、フェニル、ブロモフェニル、アミノフェニル、メトキシフェニル、ニトロフェニル、アミノスルホニルフェニル、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、5−ニトロ−2−フリル、またはエトキシカルボニルにより必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルであり、
R
5は、非置換C
2〜4アルキルであり、
R
6は、非置換C
2〜4アルキル、アミド、または−COOR
7であり、
R
7は、非置換C
1〜4アルキルであり、
但し、R
1が水素であり、R
2がメチルであり、R
3が−CHR
5R
6であり、R
6がエトキシカルボニルであり、且つR
5がエチルである場合、R
4は、n−プロピル、i−プロピル、n−ペンチル、n−ヘプチル、3−ブロモベンジル、4−クロロベンジル、4−メチルベンジル、または2−フェニルエチルと異なる)を有する化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、およびその混合物(立体異性体の全ての可能な混合物が含まれる)、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0495】
上記実施形態では、好ましくは、R
3がベンジル基である場合、R
4はアルコキシカルボニルにより必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルである。
【0496】
上記実施形態では、好ましくは、R
3が式−CHR
5R
6の基である場合、R
4は、C
3〜6シクロアルキル、アリール、または複素環により必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルである。
【0497】
好ましい実施形態では、
R
1は、水素、メチル、シアノメチル、2−エトキシ−2−オキソエチル、2−メトキシエチル、n−プロピル、2−オキソプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−プロピニル、n−ペンチル、またはn−ヘキシルであり、
R
2は、水素、メチル、またはn−ブチルであり、
R
3は、3−ペンチル、1−(アミノカルボニル)プロピル、1−(エトキシカルボニル)プロピル、または3−ブロモベンジルであり、
R
4は、n−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルメチル、ベンジル、2−ブロモベンジル、3−ブロモベンジル、4−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、3−アミノベンジル、4−(アミノスルホニル)ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル、(5−ニトロ−2−フリル)メチル、または1−(エトキシカルボニル)プロピルであり、
但し、R
1が水素であり、R
2がメチルであり、且つR
3が1−(エトキシカルボニル)プロピルである場合、R
4はn−ペンチル、3−ブロモベンジル、または2−フェニルエチルと異なる。
【0498】
上記実施形態では、好ましくは、R
3が3−ブロモベンジルである場合、R
4はアルコキシカルボニルにより必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルである。
【0499】
上記実施形態では、好ましくは、R
3が3−ペンチル、1−(アミノカルボニル)プロピル、または1−(エトキシカルボニル)プロピルである場合、R
4は、1−(エトキシカルボニル)プロピルと異なる。
【0500】
より好ましい実施形態では、
R
1は、水素、メチル、シアノメチル、2−メトキシエチル、n−プロピル、3−ヒドロキシプロピル、または2−プロピニルであり、
R
2は、メチルであり、
R
3は、3−ペンチル、1−(アミノカルボニル)プロピル、1−(エトキシカルボニル)プロピル、または3−ブロモベンジルであり、
R
4は、n−ブチル、n−ヘキシル、ベンジル、3−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、3−アミノベンジル、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル、(5−ニトロ−2−フリル)メチル、または1−(エトキシカルボニル)プロピルであり、
但し、R
1が水素であり、R
2がメチルであり、且つR
3が1−(エトキシカルボニル)プロピルである場合、R
4は3−ブロモベンジルと異なる。
【0501】
上記実施形態では、好ましくは、R
3が3−ブロモベンジルである場合、R
4は1−(エトキシカルボニル)プロピルであり;
上記実施形態では、好ましくは、R
3が3−ペンチル、1−(アミノカルボニル)プロピルまたは1−(エトキシカルボニル)プロピルである場合、R
4は1−(エトキシカルボニル)プロピルと異なり;
最も好ましい実施形態では、R
1は水素であり、R
2はメチルであり、R
3は1−(エトキシカルボニル)プロピルであり、R
4は3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、または(5−ニトロ−2−フリル)メチルである。
【0502】
さらなる実施形態は、R
2はメチルであり、R
3は式−CHR
5R
6の基であり、R
5はC
2〜4アルキルであり、R
6はアミドまたは−COOR
7であり、R
7はメチルまたはエチルである化合物にある。
【0503】
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物で有用な化合物は、以下からなる群から選択される:2−[(7−ベンジル−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1−(2−メトキシエチル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(2−ブロモベンジル)−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1−(シアノメチル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−1−プロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−1−(2−オキソプロピル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−1−(2−プロピニル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−メトキシベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[3−メチル−7−(3−ニトロベンジル)−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−アミノベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−({7−[4−(アミノスルホニル)ベンジル]−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル}チオ)ブタン酸エチル;2−{[7−(4−ブロモベンジル)−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−7−(1−フェニルエチル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−7−(2−フェニルエチル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−({7−[(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル]−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル}チオ)ブタン酸エチル;2−({3−メチル−7−[(5−ニトロ−2−フリル)メチル]−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル}チオ)ブタン酸エチル;2−[(7−ブチル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−[(1,7−ジヘキシル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−[(7−ヘキシル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−[(3−メチル−2,6−ジオキソ−1,7−ジペンチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタンアミド;2−[(7−ブチル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタンアミド;7−(3−ブロモベンジル)−8−[(1−エチルプロピル)チオ]−3−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン;2−{8−[(3−ブロモベンジル)チオ]−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−7H−プリン−7−イル}ブタン酸エチル;および2−[(7−イソブチル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル。
【0504】
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物で有用な化合物は、以下からなる群から選択される:2−[(7−ベンジル−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1−(2−メトキシエチル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1−(シアノメチル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−1−プロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−1−(2−プロピニル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−メトキシベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[3−メチル−7−(3−ニトロベンジル)−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−アミノベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−({7−[(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル]−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル}チオ)ブタン酸エチル;2−({3−メチル(methyi)−7−[(5−ニトロ−2−フリル)メチル]−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル}チオ)ブタン酸エチル;2−[(7−ブチル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−[(7−ヘキシル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタンアミド;7−(3−ブロモベンジル)−8−[(1−エチルプロピル)チオ]−3−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン;および2−{8−[(3−ブロモベンジル)チオ]−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−7H−プリン−7−イル}ブタン酸エチル。
【0505】
いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物で有用な化合物は、以下からなる群から選択される:2−{[7−(3−メトキシベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[3−メチル−7−(3−ニトロベンジル)−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;および2−({3−メチル−7−[(5−ニトロ−2−フリル)メチル]−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル}チオ)ブタン酸エチル。
【0506】
いくつかの実施形態において、これらの化合物は、式II:
【0507】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
【0508】
を有する化合物、これらのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物(立体異性体の全ての可能な混合物を含む)、または薬学的に受容可能な塩であり、式IIにおいて、R
1は、水素またはC
1〜6アルキルであり;
R
2は、水素またはC
1〜4アルキルであり;
R
3は、式−−CHR
5R
6の基またはベンジル基であり;
R
4は、アルコキシカルボニル、C
3〜6シクロアルキル、アリールまたは複素環;
R
5は、水素またはC
1〜4アルキルにより必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルであり;
R
6は、C
1〜4アルキル、アミドまたは−−COOR
7であり;
R
7は、C
1〜4アルキルであり;
上記実施形態において、いくつかの場合において、R
3がベンジル基である場合、R
4は、アルコキシカルボニルにより必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルである。
【0509】
上記実施形態において、いくつかの場合において、R
3が式−−CHR
5R
6の基である場合、R
4は、C
3〜6シクロアルキル、アリールまたは複素環により必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルである。
【0510】
いくつかの実施形態において、これらの化合物は、式II:
【0511】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
【0512】
の化合物、これらのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物(立体異性体の全ての可能な混合物を含む)、または薬学的に受容可能な塩であり、式IIにおいて、
R
1は、水素またはC
1〜6アルキルであり;
R
2は、水素またはC
1〜4アルキルであり;
R
3は、式−−CHR
5R
6の基またはベンジル基であり;
R
4は、アルコキシカルボニル、C
3〜6シクロアルキル、アリールまたは複素環により必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルであり;
R
5は、水素またはC
1〜4アルキルであり;
R
6は、C
1〜4アルキル、アミドまたは−−COOR
7であり;
R
7は、C
1〜4アルキルである。
【0513】
いくつかの実施形態において、これらの化合物は、2−[(7−ヘプチル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−8−(プロピルチオ)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,−6−ジオン;2−[(3−メチル−2,6−ジオキソ−7−ペンチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル−]チオ}ブタン酸エチル;2−[(3−メチル−2,6−ジオキソ−7−プロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;7−(3−ブロモベンジル)−8−[(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)チオ]−3−メチル−3,7−−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン;および2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル−]チオ}プロパン酸エチルから選択される、式IIの化合物である。
【0514】
いくつかの実施形態において、これらの化合物は、式I:
【0515】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0516】
の化合物、これらのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物(立体異性体の全ての可能な混合物を含む)、または薬学的に受容可能な塩であり、式Iにおいて、
R
1は、水素またはC
1〜6アルキルであり;
R
2は、水素またはC
1〜4アルキルであり;
R
3は、式−−CHR
5R
6の基またはベンジル基であり;
R
4は、アルコキシカルボニル、C
3〜6シクロアルキル、アリールまたは複素環により必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルであり;
R
5は、C
2〜4アルキルであり;
R
6は、C
2〜4アルキル、アミドまたは−−COOR
7であり;
R
7は、C
1〜4アルキルである。
【0517】
別の実施形態において、これらの化合物は、式II:
【0518】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0519】
を有する化合物、これらのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物(立体異性体の全ての可能な混合物を含む)、またはその薬学的に受容可能な塩であり、式IIにおいて、
R
1は、水素またはC
1〜6アルキルであり;
R
2は、水素またはC
1〜4アルキルであり;
R
3は、式−−CHR
5R
6の基またはベンジル基であり;
R
4は、アルコキシカルボニル、C
3〜6シクロアルキル、アリールまたは複素環により必要に応じて置換されたC
1〜8アルキルであり;
R
5は、水素またはC
1〜4アルキルであり;
R
6は、C
1〜4アルキル、アミドまたは−−COOR
7であり;
R
7は、C
1〜4アルキルである。
【0520】
vi)国際特許出願公開番号WO2010/144712
1つの実施形態において、式1または式2のLEV誘導体を含む化合物が開示される。
【0521】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0522】
式2のn、ならびに式1および2のL、X、およびYは、以下のように定義される:a)nは、0〜8の値を有する整数であり;b)Lは、CH2、CO、NHCO、NHCOO、CONH、NH、O、またはS、およびこれらの組み合わせからなる群のうちの1つであり;c)Xは、末端基、芳香族基、アリール基、または飽和、不飽和、置換、非置換、直鎖、もしくは分枝鎖の、1個〜10個の炭素原子および/もしくはヘテロ鎖原子を有する脂肪族基であり、このヘテロ鎖原子は、酸素、窒素、硫黄、またはリン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;そしてd)Yは任意であり、そして存在する場合、アルコール アミン、アミド、カルボン酸、アルデヒド、エステル、イミノエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、無水物、チオール、チオールアセトン、ジアゾニウム、NHS、CO−NHS、O−NHS、マレイミドからなる群より選択される官能基のうちの1つであるか;あるいはe)YはYi−Zであり、ここでYiは、COO、CO、O、CONH、NHCO、またはNHからなる群より選択され、そしてZは、作用基(operative group)である。
【0523】
方法の1つの実施形態において、Zの作用基は、検出可能な標識、抗原キャリア、カップリング剤、末端基、タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、ポリペプチド、多糖類、核酸、ポリヌクレオチド、テイコ酸、放射性同位体、酵素、酵素フラグメント、酵素ドナーフラグメント、酵素アクセプターフラグメント、酵素基質、酵素インヒビター、補酵素、蛍光部分、リン光部分、反ストークス上方調節部分、化学発光部分、ルミネッセンス部分、色素、感作剤、粒子、微粒子、磁性粒子、固体支持体、リポソーム、リガンド、レセプター、ハプテン放射性同位体、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0524】
vii)国際特許出願公開番号WO2010/002869
本発明は、式I:
【0525】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【0526】
の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、式Iにおいて:各Zは独立して、水素およびジュウテリウムから選択され;R1は、0個〜7個のジュウテリウム原子を有するn−プロピル基であり;R2は、0個〜5個のジュウテリウム原子を有するエチル基であり、そして各Rが0個のジュウテリウム原子を有する場合、少なくとも1個のZはジュウテリウムである。
【0527】
本発明の1つの実施形態は、R1がCD3CH2CH2−、CD3CD2CH2−、CD3CH2CD2−、CH3CH2CD2−、CH3CD2CD2−、CD3CD2CD2−またはCH3CH2CH2−から選択される、式Iの化合物を提供する。より特定の1つの実施形態において、R1は、CD3CD2CD2−またはCD3CD2CH2−である。これらの実施形態の1つの局面において、Z1およびZ2は両方とも水素である。これらの実施形態の別の局面において、Z1およびZ2は両方ともジュウテリウムである。
【0528】
別の実施形態において、R2は、CH3CH2−、CD3CH2−、CH3CD2−、またはCD3CD2−から選択される。より特定の1つの実施形態において、R2は、CH3CH2−またはCD3CD2−から選択される。これらの実施形態の1つの局面において、Z1およびZ2は両方とも水素である。これらの実施形態の別の局面において、Z1およびZ2は両方ともジュウテリウムである。
【0529】
上記のようなRおよびZの可変物は、本発明のより特定の実施形態を提供するように、選択され得、そして一緒にされ得る。例えば、1つの実施形態において、R1は、CD3CH2CH2−、CD3CD2CH2−、CD3CH2CD2−、CH3CH2CD2−、CH3CD2CD2−、CD3CD2CD2−またはCH3CH2CH2−であり;そしてR2は、CH3CH2−、CD3CH2−、CH3CD2−、またはCD3CD2−から選択される。この実施形態の1つの局面において、R2は、CH3CH2−またはCD3CD2−である。[0039]別の実施形態において、R1は、CD3CD2CD2−またはCD3CD2CH2−であり;そしてR2は、CH3CH2−、CD3CH2−、CH3CD2−、またはCD3CD2−から選択される。この実施形態の1つの局面において、R2は、CH3CH2−またはCD3CD2−である。
【0530】
本発明の特定の化合物の例としては、以下のものが挙げられる:
【0531】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
【0532】
viii)20090312333
本発明の化合物は、式(I)により網羅される化合物、これらのジアステレオマーおよび混合物、またはこれらの薬学的に受容可能な塩である。
【0533】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
【0534】
R1は、水素、置換もしくは非置換のC1〜12アルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の3員〜8員複素環である。
【0535】
R2は水素である。あるいは、R1およびR2は、C3〜6シクロアルキルを形成するような様式で、一緒に結合し得る。
【0536】
R3は、
(a)そのC原子のうちの1つを介して分子の残部に結合している、置換もしくは非置換複素であって、この複素環は:
1H−ベンゾイミダゾール−6−イル;
1H−ベンゾイミダゾール−7−イル;
イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル;
イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−3−イル;
イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−7−イル;
イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル;
5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル;
イミダゾ[2,1−b][1,3,4]チアジアゾール−5−イル;
イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル;
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル;
1H−イミダゾール−4−イル;
1H−イミダゾール−5−イル;
1H−インドール−2−イル;
1H−インドール−3−イル;
1H−インドール−4−イル;
1H−インドール−7−イル;
イソオキサゾール−4−イル;
1H−ピラゾール−4−イル;
1H−ピラゾール−5−イル;
1H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル;
1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル;
ピリダジン−4−イル;
ピリジン−2−イル;
ピリジン−3−イル;
ピリジン−4−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル;
1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル;
1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル;
1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル;
1,3,4−チアジアゾール−2−イル;
1,3−チアゾール−5−イル;
[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−7−イル;
[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−8−イル;
インドリジン−3−イル
からなる群より選択されるか;
またはR3は、
(b)そのN原子のうちの1つを介して分子の残部に結合している、置換もしくは非置換の複素環であって、この複素環は:
1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イル;
1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル;
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル;
7H−イミダゾ[4,5−c]ピリダジン−7−イル;
1H−インドール−1−イル;
2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル;
9H−プリン−9−イル;
1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−1−イル;
2H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−2−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル;
1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル;
3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル;
8H−イソチアゾロ[5,4−b]インドール−8−イル;
1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル;
1H−ピロール−1−イル;
2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル
からなる群より選択されるかのいずれかである。
【0537】
式(I)におけるR4は、水素;必要に応じてハロゲン、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、アジド、ニトロオキシまたはアリールにより置換されたC1〜12アルキル;必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜12アルケニル;必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜12アルキニル;アジド;アルコキシカルボニルアミノ;アリールスルホニルオキシ;置換もしくは非置換のアリール;または3員〜8員の置換もしくは非置換の複素環を含む群またはこれらからなる群より選択される。
【0538】
特定の実施形態において、R4は水素であるか;またはR4は、必要に応じてハロゲン、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、アジドもしくはニトロオキシにより置換されたC1〜12アルキルもしくはC1〜6アルキルであるか;またはR4は、必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜12アルケニもしくはC1〜6アルケニルであるか;またはR4は、必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜12アルキニルもしくはC1〜6アルキニルであるか;またはR4はアルコキシカルボニルアミノである。
【0540】
あるいは、R4は、R5および2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下の構造:
【0541】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【0542】
の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成し得る。
【0543】
アスタリスク
*は、置換基の結合点を示し;
R6は、水素またはハロゲンである。
【0544】
式(I)におけるR7は、水素;ニトロ;ハロゲン;複素環;アミノ;アリール;少なくとも1個のハロゲンにより置換されたC1〜12アルキル;または少なくとも1個のハロゲンにより置換されたC1〜12アルコキシを含む群またはこれらからなる群より選択される。
【0545】
式(I)におけるR8は、水素、必要に応じてハロゲンにより置換されたC1〜12アルキル、またはハロゲンを含む群またはこれらからなる群より選択される。
【0546】
式(I)におけるR9は、水素、必要に応じてハロゲンにより置換されたC1〜12アルキル、またはハロゲンを含む群またはこれらからなる群より選択される。
【0547】
本発明のさらなる局面は、R1およびR2が両方とも水素である、式(I)の化合物にある。
【0548】
R3は:
(a)そのC原子のうちの1つを介して分子の残部に結合している、置換もしくは非置換の複素環であって:
1H−ベンゾイミダゾール−6−イル;
1H−ベンゾイミダゾール−7−イル;
イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル;
イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−3−イル;
イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−7−イル;
イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル;
5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル;
イミダゾ[2,1−b][1,3,4]チアジアゾール−5−イル;
イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル;
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル;
1H−イミダゾール−4−イル;
1H−イミダゾール−5−イル;
1H−インドール−2−イル;
1H−インドール−3−イル;
1H−インドール−4−イル;
1H−インドール−7−イル;
イソオキサゾール−4−イル;
1H−ピラゾール−4−イル;
1H−ピラゾール−5−イル;
1H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル;
1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル;
ピリダジン−4−イル;
ピリジン−2−イル;
ピリジン−3−イル;
ピリジン−4−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル;
1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル;
1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル;
1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル;
1,3,4−チアジアゾール−2−イル;
1,3−チアゾール−5−イル;
[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−7−イル;
[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−8−イル;
インドリジン−3−イル
からなる群より選択されるものである。
【0549】
あるいは、R3は:
(b)そのN原子を介して分子の残部に結合している、置換もしくは非置換の複素環であって:
1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イル;
1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル;
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル;
7H−イミダゾ[4,5−c]ピリダジン−7−イル;
1H−インドール−1−イル;
2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル;
9H−プリン−9−イル;
1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−1−イル;
2H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−2−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル;
1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル;
3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル;
8H−イソチアゾロ[5,4−b]インドール−8−イル;
1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル;
1H−ピロール−1−イル;
2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル
からなる群より選択されるものである。
【0550】
式(I)におけるR4は、水素;必要に応じてハロゲンまたはC1〜4アルコキシにより置換されたC1〜12アルキル;必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜12アルケニル;必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜12アルキニルを含む群またはこれらからなる群より選択される。
【0551】
さらなる特定の実施形態において、R4は、n−プロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2ブロモ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジフルオロビニルである。
【0552】
別の特定の実施形態において、R4は、フェニル、2,3,5−トリフルオロフェニルまたは3−クロロ−4−フルオロフェニルである。
【0554】
本発明のさらなる実施形態は、R4がR5aと一緒になって、1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環
【0555】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
【0556】
を形成する、式(I)の化合物にあり、
アスタリスク
*は、ヘテロアリールアルキレン置換基の結合点を示し、そして
R6は水素であり;
R7は塩素であり;
R8は水素であり;
R9は水素である。
【0557】
本発明のさらなる実施形態は、R3が、そのC原子のうちの1つを介して分子の残部に結合している、置換もしくは非置換の複素環であって:
イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−3−イル;
イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−7−イル;
イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル;
5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル;
イミダゾ[2,1−b][1,3,4]チアジアゾール−5−イル;
イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル;
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル;
1H−イミダゾール−4−イル;
1H−イミダゾール−5−イル;
イソオキサゾール−4−イル;
1H−ピラゾール−4−イル;
1H−ピラゾール−5−イル;
1H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル;
1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル;
ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル;
1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル;
1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル;
1,3−チアゾール−5−イル;
[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−8−イル;
インドリジン−3−イル
からなる群より選択される、式(I)の化合物にある。
【0558】
さらなる特定の実施形態において、R3は、そのC原子のうちの1つを介して分子の残部に結合している複素環であり:
イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル;
イミダゾ[2,1−b][1,3,4]チアジアゾール−5−イル;
イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル;
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル;
1H−イミダゾール−4−イル;
1H−イミダゾール−5−イル;
1H−ピラゾール−4−イル;
1H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル;
ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル;
1,3−チアゾール−5−イル
からなる群より選択される。
【0559】
これらの複素環は、例えば、メチル、n−プロピル、トリフルオロメチル、シクロプロピル、臭素、塩素、フッ素、ヨウ素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ、アミノ、メチルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、1−ピロリジニル、シアノ、フェニル、ベンジルまたは3−チエニルにより必要に応じて置換されている。
【0560】
さらなる特定の実施形態において、R3は、そのC原子のうちの1つを介して分子の残部に結合している複素環であり、6−クロロ−2−シクロプロピルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル、6−(シクロプロピルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル、6−プロポキシ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル、6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル、2,6−ジクロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル、5−クロロ−1H−イミダゾール−4−イル、5−ブロモ−1H−イミダゾール−4−イル、4−ブロモ−1H−イミダゾール−5−イル、4−クロロ−1H−イミダゾール−5−イル、1H−イミダゾール−5−イル、1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル、4−クロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルからなる群より選択される。
【0561】
本発明のさらなる実施形態は、R3が、そのC原子のうちの1つを介して分子の残部に結合している複素環であり、置換もしくは非置換のイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルである、式(I)の化合物にある。
【0562】
このイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルは、例えば、メチル、シクロプロピル、臭素、塩素、フッ素、ヨウ素により必要に応じて置換されている。
【0563】
さらなる特定の実施形態において、R3は、そのC原子のうちの1つを介して分子の残部に結合している複素環であり、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル、6−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル、2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルからなる群より選択される。
【0564】
本発明のさらなる実施形態は、R3が、そのN原子のうちの1つを介して分子の残部に結合している、置換もしくは非置換の複素環であり:
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル;
1H−インドール−1−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル;
1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル;
1H−ピロール−1−イル;
2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル
からなる群より選択される、式(I)の化合物にある。
【0565】
本発明の特定のさらなる実施形態は、R3が、そのN原子のうちの1つを介して分子の残部に結合している複素環であり:
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル;
1H−ピロール−1−イル;
2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル;
からなる群より選択される、式(I)の化合物にある。
【0566】
これらの複素環は、トリフルオロメチル、シクロプロピル、臭素、塩素、フッ素、メトキシまたはシアノにより必要に応じて置換され得る。
【0567】
さらなる特定の実施形態において、R3は、そのC原子のうちの1つを介して分子の残部に結合している複素環であり、そして6−ブロモ−2−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル、6−ブロモ−2−シクロプロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル、1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル、2,5−ジクロロ−1H−ピロール−1−イル、2−クロロ−5−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル、5−ブロモ−2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イルまたは2,5−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イルからなる群より選択される。
【0568】
本発明のさらなる実施形態は、R1、R2およびR5が水素である、式(I)の化合物にある。
【0569】
R4は、必要に応じてハロゲンにより置換されたC1〜6アルキル、必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜6アルケニル、または必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜12アルキニルである。
【0570】
R3は、
イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル;
イミダゾ[2,1−b][1,3,4]チアジアゾール−5−イル;
イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル;
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル;
1H−イミダゾール−4−イル;
1H−イミダゾール−5−イル;
1H−ピラゾール−4−イル;
1H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル;
ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル;
1,3−チアゾール−5−イル
からなる群より選択され;
そして必要に応じて、メチル、n−プロピル、トリフルオロメチル、シクロプロピル、臭素、塩素、フッ素、ヨウ素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ、アミノ、メチルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、1−ピロリジニル、シアノ、フェニル、ベンジルまたは3−チエニルにより置換されている。
【0571】
本発明のさらなる実施形態は、R1、R2およびR5が水素である、式(I)の化合物にある。
【0572】
R4は、必要に応じてハロゲンにより置換されたC1〜6アルキル、必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜6アルケニル、または必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜12アルキニルである。
【0573】
R3は、
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル;
1H ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル;
1H−ピロール−1−イル;
2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル
からなる群より選択され;
必要に応じて、トリフルオロメチル、シクロプロピル、臭素、塩素、フッ素、メトキシまたはシアノにより置換されている。
【0574】
本発明のさらなる実施形態は、式(I)の化合物、それらのジアステレオマーおよび混合物、またはその薬学的に受容可能な塩にある。
【0575】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【0577】
R3は、そのC原子のうちの1つを介して分子の残部に結合している、置換もしくは非置換の複素環であり、この複素環は:
1H−ベンゾイミダゾール−6−イル;
1H−ベンゾイミダゾール−7−イル;
イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル;
イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−3−イル;
イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−7−イル;
イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル;
5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル;
イミダゾ[2,1−b][1,3,4]チアジアゾール−5−イル;
イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル;
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル;
1H−イミダゾール−4−イル;
1H−イミダゾール−5−イル;
1H−インドール−2−イル;
1H−インドール−3−イル;
1H−インドール−4−イル;
1H−インドール−7−イル;
イソオキサゾール−4−イル;
1H−ピラゾール−4−イル;
1H−ピラゾール−5−イル;
1H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル;
1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル;
ピリダジン−4−イル;
ピリジン−2−イル;
ピリジン−3−イル;
ピリジン−4−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル;
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル;
1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル;
1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル;
1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル;
1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル;
1,3,4−チアジアゾール−2−イル;
1,3−チアゾール−5−イル;
[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−7−イル;
[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−8−イル;
インドリジン−3−イル
からなる群より選択され;
特に好ましくは、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル;イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−3−イル;イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル;1H−イミダゾール−4−イル;1H−イミダゾール−5−イルであり;
R4は、置換もしくは非置換のフェニル部分である。
【0578】
本発明のさらなる実施形態は、R1が、水素またはC1〜12アルキルであり;
R2が水素であり;
R3が、そのC原子のうちの1つを介して分子の残部に結合している、芳香族5員複素環であり;
R4が、水素、C1〜12アルキルまたはアリールであり;
R5が水素である、
式(I)の化合物にある。
【0579】
あるいは、R4は、R5および2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環
【0580】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0581】
を形成し得、ここでアスタリスク
*は、置換基の結合点を示し;
R6は、水素またはハロゲンである。
【0582】
この実施形態において、R3が置換された1H−ピラゾール−5−イルである場合、R4は水素ではないかもしれない。また、この実施形態は、5−(2’−オキソ−1’−ピロリジニル)メチル−1,3,4−トリカルボメトキシ−ピラゾール(これは、A.Padwaら、J.Org.Chem.2000,65,5223−5232に開示されているが、生物学的活性を全く有さない)を包含しない。
【0583】
R3が、そのC原子のうちの1つを介して分子の残部に結合している芳香族5員複素環である、この実施形態において、特定の部分R3は、1,3−チアゾール−5−イル、1H−イミダゾール−4−イル、1H−イミダゾール−5−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−5−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−イルから選択され得、これらの各々は、メチル、塩素、臭素、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、(2−オキソ−4−プロピル−ピロリジン−1−イル)メチル、1−ピロリジニル、アミド、シアノ、メトキシ、フェニル、4−メチルフェニル−スルホニル、ベンジルまたは2−(ベンジルアミノ)−2−オキソエチルから独立して選択される1個〜3個の置換基により、必要に応じて置換され得る。
【0584】
この実施形態において、より特定の部分R3は、2−(メチルアミノ)−1,3−チアゾール−5−イル;2−ピロリジン−1−イル−1,3−チアゾール−5−イル;5−ブロモ−1H−イミダゾール−4−イル;5−クロロ−1H−イミダゾール−4−イル;1H−イミダゾール−5−イル;1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル;4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル;4−クロロ−1H−イミダゾール−5−イル;4−クロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル;4−シアノ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル;1H−ピラゾール−4−イル;3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル;3−メチル−1H−ピラゾール−4−イルから選択される。
【0585】
この実施形態において、最も特定の部分R3は、5−ブロモ−1H−イミダゾール−4−イル;5−クロロ−1H−イミダゾール−4−イル;1H−イミダゾール−5−イル;4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル;4−クロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル;1H−ピラゾール−4−イルから選択される。
【0586】
さらに、この実施形態において、特定の部分R1は、水素またはエチルから選択される。
【0587】
さらに、この実施形態において、特定の部分R4は、水素、n−プロピル、2,3,5−トリフルオロフェニルまたはフェニルから選択される。
【0588】
本発明のさらなる実施形態は、特定の式(Ia)を有する化合物にある。
【0589】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【0590】
式(Ia)において、置換基R10は、水素;ハロゲン;少なくとも1個のハロゲンにより置換されたC1〜4アルキル;C1〜4アルコキシ;メトキシカルボニル;ニトロ;アミノ;アルキルアミノ;アミド;またはアルカノイル−アミノである。好ましくは、R10は水素である。
【0591】
R11は、水素;ハロゲン;少なくとも1個のハロゲンにより置換されたC1〜4アルキル;C1〜4アルコキシ;メトキシカルボニル;ニトロ;アミノ;アルキルアミノ;アミド;またはアルカノイルアミノである。好ましくは、R11は水素である。
【0592】
R4は、少なくとも1個のハロゲンにより置換されたC1〜4アルキル;または少なくとも1個のハロゲンにより置換されたC2〜4アルケニルである。好ましくは、R4はn−プロピルである。
【0593】
さらに、本発明のこの局面において、特定の実施形態は、R10が水素;メチル;フッ素;塩素;臭素;メトキシ;メトキシカルボニル;ニトロ;またはトリフルオロメチルから選択され、一方でR11が水素;メチル;フッ素;塩素;臭素;メトキシ;メトキシカルボニル;ニトロ;またはトリフルオロメチルから選択され;そしてR3がn−プロピルである、実施形態に関する。
【0594】
本発明の特定の化合物は:
1−[(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−(1H−ベンゾイミダゾール−7−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−クロロ−2−(4−メチルフェニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[2−(4−クロロフェニル)−6−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]−4−フェニルピロリジン−2−オン;
1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;
1−[(6−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(8−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−ヨードイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[8−クロロ−6−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(7−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6,8−ジブロモイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6,8−ジクロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−シクロプロピル−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]−4−(2,2−
ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロ−2−シクロプロピルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)メチル]−4−(2,2−ジ
フルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−(イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−3−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[2−(4−クロロフェニル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−(イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−3−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−フェニルイミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−7−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−クロロ−2−(4−メチルフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−クロロ−2−(4−クロロフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)メチル]−4−フェニルピロリジン−2−オン;
1−{[6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−{[6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
1−{[6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−{[6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−フェニルピロリジン−2−オン;
5−クロロ−1−{[6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;
1−{[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロ−2−シクロプロピルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−イソプロポキシ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−(ベンジルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−シクロプロピル−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−(ジメチルアミノ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−{[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル)−1−{[6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
1−{[6−(メチルアミノ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−(メチルチオ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−(2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル)−1−{[6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
1−{[6−(メチルスルホニル)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−(メチルスルフィニル)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロ−2−シクロブチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−クロロ−2−(4−メチルフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−{[6−アミノ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−(エチルアミノ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−{[6−(プロピルアミノ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−(2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル)−1−{[6−(プロピルアミノ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−{[6−(プロピルアミノ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−{[6−メトキシ−2−(4−メチルフェニル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−{[6−ピロリジン−1−イル−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−(2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル)−1−{[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
1−{[6−(シクロプロピルアミノ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロ−2−シクロプロピルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)メチル]−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−{[6−(イソプロピルアミノ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−{[2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
1−{[2−シクロプロピル−6−(プロピルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−({2−シクロプロピル−6−[(2−フルオロエチル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}メチル)−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−({2−シクロプロピル−6−[(2,2−ジフルオロエチル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}メチル)−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−({2−シクロプロピル−6−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル}メチル)−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロエチル)−1−{[2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
1−{[2−シクロプロピル−6−(シクロプロピルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロ−2−シクロブチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)メチル]−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロ−2−シクロプロピルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)メチル]−4−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−{[6−(ブチルアミノ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−{[6−(シクロブチルアミノ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(2−シクロプロピル−6−メトキシイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)メチル]−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−{[6−エトキシ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−{[6−イソプロポキシ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
1−{[6−(シクロプロピルメトキシ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−{[6−(シクロブチルメトキシ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−{[6−(シクロプロピルオキシ)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−{[6−プロポキシ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
3−{[4−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソピロリジン−1−イル]メチル}−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−カルボニトリル;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−{[6−チエン−3−イル−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−{[6−フェニル−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−{[6−メチル−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−{[6−ピリジン−3−イル−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−{[2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
1−[(6−メチルイミダゾ[2,1−b][1,3,4]チアジアゾール−5−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−(4−メチルフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3,4]チアジアゾール−5−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−シクロプロピル−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3,4]チアジアゾール−5−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−メチルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2,6−ジクロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−(3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−(3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;
4−フェニル−1−[(5−フェニル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
4−フェニル−1−{[5−(トリフルオロメチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−フェニル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−{[5−(トリフルオロメチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
1−[(6−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−フェニル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[1−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]ピロリジン−2−オン;
1−[(5−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
1−[(2−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−({1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−4−イル}メチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−クロロ−1H−イミダゾール−4−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(5−ブロモ−1H−イミダゾール−4−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(5−ブロモ−1H−イミダゾール−4−イル)メチル]−5−クロロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;
1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
1−メチル−5−[(2−オキソピロリジン−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;
1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;
1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−フェニルピロリジン−2−オン;
1−[(4−メトキシ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−メチル−5−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;
1−メチル−5−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド;
N−ベンジル−2−{5−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}アセトアミド;
1−メチル−5−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−2−カルボニトリル;
1−[(4−クロロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−メチル−5−{[2−オキソ−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;
1−[(4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2,4−ジクロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−メチル−5−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−2−イルカルバミンベンジル;
1−[(4−クロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
5−クロロ−1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;
1−[(2,4−ジクロロ−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(2,4−ジクロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
5−クロロ−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;
1−[(4−クロロ−1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−(1H−インドール−2−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−(1H−インドール−3−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
3−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−[(2−メチル−1H−インドール−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(7−メトキシ−1H−インドール−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−ニトロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−{[6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−3−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
1−[(5−ニトロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(7−フルオロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−クロロ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[1H−インドール−3−イル(フェニル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[1−(1H−インドール−3−イル)プロピル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[2−フリル(1H−インドール−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
3−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)(フェニル)メチル]−1H−インドール−5−カルボニトリル;
1−(1H−インドール−4−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−(1H−インドール−7−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−(イソオキサゾール−4−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)−1−[(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
4−フェニル−1−(1H−ピラゾール−4−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
1−({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−(1H−ピラゾール−4−イルメチル)−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(1−クロロ−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(5−アミノ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(5−アミノ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
(−)−1−(1H−ピラゾール−4−イルメチル)−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
(+)−1−(1H−ピラゾール−4−イルメチル)−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−(1H−ピラゾール−4−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;
5−クロロ−1−(1H−ピラゾール−4−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;
5−クロロ−1−({1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;
1−{[5−クロロ−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−アミノ−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(1−ベンジル−5−クロロ−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−(1H−ピラゾール−5−イルメチル)−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(4−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−2−チエン−2−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−[(2−チエン−2−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−2−シクロプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−2−tert−ブチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−tert−ブチル−6−シクロプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[2−(2−フリル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−メチル−6−チエン−2−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−メチル−6−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[2−メチル−6−(1H−ピロール−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−({6−[(1E)−ヘキサ−1−エニル]−2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル}メチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロ−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[2−メチル−6−(フェニルエチニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(6−ヒドロキシ−2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−メチル−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−[(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
1−[(6−メトキシ−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−[(5,6−ジメチル−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−[(6−フルオロ−5−メチル−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
1−[(5−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[2−(4−ブロモフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]メチル}−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−{[2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−[(6−メチル−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−[(5−メチル−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−[(2−チエン−2−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
1−{[2−(4−クロロフェニル)−6−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[2−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]メチル}−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロ−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−{[6−クロロ−2−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]メチル}−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(2−シクロプロピル−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(5−クロロ−2−シクロプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(5−クロロ−2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)メチル]−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(5−ブロモ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル)メチル]−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−(ピリジン−3−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
(−)−1−(1−ピリジン−3−イルプロピル)ピロリジン−2−オン;
5−クロロ−1−[(2−フルオロピリジン−3−イル)メチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;
1−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−(ベンジルアミノ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−アミノピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
1−[(2−イソプロピル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−[(2−プロピル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(1−ベンゾイル−6−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メチル]−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(7−オキシド−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−(1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
1−[(2−アミノ−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
1−(1,3−チアゾール−5−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−{[2−(ジメチルアミノ)−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−{[2−(メチルアミノ)−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(2−ピロリジン−1−イル−1,3−チアゾール−5−イル)メチル]−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;
5−{[2−オキソ−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1,3−チアゾール−2(3H)−オン;
4−フェニル−1−{[3−(トリフルオロメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−7−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−フェニル−1−[(3−フェニル[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−7−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
4−フェニル−1−{[3−(トリフルオロメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−8−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−{[3−(トリフルオロメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−8−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
4−フェニル−1−[(3−フェニル[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−8−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロ−3−フェニル[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−8−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−8−イル)メチル]−4−フェニルピロリジン−2−オン;
1−{[6−クロロ−3−(トリフルオロメチル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−8−イル]メチル}−4−フェニルピロリジン−2−オン;
1−[(6−クロロ−3−フェニル[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−8−イル)メチル]−4−フェニルピロリジン−2−オン;
1−[(2−フルオロインドリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−(1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−2−クロロ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−2−フェニル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−(3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−2−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−2−フェニル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−2−シクロプロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(3−クロロ−7H−イミダゾ[4,5−c]ピリダジン−7−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−1H−インドール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−メチル−1H−インドール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−メチル−1H−インドール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−フェニル−1H−インドール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−フルオロ−1H−インドール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−ブロモ−1H−インドール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−クロロ−1H−インドール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−フルオロ−2−フェニル−1H−インドール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−インドール−2−カルボニトリル;
1−[(2−ブロモ−1H−インドール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2,5−ジクロロ−1H−インドール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−(9H−プリン−9−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
1−{[6−(シクロプロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[6−(ベンジルアミノ)−9H−プリン−9−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−{[6−(プロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;
1−({6−[(シクロプロピルメチル)アミノ]−9H−プリン−9−イル}メチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−[(6−ピロリジン−1−イル−9H−プリン−9−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
1−[(5−ブロモ−3−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−ブロモ−2H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−2−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−ブロモ−3−フェニル−2H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−2−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
4−プロピル−1−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
1−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−(8H−イソチアゾロ[5,4−b]インドール−8−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;
1−[(2,5−ジクロロ−1H−ピロール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−1H−ピロール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−フェニルピロリジン−2−オン;
2−クロロ−1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル;
2−クロロ−1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボニトリル;
4−プロピル−1−[(2,5,6−トリクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−5−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−6−ニトロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−5−ニトロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−6−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−(2,2−ジフルオロビニル)ピロリジン−2−オン;
1−[(6−ブロモ−2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(5−ブロモ−2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2,5−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−{[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;
1−[(2−クロロ−6−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;
1−(ピリジン−4−イルメチル)ピロリジン−2−オン、および
1−[(2−クロロ−5−ヒドロキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン
からなる群より選択される化合物である。
【0595】
viii)米国特許番号4,696,943
本発明は、新規化合物である(S)−α−エチル−2−オキソ−1−ピロリジンアセトアミドに関する。
【0596】
ix)米国特許番号4,696,942
本発明は、新規化合物である(R)−α−エチル−2−オキソ−1−ピロリジンアセトアミドに関する。
【0597】
x)米国特許番号5,334,720
本発明によれば、本発明者らは、式I
【0598】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
【0599】
の新規化合物またはその薬学的に受容可能な酸付加塩を提供し、式Iにおいて、R1、R2、R3およびR4は、同じであっても異なっていてもよく、独立して、水素、C1〜6アルキル、フェニル、または1個以上のハロゲン基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、C1〜6アルキル基またはC1〜C6アルコキシ基により置換されたフェニルを表わし;
R5およびR6は独立して、水素、C1〜C6アルキルまたはC3〜C6シクロアルキルを表わすか、あるいはR5およびR6は、窒素と一緒になって、C4〜6のN複素環を形成し;
mは、1〜2の整数を表わし;そして
nは、1〜3の整数を表わし;
ただし、
置換基R1、R2、R3およびR4のうちの2つは独立して、フェニルまたは置換フェニルを表わし、そして他の2つは独立して、水素またはC1〜6アルキルを表わす。
【0600】
式Iの化合物の薬学的に受容可能な酸付加塩としては、鉱酸(例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸または臭化水素酸));あるいは有機酸(例えば、ギ酸、酢酸または乳酸)の塩が挙げられる。この酸は、多塩基酸(例えば、硫酸、フマル酸、マレイン酸、またはクエン酸)であってもよい。
【0601】
本発明はまた、式Iの化合物の全ての立体異性形態および光学エナンチオマー形態に関する。
【0602】
式Iの化合物において:R1、R2、R3、R4、R5およびR6が表し得るアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチルおよびs−ブチルが挙げられ;
R5およびR6が表し得るシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられ;
C1〜6アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシおよびプロポキシが挙げられ;
ハロゲン基としては、フッ素、塩素、臭素または要素が挙げられる。
【0603】
本発明者らは、
R1は、水素、フェニルまたは置換フェニルであり、好ましくはフェニルであり;
R2は、水素、フェニルまたは置換フェニルであり、好ましくはフェニルであり;
R3は、水素、フェニルまたは置換フェニルであり、好ましくは水素であり;
R4は、水素、フェニルまたは置換フェニルであり、好ましくは水素であり;
R5は、水素、C1〜3アルキルまたはシクロプロピルであり、好ましくは水素またはメチルであり;
R6は、水素、C1〜3アルキルまたはシクロプロピルであり、好ましくは水素またはメチルであり;
mは、1〜2の整数を表わし、好ましくは2であり;
nは、1〜2の整数を表わし、好ましくは1である、
式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な酸付加塩を好む。
【0604】
本発明者らは、R1およびR2が両方ともフェニルである、式Iの化合物を特に好む。
【0605】
本発明者らは、R5およびR6のうちの一方が水素であり、そして他方が水素またはメチルである、式Iの化合物を特に好む。
【0606】
xi)国際特許出願公開番号WO2005/054188
従って、1つの局面において、本発明は、式I:
【0607】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0608】
を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、式Iにおいて、
R1は、水素、CI〜20アルキル、C3 23シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、エステル、アミド、シアノ、ニトロ、アミノ、グアニジン、アミノ誘導体、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アリールまたは複素環であり;R2は、水素、C1 20アルキル、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、エステル、アミド、ニトロ、シアノ、カルバメート、またはアリールであり;
R3は、水素、C1 20アルキル、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、エステル、アミド、ニトロ、シアノ、カルバメート、またはアリールであるか;
あるいはR2およびR3は、イミダゾール環と一緒になって、以下の1H−ベンゾイミダゾール環
【0609】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0610】
を形成し得;
R4は、水素、C1〜20アルキル、C2〜12アルケニル、C2〜12アルキニル、アリール、アジド、アルコキシカルボニルアミノ、アリールスルホニルオキシまたは複素環であり;R4aは、水素またはC1〜20アルキルであるか;あるいはR4およびR4aは、一緒になってC3〜8シクロアルキルを形成し得;R5は水素であるか;あるいはR4、R4aおよびR5は、2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下:
【0611】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0612】
の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成し得;
R6は、水素またはC1 20アルキルであり;R7は水素であるか;あるいはR6およびR7は一緒に結合して、C3〜6シクロアルキルを形成し;R8は、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1 20アルキルまたはアルコキシであり;R9は、水素、C1〜20アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、エステル、アミド、シアノ、ニトロ、アミノ、アミノ誘導体、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルフィニルまたはアリールスルフィニルであり;
R10は、水素、C1 20アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、エステル、アミド、シアノ、ニトロ、アミノ、アミノ誘導体、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルフィニルまたはアリールスルフィニルであり;
R1 lは、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1 20アルキルまたはアルコキシであり;R12は、水素またはハロゲンであり;
R13は、水素、ニトロ、ハロゲン、複素環、アミノ、アリール、C1〜20アルキル(非置換もしくはハロゲンにより置換されている)、またはアルコキシ(非置換もしくはハロゲンにより置換されている)であり;R14は、水素、C1〜20アルキルまたはハロゲンであり;
R15は、水素、C1 20アルキルまたはハロゲンであり;
ただし、
【0613】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0615】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0616】
の基を表す場合、R4は水素とは異なる。
【0617】
アスタリスク
*は、置換基の結合点を示す。
【0618】
好ましい実施形態において、本発明は、式I:
【0619】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0620】
を有する化合物、それらの互変異性体、幾何異性体(シスおよびトランス、ZおよびE異性体を含む)、エナンチオマー、ジアステレオマーならびにこれらの混合物(全ての可能な立体異性体の混合物を含む)、またはその薬学的に受容可能な塩を企図し、式Iにおいて、
R1は、水素、C1〜20アルキル、C3〜8シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、エステル、アミド、シアノ、ニトロ、アミノ、グアニジン、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールまたは複素環であり;R2は、水素、C1 20アルキル、ハロゲン、シアノ、エステル、カルバメートまたはアミドであり;R3は、水素、シアノ、C1 20アルキル、ハロゲンまたはエステルであるか;あるいはR2およびR3は一緒になって、以下:
【0621】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0622】
の1H−ベンゾイミダゾール環を形成し得;
R4は、水素、C1 20アルキル、C2 12アルケニルまたはアリールであり;R4aは水素であり;
R5は水素であるか;あるいはR4、R4aおよびR5は、2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下:
【0623】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0624】
の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成し得;
R6は、水素またはC1 20アルキルであり;R7は水素であるか;あるいはR6およびR7は一緒に結合して、C3〜6シクロアルキルを形成し;R8は水素であり;R9は、水素、C1〜20アルキル、ハロゲンまたはアルコキシであり;R10は、水素、C1 20アルキル、ハロゲンまたはシアノであり;R11は水素であり;R12は、水素またはハロゲンであり;R13は、水素、ハロゲン、複素環またはC1 20アルキルであり;R14は水素であり;R15は水素であり;ただし、
【0625】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0627】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0628】
の基を表す場合、R4は水素とは異なる。
【0629】
用語「アルキル」とは、本明細書中で使用される場合、直鎖(非分枝)もしくは分枝鎖もしくは環状、またはこれらの組み合わせを有し、そして1個〜20個の炭素原子、好ましくは1個〜10個の炭素原子、より好ましくは1個〜4個の炭素原子を含む、飽和の一価炭化水素基を表わす。最も好ましくは、アルキル基は、1個〜3個の炭素原子を有する。アルキル部分は、独立してハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アジド、アリールオキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アルカノイルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニルまたはアリールからなる群より選択される1個〜5個の置換基で必要に応じて置換され得る。通常、アルキル基は、本発明の場合、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、1−エチルプロピル、n−ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、n−デシル、クロロメチル、トリフルオロメチル、2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、ヒドロキシメチル、シアノメチル、アジドメチル、(アセチルアミノ)メチル、(プロピオニルアミノ)メチル、(ベンゾイルアミノ)メチル、(4−クロロフェノキシ)メチル、ベンジル、2−フェニルエチルまたは2−(メチルチオ)エチルである。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、1−エチルプロピル、2,4,4−トリメチルペンチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ヒドロキシメチル、シアノメチル、アジドメチル、(アセチルアミノ)メチル、(プロピオニルアミノ)メチル、(ベンゾイルアミノ)メチルまたは2−(メチルチオ)エチルである。より好ましいアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、アジドメチルまたはトリフルオロメチルである。最も好ましいアルキル基は、メチルまたはn−プロピルである。
【0630】
用語「シクロアルキル」とは、本明細書中で使用される場合、飽和環状炭化水素から誘導された、3個〜8個の炭素原子、通常は3個〜6個の炭素原子の、一価の基を表わし、これは、アルキル基に関して上に記載されたような基から選択される1つ以上の部分が挙げられるが、これらに限定されない任意の適切な基によって、置換され得る。好ましいシクロアルキル基は、シクロプロピルおよびシクロヘキシルである。
【0631】
用語「アルケニル」とは、本明細書中で使用される場合、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有し、2個〜12個の炭素原子、好ましくは通常、2個〜4個の炭素原子を含む、直鎖、分枝鎖または環状の、不飽和炭化水素基あるいはこれらの組み合わせを表わす。アルケニル基は、アルキル基に関して上に記載されたような基から選択される1つ以上の部分が挙げられるが、これらに限定されない、任意の適切な基で必要に応じて置換されている。通常、アルケニル基は、1個〜3個のハロゲンで必要に応じて置換されたエテニル(ビニル)である。好ましいアルケニル基は、本発明の場合、2,2−ジフルオロビニルである。
【0632】
用語「アルキニル」とは、本明細書中で使用される場合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含み、2個〜12個の炭素原子、好ましくは2個〜6個の炭素原子を含み、そして必要に応じて、アルキル基に関して上に記載されたような基から選択される1つ以上の部分が挙げられるが、これらに限定されない任意の基により置換されている、直鎖、分枝鎖または環状の炭化水素基またはこれらの組み合わせを表わす。好ましくは、アルキニル基は、ハロゲノアルキニル基(ハロアルキニル基)である。
【0633】
「s」、「i」、および「t」などの接頭辞によって分類される基(例えば、「i−プロピル」、「s−ブチル」)は分枝誘導体である。
【0634】
用語「アリール」とは、本明細書中で使用される場合、1個〜4個の置換基(ハロゲン、シアノ、アルコキシ、アルキルチオ、C1 3アルキルまたはアジドから独立して選択され、好ましくはハロゲンまたはアジドである)により必要に応じて置換されたフェニルとして定義される。通常、アリール基は、本発明の場合、フェニル、3−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,4,5−トリフルオロフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニル、3−アジド−2,4−ジフルオロフェニルまたは3−アジド−2,4,6−トリフルオロフェニルである。好ましくは、アリール基は、フェニル、3−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,4,5−トリフルオロフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニルまたは3−アジド−2,4−ジフルオロフェニルである。最も好ましいアリール基は、フェニル、3−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,4,5−トリフルオロフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニルまたは3−アジド−2,4−ジフルオロフェニルである。
【0635】
用語「複素環」とは、本明細書中で使用される場合、少なくとも1個のO原子、S原子および/またはN原子が炭素環式環構造を分断している、上で定義されたような芳香族または非芳香族のシクロアルキル部分を包含するとして定義される。複素環式環部分は、アルキル基またはハロゲンにより必要に応じて置換され得、そして必要に応じて、この炭素環式環構造の炭素のうちの1つは、カルボニルにより置き換えられ得る。通常、複素環は、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−テトラヒドロフラニル、1H−ピロール−2−イル、1−メチル−1H−ピロール−2−イル、1H−ピラゾール−2−イル、1H−ピラゾール−3−イル、4−クロロ−l−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、3,5−ジメチル−4−イソチアジル、1H−イミダゾール−2−イル、1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル、4−メチル−1H−イミダゾール−5−イル、または2−メチル−1,3−チアゾール−4−イルである。好ましい複素環は、1H−イミダゾール−2−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、1H−ピラゾール−3−イル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、1−メチル−1H−ピロール−2−イル、1H−ピロール−2−イルである。
【0636】
用語「ハロゲン」とは、本明細書中で使用される場合、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素の原子を包含する。通常、ハロゲンは、塩素、臭素およびフッ素である。好ましいハロゲンは、フッ素、臭素および塩素である。
【0637】
用語「ヒドロキシ」とは、本明細書中で使用される場合、式−OHの基を表わす。
【0638】
用語「アルコキシ」とは、本明細書中で使用される場合、式−ORaの基を表わし、ここでRaは、上で定義されたようなアルキル基である。好ましいアルコキシ基は、メトキシである。
【0639】
用語「アリールオキシ」とは、本明細書中で使用される場合、式−ORbの基を表わし、ここでRbは、上で定義されたようなアリール基である。好ましくは、アリールオキシ基は、フェノキシである。
【0640】
用語「エステル」とは、本明細書中で使用される場合、式−COORCの基を表わし、ここでRcは、上で定義されたようなアルキル基またはアリール基である。好ましいエステル基は、メトキシカルボニルである。
【0641】
用語「アミド」とは、本明細書中で使用される場合、式−CONH2の基を表わす。
【0642】
用語「アミノ」とは、本明細書中で使用される場合、式−NH2の基を表わす。
【0643】
用語「アミノ誘導体」とは、本明細書中で使用される場合、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を表わし、ここで用語「アルキル」および「アリール」は、上記のように定義される。
【0644】
用語「シアノ」とは、本明細書中で使用される場合、式−CNの基を表わす。
【0645】
用語「ニトロ」とは、本明細書中で使用される場合、式−NO2の基を表わす。
【0646】
用語「アジド」とは、本明細書中で使用される場合、式−N3の基を表わす。
【0647】
用語「グアニジン」とは、本明細書中で使用される場合、式−NHC(=NH)NH2の基を表わす。
【0648】
用語「アルキルチオ」とは、本明細書中で使用される場合、式−SRdの基を表わし、ここでRdは、上で定義されたようなアルキル基である。1つのアルキルチオ基は、メチルチオである。
【0649】
用語「アルキルスルホニル」とは、本明細書中で使用される場合、式−S(=O)2Reの基を表わし、ここでReは、上で定義されたようなアルキル基である。1つのアルキルスルホニル基は、メチルスルホニルである。
【0650】
用語「アルキルスルフィニル」とは、本明細書中で使用される場合、式−S(=O)Rfの基を表わし、ここでRfは、上で定義されたようなアルキル基である。1つのアルキルスルフィニル基は、メチルスルフィニルである。
【0651】
用語「アリールチオ」とは、本明細書中で使用される場合、式−SRgの基を表わし、ここでRgは、上で定義されたようなアリール基である。
【0652】
用語「アリールスルホニル」とは、本明細書中で使用される場合、式−S(=O)2Rhの基を表わし、ここでRhは、上で定義されたようなアリール基である。
【0653】
用語「アリールスルフィニル」とは、本明細書中で使用される場合、式−S(=O)Riの基を表わし、ここでRiは、上で定義されたようなアリール基である。
【0654】
用語「カルバメート」とは、本明細書中で使用される場合、式−N(H)C(O)OR1の基を表わし、ここでRiは、上で定義されたようなアルキルまたはアリールである。通常、カルバメート基は、(プロポキシカルボニル)アミノまたは(ベンジルオキシカルボニル)アミノである。1つのカルバメート基は、(ベンジルオキシカルボニル)アミノである。
【0655】
用語「アルカノイルアミノ」とは、本明細書中で使用される場合、式−NHC(=O)Rkの基を表わし、ここでRkは、上で定義されたようなアルキル基である。
【0656】
用語「(アリールカルボニル)アミノ」とは、本明細書中で使用される場合、式−NHC(=O)Rmの基を表わし、ここでRmは、上で定義されたようなアリール基である。1つの(アリールカルボニル)アミノは、ベンゾイルアミノである。
【0657】
通常、R1は、水素;非置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、メチルチオ、フェニルもしくは4−クロロフェノキシにより置換されたCl 10アルキル;ヒドロキシ;C3〜6シクロアルキル;ハロゲン;エステル;アミド;ニトロ;シアノ;アミノ;フェニル;アルキルチオ;アルキルスルホニル;アルキルスルフィニル;非置換であるかまたはアルキル基により置換された複素環;あるいはグアニジンである。
【0658】
いくつかの実施形態において、R1は、水素;メチル;エチル;i−プロピル;n−プロピル;シクロプロピル;n−ブチル;i−ブチル;t−ブチル;1−エチルプロピル;2,4,4−トリメチルペンチル;ヒドロキシメチル;クロロメチル;トリフルオロメチル;2,2,2−トリフルオロエチル;シアノメチル;2−(メチルチオ)エチル;クロロ;ブロモ;ニトロ;シアノ;アミノ;アミノカルボニル;メトキシカルボニル;メチルチオ;メチルスルフィニル;メチルスルホニル;フェニル;2−フリル;3−フリル;1H−ピロール−2−イル;1−メチル−1H−ピロール−2−イル;2−チエニル;1H−ピラゾール−3−イル;1,2,3−チアジアゾール−4−イルまたは1H−イミダゾール−2−イルである。より好ましくは、R1は、水素;メチル;エチル;i−プロピル;n−プロピル;n−ブチル;メチルチオ;ニトロ;シアノ;アミノ;クロロまたは1H−ピロール−2−イルである。最も好ましくは、R1は、水素;メチル;メチルチオ;ニトロ;シアノ;アミノまたはクロロである。
【0659】
通常、R2は、水素;非置換であるかまたはヒドロキシ、アルカノイルアミノもしくはベンゾイルアミノにより置換されたC1 4アルキル;ハロゲン;エステル;シアノ;アルキルカルバメート;[(N−メトキシ−N−メチル)アミノ]カルボニルである。好ましくは、R2は、水素;メチル;ヒドロキシメチル;(アセチルアミノ)メチル;(プロピオニルアミノ)メチル;(ベンゾイルアミノ)メチル;[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ;クロロまたはシアノである。いくつかの実施形態において、R2は、水素;クロロまたはシアノである。
【0660】
通常、R3は、水素;非置換であるかまたはヒドロキシにより置換されたC1 4アルキル;ハロゲン;エステルまたはシアノである。いくつかの実施形態において、R3は、水素;ヒドロキシメチル;クロロ;シアノである。
【0661】
いくつかの実施形態において、R3は、水素またはシアノである。いくつかの実施形態において、R3は水素である。
【0662】
通常、R4は、水素;非置換であるかまたはハロゲンにより置換されたC1 4アルキル;ハロゲンまたはフェニル基(非置換であるかまたはアジドもしくは/およびハロゲンにより置換されている)により置換されたC2 4アルケニルである。好ましくは、R4は、水素;n−プロピル;2,2−ジフルオロビニル;フェニル;3−クロロフェニル;3−フルオロフェニル;4−クロロフェニル;4−フルオロフェニル;3,5−ジフルオロフェニル;3,4−ジフルオロフェニル;3−クロロ−4−フルオロフェニル;2,3,4−トリフルオロフェニル;2,4,5−トリフルオロフェニル;2,3,5−トリフルオロフェニル;3,4,5−トリフルオロフェニル;3−アジド−2,4−ジフルオロフェニルまたは3−アジド−2,4,6−トリフルオロフェニルである。より好ましくは、R4は、水素;n−プロピル;2,2−ジフルオロビニル;フェニル;3−クロロフェニル;3−フルオロフェニル;4−クロロフェニル;4−フルオロフェニル;3,5−ジフルオロフェニル;3,4−ジフルオロフェニル;3−クロロ−4−フルオロフェニル;2,3,4−トリフルオロフェニル;2,4,5−トリフルオロフェニル;2,3,5−トリフルオロフェニル;3,4,5−トリフルオロフェニルまたは3−アジド−2,4−ジフルオロフェニルである。最も好ましくは、R4は、n−プロピル;2,2−ジフルオロビニル;フェニル;3−クロロフェニル;3−フルオロフェニル;3,5−ジフルオロフェニル;2,3,4−トリフルオロフェニル;2,4,5−トリフルオロフェニル;2,3,5−トリフルオロフェニル;3,4,5−トリフルオロフェニルまたは3−アジド−2,4−ジフルオロフェニルである。
【0665】
通常、R6は、水素、あるいは非置換であるかまたはヒドロキシもしくはアジドにより置換されたCl〜10アルキルである。好ましくは、R6は、水素またはアジドメチルである。最も好ましくは、R6は水素である。
【0667】
他の実施形態において、R6およびR7は、結合してシクロプロピルを形成する。
【0668】
他の実施形態において、R2およびR3は、イミダゾール環と一緒になって、以下:
【0669】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
【0670】
の1H−ベンゾイミダゾール環を形成し得る。
【0672】
通常、R9は、水素;ハロゲン;1〜3アルキルまたはアルコキシである。いくつかの実施形態において、R9は、水素;メチル;クロロまたはメトキシである。いくつかの実施形態において、R9は水素である。
【0673】
通常、R10は、水素;ハロゲン;シアノ;C1 3アルキル(非置換もしくはハロゲンにより置換されている);またはアルコキシである。いくつかの実施形態において、R10は、メチル;水素;トリフルオロメチル;フルオロ;シアノまたはメトキシである。いくつかの実施形態において、R10は、水素;トリフルオロメチル;フルオロまたはシアノである。
【0675】
他の実施形態において、R4、R4aおよびR5は、2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下:
【0676】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
【0677】
の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成し得る。
【0678】
通常、R12は、水素またはハロゲンである。いくつかの実施形態において、R12は、水素;クロロまたはフルオロである。いくつかの実施形態において、R12は水素である。
【0679】
通常、R13は、水素;C1 3アルキル;ハロゲン、または非置換であるかアルキル基により置換されたチアゾール(例えば、メチルチアゾール)である。いくつかの実施形態において、R13は、水素;クロロ;ブロモまたはメチルである。いくつかの実施形態において、R13は、クロロ;ブロモまたはメチルである。
【0682】
本発明の一般的な実施形態において、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、
R1が、水素;非置換であるかまたはハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、メチルチオ、フェニルもしくは4−クロロフェノキシにより置換されたC1 10アルキル;C3 6シクロアルキル;ハロゲン;エステル;アミド;ニトロ;シアノ;アミノ;フェニル;アルキルチオ;アルキルスルホニル;アルキルスルフィニル;非置換であるかまたはアルキル基により置換された複素環;あるいはグアニジンから選択され;R2が、水素;非置換であるかまたはヒドロキシ、アルカノイルアミノもしくはベンゾイルアミノにより置換されたC 1〜4アルキル;ハロゲン;エステル;シアノ;アルキルカルバメートあるいは[(N−メトキシ−N−メチル)アミノ]カルボニルから選択され;
R3が、水素;非置換であるかもしくはヒドロキシにより置換されたC1 4アルキル;ハロゲン;エステルまたはシアノから選択され;R4が、水素;C1 4アルキル(非置換もしくはハロゲンにより置換されている);ハロゲンまたはフェニル基(非置換であるかまたはアジドもしくは/およびハロゲンにより置換されている)により置換されたC2 4アルケニルから選択され;
R4aが水素であり;R5が水素であり;R6が、水素あるいは非置換であるかまたはヒドロキシもしくはアジドにより置換されたC1〜10アルキルから選択され;
R7が水素であるか;あるいはR6およびR7が結合してシクロプロピルを形成し得るか;あるいはR2およびR3がイミダゾール環と一緒になって以下:
【0683】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0684】
の1H−ベンゾイミダゾール環を形成し得、
R8が水素であり;R9が、水素;ハロゲン;C1〜3アルキル;アルコキシから選択され;
R10が、水素;ハロゲン;シアノまたはCilアルキル(非置換もしくはハロゲンにより置換されている);あるいはアルコキシから選択され;R1が水素であるか;あるいはR4、R4aおよびR5が、2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下:
【0685】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
【0686】
の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成し得;
R12が、水素またはハロゲンから選択され;R13が、水素;CI−3アルキル;ハロゲン;非置換であるかまたはアルキル基により置換されたチアゾリル(例えば、メチルチアゾリル)から選択され;R14が水素であり;R15が水素であり;ただし、
【0687】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0689】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【0690】
の基を表す場合、R4は水素とは異なる化合物である。
【0691】
本発明の1つの実施形態において、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、
R1が、水素;メチル;エチル;i−プロピル;n−プロピル;シクロプロピル;n−ブチル;i−ブチル;t−ブチル;1−エチルプロピル;2,4,4−トリメチルペンチル;トリフルオロメチル;2,2,2−トリフルオロエチル;ヒドロキシメチル;クロロメチル;シアノメチル;2−(メチルチオ)エチル;クロロ;ブロモ;ニトロ;シアノ;アミノ;アミノカルボニル;メトキシカルボニル;メチルチオ;メチルスルフィニル;メチルスルホニル;フェニル;2−フリル;3−フリル;1H−ピロール−2−イル;1−メチル−1H−ピロール−2−イル;2−チエニル;1H−ピラゾール−3−イル;1,2,3−チアジアゾール−4−イル;または1H−イミダゾール−2−イルから選択され;R2が、水素;メチル;ヒドロキシメチル;(アセチルアミノ)メチル;(プロピオニルアミノ)メチル;(ベンゾイルアミノ)メチル;(ベンゾイルオキシカルボニル)アミノ;クロロ;またはシアノから選択され;R3が、水素;ヒドロキシメチル;クロロ;シアノから選択されるか;あるいはR2およびR3は、イミダゾール環と一緒になって、以下:
【0692】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0693】
の1H−ベンゾイミダゾール環を形成し得;
R8が水素であり;R9が、水素;メチル;クロロ;メトキシから選択され;
R10が、メチル;水素;トリフルオロメチル;フルオロ;シアノ;またはメトキシから選択され;Rが水素であり;R4が、水素;n−プロピル;2,2−ジフルオロビニル;フェニル;3−クロロフェニル;3−フルオロフェニル;4−クロロフェニル;4−フルオロフェニル;3,5−ジフルオロフェニル;3,4−ジフルオロフェニル;3−クロロ−4−フルオロフェニル;2,3,4−トリフルオロフェニル;2,4,5−トリフルオロフェニル;2,3,5−トリフルオロフェニル;3,4,5−トリフルオロフェニル;3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル;または3−アジド−2,4,6−トリフルオロフェニルから選択される。
【0694】
R4aが水素であり;R5が水素であるか;あるいはR4、R4aおよびR5が、2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下:
【0695】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【0696】
の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成し得;
R12が、水素;クロロ;フルオロから選択され;R13が、水素;クロロ;ブロモ;メチルから選択され;R14が水素であり;R15が水素;R6が、水素;アジドメチルから選択され;R7が水素であるか;あるいはR6およびR7が結合してシクロプロピルを形成し;ただし、
【0697】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0699】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0700】
の化合物を表す場合、R4は水素とは異なる、化合物である。
【0701】
本発明の1つの実施形態において、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、
R1が、水素;メチル;エチル;i−プロピル;n−プロピル;n−ブチル;メチルチオ;ニトロ;シアノ;アミノ;クロロ;または1H−ピロール−2−イルから選択され;R2が、水素;クロロ;シアノから選択され;R3が、水素;シアノから選択されるか;あるいはR2およびR3が、イミダゾール環と一緒になって、以下:
【0702】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【0703】
の1H−ベンゾイミダゾール環を形成し得;
R8が水素であり;R9が水素であり;
R10が、水素;トリフルオロメチル;フルオロ;シアノから選択され;
R1 lが水素であり;R4が、水素;n−プロピル;2,2−ジフルオロビニル;フェニル;3−クロロフェニル;3−フルオロフェニル;4−クロロフェニル;4−フルオロフェニル;3,5−ジフルオロフェニル;3,4−ジフルオロフェニル;3−クロロ−4−フルオロフェニル;2,3,4−トリフルオロフェニル;2,4,5−トリフルオロフェニル;2,3,5−トリフルオロフェニル;3,4,5−トリフルオロフェニル;または3−アジド−2,4−ジフルオロフェニルから選択され;R4aが水素であり;R5が水素であるか;あるいはR4、R4aおよびR5が、2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下:
【0704】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0705】
の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成し得;
ここでR12は水素であり;R13は、メチル;クロロ;ブロモから選択され;R14は水素であり;R15は水素であり;R6は水素であり;R7は水素であり;ただし、
【0706】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
【0708】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【0709】
の基を表す場合、R4は水素とは異なる、化合物である。
【0710】
本発明の1つの実施形態において、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、
R1が、水素;メチル;メチルチオ;ニトロ;シアノ;アミノ;クロロから選択され;R2が、水素;クロロ;シアノから選択され;R3が水素であり;R4が、n−プロピル;2,2−ジフルオロビニル;フェニル;3−クロロフェニル;3−フルオロフェニル;3,5−ジフルオロフェニル;2,3,4−トリフルオロフェニル;2,4,5−トリフルオロフェニル;2,3,5−トリフルオロフェニル;3,4,5−トリフルオロフェニル;3−アジド−2,4−ジフルオロフェニルから選択され;R4aは水素であり;
R5が水素であるか;あるいはR4、R4aおよびR5が、2−オキソ−1−ピロリジン環と一緒になって、以下:
【0711】
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
【0712】
の1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン環を形成し得、
R12が水素であり;R13が、クロロ;ブロモ;メチルから選択され;R14が水素であり;
R15が水素であり;R6が水素であり;R7が水素である、
化合物である。
【0713】
いくつかの実施形態において、化合物は、1−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;4−(3−アジド−2,4,6−トリフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;(−)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;(+)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−l−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−[(2−エチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−イソプロピル−1H−イミダゾール−l−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−メチル−1H−イミダゾール−l−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−[(2−プロピル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;(+)−1−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;(−)−1−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3−クロロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−{[2−(メチルチオ)−1H−イミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[2−(メチルスルフィニル)−1H−イミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−tert−ブチル−1H−イミダゾール−l−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[1−(1H−イミダゾール−1−イル)シクロプロピル]ピロリジン−2−オン;1−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−フェニルピロリジン−2−オン;1−{[2−(メチルスルホニル)−1H−イミダゾール−l−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド;4−(4−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;4−(3−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(4−クロロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−{[2−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−2−カルボン酸メチル;1−[(2−ニトロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチルl−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−2−カルボニトリル;1−[(2−アミノ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2,4−ジクロロ−1H−イミダゾール−l−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−[(5−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−l−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;(+)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;(−)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;1−{[2−オキソ−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;(−)−1−{[2−オキソ−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;(+)−1−{[2−オキソ−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;(−)−1−{[2−オキソ−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピロリジン−l−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;(+)−1−{[2−オキソ−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−1−ピロリジニル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;(−)−1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;(+)−1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−l−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;(+)−1−{[2−オキソ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;(−)−1−{[2−オキソ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;(−)−1−{[2−オキソ−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イルメチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;(−)−1−{[2−オキソ−4−(3,4,5=トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;1−{[2−オキソ−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;1−{[2−オキソ−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;1−[(5−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(5−メチル−1H−イミダゾール−l−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(5−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−エチル−5−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−[2−アジド−1−(1H−イミダゾール−1−イル)エチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(4−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−[(2−ブロモ−4,5−ジクロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;(+)−1−1[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;1−{[5−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[4−(ヒドロキシメチル)−1H−イミダゾール−l−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−イルカルバミン酸ベンジル;N−[(1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−l−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アセトアミド;N−[(1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]ベンズアミド;N−1 (1−1[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]プロパンアミド;1−(1H−ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−[(2−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;1−[(2−イソプロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−{[2−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;1−{[2−(メチルチオ)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[2−(クロロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;{1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}アセトニトリル;1−[(5−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[2−イソプロピル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−l−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(6−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−l−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−2−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル;1−{[2−エチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−{[2−(1H−ピロール−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;1−[(5−フルオロ−2−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[6−メチル−2−(1H−ピロール−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イ
ル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(6−メトキシ−2−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;2−ブチル−1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル;1−{[2−[2−(メチルチオ)エチル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(5−フルオロ−2−イソブチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[5−フルオロ−2−(2,4,4−トリメチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;2−シクロプロピル−1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル;l−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−l−イル)メチル]−2−(1H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル;1−[(2−シクロプロピル−5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(5−フルオロ−2−イソプロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[2−(3−フリル)−6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イルメチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−シクロプロピル−6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−イソプロピル−6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−2−(1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル;1−{[2−(1H−イミダゾール−2−イル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−l−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[5−フルオロ−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[2−(1−エチルプロピル)−6−メトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[6−メトキシ−2−(l−メチル−1H−ピロール−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−l−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[2−(2−フリル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−{[2−チエン−2−イル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;1−1[2−(3−フリル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−l−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−{[2−シクロプロピル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−{[2−(1H−ピロール−2−イル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;5−ブロモ−l−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;5−クロロ−l−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;4−フルオロ−l−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;4−クロロ−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;1−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)−5−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;1−[(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;および1−[(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−カルボニトリルである。
【0714】
いくつかの実施形態において、化合物は、1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン、1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;l−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;(−)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;(+)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−[(2−エチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−イソプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−[(2−プロピル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]ピロリジン−2−オン;(+)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;(−)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3−クロロフェニル)−l−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−{[2−(メチルチオ)−1H−イミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−フェニルピロリジン−2−オン;4−(4−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;4−(3−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3,5−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(4−クロロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−[(2−ニトロ−1H−イミダゾール−l−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−2−カルボニトリル;1−[(2−アミノ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−1(5−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;(+)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;(−)−l−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;(+);1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル;1−[(2−クロロ−1H−イミダゾール−l−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−[2−アジド−l−(1H−イミダゾール−l−イル)エチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;(+)−1−1[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−2−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル;1−{[2−エチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;4−プロピル−1−{[2−(1H−ピロール−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]メチル}ピロリジン−2−オン;1−[(5−フルオロ−2−プロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;2−ブチル−1−[(2−オキソ−4−プロピルピロリジン−1−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル;1−[(5−フルオロ−2−イソプロピル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;5−ブロモ−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;5−クロロ−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−5−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;1−[(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−カルボニトリルである。
【0715】
いくつかの実施形態において、化合物は、1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピロリジン−2−オン;(−)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;(+)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(2,2−ジフルオロビニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3−クロロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−{[2−(メチルチオ)−1H−イミダゾール−1−イル]メチル}−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−フェニルピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;4−(3−フルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3,5−ジフルオロメチル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,3,4−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,3,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−[(2−ニトロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;1−{[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}−1H−イミダゾール−2−カルボニトリル;1−[(2−アミノ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;1−[(5−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン;(+)−1−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;(−)−1−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)−4−フェニルピロリジン−2−オン;1−[(2−クロロ−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−2−オン1−[(2−クロロ−1H−イミダゾール−l−イル)メチル]−4−プロピルピロリジン−2−オン;(+)−1−1[2−オキソ−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)ピロリジン−l−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボニトリル;5−ブロモ−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;5−クロロ−1−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−5−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン;1−[(5−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−l−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−カルボニトリルである。
【0716】
いくつかの化合物は、(−)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−l−(1H−イミダゾール−l−イルメチル)ピロリジン−2−オン;(+)−4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オン;4−(3−アジド−2,4−ジフルオロフェニル)−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ピロリジン−2−オンである。
【0717】
塩基としてその遊離形態で生じる式Iの化合物の酸付加塩形態を、無機酸(例えば、ハロゲン化水素酸(塩酸または臭化水素酸など)、硫酸、硝酸、およびリン酸);または有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、環状酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、およびパモ酸など)などの適切な酸での前記遊離塩基の処理によって得ることができる。
【0718】
酸性プロトンを含む式Iの化合物を、適切な有機塩基および無機塩基での処理によってその治療活性を示す非毒性の塩基付加塩形態(例えば、金属塩またはアミン塩)に変換することができる。適切な塩基性塩形態には、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、およびカルシウム塩など)、有機塩基を有する塩(例えば、N−メチル−D−グルカミン)、ヒドラバミン塩、およびアミノ酸(例えば、アルギニンおよびリジンなど)を有する塩が含まれる。
【0719】
逆に、これらの塩形態を、適切な塩基または酸での処理によって遊離形態に変換することができる。
【0720】
式Iの化合物およびその塩は、本発明の範囲内に含まれる溶媒和物形態であり得る。かかる溶媒には、例えば、水和物およびアルコレートなどが含まれる。
【0721】
式Iの化合物の多くおよびそれらの中間体のうちのいくつかは、その構造中に少なくとも1つの不斉中心を有する。この不斉中心は、R配置またはS配置で存在することができ、RおよびS表記を、Pure Appl.Chem.,45(1976)11−30に記載の規則に従って使用する。
【0722】
本発明はまた、式Iの化合物の全ての立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオ異性体など)またはその混合物(立体異性体の全ての可能な混合物が含まれる)をいう。
【0723】
式Iの化合物のうちのいくつかはまた、互変異性形態で存在し得る。このような形態は、上記式においては明示的に示されないが、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0724】
別の好ましい実施形態において、本発明はまた、式IAおよびそれらの互変異性形態IB:
【0725】
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
【0727】
本発明に関して、化合物(単数または複数)に対する言及は、特定の異性体が具体的にいわれない限り、その可能な異性体の各々およびそれらの混合物である化合物を包含することを意図される。
【0728】
本発明による化合物は、様々な多形形態で存在し得る。上記式においては明示的に示されないが、このような形態は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0729】
本発明はまた、式Iの化合物のプロドラッグ形態、ならびにその種々の部分範囲および部分群を、その範囲に含む。
【0730】
xii)米国特許出願公開番号20090018148
1つの局面において、本発明は、式I:
【0731】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
【0732】
を有する化合物、これらのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物(立体異性体の全ての可能な混合物を含む)、またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、式Iにおいて
R1は、水素またはC1〜6アルキルであり;
R2は、水素またはC1〜4アルキルであり;
R3は、式−CHR5R6の基またはベンジル基であり;
R4は、必要に応じてアルコキシカルボニル、C3〜6シクロアルキル、アリールまたは複素環により置換されたC1〜8アルキルであり;
R5は、C2〜4アルキルであり;
R6は、C2〜4アルキル、アミドまたは−COOR7であり;
R7は、C1〜4アルキルである。
【0733】
1つの局面において、本発明は:
R1が水素であり、R2がメチルであり、R3が−CHR5R6であり、R6がエトキシカルボニルであり、そしてR5がエチルである場合、R4は、メチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ペンチル、n−ヘプチル、3−ブロモベンジル、4−クロロベンジル、4−メチルベンジルまたは2−フェニルエチルとは異なり;
R1が水素であり、R2がメチルであり、R3がベンジルである場合、R4は、i−プロピル、n−ブチル、3−メチルブチル、ベンジル、フェニルエチル−、または3−フェニルプロピルとは異なり;
R1およびR2がメチルであり、R3がベンジルである場合、R4は、メチル、3−メチルブチル、ベンジル、3−フェニルプロピルまたは4−クロロフェニルメチルとは異なる、
化合物を提供する。
【0734】
最後に、8−(2−クロロ−ベンジルスルファニル)−3−メチル−7−オクチル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオンが企図される。
【0735】
通常、R3がベンジル基である場合、R4は、アルコキシカルボニルにより必要に応じて置換されたC1〜8アルキルである。
【0736】
通常、R3が式−CHR5R6の基である場合、R4は、必要に応じてC3〜6シクロアルキル、アリールまたは複素環により置換されたC1〜8アルキルである。
【0737】
用語「アルキル」とは、本明細書中で使用される場合、直鎖(非分枝)または分枝部分、あるいはその組み合わせを有し、そして1個〜8個の炭素原子、好ましくは1個〜6個の炭素原子を含む、飽和の一価炭化水素基を表す基であり;より好ましくは、アルキル基は、1個〜4個の炭素原子を有する。アルキル部分は、独立してヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、エチニル、アルコキシカルボニル、アシル、アリールまたは複素環からなる群より選択される1個〜5個の置換基で必要に応じて置換され得る。アルキル部分は、本明細書中以下で定義されるようなシクロアルキルによって、必要に応じて置換され得る。本発明により好ましいアルキル基は、メチル、シアノメチル、エチル、2−エトキシ−2−オキソエチル、2−メトキシエチル、n−プロピル、2−オキソプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−プロピニル、n−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、3−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルメチル、ベンジル、2−ブロモベンジル、3−ブロモベンジル、4−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、3−アミノベンジル、4−(アミノスルホニル)ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチルまたは(5−ニトロ−2−フリル)メチルである。より好ましいアルキル基は、メチル、エチル、シアノメチル、2−メトキシエチル、n−プロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−プロピニル、n−ブチル、3−ペンチル、n−ヘキシル、ベンジル、3−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、3−アミノベンジル、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチルまたは(5−ニトロ−2−フリル)メチルである。最も好ましいアルキル基は、メチル、エチル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジルまたは(5−ニトロ−2−フリル)メチルである。
【0738】
用語「シクロアルキル」とは、本明細書中で使用される場合、飽和環状炭化水素から誘導された、3個〜8個、好ましくは3個〜6個の炭素原子の一価の基を表し、これは、アルキル基に関して上に記載されたような基から選択される1つ以上の部分が挙げられるが、これらに限定されない任意の適切な基によって、置換され得る。本発明による好ましいシクロアルキル基は、シクロヘキシルである。
【0739】
用語「アリール」とは、本明細書中で使用される場合、ハロゲン、アミノ、ニトロ、アルコキシまたはアミノスルホニルから独立して選択される1個〜4個の置換基により必要に応じて置換された、フェニル基として定義される。好ましいアリール基は、フェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、3−メトキシフェニル、3−ニトロフェニル、3−アミノフェニルまたは4−(アミノスルホニル)フェニルである。
【0740】
用語「フェニル」とは、本明細書中で使用される場合、式−C6H5の芳香族炭化水素基を表わす。
【0741】
用語「ベンジル基」とは、本明細書中で使用される場合、式−CH2−アリールの基を表わす。好ましいベンジル基は、ベンジル、2−ブロモベンジル、3−ブロモベンジル、4−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、3−アミノベンジルまたは4−(アミノスルホニル)ベンジルである。より好ましいベンジル基は、ベンジル、3−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジルまたは3−アミノベンジルである。いくつかの実施形態において、アルキル基は、3−メトキシベンジルまたは3−ニトロベンジルである。
【0742】
用語「ハロゲン」とは、本明細書中で使用される場合、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素の原子を表わす。いくつかの実施形態において、ハロゲンは臭素である。
【0743】
用語「ヒドロキシ」とは、本明細書中で使用される場合、式−OHの基を表わす。
【0744】
用語「シアノ」とは、本明細書中で使用される場合、式−CNの基を表わす。
【0745】
用語「アミノ」とは、本明細書中で使用される場合、式−NH2の基を表わす。
【0746】
用語「エチニル」とは、本明細書中で使用される場合、式−C≡CHの基を表わす。
【0747】
用語「アルコキシ」とは、本明細書中で使用される場合、式−ORaの基を表わし、ここでRaは、上で定義されたようなアルキル基である。いくつかの実施形態において、アルコキシ基はメトキシである。
【0748】
用語「ニトロ」とは、本明細書中で使用される場合、式−NO2の基を表わす。
【0749】
用語「アミド」とは、本明細書中で使用される場合、式−C(=O)NH2の基を表わす。
【0750】
用語「アシル」とは、本明細書中で使用される場合、式−C(=O)Rbの基を表わし、ここでRbは、本明細書中で上で定義されたようなアルキル基である。いくつかの実施形態において、アシル基はアセチル(−C(=O)Me)である。
【0751】
用語「アルコキシカルボニル(またはエステル)」とは、本明細書中で使用される場合、式−COORcの基を表わし、ここでRcはアルキル基であり;ただし、Rcは、ヒドロキシによりα置換されたアルキルを表わさない。いくつかの実施形態において、アルコキシカルボニル基は、エトキシカルボニルである。
【0752】
用語「複素環」とは、本明細書中で使用される場合、OまたはNから選択される1個または2個のヘテロ原子を含む5員環を表わす。複素環は、1個または2個のC1〜4アルキルまたはニトロにより置換され得る。いくつかの実施形態において、複素環は、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)または(5−ニトロ−2−フリル)である。最も好ましい複素環は、(5−ニトロ−2−フリル)である。
【0753】
一般に、R1は、水素またはC1〜6アルキルである。通常、R1は、水素、または必要に応じてヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、エチニル、アルコキシカルボニルもしくはアシルにより置換されたC1〜6アルキルである。いくつかの実施形態において、R1は、水素、メチル、シアノメチル、2−エトキシ−2−オキソエチル、2−メトキシエチル、n−プロピル、2−オキソプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−プロピニル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルである。いくつかの実施形態において、R1は、水素、メチル、シアノメチル、2−メトキシエチル、n−プロピル、3−ヒドロキシプロピルまたは2−プロピニルである。いくつかの実施形態において、R1は水素である。
【0754】
一般に、R2は、水素またはC1〜4アルキルである。通常、R2は、水素または非置換C1〜4アルキルである。いくつかの実施形態において、R2は、水素、メチルまたはn−ブチルである。いくつかの実施形態において、R2はメチルである。
【0755】
一般に、R3は、式−CHR5R6の基またはベンジル基である。いくつかの実施形態において、R3は、3−ペンチル、1−(アミノカルボニル)プロピル、1−(エトキシカルボニル)プロピルまたは3−ブロモベンジルである。いくつかの実施形態において、R3は、1−(エトキシカルボニル)プロピルである。
【0756】
一般に、R4は、必要に応じてアルコキシカルボニル、C3〜6シクロアルキル、アリールまたは複素環により置換されたC1〜8アルキルである。通常、R4は、必要に応じてシクロヘキシル、フェニル、ブロモフェニル、アミノフェニル、メトキシフェニル、ニトロフェニル、アミノスルホニルフェニル、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、5−ニトロ−2−フリルまたはエトキシカルボニルにより置換されたC1〜8アルキルである。いくつかの実施形態において、R4は、n−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルメチル、ベンジル、2−ブロモベンジル、3−ブロモベンジル、4−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、3−アミノベンジル、4−(アミノスルホニル)ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル、(5−ニトロ−2−フリル)メチルまたは1−(エトキシカルボニル)プロピルである。いくつかの実施形態において、R4は、n−ブチル、n−ヘキシル、ベンジル、3−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、3−アミノベンジル、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル、(5−ニトロ−2−フリル)メチルまたは1−(エトキシカルボニル)プロピルである。いくつかの実施形態において、R4は、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジルまたは(5−ニトロ−2−フリル)メチルである。
【0757】
一般に、R5は、C2〜4アルキルである。通常、R5は、非置換C2〜4アルキルである。いくつかの実施形態において、R5はエチルである。
【0758】
一般に、R6は、C2〜4アルキル、アミドまたは−COOR7である。通常、R6は、非置換C2〜4アルキル、アミドまたは−COOR7である。いくつかの実施形態において、R6は、エチル、アミドまたはエトキシカルボニルである。いくつかの実施形態において、R6はエトキシカルボニルである。
【0759】
一般に、R7は、C1〜4アルキルである。通常、R7は、非置換C1〜4アルキルである。いくつかの実施形態において、R7はエチルである。
【0761】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
【0762】
を有する化合物、これらのエナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物(立体異性体の全ての可能な混合物を含む)、または薬学的に受容可能な塩を提供し、式Iにおいて、
R1は、水素、必要に応じてヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、エチニル、アルコキシカルボニルまたはアシルにより置換されたC1〜6アルキルであり;
R2は、水素または非置換C1〜4アルキルであり;
R3は、式−CHR5R6の基またはベンジル基であり;
R4は、必要に応じてシクロヘキシル、フェニル、ブロモフェニル、アミノフェニル、メトキシフェニル、ニトロフェニル、アミノスルホニルフェニル、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、5−ニトロ−2−フリルまたはエトキシカルボニルにより置換されたC1〜8アルキルであり;
R5は、非置換C2〜4アルキルであり;
R6は、非置換C2〜4アルキル、アミドまたは−COOR7であり;
R7は、非置換C1〜4アルキルであり;
ただし、R1が水素であり、R2がメチルであり、R3が−CHR5R6であり、R6がエトキシカルボニルであり、そしてR5がエチルである場合、R4は、n−プロピル、i−プロピル、n−ペンチル、n−ヘプチル、3−ブロモベンジル、4−クロロベンジル、4−メチルベンジルまたは2−フェニルエチルとは異なる。
【0763】
上記実施形態において、時々、R3がベンジル基である場合、R4は、必要に応じてアルコキシカルボニルにより置換されたC1〜8アルキルである。
【0764】
上記実施形態において、時々、R3が式−CHR5R6の基である場合、R4は、必要に応じてC3〜6シクロアルキル、アリールまたは複素環により置換されたC1〜8アルキルである。
【0765】
1つの実施形態において、
R1は、水素、メチル、シアノメチル、2−エトキシ−2−オキソエチル、2−メトキシエチル、n−プロピル、2−オキソプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−プロピニル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルであり;
R2は、水素、メチルまたはn−ブチルであり;
R3は、3−ペンチル、1−(アミノカルボニル)プロピル、1−(エトキシカルボニル)プロピルまたは3−ブロモベンジルであり;
R4は、n−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルメチル、ベンジル、2−ブロモベンジル、3−ブロモベンジル、4−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、3−アミノベンジル、4−(アミノスルホニル)ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル、(5−ニトロ−2−フリル)メチルまたは1−(エトキシカルボニル)プロピルであり;
ただし、R1が水素であり、R2がメチルであり、そしてR3が1−(エトキシカルボニル)プロピルである場合、R4は、n−ペンチル、3−ブロモベンジルまたは2−フェニルエチルとは異なる。
【0766】
上記実施形態において、時々、R3が3−ブロモベンジルである場合、R4は、必要に応じてアルコキシカルボニルにより置換されたC1〜8アルキルである。
【0767】
上記実施形態において、時々、R3が、3−ペンチル、1−(アミノカルボニル)プロピルまたは1−(エトキシカルボニル)プロピルである場合、R4は、1−(エトキシカルボニル)プロピルとは異なる。
【0768】
より好ましい実施形態において、R1は、水素、メチル、シアノメチル、2−メトキシエチル、n−プロピル、3−ヒドロキシプロピルまたは2−プロピニルであり;
R2はメチルであり;
R3は、3−ペンチル、1−(アミノカルボニル)プロピル、1−(エトキシカルボニル)プロピルまたは3−ブロモベンジルであり;
R4は、n−ブチル、n−ヘキシル、ベンジル、3−ブロモベンジル、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジル、3−アミノベンジル、(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル、(5−ニトロ−2−フリル)メチルまたは1−(エトキシカルボニル)プロピルであり;
ただし、R1が水素であり、R2がメチルであり、そしてR3が1−(エトキシカルボニル)プロピルである場合、R4は、3−ブロモベンジルとは異なる。
【0769】
上記実施形態において、時々、R3が3−ブロモベンジルである場合、R4は1−(エトキシカルボニル)プロピルであり;
上記実施形態において、時々、R3が3−ペンチル、1−(アミノカルボニル)プロピルまたは1−(エトキシカルボニル)プロピルである場合、R4は、1−(エトキシカルボニル)プロピルとは異なり;
1つの実施形態において、R1は水素であり;R2はメチルであり;R3は1−(エトキシカルボニル)プロピルであり;そしてR4は、3−メトキシベンジル、3−ニトロベンジルまたは(5−ニトロ−2−フリル)メチルである。
【0770】
さらなる実施形態は、R2がメチルであり、R3が式−CHR5R6の基であり、R5がC2〜4アルキルであり、R6がアミドまたは−COOR7であり、そしてR7がメチルまたはエチルである、化合物にある。
【0771】
いくつかの実施形態において、化合物は、2−[(7−ベンジル−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1−(2−メトキシエチル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(2−ブロモベンジル)−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1−(シアノメチル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−1−プロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−1−(2−オキソプロピル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−1−(2−プロピニル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−メトキシベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[3−メチル−7−(3−ニトロベンジル)−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−アミノベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−({7−[4−(アミノスルホニル)ベンジル]−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル}チオ)ブタン酸エチル;2−{[7−(4−ブロモベンジル)−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−7−(1−フェニルエチル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−7−(2−フェニルエチル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−({7−[(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル]−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル}チオ)ブタン酸エチル;2−({3−メチル−7−[(5−ニトロ−2−フリル)メチル]−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル}チオ)ブタン酸エチル;2−[(7−ブチル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−[(1,7−ジヘキシル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−[(7−ヘキシル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−[(3−メチル−2,6−ジオキソ−1,7−ジペンチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタンアミド;2−[(7−ブチル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタンアミド;7−(3−ブロモベンジル)−8−[(1−エチルプロピル)チオ]−3−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン;2−{8−[(3−ブロモベンジル)チオ]−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−7H−プリン−7−イル}ブタン酸エチル;および2−[(7−イソブチル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチルである。
【0772】
いくつかの実施形態において、化合物は、2−[(7−ベンジル−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1−(2−メトキシエチル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1−(シアノメチル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−1−プロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−1−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−1−(2−プロピニル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−メトキシベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[3−メチル−7−(3−ニトロベンジル)−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[7−(3−アミノベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−({7−[(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メチル]−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル}チオ)ブタン酸エチル;2−({3−メチル−7−[(5−ニトロ−2−フリル)メチル]−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル}チオ)ブタン酸エチル;2−[(7−ブチル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−[(7−ヘキシル−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)チオ]ブタン酸エチル;2−{[7−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタンアミド;7−(3−ブロモベンジル)−8−[(1−エチルプロピル)チオ]−3−メチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン;および2−{8−[(3−ブロモベンジル)チオ]−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−7H−プリン−7−イル}ブタン酸エチルである。
【0773】
いくつかの実施形態において、化合物は、2−{[7−(3−メトキシベンジル)−3−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;2−{[3−メチル−7−(3−ニトロベンジル)−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル]チオ}ブタン酸エチル;および2−({3−メチル−7−[(5−ニトロ−2−フリル)メチル]−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル}チオ)ブタン酸エチルである。
【0774】
遊離形態で塩基として存在する式Iの化合物の酸付加塩形態は、この遊離塩基を適切な酸(例えば、無機酸(例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸もしくは臭化水素酸)、硫酸、硝酸、およびリン酸など);または有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、およびパモ酸など))で処理することによって、得られ得る。
【0775】
酸性プロトンを含む式Iの化合物は、適切な有機塩基および無機塩基での処理によって、その薬学的に活性な非毒性の塩基付加塩形態(例えば、金属塩またはアミン塩)に転換され得る。適切な塩基塩形態としては、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩など)、有機塩基(例えば、N−メチル−D−グルカミン)との塩、ヒドラバミン塩、ならびにアミノ酸(例えば、アルギニン、リジンなど)との塩が挙げられる。
【0776】
逆に、これらの塩形態は、適切な塩基または酸での処理によって、その遊離形態に転換され得る。
【0777】
式Iの化合物およびそれらの塩は、溶媒和物の形態であり得、これは、本発明の範囲内に含まれる。このような溶媒和物としては、例えば、水和物、およびアルコール和物などが挙げられる。
【0778】
式Iの化合物の多くおよびそれらの中間体は、その構造中に少なくとも1つの立体中心を有する。この立体中心は、R配置またはS配置で存在し得、このRおよびSの表記法は、Pure Appl.Chem.,45(1976)11−30に記載される規則に対応して使用される。
【0779】
本発明はまた、式Iの化合物の全ての立体異性体(例えば、エナンチオマー形態およびジアステレオマー形態)、またはその混合物(全ての可能な立体異性体の混合物を含む)に関する。
【0780】
本発明に関して、化合物(単数または複数)に対する言及は、特定の異性体が具体的にいわれない限り、その可能な異性体の各々およびそれらの混合物である化合物を包含することを意図される。
【0781】
本発明による化合物は、様々な多形形態で存在し得る。上記式においては明示的に示されないが、このような形態は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0782】
xiii)米国特許番号7,465,549
いくつかの実施形態において、この化合物は、必要に応じて置換されたN−アルキル化2−オキソ−ピロリジン誘導体を包含する。いくつかの実施形態において、これらの化合物は、ピロリドン環の4位および/または5位において置換された、アルキルアミド誘導体である。必要に応じて置換されたN−アルキル化2−オキソ−ピロリジン誘導体の例としては、(2S)−2−[(4S)−4−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソピロリジニル]ブタンアミド、(2S)−2−[(4R)−2−オキソ−4−プロピルピロリジニル]ブタンアミド、(2S)−2−[(4S)−2−オキソ−4−プロピルピロリジニル]ブタンアミド、および(2S)−2−[4−(3−アジドフェニル)−2−オキソピロリジン−1−イル]ブタンアミドなどの化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0783】
いくつかの実施形態において、これらの化合物はさらに、必要に応じて置換されたN−アルキル化2−オキソ−ピペリジニル誘導体を包含する。いくつかの実施形態において、これらの化合物は、2−オキソ−ピペリジニル環の4位および/または5位および/または6位で置換された、アルキルアミド誘導体である。必要に応じて置換されたN−アルキル化2−オキソ−ピロリジン誘導体の例としては、国際特許出願PCT/EP02/05503に記載される化合物(例えば、(2S)−2−[5−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、(2S)−2−[5−(アジドメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−(2−オキソ−5−フェニル−1−ピペリジニル]ブタンアミド、(2S)−2−[4−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、および(2S)−2−[4−(2−フルオロ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1−ピロリジニル]ブタンアミド)などの化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0784】
いくつかの実施形態において、これらの化合物は、式I:
【0785】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
【0786】
の任意のアセタム(acetam)化合物(ラセミ形態または異性体)、またはその薬学的に受容可能な塩を包含し、式Iにおいて、
Rは、水素またはヒドロキシを表わし;
R1およびR2は独立して、水素または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を表し;そして
R3およびR4は独立して、水素、1個〜4個の炭素原子のアルキル基または−(CH2)n−NR5R6を表し、ここでnは、1、2または3であり、そしてR5およびR6は独立して、水素または1個〜4個の炭素原子のアルキル基を表す。
【0787】
このようなアセタム化合物の例としては、R、R1、R2、R3およびR4が水素である、式Iの化合物(2−オキソ−ピロリジンアセトアミドであり、英国特許番号1,039,113および1,309,692に記載されるように、一般名ピラセタム(piracetam)により公知である)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0788】
いくつかの実施形態において、これらの化合物はまた、必要に応じて置換されたN−アルキル化2−オキソ−アゼパニル誘導体を包含する。好ましくは、これらの化合物は、2−オキソ−アゼパニル環の4位および/または5位および/または6位および/または7で置換された、アルキルアミド誘導体である。必要に応じて置換されたN−アルキル化2−オキソ−アゼパニル誘導体の例としては、国際特許出願PCT/EP02/05503に記載される化合物(例えば、2−[5−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド)などの化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0789】
xiv)米国特許出願公開番号2006258704
本発明は、式I:
【0790】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
【0791】
の新規化合物、それらの薬学的に受容可能な塩、幾何異性体(シスおよびトランス、ZおよびE異性体を含む)、エナンチオマー、ジアステレオマーならびにこれらの混合物(全ての可能な立体異性体の混合物を含む)を提供し、式Iにおいて、
nは、0または1を表わし、これによって、n=0である場合にはR
1は存在せず、そしてn=1である場合にはR
1は存在し;
A
1は、酸素原子または硫黄原子を表わし;
Xは、−CONR
7R
8、−COOR
9、−CO−R
10またはCNであり;
R
1が存在する場合、R
2、R
3、R
4およびR
5は、同一または異なり、そして各々が独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、ニトロオキシ、シアノ、アジド、カルボキシ、アミド、スルホン酸、スルホンアミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、エステル、エーテル、アリール、複素環、またはオキシ誘導体、チオ誘導体、アミノ誘導体、アシル誘導体、スルホニル誘導体もしくはスルフィニル誘導体であり、
ただし、R
1から選択される置換基Rのうちの少なくとも1つが存在する場合、R
2、R
3、R
4またはR
5は水素ではなく;
R
6は、水素、アルキル、アリールまたは−CH2−R
6aであり、ここでR
6aは、アリール、複素環、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロまたはシアノであり;
R
7、R
8およびR
9は、同一または異なり、そして各々が独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル、アリール、複素環またはオキシ誘導体であり;そして
R
10は、水素、ヒドロキシ、チオール、ハロゲン、アルキル、アリール、複素環またはチオ誘導体である。
【0792】
上記式において、少なくとも1つの置換基R
1〜R
5は、水素とは異なる。いくつかの非置換化合物は、米国特許番号5,468,733および5,516,759に記載されている。米国特許番号5,468,733は、非環状の置換された2−オキソ−1−ピロリジニル誘導体および2−オキソ−1−ピペリジニル誘導体を、がん遺伝子Rasタンパク質のインヒビターとして開示する。具体的には、これらの化合物は、Rasが正常細胞をがん細胞に転換させる能力を遮断し、従って、がんを処置するための数種の化学療法組成物に含有され得る。
【0793】
米国特許番号5,516,759は、LHRH(黄体化ホルモン放出ホルモン)拮抗活性を有するドデカペプチドのN末端に存在する、非環状の置換された2−オキソ−l−ピロリジニル誘導体、2−オキソ−1−ピペリジニル誘導体およびアゼパニル誘導体を開示する。このようなLHRHアンタゴニストは、性ステロイドの抑制が主要な役割を果たす種々の状態の処置(避妊、思春期の遅延、良性前立腺過形成の処置など)において、有用である。
【0794】
以下に記載される定義において、他のことが記載されない限り、R
11およびR
12は、同一または異なり、そして各々が独立して、アミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、エステル、エーテル、アリール、アラルキル、複素環またはオキシ誘導体、チオ誘導体、アシル誘導体、アミノ誘導体、スルホニル誘導体、もしくはスルフィニル誘導体であり、各々が必要に応じて、任意の適切な基(低級アルキル、またはアルキルについての置換基として以下に記載されるような他の基から選択される1つ以上の部分が挙げられるが、これらに限定されない)で置換されている。
【0795】
用語「オキシ誘導体」とは、本明細書中で使用される場合、−O−R
11基を含むとして定義され、ここでR
11は、「オキシ誘導体」以外で上で定義されるとおりである。非限定的な例は、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アシルオキシ、オキシエステル、オキシアミド、アルキルスルホニルオキシ、アルキルスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールオキシ、アラルコキシまたはヘテロシクロオキシ(例えば、ペンチルオキシ、アリルオキシ、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、2−ナフチルオキシ、2−ピリジルオキシ、メチレンジオキシ、カーボネート)である。
【0796】
用語「チオ誘導体」とは、本明細書中で使用される場合、−S−R
11基を含むとして定義され、ここでR
11は、「チオ誘導体」以外で上で定義されるとおりである。非限定的な例は、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオおよびアリールチオである。
【0797】
用語「アミノ誘導体」とは、本明細書中で使用される場合、−NHR
11基または−NR
11R
12基を含むとして定義され、ここでR
11およびR
12は、上で定義されるとおりである。非限定的な例は、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、モノアルケニルアミノ、ジアルケニルアミノ、モノアルキニルアミノ、ジアルキニルアミノ、モノアリールアミノおよびジアリールアミノ、または混合アミノである。
【0798】
用語「アシル誘導体」とは、本明細書中で使用される場合、カルボン酸から誘導される基を表わし、従って、式R
11−CO−の基を含むと定義され、ここでR
11は上で定義されたとおりであり、そして水素であってもよい。好ましいものは、式−COR
11のアシル誘導体であり、ここでR
11は、水素、C1〜12アルキル、C2〜12アルケニル、C2〜12アルケニル、複素環およびアリールから選択される。非限定的な例は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、イソブチリル、バレリル、ラウロイル、ヘプタンジオイル、シクロヘキサンカルボニル、クロトニル、フマロイル、アクリロイル、ベンゾイル、ナフトイル、フロイル、ニコチノイル、4−カルボキシブタノイル、オキサリル、エトキサリル、システイニル、オキサモイルである。
【0799】
用語「スルホニル誘導体」とは、本明細書中で使用される場合、式−SO−R
11の基を含むと定義され、ここでR
11は、「スルホニル誘導体」以外で上で定義されるとおりである。非限定的な例は、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニルおよびアリールスルホニルである。
【0800】
用語「スルフィニル誘導体」とは、本明細書中で使用される場合、式−SO−R
11の基を含むと定義され、ここでR
11は、「スルフィニル誘導体」以外で上で定義されるとおりである。非限定的な例は、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニルおよびアリールスルフィニルである。
【0801】
用語「アルキル」とは、本明細書中で使用される場合、直鎖、分枝鎖または環状の部分、あるいはこれらの組み合わせを有し、そして非環状アルキルについては一般に1個〜20個の炭素原子、最も頻繁には1個〜12個の炭素原子、好ましくは1個〜7個の炭素原子を含み、そしてシクロアルキルについては3個〜7個の炭素原子を含む(これらの2つの好ましい場合において、他に特定されない限り、「低級アルキル」)、飽和の一価炭化水素基を含むと定義され、各々が、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、チオシアナト、アシル、アシルオキシ、スルホニル誘導体、スルフィニル誘導体、アルキルアミノ、カルボキシ、エステル、エーテル、アミド、アジド、シクロアルキル、スルホン酸、スルホンアミド、チオ誘導体、アルキルチオ、オキシエステル、オキシアミド、複素環、ビニル、アルコキシ(好ましくはC1〜5)、アリールオキシ(好ましくはC6〜10)およびアリール(好ましくはC6〜10)からなる群より独立して選択される、好ましくは1個〜5個の置換基により、必要に応じて置換されている。
【0802】
いくつかの実施形態において、1個〜7個の炭素原子を含むアルキル基であり、各々が必要に応じて、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アルコキシ、アジド、アルキルチオ、シクロプロピル、アシルおよびフェニルから選択される1個以上の置換基により置換されている。最も好ましいものは、C1〜4アルキルおよびC3〜7シクロアルキルであり、各々が必要に応じて、1個以上のヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキルまたは/およびアジドにより置換されている。
【0803】
いくつかの実施形態において、アルキル基は、ヒドロキシメチル、プロピル、ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、シクロプロピルメチル、ヨードメチル、アジドメチル、2,2−ジフルオロプロピル、2−ヨード−2,2−ジフルオロエチルである。
【0804】
用語「低級アルキル」とは、本明細書中で使用される場合、他に特定されない限り、C1〜C7の飽和の、直鎖、分枝鎖または環状の炭化水素をいう。非限定的な例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第三級ブチル(tertiobutyl)、ペンチル、シクロプロピル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチルであり、必要に応じて、任意の適切な基(アルキル基に化して上に記載されたようなきから選択される1つ以上の部分が挙げられるが、これらに限定されない)で置換されている。好ましくは、低級アルキルはメチルである。
【0805】
用語「アルケニル」とは、本明細書中で使用される場合、少なくとも1個の二重結合を有する、分枝鎖と非分枝鎖との両方の、不飽和炭化水素基を包含すると定義され、そして必要に応じて、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、シクロアルキル、アシル、ニトロ、シアノ、アリールおよび複素環からなる群より選択される少なくとも1個の置換基により置換されている。
【0806】
いくつかの実施形態において、アルケニル基はC2〜C12アルケニルであり、特に、C2〜6アルケニルであり、例えば、エテニル(=ビニル)、1−メチル−1−エテニル、2,2−ジメチル−1−エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(=アリル)、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、1−ヘキセニル、および2−ヘキセニルなどであり、必要に応じて、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、シクロアルキル、フェニルおよびアシルから選択される1個以上の置換基により置換されている。最も好ましいものはビニルであり、必要に応じて、1個以上のハロゲンおよび/または低級アルキルにより置換されており、そして特に、2,2−ジフルオロビニル、2,2−ジブロモビニルおよび2,2−ジクロロビニルである。
【0807】
用語「アルキニル」とは、本明細書中で使用される場合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む、一価の分枝または非分枝の炭化水素基を含むと定義され、例えば、エチニル、および2−プロピニル(=プロパルギル)などであり、そして必要に応じて、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、アリール、複素環、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、アルキルおよびアシルからなる群より選択される少なくとも1個の置換基により置換されている。
【0808】
いくつかの実施形態において、アルキニル基はC2〜12アルキニルであり、特に、C2〜6アルキニルであり、必要に応じて、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、アシル、アリール(例えば、フェニル)およびアルキル(好ましくは、シクロアルキル)から選択される1個以上の置換基により置換されている。
【0809】
いくつかの実施形態において、エチニル、プロピニルおよびブチニルは、低級アルキルまたは/およびハロゲンにより必要に応じて置換されており、そして特に、1−プロピニル、シクロプロピルエチニル、3−メチル−1−ブチニルおよび3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニルである。
【0810】
架橋基として存在する場合、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、直鎖または分枝鎖の、それぞれC1〜12、好ましくはC1〜4−アルキレン部分、またはC2〜12−、好ましくはC2〜4−アルケニレン部分もしくはアルキニレン部分を表わす。
【0811】
分枝誘導体が慣習的に「n」、「sec」、および「イソ」などの接頭辞によって分類される基(例えば、「n−プロピル」、「sec−ブチル」)は、他に示さない限り、n形態である。
【0812】
用語「アリール」とは、本明細書中で使用される場合、少なくとも1個の環、より頻繁には1個〜3個の環からなり、一般に6個〜30個の炭素原子を含む芳香族炭化水素から、1個の水素の除去により誘導される有機基(例えば、フェニルおよびナフチル)を含むと定義され、各々が必要に応じて、ハロゲン、ヒドロキシ、チオール、アミノ、ニトロ、シアノ、アシル、アシルオキシ、スルホニル、スルフィニル、アルキルアミノ、カルボキシ、エステル、エーテル、アミド、アジド、スルホン酸、スルホンアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、C1〜6−アルキルチオ、オキシエステル、オキシアミド、アリール、C1〜6−アルコキシ、C6〜10−アリールオキシ、C1〜6−アルキル、C1〜6−ハロアルキルから独立して選択される1個以上の置換基により置換されている。アリール基は、好ましくは、6個〜10個の炭素原子を含む、単環式または二環式である。好ましくは、アリール基は、フェニルおよびナフチルであり、各々が必要に応じて、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アジド、C1〜6−アルコキシ、C1〜6−アルキル、C1〜6−ハロアルキル、スルホニルおよびフェニルから独立して選択される1個以上の置換基により置換されている。
【0813】
いくつかの実施形態において、アリールはフェニルであり、必要に応じて、1個以上のハロゲン、低級アルキル、アジドまたはニトロにより置換されており、例えば、3−クロロフェニルおよび3−アジドフェニルである。
【0814】
用語「ハロゲン」とは、本明細書中で使用される場合、Cl、Br、F、Iの原子を包含する。
【0815】
用語「ヒドロキシ」とは、本明細書中で使用される場合、式−OHの基を表わす。
【0816】
用語「チオール」とは、本明細書中で使用される場合、式−SHの基を表わす。
【0817】
用語「シアノ」とは、本明細書中で使用される場合、式−CNの基を表わす。
【0818】
用語「ニトロ」とは、本明細書中で使用される場合、式−NO2の基を表わす。
【0819】
用語「ニトロオキシ」とは、本明細書中で使用される場合、式−ONO2の基を表わす。
【0820】
用語「アミノ」とは、本明細書中で使用される場合、式−NH2の基を表わす。
【0821】
用語「アジド」とは、本明細書中で使用される場合、式−N3の基を表わす。
【0822】
用語「カルボキシ」とは、本明細書中で使用される場合、式−COOHの基を表わす。
【0823】
用語「スルホン酸」とは、本明細書中で使用される場合、式−SO3Hの基を表わす。
【0824】
用語「スルホンアミド」とは、本明細書中で使用される場合、式−SO2NH2の基を表わす。
【0825】
用語「エステル」とは、本明細書中で使用される場合、式−COO−R
11の基を含むと定義され、ここでR
11は、オキシ誘導体、チオ誘導体またはアミノ誘導体以外で上で定義されたとおりである。好ましいものは、式−COOR
11のエステルであり、ここでR
11は、C1〜12アルキル、C2〜12アルケニル、C2〜12アルキニルおよびアリールから選択される。最も好ましいものは、R
11が低級アルキルアルキル(特に、メチル)であるエステルである。
【0826】
用語「エーテル」は、1個以上の酸素原子により分断された、C1〜50の直鎖もしく分枝鎖のアルキル基、またはC2〜50の直鎖もしくは分枝鎖のアルケニル基もしくはアルキニル基、あるいはこれらの組み合わせから選択される基を含むと定義される。
【0827】
用語「アミド」は、式−CONH2または−CONHR
11または−CONR
11R
12の基を含むと定義され、ここでR
11およびR
12は、上で定義されるとおりである。
【0828】
用語「複素環」とは、本明細書中で使用される場合、上で定義されたような芳香族または非芳香族の、環状のアルキル部分、アルケニル部分、またはアルキニル部分であって、少なくとも1個のO原子、S原子および/またはN原子がその炭素環式環構造を分断しており、そして必要に応じて、その炭素環式環構造の炭素のうちの1つが、カルボニルにより置き換えられ得、そして必要に応じて、低級アルキル、またはアルキル基に関して上に記載されたような他の基から選択される1個以上の部分が挙げられるが、これらに限定されない任意の適切な基で置換されているものを含むと定義される。複素環の非限定的な例は、ピリジル、フリル、ピロリル、チエニル、イソチアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラゾリル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリル、イソキノリル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ピラゾリル、インドリル、インドリジニル、プリニル、イソインドリル、カルバゾリル、チアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、チオモルホリニル、チエノ(2,3−b)フラニル、フロピラニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキセピニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアントレニル、ベンゾチアゾリル、またはベンゾオキサゾリル、シンノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、1−オキシドピリジル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェノチアジニル、フラザニル、ベンゾジオキソリル、イソクロマニル、インドリニル、キサンテニル、ヒポキサンチニル、プテリジニル、5−アザシチジニル、5−アザウラシル、トリアゾロピリジニル、イミダゾピリジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、モルホリノ、モルホリニル、1−オキサスピロ(4.5)デカ−2−イル、ピロリジニル、2−オキソ−ピロリジニル、糖部分(すなわち、グルコース、ペントース、ヘキソース、リボース、フルクトースであり、これらもまた置換され得る)であり、必要に応じて、アルキルによって、またはアルキル基に関して上に記載されたように、置換されている。用語「複素環」はまた、上記複素環式環のうちのいずれかが、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環または別の単環式複素環式環から独立して選択される、1個または2個の環に縮合しているか、あるいは単環式複素環式基がアルキレン基により架橋されている(例えば、キヌクリジニル、7−アザビシクロ(2.2.1)ヘプタニル、7−オキサビシクロ(2.2.1)ヘプタニル、8−アザビシクロ(3.2.1)オクタニル)、二環式、三環式および四環式の、スピロ基を包含する。
【0829】
複素環は、トリアゾリル、テトラゾリル、ピロリジニル、ピリジル、1−オキシドピリジル、チオモルホリニル、ベンゾジオキソリル、フリル、オキサゾリル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニルおよびピペラジニルから選択され得、各々が必要に応じて、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、アシルおよびフェニルから選択される1個以上の置換基により置換されている。いくつかの実施形態において、複素環は、テトラゾリル、ピロリジニル、ピリジル、フリル、ピロリル、チアゾリルおよびチエニルから選択され、各々が必要に応じて、ハロゲン、アルキル、ハロゲンで置換されたアルキル、アシル、アルコキシ、ニトロ、アミノおよびフェニルから選択される1個以上の置換基により置換されており、そして特に、2−チエニルおよび3−チエニルから選択され、必要に応じて、1個以上のハロゲン、アシル(例えば、ホルミル)、シアノおよび/または低級アルキル、(例えば、メチル)により置換されている。
【0830】
上記定義において、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
7、R
8、R
9、R
10などの置換基がその分子の残部にヘテロ原子またはカルボニルを介して結合している場合、直鎖または分枝鎖の、C1〜12−、好ましくはC1〜4−アルキレン架橋、またはC2〜12、好ましくはC2〜4−アルケニレン架橋もしくはアルキニレン架橋が、そのヘテロ原子またはカルボニルと、その分子の残部との結合点との間に、必要に応じて介在し得ることが理解されるべきである。
【0831】
遊離形態において塩基として存在する式(I)の化合物の酸付加塩形態は、この遊離塩基を適切な酸(例えば、無機酸(例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸もしくは臭化水素酸)、硫酸、硝酸、およびリン酸など);または有機酸(例えば、酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、およびパモ酸など))で処理することによって、得られ得る。
【0832】
酸性プロトンを含む式(I)の化合物は、適切な有機塩基および無機塩基での処理によって、その治療的に活性な非毒性の塩基付加塩形態(例えば、金属塩またはアミン塩)に転換され得る。適切な塩基塩形態としては、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩など)、有機塩基(例えば、N−メチル−D−グルカミン)との塩、ヒドラバミン塩、ならびにアミノ酸(例えば、アルギニン、リジンなど)との塩が挙げられる。
【0833】
逆に、これらの塩形態は、適切な塩基または酸での処理によって、その遊離形態に転換され得る。
【0834】
式Iの化合物およびそれらの塩は、溶媒和物の形態であり得、これは、本発明の範囲内に含まれる。このような溶媒和物としては、例えば、水和物、およびアルコール和物などが挙げられる。
【0835】
式Iの化合物の多くおよびそれらの中間体は、その構造中に少なくとも1つの立体中心を有する。この立体中心は、R配置またはS配置で存在し得、このRおよびSの表記法は、Pure Appl.Chem.(1976),45,11−30に記載される規則に対応して使用される。
【0836】
本発明はまた、式Iの化合物の全ての立体異性体(例えば、エナンチオマー形態およびジアステレオマー形態)、またはその混合物(全ての可能な立体異性体の混合物を含む)に関する。
【0837】
さらに、アルケニル基を含む、式Iの特定の化合物は、Z(zusammen)異性体またはE(entgegen)異性体として存在し得る。各例において、本発明は、混合物と、別々の個々の異性体との両方を包含する。
【0838】
ピペリジニル環またはアゼパニル環上の複数の置換基はまた、このピペリジニル環またはアゼパニル環の面に関して、互いにシスまたはトランスの関係のいずれかで存在し得る。
【0839】
式Iの化合物のうちのいくつかはまた、互変異性形態で存在し得る。このような形態は、上記式において明示的には示されなくても、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0840】
本発明に関して、化合物(単数または複数)に対する言及は、特定の異性体が具体的にいわれない限り、その可能な異性体の各々およびそれらの混合物である化合物を包含することを意図される。
【0841】
本発明はまた、式Iの化合物のプロドラッグ形態、ならびにその種々の部分範囲および部分群を、その範囲に含む。
【0842】
用語「プロドラッグ」は、本明細書中で使用される場合、インビボで(例えば、血液中での加水分解によって)本発明による親化合物に容易に転換される、化合物の形態を包含する。プロドラッグとは、それらの薬理作用を示す前に、生体内変化によって変更される基を有する化合物である。このような基としては、容易に酸化されるか、環化されるか、または切断される部分が挙げられ、その化合物は、生体内変化後に、薬理活性を維持するか、または薬理学的に活性になる。例えば、代謝により切断可能な基は、当業者に周知である基のクラスを形成する。これらの基としては、アルカノイル(すなわち、アセチル、プロピオニル、およびブチリルなど)、非置換および置換の炭素環式アロイル(例えば、ベンゾイル、置換ベンゾイル、1−ナフトイルおよび2−ナフトイル)、アルコキシカルボニル(例えば、エトキシカルボニル)、トリアルキルシリル(例えば、トリメチルシリルおよびトリエチルシリル)、ジカルボン酸と形成されるモノエステル(例えば、スクシニル)、ホスフェート、スルフェート、スルホネート、スルホニルおよびスルフィニルなどのような基が挙げられるが、これらに限定されない。生体内変化可能な基を有する化合物は、増強された溶解度、および/またはこの生体内変化可能な基の存在によってその親化合物に与えられる吸収速度の結果として、改善されたバイオアベイラビリティを示し得るという利点を有する。T.HiguchiおよびV.Stella,「Pro−drugs as Novel Delivery System」,A.C.S.Symposium Seriesの第14巻;「Bioreversible Carriers in Drug Design」,編者Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987。
【0843】
用語「R置換基」とは、独立して、R
1、R
2、R
3、R
4またはR
5をいう。
【0844】
1つの実施形態によれば、本発明は、nが0を表わす、上で定義されたような式Iの化合物に関する。この化合物は、n=0であるのでR
1が存在しない、6員環構造(2−チオキソ−ピペリジニル誘導体または2−オキソ−ピペリジニル誘導体)であり、式(I−A):
【0845】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
【0847】
以下の実施形態によれば、本発明は、nが1を表わす、上で定義されたような本発明による式Iの化合物に関する。この化合物は、n=1であるのでR
1が存在する、7員環構造(2−チオキソアゼパニル誘導体または2−オキソ−アゼパニル誘導体)であり、式(I−B):
【0848】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
【0850】
1つの実施形態によれば、本発明は、n=0であり、R
3および/またはR
4が水素とは異なり、そしてR
2およびR
5が水素を表わす、上で定義されたような上記化合物に関する。
【0851】
別の実施形態によれば、本発明は、n=1であり、R
2、R
3および/またはR
4が水素とは異なり、そしてR
1およびR
5が水素を表わす、上で定義されたような上記化合物に関する。
【0852】
別の実施形態によれば、本発明は、n=0の場合にはR
3またはR
4から選択され、あるいはn=1の場合にはR
2、R
3またはR
4から選択される、1つのみのR置換基が水素とは異なり、そして残りのR置換基が水素である、上で定義されたような上記化合物に関する。本発明者らはここで、一置換の2−チオキソ−ピペリジニル誘導体もしくは2−オキソ−ピペリジニル誘導体、または2−チオキソ−アゼパニル誘導体もしくは2−オキソ−アゼパニル誘導体と称する。
【0853】
別の実施形態によれば、本発明は、A
1が酸素原子を表わす、上で定義されたような本発明による式Iの化合物に関する。本発明者らはここで、2−オキソ−ピペリジニル誘導体または2−オキソ−アゼパニル誘導体と称する。
【0854】
別の実施形態によれば、本発明は、XがCONR
7R
8であり、特にCONH2である、上で定義されたような本発明による式Iの化合物に関する。本発明者らはここで、2−オキソ(もしくはチオキソ)−ピペリジニルまたは2−オキソ(もしくはチオキソ)−アゼパニルのアミド誘導体と称する。
【0855】
別の実施形態によれば、本発明は、R
6が水素、C1〜4アルキル、またはCH2−R
6a基を表し、ここでR
6aが複素環を表わす、上で定義されたような本発明による式Iの化合物に関する。最も好ましくは、R
6はC1〜4アルキルであり、特にエチルである。R
6がエチルである場合、本発明者らは、2−(2−オキソ(もしくはチオキソ)−1−ピペリジニル)ブタンアミド誘導体または2−(2−オキソ(もしくはチオキソ)−1−アゼパニル)ブタンアミド誘導体と称する。
【0856】
別の実施形態によれば、本発明は、R
6が結合している炭素原子がS配置である、上で定義されたような本発明による式Iの化合物に関する。R
6がエチルであり、Aが酸素であり、そしてXがCONR
7R
8である場合、本発明者らは、(2S)−2−(2−オキソ−1−ピペリジニル)ブタンアミド誘導体または(2S)−2−(2−オキソ−1−アゼパニル)ブタンアミド誘導体と称する。
【0857】
1つの実施形態によれば、本発明は、R
2(n=1の場合)、R
3およびR
4が、同一または異なり、そして各々が独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、ニトロオキシ、シアノ、カルボキシ、アミド、スルホン酸、スルホンアミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、エステル、エーテル、アリール、複素環、アシル誘導体、スルホニル誘導体またはスルフィニル誘導体であり;
R
1(存在する場合)、R
2(n=0の場合)およびR
5が水素であり;
R
6が、水素、アルキル、アリールまたは−CH2−R
6aであり、ここでR
6aは、アリール、複素環、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロまたはシアノであり;
ただし、R
6が水素である場合、Xは−CONR
7R
8であり、そしてこの化合物は、(2R)−2−[(6R)−6−メチル−2−オキソアゼパニル]−3−フェニルプロパン酸メチルでも(2S)−2−[(4R)−4−メチル−2−オキソアゼパニル]−3−フェニルプロパン酸メチルでもない、
上で定義されたような化合物に関する。
【0858】
この実施形態によれば、この化合物は一般に、R
6がベンジルである場合、Xは−COOCH3であってn=1であり、R
3とR
4との両方が水素である場合、R
2はメチルとは異なり、そしてR
2とR
3との両方が水素である場合、R
4はメチルとは異なるような化合物である。
【0859】
別の実施形態によれば、本発明は、R
2(n=1の場合)、R
3およびR
4は、同一または異なり、そして各々が独立して、水素;シアノ;カルボキシ;アミド;
C1〜12アルキル(各々が必要に応じて、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アルコキシ、アジド、アルキルチオ、シクロアルキル、アシル、アリールおよび複素環から選択される1個以上の置換基により置換されている);
C2〜12アルケニル(各々が必要に応じて、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、アルキル、アリールおよびアシルから選択される1個以上の置換基により置換されている);
C2〜12アルキニル(各々が必要に応じて、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、アルキル、アリールおよびアシル;式−CO−R
11のアシル誘導体から選択される1個以上の置換基により置換されており、ここでR
11は、C1〜12アルキル、C2〜12アルケニル、C2〜12アルキニル、複素環およびアリールから選択される);
式−CO−O−R
11のエステル(ここでR
11は、C1〜12アルキル、C2〜12アルケニル、C2〜12アルキニルおよびアリールから選択される);
トリアゾリル、テトラゾリル、ピロリジニル、ピリジル、1−オキシドピリジル、チオモルホリニル、ベンゾジオキソリル、フリル、オキサゾリル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニルおよびピペラジニルから選択される複素環(各々が必要に応じて、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、アシルおよびフェニルから選択される1個以上の置換基により置換されている);
アリール(各々が必要に応じて、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、アミノ、アジド、スルホニル、アリールおよびニトロから選択される1個以上の置換基により置換されている)
である、上で定義されたような化合物に関する。
【0860】
別の実施形態によれば、本発明は、R
2(n=1の場合)、R
3およびR
4は、同一または異なり、そして各々が独立して、水素;
C1〜7アルキル(各々が必要に応じて、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アルコキシ、アジド、アルキルチオ、シクロプロピル、アシルおよびフェニルから選択される1個以上の置換基により置換されている);
C2〜6アルケニル(各々が必要に応じて、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、シクロアルキル、フェニルおよびアシルから選択される1個以上の置換基により置換されている);
C2〜6アルキニル(各々が必要に応じて、ハロゲン、シアノ、チオシアナト、アジド、アルキルチオ、シクロアルキル、フェニルおよびアシルから選択される1個以上の置換基により置換されている);
テトラゾリル、ピロリジニル、ピリジル、フリル、ピロリル、チアゾリルおよびチエニルから選択される複素環(各々が必要に応じて、ハロゲン、アルキル、ハロゲンで置換されたアルキル、アシル、アルコキシ、ニトロ、アミノおよびフェニルから選択される1個以上の置換基により置換されている);
フェニル(各々が必要に応じて、C1〜6アルキル、ハロゲンで置換されたアルキル、ハロゲン、アルコキシ、アミノ、アジド、スルホニル、フェニルおよびニトロから選択される1個以上の置換基により置換されている)
である、上で定義されたような化合物に関する。
【0861】
別の実施形態によれば、本発明は、n=1の場合には基R
2、R
3およびR
4から、またはn=0の場合には基R
3およびR
4から選択される、R置換基のうちの少なくとも1つが、独立して、C1〜4−アルキルまたはC3〜7−シクロアルキルを表わし、必要に応じて、1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキルおよび/またはアジドにより置換されている、上で定義されたような化合物に関する。
【0862】
別の実施形態によれば、本発明は、n=1の場合には基R
2、R
3およびR
4から、またはn=0の場合には基R
3およびR
4から選択される、R置換基のうちの少なくとも1つが、1個以上のハロゲンまたは/および低級アルキルにより必要に応じて置換されたビニルを独立して表わす、上で定義されたような化合物に関する。
【0863】
別の実施形態によれば、本発明は、n=1の場合は基R
2、R
3およびR
4から、またはn=0の場合は基R3およびR
4から選択される、R置換基のうちの少なくとも1つが独立して、エチニル、プロピニルまたはブチニルを表わし、必要に応じて1個以上のハロゲンおよび/または低級アルキルにより置換されている、上で定義されたような化合物に関する。
【0864】
別の実施形態によれば、本発明は、n=1の場合は基R
2、R
3およびR
4から、またはn=0の場合は基R
3およびR
4から選択される、R置換基のうちの少なくとも1つが独立して、1個以上のハロゲン、低級アルキル、アジドおよび/またはニトロにより必要に応じて置換されているフェニルを独立して表わす、上で定義されたような化合物に関する。
【0865】
別の実施形態によれば、本発明は、n=1の場合は基R
2、R
3およびR
4から、またはn=0の場合は基R
3およびR
4から選択される、R置換基のうちの少なくとも1つが独立して、1個以上のハロゲン、アシル、シアノまたは/および低級アルキルにより必要に応じて置換されている、2−チエニルまたは3−チエニルを表わす、上で定義されたような化合物に関する。
【0866】
特定の実施形態によれば、本発明は、n=1の場合は基R
3、R
4およびR
2から、またはn=0の場合は基R
3およびR
4から選択される、R置換基のうちの少なくとも1つが、ヒドロキシメチル、プロピル、ブチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、シクロプロピルメチル、ヨードメチル、アジドメチル、2−チエニル、3−チエニル、フェニル、3−クロロフェニル、3−アジドフェニル、2,2−ジフルオロビニル、2,2−ジブロモビニル、2,2−ジクロロビニル、2−エチニル、5−メチル−2−チエニル、5−ホルミル−2−エチニル、5−シアノ−2−チエニル、3−ブロモ−2−チエニル、4−メチル−2−チエニル、3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル、1−プロピニル、シクロプロピルエチニル、3−メチル−1−ブチニル、1−ブチニル、2,2−ジフルオロプロピル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチルおよび2−ヨード−2,2−ジフルオロエチルである、上で定義されたような化合物に関する。
【0867】
なお別の実施形態によれば、本発明は、R
1、R
2、R
4およびR
5が水素である、上で定義されたような化合物に関する。
【0868】
別の実施形態によれば、本発明は、R
1、R
2、R
3およびR
5が水素である、上で定義されたような化合物に関する。
【0869】
別の実施形態によれば、本発明は、n=1であり、そしてR
1、R
3、R
4およびR
5が水素である、上で定義されたような化合物に関する。
【0870】
上記範囲のすべてにおいて、R
6が結合している炭素原子が不斉である場合、この炭素原子は「S」配置であり得る。
【0871】
上で定義されたような本発明の代表的な化合物は、2−[5−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−(2−オキソ−5−プロピル−1−ピペリジニル)ブタンアミド、2−12−オキソ−5−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(アジドメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−(2−オキソ−5−フェニル−1−ピペリジニル)ブタンアミド、2−[2−オキソ−5−(2−チエニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−5−(3−チエニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(3−クロロフェニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(3−アジドフェニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(2,2−ジブロモビニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(2,2−ジクロロビニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−(5−エチニル−2−オキソ−1−ピペリジニル)ブタンアミド、2−[5−(5−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(5−ホルミル−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(5−シアノ−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(3−ブロモ−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(4−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−5−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−5−(1−プロピニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(シクロプロピルエチニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(3−メチル−1−ブチニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(1−ブチニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(2,2−ジフルオロプロピル)−2−オキソ1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−(2−オキソ−4−プロピル−1−ピペリジニル)ブタンアミド、2−[2−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−14−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(アジドメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−(2−オキソ−4−フェニル−1−ピペリジニル)ブタンアミド、2−12−オキソ−4−(2−チエニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−4−(3−チエニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(3−クロロフェニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(3−アジドフェニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(2,2−ジブロモビニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(2,2−ジクロロビニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−(4−エチニル−2−オキソ−1−ピペリジニル)ブタンアミド、2−[4−(5−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(5−ホルミル−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(5−シアノ−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(3−ブロモ−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(4−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−4−(1−プロピニル)−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(シクロプロピルエチニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(3−メチル−1−ブチニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(1−ブチニル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(2,2−ジフルオロプロピル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−14−(2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、2−[5−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−(2−オキソ−5−プロピル−1−アゼパニル)ブタンアミド、2−[2−オキソ−5−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−(5−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(アジドメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−(2−オキソ−5−フェニル−1−アゼパニル)ブタンアミド、2−[2−オキソ−5−(2−チエニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−5−(3−チエニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(3−クロロフェニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(3−アジドフェニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(2,2−ジブロモビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(2,2−ジクロロビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−(5−エチニル−2−オキソ−1−アゼパニル)ブタンアミド、2−[5−(5−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(5−ホルミル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(5−シアノ−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(3−ブロモ−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(4−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−5−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−5−(1−プロピニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(シクロプロピルエチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(3−メチル−1−ブチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(1−ブチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(2,2−ジフルオロプロピル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[5−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−(2−オキソ−6−プロピル−1−アゼパニル)ブタンアミド、2−[2−オキソ−6−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−16−(アジドメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−(2−オキソ−6−フェニル−1−アゼパニル)ブタンアミド、2−[2−オキソ−6−(2−チエニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−6−(3−チエニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(3−クロロフェニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(3−アジドフェニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(2,2−ジブロモビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(2,2−ジクロロビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−(6−エチニル−2−オキソ−1−アゼパニル)ブタンアミド、2−[6−(5−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(5−ホルミル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(5−シアノ−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(3−ブロモ−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(4−メチル−2−チエニル]−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−6−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−6−(1−プロピニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(シクロプロピルエチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(3−メチル−1−ブチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(1−ブチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(2,2−ジフルオロプロピル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[6−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−(2−オキソ−4−プロピル−1−アゼパニル)ブタンアミド、2−[2−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−14−(シクロプロピルメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(アジドメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−(2−オキソ−4−フェニル−1−アゼパニル)ブタンアミド、2−[2−オキソ−4−(2−チエニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−4−(3−チエニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−f4−(3−クロロフェニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(3−アジドフェニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(2,2−ジブロモビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(2,2−ジクロロビニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−(4−エチニル−2−オ
キソ−1−アゼパニル)ブタンアミド、2−[4−(5−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(5−ホルミル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[
4−(5−シアノ−
2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(3−ブロモ−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(4−メチル−2−チエニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[2−オキソ−4−(1−プロピニル)−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(シクロプロピルエチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(3−メチル−1−ブチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(1−ブチニル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(2,2−ジフルオロプロピル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル]−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド、2−[4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミドからなる群より選択される。
【0872】
以下の化合物を用いて結果が得られた:
(2S)−2−[5−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
(2S)−2−[5−(アジドメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−(2−オキソ−5−フェニル−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
(2S)−2−[4−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−ピペリジニル]ブタンアミド、
2−[5−(ヨードメチル)−2−オキソ−1−アゼパニル]ブタンアミド。
【0873】
xv)国際特許出願公開番号WO2008/132139
いくつかの実施形態において、これらの化合物は、以下:
【0874】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0875】
のような式(I)の化合物であり、式(I)において、
Yは、OまたはSである。いくつかの実施形態において、YはOである。R1は、水素またはC−|.gアルキルであり;
R2は水素であり;
R3は、−CONR5R6、−COR7、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリダジニルであり;R5、R6は、同一または異なり、そして独立して、水素およびC−|_6アルキルから選択され;
R7は、C<;|_6アルキルであり;
Aは、イミダゾリジン−1−イル、1,3−オキサゾリジン−3−イル、2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル、1,3−チアゾール−3(2H)−イル、1,3−チアゾリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、アゼパン−1−イル、5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−4−イル、ヘキサヒドロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−4−イル、2,3−ジヒドロ−1H−チエノ[3,4−b]ピロール−1−イル、1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル、1,3−ベンゾオキサゾール−3(2H)−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−1(2H)−イル、3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル、1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イル、1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンゾアゼピン−3−イルからなる群より選択される、単環式または二環式の複素環式部分であり;R4は、Aが単環式複素環であるか二環式複素環であるかに依存して、R^aまたはR^bのいずれかであり;
Aが単環式複素環式部分である場合、R^はR^aであり、これは、水素;必要に応じてハロゲン、C−1.4アルコキシ、C−1.4アルキルチオ、アジド、ニトロオキシまたはアリールから選択される置換基により置換されたC−|.gアルキル;必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜6アルケニル;必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜6アルキニル;アジド;アルコキシカルボニルアミノ;アリールスルホニルオキシ;置換もしくは非置換のアリール;または3員〜8員の置換もしくは非置換の複素環からなる群より選択され;
Aが二環式複素環式部分である場合、R^はR^であり、これは、水素;ニトロ;シアノ;ハロゲン;複素環;アミノ;アリール;少なくとも1個のハロゲンにより置換されたC−|.gアルキル;または少なくとも1個のハロゲンにより置換されたC−|.gアルコキシ;を含む群または
これらからなる群より選択される。
【0876】
いくつかの実施形態において、これらの化合物は、以下のとおりである:
A=Yが2−オキソ−ピペリジン−1−イル、2−オキソ−アゼパン−1−イル、2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イルまたは2−オキソ−1,3−ベンゾオキサゾール−3(2H)−イルから選択される化合物については、R3は、イミダゾリル、イミダゾピリジニルまたはイミダゾピリダジニルから選択されなければならない。
【0877】
A=Yが5−オキソイミダゾリジン−1−イルであり、R^およびR^が水素であり、R3が−CONR5R6であり、R5およびR6が上で定義されたとおりである化合物については、R^aは、アルキル、アラルキルまたは置換アラルキルではあり得ない。
【0878】
A=Yが2−オキソ−ピペリジン−1−イルおよび2−オキソ−アゼパン−1−イルのいずれかであり、R^、R^およびR^aが全て水素である場合、R^は2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルではあり得ない。
【0880】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
【0881】
からなるリストより選択され、ここでXは、OまたはSであり、より特定の実施形態においてはOであり;別の実施形態において、XはSである。
【0882】
上記図示におけるアスタリスクは、置換基R^aの結合部位を示す。
【0883】
特定の実施形態において、R^が−CONR5R6であり、R^がC−μgアルキルである場合、R−IおよびR^が結合している炭素原子は、好ましくは、「S」配置にある。
【0884】
特定の実施形態において、R^は、水素、メチル、エチルであり、そしてR^は水素である。特定の実施形態において、R3は−CONH2である。
【0885】
さらなる特定の実施形態において、R^は、1H−イミダゾール−1−イル、1H−イミダゾール−4−イル、1H−イミダゾール−5−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルまたはイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イルである。特定の実施形態において、R^aは、ハロゲンで必要に応じて置換されたC−|.gアルキル;またはフェニルである。
【0886】
別の特定の実施形態において、R^bは、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、または必要に応じてハロゲンにより置換されたC−μgアルキルである。
【0887】
なおさらなる実施形態において、式(I−E):
【0888】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
【0889】
を有する化合物、およびその幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物、またはその薬学的に受容可能な塩は、上記障害(特に、癲癇)の処置において使用され得、式(I−E)において、
Xは、OまたはSであり;
R−Iは、水素またはC−|.gアルキルであり、より特定の実施形態においては、水素であり;
R3は、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリダジニルであり;R^bは、水素;ニトロ;シアノ;ハロゲン;必要に応じてハロゲンにより置換されたC−|.gアルキル;必要に応じてハロゲンにより置換されたC−|.gアルコキシである。
【0890】
本発明のさらなる局面は、式(I−A):
【0891】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
【0892】
を有する新規化合物、それらの幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物、またはその薬学的に受容可能な塩にあり、式(I−A)において、
R1は、水素またはC−|.gアルキルであり、好ましくは、水素、メチルまたはエチルであり;より特定の実施形態においては、R^はエチルである。
【0893】
R3は、−CONH2、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリダジニルであり、好ましくは、R^は−CONH2である。
【0894】
R^aは、水素またはアリールのいずれかであり;ただし、2−(5−オキソイミダゾリジン−1−イル)アセトアミドは除外される。好ましくは、R^aはアリール(例えば、フェニル)であり、これは好ましくは、ハロゲン、ニトロ、アルコキシによって、特にニトロによって、置換され得る。
【0895】
特定の実施形態において、R^が−CONH2であり、そしてR^がC−|.gアルキルである場合、R1およびR^に結合している炭素原子は、好ましくは、「S」配置にある。
【0896】
本発明のさらなる局面は、式(I−B1またはI−B2):
【0897】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
【0898】
を有する新規化合物、それらの幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物、またはその薬学的に受容可能な塩にあり、式(I−B1およびI−B2)において、式(I−B2)におけるXは、SまたはOのいずれかであり、より特定の実施形態においては、Sであり;
R1は、水素またはC−|.gアルキルであり、好ましくは、水素、メチルまたはエチルであり;より特定の実施形態においては、R^はエチルである。
【0899】
R3は、−CONH2、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリダジニルであり;好ましくは、R^は−CONH2である。
【0900】
R^aは、水素;必要に応じてハロゲンまたはC−1.4アルコキシにより置換されたC−|.gアルキル;アリール;あるいは必要に応じてハロゲンにより置換されたC2.gアルケニルである。好ましくは、R^aは、必要に応じてハロゲンまたはC2〜6アルケニル(ハロゲンもしくはアリールにより必要に応じて置換されている)により置換されたC−|.gアルキルである。より特定の実施形態において、R^aは、必要に応じてハロゲンまたはアリールにより置換されたC−|.gアルキルである。
【0901】
特定の実施形態において、R^が−CONH2であり、そしてR^がC−|.gアルキルである場合、R−IおよびR^が結合している炭素原子は、好ましくは、「S」配置にある。
【0902】
本発明のさらなる局面は、式(I−B3):
【0903】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
【0904】
を有する新規化合物、それらの幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物、またはその薬学的に受容可能な塩にあり、式(I−B3)において、
R1は、水素またはC−μgアルキルのいずれかであり、好ましくは、水素、メチルまたはエチルであり、;より好ましくは、R1はエチルである。
【0905】
R3は、−CONH2、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリダジニルであり;好ましくは、R^は−CONH2であり、R^aは、必要に応じてハロゲンまたはC−1.4アルコキシにより置換されたC−|_5アルキル;アリール;あるいは必要に応じてハロゲンにより置換されたC2_gアルケニルである。好ましくは、R^aは、必要に応じてハロゲンにより置換されたC−|.gアルキル、または必要に応じてハロゲンにより置換されたC2_gアルケニルである。
【0906】
特定の実施形態において、R^が−CONH2であり、そしてR^がC−|.gアルキルである場合、R−IおよびR^が結合している炭素原子は、好ましくは、「S」配置にある。
【0907】
本発明のさらなる局面は、式(I−C):
【0908】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0909】
を有する新規化合物、それらの幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物、またはその薬学的に受容可能な塩にあり、式(I−C)において
R1は、水素またはC−|.gアルキルであり、特に、水素、メチルまたはエチルである。
【0910】
R3は、−CONH2、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリダジニルであり;特に、R^は−CONH2である。
【0911】
R^aは、必要に応じてハロゲンまたはC−1.4アルコキシにより置換されたメチル、エチル、ブチル、非置換フェニル、あるいはハロゲン、C−|.gアルキル(必要に応じてハロゲンにより置換されている)またはC−1.4アルコキシにより置換されたフェニルであるか;あるいはR^aは、必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜6アルケニルである。好ましくは、R^aは、必要に応じてハロゲン、非置換フェニルまたはハロゲンにより置換されたフェニルにより置換された、メチルである。
【0912】
特定の実施形態において、R^が−CONH2であり、そしてR^がC−|.gアルキルである場合、R1およびRβが結合している炭素原子は、好ましくは、「S」配置にある。
【0913】
本発明のさらなる局面は、式(I−D1またはI−D2):
【0914】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
【0915】
を有する化合物、それらの幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物、またはその薬学的に受容可能な塩にあり、式(I−D1およびI−D2)において、
R−Iは、水素またはC−|.gアルキルであり、特に、水素であり;R3は、イミダゾリル、イミダゾピリジニルまたはイミダゾピリダジニルである。1つの実施形態において、R^は、1H−イミダゾール−1−イル、1H−イミダゾール−4−イル、1H−イミダゾール−5−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルまたはイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イルである。より特定の1つの実施形態において、R^は、1H−イミダゾール−1−イル、1H−イミダゾール−4−イル、1H−イミダゾール−5−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルであり;R^aは、水素、必要に応じてハロゲンまたはC−1.4アルコキシにより置換されたC−|.gアルキル;アリール;あるいは必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜gアルケニルである。特定の実施形態において、R^aは、必要に応じてハロゲンにより置換されたC−|.gアルキル;アリール;または必要に応じてハロゲンにより置換されたC2〜6アルケニルである。より特定の実施形態において、R^aは、必要に応じてハロゲンにより置換されたC−|.gアルキル;またはアリールであり;例えば、プロピルまたはフェニルであり;
ただし、R^およびR^aが水素である場合、R^は、2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルではない。
【0916】
本発明のさらなる局面は、式(I−F1、I−F2またはI−F3):
【0917】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【0918】
を有する化合物、それらの幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物、またはその薬学的に受容可能な塩にあり、式(I−F1、I−F2およびI−F3)において、
R−Iは、水素またはC−|.gアルキルであり、好ましくは、水素、メチルまたはエチルであり;より好ましくは、R^は水素である。
【0919】
R3は、−CONH2、イミダゾリル、イミダゾピリジニルまたはイミダゾピリダジニルであり;より特定の実施形態において、R3は、−CONH2、1H−イミダゾール−1−イル、1H−イミダゾール−4−イル、1H−イミダゾール−5−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルまたはイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イルである。R^bは、水素;ハロゲン;ニトロ;シアノ;必要に応じてハロゲンにより置換されたC1.4アルキル;必要に応じてハロゲンにより置換されたC−1.4アルコキシである。より特定の実施形態において、R^は、水素、ハロゲンまたはシアノであり、より具体的には、ハロゲンである。
【0920】
特定の実施形態において、R^が−CONH2であり、そしてR^がC−|.gアルキルである場合、R1およびRβが結合している炭素原子は、好ましくは、「S」配置にある。
【0921】
本発明のさらなる局面は、式(I−F4):
【0922】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
【0923】
を有する化合物、それらの幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物、またはその薬学的に受容可能な塩にあり、式(I−F4)において、
R−Iは、水素またはC−|.gアルキルであり、好ましくは水素であり;
R3は、イミダゾリル、イミダゾピリジニルまたはイミダゾピリダジニルであり;より特定すると、R^は、1H−イミダゾール−1−イル、1H−イミダゾール−4−イル、1H−イミダゾール−5−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルまたはイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イルである。より特定すると、R^は、1H−イミダゾール−4−イルまたはイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルである。
【0924】
R^bは、水素;ハロゲン;ニトロ;シアノ;必要に応じてハロゲンにより置換されたC−1.4アルキル;必要に応じてハロゲンにより置換されたC−1.4アルコキシであり;特に、R^は、水素、ハロゲンまたはシアノである。
【0925】
特定の実施形態において、R^が−CONH2であり、そしてR^がC−|.gアルキルである場合、R−IおよびR^が結合している炭素原子は、好ましくは、「S」配置にある。
【0926】
本発明のさらなる局面は、式(I−G1、I−G2またはI−G3):
【0927】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【0928】
のいずれかを有する化合物、それらの幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび混合物、またはその薬学的に受容可能な塩にあり、式(I−G1、I−G2およびI−G3)において、
R−Iは、水素またはC−|.gアルキルであり;好ましくは水素であり;
R3は、−CONH2、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリダジニルであり;より特定の実施形態において、R^は、−CONH2、1H−イミダゾール−1−イル、1H−イミダゾール−4−イル、1H−イミダゾール−5−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルまたはイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イルである。なおより特定の実施形態において、R3は、1H−イミダゾール−4−イルまたはイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルであり;
R4Dは、水素;ハロゲン;必要に応じてハロゲンにより置換されたC−1.4アルキル;必要に応じてハロゲンにより置換されたC−1.4アルコキシである。
【0929】
本発明の特定の化合物は、(2S)−2−[3−(4−ニトロフェニル)−5−オキソイミダゾリジン−1−イル]ブタンアミド;(2S)−2−[3−(2,4−ジニトロフェニル)−5−オキソイミダゾリジン−1−イル]ブタンアミド;(2S)−2−(5−オキソ−3−フェニルイミダゾリジン−1−イル)ブタンアミド;2−[5−(ヨードメチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]ブタンアミド;2−(2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ブタンアミド;2−(2−オキソ−4−フェニル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ブタンアミド;2−(4−メチル−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ブタンアミド;(2S)−2−(2−オキソ−5−プロピル−1,3−チアゾール−3(2H)−イル)ブタンアミド;2−(2−オキソ−5−プロピル−1,3−チアゾール−3(2H)−イル)プロパンアミド;2−(5−ブチル−2−オキソ−1,3−チアゾリジン−3−イル)ブタンアミド;2−(5−ブチル−2−オキソ−1,3−チアゾリジン−3−イル)プロパンアミド;2−(2−オキソ−5−フェニル−1,3−チアゾリジン−3−イル)プロパンアミド;2−(2−オキソ−5−プロピル−1,3−チアゾリジン−3−イル)ブタンアミド;2−(2−オキソ−5−フェニル−1,3−チアゾリジン−3−イル)ブタンアミド;2−(2−オキソ−5−プロピル−1,3−チアゾリジン−3−イル)プロパンアミド;(2S)−2−[2−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−チアゾリジン−3−イル]ブタンアミド;1−{[6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5−プロピルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−5−プロピルピペリジン−2−オン;1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)−5−プロピルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−5−フェニルピペリジン−2−オン;1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)−5−フェニルピペリジン−2−オン;1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)−4−フェニルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピペリジン−2−オン;1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)−4−プロピルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−4−プロピルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピペリジン−2−オン;1−{[6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}アゼパン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−5−プロピルアゼパン−2−オン;5−プロピル−1−{[2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}アゼパン−2−オン;5−フェニル−1−{[2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}アゼパン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−6−プロピルアゼパン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−4−プロピルアゼパン−2−オン;4−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−4,6−ジヒドロ−5H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−オン;2−(5−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−4−イル)アセトアミド;4−{[2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}−4,6−ジヒドロ−5H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−オン;4−{[2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}ヘキサヒドロ−5H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−オン;1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−1H−チエノ[3,4−b]ピロール−2(3H)−オン;2−(6−クロロ−2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル)アセトアミド;6−ブロモ−3−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン;2−(6−ブロモ−2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル)プロパンアミド;2−(6−ブロモ−2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル)プロパンアミド;2−(6−フルオロ−2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル)アセトアミド;2−(6−メチル−2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル)アセトアミド;6−フルオロ−3−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ベンゾオキサゾール−2(3H)−オン;1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2(1H)−オン;2−(6−クロロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)プロパンアミド;5−クロロ−2−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−1,4−ジヒドロイソキノリン−3(2H)−オン;2−(6−クロロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)アセトアミド;2−(6−ブロモ−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)アセトアミド;1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン;2−(6−ヨード−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)アセトアミド;2−(6−シアノ−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)アセトアミド;7−クロロ−2−{[2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン−3−オン;7−クロロ−2−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン−3−オン;7−クロロ−3−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン;および7−クロロ−3−{[2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンからなる群より選択される化合物である。
【0930】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5−プロピルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−5−プロピルピペリジン−2−オン;1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)−5−プロピルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−5−フェニルピペリジン−2−オン;1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)−4−フェニルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピペリジン−2−オン;1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)−4−プロピルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−4−プロピルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−1H−チエノ[3,4−b]ピロール−2(3H)−オン;6−ブロモ−3−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン;2−(6−ブロモ−2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル)プロパンアミド;および5−クロロ−2−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−1,4−ジヒドロイソキノリン−3(2H)−オンからなる群より選択される化合物である。
【0931】
以下の段落は、本発明による化合物を構成する種々の化学部分の定義を与え、そして他の明示的に記載される定義がより広い定義を与えない限り、本明細書および実施形態全体にわたって等しく適用されることを意図される。
【0932】
「C−|_βアルキル」とは、1個〜6個、または1個〜4個の炭素原子を有するアルキル基をいう。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、およびトリフルオロメチルなどなどの基により例示される。「アリール」とは、1つの環(例えば、フェニル)または複数の縮合した環(例えば、ナフチル)を有する、6個〜14個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環式基をいう。好ましいアリールとしては、フェニル、ナフチル、およびフェナントレニルなどが挙げられる。
【0933】
「複素環」とは、炭素原子に加えて、少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素および/または硫黄)を含む、飽和または不飽和の環系をいう。「複素環」は、「ヘテロアリール」と「ヘテロシクロアルキル」との両方を包含する。
【0934】
「ヘテロアリール」とは、単環式のヘテロ芳香族基、または二環式もしくは三環式の縮合環ヘテロ芳香族基をいう。ヘテロ芳香族基の特定の例としては、必要に応じて置換された、ピリジル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,3,4−トリアジニル、1,2,3−トリアジニル、ベンゾフリル、[2,3−ジヒドロ]ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、ベンゾイミダゾリル、イミダゾピリジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、ピリド[3,4−b]ピリジル、ピリド[3,2−b]ピリジル、ピリド[4,3−b]ピリジル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリル、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、キサンテニル、ベンゾキノリル、イミダゾピリミジニル、イミダゾピリダジニル、イミダゾチアゾリルまたはイミダゾチアジアゾリルが挙げられる。
【0935】
「C2〜6アルケニル」とは、好ましくは2個〜6個の炭素原子を有し、そして少なくとも1個または2個のアルケニル不飽和部位を有する、アルケニル基をいう。好ましいアルケニル基としては、エテニル(ビニル、−CH=CH2)、およびn−2−プロペニル(アリル、−CH2CH=CH2)などが挙げられる。
【0936】
「C2〜6アルキニル」とは、好ましくは2個〜6個の炭素原子を有し、そして少なくとも1個〜2個のアルキニル不飽和部位を有する、アルキニル基をいい、好ましいアルキニル基としては、エチニル(−C≡CH)、およびプロパルギル(−CH2C≡CH)などが挙げられる。
【0937】
「C3.8シクロアルキル」とは、1つの環(例えば、シクロヘキシル)または複数の縮合した環(例えば、ノルボルニル)を有する、3個〜8個の炭素原子の飽和炭素環式基をいう。好ましいシクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびノルボルニルなどが挙げられる。
【0938】
「ヘテロシクロアルキル」とは、1個〜3個の炭素原子がO、S、NRからなる群より選択されるヘテロ原子により置き換えられており、Rが水素またはC−|.gアルキルと定義される、上記定義によるC3.8シクロアルキル基をいう。「アルコキシ」とは、基−O−Rをいい、ここでRは、「C−μgアルキル」、「C2〜6アルケニル」、「C2〜6アルキニル」、「C3.8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」を包含する。
【0939】
「アミノ」とは、基−NRR’をいい、ここで各R、R’は独立して、水素、「C−|.gアルキル」、「C2〜6アルケニル」、「C2〜6アルキニル」、「C3〜8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」であり、そしてRおよびR’は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3員〜8員のヘテロシクロアルキル環を必要に応じて形成し得る。
【0940】
「アミド」とは、基−C(=O)NRR’をいい、ここで各R、R’は独立して、水素、「C−|_5アルキル」、「C2〜6アルケニル」、「C2〜6アルキニル」、「C3.8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」であり、そしてRおよびR’は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、3員〜8員のヘテロシクロアルキル環を必要に応じて形成し得る。
【0941】
「アシルアミノ」とは、基−NRC(O)R’をいい、ここでRおよびR’は、アミノ基について本明細書中で上で定義されたとおりである。
【0942】
「ウレイド」とは、基−NR”C(O)NRR’をいい、ここでRおよびR’は、アミノ基について本明細書中で上で定義されたとおりであり、そしてR”は、本明細書中で上で定義されたとおりである。「スルファニル」とは、基−SRをいい、ここでRは、「C−|.gアルキル」、「C2〜6アルケニル」、「C2〜6アルキニル」、「C3.8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」または「ヘテロアリール」である。
【0943】
「スルフィニル」とは、基−S(=O)Rをいい、ここでRは、「C−|.gアルキル」、「C2〜6アルケニル」、「C2〜6アルキニル」、「C3.8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」または「ヘテロアリール」である。
【0944】
「スルホニル」とは、基−S(=O)2Rをいい、ここでRは、「C−|.gアルキル」、「C2〜6アルケニル」、「C2〜6アルキニル」、「C3.8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」または「ヘテロアリール」である。
【0945】
「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード原子をいう。
【0946】
「置換または非置換」:個々の置換基の定義によって他に制限されない限り、上記基(「アルキル」基、「アルケニル」基、「アルキニル」基、「アリール」基および「ヘテロアリール」基など)は、「C−|.gアルキル」、「C2〜6アルケニル」、「C2〜6アルキニル」、「シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アミノ」、「アミド」、「アシルアミノ」、「ウレイド」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「アルコキシ」、「ハロゲン」、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、「アミド」、「スルファニル」、「スルフィニル」、および「スルホニル」などからなる群より選択される1個〜5個の置換基で必要に応じて置換され得る。
【0947】
遊離形態において塩基として存在する式(I)の化合物の酸付加塩形態は、この遊離塩基を適切な酸(例えば、無機酸(例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸もしくは臭化水素酸)、硫酸、硝酸、およびリン酸など);または有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、およびパモ酸など))で処理することによって、得られ得る。
【0948】
酸性プロトンを含む式(I)の化合物は、適切な有機塩基および無機塩基での処理によって、その薬学的に活性な非毒性の塩基付加塩形態(例えば、金属塩またはアミン塩)に転換され得る。適切な塩基塩形態としては、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩など)、有機塩基(例えば、N−メチル−D−グルカミン)との塩、ヒドラバミン塩、ならびにアミノ酸(例えば、アルギニン、リジンなど)との塩が挙げられる。
【0949】
逆に、これらの塩形態は、適切な塩基または酸での処理によって、その遊離形態に転換され得る。
【0950】
式(I)の化合物およびそれらの塩は、溶媒和物の形態であり得、これは、本発明の範囲内に含まれる。このような溶媒和物としては、例えば、水和物、およびアルコール和物などが挙げられる。
【0951】
式(I)の化合物の多くおよびそれらの中間体は、その構造中に少なくとも1つの立体中心を有する。この立体中心は、R配置またはS配置で存在し得、このRおよびSの表記法は、Pure Appl.Chem.,45(1976)11−30に記載される規則に対応して使用される。
【0952】
本発明はまた、式(I)の化合物の全ての立体異性体(例えば、エナンチオマー形態およびジアステレオマー形態)、またはその混合物(全ての可能な立体異性体の混合物を含む)に関する。本発明に関して、化合物(単数または複数)に対する言及は、特定の異性体が具体的にいわれない限り、その可能な異性体の各々およびそれらの混合物である化合物を包含することを意図される。
【0953】
本発明による化合物は、様々な多形形態で存在し得る。上記式においては明示的に示されないが、このような形態は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0954】
式(I)の化合物のうちのいくつかはまた、互変異性形態で存在し得る。このような形態は、上記式においては明示的に示されないが、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0955】
本発明はまた、式(I)の化合物のプロドラッグ形態、ならびにその種々の部分範囲および部分群を、その範囲に含む。
【0956】
特定の実施形態において、本発明は、(2S)−2−[3−(4−ニトロフェニル)−5−オキソイミダゾリジン−1−イル]ブタンアミド;(2S)−2−[3−(2,4−ジニトロフェニル)−5−オキソイミダゾリジン−1−イル]ブタンアミド;(2S)−2−(5−オキソ−3−フェニルイミダゾリジン−1−イル)ブタンアミド;2−[5−(ヨードメチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]ブタンアミド;2−(2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ブタンアミド;2−(2−オキソ−4−フェニル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ブタンアミド;2−(4−メチル−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ブタンアミド;(+)−(2S)−2−(2−オキソ−4−プロピル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ブタンアミド;(2S)−2−(2−オキソ−5−プロピル−1,3−チアゾール−3(2H)−イル)ブタンアミド;2−(2−オキソ−5−プロピル−1,3−チアゾール−3(2H)−イル)プロパンアミド;2−(5−ブチル−2−オキソ−1,3−チアゾリジン−3−イル)ブタンアミド;2−(5−ブチル−2−オキソ−1,3−チアゾリジン−3−イル)プロパンアミド;2−(2−オキソ−5−フェニル−1,3−チアゾリジン−3−イル)プロパンアミド;2−(2−オキソ−5−プロピル−1,3−チアゾリジン−3−イル)ブタンアミド;2−(2−オキソ−5−フェニル−1,3−チアゾリジン−3−イル)ブタンアミド;2−(2−オキソ−5−プロピル−1,3−チアゾリジン−3−イル)プロパンアミド;(2S)−2−[2−オキソ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,3−チアゾリジン−3−イル]ブタンアミド;1−{[6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}ピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−5−プロピルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−5−プロピルピペリジン−2−オン;1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)−5−プロピルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−5−フェニルピペリジン−2−オン;1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)−5−フェニルピペリジン−2−オン;1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)−4−フェニルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−フェニルピペリジン−2−オン;1−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルメチル)−4−プロピルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−4−プロピルピペリジン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−4−プロピルピペリジン−2−オン;1−{[6−クロロ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル]メチル}アゼパン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−5−プロピルアゼパン−2−オン;5−プロピル−1−{[2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}アゼパン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−5−フェニルアゼパン−2−オン;5−フェニル−1−{[2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}アゼパン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−6−プロピルアゼパン−2−オン;1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−4−プロピルアゼパン−2−オン;4−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−4,6−ジヒドロ−5H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−オン;2−(5−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−b]ピロール−4−イル)アセトアミド;4−{[2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}−4,6−ジヒドロ−5H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−オン;4−{[2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}ヘキサヒドロ−5H−チエノ[3,2−b]ピロール−5−オン;1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−1H−チエノ[3,4−b]ピロール−2(3H)−オン;2−(6−ブロモ−2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル)アセトアミド;2−(2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル)アセトアミド;2−(6−クロロ−2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル)アセトアミド;6−ブロモ−3−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン;6−ブロモ−3−(2−オキソプロピル)−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン;2−(6−ニトロ−2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル)アセトアミド;2−(6−ブロモ−2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル)プロパンアミド;2−(6−ブロモ−2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル)プロパンアミド;2−(6−フルオロ−2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル)アセトアミド;2−(6−メチル−2−オキソ−1,3−ベンゾチアゾール−3(2H)−イル)アセトアミド;6−フルオロ−3−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ベンゾオキサゾール−2(3H)−オン;1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2(1H)−オン;2−(6−クロロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)プロパンアミド;5−クロロ−2−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−1,4−ジヒドロイソキノリン−3(2H)−オン;2−(6−クロロ−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)アセトアミド;2−(6−ブロモ−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)アセトアミド;1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン;2−(6−ヨード−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)アセトアミド;2−(6−シアノ−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)アセトアミド;7−クロロ−2−{[2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン−3−オン;7−クロロ−2−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン−3−オン;7−クロロ−3−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン;および7−クロロ−3−{[2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メチル}−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オンからなる群より選択される化合物を想定する。
【0957】
xvi)英国特許1,039,113
本発明による新規化合物は、一般式:
【0958】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
【0959】
のN−置換ラクタムであり、ここでNは、3〜5の整数であり、そしてRは、
【0960】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【0961】
基を表し、ここでmは、0、1または2であり、そしてR’は、水素原子、またはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基もしくはアルキニル基(これらは3個〜6個の炭素原子を含み得る)、またはアリール基であり、そしてR”は、水素原子またはアルキル基であるか、あるいはR’とR”との両方は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、複素環式環(例えば、ピロリジン環)を形成する。
【0962】
xvii)英国特許1,309,692
本発明によれば、一般式:
【0963】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
【0964】
の新規N−置換ラクタムが提供され、ここでXは、水素原子、またはアルキル基、アルケニル基もしくはアルキニル基(1個〜6個の炭素原子を含む)であり、pは、1〜6の整数であり、Yは、水素原子、またはアルキル基、アルケニル基もしくはアルキニル基(1個〜6個の炭素原子を含む)、またはシクロアルキル基であり、そしてR’およびR”は、同じであっても異なってもよく、水素原子、またはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基またはアリール基であるか、あるいはR’およびR”は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、複素環式基(さらなるヘテロ原子を含み得る)を形成し、ただし、記号XおよびYのうちの少なくとも1つは、水素原子以外である。
【0965】
アセチルコリンエステラーゼインヒビター
本発明の方法および組成物のために有用なAChEIのうちでもとりわけ、以下のものである:
ザナペジル(zanapezil)、ガンスチグミン(ganstigmine)、フェネチルノルシムセリン(phenethylnorcymserine)(PENC)、シムセリン(cymserine)、チアシムセリン(thiacymserine)、SPH 1371(ガランタミンプラス)、ER 127528、RS 1259、F3796、テトラヒドロアミノアクリジン、DFP(ジイソプロピルフルオロホスフェート)、ラドスチギル(Ladostigil)、メモキン(Memoquin)、SP−004、BGC−20−1259、NP−0361、ZT−1、INM−176、ピリドスチグミン、アンベノニウム、デマルカリウム(demarcarium)、エドロホニウム、プラリドキシム、アミリン(Amirine)、SW−10888、MF−217、Ro 45−5934、HP−290、ENA 713、CP 118.954、ONO 1603、エプタスチグミン、マグノリアの抽出物(例えば、マグノロール(magnolol)、ホノキオール(honokiol)、タスピン(taspine)およびアシミロビン(asimilobine))、アラセプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、セロナプリル(ceronapril)、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、ホシノプリル、イミダプリル、リジノプリル、モエキシプリル、モベルチプリル、オマパトリラト(omapatrilat)、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、サムパトリラト(sampatrilat)、スプリラプリル(sprirapril)、テモカプリル、トランドラプリル、ピペリジニル−アルカノイル複素環式化合物、N−ベンジル−ピペリジン誘導体、4−(1−ベンジルピペリジル)−置換縮合キノリン誘導体、モノアミンアクリジンおよびそれらの誘導体、環状アミド誘導体、カルボン酸誘導体、サリチレート、オビドキシム、トリメドキシム、ジアセチルモノキシム、デメカリウム、イコペジル(icopezil)(5,7−ジヒドロ−3−(2−(1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル)エチル)−6H−ピロロ(3,2−f)−1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−オン)、ヘプチルフィゾスチグミン、E−2020、シチコリン、マレイン酸ベラナクリン、フッ化スルホニル(例えば、メタンスルホニルフルオリド(MoosおよびHershenson,1989)およびフェニルメチルスルホニルフルオリド(Ferris,1990;PopeおよびPadilla,1990))、フペルジン(huperzine)B、ミオチン(miotine)、スロナクリンおよびそのマレイン酸エステル、7−メトキシタクリン、SM−10888およびそのクエン酸エステル、ENA−713、TAK−147、CP−118954、ジフロシロン(zifrosilone)、(SR,9R)−5−(r−クロロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン−アミノ)−11−エチリデン−7−メチル−1,2,5,6,9,10−ヘキサヒドロ−5,9−メタノシクロオクタ[b]ピリジン−2−オン(ZT 1)、スタコフィリン(stacofylline)、SPH 1371、SPH 1373およびSPH 1375、トルセリン(tolserine)、1−(3−フルオロベンジル)−4−[(2−フルオロ−5,6−ジメトキシ−1−インダノン−2−イル)メチル]ピペリジン塩酸塩(ER 127528)、チアトルセリン(thiatolserine)(−)−12−アミノ−3−クロロ−9−エチル−6,7,10,11−テトラヒドロ−7,11−メタノシクロオクタ[b]キノリン塩酸塩(フペリン(huperine)X)、N,N−ジメチルカルバミン酸4−[1(S)−(メチルアミノ)−3−(4−ニトロフェノキシ)プロピル]フェニルエステルヘミフマレート(RS 1259)、2−[2−(l−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]−2,3−ジヒドロ−9−メトキシ−1H−ピロロ[3,4−b]キノリン−1−オンヘミフマレート(T 82)、1,3−ジクロロ−6,7,8,9,10,12−ヘキサヒドロアゼピノ[2,1−b]−キナゾリン(CI 1002)、N−ヘプチルカルバミン酸、2,4a,9−トリメチル−2,3,4,4a,9,9a−ヘキサヒドロ−1,2−オキサジノ[6,5−b]インドール−6−イルエステル−L−タートレート(CHF 2060)、3−(2−[1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,3ベンゾオキサジン−2,4−ジオン塩酸塩(E 2030)、N−[10−(ジエチルアミノ)デシル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ[2,3−b]インドール−5−イルエステル(MF 247)、5−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1H−チオピラノ−[3,4−b]キノリン(MF 8615)、N−[8−(シス−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)オクチル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ[2,3−b]インドール−5−イルエステルL−ビタートレート水和物(MF 268)、(−)N−(3−ピペリジノプロピル)−N−デメチルガランタミン(SPH 1286)、N−プロパルギル−3Rアミノインダン−5−イル−エチルメチルカルバメート(TV 3326)、クリプトタンシロン(cryptotanshinone)、ジヒドロタンシロン(dihydrotanshinone)I、ならびにタンシロン(tanshinone)I。
【0966】
本発明の方法および組成物のために有用なアセチルコリンエステラーゼインヒビターのうちでもとりわけ、以下のものに記載される化合物または剤である:
i)米国特許出願公開番号20080103105
1つの実施形態において、ACheIはメトリホナートであり、これは、メトリフォネート(metriphonate)またはトリクロルフォン、あるいはその活性代謝産物である2,2−ジメチルジクロロビニルホスフェート(またはジクロボスもしくはDDVP)としても公知である。メトリホナートは、以下の式:
(CH3O)2−PO−CHOH−OCl3
により表わされる。
【0967】
エコチオフェートは、エコチオペート(ecothiopate)、ヨウ化エコチオフェート、フォスフォリンアイオダイド、O,O’−ジエチルホスホロチオエートとの(2−メルカプトエチル)トリメチルアンモニウムS−エステル、BRN 1794025、エコチオパツム(ecothiopatum)、またはフォスフォリンとしても公知である。エコチオフェートは、CAS登録番号6736−03−4により参照される。
【0968】
他の実施形態において、ACHEインヒビターは、アミノアクリジン(例えば、非限定的な例として、タクリンまたはイピダクリン(ipidacrine))である。タクリン/コグネクス(登録商標)(1,2,3,4−テトラヒドロ−9−アミノアクリジン塩酸塩)は、テトラヒドロアミノアクリジンまたはTHAとしても公知である。タクリンは、CAS登録番号321−64−2により参照される。イピダクリンは、アミリジン(Amiridin)としても公知である。
【0969】
さらなる実施形態において、AChEインヒビターは、カルバメート(例えば、非限定的な例として、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、またはリバスチグミン)である。
【0970】
フィゾスチグミン(1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロ−1,3a,8−トリメチル−,メチルカルバメート(エステル)または(3aS,8aR)−ピロロ[2,3−b]インドール−5−オールとしても公知)は、CAS番号57−47−6により参照される。これは、血液脳関門を横切り得る第三級アミンである。
【0971】
ネオスチグミン、またはm−ヒドロキシフェニル)トリメチル−ジメチルカルバメート(エステル)アンモニウムは、CAS番号59−99−4により参照される。
【0972】
リバスチグミンは、酒石酸リバスチグミンまたは(S)−N−エチル−N−メチル−3−[1−(ジメチルアミノ)エチル]−フェニルカルバメート水素−(2R,3R)−タートレートまたはSDZ ENA 713またはENA 713としても公知である。リバスチグミンについての参照は、CAS登録番号123441−03−2である。
【0973】
さらなる実施形態において、AChEインヒビターは、カルバメートフェナントリン誘導体(例えば、非限定的な例として、ガランタミンまたはその臭化水素形態)である。
【0974】
ガランタミンは、(4aS,6R,8aS)−4a,5,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−3−メトキシ−11−メチル−6H−ベンゾフロ(3a,3,2−ef)(2)ベンゾアゼピン−6−オールとしても公知であり、そしてしばしば、その臭化水素形態で使用される。ガランタミンは、CAS番号357−70−0により参照される。
【0975】
AChEインヒビターはまた、ピペリジン誘導体(例えば、非限定的な例として、ドネペジル)であり得る。ドネペジルは、2,3−ジヒドロ−5,6−ジメトキシ−2−((1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル)メチル)−1H−インデン−1−オンとしても公知であり、そしてCAS番号120014−06−4により参照される。
【0976】
イトプリドもまた、本明細書中に開示される実施形態において使用するためのAChEインヒビターであり得る。イトプリドHClは、CAS登録番号122898−67−3により参照される。1つの実施形態において、イトプリドHClについての1日の総用量範囲は、約25mg〜約1000mgまたは約100mg〜約300mgである。いくつかの実施形態において、AChEインヒビター、すなわち神経原性剤は、イトプリドのN−オキシド誘導体であり、これは、イトプリドHClの主要なヒト代謝産物である。
【0977】
本開示の実施形態において使用するための別のAChEインヒビターは、(−)−フペルジンAであり、これは、HupAおよび1−アミノ−13−エチリデン−11−メチル−6−アザ−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2(7),3,10−トリエン−5−オンとも称される。これは、CAS番号102518−79−6により参照される。
【0978】
ACHEインヒビターのさらなる実施形態は、フェンセリン(phenserine)であり、その構造および合成は、米国特許番号6,495,700に記載されている。
【0979】
ガランタミンは、本発明において使用するためのアセチルコリンエステラーゼインヒビターの唯一の例であるが、他のアセチルコリンエステラーゼインヒビターが等しく使用され得る。このような化合物の例としては、ガランタミン誘導体が挙げられ、これは例えば、式(I):
【0980】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
【0981】
の化合物およびその薬学的に受容可能な塩であり、式(I)において:
点線は、炭素−炭素の単結合または二重結合が存在することを示し;
2つの記号R1は、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基、チオアルキル基、カルボキシアルキル基、カルボキシアルキルアミノ基、アルキルアミノ基、アシル基、シアノ基、スルフヒドリル基、C1〜C6アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、脂肪族もしくは芳香族のカルバモイル基、アラルコキシ基、アラルキルチオ基、アリールオキシメチル基、アルカノイルオキシ基、ヒドロキシアルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1個以上の基R3(以下に定義されるような)により置換されたベンゾイルオキシ基、またはアリールオキシカルボニル基を表し;
R2は、水素原子、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基(例えば、アリル基)、アラルキル基を表わし、このアルキル基、アルケニル基およびアラルキル基は、非置換であるか、あるいは少なくとも1個のハロゲン原子、シクロアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミノアルキル基、アシルアミノ基、芳香族または非芳香族の複素環式基(例えば、α−もしくはβ−フリル基、α−もしくはβ−チエニル基、α−もしくはβ−テニル基(thenyl group)、ピリジル基、ピラジニル基、またはピリミジル基)、芳香族複素環式基により置換されたアルキル基、アリール基(例えば、フェニル基)、アラルキル基、シアノ基、アロイル基、またはシクロアルキルメチル基により置換されており;
記号R3は、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基、チオアルキル基、スルフヒドリル基、C1〜C6アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルコキシ基、アラルキルチオ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基を表し;
記号R4は、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、またはC1〜C4アルキル基を表し;
2つの記号R5は、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子、またはヒドロキシメチル基を表し;
R6は、水素原子もしくはC1〜C6アルキル基を表わすか、またはR6と同じ炭素原子に結合している記号R1が水素原子を表す場合、R6は、式(Ia):
【0982】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
【0983】
の基を表わし、式(Ia)において、Raは、連結する結合を表わし、そしてR1、R2、R3、R4、R5、XおよびYは、式(I)について定義されたとおりであり;
あるいはR6、およびR6と同じ炭素に結合しているR1は一緒になって、セミカルバゾンを表わし;
Xは、酸素原子または式−NR3の基を表わし、ここでR3は上で定義されたとおりであり;
Yは、窒素原子またはリン原子を表わす。
【0984】
上記式(I)の化合物において、他のことが示される場合を除いて、アルキル基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、そして好ましくは、1個〜10個の炭素原子を有し、そしてこれらの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基が挙げられる。アルコキシ基、および他のアルキル基の単純な誘導体も同様に、好ましくは、1個〜10個、より好ましくは1個〜6個の炭素原子を有する。
【0985】
アリール基および複素環式基は、非置換であり得るか、またはこれらは、R3について定義された基および原子から選択される1個以上の置換基により置換され得、ただし、任意のR3置換基はそれ自体が、置換されたアリール基または複素環式基によって、さらには置換されないかもしれない。
【0986】
好ましいハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子である。
【0987】
好ましい式(I)の化合物は、アルキル基が1個〜8個、より好ましくは1個〜6個の炭素原子を含み、ハロゲン原子がフッ素原子、塩素原子または臭素原子であり、アリール基がフェニル基(これは置換されていても置換されていなくてもよく、好ましくは置換されていない)であり、シクロアルキル基が3個〜7個の環炭素原子を含み(好ましくはシクロプロピルまたはシクロブチルであり)、アシル基が低級(例えば、C2〜C6アルカノイル基)であり、そして複素環式基が芳香族であり、5個〜8個の環原子を含む(例えば、チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピロリル基またはピラジニル基)、化合物である。
【0988】
本発明において使用するために特に好ましい化合物は、式(II):
【0989】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【0990】
の化合物、ならびにその薬学的に受容可能な塩、特に、臭化水素酸塩、塩酸塩、メチルスルホン酸塩または代謝産物であり、式(II)において:
R1aおよびR2aは、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子、アシル基(好ましくは、アセチル基などの低級アルカノイル基)またはC1〜C6アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基もしくはイソプロピル基)を表し;
R3aは、アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表わし、これらの任意のものは、非置換であり得るか、または1個以上のハロゲン原子により置換され得、あるいはR3aは、シクロアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミノアルキル基、アシルアミノ基、芳香族複素環式基、アロイル基、アロイルアルキル基またはシアノ基を表わし;そして
R4aは、水素原子またはハロゲン原子を表わす。
【0991】
これらの化合物のうちで、本発明者らは特に、ガランタミンおよびその塩、またはドネペジルおよびその塩を好み、特に、ハロゲン化物(例えば、臭化水素酸ガランタミンまたは塩酸ドネペジル)を好む。
【0992】
本発明において使用され得るガランタミン誘導体としては、ノルガランタミン、ノルガランタミン誘導体およびエピガランタミンが挙げられる。
【0993】
アセチルコリンエステラーゼインヒビターとして使用され得る他の化合物としては、フィゾスチグミン、タクリンおよびタクリンアナログ、ファスシクリン(fasciculin)、メトリホナート、ヘプチル−フィゾスチグミン、ノルピリドスチグミン(norpyridostigmine)、ノルネオスチグミン(norneostigmine)、ネオスチグミン、ピリドスチグミン、フペルジンまたはそのプロドラッグ、リバスチグミンまたはそのプロドラッグ、ゴシポールもしくはフェンセリン、またはそのプロドラッグが挙げられる。
【0994】
別の特に好ましいアセチルコリンエステラーゼインヒビターは、ドネペジルおよびその塩であり、特に、塩酸ドネペジルなどのハロゲン化物である。
【0995】
ii)米国特許出願公開番号20070275959
1つの実施形態において、本発明は、以下の構造:
【0996】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【0997】
を有するカルバモイルエステルであり、ここでAは、非置換アリール、置換アリール、非置換ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より選択され;そしてR1およびR2は各々独立して、または組み合わせて、水素、非置換アルキル、置換アルキル、非置換アラルキル、置換アラルキル、非置換ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアラルキル、置換ヘテロアラルキル、非置換アリール、置換アリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、非置換シクロアルキル、置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキルおよび置換ヘテロシクロアルキルからなる群より選択される。
【0998】
さらなる実施形態において、本発明は:
【0999】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【1000】
からなる群より選択されるカルバモイルエステルであり、ここでR3、R4およびR5は各々独立して、または組み合わせて、水素、非置換アルキル、置換アルキル、非置換アラルキル、置換アラルキル、非置換ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、非置換ヘテロアラルキル、置換ヘテロアラルキル、非置換アリール、置換アリール、非置換ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、非置換シクロアルキル、置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキルおよび置換ヘテロシクロアルキルからなる群より選択される。
【1001】
なお別の実施形態において、本発明は:
【1002】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【1003】
からなる群より選択されるカルバモイルエステルである。
【1004】
iii)欧州特許出願番号EP1050303
本発明のいくつかの実施形態において、アセチルコリンエステラーゼインヒビターは、式1:
【1005】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【1006】
の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物であり、式1において、R
1およびR
2は各々独立して、水素;(C1〜C6)アルコキシ;ベンジルオキシ;フェノキシ;ヒドロキシ;フェニル;ベンジル;ハロ;ニトロ;シアノ;−COR
5;−COOR
5;−CONHR
5;−NR
5R
6;−NR
5COR
6;−OCONR
5R
6;−NHCOOR
5;1個〜3個のフッ素原子で置換され得る(C1〜C6)アルキル;SOpCH2−フェニルもしくはSOp(C1〜C6)アルキルであって、pは0、1もしくは2であるもの;ピリジルメチルオキシもしくはチエニルメチルオキシ;2−オキサゾリル;2−チアゾリル;およびベンゼンスルホンアミドからなる群より選択され;ここでこのフェノキシ基、ベンジルオキシ基、フェニル基、ベンジル基およびベンゼンスルホンアミド基のフェニル部分、このピリジルメチルオキシ基またはチエニルメチルオキシ基のピリジル部分およびチエニル部分、ならびに2−オキサゾリル基および2−チアゾリル基のオキサゾリル部分およびチアゾリル部分は、ハロ、(C1〜C4)アルキル、トリフルオロメチル、(C1〜C4)アルコキシ、シアノ、ニトロおよびヒドロキシからなる群より独立して選択される1個または2個の置換基で置換され得るか;
あるいはR
1およびR
2は、隣接する炭素原子に結合し、そしてこれらが結合している炭素原子と一緒になって、式2の基:
【1007】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【1008】
を形成し、式2において、R
3は、水素または(C1〜C6)アルキルであり;Jは、水素、硫黄またはNR
4であり;R
4は、水素または(C1〜C4)アルキルであり;そしてQは、酸素、硫黄、NH、CHCH3、C(CH3)2、−CH=CH−、または(CH2)
Iであり、ここで
Iは、1〜3の整数であり;
Xは、酸素または硫黄であり;
Yは、−(CH2)m−、−CH=CH(CH2)n−、−NR<4)<CH2)m−、または−O(CH2)m−であり、ここでnは、0〜3の整数であり、そしてmは、1〜3の整数であり;
R
5およびR
6は各々独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群より選択され、ここでこのフェニル基およびベンジル基のフェニル部分は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、(C1〜C4)アルキル、トリフルオロメチル、(C1〜C4)アルコキシ、シアノ、ニトロおよびヒドロキシからなる群より独立して選択される1個または2個の置換基で置換され得るか;あるいはNR
5R
6は一緒になって、4員環または5員環を形成し、ここでこの環の1個の原子は、窒素であり、そして他の原子は、炭素、酸素または窒素であるか;あるいはNR
5COR
6は一緒になって、4員または5員のラクタム環を形成し;
Lは、フェニル、フェニル−(C1〜C6)アルキル、シンナミルまたはピリジルメチルであり、ここでこのフェニルおよびフェニル−(C1〜C6)アルキルのフェニル部分は、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C4)アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルカルボニル、−OCONR
5R
6、−NHCOOR
5、およびハロからなる群より独立して選択される1個〜3個の置換基で置換され得るか;あるいはLは、式3の基:
【1009】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
【1010】
であり、式3において、bは、1〜4の整数であり;R
9およびR
10は独立して、水素、(C1〜C4)アルキル、ハロ、およびフェニルからなる群より選択され;EおよびFは独立して、−CH−または窒素であり;そしてGは、酸素、硫黄またはNR
4であり、ただし、EとFとの両方が窒素である場合、R
9およびR
10のうちの1つは存在せず;そして
R
7およびR
8は独立して、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルカルボニル、および(C1〜C6)アルコキシからなる群より選択され、ただし、この(C1〜C6)アルコキシは、窒素に隣接する炭素には結合しない。
【1011】
本発明のいくつかの実施形態において、式1の化合物は:
5,7−ジヒドロ−7−メチル−3−[2−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]エチル]−6H−ピロロ[4,5−f]−1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−オン;
5,7−ジヒドロ−7−エチル−3−[2[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]エチル]−6H−ピロロ[4,5−f]−1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−オン;
5,7−ジヒドロ−3−[2−[1−(2−クロロ−5−チオフェンメチル)−4−ピペリジニル]エチル]6H−ピロロ[4,5−f]−1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−オン;
5,7−ジヒドロ−3−[2−[1−(2−メチル−4−チアゾールメチル)−4−ピペリジニル]エチル]−6H−ピロロ[4,5−f]−1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−オン;
3−[2−[1−(3−ブロモフェニルメチル)−4−ピペリジニル]エチル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[4,5−f]−1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−オン;
3−[2−[1−(4−ブロモフェニルメチル)−4−ピペリジニル]エチル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[4,5−f]−1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−オン;
5,7−ジヒドロ−3−[3−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]プロピル]−6H−ピロロ[4,5−f]−1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−オン;
6,8−ジヒドロ−3−[2−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]エチル]−7H−ピロロ[5,4−g]−1,2−ベンゾイソオキサゾール−7−オン;および
5,7−ジヒドロ−3−[3−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]エチル]−6H−ピロロ[4,5−f]−1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−オン
からなる群より選択される。
【1012】
本発明のいくつかの実施形態において、式1の化合物は、5,7−ジヒドロ−3−[3−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]エチル]−6H−ピロロ[4,5−f]−1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−オンである。
【1013】
iv)国際特許出願公開番号WO2000/030446
a)アセチルコリンエステラーゼインヒビターは、ガランタミン、リコラミン(lycoramine)ならびにこれらの化合物のアナログ(そのメトキシ基が、1個〜6個の炭素原子の別のアルコキシ基、ヒドロキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基もしくは置換ベンゾイルオキシ基、カーボネート基またはカルバメート基により置き換えられているもの)からなる群より選択される。
【1014】
b)アセチルコリンエステラーゼインヒビターは、ガランタミンおよびリコラミンのアナログ(ガランタミンまたはリコラミンのヒドロキシ基が、1個〜6個の炭素原子のアルコキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基もしくは置換ベンゾイルオキシ基、カーボネート基またはカルバメート基により置き換えられているもの)からなる群より選択される。
【1015】
c)アセチルコリンエステラーゼインヒビターは、ガランタミンおよびリコラミンのアナログ(ガランタミンまたはリコラミンのN−メチル基が、水素、アルキル基、ベンジル基またはシクロプロピルメチル基、あるいは置換もしくは非置換のベンゾイルオキシ基により置き換えられているもの)からなる群より選択される。
【1016】
d)a)におけるようなアセチルコリンエステラーゼインヒビターであって、そのガランタミン、リコラミンおよびそのアナログ(このような化合物のメトキシ基が、水素、ヒドロキシ基もしくは2個〜6個の炭素原子のアルコキシ基、または1個〜7個の炭素原子のアシルオキシ基により置き換えられているもの)からなる群より選択されるもの。
【1017】
e)a)におけるようなアセチルコリンエステラーゼインヒビターであって、そのアセチルコリンエステラーゼインヒビターが、ガランタミンまたはリコラミンのアナログ(そのメトキシ基が、カルバミン酸モノアルキル基、カルバミン酸ジアルキル基、炭酸モノアルキル基または炭酸ジアルキル基により置き換えられており、これらのアルキル基が1個〜8個の炭素原子を含むもの)からなる群より選択されるもの。
【1018】
f)e)におけるようなアセチルコリンエステラーゼインヒビターであって、上記カーボネート基またはカルバメート基のアルキル基(単数または複数)が4個〜6個の炭素原子を含むもの。
【1019】
g)a)におけるようなアセチルコリンエステラーゼインヒビターであって、そのアセチルコリンエステラーゼインヒビターが、ガランタミンまたはリコラミンのアナログ(そのヒドロキシ基が、カルバミン酸モノアルキル基、カルバミン酸ジアルキル基、炭酸モノアルキル基または炭酸ジアルキル基により置き換えられており、これらのアルキル基が1個〜8個の炭素原子を含むもの)からなる群より選択されるもの。
【1020】
h)f)におけるようなアセチルコリンエステラーゼインヒビターであって、上記カーボネート基またはカルバメート基のアルキル基(単数または複数)が4個〜6個の炭素原子を含むもの。
【1021】
i)a)におけるようなアセチルコリンエステラーゼインヒビターであって、そのアセチルコリンエステラーゼインヒビターが、ガランタミンまたはリコラミンのアナログ(そのメトキシ基が、カルバミン酸アリール基または炭酸アリール基により置き換えられており、このアリール基が、フェニル基、ナフチル基、置換フェニル基および置換ナフチル基から選択され、その置換基が、1個〜6個の炭素原子のアルキル基およびアルコキシ基、トリフルオロメチル基ならびにハロ基から選択されるもの)からなる群より選択されるもの。
【1022】
j)b)におけるようなアセチルコリンエステラーゼインヒビターであって、そのアセチルコリンエステラーゼインヒビターが、ガランタミンおよびリコラミンのアナログ(そのヒドロキシ基が、カルバミン酸アリール基または炭酸アリール基により置き換えられており、このアリール基が、フェニル基、ナフチル基、置換フェニル基および置換ナフチル基から選択され、その置換基が、1個〜6個の炭素原子のアルキル基およびアルコキシ基、トリフルオロメチル基ならびにハロ基から選択されるもの))からなる群より選択されるもの。
【1023】
k)b)におけるようなアセチルコリンエステラーゼインヒビターであって、そのアセチルコリンエステラーゼインヒビターが、ガランタミン、リコラミンおよびそのアナログ(このような化合物のヒドロキシ基が、水素または1個〜6個の炭素原子のアルコキシ基または1個〜7個の炭素原子のアシル基により置き換えられたもの)からなる群より選択されるもの。
【1024】
l)a)におけるようなアセチルコリンエステラーゼインヒビターであって、そのアセチルコリンエステラーゼインヒビターが、ガランタミンおよびリコラミンのアナログ(ガランタミンまたはリコラミンのヒドロキシ基が、1個〜6個の炭素原子のアルコキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基もしくは置換ベンゾイルオキシ基、カーボネート基またはカルバメート基により置き換えられたもの)からなる群より選択されるもの。
【1025】
v)国際特許出願公開番号WO2006/070394
以下の式1および式2:
【1026】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【1027】
により表わされるキノリン誘導体である、AChEIであって、式1および式2において、Ri=アルキル、アリールであり;R2=H、アルキル、アラルキルである。
【1028】
1つの実施形態において、得られる置換カルバミン酸キノリニルエステルは、
Ia.ヘキシル−カルバミン酸キノリン−6−イルエステル
Ib.ヘプチル−カルバミン酸キノリン−6−イルエステル
Ic.(2−クロロ−フェニル)−カルバミン酸キノリン−6−イルエステル
Id.(3−ブロモ−フェニル)−カルバミン酸キノリン−6−イルエステル
2a.ヘキシル−カルバミン酸1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2b.ヘプチル−カルバミン酸1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2c.(3−ブロモ−フェニル)−カルバミン酸1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2d.(2−クロロ−フェニル)−カルバミン酸1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2e.(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−カルバミン酸1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2f.(4−ブロモ−フェニル)−カルバミン酸1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2g.ヘプチル−カルバミン酸1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2h.ヘキシル−カルバミン酸1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2i.(2−クロロ−フェニル)−カルバミン酸1−ベンジル−l,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2j.(3−ブロモ−フェニル)−カルバミン酸1−ベンジル−l,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2k.(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−カルバミン酸1−ベンジル−l,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2l.(4−ブロモ−フェニル)−カルバミン酸1−ベンジル−l,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2m.ヘキシル−カルバミン酸1−メチル−l,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2n.ヘプチル−カルバミン酸1−メチル−l,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2o.(2−クロロ−フェニル)−カルバミン酸1−メチル−l,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2p.(3−ブロモ−フェニル)−カルバミン酸1−メチル−l,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2q.(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−カルバミン酸1−メチル−l,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
2r.(4−ブロモ−フェニル)−カルバミン酸1−メチル−l,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−イルエステル
からなる群より選択される。
【1029】
本発明の1つの実施形態において、R1がアリールである場合、R1は、2−クロロ−フェニル、3−ブロモ−フェニル、4−ブロモ−フェニルおよび4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニルからなる群より選択される。
【1030】
本発明の別の実施形態において、R2は、メチルおよびベンジルからなる群より選択される。
【1031】
vi)国際特許出願公開番号WO2004/032929
1つの実施形態は、一般式I:
【1032】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
【1033】
により表わされる化合物に関し、一般式Iにおいて:Xは、以下の基:
【1034】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
【1035】
のうちの1つであり;
Lは独立して、−C(R)(R”)−、−CO−、−O−または−NR’−から選択され、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、RおよびR”は独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ニトロおよびアルキルチオから選択され、Dは独立して、−C(R9)−、=C−、または−N−から選択され、Al、A2、As、A4、As、A7、As、Bi、B2、Bs、B4、Bs、B6、B7、Bs、GおよびEは独立して、−CO−、−C(R10)(Rn)−、=C(R10)−、−N(R12)−、=N−、−O−、−S(O)t−から選択され、Ri、R2、R3、R4、R9、R10およびRilは独立して、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、アルキルチオ、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロ、アリール、−(Z)n−、アリール、ヘテロアリール、−O(R7)、−C(O)R7、−C(O)OR7、−S(O)t、シアノ、ニトロおよびメルカプト、アリールであって、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、ニトロまたはアルキルチオにより置換されているもの;ならびにアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、ニトロまたはアルキルチオにより置換されたヘテロアリールから選択され、R5、R6、およびR12は独立して、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールであって、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、またはアルキルチオにより置換されているもの;ならびにアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、ニトロまたはアルキルチオにより置換されたヘテロアリールから選択され、Zは独立して、−C(R7)(R8)−、−C(O)−、−O−、−C(=NR7)−、−S(O)t、N(R7)−から選択され、R7およびRsは独立して、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロ、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ニトロ、メルカプト、アリールであって、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、ニトロまたはアルキルチオにより置換されているもの;ならびにアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、ニトロまたはアルキルチオにより置換されたヘテロアリールから選択され、tは、0、1または2である。
【1037】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
【1038】
である場合、
a)いずれの場合においても、基Al−A4、As−As、Bl−B4、およびBs−Bsの原子の各々が同時には=C(R10)−にはならず、そしてb)いずれの場合においても、2つの基Ai−A4およびAs−Asのうちの1つの原子の各々、ならびに2つの基Bi−B4およびBs−Bsのうちの1つの原子の各々が、同時には=C(R10)−にはならない、
という条件を有する。
【1039】
関連する局面において、本発明は、式(I)の範囲内であり、そして一般式laおよびIIa:
【1040】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
【1041】
により表わされる化合物に関し、一般式laおよびIIaにおいて:Xは、−C(R1a)(R2a)−、−CO−、−O−または−NR1a−であり;nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり;
R1aおよびR2aは独立して、水素、アルキル、アリール、ハロ、ハロアルキルから選択され;R3a、R4aおよびR5aは独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロ、アリール、−(Z)n−アリール、ヘテロアリール、OR3a、−C(O)R3a、−C(O)OR3a、−S(O)t−から選択され;tは、0、1または2であり;Zは独立して、C(R3a)(R4a)−、−C(O)−、−O−、−C(=NR3a)−、−S(O)t−、N(R3a)−から選択される。
【1042】
定義
vi)において、以下の用語は、以下の意味を有する:「アルキル」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、不飽和結合を含まず、1個〜8個の炭素原子を有し、そして分子の残部に単結合によって結合する、直線状または分枝状の炭化水素鎖をいい、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルなどである。アルキル基は、必要に応じて、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシド、カルボキシ、シアノ、カルボニル、アシル、アルコキシカルボニル、アミノ、ニトロ、メルカプトおよびアルキルチオからなる群より独立して選択される1個以上の置換基によって置換され得る。
【1043】
好ましくは、アルキルはC1〜C6アルキルである。
【1044】
「アルコキシ」とは、式−ORaの基をいい、ここでRaは、上記のようなアルキル基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシなどである。
【1045】
「アルコキシカルボニル」とは、式−C(O)ORaの基をいい、ここでRaは、上記のようなアルキル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニルなどである。「アルキルチオ」とは、式−SRaの基をいい、ここでRaは、上記のようなアルキル基であり、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオなどである。
【1046】
「アミノ」とは、式−NH2の基をいい、「アリール」とは、フェニル基またはナフチル基をいう。このアリール基は、必要に応じて、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、アルキル、フェニル、アルコキシ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アシルおよびアルコキシカルボニル(これらが本明細書中で定義されるような)を含む群から選択される1個以上の置換基により置換され得る。
【1047】
「アシル」とは、式−C(O)−Raおよび−C(O)−Rbの基をいい、ここでRaは、上記のようなアルキル基であり、そしてRbは、上記のようなアリール基であり、例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾイルなどである。
【1048】
「カルボキシ」とは、式−C(O)OHの基をいい、「シアノ」とは、式−CNの基をいい、「シクロアルキル」とは、飽和または部分飽和であり、専ら炭素原子および水素原子からなる、3員〜10員の単環式または二環式の安定な環をいう。この用語はまた、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、アルコキシ、カルボキシおよびアルコキシカルボニルから独立して選択される1個以上の置換基により必要に応じて置換され得る、シクロアルキロ(cycloalkylo)基を包含し、「ハロゲン」とは、臭素、塩素、ヨウ素またはフッ素をいい、「ハロアルキル」とは、1個以上のハロゲン(上で定義されたような)により置換された、上で定義されようなアルキル基をいい、例えば、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、および1−フルオロメチル−2−フルオロエチルなどである。
【1049】
「複素環」とは、複素環式基をいう。複素環とは、炭素原子、ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される1個〜5個のヘテロ原子を含む、3員〜15員の安定な環をいう。本発明の目的で、複素環は、単環式系であっても、二環式または三環式(縮合環を含み得る)の系であってもよく、そして窒素原子、炭素原子または硫黄原子は、必要に応じて酸化され得、窒素原子は必要に応じて第四級化され得、そして複素環は、部分的または完全に飽和であっても、芳香族であってもよい。これらの複素環の例としては、アゼピン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、フラン、イソチアゾール、イミダゾール、インドール、ピペリジン、ピペラジン、プリン、キノリン、チアジアゾール、テトラヒドロフランが挙げられるが、これらに限定されない。複素環は、発明の要旨に定義されるような、R3およびR4により必要に応じて置換され得る。
【1050】
「メルカプト」とは、式−SHの基をいい、「ニトロ」とは、式−NO2の基をいう。
【1051】
鎖−(L)n−(L)n−(L)n−(L)n−(L)n−において、これらの基−(L)n−またはこれらの基の各々は、好ましくは、−(CH2)n−(ここでnは0ではない)、−CO−−NH−または−NCH3−である。
【1052】
好ましくは、少なくとも1個または2個の基−(L)n−(ここでnは0ではない)が存在する。適切には、この鎖は、式−(CH2)n−、−(CH2)n−NRa−(CH2)n−、−(CH2)n−NRa−CO−、−(CH2)n−NRa−CO−(CH2)n−または−(CH2)n−NRa−(CH2)n−NRa−CO−の鎖であり、ここでこれらまたは各々のnは0ではなく、そしてこれらまたは各々のRaは、−NH−または−NCHs−であり、通常好ましくは、−NH−である。整数nの合計は、好ましくは、2〜15の範囲である。
【1054】
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
【1055】
において、各A基(すなわち、Al〜As)は、好ましくは=CH−または−CH2−であるが、A2およびA7のうちの一方または両方は、残りのA基が=CH−である場合、ハロ(特に、クロロ)であり得る。
【1056】
いくつかのAChEIは、Xが以下の式:
【1057】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
【1059】
好ましくは、Dは、−CH−、=C−または−N−である。好ましくは、Eは、−CO−、−CH2−、=CH−、=N−−O−または−S−である。好ましくは、Gは、−CO−、−CH2−、=CH−、または=N−である。
【1060】
好ましくは、Ri〜R4は水素である。
【1061】
いくつかの実施形態において、これらの化合物のうちでも、Xが、フタルイミジル(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)、インドール−2−イル、インダノン−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、インダンジオン−2−イル、インダゾール−2−イル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾチオフェン−2−イルまたはベンゾトリアゾール−2−イルである化合物である。
【1062】
いくつかの実施形態において、Xがフタルイミド(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)であり、式Iの環状部分が、9−アクリジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルまたは6クロロ,1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルを表わす化合物である。いくつかの化合物は、2−[6−(アクリジン−9−イルアミノ)−ヘキシル]−イソインドール−1,3−ジオン(6)、2−[7−(アクリジン−9−イルアミノ)−ヘプチル]−イソインドール−1,3−ジオン(7)、2−[8−(アクリジン−9−イルアミノ)−オクチル]−イソインドール−1,3−ジオン(8)、2−[9−(アクリジン−9−イルアミノ)−ノニル]−イソインドール−1,3−ジオン(9)、N−[7−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−ヘプチル]−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−アセトアミド(10)、N−(3−{[3−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−プロピル]−メチル−アミノ}−プロピル)−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−アセトアミド(11)、N−[6−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−ヘキシル]−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−アセトアミド(12)、2−[6−(1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−ヘキシルアミノ]−インダン−1,3−ジオン(3)、2−[7−(1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−ヘプチル]−イソインドール−1,3−ジオン(4)、および2−[8−(1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−オクチル]−イソインドール−1,3−ジオン(5)である。
【1063】
いくつかの化合物は、Xが1−インダノン−2−イルであり、そして式Iの環状部分が1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9イルを表わす化合物である。これらの化合物には、とりわけ、以下の化合物が含まれる:5,6−ジメトキシ−2−{[7−(l,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−ヘプチルアミノ]−メチル}−インダン−1−オン(1)、および5,6−ジメトキシ−2−{[6−(1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−ヘキシルアミノ]−メチル}−インダン−1−オン(2)。
【1065】
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
【1066】
により表わされる化合物から、各B基(すなわち、Bi〜Bs)は、好ましくは=CH−または−CH2−であるが、B2およびB7のうちの一方または両方は、残りのB基が=CH−である場合、ハロ(特に、クロロ)であり得る。いくつかの化合物は、Xが、9−アクリジニル、6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルおよび1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルである化合物である。これらの化合物には、式Iの環状部分が9−アクリジニル、6クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルまたは1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルを表わす化合物がある。これらの化合物には、とりわけ、以下の化合物が含まれる:−N−[2−(6−クロロ−1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−エチル]−N’−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イル)−N−メチル−エタン−1,2−ジアミン(19)、−N−アクリジン−9−イル−N’−(1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イル)−ノナン−1,9−ジアミン(20)、−N−アクリジン−9−イル−N’[2−(1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−エチル]−N’−メチル−エタン−1,2−ジアミン(21)、−N−[2−(アクリジン−9−イルアミノ)−エチル]−N’−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イル)−N−メチル−エタン−1,2−ジアミン(22)、−N−アクリジン−9−イル−N’−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イル)−ヘプタン−1,7−ジアミン(23)、および−N−アクリジン−9−イル−N’−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イル)−オクタン−1,8−ジアミン(24)。
【1068】
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
【1069】
により表わされる化合物から、基RsおよびR6は、適切にはアルキルまたは置換アルキルであり、とりわけアルコキシカルボニルアルキルである。好ましい化合物は、式Iの環状部分が、9−アクリジニル、6−クロロ,1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルまたは1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルを表わす化合物である。これらの化合物には、とりわけ、以下の化合物が含まれる:2−エチル−4−イソプロピル−5−[7−(1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−ヘプチル−イミノ]−[1,2,4]チアジアゾリジン−3−オン(13)、−2−エチル−4−イソプロピル−5−[9−(1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−ノニル−イミノ]−[1,2,4]チアジアゾリジン−3−オン(14)、4−イソプロピル−3−オキソ−5−[9−(1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−ノニル−イミノ]−[1,2,4]チアジアゾリジン−2−カルボン酸エチルエステル(15)、4−エチル−2−プロピル−5−[7−(1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−ヘプチル−イミノ]−[1,2,4]チアジアゾリジン−3−オン(16)、4−エチル−2−イソプロピル−5−[8−(1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−オクチルイミノ]−[1,2,4]チアジアゾリジン−3−オン(17)、および4−エチル−2−イソプロピル−5−[6−(1,2,3,4−テトラヒドロ−アクリジン−9−イルアミノ)−ヘキシル−イミノ]−[1,2,4]チアジアゾリジン−3−オン(18)。
【1070】
vii)米国特許出願公開番号20050124642
いくつかの実施形態において、AChEIは、以下のものである:
1)式:
【1071】
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
【1072】
により表わされる(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物(式(I)において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基(置換され得る)、3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基(置換され得る)、1個〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基(置換され得る)、3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルコキシ基(置換され得る)、1個〜6個の炭素原子を有するアシル基(置換され得る)、C1〜C6アルコキシ−カルボニル基(置換され得る)、C1〜C6アルキル−アミノカルボニルオキシ基(置換され得る)、ジ−(C1〜C6アルキル)−アミノカルボニルオキシ基(置換され得る)、ニトロ基、アミノ基(置換され得る)、アミド基(置換され得る)、メルカプト基および1個〜6個の炭素原子を有するチオアルコキシ基(置換され得る)から選択される基を表し、ここでR
1およびR
2、またはR
2およびR
3、またはR
3およびR
4は一緒になって、脂肪族環、芳香族環、複素環式環またはアルキレンジオキシ環を形成し得;部分構造:
【1073】
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
【1074】
は、>C−CH−(CH2)m−または>C(R
6)−CH(R
6)−(CH2)m−(ここでmは、0または1〜5の整数であり;そしてR
6は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基、1個〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトリル基、1個〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1個〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、シアノ−C1〜C6アルキル基、1個〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基、ニトロ基、アジド基、アミノ基(置換され得る)、カルバモイル基(置換され得る)、カルボキシル基(置換され得る)、メルカプト基または1個〜6個の炭素原子を有するチオアルコキシ基である)により表わされる基であり;そしてR
5は、水素原子、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基(置換され得る)、2個〜6個の炭素原子を有するアルケニル基(置換され得る)、2個〜6個の炭素原子を有するアルキニル基(置換され得る)、3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基(置換され得る)、2,2−(アルキレンジオキシ)エチル基または式:
【1075】
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
【1076】
により表わされる基(ここで環Cは、ベンゼン環、脂肪族環または複素環式環であり;R
7は、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基(置換され得る)、2個〜6個の炭素原子を有するアルケニル基(置換され得る)、2個〜6個の炭素原子を有するアルキニル基(置換され得る)、3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基(置換され得る)、1個〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基(置換され得る)、C1〜C6アルコキシ−アルコキシ基(置換され得る)、アルコキシ基(置換され得る)、またはアラルキルオキシ基(置換され得る)などを表し、ここでR
7のうちの2個は一緒になって、脂肪族環、芳香族環、複素環式環またはアルキレンジオキシ環を形成し得;そしてnは、1〜5の整数である)である)、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物;
2)1)に記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、R
1およびR
4が水素原子であり;そしてR
2およびR
3は、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子、ハロゲン原子、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基(置換され得る)、3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基(置換され得る)、1個〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基(置換され得る)または3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルコキシ基(置換され得る)を表すか、あるいはR
2およびR
3は一緒になって、脂肪族環、芳香族環、複素環式環またはアルキレンジオキシ環を形成し得るもの;
[0019]3)1)または2)に記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、R
6が、水素原子、ハロゲン原子または1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基であるもの;
[0020]4)1)〜3)のいずれか1つに記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、R
5が、式:
【1077】
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
【1078】
により表わされる基であり、ここで環C、R
7およびnは、上で定義されるものと同じ意味を有するもの;
5)4)に記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、環Cが、ベンゼン環または3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基であるもの;
6)4)に記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、R
7が、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子、ハロゲン原子、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基(置換され得る)、2個〜6個の炭素原子を有するアルケニル基(置換され得る)、2個〜6個の炭素原子を有するアルキニル基(置換され得る)、3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基(置換され得る)を表すか、あるいはR
7のうちの2個が一緒になって、脂肪族環、芳香族環、複素環式環またはアルキレンジオキシ環を形成し得るもの;
7)4)に記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、nが1または2の整数であるもの;
[0024]8)1)〜7)のいずれか1つに記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、部分構造:
【1079】
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
【1080】
が、>C(R
6)−CH(R
6)−(CH2)m−(ここでmは0または1〜5の整数であり;そしてR
6は水素原子である)により表わされる基であるもの;
9)1)〜7)のいずれか1つに記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、部分構造:
【1081】
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
【1082】
が、>C(R
6)−CH(R
6)−(CH2)m−(ここでmは0または1〜5の整数であり;そしてR
6は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基、1個〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトリル基、1個〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1個〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、シアノ−C1〜C6アルキル基、1個〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基、ニトロ基、アジド基、アミノ基(置換され得る)、カルバモイル基(置換され得る)、カルボキシル基(置換され得る)、メルカプト基または1個〜6個の炭素原子を有するチオアルコキシ基である)により表わされる基であるもの;
10)1)に記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、式(I)により表わされる(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物が:
(1) 1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、
(2) 1−ベンジル−4−[(5,6−ジエトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、および
(3) 1−ベンジル−4−[(5,6−ジエトキシ−2−フルオロ−1−インダノン)−2−イル]メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン
から選択されるものであるもの。
【1083】
例えば、Brufaniら,Alzheimer Disease:From Molecular Biology to Therapy,編者Beckerら,pp.171−177(1996);Schmidtら,Alzheimer Disease:From Molecular Biology to Therapy,編者Beckerら,pp.217−221(1996);Vargasら,Alzheimer Disease:From Molecular Biology to Therapy,編者Beckerら,pp.261−255(1996);Greigら,Alzheimer Disease:From Molecular Biology to Therapy,編者Beckerら,pp.231−237(1996);およびGiacobini,Alzheimer Disease:From Molecular Biology to Therapy、編者Beckerら,pp.187−204(1996)に記載されるAChEインヒビターもまた参照のこと。
【1084】
viii)米国特許番号7,378,425
いくつかの実施形態において、以下の化合物((1)〜(4))は、アセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有する化合物である。
【1085】
(1)以下の式により表される環状アミン誘導体、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物。
【1086】
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
【1088】
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
【1089】
(ここでSは、例えば、1個〜6個の炭素原子を有する低級アルコキシ基であり;そしてtは、0または1〜4の整数である)であり;Bは、例えば、メチレン鎖であり;Kは、例えば、ベンジル基(置換され得る)であり;そして部分構造:−は、単結合または二重結合であり、ただし、Jが5,6−ジメトキシ−1−インダノン−2−イル基であり;Bが−CH2−基であり;そしてKが非置換ベンジル基である化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物は、除外される(JP−B2 2733203)。
【1091】
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
【1092】
により表される化合物またはその薬理学的に受容可能な塩(JP−A 2000−319257)。
【1094】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
【1095】
により表わされる4−置換ピペリジン誘導体フッ化物(ここでR
1は、例えば:
【1096】
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
【1097】
により表わされる置換基(ここでR
3は、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、例えば、1個〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基を表わし;mは、0または1〜6の整数であり;そしてnは、1〜4の整数である)であり;そしてR
2は、例えば、ベンジル基(置換され得る)であり、ただし、1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−2−フルオロ−1−インダノン)−2−イル]メチルピペリジンまたはその薬理学的に受容可能な塩は除外される)、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物(JP−A 2000−319258)。
【1099】
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
【1100】
により表わされる4−置換ピペリジン誘導体(ここでR
1は、例えば、式:
【1101】
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
【1102】
により表わされる基(ここでR
3は、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、例えば、1個〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基を表わし;R
5は、例えば、フッ素原子以外のハロゲン原子であり;mは、0または1〜6の整数であり;そしてnは、1〜4の整数である)であり;そしてR
2は、例えば、ベンジル基(置換され得る)である)、薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物(JP−A 2001−139547)。
【1103】
いくつかの実施形態において、本発明は、以下のものに関する:
1)式:
【1104】
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
【1105】
により表わされる(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物(式(I)において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基(置換され得る)、3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基(置換され得る)、1個〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基(置換され得る)、3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルコキシ基(置換され得る)、1個〜6個の炭素原子を有するアシル基(置換され得る)、C1〜C6アルコキシ−カルボニル基(置換され得る)、C1〜C6アルキル−アミノカルボニルオキシ基(置換され得る)、ジ−(C1〜C6アルキル)−アミノカルボニルオキシ基(置換され得る)、ニトロ基、アミノ基(置換され得る)、アミド基(置換され得る)、メルカプト基および1個〜6個の炭素原子を有するチオアルコキシ基(置換され得る)から選択される基を表し、ここでR
1およびR
2、またはR
2およびR
3、またはR
3およびR
4は一緒になって、脂肪族環、芳香族環、複素環式環またはアルキレンジオキシ環を形成し得;部分構造:
【1106】
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
【1107】
は、>C−CH−(CH2)m−または>C(R
6)−CH(R
6)−(CH2)m−(ここでmは0または1〜5の整数であり;そしてR
6は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基、1個〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトリル基、1個〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1個〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、シアノ−C1〜C6アルキル基、1個〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基、ニトロ基、アジド基、アミノ基(置換され得る)、カルバモイル基(置換され得る)、カルボキシル基(置換され得る)、メルカプト基または1個〜6個の炭素原子を有するチオアルコキシ基である)により表わされる基であり;そしてR
5は、水素原子、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基(置換され得る)、2個〜6個の炭素原子を有するアルケニル基(置換され得る)、2個〜6個の炭素原子を有するアルキニル基(置換され得る)、3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基(置換され得る)、2,2−(アルキレンジオキシ)エチル基または式:
【1108】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
【1109】
により表わされる基(ここで環Cは、ベンゼン環、脂肪族環または複素環式環であり;R
7は、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基(置換され得る)、2個〜6個の炭素原子を有するアルケニル基(置換され得る)、2個〜6個の炭素原子を有するアルキニル基(置換され得る)、3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基(置換され得る)、1個〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基(置換され得る)、C1〜C6アルコキシ−アルコキシ基(置換され得る)、アルコキシ基(置換され得る)、またはアラルキルオキシ基(置換され得る)などを表し、ここでR
7のうちの2つは一緒になって、脂肪族環、芳香族環、複素環式環またはアルキレンジオキシ環を形成し得;そしてnは、1〜5の整数である)である)、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物;
2)1)に記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、R
1およびR
4が水素原子であり;そしてR
2およびR
3が、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子、ハロゲン原子、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基(置換され得る)、3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基(置換され得る)、1個〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基(置換され得る)または3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルコキシ基(置換され得る)を表すか、あるいはR
2およびR
3は一緒になって、脂肪族環、芳香族環、複素環式環またはアルキレンジオキシ環を形成し得るもの;
3)1)または2)に記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、R
6が、水素原子、ハロゲン原子または1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基であるもの;
4)1)〜3)のいずれか1つに記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、R
5が、式:
【1110】
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
【1111】
により表わされる基であり、ここで環C、R
7およびnは、上で定義されるものと同じ意味を有するもの;
5)4)に記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、環Cが、ベンゼン環または3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基であるもの;
6)4)に記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、R
7が、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子、ハロゲン原子、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基(置換され得る)、2個〜6個の炭素原子を有するアルケニル基(置換され得る)、2個〜6個の炭素原子を有するアルキニル基(置換され得る)、3個〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基(置換され得る)を表すか、あるいはR
7のうちの2個が一緒になって、脂肪族環、芳香族環、複素環式環またはアルキレンジオキシ環を形成し得るもの;
7)4)に記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、nが1または2の整数であるもの;
8)1)〜7)のいずれか1つに記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、部分構造:
【1112】
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
【1113】
が、>C(R
6)−CH(R
6)−(CH2)m−(ここでmは0または1〜5の整数であり;そしてR
6は水素原子である)により表わされる基であるもの;
9)1)〜7)のいずれか1つに記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、部分構造:
【1114】
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
【1115】
が、>C(R
6)−CH(R
6)−(CH2)m−(ここでmは0または1〜5の整数であり;そしてR
6は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基、1個〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトリル基、1個〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1個〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、シアノ−C1〜C6アルキル基、1個〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基、ニトロ基、アジド基、アミノ基(置換され得る)、カルバモイル基(置換され得る)、カルボキシル基(置換され得る)、メルカプト基または1個〜6個の炭素原子を有するチオアルコキシ基である)により表わされる基であるもの;
10)1)に記載される(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物、その薬理学的に受容可能な塩またはこれらの水和物であって、式(I)により表わされる(1−インダノン)−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)化合物が:
(1) 1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、
(2) 1−ベンジル−4−[(5,6−ジエトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、および
(3) 1−ベンジル−4−[(5,6−ジエトキシ−2−フルオロ−1−インダノン)−2−イル]メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン
から選択されるものであるもの。
【1116】
ix)国際特許出願公開番号WO2003/020289
本発明の式Iの化合物は、以下の一般式1:
【1117】
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
【1118】
の化合物であり、一般式1において、
Xは、CH2または酸素であり;
R1は、水素またはアルキルであり;そしてR2、R3、R4およびR5は独立して、水素または低級アルキルであり、そしてXがCH2である場合、R4およびR5は、結合してベンゼン環を形成するアルケン基であり得、そしてXが酸素である場合、R2およびR3、ならびに/またはR4およびR5は一緒になって、以下の式II:
【1119】
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
【1120】
のメチレンジオキシ基であり得、式IIにおいて、
R6およびR7は、同一または異なり、そして水素、低級アルキルまたはアルキルであり、そして結合して、シクロペンチル環またはシクロヘキシル環を形成する。
【1121】
R
1は特に、水素、または約1個〜4個の炭素のアルキル(例えば、メチル、エチルおよびイソ−プロピル)である。本明細書全体にわたって、アルキルは、直鎖アルキルおよび分枝鎖アルキルを包含する。R2、R3、R4、R5、R6およびR7についてのアルキル基は、約1個〜3個の炭素のアルキルであり、そしてメチル、エチル、イソ−プロピルおよびn−プロピルが挙げられる。
【1122】
XがCH2である場合、RおよびR5は一緒になって、Xを含む6員環に縮合したベンゼン環を形成し得る。すなわち、R4およびR5は、アルカトリエニル基=C−CH=CH−CH=により規定される。
【1123】
式Iの化合物の特定の群は、Xが酸素であり、そしてR2およびR3と、R4およびR5との両方が、一緒になって、式ilのメチレンジオキシ基であり、ここでR6とR7との両方が水素であるか、両方がアルキルであるか、または一緒になって、スピロシクロペンチル環もしくはスピロシクロヘキシル環を形成し、特に、R6とR7との両方がアルキル(例えば、メチル)である群である。これらの化合物の第二の群は、XがCH2であり、そしてR4およびR5が結合してベンゼン環を形成する群である。式Iの化合物の第三の群は、R2とR3との両方が水素である群である。
【1124】
x)米国特許出願公開番号2003069289
上記状況を考慮して、本発明者らは、大規模な研究を行ない、この研究により、本発明者らは、式:
【1125】
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
【1126】
により表わされる化合物(ここで「a」部分は、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子またはC1〜6アルコキシ基を表し;nは、1〜4の整数であり;そしてX
(−)は、ハロゲン化物イオンを表わす)と、式:
【1127】
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
【1128】
により表わされる化合物(ここでb、c、dおよびeは、同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素、または直鎖もしくは分枝鎖のC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ(C1〜6アルキル)−アミノカルボニルオキシあるいはハロゲンを表し;そしてX’’
(−)は、塩化物、臭化物、ヨウ化物および硫酸の系列の陰イオンを表わす)との両方が、アセチルコリンエステラーゼに対して優れた阻害作用を示すことを見出した。さらに、これらの知見に基づいて、本発明者らは、式:
【1129】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
【1130】
により表わされる1−ベンジルピリジニウム塩(ここでR
1、R
2、R
3およびR
4は同一または異なり、そして水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ基またはジ(C1〜6アルキル)−アミノカルボニルオキシ基を表わし;R
5は、水素原子、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基またはC2〜6アルキニル基を表し;部分構造:
【1131】
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
【1132】
は、式>C(R
6)−CH2−(ここでR
6は、水素原子もしくはハロゲン原子である)または>C−CH−により表わされる基であり;X
−は、ハロゲン化物イオンまたは有機硫酸イオンを表わし;そしてmは、0または1〜5の整数である)が、アセチルコリンエステラーゼに対して優れた阻害作用を示し、そして本発明を達成することを見出した。
【1133】
すなわち、本発明による第一の局面は、(1)上記式(I)により表わされる、1−ベンジルピリジニウム塩を含むアセチルコリンエステラーゼインヒビターである。さらに、(2)上記項目(1)において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、同じであっても互いに異なっていてもよく、そして各々が、水素原子またはC1〜6アルコキシ基を表し;(3)上記項目(1)において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、同じであっても互いに異なっていてもよく、そして各々が、水素原子またはメトキシ基を表し;(4)上記項目(1)において、R
1およびR
4は、水素原子を表わし得;そしてR
2およびR
3は、メトキシ基を表わし得;(5)上記項目(1)において、R
5は水素原子であり得;(6)上記項目(1)において、部分構造:
【1134】
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
【1135】
は、式>C(R
6)−CH2−により表わされる基(ここでR
6は、水素原子またはハロゲン原子である)であり得;(7)上記項目(1)において、mは、0、2または4であり得;(8)上記項目(1)において、X
−により表わされるハロゲン化物イオンは、塩化物イオン、臭化物イオンまたはヨウ化物イオンであり得、好ましくは、塩化物イオンまたは臭化物イオンであり得;(9)上記項目(1)において、X
−により表わされる有機スルホン酸イオンは、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオンまたはショウノウスルホン酸イオンであり得;(10)上記項目(1)において、上記1−ベンジルピリジニウム塩は、式:
【1136】
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
【1137】
により表わされる化合物であり得、ここでR
1、R
2、R
3、R
4およびX
−は、上で定義されるものと同じ意味を有し;そしてnは、1〜6の整数であり;(11)上記項目(1)において、上記1−ベンジルピリジニウム塩は、式:
【1138】
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
【1139】
により表わされる化合物であり得、ここでR
1、R
2、R
3、R
4およびX
−は、上で定義されるものと同じ意味を有し;そしてpは、0または1〜5の整数であり;(12)上記項目(1)において、その調製物は、老年痴呆、脳血管痴呆または注意欠陥過活動性障害を処置、予防または改善するための剤であり得;そして(13)上記項目(12)において、老年痴呆は、アルツハイマー型の老年痴呆であり得る。
【1140】
本発明による第二の局面は、(14)式:
【1141】
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
【1142】
により表わされる1−ベンジルピリジニウム塩を含有する薬学的調製物であり、ここでR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、部分構造:
【1143】
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
【1144】
、X
−およびmは、上で定義されたものと同じ意味を有する。さらに、本発明による第三の局面は、(15)式:
【1145】
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
【1146】
により表わされる1−ベンジルピリジニウム塩(ここでR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、部分構造:
【1147】
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
【1148】
、X
−およびmは、上で定義されたものと同じ意味を有する)の、アセチルコリンエステラーゼインヒビターを製造するための使用である。
【1149】
本発明は、薬理学的に有効な用量の上記式(I)により表わされる1−ベンジルピリジニウム塩を患者に投与することによって、アセチルコリンエステラーゼに対する阻害作用が予防、処置または改善のために有効である疾患を、予防、処置または改善する方法を提供する。
【1150】
本発明において、アセチルコリンエステラーゼに対する阻害作用が予防、処置または改善のために有効である疾患としては、老年痴呆(例えば、アルツハイマー型老年痴呆)、ならびに脳血管痴呆および注意欠陥過活動性障害が挙げられる。
【1151】
本明細書中以下で、本明細書中で使用される記号、用語などの意味が記載され、そして本発明が詳細に記載される。
【1152】
本明細書において、化合物の構造式は、簡便さの目的で、特定の異性体を示すが、本発明は、その化合物の構造において起こり得る全ての可能な異性体(例えば、幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体および互変異性体)、ならびにこのような異性体の混合物を包含し、従って、本発明による化合物は、その任意の異性体または混合物であり得、簡便さの目的で示される式に限定されない。従って、本発明による化合物は、分子内不斉炭素を有し得、従って、光学的に活性な異性体またはラセミ修飾物として存在し得、そしてこのような化合物の任意のものが、限定されずに、本発明に含まれる。結晶の多形が存在する場合、本発明による化合物は、限定されずに、単一の結晶形または混合結晶形であり得る。化合物(I)またはその塩は、無水物であっても水和物であってもよく、これらの任意のものが、本明細書中の実施形態に入る。さらに、化合物(I)のインビボでの分解により形成される代謝産物、および化合物(I)のプロドラッグまたはその塩もまた、本明細書中の実施形態に入る。
【1153】
本明細書中で使用される「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などの原子をいい、好ましくは、フッ素原子、塩素原子または臭素原子をいう。
【1154】
本明細書中でR
1、R
2、R
3およびR
4により表わされる「C1〜6アルキル基」とは、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基をいい、そしてこれらの例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、2−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチル−2−エチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−プロピルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基などが挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基およびtert−ブチル基が挙げられる。
【1155】
本明細書中でR
1、R
2、R
3およびR
4により表わされる「C1〜6アルコキシ基」とは、1個〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基をいい、これらの例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソ−プロポキシ基、sec−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソ−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソ−ペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、n−ヘキソキシ基、イソ−ヘキソキシ基、1,1−ジメチルプロピルオキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基、2−エチルプロポキシ基、1−メチル−2−エチルプロポキシ基、1−エチル−2−メチルプロポキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブチルオキシ基、1,3−ジメチルブチルオキシ基、2−エチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2−メチルペントキシ基、3−メチルペントキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられ、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基およびイソ−プロポキシ基が挙げられる。
【1156】
本明細書中でR
1、R
2、R
3およびR
4により表わされる「C1〜6アルコキシカルボニル基」とは、上で定義されたものと同じ意味を有するC1〜6アルコキシ基がカルボニル基に結合している基をいう。例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソ−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソ−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基などであり、好ましくは、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基およびイソ−プロポキシカルボニル基である。
【1157】
本明細書中でR
1、R
2、R
3およびR
4により表わされる「C1〜6アルキルアミノカルボニルオキシ基」とは、窒素原子が上で定義されたものと同じ意味を有する1個のC1〜6アルキル基で置換されている、アミノカルボニルオキシ基をいい、これらの例としては、メチルアミノカルボニルオキシ基、エチルアミノカルボニルオキシ基、n−プロピルアミノカルボニルオキシ基、イソ−プロピルアミノカルボニルオキシ基、n−ブチルアミノカルボニルオキシ基、イソ−ブチルアミノカルボニルオキシ基、tert−ブチルアミノカルボニルオキシ基、n−ペンチルアミノカルボニルオキシ基、イソ−ペンチルアミノカルボニルオキシ基、ネオペンチルアミノカルボニルオキシ基、ヘキシルアミノカルボニルオキシ基、1−メチルプロピルアミノカルボニルオキシ基、1−メチルブチルアミノカルボニルオキシ基、2−メチルブチルアミノカルボニルオキシ基などが挙げられる。
【1158】
本明細書中でR
1、R
2、R
3およびR
4により表わされる「ジ(C1〜6アルキル)−アミノカルボニルオキシ基」とは、窒素原子が2個のC1〜6アルキル基で置換されているアミノカルボニルオキシ基をいい、これらの例としては、ジメチルアミノカルボニルオキシ基、ジエチルアミノカルボニルオキシ基、ジ(n−プロピル)−アミノカルボニルオキシ基、ジ−(イソ−プロピル)−アミノカルボニルオキシ基、ジ(n−ブチル)−アミノカルボニルオキシ基、ジ(イソ−ブチル)−アミノカルボニルオキシ基、ジ−(tert−ブチル)−アミノカルボニルオキシ基、ジ(n−ペンチル)−アミノカルボニルオキシ基、ジ−(イソ−ペンチル)−アミノカルボニルオキシ基、ジ−(ネオペンチル)−アミノカルボニルオキシ基、ジ−(n−ヘキシル)−アミノカルボニルオキシ基、ジ−(1−メチルプロピル)−アミノカルボニルオキシ基、ジ−(1−メチルブチル)−アミノカルボニルオキシ基、ジ−(2−メチルブチル)−アミノカルボニルオキシ基などが挙げられる。
【1159】
本明細書中のR
1、R
2、R
3およびR
4の好ましい形態として、R
1、R
2、R
3およびR
4は、互いに同一または異なり、そして各々が、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、C1〜6アルキル基またはC1〜6アルコキシ基を表し;より好ましくは、これらは同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基またはC1〜6アルコキシ基を表し;さらに好ましくは、これらは同じであるかまたは互いに異なり、そして各々が、水素原子またはC1〜6アルコキシ基を表し;そして最も好ましくは、R
1およびR
4は水素原子を表わし、一方でR
2およびR
3は、互いに同一または異なり、そして各々が、C1〜6アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基など)を表す。
【1160】
本明細書中でR
5により表わされる「ハロゲン原子」および「C1〜6アルキル基」とは、上で定義されたものと同じ意味を有するハロゲン原子およびC1〜6アルキル基をいう。
【1161】
本明細書中でR
5により表わされる「C2〜6アルケニル基」とは、2個〜6個の炭素原子を有するアルケニル基をいい、これらの例としては、直鎖または分枝鎖のC2〜6アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテン−1−イル基、1−ブテン−2−イル基、1−ブテン−3−イル基、2−ブテン−1−イル基および2−ブテン−2−イル基)が挙げられ、好ましくは、ビニル基、アリル基およびイソプロペニル基が挙げられる。
【1162】
本明細書中でR
5により表わされる「C2〜6アルキニル基」とは、2個〜6個の炭素原子を有するアルキニル基をいい、これらの例としては、直鎖または分枝鎖のC2〜6アルキニル基(例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基およびヘキシニル基)が挙げられる。
【1163】
本明細書中のR
5の好ましい例としては、水素原子およびハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)が挙げられる。
【1165】
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
【1166】
は、式>C(R
6)−CH2−(ここでR
6は水素原子もしくはハロゲン原子である)または>C−CH−により表わされる基のいずれかであり得、好ましくは、式>C(R
6)−CH2−により表わされる基であり、ここでR
6は、水素原子またはハロゲン原子である。本明細書中で、R
6により表わされる「ハロゲン原子」とは、上記定義におけるハロゲン原子と同じ意味を有する原子を意味し、従って、R
6は、好ましくは水素原子、フッ素原子、塩素原子または臭素原子であり、より好ましくは水素原子またはフッ素原子である。すなわち、この部分構造により表され得る基は、より好ましくは、式>CH−CH2−、>C(F)−CH2−、>C(Cl)−CH2−または>C(Br)−CH2−であり、さらに好ましくは、式>CH−CH2−または>C(F)−CH2−である。
【1167】
本明細書中でX
−により表される「ハロゲン化物イオン」とは、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどをいい、好ましくは、塩化物イオン、臭化物イオンおよびヨウ化物イオンをいい、より好ましくは、塩化物イオンおよび臭化物イオンをいい、最も好ましくは、塩化物イオンをいう。X
−により表わされる「有機スルホン酸イオン」とは、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオンおよびショウノウスルホン酸イオンなどをいう。
【1168】
本明細書において、mは、0または1〜5の整数であり、その結果、部分構造:
【1169】
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
【1170】
は、それぞれ、(1)mが0である場合、式>C(R
6)−CH2−または>C−CH−を表わし、(2)mが1である場合、式>C(R
6)−(CH2)2−または>C=CH−(CH2)−を表わし、(3)mが2である場合、式>C(R
6)−(CH2)3−または>C−CH−(CH2)2−を表わし、(4)mが3である場合、式>C(R
6)−(CH2)4−または>C−CH−(CH2)3−を表わし、(5)mが4である場合、式>C(R
6)−(CH2)5−または>C−CH−(CH2)4−を表わし、そして(6)mが5である場合、式>C(R
6)−(CH2)6−または>C−CH−(CH2)5−を表わす(これらの式において、R
6は、上で定義されたものと同じ意味を有する)。mは、好ましくは0、2または4であり、より好ましくは0または2である。
【1171】
本発明におけるアセチルコリンエステラーゼインヒビターの1つの実施形態としては、例えば、以下の化合物を含むアセチルコリンエステラーゼインヒビターが挙げられる。しかし、いうまでもなく、本発明の実施形態は、これらの化合物を含むアセチルコリンエステラーゼインヒビターに限定されない。
【1172】
このアセチルコリンエステラーゼインヒビターは:
1−ベンジル−4−(1−インダノン−2−イル)メチルピリジニウムクロリド;
1−ベンジル−4−[(4−メトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムクロリド;
1−ベンジル−4−[(5−メトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムクロリド;
1−ベンジル−4−[(6−メトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムクロリド;
1−ベンジル−4−[(7−メトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムクロリド;
1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムクロリド;
1−ベンジル−4−[(5,7−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムクロリド;
1−ベンジル−4−[(4,7−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムクロリド;
1−ベンジル−4−[(4,5−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムクロリド;
1−ベンジル−4−[(6,7−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムクロリド;
1−ベンジル−4−[(5,6,7−トリメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムクロリド;
1−ベンジル−4−[(5,6−ジエトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムクロリド;
1−ベンジル−4−(1−インダノン−2−イル)メチルピリジニウムブロミド;
1−ベンジル−4−[(4−メトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムブロミド;
1−ベンジル−4−[(5−メトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムブロミド;
1−ベンジル−4−[(6−メトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムブロミド;
1−ベンジル−4−[(7−メトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムブロミド;
1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムブロミド;
1−ベンジル−4−[(5,7−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムブロミド;
1−ベンジル−4−[(4,7−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムブロミド;
1−ベンジル−4−[(4,5−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムブロミド;
1−ベンジル−4−[(6,7−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムブロミド;
1−ベンジル−4−[(5,6,7−トリメトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムブロミド;および
1−ベンジル−4−[(5,6−ジエトキシ−1−インダノン)−2−イル]メチルピリジニウムブロミド
から選択される、いずれか1個または2個またはより多くの1−ベンジルピリジニウム塩を含む。
【1173】
xi)国際特許出願公開番号WO2000/033840
いくつかの実施形態において、化合物としては、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、リコラミン、ならびにガランタミンおよびリコラミンのアナログが挙げられる。適切な化合物は、ガランタミン、リコラミンおよびこれらのアナログであり、これらのアナログにおいて、ガランタミンまたはリコラミンのメトキシ基、ヒドロキシ基またはメチル基のうちの少なくとも1個が、以下のように置き換えられている:
メトキシ基の、別の1個〜6個の炭素原子のアルコキシ基、ヒドロキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基もしくは置換ベンゾイルオキシ基、カーボネート基またはカルバメート基またはトリアルキルシリルオキシ基による置き換え;
ヒドロキシ基の、1個〜6個の炭素原子のアルコキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基もしくは置換ベンゾイルオキシ基、カーボネート基またはカルバメート基による置き換え;
N−メチル基の、水素、アルキル、ベンジル、シクロプロピルメチル基または置換もしくは非置換のベンゾイルオキシ基による置き換え。
【1174】
ガランタミンまたはリコラミンのメトキシ基、ヒドロキシ基およびメチル基のうちの1個以上は、上記基により置き換えられ得る。
【1175】
置換基が参照される場合、この基は、1個〜6個の炭素原子アルキル基またはアルコキシ基、ハロ基、およびハロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル)から選択され得る。アルキル基が参照される場合、その文脈が許容する場合、この用語はまた、シクロアルキル基(アダマンチルが挙げられる)またはそれを含む基を包含する。アリール基は代表的に、フェニルまたはナフチルであるが、モルホリノなどのヘテロアリールを包含し得る。
【1176】
ガランタミンおよびリコラミンは、以下の式:
【1177】
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
【1179】
適切なアナログは、例えば、国際特許出願公開W088/08708、ならびにDrugs of the Future 21:621−631(1996)のBoresおよびKosleyによる論文に記載されている。
【1180】
このような調製物のための他の有用な薬理学的剤としては、リバスチグミン、および1時間〜11時間の半減期を有する他の薬理学的剤が挙げられる。
【1181】
本発明において有用である、特に有用なガランタミンおよびリコラミンのアナログとしては、このような化合物のメトキシ基が、水素、ヒドロキシまたは2個〜6個の炭素原子のアルコキシ基もしくはアルコキシ基(例えば、1個〜7個の炭素原子のアルカノイルオキシ)またはベンゾイル基により置き換えられているアナログ、あるいはメトキシ基が、カルバミン酸モノアルキル基、カルバミン酸ジアルキル基、炭酸モノアルキル基または炭酸ジアルキル基により置き換えられており、ここでこれらのアルキル基が1個〜8個の炭素原子、好ましくは4個〜8個の炭素原子を含む、アナログ、あるいはそのメトキシ基が、カルバミン酸アリール基または炭酸アリール基により置き換えられており、このアリール基が、フェニル基、ナフチル基、置換フェニル基および置換ナフチル基から選択され、その置換基が、1個〜6個の炭素原子のアルキル基およびアルコキシ基、トリフルオロメチル基ならびにハロ基から選択される、アナログが挙げられる。
【1182】
他の有用なアナログとしては、メトキシ基が置き換えられているか否かとは無関係に、ヒドロキシ基が、1個〜6個の炭素原子のアルコキシ基、水素、アシルオキシ基(例えば、代表的に1個〜7個の炭素原子のアルカノイルオキシ基)、ベンゾイルオキシ基または置換ベンゾイルオキシ基(ここでその置換基は、1個〜6個の炭素原子のアルキル基およびアルコキシ基、トリフルオロメチル基ならびにハロ基から選択される)、カーボネート基またはカルバメート基(これらは、カルバミン酸モノアルキル、カルバミン酸ジアルキル、カルバミン酸モノアリール、カルバミン酸ジアリール、炭酸モノアルキル、炭酸ジアルキル、炭酸モノアリール、または炭酸ジアリールであり得、ここでこれらのアルキル基は、1個〜8個の炭素原子、好ましくは4個〜6個の炭素原子を含み、このアリール基は、フェニル基、ナフチル基、置換フェニル基および置換ナフチル基から選択され、ここでこの置換基は、1個〜6個の炭素原子のアルキル基およびアルコキシ基、トリフルオロメチル基ならびにハロ基から選択される)により置き換えられている、化合物が挙げられる。
【1183】
xii)国際特許出願公開番号WO1999/007359
いくつかの実施形態において、コリンエステラーゼインヒビターとしては、フィゾスチグミン、タクリンおよびタクリンアナログ、ファシクリン(fasiculin)、メトリホナート、ヘプチル−フィゾスチグミン、ノルピリドスチグミン、ノルネオスチグミン、フペラジン(huperazine)、ドネペジルならびにこれらのいずれかのプロドラッグが挙げられ得るが、これらに限定されず、プロドラッグにおいて、インヒビターは、当該分野において公知であるプロドラッグ構築の原理に従って、修飾されている。このような修飾の例としては、溶解度を増大させるための親水性基の導入、または細胞膜を通っての浸透を増強するための親油性基の導入が挙げられる。
【1184】
いくつかの実施形態において、コリンエステラーゼインヒビターは、アセチルコリンエステラーゼインヒビターであり、特に、血液脳関門を通り得るものである。
【1185】
本発明に従って使用するために特に好ましいコリンエステラーゼインヒビターとしては、ガランタミン、エピガランタミンおよびノルガランタミン、ならびにこれらのいずれかのアナログ、塩および誘導体が挙げられる。ガランタミンは、以前にはガランタミンとして公知であった。これは、種々のスノードロップの球根(例えば、コーカサスのスノードロップであるgalanthus woronowii(ヒガンバナ科))および関連する種、ならびにスイセンの球根から抽出され得るか、または化学合成により作製され得る、第三級アルカロイドである。これは、ブチリルコリンエステラーゼとは異なり、アセチルコリンエステラーゼに対して高い選択性を有する。これは、ニコチン性レセプター部位においてかなり選択的に活性であり、ムスカリン性レセプター部位に対してはかなり小さい効果を有する。
【1186】
本発明において使用するために特に好ましいコリンエステラーゼインヒビターは、式(I):
【1187】
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
【1188】
のガランタミンおよびその誘導体、ならびにそのメチレンジオキシ誘導体およびその薬学的に受容可能な酸付加塩であり、式(I)において、破線は、炭素原子3と4との間に必要に応じて存在する二重結合を表わし、各R1は独立して、水素、ヒドロキシル、直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル アミノ、アルキルアミノ、アシル、低級アルカノイル、シアノ、スルフヒドリル、Cl6アルコキシ、アルキルチオ、アリールオキシ、アリールチオ、R3置換アリールオキシ、R3−置換アリールチオ、アラルコキシ、必要に応じてR3置換された脂肪族またはアリールカルバミル基、アラルキルチオ、R3置換アラルコキシ、R3置換アラルキルチオ、アリールオキシメチル、R3置換アリールオキシメチル、アルカノイルオキシ、ヒドロキシ置換アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、R3置換ベンゾイルオキシ、アリールオキシカルボニルおよびR3置換アリールオキシカルボニルから選択され、
R2は、水素、直鎖もしくは分枝鎖のCl6アルキル基、アルケニル基またはアルカリール基、(必要に応じて、ハロゲン原子またはシクロアルキルにより置換されている)、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、アリール、アリールアルキル、シアノ、アミル、アロイル、シクロアルキルメチル、アリル、フェニル、R3置換フェニル、アルキルフェニル、R3置換アルキルフェニル、ヘテロシクリル(a−フリル、ss−フリル、a−チエニル、ss−チエニル、チエニル、ピリジル、ピラジニル、およびピリミジルから選択される)、アルキル−ヘテロシクリルまたはR
1置換ヘテロシクリルから選択され、ここでR
1は、アルキルまたはアルコキシであり、
各R3は独立して、水素、ヒドロキシル、スルフヒドリル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、メルカプトアルキル、アリールオキシ、チオアリールオキシ、アルカリールオキシ、メルカプトアルカリール、ニトロ、アミノ、N−アルキルアミノ、N−アリールアミノN−アルカリールアミノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、およびトリフルオロメチルから選択され、
各R4は独立して、水素、ハロ、トリフルオロメチルまたはCl4−アルキルから選択され、
各R5は独立して、水素またはヒドロキシメチルから選択され、
R6は、水素またはCl6アルキルであるか、または炭素原子2におけるR1がヒドロキシルである場合、R6は、R6が水素でありR1が連結する結合である、式Iの部分であり得るか;あるいは
炭素原子2におけるR1およびR6が一緒になって、セミカルバゾンを形成し得、
Xは、酸素またはNR3であり、
Yは、窒素またはリンである。
【1189】
本発明の方法において使用され得る式Iの化合物のうちで、いくつかの化合物は、そのアルキル部分が1個〜8個の炭素原子を含み、ハロゲン原子が好ましくはフッ素、臭素、塩素であり、アリール部分が好ましくはフェニルであり、シクロアルキル基が好ましくは、3員〜7員の環であり、特に、シクロプロピルまたはシクロブチルであり、アシル基が好ましくは、低級アルカノイル基であり、そしてヘテロアリール部分が好ましくは、5員〜8員の環(例えば、チエニル、フリル、ピリジル、ピロリル、またはピラジニル(pyrizanyl))である、化合物である。
【1190】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式II:
【1191】
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
【1192】
の化合物およびその薬学的に受容可能な塩(例えば、臭化水素酸塩、塩酸塩、メチルスルホン酸塩またはメタヨージド(methiodide))であり、式IIにおいて、R1およびR2は、同じであっても異なっていてもよく、各々が、水素原子またはアシル基(例えば、低級アルカノイル基(例えば、アセチル基))または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、またはイソプロピル)を表わし;
R3は、直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基、アルケニル基またはアルカリール基であり、これは必要に応じて、ハロゲン原子、またはシクロアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミノアルキル基、アシルアミノ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、アロイル基、アロイルアルキル基もしくはシアノ基により置換されており;そして
R4は、四環式骨格の環炭素のうちの少なくとも1個に結合した、水素原子またはハロゲン原子を表わす。
【1193】
式IIは、ガランタミンそのものを包含する。
【1194】
いくつかの実施形態において、化合物は、ガランタミンそのもの、およびその塩(例えば、ハロゲン化物(例えば、臭化水素酸ガランタミン))である。
【1195】
xiii)国際特許出願公開番号WO1997/038993
本願は、式
【1196】
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
【1197】
の化合物およびその薬学的に受容可能な酸付加塩に関し、ここで
Rは、水素、(C1〜C6)アルキルまたはヒドロキシ(C−C6)アルキルであり;
Xは、水素、ヒドロキシ、(Ci−C6)アルコキシ、フェニル(C1〜C6)アルコキシ、または−O(C=O)NRRであり;そして
Yは、水素またはハロゲンであり;
ここでRは、(C1〜C6)アルキル、フェニル、またはフェニル(CI−C6)アルキルであり、ここでこのフェニル基は必要に応じて、(C1〜C6)アルキル、(C,−C6)アルコキシ、ハロゲンまたはトリフルオロメチルにより置換されており;
R2は、水素または(C,−C6)アルキルであるか;あるいは
RおよびR2は、これらが結合している窒素と一緒になって、テトラヒドロイソキノリン基を形成する。
【1198】
用語「アルキル」とは、記載される数の炭素原子の直鎖または分枝鎖のアルキル基を意味する。例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ならびに直鎖および分枝鎖のペンチルおよびヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【1199】
用語「ハロ」とは、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【1200】
用語「フェニル」とは、0個、1個、2個または3個の置換基を有するフェニルを意味し、これらの置換基は、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ、ハロまたはトリフルオロメチルからなる群より独立して選択される。
【1201】
本発明の特定の実施形態において、式(I):
【1202】
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
【1203】
の化合物およびその薬学的に受容可能な酸付加塩であり、式(I)において、
Rは、水素、(Cl−C6)アルキルまたはヒドロキシ(C1〜C6)アルキルであり;
Xは、水素、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、ベンジルオキシ、または−O(C=O)NR1R2であり;そして
Yは、水素またはハロゲンであり;
ここでR1は、(Cl−C6)アルキル、フェネチル、またはベンジルであり、ここでこのフェニル基は必要に応じて、(C,−C6)アルキル、(Cl−C6)アルコキシ、ハロゲンまたはトリフルオロメチルにより置換されており;そして
R2は、水素または(C,−C6)アルキルである。
【1204】
1つの実施形態において、R1が(C−C6)アルキルである場合、R2は水素である。
【1205】
1つの実施形態において、Rが(C1〜C6)アルキルである、式Iの化合物である。
【1206】
1つの実施形態において、Xは水素であり、Yは水素であり、そしてRは、水素、メチル、エチルまたはプロピルである。
【1208】
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
【1209】
の化合物およびその薬学的に受容可能な酸付加塩であり、式Iにおいて、
Rは、水素、(Cs−C6)アルキルまたはヒドロキシ(CI−C6)アルキルであり;
Xは、水素、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、ベンジルオキシ、または−O(C=O)NRIR2であり;そして
Yは、水素またはハロゲンであり;ここで
RおよびR2は、これらが結合している窒素と一緒になって、テトラヒドロイソキノリン基を形成する。
【1210】
1つの実施形態において、Xは−O(C=O)NR’R2であり、そしてYは水素である。
【1211】
xiv)米国特許番号5,965,569
本発明の主題である新規アミノピリジン化合物は、一般式(I):
【1212】
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
【1213】
に対応し、一般式(I)において、Rは、水素、アルキル、アラルキルまたはアシルであり得;
R1およびR2は独立して、水素、アルキル、アラルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、または1個もしくは2個のアルキル基、アラルキルもしくはアシル基で置換されたアミノであり得;
mおよびnは、値1、2または3を採り得;
XおよびYは独立して、2個の炭素間の結合、酸素原子または硫黄原子、基N−−R3、あるいは1個〜5個の炭素原子を含むアルキレン架橋またはアルケニレン架橋(1個以上の置換基R4を含み得る)であり得る。Xがアルケニレン基である場合、このアルケニレン基は、飽和または不飽和の炭素環式または複素環式の環系に縮合し得、この環は、1個以上の基R5で置換されることが可能であり、例えば、Xは、オルト−フェニレン基であり得;そして
【1214】
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
【1215】
p、qおよびrは、1以上の値を有し、そしてR6およびR7は置換基であり、個々に、水素、ハロゲン(好ましくは、フッ素もしくは塩素)、低級アルコキシまたは低級アルキルであり得る。
【1216】
上記定義において:
用語「アルキル」とは、1個〜6個の炭素原子を有し、直鎖、分枝鎖、置換された環状、またはシクロアルキル鎖を有する炭化水素基を表わし、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、およびシクロヘキシルなどである。
【1217】
用語「アラルキル」とは、7個〜12個の炭素原子を含む、フェニルアルキル、またはフェニルが置換されたフェニルアルキルを意味する。「フェニルアルキル」または「フェニルが置換されたフェニルアルキル」における用語アルキルは、直鎖または分枝鎖を有し、1個〜4個の炭素原子を含むアルキレン基を意味し、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレンまたはテトラメチレンである。「フェニルが置換されたフェニルアルキル」における置換されたフェニルとは、1個以上の置換基を含むフェニル基であり、これらの置換基は、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素)、低級アルキル(1個〜4個の炭素原子を含み、直鎖または分枝鎖を有するアルキル基を包含し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルである)、ならびに低級アルコキシ(1個〜4個の炭素原子を含み、直鎖または分枝鎖を有するアルコキシ基を包含し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシおよびsec−ブトキシである)からなる群より選択される。
【1218】
このようなアラルキル基の例としては、ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、2−(4−メトキシフェニル)エチル、2−(2−メチルフェニル)エチル、2−(4−フルオロフェニル)エチルおよび4−(4−クロロフェニル)ブチルが挙げられる。
【1219】
用語「アシル」とは、アルキル残基およびアラルキル残基が上に定義された意味を有する、アルキルカルボニル基またはアラルキルカルボニル基を意味する。
【1220】
R1およびR2の文脈において、用語アルキルおよびアラルキルは、Rについて上で与えられた意味を有する。アルコキシ置換基、およびアルコキシカルボニル置換基のアルコキシ基は、低級アルコキシ基について上で与えられた意味を有し得る。アミノ基のアルキル置換基、アラルキル置換基およびアシル置換基もまた、Rの文脈において上で与えられた意味を有し得る。
【1221】
N−−R3の基R3は、Rについて上で定義された意味を有し得る。
【1222】
アルキレン架橋またはアルケニレン架橋に結合した基R4は、独立して、水素、低級アルキル、アルケニルまたはアルキリデン(1個〜4個の炭素原子を有し、直鎖または分枝鎖を有する)、フェニル、フェニル(1個〜4個の炭素原子を有する1個以上の低級アルキル基、1個〜4個の炭素原子を有する低級アルコキシ基またはハロゲン(フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素)基で置換されたもの)、Rの文脈において上で定義されたようなアラルキル、1個〜4個の炭素を含む低級アルコキシ、およびヒドロキシルであり得る。
【1223】
XまたはYに縮合した環の置換基である基R5は、水素、1個〜4個の炭素原子を有する低級アルキルもしくは低級アルコキシ、またはハロゲン(フッ素、塩素、臭素およびヨウ素)であり得る。
【1224】
一般式(I)の化合物は少なくとも2個のキラル中心(すなわち、2個の不斉炭素)を有し、光学異性体を生成し得るので、本発明は、ラセミ化合物とこれらの化合物の全ての可能なエナンチオマーとの両方、または様々な割合のこれらの混合物に関する。
【1225】
薬学的に受容可能な付加塩は、有機酸または無機酸(例えば、無機酸のうちではとりわけ、塩酸、臭化水素酸、硫酸および硝酸、ならびに有機酸のうちではとりわけ、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸およびクエン酸)との塩であり得る。
【1226】
xv)米国特許番号5,663,448
本発明の化合物は、以下の式I:
【1227】
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
【1228】
、その立体異性体および薬学的に受容可能な塩を有し、式Iにおいて、ZおよびZ’の各々は独立して、HまたはFであり;
Qは
【1229】
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
【1230】
であり;
Xは、H、Br、Cl、FまたはCF3であり;Yは、H、Br、Cl、F、OH、OR5、OC(O)R4、N3、CN、NO2、SO3H、CO2R4、NH2、NHR9、NR9R’9、C(R6)(R7)(V’R8)またはC(O)R7であり、ただし、ZとZ’との両方がFである場合、YはHまたはFであり;
VおよびV’は、各々独立して、CH2またはOであり;
R1は、HまたはCH3であり;
R2、R9およびR’9は、各々独立して、(C1〜6)アルキルであるか、またはR2およびV−−R3は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、3員〜6員の環を形成し;
R3、R6、R7およびR8は、各々独立して、H、(C1〜6)アルキル、または(C3〜6)シクロアルキルであり;
R4は、H、(C1〜10)アルキル、(C0−4)アルキレンアリールまたは(C3〜8)シクロアルキルであり;そして
R5は、(C1〜10)アルキル、ベンジル、フェネチルまたは(C3〜6)シクロアルキルである。
【1231】
用語「(C1〜6)アルキル」および「(C1〜10)アルキル」とは、それぞれ1個〜6個の炭素原子、および1個〜10個の炭素原子を含む、直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基を意味し、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチルペンチル、2,2−ジメチルプロピル、およびn−ヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。同様に、用語「(C0〜4)アルキレンアリール」とは、4個までの炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン基を意味し得、例えば、エチルエチレン、および2−メチルトリメチレンなどである。C0とは、もちろん、アルキレン部分がアリール基に結合していないことを意味する。
【1232】
「ヒドロキシ(C1〜6)アルキル」とは、1個〜3個のヒドロキシ置換基を有する(C1〜6)アルキル基を意味する。好ましくは、1個のみのヒドロキシ置換基がアルファ位に存在する(フェニルに直接結合している炭素原子に結合している)。
【1233】
「Ts」または「トシル」とは、##STR5##を意味する。トシル誘導体とは、##STR6##を意味し、ここでRはC1〜6アルキルである。
【1234】
「アリール」は、炭素環式部分と複素環式環との両方を包含し、そのうちのフェニル、ピリジル、インドリル、インダゾリル、フリルおよびチエニルは、最も興味のあるものである。これらの部分は、それらの位置異性体(例えば、2−、3−、または4−ピリジル、2−または3−フリルおよびチエニル、1−、2−、または3−インドリル、あるいは1−インダゾリルおよび3−インダゾリル)、ならびにフリル部分およびチエニル部分のジヒドロアナログおよびテトラヒドロアナログを包含する。用語「アリール」にはまた、ペンタレニル、インデニル、ナフタレニル、アズレニル、ヘプタレニル、アセナフチレニル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、アントラセニル、アセフェナントリレニル、アセアントリレニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニルおよびナフタセニルのような、縮合炭素環式部分が含まれる。用語「アリール」にはまた、2−もしくは3−ベンゾ[b]チエニル、2−もしくは3−ナフト[2,3−b]チエニル、2−もしくは3−チアントレニル、2H−ピラン−3−(または4−もしくは5−)イル、1−イソベンゾフラニル、2H−クロメニル−3−イル、2−もしくは3−フェノキサチイニル、2−もしくは3−ピロリル、4−もしくは3−ピラゾリル、2−ピラジニル、2−ピリミジニル、3−ピリダジニル、2−インドリジニル、1−イソインドリル、4H−キノリジン−2−イル、3−イソキノリル、2−キノリル、1−フタラジニル、1,8−ナフチリジニル、2−キノキサリニル、2−キナゾリニル、3−シンノリニル、2−プテリジニル、4aH−カルバゾール−2−イル、2−カルバゾリル、β−カルボリン−3−イル、3−フェナントリジニル、2−アクリジニル、2−ペリミジニル、1−フェナジニル、3−イソチアゾリル、2−フェノチアジニル、3−イソオキサゾリル、2−フェノキサジニル、3−イソ−クロマニル、7−クロマニル、2−ピロリン−3−イル、2−イミダゾリジニル、2−イミダゾリン−4−イル、2−ピラゾリジニル、3−ピラゾリン−3−イル、2−ピペリジル、2−ピペラジニル、1−インドリニル、1−イソインドリニル、3−モルホリニル、ベンゾ[h]イソキノリニル、およびベンゾ[b]フラニルのような、他の複素環式基が含まれ、これらの複素環式部分がその窒素原子を介して直接結合し得ないことを除いて、その位置異性体が含まれる。アリール基は、非置換であっても、1個、2個または3個の置換基(C1〜6アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、アミノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ハロ、メルカプト、ニトロ、カルボキシアルデヒド、カルボキシ、カルボアルコキシおよびカルボキサミドから独立して選択される)で置換されていてもよい。
【1235】
R2およびV−−R3が一緒になる場合、これらは、炭素原子を含む3員環を形成し得、この炭素原子に、R2およびVが結合している(R3がHである場合)。形成される他の環は、その環のための4員、5員および6員を有し得る。用語3員〜6員の環とは、その環の構造を構成している炭素原子、および酸素原子(VがOである場合)の数をいう。
【1236】
式Iの化合物についての「立体異性体」は、空間内でのその原子の配向のみが異なる、個々の分子の全ての異性体についての一般的な用語である。これは、その化合物に対して適用可能であるあらゆる形態の、鏡像異性体(エナンチオマー)、幾何異性体(シス/トランス)、および1個より多くのキラル中心を有する化合物の互いに鏡像ではない異性体(ジアステレオ異性体)を包含する。
【1237】
xvi)欧州特許出願番号EP0611769
本発明の化合物は、以下の式I:
【1238】
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
【1239】
、その立体異性体または混合物、およびその薬学的に受容可能な塩を有し、式Iにおいて:
ZおよびZ’の各々は独立して、HまたはFであり、ただし、ZまたはZ’のうちの少なくとも一方はFであり;
Qは
【1240】
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
【1241】
であり;
Xは、H、Br、Cl、FまたはCF3であり;
Yは、H、OH、(C1〜6)アルキル、−(CH2)mOR5、ヒドロキシ(C1〜6)アルキル、(CH2)nNR6R6’、アジド、CN、CO2R4、COR6、SO3H、Br、Cl、F、NO2または−(CH2)nSiR1’R2’R3’であり、ただし、ZとZ’との両方がFである場合、YはHまたはFであり;
R1、R2、R3、R1’、R2’およびR3’は各々独立して、C1〜10アルキルまたは(CH2)nアリールであり;
R4は、H、(C1〜10)アルキル、フェニル、ベンジルまたはフェネチルであり;
R5は、H、(C1〜10)アルキル、ベンジルまたはフェネチルであり;
R6およびR6’は独立して、水素またはC1〜10アルキルであり;
mは、0、1、2、3または4の整数であり;そして
nは、0、1または2の整数である。
【1242】
用語「(C1〜6)アルキル」および「(C1〜10)アルキル」とは、それぞれ1個〜6個の炭素原子、および1個〜10個の炭素原子を含む、直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基を意味し、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチルペンチル、2,2−ジメチルプロピル、およびn−ヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。同様に、用語「(CH2)n」または「(CH2)m」は、分枝鎖であっても直鎖であってもよいアルキレン鎖を表し得る。
【1243】
「ヒドロキシ(C1〜6)アルキル」とは、1個〜3個のヒドロキシ置換基を有する(C1〜6)アルキル基を意味する。好ましくは、1個のみのヒドロキシ置換基がアルファ位に存在する(フェニルに直接結合している炭素原子に結合している)。
【1244】
「Ts」または「トシル」とは、EMI3.1を意味する。トシル誘導体とは、EMI3.2を意味し、ここでRはC1〜6アルキレンである。
【1245】
「アリール」は、炭素環式部分と複素環式環との両方を包含し、そのうちのフェニル、ピリジル、インドリル、インダゾリル、フリルおよびチエニルは、最も興味のあるものである。これらの部分は、それらの位置異性体(例えば、2−、3−、または4−ピリジル、2−または3−フリルおよびチエニル、1−、2−、または3−インドリル、あるいは1−インダゾリルおよび3−インダゾリル)、ならびにフリル部分およびチエニル部分のジヒドロアナログおよびテトラヒドロアナログを包含する。用語「アリール」にはまた、ペンタレニル、インデニル、ナフタレニル、アズレニル、ヘプタレニル、アセナフチレニル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、アントラセニル、アセフェナントリレニル、アセアントリレニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニルおよびナフタセニルのような、縮合炭素環式部分が含まれる。用語「アリール」にはまた、2−もしくは3−ベンゾ[b]チエニル、2−もしくは3−ナフト[2,3−b]チエニル、2−もしくは3−チアントレニル、2H−ピラン−3−(または4−もしくは5−)イル、1−イソベンゾフラニル、2H−クロメニル−3−イル、2−もしくは3−フェノキサチイニル、2−もしくは3−ピロリル、4−もしくは3−ピラゾリル、2−ピラジニル、2−ピリミジニル、3−ピリダジニル、2−インドリジニル、1−イソインドリル、4H−キノリジン−2−イル、3−イソキノリル、2−キノリル、1−フタラジニル、1,8−ナフチリジニル、2−キノキサリニル、2−キナゾリニル、3−シンノリニル、2−プテリジニル、4aH−カルバゾール−2−イル、2−カルバゾリル、β−カルボリン−3−イル、3−フェナントリジニル、2−アクリジニル、2−ペリミジニル、1−フェナジニル、3−イソチアゾリル、2−フェノチアジニル、3−イソオキサゾリル、2−フェノキサジニル、3−イソクロマニル、7−クロマニル、2−ピロリン−3−イル、2−イミダゾリジニル、2−イミダゾリン−4−イル、2−ピラゾリジニル、3−ピラゾリン−3−イル、2−ピペリジル、2−ピペラジニル、1−インドリニル、1−イソインドリニル、3−モルホリニル、ベンゾ[h]イソキノリニル、およびベンゾ[b]フラニルのような、他の複素環式基が含まれ、これらの複素環式部分がその窒素原子を介して直接結合し得ないことを除いて、その位置異性体が含まれる。アリール基は、非置換であっても、1個、2個または3個の置換基(C1〜6アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、アミノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ハロ、メルカプト、ニトロ、カルボキシアルデヒド、カルボキシ、カルボアルコキシおよびカルボキサミドから独立して選択される)で置換されていてもよい。
【1246】
R1、R2、R3、R1’、R2’、およびR3’は各々独立して、C1〜10アルキルまたは(CH2)nアリールから選択され、このことは、例えば、R1はベンジルであり得、一方でR2はメチルであることを意味する。換言すれば、R1、R2、R3、R1’、R2’、またはR3’のいずれも、同じ部分である必要はないが、そうであってもよい。
【1247】
式Iの化合物についての「立体異性体」は、空間内でのその原子の配向のみが異なる、個々の分子の全ての異性体についての一般的な用語である。これは、その化合物に対して適用可能であるあらゆる形態の、鏡像異性体(エナンチオマー)、幾何異性体(シス/トランス)、および1個より多くのキラル中心を有する化合物の互いに鏡像ではない異性体(ジアステレオ異性体)を包含する。
【1248】
xvii)国際特許出願公開番号WO1993/03034
本発明はまた、式:
【1249】
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
【1250】
の新規化合物、またはその薬学的に受容可能な酸付加塩を包含し、ここでAは、
【1251】
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
【1252】
を表わし、ここでnは、1〜10であり、Pは、結合または(CH2)mであり、ここでmは、0〜10であり、ここで窒素原子、酸素原子、または硫黄原子が、環Aにおけるメチレン基を置き換え得、これはキナゾリン部分には隣接せず、そして環Aにおける1個の炭素原子にはYが結合しており、ここでYは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシ、低級アルコキシ、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、ケト、低級アルコキシカルボニルまたは低級アルカノイルであり;
Mは、=S、=NR、
【1253】
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
【1254】
であり、ここでRおよびR’は独立して、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アリールオキシ、アリール低級アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリール低級アルキルであり、そして一緒になる場合、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を必要に応じて含む、三員〜六員の環を形成し得;そして
Xは、存在しないか、または1個〜4個の置換基であり、これらの置換基は、ハロゲン、アルキル(C1〜22)(直鎖または分枝鎖であり、飽和またはアルケニルまたはアルキニルであり、適切なサイズのアルキルが環を形成し得る場合、飽和または不飽和の、1個以上のヘテロ原子(例えば、O、S、N、Se、およびPなど)を含む(もしくは含まない)環、あるいは1個以上のヘテロ原子(例えば、O、S、N、およびSeなど)を含む(もしくは含まない)芳香族環またはヘテロ芳香族環)、第一級アミノ、第二級アミノ、第三級アミノ、ニトロ−低級アルキルチオ、またはアリール(もしくはヘテロアリール)チオ、メルカプト、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルコキシオキシ、アリール(もしくはヘテロアリール)オキシ、アルキル(C1〜22)スルフィニル、アリール(もしくはヘテロアリール)スルフィニル、アルキル(C1〜22)スルホニル、アリール(もしくはヘテロアリール)スルホニル、ペルフルオロアルキル(C1〜22)(例えば、トリフルオロメチル)、ペルフルオロアルコキシ(C1〜22)r(例えば、トリフルオロメトキシ)、ペルフルオロアルキルチオ(C122)(例えば、トリフルオロメチルチオ)、ペルフルオロアルキルスルフィニル(C122)(例えば、トリフルオロメチルスルフィニル)、ペルフルオロアルキルスルホニル(C1〜22)r(例えば、トリフルオロメチルスルホニル)、アルキル(C1〜22)カルバモイル、アリール(もしくはヘテロアリール)カルバモイル、またはジアシルアミノ(スクシンイミドなどの環状イミドを含む)、アルキル(C1〜22)スルフィニルアミド、アリール(もしくはヘテロアリール)スルフィニルアミド、アルキル(C122)スルホニルアミド、アリール(もしくはヘテロアリール)スルホニルアミド、ペルフルオロアルキル(C1〜22)スルフィニルアミド(例えば、トリフルオロメチルスルフィニルアミド)、ペルフルオロアルキル(C1〜22)スルホニルアミド(例えば、上記トリフルオロメチルスルホニルアミド)、トリアルキルシリル(例えば、トリメチルシリルもしくはトリエチルシリル)、アシル(例えば、アセチル、ベンゾイル、フェニルアセチル、およびヒドロシンナモイルなど)、ペルフルオロアシル(例えば、トリフルオロアセチル、およびヘプタフルオロブチリルなど)、アシル−低級アルキル(例えば、アセチルメチル、ベンゾイルメチル、フェニルアセチルメチル、およびヒドロシンナモイルメチルなど)、ペルフルオロアシル−低級アルキル(例えば、トリフルオロアセチルメチル、およびヘプタフルオロブチリルメチルなど)、アルキル(C1〜22)カルバモイルオキシ、アリール(もしくはヘテロアリール)カルバモイルオキシ、ジアルキル(C122)カルバモイルオキシ、ジアリール(もしくはジヘテロアリール)カルバモイルオキシ、アルキル(C1〜22)カルバモイルチオ、アリール(もしくはヘテロアリール)カルバモイルチオ、アルキル(C1〜22)rカルバモイルアルキル、アリール(もしくはヘテロアリール)カルバモイルアルキル、またはジアシルアミノアルキル、(環状イミドアルキルを含み、例えば、アセトアミドメチル、オクタンアミドメチル、またはスクシンイミドメチル)、アリールまたはアリール低級アルキル(ハロゲンまたは記載された基などの基で置換されたアリールを含む)、ヘテロアリールまたはヘテロアリール低級アルキル(例えば、フラン、チオフェン、ピロール、およびピリジンなどであり、ハロゲンおよび上記基などの基で置換された誘導体を含む)から選択され;Zは、水素、ハロゲン、アルキル(C1〜12)r(直鎖または分枝鎖であり、飽和またはアルケニルまたはアルキニルであり、適切なサイズのアルキルが、飽和または不飽和の、O、S、およびNから選択される1個以上のヘテロ原子を含むかまたは含まない環を形成し得る場合、O、S、およびNから選択される1個以上のヘテロ原子を含むかまたは含まない、芳香族環またはヘテロ芳香族環をまた形成し得る)、第一級、第二級、または第三級アミノ低級アルキルチオ−、アリール−、ヘテロアリールチオ、メルカプト、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボアルコキシ(ここでアルキルはC1〜C22である)、低級アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ペルフルオロアルキル(ここでアルキルはC1〜C22である)、ペルフルオロアルコキシ(ここでアルキル部分はC1〜C22である)、アルキル(C122)カルバモイル、アリールカルバモイル、ヘテロアリールカルバモイル、ジアシルアミノ、環状イミド、あるいはアシルであり;ただし、Aが
【1255】
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
【1256】
(ここでnは1〜3であり、mは0であり、Yは水素であり、そしてMはRR’であり、ここでRとR’との両方は水素である)である場合、Xは、非存在でも、1つのヒドロキシ基でもメトキシ基でもあり得ず;
そしてAが式IIdのものである場合、Xは、1,3−ジハロゲノまたは2,4−ジハロゲノである。
【1257】
xviii)国際特許出願公開番号WO1992/019238
本発明は、一般式(I)の多数の化合物を提供し、これらの化合物は形式的に、フペルジンAの誘導体およびその薬学的に受容可能な塩である:
【1258】
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
【1259】
ここでR1は、H、(C1〜C8)アルキルまたはハロであり;R2は、Hまたは(C1〜C8)アルキルであり;R3およびR4は個々に、H、(C1〜C8)アルキル、NO2、ヒドロキシまたはハロであり;R5およびR6は個々に、H、(C1〜C8)アルキル、アリールまたはアラルキルであり;R7は、Hハロまたは(C1〜C8)アルキルであり、R8は、ハロまたは(C1〜C8)アルキルであり、R9は、存在しないかまたはHであり;そして−−により表わされる結合は個々に、存在しないか、または隣接する結合と一緒になって、単位C.dbd.Cを形成し、ただし、−−により表わされる結合の両方が存在する場合、R7またはR8がハロでない限り、R3とR4との両方がHにはなり得ない。
【1260】
従って、式Iの化合物の種類は、フペルジンAそのものも、単純なそのN−アルキル化誘導体も含まない。好ましくは、R1は、H、ハロ(Cl、Br、IもしくはFであり、最も好ましくはF)またはメチルである。好ましくは、R2はHであり、好ましくは、R3はニトロまたはハロであり、好ましくは、R4は(C1〜C4)アルキルまたはOHであり、そして好ましくは、R5は.dbd.R6.dbd.Hである。好ましくは、R7およびR9はHであり、そしてR8は(C1〜C4)アルキルである。好ましくは、−−により表わされる結合のうちの少なくとも1つは、存在しない。従って、式Iの好ましい化合物は、フペルジンAのジヒドロアナログまたはビス(ジ−ヒドロ)アナログ(これらもまた、ピリドン環に置換基を含み得る)であるか、あるいはフペルジンAのピリドン環置換アナログである。
【1261】
一般式IまたはIIの化合物は、光学異性体の形態で存在し得、そしてこれらの異性体およびラセミ(±)混合物は、本発明の範囲内に含まれる。本発明はまた、本発明の化合物の12Rエナンチオマーと12Sエナンチオマーとの両方、および15Rエナンチオマーと15Sエナンチオマーとの両方、ならびにこれらの未分割混合物または部分的に分割した混合物を包含する。用語「アルキル」は、直鎖アルキルまたは分枝鎖アルキルを包含する。用語「アリール」および「アラルキル」は、本明細書中以下で完全に定義される。いくつかの実施形態において、アリール基としては、フェニル、トリル、キシリル、およびアニシルなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、アラルキル基としては、アリールオキシ−(C1〜C3)アルキル部分およびアリール−(C1〜C3)アルキル部分が挙げられる。
【1262】
C15−−R1結合は、R1置換基が存在する場合、エクアトリアルで存在してもアキシアルで存在しても、これらの混合物であってもよいことを示すために、波線である。簡便にするために、C11−C12結合はエクアトリアルに位置しているが、この結合は、エクアトリアルであっても、アキシアルであっても、これらの混合物であっても、いずれでもよい。
【1263】
xix)欧州特許出願番号EP0236684
ガランタミンは一般に、構造:
【1264】
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
【1266】
類似の構造の化合物であって、ヒドロキシが、メトキシ、エトキシ、低級アルカノイルオキシ(例えば、アセチルオキシもしくはオキシ)により置き換えられており、メトキシ基が、水素、メトキシ、エトキシ、または低級アルカノイルオキシ(例えば、アセチルオキシ)により置き換えられており、そして窒素原子上で置換されたメチル基が、他の直鎖または分枝鎖の低級アルキル基(例えば、エチル、シクロプロピルメチルもしくはシクロブチルメチル)、アリル、低級アルキルフェニルまたは置換低級アルキルフェニル(ここでこれらの置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ低級アルキルもしくは1個〜5個の炭素原子のアシルアミノである)、ヘテロアリール低級アルキル(ここでこのヘテロアリール基は、チエニル、フリル、ピリジル、ピロリル、もしくはピラジニルである)、またはシアノ基;あるいは非置換ベンゾイル低級アルキルおよびハロゲン置換ベンゾイル低級アルキル(ここでこれらの置換基は、フェニル環上にある)により置き換えられている、化合物、ならびに「コア」構造の水素原子がフルオロ基もしくはクロロ基により置き換えられているか、またはB環とC環とに共通の炭素間の炭素−炭素単結合が二重結合により置き換えられている、化合物は、おそらく、ガランタミンと類似の特性を有する。
【1267】
ならびにxx)米国特許番号4,895,841
本発明は、以下の式(XXV):
【1268】
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
【1269】
を有する環状アミン化合物およびその薬理学的に受容可能な塩を提供し、式(XXV)において、Jは、
(a)(1)フェニル、(2)ピリジル、(3)ピラジル、(4)キノリル、(5)シクロヘキシル、(6)キノキサリルおよび(7)フリルからなる群より選択される、置換または非置換の基;
(b)一価または二価の基であって、ここでフェニルは、(1)インダニル、(2)インダノニル、(3)インデニル、(4)インデノニル、(5)インダンジオニル、(6)テトラロニル、(7)ベンゾスベロニル、(8)インダノリルおよび(9)C6H5−−CO−−CH(CH3)−−からなる群より選択される置換基(単数または複数)を有し得るもの;
(c)環状アミド化合物から誘導される一価の基;
(d)低級アルキル、あるいは
(e)R21−−CH.dbd.CH−−の基であって、ここでR21は、水素または低級アルコキシカルボニルであるもの(dbdは二重結合を表わす)
であり;
Bは、−−(CHR22)r−−、−−CO−−(CHR22)r−−、−−NR4−−(CHR22)r−−(R4は、水素、低級アルキル、アシル、低級アルキルスルホニル、フェニル、置換フェニル、ベンジルもしくは置換ベンジルである)、−−CO−−NR5−−(CHR22)r−−(R5は、水素、低級アルキルもしくはフェニルである)、−−CH.dbd.CH−−(CHR22)r−−、−−OCOO−−(CHR22)r−−、−−OOC−−NH−−(CHR22)r−−、−−NH−−CO−−(CHR22)r−−、−−CH2−−CO−−NH−−(CHR22)r−−、−−(CH2)2−−NH−−(CHR22)r−−、−−CH(OH)−−(CHR22)r−−(rは、0もしくは1〜10の整数であり、R22は、水素もしくはメチルであり、その結果、1個のアルキレン基はメチル分枝を有さなくても、1個以上のメチル分枝を有してもよい)、.dbd.(CH−−CH.dbd.CH)b−−(bは、1〜3の整数である)、.dbd.CH−−(CH2)c−−(cは、0もしくは1〜9の整数である)、.dbd.(CH−−CH)d.dbd.(dは、0もしくは1〜5の整数である);−−CO−−CH.dbd.CH−−CH2−−、−−CO−−CH2−−CH(OH)−−CH2−−、−−CH(CH3)−−CO−−NH−−CH2−−、−−CH.dbd.CH−−CO−−NH−−(CH2)2−−、−−NH−−、−−O−−、−−S−−、ジアルキルアミノアルキルカルボニルまたは低級アルコキシカルボニルであり;
Tは、窒素または炭素であり;
Qは、窒素、炭素または
【1270】
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
【1271】
であり、そして
qは、1〜3の整数であり;
Kは、水素、フェニル、置換フェニル、アリールアルキル(ここでそのフェニルは置換基を有し得る)、シンナミル、低級アルキル、ピリジルメチル、シクロアルキルアルキル、アダマンタンメチル、フリルメチル、シクロアルキル、低級アルコキシカルボニルまたはアシルであり;そして
【1272】
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
【1274】
式(XXV)を有する化合物において、Jが(a)または(b)であることが好ましい。定義(b)において、(2)、(3)および(5)の一価の基、ならびに(2)の二価の基が好ましい。Bの定義において、−−(CHR22)r−−、.dbd.(CH−−CH.dbd.CH)b−−、.dbd.CH−−(CH2)c−−および.dbd.(CH−−CH)d.dbd.が好ましい。(B)のこれらの好ましい基は、Jの(b)、特に、(b)の(2)と結合し得る。
【1275】
式(XXV)において、Qが窒素であり、Tが炭素であり、そしてqが1または3であること;およびQが炭素であり、Tが窒素であり、そしてqが2であることが好ましい。Qが窒素であり、Tが炭素であり、そしてqが2であることが、最も好ましい。
【1276】
Kが、フェニルアルキルであるか、またはフェニル上に置換基(単数または複数)を有するフェニルアルキルであることが、好ましい。
【1277】
本発明の好ましい化合物の例としては、以下のものが挙げられる:
1−ベンジル−4−((5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル)メチルピペリジン、
1−ベンジル−4−((5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデニル)メチルピペリジン、
1−ベンジル−4−((5−メトキシ−1−インダノン)−2−イル)メチルピペリジン、
1−ベンジル−4−((5,6−ジエトキシ−1−インダノン)−2−イル)メチルピペリジン、
1−ベンジル−4−((5,6−メチニレンジオキシ−1−インダノン)−2−イル)メチルピペリジン、
1−(m−ニトロベンジル)−4−((5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル)メチルピペリジン、
1−シクロヘキシメチル−4−((5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル)メチルピペリジン、
1−(m−フルオロベンジル)−4−((5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル)メチルピペリジン、
1−ベンジル−4−((5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イル)プロピルピペリジン、
1−ベンジル−4−((5−イソプロポキシ−6−メトキシ−1−インダノン)−2−イル)メチルピペリジンおよび以下に示される式
【1278】
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
【1279】
を有する1−ベンジル−4−((5,6−ジメトキシ−1−オキソインダノン)−2−イル)プロペニルピペリジン。
【1280】
さらに、本発明は、薬理学的に有効な量の式(XXV)を有する環状アミン化合物またはその薬理学的に受容可能な塩および薬理学的に受容可能なキャリアを含有する治療用組成物、ならびに従って、アセチルコリンエステラーゼ活性に起因する疾患を、式(XXV)を有する環状アミン化合物またはその薬理学的に受容可能な塩をヒト患者に投与することによって予防および処置する方法を提供する。
【1281】
好ましい化合物は、上に示される式を有し、ここでJは(b)である。基(b)は、以下に示されるそれぞれの式を有する10個の基を含む。Sは、水素または置換基(例えば、1個〜6個の炭素原子を有する低級アルキルおよび1個〜6個の炭素原子を有する低級アルコキシ)である。これらの置換基のうちでも、メトキシが最も好ましい。tは、1〜4の整数である。フェニルは、1個〜3個のメトキシ基を有することが最も好ましい。(S)tは、フェニル基の2個の隣接する炭素原子上で、メチレンジオキシ基またはエチレンジオキシ基を形成し得る。
【1282】
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
【1283】
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
【1284】
Bの好ましい定義としては、−−(CHR22)r−−、−−CO−−(CHR22)r−−、.dbd.(CH−−CH.dbd.CH)b−−、.dbd.CH−−(CH2)c−−および.dbd.(CH−−CH)d.dbd.が挙げられる。R22が水素でありrが1〜3の整数である−−(CHR22)r−−の基であって、従って、.dbd.CH−−(CH2)c−−の基が、もっとも好ましい。
【1285】
上で定義された本発明の環状アミン化合物において、この式中のJが(b)一価または二価の基であることが好ましい。定義(b)において、インダノニル、インダンジオニルおよびインデニルが最も好ましく、必要に応じて、置換基(単数または複数)をそのフェニル上に有する。
【1286】
定義Bにおいて、−−(CHR22)r−−および.dbd.CH−−(CH2)c−−が好ましい。
【1287】
TおよびQを含む環において、この環は、5員環、6員環または7員環であり得る。Qが窒素であり、Tが炭素または窒素であり、そしてnが2であること;Qが窒素であり、Tが炭素であり、そしてnが1または3であること;およびQが炭素であり、Tが窒素であり、そしてnが2であることが、好ましい。
【1288】
定義Kにおいて、フェニル、アリールアルキルおよびシンナミルが好ましく、必要に応じて、置換基(単数または複数)をそのフェニル上に有する。
【1289】
本発明は、上で定義される環状アミン化合物の範囲に入るピペリジン化合物の観点で、詳細に説明される。この説明は、環状アミン化合物の発明全体に適用される。
【1291】
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
【1292】
により規定され、式(I)において、R1は、以下の置換もしくは非置換の基:(1)フェニル基、(2)ピリジル基、(3)ピラジル基、(4)キノリル基、(5)インダニル基、(6)シクロヘキシル基、(7)キノキサリル基、または11(8)フリル基;非置換または置換のフェニル環を有するインダノンから誘導される一価または二価の基;環状アミド化合物から誘導される一価の基;低級アルキル基または式R3−−CH.dbd.C−−により表わされる基(ここでR3は水素原子もしくは低級アルコキシカルボニル基である)であり、
Xは、式−−(CH2)n−−により表わされる基、式
【1293】
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
【1295】
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
【1296】
により表わされる基(ここでR4は、水素原子、低級アルキル基、アシル基、低級アルキルスルホニル基、または置換もしくは非置換のフェニル基もしくはベンジル基である)、式
【1297】
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
【1298】
により表わされる基(ここでR5は、水素原子、低級アルキル基、またはフェニル基である)、式−−CH.dbd.CH−−(CH2)n−−により表わされる基、
【1299】
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
【1300】
、ジアルキルアミノアルキルカルボニル基、あるいは低級アルコキシカルボニル基であり、
ただし、上記Xの定義におけるnは各々独立して、0〜6の整数であり、
R2は、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、シンナミル基、低級アルキル基、ピリジルメチル基、シクロアルキルアルキル基、アダマンタンメチル基、またはフロイルメチル基であり、そして上記一般式における記号
【1301】
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
【1303】
本発明の化合物(I)に関してR1、R2、R4およびR5の上記定義において使用される用語「低級アルキル基」は、1個〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基を意味することを意図され、これらの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル(アミル)基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメンチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメンチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、および1−エチル−2−メチルプロピル基が挙げられる。これらのうちで、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが、好ましい。メチル基が最も好ましい。
【1304】
R1の定義における表現「以下の置換もしくは非置換の基:(1)フェニル基、(2)ピリジル基、(3)ピラジル基、(4)キノリル基、(5)インダニル基、(6)シクロヘキシル基、(7)キノキサリル基、または(8)フリル基」に含まれる置換基の例としては、1個〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、およびtert−ブチル基);上記低級アルキル基に対応する低級アルコキシ基(例えば、メトキシ基およびエトキシ基);ニトロ基;ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、およびフッ素);カルボキシル基;上記低級アルコキシ基に対応する低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、およびn−ブチルオキシカルボニル基);アミノ基;低級モノアルキルアミノ基;低級ジアルキルアミノ基、カルバモイル基;1個〜6個の炭素原子を有する脂肪族飽和モノカルボン酸から誘導されるアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、イソブチリルアミノ基、バレリルアミノ基、およびピバロイルアミノ基);シクロアルキルオキシカルボニル基(例えば、シクロヘキシルオキシカルボニル基);低級アルキルアミノカルボニル基(例えば、メチルアミノカルボニル基およびエチルアミノカルボニル基);上で定義された低級アルキル基に対応する低級アルキルカルボニルオキシ基(例えば、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、およびn−プロピルカルボニルオキシ基);ハロゲン化低級アルキル基(トリフルオロメチル基が挙げられる);ヒドロキシル基;ホルミル基;ならびに低級アルコキシ低級アルキル基(例えば、エトキシメチル基、メトキシメチル基、およびメトキシエチル基)が挙げられる。上記置換基の説明における、「低級アルキル基」および「低級アルコキシル基」は、上記基から誘導される全ての基を包含する。この置換基は、同じであっても異なっていてもよい、これらのうちの1個〜3個であってもよい。
【1305】
さらに、この置換基がフェニル基である場合、以下の基:
【1306】
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
【1307】
が、置換フェニル基の範囲内であり、ここでGは、
【1308】
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
【1309】
であり、そしてEは、炭素原子または窒素原子である。
【1310】
フェニル基のための置換基の好ましい例としては、とりわけ、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン化低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ヒドロキシル基、および低級アルコキシ低級アルキル基、ハロゲン原子、ならびにベンゾイル基およびベンジルスルホニル基が挙げられる。この置換基は、同じであっても異なっていてもよい、これらのうちの2つ以上であってもよい。
【1311】
ピリジル基のための置換基の好ましい例としては、低級アルキル基およびアミノ基、ならびにハロゲン原子が挙げられる。
【1312】
ピラジル基のための置換基の好ましい例としては、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アシルアミノ基、カルバモイル基、およびシクロアルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
【1313】
R1に関して、ピリジル基は好ましくは、2−ピリジル、3−ピリジル、または4−ピリジル基であり;ピラジル基は好ましくは、2−ピラジニル基であり;キノリル基は好ましくは、2−キノリル基または3−キノリル基であり;キノキサリニル基は好ましくは、2−キノキサリニル基または3−キノキサリニル基であり;そしてフリル基は好ましくは、2−フリル基である。
【1314】
非置換または置換のフェニル基を有するインダノンから誘導される、好ましい一価または二価の基の特定の例としては、以下の式(II)および(III):
【1315】
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
【1316】
により表わされる基が挙げられ、ここでmは各々、1〜4の整数であり、そしてAは、同じであっても異なってもよく、R1の定義の上記項目(1)〜(8)に記載される置換基の各々1つまたは水素原子であり、好ましくは、水素原子(すなわち、非置換)、低級アルキル基、または低級アルコキシ基であり、そして最も好ましくは、このインダノン基は、非置換であるか、または1個〜3個のメトキシ基で置換されている。
【1317】
環状アミド化合物から誘導される一価の基の例としては、キナゾロン、テトラヒドロイソキノリノン、テトラヒドロベンゾジアゼピノン、およびヘキサヒドロベンゾアゾシノンが挙げられる。しかし、この一価の基は、その構造式に環状アミド基を有する任意の基であり得、そして上記具体例のみに限定されない。この環状アミド基は、単環式または縮合複素環式環から誘導された基であり得る。この縮合複素環式環は、好ましくは、フェニル環との縮合により形成された環である。この場合、このフェニル環は、1個〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基(好ましくはメチル基)、または1個〜6個の炭素原子を有する低級アルコキシ基(好ましくはメトキシ基)で置換され得る。
【1318】
一価の基の好ましい例としては、以下の基が挙げられる:
【1319】
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
【1320】
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
【1321】
上記式において、式(i)および(1)におけるYは各々、水素原子または低級アルキル基であり、式(k)におけるVは、水素原子または低級アルコキシ基であり、式(m)および(n)におけるW1およびW2は各々、水素原子、低級アルキル基、または低級アルコキシ基であり、そしてW3は、水素原子または低級アルキル基である。
【1322】
式(j)および(1)の各々における右側の環は七員環であり、一方で、式(k)における右側の環は八員環である。
【1323】
上で定義されるR1の特定の例としては、非置換または置換されたフェニル基を有するインダノンから誘導された一価の基、および環状アミド化合物から誘導された一価の基が挙げられる。
【1324】
上で定義されるXの特定の例としては、式−−(CH2)n−−により表される基、アミド基を有する基、および上記式により表されnが2である基が挙げられる。従って、式
【1325】
【化189】
[この文献は図面を表示できません]
【1326】
により表される基の任意の部分が、カルボニル基またはアミド基を有することが、最も好ましい。
【1327】
上記R2の定義における表現「置換もしくは非置換のフェニル基」および「置換もしくは非置換のアリールアルキル基」に含まれる置換基は、上記R1の定義における上記項目(1)〜(8)に記載されるものと同じである。
【1328】
用語「アリールアルキル基」は、非置換のベンジル基またはフェネチル基などを意味することを意図される。
【1329】
ピリジルメチル基の特定の例としては、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、および4−ピリジルメチル基が挙げられる。
【1330】
R2の好ましい例としては、ベンジル基およびフェネチル基が挙げられる。記号
【1331】
【化190】
[この文献は図面を表示できません]
【1332】
は、単結合または二重結合のいずれかを意味する。この結合は、R1が、非置換または置換のフェニル環を有するインダノンから誘導された上記二価の基(III)である場合にのみ二重結合であり、一方で、他の場合には単結合である。
【1333】
本発明の化合物は、置換基の種類に依存して不斉炭素原子を有し得、従って、立体異性体を有し得る。これらの立体異性体はもちろん、本発明の範囲内である。
【1334】
これらのうちの1つの特定の例が、ここに記載される。R1がインダノン骨格を有する場合、本発明の化合物は、1個の不斉炭素原子を有し、従って、立体異性体、光学異性体、ジアステレオマーなどを有し得る。これらの異性体の全てが、本発明の範囲内である。
【1335】
CNS障害に関連する認知機能障害をSV2AインヒビターおよびAChEIまたはこれらの薬学的に受容可能な塩の投与により処置する方法
1つの局面において、本発明は、処置または認知機能の改善を必要とする被験体において、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物もしくは多形、もしくはプロドラッグを長期放出形態で、即時放出形態のAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物もしくは多形、もしくはプロドラッグと組み合わせて含有する組成物を投与することによって、CNS障害に関連する認知機能障害(例えば、加齢性の認知機能障害、MCI、健忘MCI、痴呆、AD、前駆期AD、PTSD、統合失調症、双極性障害、ALS、がん治療に関連する認知機能障害、精神遅滞、パーキンソン病(PD)、自閉症、強迫行動、および物質の乱用)を罹患するか、またはその危険性がある被験体を処置するか、またはその認知機能を改善させるための方法および組成物を提供する。いくつかの実施形態において、このSV2Aインヒビターは、レベチラセタム、セレトラセタム、およびブリバラセタム、またはその誘導体もしくはアナログ、あるいはその薬学的に受容可能な塩、または溶媒和物、または水和物、または多形、またはプロドラッグからなる群より選択される。他の実施形態において、このSV2Aインヒビターは、レベチラセタムまたはその誘導体もしくはアナログ、あるいはその薬学的に受容可能な塩、または溶媒和物、または水和物、または多形、またはプロドラッグである。いくつかの実施形態において、このAChEIは、ドネペジル、タクリン、リバチグミン、フィゾスチグミン、ガランタミン、もしくはメトリホナート、またはその誘導体もしくはアナログ、あるいはその薬学的に受容可能な塩、または溶媒和物、または水和物、または多形、またはプロドラッグである。他の実施形態において、このAChEIは、ドネペジルまたはその誘導体もしくはアナログ、あるいはその薬学的に受容可能な塩または溶媒和物、または水和物、または多形、またはプロドラッグである。いくつかの実施形態において、このCNS障害に関連する認知機能障害は、軽度認知機能障害(MCI)、加齢性記憶機能障害(AAMI)、加齢性認知衰退(ARCD)などの、加齢性の認知機能障害である。本発明の1つの実施形態において、このMCIは健忘MCIである。本発明のいくつかの実施形態において、このCNSこの障害は、痴呆、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、統合失調症、双極性障害、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、がん治療に関連する認知機能障害、精神遅滞、パーキンソン病(PD)、自閉症、強迫行動、および物質の乱用である。1つの実施形態において、このような認知機能障害を罹患する被験体は、ヒト患者である。この被験体は、ヒトであっても、他の動物(例えば、非ヒト霊長類、または齧歯類(例えば、ラット))であってもよい。いくつかの実施形態において、この被験体はヒト患者である。
【1336】
臨床的に使用される場合、ドネペジルは、「コリン作用性」の副作用プロフィールを示すので、患者に投与される投薬量は、このような副作用によって制限される。SV2Aインヒビターならびにその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形の、ドネペジルまたは他のAChEIならびにこれらの薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形と組み合わせての使用は、認知機能障害が関与するCNS障害および他の情動障害(MCI、健忘MCI、AAMI、ARCE、痴呆、AD、PTSD、統合失調症、双極性障害、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、がん治療に関連する認知機能障害、精神遅滞、パーキンソン病(PD)、自閉症、強迫行動、および物質の乱用が挙げられる)の処置のために必要とされるドネペジルまたは他のAChEIの量を減少させる。1つの実施形態において、このような認知機能障害を罹患する被験体は、ヒト患者であるので、ドネペジルまたは他のAChEIによって引き起こされる副作用を、効力を低下させることなく減少させる。さらに、SV2Aインヒビターと、ドネペジルまたは他のAChEIならびにその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、および多形との組み合わせ物の効力は、いずれかの薬物がその最適な用量で単独で投与される効力を超えるので、CNS障害に関連する認知機能障害に対する改善された処置である。
【1337】
本発明の組成物および方法において使用される化合物および剤は、好ましくは、末梢投与される場合、血液脳関門を容易に通るべきであることが理解される。しかし、血液脳関門を通り得ない化合物は依然として、例えば、脳室内経路または他の神経適合性経路によって、中枢神経系に直接、効果的に投与され得る。
【1338】
本発明に従って、SV2AインヒビターおよびAChEI、およびその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、水和物、多形は、任意の適切な経路を介して被験体に投与され得る。いくつかの実施形態において、これらの薬物は、経口投与される。しかし、静脈内、皮下、動脈内、筋肉内、脊椎内、直腸、胸郭内、腹腔内、中枢内(intracentricularly)、または経皮、局所、あるいは吸入による投与もまた想定される。これらの剤は、例えば、当該分野において認識された手順により調製された、錠剤、トローチ、カプセル剤、エリキシル剤懸濁剤、シロップ、またはウエハなどの形態で、経口投与され得る。特定の実施形態において、SV2AインヒビターおよびAChEI、およびその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、水和物、多形は、異なる経路を介して被験体に投与され得る。例えば、SV2Aインヒビターまたはその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形は、静脈内投与され、そしてAChEIまたはその塩、溶媒和物、水和物、もしくは多形は、経口投与される。
【1339】
いくつかの実施形態において、この投与は、遅延放出または長期放出である。用語「長期放出」は、薬科学の分野において広く認識されており、そして本明細書中で、活性化合物または活性剤の、剤形から環境への、延長した期間(例えば、1時間以上)にわたる(その間中、またはその間の)、制御された放出をいうために使用される。長期放出剤形は、薬物を長期間にわたって実質的に一定割合で放出するか、または実質的に一定量の薬物が長期間にわたって漸増的に放出される。本明細書中で使用される用語「長期放出(extended release)」は、用語「制御放出」、「延長放出(prolonged release)」、「徐放」、「遅延放出(delayed release)」または「遅い放出(slow release)」を、これらの用語が薬科学において使用されるように、包含する。いくつかの実施形態において、投薬量は、パッチまたはポンプの形態で投与される。用語「長期放出形態」とは、本明細書中で使用される場合、1種または1種より多くの活性成分を含有する剤形であって、水または他の生物学的流体または溶媒中に置かれる場合に、その活性成分のうちの少なくとも1つの放出が、長期間(例えば、少なくとも約1日、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約10日間、少なくとも約20日間、少なくとも約30日間、少なくとも約60日間、少なくとも約90日間、または少なくとも約150日間の期間)にわたって起こり得るものをいう。
【1340】
本明細書中で使用される場合、「即時放出製剤」とは、当該分野において、または市販製品の製造業者によって、公知であるUSP溶解法において、1時間未満で活性薬学的成分のうちの80パーセントより多くを放出する、活性薬学的成分を含有する製剤をいう。代表的に、即時放出製剤における活性成分の放出は、30分未満で80パーセントより多い。
【1341】
本発明の特定の実施形態において、このSV2Aインヒビターは長期放出形態であり、そしてこのAChEIは、長期放出ではない形態である。いくつかの実施形態において、このAChEIは、即時放出形態である。
【1342】
固体キャリアが投与のために使用される場合、その調製物は、錠剤の形態であり得るか、粉末もしくはペレットの形態で硬ゼラチンカプセルに入れられ得るか、またはトローチもしくはロゼンジの形態であり得る。液体キャリアが使用される場合、この調製物は、シロップ、エマルジョン、軟ゼラチンカプセル、または滅菌注射可能液体(例えば、水性もしくは非水性の液体懸濁物もしくは溶液)の形態であり得る。
【1343】
本発明の方法による、剤および組成物の投薬計画は、選択される特定の化合物または組成物、投与経路、処置される状態の性質、患者の年齢および状態、処置の経過または段階によって変わり、最終的に、診る医師の判断による。SV2AインヒビターおよびAChEI、ならびにこれらの薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形の投与される量は、所望の生物学的効果(例えば、臨床結果が挙げられる有利な結果)を生じるために有効な量(例えば、GABA作用性活性を増大させ、興奮性の神経伝達を低下させ、そしてアセチルコリンエステラーゼ活性を遮断するか、抑制するか、もしくは低下させる量、および/または組み合わせて認知機能の改善をもたらす量)であることが理解される。有効量は、1用量より多く、処置の経過にわたって投与され得ることが理解される。
【1344】
SV2AインヒビターおよびAChEI、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形の投与の所望の期間は、当業者によって慣用的な実験により決定され得る。例えば、SV2AインヒビターおよびAChEI、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形は、1週間〜4週間、1ヶ月〜3ヶ月、3ヶ月〜6ヶ月、6ヶ月〜12ヶ月、1年〜2年、またはより長期間にわたって、その患者の寿命まで、投与され得る。
【1345】
体表面積に対する標準化が、種間で用量を外挿するために適切な方法であることが、当該分野において公知である。この投薬量についてのヒト等価用量(HED)は、体表面積の差を考慮する以下の式を使用して推定され得る(Estimating the Safe Starting Dose in Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers,2002年12月,Center for Biologics Evaluation and Researchを参照のこと):
HED=動物用量×(Km動物/Kmヒト)
ここでKm因子は、体表面積で割った体重である(Kmラットは6であると決定されており、そしてKmヒトは37である;Reagan−Saw,Nihal,Ahmad,2007を参照のこと)。従って、ラットにおける10mg/kgの投薬量は、ヒトにおける1.6mg/kgと等価である(10mg/kg×(6/37)=1.6mg/kg)。ヒト被験体について、mg/kgでの用量からmgで用量を計算するためには、mg/kgでの用量に、代表的な成人の体重である70kgをかける。
【1346】
本発明の特定の実施形態において、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形、もしくはプロドラッグは、例えば、米国特許出願第12/580,464号、国際特許出願PCT/US2009/005647、米国特許出願第61/105,847号、米国特許出願第61/152,631号、および米国特許出願第61/175,536号に従う用量で投与され得る。本発明の特定の実施形態において、このSV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形、もしくはプロドラッグは、1日約0.001mg/kg〜5mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態において、このSV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形、もしくはプロドラッグは、1日約0.1mg/kg〜5mg/kg、または約1mg/kg〜2mg/kg、または約0.1mg/kg〜0.2mg/kg、または約0.01mg/kg〜2.5mg/kg、または約0.1mg/kg〜2.5mg/kg、または約0.4mg/kg〜2.5mg/kg、または約0.6mg/kg〜1.8mg/kg、または約0.04mg/kg〜2.5mg/kg、または約0.06mg/kg〜1.8mg/kg、または約0.01mg/kg〜1mg/kg、または約0.001mg/kg〜1mg/kg、または約0.5mg/kg〜5mg/kg、または約0.05mg/kg〜0.5mg/kgの用量で投与される。その状態に依存して、数日間または数週間、あるいはより長期間にわたる反復投与について、この処置は、充分なレベルの認知機能が達成されるまで持続される。
【1347】
本発明の特定の実施形態において、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、例えば、米国特許出願第12/580,464号、国際特許出願PCT/US2009/005647、米国特許出願第61/105,847号、米国特許出願第61/152,631号、米国特許出願第61/175,536号および米国特許出願第61/441,251号に従う用量で投与され得る。本発明の特定の実施形態において、このSV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、1日約0.001mg/kg〜5mg/kg、約0.001mg/kg〜0.5mg/kg、約0.01mg/kg〜0.5mg/kg、約0.1mg/kg〜5mg/kg、または約1mg/kg〜2mg/kg、または約2mg/kg〜4mg/kg、または約2mg/kg〜3mg/kg、または約3mg/kg〜4mg/kg、または約0.2mg/kg〜0.4mg/kg、または約0.2mg/kg〜0.3mg/kg、または約0.3mg/kg〜0.4mg/kg、または約0.1mg/kg〜0.2mg/kg、または約0.01mg/kg〜2.5mg/kg、または約0.1mg/kg〜2.5mg/kg、または約0.4mg/kg〜2.5mg/kg、または約0.6mg/kg〜1.8mg/kg、または約0.5mg/kg〜2mg/kg、または約0.8mg/kg〜1.6、または約0.8〜3.6、または約0.5mg/kg〜4mg/kg、または約0.04mg/kg〜2.5mg/kg、または約0.06mg/kg〜1.8mg/kg、または約0.05mg/kg〜3mg/kgまたは約0.08mg/kg〜約1.6mg/kg、または約0.08〜3.6または約0.05mg/kg〜2mg/kg、または約0.01mg/kg〜1mg/kg、または約0.001mg/kg〜1mg/kg、または約0.5mg/kg〜5mg/kg、または約0.05mg/kg〜0.5mg/kg、または約0.8mg/kg、または約1.6mg/kg、または約3.6mg/kg、または約0.08mg/kg、または約0.16mg/kg、または約0.36mg/kgの用量で投与される。これらの用量より高いか、中間であるか、より低い他の用量も使用することができ、当業者は本発明の方法にしたがって決定することができる。数日間または数週間、あるいはより長期間にわたる(その状態に依存する)反復投与については、この処置は、充分なレベルの認知機能が達成されるまで持続される。
【1348】
本発明の特定の実施形態において、SV2Aインヒビターの用量は、0.001mg/kg/日〜5mg/kg/日である(これは、代表的なヒト被験体を70kgとすれば、約0.07mg/日〜350mg/日である)。使用され得る用量としては、0.001mg/kg/日、0.0015mg/kg/日、0.002mg/kg/日、0.005mg/kg/日、0.0075mg/kg/日、0.01mg/kg/日、0.015mg/kg/日、0.02mg/kg/日、0.03mg/kg/日、0.04mg/kg/日、0.05mg/kg/日、0.1mg/kg/日、0.2mg/kg/日、0.3mg/kg/日、0.4mg/kg/日、0.5mg/kg/日、0.75mg/kg/日、1.0mg/kg/日、1.5mg/kg/日、2.0mg/kg/日、2.5mg/kg/日、3.0mg/kg/日、4.0mg/kg/日、または5.0mg/kg/日が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、SV2Aインヒビターの用量は、0.001mg/kg/日〜0.5mg/kg/日(これは、代表的なヒト被験体を70kgとすれば、約0.07mg/日〜35mg/日である)、または0.01mg/kg/日〜0.5mg/kg/日(これは、約0.7mg/日〜35mg/日である)である。これらの用量より高いか、中間であるか、より低い他の用量も使用することができ、当業者は本発明の方法にしたがって決定することができる。
【1349】
本発明の特定の実施形態において、SV2Aインヒビターの用量は、0.1mg/kg/日〜5mg/kg/日である(これは、代表的なヒト被験体を70kgとすれば、7mg/日〜350mg/日である)。使用され得る用量としては、0.1mg/kg/日、0.5mg/kg/日、1mg/kg/日、1.5mg/kg/日、2mg/kg/日、2.5mg/kg/日、3mg/kg/日、4mg/kg/日、または5mg/kg/日が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、この用量は、1mg/kg/日〜2mg/kg/日である(これは、代表的なヒト被験体を70kgとすれば、70mg/日〜140mg/日である)。本発明の他の実施形態において、SV2Aインヒビターの用量は、0.1mg/kg/日〜0.2mg/kg/日である。これらの用量より高いか、中間であるか、より低い他の用量も使用することができ、当業者は本発明の方法にしたがって決定することができる。
【1350】
本発明の特定の実施形態において、SV2Aインヒビターの用量は、0.01mg/kg/日〜2.5mg/kg/日である(これは、代表的なヒト被験体を70kgとすれば、約0.7mg/日〜180mg/日である)。使用され得る用量としては、0.01mg/kg/日、0.02mg/kg/日、0.03mg/kg/日、0.04mg/kg/日、0.06mg/kg/日、0.08mg/kg/日、0.12mg/kg/日、0.14mg/kg/日、0.16mg/kg/日、0.18mg/kg/日、0.2mg/kg/日、0.4mg/kg/日、0.6mg/kg/日、0.8mg/kg/日、1.0mg/kg/日、1.2mg/kg/日、1.4mg/kg/日、1.6mg/kg/日、1.8mg/kg/日、2.0mg/kg/日、2.2mg/kg/日、2.4mg/kg/日、または2.5mg/kg/日が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、SV2Aインヒビターの用量は、0.1mg/kg/日〜2.5mg/kg/日(これは、代表的なヒト被験体を70kgとすれば、約7mg/日〜180mg/日である)、0.1mg/kg/日〜0.2mg/kg/日(これは、約7mg/日〜15mg/日である)、0.2mg/kg/日〜0.4mg/kg/日(約14mg/日〜30mg/日)、0.4mg/kg/日〜2.5mg/kg/日(約25mg/日〜180mg/日)、0.6mg/kg/日〜1.8mg/kg/日(約40mg/日〜130mg/日)、0.04mg/kg/日〜2.5mg/kg/日(約2.5mg/日〜180mg/日)または0.06mg/kg/日〜1.8mg/kg/日(約4mg/日〜130mg/日)である。本発明のいくつかの実施形態において、SV2Aインヒビターの用量は、40mg〜130mg、140mg〜300mg、200mg〜300mgまたは140mg〜200mgである。これらの用量より高いか、中間であるか、より低い他の用量も使用することができ、当業者は本発明の方法にしたがって決定することができる。
【1351】
本発明の特定の実施形態において、SV2Aインヒビターの用量は、0.0015mg/kg/日〜7mg/kg/日である(これは、代表的なヒト被験体を70kgとすれば、約0.1mg/日〜500mg/日である)。使用され得る1日の用量としては、0.0015mg/kg、0.002mg/kg、0.0025mg/kg、0.005mg/kg、0.01mg/kg、0.02mg/kg、0.03mg/kg、0.04mg/kg、0.05mg/kg、0.06mg/kg、0.07mg/kg、0.08mg/kg、0.09mg/kg、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、0.6mg/kg、0.7mg/kg、0.8mg/kg、0.9mg/kg、1mg/kg、1.2mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.8mg/kg、2.0mg/kg、2.2mg/kg、2.4mg/kg、2.5mg/kg、2.6mg/kg、2.8mg/kg、3.0mg/kg、3.5mg/kg、4.0mg/kg、4.5mg/kg、5.0mg/kg、6.0mg/kg、もしくは7.0mg/kg;または0.1mg、0.15mg、0.18mg、0.35mg、0.7mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、2.8mg、3.0mg、3.5mg、4.2mg、5mg、5.5mg、6.0mg、7mg、8mg、9mg、10mg、12mg、15mg、20mg、25mg、28mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、125mg、140mg、150mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、210mg、225mg、250mg、280mg、300mg、350mg、400mg、もしくは500mgが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、本発明の方法において使用され得るSV2Aインヒビターの1日の用量としては、限定されないが、0.0015mg/kg〜5mg/kg(すなわち、70kgの被験体について0.1mg〜350mg)、0.01mg/kg〜0.8mg/kg、0.01mg/kg〜1mg/kg、0.01mg/kg〜1.5mg/kg、0.01mg/kg〜2mg/kg、0.01mg/kg〜2.5mg/kg、0.01mg/kg〜3mg/kg、0.01mg/kg〜3.5mg/kg、0.01mg/kg〜4mg/kg、0.01mg/kg〜5mg/kg、0.025mg/kg〜0.8mg/kg、0.025mg/kg〜1mg/kg、0.025mg/kg〜1.5mg/kg、0.025mg/kg〜2mg/kg、0.025mg/kg〜2.5mg/kg、0.025mg/kg〜3mg/kg、0.025mg/kg〜3.5mg/kg、0.025mg/kg〜4mg/kg、0.05mg/kg〜0.8mg/kg、0.05mg/kg〜1mg/kg、0.05mg/kg〜1.5mg/kg、0.05mg/kg〜2mg/kg、0.05mg/kg〜2.5mg/kg、0.05mg/kg〜3mg/kg、0.05mg/kg〜3.5mg/kg、0.05mg/kg〜4mg/kg、0.075mg/kg〜0.8mg/kg、0.075mg/kg〜1mg/kg、0.075mg/kg〜1.5mg/kg、0.075mg/kg〜2mg/kg、0.075mg/kg〜2.5mg/kg、0.075mg/kg〜3mg/kg、0.075mg/kg〜3.5mg/kg、0.075mg/kg〜4mg/kg、0.1mg/kg〜0.8mg/kg、0.1mg/kg〜1mg/kg、0.1mg/kg〜1.5mg/kg、0.1mg/kg〜2mg/kg、0.1mg/kg〜2.5mg/kg、0.1mg/kg〜3mg/kg、0.1mg/kg〜3.5mg/kg、0.1mg/kg〜4mg/kg、0.2mg/kg〜0.8mg/kg、0.2mg/kg〜1mg/kg、0.2mg/kg〜1.5mg/kg、0.2mg/kg〜2mg/kg、0.2mg/kg〜2.5mg/kg、0.2mg/kg〜3mg/kg、0.2mg/kg〜3.5mg/kg、0.2mg/kg〜4mg/kg、0.5mg/kg〜0.8mg/kg、0.5mg/kg〜1mg/kg、0.5mg/kg〜1.5mg/kg、0.5mg/kg〜2mg/kg、0.5mg/kg〜2.5mg/kg、0.5mg/kg〜3mg/kg、0.5mg/kg〜3.5mg/kg、もしくは0.5mg/kg〜4mg/kg;または0.7mg〜50mg、0.7mg〜75mg、0.7mg〜100mg、0.7mg〜150mg、0.7mg〜180mg、0.7mg〜225mg、0.7mg〜250mg、0.7mg〜280mg、1.8mg〜50mg、1.8mg〜75mg、1.8mg〜100mg、1.8mg〜150mg、1.8mg〜180mg、1.8mg〜225mg、1.8mg〜250mg、1.8mg〜280mg、3.5mg〜50mg、3.5mg〜75mg、3.5mg〜100mg、3.5mg〜150mg、3.5mg〜180mg、3.5mg〜225mg、3.5mg〜250mg、3.5mg〜280mg、5mg〜50mg、5mg〜75mg、5mg〜100mg、5mg〜150mg、5mg〜180mg、5mg〜225mg、5mg〜250mg、5mg〜280mg、7mg〜50mg、7mg〜75mg、7mg〜100mg、7mg〜150mg、7mg〜180mg、7mg〜225mg、7mg〜250mg、7mg〜280mg、15mg〜50mg、15mg〜75mg、15mg〜100mg、15mg〜150mg、15mg〜180mg、15mg〜225mg、15mg〜250mg、15mg〜280mg、35mg〜50mg、35mg〜75mg、35mg〜100mg、35mg〜150mg、35mg〜180mg、35mg〜225mg、35mg〜250mg、もしくは35mg〜280mgが挙げられる。これらの用量より高いか、中間であるか、より低い他の用量も使用することができ、当業者は本発明の方法にしたがって決定することができる。
【1352】
本発明の特定の実施形態において、投与の間隔は、24時間である。より低い頻度の間隔、例えば、24時間未満に1回の投与もまた、使用され得る。いくつかの実施形態において、このSV2Aインヒビターは、合計0.1mg/kg〜5mg/kgの1日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、このSV2Aインヒビターは、24時間ごとに、1mg/kg〜2mg/kgの1日の用量で投与される。別の実施形態において、このSV2Aインヒビターは、24時間ごとに、0.1mg/kg〜0.2mg/kgの1日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、このSV2Aインヒビターは、0.01mg/kg〜2.5mg/kgの1日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、このSV2Aインヒビターは、0.1mg/kg〜2.5mg/kgの1日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、このSV2Aインヒビターは、0.4mg/kg〜2.5mg/kgの1日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、このSV2Aインヒビターは、0.6mg/kg〜1.8mg/kgの1日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、SV2Aの選択的インヒビターは、0.04mg/kg〜2.5mg/kgの1日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、SV2Aの選択的インヒビターは、0.06mg/kg〜1.8mg/kgの1日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、SV2Aの選択的インヒビターは、0.001mg/kg〜5mg/kgの1日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、SV2Aの選択的インヒビターは、0.001mg/kg〜0.5mg/kgの1日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、SV2Aの選択的インヒビターは、0.01mg/kg〜0.5mg/kgの1日の用量で投与される。
【1353】
本発明の特定の実施形態において、SV2Aインヒビターは、レベチラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形もしくはプロドラッグである。レベチラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形もしくはプロドラッグは、約1mg/kg〜2mg/kg、または約0.1mg/kg〜2.5mg/kg、または約0.4mg/kg〜2.5mg/kg、または約0.6mg/kg〜1.8mg/kg、または約2.0mg/kg〜3.0mg/kg、または約3.0mg/kg〜4.0mg/kg、または約2.0mg/kg〜4.0mg/kg、または約0.1mg/kg〜5mg/kg、または約70mg〜140mg、または約7mg〜180mg、または約25mg〜180mg、または約40mg〜130mg、または約140mg〜300mg、または約200mg〜300mg、または約140mg〜200mg、または約7mg〜350mgの1日の用量で投与される。
【1354】
他の実施形態において、このレベチラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、表1または表2に列挙される「+」と示される1日の用量範囲のうちの1つに従って、投与される。
【1355】
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【1356】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【1357】
本発明の特定の実施形態において、このSV2Aインヒビターは、レベチラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグである。このレベチラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、約0.1mg/kg〜5mg/kg、約1mg/kg〜5mg/kg、約1.5mg/kg〜4mg/kg、約1.8mg/kg〜3.6mg/kg、約7mg〜350mg、約70mg〜350mg、約100mg〜300mg、または約125mg〜250mgの1日の用量で投与される。
【1358】
本発明の特定の実施形態において、SV2Aインヒビターは、ブリバラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形もしくはプロドラッグである。ブリバラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形もしくはプロドラッグは、約0.1mg/kg〜0.2mg/kg、または約0.01mg/kg〜2.5mg/kg、または約0.04mg/kg〜2.5mg/kg、または約0.06mg/kg〜1.8mg/kg、または約0.2mg/kg〜0.4mg/kg、または約7mg〜15mg、または約0.7mg〜180mg、または約2.5mg〜180mg、または約4.0mg〜130mg、または約14mg〜30mgの1日の用量で投与される。
【1359】
他の実施形態において、このブリバラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、少なくとも0.1mg、0.5mg、0.75mg、1.0mg、1.5mg、または2.0mgの1日の用量であるが、2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、または35mgを超えない1日の用量で投与される。他の実施形態において、このブリバラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、少なくとも0.0015mg/kg、0.0075mg/kg、0.01mg/kg、0.015mg/kg、0.02mg/kg、または0.03mg/kgの1日の用量であるが、0.5mg/kg、0.4mg/kg、0.3mg/kg、0.2mg/kg、0.15mg/kg、0.1mg/kg、0.05mg/kg、または0.04mg/kgを超えない1日の用量で投与される。
【1360】
他の実施形態において、このブリバラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、表3または表4に列挙される「+」と示される1日の用量範囲のうちの1つに従って、投与される。例えば、このブリバラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、0.1mg〜35mg、0.5mg〜35mg、0.75mg〜35mg、1.0mg〜35mg、1.5mg〜35mg、2.0mg〜35mg、0.1mg〜30mg、0.1mg〜25mg、0.1mg〜20mg、0.1mg〜15mg、0.1mg〜10mg、0.1mg〜5mg、0.1mg〜2.5mg、0.0015mg/kg〜0.5mg/kg、0.0075mg/kg〜0.5mg/kg、0.01mg/kg〜0.5mg/kg、0.015mg/kg〜0.5mg/kg、0.02mg/kg〜0.5mg/kg、0.03mg/kg〜0.5mg/kg、0.0015mg/kg〜0.4mg/kg、0.0015mg/kg〜0.3mg/kg、0.0015mg/kg〜0.2mg/kg、0.0015mg/kg〜0.15mg/kg、0.0015mg/kg〜0.1mg/kg、0.0015mg/kg〜0.05mg/kg、または0.0015mg/kg〜0.04mg/kgの1日の用量で投与され得る。
【1361】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【1362】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【1363】
他の実施形態において、このブリバラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、少なくとも0.0015mg/kg、0.002mg/kg、0.0025mg/kg、0.005mg/kg、0.01mg/kg、0.02mg/kg、0.03mg/kg、0.04mg/kg、0.05mg/kg、0.06mg/kg、0.07mg/kg、0.08mg/kg、0.09mg/kg、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kgの1日の用量であるが、1mg/kg、1.2mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.8mg/kg、2.0mg/kg、2.2mg/kg、2.4mg/kg、2.5mg/kg、2.6mg/kg、2.8mg/kg、3.0mg/kg、3.5mg/kg、4.0mg/kg、4.5mg/kg、または5.0mg/kgを超えない1日の用量で投与される。他の実施形態において、このブリバラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、少なくとも0.1mg、0.15mg、0.18mg、0.35mg、0.7mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、2.8mg、3.0mg、3.5mg、4.2mg、5mg、5.5mg、6.0mg、7mg、10mg、15mg、20mg、25mg、28mg、30mg、または35mgの1日の用量であるが、70mg、80mg、85mg、100mg、110mg、125mg、140mg、150mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、210mg、225mg、250mg、280mg、300mg、または350mgを超えない1日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、このブリバラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、0.0015mg/kg〜5mg/kg、0.1mg〜350mg、0.01mg/kg〜5mg/kg、0.7mg〜350mg、0.05mg/kg〜4mg/kg、3mg〜300mg、0.05mg/kg〜2.0mg/kg、3mg〜150mg、0.05mg〜1.5mg、3mg〜110mg、0.1mg/kg〜1.0mg/kg、7mg〜70mgの1日の用量で投与され得る。
【1364】
他の実施形態において、このブリバラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、表5または表6に列挙される、「+」と示される1日の用量範囲のうちの1つに従って、投与される。例えば、このブリバラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、0.01mg/kg〜0.8mg/kg、0.01mg/kg〜1mg/kg、0.01mg/kg〜1.5mg/kg、0.01mg/kg〜2mg/kg、0.01mg/kg〜2.5mg/kg、0.01mg/kg〜3mg/kg、0.01mg/kg〜3.5mg/kg、0.01mg/kg〜4mg/kg、0.01mg/kg〜5mg/kg、0.025mg/kg〜0.8mg/kg、0.025mg/kg〜1mg/kg、0.025mg/kg〜1.5mg/kg、0.025mg/kg〜2mg/kg、0.025mg/kg〜2.5mg/kg、0.025mg/kg〜3mg/kg、0.025mg/kg〜3.5mg/kg、0.025mg/kg〜4mg/kg、0.05mg/kg〜0.8mg/kg、0.05mg/kg〜1mg/kg、0.05mg/kg〜1.5mg/kg、0.05mg/kg〜2mg/kg、0.05mg/kg〜2.5mg/kg、0.05mg/kg〜3mg/kg、0.05mg/kg〜3.5mg/kg、0.05mg/kg〜4mg/kg、0.075mg/kg〜0.8mg/kg、0.075mg/kg〜1mg/kg、0.075mg/kg〜1.5mg/kg、0.075mg/kg〜2mg/kg、0.075mg/kg〜2.5mg/kg、0.075mg/kg〜3mg/kg、0.075mg/kg〜3.5mg/kg、0.075mg/kg〜4mg/kg、0.1mg/kg〜0.8mg/kg、0.1mg/kg〜1mg/kg、0.1mg/kg〜1.5mg/kg、0.1mg/kg〜2mg/kg、0.1mg/kg〜2.5mg/kg、0.1mg/kg〜3mg/kg、0.1mg/kg〜3.5mg/kg、0.1mg/kg〜4mg/kg、0.2mg/kg〜0.8mg/kg、0.2mg/kg〜1mg/kg、0.2mg/kg〜1.5mg/kg、0.2mg/kg〜2mg/kg、0.2mg/kg〜2.5mg/kg、0.2mg/kg〜3mg/kg、0.2mg/kg〜3.5mg/kg、0.2mg/kg〜4mg/kg、0.5mg/kg〜0.8mg/kg、0.5mg/kg〜1mg/kg、0.5mg/kg〜1.5mg/kg、0.5mg/kg〜2mg/kg、0.5mg/kg〜2.5mg/kg、0.5mg/kg〜3mg/kg、0.5mg/kg〜3.5mg/kg、または0.5mg/kg〜4mg/kg;あるいは0.7mg〜50mg、0.7mg〜75mg、0.7mg〜100mg、0.7mg〜150mg、0.7mg〜180mg、0.7mg〜225mg、0.7mg〜250mg、0.7mg〜280mg、1.8mg〜50mg、1.8mg〜75mg、1.8mg〜100mg、1.8mg〜150mg、1.8mg〜180mg、1.8mg〜225mg、1.8mg〜250mg、1.8mg〜280mg、3.5mg〜50mg、3.5mg〜75mg、3.5mg〜100mg、3.5mg〜150mg、3.5mg〜180mg、3.5mg〜225mg、3.5mg〜250mg、3.5mg〜280mg、5mg〜50mg、5mg〜75mg、5mg〜100mg、5mg〜150mg、5mg〜180mg、5mg〜225mg、5mg〜250mg、5mg〜280mg、7mg〜50mg、7mg〜75mg、7mg〜100mg、7mg〜150mg、7mg〜180mg、7mg〜225mg、7mg〜250mg、7mg〜280mg、15mg〜50mg、15mg〜75mg、15mg〜100mg、15mg〜150mg、15mg〜180mg、15mg〜225mg、15mg〜250mg、15mg〜280mg、35mg〜50mg、35mg〜75mg、35mg〜100mg、35mg〜150mg、35mg〜180mg、35mg〜225mg、35mg〜250mg、または35mg〜280mgの1日の用量で投与され得る。
【1365】
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【1366】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【1367】
本発明の特定の実施形態において、SV2Aインヒビターは、セレトラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形もしくはプロドラッグである。いくつかの実施形態において、セレトラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形もしくはプロドラッグは、少なくとも0.1mg、少なくとも0.5mg、少なくとも0.75mg、少なくとも1.0mg、少なくとも1.5mg、または少なくとも2.0mgの1日の用量であるが、2.5mg以下、5mg以下、10mg以下、15mg以下、20mg以下、25mg以下、30mg以下、または35mg以下の1日の用量で投与される。他の実施形態において、セレトラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形もしくはプロドラッグは、少なくとも0.0015mg/kg、少なくとも0.0075mg/kg、少なくとも0.01mg/kg、少なくとも0.015mg/kg、少なくとも0.02mg/kg、または少なくとも0.03mg/kgの1日の用量であるが、0.5mg/kg以下、0.4mg/kg以下、0.3mg/kg以下、0.2mg/kg以下、0.15mg/kg以下、0.1mg/kg以下、0.05mg/kg以下、または0.04mg/kg以下の1日の用量で投与される。
【1368】
本発明の特定の実施形態において、セレトラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形もしくはプロドラッグは、表7または表8に列挙される「+」として示される1日の用量範囲のうちの1つに従う1日の用量で投与される。例えば、セレトラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物もしくは多形は、0.1mg〜35mg、0.5mg〜35mg、0.75mg〜35mg、1.0mg〜35mg、1.5mg〜35mg、2.0mg〜35mg、0.1mg〜30mg、0.1mg〜25mg、0.1mg〜20mg、0.1mg〜15mg、0.1mg〜10mg、0.1mg〜5mg、0.1mg〜2.5mg、0.0015mg/kg〜0.5mg/kg、0.0075mg/kg〜0.5mg/kg、0.01mg/kg〜0.5mg/kg、0.015mg/kg〜0.5mg/kg、0.02mg/kg〜0.5mg/kg、0.03mg/kg〜0.5mg/kg、0.0015mg/kg〜0.4mg/kg、0.0015mg/kg〜0.3mg/kg、0.0015mg/kg〜0.2mg/kg、0.0015mg/kg〜0.15mg/kg、0.0015mg/kg〜0.1mg/kg、0.0015mg/kg〜0.05mg/kg、または0.0015mg/kg〜0.04mg/kgの1日の用量で投与され得る。
【1369】
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【1370】
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【1371】
他の実施形態において、このセレトラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、少なくとも0.0015mg/kg、0.002mg/kg、0.0025mg/kg、0.005mg/kg、0.01mg/kg、0.02mg/kg、0.03mg/kg、0.04mg/kg、0.05mg/kg、0.06mg/kg、0.07mg/kg、0.08mg/kg、0.09mg/kg、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kgの1日の用量であるが、1mg/kg、1.2mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.8mg/kg、2.0mg/kg、2.2mg/kg、2.4mg/kg、2.5mg/kg、2.6mg/kg、2.8mg/kg、3.0mg/kg、3.5mg/kg、4.0mg/kg、4.5mg/kg、または5.0mg/kgを超えない1日の用量で投与される。他の実施形態において、このセレトラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、少なくとも0.1mg、0.15mg、0.18mg、0.35mg、0.7mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、2.8mg、3.0mg、3.5mg、4.2mg、5mg、5.5mg、6.0mg、7mg、10mg、15mg、20mg、25mg、28mg、30mg、または35mgの1日の用量であるが、70mg、80mg、85mg、100mg、110mg、125mg、140mg、150mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、210mg、225mg、250mg、280mg、300mg、または350mgより多くないの1日の用量で投与される。いくつかの実施形態において、このブリバラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、0.0015mg/kg〜5mg/kg、0.1mg〜350mg、0.01mg/kg〜5mg/kg、0.7mg〜350mg、0.05mg/kg〜4mg/kg、3mg〜300mg、0.05mg/kg〜2.0mg/kg、3mg〜150mg、0.05mg〜1.5mg、3mg〜110mg、0.1mg/kg〜1.0mg/kg、7mg〜70mgの1日の用量で投与され得る。
【1372】
他の実施形態において、このセレトラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、表9または表10に列挙される、「+」と示される1日の用量範囲のうちの1つに従って、投与される。例えば、このセレトラセタムまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、0.01mg/kg〜0.8mg/kg、0.01mg/kg〜1mg/kg、0.01mg/kg〜1.5mg/kg、0.01mg/kg〜2mg/kg、0.01mg/kg〜2.5mg/kg、0.01mg/kg〜3mg/kg、0.01mg/kg〜3.5mg/kg、0.01mg/kg〜4mg/kg、0.01mg/kg〜5mg/kg、0.025mg/kg〜0.8mg/kg、0.025mg/kg〜1mg/kg、0.025mg/kg〜1.5mg/kg、0.025mg/kg〜2mg/kg、0.025mg/kg〜2.5mg/kg、0.025mg/kg〜3mg/kg、0.025mg/kg〜3.5mg/kg、0.025mg/kg〜4mg/kg、0.05mg/kg〜0.8mg/kg、0.05mg/kg〜1mg/kg、0.05mg/kg〜1.5mg/kg、0.05mg/kg〜2mg/kg、0.05mg/kg〜2.5mg/kg、0.05mg/kg〜3mg/kg、0.05mg/kg〜3.5mg/kg、0.05mg/kg〜4mg/kg、0.075mg/kg〜0.8mg/kg、0.075mg/kg〜1mg/kg、0.075mg/kg〜1.5mg/kg、0.075mg/kg〜2mg/kg、0.075mg/kg〜2.5mg/kg、0.075mg/kg〜3mg/kg、0.075mg/kg〜3.5mg/kg、0.075mg/kg〜4mg/kg、0.1mg/kg〜0.8mg/kg、0.1mg/kg〜1mg/kg、0.1mg/kg〜1.5mg/kg、0.1mg/kg〜2mg/kg、0.1mg/kg〜2.5mg/kg、0.1mg/kg〜3mg/kg、0.1mg/kg〜3.5mg/kg、0.1mg/kg〜4mg/kg、0.2mg/kg〜0.8mg/kg、0.2mg/kg〜1mg/kg、0.2mg/kg〜1.5mg/kg、0.2mg/kg〜2mg/kg、0.2mg/kg〜2.5mg/kg、0.2mg/kg〜3mg/kg、0.2mg/kg〜3.5mg/kg、0.2mg/kg〜4mg/kg、0.5mg/kg〜0.8mg/kg、0.5mg/kg〜1mg/kg、0.5mg/kg〜1.5mg/kg、0.5mg/kg〜2mg/kg、0.5mg/kg〜2.5mg/kg、0.5mg/kg〜3mg/kg、0.5mg/kg〜3.5mg/kg、または0.5mg/kg〜4mg/kg;あるいは0.7mg〜50mg、0.7mg〜75mg、0.7mg〜100mg、0.7mg〜150mg、0.7mg〜180mg、0.7mg〜225mg、0.7mg〜250mg、0.7mg〜280mg、1.8mg〜50mg、1.8mg〜75mg、1.8mg〜100mg、1.8mg〜150mg、1.8mg〜180mg、1.8mg〜225mg、1.8mg〜250mg、1.8mg〜280mg、3.5mg〜50mg、3.5mg〜75mg、3.5mg〜100mg、3.5mg〜150mg、3.5mg〜180mg、3.5mg〜225mg、3.5mg〜250mg、3.5mg〜280mg、5mg〜50mg、5mg〜75mg、5mg〜100mg、5mg〜150mg、5mg〜180mg、5mg〜225mg、5mg〜250mg、5mg〜280mg、7mg〜50mg、7mg〜75mg、7mg〜100mg、7mg〜150mg、7mg〜180mg、7mg〜225mg、7mg〜250mg、7mg〜280mg、15mg〜50mg、15mg〜75mg、15mg〜100mg、15mg〜150mg、15mg〜180mg、15mg〜225mg、15mg〜250mg、15mg〜280mg、35mg〜50mg、35mg〜75mg、35mg〜100mg、35mg〜150mg、35mg〜180mg、35mg〜225mg、35mg〜250mg、または35mg〜280mgの1日の用量で投与され得る。
【1373】
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【1374】
【表10】
[この文献は図面を表示できません]
【1375】
SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形は、AChEIまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形と組み合わせて提供される場合、AChEIに依存するSV2Aインヒビターの治療指数の増大に起因して、治療量未満の投薬レベルで投与され得る。いくつかの実施形態において、AChEIとの組み合わせに起因する、SV2Aインヒビターの治療指数の増大は、AChEIの非存在下で投与されるSV2Aインヒビターの治療指数よりも、少なくとも約1.5倍、または2.0倍、または2.5倍、または3.0倍、または3.5倍、または4.0倍、または4.5倍、または5.0倍、または5.5倍、または6.0倍、または6.5倍、または7.0倍、または7.5倍、または8.0倍、または8.5倍、または9.0倍、または9.5倍、または10倍、あるいは約10倍を超えて、大きい。いくつかの実施形態において、SV2AインヒビターとAChEIとの組み合わせ物は、その治療効果のために必要とされるSV2Aインヒビターの投薬量を減少させる。いくつかの実施形態において、AChEIと組み合わせて投与されるSV2Aインヒビターの量は、治療量未満の量である。いくつかの実施形態において、このSV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形、もしくはプロドラッグは、1日5mg/kg未満、2.5mg/kg未満、2mg/kg未満、1.5mg/kg未満、1mg/kg未満、0.5mg/kg未満、0.1mg/kg未満、0.05mg/kg未満、0.01mg/kg未満、0.005mg/kg未満、または0.001mg/kg未満の用量で投与される。
【1376】
AChEIまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形は、従来の投薬量レベルまでの投薬量で投与され得る。適切な投薬量レベルは、選択される具体的なAChEIに依存する。AChEIは、1日あたり2回まで、もしくは1日あたり1回の投薬計画で投与され得るか、またはより低い頻度で投与され得る。アリセプト(登録商標)については、単独で投与される場合の代表的な1日の投薬量は、約5mg〜10mgである。本発明の特定の実施形態において、SV2Aインヒビターと組み合わせて投与されるアリセプト(登録商標)の量は、約0.1mg〜10mgである。いくつかの実施形態において、SV2Aインヒビターと組み合わせて投与されるアリセプト(登録商標)の量は、治療量未満である。いくつかの実施形態において、SV2Aインヒビターと組み合わせて投与されるアリセプト(登録商標)の量は、1日10mg未満、1日5mg未満、1日1mg未満、1日0.5mg未満、または1日0.1mg未満である。
【1377】
AChEIまたはその塩、水和物、溶媒和物もしくは多形、もしくはプロドラッグは、SV2Aインヒビターと組み合わせて提供される場合、SV2Aインヒビターに依存するAChEIの治療指数の増大に起因して、従来のレベルとは異なる投薬レベルで投与され得る。いくつかの実施形態において、SV2Aインヒビターとの組み合わせに起因するAChEIの治療指数の増大は、SV2Aインヒビターの非存在下で投与されるAChEIの治療指数よりも、少なくとも約1.5倍、または2.0倍、または2.5倍、または3.0倍、または3.5倍、または4.0倍、または4.5倍、または5.0倍、または5.5倍、または6.0倍、または6.5倍、または7.0倍、または7.5倍、または8.0倍、または8.5倍、または9.0倍、または9.5倍、または10倍、あるいは約10倍を超えて、大きい。いくつかの実施形態において、AChEIとSV2Aインヒビターとの組み合わせ物は、その治療効果のために必要とされるAChEIの投薬量を減少させる。いくつかの実施形態において、SV2Aインヒビターと組み合わせて投与されるAChEIの量は、約0.1mg〜10mgである。いくつかの実施形態において、SV2Aインヒビターと組み合わせて投与されるAChEIの量は、治療量未満の量である。いくつかの実施形態において、SV2Aインヒビターと組み合わせて投与されるAChEIの量は、1日に10mg未満、1日に5mg未満、1日に1mg未満、1日に0.5mg未満、または1日に0.1mg未満である。
【1378】
本発明の組成物の投与の頻度は、処置の経過にわたって、治療を施す医師の判断に基づいて、調節され得る。SV2AインヒビターおよびAChEI、ならびにそれらの塩、水和物、溶媒和物および多形は、異なる投薬頻度または間隔で投与され得ることが明らかである。例えば、SV2Aインヒビターは、毎日(1日あたり複数の用量を含む)またはより低い頻度で投与され得る。AChEIは、毎日(1日あたり複数の用量を含む)またはより低い頻度で投与され得る。いくつかの実施形態において、SV2AインヒビターおよびAChEIの持続連続放出製剤が望ましくあり得る。徐放を達成するための種々の製剤およびデバイスは、当該分野において公知である。
【1379】
上記のように、いくつかのAChEI(例えば、ドネペジル)ならびにそれらの塩、水和物、溶媒和物および多形は、コリン作用性の副作用を引き起こし得る。SV2AインヒビターとAChEIとの組み合わせの使用は、CNS障害に関連する認知機能障害の処置のために必要なAChEIの量を減少させ得、従って、AChEIによる引き起こされる副作用を低下させ得る。具体的には、SV2Aインヒビターと、減少した量のAChEIとの組み合わせは、効力に不利な影響を与えることなく、コリン作用性の副作用を低下させ得る。従って、いくつかの実施形態において、治療量未満のAChEIが投与される。
【1380】
いくつかの実施形態において、AChEIの用量(例えば、認知機能の改善の程度に影響を与えるため、または加齢性認知機能障害を処置するために必要とされる用量)を、AChEIが単独で(すなわち、個々にであり、他の治療剤または化合物と組み合わせられずに)投与される場合に通常使用される用量から、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、あるいはそれを超えて、減少させるために適切な量のSV2Aインヒビターが、投与される。この減少は、所定の投与において投与される量の観点で、および/または所定の期間にわたって投与される量(低下した頻度)の観点で、反映され得る。
【1381】
本発明の特定の実施形態において、SV2Aインヒビターまたはその塩、水和物、溶媒和物および多形、もしくはプロドラッグと、AChEIまたはその塩、水和物、溶媒和物および多形、もしくはプロドラッグとの組み合わせ投与は、被験体において、AChEI単独、またはSV2Aインヒビター単独の投与により達成されるよりも、少なくとも約1.5倍、または2.0倍、または2.5倍、または3.0倍、または3.5倍、または4.0倍、または4.5倍、または5.0倍、または5.5倍、または6.0倍、または6.5倍、または7.0倍、または7.5倍、または8.0倍、または8.5倍、または9.0倍、または9.5倍、または10倍、あるいは約10倍を超えて、より長いか、または改善された治療効果を達成し得る。
【1382】
本発明の組成物
1つの局面において、本発明は、SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグを長期放出形態で含有し、そしてAChEIおよびその塩、水和物、溶媒和物、多形、またはプロドラッグを含有する、組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明の組成物中に存在するAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、長期放出ではない形態である。いくつかの実施形態において、本発明の組成物中に存在するAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩は、即時放出形態である。いくつかの実施形態において、このSV2AインヒビターとこのAChEIとは、単一の投薬単位中に存在し得る(例えば、1個のカプセル剤、錠剤、散剤、または液剤などに一緒に合わせられ得る)。いくつかの実施形態において、この組成物中のAChEIは、ドネペジルである。いくつかの実施形態において、この組成物は、レベチラセタム、もしくはセレトラセタム、もしくはブリバラセタム、またはその誘導体もしくはアナログ、あるいはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、もしくは多形、もしくはプロドラッグをSV2Aインヒビターとして含有し、そしてドネペジル、またはその誘導体もしくはアナログ、あるいはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、もしくは多形、もしくはプロドラッグをAChEIとして含有する。いくつかの実施形態において、この組成物は、レベチラセタムまたはその誘導体もしくはアナログ、あるいはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形、もしくはプロドラッグと、ドネペジルまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物および多形、もしくはプロドラッグとを含有する。本明細書中に記載される組成物は、1種より多くのSV2Aインヒビターおよび/または1種より多くのAChEIを含有し得る。いくつかの実施形態において、この組成物中に存在する長期放出SV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグは、同じ組成物中に存在するAChEIまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグの薬物速度論にも半減期クリアランスにも影響を与えない。例えば、ドネペジル(AChEIの一例)は、70時間の半減期クリアランスを有し、そしてレベチラセタム(SV2Aインヒビターの一例)は、7±1時間の半減期クリアランスを有する。1つの実施形態において、本発明は、長期放出形態のレベチラセタムおよび非長期放出形態のドネペジルを含有する組成物を提供し、そしてこのような組成物は、1日1回の製剤である。この1日1回の製剤は、認知機能障害を罹患する患者の間での、より高いコンプライアンスのためのものである。
【1383】
本明細書中に記載される組成物は、薬学的に受容可能な賦形剤をさらに含有し得、そしてSV2Aインヒビターおよび/またはAChEIの有効性を増強および/または補償するように働く他の剤を含有し得る。これらの組成物はまた、認知機能障害を処置するために有用であることが既知であるさらなる剤を含有し得る。
【1384】
本発明における組成物は、固体剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、糖剤、丸剤、ロゼンジ、散剤および顆粒剤)であり得る。適切である場合、これらの剤形は、腸溶コーティングなどのコーティングを用いて調製され得るか、または1つ以上の活性成分の制御された放出(例えば、当該分野において周知である方法による徐放もしくは長期放出)を提供するように製剤化され得る。特定の実施形態において、この組成物は、遅い放出、制御放出または長期放出の形態である。用語「長期放出」は、薬科学の分野において広く認識されており、そして本明細書中で、活性化合物または活性剤の、剤形から環境への、延長した期間(例えば、1時間以上)にわたる(その間中、またはその間の)、制御された放出をいうために使用される。長期放出剤形は、薬物を長期間にわたって実質的に一定割合で放出するか、または実質的に一定量の薬物が長期間にわたって漸増的に放出される。本明細書中で使用される用語「長期放出(extended release)」は、用語「制御放出」、「延長放出(prolonged release)」、「徐放」、または「遅延放出(slow release)」を、これらの用語が薬科学において使用されるように、包含する。いくつかの実施形態において、投薬量は、パッチまたはポンプの形態で投与される。この組成物はまた、液体剤形(液剤、エマルジョン、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられる)であり得る。
【1385】
これらの組成物は、本明細書中に記載され、当該分野において公知であるような、任意の適切な経路によって投与するために、特に製剤化され得る。非経口投与のための組成物としては、滅菌された水性または非水性の注射可能溶液、分散物、懸濁物またはエマルジョン、および使用前に滅菌された注射可能な溶液または分散物に再構成されるべき滅菌粉末が挙げられる。口内送達および経口送達(舌下投与および頬投与(例えば、Danckwertsら)、ならびに経口が挙げられる)のための組成物としては、生物接着性ポリマー、錠剤、パッチ、液体および半固体(例えば、Smartらを参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。呼吸送達(肺送達および経鼻送達)のための組成物としては、種々の加圧された計量用量吸入器、乾燥粉末吸入器、ネブライザ、水性ミスト吸入器、滴、液剤、懸濁剤、スプレー、粉末、ゲル、軟膏剤、ならびに特殊なシステム(例えば、リポソームおよび微小球)(例えば、Owensら、「Alternative Routes of Insulin Delivery」およびMartiniらを参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。経皮送達のための組成物としては、コロイド、パッチ、およびマイクロエマルジョンが挙げられるが、これらに限定されない。上記および他のもののために適切な他の投与形態としては、デポー注射可能な製剤、坐剤、スプレー、軟膏剤、クリーム、ゲル、吸入剤、経皮パッチ、移植物などが挙げられる。
【1386】
これらの組成物はまた、アジュバント(例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤)を含有し得る。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、およびフェノールソルビン酸など)の含有によって確実にされ得る。等張剤(例えば、糖、および塩化ナトリウムなど)をこれらの組成物に含有させることもまた、望ましくあり得る。さらに、注射可能な薬学的形態の長期にわたる吸収は、吸収を遅らせる剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の含有によって、もたらされ得る。
【1387】
治療用製剤は、薬学の分野において周知である方法によって調製され得る。例えば、Goodmanら,2001;Anselら,2004;Stoklosaら,2001;およびBustamanteら,1993を参照のこと。
【1388】
本発明の特定の実施形態において、SV2Aインヒビターと、AChEIおよびこれらの塩、水和物、溶媒和物、多形、プロドラッグとを含有する組成物は、0.07mg〜350mg、または50mg〜200mg、または3mg〜50mgの量のSV2Aインヒビターを含有する。いくつかの実施形態において、SV2Aインヒビターの量は、350mg未満、250mg未満、200mg未満、150mg未満、100mg未満、50mg未満、10mg未満、5mg未満、1mg未満、0.5mg未満、0.1mg未満、または0.07mg未満である。特定の実施形態において、この組成物中のAChEIの量は、約0.1mg〜10mg、1mg〜10mg、2mg〜10mg、2mg〜8mg、または2mg〜5mgである。いくつかの実施形態において、この組成物中のAChEIの量は、10mg未満、9mg未満、8mg未満、7mg未満、6mg未満、5mg未満、2mg未満、1mg未満、または0.5mg未満である。
【1389】
いくつかの実施形態において、この組成物中に存在するSV2Aインヒビターの量は、0.07mg〜60mg、0.07mg〜350mg、25mg〜60mg、25mg〜125mg、50mg〜250mg、5mg〜140mg、0.7mg〜180mg、125mg〜240mg、3mg〜50mg、3mg〜60mg、0.05mg〜35mg、0.07mg〜60mg、0.07mg〜350mg、25mg〜60mg、25mg〜125mg、50mg〜250mg、5mg〜15mg、5mg〜30mg、5mg〜140mg、0.7mg〜180mg、125mg〜240mg、3mg〜50mg、または0.07mg〜50mg、または3mg〜60mgである。いくつかの実施形態において、この組成物中に存在するSV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグの量は、350mg未満、250mg未満、200mg未満、150mg未満、100mg未満、50mg未満、35mg未満、10mg未満、5mg未満、1mg未満、0.5mg未満、0.1mg未満、0.07mg/kg未満、または0.05mg未満である。いくつかの実施形態において、この組成物中に存在するSV2Aインヒビターまたはその薬学的に受容可能な塩、水和物、溶媒和物、多形、もしくはプロドラッグの量は、約0.1mg〜500mg、0.1mg〜300mg、0.7mg〜300mg、3mg〜300mg、3mg〜150mg、3mg〜110mg、7mg〜70mg、7mg〜300mg、70mg〜300mg、100mg〜300mg、125mg〜250mg、0.5mg〜50mg、0.5mg〜75mg、0.5mg〜100mg、0.5mg〜150mg、0.5mg〜200mg、0.5mg〜225mg、0.5mg〜250mg、0.5mg〜300mg、1.5mg〜50mg、1.5mg〜75mg、1.5mg〜100mg、1.5mg〜150mg、1.5mg〜200mg、1.5mg〜225mg、1.5mg〜250mg、1.5mg〜300mg、3mg〜50mg、3mg〜75mg、3mg〜100mg、3mg〜150mg、3mg〜200mg、3mg〜225mg、3mg〜250mg、3mg〜300mg、5mg〜50mg、5mg〜75mg、5mg〜100mg、5mg〜150mg、5mg〜200mg、5mg〜225mg、5mg〜250mg、5mg〜300mg、7mg〜50mg、7mg〜75mg、7mg〜100mg、7mg〜150mg、7mg〜200mg、7mg〜225mg、7mg〜250mg、7mg〜300mg、15mg〜50mg、15mg〜75mg、15mg〜100mg、15mg〜150mg、15mg〜200mg、15mg〜225mg、15mg〜250mg、15mg〜300mg、30mg〜50mg、30mg〜75mg、30mg〜100mg、30mg〜150mg、30mg〜200mg、30mg〜225mg、30mg〜250mg、または30mg〜300mgである。上記実施形態のうちのいくつかにおいて、このSV2Aインヒビターはレベチラセタムであり、そしてこのAChEIはドネペジルである。上記実施形態のうちのいくつかにおいて、このSV2Aインヒビターはブリバラセタムであり、そしてこのAChEIはドネペジルである。上記実施形態のうちのいくつかにおいて、このSV2Aインヒビターはセレトラセタムであり、そしてこのAChEIはドネペジルである。上記実施形態において、このドネペジルは、タクリン、リバチグミン、フィゾスチグミン、ガランタミン、またはメトリホナートで置き換えられ得る。
【1390】
本発明の特定の実施形態において、レベチラセタムと、AChEI(例えば、ドネペジルまたはタクリン、リバチグミン、フィゾスチグミン、ガランタミン、またはメトリホナート)およびこれらの塩、水和物、溶媒和物、多形、プロドラッグとを含有する組成物は、表11に示される範囲の間または表11に示される範囲の上限のうちのいずれか未満の量のレベチラセタムまたはその塩、水和物、溶媒和物、多形、プロドラッグを長期放出形態で含有し、そしてある量のAChEI(例えば、ドネペジルまたはタクリン、リバチグミン、フィゾスチグミン、ガランタミン、またはメトリホナート)およびこれらの塩、水和物、溶媒和物、多形、またはプロドラッグを0.1mg〜10mg、1mg〜10mg、2mg〜10mg、2mg〜8mg、もしくは2mg〜5mg未満、または10mg、9mg未満、8mg未満、7mg未満、6mg未満、5mg未満、2mg未満、1mg未満、もしくは0.5mg未満の量で含有する。上記実施形態のうちのいくつかにおいて、このAChEI(例えば、ドネペジルまたはタクリン、リバチグミン、フィゾスチグミン、ガランタミン、またはメトリホナート)およびこれらの塩、水和物、溶媒和物、多形、またはプロドラッグは、長期放出形態ではない。
【1391】
本発明の特定の実施形態において、ブリバラセタムと、AChEI(例えば、ドネペジルまたはタクリン、リバチグミン、フィゾスチグミン、ガランタミン、またはメトリホナート)およびこれらの塩、水和物、溶媒和物、多形、プロドラッグとを含有する組成物は、表12に示される範囲の間または表12に示される範囲の上限のうちのいずれか未満の量のブリバラセタムまたはその塩、水和物、溶媒和物、多形、プロドラッグを長期放出形態で含有し、そしてある量のAChEI(例えば、ドネペジルまたはタクリン、リバチグミン、フィゾスチグミン、ガランタミン、またはメトリホナート)およびこれらの塩、水和物、溶媒和物、多形、プロドラッグを0.1mg〜10mg、1mg〜10mg、2mg〜10mg、2mg〜8mg、もしくは2mg〜5mg、または10mg未満、9mg未満、8mg未満、7mg未満、6mg未満、5mg未満、2mg未満、1mg未満、もしくは0.5mg未満の量で含有する。上記実施形態のうちのいくつかにおいて、このAChEI(例えば、ドネペジルまたはタクリン、リバチグミン、フィゾスチグミン、ガランタミン、またはメトリホナート)およびこれらの塩、水和物、溶媒和物、多形、またはプロドラッグは、長期放出形態ではない。
【1392】
本発明の特定の実施形態において、セレトラセタムと、AChEI(例えば、ドネペジルまたはタクリン、リバチグミン、フィゾスチグミン、ガランタミン、またはメトリホナート)およびこれらの塩、水和物、溶媒和物、多形、プロドラッグとを含有する組成物は、表12に示される範囲の間または表12に示される範囲の上限のうちのいずれか未満である量のセレトラセタムまたはその塩、水和物、溶媒和物、多形、プロドラッグを長期放出形態で含有し、そしてある量のAChEI(例えば、ドネペジルまたはタクリン、リバチグミン、フィゾスチグミン、ガランタミン、またはメトリホナート)およびこれらの塩、水和物、溶媒和物、多形、プロドラッグを0.1mg〜10mg、1mg〜10mg、2mg〜10mg、2mg〜8mg、もしくは2mg〜5mg、または10mg未満、9mg未満、8mg未満、7mg未満、6mg未満、5mg未満、2mg未満、1mg未満、もしくは0.5mg未満の量で含有する。上記実施形態のうちのいくつかにおいて、このAChEI(例えば、ドネペジルまたはタクリン、リバチグミン、フィゾスチグミン、ガランタミン、またはメトリホナート)およびこれらの塩、水和物、溶媒和物、多形、またはプロドラッグは、長期放出形態ではない。
【1393】
【表11】
[この文献は図面を表示できません]
【1394】
【表12】
[この文献は図面を表示できません]
【1395】
本明細書中に記載される組成物および方法は、取り組まれる用途に適切になるように適合および改変され得ること、ならびに本明細書中に記載される組成物および方法は、他の適切な用途において使用され得ること、ならびにこのような他の付加および改変は、本発明の範囲から逸脱しないことが、当業者により理解される。
【1396】
本発明は、以下の実験の詳細からよりよく理解される。しかし、当業者は、議論される具体的な方法および結果が、その後の実施形態においてより充分に記載されるような本発明の、単なる例示であることを容易に理解する。
【実施例】
【1397】
導入および認知機能障害のモデル
認知機能障害(例えば、加齢性記憶機能障害(AAMI)、軽度認知機能障害(MCI)および加齢性認知衰退(ARCD))により特徴付けられる種々の状態が、加齢に関連すると考えられている。他のものは、疾患(例えば、AD)に関連する。動物モデルは、このような加齢性の認知機能障害の処置を開発および評価するための重要な手段として働く。動物モデルにおける加齢性の認知機能障害を特徴付ける特徴は代表的に、ヒトにおける加齢性の認知機能障害まで及ぶ。従って、このような動物モデルにおける効力は、ヒトにおける効力の予測的なものである。
【1398】
利用可能なモデルのうちで、認知機能障害のLong−Evansラットモデルが、疾病に関連する認知機能障害と加齢に関連する認知機能障害との違いを区別するために、特によく適している。実際に、広範な挙動特徴付けが、高齢のLong−Evansラットの異系交配株における認知機能障害の天然に存在する型を同定した(Charles River Laboratories;Gallagherら,Behav.Neurosci.107:618−626,(1993))。モリス水迷路(MWM)を用いる挙動評価において、ラットは、この迷路の周囲の空間手がかりの構成によって案内される、回避プラットフォームの位置を学習して覚える。行動の認知的基礎が、回避プラットフォームの位置を探す際の動物の空間的偏りの測定を使用して、プローブ試行において試験される。この試験集団における高齢ラットは、目に見えるプラットフォームまで泳ぐことに困難はないが、このプラットフォームが偽装されると、加齢性機能障害が検出され、空間情報の使用を必要とする。異系交配Long−Evans株の個々の高齢ラットについての行動は、大いに変動する。例えば、これらのラットのある割合は、若年成人と同等に行動する。しかし、約40%〜50%は、若年の行動の範囲から外れる。高齢ラット間のこの変動性は、信頼性のある個体差を反映する。従って、高齢集団内で、いくらかの動物は認知機能障害を有し、そして加齢による機能不全(AI)と指定され、そして他の動物は認知機能障害を有さず、そして加齢による機能不全がない(AU)と指定される。例えば、Colomboら,Proc.Natl.Acad.Sci.94:14195−14199,(1997);GallagherおよびBurwell,Neurobiol.Aging 10:691−708,(1989);RappおよびGallagher,Proc.Natl.Acad.Sci.93:9926−9930,(1996);Nicolleら,Neuroscience 74:741−756,(1996);ならびにNicolleら,J.Neurosci.19:9604−9610,(1999)を参照のこと。
【1399】
本発明者らは、上記ラットモデルを使用して、個々のAIラットおよびAUラットを識別した。次いで、本発明者らは、種々の薬理学的処置を施しながら、AIラットに対して挙動評価を実施した。
【1400】
実施例1:放射状迷路タスクにおけるレベチラセタム、ドネペジル、および併用処置の挙動評価
高齢の雄性のLong−Evansラットを、8〜9ヶ月齢で、Charles River Laboratories(Raleigh,NC)から得、そして24〜26ヶ月齢になるまで動物飼育場に収容した。全てのラットを25℃で個々に収容し、そして12時間の明/暗サイクルで維持した。他に記載されない限り、食料および水を無制限に与えた。これらのラットを実験の間中、健康状態および病原体がない状態について試験し、そして殺傷の時点で検死について試験した。
【1401】
全てのラットを、空間認識の標準化された評価でスクリーニングした。このバックグラウンド評価は、上に記載された、充分に確立されたMWMプロトコルを使用した。空間認識の標準化評価において機能障害を有する記憶動作を示した高齢ラット(すなわち、AIラット)を薬物介入研究のために選択した。選択されたAIラットを、放射状迷路(RAM)タスクにおいて、様々な薬物/コントロール処置条件下(ビヒクルコントロール、ドネペジル単独、レベチラセタム単独、およびドネペジルとレベチラセタムとの組み合わせ)で新たな空間情報の記憶について試験した。RAMタスクはまた、この挙動評価を、適切な動機付けを使用する空間記憶まで拡張した。本発明者らは、異なる薬物および薬物の組み合わせにわたる、被験体内での評価を可能にするプロトコルを使用した(Kohら,Neuropsychopharmacology,epub.1−10,(2009))。
【1402】
放射状迷路タスク
放射状迷路は、八角形の中心プラットフォームの各辺から突出する8つのアームからなり、食物ウェルが、各アームの遠位端に位置した。Plexiglas
TMブロックを配置して、任意のアームへの侵入を防止し得た。迷路外の手がかりを、この迷路を囲む空間に提供し、そしてオーバーヘッドライトにより照射を提供した。Chappellら.Neuropharmacology 37:481−487(1998)に詳細に記載されるように、予備訓練は、慣習性、標準ウィン−シフト訓練、および情報段階と記憶試験段階との間に遅延を挟むウィン−シフト訓練からなった。薬物処置を、予備訓練の完了の2日後に開始した。3つのアームを、各試行の開始時に遮断した(情報段階)。遮断されるアームの識別および構成は、施行ごとに変えた。食物を奪ったラットに、遮断していない5つのアームから、食物報酬(Kellogg’s Froot Loops
TMシリアル)を回収させた。次いで、このラットを60分間、この迷路からどかし(保持間隔)、この時間の間に、遮断されたアームの障壁を外して、8つ全てのアームへのアクセスを可能にした。次いで、ラットを中心プラットフォームに戻し、そして残っている食物報酬を回収させた(記憶試験段階)。
【1403】
AIラットが保持試験段階中に起こした「エラー」の数を追跡した。エラーは、食物がすでに得られたアームに戻る(四肢全てをアーム上に置く)ことからなった。例えば、この試行の遅延前の成分において食物がすでに回収されたアームにラットが入る場合、またはすでに訪問したアームに遅延後セッションでラットが再訪問する場合に、これらの試行においてエラーが起こる。
【1404】
レベチラセタム処置
AIラットの独立したセット(n=10)を、最初にレベチラセタム(Tecoland,Edison,NJ)で処置する。これらのAIラットを、毎日の試行の30分〜40分前に、以下の6つの条件で1回の注射:1)ビヒクルコントロール(0.9%生理食塩水溶液);2)レベチラセタム(1.25mg/kg/日);3)レベチラセタム(2.5mg/kg/日);4)レベチラセタム(5mg/kg/日);5)レベチラセタム(10mg/kg/日);6)レベチラセタム(20mg/kg/日);で、腹腔内(i.p.)注射により前処置する。注射を、ウォッシュアウトの日を挟んで1日おきに与える。あらゆる潜在的な偏りの反対平衡を取るために、薬物効果を、上昇−下降用量系列を使用して評価する。すなわち、用量系列を最初に上昇順で与え、次いで下降順で繰り返す。従って、各用量は、2つの傾向を有する。
【1405】
パラメトリック統計学(対応のあるt検定)を使用して、RAMタスクの1時間遅延バージョンでのAIラットの保持試験行動を、様々な用量のレベチラセタムおよびビヒクルコントロールの観点で比較する(
図1を参照のこと)。これらの試行におけるエラーの平均数は、5mg/kg/日(エラーの平均数±平均の標準誤差(SEM)=0.75±0.32)および10mg/kg/日(エラーの平均数±SEM=0.80±0.27)のレベチラセタム処置を用いるほうが、ビヒクルコントロール(エラーの平均数±SEM=2.00±0.42)を使用するよりも有意に低い。ビヒクルコントロール処置に対して、レベチラセタムは、5mg/kg/日(t(9)=2.18、p=0.057)および10mg/kg/日(t(9)=2.37、p=0.042)において、記憶動作を有意に改善する。
【1406】
ドネペジル処置
レベチラセタム評価の完了後、AIラットの新たなセット(n=8)を、ドネペジルを用いて試験した。これらのAIラットを、毎日の試行の30分〜40分前に、以下の3つの条件で1回の注射:1)ビヒクルコントロール(0.9%生理食塩水溶液);2)ドネペジル(1mg/kg/日);3)ドネペジル(2mg/kg/日)で、腹腔内(i.p.)注射により前処置する。注射を毎日与える。あらゆる潜在的な偏りの反対平衡を取るために、薬物効果を、上昇−下降用量系列を使用して評価する。すなわち、用量系列を最初に上昇順で与え、次いで下降順で繰り返す。従って、各用量は、2つの傾向を有する。
【1407】
パラメトリック統計学(対応のあるt検定)を使用して、RAMタスクの2時間遅延バージョンでのAIラットの保持試験行動を、様々な用量のドネペジルおよびビヒクルコントロールの観点で比較する(
図2を参照のこと)。1mg/kg/日(エラーの平均数±平均の標準誤差(SEM)=2.88±0.46)および2mg/kg/日(エラーの平均数±SEM=2.81±0.43)のドネペジル処置を使用して、この試行において起こるエラーの平均数は、ビヒクルコントロールを使用する場合(エラーの平均数±SEM=2.88±0.67)と有意には異ならない。ビヒクルコントロール処置に対して、ドネペジルは、1mg/kg/日(t(7)=0、p=1.00)または2mg/kg/日(t(7)=0.91、p=0.930)において記憶動作を有意には改善しない。
【1408】
レベチラセタムとドネペジルとの組み合わせ
本発明者らは、同じAIラット(n=8)を使用して、レベチラセタムとドネペジルとの組み合わせの、治療量未満で投与される場合の記憶改善効果を試験する。この実験において、治療量未満は、レベチラセタムについては2.5mg/kg/日、およびドネペジルについては1mg/kg/日である。上記のように、レベチラセタムが個々に、ドネペジルの非存在下で2.5mg/kg/日の用量で投与される場合、AIラットにおいて、記憶動作を有意には改善しない(
図1を参照のこと)。ドネペジルが個々に、レベチラセタムの非存在下で1mg/kg/日の用量で投与される場合、AIラットにおいて、記憶動作を有意には改善しない(
図2を参照のこと)。
【1409】
これらのAIラットを、毎日の試行の30分〜40分前に、以下の2つの条件で1回の注射:1)ビヒクルコントロール(0.9%生理食塩水溶液);2)ドネペジル(1mg/kg/日)およびレベチラセタム(2.5mg/kg/日)で、腹腔内(i.p.)注射により前処置する。注射を毎日与える。あらゆる潜在的な偏りの反対平衡を取るために、薬物効果を、上昇−下降用量系列を使用して評価する。すなわち、用量系列を最初に上昇順で与え、次いで下降順で繰り返す。従って、各用量は、2つの傾向を有する。
【1410】
パラメトリック統計学(対応のあるt検定)を使用して、RAMタスクの2時間遅延バージョンでのAIラットの保持試験行動を、レベチラセタムとドネペジルの組み合わせ、およびビヒクルコントロールの観点で比較する(
図2を参照のこと)。これらの試行において起こるエラーの平均数は、ドネペジル(1mg/kg/日)とレベチラセタム(2.5mg/kg/日)との組み合わせ投与を用いるほうが(エラーの平均数±平均の標準誤差(SEM)=1.69±0.53)、ビヒクルコントロールを使用する場合(エラーの平均数±SEM=2.88±0.67)よりも有意に低い。ビヒクルコントロール処置に対して、ドネペジル(1mg/kg/日)とレベチラセタム(2.5mg/kg/日)との組み合わせは、記憶動作を有意に改善する(t(7)=2.16、p=0.034)。
【1411】
ドネペジルまたはレベチラセタムが、この実験において試験されるように他方の薬物の非存在下で治療用量未満で投与される場合、AIラットにおける記憶動作を有意には改善しない(
図1および
図2を参照のこと)。しかし、治療用量未満で投与されるレベチラセタムとドネペジルとの組み合わせは、AIにおける記憶動作を有意に改善する。本発明者らの結果は、一緒に投与される場合のドネペジルとレベチラセタムとの間の相加を超える相互作用、または相乗相互作用を示唆する。
【1412】
実施例2:aMCIを有するヒト被験体におけるレベチラセタム処置
8週間にわたる、17人の健忘MCI(aMCI)被験体および17人の年齢を適合させたコントロールが関与する、レベチラセタムの低用量処置を用いる被験体内試行を行う。この研究の経過中、各aMCI被験体は、薬物処置とプラシーボ処置処置との両方を別々に、2週間ずつの2つの期間で受け、異なるaMCI被験体の間での処置の順序は、反対平衡をとられる(
図3を参照のこと)。プラシーボで処置される、年齢を適合させたコントロール被験体は、さらなるコントロールとして働く。認知試験およびfMRI画像化データを、2週間ずつの薬物/プラシーボ処置の後に、被験体から得る。
【1413】
参加者および臨床的特徴づけ
17人の右利きのaMCI患者を、Johns Hopkins HospitalのAlzheimer’s Disease Research Center(ADRC)および他の紹介人から募集する。さらに17人の右利きの健常なボランティアを、ADRCおよび他の紹介人のコントロール参加者のプールから募集する。全ての参加者に、認知状態の電話会見を行い、彼らがこの研究のエントリー基準(MRI走査のための基準を含む)に合いそうであるか否かを決定する。全ての参加者はさらに、標準的な器具および方法を使用する、神経学的試験、精神医学的試験、および神経心理学的試験を受ける。この精神医学的評価は、DSM−IV軸I障害についての構造化臨床面接、および臨床的認知症評価(CDR)尺度を行うことを包含する。全てのaMCI患者は、0.5のCDR尺度を有する。aMCIの診断は、Petersenら(例えば、「Mild cognitive impairment:Aging to Alzheimer’s Disease」,Oxford University Press,N.Y.(2003))により提唱された基準に基づく。この基準は、記憶の病訴(通知者により確証される)、試験に対して機能障害を有する記憶機能(正常を下回る1.5標準偏差)、他の保存された認知機能(正常から1標準偏差以内)、機能性能力に減少がないこと、および痴呆がないことを含む。最後のaMCI診断は、臨床的合意により達せられる。排除基準は、主要な神経学的または精神医学的な障害、意識の喪失を伴う頭部外傷、薬物の乱用または依存性の経歴、およびMRI試験に対する一般的な禁忌(例えば、心臓ペースメーカー、動脈瘤コイル、閉所恐怖症)を含む。各aMCI被験体は、研究パートナー(すなわち、通知者)を有することを必要とされ、この研究パートナーは、この被験体の毎日の機能に関する情報を提供し得、従って、投薬が適切になされることを保証し得る。
図14Aおよび
図14Bを参照のこと。
【1414】
研究訪問:この研究は、8週間の間に4回の訪問からなる(
図3を参照のこと)。ベースライン訪問は、医学的評価、神経学的評価、精神医学的評価、および神経認知評価を行う目的である。訪問1および訪問2は、fMRIセッションを含むこと以外は、ベースライン訪問と同じである。ウォッシュアウト訪問(4週間のウォッシュアウト期間の終了時)は、簡単な臨床評価および2回目の薬物/プラシーボ段階の開始の目的である。
【1415】
ベースライン訪問:スクリーニング訪問の際に、インフォームドコンセントが、被験体(およびMCI被験体の場合には通知者)から得られる。この被験体およびこの通知者は、標準化された臨床面接に参加する。この標準化された臨床面接は、日常生活におけるこの被験体の機能的不全の程度を、臨床的認知症評価(CDR)尺度に基づいて決定するために使用される。この被験体の医学的履歴、神経学的履歴、および精神医学的履歴(現在の投薬の概観を含む)、ならびに痴呆の家族歴が得られる。簡単な医学的試験、神経学的試験および精神医学的試験を行う(生命兆候を含む)。この被験体がエントリー基準を満たすか否かを決定するために必要とされる標準的な実験室試験を行う目的で、採血を行う。この被験体を、Kirby Imaging Centerに採用されている標準的な形式を使用して、MRI走査に対する禁忌について、再度スクリーニングする。簡単な認知試験を行う(以下の神経心理学的評価の節に記載される)。これらの評価を使用して、その被験体がエントリー基準に合うか否かを決定する。上記のものを全て、標準化された形式を使用して完了させる。その被験体がその研究のためのエントリー基準に合う場合、この被験体に試験投薬(無作為に選択される薬物またはプラシーボ)、およびその投薬を受ける方法についての指示を与える。この被験体は、自殺的思考を有する可能性についての助言を受け、そして起こった場合には、投薬を受けることをやめ、そして直ちに研究医に連絡することを助言される。
【1416】
訪問1:1回目の薬物/プラシーボ期間の終了時(ベースライン訪問の2週間後)に、医学的評価、神経学的評価および精神医学的評価、ならびに認知試験を繰り返す。この被験体をまた、自殺観念化について臨床的に評価する。再度採血して、標準的試験を繰り返し、そしてその薬物処置に関連する何らかの変化が存在するか否かを決定する。この被験体の血中レベチラセタムレベルもまた得る。ベースライン訪問において与えられた全ての投薬(薬物またはプラシーボ)を集め、そしてその投薬計画に対する被験体のコンプライアンスを評価する。1回目のfMRIセッション(認知試験を伴う)を同日に、臨床評価の直前または直後のいずれかに行う。この訪問において、被験体は、1回目の処置期間を中断する。
【1417】
ウォッシュアウト訪問:訪問1後のウォッシュアウト期間(4週間)の終了時に、被験体は、簡単な医学的スクリーニング(医学的評価および精神医学的評価を含む)を受ける。採血を行い、血中レベチラセタムレベルを得る(ウォッシュアウトを確認するため)。この被験体は、新たな投薬(薬物またはプラシーボ、先の処置期間に割り当てられたものから変えられる)を、この研究の最終段階に与えられ、その投薬を受ける方法についての指示を与えられる。
【1418】
訪問2:ウォッシュアウト訪問の約2週間後(すなわち、2回目の処置期間の開始の2週間後)に、医学的評価、神経学的評価および精神医学的評価、ならびに認知試験を繰り返す。この被験体を、自殺観念化について臨床的に評価する。再度採血して、標準的試験を繰り返し、そしてその薬物処置に関連する何らかの変化が存在したか否かを決定する。この被験体の血中レベチラセタムレベルもまた得る。ウォッシュアウト訪問において与えられた全ての投薬を集め、そしてその投薬計画に対する被験体のコンプライアンスを評価する。2回目のfMRIセッション(認知試験を伴う)を同日に、臨床評価の直前または直後のいずれかに繰り返す。
【1419】
神経心理学的評価
全ての参加者は、神経心理学的評価を、処置効力の評価のためのとき(訪問1および訪問2)、ならびにベースライン訪問に受ける。この評価は、スキャナの外側で行われ得、そしてブシュケ選択式回想テスト(BuschkeおよびFuld,1974)ならびにウェクスラー記憶検査(WMS−R)の言語対関連下位検査、論理記憶下位検査、視覚再生下位検査(Wechsler,1997)、ならびにベントン視覚記銘検査を含む。なぜなら、これらのタスクは、内側側頭葉機能および初期記憶問題に対して特に感度が高いからである(Marquisら,2002およびMasurら,1994)。さらに、被験体は、より一般的な認知機能の試験(例えば、一般的な精神状態、管理機能、注意および一般的な名指し能力を評価するための試験)を完了することを求められる。全ての神経心理学的試験は、訓練された研究助手により、60分間のセッションで行われる。この研究における3つの神経心理学的評価は、8週間の期間内に行われるので、異なるバージョンの神経心理学的試験を使用して、試験特異的実施効果を最小にする。必要であれば、休憩が被験体に与えられる。
【1420】
薬物投与
上記のように、薬物処置期間は、訪問1または訪問2に先立つ2週間である(他方の訪問に先立つ2週間の期間は、プラシーボ段階である)。薬物処置を受ける被験体について、レベチラセタムの割線付き250mg錠剤の半分を使用して、1日2回125mgの用量を達成する。これは、約3.6mg/kg/日である(平均成人体重を70kgとする)。
【1421】
全ての薬物調製物およびプラシーボ調製物を、1:1の割り当てで実施する。薬局は、被験体を登録の際に、薬物用量および条件について無作為化し、そして薬物評価のリストを維持する。
【1422】
レベチラセタムは、経口投与後に迅速にほぼ完全に吸収され、そしてそのバイオアベイラビリティは、食物により影響を受けない。レベチラセタムの血漿中半減期は、約7±1時間である(低下した腎機能に起因して、高齢者においては9時間〜10時間であると予測される)。吸収は迅速であり、ピーク血漿中濃度は、経口投与の約1時間後に起こる。定常状態は、複数の1日2回の投薬の2日後に達成され得る。
【1423】
ヒトにおける癲癇を処置する際のレベチラセタムの代表的な開始用量は、1日2回500mgであり、これは、約14.3mg/kg/日である。次いで、この投薬量は、最適な効力になるまで、50mg/kg/日まで増大させられる。従って。この実験において使用される用量は、癲癇を処置するために使用される最低ヒト用量の4分の1である。
【1424】
なおより低い投薬量(例えば、1日2回25mg〜60mgの用量)が、以前の動物研究の結果(低用量効力を示した)に基づいて、想定される。動物モデルにおいて使用されるレベチラセタムの最高有効用量は、5mg/kg〜10mg/kgである(激しく与えられる)。ヒトにおける加齢性の認知機能障害の処置のためのこの投薬量の、上記のように計算されるヒト等価用量(HED)は、0.8mg/kg/日〜1.6mg/kg/日(すなわち1日2回28mg〜56mg)に等価である。
【1425】
MRIデータ獲得
画像化データを、Stark実験室で開発された高解像度方法により得る。データを、Kennedy Krieger Institute(Baltimore,MD)のF.M.Kirby Research Center for Functional Brain Imagingにある、8チャネルSENSE(Sensitivity Encoding)ヘッドコイルを備えたPhillips 3テスラスキャナ(Eindhoven,The Netherlands)で収集する。高解像度のエコープラナー画像を、64×64の収集行列、1500ミリ秒の反復時間、30ミリ秒のエコー時間、70度のフリップ角、2のSENSE因子、および1.5mm×1.5mm×1.5mm(ギャップなし)の等方性解像を使用して、収集する。19の斜めのスライスを、海馬の長手主軸に対して平行に得、そして内側側頭葉領域全体を両側で網羅する。機能的実行に加えて、脳全体のMPRAGE構造的走査(パラメータ:150の斜めのスライス、1mmの等方性解像)を獲得する。
【1426】
画像解析
データ分析を、Analysis for Functional Neuroimages(AFNI,release 2008_07_18_1710)ソフトウェアを使用して実施する。最初に、画像を同時に位置合わせして、走査ヘッド内での動きおよび走査ヘッドを横切る動きについて補正する。有意な運動事象(先の獲得に対して任意の方向への3度より大きい回転または2mmより大きい並進)が起こる獲得、1.5秒間について±1回の繰り返しを、これらの分析から除外する。構造的解剖学的データを標準的な定位空間(TalairachおよびTournoux,1988)に登録し、そして引き続いて、同じパラメータを機能データに適用する。挙動ベクトルを生成して、異なる試行型をモデル化する。
【1427】
ROI−LDDMM(目的の領域の大変形微分相同写像測定マッピング)法(被験体間のアライメントのための技術)は、多被験体領域fMRI研究の力を、アライメント力をROI(目的の領域)に特異的に集中させて脳内の他の箇所には集中させないことによって、増大させる。最初に、全ての被験体の解剖学的走査および機能的走査を、Talairachアトラスに標準化させる。内側側頭葉および海馬の部分領域(両側の内側嗅皮質、鼻周囲の皮質、海馬傍皮質、CA3/鋸歯状領域、CA1領域、および鉤状回)を、MPRAGE走査で三次元にセグメント化する。CA3領域および歯状回(DG)についてのラベルを合わせる。次いで、解剖学的に規定されたROIを使用して、各被験体についてのROI−LDDMM 3Dベクトル場変換を、誂えられたテンプレートを使用して、標的として試験されるサンプル全体の平均に基づいて、計算する。次いで、各個々の被験体のROIについてのROI−LDDMM変換を、当てはめ係数マップに適用する。
【1428】
群データを、両側分散分析(ANOVA)を使用して、試行の型および群を固定因子として用い、そして被験体を群内に入れ子にされたランダム因子として用いて、分析する。p<0.05の自由(liberal)ピーク閾値を、10ボクセルの空間エクステント閾値と一緒に使用して、全体的なF統計量に対する機能的ROIを規定する。このアプローチは、直接の対ごとの対比を使用するよりむしろ、ボクセル選択の偏りを低下させる。なぜなら、種々の条件の間のあらゆる差が、ボクセルが選択されることを可能にしたからである。次いで、この閾値を解剖学的セグメント化と合わせて、目的の領域の内側のボクセルのみを含むようにする。このことは、そのモデルの因子のいずれによっても変化しないボクセルを除外するように働き、特に、タスクの条件または群と共にいくらかの変化を示すボクセルに、分析を制限する。各機能的ROI内のボクセルを、さらなる分析のために収縮させる。
【1429】
訪問1および訪問2におけるfMRI走査中の認知試験
被験体の内側側頭葉の活性を、機能的MRIによって、被験体が明示的三肢強制選択法(この方法において、参加者は、新しい刺激、繰り返される刺激、および類似の(「おとり」)刺激を見る)に参加している間に測定する。Matlab 7.0(The MathWorks,Natick,MA)のPsychophysics Toolbox拡大を、刺激の提示および挙動データ収集のために使用する。刺激は、一般的な物体のカラー写真である。各参加者は、機能的画像化セッション中に一連の試験実行を受け、各実行は、3つの型の画像対(類似の対、同一の対および無関係の箔)の混合物からなる。これらの画像対は、この実行の間中、完全に無作為化され、そして一連の画像として個々に提示される(
図6Aを参照のこと)。参加者は、見える各物体が新しいか、古いか、または類似であるかについて判断を行うように指示される。重大な興味があるものは、類似の物体の第二の対(「おとり」;
図6Bを参照のこと)を提示される場合の参加者の応答である。おとり刺激が「類似である」との被験体による正しい識別は、パターン分離(すなわち、類似の経験の、異なる重ならない提示への分離)の挙動的証拠を与える。しかし、おとり刺激の「古い」または「新しい」との間違った識別は、パターン分離の失敗を示す。おとり刺激の「古い」との識別は、その被験体が、おとり刺激と先に示されたパートナー画像との間の類似点に注目したことを示す。おとり刺激の「新しい」との識別は、被験体が先に示されたパートナー画像を完全に思い出し損なったことを示す。各実行はまた、多数のベースライン試行を含み、これらのベースライン試行は、内側側頭葉におけるベースライン活性のより安定しない推定およびより安定した推定を提供することが公知である、難しい知覚弁別タスクを使用する(StarkおよびSquire,2001 PNAS;Lawら,2005)。
【1430】
認知試験中の内側側頭葉の種々の部分領域の活性レベル(fMRIにより測定される)の調査は、aMCI被験体が、記憶タスクの実施中に、年齢を適合させたコントロール被験体と比較して、過剰活動のDG/CA3領域および過少活動の内側嗅皮質を有することを示す。
【1431】
本発明者らは、首尾よい記憶判断中のDG/CA3の活性レベルを、コントロール被験体およびaMCI被験体において評価する。平均活性(mean activity)を、被験体により「類似である」と正しく識別されたおとり刺激の提示中に、fMRIにより測定される平均活性(average activity)から計算する。これは、ベースライン活性に対して較正される。
図4Aは、aMCI患者がこれらの判断を行う際にDG/CA3過剰活動を示すことを示す(p=0.013)。しかし、
図4Bは、レベチラセタムでの処置がaMCI被験体におけるDG/CA3過剰活動を低下させることを示す(p=0.037)。この薬物で処置されたaMCI被験体における活性レベルは、実際に、プラシーボで処置されたコントロール被験体の活性から統計学的に区別不可能である程度まで、標準化される。
図4Aおよび
図4Bに示される平均活性値について、
図4Cを参照のこと。
【1432】
首尾よい記憶判断中のECの活性レベルは、コントロールと比較して、プラシーボで処置されたaMCI被験体において、有意に低い(p=0.003)。
図5Aを参照のこと。しかし、レベチラセタム処置は、aMCI被験体におけるECの活性を同様に標準化する。レベチラセタム処置は、aMCI被験体において、記憶判断中のEC活性を増大させ、その結果、プラシーボで処置されたコントロール被験体から統計学的に区別不可能になる。
図5Aおよび
図5Bに示される平均活性値について、
図5Cを参照のこと。
【1433】
記憶判断中のDG/CA3およびECの活性の、レベチラセタム処置による標準化は、認知タスクにおけるaMCI被験体の性能に見られる変化に反映される。プラシーボ処置を用いると、aMCI患者は、コントロール患者よりも性能が悪くなり、おとり物品を「類似である」と正しく識別する頻度が低くなり、そしてこれらを「古い」と誤って識別する頻度が高くなる(p=0.009)。
図7を参照のこと。しかし、aMCI被験体の性能は、レベチラセタム処置により有意に改善する。
図8を参照のこと。薬物処置により、より正しい「類似である」との識別と、さほど正しくない「古い」との識別との相互作用は、この記憶タスクの性能に有意な改善をもたらす(p=0.039)。
図7および
図8に提示するデータの表について、
図9を参照のこと。
【1434】
コントロール−プラシーボ被験体および薬物またはプラシーボ処置のaMCI被験体の性能をまた、他の一般的な認知試験(例えば、ブシュケ選択式回想テスト−遅延再生試行(Delayed Recall)(
図10Aおよび
図10B)、ベントン視覚記銘検査(
図11Aおよび
図11B)、言語対関連検査−認識(
図12Aおよび
図12B)および言語対関連試験−遅延再生試行(
図13Aおよび
図13B))で比較する。これらの試験の全てにおいて、プラシーボで処置したaMCI被験体は、プラシーボで処置されたコントロール被験体よりも性能が悪く、そしてレベチラセタム処置は、aMCI被験体の性能を救助しない。
【1435】
レベチラセタム処置がなぜ、aMCI被験体に対して、認知試験における性能に関して助けにならないかについて、多数の可能な理由が存在する。このfMRI研究において行われる明示的三肢強制選択法は、DG/CA3機能に特に感受性であるタスクである。従って、このタスクにおける被験体の性能は、レベチラセタム処置から生じるDG/CA3活性の変化に特に合わせられ得る。さらに。aMCI被験体は、認知試験を行う前に、ほんの2週間、レベチラセタムで処置された。この薬物処置について、2週間より長い処置期間(例えば、16週間または8ヶ月)は、改善された効力をもたらすことが想定される。最後に、比較動物研究(実施例1を参照のこと)は、なおより低い用量がより有効であることを示す。1日2回125mgのヒト投薬量は、22.3mg/kg/日のラット投薬量と等価である。実施例1および
図1に示されるように、20mg/kgのレベチラセタムは、ラットにおいては高すぎる用量であり、従って、放射状迷路タスクにおいて、AIラットの性能を改善しない。動物モデルにおいて使用されるレベチラセタムの有効用量は、5mg/kg〜10mg/kgである。この最適ラット用量のヒト等価用量は、(HED)0.8mg/kg/日〜1.6mg/kg/日である。このような投薬量は、1日2回28mg〜56mgの投与をもたらす(これは、この研究において使用される1日2回125mgよりかなり低い)。従って、aMCI被験体は、ラットにおける有効用量と等価である、より低い用量(例えば、1日2回の25mg〜60mgレベチラセタム)で処置される場合、DG/CA3およびECの活性のさらなる標準化、ならびに認知試験においてさらに改善された性能を示すことが想定される。
【1436】
実施例3:aMCIを罹患するヒト被験体におけるレベチラセタムの効果
8週間にわたる、38人の健忘MCI(aMCI)被験体および17人の年齢を適合させたコントロールが関与する、レベチラセタムの低用量処置を用いる被験体内試行を行う。この研究の経過中、各aMCI被験体は、薬物処置とプラシーボ処置との両方を別々に、2週間ずつの2つの期間で受け、異なるaMCI被験体の間での処置の順序は、反対平衡をとられる(
図7を参照のこと)。プラシーボで処置した、年齢を適合させたコントロール被験体は、さらなるコントロールとして働いた。認知試験およびfMRI画像化データを、2週間ずつの薬物/プラシーボ処置の後に、被験体から得る。
【1437】
参加者および臨床的特徴づけ
38人の右利きのaMCI患者を、Johns Hopkins HospitalのAlzheimer’s Disease Research Center(ADRC)および他の紹介人から募集する。さらに17人の右利きの健常なボランティアを、ADRCおよび他の紹介人のコントロール参加者のプールから募集する。全ての参加者に、認知状態の電話会見を行い、彼らがこの研究のエントリー基準(MRI走査のための基準を含む)に合いそうであるか否かを決定する。全ての参加者はさらに、標準的な器具および方法を使用する、神経学的試験、精神医学的試験、および神経心理学的試験を受ける。この精神医学的評価は、DSM−IV軸I障害についての構造化臨床面接、および臨床的認知症評価(CDR)尺度を行うことを包含する。全てのaMCI患者は、0.5のCDR尺度を有する。aMCIの診断は、Petersenら(例えば、「Mild cognitive impairment:Aging to Alzheimer’s Disease」,Oxford University Press,N.Y.(2003))により提唱された基準に基づく。この基準は、記憶の病訴(通知者により確証される)、試験に対して機能障害を有する記憶機能(一般に正常を下回る1.5標準偏差および正常を下回る少なくとも1標準偏差)、他の保存された認知機能(正常から1標準偏差以内)、機能性能力に減少がないこと、および痴呆がないことを含む。最後のaMCI診断は、臨床的合意により達せられる。排除基準は、主要な神経学的または精神医学的な障害、意識の喪失を伴う頭部外傷、薬物の乱用または依存性の経歴、およびMRI試験に対する一般的な禁忌(例えば、心臓ペースメーカー、動脈瘤コイル、閉所恐怖症)を含む。各aMCI被験体は、研究パートナー(すなわち、通知者)を有することを必要とされ、この研究パートナーは、この被験体の毎日の機能に関する情報を提供し得、従って、投薬が適切になされることを保証し得る。
【1438】
研究訪問:この研究は、8週間の間に4回の訪問からなる(
図7を参照のこと)。ベースライン訪問は、医学的評価、神経学的評価、精神医学的評価、および神経認知評価を行う目的である。訪問1および訪問2は、fMRIセッションを含むこと以外は、ベースライン訪問と同じである。ウォッシュアウト訪問(4週間のウォッシュアウト期間の終了時)は、簡単な臨床評価および2回目の薬物/プラシーボ段階の開始の目的である。
【1439】
ベースライン訪問:スクリーニング訪問の際に、インフォームドコンセントが、被験体(およびMCI被験体の場合には通知者)から得られる。この被験体およびこの通知者は、標準化された臨床面接に参加する。この標準化された臨床面接は、日常生活におけるこの被験体の機能的不全の程度を、臨床的認知症評価(CDR)尺度に基づいて決定するために使用される。この被験体の医学的履歴、神経学的履歴、および精神医学的履歴(現在の投薬の概観を含む)、ならびに痴呆の家族歴が得られる。簡単な医学的試験、神経学的試験および精神医学的試験を行う(生命兆候を含む)。この被験体がエントリー基準を満たすか否かを決定するために必要とされる標準的な実験室試験を行う目的で、採血を行う。この被験体を、Kirby Imaging Centerに採用されている標準的な形式を使用して、MRI走査に対する禁忌について、再度スクリーニングする。簡単な認知試験を行う(以下の神経心理学的評価の節に記載される)。これらの評価を使用して、その被験体がエントリー基準に合うか否かを決定する。上記のものを全て、標準化された形式を使用して完了させる。その被験体がその研究のためのエントリー基準に合う場合、この被験体を、62.5mg BID研究群または250mg BID研究群のいずれかに無作為に割り当て、そしてこの被験体に試験投薬(無作為に選択される薬物またはプラシーボ)、およびその投薬を受ける方法についての指示を与える。この被験体は、自殺的思考を有する可能性についての助言を受け、そして起こった場合には、投薬を受けることをやめ、そして直ちに研究医に連絡することを助言される。
【1440】
訪問1:1回目の薬物/プラシーボ期間の終了時(ベースライン訪問の2週間後)に、医学的評価、神経学的評価および精神医学的評価、ならびに認知試験を繰り返す。この被験体をまた、自殺観念化について臨床的に評価する。再度採血して、標準的試験を繰り返し、そしてその薬物処置に関連する何らかの変化が存在するか否かを決定する。この被験体の血中レベチラセタムレベルもまた得る。ベースライン訪問において与えられた全ての投薬(薬物またはプラシーボ)を集め、そしてその投薬計画に対する被験体のコンプライアンスを評価する。1回目のfMRIセッション(認知試験を伴う)を同日に、臨床評価の直前または直後のいずれかに行う。この訪問において、被験体は、1回目の処置期間を中断する。
【1441】
ウォッシュアウト訪問:訪問1後のウォッシュアウト期間(4週間)の終了時に、被験体は、簡単な医学的スクリーニング(医学的評価および精神医学的評価を含む)を受ける。採血を行い、血中レベチラセタムレベルを得る(ウォッシュアウトを確認するため)。この被験体は、新たな投薬(薬物またはプラシーボ、先の処置期間に割り当てられたものから変えられる)を、この研究の最終段階に与えられ、その投薬を受ける方法についての指示を与えられる。
【1442】
訪問2:ウォッシュアウト訪問の約2週間後(すなわち、2回目の処置期間の開始の2週間後)に、医学的評価、神経学的評価および精神医学的評価、ならびに認知試験を繰り返す。この被験体を、自殺観念化について臨床的に評価する。再度採血して、標準的試験を繰り返し、そしてその薬物処置に関連する何らかの変化が存在したか否かを決定する。この被験体の血中レベチラセタムレベルもまた得る。ウォッシュアウト訪問において与えられる全ての投薬を集め、そしてその投薬計画に対する被験体のコンプライアンスを評価する。2回目のfMRIセッション(認知試験を伴う)を同日に、臨床評価の直前または直後のいずれかに繰り返す。
【1443】
神経心理学的評価
全ての参加者は、神経心理学的評価を、処置効力の評価のためのとき(訪問1および訪問2)、ならびにベースライン訪問に受ける。この評価は、スキャナの外側で行われ得、そしてブシュケ選択式回想テスト(BuschkeおよびFuld,1974)ならびにウェクスラー記憶検査(WMS−R)の言語対関連下位検査、論理記憶下位検査、視覚再生下位検査(Wechsler,1997)、ならびにベントン視覚記銘検査を含む。なぜなら、これらのタスクは、内側側頭葉機能および初期記憶問題に対して特に感度が高いからである(Marquisら,2002およびMasurら,1994)。さらに、被験体は、より一般的な認知機能の試験(例えば、一般的な精神状態、管理機能、注意および一般的な名指し能力を評価するための試験)を完了することを求められる。全ての神経心理学的試験は、訓練された研究助手により、60分間のセッションで行われる。この研究における3つの神経心理学的評価は、8週間の期間内に行われるので、異なるバージョンの神経心理学的試験を使用して、試験特異的実施効果を最小にする。必要であれば、休憩が被験体に与えられる。
【1444】
薬物投与
上記のように、薬物処置期間は、訪問1または訪問2に先立つ2週間である(他方の訪問に先立つ2週間の期間は、プラシーボ段階である)。250mg BID(BIDとは、1日2回を表す)の薬物処置を受ける被験体について、2個のレベチラセタムの250mg錠剤を使用して、1日2回250mg(すなわち、500mg/日)の用量を達成する。これは、約7.1mg/kg/日である(平均成人体重を70kgとする)。62.5mg BIDの薬物処置を受ける被験体について、レベチラセタムの割線付き250mg錠剤の4分の1を使用して、1日2回62.5(すなわち、125mg/日の用量を達成する。これは、約1.5mg/kg/日である。
【1445】
全ての薬物調製物およびプラシーボ調製物を、1:1の割り当てで実施する。薬局は、被験体を登録の際に、薬物用量および条件について無作為化し、そして薬物評価のリストを維持する。
【1446】
レベチラセタムは、経口投与後に迅速にほぼ完全に吸収され、そしてそのバイオアベイラビリティは、食物により影響を受けない。レベチラセタムの血漿中半減期は、約7±1時間である(低下した腎機能に起因して、高齢者においては9時間〜10時間であると予測される)。吸収は迅速であり、ピーク血漿中濃度は、経口投与の約1時間後に起こる。定常状態は、複数の1日2回の投薬の2日後に達成され得る。
【1447】
ヒトにおける癲癇を処置する際のレベチラセタムの代表的な開始用量は、1日2回500mgであり、これは、約14.3mg/kg/日である。次いで、この投薬量は、最適な効力になるまで、50mg/kg/日まで増大させられる。従って、この実験において使用される250mg BID用量(500mg/日)は、癲癇を処置するために使用される最低ヒト用量の半分である。62.5mg BID用量(125mg/日)は、癲癇を処置するために使用される最低ヒト用量の8分の1である。
【1448】
MRIデータ獲得
画像化データを、Stark実験室で開発された高解像度方法により得る。データを、Kennedy Krieger Institute(Baltimore,MD)のF.M.Kirby Research Center for Functional Brain Imagingにある、8チャネルSENSE(Sensitivity Encoding)ヘッドコイルを備えたPhillips 3テスラスキャナ(Eindhoven,The Netherlands)で収集する。高解像度のエコープラナー画像を、64×64の収集行列、1500ミリ秒の反復時間、30ミリ秒のエコー時間、70度のフリップ角、2のSENSE因子、および1.5mm×1.5mm×1.5mm(ギャップなし)の等方性解像を使用して、収集する。19の斜めのスライスを、海馬の長手主軸に対して平行に得、そして内側側頭葉領域全体を両側で網羅する。機能的実行に加えて、脳全体のMPRAGE構造的走査(パラメータ:231の斜めのスライス、0.65mmの等方性解像)を獲得する。
【1449】
画像解析
データ分析を、Analysis for Functional Neuroimages(AFNI,release 2010_10_19_1028)ソフトウェアを使用して実施する。最初に、画像を同時に位置合わせして、走査ヘッド内での動きおよび走査ヘッドを横切る動きについて補正する。有意な運動事象(先の獲得に対して任意の方向への3度より大きい回転または2mmより大きい並進)が起こる獲得、1.5秒間について±1回の繰り返しを、これらの分析から除外する。構造的解剖学的データを標準的な定位空間(TalairachおよびTournoux,1988)に登録し、そして引き続いて、同じパラメータを機能データに適用する。挙動ベクトルを生成して、異なる試行型をモデル化する。
【1450】
ROI−LDDMM(目的の領域の大変形微分相同写像測定マッピング)法(被験体間のアライメントのための技術)は、多被験体領域fMRI研究の力を、アライメント力をROI(目的の領域)に特異的に集中させて脳内の他の箇所には集中させないことによって、増大させる。最初に、全ての被験体の解剖学的走査および機能的走査を、AFNIを使用してTalairachアトラスに標準化させる。内側側頭葉および海馬の部分領域(両側の内側嗅皮質、鼻周囲の皮質、海馬傍皮質、CA3/鋸歯状領域、CA1領域、および鉤状回)を、MPRAGE走査で三次元にセグメント化する。CA3領域および歯状回(DG)についてのラベルを合わせる。次いで、解剖学的に規定されたROIを使用して、各被験体についてのベクトル場変換を、Advanced Normalization Tools(ANT)ソフトウェアパッケージおよび誂えられたテンプレートを使用して、標的として試験されるサンプル全体の平均に基づいて、計算する。次いで、各個々の被験体のROIについて得られるベクトル変換を、当てはめ係数マップに適用する。
【1451】
群データを、両側分散分析(ANOVA)を使用して、試行の型および群を固定因子として用い、そして被験体を群内に入れ子にされたランダム因子として用いて、分析する。p<0.07の自由(liberal)ピーク閾値を、40ボクセルの空間エクステント閾値と一緒に使用して、全体的なF統計量に対する機能的ROIを規定する。このアプローチは、直接の対ごとの対比を使用するよりむしろ、ボクセル選択の偏りを低下させる。なぜなら、種々の条件の間のあらゆる差が、ボクセルが選択されることを可能にしたからである。次いで、この閾値を解剖学的セグメント化と合わせて、目的の領域の内側のボクセルのみを含むようにする。このことは、そのモデルの因子のいずれによっても変化しないボクセルを除外するように働き、特に、タスクの条件または群と共にいくらかの変化を示すボクセルに、分析を制限する。各機能的ROI内のボクセルを、さらなる分析のために収縮させる。
【1452】
訪問1および訪問2におけるfMRI走査中の認知試験
被験体の内側側頭葉の活性を、機能的MRIによって、被験体が明示的三肢強制選択法(この方法において、参加者は、新しい刺激、繰り返される刺激、および類似の(「おとり」)刺激を見る)に参加している間に測定する。Matlab 7.0(The MathWorks,Natick,MA)のPsychophysics Toolbox拡大を、刺激の提示および挙動データ収集のために使用する。刺激は、一般的な物体のカラー写真である。各参加者は、機能的画像化セッション中に一連の試験実行を受け、各実行は、3つの型の画像対(類似の対、同一の対および無関係の箔)の混合物からなる。これらの画像対は、この実行の間中、完全に無作為化され、そして一連の画像として個々に提示される(
図10Aを参照のこと)。参加者は、見える各物体が新しいか、古いか、または類似であるかについて判断を行うように指示される。重大な興味があるものは、類似の物体の第二の対(「おとり」;
図10Bを参照のこと)を提示される場合の参加者の応答である。おとり刺激が「類似である」との被験体による正しい識別は、パターン分離(すなわち、類似の経験の、異なる重ならない提示への分離)の挙動的証拠を与える。しかし、おとり刺激の「古い」または「新しい」との間違った識別は、パターン分離の失敗を示す。おとり刺激の「古い」との識別は、その被験体が、おとり刺激と先に示されたパートナー画像との間の類似点に注目することを示す。おとり刺激の「新しい」との識別は、被験体が先に示されたパートナー画像を完全に思い出し損なったことを示す。各実行はまた、多数のベースライン試行を含み、これらのベースライン試行は、内側側頭葉におけるベースライン活性のより安定しない推定およびより安定した推定を提供することが公知である、難しい知覚弁別タスクを使用する(StarkおよびSquire,2001 PNAS;Lawら,2005)。
【1453】
認知試験中の内側側頭葉の種々の部分領域の活性レベル(fMRIにより測定される)の調査は、aMCI被験体が、記憶タスクの実施中に、年齢を適合させたコントロール被験体と比較して、過剰活動のDG/CA3領域および過少活動の内側嗅皮質を有することを示す。
【1454】
本発明者らは、首尾よい記憶判断中のDG/CA3の活性レベルを、コントロール被験体およびaMCI被験体において評価する。平均活性(mean activity)を、被験体により「類似である」と正しく識別されたおとり刺激の提示中に、fMRIにより測定される平均活性(average activity)から計算する。これは、ベースライン活性に対して較正される。
図22Aおよび22Bは、62.5mg BIDコホート(N=20)と250mg BIDコホート(N=17)との両方のaMCI患者が、これらの判断を行う際に、DG/CA3過剰活動を示すことを示す(それぞれp=0.0041およびp=0.0466)。レベチラセタムでの処置は、250mg BIDコホートにおいても62.5mg BIDコホートにおいても、aMCI被験体におけるDG/CA3過剰活動を有意に低下させない。
【1455】
レベチラセタム処置による記憶判断中のDG/CA3活性のレベルは、認知タスクにおけるaMCI被験体の性能において見られる変化に反映される。プラシーボ処置を用いると、aMCI患者は、コントロール患者よりも性能が悪くなり、62.5mg BIDコホートと250mg BIDコホートとの両方において、おとり物品を「類似である」と正しく識別する頻度が低くなり、そしてこれらを「古い」と誤って識別する頻度が高くなる。
図19Aおよび23Bを参照のこと。しかし、aMCI被験体の性能は、62.5mg BIDのレベチラセタム処置により有意に改善する。
図20Aを参照のこと。薬物処置により、より正しい「類似である」との識別と、さほど正しくない「古い」との識別との相互作用は、この記憶タスクの性能に有意な改善をもたらす(p=0.041)。aMCI被験体の性能は、250mg BIDのレベチラセタム処置では有意に改善されない(p=0.2396)。
図20Bを参照のこと。
【1456】
実施例4:高齢機能障害ラットにおけるブリバラセタムおよびセレトラセタムの効果
被験体
8〜9月齢の高齢の雄性Long−Evansラットを、Charles River Laboratories (Raleigh,NC)から入手し、そしてJohns Hopkins Universityの動物飼育場に、24〜26月齢になるまで収容した。同じ供給源から得た幼若ラットを、同じ動物飼育場に収容し、そして6月齢で試験した。全てのラットを25℃で個々に収容し、そして12時間の明/暗サイクルに維持した。他に記載されない限り、食物および水を自由に与えた。これらのラットを、この実験の間中、健康状態および病原体のない状態について試験し、そして屠殺の時点で検死した。この調査における全ての手順は、国立衛生研究所の指令に従って、所内動物実験委員会により認可されている。
【1457】
認知状態のバックグラウンドの特徴付け
実験処置を用いる研究の前に、全てのラットを空間認識の標準化評価でスクリーニングした。このバックグラウンド評価は、充分に確立されたモリス水迷路プロトコルを使用した。このMWMプロトコルは、実施例1に記載されるものと実質的に同じであった。Gallagherら,Behav.Neurosci.107:618−626,(1993)もまた参照のこと。手短には、ラットを8日間(1日あたり3回の試行)、カモフラージュした回避プラットフォーム(これは、水迷路での訓練中常に同じ位置にあった)の位置を見つけるように訓練した。6回毎の施行は、プローブ試行(回避プラットフォームなしで自由に泳ぐ)からなり、これは、回避プラットフォームの部分的に位置を見つける検索の発達を評価する役に立った。これらのプローブ試行中に、学習指数を、回避プラットフォームへのラットの接近から生成し、そして高齢ラットにおける欠陥を規定するために使用した。この学習指数は、プローブ試行中に得られた重み付けした接近スコアの合計であり、低いスコアは、回避プラットフォームの近くの検索を反映し、そして高いスコアは、プラットフォームから離れた位置の検索を反映する(Gallagherら,1993)。手掛かり訓練(目に見える回避プラットフォーム)を、訓練の最終日に行い、空間学習とは無関係な感覚運動および動機付け因子を試験した。損なわれた空間記憶能力を有する(すなわち、幼若の「規範的」範囲外の学習指数スコアを有する高齢ラット)が、首尾よい手掛かり訓練性能を有する高齢ラットを、高齢機能障害ラット(すなわち、AIラット)と特徴付けた。これらのAIラットを、以下に記載されるような試験のために使用した。
【1458】
処置
放射状アーム迷路実験は、試験セッションの30分〜40分前の、セレトラセタム(0mg/kg〜4mg/kg)、ブリバラセタム(0mg/kg〜4mg/kg)、または生理食塩水ビヒクルの、腹腔内注射(1ml/kgの体積で)により与えられる急性投与を使用した。慢性処置実験において、記憶欠陥の高齢ラットに、浸透圧ミニポンプ(ALZET,Durect Corporation,Cupertino,CA)を肩甲骨内領域に皮下移植し、ブリバラセタム(2mg/kg/日)または生理食塩水ビヒクルを、水迷路での評価の2週間前に開始した。
【1459】
放射状アーム迷路における挙動評価
放射状アーム迷路(RAM)タスクを使用して、セレトラセタムおよびブリバラセタムでの急性薬物処置の効果を評価した。このプロトコルは、異なる用量の薬物にわたる、被験体内評価を可能にした。放射状迷路は、八角形の中心プラットフォームの各辺から突出する8つのアームからなり、各アームの遠位末端に、飼料穴が配置された。Plexiglasブロックが、いずれかのアームに入ることを防止するように配置され得た。迷路外の手掛かりが、この迷路を囲む室内に提供され、そして頭上の照明によって、照射が提供された。
【1460】
Chappellら.Neuropharmacology 37:481−487,(1998)に詳細に記載されるような予備訓練は、馴化、標準的なwin−shift訓練、および情報段階と記憶試験段階との間に遅延を伴うwin−shift訓練からなった。薬物処置を、予備訓練の完了の2日後に開始した。各試験の開始時に、3つのアームをブロックした(情報段階)。ブロックされたアームの同一性および構成は、試行ごとに変わった。飼料を剥奪されたラットは、飼料の報酬(Kellogg’s Froot
Loops cereal)を、ブロックされていない5つのアームから回収させられた。次いで、ラットをこの迷路から2時間離し(保持間隔)、この時間の間に、ブロックされたアームの障壁を外して、8つ全てのアームにアクセスできるようにした。次いで、ラットを中心プラットフォーム上に戻し、そして残りの飼料報酬を回収させられた(記憶試験段階)。エラーは、飼料がすでに得られたアームに戻る(四肢を全てそのアームに置く)ことからなった。記憶欠陥の高齢ラット(セレトラセタムについてn=8、ブリバラセタムについてn=9)を、最初に、昇順/降順の一連の薬物用量で試験した。従って、各用量を2回ずつ試験し、各決定間に1日のウォッシュアウト日を用いた。2時間の遅延後の保持期間中になされたエラーの数を使用して、記憶能力を評価した。
図15および
図16を参照のこと。一連の異なる用量のブリバラセタムを試験した:0.0625mg/kg、0.125mg/kg、0.25mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kgおよび4mg/kg。一連の異なる用量のセレトラセタムを試験した:0.0625mg/kg、0.125mg/kg、0.25mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kgおよび4mg/kg。
図15に示されるように、ブリバラセタムは、試験した範囲内で、用量の関数として、有意な効果を有する(被験体内定数F(1,8)=6.046についての反復測定ANOVA、p=0.039)。
図16に示されるように、セレトラセタムもまた、試験した範囲内で、用量の関数として、有意な効果を有する(被験体内定数F(1,7)=12.577についての反復測定ANOVA、p=0.009)。
【1461】
水迷路における挙動評価
ラットを、新規水迷路環境で訓練および試験して、薬物処置の効果を評価した。ここで使用した水迷路を、異なる建物に収容し、そして認知状態の最初の評価のために使用した迷路と比較して新規なセットのパターンで、カーテンにより囲んだ。訓練プロトコルは、沈めた回避プラットフォームの位置を探すための、1日6回2日間の試行からなった。各試行に関して、ラットを、プール周囲の4つの等間隔の出発点の1つから迷路に放った。出発点は試行毎に変更した。ラットが任意の試行において60秒以内に回避プラットフォームを見つけなかった場合、実験者はラットをプラットフォームに先導して置き、そこで20秒間保持した。次いで、ラットをこのプラットフォームから離し、そしてさらに40秒間保持ケージに入れ、その後、次の試行を行った。最後の訓練思考の約24時間後、回避プラットフォームの非存在下でのプローブ試験を行って、空間記憶を評価した。水迷路タスクにおける挙動評価の結果を
図17Aおよび
図17Bに示した。ブリバラセタムで2mg/kg/日で処置されたラットは、他のコントロール四分円と比較して、標的四分円に対する有意な空間的偏りを示した(t(2)=10.000,p=0.010)が、ビヒクルで処置されたラットは示さなかった(t(2)=1.964,p=0.188)。さらに、ブリバラセタムで処置したラット(2mg/kg/日)は、ビヒクルで処置したラットよりも有意により長い時間を、標的四分円内で過ごした。t(4)=3.881,p=0.018。ブリバラセタムで処置したラット(2mg/kg/日)は、ビヒクルで処置したラットよりも有意に長い時間を、標的環(回避プラットフォームの位置を囲む領域)内で過ごした。t(4)=3.109,p=0.036。
【1462】
実施例5:高齢機能障害ラットにおけるレベチラセタムでの慢性処置
被験体
8〜9月齢の高齢の雄性Long−Evansラットを、Charles River Laboratories (Raleigh,NC)から入手し、そしてJohns Hopkins Universityの動物飼育場に、24〜26月齢になるまで収容した。同じ供給源から得た幼若ラットを、同じ動物飼育場に収容し、そして6月齢で試験した。全てのラットを25℃で個々に収容し、そして12時間の明/暗サイクルに維持した。他に記載されない限り、食物および水を自由に与えた。これらのラットを、この実験の間中、健康状態および病原体のない状態について試験し、そして屠殺の時点で検死した。この調査における全ての手順は、国立衛生研究所の指令に従って、所内動物実験委員会により認可されている。
【1463】
バックグラウンド挙動の特徴付け
実験処置を用いる研究の前に、全てのラットを空間認識の標準化評価でスクリーニングした。このバックグラウンド評価は、Gallagherら,1993に記載されるような、充分に確立されたモリス水迷路プロトコルを使用した。手短には、ラットを8日間(1日あたり3回の試行)、カモフラージュした回避プラットフォーム(これは、水迷路での訓練中常に同じ位置にある)の位置を見つけるように訓練した。6回毎の施行は、プローブ試行(回避プラットフォームなしで自由に泳ぐ)からなり、これは、回避プラットフォームの部分的に位置を見つける検索の発達を評価する役に立った。これらのプローブ試行中に、学習指数を、回避プラットフォームへのラットの接近から生成し、そして高齢ラットにおける欠陥を規定するために使用した。この学習指数は、プローブ試行中に得られた重み付けした接近スコアの合計であり、低いスコアは、回避プラットフォームの近くの検索を反映し、そして高いスコアは、プラットフォームから離れた位置の検索を反映した(Gallagherら,1993)。手掛かり訓練(目に見える回避プラットフォーム)を、訓練の最終日に行い、空間学習とは無関係な感覚運動および動機付け因子を試験した。損なわれた空間記憶能力を有する(すなわち、幼若の「規範的」範囲外の学習指数スコアを有する高齢ラット)が、首尾よい手掛かり訓練性能を有する高齢ラットを、以下に記載されるような試験のために使用した。
【1464】
外科手術および処置
イソフルラン麻酔下で、記憶欠陥の高齢ラットに、浸透圧ミニポンプ(ALZET,Durect Corporation,Cupertino,CA)を肩甲骨内領域に皮下移植し、レベチラセタム(10mg/kg/日)または生理食塩水ビヒクルを、潅流前の4週間用いた。幼若ラット(コントロールとして働く)に、生理食塩水ビヒクルを、ミニポンプで、または移植物なしでのいずれかで与えた。
【1465】
潅流および組織調製
4週間の処置期間の終了時に、ラットをイソフルランで麻酔し、そして0.1Mのリン酸緩衝化生理食塩水、その後、リン酸緩液中4%のパラホルムアルデヒドで、心臓を通して(transcardiacally)潅流した。脳を取り出し、そしてパラホルムアルデヒドで一晩後固定した。次いで、これらの脳を、16%のスクロースを含むリン酸緩衝液中4%のパラホルムアルデヒドに入れた。次いで、これらの脳を、凍結ミクロトームを用いて、前頭面で40μmで切片にし、そしてインサイチュハイブリダイゼーションのために4%のパラホルムアルデヒド中4℃で、または免疫組織化学のために−20℃でのいずれかで、貯蔵した。
【1466】
プローブ合成
プローブテンプレートを、Habermanら.(2008)に記載されるように合成した。リーリンについての初期プライマー配列は、以下のとおりであった:左agtactcagacgtgcagtgg、右ctcatgaagcaaagtccaa;PCR産物を、制限エンドヌクレアーゼ消化により確認した。初期PCR産物を、T7またはSP6 RNAポリメラーゼ結合部位の付加により改変した同じPCRプライマーを用いて、さらに増幅した。T7およびSP6伸長を含むPCR産物を、SVゲルおよびPCRクリーンアップキット(Promega)により精製した。次いで、35S−UTP標識したリボプローブを、Maxiscriptキット(Ambion)を使用して生成した。次いで、このプローブをフェノール/クロロホルムで抽出し、そしてエタノール中−80°Cで沈殿させた。最終プローブをRNaseを含まない水に再懸濁させ、そしてその比活性をシンチレーションカウンターにより決定した。
【1467】
インサイチュハイブリダイゼーション
インサイチュハイブリダイゼーションを、Habermanら,(2008)に記載されるように行った。自由に浮動する組織切片を、0.1Mのリン酸緩衝液中0.75%のグリシンで2回洗浄し、その後、リン酸緩衝液中で1回洗浄した。その後、切片を、1.0μg/mlのプロテイナーゼKを含むプロテイナーゼK緩衝液中37℃で30分間反応させた。次いで、切片を、無水酢酸溶液(11.3%のトリエタノールアミン、0.25%の無水酢酸、0.04Mの酢酸)で室温で10分間処理した。その後、2×塩化ナトリウム/クエン酸緩衝液(SSC緩衝液;20倍濃度、3MのNaCl、0.3Mのクエン酸ナトリウム)中で15分間の洗浄を2回行った。次に、切片を、20%のホルムアミド、0.4×Denhardt溶液、4%の硫酸デキストラン、および1.6×SSC(0.25mg/mlのtRNA、0.33mg/mlの剪断サケ精子DNA、100mMのDTT、および1×107cpm/mlの35S−UTP標識プローブを補充した)を含むハイブリダイゼーションバッファに移し、60℃で一晩反応させた。翌日、切片を、4×SSC/0.01M DTTおよび2×SSC/50%ホルムアミド中60℃で洗浄した。次いで、これらをRNase(20μg/ml)と一緒に37℃で30分間インキュベートした。切片を、次第に低下する濃度のSSCで洗浄し、その後、スライドに載せる。スライドを一晩乾燥させ、ホスホイメージャー(phosphoimager)スクリーンに曝露し、そしてImageQuant(GE Healthcare)を使用することにより定量した。内側皮質切片のデジタル画像を、全ての動物について同じレベルから獲得し、そして目的の部分領域の輪郭を描いて定量した。切片を平均して、各動物について1つのスコアを得た。
【1468】
免疫組織化学
組織を、抗SOM抗血清(Santa Cruz Biotechnology;カタログ番号SC7819−P)で、確立された免疫ペルオキシダーゼプロトコルを使用して標識し、そして組織切片を同時に処理して、反復間変動を最小にした(Habermanら,2009)。抗SOM抗血清は、ソマトスタチンを検出し得る。手短には、切片を0.1Mのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中で洗浄して凍結保護物質を除去し、そして内因性ペルオキシダーゼを、PBS中0.3%のH202中でクエンチした。さらなるPBS洗浄後、切片を0.3%のTritonを含むPBS中5%の正常ウマ血清でブロックした。次いで、切片を、0.15%のTritonおよび3%の正常血清を含むPBS中1:1600の希釈の一次抗体と一緒に、4℃で72時間、撹拌しながらインキュベートした。一次抗体インキュベーション後、切片をPBS中で洗浄し、そして0.15%のTritonおよび5%の正常ウマ血清を含むPBS中に希釈したウマ抗ヤギIgGビオチン化二次抗体(Vector Laboratories Inc.,Burlingame,CA)と45分間反応させた。この二次抗体をアビジン−ビオチン複合体(ABC Elite;Vector Laboratories Inc.,Burlingame,CA)で検出し、そしてこのアビジン−ビオチン複合体を、ニッケル増強ジアミノベンザジン(Vector Laboratories Inc.,Burlingame,CA)で可視化した。組織切片をコーティングしたスライドに載せて乾燥させ、次第に上昇する濃度のエタノールで脱水し、キシレンで清澄化し、そしてDPX設置培地を用いてカバーガラスを付けた。
【1469】
介在ニューロンの定量を、可動ステージを備えるZeiss Axioplan 2顕微鏡を使用して行った。全ての分析を、動物の年齢および認知状態に関して盲検で行った。鋸歯状門領域を、Paxinos and Watson rat brain atlas(1998)を使用して規定した。背側門ニューロンの計数を、1匹の動物あたり4つの適合組織切片から両側で、40倍の対物レンズ(Bregma −3.80mmから−4.16mm)を用いて導出した。ニューロン計数を、各ラットについて、1つの海馬切片あたり門介在ニューロンの総数として分析した。
【1470】
結果
ソマトスタチンは、内分泌系を調節し、そしてGタンパク共役ソマトスタチンレセプターとの相互作用および多数の二次ホルモンの放出の阻害を介して神経伝達および細胞増殖に影響を与える、ペプチドホルモンである。脳内のソマトスタチンレベルは、加齢およびアルツハイマー病の進行に関連して、10%〜20%程度まで低く低下することが示されている。高齢機能障害ラットにおける、10mg/kg/日の用量のレベチラセタムでの4週間の処置は、DG門におけるソマトスタチンのレベルを回復させる。
図21を参照のこと。薬物ではなく生理食塩水ビヒクルを投与された高齢機能障害ラットは、幼若ラットとレベチラセタムで処置された高齢ラットとの両方に対して、有意により低い数のSOM−免疫反応性門ニューロンを有した(N=18;F2,20=15.739,p<0.001;AI−LEV対Y,p=0.679;AI−LEV対AI−VEH,p<0.01;AI−VEH対Y,p<0.001)。
【1471】
リーリンは、分泌される大きな細胞外マトリックス糖タンパク質であり、細胞間相互作用を制御することによって、発達中の脳内で、ニューロンの移動および位置決定の調節プロセスを補助する。EC2ニューロンにおける低下したリーリン発現は、記憶を喪失した高齢ラット、hAPPJ20 ADマウス、およびヒトAD脳において観察されている(Chinら.2007;Stranahanら.2010)。高齢機能障害ラットにおける、10mg/kg/日の用量のレベチラセタムでの4週間の処置は、内側嗅皮質(EC2)内のリーリンのレベルを回復させる。
図22を参照のこと。片側ANOVAは、群間で有意な差異を示す。F(2,20)=5.035,p=0.017。さらなる分析は、ビヒクルコントロールで処置されたAIラット(AI−VEH)の側方内側嗅皮質におけるリーリンmRNA発現が、幼若ラットよりも有意に低いことを示す。t(13)=2.790,p=0.015。AIラットにおける、10mg/kg/日の用量で28日間のレベチラセタムでの処置(AI−LEV)は、リーリンの発現を有意に増大させた。t(13)=2.386,p=0.033(AI−VEHと比較して)。
【1472】
実施例6:レベチラセタムの血漿中レベルの評価
ヒト:実施例3および4に記載されるヒト研究において、被験体のレベチラセタム血漿中レベルを各訪問時に評価した。被験体の血液を、Johns Hopkins Phlebotomy Serviceにより採取し、そしてレベチラセタム血漿中レベルの分析を、Johns Hopkins Core研究室またはMedTox Laboratories,St.Paul,MNのいずれかによって、62.5mg BIDコホート、125mg BIDコホートおよび250mg BIDコホートについて行った。レベチラセタム処置が完了したら、62.5mg BIDコホートの被験体は、2.88mcg/ml(SEM±0.288)の平均レベチラセタム血漿中レベルを示し、一方で、125mg BIDにおけるレベルは、4.4mcg/ml(SEM±0.53)を有し、そして250mg BIDコホートにおける被験体は、7.9mcg/ml(SEM±0.92)の平均レベチラセタム血漿中レベルを示した。
図23A〜
図23cを参照のこと。
【1473】
ラット:血液を、高齢機能障害ラットから、28日間のレベチラセタム処置期間後の潅流中に、心臓穿刺により採取し、そしてMedTox Laboratories,St.Paul,MNによるレベチラセタム血漿中レベルの分析のために送った。10mg/kg/日のレベチラセタムで処置された高齢機能障害ラットは、3.8mcg/ml(SEM±0.255)の平均レベチラセタム血漿中レベルを示し、一方で、60mg/kg/日で処置されたラットは、22.4mcg/ml(SEM±3.371)の平均レベチラセタム血漿中レベルを示した。